JP6422752B2 - 車両の制動力制御装置 - Google Patents

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この発明は、駆動輪に電気モータを備えた電気自動車における、駆動輪に異常が生じた場合に各車輪に与えられた制動力を制御する車両の制動力制御装置に関する。
従来より、車両に備えられた複数の駆動装置のうち少なくとも一つに異常が発生した場合の制動力制御方法について提案されている(例えば、特許文献1)。この特許文献1では、回生可能な車両の駆動装置のうち少なくとも一つに異常が発生した場合に、正常に動作する駆動装置により車両の安定性を確保し回生制動できる制動力制御装置が提案されている。
特開2010−76568号公報
特許文献1では、異常の発生によりモータが機能せず制動力を発生しない場合を想定し、モータが発生できない制動力を摩擦ブレーキが代わって制動力を発生することで、左右輪の制動力差を抑えて走行安定性を確保している。また、異常が発生していないモータの回生制動力を増やすことで回生電力量を確保している。
しかしながら、駆動輪を構成するモータや動力伝達部の軸受や歯車等に摩耗等の異常が生じると、駆動輪回転時の抵抗が増加することで制動力が生じる可能性がある。特許文献1では、このような状況は考慮されていないため、異常が発生した駆動輪(異常輪)に制動力が生じている状態で正常時と同様に摩擦ブレーキを動作させると、タイヤに大きな制動力が発生することでタイヤがスリップし走行安定性が低下する可能性がある。
また一般的なアンチロックブレーキシステム(略称:ABS)では、異常輪がスリップしないように異常輪の制動力を制限する。このため、運転者がブレーキペダルを踏み増していくとABSの動作後は、ブレーキペダル操作量に対して車両減速度が小さくなる。そのため運転者はさらにブレーキペダルを踏み増す必要があり、違和感を生じる可能性がある。
この発明の目的は、駆動輪の異常による制動力が生じた場合でも制動時の走行安定性が低下せず、またブレーキペダルの踏み込み量に応じた車両減速度を発生させ制動時の違和感を生じ難くすることができる車両の制動力制御装置を提供することである。
この発明の車両の制動力制御装置は、複数の車輪1〜4に駆動力および制動力を発生可能な制駆動力発生手段6を備えた車両において、各車輪1〜4に与えられた制動力を制御する車両の制動力制御装置であって、
前記各車輪1〜4のうちで前記制駆動力発生手段6で駆動力が与えられる駆動輪の制動力が発生するときの異常を検出する異常検出手段13と、
この異常検出手段13で異常が検出された車輪1,(2〜4)につき、この車輪1,(2〜4)の異常に起因して発生する制動力を定められた基準に従って推定する制動力推定手段14と、
前記制駆動力発生手段6による前記車両の制動時に、異常が検出された車輪1,(2〜4)に配分する制動力と前記制動力推定手段14で推定される制動力との和が、閾値を超えるときに各車輪1〜4のいずれかに配分する制動力を定められた規定により調整する制動力調整手段21と、
を設けたことを特徴とする。
前記定められた基準、前記定められた規定は、それぞれ試験やシミュレーション等の結果により定められる。
この構成によると、異常検出手段13は、各車輪1〜4につき制動力が発生する異常を検出する。制動力推定手段14は、異常が検出された車輪1,(2〜4)(以後、「異常輪」という場合がある)につき、この車輪の異常に起因して発生する制動力、つまり異常起因制動力を推定する。例えば、運転者が要求している制動力もしくは駆動力と、車両加速度センサ23で測定した車両の前後加速度に車重を乗じた値との差から前記異常起因制動力を推定する。
制動力調整手段21は、制駆動力発生手段6による車両の制動時に、異常輪に配分する制動力と異常起因制動力との和が、閾値を超えるときに各車輪1〜4のいずれかに配分する制動力を調整する。この場合の制駆動力発生手段は、例えば、摩擦ブレーキ5およびモータ6である。異常輪に配分する制動力と異常起因制動力との和が閾値以下の場合は、この制動力調整手段21による制動力の調整は行わない。また、制駆動力発生手段6や回路の断線等により制動力を発生しない異常が発生した場合、異常輪に異常起因制動力が生じないため、この発明は適用しない。
この発明の制動力制御装置を適用することで、前述のように異常輪に制動力が生じている状態で制動しても、異常輪に必要以上の大きな制動力が発生することを抑制しタイヤがスリップせず走行安定性が低下しない。また一般的なABSとは異なり、異常輪で制限した制動力を、異常が検出されない他の車輪すなわち健全輪に再配分するため、ブレーキペダル11の踏み込み量に応じた車両減速度が発生し、運転者は制動時に違和感を生じ難い。
