JP2015174900A - 化合物及びそれを用いた有機光電変換素子 - Google Patents

化合物及びそれを用いた有機光電変換素子 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた光電変換効率を付与しうる化合物を提供する。
【解決手段】 式(1)で表される構造単位と式(2)で表される構造単位とを有する化合物。
Figure 2015174900

式(1)中、環Aおよび環Bは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環または置換基を有していてもよい複素芳香環を表す。Xは硫黄原子、酸素原子またはセレン原子を表し、YおよびYはそれぞれ独立に窒素原子又は=CH−を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基、ニトロ基又は1価の有機基を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は1価の有機基を表す。ただし、Rが水素原子のとき、Rは水素原子ではない。)
【選択図】なし

Description

本発明は、化合物並びにそれを用いた有機光電変換素子及び有機薄膜トランジスタに関する。
有機光電変換素子(有機太陽電池、光センサー等)の機能層に用いる有機半導体材料として、例えば、下記構造単位(M)および下記構造単位(N)を有する化合物が検討されている(非特許文献1)。
Figure 2015174900
構造単位(M) 構造単位(N)
Applied Physics Letters Vol.84, No.10 1653−1655 (2004)
しかし、前記化合物は、有機光電変換素子の光電変換効率も必ずしも十分ではない。
そこで、本発明は優れた光電変換効率を付与しうる化合物を提供することを目的とする。
即ち、本発明は第一に、式(1)で表される構造単位と式(2)で表される構造単位とを有する化合物を提供する。
Figure 2015174900
〔式中、環Aおよび環Bは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環または置換基を有していてもよい複素芳香環を表す。Xは、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子を表し、YおよびYはそれぞれ独立に、窒素原子又は=CH−を表す。RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、シアノ基、ニトロ基又は1価の有機基を表す。RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は1価の有機基を表す。ただし、Rが水素原子のとき、Rは水素原子ではない。〕
本発明は第二に、R及びRが、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルコキシ基または置換基を有していてもよいアリールオキシ基である化合物を提供する。
本発明は第三に、さらに式(3)で表される構造単位を有する化合物を提供する。
Figure 2015174900
(3)

(式(3)中、Qは式(1)及び式(2)でそれぞれ表される構造単位のいずれとも異なり、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリーレン基、置換基を有していてもよい炭素数4〜60の2価の複素環基、置換基を有していてもよいアルケニレン基またはアルキニレン基を表す。)
本発明は第四に、数平均分子量3000以上の高分子化合物であることを特徴とする前記いずれか記載の高分子化合物を提供する。
本発明は第五に前記化合物と電子受容性化合物を含み、電子受容性化合物の含有率が請前記の化合物100重量部に対して10〜1000重量部である電子素子用組成物を提供する。
本発明は第六に前記のいずれかに記載の化合物を含む電子素子を提供する。
本発明は第七に一対の電極と、該電極間に設けられた機能層とを有し、該機能層が電子受容性化合物と前記の化合物とを含む光電変換素子を提供する。
本発明は第八に電子受容性化合物が、フラーレン誘導体である前記の光電変換素子を提供する。
本発明の化合物および高分子化合物は、高い光電変換効率を示す有機光電変換素子を製造することができるため、工業的に有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
<化合物>
本発明は、式(1)で表される構造単位と式(2)で表される構造単位とを有する化合物に関するものである。
Figure 2015174900

〔式(1)中、環Aおよび環Bは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環または置換基を有していてもよい複素芳香環を表す。Xは硫黄原子、酸素原子またはセレン原子を表し、YおよびYはそれぞれ独立に窒素原子又は=CH−を表す。RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、シアノ基、ニトロ基又は1価の有機基を表す。RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は1価の有機基を表す。ただし、Rが水素原子のとき、Rは水素原子ではない。〕
およびRで表される1価の有機基は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、アリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、イミド基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、置換シリルチオ基、置換シリルアミノ基、1価の複素環基、複素環オキシ基、複素環チオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基又はカルボキシル基を表し、これらの基にそれぞれ含まれる水素原子は置換基で置換されていてもよい。
およびRで表されるアルキル基は、直鎖アルキル基、分岐アルキル基のいずれであってもよい。アルキル基が有する炭素原子数は、通常1〜30であり、1〜20であることが好ましい。なお、上記の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。アルキル基は置換基を有していてもよく、アルキル基が有していてもよい置換基としては、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子等が挙げられる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル墓、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル墓、オクタデシル基、エイコシル基等が挙げられ、置換基を有するアルキル基の具体例としては、メトキシエチル基、メチルチオエチル基、フェニルオキシエチル基、ベンジル基、2−チエニルメチル基、2−フリルメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基等が挙げられる。
およびRで表されるシクロアルキル基が有する炭素原子数は、通常3〜30であり、3〜20であることが好ましい。なお、上記の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。シクロアルキル基は置換基を有していてもよく、シクロアルキル基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子等が挙げられる。シクロアルキル基上に置換された2以上のアルキル基は互いに連結して、それらが結合した炭素原子とともに環状構造を形成してもよい。いシクロアルキル基の具体例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基が挙げられる。
およびRで表されるアルコキシ基は、直鎖状でも分岐状であってもよい。アルコキシ基の炭素数は、通常1〜20程度である。なお、上記の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。アルコキシ基は置換基を有していてもよく、アルコキシ基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アリール基または一価の複素環基等が挙げられる。アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、iso−プロピルオキシ基、ブトキシ基、iso−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、メトキシメチルオキシ基、2−メトキシエチルオキシ基が挙げられる。
およびRで表されるシクロアルコキシ基の炭素数は、通常3〜30程度である。なお、上記の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。シクロアルコキシ基は置換基を有していてもよく、シクロアルコキシ基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アリール基または一価の複素環基等が挙げられる。シクロアルコキシ基の具体例としては、シクロヘキシルオキシ基が挙げられる。
およびRで表されるアルキルチオ基は、直鎖状でも分岐状であってもよく、アルキルチオ基の炭素数は、通常1〜20程度である。なお、上記の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。アルキルチオ基は、置換基を有していてもよく、アルキルチオ基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アリール基または一価の複素環基等が挙げられる。アルキルチオ基の具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基、ブチルチオ基、iso−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、ラウリルチオ基、トリフルオロメチルチオ基が挙げられる。
およびRで表されるシクロアルキルチオ基の炭素数は、通常3〜30程度である。なお、上記の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。シクロアルキルチオ基は置換基を有していてもよく、シクロアルキルチオ基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アリール基または一価の複素環基等が挙げられる。シクロアルキルチオ基の具体例としては、シクロヘキシルチオ基が挙げられる。
およびRで表されるアリール基は、その炭素数が通常3〜30程度であり、6〜20であることが好ましい。なお、上記の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。アリール基は置換基を有していてもよく、アリール基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、1価の複素環基、ハロゲン原子等が挙げられる。アリール基の具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基、4−フルオレニル基、4−フェニルフェニル基等が挙げられる。アリール基としてはフェニル基が好ましい。置換基を有するアリール基の具体例としては、C1〜C12アルキルオキシフェニル基(C1〜C12は、炭素数1〜12であることを示す。以下も同様である。)、C1〜C12アルキルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、ペンタフルオロフェニル基等が挙げられる。置換基を有するアリール基としてはC1〜C12アルキルフェニル基が好ましい。
