JP2020097610A - ピリピロペン化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
1,11-ジ-O-シクロプロパンカルボニル-1,7,11-トリデアセチルピリピロペンAとも呼ばれる式Iのピリピロペン化合物は、有望な殺虫活性を有する新規殺有害生物剤化合物である(例えばEP 1889540、EP 2119361およびEP 2223599を参照)。
EP 1889540中に記載される式Iのピリピロペン化合物の合成は、式IIの1,7,11-トリ-O-アセチル化合物を加水分解して式IIIの1,7,11-トリデアシル化合物を得て、その後、式IIIの化合物をシクロプロパンカルボン酸と反応させて式IVaの1,7,11-トリ-O-シクロプロピルカルボニル化合物(= Ra=H、Rb=Rc=Rd=シクロプロピルカルボニルである式IVの化合物)を得て、これを続いて部分的加水分解に供し、他の副生成物と共に式Iの化合物を得ることを含む。
EP 2186815は、式IIの化合物の7位のアセチル部分を塩基で加水分解し、それにより形成された7位のヒドロキシル基を保護し、次いで1位および11位のアセチル基を加水分解し、その1位および11位をシクロプロパンカルボニルクロリドでアシル化し、次いで保護基を除去することを含む、式Iの化合物の製造方法について開示している。多数の反応ステップがあるため、上記の方法は冗長であり、また所要の選択性を達成するために、7位の脱アセチル化は注意深く行わなければならない。
EP 2426124は、式IIIの化合物の1位および11位の直接アシル化を含む、式Iの化合物の製造方法について開示している。式IIIの化合物中の4つのヒドロキシル基は著しく異なる反応性を示すが、アシル化は、式Iの化合物に対して極めて選択的ではなく、また不完全なアシル化、誤ったOH基のアシル化およびの水の除去などの副反応のいずれも生じ得る。さらに、式IIIの出発化合物は、アシル化反応中に反応し得る不純物も含む可能性がある。従って、得られた原産物は大量の副生成物を含み、この副生成物から式Iの化合物が分離されなければならない。従って、得られたアシル化生成物をクロマトグラフィーまたは結晶化によって精製することが必要であり、生成物の相当量の損失が生じ、また得られる収率は低い(すなわち45%未満)。さらに、得られる純度は中庸であり、さらなる結晶化を要し、貴重な生成物のさらなる損失をもたらす。
従って、本発明の目的は、優れた収率さらにまた高純度を有する式Iの化合物を与える製造方法を提供することである。さらに、この方法は、反応時間の低減を可能とするものでなければならず、また工業規模で実施可能でなければならない。
驚くべきことに、これらの目的およびさらなる目的は、本明細書中以降に記載される方法によって解決されることが見出された。特に、式IIIの化合物とシクロプロパンカルボニルクロリドとのアシル化反応から得られた原産物の結晶化の母液は大量のピリピロペン化合物を含み、これを鹸化して式IIIの化合物が得られることが見出された。従って、母液に含まれるピリピロペン化合物の画分は、この画分を式IIの化合物の鹸化に再利用し、それにより得られた混合物をその後のシクロプロパンカルボニルクロリドとのアシル化反応において使用することによって、式IIの化合物に加えて、式Iの化合物の製造のためのさらなる出発物質として使用することができる。驚くべきことに、母液に含まれるピリピロペン化合物の画分の再利用は、得られる式Iのピリピロペン化合物の純度および収率に関して有害ではない。むしろ、上記の再利用は、式IIIの化合物のアシル化反応においてより高い濃度およびより短い反応時間を可能とする。さらに、上記の再利用は、アシル化反応に由来する副生成物が回収されるに従って収率損失を低減する。
従って、本発明は式Iのピリピロペン化合物の製造方法に関し、この方法は、以下のステップ:
i) 式IIのピリピロペン化合物(ピリピロペンA)をアルカリ加水分解に供して、式IIIのピリピロペン化合物を得るステップ、
ii) ステップi)で得られた式IIIのピリピロペン化合物をシクロプロパンカルボニルクロリドと反応させて、式Iのピリピロペン化合物を含む原産物を得るステップ;
iii) ステップii)の原産物を結晶化に供し、結晶性の式Iのピリピロペン化合物および母液を得るステップ;ならびに
iv) 母液またはその画分を含むピリピロペン化合物をステップi)のアルカリ加水分解に再利用するステップ
を含む。
i) 式IIのピリピロペン化合物(ピリピロペンA)をアルカリ加水分解に供して、式IIIのピリピロペン化合物を得るステップ、
ii) ステップi)で得られた式IIIのピリピロペン化合物をシクロプロパンカルボニルクロリドと反応させて、式Iのピリピロペン化合物を含む原産物を得るステップ;
iii) ステップii)の原産物を結晶化に供し、結晶性の式Iのピリピロペン化合物および母液を得るステップ;ならびに
iv) 母液またはその画分を含むピリピロペン化合物をステップi)のアルカリ加水分解に再利用するステップ
を含む。
本発明の方法は、天然の物質である式IIの1,7,11-トリ-O-アセチル化合物(すなわちピリピロペンA)から出発し、これは、WO 94/09147、EP 1889540、WO 2004/060065, EP 2186815およびそれらに引用される先行技術文献に記載される方法と同様の方法で製造することができる。
ステップi)において、式IIの1,7,11-トリ-O-アセチル化合物は鹸化/加水分解され、式IIIの1,7,11-トリデアシル化合物が得られる。本発明によれば、それ以前の実施の母液またはその画分を含むピリピロペン化合物は、上記のステップi)の鹸化反応に再利用され、母液に含まれるピリピロペン化合物の鹸化/加水分解によってさらなる量の式IIIの1,7,11-トリデアシル化合物が得られる。
母液またはその画分を含むピリピロペン化合物の、ステップi)の鹸化への再利用は、母液またはその画分を含むピリピロペン化合物を新たな式IIの化合物と合わせて、それにより得られた混合物を鹸化条件に供することによって達成することができる。母液の再利用またはその画分を含むピリピロペン化合物の再利用は、最初に、母液に含まれるピリピロペン化合物を鹸化/加水分解反応に供し、母液に含まれるピリピロペン化合物中に存在するエステル基の少なくとも部分的な加水分解を達成し、それにより得られた混合物に式IIの新たな化合物を加えて、鹸化/加水分解を続けて式IIIの化合物を得ることによって好ましく達成される。当然のことながら、最初に、式IIの新たな化合物を鹸化/加水分解反応に供し、そこに存在するエステル基の少なくとも部分的な加水分解を達成し、それにより得られた混合物に母液に含まれるピリピロペン化合物を加えて、鹸化/加水分解を続けて式IIIの化合物を得ることも可能である。
特に、新たな式IIのピリピロペン化合物と、ステップi)のアルカリ加水分解に再利用される母液または画分を含むピリピロペン化合物との相対量は、再利用される母液またはその画分に含まれるピリピロペン化合物と新たな式IIのピリピロペンとのモル比が、1:5〜5:1、特に1:3〜3:1の範囲内となるように選択される。
