JP2007070255A - 高純度アダマンチル(メタ)アクリレート類の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子工業用、耐熱性樹脂等の高機能性樹脂原料として用いられる高純度のアダマンチル(メタ)アクリレート類の製造方法を提供する。
【解決手段】アダマンタノール類と(メタ)アクリル酸類を反応させてアダマンチル(メタ)アクリレート類を製造する方法において、晶析時にN−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム等のニトロソ系重合禁止剤を添加することを特徴とする高純度アダマンチル(メタ)アクリレート類の製造方法。

Description

本発明は、電子工業用、耐熱性樹脂等の高機能性樹脂原料として用いられる高純度のアダマンチル(メタ)アクリレート類の製造方法に関する。
アダマンチル基を持つモノマーは、一般に電子工業用、耐熱性樹脂等の高機能性樹脂原料として使用されているが、近年、特に半導体の製造においてフォトレジスト用モノマーとして用いられている。電子工業用に用いられる工業用薬品類は、各種不純物を極力低減化した高純度薬品が使用されるが、フォトレジスト用モノマーとして用いられるアダマンチル(メタ)アクリレート類も同様に高純度化が要求されている。具体的には、金属不純物類、ハロゲン類、原料や生成物に起因するオリゴマー類等の重合物を含む有機不純物の低減等が挙げられており、その中でも基板回路の微細化進展に伴ってオリゴマー類等の重合物を含む有機不純物の低減化が要望されている。
アダマンチル(メタ)アクリレート類を製造する方法としては、濃硫酸を反応触媒としてアダマンタノール類と(メタ)アクリル酸類を用いて製造する方法が公知である(特許文献1)。この製造方法で得られたアダマンチル(メタ)アクリレート類に対し、酸洗浄により金属不純物を除去する方法や(特許文献2)高分子量不純物を低減化した原料を使用する方法(特許文献3)など各種の工夫がなされているが製造工程中で生成する重合物の抑制に関しては不十分な内容であった。さらに、極性溶媒を主成分とする溶媒に溶解後、晶析する方法(特許文献4)も開示されているが、精製コストが高く不経済であった。
オリゴマー類等の重合物を含む有機不純物の低減化に関し、p−メトキシフェノール、メチルハイドロキノン等、一般に市販されている公知の重合禁止剤の使用も良く知られた手段である。これらフェノール系重合禁止剤は、単独使用では効果が小さく、ラジカルトラップを効率良く行うために酸素の存在が不可欠である。しかし、炭化水素系や芳香族系等の爆発下限が低く、特に常温以下で操作する晶析工程では溶剤蒸気濃度が爆発下限に入る可能性が高く、静電気が帯電し易い有機溶媒を使用する液中に連続的に酸素を導入することは、爆発火災防止の観点から安全面、製造時の取り扱いに問題があった。
さらに、フェノール系重合禁止剤は多量に使用すると反応時の重合抑制に効果はあるが、精製工程中の晶析又は再結晶操作後の製品中にそれ自体が残存して純度低下を招き、更に製品の着色やレジストポリマー重合時に反応速度が変化するなどの問題がある。この様に、電子工業用に用いられる高純度アダマンチル(メタ)アクリレート類を製造する上で、オリゴマー類等の重合物を含む有機不純物の低減化については有効な手段は無く、高純度化要求に対して対応が望まれていた。
特開2001−106650号公報 特開2001−354619号公報 特開2005−75798号公報 特開2005−104964号公報
本発明の目的は、前述の各課題を解決するため、精製工程におけるオリゴマー等の重合物を含む有機不純物の生成を抑制し、高分子量の有機不純物を低減した高純度アダマンチル(メタ)アクリレート類を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決し、高分子量の有機不純物を低減した高純度アダマンチル(メタ)アクリレート類を得る方法について鋭意研究を重ねた結果、精製工程中の濃縮晶析又は冷却晶析操作において、ニトロソ系重合禁止剤を添加して晶析又は再結晶操作を行うことで、課題であった重合禁止剤の多量使用による純度低下や着色、又は酸素導入などの安全性に関する問題を回避し、更に最終製品中に含まれる高分子量の有機不純物も低減された高純度アダマンチル(メタ)アクリレート類を得る方法を見出して本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、アダマンタノール類と(メタ)アクリル酸類を反応させてアダマンチル(メタ)アクリレート類を製造する方法において、晶析時にニトロソ系重合禁止剤を添加することを特徴とする高純度アダマンチル(メタ)アクリレート類の製造方法に関するものである。
