JP4508012B2 - 車両の制動制御装置、及び車両の制動制御方法 - Google Patents

車両の制動制御装置、及び車両の制動制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、車両制動時に車両の前輪及び後輪に対する各制動力を好適に配分制御する車両の制動制御装置、及び車両の制動制御方法に関する。
従来から、車両制動時における前輪及び後輪への実際の制動力配分を、各車輪を同時にロック状態とする理想制動力配分に近づけるべく、後輪の制動力を前輪の制動力に対して所定の関係に調整する車両の制動制御装置及び車両の制動制御方法が提案されている(例えば特許文献1)。すなわち、この特許文献1の車両の制動制御装置では、車両の車体減速度が予め設定された基準値以上となった場合に、後輪の制動力の増加を抑制する制動力配分制御(EBD制御)を行っている。
特開2000−168534(請求項1、図3)
ところで、重心が比較的高い位置にある車両(以下、「高重心車両」という。)では、重心が比較的低い位置にある車両の場合よりも、車両に対する制動力が大きくなるに従い、前輪の接地荷重が増加し易い一方、後輪の接地荷重が低下し易いという実情がある。そのため、図6に示すように、こうした高重心車両における理想制動力配分(図6では破線で示す。)は、前輪の制動力が比較的小さい段階では前輪の制動力の増加に伴い後輪の制動力が増加する一方、前輪の制動力が比較的大きい段階では前輪の制動力の増加に伴い後輪の制動力が減少する制動力配分となる。
したがって、図6に示すように、高重心車両においては、前輪の制動力を増加させる一方で、後輪の制動力の増加を抑制する制動力配分(図6では実線で示す。)の制御が実行されている状態で、車両の車体減速度を更に大きくする操作を行った場合には、実際の後輪の制動力が理想制動力配分に基づく理想の後輪の制動力よりも大きくなることがあった。そして、このような場合には、前輪よりも後輪のほうがロックしやすい状態となり、車両における走行の安定性が低下するおそれがあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両の特性に応じた好適な制動力配分制御を行うことにより、その車両における走行の安定性を良好に図ることができる車両の制動制御装置及び車両の制動制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、車両の制動制御装置にかかる請求項1に記載の発明は、車両の前輪(FL,FR)及び後輪(RL,RR)を同時にロック状態とする理想制動力配分が、前輪(FL,FR)の制動力の増加に伴い後輪(RL,RR)の制動力が増加する第1曲線部分(L1)と、該第1曲線部分(L1)に続いて前記前輪(FL,FR)の制動力の増加に伴い前記後輪(RL,RR)の制動力が減少する第2曲線部分(L2)とを含む理想制動力配分曲線(L)で示される車両の制動制御装置(11)において、前記車両の各車輪(FL,FR,RL,RR)に制動力を付与する制動手段(18a,18b,18c,18d)と、前記車両の車体減速度(DVS,DVS1)を検出する減速度検出手段(40,SE1,SE2,SE3,SE4)と、前記制動手段(18a,18b,18c,18d)が前記各車輪(FL,FR,RL,RR)に制動力を付与した場合に、前記後輪(RL,RR)が前記前輪(FL,FR)よりもロックしやすい状態であるか否かを判定する第1判定手段(40)と、前記減速度検出手段(40,SE1,SE2,SE3,SE4)により検出された前記車体減速度(DVS,DVS1)が予め設定された減速度閾値(KG)以上であるか否かを判定する第2判定手段(40)と、前記第1判定手段(40)による判定結果が肯定判定となった場合に、前記制動手段(18a,18b,18c,18d)により前記前輪(FL,FR)に付与される制動力を増加させつつ前記後輪(RL,RR)に付与される制動力の増加を抑制する第1制御を開始し、該第1制御が実行されている状態で前記第2判定手段(40)による判定結果が肯定判定となった場合に、前記制動手段(18a,18b,18c,18d)により前記前輪(FL,FR)に付与される制動力を一定に維持したまま、前記後輪(RL,RR)に付与される制動力を所定の減少量減少させる第2制御を行う制御手段(40)とを備え、前記制動手段(18a,18b,18c,18d)が各車輪(FL,FR,RL,RR)に付与する制動力を検出する制動力検出手段(40,PS1,PS2)と、前記制御手段(40)による前記第2制御の実行時における前記後輪(RL,RR)の制動力の前記所定の減少量を前記車両の車体減速度(DVS,DVS1)に対応付けた状態で記憶する記憶手段(41)とをさらに備え、前記減速度閾値(KG)は、前記制御手段(40)による前記第1制御の実行時に前記制動力検出手段(40,PS1,PS2)により検出された前記後輪(RL,RR)の制動力が、同じく前記制動力検出手段(40,PS1,PS2)により検出された前記前輪(FL,FR)の制動力に基づき前記理想制動力配分曲線(L)の第2曲線部分(L2)から得られる理想の後輪の制動力と等しくなる場合の車両の車体減速度(DVS,DVS1)に設定され、前記制御手段(40)は、前記第2判定手段(40)による判定結果が肯定判定となった場合に、前記減速度検出手段(40,SE1,SE2,SE3,SE4)が検出した前記車両の車体減速度(DVS,DVS1)に対応する前記減少量を前記記憶手段(41)から読み出し、該記憶手段(41)から読み出した減少量の値に基づき前記制動手段(18a,18b,18c,18d)を制御し、前記所定の減少量と前記車両の車体減速度(DVS,DVS1)との対応は、前記車両の車体減速度が大きい程、前記所定の減少量が多くなるように設定されることを要旨とする。
