JP2000256245A - ビフェノール誘導体、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

ビフェノール誘導体、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物

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JP2000256245A
JP2000256245A JP11053637A JP5363799A JP2000256245A JP 2000256245 A JP2000256245 A JP 2000256245A JP 11053637 A JP11053637 A JP 11053637A JP 5363799 A JP5363799 A JP 5363799A JP 2000256245 A JP2000256245 A JP 2000256245A
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epoxy resin
present
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biphenol
mol
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Katsuhiko Oshimi
克彦 押見
Koji Nakayama
幸治 中山
Yoshitaka Kajiwara
義孝 梶原
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性、耐湿性及び機械的強度に優れた硬化
物、及びそれを与える、エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂
組成物を提供すること。 【解決手段】式(1)で表されるビフェノール誘導体の
アルコール性水酸基をグリシジルエーテル化することに
より得られるエポキシ樹脂、該エポキシ樹脂を含むエポ
キシ樹脂組成物、及びその硬化物。 【化1】 (式(1)中、複数存在するRは独立して水素原子、炭
素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン原子、アリル基、
アリール基を示す。nは3〜9の整数を、複数存在する
kは1〜3の整数を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱硬化性樹脂(エポ
キシ樹脂等)原料、接着剤、塗料、成型材料等の成分、
各種工業用中間体として有用なビフェノール誘導体、及
び耐熱性、耐水性及び靭性に優れる硬化物を与えるエポ
キシ樹脂、エポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は種々の硬化剤で硬化させ
ることにより、一般的に機械的性質、耐水性、耐薬品
性、耐熱性、電気的性質に優れた硬化物となり、接着
剤、塗料、積層板、成型材料、注型材料などの幅広い分
野に利用されている。従来、工業的に最も使用されてい
るエポキシ樹脂としてビスフェノールAにエピクロルヒ
ドリンを反応させて得られる液状及び固形のビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂がある。その他液状のビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂にテトラブロモビスフェノールA
を反応させて得られる難燃性固形エポキシ樹脂などが汎
用エポキシ樹脂として工業的に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
たような汎用エポキシ樹脂は分子量が大きくなるにつれ
て、それを使用して得られる硬化物の靭性は向上するも
のの耐熱性が低下するという欠点がある。また、汎用エ
ポキシ樹脂に耐熱性を向上させる目的でo−クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂などの多官能エポキシ樹脂を
添加した場合、その硬化物の耐熱性は向上するものの、
耐水性及び靭性が低下する問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこうした実
状に鑑み、耐熱性、耐水性及び靭性に優れた硬化物を与
えるエポキシ樹脂を求めて鋭意研究した結果、特定の分
子構造(液晶性)を有するエポキシ樹脂が、その硬化物
において優れた耐熱性、耐水性及び靭性を発現するもの
であることを見いだし本発明を完成させるに至った。即
ち、本発明は、(1)式(1)
【0005】
【化2】
【0006】(式(1)中、複数存在するRは独立して
水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン原
子、アリル基又はアリール基を示す。nは3〜9の整数
を、複数存在するkは1〜3の整数をそれぞれ示す。)
で表されるビフェノール誘導体、(2)上記(1)記載
のビフェノール誘導体のアルコール性水酸基をグリシジ
ルエーテル化してなるエポキシ樹脂、(3)上記(2)