本発明により、オリゴマー等の重合物を含む高分子量有機不純物の生成を抑制し、着色の少ない高純度アダマンチル(メタ)アクリレート類を提供することができる。
本発明のアダマンチル(メタ)アクリレート類は、下記式(1)で示される。
Figure 2007070255
(式中、R1〜R4は、同一又は異なってもよく、水素原子、水酸基、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、炭素数2〜6のアシルオキシ基、ハロゲン基を示す。R5は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
本発明のアダマンチル(メタ)アクリレート類の具体例として、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルアクリレート、3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート、3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルアクリレート、5,7−ジメチル−3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート、5,7−ジメチル−3−ヒドロキシ−1−アダマンチルアクリレート等が例示される。この他にもアダマンチルジ(メタ)アクリレート、アダマンチルトリ(メタ)アクリレート、アダマンチルテトラ(メタ)アクリレートやそれらに置換基を含むものなどアダマンタンポリオール類と(メタ)アクリル酸類から脱水触媒を用いて合成され、精製工程中に晶析又は再結晶操作を行うアダマンチル(メタ)アクリレート類に用いることができる。
式(1)のアダマンチル(メタ)アクリレート類は、下記式(2)で示されるアダマンタンポリオール類と下記式(3)で示される(メタ)アクリル酸類とを反応させて得られる。
Figure 2007070255
(式中、R1〜R4は、同一又は異なってもよく、水素原子、水酸基、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、炭素数2〜6のアシルオキシ基、ハロゲン基を示す。)
Figure 2007070255
(式中、R1は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
ここで、前記式(2)で示されるアダマンタンポリオール類としては、分子中に少なくとも一つの水酸基を有するアダマンタンモノオール、アダマンタンジオール、アダマンタントリオール、アダマンタンテトラオールが含まれる。例えば、1−アダマンタノール、1,3−アダマンタンジオール、1,3,5−アダマンタントリオール等が挙げられる。置換基の位置は、特に制限はない。
また、前記式(3)で示される(メタ)アクリル酸類としては、アクリル酸、メタクリル酸、2−エチルプロペン酸、2−プロピルプロペン酸、2−ブチルプロペン酸等が挙げられ、このうちアクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
反応の際に添加する(メタ)アクリル酸類の量は、原料のアダマンタノール類を基準として1〜30当量が好ましく、2〜10当量がより好ましい。(メタ)アクリル酸類が少な過ぎる場合には、反応速度ならびに収率が低下する。一方、多すぎる場合は釜効率の低下や精製の複雑さといった問題が生じ不経済である。
アダマンチル(メタ)アクリレート類は、脱水触媒を用いて合成されるが、反応時における脱水触媒は濃硫酸、硫酸塩類、リン酸、リン酸塩類等の無機酸類のほか、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、イミダゾール類といった有機酸類など公知の脱水触媒を用いることが出来、これらを組み合わせて使用しても良い。
反応温度は、副生する水を共沸により除去できる範囲で任意の値に設定することができるが、通常は60〜150℃程度であることが多い。温度が低過ぎると反応速度が低下して非効率的になり、高過ぎる場合には目的物より高分子量の有機不純物の生成や分解反応促進等により目的生成物の反応収率が低下する。
また、反応中の重合を抑制するためにメチルヒドロキノン、p−ベンゾキノン、α−ナフトキノン、p−メトキシフェノール等公知の重合禁止剤を添加することが望ましい。適切な添加量は、重合禁止剤の種類や反応に使用する(メタ)アクリル酸の量等によって異なるが、例えば反応系中に加えた(メタ)アクリル酸類1モルに対し、0.005〜1.5モル%、好ましくは0.02〜0.5モル%を使用する。使用量がこの範囲より少ないと反応中に重合が起こり、逆に多いと重合禁止剤に由来する副生成物によりアダマンチル(メタ)アクリレート類の選択率が低下する、また、重合禁止剤として分子状酸素を反応系中に供給することもできる。分子状酸素は空気として供給しても良いし、爆発防止の面から窒素等の不活性ガスで適宜希釈したものを使用しても良い。さらに、これら重合禁止剤は2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
