JP6140482B2 - 化合物、該化合物の製造方法および該化合物を重合して得られる高分子化合物、並びに該高分子化合物を含む有機薄膜および有機半導体素子 - Google Patents

化合物、該化合物の製造方法および該化合物を重合して得られる高分子化合物、並びに該高分子化合物を含む有機薄膜および有機半導体素子 Download PDF

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Description

本発明は、特定の構造を有する化合物、該化合物の製造方法および該化合物を重合して得られる高分子化合物、並びに該高分子化合物を含む有機薄膜および有機半導体素子に関する。
2つの複素環が架橋された化合物は、架橋により平面性が固定されπ共役が広がること、および、架橋部位に可溶性置換基を導入できることから、塗布法による薄膜形成が可能な高分子化合物の製造に利用され、該高分子化合物は、有機トランジスタ材料や有機太陽電池材料として有用であることが知られている(特許文献1、非特許文献1、非特許文献2)。
特表2009−506519号公報
Macromolecular Chemistry and Physics 2011,212,428−443. Journal of Polymer Science: Part A: Polymer Chemistry, 2009,47,2073−2092.
しかしながら、上記の高分子化合物を用いた有機トランジスタの電界効果移動度や有機太陽電池の光電変換効率は十分なものとは言えなかった。
そこで本発明は、電界効果移動度に優れる有機トランジスタの製造に有用な高分子化合物の原料となる新規な化合物を提供することを目的とする。本発明はまた、光電変換効率に優れる有機太陽電池の製造に有用な高分子化合物の原料となる新規な化合物を提供することを目的とする。本発明はさらに、該化合物の製造方法、該化合物を用いて製造される高分子化合物、該高分子化合物を含む有機薄膜、有機半導体素子(特に、有機トランジスタおよび有機太陽電池)を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討した結果、以下の本発明に至った。
[1]式(1)で表される化合物。
Figure 0006140482
(式中、
およびRは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基または炭素原子数2〜30の1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
およびZは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ホウ酸エステル残基、ホウ酸残基(−B(OH)で表される基を意味する。)または有機スズ残基を表す。
環Aおよび環Bは、それぞれ独立に、複素環を表し、該複素環は置換基を有していてもよい。)
[2] 前記環Aおよび環Bが、同一である、[1]に記載の化合物。
[3] 前記式(1)で表される化合物が、式(2)で表される化合物である、[1]または[2]に記載の化合物。
Figure 0006140482
(式中、
、R、ZおよびZは、前記と同じ意味を表す。
Xは、酸素原子、硫黄原子またはセレン原子を表す。2個存在するXは、同一でも異なっていてもよい。
Yは、窒素原子または−CR=を表す。2個存在するYは、同一でも異なっていてもよい。Rは、水素原子、フッ素原子、炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数2〜30の1価の複素環基または炭素原子数1〜30のアルコキシ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Rが2個存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
[4] 前記Yが、−CH=である、[3]に記載の化合物。
[5] 前記Xが、硫黄原子である、[3]または[4]に記載の化合物。
[6] 前記RとRが、同一である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の化合物。
[7] 前記RとRが、炭素原子数1〜30のアルキル基である、[6]に記載の化合物。
[8] 前記ZとZが、同一である、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の化合物。
[9] 前記ZとZが、水素原子である、[8]に記載の化合物。
[10] 式(3)で表される化合物と、式(4)で表される化合物および式(5)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、を反応させる第一工程と、
Figure 0006140482
(式中、
環Aおよび環Bは、それぞれ独立に、複素環を表し、該複素環は置換基を有していてもよい。)

−Mtl (4)
(式中、
は、炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、または炭素原子数2〜30の1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Mtlは、リチウム原子またはマグネシウムハライドを表す。)

−Mtl (5)
(式中、
は、炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数2〜30の1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Mtlは、前記と同じ意味を表す。)
第一工程で得られた化合物を酸の存在下にて反応させる第二工程と、
を含む、[9]に記載の化合物の製造方法。
[11] 式(A)で表される化合物。

−W−Ar−W−Z (A)
(式中、ZおよびZは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ホウ酸エステル残基、ホウ酸残基(−B(OH)で表される基を意味する。)または有機スズ残基を表す。Arは、アリーレン基または2価の複素環基を表す。Wは、式(A−1)で表される基または式(A−2)で表される基を表す。Wは、式(A−3)で表される基または式(A−4)で表される基を表す。)
Figure 0006140482
(式(A−1)〜式(A−4)中、R’、R、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基または炭素原子数2〜30の1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。環C、環D、環E、および環Fは、それぞれ独立に、複素環を表し、該複素環は置換基を有していてもよい。)
[12] 式(7)で表される化合物、式(8)で表される化合物、または式(9)で表される化合物である[11]に記載の化合物。
Figure 0006140482
(式(7)〜式(9)中、R’、R、R、R、Z、Z、Ar、環C、環D、環E、および環Fは、前記と同じ意味を表す。)
[13] 式(10)で表される化合物、式(11)で表される化合物、または式(12)で表される化合物である[12]に記載の化合物。
Figure 0006140482
(式(10)〜式(12)中、R’、R、R、R、Z、およびZは、前記と同じ意味を表す。R、R、R、R10、R11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基または炭素原子数2〜30の1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。)
[14] [1]〜[9]、および[11]〜[13]のいずれか一項に記載の化合物を、単独重合または共重合して得られる高分子化合物。
[15] [14]に記載の高分子化合物を含む、有機薄膜。
[16] 第1の電極と第2の電極とを有し、
該第1の電極と該第2の電極との間に活性層を有し、該活性層に[14]に記載の高分子化合物を含む、有機半導体素子。
[17] 光電変換素子である、[16]に記載の有機半導体素子。
[18] 有機トランジスタである、[16]に記載の有機半導体素子。
本発明によれば、電界効果移動度に優れる有機トランジスタの製造に有用な高分子化合物の原料となる新規な化合物、および、光電変換効率に優れる有機太陽電池の製造に有用な高分子化合物の原料となる新規な化合物を提供することができる。また、本発明によれば、該化合物の製造方法、該化合物を用いて製造される高分子化合物、該高分子化合物を含む有機薄膜、有機半導体素子(特に、有機トランジスタおよび有機太陽電池)を提供することができる。
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、高いイオン化ポテンシャルを示す高分子化合物を提供することができる。該高分子化合物を用いることで、開放電圧にも優れる有機太陽電池を提供することができるとともに、イオン化ポテンシャルと大気安定性に相関関係があることが一般的に知られているため、大気安定性にも優れる有機半導体素子(特に、有機トランジスタおよび有機太陽電池)が期待される。
本発明の有機トランジスタの一例を示す模式断面図である。 本発明の有機トランジスタの他の例を示す模式断面図である。 本発明の有機トランジスタの他の例を示す模式断面図である。 本発明の有機トランジスタの他の例を示す模式断面図である。 本発明の有機トランジスタの他の例を示す模式断面図である。 本発明の有機トランジスタの他の例を示す模式断面図である。 本発明の有機トランジスタの他の例を示す模式断面図である。 本発明の有機トランジスタの他の例を示す模式断面図である。 本発明の有機トランジスタの他の例を示す模式断面図である。 本発明の光電変換素子の一例を示す模式断面図である。
以下、必要に応じて図面を参照することにより、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
<化合物>
Figure 0006140482
(式中、
およびRは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基または炭素原子数2〜30の1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
およびZは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ホウ酸エステル残基、ホウ酸残基(−B(OH)で表される基を意味する。)または有機スズ残基を表す。
環Aおよび環Bは、それぞれ独立に、複素環を表し、該複素環は置換基を有していてもよい。)
およびRは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基または炭素原子数2〜30の1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。本発明の化合物の合成の容易さの観点から、RおよびRは、同一であることが好ましく、同一であり、かつ、炭素原子数1〜30のアルキル基であることがより好ましい。
およびRが表すアルキル基は、直鎖アルキル基、分岐アルキル基のいずれでもよく、シクロアルキル基であってもよい。アルキル基が有する炭素原子数は、通常1〜30(シクロアルキル基の場合、通常3〜30)であり、1〜20(シクロアルキル基の場合、3〜20)であることが好ましい。なお、上記の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ドデシル基、n−ヘキサデシル基等の直鎖アルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基等の分岐アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。
アルキル基は置換基を有していてもよく、アルキル基が有していてもよい置換基としては、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子等が挙げられる。置換基を有しているアルキル基の具体例としては、メトキシエチル基、ベンジル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロヘキシル基等が挙げられる。
およびRが表すアリール基は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた残りの原子団であり、ベンゼン環を有する基、縮合環を有する基、独立したベンゼン環および縮合環から選ばれる2個以上が直接結合した基を含む。アリール基が有する炭素原子数は、通常6〜30であり、6〜20であることが好ましい。なお、上記の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。
アリール基の具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基、4−フルオレニル基、4−フェニルフェニル基等が挙げられ、フェニル基が好ましい。
アリール基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、1価の複素環基、ハロゲン原子等が挙げられる。これらの基を含むアリール基としては、4−ヘキシルフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、ペンタフルオロフェニル基等が挙げられる。アリール基が置換基を有する場合、置換基としてはアルキル基が好ましい。
およびRが表す1価の複素環基は、置換基を有していてもよい複素環式化合物から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた残りの原子団であり、縮合環を有する基、独立した複素環および縮合環から選ばれる2個以上が直接結合した基を含む。1価の複素環基が有する炭素原子数は、通常2〜30であり、3〜20であることが好ましい。なお、上記の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。
1価の複素環基の具体例としては、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、2−イミダゾリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ベンゾフリル基、2−ベンゾチエニル基、2−チエノチエニル基等が挙げられ、2−チエニル基が好ましい。
1価の複素環基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、ハロゲン原子等が挙げられる。これらの基を含む1価の複素環基としては、5−オクチル−2−チエニル基、5−フェニル−2−フリル基等が挙げられる。1価の複素環基が置換基を有する場合、置換基としてはアルキル基が好ましい。
置換基としてのアルキル基、アリール基および1価の複素環基の定義や例は、RおよびRが表すアルキル基、アリール基および1価の複素環基の定義や例と同じである。
置換基としてのアルコキシ基は、直鎖アルコキシ基、分岐アルコキシ基のいずれでもよく、シクロアルコキシ基であってもよい。アルコキシ基が有する炭素原子数は、通常1〜30(シクロアルコキシ基の場合、通常3〜30)である。
アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基等の直鎖アルコキシ基、イソプロポキシ基、イソブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、2−ブチルオクチルオキシ基、2−ヘキシルデシルオキシ基、2−オクチルドデシルオキシ基等の分岐アルコキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等のシクロアルコキシ基が挙げられる。
置換基としてのアルキルチオ基は、直鎖アルキルチオ基、分岐アルキルチオ基のいずれでもよく、シクロアルキルチオ基であってもよい。アルキルチオ基が有する炭素原子数は、通常1〜30(シクロアルキルチオ基の場合、通常3〜30)である。
アルキルチオ基の具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、n−ヘプチルチオ基、n−オクチルチオ基、n−ドデシルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等の直鎖アルキルチオ基、イソプロピルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、2−ブチルオクチルチオ基、2−ヘキシルデシルチオ基、2−オクチルドデシルチオ基等の分岐アルキルチオ基、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等のシクロアルキルチオ基が挙げられる。
置換基としてのハロゲン原子としては、ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子およびフッ素原子が挙げられ、好ましくはフッ素原子である。
およびZは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ホウ酸エステル残基、ホウ酸残基(−B(OH)で表される基を意味する。)または有機スズ残基を表す。本発明の化合物の合成の容易さの観点から、ZおよびZは、同一であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
およびZが表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。
およびZが表すホウ酸エステル残基としては、下記式:
Figure 0006140482
(式中、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表す。)
で表される基等が挙げられる。
およびZが表す有機スズ残基としては、-SnR100 で表される基等が挙げられる。ここで、R100は1価の有機基を表す。1価の有機基としては、アルキル基およびアリール基が挙げられる。
1価の有機基としてのアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル墓、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、2一メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル墓、オクタデシル基、エイコシル基等の鎖状アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。
1価の有機基としてのアリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
有機スズ残基としては、好ましくは-SnMe、-SnEt、-SnBuまたは-SnPhであり、より好ましくは-SnMe、-SnEtまたは-SnBuである。
なお、Meはメチル基を、Etはエチル基を、Buはブチル基を、Phはフェニル基を表す。