記載のエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物、
(4)上記(3)記載のエポキシ樹脂組成物を硬化して
なる硬化物、(5)上記(3)記載のエポキシ樹脂組成
物を用いた半導体装置に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のビフェノール誘導体は、
ビフェノール類と式(2)
【0008】
【化3】
【0009】(式(2)中、nは3〜9の整数を示す。
Xはハロゲン原子を示す。)で表される化合物を塩基性
触媒と溶媒の存在下で反応させることにより得られる。
【0010】ビフェノール類としてはアルキル(メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル等の炭素数1〜10のア
ルキル基)置換ビフェノール、ハロゲン(塩素、臭素、
ヨウ素等)置換ビフェノール、アリル置換ビフェノー
ル、アリール置換ビフェノール等が挙げられる。具体的
にはビフェノール、テトラメチルビフェノール、ヘキサ
メチルビフェノール、ジアリルビフェノール、ジフェニ
ルビフェノール等が挙げられるが、ビフェノール、テト
ラメチルビフェノールが好ましい。
【0011】式(2)におけるXとしては塩素原子、臭
素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。使用できる式
(2)の化合物の具体例としては3−クロロ−1−プロ
パノール、3−ブロモ−1−プロパノール、3−ヨード
−1−プロパノール、4−クロロ−1−ブタノール、4
−ブロモ−1−ブタノール等が挙げられ、反応性及び試
薬の入手のしやすさから3−ブロモ−1−プロパノール
が好ましい。式(2)の化合物の使用量はビフェノール
類1モルに対し、通常1.8〜10.0モル、好ましく
は2.0〜5.0モルの範囲である。
【0012】溶媒としては、メタノール、エタノール、
アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、水等が
挙げられるがこれらに限定されるものではなく、単独で
も2種類以上用いても良い。溶媒の使用量はビフェノー
ル類100重量部に対し通常10〜7000重量部、好
ましくは50〜5000重量部の範囲である。
【0013】用いうる塩基性触媒の具体例としては、水
酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
アルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カ
ルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、ナトリウムメ
トキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシ
ド、カリウムエトキシド、カリウム−tert−ブトキ
シド等のアルカリ金属アルコキシド、マグネシウムメト
キシド、マグネシウムエトキシド等のアルカリ土類金属
アルコキシド等が挙げられるが、これらに限定されるも
のではなく、単独でも2種類以上を併用しても良い。触
媒の使用量は、ビフェノール類1モルに対し、通常0.
5〜10.0モル、好ましくは1.0〜5.0モルの範
囲である。
【0014】反応は、ビフェノール類と式(2)で表さ
れる化合物と溶媒の混合物中に触媒を加えて、必要によ
り加熱して行う。また、ビフェノール類と触媒と溶媒の
混合物に必要により加熱しながら式(2)で表される化
合物を徐々に添加しても良い。反応時間は0.5〜50
時間、反応温度は5〜150℃である。反応終了後、濾
過あるいは加熱減圧下において未反応原料及び溶媒類を
除去することにより本発明のビフェノール誘導体が得ら
れる。
【0015】本発明のビフェノール誘導体にエピハロヒ
ドリンを反応させることによって上記(2)項記載のエ
ポキシ樹脂が得られる。この反応に使用されるエピハロ
ヒドリンとしては、エピクロルヒドリン、エピブロムヒ
ドリン、エピヨードヒドリン等があるが、工業的に入手
し易く安価なエピクロルヒドリンが好ましい。この反応
は従来公知の方法に準じて行うことが出来る。
【0016】例えば、本発明のビフェノール誘導体とエ
ピクロルヒドリンの混合物に水酸化ナトリウム、水酸化
カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の固体を添加し、
または添加しながら20〜120℃で0.5〜10時間
反応させる。この際アルカリ金属水酸化物は水溶液を使
用してもよく、その場合は該アルカリ金属水酸化物を連
続的に添加すると共に反応混合物中から減圧下、または
常圧下、連続的に水及びエピクロルヒドリンを留出せし
め、更に分液し、水は除去し、エピクロルヒドリンは反
応混合物中に連続的に戻す方法でもよい。
【0017】上記の方法において、エピクロルヒドリン
の使用量は本発明のビフェノール誘導体の水酸基1当量
に対して通常0.5〜20モル、好ましくは0.7〜1
0モルである。アルカリ金属水酸化物の使用量は本発明
のビフェノール誘導体中の水酸基1当量に対し通常0.
