JP2007070441A - 液状エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、および硬化物 - Google Patents

液状エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、および硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性、機械強度が高い硬化物を与える液状芳香族エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】下記式(1)
Figure 2007070441

(式中、nは0〜3の整数を、また、mは1〜3の整数をそれぞれ示す。複数存在するRはそれぞれハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基のいずれかを表し、それぞれ互いに同一であっても異なっていても良い。)及び(1)の中央のOHがグリシジル基で置換された化合物を主成分とする液状エポキシ樹脂。
【選択図】なし

Description

本発明は耐熱性、機械強度が高い硬化物を与えるエポキシ樹脂及びエポキシ樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂は種々の硬化剤で硬化させることにより、一般的に機械的性質、耐水性、耐薬品性、耐熱性、電気的性質などに優れた硬化物となり、接着剤、塗料、積層板、成形材料、注型材料などの幅広い分野に利用されている。近年、特に半導体関連材料の分野においてはカメラ付き携帯電話、超薄型の液晶やプラズマTV、軽量ノート型パソコンなど軽・薄・短・小がキーワードとなるような電子機器があふれ、これによりエポキシ樹脂に代表されるパッケージ材料にも非常に高い特性が求められてきている。特に先端パッケージはその構造が複雑になり、液状封止でなくては封止が困難な物が増加している。例えばEnhanchedBGAのようなキャビティーダウンタイプの構造になっているものは部分封止を行う必要があり、トランスファー成型では対応できない。このようなことから高機能な液状エポキシ樹脂の開発が求められている。
従来工業的に最も使用されている液状エポキシ樹脂としてはビスフェノールAにエピクロルヒドリンを反応させて得られる化合物が知られている。しかしながら、前記したようなビスフェノールA型エポキシ樹脂は物性的にバランスは取れているものの、粘度は高く、その硬化物の耐熱性、機械強度などにおいて不十分である点が指摘されている。
このような問題を解決するエポキシ樹脂として特許文献1にはレゾルシン型のエポキシ樹脂の二量体を蒸留により取り出すという処方が開示されているがその製造方法はきわめて低収率であるという問題を有する。しかしながらこのレゾルシン型のエポキシ樹脂の二量体は硬化物特性に優れるばかりか、このようなアルコール性水酸基を有する芳香族エポキシ樹脂は特許文献2に記載のように液晶に対して極めて汚染性が低く、基板への塗布作業性と貼り合わせ性に優れ、可使時間が長く、ポットライフが長く、強い接着強度が要求される液晶シール剤の用途に好適であることからこのような化合物の簡便な合成法が望まれている。
特開2005−112896号 特開2004−244515号
本発明は耐熱性、機械強度が高い硬化物を与えるエポキシ樹脂及びエポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは前記したような実状に鑑み、耐熱性、機械強度が高い硬化物を与えるエポキシ樹脂を求めて鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は
(1)下記式(a)
Figure 2007070441
(式中、nは0〜3の整数を、また、mは1〜3の整数をそれぞれ示す。複数存在するRはそれぞれハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基のいずれかを表し、それぞれ互いに同一であっても異なっていても良い。)
で表されるエポキシ化合物
(2)式(1)
Figure 2007070441
で表される化合物及び式(2)
Figure 2007070441
(式(1)及び(2)中、n、m及びRは式(a)におけるのと同じ意味を表す。)
で表される化合物を主成分とするエポキシ樹脂、
(3)上記(1)に記載のエポキシ樹脂及び硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物、
(4)上記(3)に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物、
(5)下記式(b)
Figure 2007070441
(式中、n、m及びRは式(a)におけるのと同じ意味を表す。)
で表されるメチロール基を有するフェノール類を、塩基性化合物の存在下、式(b)の化合物のフェノール性水酸基1モルに対し、0.1〜1.0モルのエピハロヒドリンと反応させることを特徴とする上記(1)に記載のエポキシ化合物の製造方法、
(6)下記工程1〜3を含むことを特徴とする上記(2)に記載のエポキシ樹脂の製造方法、
工程1:上記(5)に記載の製造方法によりエポキシ化合物を得る工程
工程2:工程1で得られたエポキシ化合物のオキシグリシジル基を、式(b)の化合物と反応させ、下記式(c)の化合物を得る工程
Figure 2007070441
工程3:工程2で得られた式(c)の化合物のアルコール性水酸基をエポキシ化する工程
を提供するものである。