環Aおよび環Bは、それぞれ独立に、複素環を表し、該複素環は置換基を有していてもよい。複素環の炭素原子数は、好ましくは2〜30であり、より好ましくは2〜14であり、さらに好ましくは3〜8である。なお、上記の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。
環Aおよび環Bは、本発明の化合物の合成の容易さの観点から、同一であることが好ましく、本発明の化合物を重合して得られる高分子化合物のπ共役がより広がる観点から、5〜6員環であることが好ましく、5員環であることがより好ましい。
式(1)で表される化合物は、式(2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0006140482
(式中、
、R、ZおよびZは、前記と同じ意味を表す。
Xは、酸素原子、硫黄原子またはセレン原子を表す。2個存在するXは、同一でも異なっていてもよい。
Yは、窒素原子または−CR=を表す。2個存在するYは、同一でも異なっていてもよい。Rは、水素原子、フッ素原子、炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数2〜30の1価の複素環基または炭素原子数1〜30のアルコキシ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Rが2個存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
Xは、本発明の化合物の合成の容易さの観点からは、酸素原子および硫黄原子が好ましく、硫黄原子がより好ましい。
Yは、本発明の化合物の合成の容易さの観点からは、−CR=が好ましく、−CH=がより好ましい。
は、水素原子、フッ素原子、炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数2〜30の1価の複素環基または炭素原子数1〜30のアルコキシ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
で表される炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基および炭素原子数2〜30の1価の複素環基の定義や例は、RおよびRで表される炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基および炭素原子数2〜30の1価の複素環基の定義や例と同じである。
で表される炭素原子数1〜30のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基等の直鎖アルコキシ基、イソプロポキシ基、イソブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、2−ブチルオクチルオキシ基、2−ヘキシルデシルオキシ基、2−オクチルドデシルオキシ基等の分岐アルコキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等のシクロアルコキシ基が挙げられる。
アルコキシ基が有していてもよい置換基としては、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子等が挙げられる。置換基を有しているアルコキシ基の具体例としては、メトキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
は、本発明の化合物の合成の容易さの観点からは、炭素原子数1〜30のアルキル基、フッ素原子または水素原子を表すことが好ましく、水素原子を表すことがより好ましい。
式(1)で表される化合物または式(2)で表される化合物としては、例えば、式(1−1)〜式(1−27)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006140482
Figure 0006140482
式(1−1)〜式(1−27)で表される化合物の中でも、好ましくは、式(1−1)〜式(1−10)で表される化合物であり、より好ましくは、式(1−1)〜式(1−3)で表される化合物であり、更に好ましくは、式(1−1)で表される化合物である。
およびZがハロゲン原子を表す式(1)で表される化合物は、式(1)で表される化合物の一実施態様である式(1')で表される化合物を、ハロゲン原子またはN−ハロスクシンイミドと反応させることにより、製造することができる。
また、ZおよびZがハロゲン原子を表す式(1)で表される化合物を、ジクロロ(ジフェニルホスフィノフェロセン)パラジウム等のパラジウム触媒存在下において、ピナコレートジボラン等のアルコラートジボランと反応させることにより、ZおよびZがホウ酸エステル残基を表す式(1)で表される化合物を製造することができる。
また、ZおよびZがハロゲン原子を表す式(1)で表される化合物を、ジクロロ(ジフェニルホスフィノフェロセン)パラジウム等のパラジウム触媒存在下において、ヘキサメチルジチン、ヘキサブチルジチン等の有機ジスズ化合物と反応させることにより、ZおよびZが有機スズ残基を表す式(1)で表される化合物を製造することができる。
また、式(1')で表される化合物を、ブチルリチウムやリチウムジイソプロピルアミド等のリチウム試薬によりアニオン化した後、有機スズハライドと反応させることにより、ZおよびZが有機スズ残基を表す式(1)で表される化合物を製造することができる。
さらには、上記の有機スズハライドの代わりに、トリアルコキシボランと反応させた後に、酸で加水分解することにより、ZおよびZがホウ酸残基(−B(OH)で表される基を意味する。)を表す式(1)で表される化合物を製造することができる。
Figure 0006140482
(式中、R、R、環Aおよび環Bは、前記と同じ意味を表す。)
<化合物の製造方法>
上記式(1')で表される化合物は、
式(3)で表される化合物と、式(4)で表される化合物および式(5)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、を反応させる第一工程と、
Figure 0006140482
(式中、
環Aおよび環Bは、それぞれ独立に、複素環を表し、該複素環は置換基を有していてもよい。)
−Mtl (4)
(式中、
は、炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数2〜30の1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Mtlは、リチウム原子またはマグネシウムハライドを表す。)
−Mtl (5)
(式中、
は、炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数2〜30の1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Mtlは、前記と同じ意味を表す。)
第一工程で得られた化合物を酸の存在下にて反応させる第二工程と、
を含む方法により製造することができる。
この際、第一工程で製造される式(6)で表される化合物を精製してから、第二工程の酸性条件にて反応させてもよい。
Figure 0006140482
(式中、R、R、環Aおよび環Bは、前記と同じ意味を表す。〕
第一工程に用いられる、式(4)で表される化合物および式(5)で表される化合物におけるMtlとしては、リチウム原子およびマグネシウムハライドが挙げられる。
Mtlがマグネシウムハライドを表す場合、式(4)で表される化合物または式(5)で表される化合物の具体例としては、メチルマグネシウムクロライド、メチルマグネシウムブロマイド、エチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムブロマイド、プロピルマグネシウムクロライド、プロピルマグネシウムブロマイド、ブチルマグネシウムクロライド、ブチルマグネシウムブロマイド、ヘキシルマグネシウムブロマイド、オクチルマグネシウムブロマイド、デシルマグネシウムブロマイド、アリルマグネシウムクロライド、アリルマグネシウムブロマイド、ベンジルマグネシウムクロライド、フェニルマグネシウムブロマイド、ナフチルマグネシウムブロマイド、トリルマグネシウムブロマイド等が挙げられる。
Mtlがリチウム原子を表す場合、式(4)で表される化合物または式(5)で表される化合物の具体例としては、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、ブチルリチウム、フェニルリチウム、ナフチルリチウム、ベンジルリチウム、トリルリチウム等が挙げられる。
第一工程の反応は、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよいし、溶媒の存在下で行ってもよい。反応温度は特に制限されないが、−80℃〜溶媒の沸点の範囲内の温度で行うことが好ましい。
第一工程の反応に用いられる溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンなどの不飽和炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサンなどのエーテル類などが挙げられる。該溶媒は、単一で用いても、混合して用いてもよい。
第一工程の反応後(例えば、水を加えて反応を停止した後)に、生成物を有機溶媒で抽出し、溶媒を留去する等の通常の後処理を行うことで、式(6)で表される化合物を含有する混合物を得ることができる。混合物はクロマトグラフィーによる分取や再結晶により精製してもよい。
次いで、第二工程において、上記の式(6)で表される化合物を含有する混合物を、酸の存在下にて反応させることにより、式(1')で表される化合物を製造することができる。
第二工程の反応に用いられる酸としては、Lewis酸、Bronsted酸のいずれでもよく、具体例としては、塩酸、臭素酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、安息香酸、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、塩化アルミニウム、塩化スズ(IV)、塩化ケイ素(IV)、塩化鉄(III)、四塩化チタン、塩化亜鉛、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸およびこれらの混合物等が挙げられる。
第二工程の反応は、酸のみの存在下で行ってもよいし、酸と溶媒の存在下で行ってもよい。反応温度は特に制限されないが、−80℃〜溶媒の沸点の範囲内の温度で行うことが好ましい。
第二工程の反応に用いられる溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンなどの不飽和炭化水素、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサンなどのハロゲン化飽和炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンなどのハロゲン化不飽和炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−ブチルアルコールなどのアルコール類、蟻酸、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサンなどのエーテル類、塩酸、臭素酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸などの無機酸などが挙げられる。該溶媒は、単一で用いても、混合して用いてもよい。
第二工程の反応後(例えば、水を加えて反応を停止した後)に、生成物を有機溶媒で抽出し、溶媒を留去するなどの通常の後処理を行い、式(1')で表される化合物を製造することができる。必要に応じて、クロマトグラフィーによる分取や再結晶等の精製を更に行ってもよい。
<高分子化合物>
本発明の化合物を重合して得られる本発明の高分子化合物の重量平均分子量は、通常3000以上であるが、3000〜1000000であることが好ましい。重量平均分子量が3000より低いと、有機半導体素子作製時の膜形成に欠陥が生じることがあり、1000000より大きいと、溶媒への溶解性や有機半導体素子作製時の塗布性が低下することがある。本発明の高分子化合物の重量平均分子量は、よりに好ましくは8000〜500000であり、更に好ましくは10000〜300000である。
なお、本発明の高分子化合物における重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用い、ポリスチレンの標準試料を用いて算出したポリスチレン換算の重量平均分子量のことを指す。
また、本発明の高分子化合物は、有機半導体素子に用いられる場合、有機半導体素子作製がより容易になるため、溶媒への溶解度が高いことが望ましい。具体的には、本発明の高分子化合物を0.01重量%(以下、「wt%」ということがある。)以上含む溶液を作製し得る溶解性を有することが好ましく、0.1wt%以上含む溶液を作製し得る溶解性を有することがより好ましく、0.4wt%以上含む溶液を作製し得る溶解性を有することがさらに好ましい。
本発明の高分子化合物は、上記の本発明の化合物を単独重合または共重合して得られる高分子化合物であり、共重合の相手としては、例えば、ビニレン基、エチニレン基、アリーレン基または2価の複素環基に対して、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基、アリールアルキルスルホネート基、ホウ酸残基(−B(OH)で表される基を意味する。)、ホウ酸エステル残基および有機スズ残基から選ばれる基が2つ置換した化合物が挙げられ、これらの置換基は後述の重合方法に合わせて適宜選択される。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。本発明の高分子化合物の合成の容易さの観点からは、臭素原子またはヨウ素原子であることが好ましく、臭素原子であることがより好ましい。
アルキルスルホネート基としては、メタンスルホネート基、エタンスルホネート基、トリフルオロメタンスルホネート基等が挙げられる。
アリールスルホネート基としては、ベンゼンスルホネート基、p−トルエンスルホネート基等が挙げられる。
アリールアルキルスルホネート基としては、ベンジルスルホネート基等が挙げられる。
ホウ酸エステル残基としては、下記式:
Figure 0006140482
(式中、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表す。)
で表される基等が例示される。
有機スズ残基としては、-SnR100 で表される基等が挙げられる。ここでR100は1価の有機基を表す。1価の有機基としては、アルキル基およびアリール基が挙げられる。
1価の有機基としてのアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル墓、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、2一メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル墓、オクタデシル基、エイコシル基等の鎖状アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。
1価の有機基としてのアリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
有機スズ残基としては、好ましくは-SnMe、-SnEt、-SnBuまたは-SnPhであり、より好ましくは-SnMe、-SnEtまたは-SnBuである。
なお、Meはメチル基を、Etはエチル基を、Buはブチル基を、Phはフェニル基を表す。
本発明の高分子化合物が含み得るアリーレン基とは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた残りの原子団であり、ベンゼン環をもつもの、縮合環をもつもの、独立したベンゼン環または縮合環2個以上が直接結合してものまたはビニレン等の基を介して結合したものが含まれる。アリーレン基の環を構成する炭素原子数は通常6〜60であり、好ましくは6〜20である。
アリーレン基の具体例としては、式1〜式12で表されるアリーレン基が挙げられる。
Figure 0006140482
Figure 0006140482
(式中、
Rは、水素原子、炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数2〜30の1価の複素環基または炭素原子数1〜30アルコキシ基を表し、複数存在するRは、同一でも異なっていてもよい。
Rが表す炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基および炭素原子数2〜30の1価の複素環基の定義や例は、RおよびRが表す炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基および炭素原子数2〜30の1価の複素環基の定義や例と同じである。
Rが表す炭素原子数1〜30アルコキシ基の定義や例は、Rで表される炭素原子数1〜30のアルコキシ基の定義や例と同じである。)
本発明の高分子化合物が含み得る2価の複素環基とは、複素環式化合物から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた残りの原子団であり、縮合環を有する基、独立した複素環および縮合環から選ばれる2個以上が直接結合した基が含まれる。ここで、複素環式化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素、ヒ素等のヘテロ原子を環内に含むものをいう。2価の複素環基の環を構成する炭素原子数は通常2〜30であり、好ましくは3〜20である。また、2価の複素環基としては、2価の芳香族複素環基であることが好ましい。
2価の複素環基の具体例としては、式13〜式60で表される2価の複素環基が挙げられ、本発明の高分子化合物のπ共役がより広がる観点から、5員環を有する式25〜式28、式36、式37、式43,式44、式52〜58および式60が好ましい。また、本発明の高分子化合物のπ共役がより広がる観点から、6員環を有する式15および式18が好ましい。5員環を有する2価の複素環基と6員環を有する2価の複素環基のなかでは、5員環を有する2価の複素環基が好ましい。つまり、5員環を有する式25〜式28、式36、式37、式43,式44、式52〜58および式60がより好ましい。
Figure 0006140482
Figure 0006140482
Figure 0006140482
Figure 0006140482
Figure 0006140482
Figure 0006140482
Figure 0006140482
Figure 0006140482
(式中、
Rは前記と同じ意味を表す。
aおよびbは、それぞれ独立に、繰り返し単位数を表し、通常1〜5であり、好ましくは1〜3であり、特に好ましくは1である。)
本発明の高分子化合物が含有する構造単位の例としては、式70〜式84で表される構造単位が挙げられる。
Figure 0006140482
(式中、Rは前記と同じ意味を表す。R’、R、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基または炭素原子数2〜30の1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。)
