JP6517089B2 - 車輪独立駆動式車両の駆動制御装置 - Google Patents

車輪独立駆動式車両の駆動制御装置 Download PDF

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Description

この発明は、車輪独立駆動式車両の駆動制御装置に関し、逆起電圧が電源電圧を超えた領域でのフェールセーフを実施する技術に関する。
駆動輪を駆動するモータを備えた車両が実用化されている。前記モータにおいて、小型で高出力なモータの中には、高回転で逆起電圧のピークが電源電圧を上回るものがある。このような状況では、通常、ベクトル制御においてd軸電流を流すことで、逆起電圧を抑制しながら、トルク制御を行う弱め界磁制御が一般的である。
但し、インバータやモータ、センサ類などの異常により制御を行うことができずモータへの通電が停止した場合には、逆起電圧のピークが電源電圧を上回り、モータからインバータを介してバッテリに発電電流が流れると同時に、回生トルクが発生する。その結果、車両に意図しないブレーキがかかってしまう。
特開平11−46406号公報 特開平11−262101号公報
従来技術では、全く同じ状況ではないが、異常等の発生時に、モータ出力線をリレー等で開放する技術(特許文献1)や、インホイールモータ内にクラッチのような機構を設ける技術(特許文献2)が提案されている。
しかし、モータ出力線にリレー等を付けると配線抵抗が増えたり、回路が複雑になりコスト高となる。また、インホイールモータ内にクラッチのような機構を設けると、モータの構造が複雑になりモータサイズが大きくなったりコスト高に繋がる。
この発明の目的は、構造を複雑化することなく、車両に意図しないブレーキがかかることを低減することができる車輪独立駆動式車両の駆動制御装置を提供することである。
この発明の車輪独立駆動式車両の駆動制御装置20は、左右の駆動輪2,2を個別に駆動する左右のモータ6,6を備えた車両に搭載され、
操作部16,17の操作に応じて指令トルクを生成し出力するECU21と、
直流電力を交流電力に変換するインバータ31を含むパワー回路部28、および、前記ECU21から与えられる前記指令トルクに従って前記パワー回路部28を介し前記モータ6をトルク制御するモータコントロール部29を有するインバータ装置22と、
を備えた車輪独立駆動式車両の駆動制御装置20において、
前記各モータ6および前記各モータ6に接続されるインバータ装置22を含む駆動系統K毎に設けられ、この駆動系統Kに生じた異常を検出する異常検出手段34と、
この異常検出手段34により異常が検出された駆動系統Kにおけるインバータ装置22からモータ6への制御信号が停止したとき、モータ駆動用の電源電圧とモータ回転数との定められた関係に基づき、前記異常が検出された駆動系統Kにおけるモータ6が発生する回生トルクを算出し、この回生トルクに対し逆向きで且つこの回生トルクの絶対値に基づき求められるトルクを、異常が検出されない駆動系統Kにおけるモータ6に分配する異常対応トルク配分変更手段35と、
を設けたことを特徴とする。
前記定められた関係は、試験やシミュレーション等の結果により定められる。
この構成によると、車両の駆動時、異常検出手段34は、各モータ6および各モータ6に接続されるインバータ装置22を含む駆動系統Kに生じた異常をそれぞれ検出する。異常検出手段34で検出する異常としては、(1)検出系の異常、(2)電力供給系の異常、(3)配線系の異常が考えられる。(1)検出系の異常としては、例えば、モータ6に流れる電流を検出する電流センサ38、検出回路等の異常、それらの電線の断線やショート等がある。(2)電力供給系の異常としては、例えば、モータコントロール部29またはパワー回路部28の異常等がある。(3)配線系の異常としては、モータ線の断線やショート等がある。
異常検出手段34は、例えば、ある駆動系統Kにつき、ECU21から与えられる指令トルクに相応する電流が検出されないとき、前記駆動系統Kに検出系または電力供給系の異常が発生したと検出する。
異常対応トルク配分変更手段35は、異常が検出された駆動系統Kにおけるインバータ装置22からモータ6への制御信号が停止したとき、電源電圧とモータ回転数との定められた関係に基づき、異常が検出された駆動系統Kにおけるモータ6が発生する回生トルクを算出する。さらに異常対応トルク配分変更手段35は、算出した回生トルクに対し逆向きでこの回生トルクの絶対値に基づき求められるトルクを、異常が検出されない(正常な)駆動系統Kにおけるモータ6に分配する。
このように、ある駆動系統Kにおけるモータ6への制御信号が停止した場合に、逆起電圧のピークが電源電圧を上回って回生トルクが発生しても、この回生トルクと逆向きのトルクであって回生トルクの絶対値に基づき求められるトルクを、正常な駆動系統Kにおけるモータ6に分配するため、車両に意図しないブレーキがかかることを低減することができる。この場合、リレーや機構等を設ける従来技術よりも構造を複雑化することなく、意図しないブレーキがかかることを低減し得る。
前記異常対応トルク配分変更手段35は、前記指令トルクに基づき算出された、全てのモータ6に与えられるトルクの総和である総駆動トルクが異常検出の前後で変わらないように、算出された総駆動トルクに、前記異常が検出された駆動系統Kにおけるモータ6が発生する回生トルクと逆向きのトルクを加えた駆動トルクを、異常が検出されない駆動系統Kにおけるモータ6に分配するものとしても良い。この場合、異常検出手段34による異常検出の前後において、総駆動トルクの変化を抑制することができるため、車両の運転者は、違和感なく車両の運転操作を続行することができる。
