JP4390179B2 - 変性エポキシ樹脂の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高信頼性半導体封止用を始めとする電気・電子部品絶縁材料用、及び積層板(プリント配線板)やCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を始めとする各種複合材料用、接着剤、塗料等に有用なエポキシ樹脂に関し、特に耐熱性及び靭性に優れ、電子機器や電気機器等の部品材料、土木建築用材料あるいはその他の各種複合材料用素材として有用なエポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂は種々の硬化剤で硬化させることにより、一般的に機械的性質、耐水性、耐薬品性、耐熱性、電気的性質などに優れた硬化物となり、電気・電子産業分野、土木建築分野、航空・宇宙産業分野、自動車産業分野等の幅広い分野で利用されている。またエポキシ樹脂は、成形加工が容易で且つ接着性、電気絶縁性、耐水・耐薬品性等においてバランスのとれた性能を有しているため、各種複合材料用のマトリックス材としても有用な素材である。従来工業的に最も使用されているエポキシ樹脂としてはビスフェノールAにエピクロルヒドリンを反応させて得られる化合物が知られている。また、半導体封止材などの用途においては耐熱性が要求されるためクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が広く利用されている。
【0003】
ところがエポキシ系樹脂は、概して靭性が乏しく、引張特性や耐衝撃性に欠けるという欠点があるところから、靭性に優れたエポキシ系樹脂の開発が熱望され、例えば、変性エラストマー等により改質する方法が提案された。上記改質法のうち代表的な方法は、たとえば末端にカルボキシル基を有するエラストマーを改質材として使用し、該エラストマーをエポキシ系樹脂と反応させることによって改質するものである。(特許文献1)
【0004】
ところがエポキシ樹脂をゴムエラストマー、あるいはゴム変性によって改質する方法では、改質によって伸び率が改善される反面、曲げ強度や耐熱性等の低下が避けられず、しかも硬化反応を行なわせる以前の可塑化状態での粘性が高くなるため取扱い作業性が悪くなるという難点がある。(非特許文献1)
【0005】
【特許文献1】
特開昭58-49719号公報
【非特許文献1】
エポキシ樹脂技術協会 研究委員会 特別講演要旨 平成7年3月
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記のような事情に着目してなされたものであって、優れた耐熱性を損なわず、且つ機械強度においてバランスのとれた特性を示す変性エポキシ樹脂、該エポキシ樹脂組成物、及びその硬化物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記のような特性を持つエポキシ樹脂について鋭意研究の結果、ビフェニル骨格を有する変性エポキシ樹脂が、これらの要求を満たすものであることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち本発明は
(1)ビフェニル骨格を有するフェノールアラルキル樹脂をエポキシ化してなるエポキシ樹脂(a)とエポキシ基と反応する官能基を末端に有する末端反応性ゴム(b)とを反応させて得られる変性エポキシ樹脂、
(2)末端反応性ゴム(b)の末端がカルボキシル基である上記(1)変性エポキシ樹脂、
(3)ビフェニル骨格を有するフェノールアラルキル樹脂をエポキシ化してなるエポキシ樹脂(a)と末端反応性ゴム(b)を有機溶媒に溶解させた後、加熱減圧下で有機溶媒を留去しながら反応することを特徴とするエポキシ樹脂の製造方法、
(4)上記(1)または(2)記載の変性エポキシ樹脂及び硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物、
(5)上記(4)記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物、
に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の変性エポキシ樹脂はビフェニル骨格を有するフェノールアラルキル樹脂をエポキシ化してなるエポキシ樹脂(a)とエポキシ基と反応する官能基を末端に有する末端反応性ゴム(b)(以下、単に末端反応性ゴムという)を反応させることで得られる。
【0009】
本発明において用いるビフェニル骨格を有するフェノールアラルキル樹脂とは、例えば下記式(1)
【0010】
【化1】
Figure 0004390179
(式(1)中、複数存在するR、Qはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基またはアリル基を表す。j、mは1〜3の整数を、nは繰り返し数であり1〜15の整数をそれぞれ示す。)で表されるフェノールアラルキル樹脂を挙げることができる。ここで、好ましいR及びQとしては、水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロオクチル基等の炭素数1〜10の鎖状、枝分かれ状、環状のアルキル基;アリル基、アリール基がそれぞれ挙げられ、全て水素原子であるものが好ましい。本発明においては、このフェノールアラルキル樹脂エポキシ化して得られるエポキシ樹脂を使用する。エポキシ化は、それ自体公知の方法を採用することができ、通常アルカリ金属水酸化物の存在下にフェノールアラルキル樹脂とエピハロヒドリンを反応させればよい。