5〜2.5モル、好ましくは0.7〜1.8モルであ
る。また、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、
ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダ
ゾリジノン等の非プロトン溶媒を添加して反応を行うこ
とが好ましい。非プロトン性極性溶媒の使用量はエピク
ロルヒドリンの重量に対し5〜200%、好ましくは1
0〜100%である。
【0018】また本発明のビフェノール誘導体と過剰の
エピハロヒドリンの混合物にテトラメチルアンモニウム
クロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、オ
リメチルベンジルアンモニウムクロライドなどの第四級
アンモニウム塩を触媒として使用し、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の固体
または水溶液を加え20〜120℃で1〜10時間反応
させる方法でも良い。この場合の第四級アンモニウム塩
の使用量は本発明のビフェノール誘導体の水酸基1当量
に対して通常0.001〜0.2モル、好ましくは0.
05〜0.1モルである。
【0019】通常これらの反応生成物は水洗後、または
水洗無しに加熱減圧下、過剰のエピハロヒドリンを除去
した後、再びトルエン、メチルイソブチルケトン等の溶
媒に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの
アルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて再び反応させ
る。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量は原料とし
て使用したビフェノール誘導体の水酸基1当量に対して
通常0.01〜0.2モル、好ましくは0.05〜0.
1モルである。反応温度は通常50〜120℃、反応時
間は通常0.5〜2時間である。
【0020】反応終了後、副生した塩をろ過、水洗など
により除去し、更に加熱減圧下、トルエン、メチルイソ
ブチルケトン等の溶媒を留去することにより本発明のエ
ポキシ樹脂を得ることができる。
【0021】本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明の
エポキシ樹脂を含有する。本発明のエポキシ樹脂組成物
において本発明のエポキシ樹脂は単独でまたは他のエポ
キシ樹脂と併用して使用することができる。併用する場
合、本発明のエポキシ樹脂の全エポキシ樹脂中に占める
割合は30重量%以上が好ましく、特に40重量%以上
が好ましい。
【0022】本発明のエポキシ樹脂と併用されうる他の
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノー
ル、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、
2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシ
ン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒ
ドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノー
ル、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置
換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナ
フタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、
ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、
ジシクロペンタジエン等との重縮合物及びこれらの変性
物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビス
フェノール類から誘導されるグリシジルエーテル化物、
脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹
脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等の固形または
液状エポキシ樹脂が挙げられるが、これらに限定される
ものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上
を用いてもよい。
【0023】本発明のエポキシ樹脂組成物は、通常エポ
キシ樹脂の硬化剤を含有する。硬化剤としては、例えば
アミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、
フェノール系化合物などが挙げられる。用いうる硬化剤
の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチ
レントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジ
フェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジア
ミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンより合成
されるポリアミド樹脂、無水フタル酸、無水トリメリッ
ト酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒ
ドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、
無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メ
チルヘキサヒドロ無水フタル酸、ビスフェノールA、ビ
スフェノールS、ビスフェノールF、フルオレンビスフ
ェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノ
ール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾ
ルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキ
シフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4
−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノ
ール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル
置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシ
ナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒ
ド、ジシクロペンタジエン等との重縮合物及びこれらの
変性物、イミダゾール、BF-アミン錯体、グアニジ
ン誘導体などが挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用
いてもよい。
【0024】本発明のエポキシ樹脂組成物において硬化
剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対し
て0.5〜1.5当量が好ましく、0.6〜1.2当量
が特に好ましい。エポキシ基1当量に対して、0.5当
量に満たない場合、あるいは1.5当量を超える場合、
いずれも硬化が不完全になり良好な硬化物性が得られな
い恐れがある。
【0025】また上記硬化剤を用いる際に硬化促進剤を
併用しても差し支えない。用いうる硬化促進剤として
は、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミ
ダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4
−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、2−(ジメ
チルアミノメチル)フェノール、トリエチレンジアミ
ン、トリエタノールアミン、1,8−ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類、ト
リフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリブ
チルホスフィン等の有機ホスフィン類、オクチル酸スズ
などの金属化合物、テトラフェニルホスホニウム・テト
ラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エ
チルトリフェニルボレート等のテトラ置換ホスホニウム
・テトラ置換ボレート、2−エチル−4−メチルイミダ
ゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリ
ン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン
塩などが挙げられる。硬化促進剤はエポキシ樹脂100
重量部に対して0.01〜15重量部が必要に応じ用い
られる。
【0026】更に、本発明のエポキシ樹脂組成物には、
必要に応じて充填剤やシランカップリング剤、離型剤、
顔料等の種々の配合剤を添加することができる。充填剤
としては、結晶シリカ、溶融シリカ、アルミナ、ジルコ
ン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒
化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、フォステライト、
ステアタイト、スピネル、チタニア、タルク等の粉体ま
たはこれらを球形化したビーズ等が挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。これらは単独で用いても
よく、2種以上を用いてもよい。
【0027】本発明のエポキシ樹脂組成物は、各成分を
均一に混合することにより得られる。本発明のエポキシ
樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易
にその硬化物とすることができる。例えば、本発明のエ
ポキシ樹脂と硬化剤、並びに必要により硬化促進剤及び
充填剤等の配合剤とを必要に応じて押出機、ニーダ、ロ
ール等を用いて均一になるまで充分に混合して本発明の
エポキシ樹脂組成物を得、そのエポキシ樹脂組成物を溶
融後、注型あるいはトランスファー成形機などを用いて
成型し、更に80〜200℃で2〜10時間加熱するこ
とにより本発明の硬化物を得ることができる。
【0028】また、本発明のエポキシ樹脂組成物をトル
エン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン等の溶剤に溶解させ、ガラス繊維、
カーボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ア
ルミナ繊維、紙などの基材に含浸させ加熱乾燥して得た
プリプレグを熱プレス成形して硬化物を得ることもでき
る。この際用いる希釈溶剤の使用量は本発明のエポキシ
樹脂組成物と該希釈溶剤の合計重量に対し通常10〜7
0重量%、好ましくは15〜65重量%である。
【0029】本発明のエポキシ樹脂組成物の成型及び/
または硬化の間、電場、磁場、剪断応力などを加えるこ
とは、内部に含まれるまたは生ずる液晶成分が配向しや
すくなり耐熱性または機械的強度が向上するので好まし
い。
【0030】本発明の半導体装置は前記の本発明のエポ
キシ樹脂組成物で封止されたもの等の本発明のエポキシ
樹脂組成物の硬化物を含有する。半導体装置としては、
例えばDIP(デュアルインラインパッケージ)、QF
P(クワッドフラットパッケージ)、BGA(ボールグ
リッドアレイ)、CSP(チップサイズパッケージ)等
が挙げられる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例で更に詳細に説明す