R’、R、R、およびR6で表される炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基または炭素原子数2〜30の1価の複素環基の定義、具体例は、前述のRで表される炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基または炭素原子数2〜30の1価の複素環基の定義、具体例と同じである。本発明の化合物の合成の容易さの観点から、R’、R、R、およびRは、同一の基を表すことが好ましく、同一の基を表し、かつ、炭素原子数1〜30のアルキル基を表すことがより好ましい。
本発明の高分子化合物は、式70〜式84で表される構造単位を繰り返し単位として有していてもよく、該構造単位の連鎖を有していてもよい。また、アリーレン基又は2価の複素環基を介して該構造単位が結合した2価の有機基を、繰り返し単位として有していてもよく、該2価の有機基の連鎖を有していてもよい。アリーレン基及び2価の複素環基としては、前述の式1〜式60で表される基が挙げられる。
<高分子化合物の製造方法>
本発明の高分子化合物の製造方法としては、特に制限されるものではないが、高分子化合物の合成の容易さからは、Suzukiカップリング反応またはStilleカップリング反応を用いる方法が好ましい。
Suzukiカップリング反応を用いる方法としては、例えば、式(1)で表される化合物または式(2)で表される化合物におけるZおよびZがハロゲン原子を表す場合、式(1)で表される1種類以上の化合物(好ましくは、式(2)で表される1種類以上の化合物)と、式(100)で表される1種類以上の化合物と、必要に応じて式(200)で表される1種類以上の化合物と、をパラジウム触媒および塩基の存在下で反応させる工程を有する製造方法が挙げられる。なお、EおよびEで表される2価の基としては、上記の式1〜式60で表される基が好ましい。
100−E1−Q200 (100)
(式中、
1は、ビニレン基、エチニレン基、アリーレン基または2価の複素環基を表す。
100およびQ200は、それぞれ独立に、ホウ酸残基(−B(OH)2で表される基を意味する。)またはホウ酸エステル残基を表す。)
1−E−T2 (200)
(式中、
2は、アリーレン基または2価の複素環基を表す。
1およびT2は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基またはアリールアルキルスルホネート基を表す。)
式(100)における、Q100およびQ200で表されるホウ酸エステル残基としては、下記式:
Figure 0006140482
(式中、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表す。)
で表される基等が挙げられる。
式(200)における、TおよびTで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。本発明の高分子化合物の合成の容易さの観点からは、臭素原子またはヨウ素原子であることが好ましく、臭素原子であることがより好ましい。
式(200)における、TおよびTで表されるアルキルスルホネート基としては、メタンスルホネート基、エタンスルホネート基およびトリフルオロメタンスルホネート基が挙げられる。
式(200)における、TおよびTで表されるアリールスルホネート基としては、ベンゼンスルホネート基およびp−トルエンスルホネート基が挙げられる。
式(200)における、TおよびTで表されるアリールアルキルスルホネート基としては、ベンジルスルホネート基が挙げられる。
式(1)で表される化合物または式(2)で表される化合物におけるZおよびZがハロゲン原子を表す場合、式(1)で表わされる1種類以上の化合物(好ましくは、式(2)で表される1種類以上の化合物)と式(200)で表される1種類以上の化合物のモル数の合計と、式(100)で表わされる1種類以上の化合物のモル数の合計の比率が、1に近いことが好ましい。具体的には、式(1)で表わされる1種類以上の化合物(好ましくは、式(2)で表される1種類以上の化合物)と式(200)で表される1種類以上の化合物のモル数の合計に対して、式(100)で表わされる1種類以上の化合物のモル数の合計の比率が、0.7〜1.4であることが好ましく、0.8〜1.2であることがさらに好ましい。
一方、式(1)で表される化合物または式(2)で表される化合物におけるZおよびZがホウ酸エステル残基またはホウ酸残基(−B(OH)で表される基を意味する。
)を表す場合、式(1)で表される1種類以上の化合物(好ましくは、式(2)で表される1種類以上の化合物)と、式(200)で表される1種類以上の化合物と、必要に応じて式(100)で表される1種類以上の化合物と、をパラジウム触媒および塩基の存在下で反応させる工程を有する製造方法が挙げられる。なお、EおよびEで表される2価の基としては、上記の式1〜式60で表される基が好ましい。
式(1)で表される化合物または式(2)で表される化合物におけるZおよびZがホウ酸エステル残基またはホウ酸残基(−B(OH)で表される基を意味する。)を表す場合、式(1)で表わされる1種類以上の化合物(好ましくは、式(2)で表される1種類以上の化合物)と式(100)で表される1種類以上の化合物のモル数の合計と、式(200)で表わされる1種類以上の化合物のモル数の合計の比率が、1に近いことが好ましい。具体的には、式(1)で表わされる1種類以上の化合物(好ましくは、式(2)で表される1種類以上の化合物)と式(100)で表される1種類以上の化合物のモル数の合計に対して、式(200)で表わされる1種類以上の化合物のモル数の合計の比率が、0.7〜1.4であることが好ましく、0.8〜1.2であることがさらに好ましい。
Suzukiカップリング反応を具体的に行う方法としては、任意の溶媒中において、触媒としてパラジウム触媒を用い、塩基の存在下で反応させる方法等が挙げられる。
Suzukiカップリング反応に使用するパラジウム触媒としては、例えば、Pd(0)触媒、Pd(II)触媒等が挙げられ、具体的には、パラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、パラジウムアセテート類、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、パラジウムアセテート、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム等が挙げられるが、反応(重合)操作の容易さ、反応(重合)速度の観点からは、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、パラジウムアセテート、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムが好ましい。
パラジウム触媒の添加量は、特に限定されず、触媒としての有効量であればよいが、式(1)で表される1種類以上の化合物(好ましくは、式(2)で表される1種類以上の化合物)のモル数の合計に対して、通常0.0001〜0.5モル%であり、好ましくは0.0003〜0.1モル%である。
Suzukiカップリング反応に使用するパラジウム触媒として、パラジウムアセテート類を用いる場合、トリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリ(o−メトキシフェニル)ホスフィン等のリン化合物を配位子として添加することができる。この場合、配位子の添加量は、パラジウム触媒のモル数の合計に対して、通常0.5〜100モル%であり、好ましくは0.9〜20モル%であり、さらに好ましくは1〜10モル%である。
Suzukiカップリング反応に使用する塩基としては、無機塩基、有機塩基、無機塩等が挙げられる。無機塩基としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化バリウム等が挙げられる。有機塩基としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン等が挙げられる。無機塩としては、例えば、フッ化セシウム等が挙げられる。
塩基の添加量は、式(1)で表される1種類以上の化合物(好ましくは、式(2)で表される1種類以上の化合物)のモル数の合計に対して、通常0.5〜100モル%であり、好ましくは0.9〜20モル%であり、さらに好ましくは1〜10モル%である。
Suzukiカップリング反応は、通常溶媒中で行われる。溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。本発明の高分子化合物の溶媒溶解性の観点からは、トルエンまたはテトラヒドロフランが好ましい。
また、塩基を水溶液として加えることで、2相系で反応させてもよい。塩基として無機塩を用いる場合は、無機塩の溶解性の観点から、通常水溶液として加えて反応させる。なお、塩基を水溶液として加えることで、2相系で反応させる場合は、必要に応じて、第4級アンモニウム塩などの相間移動触媒を加えてもよい。
Suzukiカップリング反応を行う温度は、溶媒にもよるが、通常50〜160℃程度であり、本発明の高分子化合物の高分子量化の観点から、60〜120℃が好ましい。また、溶媒の沸点近くまで昇温し、還流させてもよい。反応時間は、目的の重合度に達したときを終点としてもよいが、通常0.1時間〜200時間程度である。1時間〜30時間程度が効率的で好ましい。
Suzukiカップリング反応は、アルゴンガス、窒素ガス等の不活性雰囲気下において、Pd(0)触媒が失活しない反応系で行うことが好ましい。例えば、アルゴンガスや窒素ガス等で十分脱気された系で行うことが好ましい。
具体的には、重合容器(反応系)内を窒素ガスで十分置換し、脱気した後、この重合容器に、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、式(1)で表される1種類以上の化合物(好ましくは、式(2)で表される1種類以上の化合物)と、式(100)で表される1種類以上の化合物または式(200)で表される1種類以上の化合物と、必要に応じて前記式(200)で表される1種類以上の化合物または式(100)で表される1種類以上の化合物を仕込み、さらに、重合容器を窒素ガスで十分置換し、脱気した後、あらかじめ窒素ガスでバブリングすることにより脱気した溶媒(例えば、トルエン)を加えた後、この溶液に、あらかじめ窒素ガスでバブリングすることにより脱気した塩基(例えば、炭酸ナトリウム水溶液等)を滴下した後、加熱し、保温しながら(例えば、還流温度で8時間、不活性雰囲気を保持しながら)重合することが挙げられる。
Stilleカップリング反応を用いる方法としては、例えば、式(1)で表される化合物または式(2)で表される化合物におけるZおよびZがハロゲン原子を表す場合、式(1)で表される1種類以上の化合物(好ましくは、前記式(2)で表される1種類以上の化合物)と、式(300)で表される1種類以上の化合物と、必要に応じて上記式(200)で表される1種類以上の化合物と、をパラジウム触媒の存在下で反応させる工程を有する製造方法が挙げられる。なお、Eで表される2価の基としては、上記の式1〜式60で表される基が好ましい。
300−E−Q400 (300)
(式中、
は、ビニレン基、エチニレン基、アリーレン基または2価の複素環基を表す。
300およびQ400は、それぞれ独立に、有機スズ残基を表す。)
式(300)における、Q300およびQ400で表される有機スズ残基としては、-SnR100 で表される基等が挙げられる。ここでR100は1価の有機基を表す。1価の有機基としては、アルキル基およびアリール基が挙げられる。
1価の有機基としてのアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル墓、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、2一メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル墓、オクタデシル基、エイコシル基等の鎖状アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。
1価の有機基としてのアリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
有機スズ残基としては、好ましくは-SnMe、-SnEt、-SnBuまたは-SnPhであり、より好ましくは-SnMe、-SnEtまたは-SnBuである。
なお、Meはメチル基を、Etはエチル基を、Buはブチル基を、Phはフェニル基を表す。
式(1)で表される化合物または式(2)で表される化合物におけるZおよびZがハロゲン原子を表す場合、式(1)で表わされる1種類以上の化合物(好ましくは、式(2)で表される1種類以上の化合物)と式(200)で表される1種類以上の化合物のモル数の合計と、式(300)で表わされる1種類以上の化合物のモル数の合計の比率が、1に近いことが好ましい。具体的には、式(1)で表わされる1種類以上の化合物(好ましくは、式(2)で表される1種類以上の化合物)と式(200)で表される1種類以上の化合物のモル数の合計に対して、式(300)で表わされる1種類以上の化合物のモル数の合計の比率が、0.7〜1.4であることが好ましく、0.8〜1.2であることがさらに好ましい。
一方、式(1)で表される化合物または式(2)で表される化合物におけるZおよびZが有機スズ残基を表す場合、式(1)で表される1種類以上の化合物(好ましくは、式(2)で表される1種類以上の化合物)と、式(200)で表される1種類以上の化合物と、必要に応じて式(300)で表される1種類以上の化合物を、をパラジウム触媒の存在下で反応させる工程を有する製造方法が挙げられる。
式(1)で表される化合物または式(2)で表される化合物におけるZおよびZが有機スズ残基を表す場合、式(1)で表わされる1種類以上の化合物(好ましくは、式(2)で表される1種類以上の化合物)と式(300)で表される1種類以上の化合物のモル数の合計と、式(200)で表わされる1種類以上の化合物のモル数の合計の比率が、1に近いことが好ましい。具体的には、式(1)で表わされる1種類以上の化合物(好ましくは、式(2)で表される1種類以上の化合物)と式(300)で表される1種類以上の化合物のモル数の合計に対して、式(200)で表わされる1種類以上の化合物のモル数の合計の比率が、0.7〜1.4であることが好ましく、0.8〜1.2であることがさらに好ましい。
Stilleカップリング反応に使用するパラジウム触媒としては、例えば、Pd(0)触媒、Pd(II)触媒が挙げられる。具体的には、パラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、パラジウムアセテート類、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、パラジウムアセテート、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウムが挙げられ、反応(重合)操作の容易さ、反応(重合)速度の観点からは、パラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムが好ましい。
Stilleカップリング反応に使用するパラジウム触媒の添加量は、特に限定されず、触媒としての有効量であればよいが、式(1)で表される1種類以上の化合物(好ましくは、式(2)で表される1種類以上の化合物)のモル数の合計に対して、通常0.0001〜0.5モル%であり、好ましくは0.0003〜0.2モル%である。
また、Stilleカップリング反応において、必要に応じて配位子や助触媒を用いることもできる。配位子としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリ(o−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2−フリル)ホスフィン等のリン化合物やトリフェニルアルシン、トリフェノキシアルシン等の砒素化合物が挙げられる。助触媒としてはヨウ化銅、臭化銅、塩化銅、2−テノイル酸銅(I)などが挙げられる。
配位子や助触媒を用いる場合、配位子や助触媒の添加量は、パラジウム触媒のモル数の合計に対して、通常0.5〜100モル%であり、好ましくは0.9〜20モル%であり、さらに好ましくは1〜10モル%である。
Stilleカップリング反応は、通常溶媒中で行われる。溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、トルエン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。本発明の高分子化合物の溶媒溶解性の観点からは、トルエンまたはテトラヒドロフランが好ましい。
Stilleカップリング反応を行う温度は、溶媒にもよるが、通常50〜160℃程度であり、本発明の高分子化合物の高分子量化の観点から、60〜120℃が好ましい。また、溶媒の沸点近くまで昇温し、還流させてもよい。
前記反応を行う時間(反応時間)は、目的の重合度に達したときを終点としてもよいが、通常0.1時間〜200時間程度である。1時間〜30時間程度が効率的で好ましい。
Stilleカップリング反応は、アルゴンガス、窒素ガス等の不活性雰囲気下において、Pd触媒が失活しない反応系で行うことが好ましい。例えば、アルゴンガスや窒素ガス等で、十分脱気された系で行うことが好ましい。
具体的には、重合容器(反応系)内を窒素ガスで十分置換し、脱気した後、この重合容器に、パラジウム触媒を仕込み、式(1)で表される1種類以上の化合物(好ましくは、式(2)で表される1種類以上の化合物)、式(300)で表される1種類以上の化合物または式(200)で表される1種類以上の化合物、必要に応じて式(200)で表される1種類以上の化合物または式(300)で表される1種類以上の化合物を仕込み、さらに、重合容器を窒素ガスで十分置換し、脱気した後、あらかじめ窒素ガスでバブリングすることにより脱気した溶媒(例えば、トルエン等)を加えた後、必要に応じて配位子や助触媒を加え、その後、加熱、昇温しながら(例えば、還流温度で8時間、不活性雰囲気を保持しながら)重合することが挙げられる。
式(1)で表される1種類以上の化合物(好ましくは、式(2)で表される1種類以上の化合物)を0価ニッケル化合物の存在下において反応させることにより、本発明の高分子化合物を製造することもできる。0価ニッケル化合物としては、ビス(シクロオクタジエン)ニッケルやテトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル等を用いてもよく、また、亜鉛のような還元性金属とNiCl、NiBrのような2価ニッケル化合物を共存させることで反応系内で0価ニッケル化合物を発生させる方法を用いてもよい。
0価ニッケル化合物の存在下において反応させる場合、用いる溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、トルエン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。反応を行う温度は、溶媒にもよるが、通常50〜160℃程度であり、高分子化合物の高分子量化の観点から、60〜120℃が好ましい。また、溶媒の沸点近くまで昇温し、還流させてもよい。
