JP2005213228A - 新規なジアルデヒド化合物及びアリールアミン重合体 - Google Patents

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崇 岡田
Masaomi Sasaki
正臣 佐々木
Masashi Torii
昌史 鳥居
Toshiya Kosaka
俊也 匂坂
Shinichi Kawamura
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Abstract

【課題】 本発明は、優れた発光特性を有すると共に耐久性に優れた有機薄膜EL素子用の高分子材料として、有機トランジスタの活性層用高分子材料として、また、電子写真感光体用材料などの有機エレクトロニクス用素材として有用な新規アリールアミン重合体を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明のジアルデヒド化合物は、下記一般式(I)で表される。
【化1】
Figure 2005213228

[(I)式中、R、R、R、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基から選択される基を表し、x、y、z、wはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、R、R、R、Rが各々複数存在する場合には、各々同一でも別異でもよく、
Bは、単環式、非縮合多環式又は多環式の芳香族炭化水素基を表す。]
【選択図】 なし

Description

本発明は新規なアリールアミン重合体に関し、さらに詳しくは有機EL素子用材料、有機トランジスタ用材料、または電子写真感光体用材料などの有機エレクトロニクス用素材などとして有用な新規なアリールアミン重合体に関する。
有機材料の発光特性や電荷輸送特性を利用して、有機エレクトロルミネッセンス素子や、有機トランジスタ素子が提案されている。これらの素子に有機材料を用いることにより、軽量、安価、低製造コスト、フレキシブル等の利点が期待される。
有機薄膜EL素子用の材料としては、低分子系および高分子系の様々な材料が報告されている。低分子系においては、種々の積層構造の採用により高効率化の実現が、またドーピング法をうまくコントロールすることにより耐久性の向上が報告されている。しかし、低分子集合体の場合には、長時間の経時において、膜状態の変化が生じることが報告されており、膜の安定性に関して本質的な問題点を抱えている。
一方、高分子系材料においては、これまで、主にPPV(poly−p−phenylenevinylene)系列やpoly−thiophene等のπ共役系高分子について精力的に検討が行われてきた。しかしながら、これらの材料系は純度を上げることが困難であることや、本質的に蛍光量子収率が低いことが問題点として挙げられ、高性能なEL素子は得られていないのが現状である。
またπ共役高分子主鎖中にアリールアミン部位を含む高分子材料も検討されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、非特許文献1)。高分子材料は本質的にガラス状態が安定であることを考慮すると、高蛍光量子効率を付与することができれば優れたEL素子の構築が可能となるため、この分野でさらなる改良が行われている。
一方、有機薄膜トランジスタ素子においても、低分子系および高分子系の様々な材料が報告されている。例えば低分子材料ではペンタセン(非特許文献2)、フタロシアニン(非特許文献3)、フラーレン(特許文献5、非特許文献4)、アントラジチオフェン(特許文献6)、チオフェンオリゴマー(特許第3145294号公報、非特許文献5)、ビスジチエノチオフェン(非特許文献6)などが、また高分子材料ではポリチオフェン(非特許文献7)、ポリチエニレンビニレン(.非特許文献8)などの幾つかの材料が挙げられる。
しかし、上記の材料においても、低分子系では膜の安定性に関する問題が、また、高分子系では、低いキャリア移動度という問題とともに高純度化が困難であるという問題もあり、更なる改良が望まれている。
特開平10−310635号公報 特開平8−157575号公報 特表2002−515078号公報 特許文献4WO97/09394 特開平8−228034号公報 特開平11−195790号公報 Synth.Met.,84,269,1997 Synth.Met.,51,419,1992 Appl.Phys.Lett.,69,3066,1996 Appl.Phys.Lett.,67,121,1995. Chem.Mater.,4,457,1998 Appl.Phys.Lett.,71,3871,1997 Appl.Phys.Lett.,69,4108,1996 Appl.Phys.Lett.,63,1372,1993 M.Miyaura,A.Suzuki et al.Synth.Commun. vol.11,513(1981) R.F.Heck,Org.Reaction vol.27, 345 (1981)
本発明は上記従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、優れた発光特性を有すると共に耐久性に優れた有機薄膜EL素子用の高分子材料として、有機トランジスタの活性層用高分子材料として、また、電子写真感光体用材料などの有機エレクトロニクス用素材として有用な新規アリールアミン重合体を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、特定の構成単位を含有する新規アリールアミン重合体により上記課題が解決されることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下の〔1〕〜〔8〕で示される。
〔1〕 下記一般式(I)で表されるジアルデヒド化合物
Figure 2005213228
[(I)式中、R、R、R、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基から選択される基を表し、x、y、z、wはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、R、R、R、Rが各々複数存在する場合には、各々同一でも別異でもよく、
Bは、単環式、非縮合多環式又は多環式の芳香族炭化水素基を表す。]
〔2〕 一般式(II)で表されるジハロゲン化合物と、一般式(III)または(IV)で表される芳香族ホウ素化合物とを反応させることにより得られる前記〔1〕に記載のジアルデヒド化合物。
