JP2007069760A - 車両のトラクション制御装置、及び車両のトラクション制御方法 - Google Patents

車両のトラクション制御装置、及び車両のトラクション制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】左右異μ路を走行する際に左右の駆動輪のうち少なくとも一方の駆動輪が駆動スリップした場合においても、搭乗者によるアクセルぺダルの操作量に対応した加速度を得ることができる。
【解決手段】CPUは、左右異μ路を車両が走行する場合には、第1スリップ量閾値KSL1と第2スリップ量閾値KSL2を、第2スリップ量閾値KSL2>第1スリップ量閾値KSL1となるように設定する。さらに、アクセルぺダルが踏込まれた場合、CPUは、液圧回路内のブレーキ液圧の上限値MBPを設定する。そして、前輪のスリップ量SLP≧第1スリップ量閾値KSL1となった場合、CPUは、液圧回路内のブレーキ液圧を上限値MBPの範囲内で増圧させることにより、駆動輪である前輪の駆動スリップを抑制させる。さらに、前輪のスリップ量SLP≧第2スリップ量閾値KSL2となった場合、CPUは、エンジンのトルクの増加を抑制させる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、車両の走行時に駆動輪が駆動スリップすることを抑制する車両のトラクション制御装置、及び車両のトラクション制御方法に関する。
一般に、車両の走行時には、搭乗者がアクセルぺダルを踏込み操作した際に、各車輪のうちエンジンからの駆動力に基づき駆動する駆動輪(例えば、前輪駆動車の場合には左右の前輪)が駆動スリップすることがある。こうした駆動輪の駆動スリップは、車両の走行の安定性を損なう。そこで、従来から駆動輪の駆動スリップを抑制する装置及び方法として、例えば特許文献1に記載の車両のトラクション制御装置、及び車両のトラクション制御方法が提案されている。
すなわち、特許文献1に記載の車両のトラクション制御装置では、駆動輪のスリップ量が予め定めた第1スリップ量閾値以上となった場合に、液圧回路内のブレーキ液圧を増圧させることにより、駆動スリップが発生した駆動輪に対して制動力を付与するようになっている。そして、制動力を付与することにより駆動輪の回転速度を低下させ、その結果、駆動スリップの発生を抑制するようになっている。
また、特許文献1に記載の車両のトラクション制御装置では、駆動輪のスリップ量が前述した第1スリップ量閾値とは別に設定された第2スリップ量閾値以上となった場合に、エンジンのトルクを低下させることで駆動輪の回転速度を低下させ、駆動スリップの発生を抑制するようにもしている。なお、第2スリップ量閾値は、第1スリップ量閾値よりも小さく設定されるのが一般的である。そのため、このような車両のトラクション制御装置においては、駆動輪が駆動スリップする場合、まず、エンジンのトルクを低下させることにより駆動輪のスリップ量の低下を図り、それでも駆動輪のスリップ量が増加する傾向にある場合に、液圧回路内のブレーキ液圧を増圧させるようになっている。
ところで、車両が左右異μ路(車輪との摩擦力を示すμ値が左輪側と右輪側とで異なる路面)を走行する際には、低μ路側の駆動輪(例えば左前輪)のみに駆動スリップが発生することがある。このような場合、上記の車両のトラクション制御装置では、左前輪に駆動スリップが発生すると、エンジンのトルクを低下させる。そして、エンジンのトルクを低下させても駆動輪のスリップ量が増加して第1スリップ量閾値以上になった場合に、液圧回路内のブレーキ液圧を増圧させるようになっている。そのため、こうした場合、高μ側の駆動輪(例えば右前輪)には、ディファレンシャルギヤの働きにより、左前輪と路面(低μ路)との摩擦力と、左前輪に付与される制動力との和に相当する加速力が付与されることになる。
特開平8−72689号公報
ところで、上記の車両のトラクション制御装置によると、車両は、駆動輪のスリップ量が第2スリップ量閾値以上となった場合に、エンジンのトルクを低下させられる。そして、車両のトラクション制御装置がエンジンのトルクを低下させる制御を行っても駆動輪のスリップ量が増加してしまい、このスリップ量が第1スリップ量閾値以上になった場合には、液圧回路内のブレーキ液圧を増圧させられる。そのため、車両のトラクション制御装置による駆動輪の駆動スリップを抑制するための制御が行われている間、その車両においては一定の加速力しか得られないことになる。したがって、車両をさらに加速させるために搭乗者がアクセルぺダルを踏込み操作したとしても、その踏込み量に対応した加速度が得られないおそれがあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。その目的は、左右異μ路を走行する際に左右の駆動輪のうち少なくとも一方の駆動輪が駆動スリップした場合においても、搭乗者によるアクセルぺダルの操作量に対応した加速度を得ることができる車両のトラクション制御装置、及び車両のトラクション制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、車両のトラクション制御装置にかかる請求項1に記載の発明は、車両の走行時にアクセルぺダル(17)が操作された際に車両の駆動輪(FR,FL)が駆動スリップすることを抑制する車両のトラクション制御装置(11)において、液圧回路(33,34)内のブレーキ液圧を可変させる液圧可変手段(38,39,52,56,M)と、該液圧可変手段(38,39,52,56,M)の駆動に基づき前記液圧回路(33,34)内のブレーキ液圧が増圧した際に、車両の左右の駆動輪(FR,FL)に制動力をそれぞれ付与する制動手段(36a、36b)と、前記各駆動輪(FR,FL)に駆動力を付与する駆動源(12)のトルクを調整するトルク調整手段(20)と、駆動スリップした駆動輪(FR,FL)のスリップ量(SLP)を検出するスリップ量検出手段(SE5,SE6,SE7,SE8,60)と、前記左側の駆動輪(FL)が走行する路面のμ値と右側の駆動輪(FR)が走行する路面のμ値とが異なる左右異μ路を車両が走行しているか否かを判定する左右異μ路判定手段(60)と、車両を加速させるために搭乗者が操作する加速操作手段(17)と、前記左右異μ路判定手段(60)による判定結果が肯定判定である場合において、前記加速操作手段(17)が操作されたときに、前記液圧回路(33,34)内のブレーキ液圧の上限値(MBP)を設定するブレーキ液圧上限値設定手段(60)と、前記左右異μ路判定手段(60)による判定結果が肯定判定である場合に、第1スリップ量閾値(KSL1)及び該第1スリップ量閾値(KSL1)よりも小さく設定された第2スリップ量閾値(KSL2)を、該第2スリップ量閾値(KSL2)が前記第1スリップ量閾値(KSK1)よりも大きくなるようにそれぞれ設定変更するスリップ量閾値設定手段(60)と、前記左右異μ路判定手段(60)による判定結果が肯定判定である場合において、前記スリップ量検出手段(SE5,SE6,SE7,SE8,60)により検出された前記各駆動輪(FR,FL)のスリップ量(SLP)が前記スリップ量閾値設定手段(60)により設定された前記第1スリップ量閾値(KSL1)以上となったときに、前記液圧回路(33,34)内のブレーキ液圧を前記ブレーキ液圧上限値設定手段(60)により設定された前記上限値(MBP)を越えない範囲内で増圧させるように、前記液圧可変手段(38,39,52,56,M)の駆動制御を行う第1制御手段(60)と、前記左右異μ路判定手段(60)による判定結果が肯定判定である場合において、前記スリップ量検出手段(SE5,SE6,SE7,SE8,60)により検出された前記各駆動輪(FR,FL)のスリップ量(SLP)が前記スリップ量閾値設定手段(60)により設定された前記第2スリップ量閾値(KSL2)以上となったときに、前記駆動源(12)のトルクの増加を抑制するように、前記トルク調整手段(20)の駆動制御を行う第2制御手段(60)とを備えたことを要旨とする。