およびRで表されるアリールオキシ基は、その炭素数が通常3〜60程度である。なお、上記の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。アリールオキシ基は芳香環上に置換基を有していてもよく、アリールオキシ基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アリール基または一価の複素環基等が挙げられる。アリールオキシ基の具体例としては、フェノキシ基、C1〜C12アルキルオキシフェノキシ基、C1〜C12アルキルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、ペンタフルオロフェニルオキシ基が挙げられる。
およびRで表されるアリールチオ基は、その炭素数が通常3〜60程度である。なお、上記の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。アリールチオ基は芳香環上に置換基を有していてもよく、アリールチオ基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アリール基または一価の複素環基等が挙げられる。アリールチオ基の具体例としては、フェニルチオ基、C1〜C12アルキルオキシフェニルチオ基、C1〜C12アルキルフェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ基が挙げられる。
およびRで表されるアリールアルキル基は、その炭素数が通常7〜60程度である。なお、上記の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。アリールアルキル基は、置換基を有していてもよく、アリールアルキル基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アリール基または一価の複素環基等が挙げられる。アリールアルキル基の具体例としては、フェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルキルオキシフェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキル基、2−ナフチル−C1〜C12アルキル基が挙げられる。
およびRで表されるアリールアルキルオキシ基は、その炭素数が通常7〜60程度である。なお、上記の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。アリールアルキルオキシ基は置換基を有していてもよく、アリールアルキルオキシ基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アリール基または一価の複素環基等が挙げられる。アリールアルキルオキシ基の具体例としては、フェニル−C1〜C12アルキルオキシ基、C1〜C12アルキルオキシフェニル−C1〜C12アルキルオキシ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルオキシ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルオキシ基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルオキシ基が挙げられる。
およびRで表されるアリールアルキルチオ基は、その炭素数が通常7〜60程度である。なお、上記の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。アリールアルキルチオ基は置換基を有していてもよく、アリールアルキルチオ基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アリール基または一価の複素環基等が挙げられる。アリールアルキルチオ基の具体例としては、フェニル−C1〜C12アルキルチオ基、C1〜C12アルキルオキシフェニル−C1〜C12アルキルチオ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルチオ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルチオ基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルチオ基が挙げられる。
およびRで表されるアシル基とは、カルボン酸のカルボキシル基(−COOH)から水酸基を除いた基を意味し、その炭素数は通常2〜20程度である。アシル基の具体例としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、ペンタフルオロベンゾイル基が挙げられる。
およびRで表されるアシルオキシ基とは、カルボン酸のカルボキシル基(−COOH)から水素原子を除いた基を意味し、その炭素数は通常2〜20程度である。アシルオキシ基の具体例としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、ペンタフルオロベンゾイルオキシ基が挙げられる。
およびRで表されるアミド基とは、アミドから窒素原子に結合した水素原子1個を除いた基を意味し、の炭素数は通常2〜20程度である。アミド基の具体例としては、ホルムアミド基、アセトアミド基、プロピオアミド基、ブチロアミド基、ベンズアミド基、トリフルオロアセトアミド基、ペンタフルオロベンズアミド基、ジホルムアミド基、ジアセトアミド基、ジプロピオアミド基、ジブチロアミド基、ジベンズアミド基、ジトリフルオロアセトアミド基、ジペンタフルオロベンズアミド基が挙げられる。
およびRで表されるイミド基とは、イミドから窒素原子に結合した水素原子1個を除いた基を意味し、その炭素数は通常2〜20程度である。イミド基の具体例としては、スクシンイミド基、フタル酸イミド基などが挙げられる。
およびRで表される置換アミノ基とは、アミノ基の水素原子の1個又は2個が置換された基を意味し、置換基としては、アルキル基、アリール基または一価の複素環基が挙げられる。置換アミノ基の炭素数は通常1〜40程度である。置換基アミノ基の具体例としては、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ラウリルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ピロリジル基、ピペリジル基、ジトリフルオロメチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、C1〜C12アルキルオキシフェニルアミノ基、ジ(C1〜C12アルキルオキシフェニル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、ペンタフルオロフェニルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピリダジニルアミノ基、ピリミジルアミノ基、ピラジルアミノ基、トリアジルアミノ基、フェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、C1〜C12アルキルオキシフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、ジ(C1〜C12アルキルオキシフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基が挙げられる。
およびRで表される置換シリル基とは、シリル基の水素原子の1個、2個又は3個が置換された基、一般に、シリル基の3個の水素原子全てが置換された基を意味し、置換基としては、アルキル基、アリール基または一価の複素環基が挙げられる。置換シリル基の炭素数は通常2〜20程度である。置換シリル基の具体例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−プロピルシリル基、トリ−iso−プロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基、トリベンジルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などが挙げられる。
およびRで表される置換シリルオキシ基とは、置換シリル基に酸素原子が結合した基であり、その炭素原子数は通常2〜20程度である。置換シリルオキシ基の具体例としては、トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリ−n−プロピルシリルオキシ基、トリ−iso−プロピルシリルオキシ基、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基、トリ−p−キシリルシリルオキシ基、トリベンジルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基、tert−ブチルジフェニルシリルオキシ基、ジメチルフェニルシリルオキシ基などが挙げられる。
およびRで表される置換シリルチオ基とは、置換シリル基に硫黄原子が結合した基であり、その炭素原子数は通常2〜20程度である。置換シリルチオ基の具体例としては、トリメチルシリルチオ基、トリエチルシリルチオ基、トリ−n−プロピルシリルチオ基、トリ−iso−プロピルシリルチオ基、tert−ブチルジメチルシリルチオ基、トリフェニルシリルチオ基、トリ−p−キシリルシリルチオ基、トリベンジルシリルチオ基、ジフェニルメチルシリルチオ基、tert−ブチルジフェニルシリルチオ基、ジメチルフェニルシリルチオ基などが挙げられる。
およびRで表される置換シリルアミノ基とは、アミノ基の水素原子の1個又は2個が置換シリル基で置換された基であり、置換基としては、アルキル基、アリール基または1価の複素環基が挙げられる。置換シリルアミノ基の炭素数は通常2〜20程度である。置換シリルアミノ基の具体例としては、トリメチルシリルアミノ基、トリエチルシリルアミノ基、トリ−n−プロピルシリルアミノ基、トリ−iso−プロピルシリルアミノ基、tert−ブチルジメチルシリルアミノ基、トリフェニルシリルアミノ基、トリ−p−キシリルシリルアミノ基、トリベンジルシリルアミノ基、ジフェニルメチルシリルアミノ基、tert−ブチルジフェニルシリルアミノ基、ジメチルフェニルシリルアミノ基、ジ(トリメチルシリル)アミノ基、ジ(トリエチルシリル)アミノ基、ジ(トリ−n−プロピルシリル)アミノ基、ジ(トリ−iso−プロピルシリル)アミノ基、ジ(tert−ブチルジメチルシリル)アミノ基、ジ(トリフェニルシリル)アミノ基、ジ(トリ−p−キシリルシリル)アミノ基、ジ(トリベンジルシリル)アミノ基、ジ(ジフェニルメチルシリル)アミノ基、ジ(tert−ブチルジフェニルシリル)アミノ基、ジ(ジメチルフェニルシリル)アミノ基が挙げられる。
およびRで表される1価の複素環基は、置換基を有していてもよい複素環式化合物から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた1価の基であり、縮合環を有する基、独立した複素環および縮合環から選ばれる2個以上が直接結合した基を含む。1価の複素環基としては、1価の芳香族複素環基が好ましい。1価の複素環基が有する炭素数は、通常2〜30であり、3〜20であることが好ましい。なお、上記の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。1価の複素環基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、ハロゲン原子等が挙げられる。1価の複素環基の具体例としては、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、2−イミダゾリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ベンゾフリル基、2−ベンゾチエニル基、2−チエノチエニル基等が挙げられ、特に2−チエニル基が好ましい。置換基を有する1価の複素環基としては、5−オクチル−2−チエニル基、5−フェニル−2−フリル基等が挙げられる。1価の複素環基が置換基を有する場合、置換基としてはアルキル基が好ましい。