本発明のエポキシ樹脂は比較的低粘度の液状であり、その硬化物は耐熱性が高く、機械強度に優れる。また本発明のエポキシ樹脂の一成分であるアルコール性水酸基を有する化合物は、光重合性の官能基等を付加することが可能である。従って、本発明のエポキシ樹脂組成物は電気・電子材料、成型材料、注型材料、積層材料、塗料、接着剤、レジスト、光学材料などの広範囲の用途にきわめて有用である。
本発明のエポキシ樹脂は、通常、下記式(b)
Figure 2007070441
(式中、nは0〜3の整数を、また、mは1〜3の整数をそれぞれ示す。複数存在するRはそれぞれハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基のいずれかを表し、それぞれ互いに同一であっても異なっていても良い。)
で表されるメチロール基を有するフェノール類(以下MPと称す)出発原料とし、下記3工程を経て得ることができる。

(工程1)MPを、塩基性化合物の存在下、そのフェノール性水酸基1モルに対し、0.1〜1.0のエピハロヒドリンと反応させるMPのフェノール性水酸基のみをエポキシ化する。(このエポキシ化物をMPEと称す。)
MPEは、下記式(a)で表される化合物を主成分として含む混合物であり、ここから式(a)の化合物を単離することもできる。該混合物の他の成分としては、式(a)の化合物の二量体(式(c)の化合物)等が含まれるが、工程(2)において、そのまま使用できる。
Figure 2007070441
(式中、n、m及びRは式(b)におけるのと同じ意味を表す。)

(工程2)MPEのグリシジル基とMPとを反応させ、二量化を行う。(この二量体をB−MPと称す。;下記式(c))
Figure 2007070441
(式中、n、m及びRは式(b)におけるのと同じ意味を表す。)

(工程3)B−MPのアルコール性水酸基をエポキシ化し、エポキシ樹脂を得る。(得られたエポキシ樹脂をB−MPEと称す。)
これら1〜3の工程は全てワンポットで反応を行ってもかまわず、工程ごとに生成物を取り出し、精製してもかまわない。非対称な化合物を得ようとする場合、工程1で取り出して精製した式(a)の化合物と、それとは異なるMPを工程2において反応させればよい。
本発明のエポキシ樹脂に使用されるMPとしてはフェノール類のメチロール体であれば特に限定されない。フェノール類のメチロール体は公知の手法(例えばホルムアルデヒド 朝倉書店p232−279)によって合成可能である。すなわち、フェノール類とホルムアルデヒドを塩基性条件下で反応させることで合成可能である。ここでいうフェノール類とはフェノール以外に、ハロゲン原子、炭素数1〜8の炭化水素基、トリフルオロメチル基で置換された置換フェノール類であり、具体的にはフェノールのo,m,pのいずれかに、もしくは5つある置換位置のうち2つあるいは3つに下記に記載する置換基を有する化合物である。
ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。また、炭素数1〜8の炭化水素基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、シクロヘプチル基、n−オクチル基、シクロオクチル基等の鎖状アルキル基または環状アルキル基、アリル基またはアリール基等が挙げられる。またアリール基としてはフェニル基、ナフチル基、トルイル基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
工程1においては前記に示したMPをフェノール性水酸基とアルコール性水酸基の反応性の差を利用し、フェノール性水酸基のみを反応させる。
以下、ワンポットで工程1〜3を行う態様につき説明する。
工程1において、塩基性化合物としてはアルカリ金属水酸化物が好適であり、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。これらは固体を利用してもよく、その水溶液を使用してもよい。塩基性化合物の使用量は用いるエピハロヒドリンのエポキシ基1モルに対して通常0.8〜3.5モルであり、好ましくは0.9〜2.5モルである。
エピハロヒドリンの使用量はMPのフェノール性水酸基1モルに対し通常0.1〜1.0モル、好ましくは0.2〜0.8モルである。使用するエピハロヒドリンとしてはエピクロロヒドリン、α―メチルエピクロロヒドリン、β―メチルエピクロロヒドリン、γ―メチルエピクロロヒドリン等のエピクロロヒドリン誘導体、エピブルモヒドリン、エピヨードヒドリン等が挙げられるが、工業的にはエピクロロヒドリン誘導体が使用しやすく、エピクロロヒドリンが特に使用しやすい。この際、MPの溶解性を高めるため、また反応をマイルドな条件で行うためにメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、t−ブタノールなどのアルコール類、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどの非プロトン性の極性溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、トルエン、キシレンなどの芳香族系化合物等に挙げられる溶剤を添加して反応を行うことが好ましい。溶剤を使用する場合、その使用量は総重量に対し、通常2〜1000重量%、好ましくは5〜500重量%である。
反応温度は通常30〜90℃であり、好ましくは35〜80℃である。反応時間は通常0.5〜10時間であり、好ましくは1〜8時間である
工程2においてはMPと工程1で合成されているMPEとの反応を行う。工程1において塩基性化合物の量、およびエピハロヒドリンの量によって既にB−MPとなっているものもあるがこの工程2において完全に反応を行う。反応方法としてはアルカリ金属水酸化物を更に添加すればよいが、4級アンモニウム塩を触媒として添加してもかまわない。用いることのできる4級アンモニウム塩としてはテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等が挙げられる。4級アンモニウム塩の使用量としては工程2で使用したMPの水酸基1モルに対し通常0.1〜15重量部であり、好ましくは0.2〜10重量部である。