反応を行う時間(反応時間)は、目的の重合度に達したときを終点としてもよいが、通常、0.1時間〜200時間程度である。1時間〜30時間程度が効率的で好ましい。
式(1)で表される化合物または式(2)で表される化合物におけるZおよびZが水素原子である場合、酸化重合による製造方法も挙げられ、式(1)で表される1種類以上の化合物(好ましくは、式(2)で表される1種類以上の化合物)と、必要に応じ式(400)で表される1種類以上の化合物と、を公知の酸化重合触媒存在下反応させる方法が挙げられる。なお、Eで表されるアリーレン基または2価の複素環基としては、上記の式1〜式60で表される基が好ましい。
酸化重合触媒としては、例えば、金属ハロゲン化物、金属ハロゲン化物とアミン錯体との混合物(金属ハロゲン化物/アミン錯体)等が用いられる。ここで金属ハロゲン化物としては、例えば、銅、鉄、バナジウムまたはクロム等の金属の1価、2価または3価のハロゲン化物を用いることができる。アミン錯体の製造に用いるアミンとしては、例えば、ピリジン、ルチジン、2−メチルイミダゾール、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミンなどのアミンを用いることができる。金属ハロゲン化物/アミン錯体は溶媒中、酸素存在下で金属ハロゲン化物とアミンを混合することによって製造することが可能であり、金属ハロゲン化物とアミンの混合モル比は、通常、金属ハロゲン化物/アミン=1/0.l〜1/200であり、好ましくは1/0.3〜1/100である。
H−E−H (400)
(式中、Eは、アリーレン基または2価の複素環基を表す。〕
酸化重合における触媒としては、塩化鉄を用いることもできる(Polym. Prep. Japan, Vol.48, 309 (1999))。さらに、銅/アミン触媒系(J. Org. Chem.,64, 2264 (1999)、J. Polym. Sci. PartA, Polym. Chem., 37, 3702 (1999))を用いることにより、高分子化合物の分子量を高めることができる。
酸化重合における溶媒としては、触媒が被毒を受けない溶媒であれば特に制限なく使用することができる。溶媒としては、例えば、炭化水素溶媒、エーテル系溶媒、アルコール類が挙げられる。ここで、炭化水素系溶媒としては、例えば、トルエン、ベンゼン、キシレン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、ナフタリン、テトラリンが挙げられる。エーテル系溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジフェニルエーテル、tert−ブチルメチルエーテルが挙げられる。アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2−メトキシエタノールが挙げられる。
酸化重合における反応温度は、通常−100℃〜100℃であり、好ましくは−50〜50℃程度である。
さらには、高分子化合物を製造する場合には、高分子化合物の原料となる化合物(以下、「モノマー」ということがある。)を2種類以上混合して重合する方法や、1種類のモノマーを重合した後に2種目のモノマーを添加する方法などが挙げられる。これらの方法を用いることにより、またはこれらの方法を組み合わせることにより、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、マルチブロック共重合体、グラフト共重合体などを製造することが可能である。
本発明の高分子化合物の末端基は、重合活性基がそのまま残っていると、有機半導体素子の作製に用いたときに、得られる有機半導体素子の特性や寿命が低下する可能性があるので、安定な基で保護されていることが好ましい。本発明の高分子化合物における主鎖のπ共役構造と連続したπ共役結合を有しているものが好ましく、アリール基や1価の複素環基で保護されていることが好ましい。
本発明の高分子化合物は、式(A)で表される化合物を用いて製造することもできる。
−W−Ar−W−Z (A)
(式中、ZおよびZは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ホウ酸エステル残基、ホウ酸残基(−B(OH)で表される基を意味する。)または有機スズ残基を表す。Arは、アリーレン基または2価の複素環基を表す。Wは、式(A−1)で表される基または式(A−2)で表される基を表す。Wは、式(A−3)で表される基または式(A−4)で表される基を表す。)
Figure 0006140482
(式(A−1)〜式(A−4)中、R’、R、RおよびRは、前記と同じ意味を表す。環C、環D、環E、および環Fは、それぞれ独立に、複素環を表し、該複素環は置換基を有していてもよい。)
環C、環D、環E及び環Fの定義、具体例としては前述の環A及環Bの定義、具体例と同じである。
及びZで表されるハロゲン原子、ホウ酸エステル残基、ホウ酸残基(−B(OH)で表される基を意味する。)または有機スズ残基の定義、具体例は、前述のZで表されるハロゲン原子、ホウ酸エステル残基、ホウ酸残基(−B(OH)で表される基を意味する。)または有機スズ残基の定義、具体例と同じである。本発明の化合物の合成の容易さの観点から、Z及びZは、同一の基を表すことが好ましく、水素原子を表すことがより好ましい。
Arで表されるアリーレン基または2価の複素環基の定義、具体例は、前述のアリーレン基または2価の複素環基の定義、具体例と同じである。本発明の化合物の高分子化合物のπ共役が広がる観点から、2価の複素環基が好ましく、5員環を有する式25〜式28、式36、式37、式43,式44、式52〜58および式60がより好ましい。
式(A)で表される化合物としては、例えば、式(7)で表される化合物、式(8)で表される化合物、および式(9)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006140482
〔式(7)〜式(9)中、R’、R、R、R、Z、Z、環C、環D、環E、環F、およびArは、前記と同じ意味を表す。〕
式(7)で表される化合物としては、式(10)で表される化合物が好ましい。
式(8)で表される化合物としては、式(11)で表される化合物が好ましい。
式(9)で表される化合物としては、式(12)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006140482
(式(10)〜式(12)中、R’、R、R、R、Z及びZは前記と同じ意味を表す。R、R、R、R10、R11、R12、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数2〜30の1価の複素環基または炭素原子数1〜30のアルコキシ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。)
、R、R、R10、R11、R12、R13及びR14で表される炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数2〜30の1価の複素環基または炭素原子数1〜30のアルコキシ基の定義、具体例は、前述のRで表される炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数2〜30の1価の複素環基または炭素原子数1〜30のアルコキシ基の定義、具体例と同じである。本発明の化合物の合成の容易さの観点からは、炭素原子数1〜30のアルキル基、フッ素原子を表すことが好ましく、水素原子を表すことがより好ましい。
式(10)で表される化合物、式(11)で表される化合物及び式(12)で表される化合物は、例えば、式(2)で表される化合物であって、Zが臭素原子であり、かつ、Zが水素原子である化合物、もしくは、Zが水素原子であり、かつ、Zが臭素原子である化合物と、式(13)で表される化合物とを前述のStilleカップリング法で反応させることによって得ることが出来る。
Figure 0006140482
(式中、R、R10、R11、およびR12は前記と同じ意味を表す。)
及びZが水素原子である式(10)で表される化合物、式(11)で表される化合物、及び、式(12)で表される化合物は、酸化重合等で高分子量化することも可能である。Z及びZが、同一又は相異なり、ハロゲン原子、ホウ酸エステル残基、ホウ酸残基(−B(OH)で表される基を意味する。)または有機スズ残基式(10)で表される化合物、式(11)で表される化合物、及び、式(12)で表される化合物は、上述のSuzukiカップリングやStilleカップリング反応を用いて高分子量化することができる。
<有機半導体材料>
有機半導体材料は、本発明の高分子化合物の1種類を単独で含むものであってもよく、また2種類以上を含むものであってもよい。また、有機半導体材料は、キャリア輸送性を高めるため、本発明の高分子化合物に加え、キャリア輸送性を有する低分子化合物または高分子化合物を更に含んでいてもよい。有機半導体材料が、本発明の高分子化合物以外の成分を含む場合は、本発明の高分子化合物を30重量%以上含むことが好ましく、50重量%以上含むことがより好ましい。
キャリア輸送性を有する化合物としては、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、オリゴチオフェンおよびその誘導体、オキサジアゾール誘導体、フラーレン類およびその誘導体等の低分子化合物、ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体等が挙げられる。
有機半導体材料は、その特性を向上させるために、本発明の高分子化合物以外の高分子化合物材料を高分子バインダーとして含有していてもよい。高分子バインダーとしては、キャリア輸送性を過度に低下させないものが好ましい。
高分子バインダーの例としては、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)およびその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)およびその誘導体、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサンが挙げられる。
<有機半導体素子>
本発明の高分子化合物は、高い電荷移動度を有することから、本発明の高分子化合物を含む有機薄膜を有機半導体素子に用いた場合、電極から注入された電荷(電子およびホールを意味する。)、或いは、光吸収によって発生した電荷を効率的に輸送することができる。これらの特性を活かして、本発明の高分子化合物は、光電変換素子(特に、有機太陽電池)、有機トランジスタ、有機エレクトロルミネッセンス素子等の種々の有機半導体素子に好適に用いることができる。以下、これらの有機半導体素子について個々に説明する。
(光電変換素子)
本発明の高分子化合物を含む光電変換素子は、少なくとも一方が透明または半透明である一対の電極間に、本発明の高分子化合物を含む1層以上の活性層を有する。
本発明の高分子化合物を含む光電変換素子の好ましい形態としては、少なくとも一方が透明または半透明である一対の電極と、p型の有機半導体とn型の有機半導体との組成物から形成される活性層を有する。本発明の高分子化合物は、p型の有機半導体として用いることが好ましい。この形態の光電変換素子の動作機構を説明する。透明または半透明の電極から入射した光エネルギーがフラーレン誘導体等の電子受容性化合物(n型の有機半導体)および/または本発明の高分子化合物等の電子供与性化合物(p型の有機半導体)で吸収され、電子とホールが結合した励起子を生成する。生成した励起子が移動して、電子受容性化合物と電子供与性化合物が隣接しているヘテロ接合界面に達すると、界面でのそれぞれのHOMOエネルギーおよびLUMOエネルギーの違いにより電子とホールが分離し、独立に動くことができる電荷が発生する。発生した電荷は、それぞれ電極へ移動することにより外部へ電気エネルギー(電流)として取り出すことができる。
本発明の高分子化合物を用いて製造される光電変換素子は、通常、基板上に形成される。この基板は、電極を形成し、有機物の層を形成する際に化学的に変化しないものであればよい。基板の材料としては、例えば、ガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコンが挙げられる。不透明な基板の場合には、反対の電極(即ち、基板から遠い方の電極)が透明または半透明であることが好ましい。
本発明の高分子化合物を有する光電変換素子の他の態様は、少なくとも一方が透明または半透明である一対の電極間に、本発明の高分子化合物を含む第1の活性層と、該第1の活性層に隣接して、フラーレン誘導体等の電子受容性化合物を含む第2の活性層を含む光電変換素子である。
透明または半透明の電極材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が挙げられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、およびそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(以下、「ITO」ということがある。)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性材料を用いて作製された膜、NESAや、金、白金、銀、銅等が用いられ、ITO、インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズが好ましい。電極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。また、電極材料として、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体等の有機の透明導電膜を用いてもよい。
一方の電極は透明でなくてもよく、該電極の電極材料としては、金属、導電性高分子等を用いることができる。電極材料の具体例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等の金属、およびそれらのうち2つ以上の合金、または、1種以上の前記金属と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステンおよび錫からなる群から選ばれる1種以上の金属との合金、グラファイト、グラファイト層間化合物、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体等が挙げられる。合金としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金等が挙げられる。
光電変換効率を向上させるための手段として、上記の活性層以外の付加的な中間層を使用してもよい。中間層として用いられる材料としては、フッ化リチウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物、酸化チタン等の酸化物、PEDOT(ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン)等が挙げられる。
活性層は、本発明の高分子化合物を一種単独で含んでいても二種以上を組み合わせて含んでいてもよい。なお、電子供与性化合物、電子受容性化合物は、これらの化合物のエネルギー準位から相対的に決定される。
電子供与性化合物としては、本発明の高分子化合物のほか、例えば、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、オリゴチオフェンおよびその誘導体、ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリシランおよびその誘導体、側鎖または主鎖に芳香族アミン残基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体等が挙げられる。
電子受容性化合物としては、本発明の高分子化合物のほか、例えば、炭素材料、酸化チタン等の金属酸化物、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンおよびその誘導体、ベンゾキノンおよびその誘導体、ナフトキノンおよびその誘導体、アントラキノンおよびその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタンおよびその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンおよびその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金属錯体、ポリキノリンおよびその誘導体、ポリキノキサリンおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体、2、9−ジメチル−4、7−ジフェニル−1、10−フェナントロリン(バソクプロイン)等のフェナントレン誘導体、フラーレン、フラーレン誘導体等が挙げられ、好ましくは、酸化チタン、カーボンナノチューブ、フラーレンまたはフラーレン誘導体であり、より好ましくはフラーレンまたはフラーレン誘導体である。
フラーレンまたはフラーレン誘導体としては、C60、C70、C76、C78、C84およびその誘導体が挙げられる。フラーレンの誘導体の具体的構造としては、以下のようなものが挙げられる。
Figure 0006140482
Figure 0006140482
また、フラーレン誘導体の例としては、[6,6]フェニル−C61酪酸メチルエステル(C60PCBM、[6,6]-Phenyl C61 butyric acid methyl ester)、[6,6]フェニル−C70酪酸メチルエステル(C70PCBM、[6,6]-Phenyl C70 butyric acid methyl ester)、[6,6]フェニル−C84酪酸メチルエステル(C84PCBM、[6,6]-Phenyl C84 butyric acid methyl ester)、[6,6]チェニル−C60酪酸メチルエステル([6,6]-Thienyl C60 butyric acid methyl ester)等が挙げられる。
活性層中に本発明の高分子化合物とフラーレン誘導体とを含む場合、フラーレン誘導体の割合が、本発明の高分子化合物100重量部に対して、10〜1000重量部であることが好ましく、20〜500重量部であることがより好ましい。
活性層の厚さは、好ましくは1nm〜100μmであり、より好ましくは2nm〜1000nmであり、更に好ましくは5nm〜500nmであり、特に好ましくは20nm〜200nmである。
活性層の製造方法は、如何なる方法で製造してもよいが、例えば、本発明の高分子化合物を含む溶液からの成膜や、真空蒸着法による成膜方法が挙げられる。
光電変換素子の好ましい製造方法は、第1の電極と第2の電極とを有し、該第1の電極と該第2の電極との間に活性層を有する光電変換素子の製造方法であって、該第1の電極上に本発明の高分子化合物と溶媒とを含む溶液(「インク」と呼ばれることがある。)を塗布法により活性層を形成する工程、該活性層上に第2の電極を形成する工程を含む製造方法である。