ここに複素環化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素などのヘテロ原子を環内に含む有機化合物をいう。
およびRで表される複素環オキシ基、複素環チオ基としては、前記1価の複素環基に酸素原子又は窒素原子が結合した基が挙げられる。
複素環オキシ基は、その炭素数が通常4〜60程度である。複素環オキシ基の具体例としては、チエニルオキシ基、C1〜C12アルキルチエニルオキシ基、ピロリルオキシ基、フリルオキシ基、ピリジルオキシ基、C1〜C12アルキルピリジルオキシ基、イミダゾリルオキシ基、ピラゾリルオキシ基、トリアゾリルオキシ基、オキサゾリルオキシ基、チアゾールオキシ基、チアジアゾールオキシ基が挙げられる。
複素環チオ基は、その炭素数が通常4〜60程度である。複素環チオ基の具体例としては、チエニルメルカプト基、C1〜C12アルキルチエニルメルカプト基、ピロリルメルカプト基、フリルメルカプト基、ピリジルメルカプト基、C1〜C12アルキルピリジルメルカプト基、イミダゾリルメルカプト基、ピラゾリルメルカプト基、トリアゾリルメルカプト基、オキサゾリルメルカプト基、チアゾールメルカプト基、チアジアゾールメルカプト基が挙げられる。
およびRで表されるアリールアルケニル基は、通常、その炭素数が7〜20であり、アリールアルケニル基の具体例としては、スチリル基が挙げられる。
アリールアルキニル基は、通常、その炭素数が7〜20であり、アリールアルキニル基の具体例としては、フェニルアセチレニル基が挙げられる。
およびRとしては、変換効率の観点から、アルキル基やアリール基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
環Aおよび環Bは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環または置換基を有していてもよい複素芳香環を表す。環Aおよび環Bは、光電変換効率を向上させる観点から、少なくとも一方は置換基を有していてもよい複素芳香環であることが好ましく、両方が置換基を有していてもよい複素芳香環であることがより好ましい。
環Aおよび環Bで表わされる、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環とは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子3個を除いた3価の基であり、ベンゼン環を有する基、縮合環を有する基、独立したベンゼン環および縮合環から選ばれる2個以上が直接結合した基を含む。炭素数は、通常6〜60、好ましくは6〜20である。なお、上記の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。芳香族炭化水素は、単環であっても縮合環であってもよい。これらの中でも、より優れた溶解性が得られ、かつ、製造が容易であるので、5つ以下の環が縮合した縮合環、又は単環が好ましく、2つの環が縮合した縮合環、又は単環がより好ましく、単環がさらに好ましい。
芳香族炭化水素還が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、アリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、イミド基、イミノ基、アミノ基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、置換シリルチオ基、置換シリルアミノ基、1価の複素環基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、カルボキシル基又はシアノ基が例示される。
環Aおよび環Bで表わされる、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環として、以下の3価の基が例示される。

Figure 2015174900
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環Aおよび環Bで表わされる、置換基を有していてもよい複素芳香環とは、置換基を有していてもよい複素環式芳香族化合物における複素環上の3つの水素原子を除いた3価の基であり、縮合環を有する基、独立した複素環および縮合環から選ばれる2個以上が直接結合した基を含む。炭素数は、通常4〜60、好ましくは4〜20である。上記の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。複素環式芳香族化合物は、単環又は縮合環であってもよい。これらの中でも、より優れた溶解性が得られるほか、製造が容易であるので、5つ以下の環が縮合した縮合環、又は単環が好ましく、2つの環が縮合した縮合環、又は単環がより好ましく、単環がさらに好ましい。複素芳香環が有していてもよい置換基としては、芳香族炭化水素環が有していてもよい置換基と同じものが挙げられる。
ここに複素環式芳香族化合物とは、芳香族炭化水素のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素などのヘテロ原子を環内に含む有機化合物をいう。
環Aおよび環Bで表わされる、置換基を有していてもよい複素芳香環としては、例えば、以下の3価の基が挙げられる。
Figure 2015174900
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式(201)〜式(284)中、R’は、同一又は相異なり、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルキルチオ基シクロアルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、アリールアルキルチオ基、置換アミノ基、アシルオキシ基、アミド基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、1価の複素環基又はシアノ基を表す。
R’’は、同一又は相異なり、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、置換シリル基、アシル基又は1価の複素環基を表す。
R’で表されるアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、アリールアルキルチオ基、置換アミノ基、アシルオキシ基、アミド基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、1価の複素環基の定義、具体例は、前述のRおよびRで表されるアルキル基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、アリールアルキルチオ基、置換アミノ基、アシルオキシ基、アミド基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、1価の複素環基の定義、具体例と同じである。R’で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
R’’で表される、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、置換シリル基、アシル基、1価の複素環基の定義、具体例は、前述のRおよびRで表されるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、置換シリル基、アシル基、1価の複素環基の定義、具体例と同じである。
式(1)で表される構造単位としては、好ましくは式(301)〜式(356)で表される構造単位及びこれらの構造単位中に含まれる芳香族炭化水素環又は複素芳香環上にさらに置換基を有する構造単位であり、より好ましくは301である。
Figure 2015174900
Figure 2015174900
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〔式(301)〜式(356)中、R、Rは前記と同じ意味を表す。〕
式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基又は1価の有機基を表す。複数個あるRは、同一でも相異なっていてもよく、互いに結合してそれらが結合する炭素原子とともに環状構造を形成していてもよい。Rが1価の有機基である場合、該有機基の例としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基から選ばれる基があげられる。これらの置換基に含まれる水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。
Rで表されるアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、置換アミノ基、置換シリル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、1価の複素環基の定義、具体例は、前述のRおよびRで表されるアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、置換アミノ基、置換シリル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、1価の複素環基の定義、具体例と同じである。Rで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
Rで表される置換カルボキシル基とは、カルボキシル基の水素原子が置換された基を意味し、置換基としては、アルキル基が挙げられる。置換カルボキシル基としては、通常炭素数2〜20のものが用いられ、メチルエステル構造を有する基、エチルエステル構造を有する基、ブチルエステル構造を有する基などが挙げられる。
式(2)中、Xとして好ましくは、硫黄原子、酸素原子、セレン原子であり、より好ましくは硫黄原子、酸素原子であり、さらに好ましくは硫黄原子である。
式(2)中、Y及びYは、それぞれ独立に、窒素原子又は=CH−を表す。好ましくは、Y及びYの少なくとも一方が窒素原子であり、より好ましくは、Y及びYが、いずれも窒素原子である。
式(2)中、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は1価の有機基を表す。ただし、Rが水素原子のとき、Rは水素原子ではない。1価の有機基としては、RおよびRで表される1価の有機基の定義、具体例と同じである。RおよびRで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。RおよびRとして好ましくは、アルコキシ基、アリールオキシ基またはフッ素原子であり、より好ましくはアルコキシ基またはアリールオキシ基である。アルコキシ基及びアリールオキシ基にそれぞれ含まれる水素原子は置換基で置換されていてもよい。
式(2)で表される構造単位としては、例えば、下記構造単位が挙げられる。
Figure 2015174900

〔式(401)〜式(406)中、R、Rは前記と同じ意味を表す。ただし、Rが水素原子のとき、Rは水素原子ではない。〕
本発明の化合物は、光電変換効率をさらに高める観点から、さらに下記式(3)で表される構造単位を有することが好ましい。
Figure 2015174900
(3)
式(3)中、Qは式(1)及び式(2)でそれぞれ表される構造単位のいずれとも異なり、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリーレン基、置換基を有していてもよい炭素数4〜60の2価の複素環基、置換基を有していてもよいアルケニレン基またはアルキニレン基を表す。