前記制動力調整手段21は、前記車両の制動時に、異常が検出された車輪に配分する制動力およびこの車輪の異常に起因して発生する制動力の和と前記閾値との差を、前記車輪に配分する制動力から減らし、前記異常検出手段13で異常が検出されない他の車輪の制動力に前記差を配分し加算しても良い。このように異常輪に配分する制動力から減らした前記差に相当する部分を、健全輪に再配分することで、ブレーキペダル11の踏み込み量に応じた車両減速度を実現し得る。よって異常検出手段13により異常輪が検出されても、運転者のブレーキ操作時の操作フィーリングに違和感を生じ難くなる。
前記制動力調整手段21は、前記制動力の和と前記閾値との差を異常が検出されない他の車輪の制動力に配分する比率を、前記差を配分する前の前記他の車輪の制動力の比率に等しくしても良い。この場合、例えば、前記差を健全輪に均等に再配分するよりも、車両の制動距離を短くすることができるうえ、後輪側健全輪のスリップを抑制し車両安定性が確保できる。
前記制動力調整手段21は、異常が検出された車輪と左右同じ側の前記他の車輪の制動力に、前記差を配分しても良い。この場合、異常起因制動力によって生じるモーメントが制動時にも維持される。これにより、制動による車両姿勢の変化を抑制することができる。
前記制動力調整手段21は、前記車両の前後軸荷重比率および前後左右加速度から計算される、異常が検出された車輪の荷重を基に前記閾値を算出しても良い。
前記車両は前記制駆動力発生手段としてモータ6を備え、このモータ6は、一部または全体が車輪内に配置されて前記モータ6と車輪用軸受16と減速機15とを含むインホイールモータ駆動装置IWMを構成するものとしても良い。
この発明の車両の制動力制御装置は、複数の車輪に駆動力および制動力を発生可能な制駆動力発生手段を備えた車両において、各車輪に与えられた制動力を制御する車両の制動力制御装置であって、前記各車輪のうちで前記制駆動力発生手段で駆動力が与えられる駆動輪の制動力が発生する異常を検出する異常検出手段と、この異常検出手段で異常が検出された車輪につき、この車輪の異常に起因して発生する制動力を定められた基準に従って推定する制動力推定手段と、前記制駆動力発生手段による前記車両の制動時に、異常が検出された車輪に配分する制動力と前記制動力推定手段で推定される制動力との和が、閾値を超えるときに各車輪のいずれかに配分する制動力を定められた規定により調整する制動力調整手段とを設けた。このため、駆動輪の異常による制動力が生じた場合でも制動時の走行安定性が低下せず、またブレーキペダルの踏み込み量に応じた車両減速度を発生させ制動時の違和感を生じ難くすることができる。
この発明の実施形態に係る制動力制御装置を搭載した車両の概略構成を示す図である。 同車両のインホイールモータ駆動装置等を概略示す断面図である。 同制動力制御装置のブロック図である。 同制動力制御装置において異常輪検出時に運転者が制動を指示した場合の各車輪の制動力を示す図である。 同制動力制御装置で各車輪の制動力を制御する処理を示すフローチャートである。 この発明の他の実施形態に係る制動力制御装置で異常輪検出時に運転者が制動を指示した場合の各車輪の制動力を示す図である。
この発明の実施形態に係る車両の制動力制御装置を図1ないし図5と共に説明する。
この実施形態の制動力制御装置は、複数の車輪に与えられた制動力を制御する装置である。図1に示すように、この実施形態では、制動力制御装置が搭載される車両として、左右の前輪1,2および後輪3,4がそれぞれモータ6によって独立して駆動される四輪独立駆動車が適用される。各モータ6は、それぞれ駆動力および制動力を発生可能な制駆動力発生手段である。
各車輪1〜4にモータ6を備え、各モータ6は後述のインホイールモータ駆動装置IWMを構成する。制動力制御装置は、車両制御装置7と、モータ制御装置8と、摩擦ブレーキ制御装置9とを有する。運転者がアクセルペダル10を操作し駆動を指示した場合、車両制御装置7はペダル操作量に応じた駆動力指令をモータ制御装置8に送り、モータ制御装置8がモータ6を制御する。このモータ制御装置8は、モータ6の電流、電圧、コイルや冷却液の温度、減速機15(図2)における潤滑液の温度を測定する。測定した値は、モータ制御装置8でモータ6の制御や状態監視に使用する。各車輪1〜4には、それぞれ摩擦ブレーキ5が設けられる。
