JP2007072195A - 光ファイバテープ、光ケーブルおよび光ファイバテープの単心分離方法 - Google Patents

光ファイバテープ、光ケーブルおよび光ファイバテープの単心分離方法 Download PDF

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Abstract

【課題】心線数の少ない光ファイバテープへの分割と光ファイバ単心線への分離を容易に行うことができる分割型の光ファイバテープ、このような光ファイバテープを用いた光ケーブル、および、そのような光ファイバテープを中間部において容易に単心分離することができる方法を提供する。
【解決手段】並列する複数の光ファイバ単心線11の外周に一次テープ層12を被覆した光ファイバテープユニット13を、光ファイバ単心線11の配列方向とほぼ同一方向に複数枚並列させるとともに、これらの光ファイバテープユニット13の外周に二次テープ層14を被覆してなる光ファイバテープ10において、一次テープ層12を厚さが10μm〜25μmで、23℃におけるヤング率が500MPa以上の樹脂で構成し、二次テープ層14は、厚さが5μm〜30μmで、23℃におけるヤング率が400MPa以下の樹脂で構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバ単心線を複数本並列させ一体化した光ファイバテ−プユニットを、複数枚並列させ一体化した光ファイバテープ、および、そのような光ファイバテープを用いた光ケーブルに係り、さらに詳しくは、ケーブル中間部で容易に光ファイバテ−プユニットへの分割および光ファイバ単心線への分離が可能な光ファイバテープ、並びに、そのような光ファイバテープを用いた光ケーブルに関する。また、本発明は、そのような光ファイバテープを中間部で単心分離する方法に関する。
近年、インターネットなどの通信サービスの普及に伴い、通信事業者から一般加入者宅までの全区間を光ファイバで結ぶFTTH(Fiber To The Home)が急速に拡大してきている。このようなFTTHにおいて、加入者宅近傍の光配線網は、電柱を用いた架空配線が一般的であり、電柱に架渉した配線ケーブルから光ドロップケーブルを用いて加入者宅に引き落とす方式が主に採用されている。
上記配線ケーブルには、ケーブル同士の接続や中間分岐の際の光ファイバ心線の取り出しの容易さなどの点から、スロットロッドの外周に複数のSZ溝を設け、これらのSZ溝に、光ファイバ単心線を複数本並列させ一体化した構造の光ファイバテープを複数枚積層して収納し、その外周に押えテープを巻き付け、さらにその上に外被を設けたスロット型光ケーブルが一般に用いられている。このようなケーブルにおいて、光ファイバテープは、SZ溝から取り出された後、そのまま、あるいは、単心線に分離(中間単心分離)された後、光ドロップケーブルなどに接続される。
ところで、FTTH網の効率良い構築のためには、ケーブルに実装された光ファイバテープの光ファイバを有効に利用する必要があり、そのため、容易に光ファイバ単心線に分離することができる光ファイバテープが求められている。また、上記スロット型光ケーブルのさらなる多心化も要望されている。
そこで、このような要望に応えるものとして、多心の光ファイバテープを、接続単位である心線数の少ない光ファイバテープに「容易に」分割することができ、さらに、この分割した光ファイバテープを単心線に「容易に」分離することができる光ファイバテープ、すなわち、心線数の少ない光ファイバテープへの分割と光ファイバ単心線への分離をともに容易に行うことができる光ファイバテープに対するニーズが高まっている。
心線数の少ない光ファイバテープへの分割と単心線への分離が可能な光ファイバテープは、複数の光ファイバ単心線を並列させ、その外周に一次テープ層を被覆した光ファイバテープを、さらに複数枚並列させ、それらの外周に二次テープ層を被覆して一体化したものをはじめ、これまでにも種々考案されており、分割型光ファイバテープと称して既に実用にも供されている(例えば、特許文献1参照。))。