上記構成では、左右異μ路を車両が走行している場合において、第1スリップ量閾値及び第2スリップ量閾値が、第1スリップ量閾値<第2スリップ量閾値となるように設定され、さらに、加速操作手段が操作されたときには、液圧回路内のブレーキ液圧の上限値が設定される。そして、駆動輪のスリップ量が第1スリップ量閾値以上となった場合に、液圧回路内のブレーキ液圧が上限値を越えない範囲内で増圧されることにより、駆動輪の駆動スリップを抑制する。しかし、液圧回路内のブレーキ液圧が上限値まで増圧されても、駆動輪のスリップ量が増加することがある。このような状況において、駆動輪のスリップ量が第2スリップ量閾値以上となった場合には、エンジンのトルクを低下させることにより、駆動輪の駆動スリップを抑制する。そのため、少なくとも駆動輪のスリップ量が第2スリップ量閾値未満である場合には、搭乗者によるアクセルぺダルの踏込み量に応じた車両の加速を実現することができる。したがって、左右異μ路を走行する際に左右の駆動輪のうち少なくとも一方の駆動輪が駆動スリップした場合においても、搭乗者によるアクセルぺダルの操作量に対応した加速度を得ることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両のトラクション制御装置において、前記左右異μ路判定手段(60)は、前記スリップ量検出手段(SE5,SE6,SE7,SE8,60)により検出された前記左右の駆動輪(FR,FL)の各スリップ量(SLP)を比較することにより、左右異μ路を車両が走行しているか否かを判定することを要旨とする。
上記構成では、各駆動輪のスリップ量を比較することにより、車両が左右異μ路を走行しているか否かが判断される。そのため、左右異μ路を車両が走行しているか否かを確実に判定できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の車両のトラクション制御装置において、前記左右異μ路判定手段(60)は、前記液圧可変手段(38,39,52,56,M)による前記液圧回路(33,34)内のブレーキ液圧の増圧に伴い、前記制動手段(36a,26b)が前記左右の駆動輪(FR,FL)に個別に付与する各制動力を比較することにより、左右異μ路を車両が走行しているか否かを判定することを要旨とする。
上記構成では、駆動スリップする駆動輪には、スリップ量に対応した制動力が制動手段によって付与されており、この制動力を、駆動輪毎に比較することにより、左右異μ路を走行中であるか否かが判断される。そのため、左右異μ路を車両が走行しているか否かを確実に判定できる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の車両のトラクション制御装置において、前記加速操作手段(17)は前記アクセルぺダル(17)であって、前記ブレーキ液圧上限値設定手段(60)は、前記液圧回路(33,34)内のブレーキ液圧の上限値(MBP)を、前記アクセルぺダル(17)の操作量(COD)が比較的大きい場合には、当該操作量(COD)が比較的小さい場合に比して大きくなるように設定することを要旨とする。
上記構成では、液圧回路内のブレーキ液圧の上限値は、左右異μ路を車両が走行中において、アクセルぺダルの操作量が大きい程、高い値に設定される。すなわち、エンジンのトルクを低下させる制御の開始タイミングが、アクセルぺダルの操作量が大きい程、遅くなる。そのため、駆動輪が駆動スリップしている間でも、搭乗者によるアクセルぺダルの操作量に応じた車両の加速を得ることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の車両のトラクション制御装置において、前記液圧回路(33,34)内のブレーキ液圧の上限値(MBP)に関して、複数の上限値(MBP)を、前記アクセルぺダル(17)の操作量(COD)に対応付けた状態で記憶するブレーキ液圧上限値記憶手段(61)をさらに備え、前記ブレーキ液圧上限値設定手段(60)は、前記アクセルぺダル(17)の操作量(COD)に対応する前記液圧回路(33,34)内のブレーキ液圧の上限値(MBP)を前記ブレーキ液圧上限値記憶手段(61)から読み出すことを要旨とする。
上記構成では、アクセルぺダルの操作量に対応した液圧回路内のブレーキ液圧の上限値をブレーキ液圧上限値記憶手段から読み出すことにより、液圧回路内のブレーキ液圧の上限値が設定される。すなわち、この液圧回路内のブレーキ液圧の上限値を設定するために、関係式を用いて演算処理を行う必要もない。したがって、ブレーキ液圧上限値設定手段の処理負担を良好に低減できる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の車両のトラクション制御装置において、前記ブレーキ液圧上限値設定手段は、低μ側の車輪(FR,FL)に対する前記液圧回路(33,34)内のブレーキ液圧の上限値(MBP)及び高μ側の車輪(FR,FL)に対する前記液圧回路(33,34)内のブレーキ液圧の上限値(MBP)をそれぞれ設定することを要旨とする。
上記構成では、低μ側の車輪及び高μ側に対する各液圧回路内のブレーキ液圧の上限値がそれぞれ設定される。そのため、低μ側及び高μ側のうち何れか一方の車輪に対する制動手段による制動力が大きくなりすぎることを抑制できる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の車両のトラクション制御装置において、前記ブレーキ液圧上限値設定手段は、低μ側の車輪(FR,FL)に対する前記液圧回路(33,34)内のブレーキ液圧の上限値(MBP)を設定することを要旨とする。
上記構成では、低μ側の車輪及び高μ側に対する各液圧回路内のブレーキ液圧の上限値をそれぞれ設定する場合に比して、ブレーキ液圧上限値設定手段の制御負荷を低減させることができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の車両のトラクション制御装置において、前記液圧回路(33,34)内のブレーキ液圧の上限値(MBP)は、低μ路側の駆動輪(FR,FL)に対する前記液圧回路(33,34)内のブレーキ液圧と高μ路側の駆動輪(FR,FL)に対する前記液圧回路(33,34)内のブレーキ液圧との差の上限値であることを要旨とする。
上記構成では、各駆動輪が共に駆動スリップした場合において、低μ路側の駆動輪に対する液圧回路内のブレーキ液圧を、高μ路側の駆動輪に対する前記液圧回路内のブレーキ液圧よりも確実に高くすることができる。