Qで表される置換基を有していてもよいアルケニレン基において、アルケニレン基としては、例えば、ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基等の炭素数2〜6のアルケニレン基が挙げられる。アルケニレン基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アリール基、一価の複素環基等が挙げられる。アルキニレン基としては、例えば、エチニレン基、プロピニレン基、ブチニレン基等の炭素数2〜10のアルキニレン基が挙げられる。これらのなかで、二重結合のシス−トランス幾何構造の制御、化学構造安定性という点から、低級アルキニレン基が好ましく、具体的には、エチニレン基、プロペニレン基、ブテニレンが好ましい。
Qで表される置換基を有していてもよいアリーレン基において、アリーレン基とは、芳香族炭化水素から、水素原子2個を除いた原子団であり、芳香環を構成する炭素数は通常6〜60程度であり、好ましくは6〜20である。ここに芳香族炭化水素としては、ベンゼン環をもつもの、縮合環をもつもの、独立したベンゼン環又は縮合環2個以上が直接結合してもの又はビニレン等の基を介して結合したものも含まれる。アリーレン基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アリール基、一価の複素環基等が挙げられる。
アリーレン基としては、フェニレン基(例えば、下図の式1〜3)、ナフタレンジイル基(下図の式4〜13)、アントラセンジイル基(下図の式14〜19)、ビフェニル−ジイル基(下図の式20〜25)、ターフェニル−ジイル基(下図の式26〜28)、縮合環化合物基(下図の式29〜38)などが例示される。縮合環化合物基には、フルオレン−ジイル基(下図の式36〜38)が含まれる。
Qで表される置換基を有していてもよい2価の複素環基において、2価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子2個を除いた残りの原子団をいい、環を構成する炭素数は通常4〜60程度である。ここに複素環化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素、ヒ素などのヘテロ原子を環内に含むものをいう。
2価の複素環基としては、例えば以下のものが挙げられる。
ヘテロ原子として、窒素を含む2価の複素環基:ピリジン−ジイル基(下図の式39〜44)、ジアザフェニレン基(下図の式45〜48)、キノリンジイル基(下図の式49〜63)、キノキサリンジイル基(下図の式64〜68)、アクリジンジイル基(下図の式69〜72)、ビピリジルジイル基(下図の式73〜75)、フェナントロリンジイル基(下図の式76〜78);
ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含みフルオレン構造を有する基(下図の式79〜93);
ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基(下図の式94〜98);
ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環縮合複素基(下図の式99〜110);
ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位で結合し2量体やオリゴマーになっている基(下図の式111〜112);
ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位でフェニル基に結合している基(下図の式113〜119);
ヘテロ原子として酸素、窒素、硫黄、などを含む5員環縮合複素環基にフェニル基やフリル基、チエニル基が置換した基(下図の式120〜127);
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式1〜式127中、Rは前述と同じ意味を表す。式(3)として好ましくは1〜3、95〜97、107,119であり、特に好ましくは1、96である。
本発明の化合物に含まれる式(1)で表される構造単位と式(2)で表される構造単位および、(3)で表される構造単位の合計量は、該化合物を含む機能層を有する有機光電変換素子の光電変換効率を高める観点からは、該化合物が含有する構造単位の合計量に対して、20〜100モル%であることが好ましく、30〜100モル%であることがより好ましい。
また本発明の化合物に含まれる式(1)で表される構造単位の数と、式(2)で表される構造単位の数との比は、例えば1:9〜9:1であり、3:7〜7:3が好ましい。
本発明の化合物の好ましい一態様として、式(4)で表される構造単位を有する化合物が挙げられる。
Figure 2015174900
(4)
〔式(4)中、R、R、RおよびRは、前述と同じ意味を表す。ただし、Rが水素原子のとき、Rは水素原子ではない。〕
式(4)で表される構造単位としては、例えば、以下の構造単位が挙げられる。
Figure 2015174900
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本発明の化合物に含まれる式(4)で表される構造単位の数の割合は、該化合物を含む機能層を有する有機光電変換素子の光電変換効率を高める観点からは、該化合物が含有する構造単位の合計数に対して、20〜100重量%であることが好ましく、30〜100重量%であることがより好ましい。
本発明の化合物は高分子化合物であることが光電変換効率を高める観点から好ましい。本発明における高分子化合物とは、ゲルパーミッションクロマトグラフィー(以下GPCと呼称することもある)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量が1000以上の化合物を指す。高分子化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは3000以上であり、100000000以下であり、より好ましくは3000〜10000000であり、さらに好ましくは3000〜1000000である。
本発明の高分子化合物は、共役系高分子化合物であることが好ましい。ここで、共役系高分子化合物とは、高分子化合物の主鎖を構成する原子が実質的に共役している化合物を意味する。
本発明の化合物は、式(1)で表される構造単位、式(2)で表される構造単位、式(3)で表される構造単位、式(4)で表される構造単位以外の構造単位をさらに有していてもよい。該構造単位としては、アリーレン基、ヘテロアリーレン基等が挙げられる。アリーレン基としては、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、ピレンジイル基、フルオレンジイル基等が挙げられる。ヘテロアリーレン基としては、フランジイル基、ピロールジイル基、ピリジンジイル基等が挙げられる。
<化合物の製造方法>
本発明の化合物は、如何なる方法で製造してもよいが、例えば、用いる重合反応に適した官能基を有するモノマーを合成した後に、必要に応じて該モノマーを有機溶媒に溶解し、アルカリ、触媒、配位子等を用いた公知のアリールカップリング反応を用いて重合することにより合成することができる。前記モノマーの合成は、例えば、特開2013−494842号公報に示された方法を参考にして行うことができる。
アリールカップリング反応による重合は、例えば、Stilleカップリング反応による重合、Suzukiカップリング反応による重合、Yamamotoカップリング反応による重合、Kumada−Tamaoカップリング反応による重合が挙げられる。
Stilleカップリング反応による重合は、パラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム、パラジウムアセテート、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロライドなどのパラジウム錯体を触媒として用い、必要に応じて、トリフェニルホスフィン、トリ(2−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(2−メトキシフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィノプロパン、トリ(シクロヘキシル)ホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン等の配位子を添加し、有機スズ残基を有するモノマーと、臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子等のハロゲン原子を有するモノマー、又は、トリフルオロメタンスルホネート基、p−トルエンスルホネート基等のスルホネート基を有するモノマーとを反応させる重合である。Stilleカップリング反応による重合の詳細は、例えば、アンゲヴァンテ ケミー インターナショナル エディション(Angewandte Chemie International Edition),2005年,第44巻,p.4442−4489に記載されている。
Suzukiカップリング反応による重合は、無機塩基又は有機塩基の存在下、パラジウム錯体又はニッケル錯体を触媒として用い、必要に応じて配位子を添加し、ボロン酸残基又はホウ酸エステル残基を有するモノマーと、臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子等のハロゲン原子を有するモノマー、又は、トリフルオロメタンスルホネート基、p−トルエンスルホネート基等のスルホネート基を有するモノマーとを反応させる重合である。
無機塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸三カリウム、フッ化カリウムが挙げられる。有機塩基としては、例えば、フッ化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウムが挙げられる。パラジウム錯体としては、例えば、パラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム、パラジウムアセテート、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロライドが挙げられる。ニッケル錯体としては、例えば、ビス(シクロオクタジエン)ニッケルが挙げられる。配位子としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(2−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(2−メトキシフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィノプロパン、トリ(シクロヘキシル)ホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィンが挙げられる。
Suzukiカップリング反応による重合の詳細は、例えば、ジャーナル オブ ポリマー サイエンス:パート エー:ポリマー ケミストリー(Journal of Polymer Science:Part A:Polymer Chemistry),2001年,第39巻,p.1533−1556に記載されている。
Yamamotoカップリング反応による重合は、触媒と還元剤とを用い、ハロゲン原子を有するモノマー同士、トリフルオロメタンスルホネート基等のスルホネート基を有するモノマー同士又はハロゲン原子を有するモノマーとスルホネート基を有するモノマーとを反応させる重合である。