しかしながら、従来の分割型光ファイバテープにおいては、中間部で少心の光ファイバテープに分割し、さらに単心線に分離するにあたって、刃物類や剪断式の特殊な工具を用いてテープ層を切断しなければならず、光ファイバが傷付いたり断線したりするおそれがあった。また、光ファイバテープ内の単心線の一部に活線がある場合、作業時の不用意な曲げによって伝送損失が増加し、伝送エラーを招くおそれがあるため、回線を一旦停止したうえで作業を行うが、または、活線のない光ファイバテープを使用する必要があり、作業効率もしくは心線使用効率が悪くなるという問題があった。
一方、刃物などを使用せず簡単な工具で容易に中間単心分離可能な光ファイバテープが開発されている(例えば、特許文献2、3参照。)。すなわち、この光ファイバテープは、上下またはその一方にナイロンなどの線材からなるブラシ片を備え、このブラシ片を光ファイバテープの上下両面に繰り返し押し当てるか、あるいは、押し当てた状態で光ファイバテープの長さ方向に相対的に移動させることにより、光ファイバテープのテープ層を傷付けたり剥いだりして、光ファイバ単心線へ分離するもので、容易にかつ安全に光ファイバ単心線に中間分離することができ、また、中間単心分離時の損失増加もほとんどないため、活線のある光ファイバテープについても回線を一旦停止せずに中間単心分離が可能である。
しかしながら、この光ファイバテープは、光ファイバ単心線に容易に分離することができるものの、少心の光ファイバテープに分割することは困難である。
特公平7−36053号公報 特許第3664254号公報 特開2004−240014号公報
上述したように、FTTH網の効率の良い構築と光ケーブルのさらなる多心化の要求に応えるため、多心の光ファイバテープを少心の光ファイバテープに「容易に」分割することができ、さらに、この分割した光ファイバテープを単心線に「容易に」分離することができる光ファイバテープに対するニーズが増大しているが、未だこのような光ファイバテープは得られていない。
本発明はこのような従来技術の課題に対処してなされたもので、心線数の少ない光ファイバテープへの分割と光ファイバ単心線への分離を容易に行うことができる光ファイバテープ、このような光ファイバテープを用いた光ケーブル、および、そのような光ファイバテープを中間部において容易に単心分離することができる方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の光ファイバテープは、並列する複数の光ファイバ単心線の外周に一次テープ層を被覆した光ファイバテープユニットを、前記光ファイバ単心線の配列方向とほぼ同一方向に複数枚並列させるとともに、これらの光ファイバテープユニットの外周に二次テープ層を被覆してなる光ファイバテープであって、前記一次テープ層は、厚さが10μm〜25μmで、23℃におけるヤング率が500MPa以上の樹脂からなり、前記二次テープ層は、厚さが5μm〜30μmで、23℃におけるヤング率が400MPa以下の樹脂からなることを特徴とするものである。
なお、本願明細書中、ヤング率の測定は、いずれも、JIS K 7113に準拠して測定した値であり、より具体的には、樹脂シートを作成し、JIS2号ダンベルに成形した試験片を、標線間距離25mm、引張速度1mm/分の条件で引張って求めたヤング率である。
また、本発明の光ファイバテープの単心分離方法は、前記光ファイバテープの表面に可撓性部材を押し当て、該部の二次テープ層を傷付けるかまたは除去して、前記光ファイバテープを光ファイバテープユニットに分離する工程(I)と、分離された前記光ファイバテープユニットの少なくとも1枚について、その表面を研磨材で擦って粗面化した後、該部に可撓性部材を押し当て、該部の一次テープ層を傷付けるかまたは除去することにより、光ファイバ単心線に分離する工程(II)とを含むことを特徴とするものである。
さらに、本発明の光ケーブルは、前記光ファイバテープを備えたことを特徴とするものである。