一方、車両のトラクション制御方法にかかる請求項9に記載の発明は、車両の走行時にアクセルぺダル(17)が操作された際に車両の駆動輪(FR,FL)が駆動スリップすることを抑制する車両のトラクション制御方法において、駆動スリップした駆動輪(FR,FL)のスリップ量(SLP)を検出し、左側の駆動輪(FL)が走行する路面のμ値と右側の駆動輪(FR)が走行する路面のμ値とが異なる左右異μ路を車両が走行しているか否かを判定し、該判定結果が肯定判定である際には、液圧回路(33,34)内のブレーキ液圧の上限値(MBP)を設定すると共に、第1スリップ量閾値(KSL1)及び該第1スリップ量閾値(KSL1)よりも小さく設定された第2スリップ量閾値(KSL2)を、該第2スリップ量閾値(KSL2)が前記第1スリップ量閾値(KSL1)よりも大きくなるようにそれぞれ設定変更し、その後、駆動スリップする駆動輪(FR,FL)のスリップ量(SLP)が前記第1スリップ量閾値(KSL1)以上となった場合には、前記液圧回路(33,34)内のブレーキ液圧を、前記上限値(MBP)を越えない範囲内で増加させるようにし、前記各駆動輪(FR,FL)のうち少なくとも一方の駆動輪(FR,FL)のスリップ量(SLP)が前記第2スリップ量閾値(KSL2)以上となった場合には、前記各駆動輪(FR,FL)に駆動力を付与する駆動源(12)のトルクを低下させるようにしたことを要旨とする。
上記構成では、請求項1に記載の発明の場合と同様の作用効果を奏し得る。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図6に従って説明する。なお、以下における本明細書中の説明においては、車両の進行方向(前進方向)を前方(車両前方)として説明する。また、特に説明がない限り、以下の記載における左右方向は、車両進行方向における左右方向と一致するものとする。
図1に示すように、本実施形態における車両のトラクション制御装置11は、複数(本実施形態では4つ)ある車輪(右前輪FR、左前輪FL、右後輪RR及び左後輪RL)のうち、前輪FR,FLが駆動輪として機能する車両(いわゆる前輪駆動車)に搭載されている。このトラクション制御装置11は、駆動源となるエンジン12で発生した駆動力を前輪FR,FLに伝達する駆動力伝達機構13と、前輪FR,FLを操舵輪として転舵させるための前輪転舵機構14と、各車輪FR,FL,RR,RLに制動力を付与するための制動力付与機構15とを備えている。また、このトラクション制御装置11は、上記各機構13,14,15を車両の走行状態に応じて適宜に制御するための電子制御装置(「ECU」ともいう。)16を備えている。なお、エンジン12は、車両の搭乗者によるアクセルぺダル(加速操作手段)17の踏込み操作に対応した駆動力を発生させる。
駆動力伝達機構13には、吸気管18内の吸気通路18aの開口断面積を可変させるスロットル弁19の開度を制御するためのスロットル弁アクチュエータ(例えばDCモータ)20と、エンジン12の吸気ポート(図示略)近傍に燃料を噴射するインジェクタを有する燃料噴射装置21とが設けられている。また、駆動力伝達機構13には、エンジン12の出力軸に接続されたトランスミッション22と、このトランスミッション22から伝達された駆動力を適宜配分して前輪FL,FRに伝達するディファレンシャルギヤ23とが設けられている。さらに、駆動力伝達機構13には、アクセルぺダル17の踏込み量(開度)を検出するためのアクセル開度センサSE1と、エンジン12の回転速度を検出するための回転速度センサSE2と、スロットル弁19の開度を検出するためのスロットル弁開度センサSE3とが設けられている。
前輪転舵機構14には、ステアリングホイール24と、ステアリングホイール24が固定されたステアリングシャフト25と、ステアリングシャフト25に連結された転舵アクチュエータ26とが設けられている。また、前輪転舵機構14には、転舵アクチュエータ26により車両の左右方向に移動自在なタイロッドと、このタイロッドの移動により前輪FL,FRを転舵させるリンクとを含んだリンク機構部27が設けられている。さらに、前輪転舵機構14には、ステアリングホイール24の操舵角を検出するための操舵角センサSE4が設けられている。
次に、制動力付与機構15について図2に基づき以下説明する。
図2に示すように、本実施形態の制動力付与機構15は、マスタシリンダ30及びブースタ31を有する液圧発生装置32と、2つの液圧回路33,34を有する液圧制御装置(図2では二点鎖線で示す。)35とを備えている。各液圧回路33,34は、液圧発生装置32に接続されると共に、各車輪FR,FL,RR,RLに対応して設けられたホイールシリンダ36a,36b,36c,36dに接続されている。すなわち、右前輪FRにはホイールシリンダ36aが対応すると共に、左前輪FLにはホイールシリンダ36bが対応している。また、右後輪RRにはホイールシリンダ36cが対応すると共に、左後輪RLにはホイールシリンダ36dが対応している。したがって、本実施形態では、前輪FR,FL用のホイールシリンダ36a,36bが、車両の駆動輪(前輪FR,FL)に制動力を付与する制動手段として機能するようになっている。
液圧発生装置32には、ブレーキペダル37が設けられており、このブレーキペダル37が車両の搭乗者によって踏込み操作されたことに基づき、液圧発生装置32のマスタシリンダ30及びブースタ31が駆動するようになっている。また、マスタシリンダ30には、2つの出力ポート30a,30bが設けられており、各出力ポート30a,30bのうち一方の出力ポート30aには第1液圧回路33が接続されると共に、他方の出力ポート30bには第2液圧回路34が接続されている。さらに、液圧発生装置32には、ブレーキペダル37が操作された際に電子制御装置16に向けて信号を送信するブレーキスイッチSW1が設けられている。
液圧制御装置35には、第1液圧回路33内のブレーキ液圧を昇圧するためのポンプ38と、第2液圧回路34内のブレーキ液圧を昇圧するためのポンプ39と、各ポンプ38,39を同時に駆動させるモータMとが設けられている。また、各液圧回路33,34上にはブレーキオイルが貯留されるリザーバ40,41が設けられており、各リザーバ40,41内のブレーキオイルは、ポンプ38,39の駆動に基づき液圧回路33,34内に供給されるようになっている。さらに、各液圧回路33,34には、マスタシリンダ30内のブレーキ液圧を検出するための液圧センサPS1,PS2が設けられている。
第1液圧回路33には、右前輪FRに対応するホイールシリンダ36aに接続されるホイールシリンダ36a用(右前輪FR用)の右前輪用経路33aと、左後輪RLに対応するホイールシリンダ36dに接続されるホイールシリンダ36d用(左後輪RL用)の左後輪用経路33bとが形成されている。そして、これら各経路33a,33b上には、常開型の電磁弁42,43と常閉型の電磁弁44,45とがそれぞれ設けられている。
同様に、第2液圧回路34には、左前輪FLに対応するホイールシリンダ36bに接続されるホイールシリンダ36b用(左前輪FL用)の左前輪用経路34aと、右後輪RRに対応するホイールシリンダ36cに接続されるホイールシリンダ36c用(右後輪RR用)の右後輪用経路34bとが形成されている。そして、これら各経路34a,34b上には、常開型の電磁弁46,47と常閉型の電磁弁48,49とがそれぞれ設けられている。