触媒としては、ビス(シクロオクタジエン)ニッケル等のニッケルゼロ価錯体とビピリジル等の配位子からなる触媒、[ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケルジクロライド、[ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケルジクロライド等のニッケルゼロ価錯体以外のニッケル錯体と、必要に応じ、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィノプロパン、トリ(シクロヘキシル)ホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン等の配位子からなる触媒が挙げられる。還元剤としては、例えば、亜鉛、マグネシウムが挙げられる。Yamamotoカップリング反応による重合は、脱水した溶媒を反応に用いてもよく、不活性雰囲気下で反応を行ってもよく、脱水剤を反応系中に添加して行ってもよい。
Yamamotoカップリングによる重合の詳細は、例えば、マクロモルキュルズ(Macromolecules),1992年,第25巻,p.1214−1223に記載されている。
Kumada−Tamaoカップリング反応による重合は、[ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケルジクロライド、[ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケルジクロライド等のニッケル触媒を用い、ハロゲン化マグネシウム基を有する化合物とハロゲン原子を有する化合物とを反応させる重合するである。反応は、脱水した溶媒を反応に用いてもよく、不活性雰囲気下で反応を行ってもよく、脱水剤を反応系中に添加して行ってもよい。
前記アリールカップリング反応による重合では、通常、溶媒が用いられる。該溶媒は、用いる重合反応、モノマー及びポリマーの溶解性等を考慮して選択すればよい。具体的には、テトラヒドロフラン、トルエン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、これらの溶媒を2種以上混合した混合溶媒等の有機溶媒、有機溶媒相と水相の二相を有する溶媒が挙げられる。Stilleカップリング反応に用いる溶媒はテトラヒドロフラン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、これらの溶媒を2種以上混合した混合溶媒等の有機溶媒、有機溶媒相と水相の二相を有する溶媒が好ましい。Stilleカップリング反応に用いる溶媒は、副反応を抑制するために、反応前に脱酸素処理を行うことが好ましい。Suzukiカップリング反応に用いる溶媒は、テトラヒドロフラン、トルエン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、これらの溶媒を2種以上混合した混合溶媒等の有機溶媒、有機溶媒相と水相の二相を有する溶媒が好ましい。Suzukiカップリング反応に用いる溶媒は、副反応を抑制するために、反応前に脱酸素処理を行うことが好ましい。Yamamotoカップリング反応に用いる溶媒は、テトラヒドロフラン、トルエン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、これらの溶媒を2種以上混合した混合溶媒等の有機溶媒が好ましい。Yamamotoカップリング反応に用いる溶媒は、副反応を抑制するために、反応前に脱酸素処理を行うことが好ましい。
前記アリールカップリング反応による重合の中でも、反応性の観点からは、Stilleカップリング反応により重合する方法、Suzukiカップリング反応により重合する方法、Yamamotoカップリング反応により重合する方法が好ましく、Stilleカップリング反応により重合する方法、Suzukiカップリング反応による重合する方法、ニッケルゼロ価錯体を用いたYamamotoカップリング反応による重合する方法がより好ましい。
前記アリールカップリング反応の反応温度の下限は、反応性の観点からは、好ましくは−100℃であり、より好ましくは−20℃であり、さらに好ましくは0℃である。反応温度の上限は、モノマー及び化合物の安定性の観点からは、好ましくは200℃であり、より好ましくは150℃であり、さらに好ましくは120℃である。
前記アリールカップリング反応による重合において、反応終了後の反応溶液からの本発明の化合物を取り出す方法としては、公知の方法が挙げられる。例えば、メタノール等の低級アルコールに反応溶液を加え、析出した沈殿をろ過し、ろ物を乾燥することにより、本発明の化合物を得ることができる。得られた化合物の純度が低い場合は、再結晶、ソックスレー抽出器による連続抽出、カラムクロマトグラフィー等により精製することができる。
本発明の化合物を有機光電変換素子の製造に用いる場合、化合物の末端に重合活性基が残っていると、有機光電変換素子の耐久性等の特性が低下することがあるため、化合物の末端を安定な基で保護することが好ましい。
末端を保護する安定な基としては、アルキル基、アルコキシ基、フルオロアルキル基、フルオロアルコキシ基、アリール基、アリールアミノ基、1価の複素環基等が挙げられる。アリールアミノ基としては、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基等が挙げられる。
1価の複素環基としては、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基等が挙げられる。また、化合物の末端に残っている重合活性基を、安定な基に代えて、水素原子で置換してもよい。ホール輸送性を高める観点からは、末端を保護する安定な基がアリールアミノ基などの電子供与性を付与する基であることが好ましい。化合物が共役高分子化合物である場合、高分子化合物の主鎖の共役構造と末端を保護する安定な基の共役構造とが連続するような共役結合を有している基も末端を保護する安定な基として好ましく用いることができる。該基としては、例えば、アリール基、芳香族性を有する1価の複素環基が挙げられる。
Stilleカップリングを用いて本発明の化合物を製造する場合、例えば、式(5)で表される化合物と式(6)で表される化合物と式(7)で表される化合物とを重合して該化合物を製造することができる。
Figure 2015174900
(5)
(式(5)中、RおよびRは、前述と同じ意味を表す。ただし、Rが水素原子のとき、Rは水素原子ではない。Zは、臭素原子、ヨウ素原子又は塩素原子を表す。2個あるZは、同一でも相異なっていてもよい。)
Figure 2015174900
(6)
(式(6)中、RおよびRは前述と同じ意味を表す。Zは、臭素原子、ヨウ素原子又は塩素原子あるいは有機スズ残基を表す。2個あるZは、同一でも相異なっていてもよい。)
Figure 2015174900
(7)
(式(7)中、Zは、有機スズ残基を表す。)
式(5)において、重合時の反応性を高める観点からは、Zが臭素原子、塩素原子であることが好ましく、臭素原子であることがさらに好ましい。式(5)で表される化合物は、例えば、Organic Electronics 2010, 11, 1740−1745に記載の方法を用いて合成することができる。一般的には、3、4−チオフェンジカルボン酸を氷酢酸下臭素にて得られる2、5−ジブロモ−3、4−ジカルボン酸に無溶媒またはクロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素等の溶媒中塩化チオニルや二塩化オギザリル等の塩素化剤を反応させて得られる酸クロリド化合物にクロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素等の溶媒中ルイス酸、例えば塩化アルミニウム(III)存在化にて前記Rで定義された置換ベンゼンを反応させる(フリーデル・クラフツ反応)ことにより合成できる。
式(5)で表される化合物としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2015174900
式(8)で表される化合物から式(5)で表される化合物を製造する反応は、例えば、式(8)で表される化合物と有機リチウム化合物やナトリウムアルコキシドとを反応させることによって製造することができる。
Figure 2015174900
(8)
有機リチウム化合物としては、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミドが挙げられる。
ナトリウムアルコキシドとしては、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムドデシルオキシド、ナトリウムフェノキシドなどが挙げられる。
式(6)で表される臭素置換化合物は、例えば、式(9)で表される化合物とN−ブロモスクシンイミドとを反応させることで製造することができる。
Figure 2015174900
(9)
(式(9)中、RおよびRは、前述と同じ意味を表す。)
式(6)において、式(6)で表される化合物の合成のしやすさの観点からは、重合時の反応性を高める観点からは、Zがハロゲン原子が置換している場合、臭素原子、塩素原子であることが好ましく、臭素原子であることがさらに好ましい。Zがスズ残基の場合−SnMe、−SnEt又は−SnBuであることが好ましい。ここで、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Buはブチル基を表す。
式(6)で表されるスズ化合物は、式(6)で表されるハロゲン化物と有機リチウム化合物とを反応させて中間体を製造した後に、該中間体とトリアルキルスズハライドとを反応させることによって製造することができる。
有機リチウム化合物としては、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミドが挙げられる。有機リチウム化合物の中でも、n−ブチルリチウムが好ましい。トリアルキルスズハライドとしては、例えば、トリメチルスズクロリド、トリエチルクロリド、トリブチルクロリドが挙げられる。
式(6)で表されるハロゲン化化合物と有機リチウム化合物から中間体を製造する反応及び該中間体とトリアルキルスズハライドから式(6)で表されるスズ化合物を製造する反応は、通常、溶媒中で行われる。溶媒としては十分に脱水したテトラヒドロフラン、十分に脱水した1,4−ジオキサン、十分に脱水したジエチルエーテルが好ましく用いられる。
有機リチウム化合物と式(6)で表されるハロゲン化化合物とを反応させる際の温度は、通常、−100〜50℃であり、好ましくは−80〜0℃である。有機リチウム化合物と式(6)で表されるハロゲン化化合物とを反応させる時間は、通常、1分〜10時間であり、好ましくは30分〜5時間である。反応させる有機リチウム化合物の量は、式(6)で表されるハロゲン化化合物に対して、通常、2〜5モル当量(以下、モル当量を単に当量と記載する。)であり、好ましくは2〜3当量である。
前記中間体とトリアルキルスズハライドとを反応させる時の温度は、通常、−100〜100℃であり、好ましくは−80℃〜50℃である。前記中間体とトリアルキルスズハライドを反応させる時間は、通常、1分〜30時間であり、好ましくは1〜10時間である。反応させるトリアルキルスズハライドの量は、式(6)で表されるハロゲン化化合物に対して、通常、2〜6当量であり、好ましくは2〜3当量である。
反応後は、通常の後処理を行い、式(6)で表されるスズ化合物を得ることができる。例えば、水を加えて反応を停止させた後に、生成物を有機溶媒で抽出し、溶媒を留去する後処理が挙げられる。生成物の単離及び精製は、クロマトグラフィーによる分取や再結晶などの方法により行うことができる。
式(9)で表される化合物は、例えば、式(10)で表される化合物を酸の存在下で、反応させることにより製造することができる。
Figure 2015174900
(10)
(式(10)中、RおよびRは前述と同じ意味を表す)
式(10)で表される化合物から式(9)で表される化合物を製造する反応に用いられる酸は、ルイス(Lewis)酸であってもブレンステッド(Bronsted)酸であってもよく、塩酸、臭素酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、安息香酸、フッ化ホウ素、塩化アルミニウム、塩化スズ(IV)、塩化鉄(II)、四塩化チタン、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸及びこれらの化合物の混合物が例示される。