請求項1に記載の発明では、車両の制動時に第1判定手段による判定結果が肯定判定となった場合、まず、後輪の制動力の増加を抑制する第1制御が開始される。そして、この第1制御が実行されている状態で第2判定手段による判定結果が肯定判定となった場合には、前記後輪に付与される制動力を減少させる第2制御が行われる。そのため、理想制動力配分が、前輪の制動力の増加に伴い後輪の制動力が増加する第1曲線部分と、該第1曲線部分に続いて前記前輪の制動力の増加に伴い前記後輪の制動力が減少する第2曲線部分とを含む理想制動力配分曲線で示される車両の場合にも、前輪よりも後輪のほうがロックしやすい状態になることを適宜回避することができる。したがって、車両の特性に応じた好適な制動力配分制御を行うことにより、その車両における走行の安定性を良好に図ることができる。
また、第2判定手段による判定結果が肯定判定となって第2制御が開始される際には第1制御が既に実行されていることになる。すなわち、第2制御が開始される条件判定のための減速度閾値は、そのような第1制御が既に実行されている場合の車体減速度に設定される。そのため、制御的には、第2制御を開始する際に、第1制御が行われているか否かを判定する必要が無いため、処理ステップの増加を良好に抑制できる。
さらに、制動手段が後輪に付与する制動力の減少量を、減速度検出手段が検出した車両の車体減速度に対応する最適値に設定できる。したがって、第2制御が実行された際に、後輪の制動力の減少量が多すぎたり、少なすぎたりすることを良好に回避できる。
一方、車両の制動制御方法にかかる請求項に記載の発明は、車両の前輪(FL,FR)及び後輪(RL,RR)を同時にロック状態とする理想制動力配分が、前輪(FL,FR)の制動力の増加に伴い後輪(RL,RR)の制動力が増加する第1曲線部分(L1)と、該第1曲線部分(L1)に続いて前記前輪(FL,FR)の制動力の増加に伴い前記後輪(RL,RR)の制動力が減少する第2曲線部分(L2)とを含む理想制動力配分曲線(L)で示される車両の制動制御方法において、前記車両の各車輪(FL,FR,RL,RR)への制動力の増加に伴い後輪(RL,RR)が前輪(FL,FR)よりもロックしやすい状態となった場合に、前記前輪(FL,FR)に付与される制動力を増加させつつ前記後輪(RL,RR)に付与される制動力の増加を抑制する第1制御を開始し、該第1制御が実行されている状態で前記車両の車体減速度(DVS,DVS1)が予め設定された減速度閾値(KG)以上となった場合には、前記前輪(FL,FR)に付与される制動力を一定に維持したまま、前記後輪(RL,RR)に付与される制動力を所定の減少量低下させる第2制御を行うようにし、前記減速度閾値(KG)は、前記第1制御の実行時に検出された前記後輪(RL,RR)の制動力が、検出された前記前輪(FL,FR)の制動力に基づき前記理想制動力配分曲線(L)の第2曲線部分(L2)から得られる理想の後輪の制動力と等しくなる場合の車両の車体減速度(DVS,DVS1)に設定され、前記第1制御が実行されている状態で前記車両の車体減速度(DVS,DVS1)が予め設定された減速度閾値(KG)以上となった場合に、前記所定の減少量と前記車両の車体減速度(DVS,DVS1)との対応は、前記車両の車体減速度が大きい程、前記所定の減少量が多くなるように設定されることを要旨とする。
請求項に記載の発明では、第1制御が実行された状態で第2制御が実行されることにより、前輪よりも後輪のほうがロックしやすい状態になることを、特に急ブレーキ時において好適に回避することができる。したがって、車両の特性に応じた好適な制動力配分制御を行うことにより、その車両における走行の安定性を良好に図ることができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図5に従って説明する。なお、以下における本明細書中の説明においては、車両の進行方向(前進方向)を前方(車両前方)として説明する。また、特に説明がない限り、以下の記載における左右方向は、車両進行方向における左右方向と一致するものとする。
図1に示すように、本実施形態における車両の制動制御装置11は、複数(本実施形態では4つ)の車輪(右前輪FR、左前輪FL、右後輪RR及び左後輪RL)を有する車両に搭載されている。また、この制動制御装置11が搭載される車両は、その重心が比較的高い位置にある車両(例えば1BOX車等の高重心車両)であり、車両に働く制動力が大きくなった場合には、その重心が比較的低い位置にある車両の場合に比して、前輪FR,FLの接地荷重が増加し易いと共に、後輪RR,RLの接地荷重が低下し易いという特性を有している。