図2に示すように、各インホイールモータ駆動装置IWMは、それぞれ、モータ6、減速機15、および車輪用軸受16を有し、これらの一部または全体が車輪内に配置される。モータ6の回転は、減速機15および車輪用軸受16を介して車輪1,(2〜4)に伝達される。車輪用軸受16のハブ輪16aのフランジ部にはディスクロータ17が固定され、同ブレーキロータ17は駆動輪(車輪)1,(2〜4)と一体に回転する。モータ6は、例えば、ロータ6aのコア部に永久磁石が内蔵された埋込磁石型同期モータである。このモータ6は、ハウジング18に固定したステータ6bと、回転出力軸19に取り付けたロータ6aとの間にラジアルギャップを設けたモータである。
四つの車輪1〜4には、それぞれ摩擦ブレーキ5が設けられる。各摩擦ブレーキ5は、ディスクロータ17、ブレーキパッド20、および図示外の油圧ピストン等を含む。図1および図2に示すように、摩擦ブレーキ制御装置9が、図示しない油圧発生源で生じた油圧を制御し、前記油圧ピストンがブレーキパッド20をディスクロータ17に押付けることで制動トルクを発生する。なお摩擦ブレーキ5は、前記油圧ピストンの代わりに電動モータおよび直動機構(いずれも図示せず)等を用いても良い。
図1に示すように、運転者がブレーキペダル11を操作し制動した場合、車両制御装置7は、ペダル操作量から運転者が要求する制動力を四輪に配分し、摩擦ブレーキ5ないしはモータ6で各車輪1〜4に正常時配分制動力を発生させる。この場合に摩擦ブレーキ制御装置9で各摩擦ブレーキ5を制御し、モータ制御装置8で各モータ6を制御し、これら摩擦ブレーキ5とモータ6で協調して制動力を発生する。
図3はこの制動力制御装置のブロック図である。
車両制御装置7は、例えば、コンピュータとこれに実行されるプログラム、並びに各種の電子回路等で構成されるECUにより実現される。車両制御装置7は、制駆動力指令値算出部12、異常検出手段13、制動力推定手段14、制動力調整手段21、および記憶手段22を有する。前記ECUは、例えば、車両全体の協調制御、統括制御を行う電気制御ユニットである。
制駆動力指令値算出部12は、原則、アクセルペダル10、ブレーキペダル11の各ペダル操作量に応じた適切な駆動力指令および制動力指令を演算し、これら駆動力指令と制動力指令の差に応じた制駆動力指令であるトルク指令を、モータ制御装置8を介して各モータ6に分配する。
モータ制御装置8は、各モータ6に対して設けられたインバータ8aと、このインバータ8aを制御するモータコントロール部8bとを有する。各インバータ8aは、モータトルクを独立して制御可能なものである。
モータコントロール部8bは、例えば、インホイールモータ駆動装置IWMに関する各検出値や制御値等の各情報を、車両制御装置7に出力する機能を有する。モータ制御装置8と車両制御装置7は、例えば、コントロールエリアネットワーク(略称:CAN)通信線により接続され互いに情報が伝達される。モータコントロール部8bは、制駆動力指令値算出部12から与えられるトルク指令に従い電流指令に変換してこの電流指令をパルス幅変調する。インバータ8aは複数の半導体スイッチング素子を含み、各半導体スイッチング素子は前記電流指令に従いオンオフ指令を与えられる。
車両制御装置7における異常検出手段13は、各車輪1〜4の制動力が発生する異常を検出する。この制動力が発生する異常とは、例えば、モータ6や減速機15(図2)の軸受や歯車等に摩耗等が生じて車輪1,(2〜4)に制動力が発生するような異常であり、車輪1,(2〜4)に制動力が発生しないいわゆるフリー失陥を含まない。異常検出手段13は、この例では、モータ制御装置8で測定する前述の温度等の測定値を用いる。
異常検出手段13は、各ペダル操作量に応じた制駆動力指令に対して、電流検出手段Saで検出されるモータ電流や温度センサSbで検出されるモータコイル温度等がそれぞれ正常時の範囲より定められた方向に外れているとき、異常と検出する。制駆動力指令と測定値との関係は、例えば、記憶手段22に書き換え可能に記憶されて異常検出時必要に応じて読み出される。
制動力推定手段14は、異常検出手段13で異常が検出された車輪1,(2〜4)につき、異常起因制動力を推定する。例えば、制動力推定手段14は、運転者が要求している制動力もしくは駆動力と、加速度センサ23で測定した車両の前後加速度と車重の積との差から推定する。例えば記憶手段22から前記車重が読み出されて異常起因制動力の演算に用いられる。