母液に含まれるピリピロペン化合物は、通常、少なくとも1個、特に1、2または3個の基Ra、Rb、RcおよびRdがシクロプロピルカルボニルであるが、他の基Ra、Rb、RcおよびRdが水素である、少なくとも1種の式IVの化合物を含む。特に、母液に含まれるピリピロペン化合物は、2種以上の、以下から選択される式IVの化合物を含む:
a) 式IVaの1,7,11-トリ-O-シクロプロピルカルボニル化合物、すなわち、Ra=Hであり、且つRb=Rc=Rd=シクロプロピルカルボニルである式IVの化合物;
b) 式IVbの1-、7-および11-モノ-O-シクロプロピルカルボニル化合物、すなわちRa=Hであり、且つRb、RcおよびRdの1個はシクロプロピルカルボニルであるが、Rb、RcおよびRdの他の2個は水素である式IVの化合物;
c) 式IVcの1,7-、1,11-および7,11-ジ-O-シクロプロピルカルボニル化合物、すなわち、Ra=Hであり、且つRb、RcおよびRdの2個はシクロプロピルカルボニルであるが、Rb、RcおよびRdの他の1個は水素である式IVの化合物。
a) 式IVaの1,7,11-トリ-O-シクロプロピルカルボニル化合物、すなわち、Ra=Hであり、且つRb=Rc=Rd=シクロプロピルカルボニルである式IVの化合物;
b) 式IVbの1-、7-および11-モノ-O-シクロプロピルカルボニル化合物、すなわちRa=Hであり、且つRb、RcおよびRdの1個はシクロプロピルカルボニルであるが、Rb、RcおよびRdの他の2個は水素である式IVの化合物;
c) 式IVcの1,7-、1,11-および7,11-ジ-O-シクロプロピルカルボニル化合物、すなわち、Ra=Hであり、且つRb、RcおよびRdの2個はシクロプロピルカルボニルであるが、Rb、RcおよびRdの他の1個は水素である式IVの化合物。
母液に含まれるピリピロペン化合物は、多くの場合、少なくとも式IIの化合物と、少なくとも1個、特に1、2または3個の基Ra、Rb、RcおよびRdはシクロプロピルカルボニルであるが、他のRa、Rb、RcおよびRdは水素である少なくとも1種のさらなる式IVの化合物とを含む。母液に含まれるピリピロペン化合物は、通常、少なくとも式IIの化合物と、化合物IVa、IVbおよびIVcから選択される少なくとも1種のさらなる式IVの化合物とを含む。
式IIの1,7,11-トリ-O-アセチル化合物および母液に含まれるピリピロペン化合物の画分の鹸化または加水分解は、例えばEP1889540に記載される標準方法に従って達成することができる。
ステップi)における鹸化は、通常、式IIの化合物もしくは再利用される母液に含まれるピリピロペン化合物の画分またはそれらの混合物と、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属C1-C4-アルコキシドおよびアルカリ土類金属C1-C4-アルコキシドから選択される塩基とを反応させることによって達成される。好ましい塩基は、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ金属メトキシド、特に水酸化ナトリウムおよびナトリウムメトキシドである。塩基の量は、一般的に、式IIの化合物中に存在するエステル基とステップi)で再利用されるピリピロペン化合物との総量に対して、0.2〜2当量、特に0.2〜1.5当量である。好ましくは、塩基の量は、20〜50℃(例えば20℃)における、得られた反応混合物のpH値がpH13を上回らず、かつ特にpH10〜pH13の範囲内であるように選択される。
鹸化反応は、水中、有機溶媒中または有機溶媒と水との混合物中で実施することができる。好ましくは、鹸化は、有機溶媒中または有機溶媒と水との混合物中で実施される。特に、鹸化に使用される溶媒は、溶媒の総量に対して、少なくとも90重量%の有機溶媒を含む。
鹸化中のピリピロペン化合物の濃度は、一般的に、反応混合物の総量に対して1〜50重量%、特に5〜40重量%である。
鹸化に適した有機溶媒は、反応条件下で不活性な任意の有機溶媒である。鹸化に適した有機溶媒としては、C1-C4-アルカノール(例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール)、脂肪族または脂環式エーテル(例えばジエチルエーテル、ジ-n-プロピルエーテル、ジソプロピルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、エチルtert-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフランおよびジオキサン)、芳香族炭化水素(例えばトルエンまたはエチルベンゼン)およびそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、鹸化のための有機溶媒は、少なくとも1種のC1-C4-アルカノール(とりわけメタノール)を含む。特に、鹸化のための有機溶媒は、少なくとも1種のC1-C4-アルカノール(とりわけメタノール)と、少なくとも1種の芳香族炭化水素(とりわけトルエンおよび/またはエチルベンゼン)を含む。さらに好ましくは、鹸化のための有機溶媒は、少なくとも1種のC1-C4-アルカノール(とりわけメタノール)と、少なくとも1種の芳香族炭化水素(とりわけトルエンおよび/またはエチルベンゼン)との混合物である。とりわけ、鹸化は、溶媒の総量に対して少なくとも90%の、少なくとも1種のC1-C4-アルカノール(とりわけメタノール)と少なくとも1種の芳香族炭化水素(とりわけトルエンおよび/またはエチルベンゼン)との混合物を含む溶媒中で実施される。別の特別な実施形態において、鹸化は、水と、少なくとも1種のC1-C4-アルカノール(とりわけメタノール)と少なくとも1種の芳香族炭化水素(とりわけトルエンおよび/またはエチルベンゼン)との混合物である有機溶媒との混合物中で実施される。さらに特別な実施形態において、鹸化は、水と、少なくとも1種のC1-C4-アルカノール(とりわけメタノール)との混合物中で実施される。
ステップi)の鹸化は、一般的に、10〜100℃、特に15〜60℃、とりわけ20〜50℃の範囲内の温度で実施される。
本発明の方法のステップii)において、ステップi)において得られた式IIIのピリピロペン化合物をシクロプロパンカルボニルクロリドと反応させ、式Iのピリピロペン化合物を含む原産物を得る。
ステップii)の反応は、通常、極性非プロトン性溶媒中の式IIIの化合物の溶液または懸濁液において実施される。好適な極性非プロトン性溶媒は、特に、極性非プロトン性アミド、例えばN-C1-C3-アルキルラクタム(例えばN-メチルピロリドンまたはN-エチルピロリドン)、C1-C4アルカン酸のN,N-ジ-C1-C3-アルキルアミド(例えばN,N-ジメチルホルムアミドまたはN,N-ジメチルアセトアミド)、N,N'-ジ-C1-C3-アルキルイミダゾリン-2-オン(例えばN,N-ジメチルイミダゾリン-2-オン)、ならびにN,N,N',N'-テトラ-C1-C3-アルキル尿素(例えばN,N,N',N'-テトラメチル尿素)およびそれらの混合物である。特に、極性非プロトン性溶媒は、N-メチルピロリドンおよびN,N-ジメチルアセトアミドから選択される。とりわけ、極性非プロトン性溶媒は、N,N-ジメチルアセトアミドである。