また、第1液圧回路33において各経路33a,33bに分岐された部位よりもマスタシリンダ30側には、常開型の比例電磁弁50が接続されると共に、この比例電磁弁50と並列関係をなすリリーフ弁51が接続されている。そして、比例電磁弁50とリリーフ弁51とにより比例差圧弁52が構成されている。比例差圧弁52は、電子制御装置16による制御に基づき、比例差圧弁52よりもマスタシリンダ30側とホイールシリンダ36a,36d側とで液圧差(ブレーキ液圧の差)を発生させることができる。なお、この液圧差の最大値は、リリーフ弁51を構成するばね51aの付勢力に基づく値となる。また、第1液圧回路33には、リザーバ40とポンプ38との間からマスタシリンダ30側に向けて分岐された分岐液圧路33cが形成されており、この分岐液圧路33c上には常閉型の電磁弁53が接続されている。
同様に、第2液圧回路34において各経路34a,34bに分岐された部位よりもマスタシリンダ30側には、常開型の比例電磁弁54が接続されると共に、この比例電磁弁54と並列関係をなすリリーフ弁55が接続されている。そして、比例電磁弁54とリリーフ弁55とにより比例差圧弁56が構成されている。比例差圧弁56は、電子制御装置16による制御に基づき、比例差圧弁56よりもマスタシリンダ30側とホイールシリンダ36b,36c側とで液圧差(ブレーキ液圧の差)を発生させることができる。なお、この液圧差の最大値は、リリーフ弁55を構成するばね55aの付勢力に基づく値となる。また、第2液圧回路34には、リザーバ41とポンプ39との間からマスタシリンダ30側に向けて分岐された分岐液圧路34cが形成されており、この分岐液圧路34c上には常閉型の電磁弁57が接続されている。
ここで、上記各電磁弁42〜49のソレノイドコイルが通電状態にある場合及び非通電状態にある場合における各ホイールシリンダ36a〜36d内のブレーキ液圧の変化について説明する。なお、以下の説明においては、各比例電磁弁50,54が閉じ状態であると共に、分岐液圧路33c,34c上の電磁弁53,57が閉じ状態であるものとする。
まず、各電磁弁42〜49のソレノイドコイルが全て非通電状態にある場合には、常開型の電磁弁42,43,46,47は開き状態のままであると共に、常閉型の電磁弁44,45,48,49は閉じ状態のままである。そのため、上記ポンプ38,39が駆動している場合には、リザーバ40,41内のブレーキオイルが各経路33a,33b,34a,34bを介して各ホイールシリンダ36a〜36d内に流入し、各ホイールシリンダ36a〜36d内のブレーキ液圧は上昇することになる。
一方、各電磁弁42〜49のソレノイドコイルが全て通電状態にある場合には、常開型の電磁弁42,43,46,47が閉じ状態となると共に、常閉型の電磁弁44,45,48,49が開き状態となる。そのため、各ホイールシリンダ36a〜36d内からブレーキオイルが各経路33a,33b,34a,34bを介してリザーバ40,41へと流出し、各ホイールシリンダ36a〜36d内のブレーキ液圧は降下することになる。
そして、各電磁弁42〜49のうち常開型の電磁弁42,43,46,47のソレノイドコイルのみが通電状態にある場合には、全ての電磁弁42〜49が閉じ状態となる。そのため、各経路33a,33b,34a,34bを介したブレーキオイルの流動が規制される結果、各ホイールシリンダ36a〜36d内のブレーキ液圧はその液圧レベルが保持されることになる。
図1に示すように、電子制御装置16は、CPU60、ROM61及びRAM62などを備えたデジタルコンピュータと、各装置を駆動させるための駆動回路(図示略)とを主体として構成されている。ROM61には、液圧制御装置35(モータM、各電磁弁42〜49,53,57及び比例電磁弁50,54の駆動)を制御するための制御プログラム、及び後述する液圧回路33,34内のブレーキ液圧の上限値を設定するためのマップ(図3参照)などが記憶されている。また、RAM62には、車両のトラクション制御装置11の駆動中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶されるようになっている。
また、電子制御装置16の入力側インターフェース(図示略)には、上記ブレーキスイッチSW1、液圧センサPS1,PS2、アクセル開度センサSE1、回転速度センサSE2、スロットル弁開度センサSE3、及び操舵角センサSE4がそれぞれ接続されている。さらに、入力側インターフェースには、各車輪FR,FL,RR,RLの車輪速度を検出するための車輪速度センサSE5,SE6,SE7,SE8、実際に車両に働く横方向加速度(いわゆる「横G」)を検出するための横GセンサSE9、及び実際に車両に働くヨーレイトを検出するためのヨーレイトセンサSE10がそれぞれ接続されている。すなわち、CPU60は、ブレーキスイッチSW1、液圧センサPS1,PS2、及び上記各種センサSE1〜SE10からの各信号を受信するようになっている。
一方、電子制御装置16の出力側インターフェース(図示略)には、各ポンプ38,39を駆動させるためのモータM、各電磁弁42〜49,53,57及び比例電磁弁50,54が接続されている。そして、CPU60は、上記スイッチSW1及び各センサPS1,PS2,SE1〜SE10からの入力信号に基づき、モータM、各電磁弁42〜49,53,57及び比例電磁弁50,54の動作を個別に制御するようになっている。
次に、ROM61に記憶されるマップについて図3に基づき説明する。
図3に示すマップは、スロットル弁19の開度CODと液圧回路33,34内のブレーキ液圧の上限値MBPとの関係を示すものであり、液圧回路33,34内のブレーキ液圧の上限値MBPは、スロットル弁19の開度CODが大きくなる程、大きくなるように設定されている。すなわち、液圧回路33,34内のブレーキ液圧の上限値MBPは、スロットル弁19の開度CODの大きさに比例して変化している。また、スロットル弁19の開度CODは、アクセルぺダル17の踏込み量(操作量)と対応関係にある。そのため、液圧回路33,34内のブレーキ液圧の上限値MBPは、搭乗者によるアクセルぺダル17の踏込み量(操作量)が多い程、大きな値となるように設定されるともいえる。したがって、本実施形態では、ROM61が、ブレーキ液圧上限値記憶手段として機能するようになっている。なお、図3に示すマップは、左右の車輪FR,FL,RR,RLのうち低μ路側を走行している車輪(先にスリップする車輪)に対するマップである。
次に、車両の走行時にアクセルぺダル17が踏み込まれた際に、本実施形態のCPU60が実行する制御処理ルーチンについて、図4及び図5に示すフローチャートと図6(a)(b)(c)のタイミングチャートに基づき以下説明する。図4には後述する各スリップ量閾値及び上限値MBPを設定するための駆動条件設定処理ルーチンが示されると共に、図5には駆動スリップ抑制処理ルーチンが示されている。
最初に図4に示す駆動条件設定処理ルーチンについて説明する。