本発明の光ファイバテープによれば、容易にかつ安全に、また、活線があっても伝送損失を大きく増大させることなく、少心の光ファイバテープユニットへの分割および光ファイバ単心線への分離を行うことができ、これを用いて心線使用率が高くかつ多心の光ケーブルを得ることができる。また、本発明の光ケーブルによれば、このような少心の光ファイバテープユニットへの分割および光ファイバ単心線への分離性に優れた光ファイバテープを具備することができ、心線の使用率の向上と多心化を両立させることができる。さらに、本発明の光ファイバテープの単心分離方法によれば、容易にかつ安全に、また、活線があっても伝送損失を大きく増大させることなく、少心の光ファイバテープユニットへの分割および光ファイバ単心線への分離を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明の光ファイバテープの一実施形態を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態の光ファイバテープ10は、光ファイバ単心線11を4本、同一平面上に密着させて並列させ、その外側に一次テープ層12を被覆して光ファイバテープユニット13を形成し、さらにこの光ファイバテープユニット13を2枚、ほぼ同一平面状に、すなわち、光ファイバ単心線11の配列方向とほぼ同一方向に、並列させるとともに、これらの光ファイバテープユニット13の外周に二次テープ層14を被覆した構造を有する。一次テープ層12および二次テープ層14の表面には実質的に凹凸が形成されておらず、光ファイバテープユニット13および光ファイバテープ10は、いずれも幅方向にほぼ均一な厚さを有している。
光ファイバ単心線11としては、例えば、光ファイバ上に紫外線硬化型樹脂などにより1層乃至複数層の保護被覆を設けたものや、このような保護被覆上にさらに着色層を設けたものが使用される。
一方、一次テープ層12は、23℃におけるヤング率が500MPa以上の樹脂により、その厚さ(図中、t1で示す)が10μm〜25μmの範囲になるように被覆されている。また、二次テープ層14は、23℃におけるヤング率が400MPa以下の樹脂により、その厚さ(図中、t2で示す)が5μm〜30μmの範囲になるように被覆されている。
一次テープ層12を形成する樹脂の23℃におけるヤング率が500MPa未満であるか、または、一次テープ層12の厚さt1が10μm未満では、光ファイバテープユニット13に分割する際に、光ファイバ単心線11の分離が発生してしまい、光ファイバテープユニット13への選択的な分割が困難になる。また、一次テープ層12の厚さt1が25μmを超えると、光ファイバ単心線11への分離が困難になる。さらに、たとえ一次テープ層12の厚さt1が10μm〜25μmの範囲であっても、一次テープ層12を形成する樹脂のヤング率が大きすぎると、光ファイバ単心線11への分離が困難になる。このような観点から、一次テープ層12を形成する樹脂は、23℃におけるヤング率が500MPa〜1100MPaであることが好ましく、700MPa〜1100MPaであることがより好ましい。また、一次テープ層12の厚さt1は、15μm〜25μmであることがより好ましい。
また、二次テープ層14を形成する樹脂の23℃におけるヤング率が400MPaを超えるか、または、二次テープ層14の厚さt2が30μmを超えると、光ファイバテープユニット13への選択的な分割が困難になる。また、二次テープ層14の厚さt2が5μm未満では、光ファイバテープとしての機能を保持することができない。さらに、たとえ二次テープ層14の厚さt2が5μm〜30μmの範囲であっても、二次テープ層14を形成する樹脂のヤング率が小さすぎると、光ファイバテープとしての機能を保持することが困難になる。このような観点から、二次テープ層14を形成する樹脂は、23℃におけるヤング率が150MPa〜400MPaであることが好ましく、150MPa〜350MPaであることがより好ましい。また、二次テープ層14の厚さt2は、5μm〜20μmであることがより好ましい。
なお、光ファイバ単心線11の保護被覆および着色層、並びに、一次テープ層12および二次テープ層を構成する樹脂の種類としては、ウレタンアクリレート系樹脂やエポキシアクリレート系樹脂などの紫外線硬化型樹脂などが挙げられる。