溶液からの成膜に用いる溶媒は、本発明の高分子化合物を溶解させるものであればよい。該溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、ビシクロヘキシル、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン等の不飽和炭化水素系溶媒、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサン等のハロゲン化飽和炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化不飽和炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル系溶媒が挙げられる。本発明の高分子化合物は、通常、上記溶媒に0.1重量%以上で溶解させることができる。
溶液を用いて成膜する場合、スリットコート法、ナイフコート法、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法、ノズルコート法、キャピラリーコート法等の塗布法を用いることができ、スリットコート法、キャピラリーコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、バーコート法、ナイフコート法、ノズルコート法、インクジェット印刷法、スピンコート法が好ましい。
成膜性の観点からは、25℃における溶媒の表面張力が15mN/mより大きいことが好ましく、15mN/mより大きく100mN/mよりも小さいことがより好ましく、25mN/mより大きく60mN/mよりも小さいことがさらに好ましい。
(有機太陽電池)
本発明の高分子化合物を用いた光電変換素子は、透明または半透明の電極から太陽光等の光を照射することにより、電極間に光起電力が発生し、有機太陽電池として動作させることができる。有機太陽電池を複数集積することにより有機太陽電池モジュールとして用いることもできる。
また、電極間に電圧を印加した状態、あるいは無印加の状態で、透明または半透明の電極から光を照射することにより、光電流が流れ、有機光センサーとして動作させることができる。有機光センサーを複数集積することにより有機イメージセンサーとして用いることもできる。
有機太陽電池は、従来の太陽電池モジュールと基本的には同様のモジュール構造をとり得る。太陽電池モジュールは、一般的には金属、セラミック等の支持基板の上にセルが構成され、その上を充填樹脂や保護ガラス等で覆い、支持基板の反対側から光を取り込む構造をとるが、支持基板に強化ガラス等の透明材料を用い、その上にセルを構成してその透明の支持基板側から光を取り込む構造とすることも可能である。
具体的には、スーパーストレートタイプ、サブストレートタイプ、ポッティングタイプと呼ばれるモジュール構造、アモルファスシリコン太陽電池などで用いられる基板一体型モジュール構造等が知られている。本発明の高分子化合物を用いて製造される有機太陽電池も使用目的や使用場所および環境により、適宜これらのモジュール構造を選択することができる。
代表的なスーパーストレートタイプまたはサブストレートタイプのモジュールは、片側または両側が透明で反射防止処理を施された支持基板の間に一定間隔にセルが配置され、隣り合うセル同士が金属リードまたはフレキシブル配線等によって接続され、外縁部に集電電極が配置されており、発生した電力を外部に取り出される構造となっている。基板とセルの間には、セルの保護や集電効率向上のため、目的に応じエチレンビニルアセテート(EVA)等様々な種類のプラスチック材料をフィルムまたは充填樹脂の形で用いてもよい。また、外部からの衝撃が少ないところなど表面を硬い素材で覆う必要のない場所において使用する場合には、表面保護層を透明プラスチックフィルムで構成し、または、上記充填樹脂を硬化させることによって保護機能を付与し、片側の支持基板をなくすことが可能である。支持基板の周囲は、内部の密封およびモジュールの剛性を確保するため金属製のフレームでサンドイッチ状に固定し、支持基板とフレームの間は封止材料で密封シールすることができる。また、セルそのものや支持基板、充填材料および封止材料に可撓性の素材を用いれば、曲面の上に太陽電池を構成することもできる。
ポリマーフィルム等のフレキシブル支持体を用いた太陽電池の場合、ロール状の支持体を送り出しながら順次セルを形成し、所望のサイズに切断した後、周縁部をフレキシブルで防湿性のある素材でシールすることにより電池本体を作製できる。また、Solar Energy Materials and Solar Cells, 48,p383-391記載の「SCAF」とよばれるモジュール構造とすることもできる。更に、フレキシブル支持体を用いた太陽電池は曲面ガラス等に接着固定して使用することもできる。
(有機エレクトロルミネッセンス素子)
本発明の高分子化合物は、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」ということがある。)に用いることもできる。有機EL素子は、少なくとも一方が透明または半透明である一対の電極間に発光層を有する。有機EL素子は、発光層の他にも、正孔輸送層、電子輸送層等を含んでいてもよい。該発光層、正孔輸送層、電子輸送層のいずれかの層中に本発明の高分子化合物が含まれる。発光層中には、本発明の高分子化合物の他にも、電荷輸送材料(電子輸送材料と正孔輸送材料の総称を意味する)を含んでいてもよい。有機EL素子としては、陽極と発光層と陰極とを有する素子、さらに陰極と発光層の間に該発光層に隣接して電子輸送材料を含有する電子輸送層を有する、陽極と発光層と電子輸送層と陰極とを有する素子、さらに陽極と発光層の間に、該発光層に隣接して正孔輸送材料を含む正孔輸送層を有する、陽極と正孔輸送層と発光層と陰極とを有する素子、陽極と正孔輸送層と発光層と電子輸送層と陰極とを有する素子等が挙げられる。
(有機トランジスタ)
有機トランジスタとしては、ソース電極およびドレイン電極と、これらの電極間の電流経路となり、本発明の高分子化合物を含む活性層と、該電流経路を通る電流量を制御するゲート電極とを備えた構成を有するものが挙げられる。このような構成を有する有機トランジスタとしては、電界効果型有機トランジスタ、静電誘導型有機トランジスタが挙げられる。
電界効果型有機トランジスタは、通常、ソース電極およびドレイン電極と、これらの電極間の電流経路となり、本発明の高分子化合物を含む活性層と、該電流経路を通る電流量を制御するゲート電極と、活性層とゲート電極との間に配置される絶縁層とを有する有機トランジスタである。特に、ソース電極およびドレイン電極が、活性層に接して設けられており、さらに活性層に接した絶縁層を挟んでゲート電極が設けられている有機トランジスタが好ましい。
静電誘導型有機トランジスタは、通常、ソース電極およびドレイン電極と、これらの電極間の電流経路となり、本発明の高分子化合物を含む活性層と、該電流経路を通る電流量を制御するゲート電極とを有し、該ゲート電極が活性層中に設けられている有機トランジスタである。特に、ソース電極、ドレイン電極および前記ゲート電極が、前記活性層に接して設けられている有機トランジスタが好ましい。
ゲート電極は、ソース電極からドレイン電極へ流れる電流経路が形成でき、かつ、ゲート電極に印加した電圧で該電流経路を流れる電流量が制御できる構造であればよく、例えば、くし型電極構造が挙げられる。
図1は、本発明の有機トランジスタ(電界効果型有機トランジスタ)の一例を示す模式断面図である。図1に示す有機トランジスタ100は、基板1と、基板1上に所定の間隔を持って形成されたソース電極5およびドレイン電極6と、ソース電極5およびドレイン電極6を覆うようにして基板1上に形成された活性層2と、活性層2上に形成された絶縁層3と、ソース電極5とドレイン電極6との間の領域上の絶縁層3を覆うように絶縁層3上に形成されたゲート電極4とを備えるものである。
図2は、本発明の有機トランジスタ(電界効果型有機トランジスタ)の他の例を示す模式断面図である。図2に示す有機トランジスタ110は、基板1と基板1上に形成されたソース電極5と、ソース電極5を覆うようにして基板1上に形成された活性層2と、ソース電極5と所定の間隔を持って活性層2上に形成されたドレイン電極6と、活性層2およびドレイン電極6上に形成された絶縁層3と、ソース電極5とドレイン電極6との間の領域上の絶縁層3を覆うように絶縁層3上に形成されたゲート電極4とを備えるものである。
図3は、本発明の有機トランジスタ(電界効果型有機トランジスタ)の他の例を示す模式断面図である。図3に示す有機トランジスタ120は、基板1と基板1上に形成されたゲート電極4と、ゲート電極4を覆うようにして基板1上に形成された絶縁層3と、ゲート電極4が下部に形成されている絶縁層3の領域の一部を覆うように、絶縁層3上に所定の間隔を持って形成されたソース電極5およびドレイン電極6と、ソース電極5およびドレイン電極6の一部を覆うように絶縁層3上に形成された活性層2とを備えるものである。
図4は、本発明の有機トランジスタ(電界効果型有機トランジスタ)の他の例を示す模式断面図である。図4に示す有機トランジスタ130は、基板1と、基板1上に形成されたゲート電極4と、ゲート電極4を覆うようにして基板1上に形成された絶縁層3と、ゲート電極4が下部に形成されている絶縁層3の領域の一部を覆うように絶縁層3上に形成されたソース電極5と、ソース電極5の一部を覆うようにして絶縁層3上に形成された活性層2と、活性層2の一部を覆うように、ソース電極5と所定の間隔を持って絶縁層3上に形成されたドレイン電極6とを備えるものである。
図5は、本発明の有機トランジスタ(静電誘導型有機トランジスタ)の他の例を示す模式断面図である。図5に示す有機トランジスタ140は、基板1と、基板1上に形成されたソース電極5と、ソース電極5上に形成された活性層2と、活性層2上に所定の間隔を持って複数形成されたゲート電極4と、ゲート電極4の全てを覆うようにして活性層2上に形成された活性層2a(活性層2aを構成する材料は、活性層2と同一であっても異なっていてもよい)と、活性層2a上に形成されたドレイン電極6とを備えるものである。
図6は、本発明の有機トランジスタ(電界効果型有機トランジスタ)の他の例を示す模式断面図である。図6に示す有機トランジスタ150は、基板1と、基板1上に形成された活性層2と、活性層2上に所定の間隔を持って形成されたソース電極5およびドレイン電極6と、ソース電極5およびドレイン電極6の一部を覆うようにして活性層2上に形成された絶縁層3と、ソース電極5が下部に形成されている絶縁層3の領域とドレイン電極6が下部に形成されている絶縁層3の領域とをそれぞれ一部覆うように、絶縁層3上に形成されたゲート電極4とを備えるものである。
図7は、本発明の有機トランジスタ(電界効果型有機トランジスタ)の他の例を示す模式断面図である。図7に示す有機トランジスタ160は、基板1と、基板1上に形成されたゲート電極4と、ゲート電極4を覆うようにして基板1上に形成された絶縁層3と、ゲート電極4が下部に形成されている絶縁層3の領域を覆うように形成された活性層2と、活性層2の一部を覆うように活性層2上に形成されたソース電極5と、活性層2の一部を覆うように、ソース電極5と所定の間隔を持って活性層2上に形成されたドレイン電極6とを備えるものである。
図8は、本発明の有機トランジスタ(電界効果型有機トランジスタ)の他の例を示す模式断面図である。図8に示す有機トランジスタ170は、ゲート電極4と、ゲート電極4上に形成された絶縁層3と、絶縁層3上に形成された活性層2と、活性層2上に所定の間隔を持って形成されたソース電極5およびドレイン電極6と、を備えるものである。この場合、ゲート電極4は基板1を兼ねる構成となっている。
図9は、本発明の有機トランジスタ(電界効果型有機トランジスタ)の他の例を示す模式断面図である。図9に示す有機トランジスタ180は、ゲート電極4と、ゲート電極4上に形成された絶縁層3と、絶縁層3上に所定の間隔を持って形成されたソース電極5およびドレイン電極6と、ソース電極5およびドレイン電極6の一部を覆うように絶縁層3上に形成された活性層2とを備えるものである。
図10は、本発明の光電変換素子の模式断面図である。光電変換素子300は、基板1と、基板1上に形成された第1の電極7aと、第1の電極7a上に形成された活性層2と、活性層2上に形成された第2の電極7bとを備えるものである。
上記の本発明の有機トランジスタにおいては、活性層2および/または活性層2aは、本発明の高分子化合物を含有する膜によって構成され、ソース電極5とドレイン電極6との間の電流通路(チャネル)となる。また、ゲート電極4は、電圧を印加することにより電流通路(チャネル)を通る電流量を制御する。
このような電界効果型有機トランジスタは、公知の方法、例えば特開平5−110069号公報記載の方法により製造することができる。また、静電誘導型有機トランジスタは、特開2004−006476号に公報記載の方法等の公知の方法により製造することができる。
基板1の材料は、有機トランジスタの特性を阻害しない材料であればよい。基板としては、ガラス基板、フレキシブルなフィルム基板、プラスチック基板を用いることができる。
絶縁層3の材料は、電気の絶縁性が高い材料であればよく、SiOx、SiNx、Ta25、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、有機ガラス、フォトレジスト等を用いることができるが、低電圧化の観点からは、誘電率の高い材料を用いることが好ましい。
絶縁層3の上に活性層2を形成する場合は、絶縁層3と活性層2の界面特性を改善するため、シランカップリング剤等の表面処理剤で絶縁層3の表面を処理して表面改質した後に活性層2を形成することも可能である。
電界効果型トランジスタの場合、電子やホール等の電荷は、一般に絶縁層と活性層の界面付近を通過する。従って、この界面の状態がトランジスタの移動度に大きな影響を与える。そこで、界面状態を改良して特性を向上させる方法として、シランカップリング剤による界面の制御が提案されている(例えば、表面化学、2007年、第28巻、第5号、p.242−248)。
シランカップリング剤の例としては、アルキルクロロシラン類(オクチルトリクロロシラン(OTS)、オクタデシルトリクロロシラン(ODTS)、フェニルエチルトリクロロシラン等)、アルキルアルコキシシラン類、フッ素化アルキルクロロシラン類、フッ素化アルキルアルコキシシラン類、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)等のシリルアミン化合物が挙げられる。また、表面処理剤で処理する前に、絶縁層表面をオゾンUV処理、Oプラズマ処理してもよい。
このような処理によって、絶縁層として用いられるシリコン酸化膜等の表面エネルギーを制御することができる。また、表面処理により、活性層を構成している膜の絶縁層上での配向性が向上し、より高い電界効果移動度が得られる。
ゲート電極4には、金、白金、銀、銅、クロム、パラジウム、アルミニウム、インジウム、モリブデン、低抵抗ポリシリコン、低抵抗アモルファスシリコン等の金属や、錫酸化物、酸化インジウム、インジウム・錫酸化物(ITO)等の材料を用いることができる。
これらの材料は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。なお、ゲート電極4としては、高濃度にドープされたシリコン基板を用いることも可能である。高濃度にドープされたシリコン基板は、ゲート電極としての性能とともに、基板としての性能も併有する。このような基板としての性能も有するゲート電極4を用いる場合には、基板1とゲート電極4とが接している有機トランジスタにおいて、基板1を省略してもよい。
ソース電極5およびドレイン電極6は、低抵抗の材料から構成されることが好ましく、金、白金、銀、銅、クロム、パラジウム、アルミニウム、インジウム、モリブデン等から構成されることが特に好ましい。これらの材料は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
上記の有機トランジスタにおいて、ソース電極5およびドレイン電極6と、活性層2との間には、更に他の化合物から構成された層が介在していてもよい。このような層としては、電子輸送性を有する低分子化合物、ホール輸送性を有する低分子化合物、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、これらの金属と有機化合物との錯体、ヨウ素、臭素、塩素、塩化ヨウ素等のハロゲン、硫酸、無水硫酸、二酸化硫黄、硫酸塩等の酸化硫黄化合物、硝酸、二酸化窒素、硝酸塩等の酸化窒素化合物、過塩素酸、次亜塩素酸等のハロゲン化化合物、アルキルチオール化合物、芳香族チオール類、フッ素化アルキル芳香族チオール類等の芳香族チオール化合物等からなる層が挙げられる。
また、上記の有機トランジスタを作製した後には、有機トランジスタを保護するため、有機トランジスタ上に保護膜を形成することが好ましい。これにより、有機トランジスタが大気から遮断され、有機トランジスタの特性の低下を抑制することができる。また、有機トランジスタの上に駆動する表示デバイスを形成する場合、その形成工程における有機トランジスタへの影響も該保護膜により低減することができる。
保護膜を形成する方法としては、有機トランジスタを、UV硬化樹脂、熱硬化樹脂や無機のSiONx膜等で覆う方法等が挙げられる。大気との遮断を効果的に行うため、有機トランジスタを作製後、有機トランジスタを大気にさらすことなく(例えば、乾燥した窒素雰囲気中、真空中等で)保護膜を形成することが好ましい。
このように構成された有機トランジスタの一種である電界効果型トランジスタは、アクティブマトリックス駆動方式の液晶ディスプレイや有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの画素駆動スイッチング素子等として適用できる。そして、上述した本実施形態の電界効果型トランジスタは、活性層として、本発明の高分子化合物を含有し、そのことによりキャリア移動度に優れた活性層とを備えているため、その電界効果移動度が高いものとなる。したがって、十分な応答速度を持つディスプレイの製造等に有用である。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(質量分析)
質量分析は、AccuTOF TLC JMS−T100TD(日本電子製)を用いて行った。
(NMR分析)
NMR測定は、化合物を重クロロホルムまたは重アセトンに溶解させ、NMR装置(Varian社製、INOVA300)を用いて行った。
(分子量分析)
高分子化合物の数平均分子量および重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィ(GPC、Waters社製、商品名:Alliance GPC 2000)を用いて求めた。測定する高分子化合物は、オルトジクロロベンゼンに溶解させ、GPCに注入した。
GPCの移動相にはオルトジクロロベンゼンを用いた。カラムは、TSKgel GMHHR−H(S)HT(2本連結、東ソー製)を用いた。検出器にはUV検出器を用いた。
(イオン化ポテンシャル分析)
高分子化合物を含む有機薄膜のイオン化ポテンシャルは、光電子分光装置(理研計器製AC−2)を用いて測定した。具体的には、高分子化合物を0.5重量%の濃度でo−ジクロロベンゼンに溶解させることで塗布溶液を調製し、該塗布溶液を、石英基板上にスピンコートしたものを試料として測定した。なお、各工程は室温かつ大気中にて行った。