さて、CPU60は、所定周期毎に駆動条件設定処理ルーチンを実行する。そして、この駆動条件設定処理ルーチンにおいて、CPU60は、各車輪FR,FL,RR,RLの車輪速度センサSE5〜SE8から受信した信号に基づき、各車輪FR,FL,RR,RLの車輪速度VWをそれぞれ検出する(ステップS10)。そして、CPU60は、ステップS10にて検出した各車輪FR,FL,RR,RLの車輪速度VWのうち非駆動輪である後輪RL,RRの車輪速度VWを車両の車体速度VSとして設定する(ステップS11)。
続いて、CPU60は、ステップS10にて検出した駆動輪である前輪FR,FLの車輪速度VWとステップS11にて設定した車両の車体速度VSとから各前輪FR,FLのスリップ量SLPをそれぞれ検出する(ステップS12)。すなわち、各前輪FR,FLのスリップ量SLPは、前輪FR,FLの車輪速度VWから車両の車体速度VSを引いた値となる。この点で、本実施形態では、車輪速度センサSE5〜SE8及びCPU60が、駆動スリップした前輪(駆動輪)FR,FLのスリップ量SLPをそれぞれ検出するスリップ量検出手段として機能する。
そして、CPU60は、ステップS12にて検出された各前輪FR,FLのスリップ量SLPを比較することにより、左前輪FLが走行する路面のμ値と右前輪FRが走行する路面のμ値とが異なる左右異μ路を車両が走行中であるか否かを判定する(ステップS14)。例えば、左前輪FLのスリップ量SLPの値が「8」であると共に、右前輪FRのスリップ量SLPの値が「3」である場合には、CPU60は、左前輪FL側の路面を低μ路と判断すると共に、右前輪FR側の路面を高μ路と判断する。この点で、本実施形態では、CPU60が、左右異μ路判定手段として機能する。
そして、ステップS14の判定結果が否定判定である場合、CPU60は、駆動条件設定処理ルーチンを終了する。一方、ステップS14の判定結果が肯定判定である場合、CPU60は、第2スリップ量閾値KSL2を、第1スリップ量閾値KSL1よりも大きな値となるように設定する(ステップS15)。ここで、車両が左右異μ路を走行していない場合では、第2スリップ量閾値KSL2は、第1スリップ量閾値KSL1(例えば「3.5」)よりも小さな値(例えば「3」)に設定されている。しかし、車両が左右異μ路を走行している場合では、ステップS14の処理が実行されることにより、第2スリップ量閾値KSL2は、第1スリップ量閾値KSL1(例えば「3.5」)よりも大きな値(例えば「4.5」)に設定される。この点で、本実施形態では、CPU60が、スリップ量閾値設定手段としても機能する。
続いて、CPU60は、スロットル弁開度センサSE3から受信した信号に基づき、スロットル弁19の開度CODを検出する(ステップS16)。そして、CPU60は、ステップS16にて検出されたスロットル弁19の開度CODに対応した値をROM61に記憶されるマップ(図3参照)から読み出し、この読み出した値を液圧回路33,34内のブレーキ液圧の上限値MBPとして設定する(ステップS17)。そのため、液圧回路33,34内のブレーキ液圧の上限値MBPは、スロットル弁19の開度COD(すなわち、アクセルぺダル17の踏込み量)が比較的大きい場合には比較的小さい場合に比して大きくなるように設定される。この点で、本実施形態では、CPU60が、ブレーキ液圧上限値設定手段としても機能する。その後、CPU60は、駆動条件設定処理ルーチンを終了する。
次に、図5に示す駆動スリップ抑制処理ルーチンについて図6(a)(b)(c)に示すタイミングチャート共に説明する。
さて、CPU60は、駆動条件設定処理ルーチンの終了後に駆動スリップ抑制処理ルーチンを実行する。そして、駆動スリップ抑制処理ルーチンにおいて,CPU60は、駆動条件設定処理ルーチンのステップS10,S11,S12と同様の処理を実行することにより、前輪FR,FLのスリップ量SLPを検出する(ステップS20)。そして、CPU60は、駆動条件設定処理ルーチンにおけるステップS14の判定処理と同じ判定処理を行うことにより、車両が左右異μ路を走行中であるか否かを判定する(ステップS21)。この判定結果が否定判定である場合、CPU60は、その処理を後述するステップS25に移行する。
一方、ステップS20の判定結果が肯定判定である場合、CPU60は、ステップS20にて検出された前輪FR,FLのスリップ量SLPが第1スリップ量閾値KSL1(例えば「3.5」)以上であるか否かを判定する(ステップS22)。この判定結果が否定判定(SLP<KSL1)である場合、CPU60は、その処理を後述するステップS25に移行する。一方、ステップS22の判定結果が肯定判定(SLP≧KSL1)である場合、CPU60は、液圧回路33,34内のブレーキ液圧を増圧させるように増圧処理を実行する(ステップS23)。
すなわち、右前輪FRにホイールシリンダ36aからの制動力を増加させる場合、CPU60は、まず、電磁弁42を通電状態とすることにより、左後輪RL用のホイールシリンダ36d内のブレーキ液圧を保圧させると共に、ポンプ38(モータM)を駆動させる。そして次に、CPU60は、比例差圧弁52よりもマスタシリンダ30側とホイールシリンダ36a側との間でブレーキ液圧差が発生するように、比例差圧弁52の駆動制御を行う。すると、電磁弁43,45は共に非通電状態であるため、右前輪用経路33a(ホイールシリンダ36a)内のブレーキ液圧が増圧され、その結果、ホイールシリンダ36aによる右前輪FRへの制動力が増加する。
同様に、左前輪FLにホイールシリンダ36bからの制動力を増加させる場合、CPU60は、まず、電磁弁47を通電状態とすることにより、右後輪RR用のホイールシリンダ36c内のブレーキ液圧を保圧させると共に、ポンプ39(モータM)を駆動させる。そして次に、CPU60は、比例差圧弁56よりもマスタシリンダ30側とホイールシリンダ36b側との間でブレーキ液圧差が発生するように、比例差圧弁56の駆動制御を行う。すると、電磁弁46,48は共に非通電状態であるため、左前輪用経路34a(ホイールシリンダ36b)内のブレーキ液圧が増圧され、その結果、ホイールシリンダ36bによる左前輪FLへの制動力が増加する。したがって、本実施形態では、ポンプ38,39、モータM及び比例差圧弁52,56が、液圧回路33,34内のブレーキ液圧を可変させる液圧可変手段として機能するようになっている。
また、上記のように液圧回路33,34内のブレーキ液圧を増圧させる場合において、本実施形態では、駆動条件設定処理ルーチンのステップS17にて液圧回路33,34内のブレーキ液圧の上限値MBPが設定されている。そのため、CPU60は、液圧回路33,34内のブレーキ液圧が上限値MBPを越えない範囲内でポンプ38,39、モータM及び比例差圧弁52,56を制御する。すなわち、この点で、本実施形態では、CPU60が、第1制御手段としても機能する。