Figure 2005213228
[(II)式中、R、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖の、アルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基から選択される基を表し、y、zはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、R、Rが各々複数存在する場合には、各々同一でも別異でもよく、
Gは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、Bは、単環式、非縮合多環式又は多環式の芳香族炭化水素基を表す。]
Figure 2005213228
[(III)式中、Jはボロン酸基またはボロン酸エステル基を表し、Rはハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基から選択される基を表し、xは0から4の整数を表す。]
Figure 2005213228
[(IV)式中、Jはボロン酸基またはボロン酸エステル基を表し、Rはハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基から選択される基を表し、wは0から4の整数を表す。]
〔3〕 一般式(I)のジアルデヒド化合物が下記一般式(V)で表されることを特徴とする前記〔1〕に記載のジアルデヒド化合物
Figure 2005213228
[(V)式中、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基から選択される基を表し、vは0から5の整数を表し、x、y、z、wはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、R、R、R、R、Rが各々複数存在する場合には、各々同一でも別異でもよい。]
〔4〕 一般式(II)で表されるジハロゲン化合物が、下記一般式(VI)で表され、一般式(III)または(IV)で表される芳香族ホウ素化合物がそれぞれ下記一般式(VII)または(VIII)で表され、前記ジハロゲン化合物(VI)と芳香族ホウ素化合物(VII)または(VIII)とを反応させることにより得られる前記〔3〕に記載のジアルデヒド化合物。
Figure 2005213228
[(VI)式中、R、R、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基から選択される基を表し、vは0から5の整数を表し、y、zはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、R、R、Rが各々複数存在する場合には、各々同一でも別異でもよく、
Gは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。]
Figure 2005213228
[(VII)式中、Rはハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基から選択される基を表し、xは0から4の整数を表す。]
Figure 2005213228
[(VIII)式中、Rはハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基から選択される基を表し、wは0から4の整数を表す。]
〔5〕 下記一般式(IX)で表される繰り返し単位を有する重合体。
Figure 2005213228
[(IX)式中、R、R、R、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基から選択される基を表し、x、y、z、wはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、R、R、R、Rが各々複数存在する場合には、各々同一でも別異でもよく、
Bは、単環式、非縮合多環式又は多環式の芳香族炭化水素基を表し、Aは、単環式、非縮合多環式又は多環式の芳香族炭化水素基の二価基を表す。]
〔6〕 下記一般式(X)と、一般式(I)で表されるジアルデヒド化合物とを反応させることにより得られる前記〔5〕に記載の一般式(IX)で表される重合体。
Figure 2005213228
[(X)式中、Aは、単環式、非縮合多環式又は多環式の芳香族炭化水素基の二価基を表し、
LはPO(OR’)(式中R’は低級アルキル基を表す)またはPR’’(式中R’’はフェニル基あるいはアルキル基を、Yはハロゲン原子を表す)を表す。]
〔7〕 一般式(IX)で表される繰り返し単位を有する重合体が、下記一般式(XI)で表されることを特徴とする前記〔5〕に記載の繰り返し単位を有する重合体。
Figure 2005213228
[(XI)式中、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基から選択される基を表し、vは0から5の整数を表し、x、y、z、wはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、R、R、R、R、Rが各々複数存在する場合には、各々同一でも別異でもよく、
Aは、単環式、非縮合多環式又は多環式の芳香族炭化水素基の二価基を表す。]
〔8〕 前記一般式(X)と、前記一般式(V)で表されるジアルデヒド化合物とを反応させることにより得られる前記〔7〕に記載の一般式(XI)で表される重合体。
Figure 2005213228
[(X)式中、Aは、単環式、非縮合多環式又は多環式の芳香族炭化水素基の二価基を表し、
LはPO(OR’)(式中R’は低級アルキル基を表す)またはPR’’(式中R’’はフェニル基あるいはアルキル基を、Yはハロゲン原子を表す)を表す。]
Figure 2005213228
[(V)式中、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基から選択される基を表し、vは0から5の整数を表し、x、y、z、wはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、R、R、R、R、Rが各々複数存在する場合には、各々同一でも別異でもよい。]
本発明の新規アリールアミン重合体は、有機トランジスタ用の電荷輸送性高分子材料として、また優れた発光特性を有すると共に耐久性に優れた有機薄膜EL素子用の高分子材料として、また電子写真感光体用材料などの有機エレクトロニクス用素材として有用である。