このように構成される光ファイバテープ10においては、並列する複数の光ファイバ単心線11が、23℃におけるヤング率が500MPa以上の樹脂からなり、かつ、厚さt1が10μm〜25μmの一次テープ層12により被覆されており、さらに、このように構成される光ファイバテープユニット13が複数枚並列に配置されて、23℃におけるヤング率が400MPa以下の樹脂からなり、かつ、厚さt2が5μm〜30μmの二次テープ層14により被覆されているので、極めて容易にかつ安全に光ファイバテープユニットへの分割および光ファイバ単心線への分離を行うことができる。また、光ファイバテープユニットへの分割および光ファイバ単心線への分離作業の際の光伝送損失の変動が少ないため、中間分離すべき光ファイバテープ内に活線がある場合でも、回線を停止させることなく分離作業を行うことができる。したがって、これを用いて心線使用率が高くかつ多心の光ケーブルを得ることができる。
以上、本発明を、光ファイバ単心線数が4本の4心光ファイバテープユニットを2枚並列させた8心光ファイバテープに適用した例について説明したが、本発明はこのような例に限定されるものではなく、図2乃至図4に示すように、2心光ファイバテープユニットを2枚並列させた4心光ファイバテープ、4心光ファイバテープユニットを3枚並列させた12心光ファイバテープ、2心光ファイバテープユニット2枚と4心光ファイバテープユニット1枚とを並列させた8心光ファイバテープなどにも広く適用することができる。
すなわち、図2に示す光ファイバテープ20は、図1に示す実施形態において、4心の光ファイバテープユニット13に代えて、光ファイバ単心線11を2本、同一平面上に密着させて並列させ、その外側に一次テープ層12を被覆した2心の光ファイバテープユニット13aを2枚並列させた例であり、図3に示す光ファイバテープ30は、図1に示す実施形態において、4心の光ファイバテープユニット13を3枚並列させた例であり、図4に示す光ファイバテープ40は、図1に示す実施形態において、2心の光ファイバテープユニット13aを2枚と4心の光ファイバテープユニット13を1枚並列させた例である。これらの光ファイバテープ20〜40においても、極めて容易にかつ安全に光ファイバテープユニットへの分割および光ファイバ単心線への分離を行うことができ、また、中間分離すべき光ファイバテープ内に活線がある場合でも、回線を停止させることなく分離作業を行うことができ、これを用いて心線使用率が高くかつ多心の光ケーブルを得ることができる。
また、図示は省略したが、本発明においては、隣接する光ファイバテープユニット13、13aの間に、二次テープ層14を形成する樹脂などが介在するようにしてもよい。
次に、本発明の光ファイバテープの単心分離方法を、図1に示す光ファイバテープ10の単心分離に適用した例について説明する。
本発明においては、図5に示すように、まず、光ファイバテープ10を光ファイバテープユニット13に分離工具を用いて分割する(工程(I))。
すなわち、図6(A)に示すように、光ファイバテープ10を分離工具60の上ベース61および下ベース62で挟み、これらの両ベース61、62に立設したポリアミド(ナイロン)やポリプロピレンなどからなる線材63を光ファイバテープ10の二次テープ層14に近づける。図6(B)はそのときの状態を示した断面図である。さらに、分離工具60を光ファイバテープ10に押し付けると、線材63は図6(C)に示すように撓み、この撓んだ線材63の先端が光ファイバテープ10の二次テープ層14と強く接触する。
このように分離工具60を光ファイバテープ10に押し付けた状態で、光ファイバテープ10の長さ方向(図6(C)の左右方向)に相対的に繰り返し移動させ、つまり、分離工具60の線材63で繰り返し擦ると、二次テープ層14は線材63の先端で傷付けられたり剥がされたりして、削れや亀裂が発生し、さらに、これが進展して破壊に至り、その結果、光ファイバテープ10は各光ファイバテープユニット13に分離される。なお、線材63は、光ファイバテープ10の長さ方向に相対的に繰り返し移動させる代わりに、光ファイバテープ10に対し繰り返し押し当てるようにしてもよく、また、これらを適宜組み合わせるようにしてもよい。