多くの場合、式IIIの化合物と極性非プロトン性溶媒との相対量は、極性非プロトン性溶媒と化合物IIIとの重量比が、6:1〜1:1、特に4:1〜2:1、とりわけ3:1〜2.2:1となるように選択される。
多くの場合、ステップii)におけるシクロプロピルカルボニルクロリドの量は、式IIIの化合物1モル当たり2モル〜5モル、特に2.5〜4モル、とりわけ2.8〜3.2モルである。好ましくは、シクロプロピルカルボニルクロリドは、非プロトン性極性溶媒中の式Iの化合物の溶液または懸濁液に添加される。好ましくは、上記の添加は、反応容器中の温度が15℃(特に10℃)を上回らないように、制御された様式で実施される。
ステップii)の反応は、一般的に、-15〜+15℃、特に-10〜+10℃、とりわけ-5〜+5℃の範囲内の温度で実施される。反応時間は、一般的に、10〜80時間、特に15〜48時間、とりわけ20〜45時間である。
ステップii)の反応は、水の添加または水性塩基の添加によって好ましく停止される(すなわちクエンチされる)。好適な塩基としては、特に、無機塩基、例えばアルカリ金属炭酸水素塩(例えば炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウム)、アルカリ金属炭酸塩(例えば炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム)、およびアルカリ金属水酸化物(例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム)が挙げられる。好ましい塩基は、アルカリ金属炭酸水素塩およびアルカリ金属炭酸塩、特に炭酸水素ナトリウムおよび炭酸ナトリウム、とりわけ炭酸ナトリウムである。塩基の量は、一般的に、結果として得られた反応混合物のpHが、pH1〜pH8、特にpH2〜pH7の範囲内となるように選択される。
一般的に、このように得られ、場合によりクエンチされているステップii)の反応混合物は、水性ワークアップに供される。水性ワークアップのため、場合によりクエンチされているステップii)の反応混合物は、通常、限定された水中溶解度の有機溶媒と水相に分配される。水相は、反応混合物の極性副生成物(例えば塩および極性非プロトン性溶媒)の抽出剤としての役割を果たす。水性ワークアップのための好適な有機溶媒としては、一般的に、20℃において100g/L以下の水中溶解度を有する有機溶媒、特にC1-C4-アルカン酸のC1-C4-アルキルエステル、とりわけ酢酸またはプロピオン酸のC1-C4-アルキルエステル(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、またはプロピオン酸エチル)、およびC1-C4-アルキルベンゼン(例えばトルエンおよびエチルベンゼン)、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
好ましくは、水性ワークアップは、場合によりクエンチされているステップii)の反応混合物の、酸性の水性抽出剤による水性抽出を含む。好適な水性抽出剤は、有機酸または無機酸(例えばリン酸、硫酸、塩酸、ギ酸または酢酸)の水溶液である。好ましい酸性の水性抽出剤は、リン酸を含む。特に好ましい酸性抽出剤は、リン酸の水溶液である。好ましくは、酸性の水性抽出剤中の酸の濃度は、0.01〜1モル/L、特に0.02〜0.5モル/Lである。
酸性抽出は、通常、以下のとおりに実施される:場合によりクエンチされている反応混合物を、限定された水中溶解度の有機溶媒、一般的には、20℃において100g/L以下の水中溶解度を有する有機溶媒、特にC1-C4-アルカン酸のC1-C4-アルキルエステル、とりわけ酢酸またはプロピオン酸のC1-C4-アルキルエステル(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、またはプロピオン酸エチル)、およびC1-C4-アルキルベンゼン(例えばトルエンおよびエチルベンゼン)、ならびにそれらの混合物で希釈する。次いで、それにより得られた希釈物を、酸性抽出剤で抽出する。酸性抽出の後、有機希釈物の水による抽出および/または塩基の水溶液(例えばアルカリ金属炭酸塩またはアルカリ金属炭酸水素塩の水溶液)による抽出を行ってもよい。水相は、場合によりpH>6に(特にpH6.5〜pH9の範囲内のpHに)中和した後に、上記のとおり20℃において100g/L以下の水中溶解度を有する有機溶媒または溶媒混合物で再抽出することができる。再抽出した有機相を、それに続く結晶化の母液と合わせてもよい。
酸性抽出および場合によりさらなる抽出は、一般的に、溶媒/水混合物の凝固点と沸点の間の温度で実施される。多くの場合、酸性抽出および場合によりさらなる抽出は、一般的に、5〜90℃、特に10〜70℃およびとりわけ15〜55℃の範囲内の温度で実施される。
本発明によれば、式Iの化合物は、ステップii)の原産物を、結晶形態の式Iのピリピロペン化合物を得るための結晶化に供することによって得られる。さらに、上記の式IVのピリピロペン化合物および場合により未反応の式IIIの化合物を含む母液が得られる。
原産物の結晶化は、単一の結晶化ステップまたは2つ以上の結晶化ステップを含み得る。
原産物の結晶化は、通常、好適な有機溶媒中の原産物の溶液から生じさせることができる。結晶化のための好適な有機溶媒としては、例えばC1-C4-アルカン酸のC1-C4-アルキルエステル、とりわけ酢酸またはプロピオン酸のC1-C4-アルキルエステル(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、またはプロピオン酸エチル)、およびC1-C4-アルキルベンゼン(例えばトルエンおよびエチルベンゼン)、ならびにそれらの混合物および1種以上の共溶媒(例えばC5-C10-脂肪族炭化水素またはC5-C10-脂環式炭化水素、例えばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等)とのそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、上記の溶媒は、溶媒の総量に対して少なくとも45重量%、特に少なくとも55重量%、例えば45〜80重量%、特に55〜80重量%の、芳香族炭化水素溶媒、C1-C4-アルキル酢酸塩およびそれらの混合物から選択される少なくとも1種の非プロトン性溶媒を含む。結晶化のための特に好ましい溶媒は、酢酸エチル、トルエン、エチルベンゼンならびにそれらの混合物および1種以上の共溶媒(例えばシクロヘキサン)とのそれらの混合物から選択される。とりわけ、上記の溶媒は、溶媒の総量に対して少なくとも45重量%、特に少なくとも55重量%、例えば45〜80重量%、特に55〜80重量%の、酢酸エチル、トルエン、エチルベンゼンおよびそれらの混合物から選択される溶媒を含む。原産物の溶液は、ステップii)の反応混合物の水性ワークアップ後に得られる溶液であってもよい。原産物の溶液は、濃縮または乾燥された水性ワークアップの原産物を、上記の好適な有機溶媒に溶解することによって得ることができる。