工程2において別途MPを添加してもかまわない。使用量としては工程1からの総量として(エピハロヒドリンのモル数/MPのフェノール性水酸基モル数)が通常0.1〜1.0、好ましくは0.2〜0.8、特に好ましくは0.5近辺となる範囲である。
反応温度は通常30〜180℃であり、好ましくは35〜120℃である。反応時間は通常0.5〜10時間であり、好ましくは1〜8時間である。
工程3においては、工程2で得られたB−MPE中に残存しているアルコール性水酸基をエポキシ化する。工程3においては、工程2までで得られた反応液中に含まれるアルコール性水酸基1モルに対して通常1.0〜20モル、好ましくは1.5〜10モルのエピハロヒドリンを添加し、反応を行う。反応は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の固体を添加し、または添加しながら20〜120℃で0.5〜10時間かけて行う。この際アルカリ金属水酸化物は水溶液を使用してもよく、その場合は該アルカリ金属水酸化物を連続的に添加すると共に反応混合物中から減圧下、または常圧下、連続的に水及びエピハロヒドリンを留出させ、更に分液し水は除去しエピハロヒドリンは反応混合物中に連続的に戻す方法でもよい。工程3で使用できるエピハロヒドリンとしては前記と同様の化合物が挙げられる。アルカリ金属水酸化物の使用量はフェノール混合物中のアルコール性水酸基1モルに対し通常0.8〜4.0モル、好ましくは0.8〜2.0モルである。この際、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の非プロトン溶媒を添加することにより副反応を抑制することができる。非プロトン性極性溶媒の使用量はエピハロヒドリンの重量に対し5〜200重量%、好ましくは10〜100重量%である。上記の溶媒以外にもメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、t−ブタノールなどのアルコール類を添加することによっても反応が進み易くなる。また、トルエン、キシレン等も使用することができる。
本反応には反応を簡便に進行させるため、必要に応じて4級アンモニウム塩を触媒として添加してもかまわない。用いることのできる4級アンモニウム塩としてはテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等が挙げられる。4級アンモニウム塩の使用量としては反応液中のアルコール性水酸基1モルに対し通常0.1〜15重量部であり、好ましくは0.2〜10重量部である。
反応終了後、副生した塩をろ過、水洗などにより除去し、更に加熱減圧下、過剰のエピハロヒドリン等の溶媒を留去することにより本発明のエポキシ樹脂(B−MPE)を得ることができる。更に微量に残存する水酸基をエポキシ化する必要がある場合は、反応終了後、反応生成物を水洗した後、または水洗無しに加熱減圧下、過剰のエピハロヒドリン類や溶媒等を除去した後、再びトルエン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等の溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて再び反応を行う。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量は反応生成物中の水酸基1モルに対して通常0.01〜0.2モル、好ましくは0.05〜0.1モルである。反応温度は通常50〜120℃、反応時間は通常0.5〜2時間である。反応終了後、副生した塩をろ過、水洗などにより除去し、更に加熱減圧下、溶媒等を留去することにより本発明のエポキシ樹脂を得ることができる。
段階的に反応を行う場合は工程1でMPをエピハロヒドリンと反応させ、エポキシ化合物としてとりだした後に、工程2でもう1分子のMPと反応させ、B−MPとした後、これを再度エピハロヒドリンと反応させることで本発明のエポキシ化合物(B−MPE)を得る。
工程1ではMPをエピハロヒドリンと反応はこの反応は従来公知の方法に準じて行うことが出来る。例えば、MPとエピハロヒドリンの混合物に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の固体、あるいは該メタノール溶液を添加し、または添加しながら20〜120℃で0.5〜10時間反応させる。この際アルカリ金属水酸化物は水溶液を使用してもよく、その場合は該アルカリ金属水酸化物を連続的に添加すると共に反応混合物中から減圧下、または常圧下、連続的に水及びエピハロヒドリンを流出せしめ更に分液し水は除去しエピハロヒドリンは反応混合中に連続的に戻す方法でもよい。本手法に使用できるエピハロヒドリンとしては前記の場合と同様である。
上記の方法において、エピハロヒドリンの使用量はフェノール混合物の水酸基1当量に対して通常0.5〜20モル、好ましくは0.7〜10モルである。アルカリ金属水酸化物の使用量はフェノール混合物中の水酸基1当量に対し通常0.5〜1.5モル、好ましくは0.7〜1.2モルである。この際、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の非プロトン溶媒を添加することにより副反応を抑制することができる。非プロトン性極性溶媒の使用量はエピハロヒドリンの重量に対し5〜200%、好ましくは10〜100%である。上記の溶媒以外にもメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、t−ブタノールなどのアルコール類を添加することによっても反応が進み易くなる。また、トルエン、キシレン等も使用することができる。