本発明において、好ましいエポキシ樹脂(a)の具体例としては、NC−3000、NC−3000H(日本化薬(株)製)等のビフェニル−フェノール縮合型エポキシ樹脂、または下記に示す構造式のフェノールアラルキル樹脂をエポキシ化してなるエポキシ樹脂が挙げられる。これらエポキシ樹脂中のメチレン基とビフェビル基の結合位置は、硬化物の耐熱性の面から4,4'―ビフェニルタイプが好ましい。
【0011】
【化2】
Figure 0004390179
【0012】
(前記式において、Meはメチル基を、Brは塩素原子を、t−Buはターシャリーブチル基を、またPhはフェニル基をそれぞれ表す。)
本発明において用いる末端反応性ゴムは、エラストマー部の末端にカルボキシル基、アミノ基及びヒドロキシル基よりなる群から選択される少なくとも1つの反応性官能基を有するものであれば特に制限はない。具体的には、上記反応性官能基の導入されたアクリロニトリル−ブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリクロロプレンゴム等を挙げることができるが、これらの中でも特に好ましいのはアクリロニトリル−ブタジエンゴム及びポリブタジエンゴムであり、これらのうち反応性官能基を2つ以上有するものが好ましい。これらのエラストマーの中でも分子量が1000〜10000程度の末端反応性ゴムが好ましい。
【0013】
このような末端反応性ゴムは、市販品が容易に入手可能で、たとえばBFグッドリッチ社製の「Hycar CTBN 1300×8 」、「Hycar CTBN 1300×13」、「Hycar CTB 2000×162」;日本曹達社製の「NISSO PB C-100」、「NISSO PB C-2000 」;出光石油化学社製の「Poly bd R-45MA」などが知られている。また末端にアミノ基を有する末端反応性ゴムとしては、アクリロニトリル−ブタジエンゴムの末端にアミノ基の導入された「Hycar ATBN 1300×16」(BFグッドリッチ社製)等が市販されており、また、分子末端にヒドロキシル基の導入されたブタジエンゴムである「NISSO PB G-1000」(日本曹達社製)等が市販されている。
これら末端反応性ゴムのうち、カルボキシル基末端の末端反応性ゴムが好ましく、カルボキシル基末端アクリロニトリルーブタジエンゴムが特に好ましい。
【0014】
以下、ビフェニル骨格含有フェノールアラルキル樹脂をエポキシ化し原料となるエポキシ樹脂(以下、エポキシ樹脂(a)という場合がある)を得る方法について詳述する。
エポキシ樹脂(a)を得る反応において、アルカリ金属水酸化物はその固形物を利用してもよく、その水溶液を使用してもよい。水溶液を使用する場合は該アルカリ金属水酸化物の水溶液を連続的に反応系内に添加すると共に減圧下、または常圧下連続的に水及びエピハロヒドリンを留出させ、更に分液し水は除去しエピハロヒドリンは反応系内に連続的に戻す方法でもよい。アルカリ金属水酸化物の使用量は式(1)で表される化合物の水酸基1当量に対して通常0.9〜2.5モルであり、好ましくは0.95〜2.0モルである。
【0015】
通常これらの反応において使用されるエピハロヒドリンの量は式(1)の化合物の水酸基1当量に対し通常0.8〜12モル、好ましくは0.9〜11モルである。この際、式(1)で表される化合物の溶解性を高めるためにメタノール、エタノールなどのアルコール類、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒などを添加して反応を行うことが好ましい。
【0016】
アルコール類を使用する場合、その使用量はエピハロヒドリンの量に対し通常2〜20重量%、好ましくは4〜15重量%である。また非プロトン性極性溶媒を用いる場合はエピハロヒドリンの量に対し通常5〜100重量%、好ましくは10〜80重量%である。
【0017】
反応温度は通常30〜90℃であり、好ましくは35〜80℃である。反応時間は通常0.5〜10時間であり、好ましくは1〜8時間である。これらのエポキシ化反応の反応物を水洗後、または水洗無しに加熱減圧下でエピハロヒドリンや溶媒等を除去する。また更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、回収したエポキシ樹脂をトルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて反応を行い、閉環を確実なものにすることも出来る。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量はエポキシ化に使用した式(1)の化合物の水酸基1当量に対して通常0.01〜0.3モル、好ましくは0.05〜0.2モルである。反応温度は通常50〜120℃、反応時間は通常0.5〜2時間である。
反応終了後、生成した塩を濾過、水洗などにより除去し、更に加熱減圧下溶剤を留去することによりエポキシ樹脂(a)が得られる。
【0018】
以下、本発明の変性エポキシ樹脂の製法につき詳述する。
ゴム変性の方法としてはエポキシ樹脂(a)、末端反応性ゴムを有機溶媒に均一に溶解した後反応を行う。無溶剤下での反応では末端反応性ゴムが均一に分散せず、反応部所に偏りができるばかりか粘度が非常に高くなり作業性に問題がある。本発明において、末端反応性ゴムの使用量は、エポキシ樹脂(a)に対して、1〜30重量%、好ましくは3〜15重量%である。
【0019】
使用可能な有機溶剤としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系の有機溶剤等が挙げられるが、エポキシ樹脂(a)および末端反応性ゴムが溶解しやすい化合物であればこれらに限定されず、いかなる溶剤を使用してもかまわない。有機溶剤の使用量は、エポキシ樹脂(a)に対し通常10〜500重量%、好ましくは20〜100重量%である。
【0020】