図1に戻って、車両の制動制御装置11は、マスタシリンダ12及びブースタ13を有する液圧発生装置14と、2つの液圧回路15,16を有する液圧制御装置(図1では二点鎖線で示す。)17とを備えている。各液圧回路15,16は、液圧発生装置14に接続されると共に、各車輪FR,FL,RR,RLに対応して設けられたホイールシリンダ(制動手段)18a,18b,18c,18dに接続されている。また、車両の制動制御装置11には、液圧制御装置17を制御するための電子制御装置(「ECU」ともいう。)19が設けられている。
液圧発生装置14には、ブレーキペダル20が設けられており、このブレーキペダル20が車両の搭乗者によって操作されたことに基づき、液圧発生装置14のマスタシリンダ12及びブースタ13が駆動するようになっている。また、マスタシリンダ12には、2つの出力ポート12a,12bが設けられており、各出力ポート12a,12bのうち一方の出力ポート12aには第1液圧回路15が接続されると共に、他方の出力ポート12bには第2液圧回路16が接続されている。また、液圧発生装置14には、ブレーキペダル20が操作された場合に電子制御装置19に向けて制動制御を開始させるための信号を送信するブレーキスイッチSW1が設けられている。
液圧制御装置17には、第1液圧回路15内のブレーキ液圧を昇圧するためのポンプ21と、第2液圧回路16内のブレーキ液圧を昇圧するためのポンプ22と、各ポンプ21,22を同時に駆動させるモータMとが設けられている。また、各液圧回路15,16上にはブレーキオイルが貯留されるリザーバ23,24が設けられており、各リザーバ23,24内のブレーキオイルは、ポンプ21,22の駆動に基づき液圧回路15,16内に供給されるようになっている。また、各液圧回路15,16には、マスタシリンダ12内のブレーキ液圧を検出するための液圧センサPS1,PS2が設けられている。
第1液圧回路15には、右前輪FRに対応するホイールシリンダ18aに接続されるホイールシリンダ18a用(右前輪FR用)の右前輪用経路15aと、左後輪RLに対応するホイールシリンダ18dに接続されるホイールシリンダ18d用(左後輪RL用)の左後輪用経路15bとが形成されている。そして、これら各経路15a,15b上には、常開型の電磁弁25,26と常閉型の電磁弁27,28がそれぞれ設けられている。
同様に、第2液圧回路16には、左前輪FLに対応するホイールシリンダ18bに接続されるホイールシリンダ18b用(左前輪FL用)の左前輪用経路16aと、右後輪RRに対応するホイールシリンダ18cに接続されるホイールシリンダ18c用(右後輪RR用)の右後輪用経路16bとが形成されている。そして、これら各経路16a,16b上には、常開型の電磁弁29,30と常閉型の電磁弁31,32がそれぞれ設けられている。
ここで、上記各電磁弁25〜32のソレノイドコイルが通電状態にある場合及び非通電状態にある場合の各ホイールシリンダ18a〜18d内のブレーキ液圧の変化について説明する。
まず、各電磁弁25〜32のソレノイドコイルが全て非通電状態にある場合には、常開型の電磁弁25,26,29,30は開き状態のままであると共に、常閉型の電磁弁27,28,31,32は閉じ状態のままである。そのため、マスタシリンダ12からブレーキオイルが各経路15a,15b,16a,16bを介して各ホイールシリンダ18a〜18d内に流入し、各ホイールシリンダ18a〜18d内のブレーキ液圧は上昇することになる。
一方、各電磁弁25〜32のソレノイドコイルが全て通電状態にある場合には、常開型の電磁弁25,26,29,30が閉じ状態となると共に、常閉型の電磁弁27,28,31,32が開き状態となる。そのため、各ホイールシリンダ18a〜18d内からブレーキオイルが各経路15a,15b,16a,16bを介してリザーバ23,24へと流出し、各ホイールシリンダ18a〜18d内のブレーキ液圧は降下することになる。
そして、各電磁弁25〜32のうち常開型の電磁弁25,26,29,30のソレノイドコイルのみが通電状態にある場合には、全ての電磁弁25〜32が閉じ状態となる。そのため、各経路15a,15b,16a,16bを介したブレーキオイルの流動が規制される結果、各ホイールシリンダ18a〜18d内のブレーキ液圧はその液圧レベルが保持されることになる。
図2に示すように、電子制御装置19は、制御手段としてのCPU40、ROM41、及びRAM42などを備えたデジタルコンピュータと、各装置を駆動させるための駆動回路(図示略)とを主体として構成されている。ROM41には、液圧制御装置17(モータM及び各電磁弁25〜32の駆動)を制御するための制御プログラム、及び各種閾値(後述するスリップ率閾値や減速度閾値など)を演算処理をするためのマップ(図3及び図4参照)が記憶されている。また、RAM42には、車両の制動制御装置11の駆動中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶されるようになっている。
また、電子制御装置19の入力側インターフェース(図示略)には、上記ブレーキスイッチSW1、液圧センサPS1,PS2、及び各車輪FL,FR,RL,RRの車輪速度を検出するための車輪速度センサSE1,SE2,SE3,SE4がそれぞれ接続されている。すなわち、電子制御装置19(CPU40)は、ブレーキスイッチSW1、液圧センサPS1,PS2、及び車輪速度センサSE1〜SE4からの各信号を受信するようになっている。一方、電子制御装置19の出力側インターフェース(図示略)には、各ポンプ21,22を駆動させるためのモータM及び各電磁弁25〜32が接続されている。そして、電子制御装置19(CPU40)は、上記スイッチSW1及び各センサPS1,PS2,SE1〜SE4からの入力信号に基づき、モータM及び各電磁弁25〜32の動作を個別に制御するようになっている。
次に、ROM41に記憶される各マップについてそれぞれ説明する。
図3に示すマップは、本実施形態の車両の制動制御装置11が搭載される車両における理想制動力配分(図3では破線で示す。)と電子制御装置19(CPU40)の制御に基づき実行される実際の制動力配分(図3では実線で示す。)の一例を示すものである。ここで、理想制動力配分とは、全車輪FR,FL,RR,RLに各ホイールシリンダ18a〜18dが制動力を付与した場合に、全車輪FR,FL,RR,RLを同時にロックさせる前輪FR,FL及び後輪RR,RLへの制動力配分のことである。上述したように、制動制御装置11が搭載される車両は、その重心が比較的高い位置にある。そのため、本実施形態の理想制動力配分を示す理想制動力配分曲線Lは、前輪FR,FLの制動力の増加に伴い後輪RR,RLの制動力が増加する第1曲線部分L1と、第1曲線部分L1に続いて前輪FR,FLの制動力の増加に伴い後輪RR,RLの制動力が減少する第2曲線部分L2とを含む曲線になる。
図4に示すマップは、車両の制動時に検出される車体減速度DVSが後述する減速度閾値KG以上となった場合における車両の車体減速度DVS1(≧KG)と、その場合における後輪RR,RLに対応するホイールシリンダ18c,18d内のブレーキ液圧の減圧量との関係を示すものである。同図のマップに示すように、車両の車体減速度DVSが減速度閾値KG以上となった場合には、その場合の車体減速度DVS1の増加に伴いホイールシリンダ18c,18d内のブレーキ液圧の減圧量P1が段階的に増加するようになっている。すなわち、車両の車体減速度DVSが減速度閾値KG以上の車体減速度DVS1となった場合には、その車体減速度DVS1が大きくなればなる程、ホイールシリンダ18c,18d内のブレーキ液圧の減圧量P1に対応して、後輪RR,RLの制動力の減少量が多くなるように設定されている。具体的には、車体減速度DVS1と減速度閾値KGとの差が大きくなればなる程、後輪RR,RL用のホイールシリンダ18c,18dに接続される電磁弁28,32の通電時間を段階的に長くすることで、ブレーキ液圧の減圧量P1を段階的に増加させることができる。したがって、この点で、本実施形態では、ROM41が後輪RR,RLの制動力の減少量(ホイールシリンダ18c,18d内のブレーキ液圧の減圧量P1)を車両の車体減速度DVS,DVS1に対応付けた状態で記憶する記憶手段として機能するようになっている。
次に、本実施形態のCPU40が実行する制御処理ルーチンのうち、ブレーキスイッチSW1からの信号をCPU40が受信した場合に実行する制動力配分制御処理ルーチンについて図5に基づき以下説明する。
さて、CPU40は、所定周期毎に制動力配分制御処理ルーチンを実行する。そして、この制動力配分制御処理ルーチンにおいて、CPU40は、まず各車輪速度センサSE1〜SE4から受信した信号に基づき、各車輪FR,FL,RR,RLの車輪速度VWをそれぞれ検出する(ステップS10)。なお、本実施形態では、説明理解の便宜上、右前輪FRの車輪速度VWと左前輪FLの車輪速度VWは同一になると共に、右後輪RRの車輪速度VWと左後輪RLの車輪速度VWは同一になるものとする。
続いて、CPU40は、前輪FR,FLのスリップ率SLFと後輪RR,RLのスリップ率SLRとをそれぞれ演算する(ステップS11)。具体的には、前輪FR,FLのスリップ率SLFは「0(零)」として、前輪FR,FLに対する後輪RR,RLのスリップ率SLRを演算する。ここで、後輪RR,RLのスリップ率SLRは下記の条件式を基に演算される。
(後輪RR,RLのスリップ率SLR)=((後輪RR,RLの車輪速度VW)―(前輪FR,FLの車輪速度VW)/(前輪FR,FLの車輪速度VW))…(1)
そして次に、CPU40は、車両の車体減速度DVS,DVS1を演算して、その演算した車両の車体減速度DVS,DVS1をRAM42に記録する(ステップS12)。具体的には、CPU40は、ステップS10にて検出した各車輪FR,FL,RR,RLの車輪速度VWのうち最も大きな速度値のものを、車両の車体速度(推定車体速度)と設定し、その車体速度を微分することにより、車両の車体減速度DVS,DVS1を検出する。したがって、この点で、本実施形態では、各車輪速度センサSE1〜SE4及びCPU40により、各車輪FR,FL,RR,RLの車輪速度VWのうち少なくとも一つの車輪(例えば右前輪FR)の車輪速度VWに基づき車両の車体減速度DVS,DVS1を検出する減速度検出手段が構成されている。