式(10)で表される化合物から式(9)で表される化合物を製造する反応は、溶媒の存在下で実施することが好ましい。該反応の反応温度は、−80℃以上溶媒の沸点以下の温度が好ましい。
反応に用いられる溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素溶媒、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンなどの不飽和炭化水素溶媒、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサンなどのハロゲン化飽和炭化水素溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンなどのハロゲン化不飽和炭化水素溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−ブチルアルコールなどのアルコール溶媒、蟻酸、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸溶媒、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサンなどのエーテル溶媒などが挙げられる。該溶媒を単一で用いても、混合して用いてもよい。
反応後は、通常の後処理を行い、式(9)で表される化合物を得ることができる。例えば、水を加えて反応を停止させた後に、生成物を有機溶媒で抽出し、溶媒を留去する後処理が挙げられる。生成物の単離及び精製は、クロマトグラフィーによる分取や再結晶などの方法により行うことができる。
式(10)で表される化合物は、例えば、式(11)で表される化合物とグリニャール(Grignard)試薬又は有機リチウム(Li)化合物とを反応させることにより製造することができる。
Figure 2015174900
(11)
上記反応に用いられるGrignard試薬としては、メチルマグネシウムクロライド、メチルマグネシウムブロマイド、エチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムブロマイド、プロピルマグネシウムクロライド、プロピルマグネシウムブロマイド、ブチルマグネシウムクロライド、ブチルマグネシウムブロマイド、ヘキシルマグネシウムブロマイド、オクチルマグネシウムブロマイド、デシルマグネシウムブロマイド、アリルマグネシウムクロライド、アリルマグネシウムブロマイド、ベンジルマグネシウムクロライド、フェニルマグネシウムブロマイド、ナフチルマグネシウムブロマイド、トリルマグネシウムブロマイドなどが挙げられる。
有機Li化合物としては、前述のものが挙げられる。
式(11)で表される化合物とグリニャール(Grignard)試薬又は有機リチウム(Li)化合物から式(10)で表される化合物を製造する反応は、窒素、アルゴンなどの不活性雰囲気下で実施することが好ましい。また、該反応は、溶媒の存在下で実施することが好ましい。該反応の反応温度は、−80℃以上溶媒の沸点以下の温度が好ましい。
反応に用いられる溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素溶媒、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンなどの不飽和炭化水素溶媒、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサンなどのエーテル溶媒などが挙げられる。該溶媒を単一で用いても、混合して用いてもよい。
反応後は、通常の後処理を行い、式(10)で表される化合物を得ることができる。例えば、水を加えて反応を停止させた後に、生成物を有機溶媒で抽出し、溶媒を留去する後処理が挙げられる。生成物の単離及び精製は、クロマトグラフィーによる分取や再結晶などの方法により行うことができる。
式(6)で表される化合物としては、例えば、下記化合物が挙げられる。
Figure 2015174900
式(7)で表される化合物は、例えば、式(9)で表される化合物と有機リチウム化合物とを反応させて中間体を製造した後に、該中間体とトリアルキルスズハライドとを反応させることによって製造することができる。
Figure 2015174900
(12)
式(7)において、式(7)で表される化合物の合成のしやすさの観点からは、重合時の反応性を高める観点からは、Zが臭素原子、塩素原子であることが好ましく、臭素原子であることがさらに好ましい。Zがスズ残基の場合−SnMe、−SnEt又は−SnBuであることが好ましい。ここで、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Buはブチル基を表す。
有機リチウム化合物としては、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムが挙げられる。有機リチウム化合物の中でも、n−ブチルリチウムが好ましい。トリアルキルスズハライドとしては、例えば、トリメチルスズクロリド、トリエチルクロリド、トリブチルクロリドが挙げられる。
式(12)で表される化合物と有機リチウム化合物から中間体を製造する反応及び該中間体とトリアルキルスズハライドから式(7)で表される化合物を製造する反応は、通常、溶媒中で行われる。溶媒としては十分に脱水したテトラヒドロフラン、十分に脱水した1,4−ジオキサン、十分に脱水したジエチルエーテルが好ましく用いられる。
有機リチウム化合物と式(12)で表される化合物とを反応させる際の温度は、通常、−100〜50℃であり、好ましくは−80〜0℃である。有機リチウム化合物と式(12)で表される化合物とを反応させる時間は、通常、1分〜10時間であり、好ましくは30分〜5時間である。反応させる有機リチウム化合物の量は、式(12)で表される化合物に対して、通常、2〜5モル当量(以下、モル当量を単に当量と記載する。)であり、好ましくは2〜3当量である。
前記中間体とトリアルキルスズハライドとを反応させる時の温度は、通常、−100〜100℃であり、好ましくは−80℃〜50℃である。前記中間体とトリアルキルスズハライドを反応させる時間は、通常、1分〜30時間であり、好ましくは1〜10時間である。反応させるトリアルキルスズハライドの量は、式(12)で表される化合物に対して、通常、2〜6当量であり、好ましくは2〜3当量である。
反応後は、通常の後処理を行い、式(7)で表される化合物を得ることができる。例えば、水を加えて反応を停止させた後に、生成物を有機溶媒で抽出し、溶媒を留去する後処理が挙げられる。生成物の単離及び精製は、クロマトグラフィーによる分取や再結晶などの方法により行うことができる。
<有機光電変換素子>
本発明の化合物は、600nmの光等の長波長の光の吸光度が高く、太陽光を効率的に吸収するため、本発明の化合物を用いて製造した有機光電変換素子は短絡電流密度が大きくなる。また、本発明の化合物は、大きな開放端電圧を得ることができる。
本発明の有機光電変換素子は、一対の電極と、該電極間に機能層を有し、該機能層が電子受容性化合物と本発明の化合物を含有する。電子受容性化合物としては、フラーレンまたはフラーレン誘導体が好ましい。有機光電変換素子の具体例としては、
1.一対の電極と、該電極間に機能層を有し、該機能層が電子受容性化合物と、本発明の化合物とを含有する有機光電変換素子;
2.一対の電極と、該電極間に機能層を有し、該機能層が電子受容性化合物と、本発明の化合物とを含有する有機光電変換素子であって、該電子受容性化合物がフラーレン誘導体である有機光電変換素子;
が挙げられる。前記一対の電極は、通常、少なくとも一方が透明又は半透明であり、以下、その場合を一例として説明する。
前記1.の有機光電変換素子では、電子受容性化合物及び前記化合物を含有する機能層における該電子受容性化合物の量が、前記化合物100重量部に対して、10〜1000重量部であることが好ましく、20〜500重量部であることがより好ましい。また、前記2.の有機光電変換素子では、フラーレン誘導体及び前記化合物を含有する機能層における該フラーレン誘導体の量が、該化合物100重量部に対して、10〜1000重量部であることが好ましく、20〜500重量部であることがより好ましい。光電変換効率を高める観点からは、機能層における該フラーレン誘導体の量が、該化合物100重量部に対して、20〜400重量部であることが好ましく、40〜250重量部であることがより好ましく、80〜120重量部であることがさらに好ましい。短絡電流密度を高める観点からは、機能層における該フラーレン誘導体の量が、該化合物100重量部に対して、20〜250重量部であることが好ましく、40〜120重量部であることがより好ましい。
有機光電変換素子が高い光電変換効率を有するためには、前記電子受容性化合物及び本発明の化合物および高分子化合物が所望の入射光のスペクトルを効率よく吸収することができる吸収域を有するものであること、ヘテロ接合界面が励起子を効率よく分離するためにヘテロ接合界面を多く含むこと、ヘテロ接合界面が生成した電荷を速やかに電極へ輸送する電荷輸送性を有することが重要である。
このような観点から、有機光電変換素子としては、前記1.、前記2.の有機光電変換素子が好ましく、ヘテロ接合界面を多く含むという観点からは、前記2.の有機光電変換素子がより好ましい。また、本発明の有機光電変換素子には、少なくとも一方の電極と該素子中の機能層との間に付加的な層を設けてもよい。付加的な層としては、ホール又は電子を輸送する電荷輸送層、バッファ層等が挙げられる。
本発明の有機光電変換素子は、通常、基板上に形成される。該基板は、電極を形成し、有機物の層を形成する際に化学的に変化しないものであればよい。基板の材料としては、例えば、ガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコンが挙げられる。不透明な基板の場合には、反対の電極(即ち、基板から遠い方の電極)が透明又は半透明であることが好ましい。
一対の電極の材料には、金属、導電性高分子等を用いることができる。一対の電極のうち一方の電極の材料は仕事関数の小さい材料が好ましい。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等の金属、及びそれらの金属のうちの2つ以上の金属の合金、又はそれらの金属のうちの1つ以上の金属と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうちの1つ以上の金属との合金、グラファイト、グラファイト層間化合物等が用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金が挙げられる。
前記の透明又は半透明の電極の材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が挙げられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性材料を用いて作製された膜、NESA、金、白金、銀、銅が用いられ、ITO、インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズが好ましい。電極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。また、電極材料として、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体等の有機の透明導電膜を用いてもよい。
前記付加的な層としての電荷輸送層、即ち、ホール輸送層又は電子輸送層に用いられる材料として、それぞれ後述の電子供与性化合物、電子受容性化合物を用いることができる。