反応終了後、副生した塩をろ過、水洗などにより除去し、更に加熱減圧下、過剰のエピハロヒドリン等の溶媒を留去することによりMPEを得ることができる。
さらに高純度なMPEが必要な場合は、反応終了後、反応生成物を水洗した後、または水洗無しに加熱減圧下、過剰のエピハロヒドリン類や溶媒等を除去した後、再びトルエン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等の溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて再び反応を行う。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量はMPのフェノール性水酸基1当量に対して通常0.01〜0.2モル、好ましくは0.05〜0.1モルである。反応温度は通常50〜120℃、反応時間は通常0.5〜2時間である。反応終了後、副生した塩をろ過、水洗などにより除去し、更に加熱減圧下、溶媒等を留去することによりMPEを得ることができる。
工程2においては前述の手法で得られたMPEをMPと反応させることでB−MPを合成する。MPの使用量はMPE1モルに対して通常0.5〜1.5モルである。本反応は通常フュージョンと呼ばれる手法であり、無触媒、もしくはトリフェニルホスフィン、トリトリルフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン−ハイドロキノン複合体等の有機ホスフィン類、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライドなどの第四級アンモニウム塩等の触媒、また、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等の溶剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物を触媒として反応を行うこともできる。触媒の使用量は触媒にも依るが、使用するMPの水酸基1当量に対して通常0.0001〜1.0モル、好ましくは0.0005〜0.8モルである。
反応は無溶剤でもかまわないが、反応を温和な条件で行うために、別途溶剤の添加も好ましい。具体的にはジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどの非プロトン性の極性溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、トルエン、キシレンなどの芳香族系化合物等に挙げられるがこれに限定されない。
反応温度は通常50〜180℃、反応時間は通常0.5〜2時間である。反応終了後、必要に応じて触媒をろ過、水洗などにより除去し、更に必要に応じて加熱減圧下、溶媒等を留去することによりB−MPを得ることができる。
工程3については前述の手法と同様である。
前述のようにして得られる本発明のエポキシ樹脂は、前記式(1)の化合物及び(2)の化合物を全エポキシ樹脂中で50モル%(HPLCによる面積%)以上含有するエポキシ樹脂である。ここで式(1)の化合物と式(2)の化合物の含有割合は、工程3で使用するアルカリ金属水酸化物の量に、主として依存する。すなわち、アルカリ金属水酸化物の量が、多くなれば成る程、式(2)の化合物の割合が多くなり、高耐熱性のエポキシ樹脂が得られる。
また、加熱減圧下に分子蒸留や、水酸基への置換基導入によって単離することも可能である。単離した式(1)の化合物は液晶シール材用途など、高機能電子材料分野において有用である他、残存する水酸基に官能基(例えばカレンズMOI、カレンズAOI等のイソシアネート基含有メタクリレート、もしくはアクリレートや、イソシアネート基含有マレイミド、)を導入したり、トリルジイソシアネートや、ビス(イソシアネートフェニル)メタン等のジイソシアネートで2分子をつなげることで多官能体とすることもできる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は本発明のエポキシ樹脂及び、硬化剤を必須成分として含有する。本発明のエポキシ樹脂組成物において本発明のエポキシ樹脂は単独でまたは他のエポキシ樹脂と併用して使用することが出来る。併用する場合、本発明のエポキシ樹脂の全エポキシ樹脂中に占める割合は30重量%以上が好ましく、特に40重量%以上が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂と併用し得る他のエポキシ樹脂の具体例としては、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール共縮合型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられるがこれらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において本発明のエポキシ樹脂は単独でまたは他のエポキシ樹脂と併用して使用することが出来る。併用する場合、本発明のエポキシ樹脂の全エポキシ樹脂中に占める割合は30重量%以上が好ましく、特に40重量%以上が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂と併用し得る他のエポキシ樹脂のとしては、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂などが挙げられる。具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロルメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類、アルコール類から誘導されるグリシジルエーテル化物、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等の固形または液状エポキシ樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物が含有しうる硬化剤としては、例えばアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノール系化合物などが挙げられる。用いうる硬化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンより合成されるポリアミド樹脂、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、本発明のフェノール樹脂、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロロメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4’−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4’−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類、イミダゾール、トリフルオロボラン−アミン錯体、グアニジン誘導体、テルペンとフェノール類の縮合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.7〜1.2当量が好ましい。エポキシ基1当量に対して、0.7当量に満たない場合、あるいは1.2当量を超える場合、いずれも硬化が不完全となり良好な硬化物性が得られない恐れがある。
本発明のエポキシ樹脂組成物においては、硬化促進剤を使用しても差し支えない。用い得る硬化促進剤の具体例としては2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾ−ル類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類、オクチル酸スズ等の金属化合物等が挙げられる。硬化促進剤を用いる場合は、エポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜5.0重量部が必要に応じ用いられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて無機充填剤を添加することができる。無機充填剤としては、結晶シリカ、溶融シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、フォステライト、ステアタイト、スピネル、チタニア、タルク等の粉体またはこれらを球形化したビーズ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。これら無機充填剤の含有量は、本発明のエポキシ樹脂組成物中において0〜95重量%を占める量が用いられる。更に本発明のエポキシ樹脂組成物には、シランカップリング剤、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の離型剤、顔料等の種々の配合剤、各種熱硬化性樹脂を添加することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、各成分を均一に混合することにより得られる。本発明のエポキシ樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易にその硬化物とすることができる。例えば本発明のエポキシ樹脂と硬化剤並びに必要により硬化促進剤、無機充填材及び配合剤とを必要に応じて押出機、ニ−ダ、ロ−ル等を用いて均一になるまで充分に混合してエポキシ樹脂組成物を得、そのエポキシ樹脂組成物を溶融後注型あるいはトランスファー成型機などを用いて成型し、さらに80〜200℃で2〜10時間加熱することにより本発明の硬化物を得ることができる。
また本発明のエポキシ樹脂組成物をトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の溶剤に溶解させ、ガラス繊維、カ−ボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含浸させ加熱半乾燥して得たプリプレグを熱プレス成型して硬化物を得ることもできる。この際の溶剤は、本発明のエポキシ樹脂組成物と該溶剤の混合物中で通常10〜70重量%、好ましくは15〜70重量%を占める量を用いる。
次に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、以下において部は特に断わりのない限り重量部を表す。なお、実施例中のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)の測定条件は以下のとおり。

GPC
カラム:KF−804L+KF−803L(×2本)
連結溶離液:THF(テトラヒドロフラン); 1ml/min.40℃
検出器:UV(254nm)
検量線:Shodex製標準ポリスチレン使用

HPLC
カラム:Intersil ODS−2,5μm,2.1x250mm 40℃
連結溶離液:アセトニトリル/水
タイムプログラム:0min 50%/50%, 20min 90%/10% gradient,40min 90%/10%