そして、CPU60は、ステップS20にて検出された前輪FR,FLのスリップ量SLPが第2スリップ量閾値KSL2以上であるか否かを判定する(ステップS25)。なお、第2スリップ量閾値KSL2は、駆動条件設定処理ルーチンのステップS17の判定結果が否定判定である場合には「3」である一方、駆動条件設定処理ルーチンのステップS17の判定結果が肯定判定である場合には「4.5」である。すなわち、CPU60は、車両が左右異μ路を走行する場合において、液圧回路33,34内のブレーキ液圧の増圧処理を実行することにより前輪FR,FLの駆動スリップの抑制を図っているにも関わらず、前輪FR,FLのスリップ量SLPが第2スリップ量閾値KSL2(>第1スリップ量閾値KSL1)以上になったか否かを判定する。そして、ステップS25の判定結果が否定判定(SLP<KSL2)である場合、CPU60は、液圧回路33,34内のブレーキ液圧を増圧させることにより前輪FR,FLの駆動スリップが抑制されているものと判断し、駆動スリップ抑制処理ルーチンを終了する。一方、ステップS25の判定結果が肯定判定(SLP≧KSL2)である場合、CPU60は、液圧回路33,34内のブレーキ液圧を増圧させるだけではなく、エンジン12のトルクの増加を抑制することにより前輪FR,FLの駆動スリップを抑制させるエンジントルク処理を実行する(ステップS26)。
すなわち、CPU60は、スロットル弁19の開度CODが大きくならないように、スロットル弁アクチュエータ20の駆動を停止させる。そのため、前輪FR,FLに伝達されるエンジン12のトルクの増加が抑制される結果、前輪FR,FLの駆動スリップが抑制される。この点で、本実施形態では、スロットル弁アクチュエータ20が、前輪(駆動輪)FR,FLに駆動力を付与するエンジン(駆動源)12のトルクを調整するトルク調整手段として機能する。また、本実施形態では、CPU60が、車両が左右異μ路を走行している場合において、前輪(駆動輪)FR,FLのスリップ量SLPが第2スリップ量閾値KSL2以上となったときに、エンジン(駆動源)12のトルクの増加を抑制させるようにスロットル弁アクチュエータ(トルク調整手段)20の駆動制御を行う第2制御手段としても機能する。なお、エンジントルク処理の実行中に、搭乗者によるアクセルぺダル17の踏込み量が少なくなった場合には、その踏込み量の低下に伴い、スロットル弁19の開度CODが小さくなることもある。
ここで、左右異μ路(例えば、右前輪FR側が低μ路であって左前輪FL側が高μ路)を車両が走行している際に、搭乗者がアクセルぺダル17を踏込むと、図6(a)に示すように、スロットル弁19の開度CODが徐々に大きくなる。すると、スロットル弁19の開度CODが大きくなるに連れて、図6(b)に破線で示すように、車両の車体速度VSも上昇する。そして、スロットル弁19の開度CODが大きくなるに連れて、図6(b)に実線で示すように、駆動輪(例えば、右前輪FR)の車輪速度VWが上昇し、右前輪FRの車輪速度VWが車両の車体速度VSよりも大きくなることがある。すなわち、右前輪FRが駆動スリップすることがある。なお、左前輪FLは、駆動スリップしていないものとする。
このような場合、以下に示すような車両のトラクション制御方法が実行される。すなわち、右前輪FRのスリップ量SLPが第1スリップ量閾値KSL1以上になると、図6(c)に一点鎖線で示すように、アクセルぺダル17の踏込み量(スロットル弁19の開度COD)に応じて、液圧回路33(右前輪用経路33a)内のブレーキ液圧の上限値MBPが設定される。そのため、右前輪FRのスリップ量の増減に基づき、液圧回路33内のブレーキ液圧を、図6(c)に破線で示すように増減させようとしても、液圧回路33内のブレーキ液圧は、図6(c)に実線で示すように、上限値MBPを越えない範囲内で増減する。そして、右前輪FRには、右前輪FR用のホイールシリンダ36aによって、液圧回路33内のブレーキ液圧に対応した制動力が付与される。
このように液圧回路33内のブレーキ液圧を増圧させても右前輪FRのスリップ量SLPが増加し、右前輪FRのスリップ量SLPが第2スリップ量閾値KSL2以上になると、スロットル弁19の開度CODが大きくならないように、スロットル弁アクチュエータ20の駆動が停止する。そのため、エンジン12から前輪FR,FLに伝達されるトルクが低下し、右前輪FRのスリップ量SLPが低下することになる。
また、右前輪FR側が上記のように制御された場合、左前輪FL側には、左前輪FLと路面(高μ路)との摩擦力とホイールシリンダ36aによって右前輪FRに付与された制動力との和と同程度の加速力が、ディファレンシャルギヤ23の働きによって付与される。すなわち、エンジントルク処理が実行される前では、右前輪FRの駆動スリップを抑制するために、ホイールシリンダ36aによって右前輪FRに制動力を付与した状態であっても、搭乗者によるアクセルぺダル17の踏込み量に対応して車両が加速する。
そして、上記のような制御を行った後、CPU60は、駆動スリップ抑制処理ルーチンを終了する。なお、CPU60は、車両が左右異μ路を走行していないと判断した場合、上記の駆動条件設定処理ルーチンにて設定された第2スリップ量閾値KSL2は、第1スリップ量閾値KSL1(例えば「3.5」)よりも小さな値(例えば「3」)に設定変更する。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)左右異μ路を車両が走行している場合において、第1スリップ量閾値KSL1及び第2スリップ量閾値KSL2が、第1スリップ量閾値KSL1<第2スリップ量閾値KSL2となるように設定され、さらに、アクセルぺダル(加速操作手段)17が操作されたときには、液圧回路33,34内のブレーキ液圧の上限値MBPが設定される。そして、前輪(駆動輪)FR,FLのスリップ量SLPが第1スリップ量閾値KSL1以上となった場合に、液圧回路33,34内のブレーキ液圧が上限値MBPを越えない範囲内で増圧されることにより、前輪FR,FLの駆動スリップを抑制する。しかし、液圧回路33,34内のブレーキ液圧が上限値MBPまで増圧されても、前輪FR,FLのスリップ量SLPが増加することがある。このような状況において、前輪FR,FLのスリップ量SLPが第2スリップ量閾値KSL2以上となった場合には、エンジン12のトルクの増加を抑制することにより、前輪FR,FLの駆動スリップを抑制する。そのため、少なくとも前輪FR,FLのスリップ量SLPが第2スリップ量閾値KSL2未満である場合には、搭乗者によるアクセルぺダル17の踏込み量に応じた車両の加速を実現することができる。したがって、左右異μ路を走行する際に左右の前輪FR,FLのうち少なくとも一方の駆動輪が駆動スリップした場合においても、搭乗者によるアクセルぺダル17の操作量に対応した加速度を得ることができる。
(2)各前輪(駆動輪)FR,FLのスリップ量SLPを比較することにより、車両が左右異μ路を走行しているか否かが判断される。そのため、左右異μ路を走行中であるか否かを確実に判定できる。
(3)液圧回路33,34内のブレーキ液圧の上限値MBPは、左右異μ路を車両が走行中において、アクセルぺダル17の踏込み量(操作量)が大きい程、高い値に設定される。すなわち、エンジン12のトルクの増加を抑制する制御(エンジントルク制御)の開始タイミングが、アクセルぺダル17の踏込み量が大きい程、遅くなる。そのため、前輪FR,FLが駆動スリップしている間でも、搭乗者によるアクセルぺダル17の踏込み量に応じた車両の加速を得ることができる。