まず、本発明のジアルデヒド化合物について説明する。本発明のジアルデヒド化合物は、下記一般式(I)で表される。尚、本発明のジアルデヒド化合物は、後述の重合反応に好適に用いられる。
Figure 2005213228
(I)式中、R、R、R、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基から選択される基を表し、x、y、z、wはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、R、R、R、Rが各々複数存在する場合には、各々同一でも別異でもよく、Bは、単環式、非縮合多環式又は多環式の芳香族炭化水素基を表す。
上記芳香環上のR、R、R、Rは、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の、直鎖もしくは分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基を置換基として有していてもよく、得られる重合体の有機溶媒への溶解性向上の観点からは、置換基もしくは無置換の、アルキル基やアルコキシ基、アルキルチオ基が好ましい。
上記の置換基の炭素数が増加すれば、得られる重合体の溶解性はより向上するが、その反面、電荷輸送性等の特性は低下してしまうため、溶解性が損なわれない範囲で所望の特性が得られるような置換基を選択することが好ましい。その場合の好適な置換基の例としては炭素数が1〜25の、アルキル基、アルコキシ基及びアルキルチオ基が挙げられる。より好適には炭素数が2〜18の、アルキル基、アルコキシ基及びアルキルチオ基が挙げられる。これら置換基は同一のものを複数導入してもよいし、異なるものを複数導入してもよい。また、これらのアルキル基、アルコキシ基及びアルキルチオ基はさらにハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基または炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基やアルコキシ基、アルキルチオ基で置換されたフェニル基を含有していてもよい。
アルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、2−エチルヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−シアノエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を一例として挙げることができ、アルコキシ基、アルキルチオ基としては上記アルキル基の結合位に酸素原子または硫黄原子を挿入してアルコキシ基、アルキルチオ基としたものが一例として挙げられる。
Figure 2005213228

前記一般式(I)におけるBとしては、置換若しくは無置換の単環基、多環基(縮合多環基、非縮合多環基)芳香族炭化水素基の何れでもよく、一例として以下のものを挙げることができる。例えばフェニル基、ナフチル基、ピレニル基、フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などが挙げられる。
また、これら芳香族炭化水素基は以下に示す置換基を有していてもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)炭素数1〜25の直鎖又は分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基。これらはさらにハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルチオ基で置換されていてもよい。
(3)アリールオキシ基。(アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するアリールオキシ基が挙げられる。これらは、ハロゲン原子を置換基として含有しても良く、炭素数1〜25の直鎖または分岐鎖の、アルキル基又はアルコキシ基あるいはアルキルチオ基を含有していても良い。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルオキシ基、4-メチルフェノキシ基、4-メトキシフェノキシ基、4-クロロフェノキシ基、6-メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。)
(4)アルキルチオ基又はアリールチオ基。(アルキルチオ基又はアリールチオ基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p-メチルフェニルチオ基等が挙げられる。)
(5)アルキル置換アミノ基。(具体的には、ジエチルアミノ基、N-メチル−N−フェニルアミノ基、N,N-ジフェニルアミノ基、N,N-ジ(p−トリル)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基等が挙げられる。)
(6)アシル基(アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。)
本発明の一般式(I)に示されるジアルデヒド化合物は、(1)下記一般式(II)で表されるジハロゲン化合物と、一般式(III)で表される芳香族ホウ素化合物とを反応させることにより得ることができる。
Figure 2005213228
(II)式中、R、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖の、アルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基から選択される基を表し、y、zはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、R、Rが各々複数存在する場合には、各々同一でも別異でもよく、Gは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、Bは、単環式、非縮合多環式又は多環式の芳香族炭化水素基を表す。
尚、(II)式において、R、R、そしてBは、前記(I)式の場合と同様に構成される。
Figure 2005213228
(III)式中、Jはボロン酸基またはボロン酸エステル基を表し、Rはハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基から選択される基を表し、xは0から4の整数を表す。
