JP2007077224A - ポリ(トリアリールアミン) - Google Patents
ポリ(トリアリールアミン) Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007077224A JP2007077224A JP2005264732A JP2005264732A JP2007077224A JP 2007077224 A JP2007077224 A JP 2007077224A JP 2005264732 A JP2005264732 A JP 2005264732A JP 2005264732 A JP2005264732 A JP 2005264732A JP 2007077224 A JP2007077224 A JP 2007077224A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- substituted
- unsubstituted aromatic
- alkyl group
- unsubstituted
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 0 CCC(C)(CC)C1C=*=CC=C1 Chemical compound CCC(C)(CC)C1C=*=CC=C1 0.000 description 2
Images
Landscapes
- Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
Abstract
Description
本発明はポリ(トリアリールアミン)に関し、光電変換素子、薄膜トランジスタ素子、発光素子など種々の有機エレクトロニクス用素材として有用である。
有機材料の発光特性や電荷輸送特性を利用して、光電変換素子、薄膜トランジスタ素子、発光素子など種々の機能素子が提案されている。これらの素子に有機材料を用いることにより、軽量、安価、低製造コスト、フレキシブル等有機材料の最大の利点が期待される。
これら機能素子のなかで、光電変換素子とりわけ太陽電池および電子写真感光体用ホール輸送材としてこれまで低分子系および高分子系の様々な材料が報告されているが、前者においてはさらなる高効率化、後者においてはプリントの高速化ならびに耐久性が求められている。
発光素子用の材料としては、低分子系および高分子系の様々な材料が報告されている。低分子系においては、種々の積層構造の採用により高効率化の実現が、またドーピング法をうまくコントロールすることにより耐久性の向上が報告されている。しかし、低分子集合体の場合には、長時間における経時での膜状態の変化が生じることが報告されており、膜の安定性に関して本質的な問題点を抱えている。一方、高分子系材料においては、これまで、主にPPV(poly-p-phenylenevinylene)系列やpoly-thiophene等について精力的に検討が行われてきた。しかしながら、これらの材料系は純度を上げることが困難であることや、本質的に蛍光量子収率が低いことが問題点として挙げられ、高性能な発光素子は得られていないのが現状である。しかし、高分子材料は本質的にガラス状態が安定であることを考慮すると、高蛍光量子効率を付与することができれば優れた発光素子の構築が可能となるため、この分野でさらなる改良が行われている。たとえば一例として繰り返し単位としてアリールアミンユニットを含む高分子材料を挙げることができる(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、非特許文献1)。
これら機能素子のなかで、光電変換素子とりわけ太陽電池および電子写真感光体用ホール輸送材としてこれまで低分子系および高分子系の様々な材料が報告されているが、前者においてはさらなる高効率化、後者においてはプリントの高速化ならびに耐久性が求められている。
発光素子用の材料としては、低分子系および高分子系の様々な材料が報告されている。低分子系においては、種々の積層構造の採用により高効率化の実現が、またドーピング法をうまくコントロールすることにより耐久性の向上が報告されている。しかし、低分子集合体の場合には、長時間における経時での膜状態の変化が生じることが報告されており、膜の安定性に関して本質的な問題点を抱えている。一方、高分子系材料においては、これまで、主にPPV(poly-p-phenylenevinylene)系列やpoly-thiophene等について精力的に検討が行われてきた。しかしながら、これらの材料系は純度を上げることが困難であることや、本質的に蛍光量子収率が低いことが問題点として挙げられ、高性能な発光素子は得られていないのが現状である。しかし、高分子材料は本質的にガラス状態が安定であることを考慮すると、高蛍光量子効率を付与することができれば優れた発光素子の構築が可能となるため、この分野でさらなる改良が行われている。たとえば一例として繰り返し単位としてアリールアミンユニットを含む高分子材料を挙げることができる(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、非特許文献1)。