結晶化前の、溶液中の原産物の濃度は、一般的に、溶媒および原産物の総量に対して10〜40重量%、特に12〜35重量%、とりわけ15〜30重量%である。
式Iの化合物の結晶化は、一般的に、原産物の溶液を冷却することによって、または原産物の溶液を濃縮することによって、または組み合わせた手段によって達成される。好ましくは、結晶化は、第1の温度を有する溶液から、この溶液を、第1の温度を少なくとも10K、特に少なくとも20K、例えば10〜80K、特に20〜60K下回る第2の温度に冷却することによって生じる。第1の温度は、好ましくは40〜90℃、特に45〜80℃、とりわけ50〜70℃の範囲内であるが、他方、第2の温度は、好ましくは-15〜50℃、特に0〜40℃、とりわけ5〜35℃の範囲内である。好ましくは、冷却速度は20K/hを上回らず、特に1〜20K/h、とりわけ2〜15K/hの範囲内である。
結晶化は、式Iの化合物の種結晶を結晶化用の溶液に添加することによって促進することができる。好ましくは、種結晶は、30〜70℃の範囲内、とりわけ40〜60℃の範囲内の温度において添加される。添加される種結晶の量は、一般的に、結晶化用の溶液に含まれる固体原産物の量に対して0.1〜10重量%、特に0.2〜5重量%である。
次いで、得られた結晶性の式Iの化合物を、その母液から分離する。分離は、固体から液体を分離するのに適した技術によって(例えば濾過または遠心分離によって)達成することができる。
このように得られた結晶性物質は、結晶性物質に付着している母液の残渣を除去するために、好適な有機溶媒で洗浄することができる。洗浄に使用される溶媒は、結晶化の母液が特定量の式Iの化合物を含むため、これと組み合わせてもよい。洗浄に適した溶媒としては、結晶化に適した溶媒として言及される溶媒が挙げられる。好ましくは、洗浄用の溶媒は、溶媒の総量に対して少なくとも50重量%、特に少なくとも80重量%の、芳香族炭化水素溶媒、C1-C4-アルキル酢酸エステルおよびそれらの混合物から選択される少なくとも1種の非プロトン性溶媒を含む。特に好ましい洗浄用の溶媒は、酢酸エチル、トルエン、エチルベンゼンならびにそれらの混合物および1種以上の共溶媒(例えばシクロヘキサン)とのそれらの混合物から選択される。とりわけ、洗浄用の溶媒は、溶媒の総量に対して少なくとも50重量%、特に少なくとも80重量%の、酢酸エチル、トルエン、エチルベンゼンおよびそれらの混合物から選択される溶媒を含む。好ましくは、洗浄は、40℃以下、特に30℃以下の温度で、例えば-15〜40℃、特に0〜30℃の範囲内の温度において実施される。
式Iの化合物の純度をさらに高めるため、結晶化は、1回以上、特に1回または2回繰り返すことが可能であり、すなわち、得られた結晶性物質を再び結晶化させることができる。再結晶化は、原産物の結晶化について記載されているのと同様に実施することができる。その結果得られた母液および洗浄液は、原産物の結晶化において得られた母液および洗浄液と好ましく組み合わされ、本発明の方法のステップi)に戻って一緒に再利用される。
本発明の方法により、式Iの化合物が、一般的には>90%、特に>95%の高収率および高純度で得られる。
以下の実施例は、本発明をさらに説明する。
実験:
以下の実施例において、以下の略語および用語が使用される:
DMAC:N,N-ジメチルアセトアミド
MeOH:メタノール
重量%(% b.w.):重量%
v/v:体積当たり体積
以下の実施例において、以下の略語および用語が使用される:
DMAC:N,N-ジメチルアセトアミド
MeOH:メタノール
重量%(% b.w.):重量%
v/v:体積当たり体積
参考実施例1:
250gの式IIIの化合物(純度95%、0.52モル)を、625gのDMAC(純度100%、7.17モル)中に懸濁し、溶液を-3℃に冷却した。166gのシクロプロパンカルボニルクロリド(純度98%、1.56モル)を20分間加え、温度を0℃未満に保った。上記の反応を0℃で33時間撹拌し、次いで、反応混合物を、962gの炭酸ナトリウム(水中10重量%、0.91モル)と2110gのトルエン(22.91モル)との混合物に、20℃(pH7)において加えた。容器を、50gのDMAC:トルエンの1:1混合物(v/v)でパージした。23℃で相分離させた後、有機相を連続的に、リン酸水溶液(0.2M、750mL、pH2.3〜2)で2回、リン酸水溶液(0.035M、760mL、pH2.2)で1回、炭酸ナトリウム水溶液(1重量%、745mL、pH7.3)で1回および水で1回(250mL)洗浄した。有機相を真空中で濃縮し(70℃、100mbar)、666gの式Iの化合物の25.2重量%の溶液(0.28モル、収率54%)を得て、これを結晶化に供することができた。
250gの式IIIの化合物(純度95%、0.52モル)を、625gのDMAC(純度100%、7.17モル)中に懸濁し、溶液を-3℃に冷却した。166gのシクロプロパンカルボニルクロリド(純度98%、1.56モル)を20分間加え、温度を0℃未満に保った。上記の反応を0℃で33時間撹拌し、次いで、反応混合物を、962gの炭酸ナトリウム(水中10重量%、0.91モル)と2110gのトルエン(22.91モル)との混合物に、20℃(pH7)において加えた。容器を、50gのDMAC:トルエンの1:1混合物(v/v)でパージした。23℃で相分離させた後、有機相を連続的に、リン酸水溶液(0.2M、750mL、pH2.3〜2)で2回、リン酸水溶液(0.035M、760mL、pH2.2)で1回、炭酸ナトリウム水溶液(1重量%、745mL、pH7.3)で1回および水で1回(250mL)洗浄した。有機相を真空中で濃縮し(70℃、100mbar)、666gの式Iの化合物の25.2重量%の溶液(0.28モル、収率54%)を得て、これを結晶化に供することができた。
参考実施例2:
250gの式IIIの化合物(純度95%、0.52モル)を、625gのDMAC(純度100%、7.17モル)中に懸濁し、この溶液を-3℃に冷却した。166gのシクロプロパンカルボニルクロリド(純度98%、1.56モル)を20分間加えて、温度を0℃未満に保った。上記の反応を0℃で32時間撹拌し、次いで、反応混合物を、957gの炭酸ナトリウム(水中10%、0.91モル)と2110gのトルエン(100%、22.91モル)との混合物に、20℃(pH6.3)において加えた。容器を、50gのDMAC:トルエンの1:1混合物(v/v)でパージした。23℃で相分離させた後、有機相を、連続的に、リン酸水溶液(0.2M、750mL、pH2.1〜1.8)で2回、リン酸水溶液(0.035M、760mL、pH2.7)で1回、炭酸ナトリウム水溶液(1重量%、745mL、pH7.2)で1回、および水で1回(250mL)洗浄した。有機相を真空中で濃縮し(70℃、100mbar)、666gの式Iの化合物の25重量%溶液を得た。630gの上記の溶液を55℃に加熱し、0.80gの式Iの化合物を播種し、5K/hで0℃に冷却し、さらに12時間撹拌した。得られた固体(162g、トルエン湿性)を濾過し、0℃にてトルエン(360mL)で洗浄し、726gの母液1を得た。159gのトルエン湿性固体を356mLの酢酸エチルに懸濁し、2時間70℃に加熱して懸濁液を得て、これをその後10K/hで20℃に冷却した。その結果、式Iの化合物が結晶化した。この結晶を濾過除去し、酢酸エチル(341gの母液2)で洗浄し、真空乾燥し、これにより126gの式Iの化合物(純度98%、0.21モル、収率40%)を得た。