続いて、CPU40は、ステップS11にて検出した後輪RR,RLのスリップ率SLRと前輪FR,FLのスリップ率SLFとの差が予め設定されたスリップ率閾値(例えば、「0.5」)KS以上であるか否かを判定する(ステップS13)。各車輪FR,FL,RR,RLへの各ホイールシリンダ18a〜18dによる制動力の付与が開始された直後においては、図3に示すように、前輪FR,FLのほうが後輪RR,RLよりもロックしやすい状態(すなわち、後輪RR,RLのスリップ率SLR<前輪FR,FLのスリップ率SLF)となり、車両の走行は十分に安定したものとなる。ところが、各車輪FR,FL,RR,RLの制動力が増加し続けた場合には、後輪RR,RLのほうが前輪FR,FLよりもロックしやすい状態(すなわち、後輪RR,RLのスリップ率SLR>前輪FR,FLのスリップ率SLF)となり、車両における走行の安定性が多少低下するおそれがある。
そのため、CPU40は、ステップS13において、後輪RR,RLのスリップ率SLRと前輪FR,FLのスリップ率SLFとの差を予め設定されたスリップ率閾値KSと比較することにより、車両における走行の安定性が多少低下する状態であるか否かを判定するようにしている。したがって、この点で、本実施形態では、CPU40が、各ホイールシリンダ(制動手段)18a〜18dが各車輪FR,FL,RR,RLに制動力を付与した場合に、後輪RR,RLが前輪FR,FLよりもロックしやすい状態であるか否かを判定する第1判定手段としても機能するようになっている。ここで、「車輪FR,FL,RR,RLの制動力」とは、CPU40がブレーキスイッチSW1から信号を受信してからのマスタシリンダ12内のブレーキ液圧の増圧量に対応した値となる。したがって、本実施形態では、液圧センサPS1,PS2及びCPU40により、ホイールシリンダ(制動手段)18a〜18dが各車輪FR,FL,RR,RLに付与する制動力を検出する制動力検出手段が構成されている。
そして、ステップS13の判定結果が肯定判定である場合、CPU40は、車両における走行の安定性が多少低下し得る状態であると判断し、後輪RR,RLの制動力の増加を抑制すべく第1制御を開始する(ステップS14)。具体的には、CPU40は、第1液圧回路15の左後輪用経路15b上に配置される常開型の電磁弁26のソレノイドと、第2液圧回路16の右後輪用経路16b上に配置される常開型の電磁弁30のソレノイドとをそれぞれ通電状態とする。第1制御中は、ブレーキペダル20の踏込み量が大きくなるに従い前輪FR,FLの制動力のみが増加する。すなわち、第1制御中では、前輪FR,FLの制動力を示す値が図3において直線で示される第1制御線LA1上を点Qに向けて移動する。そして、このステップS14の処理を終えた後、CPU40は、制動力配分制御処理ルーチンを一旦終了し、所定周期後に、再び制動力配分制御処理ルーチンを実行する。
一方、ステップS13の判定結果が否定判定である場合、CPU40は、車両の走行が安定した状態であると判断し、ステップS12にて検出した車両の車体減速度DVSが予め設定した減速度閾値KG以上であるか否かを判定する(ステップS15)。この点で、本実施形態では、CPU40が、ステップS12にて検出した車両の車体減速度DVSが予め設定された減速度閾値KG以上であるか否かを判定する第2判定手段としても機能するようになっている。ここで、減速度閾値KGは、上記第1制御が実行された状態で後輪RR,RLのスリップ率SLRが前輪FR,FLのスリップ率SLF以上になると推測されるような車両の車体減速度であり、予め実験やシミュレーションなどによって算出されている。すなわち、減速度閾値KGは、後輪RR,RLの制動力が、前輪FR,FLの制動力に基づき理想制動力配分曲線Lの第2曲線部分L2から算出可能な理想の後輪RR,RLの制動力と等しくなる場合の車両の車体減速度DVS1に設定されている。これは、図3において、第2曲線部分L2と第1制御線LA1とが交差する点Qを通るように減速度閾値KGの等車体減速度線(図3では一点鎖線で示す。)が設定されていることで表されている。そして、ステップS15の判定結果が否定判定である場合、CPU40は、制動力配分制御処理ルーチンを終了する。