一方、有機薄膜トランジスタ素子においても、低分子系および高分子系の様々な材料が報告されている。例えば低分子材料ではペンタセン、フタロシアニン、フラーレン、アントラジチオフェン、チオフェンオリゴマ、ビスジチエノチオフェンなどが、また高分子材料ではポリチオフェン、ポリチエニレンビニレンまた繰り返し単位としてアリールアミンユニットを含む高分子材料も検討されている(特許文献6)。
上記特許文献6は本発明者らが先に提案したものであるが、このアリールアミンユニットを有する高分子材料を含め前記の従来技術に示される高分子材料において、有機エレクトロニクス用素材における特性値である移動度の向上は目覚しいが、有機エレクトロニクス用素材とりわけ有機FET素子への応用を考慮すると、さらに高移動度の素材が望まれている。
上記特許文献6は本発明者らが先に提案したものであるが、このアリールアミンユニットを有する高分子材料を含め前記の従来技術に示される高分子材料において、有機エレクトロニクス用素材における特性値である移動度の向上は目覚しいが、有機エレクトロニクス用素材とりわけ有機FET素子への応用を考慮すると、さらに高移動度の素材が望まれている。
また、安価に製造でき、充分な柔軟性と強度をもちかつ軽量であること、大面積化が可能であるという有機材料を用いた素子としての最大の特徴を活かすためには有機溶剤に対する充分な溶解性が必要になる。一般的に共役が伸張された構造を特徴とするπ共役ポリマーでは構造が剛直である場合が多く、このことが溶解性を低下させる原因になる。上記従来技術においても溶解性に難点を有する高分子材料が多く、これを回避すべく様々な分子設計が行なわれているのが現状である。
本発明は上記従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、高いホール輸送性を有すると共に耐久性に優れた光電変換素子用の高分子材料として、優れた発光特性を有すると共に耐久性に優れた発光素子用の高分子材料として、また薄膜トランジスタの活性層用高分子材料として有用なポリ(トリアリールアミン)を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、特定の構成単位を含有するポリ(トリアリールアミン)により上記課題が解決されることを見出し、本発明に到った。
即ち、本発明は以下の(1)〜(5)である。
(1)一般式(I)で表わされる構成単位を含有するポリ(トリアリールアミン)。
即ち、本発明は以下の(1)〜(5)である。
(1)一般式(I)で表わされる構成単位を含有するポリ(トリアリールアミン)。
(2) 一般式(II)で表わされる構成単位を含有するポリ(トリアリールアミン)。
(3) 一般式(III)で表わされる構成単位を含有するポリ(トリアリールアミン)。
(4) 一般式(IV)で表わされる構成単位を含有するポリ(トリアリールアミン)。
(5) 下記一般式(V)で表わされるジアルデヒド化合物と下記一般式(VI)で表わされるジホスホン酸エステル化合物とを重合反応させることを特徴とする下記一般式(I)で表わされる構成単位を含有するポリ(トリアリールアミン)の製造方法。
以下の詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明のポリ(トリアリールアミン)は、高いホール輸送性を有すると共に耐久性に優れた光電変換素子用の高分子材料として、優れた発光特性を有すると共に耐久性に優れた発光素子用の高分子材料として、また薄膜トランジスタの活性層用高分子材料として特に有用である。
以下に本発明のポリ(トリアリールアミン)の製造方法について説明する。
本発明のポリ(トリアリールアミン)の製造方法は、例えばアルデヒドとホスホネートを用いたWittig−Horner反応、アルデヒドとホスホニウム塩を用いたWittig反応、ビニル置換体とハロゲン化物を用いたHeck反応、アミンとハロゲン化物を用いたUllmann反応などを用いることができ、公知の方法により製造可能である。特にWittig−Horner反応およびWittig反応は反応操作の簡便さから有効である。
本発明のポリ(トリアリールアミン)の製造方法は、例えばアルデヒドとホスホネートを用いたWittig−Horner反応、アルデヒドとホスホニウム塩を用いたWittig反応、ビニル置換体とハロゲン化物を用いたHeck反応、アミンとハロゲン化物を用いたUllmann反応などを用いることができ、公知の方法により製造可能である。特にWittig−Horner反応およびWittig反応は反応操作の簡便さから有効である。
一例としてWittig−Horner反応を用いた本発明における重合体の製造方法について説明する。本発明における重合体は、一般的には下記式(1)で示されるようにホスホン酸エステル化合物およびアルデヒド化合物が化学量論的に等しく存在する溶液と、その2倍モル量以上の塩基を混合させることにより重合反応が進行し得ることができる。また、複数種のホスホン酸エステル化合物あるいはアルデヒド化合物を反応系内に添加することにより、ランダム共重合体を得ることもでき、諸特性を調整することも可能である。