次いで、分割された光ファイバテープユニット13の片面または両面、つまり、一次テープ層12の光ファイバ単心線11の配列面に平行な面の一方または両方を、研磨紙や研磨布のような研磨材で1、2回程度軽く擦り、表面を粗面化した後、工程(I)で用いたものと同様の分離工具60を用いて、工程(I)とほぼ同様にして光ファイバ単心線11に分離する(工程(II))。
すなわち、光ファイバテープユニット13を分離工具60の上ベース61および下ベース62で挟み、これらの両ベース61、62に立設した線材63を光ファイバテープユニット13の一次テープ層12に押し付ける。このように分離工具60を光ファイバテープユニット13に押し付けた状態で、光ファイバテープユニット13の長さ方向に相対的に繰り返し移動させると、一次テープ層12は線材63の先端で傷付けられたり剥がされたりして、削れや亀裂が発生し、さらに、これが進展して破壊に至り、その結果、光ファイバテープユニット13は各光ファイバ単心線11に分離される。なお、この場合も線材63は、光ファイバテープユニット13の長さ方向に相対的に繰り返し移動させる代わりに、光ファイバテープユニット13に対し繰り返し押し当てるようにしてもよく、また、これらを適宜組み合わせるようにしてもよい。
このような方法においては、極めて容易にかつ安全に光ファイバテープを光ファイバテープユニットに分割し、さらに、このように分割した光ファイバテープユニットを光ファイバ単心線へ中間単心分離することができる。また、光ファイバの損失増加がほとんどないため、光ファイバテープ内に活線がある場合でも、回線を停止させることなく、分割、分離作業を行うことができる。
ここで、上記方法による分割型光ファイバテープの光ファイバテープユニットへの分割性および光ファイバ単心線への分離性を調べるために行った実験結果について記載する。
実験は、まず、外径125μmの石英ガラス系SM光ファイバ上に、ウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂からなる被覆を施し、さらにその上に着色層を設けた、外径(D)250μmの光ファイバ単心線を、4本同一平面上に並列させ、表1乃至表3に示すような一次テープ層を形成した光ファイバテープユニットについて、上記工程(II)(研磨材(#800番紙ヤスリ)で光ファイバテープユニットの両面を各1回擦り、次いで、分離工具で挟んで光ファイバテープの長さ方向に繰り返し移動させる)を適用して、光ファイバ単心線への分離を試み、その分離性を評価した。また、研磨材を使用せず分離工具のみを用いる以外は前記方法と同じ方法、すなわち、光ファイバテープユニットを分離工具で挟んで光ファイバテープユニットの長さ方向に繰り返し移動させ、一次テープ層の分離工具による耐擦り性を調べた。これらの評価結果を、表1乃至表3に併せ示す。
なお、単心分離性は、研磨材で擦った後、単心分離するまでに分離工具をテープ層上を移動させた回数(回)(一方向の移動を1回とカウント)、分離に要した時間(秒)、および分離時の伝送損失増加量(dB/km)により評価した。また、一次テープ層の分離工具による耐擦り性は、分離工具を光ファイバテープユニットの長さ方向に30回繰り返し移動させた後、光ファイバテープユニットの状態を目視により観察し、一次テープ層の剥離や削れおよび単心分離(バラケ)の有無により評価した。
また、上記光ファイバテープユニットのうち、表2のA−4−4で示す光ファイバテープユニットと同様に作製した光ファイバテープユニットを用い、これを2枚同一平面上に並列させ、表4乃至表6に示すような二次テープ層を形成した光ファイバテープについて、上記工程(I)を適用して、光ファイバテープユニットへの分割性を調べた。また、それらの光ファイバテープを用いてスロット型光ケーブルを製造し、溝に光ファイバテープを収納する際の、二次テープ層の剥離や削れおよび光ファイバテープユニットへの分割(バラケ)の有無を目視により調べた。これらの評価結果を、表4乃至表6に併せ示す。
なお、光ファイバテープユニットへの分割性(ユニット分割性)は、研磨材で擦った後、分離までに分離工具をテープ層上を移動させた回数(回)、分離に要した時間(秒)、および分離時の伝送損失増加量(dB/km)により評価した。
Figure 2007072195
Figure 2007072195
Figure 2007072195