一方、ステップS15の判定結果が肯定判定である場合、CPU40は、図4に示すマップに基づき、その場合の車両の車体減速度DVS1(≧KG)に対応する後輪RR,RLのホイールシリンダ18c,18d内のブレーキ液圧の減圧量P1を設定し、RAM42に記録する(ステップS16)。続いて、CPU40は、ステップS16にて設定した減圧量P1に基づき、第2制御を行う(ステップS17)。具体的には、CPU40は、第1液圧回路15の左後輪用経路15b上に配置される常閉型の電磁弁28と、第2液圧回路16の右後輪用経路16b上に配置される常閉型の電磁弁32とが、共に開き状態及び閉じ状態を繰り返し実行するように、それぞれのソレノイドに電流を供給する。そして、CPU40は、各ホイールシリンダ18c、18d内のブレーキ液圧を減圧量P1だけ減圧させた後に、各電磁弁26,30のソレノイドへの電流の供給を停止する。第2制御中は、前輪FR,FLの制動力が一定のまま後輪RR,RLの制動力が減圧量P1に対応する分だけ減少する。すなわち、第2制御中では、後輪RR,RLの制動力を示す値が図3において直線で示される第2制御線LA2上を点Qから点Rに向けて移動する。その後、CPU40は、制動力配分制御処理ルーチンを終了する。
なお、本実施形態では、CPU40は、ブレーキスイッチSW1からの信号を受信しなくなった場合、ブレーキペダル20の踏込み操作が終了し車両が完全に停止したものと判断する。そして、CPU40は、第1制御及び第2制御が実行される状態であった場合には、第1制御及び第2制御を停止させる。
次に、本実施形態における車両の制動制御方法について以下説明する。
さて、車両が走行している状態で搭乗者がブレーキペダル20を踏込むと、各車輪FR,FL,RR,RLに制動力が働く。ブレーキペダル20が踏込まれた直後においては、後輪RR,RLのスリップ率SLR<前輪FR,FLのスリップ率SLFであるため、各車輪FR,FL,RR,RLに対する制動力配分制御(第1制御)は行われない。ところが、車両の車体減速度DVSが上昇すると、後輪RR,RLのスリップ率SLR>前輪FR,FLのスリップ率SLFとなり、結果として、後輪RR,RLのスリップ率SLRと前輪FR,FLのスリップ率SLFとの差(SLR−SLF)がスリップ率閾値KS以上となる。
すると、後輪RR,RLの制動力の増加を抑制すべく第1制御が行われる。すなわち、開き状態にある電磁弁26,30が、それらのソレノイドに電流が供給されることにより、閉じ状態となり、ホイールシリンダ18c,18d内のブレーキ液圧が、電磁弁26,30が閉じ状態となる直前の液圧で保持(保圧)される。そのため、さらに車両の車体減速度DVSが大きくなっても、後輪RR,RLのスリップ率SLRが前輪FR,FLのスリップ率SLFよりも大きくなることはなく、車両の走行が安定する。この場合、前輪FR,FLの制動力を示す値は、図3において第1制御線LA1上を移動する。
ところが、車両の車体減速度DVSがさらに大きくなると、前輪FR,FLの接地荷重が増加すると共に後輪RR,RLの接地荷重が減少するため、第1制御が行われる状態であっても、再び、後輪RR,RLのスリップ率SLRが増加する。そして、車両の車体減速度DVSが減速度閾値KG以上の車体減速度DVS1になると、再び、後輪RR,RLのスリップ率SLR>前輪FR,FLのスリップ率SLFとなるため、第2制御が実行される。すなわち、その車両の車体減速度DVS1に対応した減圧量P1が図4に示すマップから読み出され、閉じ状態にある各電磁弁28,32が開き状態と閉じ状態とを繰り返し実行するように、それぞれのソレノイドに電流が供給される。この場合、後輪RR,RLの制動力を示す値は、図3において第2制御線LA2のうち点Qと点Rとを結ぶ第2制御線LA2上を移動する。
すると、ホイールシリンダ18c,18d内のブレーキ液圧が減圧される。そして、ホイールシリンダ18c,18d内のブレーキ液圧が減圧量P1だけ減圧すると、電磁弁26,30のソレノイドへの電流の供給を停止し、電磁弁26,30が開き状態となり、ホイールシリンダ18c,18d内のブレーキ液圧が保持される。この場合、ホイールシリンダ18c,18d内のブレーキ液圧の減圧に応じて車両の車体減速度DVSが減速度閾値KGよりも小さくなると共に、後輪RR,RLのスリップ率SLR<前輪FR,FLのスリップ率SLFとなる。したがって、車両における走行の安定性が確保される。
その後、車両の車体減速度DVSが大きくなると、前輪FR,FLの制動力を示す値は、図3において第1制御線LA1のうち点Rと点Sとを結ぶ第1制御線LA1上を移動し、車両の車体減速度DVSは、再び、減速度閾値KG以上の車体減速度DVS1になる。すると、上述したような第2制御が再び実行され、車両における走行の安定性が確保されるようになる。すなわち、後輪RR,RLの制動力を示す値は、図3において第2制御線LA2のうち点Sと点Tとを結ぶ第2制御線LA2上を移動する。その後、前輪FR,FLの制動力を示す値が点Tと点Uとを結ぶ第1制御線LA1を移動し、続いて、後輪RR,RLの制動力を示す値が第2制御線LA2を移動するように、第1制御と第2制御とが繰り返し実行される。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)各ホイールシリンダ(制動手段)18a〜18dによる制動力が各車輪FR,FL,RR,RLに付与され、ステップS13の判定結果が肯定判定となった場合には、後輪RR,RLの制動力の上昇を抑制すべく第1制御が開始される。そして、第1制御が実行された状態でステップS15の判定結果が肯定判定となった場合には、後輪RR,RLの制動力を減少させるべく第2制御が行われる。そのため、前輪FR,FLよりも後輪RR,RLのほうがロックしやすい状態(後輪RR,RLのスリップ率SLR>前輪FR,FLのスリップ率SLF)になることを、回避することができる。したがって、本実施形態の車両のように、重心が比較的高い位置にある車両の場合にも、その車両の特性に応じた好適な制動力配分制御を行うことにより、その車両における走行の安定性を良好に図ることができる。