上記反応に使用する塩基はホスホネートカルボアニオンが形成されるものであれば特に限定されず、金属アルコシド、金属ヒドリド、有機リチウム化合物等が挙げられ、例えばカリウムt−ブトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、リチウムt−ブトキシド、カリウム2−メチル−2−ブトキシド、ナトリウム2−メチル−2−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、カリウムメトキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウム、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウム、リチウムナフチリド、リチウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド等を挙げることができる。
反応に用いる塩基の量は、通常ホスホン酸エステル化合物の重合活性点に対して同量使用するだけでよいが、さらに過剰量用いても支障ない。
反応に用いる塩基の量は、通常ホスホン酸エステル化合物の重合活性点に対して同量使用するだけでよいが、さらに過剰量用いても支障ない。
上記の塩基は固形状態や懸濁溶液の状態で反応系内に添加してもよいが、得られる重合体の均質性が良好になるために、特に均一溶液として添加することが好ましい。塩基を溶解する溶媒としては、使用する塩基と安定な溶液を形成する溶媒を選択しなければならないが、その他の要因として塩基の溶解度が高いものがよく、また反応系で生成する高分子量体の反応溶媒に対する溶解性を損ねないものがよく、さらに生成する高分子量体が良好に溶解する溶媒がよく、用いる塩基と製造する高分子量体の特性に応じて、一般に知られているアルコール系、エーテル系、アミン系、炭化水素系溶媒等から任意に選択することができる。
塩基とそれを均一に溶解する溶媒の組み合わせとしては、例えばナトリウムメトキシドのメタノール溶液、ナトリウムエトキシドのエタノール溶液、カリウムt−ブトキシドの2−プロパノール溶液、カリウムt−ブトキシドの2−メチル−2−プロパノール溶液、カリウムt−ブトキシドのテトラヒドロフラン溶液、カリウムt−ブトキシドのジオキサン溶液、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液、メチルリチウムのエーテル溶液、リチウムt−ブトキシドのテトラヒドロフラン溶液、リチウムジイソプロピルアミドのシクロヘキサン溶液、カリウムビストリメチルシリルアミドのトルエン溶液等をはじめとして、種々の組み合わせの溶液が挙げられ、幾つかの溶液は市販品として容易に入手することができる。温和な反応条件、取り扱いの容易さの観点から好ましくは金属アルコキシド系の溶液が用いられ、生成する重合体の溶解性、取り扱いの容易さ、反応の効率性、生成する重合体の溶解性等の観点からより好ましくは金属t−ブトキシドのエーテル系が用いられ、さらに好ましくはカリウムt−ブトキシドのテトラヒドロフラン溶液が用いられる。
上記重合反応はホスホン酸エステル化合物およびアルデヒド化合物の溶液に塩基溶液を添加してもよく、塩基溶液にホスホン酸エステル化合物およびアルデヒド化合物の溶液を加えてもよく、同時に反応系に加えてもよく、添加の順序に制約はない。
また、上記重合反応における重合時間は、用いられるモノマーの反応性、または望まれる重合体の分子量等に応じて適宜設定すればよいが、0.2時間〜30時間が好適である。
更に、上記重合反応における反応温度は特に制御する必要なく室温において良好に重合反応が進行するが、反応効率をより上げるために加熱したり、またはより温和な条件に冷却することも可能である。
また、上記重合反応における重合時間は、用いられるモノマーの反応性、または望まれる重合体の分子量等に応じて適宜設定すればよいが、0.2時間〜30時間が好適である。
更に、上記重合反応における反応温度は特に制御する必要なく室温において良好に重合反応が進行するが、反応効率をより上げるために加熱したり、またはより温和な条件に冷却することも可能である。
また、以上の重合操作において分子量を調節するために分子量調節剤または、末端修飾基として重合体の末端を封止するための封止剤を反応途中または反応後に添加することも可能であり、反応開始時に添加しておくことも可能である。従って、本発明におけるポリ(トリアリールアミン)の末端には停止剤に基づく置換基が結合してもよい。
本発明の重合体の好ましい分子量はポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000であり、より好ましくは2000〜500000である。分子量が小さすぎる場合にはクラックの発生等成膜性が悪化し実用性に乏しくなる。また分子量が大きすぎる場合には、一般の有機溶媒への溶解性が悪くなり、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、やはり実用性上問題になる。
また、機械的特性を改良するために重合時に分岐化剤を少量加えることもできる。使用される分岐化剤は、重合反応活性基を3つ以上(同種でも異種でもよい)有する化合物である。これらの分岐化剤は単独で使用してもよく、また複数併用してもよい。
また、機械的特性を改良するために重合時に分岐化剤を少量加えることもできる。使用される分岐化剤は、重合反応活性基を3つ以上(同種でも異種でもよい)有する化合物である。これらの分岐化剤は単独で使用してもよく、また複数併用してもよい。