Figure 2007072195
Figure 2007072195
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上記の実験結果から明らかなように、一次テープ層が、厚さが10μm〜25μmで、23℃におけるヤング率が500MPa以上の樹脂で形成されている場合、単心分離性は良好で、かつ、分離工具による耐擦れ性も良好もしくはほぼ良好である。また、二次テープ層が、厚さが5μm〜30μmで、23℃におけるヤング率が400MPa以下の樹脂で形成されている場合、光ファイバテープユニットへの分離性は良好で、かつ、ケーブル化の際に二次テープ層の剥離や削れおよび光ファイバテープユニットへの分割(バラケ)が生じにくく、光ファイバテープとしての機能が保持される。
次に本発明の光ファイバテープを用いた光ケーブルについて説明する。
図7は、本発明の光ファイバテープを用いた光ケーブルの一例を示す断面図である。
この光ケーブル70は、加入者系光配線網の配線ケーブルとしての使用に適した、いわゆるスロット型光ケーブルと称するものであり、同図に示すように、中心に鋼線、FRP(繊維強化プラスチック)などからなる抗張力体71が埋設され、外周に長さ方向に延びる複数本(図面の例では、5本)のSZ撚りの溝(SZ溝)72が周方向にほぼ等間隔で設けられたポリエチレンなどからなるスロットロッド73を備えている。このスロットロッド73の各SZ溝72には、光ファイバテープ74が複数枚、例えば5枚ずつ積層されて収納されており、また、これらの外周には、押え巻層75を介して、ポリエチレンなどからなる外被76が設けられている。そして、光ファイバテープ74には、上述したような本発明の光ファイバテープが使用されている。図7において、77は、光ファイバテープ74の取り出しを容易にするために外被76下に縦添えされた引き裂き紐である。
このような光ケーブル70においては、光ファイバテープ74として、極めて容易にかつ安全に、また、活線があっても伝送損失を大きく増大させることなく、光ファイバテープユニットへの分割および光ファイバ単心線への分離を行うことができる光ファイバテープが使用されているため、心線使用率が高く、かつ、多心のスロット型光ケーブルとして、効率の良いFTTH網を構築することができる。
次に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
実施例
外径125μmの石英ガラス系SM光ファイバ上に、ウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂からなる被覆を施し、さらにその上に着色層を設けた、外径(D)250μmの光ファイバ単心線を、4本同一平面上に並列させながら、その外周にヤング率(23℃)が1000MPaのウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂を被覆し硬化させて、厚さ(t1)20μmの一次テープ層を形成し、幅1.1mm、厚さ(T1)290μmの4心光ファイバテープユニットを製造した。
次いで、得られた光ファイバテープユニットを2枚同一平面上に並列させながら、その外周にヤング率(23℃)が220MPaのウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂を被覆し硬化させて、厚さ(t2)10μmのテープ層を形成し、幅2.2mm、厚さ(T2)310μmの8心光ファイバテープを製造した。
この後、得られた光ファイバテープを用いて図7に示す光ケーブルを製造した。すなわち、外周に長さ方向に延びる5本のSZ溝72(深さ2mm)が設けられ、中心に直径2.0mmの単鋼線からなる抗張力体71が埋設された外径7.7mmのポリエチレン製のスロットロッド73の各SZ溝72に、上記光ファイバテープを5枚ずつ積層して収納し、その外側に押えテープを巻き付けるとともに、その上に引き裂き紐77を縦添えしつつ、押出し機に導入し、その外周にポリエチレンを押出被覆して、外径約12.5mmのスロット型光ケーブルを製造した。