(4)アクセルぺダル17の踏込み量(操作量)に対応した液圧回路33,34内のブレーキ液圧の上限値MBPをROM(ブレーキ液圧上限値記憶手段)61から読み出すことにより、液圧回路33,34内のブレーキ液圧の上限値MBPが設定される。すなわち、この液圧回路内のブレーキ液圧の上限値を設定するために、関係式を用いて演算処理を行う必要もない。したがって、CPU(ブレーキ液圧上限値設定手段)60の処理負担を良好に低減できる。
(5)低μ路側の車輪に対する液圧回路内のブレーキ液圧の上限値MBPのみが設定されるため、低μ側の車輪及び高μ側に対する各液圧回路33,34内のブレーキ液圧の上限値MBPをそれぞれ設定する場合に比して、CPU(ブレーキ液圧上限値設定手段)60の制御負荷を低減させることができる。
なお、実施形態は以下のような別の実施形態(別例)に変更してもよい。
・実施形態では、両駆動輪(前輪FR,FL)のうち低μ路側の駆動輪(例えば右前輪FR)のみが駆動スリップした場合について記載しているが、高μ路側の駆動輪(例えば左前輪FL)も駆動スリップした場合に具体化してもよい。すなわち、右前輪FR側では、液圧回路33(右前輪用経路33a)内のブレーキ液圧を、右前輪FRのスリップ量SLPに対応した液圧に増圧されると共に、左前輪FL側では、液圧回路34(左前輪用経路34a)内のブレーキ液圧を、左前輪FLのスリップ量SLPに対応した液圧に増圧される。しかし、右前輪FRのスリップ量SLP>左前輪FLのスリップ量SLPとなるため、液圧回路33(右前輪用経路33a)内のブレーキ液圧を、液圧回路34(左前輪用経路34a)内のブレーキ液圧よりも確実に高くする必要がある。
そのため、RAM62に記憶された液圧回路33,34内のブレーキ液圧の上限値MBPは、低μ路側の駆動輪(右前輪FR)に対する液圧回路33内のブレーキ液圧と高μ路側の駆動輪(左前輪FL)に対する液圧回路内のブレーキ液圧との差の上限値とすることが望ましい。このように構成した場合、各前輪FR,FLが共に駆動スリップした場合において、低μ路側の駆動輪(右前輪FR)に対する液圧回路33内のブレーキ液圧を、高μ路側の駆動輪(左前輪FL)に対する液圧回路34内のブレーキ液圧よりも確実に高くすることができる。
・実施形態において、低μ側の車輪及び高μ側に対する各液圧回路33,34内のブレーキ液圧の上限値MBPをそれぞれ設定するようにしてもよい。この場合、低μ側及び高μ側のうち何れか一方の車輪に対するホイールシリンダ36a〜36dによる制動力が大きくなりすぎることを抑制できる。
・実施形態において、ROM61には、図3に示すマップを記憶させるのではなく、スロットル弁19の開度CODと液圧回路33,34内のブレーキ液圧の上限値MBPとの関係式を記憶させ、この関係式に基づき液圧回路33,34内のブレーキ液圧の上限値MBPを設定するようにしてもよい。
・実施形態において、加速操作手段は、アクセルぺダル17とは別途に設けられた加速用スイッチであってもよい。すなわち、車両が左右異μ路を走行している際に、加速用スイッチが搭乗者によって操作されると、液圧回路33,34内のブレーキ液圧の上限値MBPが設定されるようにしてもよい。
・実施形態において、右前輪FR側の液圧回路33(右前輪用経路33a)内のブレーキ液圧(すなわち、右前輪FRに付与される制動力)と、左前輪FL側の液圧回路34(左前輪用経路34a)内のブレーキ液圧(すなわち、左前輪FLに付与される制動力)とを比較することにより、左右異μ路を走行中であるか否かを判断するようにしてもよい。なお、「液圧回路33,34内のブレーキ液圧」とは、CPU60による制御に基づき、比例差圧弁52,56がマスタシリンダ30側とホイールシリンダ36a〜36d側との間で発生させた液圧差のことである。
・実施形態において、ステップS15で、第2スリップ量閾値KSL2を、「4.5」〜「5」の範囲内の任意の値(例えば「4.8」)に設定することが望ましい。その理由は、第2スリップ量閾値KSL2を「4.5」未満の値(例えば「4.2」)に設定した場合には、液圧回路33,34内のブレーキ液圧を増圧させる制御が開始されてから、直ぐにエンジントルク制御が実行されることがあるからである。換言すると、アクセルぺダル17の踏込み量に応じた車両の加速が直ぐに得られなくなる可能性があるからである。また、第2スリップ量閾値KSL2を「5」よりも大きな値(例えば「7」)に設定した場合には、前輪FR,FLのスリップ量SLPが増加してしまい、エンジントルク制御が実施される前に、車両における走行の安定性が低下してしまうおそれがあるからである。
・実施形態において、ステップS15で、第1スリップ量閾値KSL1を、第2スリップ量閾値KSL2(例えば「3」)よりも小さな値(例えば「2.5」)に設定してもよい。
・実施形態において、液圧回路33,34内のブレーキ液圧の上限値MBPは、スロットル弁19の開度CODによらずに、予め設定された値に設定されるようにしてもよい。
・実施形態において、燃料噴射装置21からエンジン12に噴射される燃料を少なくすることにより、エンジン12のトルクを低下させるようにしてもよい。この場合、燃料噴射装置21がトルク調整手段として機能することになる。
・実施形態において、前輪駆動車に搭載された車両のトラクション制御装置11ではなく、後輪駆動車に搭載される車両のトラクション制御装置に具体化してもよい。また、四輪駆動車に搭載される車両のトラクション制御装置に具体化してもよい。
・実施形態において、第1液圧回路33には右前輪FR用のホイールシリンダ36aと左前輪FL用のホイールシリンダ36bとが接続されると共に、第2液圧回路34には右後輪RR用のホイールシリンダ36cと左後輪RL用のホイールシリンダ36dとが接続されるような回路構成としてもよい。
本実施形態における車両のトラクション制御装置のブロック図。 本実施形態における制動力付与機構のブロック図。 スロットル弁の開度と液圧回路内のブレーキ液圧の上限値との関係を示すマップ。 駆動条件設定処理ルーチンを示すフローチャート。 駆動スリップ抑制処理ルーチンを示すフローチャート。 (a)はスロットル弁の開度を示すタイミングチャート、(b)は車両の車体速度と駆動輪の車輪速度を示すタイミングチャート、(c)は液圧回路内のブレーキ液圧の変化を示すタイミングチャート。
符号の説明
11…車両のトラクション制御装置、12…エンジン(駆動源)、17…アクセルぺダル(加速操作手段)、20…スロットル弁アクチュエータ(トルク調整手段)、33,34…液圧回路、36a,36b…ホイールシリンダ(制動手段)、38,39…ポンプ(液圧可変手段)、52,56…比例差圧弁(液圧可変手段)、COD…スロットル弁の開度(アクセルぺダルの操作量)、60…CPU(スリップ量検出手段、左右異μ路判定手段、ブレーキ液圧上限値設定手段、スリップ量閾値設定手段、第1制御手段、第2制御手段)、61…ROM(ブレーキ液圧上限値記憶手段)、FR,FL…前輪(駆動輪)、KSL1…第1スリップ量閾値、KSL2…第2スリップ量閾値、M…モータ(液圧可変手段)、MBP…ブレーキ液圧の上限値、SE5〜SE8…車輪速度センサ(スリップ量検出手段)、SLP…スリップ量。

Claims (9)

  1. 車両の走行時にアクセルぺダル(17)が操作された際に車両の駆動輪(FR,FL)が駆動スリップすることを抑制する車両のトラクション制御装置(11)において、