以上のようにして得られたポリ(トリアリールアミン)は、重合に使用した塩基、未反応モノマー、末端停止剤、又、重合中に発生した無機塩等の不純物を除去して使用される。これら精製操作は再沈澱、カラムクロマト法、吸着法、抽出、ソックスレー抽出、限外濾過、透析等をはじめとする従来公知の方法を使用できる。
上記製造方法により得られた本発明の重合体は、スピンコート法、キャスト法、ディップ法、インクジェット法、ドクターブレード法、スクリーン印刷法等の公知の成膜方法により、クラックのない強度、靭性、耐久性等に優れた良好な薄膜を作製することが可能であり、光電変換素子、薄膜トランジスタ素子、発光素子など種々の機能素子用材料として好適に用いることができる。
次に本発明の重合体の構成単位(I)〜(IV)についてさらに詳細に説明する。
前記一般式(I)における置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基としては単環基、多環基(縮合多環基、非縮合多環基)の何れでもよく、一例として以下のものを挙げることができる。例えばフェニル基、ナフチル基、ピレニル基、フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などが挙げられる。また芳香族複素環基としてはチオフェン、ベンゾチオフェン、ジチエニルベンゼン、フラン、ベンゾフラン、カルバゾール、等が挙げられ、不飽和炭化水素としては−CH=CH−、−CH=CH−CH=CH−が挙げられる。
前記一般式(I)における置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基としては単環基、多環基(縮合多環基、非縮合多環基)の何れでもよく、一例として以下のものを挙げることができる。例えばフェニル基、ナフチル基、ピレニル基、フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などが挙げられる。また芳香族複素環基としてはチオフェン、ベンゾチオフェン、ジチエニルベンゼン、フラン、ベンゾフラン、カルバゾール、等が挙げられ、不飽和炭化水素としては−CH=CH−、−CH=CH−CH=CH−が挙げられる。
また、上記の芳香族炭化水素基および芳香族複素環基は以下に示す置換基を有していてもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)炭素数1〜25の無置換もしくは置換のアルキル基、アルコキシ基。
(3)アリールオキシ基。(アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するアリールオキシ基が挙げられる。これは、炭素数1〜25の無置換もしくは置換のアルキル基、炭素数1〜25の無置換もしくは置換のアルコキシ基、又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。)
(4)アルキルチオ基又はアリールチオ基。(アルキルチオ基又はアリールチオ基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。)
(5)アルキル置換アミノ基。(具体的には、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(p−トリル)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基等が挙げられる。)
(6)アシル基。(アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。)
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)炭素数1〜25の無置換もしくは置換のアルキル基、アルコキシ基。
(3)アリールオキシ基。(アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するアリールオキシ基が挙げられる。これは、炭素数1〜25の無置換もしくは置換のアルキル基、炭素数1〜25の無置換もしくは置換のアルコキシ基、又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。)
(4)アルキルチオ基又はアリールチオ基。(アルキルチオ基又はアリールチオ基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。)
(5)アルキル置換アミノ基。(具体的には、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(p−トリル)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基等が挙げられる。)
(6)アシル基。(アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。)