付加的な層としてのバッファ層に用いられる材料としては、フッ化リチウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属のハロゲン化物又は酸化物等を用いることができる。また、酸化チタン等の無機半導体の微粒子を用いることもできる。
<有機薄膜>
本発明の有機光電変換素子における前記機能層としては、例えば、本発明の化合物と電子受容性化合物とを含有する有機薄膜を用いることができる。
前記有機薄膜は、膜厚が、通常、1nm〜100μmであり、好ましくは2nm〜1000nmであり、より好ましくは5nm〜500nmであり、さらに好ましくは20nm〜200nmである。
前記有機薄膜は、前記化合物を一種単独で含んでいても二種以上を組み合わせて含んでいてもよい。また、前記有機薄膜のホール輸送性を高めるため、前記有機薄膜中に電子供与性化合物として、低分子化合物及び/又は前記高分子化合物以外の化合物を混合して用いることもできる。
本発明の化合物以外に有機薄膜が含んでいてもよい電子供与性化合物としては、例えば、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、オリゴチオフェン及びその誘導体、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体が挙げられる。
前記電子受容性化合物としては、例えば、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン及びその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体、C60等のフラーレン及びその誘導体、カーボンナノチューブ、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン等のフェナントロリン誘導体が挙げられ、とりわけフラーレン及びその誘導体が好ましい。
なお、前記電子供与性化合物、前記電子受容性化合物は、これらの化合物のエネルギー準位のエネルギーレベルから相対的に決定される。
フラーレン及びその誘導体としては、C60、C70、C84及びその誘導体が挙げられる。
フラーレン誘導体とは、フラーレンの少なくとも一部が修飾された化合物を表す。
フラーレン誘導体としては、例えば、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物、式(III)で表される化合物、式(IV)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2015174900

(I) (II) (III) (IV)

(式(I)〜(IV)中、Rは、アルキル基、アリール基、1価の複素環基又はエステル構造を有する基である。複数個あるRは、同一であっても相異なってもよい。Rはアルキル基又はアリール基を表す。複数個あるRは、同一であっても相異なってもよい。)
及びRで表されるアルキル基、アリール基及び1価の複素環基の定義、具体例は、Rで表されるアルキル基、アリール基及び1価の複素環基の定義、具体例と同じである。
で表されるエステル構造を有する基は、例えば、式(V)で表される基が挙げられる。
Figure 2015174900
(V)
(式(V)中、u1は、1〜6の整数を表す、u2は、0〜6の整数を表す、Rは、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表す。)
で表されるアルキル基、アリール基及び1価の複素環基の定義、具体例は、Rで表されるアルキル基、アリール基及び1価の複素環基の定義、具体例と同じである。
60の誘導体の具体例としては、以下のようなものが挙げられる。
Figure 2015174900
Figure 2015174900
Figure 2015174900
70の誘導体の具体例としては、以下のようなものが挙げられる。
Figure 2015174900
<有機薄膜の製造方法>
前記有機薄膜は、如何なる方法で製造してもよく、例えば、本発明の化合物および高分子化合物を含む溶液からの成膜による方法で製造してもよいし、真空蒸着法により有機薄膜を形成してもよい。溶液からの成膜により有機薄膜を製造する方法としては、例えば、一方の電極上に該溶液を塗布し、その後、溶媒を蒸発させて有機薄膜を製造する方法が挙げられる。
溶液からの成膜に用いる溶媒は、本発明の化合物および高分子化合物を溶解させるものであれば特に制限はない。この溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、ビシクロヘキシル、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン等の不飽和炭化水素溶媒、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサン等のハロゲン化飽和炭化水素溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化不飽和炭化水素溶媒、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル溶媒が挙げられる。本発明の化合物は、通常、前記溶媒に0.1重量%以上溶解させることができる。
溶液からの成膜には、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法、ノズルコート法、キャピラリーコート法等の塗布法を用いることができ、スピンコート法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法が好ましい。
<素子の用途>
有機光電変換素子は、透明又は半透明の電極から太陽光等の光を照射することにより、電極間に光起電力が発生し、有機薄膜太陽電池として動作させることができる。有機薄膜太陽電池を複数集積することにより有機薄膜太陽電池モジュールとして用いることもできる。
また、電極間に電圧を印加した状態で、透明又は半透明の電極から光を照射することにより、光電流が流れ、有機光センサーとして動作させることができる。有機光センサーを複数集積することにより有機イメージセンサーとして用いることもできる。
<有機トランジスタ>
本発明の有機薄膜トランジスタは、ソース電極と、ドレイン電極と、有機半導体層と、ゲート電極とを備え、前記有機半導体層に、式(A)で表される繰り返し単位と式(B)で表される繰り返し単位とを含む化合物、または式(1)で表される繰り返し単位を含む高分子化合物を含有する。
本発明の化合物および高分子化合物は電荷移動度が高いため、本発明の化合物および高分子化合物を含む有機半導体層を有する有機薄膜トランジスタは、電界効果移動度が高くなる。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
高分子化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量はサイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(SEC)により求めた。
カラム: TOSOH TSKgel SuperHM−H(2本)+ TSKgel SuperH2000(4.6mm I.d. × 15cm);検出器:RI (SHIMADZU RID−10A);移動相:テトラヒドロフラン(THF)
参考例1
(化合物2の合成)
Figure 2015174900
フラスコ内の気体をアルゴンで置換した1000mL四つ口フラスコに、化合物1を5.00g(22.70mmol)と脱水THF(テトラヒドロフラン)を100mL入れて均一な溶液とした。フラスコを60℃に加熱し、反応液に1.00Mの3−ドデシルマグネシウムブロマイドのジエチルエーテル溶液を90.8mL(90.8mmol)20分間かけて加えた。その後、85℃まで上げ、そのままの温度で反応液を3時間加熱攪拌した。その後、10分かけて温度を0℃に下げ、反応液に水を加えて反応を停止し、さらにクロロホルムを加え、反応生成物を含む有機層を抽出した。クロロホルム溶液である有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、有機層をろ過後、ろ液の溶媒を留去し、化合物2を12.7g(22.70mmol)得た。
参考例2
(化合物3の合成)
Figure 2015174900
フラスコ内の気体をアルゴンで置換した300mLフラスコに、化合物2を12.7g(22.70mmol)、酢酸を100mL入れて均一な溶液とした。該溶液にトリフルオロ酢酸を50mL(90.78mmol)入れて100℃で3時間加熱攪拌を行った。反応液を室温(25℃)まで冷却後、水50mLを加え、さらにトルエンを加えて反応生成物を含む有機層を抽出した。トルエン溶液である有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、有機層をろ過後、溶媒を留去した。得られた粗生成物を、展開溶媒がヘキサンであるアルミナカラムで生成し、化合物3を6.34g(11.67mmol)得た。
1H NMR (CDCl3): δ 7.45 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 7.01 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 6.98 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 2.10−2.05 (m, 4H), 1.80−1.63 (m, 4H), 1.26−1.07 (m, 20H), 0.87 (t, J = 6.3 Hz, 6H).
参考例3
(化合物4の合成)
Figure 2015174900
フラスコ内の気体をアルゴンで置換した200mLフラスコに、化合物3を 5.0 g (9.2 mmol)を100 mLの三口フラスコに加え、クロロホルム (40 mL), 酢酸(20 mL)を加えた。さらに、N−ブロモスクシンイミド 3.44 g(18 mmol) を加え、二時間加熱還流させた。室温まで冷却後、水を加えた。反応混合物をクロロホルムで三回抽出し、合わせた有機層を水でよく洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を濃縮した、得られた残渣をアルミナカラムクロマトグラフィーでヘキサンを用いて精製し、得られた残渣を酢酸エチル−メタノールで再結晶することで化合物4を黄色固体として3.2 g (4.6mmol)得た。
1H NMR (CDCl3): δ 7.40 (s, 1H), 6.94 (s, 1H), 2.10−2.05 (m, 4H), 1.80−1.63 (m, 4H), 1.26−1.09 (m, 36H), 0.87 (t, J = 6.3 Hz, 6H).
参考例4
化合物6の合成
Figure 2015174900
還流冷却管を備えフラスコ内の気体をアルゴンで置換した200mLフラスコに、オクタノール 270 mg(3.8 mmol) とTHF 15 mL を加え、0 ℃に冷却した。これに、水素化ナトリウム 151.5 mg (60% oil dispersion, 3.8 mmol) をゆっくりと加えた。これを室温で一時間撹拌した。再び 0 ℃に冷却した後、化合物 5を500 mg(1.52 mmol)を固体状態で加え、6時間加熱還流させた。その後、再び0 ℃まで冷却し、冷水をゆっくりと加えた。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。ろ過後、ろ液を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーでヘキサン/酢酸エチルの混合溶媒で精製し、化合物6を610 mg(73%)として得た。
1H NMR (CDCl3): δ 4.16 (t, J = 6.9 Hz, 4H), 6.94 (q, J = 6.9 Hz, 4H), 1.59−1.49 (m, 4H), 1.43−1.24 (m, 12H), 0.87 (t, J = 6.3 Hz, 6H).