実施例1
(化合物3の合成)
Figure 0006140482
100mL三口フラスコ内の気体を窒素ガス雰囲気下とした後、化合物1(0.4g,1.8mmol)および乾燥THF(5.4mL)を加え、80℃に加熱した。その後、n−ペンタデシルマグネシウムブロミド−THF溶液(10.9mL,5.4mmol)を同温で加え、2時間攪拌した。続いて、水(10mL)を加えることで反応を終了させ、反応溶液をクロロホルムで2回抽出した。得られた有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製することで化合物2を得た。化合物2の得量は512mg、収率は34%であった。
H−NMR(300MHz、CO(CD):δ(ppm)=7.25(d,2H),7.20(d、2H)、3.83(s,2H),2.0−1.0(m、56H)、0.93(t、6H)。
Figure 0006140482
100mL三口フラスコ内を窒素ガス雰囲気下とした後、化合物2(0.5g、0.77mmol)、酢酸(40mL)およびトリフルオロ酢酸(20mL)を加え、80℃で1時間に加熱した。反応終了後、反応溶液を水300mLに注ぎ、トルエンで2回抽出した。得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製することで、化合物3を得た。化合物3の得量は451mg、収率は93%であった。同様の方法により、化合物3をさらに合成した。
H−NMR (CDCl):δ(ppm)=7.44(d,1H),7.34(d,1H),7.05(d,1H),6.98(d,1H),2.16(m,2H),1.72(m,2H),1.24(m,52H),0.87(t,6H)。
実施例2
(化合物4の合成)
Figure 0006140482
100mL三口フラスコ内の気体を窒素ガス雰囲気下とした後、化合物3(0.887g,1.4mmol)、乾燥DMF(140mL)およびN−ブロモ琥珀酸イミド(554mg,3.11mmol)を加え、60℃で4時間加熱した。反応終了後、反応溶液を室温まで冷却した後、水(200ml)を加え、トルエン(50mL)で2回抽出した。
得られた有機層を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。中圧分取カラムで精製することで化合物4を得た。化合物4の得量は1.02g,収率は93%であった。
H−NMR (CDCl):δ(ppm)=7.40(s,1H),6.95(s,1H),2.16(m,2H),1.72(m,2H),1.24(m,52H),0.87(t,6H)。
実施例3
(高分子化合物Aの合成)
Figure 0006140482
100mL四口フラスコ内の気体を窒素ガス雰囲気下とした後、化合物4(157mg,0.20mmol)および乾燥THF(5mL)を加え、30分間アルゴンガスバブリングによって脱気した。その後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(9.16mg,0.01mmol)、トリ-tert-ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート(11.6mg,0.04mmol)、3Mリン酸カリウム水溶液(1mL)を加え、80℃に加熱した。この反応溶液に対して、30分間アルゴンガスバブリングによって脱気した化合物5(77.6mg,0.20mmol)の乾燥THF(5mL)溶液を5分間かけて80℃で滴下し、80℃で3時間攪拌した。この反応溶液に対して、30分間アルゴンガスバブリングによって脱気したフェニルボロン酸(122mg,0.45mmol)の乾燥THF(7mL)溶液、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(9.16mg,1μmol)およびトリ-tert-ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート(11.6mg,4μmol)を加え、80℃で2時間攪拌した後、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(1.7g)および水(15g)を加え、さらに80℃で2時間攪拌した。得られた反応溶液中の水層を除去後、有機層を水(20g)で1回、10wt%酢酸水溶液(20g)で2回、水(20g)で1回洗浄した後、アセトン(136mL)により再沈殿させた。得られた固体をカラムクロマトグラフィ(SiO)で精製し、メタノールにより再沈殿することで、高分子化合物Aを112mg得た。高分子化合物Aのポリスチレン換算の数平均分子量は4.3×10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は1.3×10であった。なお、高分子化合物Aを含む有機薄膜のイオン化ポテンシャルは5.6eVであった
実施例4
(高分子化合物Bの合成)
Figure 0006140482
100mL四口フラスコ内の気体を窒素ガス雰囲気下とした後、化合物4(106mg,0.135mmol)および乾燥トルエン(15mL)を加え、30分間アルゴンガスバブリングによって脱気した。その後、化合物6(73.8mg,0.150mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(2.75mg,3μmol)およびトリス(o−トルイル)ホスフィン(3.65mg,12μmol)を加え、100℃で3時間攪拌した。この反応溶液に対して、30分間アルゴンガスバブリングによって脱気したフェニルブロマイド(70mg,0.45mmol)の乾燥トルエン(6.2mL)溶液を100℃で加え、100℃で2時間攪拌し、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(0.8g)および水(6.8g)を加え、さらに80℃で2時間攪拌した。得られた反応溶液中の水層を除去後、有機層を水(7.5g)で1回、10wt%酢酸水溶液(7.5g)で2回、水(7.5g)で1回洗浄した後、アセトン(100mL)により再沈殿させた。得られた固体をカラムクロマトグラフィ(SiO)で精製し、メタノールにより再沈殿することで、高分子化合物Bを75mg得た。高分子化合物Bのポリスチレン換算の数平均分子量は2.5×10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は8.7×10であった。なお、高分子化合物Bを含む有機薄膜のイオン化ポテンシャルは5.4eVであった。
実施例5
(高分子化合物Cの合成)
Figure 0006140482
100mL四口フラスコ内の気体を窒素ガス雰囲気下とした後、化合物4(157mg,0.20mmol)および乾燥THF(5mL)を加え、30分間アルゴンガスバブリングによって脱気した。その後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(9.16mg,1μmol)、トリ-tert-ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート(11.6mg,4μmol)および3Mリン酸カリウム水溶液(1mL)を加え、80℃に攪拌した。この反応溶液に対して、80℃において30分間アルゴンガスバブリングによって脱気した化合物7(78.4mg,0.20mmol)の乾燥THF(5mL)溶液を5分間かけて滴下し、80℃で3時間攪拌した。この反応溶液に対して、30分間アルゴンガスバブリングによって脱気したフェニルボロン酸(122mg,0.45mmol)の乾燥THF(7mL)溶液、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(9.16mg,1μmol)およびトリ-tert-ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート(11.6mg,4μmol)を80℃で加え、80℃で2時間攪拌し、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(1.7g)および水(15g)を加え、さらに80℃で2時間攪拌した。得られた反応溶液中の水層を除去後、有機層を水(20g)で1回、10wt%酢酸水溶液(20g)で2回、水(20g)で1回洗浄した後、アセトン(136mL)により再沈殿させた。得られた固体をカラムクロマトグラフィ(SiO)で精製し、メタノールにより再沈殿することで高分子化合物Cを120mg得た。高分子化合物Cのポリスチレン換算の数平均分子量は5.6×10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は1.1×10であった。なお、高分子化合物Cを含む有機薄膜のイオン化ポテンシャルは5.4eVであった。
実施例6
(有機トランジスタ1の作製および評価)
高分子化合物Aを含む溶液を用いて、図3に示す構造を有する有機トランジスタ1を作製した。
ゲート電極となる高濃度にドーピングされたn−型シリコン基板の表面を熱酸化し、シリコン酸化膜(以下、「熱酸化膜」という。)を形成した。熱酸化膜は絶縁層として機能する。次に、フォトリソグラフィー工程により、熱酸化膜上にソース電極およびドレイン電極を作製した。該ソース電極および該ドレイン電極は、熱酸化膜側からクロム(Cr)層と金(Au)層とを有し、チャネル長が20μm、チャネル幅が2mmであった。こうして得られた熱酸化膜、ソース電極およびドレイン電極を形成した基板を、アセトンで超音波洗浄を行ない、オゾンUVクリーナーでUVオゾン処理を行なった。その後、β−フェネチルトリクロロシランで熱酸化膜の表面処理を行った。次に、表面処理した熱酸化膜、ソース電極およびドレイン電極上に、0.5重量%の高分子化合物Aのオルトジクロロベンゼン溶液を1000rpmの回転速度でスピンコートし、有機半導体層(活性層)を形成した。その後、窒素雰囲気下において、有機半導体層を170℃で30分間加熱し、有機トランジスタ1を作製した。
得られた有機トランジスタ1のゲート電圧Vg、ソース・ドレイン間電圧Vsdを変化させ、トランジスタ特性を測定した。電界効果移動度は、2.7×10−3cm/Vsであった。
実施例7
(有機トランジスタ2の作製および評価)
高分子化合物Aに代えて高分子化合物Bを用いたこと以外は、実施例6と同様にして有機トランジスタ2を作製した。
得られた有機トランジスタ2のゲート電圧Vg、ソース・ドレイン間電圧Vsdを変化させ、トランジスタ特性を測定した。電界効果移動度は、7.4×10−2cm/Vsであった。
実施例8
(有機トランジスタ3の作製および評価)
高分子化合物Aに代えて高分子化合物Cを用いたこと以外は、実施例6と同様にして有機トランジスタ3を作製した。
得られた有機トランジスタ3のゲート電圧Vg、ソース・ドレイン間電圧Vsdを変化させ、トランジスタ特性を測定した。電界効果移動度は、3.1×10−2cm/Vsであった。
実施例9
(有機太陽電池1の作製および評価)
スパッタ法により成膜された約150nmの膜厚のITOがパターニングされたガラス基板を、有機溶媒、アルカリ洗剤および超純水で洗浄し、乾燥させた。その後、紫外線オゾン(UV−O3)装置を用いて、該ガラス基板に紫外線オゾン(UV−O3)処理を施した。
次に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸を水に溶解させた懸濁液(HCスタルクビーテック社製、商品名:Bytron P TP AI 4083)を孔径0.45μmのフィルターでろ過した。ろ過後の懸濁液を、上記の基板のITO側にスピンコートして40nmの厚みで成膜した。次いで、大気中において、ホットプレート上で200℃で10分間乾燥させ、有機層を形成した。
次に、高分子化合物AおよびフラーレンC60PCBM(フェニルC61−酪酸メチルエステル)(phenyl C61-butyric acid methyl ester、フロンティアカーボン社製・商品名:E100))を、高分子化合物AおよびC60PCBM(重量比で、高分子化合物A/C60PCBM=1/3)をオルトジクロロベンゼンに溶解し、インク1(重量%で、高分子化合物AおよびC60PCBMの合計は2.0重量%)を製造した。次いで、該インク1を、上記の基板の有機層側にスピンコートして100nmの厚みで活性層を成膜した。このようにして作製した活性層の光吸収端波長端は750nmであった。
次に、SIGMA ALDRICH社より購入したTitanium(IV)isopropoxide 97%を、1重量%の濃度となるようにイソプロパノールに混合させ、該混合液を、上記の基板の活性層側にスピンコートして10nmの膜厚でホール輸送層を成膜した。次いで、Alを約70nmの膜厚で真空蒸着し、光電変換素子である有機太陽電池1を製造した。得られた有機太陽電池1の形状は、2mm×2mmの正方形であった。
得られた有機太陽電池1に、ソーラシミュレーター(分光計器製、商品名OTENTO-SUNII:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm2)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定して光電変換効率、短絡電流密度、開放電圧、フィルファクターを求めた。Jsc(短絡電流密度)は8.88mA/cm2であり、Voc(開放端電圧)は1.10Vであり、ff(フィルファクター(曲線因子))は0.61であり、光電変換効率(η)は6.03%であった。
実施例10
(化合物9の合成)
Figure 0006140482
100mL三口フラスコ内の気体を窒素ガス雰囲気下とした後、化合物1(5g、22.7mmol)および乾燥THF(300mL)を加え、80℃に加熱した。その後、n−ドデシルマグネシウムブロミドのジエチルエーテル溶液(90.8mL、90.8mmol)を同温で加え、2.5時間攪拌した。続いて、水(30mL)を加えることで反応を終了させ、さらに酢酸10mLを加え、反応溶液をクロロホルムで2回抽出した。得られた有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製することで化合物8を得た。化合物8の得量は8.5g、収率は67%であった。
Figure 0006140482
100mL三口フラスコ内の気体を窒素ガス雰囲気下とした後、化合物8(8.5g、15.2mmol)、酢酸(200mL)およびトリフルオロ酢酸(50mL)を加え、80℃で1時間に加熱した。反応終了後、反応溶液を水200mLに注ぎ、トルエンで2回抽出した。得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製することで、化合物9を得た。化合物9の得量は6.28g(11.6mmol)、収率は76%であった。
H−NMR (CDCl):δ(ppm)=7.44(d,1H),7.34(d,1H),7.05(d,1H),6.98(d,1H),2.16(m,2H),1.72(m,2H),1.24(m,40H),0.87(t,6H)。
実施例12
(化合物10の合成)
Figure 0006140482
500mL三口フラスコ内の気体を窒素ガス雰囲気下とした後、化合物9(6.28g、11.6mmol)、クロロホルム(100mL)、酢酸(100mL)およびN−ブロモ琥珀酸イミド(4.53g,25.4mmol)を加え、65℃で1時間加熱した。反応終了後、反応溶液を室温まで冷却した後、水(300ml)を加え、クロロホルム(100mL)で2回抽出した。得られた有機層を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。ヘキサン/クロロホルム混合溶媒(ヘキサン:クロロホルム=8:1(vol/vol))を溶出溶媒として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製することで化合物10を得た。化合物10の得量は6.74g、収率は83%であった。
H−NMR (CDCl):δ(ppm)=7.40(s,1H),6.95(s,1H),2.16(m,2H),1.72(m,2H),1.24(m,40H),0.87(t,6H)。
実施例13
(化合物11の合成)
Figure 0006140482
100mLフラスコ内の気体を窒素ガス雰囲気下とした後、化合物10(2.0g,2.85mmol)および乾燥THF(80mL)を加え、均一溶液とした。その後、反応溶液を−78℃に冷却し、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(7.5mL,12mmol)を同温で加えた。その後、反応溶液を1時間かけて室温まで昇温し、同温にて3時間攪拌した。その後、反応溶液を−78℃に冷却し、トリブチルスズクロリド(3.5g,10.8mmol)を加え、反応溶液を1時間かけて室温まで昇温し、同温にて1時間攪拌した。その後、水(100mL)を加えることで反応を終了させ、酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。得られた有機層を水(50mL)で1回、飽和食塩水(50mL)で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた溶液をろ過後、得られたろ液をシリカゲルカラムに通過させ、得られた溶液をエバポレーターで濃縮した。得られた粗精製物を、クロロホルムを溶出溶媒として用いたリサイクルGPC(日本分析工業社製、LC−250HS)で精製することで、化合物11を得た。化合物11の得量は3.00g、収率は93%であった。
H−NMR (CDCl):δ(ppm)=7.47(s,1H),6.95(s,1H),2.16(m,2H),1.53(m,78H),0.87(t,24H)。
実施例14
(高分子化合物Dの合成)
Figure 0006140482
100mLフラスコ内の気体をアルゴンガス雰囲気下とした後、化合物11(244mg,0.218mmol)、Journal of Polymer Science Part A: Polymer Chemistry, Volume 47, Issue 13, pages 3399-3408, 2009に記載の方法に従って合成した化合物12(75mg,0.218mmol)、トリス(2−トリル)ホスフィン(5.97mg,0.0196mmol)および脱水トルエン(6mL)を加え均一溶液とした後、30分間アルゴンガスバブリングによって脱気した。その後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(2.99mg,0.00327mmol)を加え、105℃で4.5時間攪拌し、さらに、120℃で2時間攪拌した。その後、得られた反応溶液にフェニルブロミド(100mg)を加え、2時間攪拌した。その後、得られた反応溶液を室温まで冷却し、該反応溶液を、メタノール(200mL)および37wt%の濃塩酸(20mL)の混合溶液に注いだ。析出した固体をろ過することで回収し、得られた固体を円筒ろ紙に入れ、ソックスレー抽出器を用いて、メタノール、アセトンおよびヘキサンでそれぞれ3時間洗浄した。その後、円筒ろ紙内に残った残渣をトルエン(15mL)に溶解させ、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(0.18g)および水(2.0mL)を加え、90℃で3時間攪拌を行った。水層を分液にて除去後、得られた有機層を水(50mL)で2回、3wt%酢酸水溶液(50mL)で2回、水(50mL)で2回洗浄した後、得られた溶液をメタノールに注ぐことで固体を析出させた。得られた固体をろ過後、乾燥し、得られた固体をo−ジクロロベンゼン(8mL)に再度溶解させた後、アルミナ/シリカゲルカラムを通過させた。得られた溶液をメタノールに注ぐことで固体を析出させ、得られた固体をろ過後、乾燥することで、高分子化合物Dを52mgを得た。高分子化合物Dのポリスチレン換算の数平均分子量は2.1×10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は4.1×10であった。なお、高分子化合物Dを含む有機薄膜のイオン化ポテンシャルは5.33eVであった。