反応に用いる有機溶媒としては、特に水との相溶性が低く、且つアダマンチル(メタ)アクリレートの溶解性が高く、反応に不活性な溶媒を用いることが好ましい。また、使用するニトロソ系重合禁止剤が不溶である溶媒は好ましくない。具体的にはヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が挙げられ、これらの溶媒は単独でも2種以上の混合した系でも使用することが出来る。
得られた粗反応液に対して、通常は過剰の(メタ)アクリル酸類をアルカリ水溶液で除去する操作を行うが、その際に用いるアルカリ水溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、アンモニウム水、水酸化テトラアルキルアンモニウム類などが挙げられ、これらを1種又は2種以上組み合わせて使用しても良く、特に制限を受けるものではない。また、目的生成物が加水分解によって失われるのを防ぐため、中和処理中の溶液温度は50℃以下に保つことが好ましい。
中和処理後のアダマンチル(メタ)アクリレート類は、反応に使用した有機溶媒のまま濃縮しても良いし、極性により水相に多く分配する場合、アダマンチル(メタ)クリレート類を含む水相をそのまま晶析に供することもできるが、(メタ)アクリル酸類等の不純物が多く含まれている場合には、一旦別の有機溶媒を用いてアダマンチル(メタ)アクリレート類を再抽出した後に、晶析に供した方が回収率や純度向上等の点から好ましい。
アダマンチル(メタ)アクリレート類を、アルカリ水相から再抽出する場合に使用する溶媒としては水との相溶性が低く、且つアダマンチル(メタ)アクリレート類の溶解度の高いものが望ましい。具体的には酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ブロモホルム等のハロゲン化炭化水素類、およびこれらを含む混合溶媒等が挙げられ、単独でも2種以上の溶媒を混合した系でも使用できる。
抽出で使用する有機溶媒の量はその種類によっても異なるが、抽出効率や操作性を考慮して適切な範囲で選択すれば良く、例えば抽出すべき水相重量を基準として、一回の抽出操作につき0.1〜50当量程度を使用する。抽出回数に特に制限はない。また、抽出の際の溶液温度は、アダマンチル(メタ)アクリレート類が分解や重合等により失われない10〜50℃の範囲が望ましい。
高純度アダマンチル(メタ)アクリレート類製品を得るために、酸水溶液による金属不純物の除去や、電気伝導度が<10mS/mの純水を用いた洗浄を組み合わせて金属不純物やハロゲンイオン等の不純物を除去する操作等や昇華精製、原料の高純度化等各種を組み合わせても良い。
このようにして得たアダマンチル(メタ)アクリレート類を含む有機相について、ニトロソ系重合禁止剤を添加し、晶析操作を行う。晶析後は、濾過あるいは遠心分離により溶液中から取り出し、リンス、乾燥した後、さらに必要に応じて再結晶を施すことにより目的生成物を単離できる。リンスでは前記晶析に使用した溶媒等を使用すれば良く、また、乾燥法は風乾や減圧乾燥等の慣用の方法が採用できる。さらに再晶析を行う場合には、前述した晶析の条件に準じてニトロソ系重合禁止剤を再び添加することができる。
晶析操作時に添加されるニトロソ系重合禁止剤は、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム、N−ニトロソジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−p−ニトロソアニリン、p−ニトロソフェノール、N−ニトロソ−N−メチルアニリン、p−トルエンスルホニル−N−メチル−N−ニトロソアミド、1−ニトロソ−2−ナフトール−3,6−ジスルホン酸ナトリウム、5−ニトロソ−8−ヒドロキシキノリン等が挙げられる。特に、金属不純物の混入防止を目的とする場合には、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアンモニウムが好ましく、それ以外の用途ではN−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウムを単独又は組み合わせて用いても良い。