    液圧回路(33,34)内のブレーキ液圧を可変させる液圧可変手段(38,39,52,56,M)と、
    該液圧可変手段(38,39,52,56,M)の駆動に基づき前記液圧回路(33,34)内のブレーキ液圧が増圧した際に、車両の左右の駆動輪(FR,FL)に制動力をそれぞれ付与する制動手段(36a、36b)と、
    前記各駆動輪(FR,FL)に駆動力を付与する駆動源(12)のトルクを調整するトルク調整手段(20)と、
    駆動スリップした駆動輪(FR,FL)のスリップ量(SLP)を検出するスリップ量検出手段(SE5,SE6,SE7,SE8,60)と、
    前記左側の駆動輪(FL)が走行する路面のμ値と右側の駆動輪(FR)が走行する路面のμ値とが異なる左右異μ路を車両が走行しているか否かを判定する左右異μ路判定手段(60)と、
    車両を加速させるために搭乗者が操作する加速操作手段(17)と、
    前記左右異μ路判定手段(60)による判定結果が肯定判定である場合において、前記加速操作手段(17)が操作されたときに、前記液圧回路(33,34)内のブレーキ液圧の上限値(MBP)を設定するブレーキ液圧上限値設定手段(60)と、
    前記左右異μ路判定手段(60)による判定結果が肯定判定である場合に、第1スリップ量閾値(KSL1)及び該第1スリップ量閾値(KSL1)よりも小さく設定された第2スリップ量閾値(KSL2)を、該第2スリップ量閾値(KSL2)が前記第1スリップ量閾値(KSK1)よりも大きくなるようにそれぞれ設定変更するスリップ量閾値設定手段(60)と、
    前記左右異μ路判定手段(60)による判定結果が肯定判定である場合において、前記スリップ量検出手段(SE5,SE6,SE7,SE8,60)により検出された前記各駆動輪(FR,FL)のスリップ量(SLP)が前記スリップ量閾値設定手段(60)により設定された前記第1スリップ量閾値(KSL1)以上となったときに、前記液圧回路(33,34)内のブレーキ液圧を前記ブレーキ液圧上限値設定手段(60)により設定された前記上限値(MBP)を越えない範囲内で増圧させるように、前記液圧可変手段(38,39,52,56,M)の駆動制御を行う第1制御手段(60)と、
    前記左右異μ路判定手段(60)による判定結果が肯定判定である場合において、前記スリップ量検出手段(SE5,SE6,SE7,SE8,60)により検出された前記各駆動輪(FR,FL)のスリップ量(SLP)が前記スリップ量閾値設定手段(60)により設定された前記第2スリップ量閾値(KSL2)以上となったときに、前記駆動源(12)のトルクの増加を抑制するように、前記トルク調整手段(20)の駆動制御を行う第2制御手段(60)とを備えた車両のトラクション制御装置。
  2. 前記左右異μ路判定手段(60)は、前記スリップ量検出手段(SE5,SE6,SE7,SE8,60)により検出された前記左右の駆動輪(FR,FL)の各スリップ量(SLP)を比較することにより、左右異μ路を車両が走行しているか否かを判定する請求項1に記載の車両のトラクション制御装置。
  3. 前記左右異μ路判定手段(60)は、前記液圧可変手段(38,39,52,56,M)による前記液圧回路(33,34)内のブレーキ液圧の増圧に伴い、前記制動手段(36a,26b)が前記左右の駆動輪(FR,FL)に個別に付与する各制動力を比較することにより、左右異μ路を車両が走行しているか否かを判定する請求項1に記載の車両のトラクション制御装置。
  4. 前記加速操作手段(17)は前記アクセルぺダル(17)であって、前記ブレーキ液圧上限値設定手段(60)は、前記液圧回路(33,34)内のブレーキ液圧の上限値(MBP)を、前記アクセルぺダル(17)の操作量(COD)が比較的大きい場合には、当該操作量(COD)が比較的小さい場合に比して大きくなるように設定する請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の車両のトラクション制御装置。
  5. 前記液圧回路(33,34)内のブレーキ液圧の上限値(MBP)に関して、複数の上限値(MBP)を、前記アクセルぺダル(17)の操作量(COD)に対応付けた状態で記憶するブレーキ液圧上限値記憶手段(61)をさらに備え、前記ブレーキ液圧上限値設定手段(60)は、前記アクセルぺダル(17)の操作量(COD)に対応する前記液圧回路(33,34)内のブレーキ液圧の上限値(MBP)を前記ブレーキ液圧上限値記憶手段(61)から読み出す請求項4に記載の車両のトラクション制御装置。
  6. 前記ブレーキ液圧上限値設定手段は、低μ側の車輪(FR,FL)に対する前記液圧回路(33,34)内のブレーキ液圧の上限値(MBP)及び高μ側の車輪(FR,FL)に対する前記液圧回路(33,34)内のブレーキ液圧の上限値(MBP)をそれぞれ設定する請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の車両のトラクション制御装置。
  7. 前記ブレーキ液圧上限値設定手段は、低μ側の車輪(FR,FL)に対する前記液圧回路(33,34)内のブレーキ液圧の上限値(MBP)を設定する請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の車両のトラクション制御装置。
  8. 前記液圧回路(33,34)内のブレーキ液圧の上限値(MBP)は、低μ路側の駆動輪(FR,FL)に対する前記液圧回路(33,34)内のブレーキ液圧と高μ路側の駆動輪(FR,FL)に対する前記液圧回路(33,34)内のブレーキ液圧との差の上限値である請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の車両のトラクション制御装置。
  9. 車両の走行時にアクセルぺダル(17)が操作された際に車両の駆動輪(FR,FL)が駆動スリップすることを抑制する車両のトラクション制御方法において、
    駆動スリップした駆動輪(FR,FL)のスリップ量(SLP)を検出し、左側の駆動輪(FL)が走行する路面のμ値と右側の駆動輪(FR)が走行する路面のμ値とが異なる左右異μ路を車両が走行しているか否かを判定し、該判定結果が肯定判定である際には、液圧回路(33,34)内のブレーキ液圧の上限値(MBP)を設定すると共に、第1スリップ量閾値(KSL1)及び該第1スリップ量閾値(KSL1)よりも小さく設定された第2スリップ量閾値(KSL2)を、該第2スリップ量閾値(KSL2)が前記第1スリップ量閾値(KSL1)よりも大きくなるようにそれぞれ設定変更し、その後、駆動スリップする駆動輪(FR,FL)のスリップ量(SLP)が前記第1スリップ量閾値(KSL1)以上となった場合には、前記液圧回路(33,34)内のブレーキ液圧を、前記上限値(MBP)を越えない範囲内で増加させるようにし、前記各駆動輪(FR,FL)のうち少なくとも一方の駆動輪(FR,FL)のスリップ量(SLP)が前記第2スリップ量閾値(KSL2)以上となった場合には、前記各駆動輪(FR,FL)に駆動力を付与する駆動源(12)のトルクを低下させるようにした車両のトラクション制御方法。
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