上記光ファイバテープについて、初期伝送損失(最大)を測定するとともに、温度70℃、湿度95%RHで3日間保持後の伝送損失の増加量(最大)および温度60℃の温水に14日間保持後の伝送損失の増加量(最大)を測定し、湿熱特性および温水特性をそれぞれ評価した。また、上記スロット型光ケーブルについて、初期伝送損失(最大)を測定するとともに、−30℃〜+60℃の温度範囲にて3サイクル保持後の伝送損失の増加量(最大)を測定し、ヒートサイクル特性を評価した。これらの評価結果を、表7に示す。
Figure 2007072195
上記の結果から明らかなように、実施例で得られた光ファイバテープおよびスロット型光ケーブルは、いずれも高い信頼性を有している。
本発明の光ファイバテープの一実施形態を示す断面図である。 本発明の光ファイバテープの他の例を示す断面図である。 本発明の光ファイバテープの他の例を示す断面図である。 本発明の光ファイバテープの他の例を示す断面図である。 本発明の光ファイバテープの単心分離方法を説明する図である。 図5に示す光ファイバテープの単心分離方法における工程Iを模式的に示す図である。 本発明の光ケーブルを用いた光ケーブルの一例を示す断面図である。
符号の説明
10、20、30、74…光ファイバテープ、11…光ファイバ単心線、12…一次テープ層、13、13a…光ファイバテープユニット、14…二次テープ層、60…分離工具、63…線材、70…光ケーブル、72…SZ溝、73…スロットロッド

Claims (7)

  1. 並列する複数の光ファイバ単心線の外周に一次テープ層を被覆した光ファイバテープユニットを、前記光ファイバ単心線の配列方向とほぼ同一方向に複数枚並列させるとともに、これらの光ファイバテープユニットの外周に二次テープ層を被覆してなる光ファイバテープであって、
    前記一次テープ層は、厚さが10μm〜25μmで、23℃におけるヤング率が500MPa以上の樹脂からなり、前記二次テープ層は、厚さが5μm〜30μmで、23℃におけるヤング率が400MPa以下の樹脂からなることを特徴とする光ファイバテープ。
  2. 前記一次テープ層は、厚さが15μm〜25μmで、23℃におけるヤング率が500MPa〜1100MPaの樹脂からなり、前記二次テープ層は、厚さが5μm〜20μmで、23℃におけるヤング率が150MPa〜400MPaの樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の光ファイバテープ。
  3. 光ファイバテープおよび各光ファイバテープユニットは、いずれも幅方向の厚さがほぼ均一であることを特徴とする請求項1または2記載の光ファイバテープ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項記載の光ファイバテープを単心分離する方法であって、
    前記光ファイバテープの表面に可撓性部材を押し当て、該部の二次テープ層を傷付けるかまたは除去して、前記光ファイバテープを光ファイバテープユニットに分離する工程(I)と、分離された前記光ファイバテープユニットの少なくとも1枚について、その表面を研磨材で擦って粗面化した後、該部に可撓性部材を押し当て、該部の一次テープ層を傷付けるかまたは除去することにより、光ファイバ単心線に分離する工程(II)とを含むことを特徴とする光ファイバテープの単心分離方法。
  5. 前記工程(I)および/または工程(II)において、前記可撓性部材を、研磨材で粗面化した分割型光ファイバテープもしくは光ファイバテープユニットの表面に、繰り返し押し当てるかまたは押し当てた状態で前記分割型光ファイバテープもしくは光ファイバテープユニットの長さ方向に相対的に複数回移動させることにより、該部のテープ層を傷付けるかまたは除去して、光ファイバテープユニットまたは光ファイバ単心線に分離することを特徴とする請求項4記載の光ファイバテープの単心分離方法。
  6. 前記研磨材が、研磨紙または研磨布であることを特徴とする請求項4または5記載の光ファイバテープの単心分離方法。
  7. 請求項1乃至3のいずれか1項記載の光ファイバテープを備えたことを特徴とする光ケーブル。
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