250gの式IIIの化合物(純度95%、0.52モル)を、625gのDMAC(純度100%、7.17モル)中に懸濁し、この溶液を-3℃に冷却した。166gのシクロプロパンカルボニルクロリド(純度98%、1.56モル)を20分間加えて、温度を0℃未満に保った。上記の反応を0℃で32時間撹拌し、次いで、反応混合物を、957gの炭酸ナトリウム(水中10%、0.91モル)と2110gのトルエン(100%、22.91モル)との混合物に、20℃(pH6.3)において加えた。容器を、50gのDMAC:トルエンの1:1混合物(v/v)でパージした。23℃で相分離させた後、有機相を、連続的に、リン酸水溶液(0.2M、750mL、pH2.1〜1.8)で2回、リン酸水溶液(0.035M、760mL、pH2.7)で1回、炭酸ナトリウム水溶液(1重量%、745mL、pH7.2)で1回、および水で1回(250mL)洗浄した。有機相を真空中で濃縮し(70℃、100mbar)、666gの式Iの化合物の25重量%溶液を得た。630gの上記の溶液を55℃に加熱し、0.80gの式Iの化合物を播種し、5K/hで0℃に冷却し、さらに12時間撹拌した。得られた固体(162g、トルエン湿性)を濾過し、0℃にてトルエン(360mL)で洗浄し、726gの母液1を得た。159gのトルエン湿性固体を356mLの酢酸エチルに懸濁し、2時間70℃に加熱して懸濁液を得て、これをその後10K/hで20℃に冷却した。その結果、式Iの化合物が結晶化した。この結晶を濾過除去し、酢酸エチル(341gの母液2)で洗浄し、真空乾燥し、これにより126gの式Iの化合物(純度98%、0.21モル、収率40%)を得た。
実施例1(最初の実施):
250gの式IIIの化合物(純度95%、0.52モル)を、625gのDMAC(純度100%、7.17モル)中に懸濁し、溶液を-3℃に冷却した。166gのシクロプロパンカルボニルクロリド(純度98%、1.56モル)を20分間加えて、温度を0℃未満に保った。反応物を、43時間0℃で撹拌し、次いで、反応混合物を、962gの炭酸ナトリウム(水中10重量%、0.91モル)と、2110gのトルエン(22.91モル)との混合物に、15℃(pH7.1)において加えた。容器を、50gのDMAC:トルエンの1:1混合物(v/v)でパージした。15℃で相分離させた後、有機相を、連続的に、リン酸水溶液(0.2M、750mL、pH2.1〜2.0)で2回、リン酸水溶液(0.035M、760mL、pH2.4)で1回、炭酸ナトリウム水溶液(1重量%、745mL、pH7.3)で1回および水(250mL)で1回洗浄した。有機相を真空中で濃縮し(70℃、100mbar)、666gの式Iの化合物の25.4重量%溶液を得た。640gの上記の溶液を55℃に加熱し、0.84gの式Iの化合物を播種し、5K/hで0℃に冷却し、さらに12時間撹拌した。得られた固体を濾過除去し、トルエン(280mLおよび80mL)で洗浄し、729gの母液1および187gの式Iの化合物(トルエン湿性)を得た。175gのトルエン湿性固体を350mLの酢酸エチルに懸濁し、2時間70℃に加熱して懸濁液を得て、これをその後10K/hで20℃に冷却した。その結果、式Iの化合物が結晶化した。この結晶を濾過除去し、140mLの酢酸エチルで洗浄して真空乾燥し、これにより123gの式Iの化合物(純度98%、0.21モル、収率40%)および399gの母液2を得た。合わせた水相および3つの酸相(3951g)を、53gの炭酸ナトリウム(100%、0.5モル)でpH7.3に中和し、400gのトルエンで70℃において3回再抽出し、1082gの母液3を得た。
250gの式IIIの化合物(純度95%、0.52モル)を、625gのDMAC(純度100%、7.17モル)中に懸濁し、溶液を-3℃に冷却した。166gのシクロプロパンカルボニルクロリド(純度98%、1.56モル)を20分間加えて、温度を0℃未満に保った。反応物を、43時間0℃で撹拌し、次いで、反応混合物を、962gの炭酸ナトリウム(水中10重量%、0.91モル)と、2110gのトルエン(22.91モル)との混合物に、15℃(pH7.1)において加えた。容器を、50gのDMAC:トルエンの1:1混合物(v/v)でパージした。15℃で相分離させた後、有機相を、連続的に、リン酸水溶液(0.2M、750mL、pH2.1〜2.0)で2回、リン酸水溶液(0.035M、760mL、pH2.4)で1回、炭酸ナトリウム水溶液(1重量%、745mL、pH7.3)で1回および水(250mL)で1回洗浄した。有機相を真空中で濃縮し(70℃、100mbar)、666gの式Iの化合物の25.4重量%溶液を得た。640gの上記の溶液を55℃に加熱し、0.84gの式Iの化合物を播種し、5K/hで0℃に冷却し、さらに12時間撹拌した。得られた固体を濾過除去し、トルエン(280mLおよび80mL)で洗浄し、729gの母液1および187gの式Iの化合物(トルエン湿性)を得た。175gのトルエン湿性固体を350mLの酢酸エチルに懸濁し、2時間70℃に加熱して懸濁液を得て、これをその後10K/hで20℃に冷却した。その結果、式Iの化合物が結晶化した。この結晶を濾過除去し、140mLの酢酸エチルで洗浄して真空乾燥し、これにより123gの式Iの化合物(純度98%、0.21モル、収率40%)および399gの母液2を得た。合わせた水相および3つの酸相(3951g)を、53gの炭酸ナトリウム(100%、0.5モル)でpH7.3に中和し、400gのトルエンで70℃において3回再抽出し、1082gの母液3を得た。
実施例2:同時鹸化による式IIIの化合物の回収
実施例1の母液2を、60℃および100mbarにおいて蒸発乾固した。次いで、実施例1の母液1および3を、358gの溶液が得られるまで連続的に連続蒸発させた。溶液をMeOH(357g)で希釈し、118gの結果として得られた0.043モルの式Iの化合物と誘導体IVとを含むMeOH/トルエン混合物を、以下の鹸化のために採取した。470gのMeOHをこの混合物に加え、混合物を30℃に温めた。7.5gの水酸化ナトリウム(50%、0.094モル)を加えて、反応混合物を10時間(pH12.9)撹拌した。次いで、170gのトルエン中の式IIの化合物の溶液(17.5重量%、0.051モル)を加えて、4時間撹拌を続けた。22℃に冷却した後、混合物を濾過し、0℃にてMeOHで2回(各回30mL)洗浄した。100℃にて真空乾燥した後、41.8gの式IIIの化合物(純度91.8%、0.084モル、収率89%)を得た。