制動力調整手段21は、摩擦ブレーキ5およびモータ6のいずれか一方または両方による車両の制動時に、異常輪1,(2〜4)に配分する制動力と異常起因制動力との和(制動力和)が、閾値を超えるときに各車輪1〜4に配分する制動力を定められた規定により調整する。制動力和が閾値を超えるときこの制動力調整手段21による調整をしなければ、異常輪1,(2〜4)がスリップして走行安定性が低下するおそれがあるからである。閾値は、例えば、試験やシミュレーション等の結果により予め定められて記憶手段22に記憶される。閾値は、例えば、車両の前後軸荷重比率および加速度センサ23で測定される前後左右加速度を基に計算される異常輪1,(2〜4)の荷重に、係数を乗じて算出しても良い。
図4は、制動力制御装置において異常輪検出時に運転者が制動を指示した場合の各車輪の制動力を示す図である。図3と共に説明する。制動力調整手段21は、車両の制動時に、制動力和が閾値を超えるとき(この例では右後輪)、異常輪制動力から閾値を減算した値を、各健全輪(この例では左右の前輪および左後輪)の制動力として配分して各健全輪の正常時配分制動力に加算する。なお閾値はこの例では前輪と後輪とで異なっている。例えば、前輪の閾値よりも後輪の閾値が低く設定されている。
また制動力調整手段21は、車両の制動時に制動力和が閾値を超えるとき、異常輪制動力から閾値を減算した値を各健全輪に配分する比率を、例えば、各車輪の正常時配分制動力の比率と等しくしている。左右の前輪の正常時配分制動力は、例えば、左右の後輪の正常時配分制動力よりも大きい比率としている。また左右で対になる車輪の正常時配分制動力は、互いに等しい比率としている。但し、この例に限定されるものではない。
なお異常輪の制動力和が閾値以下の場合は、前記制動力調整手段21による配分を実施しない。これは異常輪がスリップしないと想定される場合には、制駆動力指令値算出部12が、左右で対になる車輪に等しい大きさの正常時配分制動力を配分することで、モーメントの発生を抑え、制動による車両の横すべり角の変化を抑制するためである。異常輪に異常起因制動力が生じると車両には減速度と共にモーメントが発生し一定の横すべり角が生じるが、前述のように異常輪の制動力和が閾値以下の場合には、異常検出後の横すべり角を制動時でもおおよそ一定に保つことができる。
また、異常検出手段13においてモータ6や回路の断線等により制駆動力を発生しない異常状態であると判断した場合、異常輪に異常起因制動力が生じないため、本発明は適用しない。
図5は、この制動力制御装置で各車輪の制動力を制御する処理を示すフローチャートである。図1乃至図3も適宜参照しつつ説明する。例えば、この車両の主電源を投入する条件で本処理が開始し、異常検出手段13は各車輪1〜4の制動力が発生する異常を検出する(ステップS1)。異常が検出されないとき(ステップS1:No)、制駆動力指令値算出部12が各車輪1〜4に正常時配分制動力を配分し(ステップS2)、本処理を終了する。
異常が検出されると(ステップS1:Yes)、制動力推定手段14は異常輪4,(1〜3)の異常起因制動力を推定する(ステップS3)。次に制駆動力指令値算出部12が正常時配分制動力を算出し(ステップS4)、制動力調整手段21が異常輪4,(1〜3)に配分する正常時配分制動力と異常起因制動力との和である異常輪制動力を算出する(ステップS5)。次に制動力調整手段21は閾値を決定する(ステップS6)。その後、制動力調整手段21は、異常輪制動力が閾値を超えたか否かを判断する(ステップS7)。
異常輪制動力が閾値を超えていないとの判断で(ステップS7:No)、ステップS2に移行する。異常輪制動力が閾値を超えたとの判断で(ステップS7:Yes)、制動力調整手段21は、異常輪制動力のうち閾値を超える制動力の大きさを算出する(ステップS8)。次に制動力調整手段21は、配分後の健全輪1〜3の制動力を算出する(ステップS9)。これら算出された制動力に基づき、制駆動力指令値算出部12は、健全輪1〜3と異常輪4にそれぞれ制動力を発生させる(ステップS10)。その後本処理を終了する。
以上説明した車両の制動力制御装置によると、異常輪4に制動力が生じている状態で制動しても、健全輪1〜3の制動力に、異常輪制動力のうち閾値を超える制動力を再配分するため、異常輪4に必要以上の大きな制動力が発生することを抑制しタイヤがスリップせず走行安定性が低下しない。また一般的なABSとは異なり、異常輪4で制限した制動力を健全輪1〜3に再配分するため、ブレーキペダル11の踏み込み量に応じた車両減速度が発生し、運転者は制動時に違和感を生じ難い。つまり異常検出手段13により異常輪4が検出されても、運転者のブレーキ操作時の操作フィーリングに違和感を生じ難くなる。
また異常輪制動力から閾値を減算した値を各健全輪1〜3に配分する比率を、各車輪1〜4の正常時配分制動力の比率と等しくしている。このため、例えば、各健全輪1〜3に値を均等に再配分するよりも、車両の制動距離を短くすることができるうえ、後輪側健全輪のスリップを抑制し車両安定性が確保できる。