本発明のポリ(トリアリールアミン)(I)〜(IV)は上述のように芳香環上に置換基を有することができるが、有機溶媒への溶解性向上の観点からアルキル基やアルコキシ基、アルキルチオ基などがより好ましい。これら置換基の炭素数が増加すれば溶解性はより向上するが、その反面、電荷輸送性等の特性は低下してしまうため、溶解性が損なわれない範囲で所望の特性が得られるような置換基を選択することが好ましい。その場合の好適な置換基の例としては炭素数が1〜25のアルキル基、アルコキシ基及びアルキルチオ基が挙げられる。更に好適には、炭素数が2〜18のアルキル基、アルコキシ基及びアルキルチオ基が挙げられる。これら置換基は同一のものを複数導入してもよいし、異なるものを複数導入してもよい。また、これらのアルキル基、アルコキシ基及びアルキルチオ基はさらにハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基または炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基やアルコキシ基、アルキルチオ基で置換されたフェニル基を含有していてもよい。
アルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、2−エチルヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−シアノエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を一例として挙げることができ、アルコキシ基、アルキルチオ基としては上記アルキル基の結合位に酸素原子または硫黄原子を挿入してアルコキシ基、アルキルチオ基としたものが一例として挙げられる。
本発明で用いられる一般式(VI)で表わされるホスホン酸エステル化合物の一例を(VI−1)〜(VI−14)に示す。
本発明の重合体は、アルキル基やアルコキシ基、アルキルチオ基の存在により、溶媒への溶解性が向上する。これらの材質において溶解性を向上させることは、光電変換素子、薄膜トランジスタ素子、発光素子など製造の際、湿式成膜過程の製造許容範囲が大きくなることから重要である。例えば塗工溶媒の選択肢の拡大、溶液調製時の温度範囲の拡大、溶媒の乾燥時の温度及び圧力範囲の拡大となり、これらプロセッシビリティーの高さにより高純度で均一性の高い高品質な薄膜が得られる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
(合成例1)
4−(2−エチルヘキシルオキシ)ヨードベンゼン87g、ジフェニルアミン29.5g、炭酸カリウム96g、銅粉22gおよび18−クラウン−6 4.6gをオルトジクロロベンゼン300mlに採り、窒素気流下11時間加熱還流した。室温まで放冷した後、セライトで不溶物を濾過し、溶媒を減圧下留去後カラムクロマト処理(シリカゲル、溶離液:トルエン/ヘキサン=1/6)した。メタノールで洗浄し無色針状晶の4−(2−エチルヘキシルオキシ)トリフェニルアミン51.5gを得た。
融点 72.5〜74.0℃
元素分析値(%)実測値(計算値)
C83.78(83.60) H8.65(8.37) N3.86(3.75)
(合成例1)
4−(2−エチルヘキシルオキシ)ヨードベンゼン87g、ジフェニルアミン29.5g、炭酸カリウム96g、銅粉22gおよび18−クラウン−6 4.6gをオルトジクロロベンゼン300mlに採り、窒素気流下11時間加熱還流した。室温まで放冷した後、セライトで不溶物を濾過し、溶媒を減圧下留去後カラムクロマト処理(シリカゲル、溶離液:トルエン/ヘキサン=1/6)した。メタノールで洗浄し無色針状晶の4−(2−エチルヘキシルオキシ)トリフェニルアミン51.5gを得た。
融点 72.5〜74.0℃
元素分析値(%)実測値(計算値)
C83.78(83.60) H8.65(8.37) N3.86(3.75)
(合成例2)ジアルデヒドの合成
合成例1で得られた4−(2−エチルヘキシルオキシ)トリフェニルアミン7.47gを脱水N,N−ジメチルホルムアミド40mlに溶解し、窒素気流下オキシ塩化リン19.5mlを0〜6℃にて50分を要して滴下した。攪拌下95〜97℃で7時間攪拌した。放冷後内容物を氷に注ぎ、20%水酸化ナトリウム水溶液170mlを徐々に加えアルカリ性とした。酢酸エチルで抽出し、水洗後硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を留去し暗褐色の油状物を得た。これをカラムクロマト処理(シリカゲル、溶離液;酢酸エチル/ヘキサン=1/4)し黄色液体の4,4'−ジホルミル−4'’−(2−エチルヘキシルオキシ)トリフェニルアミン5.3gを得た。
元素分析値(%)実測値(C28H31NO3・0.3H2Oとしての計算値)
C77.17(77.30) H7.23(7.34) N3.24(3.22)
赤外吸収スペクトル(NaClキャスト膜)では1694cm−1にカルボニルに基づく吸収が認められた。
合成例1で得られた4−(2−エチルヘキシルオキシ)トリフェニルアミン7.47gを脱水N,N−ジメチルホルムアミド40mlに溶解し、窒素気流下オキシ塩化リン19.5mlを0〜6℃にて50分を要して滴下した。攪拌下95〜97℃で7時間攪拌した。放冷後内容物を氷に注ぎ、20%水酸化ナトリウム水溶液170mlを徐々に加えアルカリ性とした。酢酸エチルで抽出し、水洗後硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を留去し暗褐色の油状物を得た。これをカラムクロマト処理(シリカゲル、溶離液;酢酸エチル/ヘキサン=1/4)し黄色液体の4,4'−ジホルミル−4'’−(2−エチルヘキシルオキシ)トリフェニルアミン5.3gを得た。