尚、(III)式において、Rは、前記(I)式の場合と同様に構成される。
また、本発明の一般式(I)に示されるジアルデヒド化合物は、(2)前記一般式(II)で表されるジハロゲン化合物と、一般式(IV)で表される芳香族ホウ素化合物とを反応させることにより得ることができる。
Figure 2005213228
(IV)式中、Jはボロン酸基またはボロン酸エステル基を表し、Rはハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基から選択される基を表し、wは0から4の整数を表す。
尚、(IV)式において、Rは、前記(I)式の場合と同様に構成される。
前記(1)と(2)の反応は、パラジウム触媒を用いるアリールホウ素化合物と有機ハロゲン化合物とのクロスカップリング反応であるSuzuki−Miyaura反応として知られている(例えば、非特許文献9)。
前記(1)及び(2)の反応において、ハロゲン原子Gとしては反応性の点からヨウ素化物あるいは臭素化物が好ましい。
パラジウム触媒としてはPd(PPh、PdCl(PPh、Pd(OAc)およびPdClなど種々の触媒を用いることができるが、最も汎用的にはPd(PPhが用いられる。
(1)及び(2)の反応には塩基が必ず必要であるが、NaCO、NaHCOなどの比較的弱い塩基が良好な結果を与える。立体障害等の影響を受ける場合には、Ba(OH)やKPOなどの強塩基が有効である。その他苛性ソーダ、苛性カリ、金属アルコシド等、例えばカリウムt−ブトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、リチウムt−ブトキシド、カリウム2−メチル−2−ブトキシド、ナトリウム2−メチル−2−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、カリウムメトキシドなども用いることができる。トリエチルアミン等の有機塩基も用いることができる。
反応溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノール、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル等のアルコールおよびエーテル系、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル系の他ベンゼン、トルエン、キシレン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等を挙げることができる。
本発明の一般式(I)のジアルデヒド化合物としては、下記一般式(V)で表されるものが好ましい。(理由 )
Figure 2005213228
(V)式中、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基から選択される基を表し、vは0から5の整数を表し、x、y、z、wはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、R、R、R、R、Rが各々複数存在する場合には、各々同一でも別異でもよい。
尚、R、R、R、R、Rは、前記(I)式におけるR、R、R、Rと同様に構成される。
上記下記一般式(V)で表されるジアルデヒド化合物は、前記(1)の反応又は(2)の反応によって得ることができる。具体的には、次のようにして合成することができる。
前記(1)の反応による場合、前記一般式(II)で表されるジハロゲン化合物として下記一般式(VI)で表される化合物を用い、前記一般式(III)表される芳香族ホウ素化合物として下記一般式(VII)で表される化合物を用い、一般式(VI)で表される化合物と一般式(VII)で表される化合物とを反応させることにより、一般式(V)で表されるジアルデヒド化合物を合成することが好ましい。
Figure 2005213228
(VI)式中、R、R、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基から選択される基を表し、vは0から5の整数を表し、y、zはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、R、R、Rが各々複数存在する場合には、各々同一でも別異でもよく、
Gは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。
尚、R、R、Rは、前記(I)式におけるR、Rと同様に構成される。
Figure 2005213228
(VII)式中、Rはハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基から選択される基を表し、xは0から4の整数を表す。
尚、Rは、前記(I)式におけるRと同様に構成される。
前記(2)の反応により一般式(V)で表されるジアルデヒド化合物を得る場合、前記一般式(II)で表されるジハロゲン化合物として一般式(VI)で表される化合物を用い、一般式(III)表される芳香族ホウ素化合物として一般式(VIII)で表される化合物を用い、一般式(VI)で表される化合物と一般式(VIII)で表される化合物とを反応させることにより、一般式(V)で表されるジアルデヒド化合物を合成することが好ましい。
Figure 2005213228
(VIII)式中、Rはハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基から選択される基を表し、wは0から4の整数を表す。
尚、Rは、前記(I)式におけるRと同様に構成される。
次に本発明の重合体について説明する。
本発明の重合体は、後述のとおり、前記一般式(I)で表されるジアルデヒド化合物を用いて得られるものであり、下記一般式(IX)で表される繰り返し単位を有する重合体である。
Figure 2005213228
(IX)式中、R、R、R、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基から選択される基を表し、x、y、z、wはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、R、R、R、Rが各々複数存在する場合には、各々同一でも別異でもよく、Bは、単環式、非縮合多環式又は多環式の芳香族炭化水素基を表し、Aは、単環式、非縮合多環式又は多環式の芳香族炭化水素基の二価基を表す。