他の実施形態について説明する。
以下の説明においては、各形態で先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、特に記載のない限り先行して説明している形態と同様とする。同一の構成から同一の作用効果を奏する。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
図6は、他の実施形態に係る制動力制御装置で異常輪検出時に運転者が制動を指示した場合の各車輪の制動力を示す図である。図6および図3に示すように、制動力調整手段21は、異常輪(この例では右後輪4)と左右同じ側の他の車輪(この例は右前輪2)の制動力に、異常輪制動力から閾値を減算した値を配分しても良い。このように制動力を再配分することで、異常起因制動力によって生じるモーメントが制動時にも維持される。
インホイールモータ駆動装置IWMにおいては、サイクロイド式の減速機、遊星減速機、2軸並行減速機、その他の減速機を適用可能であり、減速機を採用しない所謂ダイレクトモータタイプであってもよい。
またインホイールモータ形式に限らず、車両側に電気モータを備えてこの電気モータと車輪をジョイントで結合した所謂オンボードタイプとしても良い。
本実施形態では、車両として、各車輪1〜4にモータ6を備えた四輪駆動車で説明したが、この例に限定されるものではない。例えば、車両として、前輪もしくは後輪のみをモータで駆動しても良く、これらモータにより駆動する駆動輪と内燃機関によって駆動する駆動輪とを組み合わせた駆動方式にしても良い。
以上、実施形態に基づいてこの発明を実施するための形態を説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1〜4…車輪
6…モータ(制駆動力発生手段)
13…異常検出手段
14…制動力推定手段
15…減速機
16…車輪用軸受
21…制動力調整手段
IWM…インホイールモータ駆動装置

Claims (6)

  1. 複数の車輪に駆動力および制動力を発生可能な制駆動力発生手段を備えた車両において、各車輪に与えられた制動力を制御する車両の制動力制御装置であって、
    前記各車輪のうちで前記制駆動力発生手段で駆動力が与えられる駆動輪の制動力が発生するときの異常を検出する異常検出手段と、
    この異常検出手段で異常が検出された車輪につき、この車輪の異常に起因して発生する制動力を定められた基準に従って推定する制動力推定手段と、
    前記制駆動力発生手段による前記車両の制動時に、異常が検出された車輪に配分する制動力と前記制動力推定手段で推定される制動力との和が、閾値を超えるときに各車輪のいずれかに配分する制動力を定められた規定により調整する制動力調整手段と、
    を設けたことを特徴とする車両の制動力制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両の制動力制御装置において、前記制動力調整手段は、前記車両の制動時に、異常が検出された車輪に配分する制動力およびこの車輪の異常に起因して発生する制動力の和と前記閾値との差を、前記車輪に配分する制動力から減らし、前記異常検出手段で異常が検出されない他の車輪の制動力に前記差を配分し加算する車両の制動力制御装置。
  3. 請求項2に記載の車両の制動力制御装置において、前記制動力調整手段は、前記制動力の和と前記閾値との差を異常が検出されない他の車輪の制動力に配分する比率を、前記差を配分する前の前記他の車輪の制動力の比率に等しくした車両の制動力制御装置。
  4. 請求項2に記載の車両の制動力制御装置において、前記制動力調整手段は、異常が検出された車輪と左右同じ側の前記他の車輪の制動力に、前記差を配分する車両の制動力制御装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両の制動力制御装置において、前記制動力調整手段は、前記車両の前後軸荷重比率および前後左右加速度から計算される、異常が検出された車輪の荷重を基に前記閾値を算出する車両の制動力制御装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車両の制動力制御装置において、前記車両は前記制駆動力発生手段としてモータを備え、このモータは、一部または全体が車輪内に配置されて前記モータと車輪用軸受と減速機とを含むインホイールモータ駆動装置を構成する車両の制動力制御装置。
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