(2)各車輪速度センサSE1〜SE4からの信号に基づきCPU40が車両の車体減速度(推定車体減速度)DVSを演算するため、車体に別途に車体減速度センサ(Gセンサ)を設けることによる部品点数の増加を抑制できる。
(3)本実施形態では、CPU40による第2制御が開始される条件判定のための減速度閾値KGが、CPU40により既に第1制御が既に実行されている場合の車両の車体減速度DVS,DVS1に設定されている。そのため、制御的に、第2制御を実行する前ステップとして、第1制御が実行されているか否かを判定する必要がない分、処理ステップの増加を良好に回避できる。
(4)車両の車体減速度DVSが減速度閾値KG以上の車体減速度DVS1となった際には、各ホイールシリンダ(制動手段)18c,18d内のブレーキ液圧の減圧量P1を、各車輪速度センサSE1〜SE4からの信号に基づきCPU40が検出した車両の車体減速度DVS1に応じた最適な値にすることができる。すなわち、第2制御を行った際に、後輪RR,RLの制動力の減少量が多すぎたり、小さすぎたりすることを良好に回避できる。
なお、実施形態は以下のような別の実施形態(別例)に変更してもよい。
・実施形態において、車両の車体減速度DVSが減速度閾値KG以上の車体減速度DVS1となった場合には、その車両の車体減速度DVS1に対応してホイールシリンダ18c,18d内のブレーキ液圧の減圧量P1が増加するのであれば、この減圧量P1を、比例的に増加させてもよいし、二次関数的に増加させてもよい。また、その二次関数に沿って減圧量P1を段階的に増加させてもよい。これらは電磁弁25〜32の制御方式を変更することで対応できる。
・実施形態において、ROM41には、図3に示すマップを記憶させるのではなく、車両の車体減速度DVS,DVS1とホイールシリンダ18c,18d内のブレーキ液圧の減圧量P1との関係式を記憶させ、この関係式に基づき減圧量P1を設定するようにしてもよい。
・また、ROM41には、ホイールシリンダ18c,18d内のブレーキ液圧の減圧量P1を一つだけ記憶させておき、車両の車体減速度DVSが減速度閾値KG以上の車体減速度DVS1となった場合には、ホイールシリンダ18c,18d内のブレーキ液圧を減圧量P1だけ減圧させるようにしてもよい。
・実施形態において、車体に車体減速度センサ(「Gセンサ」ともいう。)を配設し、この車体減速度センサによって車両の車体減速度DVS,DVS1を検出するようにしてもよい。
・実施形態において、車両の車体減速度DVSが予め設定された閾値以上となった場合に、第1制御を行うようにしてもよい。この場合、車両の車体減速度DVSのみで、第1制御及び第2制御の開始を判断できる。
・前記実施形態において、後輪RR,RLのスリップ率SLR及び前輪FR,FLのスリップ率SLFは、車両の車体速度に対するスリップ率SLR,SLFであってもよい。この場合、後輪RR,RLのスリップ率SLR及び前輪FR,FLのスリップ率SLFは、以下の条件式に基づき演算される。
(後輪RR,RLのスリップ率SLR)=((後輪RR,RLの車輪速度VW)―(車両の車体速度)/(車両の車体速度))…(2)
(前輪FR,FLのスリップ率SLF)=((前輪FR,FLの車輪速度VW)―(車両の車体速度)/(車両の車体速度))…(3)
・実施形態において、第1液圧回路15には右前輪FR用のホイールシリンダ18aと左前輪FL用のホイールシリンダ18bとが接続されると共に、第2液圧回路16には右後輪RR用のホイールシリンダ18cと左後輪RL用のホイールシリンダ18dとが接続されるような回路構成としてもよい。
本実施形態における車両の制動制御装置のブロック図。 本実施形態における電子制御装置のブロック図。 本実施形態における車両の理想制動力配分を示すマップ。 車両の車体減速度と後輪用のホイールシリンダ内におけるブレーキ液圧の減圧量との関係を示すマップ。 制動力配分制御処理ルーチンを示すフローチャート。 従来の理想制動力配分と実際の制動力配分との関係を示す図。
符号の説明
11…車両の制動制御装置、18a〜18d…ホイールシリンダ(制動手段)、40…CPU(制御手段、減速度検出手段、第1判定手段、第2判定手段、制動力検出手段)、41…ROM(記憶手段)、DVS,DVS1…車両の車体減速度、FR,FL…前輪(車輪)、RR,RL…後輪(車輪)、KG…減速度閾値、L…理想制動力配分曲線、L1…第1曲線部分、L2…第2曲線部分、PS1,PS2…液圧センサ(制動力検出手段)、SE1〜SE4…車輪速度センサ(減速度検出手段)、VW…車輪速度。

Claims (2)