前記一般式(IX)におけるAとしては、置換もしくは無置換の単環基、多環基(縮合多環基、非縮合多環基)芳香族炭化水素基の二価基であれば何れでもよく、一例として以下のものを挙げることができる。例えば、フェニル基、ナフチル基、ピレニル基、フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などが挙げられる。
また、これら芳香族炭化水素基は以下に示す置換基を有していてもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)炭素数1〜25の直鎖又は分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基。これらはさらにハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルチオ基で置換されていてもよい。
(3)アリールオキシ基。(アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するアリールオキシ基が挙げられる。これらは、ハロゲン原子を置換基として含有しても良く、炭素数1〜25の直鎖または分岐鎖の、アルキル基又はアルコキシ基あるいはアルキルチオ基を含有していても良い。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルオキシ基、4-メチルフェノキシ基、4-メトキシフェノキシ基、4-クロロフェノキシ基、6-メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。)
(4)アルキルチオ基又はアリールチオ基。(アルキルチオ基又はアリールチオ基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p-メチルフェニルチオ基等が挙げられる。)
(5)アルキル置換アミノ基。(具体的には、ジエチルアミノ基、N-メチル−N−フェニルアミノ基、N,N-ジフェニルアミノ基、N,N-ジ(p−トリル)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基等が挙げられる。)
(6)アシル基(アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。)
また、一般式(IX)におけるBは、前記一般式(I)で表されるジアルデヒド化合物の場合と同様に構成される。
本発明の一般式(IX)で表される繰り返し単位を有する重合体は、下記一般式(XI)で表される重合体であることが好ましい。
Figure 2005213228
(XI)式中、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基から選択される基を表し、vは0から5の整数を表し、x、y、z、wはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、R、R、R、R、Rは同一でも別異でもよく、Aは、単環式、非縮合多環式又は多環式の芳香族炭化水素基の二価基を表す。
尚、R、R、R、R、Rは、前記(I)式におけるR、R、R、Rと同様に構成される。Aは一般式(IX)の場合と同様に構成される。
本発明のアリールアミン重合体(IX)、さらに(XI)は芳香環上にハロゲン原子、置換もしくは無置換の、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基を置換基として有していてもよく、有機溶媒への溶解性向上の観点からは、置換基もしくは無置換の、アルキル基やアルコキシ基、アルキルチオ基が好ましい。これら置換基の炭素数が増加すれば溶解性はより向上するが、その反面、電荷輸送性等の特性は低下してしまうため、溶解性が損なわれない範囲で所望の特性が得られるような置換基を選択することが好ましい。その場合の好適な置換基の例としては炭素数が1〜25の、アルキル基、アルコキシ基及びアルキルチオ基が挙げられる。より好適には炭素数が2〜18の、アルキル基、アルコキシ基及びアルキルチオ基が挙げられる。これら置換基は同一のものを複数導入してもよいし、異なるものを複数導入してもよい。また、これらのアルキル基、アルコキシ基及びアルキルチオ基はさらにハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基または炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基やアルコキシ基、アルキルチオ基で置換されたフェニル基を含有していてもよい。
アルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、2−エチルヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−シアノエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を一例として挙げることができ、アルコキシ基、アルキルチオ基としては上記アルキル基の結合位に酸素原子または硫黄原子を挿入してアルコキシ基、アルキルチオ基としたものが一例として挙げられる。
本発明の重合体は、アルキル基やアルコキシ基、アルキルチオ基の存在により、溶媒への溶解性が向上する。これらの材質において溶解性を向上させることは、有機EL素子や有機トランジスタ素子および電子写真用感光体製造の際の、湿式成膜過程の製造許容範囲が大きくなることから重要である。例えば塗工溶媒の選択肢の拡大、溶液調製時の温度範囲の拡大、溶媒の乾燥時の温度及び圧力範囲の拡大となり、これらプロセッシビリティーの高さにより、結果的に高純度で均一性の高い高品質な薄膜が得られる可能性が高くなる。
以下、アリールアミン重合体の製造法について説明する。
その例として、重合反応1〜3を以下に示す。
Figure 2005213228
反応1.においては、塩基存在下、芳香族ジアルデヒドと芳香族ジホスホン酸エステルを用いたWittig−Horner反応により重合させることができる。
反応2.においては、塩基存在下、芳香族ジアルデヒドと芳香族ジホスホニウム塩を用いたWittig反応により重合させることができる。
反応3.においては、芳香族ジアルデヒドをWittig反応によりジビニル体に変換し、これをPd触媒存在下、芳香族ジハロゲン体と縮合反応することにより重合させることができる。(例えば非特許文献10)
本発明の一般式(IX)で表される重合体は、次のように、上記重合反応1又は2により重合することが好ましい。
即ち、本発明の一般式(IX)で表される重合体は、下記一般式(X)と、前記一般式(I)で表されるジアルデヒド化合物とを反応させることにより得ることができる。