実施例1の母液2を、60℃および100mbarにおいて蒸発乾固した。次いで、実施例1の母液1および3を、358gの溶液が得られるまで連続的に連続蒸発させた。溶液をMeOH(357g)で希釈し、118gの結果として得られた0.043モルの式Iの化合物と誘導体IVとを含むMeOH/トルエン混合物を、以下の鹸化のために採取した。470gのMeOHをこの混合物に加え、混合物を30℃に温めた。7.5gの水酸化ナトリウム(50%、0.094モル)を加えて、反応混合物を10時間(pH12.9)撹拌した。次いで、170gのトルエン中の式IIの化合物の溶液(17.5重量%、0.051モル)を加えて、4時間撹拌を続けた。22℃に冷却した後、混合物を濾過し、0℃にてMeOHで2回(各回30mL)洗浄した。100℃にて真空乾燥した後、41.8gの式IIIの化合物(純度91.8%、0.084モル、収率89%)を得た。
実施例3(最初の実施):
60gの式IIIの化合物(純度95%、0.12モル)を150gのDMAC(純度100%、1.72モル)中に懸濁し、溶液を-3℃に冷却した。40gのシクロプロパンカルボニルクロリド(純度98%、0.37モル)を20分以内に加えて、温度を0℃未満に保った。反応混合物を0℃で43時間撹拌し、次いで、232gの炭酸ナトリウム水溶液(水中10重量%、0.03モル)と850gのエチルベンゼン(8.02モル)との混合物に、15℃(pH7)において加えた。反応容器を15gのDMACでパージした。70℃で相分離させた後、有機相を、連続的に、希釈リン酸水溶液(0.1M、180mL、pH3.2-2.3)で3回および水(180mL、pH2.8)で1回洗浄した。有機相を真空中で濃縮し(70℃、90mbar)、式Iの化合物の18重量%溶液を得た。この溶液を55℃に加熱し、式Iの化合物を播種し、5K/hで0℃に冷却した。得られた固体を濾過除去し、エチルベンゼン(50mL)で洗浄し、205gの母液1および44gのエチルベンゼン湿性固体を得た。44gのエチルベンゼン湿性固体を88mLの酢酸エチルに懸濁し、70℃に2時間加熱し、その後10K/hで20℃に冷却した。その結果、式Iの化合物が結晶化した。この結晶を濾過除去し、50mLの酢酸エチル(82gの母液2)で洗浄して真空乾燥し、これにより31.5gの式Iの化合物(純度97%、0.05モル、収率41%)を得た。
60gの式IIIの化合物(純度95%、0.12モル)を150gのDMAC(純度100%、1.72モル)中に懸濁し、溶液を-3℃に冷却した。40gのシクロプロパンカルボニルクロリド(純度98%、0.37モル)を20分以内に加えて、温度を0℃未満に保った。反応混合物を0℃で43時間撹拌し、次いで、232gの炭酸ナトリウム水溶液(水中10重量%、0.03モル)と850gのエチルベンゼン(8.02モル)との混合物に、15℃(pH7)において加えた。反応容器を15gのDMACでパージした。70℃で相分離させた後、有機相を、連続的に、希釈リン酸水溶液(0.1M、180mL、pH3.2-2.3)で3回および水(180mL、pH2.8)で1回洗浄した。有機相を真空中で濃縮し(70℃、90mbar)、式Iの化合物の18重量%溶液を得た。この溶液を55℃に加熱し、式Iの化合物を播種し、5K/hで0℃に冷却した。得られた固体を濾過除去し、エチルベンゼン(50mL)で洗浄し、205gの母液1および44gのエチルベンゼン湿性固体を得た。44gのエチルベンゼン湿性固体を88mLの酢酸エチルに懸濁し、70℃に2時間加熱し、その後10K/hで20℃に冷却した。その結果、式Iの化合物が結晶化した。この結晶を濾過除去し、50mLの酢酸エチル(82gの母液2)で洗浄して真空乾燥し、これにより31.5gの式Iの化合物(純度97%、0.05モル、収率41%)を得た。
実施例4:同時鹸化による式IIIの化合物の回収
実施例3の82gの母液2を80℃で蒸発乾固した(200→20mbar)。得られた残渣に205gの母液1を加え、得られた混合物を40mbar、65℃にて80gに濃縮した。このように得られた溶液を720gのMeOHで希釈し、55mmolの式Iの化合物および誘導体を含む溶液を得た。この溶液を30℃に温め、5gの水酸化ナトリウム(50%、62.5mmol)を加え(pH12.2)、結果として得られた混合物を24時間撹拌した。次いで、300gのエチルベンゼン中の式IIの化合物の溶液(22.4重量%、115mmol)と6gの水酸化ナトリウム水溶液(50重量%、75.0mmol)を連続的に加えた。3時間後、反応混合物を22℃に冷却した。沈殿物を濾過除去し、MeOHで2回(各回60mL)洗浄した。固体を25mbarおよび100℃にて乾燥させ、73gの式IIIの化合物(純度94.4%、151mmol、収率88%)を得た。
実施例3の82gの母液2を80℃で蒸発乾固した(200→20mbar)。得られた残渣に205gの母液1を加え、得られた混合物を40mbar、65℃にて80gに濃縮した。このように得られた溶液を720gのMeOHで希釈し、55mmolの式Iの化合物および誘導体を含む溶液を得た。この溶液を30℃に温め、5gの水酸化ナトリウム(50%、62.5mmol)を加え(pH12.2)、結果として得られた混合物を24時間撹拌した。次いで、300gのエチルベンゼン中の式IIの化合物の溶液(22.4重量%、115mmol)と6gの水酸化ナトリウム水溶液(50重量%、75.0mmol)を連続的に加えた。3時間後、反応混合物を22℃に冷却した。沈殿物を濾過除去し、MeOHで2回(各回60mL)洗浄した。固体を25mbarおよび100℃にて乾燥させ、73gの式IIIの化合物(純度94.4%、151mmol、収率88%)を得た。
実施例5:実施例4の回収された物質を使用することによる式Iの化合物の調製
60gの実施例4で得られた式IIIの化合物(純度94.4%、0.12モル)を150gのDMAC(純度 100%、1.72モル)に懸濁し、懸濁液を-3℃に冷却した。40gのシクロプロパンカルボニルクロリド(純度98%、0.37モル)を20分以内に加え、温度を0℃未満に保った。反応混合物を41時間0℃で撹拌し、次いで、232gの炭酸ナトリウム(水中10重量%、0.03モル)と852gのエチルベンゼン(100%、8.02モル)との混合物に、15℃(pH7)において加えた。容器を15gのDMACでパージした。70℃で相分離させた後、有機相を、連続的に、希釈リン酸水溶液(0.1M、180mL、pH2.8〜2.3)で3回、さらに水(180mL、pH2.9)で1回洗浄した。有機相を真空中で濃縮し(70℃、90mbar)、式Iの化合物の18重量%溶液を得た。この溶液を55℃に加熱し、式Iの化合物を播種し、5K/hで0℃に冷却した。得られた固体を濾過除去し、エチルベンゼン(50mL)で洗浄し、211gの母液1と44gのエチルベンゼン湿性固体を得た。44gのエチルベンゼン湿性固体を88mLの酢酸エチルに懸濁し、70℃に2時間加熱し、その後10K/hで20℃に冷却した。その結果、式Iの化合物が結晶化した。この結晶を濾過除去し、50mLの酢酸エチル(82gの母液2)で洗浄して真空乾燥し、これにより29.5gの式Iの化合物(純度98%、0.05モル、収率41%)を得た。