  1. 車両の前輪(FL,FR)及び後輪(RL,RR)を同時にロック状態とする理想制動力配分が、前輪(FL,FR)の制動力の増加に伴い後輪(RL,RR)の制動力が増加する第1曲線部分(L1)と、該第1曲線部分(L1)に続いて前記前輪(FL,FR)の制動力の増加に伴い前記後輪(RL,RR)の制動力が減少する第2曲線部分(L2)とを含む理想制動力配分曲線(L)で示される車両の制動制御装置(11)において、
    前記車両の各車輪(FL,FR,RL,RR)に制動力を付与する制動手段(18a,18b,18c,18d)と、
    前記車両の車体減速度(DVS,DVS1)を検出する減速度検出手段(40,SE1,SE2,SE3,SE4)と、
    前記制動手段(18a,18b,18c,18d)が前記各車輪(FL,FR,RL,RR)に制動力を付与した場合に、前記後輪(RL,RR)が前記前輪(FL,FR)よりもロックしやすい状態であるか否かを判定する第1判定手段(40)と、
    前記減速度検出手段(40,SE1,SE2,SE3,SE4)により検出された前記車体減速度(DVS,DVS1)が予め設定された減速度閾値(KG)以上であるか否かを判定する第2判定手段(40)と、
    前記第1判定手段(40)による判定結果が肯定判定となった場合に、前記制動手段(18a,18b,18c,18d)により前記前輪(FL,FR)に付与される制動力を増加させつつ前記後輪(RL,RR)に付与される制動力の増加を抑制する第1制御を開始し、該第1制御が実行されている状態で前記第2判定手段(40)による判定結果が肯定判定となった場合に、前記制動手段(18a,18b,18c,18d)により前記前輪(FL,FR)に付与される制動力を一定に維持したまま、前記後輪(RL,RR)に付与される制動力を所定の減少量減少させる第2制御を行う制御手段(40)とを備え
    前記制動手段(18a,18b,18c,18d)が各車輪(FL,FR,RL,RR)に付与する制動力を検出する制動力検出手段(40,PS1,PS2)と、前記制御手段(40)による前記第2制御の実行時における前記後輪(RL,RR)の制動力の前記所定の減少量を前記車両の車体減速度(DVS,DVS1)に対応付けた状態で記憶する記憶手段(41)とをさらに備え、
    前記減速度閾値(KG)は、前記制御手段(40)による前記第1制御の実行時に前記制動力検出手段(40,PS1,PS2)により検出された前記後輪(RL,RR)の制動力が、同じく前記制動力検出手段(40,PS1,PS2)により検出された前記前輪(FL,FR)の制動力に基づき前記理想制動力配分曲線(L)の第2曲線部分(L2)から得られる理想の後輪の制動力と等しくなる場合の車両の車体減速度(DVS,DVS1)に設定され、
    前記制御手段(40)は、前記第2判定手段(40)による判定結果が肯定判定となった場合に、前記減速度検出手段(40,SE1,SE2,SE3,SE4)が検出した前記車両の車体減速度(DVS,DVS1)に対応する前記減少量を前記記憶手段(41)から読み出し、該記憶手段(41)から読み出した減少量の値に基づき前記制動手段(18a,18b,18c,18d)を制御し、前記所定の減少量と前記車両の車体減速度(DVS,DVS1)との対応は、前記車両の車体減速度が大きい程、前記所定の減少量が多くなるように設定される車両の制動制御装置。
  2. 車両の前輪(FL,FR)及び後輪(RL,RR)を同時にロック状態とする理想制動力配分が、前輪(FL,FR)の制動力の増加に伴い後輪(RL,RR)の制動力が増加する第1曲線部分(L1)と、該第1曲線部分(L1)に続いて前記前輪(FL,FR)の制動力の増加に伴い前記後輪(RL,RR)の制動力が減少する第2曲線部分(L2)とを含む理想制動力配分曲線(L)で示される車両の制動制御方法において、
    前記車両の各車輪(FL,FR,RL,RR)への制動力の増加に伴い後輪(RL,RR)が前輪(FL,FR)よりもロックしやすい状態となった場合に、前記前輪(FL,FR)に付与される制動力を増加させつつ前記後輪(RL,RR)に付与される制動力の増加を抑制する第1制御を開始し、該第1制御が実行されている状態で前記車両の車体減速度(DVS,DVS1)が予め設定された減速度閾値(KG)以上となった場合には、前記前輪(FL,FR)に付与される制動力を一定に維持したまま、前記後輪(RL,RR)に付与される制動力を所定の減少量低下させる第2制御を行うようにし
    前記減速度閾値(KG)は、前記第1制御の実行時に検出された前記後輪(RL,RR)の制動力が、検出された前記前輪(FL,FR)の制動力に基づき前記理想制動力配分曲線(L)の第2曲線部分(L2)から得られる理想の後輪の制動力と等しくなる場合の車両の車体減速度(DVS,DVS1)に設定され、
    前記第1制御が実行されている状態で前記車両の車体減速度(DVS,DVS1)が予め設定された減速度閾値(KG)以上となった場合に、前記所定の減少量と前記車両の車体減速度(DVS,DVS1)との対応は、前記車両の車体減速度が大きい程、前記所定の減少量が多くなるように設定される車両の制動制御方法。
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