反応温度は通常40〜200℃、好ましくは100〜150℃である。反応時間は通常1〜30時間、好ましくは2〜15時間である。反応は減圧下で徐々に溶剤を留去しながら行う。減圧度は通常50〜101kPaであり、有機溶剤が、エポキシ樹脂に対して30重量%以下になるまで反応を続け、次いで、加熱還流下に後反応を行う。反応終了後、反応混合物に残存する有機溶剤を完全に除去するため、更に加熱減圧下で溶媒を留去する。この場合の加熱温度は100〜180℃であり、減圧度は0.1kPa〜25kPa程度とするのが好ましい。
【0021】
本反応においては、必要に応じて触媒を加えても差し支えない。触媒としては4級アンモニウム塩;具体的にはテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等、ホスフィン系化合物;具体的にはトリフェニルホスフィン等が挙げられる。触媒の使用量としてはエポキシ樹脂、末端反応性ゴムの合計重量に対して100〜10000ppmである。しかしながら本合成法は精製工程を含まないため、触媒を使用する場合は極力少量で行うことが望ましい。
【0022】
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物について説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明の変性エポキシ樹脂及び硬化剤を含有する。本発明の変性エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物において、本発明の変性エポキシ樹脂は単独でまた他のエポキシ樹脂と併用して使用することが出来る。併用する場合、本発明の変性エポキシ樹脂の全エポキシ樹脂中に占める割合は40重量%以上が好ましく、特に60重量%以上が好ましい。
【0023】
本発明の変性エポキシ樹脂と併用し得る他のエポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロロメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4’−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4’−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類、アルコール類から誘導されるグリシジルエーテル化物、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等の固形または液状エポキシ樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
【0024】
本発明のエポキシ樹脂組成物における硬化剤としては、例えばアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノール系化合物などが挙げられる。用いうる硬化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンより合成されるポリアミド樹脂、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロロメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4’−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4’−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物、好ましくは本発明におけるエポキシ樹脂(a)の原料となるフェノールアラルキル樹脂及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類、イミダゾール、BF-アミン錯体、グアニジン誘導体などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
【0025】
本発明のエポキシ樹脂組成物において硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量に対して0.7〜1.2当量が好ましい。エポキシ基1当量に対して、0.7当量に満たない場合、あるいは1.2当量を超える場合、いずれも硬化が不完全となり良好な硬化物性が得られない恐れがある。
【0026】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化促進剤を含有することができる。用いうる硬化促進剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチレンジアミン、トリエタノールアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の有機ホスフィン類、オクチル酸スズなどの金属化合物、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩などが挙げられる。硬化促進剤は、エポキシ樹脂100重量部に対して0.01〜15重量部が必要に応じ用いられる。
【0027】
更に、本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて無機充填剤やシランカップリング材、離型剤、顔料等の種々の配合剤、各種熱硬化性樹脂を添加することができる。無機充填剤としては、結晶シリカ、溶融シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、フォステライト、ステアタイト、スピネル、チタニア、タルク等の粉体またはこれらを球形化したビーズ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。これら充填剤は、エポキシ樹脂組成物の硬化物の耐熱性、耐湿性、力学的性質などの面から、エポキシ樹脂組成物中で50〜90重量%を占める割合で使用するのが好ましい。