Figure 2005213228
(X)式中、Aは単環式、単環式、非縮合多環式又は多環式の芳香族炭化水素基の二価基を表し、LはPO(OR’)(式中R’は低級アルキル基を表す)またはPR’’(式中R’’はフェニル基あるいはアルキル基を、Yはハロゲン原子を表す)を表す。
尚、Aは一般式(IX)の場合と同様に構成される。
前記一般式(XI)で表される重合体は、一般式(IX)で表される重合体の好ましい態様であり、前記一般式(X)と、前記一般式(V)で表されるジアルデヒド化合物とを反応させることにより得ることができる。
次に、一例としてWittig−Horner反応を用いたアリールアミン重合体の製造方法について詳細に説明する。
Wittig−Horner反応を用いた重合体の製造方法においては、本発明の重合体は、下記の反応式で示されるように、ホスホン酸エステル化合物およびアルデヒド化合物が化学量論的に等しく存在する溶液と、その2倍モル量以上の塩基を混合し、重合反応を進行させることにより得ることができる。
Figure 2005213228
また、複数種のホスホン酸エステル化合物あるいはアルデヒド化合物を反応系内に添加することにより、ランダム共重合体を得ることもでき、諸特性を調整することも可能である。
上記反応に使用する塩基はホスホネートカルボアニオンが形成されるものであれば特に限定されず、金属アルコシド、金属ヒドリド、有機リチウム化合物等が挙げられ、例えばカリウムt−ブトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、リチウムt−ブトキシド、カリウム2−メチル−2−ブトキシド、ナトリウム2−メチル−2−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、カリウムメトキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウム、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウム、リチウムナフチリド、リチウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド等を挙げることができる。
反応に用いる塩基の量は、通常ホスホン酸エステル化合物の重合活性点に対して同量使用するだけでよいが、さらに過剰量用いても支障ない。
上記の塩基は固形状態や懸濁溶液の状態で反応系内に添加してもよいが、得られる重合体の均質性を良好にする為に、特に均一溶液として添加する事が好ましい。塩基を溶解する溶媒としては、使用する塩基と安定な溶液を形成する溶媒を選択しなければならない。更に、その他の要因として塩基の溶解度が高いものがよいこと、反応系で生成する高分子量体の反応溶媒に対する溶解性を損ねないものがよいこと、さらに生成する高分子量体が良好に溶解する溶媒がよいことを考慮し、用いる塩基と製造する高分子量体の特性に応じて、一般に知られているアルコール系、エーテル系、アミン系、炭化水素系溶媒等から任意に選択することができる。
塩基とそれを均一に溶解する溶媒の組み合わせとしては、例えばナトリウムメトキシドのメタノール溶液、ナトリウムエトキシドのエタノール溶液、カリウムt−ブトキシドの2−プロパノール溶液、カリウムt−ブトキシドの2−メチル−2−プロパノール溶液、カリウムt−ブトキシドのテトラヒドロフラン溶液、カリウムt−ブトキシドのジオキサン溶液、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液、メチルリチウムのエーテル溶液、リチウムt−ブトキシドのテトラヒドロフラン溶液、リチウムジイソプロピルアミドのシクロヘキサン溶液、カリウムビストリメチルシリルアミドのトルエン溶液等をはじめとして、種々の組み合わせの溶液が挙げられ、幾つかの溶液は市販品として容易に入手することができる。温和な反応条件、取り扱いの容易さの観点から好ましくは金属アルコキシド系の溶液が用いられ、生成する重合体の溶解性、取り扱いの容易さ、反応の効率性、生成する重合体の溶解性等の観点からより、好ましくは金属t−ブトキシドのエーテル系が用いられ、さらに好ましくはカリウムt−ブトキシドのテトラヒドロフラン溶液が用いられる。
上記重合反応はホスホン酸エステル化合物およびアルデヒド化合物の溶液に塩基溶液を添加してもよく、塩基溶液にホスホン酸エステル化合物およびアルデヒド化合物の溶液を加えてもよく、同時に反応系に加えてもよく、添加の順序に制約はない。
上記重合反応における重合時間は、用いられるモノマーの反応性、または望まれる重合体の分子量等に応じて適宜設定すればよいが、0.2時間〜30時間が好適である。
上記重合反応における反応温度は特に制御する必要なく室温において良好に重合反応が進行するが、反応効率をより上げるために加熱したり、またはより温和な条件に冷却することも可能である。
また、以上の重合操作において分子量を調節するために分子量調節剤、または末端修飾基として重合体の末端を封止するための封止剤を反応途中または反応後に添加することも可能であり、反応開始時に添加しておくことも可能である。従って、本発明におけるアリールアミン重合体の末端には停止剤に基づく置換基が結合してもよい。
分子量調節剤、末端封止剤としては、ベンジルホスホン酸ジエチル、ベンズアルデヒド等のホスホン酸エステル基やアルデヒド基を1個有する化合物が挙げられる。
本発明の重合体の好ましい分子量はポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000であり、より好ましくは2000〜500000である。分子量が小さすぎる場合にはクラックの発生等成膜性が悪化し実用性に乏しくなる。また分子量が大きすぎる場合には、一般の有機溶媒への溶解性が悪くなり、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、やはり実用性の上で問題になる。
また、機械的特性を改良するために重合時に分岐化剤を少量加えることもできる。使用される分岐化剤は、重合反応活性基を3つ以上(同種でも異種でもよい)有する化合物である。これらの分岐化剤は単独で使用してもよく、また複数併用してもよい。
以上のようにして得られたアリールアミン重合体は、重合に使用した塩基、未反応モノマー、末端停止剤、又、重合中に発生した無機塩等の不純物を除去して使用される。これら精製操作は再沈澱、抽出、ソックスレー抽出、限外濾過、透析等をはじめとする従来公知の方法を使用できる。