参考例5
化合物8の合成
Figure 2015174900
フラスコ内の気体をアルゴンで置換した200mLに、ジブロモチオフェン(7)を3.0 gを(12.40 mmol)、THF (50 mL)に加えた。これを−78 ℃まで冷却し、これに1.4Mのn−ブチルリチウム ヘキサン溶液を26.57 mLを(37.2 mmol) をゆっくりと滴下した。滴下後、低温下で一時間撹拌した。その後、トリブチルスズクロリド を12.1 g(37.2 mmol)のTHF溶液を加えた。室温まで温度を上昇させた後、一時間撹拌した。一時間後、反応混合物に水をゆっくりと加えた。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。これを、ろ過して硫酸マグネシウムを除去後、ろ液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーでヘキサンで素早く供したのち、得られたフラクションを濃縮した。得られた残渣をゲル浸透クロマトグラフィーで精製することで、化合物8を無色油状物 7.45 g(91%) として得た。
1H NMR (CDCl3) δ7.34 (s, 2H), 1.63−1.59 (m, 12H), 1.40−1.28 (m, 12H), 1.12−1.07 (m, 12H), 0.92− 0.87 (m, 18H).
実施例1
(高分子化合物Aの合成)
Figure 2015174900
フラスコ内の気体をアルゴンで置換した100mLフラスコに、化合物4を265mg(0.378mmol)、参考例4で合成した化合物6を104mg(0.189mmol)、化合物9を83.1mg(0.189mmol)、トリス(2−トリル)ホスフィンを8.2mg(0.027mmol)、脱水クロロベンゼン7mLを入れて均一溶液とした。得られたトルエン溶液を、アルゴンで30分バブリングした。一方、滴下ろうとに参考例5で合成した化合物8を500mg(0.755 mmol)のクロロベンゼン(5 mL)溶液を加え、5分間窒素バブリングを行い十分に脱気した。その後、フロスコのクロロベンゼン溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムを16.7mg(0.0182mmol)加え、化合物8のクロロベンゼン溶液を滴下した。反応混合物を105℃で3時間攪拌した後にさらに120℃で3時間攪拌した。その後、フラスコを室温までに冷却し、反応液をメタノール200mLと濃塩酸20mLの混合溶液に注いだ。析出したポリマーをろ過して回収し、得られたポリマーを、円筒ろ紙に入れ、ソックスレー抽出器を用いて、アセトン及びヘキサンでそれぞれ3時間洗浄した。円筒ろ紙内に残ったポリマーを、オルトジクロロベンゼン13mLに溶解させ、アルミナ/シリカゲルカラムを通した。得られた溶液をメタノールに注いでポリマーを析出させ、ポリマーをろ過後、乾燥し、精製された重合体152mgを得た。以下、この重合体を高分子化合物Aと呼称する。ポリスチレン換算の重量平均分子量は3.0×10、ポリスチレン換算の数平均分子量は8.8×10であった。
高分子化合物Aは、単量体の仕込み比から、上記式においてa=100、b=50、c=50のモル比率を有する高分子化合物と推定される。
参考例6
(高分子化合物Bの合成)
Figure 2015174900
100mLフラスコ内の気体をアルゴンガス雰囲気下とした後、化合物10(200m
g,0.166mmol)、European Journal of Organic Chemistry,2011,25,4841−4852に記載の方法に従って合成した化合物11(104.0mg,0.166mmol)
およびトリス(2−トリル)ホスフィン(4.5mg,0.015mmol)、脱水トル
エン(11mL)を加え均一溶液とした後、30分間アルゴンガスバブリングによって脱
気した。その後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(2.28mg,0.
0025mmol)を加え、105℃で4.5時間攪拌し、さらに、120℃で2時間攪
拌した。その後、得られた反応溶液にフェニルブロミド(50mg)を加え、2時間攪拌
した。その後、得られた反応溶液を室温まで冷却し、該反応溶液を、メタノール(200
mL)および37wt%の濃塩酸(20mL)の混合溶液に注いだ。析出した固体を濾過
して集め、得られた固体を円筒濾紙に入れ、ソックスレー抽出器を用いて、メタノール、
アセトンおよびヘキサンでそれぞれ3時間洗浄した。その後、円筒濾紙内に残った残渣を
トルエン(15mL)に溶解させ、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(0.18g
)および水(2.0mL)を加え、90℃で3時間攪拌を行った。水層を分液して除去後
、得られた有機層を水(50mL)で2回、3wt%酢酸水溶液(50mL)で2回、水
(50mL)で2回洗浄した後、得られた溶液をメタノールに注ぐことで固体を析出させ
た。得られた固体を濾過後、乾燥させ、得られた固体をo−ジクロロベンゼン(8mL)
に再度溶解させた後、アルミナ/シリカゲルカラムを通過させた。得られた溶液をメタノ
ールに注ぐことで固体を析出させ、得られた固体を濾過後、乾燥させることで、高分子化
合物Kを124mg得た。高分子化合物Bのポリスチレン換算の数平均分子量は2.3×
10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は4.7×10であった。
実施例2
(有機薄膜太陽電池の作製及び評価)
電子受容性化合物であるフラーレン誘導体C70PCBM(Phenyl C71−butyric acid methyl ester、アメリカンダイソース社製、商品名:ADS71BFA(ロット番号10K037E)と、電子供与性化合物である高分子化合物Aとを、2:1の重量比で混合し、混合物の濃度が2.25重量%となるよう、o−ジクロロベンゼンに溶解させた。得られた溶液を、孔径0.5μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過し、塗布溶液1を調製した。
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板をオゾンUV処理して表面処理を行った。次に、PEDOT:PSS溶液(H.C.スタルク社製CleviosP VP AI4083)をスピンコートによりITO膜上に塗布し、大気中120℃で10分間加熱することにより、膜厚50nmの正孔注入層を作成した。次に、前記塗布溶液1を、スピンコートによりITO膜上に塗布し、有機薄膜太陽電池の機能層を得た。機能層の膜厚は100nmであった。その後、真空蒸着機によりカルシウムを膜厚4nmで蒸着し、次いで、アルミニウムを膜厚100nmで蒸着することにより、有機薄膜太陽電池を作製した。蒸着のときの真空度は、すべて1〜9×10−3Paであった。こうして得られた有機薄膜太陽電池の形状は、2mm×2mmの正方形であった。得られた有機薄膜太陽電池にソーラシミュレーター(分光計器製、商品名OTENTO−SUNII:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定した。光電変換効率は3.0%であり、Jsc(短絡電流密度)は6.40mA/cmであり、Voc(開放端電圧)は0.97Vであり、FF(フィルファクター)は0.48であった。
比較例1
(有機薄膜太陽電池の作製及び評価)
高分子化合物Aの代わりに高分子化合物Bを用いた以外は、実施例2と同様にして有機薄膜太陽電池を作成し、評価した。光電変換効率は2.6%であり、Jsc(短絡電流密度)は4.99mA/cmであり、Voc(開放端電圧)は0.87Vであり、FF(フィルファクター)は0.60であった。

Claims (8)

  1. 式(1)で表される構造単位と式(2)で表される構造単位とを有する化合物。
    Figure 2015174900
    (式(1)中、環Aおよび環Bは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環または置換基を有していてもよい複素芳香環を表す。Xは硫黄原子、酸素原子またはセレン原子を表し、YおよびYはそれぞれ独立に窒素原子又は=CH−を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基、ニトロ基又は1価の有機基を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は1価の有機基を表す。ただし、Rが水素原子のとき、Rは水素原子ではない。)
  2. 及びRが、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルコキシ基または置換基を有していてもよいアリールオキシ基であることを特徴とする請求項1記載の化合物。
  3. さらに式(3)で表される構造単位を有する請求項1又は2記載の化合物。

    Figure 2015174900
    (3)

    (式(3)中、Qは式(1)及び式(2)でそれぞれ表される構造単位のいずれとも異なり、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリーレン基、置換基を有してもよい炭素数4〜60の2価の複素環基、置換基を有していてもよいアルケニレン基またはアルキニレン基を表す。)
  4. 数平均分子量3000以上の高分子化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物と電子受容性化合物を含み、電子受容性化合物の含有率が請求項1〜4記載の化合物100重量部に対して10〜1000重量部である電子素子用組成物。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物を含む電子素子。
  7. 一対の電極と、該電極間に設けられた機能層とを有し、該機能層が電子受容性化合物と請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物とを含む光電変換素子。
  8. 電子受容性化合物が、フラーレン誘導体である請求項7記載の光電変換素子。
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