【0028】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記各成分を均一に混合することにより得られる。本発明のエポキシ樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易にその硬化物とすることができる。例えば、エポキシ樹脂と硬化剤、並びに必要により硬化促進剤及び無機充填剤、配合剤及び各種熱硬化性樹脂とを必要に応じて押出機、ニーダ、ロール等を用いて均一になるまで充分に混合することより本発明のエポキシ樹脂組成物を得て、そのエポキシ樹脂組成物を溶融注型法あるいはトランスファー成型法やインジェクション成型法、圧縮成型法などによって成型し、更に80〜200℃で2〜10時間に加熱することにより本発明の硬化物を得ることができる。
【0029】
また本発明のエポキシ樹脂組成物をトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の溶剤に溶解させ、ガラス繊維、カ−ボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含浸させ加熱半乾燥して得たプリプレグを熱プレス成型して硬化物を得ることもできる。この際の溶剤は、本発明のエポキシ樹脂組成物と該溶剤の混合物中で通常10〜70重量%、好ましくは15〜70重量%を占める量を用いる。
【0030】
【実施例】
次に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、以下において部は特に断わりのない限り重量部である。また軟化点、溶融粘度は以下の条件で測定した。・軟化点
JIS K−7234に準じた方法で測定した。
・溶融粘度
150℃におけるコーンプレート法における溶融粘度
測定器械:コーンプレート(ICI)高温粘度計
(RESEACH EQUIPMENT(LONDON)LTD.製)
コーンNo.:3(測定範囲0〜2.00Pa・s)
試料量:0.15±0.01g
【0031】
実施例1
温度計、冷却管、撹拌器、ディーンスターク管を取り付けたフラスコにNC−3000H(日本化薬(株)製 フェノールアラルキル型エポキシ樹脂 エポキシ当量289g/eq)550部、CTBN(グッドリッチ社製 Hycar CTBN 平均分子量3600 カルボキシル基0.052phr.)55部、トルエン330部を加え、攪拌しながら80℃に昇温した。溶液が均一になった事を確認した後、トリフェニルホスフィン0.2部を加えた。この後、110℃に加熱し、かつ95〜105kPaの減圧下で溶剤を留去しながら攪拌を行い、トルエンを275部回収した時点で溶剤回収を停止し、そのまま140℃で4時間攪拌した。反応終了後、残存するトルエン等を加熱減圧下で留去することで本発明のゴム変性エポキシ樹脂605部を得た。このゴム変性エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量は320g/eq、軟化点は68.8℃、150℃における溶融粘度は0.54Pa・sであった。
【0032】
実施例2(参考例)、比較例1
実施例1で得られた変性エポキシ樹脂(A)(実施例2)またはNC−3000H(エポキシ当量289g/eq、軟化点70.0℃、150℃における溶融粘度0.30Pa・s)(比較例1)に対し、硬化剤としてNC−3000Hと同骨格を有するフェノールアラルキル樹脂(B)(軟化点65℃、水酸基当量202g/eq)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(TPP)を用いて表1の「配合物の組成」の欄に示す重量比で配合し、トランスファー成型により樹脂成形体を調製し、160℃で2時間、更に180℃で8時間かけて硬化させた。
【0033】
このようして得られた硬化物の物性を測定した結果を表1に示す。なお、物性値の測定は以下の方法で行った。
・ガラス転移温度(TMA):真空理工(株)製 TM−7000
昇温速度 2℃/min.
・曲げ強度、曲げ弾性率:JIS K−6911に準拠。
・IZOD衝撃試験:JIS K−6911に準拠。
【0034】
Figure 0004390179
【0035】
通常、ゴム変性エポキシ樹脂はゴム変性する前のエポキシ樹脂に較べて、その破壊靭性は向上するものの、耐熱性、および機械的特性が下がるという傾向が見られる。しかしながら本発明のゴム変性エポキシ樹脂はガラス転移点の低下も少なく、驚くべき事に通常低下するであろうと予測される曲げ強度においてはその強度が保持もしくは向上されるという結果が得られた。
【0036】
【発明の効果】
本発明のゴム変性エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物の硬化物は、従来一般的に使用されてきたエポキシ樹脂と比較して耐熱性に優れ、さらに機械的特性に優れた硬化物を与える。
従って、本発明のエポキシ樹脂組成物は電気・電子材料、成型材料、注型材料、積層材料、塗料、接着剤、レジストなどの広範囲の用途にきわめて有用である。

Claims (1)

  1. ビフェニル骨格を有するフェノールアラルキル樹脂をエポキシ化してなるエポキシ樹脂(a)とエラストマー部の末端にカルボキシル基、アミノ基及びヒドロキシル基よりなる群から選択される少なくとも1つの反応性官能基を有する反応性ゴム(b)を有機溶媒に溶解させた後、40〜200℃、50〜101kPaの加熱減圧下で有機溶媒を留去した後、加熱還流下に反応を行うことを特徴とする変性エポキシ樹脂の製造方法。
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