上記製造方法により得られた本発明の重合体は、スピンコート法、キャスト法、ディップ法、インクジェット法、ドクターブレード法、スクリーン印刷法等の公知の成膜方法により、クラックのない強度、靭性、耐久性等に優れた良好な薄膜を作製することが可能であり、有機EL素子、有機トランジスタ素子などの材料として好適に用いることが可能である。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これら実施例によって制限されるものではない。
実施例1
ジアルデヒド化合物の合成
Figure 2005213228
300ml四つ口フラスコに、上記ジハロゲン化合物14.62g(30.0mmol)、エタノール20mlに溶解させた4−ホルミルフェニルボロン酸9.90g(66.0mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム1.08g(0.9mmol)、トルエン120ml、22%炭酸ナトリウム水溶液60mlを入れ、窒素雰囲気下、6時間加熱還流した。室温まで冷却した後、有機層を水洗し、カラムクロマトグラフィー(トルエン/シクロヘキサン=4/1(体積比))にて単離した後、熱エタノール洗浄による精製を行い、乾燥し、8.54gの黄色結晶を得た。収率は53%、得られた化合物の融点は143℃あった。
尚、元素分析値(計算値)は、C:84.82%(84.88%)、H:6.60%(6.56%)、N:2.65%(2.60%)である。
赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)を図1に示した。
CHO伸縮振動 1698cm−1
実施例2
重合体1の合成
Figure 2005213228
100ml四つ口フラスコに、上記のジアルデヒド0.807g(1.5mmol)及びジホスホネート0.568g(1.5mmol)を入れ、窒素置換してテトラヒドロフラン40mlおよびベンズアルデヒド7.60mg(0.072mmol)を加えた。この溶液にカリウムt−ブトキシドの1.0mol dm−3テトラヒドロフラン溶液4.5ml(4.5mmol)を滴下し室温で2時間撹拌した後、ベンジルホスホン酸ジエチルを34.2mg(0.15mmol)加え、さらに1時間撹拌した。酢酸およそ0.5mlを加えて反応を終了し、溶液を水洗した。溶媒を減圧留去した後テトラヒドロフラン及びメタノールを用いて再沈澱による精製を行ない、ポリマー0.84gを得た。収率は92%であった。
尚、元素分析値(計算値)は、C:90.65%(90.88%)、H:6.87%(6.81%)、N:2.33%(2.30%)である。
GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量は5600、重量平均分子量は18600であった。
赤外吸収スペクトル(NaClキャスト膜)を図2に示した。
実施例3
重合体2の合成
Figure 2005213228
100ml四つ口フラスコに、上記のジアルデヒド2.00g(3.72mmol)及びジホスホネート2.10g(3.72mmol)を入れ、窒素置換してテトラヒドロフラン40mlおよびベンズアルデヒド9.9mg(0.09mmol)を加えた。この溶液にカリウムt−ブトキシドの1.0moldm−3テトラヒドロフラン溶液11.2ml(11.2mmol)を滴下し室温で2時間撹拌した後、ベンジルホスホン酸ジエチルを85mg(0.37mmol)加え、さらに1時間撹拌した。酢酸およそ1.5mlを加えて反応を終了し、溶液を水洗した。溶媒を減圧留去した後テトラヒドロフラン及びメタノールを用いて再沈澱による精製を行ない、ポリマー2.20gを得た。収率は75%であった。
尚、元素分析値(計算値);C:85.95%(86.21%)、H:8.07%(8.00%)、N:1.59%(1.76%)である。
GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量は29800、重量平均分子量は83000であった。
赤外吸収スペクトル(NaClキャスト膜)を図3に示した。
実施例4
重合体3の合成
Figure 2005213228
200ml四つ口フラスコに、上記のジアルデヒド0.783g(1.675mmol)及びジホスホネート0.946g(1.675mmol)を入れ、窒素置換してテトラヒドロフラン80mlおよびベンズアルデヒド5.53mg(0.052mmol)を加えた。この溶液にカリウムt−ブトキシドの1.0moldm−3テトラヒドロフラン溶液5.0ml(5.0mmol)を滴下し室温で2時間撹拌した後、ベンジルホスホン酸ジエチルを38.2mg(0.168mmol)加え、さらに1時間撹拌した。酢酸およそ1mlを加えて反応を終了し、溶液を水洗した。溶媒を減圧留去した後テトラヒドロフラン及びメタノールを用いて再沈澱による精製を行ない、ポリマー0.76gを得た。収率は62%であった。
尚、元素分析値(計算値)は、C:86.55%(86.27%)、H:7.20%(7.38%)、N:2.12%(1.93%)である。
GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量は45000、重量平均分子量は103700であった。
赤外吸収スペクトル(NaClキャスト膜)を図4に示した。
実施例1で得られたジアルデヒド化合物の赤外吸収スペクトル図である。 実施例2で得られた重合体の赤外吸収スペクトル図である。 実施例3で得られた重合体の赤外吸収スペクトル図である。 実施例4で得られた重合体の赤外吸収スペクトル図である。

Claims (8)

  1. 下記一般式(I)で表されるジアルデヒド化合物
    Figure 2005213228
    [(I)式中、R、R、R、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基から選択される基を表し、x、y、z、wはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、R、R、R、Rが各々複数存在する場合には、各々同一でも別異でもよく、
    Bは、単環式、非縮合多環式又は多環式の芳香族炭化水素基を表す。]
  2. 一般式(II)で表されるジハロゲン化合物と、一般式(III)または(IV)で表される芳香族ホウ素化合物とを反応させることにより得られる請求項1に記載のジアルデヒド化合物。
    Figure 2005213228