ニトロソ系重合禁止剤の添加量は、有機相中のアダマンチル(メタ)アクリレート類に対して0.0001〜0.5重量%の範囲で添加することが好ましく、添加量がこれ以上少ない場合は、重合禁止効果が十分で無く、また多い場合は重合禁止剤の残留や、製品の着色といった問題が生じるため好ましくない。更に、ニトロソ系重合禁止剤を添加する方法については、粉体を直接添加しても良いし、予め晶析操作に影響を与えない有機溶媒に溶解してから添加しても良い。
晶析操作は、濃縮晶析や冷却晶析など公知の晶析法を用いることが出来る。濃縮晶析では、対象となる目的物の性質に依存するが、一般的に常圧ないしは減圧下、20〜80℃で実施することが好ましく、更に好ましくは10〜60℃の範囲である。冷却晶析の場合は、制御が可能であれば下限温度は特に制限を受けない。また、晶析又は再結晶は、更なる純度向上など所望に応じて2回以上実施しても良い。この他に、結晶化を容易にするために種結晶を添加しても良い。更に、晶析操作に用いる装置や材質は特に制限が無く、目的物の性質や最終用途などを勘案して選択することが出来る。
以下、実施例を挙げて本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に何ら制約されるものではない。尚、以下の文中で高分子量有機不純物はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算量で示した。また、APHAについては、アダマンチル(メタ)アクリレート類の10%メタノール溶液を調製し、APHA標準液と比較し値を決定した。APHA標準液は、JIS K0071−1:1998に基づき調製した。
合成例1(3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルアクリレートの合成)
攪拌機、温度計、Dean−Stark水分離器、ジムロート冷却器、および空気導入管を備えた1L容量の5つ口フラスコに1,3,5−アダマンタントリオール92.1g(0.5mol)、アクリル酸216g(3.0mol)、濃硫酸1.3g(13mmol),p−メトキシフェノール0.76g(6.1mmol)、およびトルエン500mlを仕込んで攪拌し、空気を0.2L/分で供給した。溶液を加熱し、副生した水をDean−Stark水分離器により除去しつつ還流状態で6時間反応を継続することにより、3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルアクリレートの合成を行った。
合成例2(3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレートの合成)
攪拌機、温度計、Dean−Stark水分離器、ジムロート冷却器、および空気導入管を備えた1L容量の5つ口フラスコに1,3,5−アダマンタントリオール92.1g(0.5mol)、メタクリル酸258g(3.0mol)、濃硫酸1.3g(13mmol),p−メトキシフェノール0.76g(6.1mmol)、およびトルエン500mlを仕込んで攪拌し、空気を0.2L/分で供給した。溶液を加熱し、副生した水をDean−Stark水分離器により除去しつつ還流状態で6時間反応を継続することにより、3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレートの合成を行った。
合成例3(3-ヒドロキシ−1−アダマンチルアクリレートの合成)
攪拌機、温度計、Dean−Stark水分離器、ジムロート冷却器、および空気導入管を備えた1L容量の5つ口フラスコに1,3−アダマンタンジオール84.1g(0.5mol)、アクリル酸108g(1.5mol)、濃硫酸1.3g(13mmol),p−メトキシフェノール0.38g(3.0mmol)、およびトルエン500mlを仕込んで攪拌し、空気を0.2L/分で供給した。溶液を加熱し、副生した水をDean−Stark水分離器により除去しつつ還流状態で5時間反応を継続することにより、3-ヒドロキシ−1−アダマンチルアクリレートの合成を行った。
実施例1(3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルアクリレート)
合成例1の反応混合液を室温まで冷却した後、溶液を攪拌しながら10重量%水酸化ナトリウム水溶液を加え、残存するアクリル酸と硫酸を中和した。得られた二相溶液から水相を抜き出した後、残った有機相をイオン交換水500mlで2回抽出した。水相を全て合一後、酢酸エチル300mlで2回抽出した。酢酸エチル溶液にN−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミン塩0.08g(0.72mmol アダマンチル(メタ)アクリレート類に対し0.1重量%)を加え、溶液温度を40℃に保ちつつエバポレーターを用いて溶液重量が110gになるまで濃縮した後、氷水浴温度で冷却晶析した。析出した結晶をイオン交換水50mLで2回リンスしてから室温で24時間風乾した。こうして得られた結晶を分析した結果、高分子量有機不純物含量0.3%、APHA 20であった。