合成例1
(化合物14の合成)
Figure 0006140482
100mLフラスコ内の気体を窒素ガス気流雰囲気下とした後、化合物13(Luminescence Technology社製,3.70g,5.4mmoll)、ビス(ピナコラト)ジボロン(3.00g,11.8mmol)、酢酸カリウム(2.59g,26.4mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン付加物(0.09g,0.1mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.06g,0.1mmol)および無水1,4−オキサン(300mL)を室温下にて加え、15時間120℃で過熱攪拌した。得られた反応溶液をセライトろ過し、得られたセライトをクロロホルム(200mL)を用いて、5回洗浄した。得られたろ液をエバポレータにて濃縮し、得られた残渣にクロロホルム(200mL)を加え、80℃にて加熱攪拌した後、アセトニトリル(400mL)を加え、攪拌しながら室温まで放冷し、さらに室温にて1時間攪拌した。得られた固体をろ取し、アセトニトリル(100mL)を用いて2回洗浄した後、減圧下で乾燥することにより、化合物14を得た。化合物14の得量は2.25g(0.24mmol)、収率は53.4%であった。
H−NMR(CDCl3):δ(ppm)=8.93(d、2H)、7.72(d、2H)、4.07(m、4H)、1.85(m、2H)、1.37(s、24H)、1.50−1.15(m、16H)、0.95−0.80(d、12H)。
実施例15
(高分子化合物Eの合成)
Figure 0006140482
100mLの四つ口フラスコ内の気体を窒素ガス雰囲気下とした後、化合物4(150mg,0.191mmol)および乾燥クロロベンゼン(4mL)を加え、30分間アルゴンガスバブリングによって脱気した。その後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(8.75mg,0.00956mmol)、トリ-tert-ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート(11.1mg,0.0382mmol)および3Mリン酸カリウム水溶液(2mL)を加え、80℃に加熱した。この反応溶液に対して、30分間アルゴンガスバブリングにより脱気した化合物14(148mg,0.191mmol)の乾燥THF(4mL)溶液を5分間かけて滴下し、80℃で2時間攪拌した。この反応溶液に対して、30分間アルゴンガスバブリングによって脱気したフェニルボロン酸(20mg,0.164mmol)の乾燥THF(5mL)溶液を加え、80℃で2時間攪拌した後、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム二水和物(2.15g)およびイオン交換水(10mL)を加え、90℃で2時間加熱した。得られた反応液中の水層を除去後、得られた有機層をイオン交換水(20mL)で2回、10wt%酢酸水溶液(20mL)で2回、イオン交換水(20mL)で2回洗浄した後、メタノール(50mL)に注いで固体を析出させた。得られた固体をo−ジクロロベンゼン(11mL)に再溶解させ、次いで、カラムクロマトグラフィ(SiOおよびアルミナ)を通過させ、得られた溶液をメタノール(50mL)に注いで固体を析出させた。得られた固体をろ過し、乾燥することにより、高分子化合物Eを66mg得た。高分子化合物Eのポリスチレン換算の数平均分子量は2.3×10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は4.7×10であった。なお、高分子化合物Eを含む有機薄膜のイオン化ポテンシャルは5.34eVであった。
合成例2
(化合物16の合成)
Figure 0006140482
100mLの四つ口フラスコ内の気体を窒素ガス雰囲気下とした後、化合物15(1.2g,3.0mmol)、ビス(ピナコラト)ジボラン(2.29g,9.0mmol)、酢酸カリウム(1.77g,18mmol)および[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン付加物(294mg,0.36mmol)を加えた後、さらに、1,4−ジオキサン(45mL)を加えた。得られた反応混合物を10分間窒素ガスバブリングし、十分に脱気した。これを100℃で6時間加熱還流しながら撹拌した。得られた反応混合物を室温に冷却後、ろ過することで酢酸カリウムを除去し、得られたろ液を減圧下で濃縮した。ヘキサン/酢酸エチル混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1(vol/vol))を溶出溶媒として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、メタノールで再結晶することにより化合物16を得た。化合物16の得量は613mg、収率は56%であった。
H−NMR(CDCl3):δ(ppm)=8.26(s、2H)、3.86(s、6H)、3.08−3.03(m、4H)、1.90(quint、4H)、1.49(quint、4H)、1.03(t、6H)。
実施例16
(高分子化合物Fの合成)
Figure 0006140482
100mLの四つ口フラスコ内の気体を窒素ガス雰囲気下とした後、化合物4(219.3mg,0.279mmol)および乾燥THF(10mL)を加え、30分間アルゴンガスバブリングによって脱気した。その後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(7.68mg,0.00279mmol)、トリ−tert−ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート(11.1mg,0.0382mmol)および3Mリン酸カリウム水溶液(1mL)を加え、80℃に加熱した。得られた反応溶液に対して、30分間アルゴンガスバブリングにより脱気した化合物16(100mg,0.279mmol)の乾燥THF(5mL)溶液を5分間かけて滴下し、その後、80℃で6時間攪拌した。得られた反応溶液を室温まで冷却し、メタノールに注ぐことで固体を析出させた後、得られた固体をろ過して回収した。得られた固体を、アセトンを用いて3時間ソックスレー洗浄し、続いて、ヘキサンを用いて3時間ソックスレー抽出を行い、得られたヘキサン溶液をメタノールに注ぐことで固体を析出させた。得られた固体をろ取した後、展開溶媒にo−ジクロロベンゼンを展開溶媒としてアルミナ/シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製を行い、得られたオルトジクロロベンゼン溶液をメタノールに注ぐことで固体を析出させた。得られた固体をろ過し、乾燥することにより、高分子化合物Fを105mg得た。高分子化合物Fのポリスチレン換算の数平均分子量は1.7×10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は3.2×10であった。なお、高分子化合物Eを含む有機薄膜のイオン化ポテンシャルは5.44eVであった。
実施例17
(有機太陽電池2の作製および評価)
高分子化合物Dおよび電子受容性化合物であるフラーレンC70PCBM(フェニルC71−酪酸メチルエステル)(Phenyl C71-butyric acid methyl ester、アメリカンダイソース社製、商品名:ADS71BFA)を、高分子化合物DおよびC70PCBM(重量比で、高分子化合物D/C70PCBM=2/1)をオルトジクロロベンゼンに溶解させ、得られた溶液を、孔径0.5μmのテフロン(登録商標)フィルターでろ過することで、インク2(重量%で、高分子化合物DおよびC70PCBMの合計は2.25重量%)を製造した。
スパッタ法により成膜された約150nmの膜厚のITOがパターニングされたガラス基板を、有機溶媒、アルカリ洗剤および超純水で洗浄し、乾燥させた。その後、紫外線オゾン(UV−O3)装置を用いて、該ガラス基板に紫外線オゾン(UV−O3)処理を施した。
次に、PEDOT:PSS溶液(ヘレウス社製CleviosP VP AI4083)を孔径0.45μmのフィルターでろ過した。ろ過後のPEDOT:PSS溶液を、上記の基板のITO側にスピンコートして50nmの厚みで成膜した。次いで、大気中において、ホットプレート上で120℃で10分間加熱することにより、有機層を形成した。
次に、上記インク2を、上記の基板の有機層にスピンコートして100nmの厚みで活性層を成膜した。このようにして作製した活性層の光吸収端波長端は680nmであった。
次に、真空蒸着機によりカルシウムを膜厚4nmで蒸着し、次いで、アルミニウムを膜厚100nmで蒸着することにより、光電変換素子である有機太陽電池2を作製した。なお、金属蒸着の際の真空度は、1.0×10-3〜9×10-3Paであった。得られた有機太陽電池2の形状は、2mm×2mmの正方形であった。
得られた有機太陽電池2に、ソーラシミュレーター(分光計器製、商品名OTENTO-SUNII:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm2)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定して光電変換効率、短絡電流密度、開放電圧、フィルファクターを求めた。Jsc(短絡電流密度)は7.90mA/cm2であり、Voc(開放端電圧)は0.96Vであり、ff(フィルファクター(曲線因子))は0.41であり、光電変換効率(η)は3.08%であった。
実施例18
(有機太陽電池3の作製および評価)
高分子化合物Dに代えて高分子化合物Fを用いたこと以外は、実施例17と同様にして有機太陽電池3を作製した。活性層の光吸収端波長端は680nmであった。
得られた有機太陽電池3に、ソーラシミュレーターを用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定して光電変換効率、短絡電流密度、開放電圧、フィルファクターを求めた。Jsc(短絡電流密度)は5.36mA/cm2であり、Voc(開放端電圧)は0.97Vであり、ff(フィルファクター(曲線因子))は0.51であり、光電変換効率(η)は2.62%であった。
実施例19
(化合物17の合成)
Figure 0006140482
100mLフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、化合物3(3.0g,4.87mmol)、およびTHF(50mL)を加えた。その後、N−ブロモ琥珀酸イミド(0.85g,4.78mmol)を加え、室温で7時間攪拌した。その後、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(3mL)を加えて反応を停止させ、反応溶液を飽和食塩水で洗浄した。その後、分液した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィによって精製することで化合物17を1.84g得た。収率は54%であった。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)=0.84(t、6H)、1.24(m、52H)、1.66(m、2H)、2.16(m、2H)、6.95(s、1H)、7.06(d、1H)、7.43(d、1H)。
実施例20
(化合物19の合成)
Figure 0006140482
100mLフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、化合物18(0.77g,1.04mmol)、およびTHF(50mL)を加え、30分間アルゴンガスバブリングすることによって脱気した。その後、化合物17(1.50g,2.15mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(19.5mg,0.02mmol)およびトリス(o−トルイル)ホスフィン(26mg,0.08mmol)を加え、80℃で4時間攪拌した。その後、反応溶液を飽和食塩水で洗浄した。その後、分液した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィによって精製することで、化合物19を1.18g得た。収率は79%であった。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)=0.86(t、12H)、1.24(m、52H)、1.74(m、104H)、2.19(m、4H)、7.05(s、2H)、7.08(d、22H)。
実施例21
(化合物20の合成)
Figure 0006140482
100mLフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、化合物19(1.18g,0.83mmol)、およびDMF(83mL)を加え、80℃で攪拌した。その後、N−ブロモ琥珀酸イミド(0.85g,4.78mmol)を80℃で加え、80℃で2時間攪拌した。その後、室温まで冷却した後、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(3mL)と水(40mL)を加えた。反応溶液をトルエンで2回抽出したのち、得られた有機層を、飽和食塩水で洗浄した。その後、分液した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィによって精製することで化合物20を615mg得た。収率は47%であった。
H−NMR(300MHz、CDCl):δ(ppm)=0.84(t、12H)、1.24(m、40H)、1.75(m、4H)、2.20(m、4H)、7.03(s、2H)、7.14(d、2H)、7.18(d、2H)、7.42(s、2H)。
実施例22
(高分子化合物Gの合成)
Figure 0006140482
還流管を取り付けた100mL四口フラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、化合物20(75.6mg、0.048mmol)、化合物3(29.5mg、0.06mmol)及び乾燥トルエン(12mL)を加え、アルゴンガスで30分間バブリングすることによって脱気した。その後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(1.10mg、1.2μmol)及びトリス(o−トルイル)ホスフィン(1.48mg、4.8μmol)を加え、100℃で3時間攪拌した。その後、得られた混合溶液に、アルゴンガスで30分間バブリングすることによって脱気したフェニルブロマイド(70.7mg、0.45mmol)のo−ジクロロベンゼン溶液(6.2mL)を加え、100℃で1時間攪拌した。その後、N、N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(0.3g)と水(2.7g)とを加え、100℃で3時間攪拌した。得られた反応溶液を静置し、分液した有機層を水および10重量%酢酸水溶液で洗浄した。その後、分液した有機層をアセトン(40mL)に滴下し、析出物を得た。得られた析出物を、o−ジクロロベンゼンを展開溶媒として用いたシリカゲルカラムで精製し、その後、得られたo−ジクロロベンゼン溶液をメタノール(40mL)に注ぎ、固体を析出させ、得られた固体を濾過した。ソックスレー抽出器を用いて、得られた固体を、アセトンで3時間洗浄し、乾燥させることで、高分子化合物Gを70mg得た。収率は55%であった。得られた高分子化合物Gのポリスチレン換算の数平均分子量は1.3×10、重量平均分子量は5.5×10であった。
実施例23
(化合物21の合成)
Figure 0006140482
100mLフラスコ内の気体を窒素ガス雰囲気下とした後、化合物4(500mg,0.637mmol)および乾燥THF(15mL)を加え、均一溶液とした。その後、反応溶液を−78℃に冷却し、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(2.0mL,3.2mmol)を同温で加えた。その後、反応溶液を1時間かけて室温まで昇温し、同温にて3時間攪拌した。その後、反応溶液を−78℃に冷却し、トリブチルスズクロリド(1.04g,3.2mmol)を加え、反応溶液を1時間かけて室温まで昇温し、同温にて1時間攪拌した。その後、水(50mL)を加えることで反応を終了させ、酢酸エチル(30mL)で2回抽出した。得られた有機層を水(30mL)で1回、飽和食塩水(30mL)で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた溶液を濾過後、得られた濾液をシリカゲルカラムに通過させ、得られた溶液をエバポレーターで濃縮した。得られた粗精製物を、クロロホルムを溶出溶媒として用いたリサイクルGPC(日本分析工業社製、LC−250HS)で精製することで、化合物21を得た。化合物21の得量は512mg、収率は66%であった。
H−NMR (CDCl):δ(ppm)=7.47(s,1H),6.95(s,1H),2.16(m,2H),1.53(m,90H),0.87(t,24H)。
実施例24
(高分子化合物Hの合成)
Figure 0006140482
100mLフラスコ内の気体をアルゴンガス雰囲気下とした後、化合物21(176mg,0.146mmol)、国際公開第2011/052712号に記載の方法に従って合成した化合物23(100mg,0.146mmol)、トリス(2−トリル)ホスフィン(4.0mg,0.013mmol)および脱水トルエン(5mL)を加え均一溶液とした後、30分間アルゴンガスバブリングによって脱気した。その後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(2.01mg,0.0022mmol)を加え、105℃で4.5時間攪拌し、さらに、120℃で2時間攪拌した。その後、得られた反応溶液にフェニルブロミド(100mg)を加え、2時間攪拌した。その後、得られた反応溶液を室温まで冷却し、該反応溶液を、メタノール(200mL)および37wt%の濃塩酸(20mL)の混合溶液に注いだ。析出した固体を濾過して集め、得られた固体を円筒ろ紙に入れ、ソックスレー抽出器を用いて、メタノール、アセトンおよびヘキサンでそれぞれ3時間洗浄した。その後、円筒濾紙内に残った残渣をトルエン(15mL)に溶解させ、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(0.18g)および水(2.0mL)を加え、90℃で3時間攪拌を行った。水層を分液して除去後、得られた有機層を水(50mL)で2回、3wt%酢酸水溶液(50mL)で2回、水(50mL)で2回洗浄した後、得られた溶液をメタノールに注ぐことで固体を析出させた。得られた固体を濾過後、乾燥させ、得られた固体をo−ジクロロベンゼン(8mL)に再度溶解させた後、アルミナ/シリカゲルカラムを通過させた。得られた溶液をメタノールに注ぐことで固体を析出させ、得られた固体を濾過後、乾燥させることで、高分子化合物Hを57mg得た。高分子化合物Hのポリスチレン換算の数平均分子量は2.3×10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は4.7×10であった。