流速:0.2ml/min
検出器:UV(274nm)
実施例1
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながらパラヒドロキシベンジルアルコール248部に対しエピクロルヒドリン92.5部、tert−ブチルアルコール248部を加え撹拌下で溶解し、70℃にまで昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム40部を90分かけて分割添加した後、更に70℃で1時間、後反応を行った。さらにフレーク状の水酸化ナトリウム10部を加え、90℃で2時間撹拌した。エポキシ基が検出できなくなったことを確認した後、50℃まで系を冷却した。ついでエピクロロヒドリンを555部、テトラメチルアンモニウムクロライド5部を加え、70℃に昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム120部を90分かけて分割添加した後、更に70℃で1時間、後反応を行った。反応終了後水300部を加えて水洗を行った。油層からロータリーエバポレーターを用いて130℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリンなどを留去した。残留物にメチルイソブチルケトン700部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液20部を加え、1時間反応を行った後、水洗を3回行い、ロータリーエバポレーターを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトンを留去することで式(3)
Figure 2007070441
で表される化合物及び式(4)
Figure 2007070441
で表される化合物を主成分とするエポキシ樹脂が得られた。(GPC純度 83area%)290部を得た。得られたエポキシ樹脂は液状であり、エポキシ当量は209g/eqであった。HPLCで確認したところ、式(3)と式(4)の化合物は1:1の割合(モル比;以下同様)で生成していることがわかった。
実施例3
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながらパラヒドロキシベンジルアルコール248部に対しエピクロルヒドリン92.5部、tert−ブチルアルコール248部を加え撹拌下で溶解し、70℃にまで昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム40部を90分かけて分割添加した後、更に70℃で1時間、後反応を行った。さらにフレーク状の水酸化ナトリウム10部を加え、90℃で2時間撹拌した。エポキシ基が検出できなくなったことを確認した後、50℃まで系を冷却した。ついでエピクロロヒドリンを555部、テトラメチルアンモニウムクロライド5部を加え、70℃に昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム100部を90分かけて分割添加した後、更に70℃で1時間、後反応を行った。反応終了後水300部を加えて水洗を行った。油層からロータリーエバポレーターを用いて130℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリンなどを留去した。残留物にメチルイソブチルケトン700部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液20部を加え、1時間反応を行った後、水洗を3回行い、ロータリーエバポレーターを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトンを留去することで前記式(3)及び式(4)で表される化合物を主成分とするエポキシ樹脂が得られた。(GPC純度 76area%)281部を得た。得られたエポキシ樹脂は液状であり、エポキシ当量は216g/eqであった。HPLCで確認したところ、式(3)と式(4)の化合物は5:3の割合で生成していることがわかった。
実施例4
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながらパラヒドロキシベンジルアルコール124部に対しエピクロルヒドリン555部、イソプロピルアルコール275部を加え撹拌下で溶解し、50℃にまで昇温した。次いで水酸化ナトリウム40部をメタノール360部に溶解し、60分かけて滴下した後、更に50℃で7時間、後反応を行った。反応終了後ロータリーエバポレーターを用いて90℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリンなどを留去した。残留物にメチルエチルケトン300部を加え溶解し、水200部を加えて水洗を行った。得られた油層を70℃にまで昇温し、撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液10部を加え、1時間反応を行った後、水洗を3回行い、ロータリーエバポレーターを用いて100℃で減圧下にメチルエチルケトンを留去することで式(5)
Figure 2007070441
で表される化合物が主成分であるエポキシ化物を171部得た。(GPC純度 93area%)室温で放置すると程なく結晶化した。得られた結晶のポキシ当量は190g/eq.であった。
実施例5
実施例4におけるパラヒドロキシベンジルアルコールのかわりにオルソヒドロキシベンジルアルコールを用いた以外は実施例4と同様にして、式(6)
Figure 2007070441