実施例2(3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート)
合成例2の反応混合液を室温まで冷却した後、溶液を攪拌しながら10重量%水酸化ナトリウム水溶液を加え、残存するメタクリル酸と硫酸を中和した。得られた二相溶液から水相を抜き出した後、残った有機相をイオン交換水500mlで2回抽出した。水相を全て合一後、酢酸エチル300mlで2回抽出した。酢酸エチル溶液にN−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミン塩0.09g(0.76mmol アダマンチル(メタ)アクリレート類に対し0.1重量%)を加え、溶液温度を40℃に保ちつつエバポレーターを用いて溶液重量が110gになるまで濃縮した後、氷水浴温度で冷却晶析した。析出した結晶をイオン交換水50mLで2回リンスしてから室温で24時間風乾した。こうして得られた結晶を分析した結果、高分子量有機不純物含量0.2%、APHA 10であった。
実施例3(3−ヒドロキシ−1−アダマンチルアクリレート)
合成例3の反応混合液を室温まで冷却した後、溶液を攪拌しながら10重量%水酸化ナトリウム水溶液を加え、残存するアクリル酸と硫酸を中和した。アルカリ水相を抜出後、残った有機相をイオン交換水500mlにて2回で水洗した。水洗後の有機相にN−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミン塩0.10g(0.87mmol アダマンチル(メタ)アクリレート類に対し0.1重量%)添加し、溶液温度を55℃に保ちつつエバポレーターを用いて溶液重量が200gになるまで濃縮した。その後、貧溶媒としてオクタン200gを添加ののち、15℃まで降温し、冷却晶析した。析出した結晶をオクタン100mLで2回リンスしてから室温で24時間風乾した。こうして得られた結晶を分析した結果、高分子量有機不純物含量0.3%、APHA 20であった。
比較例1(3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルアクリレート)
実施例1のN−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミン塩0.08gを添加する代わりにp−メトキシフェノール0.53g(4.3mmol アダマンチル(メタ)アクリレート類に対し0.6重量%)、空気吹き込みを0.14L/分とした以外は同様の操作を行った。こうして得られた3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルアクリレートの結晶を分析した結果、高分子量有機不純物含量0.7%、APHA 20であった。
比較例2(3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルアクリレート)
実施例1のN−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミン塩の添加量を0.58g(5.0mmol アダマンチル(メタ)アクリレート類に対し0.7重量%)とした以外は同様の操作を行った。こうして得られた3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルアクリレートの結晶を分析した結果、高分子量有機不純物含量0.3%、APHA>100であった。

Claims (3)

  1. アダマンタノール類と(メタ)アクリル酸類を反応させてアダマンチル(メタ)アクリレート類を製造する方法において、晶析時にニトロソ系重合禁止剤を添加することを特徴とする高純度アダマンチル(メタ)アクリレート類の製造方法。
  2. ニトロソ系重合禁止剤がN−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミン塩であることを特徴とする請求項1記載の高純度アダマンチル(メタ)アクリレート類の製造方法。
  3. ニトロソ系重合禁止剤をアダマンチル(メタ)アクリレート類に対し、0.0001〜0.5重量%添加することを特徴とする請求項1記載の高純度アダマンチル(メタ)アクリレート類の製造方法。
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