実施例25
(高分子化合物Iの合成)
Figure 0006140482
100mLフラスコ内の気体をアルゴンガス雰囲気下とした後、化合物11(263mg,0.235mmol)、化合物24(80.0mg,0.235mmol)、トリス(2−トリル)ホスフィン(6.40mg,0.021mmol)および脱水トルエン(12mL)を加え均一溶液とした後、30分間アルゴンガスバブリングによって脱気した。その後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(3.22mg,0.0035mmol)を加え、105℃で4.5時間攪拌し、さらに、120℃で2時間攪拌した。その後、得られた反応溶液にフェニルブロミド(100mg)を加え、2時間攪拌した。その後、得られた反応溶液を室温まで冷却し、該反応溶液を、メタノール(200mL)および37wt%の濃塩酸(20mL)の混合溶液に注いだ。析出した固体を濾過して集め、得られた固体を円筒濾紙に入れ、ソックスレー抽出器を用いて、メタノール、アセトンおよびヘキサンでそれぞれ3時間洗浄した。その後、円筒濾紙内に残った残渣をo−ジクロロベンゼン(6mL)に溶解させ、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(0.20g)および水(2.0mL)を加え、90℃で3時間攪拌を行った。水層を分液にて除去後、得られた有機層を水(50mL)で2回、3wt%酢酸水溶液(50mL)で2回、水(50mL)で2回洗浄した後、得られた溶液をメタノールに注ぐことで固体を析出させた。得られた固体を濾過後、乾燥させ、得られた固体をo−ジクロロベンゼン(8mL)に再度溶解させた後、アルミナ/シリカゲルカラムを通過させた。得られた溶液をメタノールに注ぐことで固体を析出させ、得られた固体を濾過後、乾燥させることで、高分子化合物Iを82mg得た。高分子化合物Iのポリスチレン換算の数平均分子量は1.3×10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は3.7×10であった。
実施例26
(高分子化合物Jの合成)
Figure 0006140482
100mLフラスコ内の気体をアルゴンガス雰囲気下とした後、化合物21(190mg,0.158mmol)、化合物25(72.0mg,0.157mmol)、トリス(2−トリル)ホスフィン(4.3mg,0.014mmol)および脱水トルエン(9mL)を加え均一溶液とした後、30分間アルゴンガスバブリングによって脱気した。その後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(2.16mg,0.00236mmol)を加え、105℃で4.5時間攪拌し、さらに、120℃で2時間攪拌した。その後、得られた反応溶液にフェニルブロミド(50mg)を加え、2時間攪拌した。その後、得られた反応溶液を室温まで冷却し、該反応溶液を、メタノール(200mL)および37wt%の濃塩酸(20mL)の混合溶液に注いだ。析出した固体を濾過して集め、得られた固体を円筒濾紙に入れ、ソックスレー抽出器を用いて、メタノール、アセトンおよびヘキサンでそれぞれ3時間洗浄した。その後、円筒濾紙内に残った残渣をトルエン(15mL)に溶解させ、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(0.13g)および水(1.0mL)を加え、90℃で3時間攪拌を行った。水層を分液して除去後、得られた有機層を水(50mL)で2回、3wt%酢酸水溶液(50mL)で2回、水(50mL)で2回洗浄した後、得られた溶液をメタノールに注ぐことで固体を析出させた。得られた固体を濾過後、乾燥し、得られた固体をo−ジクロロベンゼン(8mL)に再度溶解させた後、アルミナ/シリカゲルカラムを通過させた。得られた溶液をメタノールに注ぐことで固体を析出させ、得られた固体を濾過後、乾燥させることで、高分子化合物Jを105mg得た。高分子化合物Jのポリスチレン換算の数平均分子量は2.1×10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は4.3×10であった。なお、高分子化合物Jを含む有機薄膜のイオン化ポテンシャルは5.42eVであった。
実施例27
(高分子化合物Kの合成)
Figure 0006140482
100mLフラスコ内の気体をアルゴンガス雰囲気下とした後、化合物21(200mg,0.166mmol)、European Journal of Organic Chemistry、2011、25、4841-4852に記載の方法に従って合成した化合物26(104.0mg,0.166mmol)およびトリス(2−トリル)ホスフィン(4.5mg,0.015mmol)、脱水トルエン(11mL)を加え均一溶液とした後、30分間アルゴンガスバブリングによって脱気した。その後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(2.28mg,0.0025mmol)を加え、105℃で4.5時間攪拌し、さらに、120℃で2時間攪拌した。その後、得られた反応溶液にフェニルブロミド(50mg)を加え、2時間攪拌した。その後、得られた反応溶液を室温まで冷却し、該反応溶液を、メタノール(200mL)および37wt%の濃塩酸(20mL)の混合溶液に注いだ。析出した固体を濾過して集め、得られた固体を円筒濾紙に入れ、ソックスレー抽出器を用いて、メタノール、アセトンおよびヘキサンでそれぞれ3時間洗浄した。その後、円筒濾紙内に残った残渣をトルエン(15mL)に溶解させ、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(0.18g)および水(2.0mL)を加え、90℃で3時間攪拌を行った。水層を分液して除去後、得られた有機層を水(50mL)で2回、3wt%酢酸水溶液(50mL)で2回、水(50mL)で2回洗浄した後、得られた溶液をメタノールに注ぐことで固体を析出させた。得られた固体を濾過後、乾燥させ、得られた固体をo−ジクロロベンゼン(8mL)に再度溶解させた後、アルミナ/シリカゲルカラムを通過させた。得られた溶液をメタノールに注ぐことで固体を析出させ、得られた固体を濾過後、乾燥させることで、高分子化合物Kを124mg得た。高分子化合物Kのポリスチレン換算の数平均分子量は2.3×10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は4.7×10であった。なお、高分子化合物Kを含む有機薄膜のイオン化ポテンシャルは5.19eVであった。
実施例28
(高分子化合物Lの合成)
Figure 0006140482
100mLの四つ口フラスコ内の気体を窒素ガス雰囲気下とした後、化合物10(180.0mg,0.257mmol)および乾燥クロロベンゼン(5mL)を加え、30分間アルゴンガスバブリングによって脱気した。その後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(11.76mg,0.0128mmol)、トリ-tert-ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート(14.91mg,0.051mmol)および3Mリン酸カリウム水溶液(2mL)を加え、80℃に加熱した。その後、得られた反応溶液に、30分間アルゴンガスバブリングにより脱気した化合物7(50.5mg,0.129mmol)および化合物14(100.0mg,0.129mmol)の乾燥THF(5mL)溶液を5分間かけて滴下し、80℃で2時間攪拌した。その後、得られた反応溶液に、30分間アルゴンガスバブリングによって脱気したフェニルブロマイド(100mg,0.68mmol)の乾燥THF(5mL)溶液を加え、80℃で2時間攪拌した後、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム二水和物(2.89g)およびイオン交換水(29mL)を加え、90℃で2時間加熱した。得られた反応液中の水層を除去後、得られた有機層をイオン交換水(20mL)で2回、10wt%酢酸水溶液(20mL)で2回、イオン交換水(20mL)で2回洗浄した後、メタノール(50mL)に注いで固体を析出させた。得られた固体をo−ジクロロベンゼン(11mL)に再溶解させ、次いで、カラムクロマトグラフィ(SiOおよびアルミナ)を通過させ、得られた溶液をメタノール(50mL)に注いで固体を析出させた。得られた固体を濾過し、乾燥させることにより、高分子化合物Lを59mg得た。高分子化合物Lのポリスチレン換算の数平均分子量は2.7×10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は5.2×10であった。なお、高分子化合物Lを含む有機薄膜のイオン化ポテンシャルは5.31eVであった。
実施例29
(有機太陽電池4の作製および評価)
高分子化合物Dに代えて高分子化合物Jを用いたこと以外は、実施例17と同様にして有機太陽電池4を作製した。活性層の光吸収端波長端は800nmであった。
得られた有機太陽電池4に、ソーラシミュレーターを用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定して光電変換効率、短絡電流密度、開放電圧、フィルファクターを求めた。Jsc(短絡電流密度)は6.60mA/cm2であり、Voc(開放端電圧)は0.83Vであり、ff(フィルファクター(曲線因子))は0.61であり、光電変換効率(η)は3.34%であった。
実施例30
(有機太陽電池5の作製および評価)
高分子化合物Dに代えて高分子化合物Kを用いたこと以外は、実施例17と同様にして有機太陽電池5を作製した。活性層の光吸収端波長端は760nmであった。
得られた有機太陽電池5に、ソーラシミュレーターを用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定して光電変換効率、短絡電流密度、開放電圧、フィルファクターを求めた。Jsc(短絡電流密度)は4.99mA/cm2であり、Voc(開放端電圧)は0.87Vであり、ff(フィルファクター(曲線因子))は0.60であり、光電変換効率(η)は2.60%であった。
実施例23
(有機トランジスタ4の作製および評価)
高分子化合物Aに代えて高分子化合物Gを用いたこと以外は、実施例6と同様にして有機トランジスタ4を作製した。
得られた有機トランジスタ4のゲート電圧Vg、ソース・ドレイン間電圧Vsdを変化させ、トランジスタ特性を測定した。電界効果移動度は、4.5×10−2cm/Vsであった。
1…基板、2、2a…活性層、3…絶縁層、4…ゲート電極、5…ソース電極、
6…ドレイン電極、7a…第1の電極、7b…第2の電極、100、110、120、130、140、150、160、170、180…有機トランジスタ、300…光電変換素子。

Claims (17)

  1. 式()で表される化合物。
    Figure 0006140482
    (式中、
    およびRは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基または炭素原子数2〜30の1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    およびZは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ホウ酸エステル残基、ホウ酸残基(−B(OH)で表される基を意味する。)または有機スズ残基を表す。
    Xは、酸素原子、硫黄原子またはセレン原子を表す。2個存在するXは、同一でも異なっていてもよい。
    Yは、窒素原子または−CR =を表す。2個存在するYは、同一でも異なっていてもよい。R は、水素原子、フッ素原子、炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数2〜30の1価の複素環基または炭素原子数1〜30のアルコキシ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R が2個存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
  2. 前記2個存在するXが同一であり、且つ、前記2個存在するYが同一である、請求項1に記載の化合物。
  3. 前記Yが、−CH=である、請求項1または2に記載の化合物。
  4. 前記Xが、硫黄原子である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. 前記RとRが、同一である、請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物。
  6. 前記RとRが、炭素原子数1〜30のアルキル基である、請求項に記載の化合物。
  7. 前記ZとZが、同一である、請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物。
  8. 前記ZとZが、水素原子である、請求項に記載の化合物。
  9. 式(3’)で表される化合物と、式(4)で表される化合物および式(5)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、を反応させる第一工程と、
    Figure 0006140482
    (式中、
    Xは、酸素原子、硫黄原子またはセレン原子を表す。2個存在するXは、同一でも異なっていてもよい。
    Yは、窒素原子または−CR =を表す。2個存在するYは、同一でも異なっていてもよい。R は、水素原子、フッ素原子、炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数2〜30の1価の複素環基または炭素原子数1〜30のアルコキシ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R が2個存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。

    −Mtl (4)
    (式中、
    は、炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、または炭素原子数2〜30の1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    Mtlは、リチウム原子またはマグネシウムハライドを表す。)

    −Mtl (5)
    (式中、
    は、炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、または炭素原子数2〜30の1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    Mtlは、前記と同じ意味を表す。)
    第一工程で得られた化合物を酸の存在下にて反応させる第二工程と、
    を含む、請求項に記載の化合物の製造方法。
  10. 式(A)で表される化合物。

    −W−Ar−W−Z (A)
    (式中、ZおよびZは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ホウ酸エステル残基、ホウ酸残基(−B(OH)で表される基を意味する。)または有機スズ残基を表す。Arは、アリーレン基または2価の複素環基を表す。Wは、式(A−1’)で表される基または式(A−2’)で表される基を表す。Wは、式(A−3’)で表される基または式(A−4’)で表される基を表す。)
    Figure 0006140482
    (式(A−1’)〜式(A−4’)中、R’、R、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基または炭素原子数2〜30の1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    Xは、酸素原子、硫黄原子またはセレン原子を表す。2個存在するXは、同一でも異なっていてもよい。
    Yは、窒素原子または−CR =を表す。2個存在するYは、同一でも異なっていてもよい。R は、水素原子、フッ素原子、炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数2〜30の1価の複素環基または炭素原子数1〜30のアルコキシ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R が2個存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
  11. 式(7’)で表される化合物、式(8’)で表される化合物、または式(9’)で表される化合物である請求項10に記載の化合物。
    Figure 0006140482
    (式(7’)〜式(9’)中、R’、R、R、R、Z、Z、ArXおよびYは、前記と同じ意味を表す。)
  12. 式(10)で表される化合物、式(11)で表される化合物、または式(12)で表される化合物である請求項11に記載の化合物。
    Figure 0006140482
    (式(10)〜式(12)中、R’、R、R、R、Z、およびZは、前記と同じ意味を表す。R、R、R、R10、R11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基または炭素原子数2〜30の1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。)
  13. 請求項1〜、および1012のいずれか一項に記載の化合物を、単独重合または共重合して得られる高分子化合物。
  14. 請求項13に記載の高分子化合物を含む、有機薄膜。
  15. 第1の電極と第2の電極とを有し、
    該第1の電極と該第2の電極との間に活性層を有し、該活性層に請求項13に記載の高分子化合物を含む、有機半導体素子。
  16. 光電変換素子である、請求項15に記載の有機半導体素子。
  17. 有機トランジスタである、請求項15に記載の有機半導体素子。
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