    [(II)式中、R、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖の、アルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基から選択される基を表し、y、zはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、R、Rが各々複数存在する場合には、各々同一でも別異でもよく、
    Gは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、Bは、単環式、非縮合多環式又は多環式の芳香族炭化水素基を表す。]
    Figure 2005213228
    [(III)式中、Jはボロン酸基またはボロン酸エステル基を表し、Rはハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基から選択される基を表し、xは0から4の整数を表す。]
    Figure 2005213228
    [(IV)式中、Jはボロン酸基またはボロン酸エステル基を表し、Rはハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基から選択される基を表し、wは0から4の整数を表す。]
  3. 一般式(I)のジアルデヒド化合物が下記一般式(V)で表されることを特徴とする請求項1に記載のジアルデヒド化合物
    Figure 2005213228
    [(V)式中、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基から選択される基を表し、vは0から5の整数を表し、x、y、z、wはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、R、R、R、R、Rが各々複数存在する場合には、各々同一でも別異でもよい。]
  4. 一般式(II)で表されるジハロゲン化合物が、下記一般式(VI)で表され、一般式(III)または(IV)で表される芳香族ホウ素化合物がそれぞれ下記一般式(VII)または(VIII)で表され、前記ジハロゲン化合物(VI)と芳香族ホウ素化合物(VII)または(VIII)とを反応させることにより得られる請求項3に記載のジアルデヒド化合物。
    Figure 2005213228
    [(VI)式中、R、R、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基から選択される基を表し、vは0から5の整数を表し、y、zはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、R、R、Rが各々複数存在する場合には、各々同一でも別異でもよく、
    Gは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。]
    Figure 2005213228
    [(VII)式中、Rはハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基から選択される基を表し、xは0から4の整数を表す。]
    Figure 2005213228
    [(VIII)式中、Rはハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基から選択される基を表し、wは0から4の整数を表す。]
  5. 下記一般式(IX)で表される繰り返し単位を有する重合体。
    Figure 2005213228
    [(IX)式中、R、R、R、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基から選択される基を表し、x、y、z、wはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、R、R、R、Rが各々複数存在する場合には、各々同一でも別異でもよく、
    Bは、単環式、非縮合多環式又は多環式の芳香族炭化水素基を表し、Aは、単環式、非縮合多環式又は多環式の芳香族炭化水素基の二価基を表す。]
  6. 下記一般式(X)と、一般式(I)で表されるジアルデヒド化合物とを反応させることにより得られる請求項5に記載の一般式(IX)で表される重合体。
    Figure 2005213228
    [(X)式中、Aは単環式、非縮合多環式又は多環式の芳香族炭化水素基の二価基を表し、
    LはPO(OR’)(式中R’は低級アルキル基を表す)またはPR’’(式中R’’はフェニル基あるいはアルキル基を、Yはハロゲン原子を表す)を表す。]
  7. 一般式(IX)で表される繰り返し単位を有する重合体が、下記一般式(XI)で表されることを特徴とする請求項5に記載の繰り返し単位を有する重合体。
    Figure 2005213228
    [(XI)式中、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基から選択される基を表し、vは0から5の整数を表し、x、y、z、wはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、R、R、R、R、Rが各々複数存在する場合には、各々同一でも別異でもよく、
    Aは、単環式、非縮合多環式又は多環式の芳香族炭化水素基の二価基を表す。]
  8. 下記一般式(X)と、下記一般式(V)で表されるジアルデヒド化合物とを反応させることにより得られる請求項7に記載の一般式(XI)で表される重合体。
    Figure 2005213228
    [(X)式中、Aは単環式、非縮合多環式又は多環式の芳香族炭化水素基の二価基を表し、
    LはPO(OR’)(式中R’は低級アルキル基を表す)またはPR’’(式中R’’はフェニル基あるいはアルキル基を、Yはハロゲン原子を表す)を表す。]
    Figure 2005213228
    [(V)式中、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基から選択される基を表し、vは0から5の整数を表し、x、y、z、wはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、R、R、R、R、Rが各々複数存在する場合には、各々同一でも別異でもよい。]
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