元素分析値(%)実測値(C28H31NO3・0.3H2Oとしての計算値)
C77.17(77.30) H7.23(7.34) N3.24(3.22)
赤外吸収スペクトル(NaClキャスト膜)では1694cm−1にカルボニルに基づく吸収が認められた。
(実施例1)
合成例2で得られたジアルデヒド1.06g、化学式(VI−6)で示されるジホスホネート1.41gおよびベンズアルデヒド8.0mg(分子量調整剤)を脱水テトラヒドロフラン50mlに溶解し、窒素気流下カリウムt−ブトキシドの1.0mol dm-3テトラヒドロフラン溶液7.4mlを22〜29℃にて徐々に滴下した。滴下後室温で3時間撹拌した後、微量のベンジルホスホン酸ジエチルを入れ30分攪拌し、酢酸で中和した。内容物を水に滴下し粗ポリマーを得た。これをテトラヒドロフラン/イオン交換水、ついでテトラヒドロフラン/メタノールで2回再沈精製をおこなった後、塩化メチレンに溶解し、イオン交換水でその洗浄液の導電率がイオン交換水と同等になるまで洗浄を繰り返した。洗浄後メタノール中に滴下して橙黄色の下記式(2)で示されるポリ(トリアリールアミン)−1を1.40g得た。
合成例2で得られたジアルデヒド1.06g、化学式(VI−6)で示されるジホスホネート1.41gおよびベンズアルデヒド8.0mg(分子量調整剤)を脱水テトラヒドロフラン50mlに溶解し、窒素気流下カリウムt−ブトキシドの1.0mol dm-3テトラヒドロフラン溶液7.4mlを22〜29℃にて徐々に滴下した。滴下後室温で3時間撹拌した後、微量のベンジルホスホン酸ジエチルを入れ30分攪拌し、酢酸で中和した。内容物を水に滴下し粗ポリマーを得た。これをテトラヒドロフラン/イオン交換水、ついでテトラヒドロフラン/メタノールで2回再沈精製をおこなった後、塩化メチレンに溶解し、イオン交換水でその洗浄液の導電率がイオン交換水と同等になるまで洗浄を繰り返した。洗浄後メタノール中に滴下して橙黄色の下記式(2)で示されるポリ(トリアリールアミン)−1を1.40g得た。
C82.01(82.28) H9.03(8.69) N2.01(2.04)
赤外吸収スペクトル(NaClキャスト膜)を図1に示したが964cm−1にトランスオレフィンの吸収が認められた。
GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量は35745、重量平均分子量は81923であった。
(実施例2)
実施例1におけるジホスホネートを化学式(VI−2)に変えるほかは実施例1と同様に操作を行ない、下記式(3)で示されるポリ(トリアリールアミン)−2を1.00g得た。
実施例1におけるジホスホネートを化学式(VI−2)に変えるほかは実施例1と同様に操作を行ない、下記式(3)で示されるポリ(トリアリールアミン)−2を1.00g得た。
C84.01(83.83) H7.52(7.25) N2.73(2.72)
赤外吸収スペクトル(NaClキャスト膜)を図2に示したが958cm−1にトランスオレフィンの吸収が認められた。
GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量は15586、重量平均分子量は39569であった。
(応用例1)
Al電極が蒸着されたPET基板上に、実施例1で得られたポリ(トリアリールアミン)−1の10wt%のテトラヒドロフラン溶液をブレード塗工し、膜厚11.8μmの薄膜を形成した。この半導体フィルム上にさらに金電極を蒸着し、サンドイッチセルを作製した。このセルを用いて、タイムオブフライト法により有機半導体材料のキャリア移動度を測定したところ、2.5×105V/cmの電界強度において4.74×10―3cm2V―1s−1の高いキャリア移動度が観測された。
Al電極が蒸着されたPET基板上に、実施例1で得られたポリ(トリアリールアミン)−1の10wt%のテトラヒドロフラン溶液をブレード塗工し、膜厚11.8μmの薄膜を形成した。この半導体フィルム上にさらに金電極を蒸着し、サンドイッチセルを作製した。このセルを用いて、タイムオブフライト法により有機半導体材料のキャリア移動度を測定したところ、2.5×105V/cmの電界強度において4.74×10―3cm2V―1s−1の高いキャリア移動度が観測された。
(応用例2)
p−ドープされてゲートとして作用するシリコン基板表面を熱酸化してSiO2の絶縁層を200nm形成した後、酸化膜を片面だけ除去し、除去した面にAlを蒸着してゲート電極とした。次に該SiO2の絶縁層上に、実施例1で得られたポリ(トリアリールアミン)−1の約1.0wt%のTHF/パラキシレン=8/2の混合溶媒からなる溶液をスピンコートして乾燥することにより有機半導体層を作製した。引き続きチャネル長30μm、チャネル幅10mmとなるようにソース・ドレイン電極のAu膜を蒸着した。
また、以下の式を用いて有機半導体の電界効果移動度を算出した。
p−ドープされてゲートとして作用するシリコン基板表面を熱酸化してSiO2の絶縁層を200nm形成した後、酸化膜を片面だけ除去し、除去した面にAlを蒸着してゲート電極とした。次に該SiO2の絶縁層上に、実施例1で得られたポリ(トリアリールアミン)−1の約1.0wt%のTHF/パラキシレン=8/2の混合溶媒からなる溶液をスピンコートして乾燥することにより有機半導体層を作製した。引き続きチャネル長30μm、チャネル幅10mmとなるようにソース・ドレイン電極のAu膜を蒸着した。