で表される化合物が主成分であるエポキシ化物を163部得た。(GPC純度 90area%)得られたエポキシ化物は、結晶化しなかった。また、そのエポキシ当量は199g/eq.であった。
実施例6
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながら実施例4で得られたエポキシ樹脂95部、実施例5で得られたエポキシ樹脂99.5部、パラヒドロキシベンジルアルコール124部、メチルエチルケトン150部、tert―ブチルアルコール150部を混合し、70℃まで昇温しを得た(工程2)。さらにフレーク状の水酸化ナトリウム5部を加え、70℃で2時間、90℃で3時間反応を行った後、50℃まで系を冷却した。ついでエピクロロヒドリンを555部、テトラメチルアンモニウムクロライド5部を加え、70℃に昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム160部を90分かけて分割添加した後、更に70℃で1時間、後反応を行った。反応終了後水300部を加えて水洗を行った。油層からロータリーエバポレーターを用いて130℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリンなどを留去した。残留物にメチルイソブチルケトン700部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液20部を加え、1時間反応を行った後、水洗を3回行い、ロータリーエバポレーターを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトンを留去することで式(7)
Figure 2007070441
で表される化合物及び式(8)
Figure 2007070441
で表される化合物が主成分であるエポキシ樹脂を液状の樹脂として275部得た。(GPC純度 76area%)エポキシ当量は175g/eq.であった。
実施例7、比較例1、比較例2
実施例1で得られたエポキシ樹脂105部に対し、カヤハードA−A(ビス3−エチル4−アミノフェニル)メタン 日本化薬株式会社製 アミン系硬化剤)33部を均一に混合し本発明のエポキシ樹脂組成物を得た。これを金型に注型し120℃で2時間、150℃で3時間、180℃で2時間硬化させることにより硬化物の試験片を得た。また同様にして特許文献1に記載の方法で合成したエポキシ樹脂(エポキシ当量198g/eq.)98部(比較例1)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(RE−310S 日本化薬製エポキシ樹脂 エポキシ当量 190g/eq.)95部(比較例2)を使用し、いずれもカヤハードA−A33部と混合し組成物を得、同様にして硬化した。得られた硬化物の試験片のガラス転移温度をTMA(熱機械測定装置 真空理工(株)製 TM−7000 昇温速度:2℃/分)を用いて測定し、対衝撃試験としてIZODをJIS K 6911に基づいて測定した。結果を下記表1に示す。
実施例 7
比較例 1 2
エポキシ樹脂 実施例1 特許文献1 RE−310S
粘度(25℃/mPa・s) 9620 8120 15240
TMA(℃) 127 129 130
IZOD(kJm) 18.0 14.1 7.8
このように本発明のエポキシ樹脂は従来一般的に使用されてきた液状エポキシ樹脂と比べて低粘度の液状であり、その硬化物は耐熱性、機械強度に優れる。

Claims (6)

  1. 下記式(a)
    Figure 2007070441
    (式中、nは0〜3の整数を、また、mは1〜3の整数をそれぞれ示す。複数存在するRはそれぞれハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基のいずれかを表し、それぞれ互いに同一であっても異なっていても良い。)
    で表されるエポキシ化合物。
  2. 下記式(1)
    Figure 2007070441
    で表される化合物及び式(2)
    Figure 2007070441
    (式(1)及び(2)中、n、m及びRは式(a)におけるのと同じ意味を表す。)
    で表される化合物を主成分とするエポキシ樹脂。
  3. 請求項1に記載のエポキシ樹脂及び硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物。
  4. 請求項3に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
  5. 下記式(b)
    Figure 2007070441
    (式中、n、m及びRは式(a)におけるのと同じ意味を表す。)
    で表されるメチロール基を有するフェノール類を、塩基性化合物の存在下、式(b)の化合物のフェノール性水酸基1モルに対し、0.1〜1.0モルのエピハロヒドリンと反応させることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ化合物の製造方法。
  6. 下記工程1〜3を含むことを特徴とする請求項2に記載のエポキシ樹脂の製造方法。
    工程1:請求項5に記載の製造方法によりエポキシ化合物を得る工程
    工程2:工程1で得られたエポキシ化合物のオキシグリシジル基を、式(b)の化合物と反応させ、下記式(c)の化合物を得る工程
    Figure 2007070441
    (式中、n、m及びRは式(a)におけるのと同じ意味を表す。)
    工程3:工程2で得られた式(c)の化合物のアルコール性水酸基をエポキシ化する工程
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