60gの実施例4で得られた式IIIの化合物(純度94.4%、0.12モル)を150gのDMAC(純度 100%、1.72モル)に懸濁し、懸濁液を-3℃に冷却した。40gのシクロプロパンカルボニルクロリド(純度98%、0.37モル)を20分以内に加え、温度を0℃未満に保った。反応混合物を41時間0℃で撹拌し、次いで、232gの炭酸ナトリウム(水中10重量%、0.03モル)と852gのエチルベンゼン(100%、8.02モル)との混合物に、15℃(pH7)において加えた。容器を15gのDMACでパージした。70℃で相分離させた後、有機相を、連続的に、希釈リン酸水溶液(0.1M、180mL、pH2.8〜2.3)で3回、さらに水(180mL、pH2.9)で1回洗浄した。有機相を真空中で濃縮し(70℃、90mbar)、式Iの化合物の18重量%溶液を得た。この溶液を55℃に加熱し、式Iの化合物を播種し、5K/hで0℃に冷却した。得られた固体を濾過除去し、エチルベンゼン(50mL)で洗浄し、211gの母液1と44gのエチルベンゼン湿性固体を得た。44gのエチルベンゼン湿性固体を88mLの酢酸エチルに懸濁し、70℃に2時間加熱し、その後10K/hで20℃に冷却した。その結果、式Iの化合物が結晶化した。この結晶を濾過除去し、50mLの酢酸エチル(82gの母液2)で洗浄して真空乾燥し、これにより29.5gの式Iの化合物(純度98%、0.05モル、収率41%)を得た。
本願は、以下の態様を含む。
[項1]
式I:
で表されるピリピロペン化合物の製造方法であって、以下のステップ:
i) 式IIで表されるピリピロペン化合物をアルカリ加水分解に供し、式IIIで表されるピリピロペン化合物を得るステップ、
ii) ステップi)で得られた式IIIのピリピロペン化合物をシクロプロパンカルボニルクロリドと反応させて、式Iのピリピロペン化合物を含む原産物を得るステップ;
iii) ステップii)の原産物を結晶化に供し、結晶性の式Iのピリピロペン化合物および母液を得るステップ;ならびに
iv) 該母液またはその画分を含むピリピロペン化合物を、ステップi)のアルカリ加水分解に再利用するステップ
を含む、前記方法。
[項2]
ステップii)が、N-メチルピロリドンおよびジメチルアセトアミドから選択される極性非プロトン性溶媒中の式IIIの化合物の溶液または懸濁液中で実施される、項1に記載の方法。
[項3]
極性非プロトン性溶媒と化合物IIIとの重量比が、6:1〜1:1、特に4:1〜2:1である、項2に記載の方法。
[項4]
ステップii)の反応混合物が酸性の水性抽出剤による水性抽出に供される、項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
[項5]
ステップii)の反応混合物が反応混合物の中和およびその後の酸性の水性抽出剤による水性抽出を含むワークアップに供される、項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
[項6]
酸性の水性抽出剤がリン酸を含む、項4に記載の方法。
[項7]
原産物の結晶化が、少なくとも1種の有機溶媒中の原産物の溶液から達成され、その溶媒は、溶媒の総量に対して少なくとも50%の、芳香族炭化水素溶媒、酢酸C1-C4-アルキルおよびそれらの混合物から選択される少なくとも1種の非プロトン性溶媒を含む、項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
[項8]
式IIのピリピロペン化合物と、ステップi)のアルカリ加水分解に再利用される母液または画分を含むピリピロペン化合物との相対量が、再利用されるピリピロペン化合物と式IIの新たなピリピロペンとのモル比が1:5〜5:1、特に1:3〜3:1の範囲内となる量である、項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
[項9]
ステップi)における加水分解が、有機溶媒中または有機溶媒と水との混合物中で、式IIの化合物を、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属C1-C4-アルコキシドおよびアルカリ土類金属C1-C4-アルコキシドから選択される、特に水酸化ナトリウムおよびナトリウムメトキシドから選択される塩基と反応させることによって達成される、項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
[項10]
前記有機溶媒が、少なくとも1種のC1-C4-アルカノール(とりわけメタノール)を含む、項9に記載の方法。
[項11]
有機溶媒が、有機溶媒の全量に対して少なくとも90%の、少なくとも1種のアルキル芳香族炭化水素溶媒(とりわけトルエンおよび/またはエチルベンゼン)ならびに少なくとも1種のC1-C4-アルカノール(とりわけメタノール)の混合物を含む、項9または11に記載の方法。
[項1]
式I:
i) 式IIで表されるピリピロペン化合物をアルカリ加水分解に供し、式IIIで表されるピリピロペン化合物を得るステップ、
iii) ステップii)の原産物を結晶化に供し、結晶性の式Iのピリピロペン化合物および母液を得るステップ;ならびに
iv) 該母液またはその画分を含むピリピロペン化合物を、ステップi)のアルカリ加水分解に再利用するステップ
を含む、前記方法。
[項2]
ステップii)が、N-メチルピロリドンおよびジメチルアセトアミドから選択される極性非プロトン性溶媒中の式IIIの化合物の溶液または懸濁液中で実施される、項1に記載の方法。
[項3]
極性非プロトン性溶媒と化合物IIIとの重量比が、6:1〜1:1、特に4:1〜2:1である、項2に記載の方法。
[項4]
ステップii)の反応混合物が酸性の水性抽出剤による水性抽出に供される、項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
[項5]
ステップii)の反応混合物が反応混合物の中和およびその後の酸性の水性抽出剤による水性抽出を含むワークアップに供される、項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
[項6]
酸性の水性抽出剤がリン酸を含む、項4に記載の方法。
[項7]
原産物の結晶化が、少なくとも1種の有機溶媒中の原産物の溶液から達成され、その溶媒は、溶媒の総量に対して少なくとも50%の、芳香族炭化水素溶媒、酢酸C1-C4-アルキルおよびそれらの混合物から選択される少なくとも1種の非プロトン性溶媒を含む、項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
[項8]