る。尚、実施例中のエポキシ当量、水酸基当量の単位は
g/eqである。また、本発明はこれら実施例に限定さ
れるものではない。
【0032】実施例1 撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、
4,4’−ビフェノール56重量部、ジメチルスルホキ
シド(以下DMSO)500重量部、3−ブロモ−1−
プロパノール100重量部を仕込み、撹拌、溶解後、3
0℃にて30%水酸化ナトリウム水溶液96重量部を2
時間かけて滴下した。その後、30℃で4時間反応させ
た。析出した結晶を濾過後、水で洗浄し、減圧乾燥機で
乾燥させた。得られた結晶を容積比10/20のエタノ
ール/DMSO混合溶媒から再結晶した。その結果式
(1)においてnが3、Rが水素原子で表される本発明
のビフェノール誘導体(P1)77重量部を得た。融点
は207℃であった。得られたビフェノール誘導体の
H−NMRスペクトル((CD3)2SO,300MHz)を図1に示
す。
【0033】実施例2 実施例1で得られた本発明のビフェノール誘導体(P
1)45重量部にエピクロルヒドリン278重量部とD
MSO195重量部を加えて溶解後、70℃に加熱し、
フレーク状水酸化ナトリウム(純分99%)49重量部
を120分かけて添加し、その後、70℃で3時間反応
させた。ついで水洗を繰り返し反応液を中性に戻した
後、油層から加熱減圧下、過剰のエピクロルヒドリンを
留去し、残留物に310重量部のMIBKを添加し溶解
した。さらにこのMIBK溶液を75℃に加熱し30重
量%の水酸化ナトリウム水溶液3重量部を添加し1時間
反応させた後、反応混合物の水洗浄液が中性となるまで
水洗を繰り返した。ついで油層から加熱減圧下、MIB
Kを留去することにより式(3)
【0034】
【化4】
【0035】(式(3)中、Gはグリシジル基を表す。
またm=0.12(平均値)である。)で表される本発
明のエポキシ樹脂(E1)46重量部を得た。得られた
エポキシ樹脂(E1)のエポキシ当量は228、軟化点
は63℃であった。偏光顕微鏡で観察したところ、室温
から63℃まで分子が配向しており、それ以上では等方
相になることを確認した。得られたエポキシ樹脂の
−NMRスペクトル(CDCL3,300MHz)を図2に示す。
【0036】実施例3 実施例2で得られたエポキシ樹脂(E1)を使用し、エ
ポキシ樹脂1エポキシ当量に対して硬化剤(フェノール
ノボラック樹脂(日本化薬(株)製、PN−80、15
0℃におけるICI粘度1.5ps、軟化点86℃、水
酸基当量106)を1水酸基当量配合し、更に硬化促進
剤(2−エチル−4−メチルイミダゾール))をエポキ
シ樹脂100重量部あたり1重量配合し、トランスファ
ー成型により樹脂成形体を調製し、160℃で2時間、
更に280℃で5時間で硬化させた。
【0037】このようにして得られた硬化物の物性を測
定した結果を表1に示す。尚、物性値の測定は以下の方
法で行った。 ・ガラス転移温度(TMA):真空理工(株)製 TM
−7000 昇温速度 2℃/min. ・吸水率:直径5cm×厚み4mmの円盤状の試験片を
100℃の水中で24時間煮沸した後の重量増加率
(%) ・曲げ強度:JIS K−6911に準拠し測定した値
【0038】
【0039】表1より本発明の硬化物はガラス転移温度
が高く耐熱性に優れ、吸水率が低いため耐湿性に優れ、
また曲げ強度が高く機械的強度に優れるのが明らかであ
る。
【0040】
【発明の効果】本発明のビフェノール誘導体は熱硬化性
樹脂(エポキシ樹脂等)原料、接着剤、塗料、成型材料
等の成分、各種工業用中間体として有用である。また本
発明のエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物はそ
の硬化物において優れた耐熱性、耐湿性(耐水性)及び
機械的強度に優れるため、電気・電子部品用絶縁材料
(高信頼性半導体封止材料など)及び積層板(プリント
配線板など)やCFRPを始めとする各種複合材料、接
着剤、塗料等に使用する場合に極めて有用である。ま
た、液晶成分の配向を利用することによってさらなる応
用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた本発明のビフェノール誘導
体(P1)のH−NMRスペクトル
【図2】実施例2で得られた本発明のエポキシ樹脂(E
1)のH−NMRスペクトル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1) 【化1】 (式(1)中、複数存在するRは独立して水素原子、炭
    素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン原子、アリル基又
    はアリール基を示す。nは3〜9の整数を、複数存在す
    るkは1〜3の整数をそれぞれ示す。)で表されるビフ
    ェノール誘導体。
  2. 【請求項2】請求項1記載のビフェノール誘導体のアル
    コール性水酸基をグリシジルエーテル化してなるエポキ
    シ樹脂。
  3. 【請求項3】請求項2記載のエポキシ樹脂を含有するエ
    ポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】請求項3記載のエポキシ樹脂組成物を硬化
    してなる硬化物。
  5. 【請求項5】請求項3記載のエポキシ樹脂組成物を用い
    た半導体装置。
JP11053637A 1999-03-02 1999-03-02 ビフェノール誘導体、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 Pending JP2000256245A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002194049A (ja) * 2000-12-26 2002-07-10 Nippon Steel Chem Co Ltd 新規エポキシ樹脂、その製造方法、エポキシ樹脂組成物及び硬化物

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