また、以下の式を用いて有機半導体の電界効果移動度を算出した。
Claims (5)
- 下記一般式(V)で表わされるジアルデヒド化合物と下記一般式(VI)で表わされるジホスホン酸エステル化合物とを重合反応させることを特徴とする下記一般式(I)で表わされる構成単位を含有するポリ(トリアリールアミン)の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005264732A JP2007077224A (ja) | 2005-09-13 | 2005-09-13 | ポリ(トリアリールアミン) |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005264732A JP2007077224A (ja) | 2005-09-13 | 2005-09-13 | ポリ(トリアリールアミン) |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007077224A true JP2007077224A (ja) | 2007-03-29 |
Family
ID=37937848
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005264732A Pending JP2007077224A (ja) | 2005-09-13 | 2005-09-13 | ポリ(トリアリールアミン) |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007077224A (ja) |
-
2005
- 2005-09-13 JP JP2005264732A patent/JP2007077224A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7166689B2 (en) | Aryl amine polymer, thin film transistor using the aryl amine polymer, and method of manufacturing the thin film transistor | |
JP5220005B2 (ja) | チアゾロチアゾール誘導体およびそれを用いた有機電子素子 | |
JP5387935B2 (ja) | π共役ポリマー | |
EP2188322B1 (en) | Novel arylamine polymer, method for producing the same, ink composition, film, electronic device, organic thin-film transistor, and display device | |
TW201002722A (en) | Benzobisthiazole compound, benzobisthiazole polymer, organic film including the compound or polymer and transistor including the organic film | |
WO2007097395A1 (ja) | 含フッ素化合物及びその製造方法、含フッ素重合体、有機薄膜、並びに、有機薄膜素子 | |
JP5426199B2 (ja) | 分岐型化合物、並びにこれを用いた有機薄膜及び有機薄膜素子 | |
JP5105938B2 (ja) | 重合体とその製造方法 | |
JP4480410B2 (ja) | 有機半導体材料および有機薄膜トランジスタ並びにその製造方法 | |
JP5278638B2 (ja) | アリールアミン重合体 | |
JP5062945B2 (ja) | 重合体 | |
JP5190784B2 (ja) | 重合体 | |
JP4866041B2 (ja) | アリールアミン重合体 | |
JP2007077223A (ja) | ポリ(トリアリールアミン) | |
JP2007077224A (ja) | ポリ(トリアリールアミン) | |
JP2012077293A (ja) | 新規カルバゾールポリマー及びその製法 | |
JP2009079217A (ja) | 新規なアリールアミン重合体 | |
JP5025343B2 (ja) | 含チオフェン基重合体およびその製造方法 | |
JP5105581B2 (ja) | 含フッ素化合物及びその製造方法、含フッ素重合体、有機薄膜、並びに、有機薄膜素子 | |
JP4942943B2 (ja) | 有機半導体材料、それを用いた電界効果型トランジスタ及びその製造方法 | |
JP5218812B2 (ja) | 有機薄膜トランジスタ | |
JP5030444B2 (ja) | 有機薄膜トランジスタ | |
JP5413711B2 (ja) | 新規なアリールアミン重合体 | |
JP2007250710A (ja) | 有機薄膜トランジスタ | |
JP2005213228A (ja) | 新規なジアルデヒド化合物及びアリールアミン重合体 |