式IIのピリピロペン化合物と、ステップi)のアルカリ加水分解に再利用される母液または画分を含むピリピロペン化合物との相対量が、再利用されるピリピロペン化合物と式IIの新たなピリピロペンとのモル比が1:5〜5:1、特に1:3〜3:1の範囲内となる量である、項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
[項9]
ステップi)における加水分解が、有機溶媒中または有機溶媒と水との混合物中で、式IIの化合物を、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属C1-C4-アルコキシドおよびアルカリ土類金属C1-C4-アルコキシドから選択される、特に水酸化ナトリウムおよびナトリウムメトキシドから選択される塩基と反応させることによって達成される、項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
[項10]
前記有機溶媒が、少なくとも1種のC1-C4-アルカノール(とりわけメタノール)を含む、項9に記載の方法。
[項11]
有機溶媒が、有機溶媒の全量に対して少なくとも90%の、少なくとも1種のアルキル芳香族炭化水素溶媒(とりわけトルエンおよび/またはエチルベンゼン)ならびに少なくとも1種のC1-C4-アルカノール(とりわけメタノール)の混合物を含む、項9または11に記載の方法。
従って、本発明は式Iのピリピロペン化合物の製造方法に関し、この方法は、以下のステップ:
i) 式IIのピリピロペン化合物(ピリピロペンA)をアルカリ加水分解に供して、式IIIのピリピロペン化合物を得るステップ、
ii) ステップi)で得られた式IIIのピリピロペン化合物をシクロプロパンカルボニルクロリドと反応させて、式Iのピリピロペン化合物を含む原産物を得るステップ;
iii) ステップii)の原産物を結晶化に供し、結晶性の式Iのピリピロペン化合物および母液を得るステップ;ならびに
iv) 母液またはピリピロペン化合物を含むその画分をステップi)のアルカリ加水分解に再利用するステップ
を含む。
i) 式IIのピリピロペン化合物(ピリピロペンA)をアルカリ加水分解に供して、式IIIのピリピロペン化合物を得るステップ、
ii) ステップi)で得られた式IIIのピリピロペン化合物をシクロプロパンカルボニルクロリドと反応させて、式Iのピリピロペン化合物を含む原産物を得るステップ;
iii) ステップii)の原産物を結晶化に供し、結晶性の式Iのピリピロペン化合物および母液を得るステップ;ならびに
iv) 母液またはピリピロペン化合物を含むその画分をステップi)のアルカリ加水分解に再利用するステップ
を含む。
ステップi)において、式IIの1,7,11-トリ-O-アセチル化合物は鹸化/加水分解され、式IIIの1,7,11-トリデアシル化合物が得られる。本発明によれば、それ以前の実施の母液またはピリピロペン化合物を含むその画分は、上記のステップi)の鹸化反応に再利用され、母液に含まれるピリピロペン化合物の鹸化/加水分解によってさらなる量の式IIIの1,7,11-トリデアシル化合物が得られる。
母液またはピリピロペン化合物を含むその画分の、ステップi)の鹸化への再利用は、母液またはピリピロペン化合物を含むその画分を新たな式IIの化合物と合わせて、それにより得られた混合物を鹸化条件に供することによって達成することができる。母液の再利用またはピリピロペン化合物を含むその画分の再利用は、最初に、母液に含まれるピリピロペン化合物を鹸化/加水分解反応に供し、母液に含まれるピリピロペン化合物中に存在するエステル基の少なくとも部分的な加水分解を達成し、それにより得られた混合物に式IIの新たな化合物を加えて、鹸化/加水分解を続けて式IIIの化合物を得ることによって好ましく達成される。当然のことながら、最初に、式IIの新たな化合物を鹸化/加水分解反応に供し、そこに存在するエステル基の少なくとも部分的な加水分解を達成し、それにより得られた混合物に母液に含まれるピリピロペン化合物を加えて、鹸化/加水分解を続けて式IIIの化合物を得ることも可能である。
特に、新たな式IIのピリピロペン化合物と、ステップi)のアルカリ加水分解に再利用される母液またはピリピロペン化合物を含む画分との相対量は、再利用される母液またはその画分に含まれるピリピロペン化合物と新たな式IIのピリピロペンとのモル比が、1:5〜5:1、特に1:3〜3:1の範囲内となるように選択される。
Claims (11)
- ステップii)が、N-メチルピロリドンおよびジメチルアセトアミドから選択される極性非プロトン性溶媒中の式IIIの化合物の溶液または懸濁液中で実施される、請求項1に記載の方法。
- 極性非プロトン性溶媒と化合物IIIとの重量比が、6:1〜1:1、特に4:1〜2:1である、請求項2に記載の方法。
- ステップii)の反応混合物が酸性の水性抽出剤による水性抽出に供される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- ステップii)の反応混合物が反応混合物の中和およびその後の酸性の水性抽出剤による水性抽出を含むワークアップに供される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 酸性の水性抽出剤がリン酸を含む、請求項4に記載の方法。
- 原産物の結晶化が、少なくとも1種の有機溶媒中の原産物の溶液から達成され、その溶媒は、溶媒の総量に対して少なくとも50%の、芳香族炭化水素溶媒、酢酸C1-C4-アルキルおよびそれらの混合物から選択される少なくとも1種の非プロトン性溶媒を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 式IIのピリピロペン化合物と、ステップi)のアルカリ加水分解に再利用される母液または画分を含むピリピロペン化合物との相対量が、再利用されるピリピロペン化合物と式IIの新たなピリピロペンとのモル比が1:5〜5:1、特に1:3〜3:1の範囲内となる量である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- ステップi)における加水分解が、有機溶媒中または有機溶媒と水との混合物中で、式IIの化合物を、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属C1-C4-アルコキシドおよびアルカリ土類金属C1-C4-アルコキシドから選択される、特に水酸化ナトリウムおよびナトリウムメトキシドから選択される塩基と反応させることによって達成される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
- 前記有機溶媒が、少なくとも1種のC1-C4-アルカノール(とりわけメタノール)を含む、請求項9に記載の方法。
- 有機溶媒が、有機溶媒の全量に対して少なくとも90%の、少なくとも1種のアルキル芳香族炭化水素溶媒(とりわけトルエンおよび/またはエチルベンゼン)ならびに少なくとも1種のC1-C4-アルカノール(とりわけメタノール)の混合物を含む、請求項9または11に記載の方法。
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