前記異常対応トルク配分変更手段35は、前記車両における左右方向のトルク分配比が異常検出の前後で変わらないように、異常が検出されない駆動系統Kにおけるモータ6に、算出された前記回生トルクに対し逆向きで且つこの回生トルクの絶対値に基づき求められるトルクを分配するものとしても良い。この場合、異常検出の前後において、車両の左右方向のトルク分配比が変わることを抑制できるため、車両の直進や旋回も支障なく運転操作を続行することができる。
前記モータ6は、このモータ6と、前記駆動輪2を支持する車輪用軸受4と、前記モータ6の回転を減速して前記車輪用軸受4に伝える減速機7とを含むインホイールモータ駆動装置IWMを構成するものとしても良い。
この発明の車輪独立駆動式車両の駆動制御装置は、左右の駆動輪を個別に駆動する左右のモータを備えた車両に搭載され、操作部の操作に応じて指令トルクを生成し出力するECUと、直流電力を交流電力に変換するインバータを含むパワー回路部、および、前記ECUから与えられる前記指令トルクに従って前記パワー回路部を介し前記モータをトルク制御するモータコントロール部を有するインバータ装置とを備えた車輪独立駆動式車両の駆動制御装置において、前記各モータおよび前記各モータに接続されるインバータ装置を含む駆動系統毎に設けられ、この駆動系統に生じた異常を検出する異常検出手段と、この異常検出手段により異常が検出された駆動系統における前記インバータ装置から前記モータへの制御信号が停止したとき、モータ駆動用の電源電圧とモータ回転数との定められた関係に基づき、前記異常が検出された駆動系統におけるモータが発生する回生トルクを算出し、この回生トルクに対し逆向きで且つこの回生トルクの絶対値に基づき求められるトルクを、異常が検出されない駆動系統におけるモータに分配する異常対応トルク配分変更手段とを設けた。このため、構造を複雑化することなく、車両に意図しないブレーキがかかることを低減することができる。
この発明の実施形態に係る駆動制御装置を搭載した電気自動車を平面図で示す概念構成のブロック図である。 同電気自動車におけるインホイールモータ駆動装置の断面図である。 同駆動制御装置の制御系のブロック図である。 同駆動制御装置のインバータ等の回路図である。 モータ回転数と出力トルクとの関係を示す図である。 逆起電圧のピーク値とモータ回転数との関係を示す図である。 左後輪に異常が発生した場合のトルク分配例を示す図である。 総駆動トルクが異常検出の前後で変わらないようにトルク分配する例を示す図である。 車両の左右方向のトルク分配比が異常検出の前後で変わらないようにトルク分配する例を示す図である。 車両の左右方向のトルク分配比が異常検出の前後で変わらないようにトルク分配する他の例を示す図である。
この発明の実施形態を図1ないし図10と共に説明する。
図1は、この実施形態に係る駆動制御装置を搭載した車両である電気自動車を平面図で示す概念構成のブロック図である。この電気自動車は、車体1の左右の後輪となる車輪2が駆動輪とされ、左右の前輪となる車輪3が従動輪とされた四輪自動車である。前輪となる車輪3は操舵輪とされている。左右の前輪となる操舵輪である車輪3,3は、図示しない転舵機構を介して転舵可能であり、ハンドル等の操舵手段15により操舵される。駆動輪となる左右の車輪2,2は、それぞれ独立の走行用のモータ6により駆動される。各モータ6は、後述のインホイールモータ駆動装置IWMを構成する。各車輪2,3には、図示外のブレーキが設けられている。
図2は、この電気自動車におけるインホイールモータ駆動装置IWMの断面図である。各インホイールモータ駆動装置IWMは、それぞれ、モータ6、減速機7、および車輪用軸受4を有し、これらの一部または全体が車輪内に配置される。モータ6の回転は、減速機7および車輪用軸受4を介して駆動輪2に伝達される。車輪用軸受4のハブ輪4aのフランジ部には前記ブレーキを構成するブレーキロータ5が固定され、同ブレーキロータ5は駆動輪2と一体に回転する。モータ6は、例えば、ロータ6aのコア部に永久磁石が内蔵された埋込磁石型同期モータである。このモータ6は、ハウジング8に固定したステータ6bと、回転出力軸9に取り付けたロータ6aとの間にラジアルギャップを設けたモータである。
制御系を説明する。
図1に示すように、車体1には、ECU21と、複数(この例では2つ)のインバータ装置22とを含む駆動制御装置20が搭載されている。ECU21は、自動車全般の統括制御を行い、各インバータ装置22に指令を与える上位制御手段である。各インバータ装置22は、ECU21の指令に従って各走行用のモータ6の制御をそれぞれ行う。ECU21は、コンピュータとこれに実行されるプログラム、並びに各種の電子回路等で構成される。
ECU21は、指令トルク演算部47と、トルク配分手段48とを有する。指令トルク演算部47は、主に、アクセル操作部16の出力するアクセル開度の信号と、ブレーキ操作部17の出力する減速指令とから、左右輪2,2の走行用のモータ6,6に加える加速・減速指令を指令トルクとして生成する。トルク配分手段48は、指令トルク演算部47で演算された加速・減速指令を、操舵手段15の操舵角を検出する図示しない操舵角センサの出力する旋回指令を考慮して、左右輪2,2の走行用のモータ6,6へ分配するように各インバータ装置22へ出力する。
また、指令トルク演算部47は、ブレーキ操作部17の出力する減速指令があったときに、モータ6を回生ブレーキとして機能させる制動トルク指令値と、図示外のブレーキへの制動トルク指令値とに配分する機能を有する。回生ブレーキとして機能させる制動トルク指令値は、各走行用のモータ6,6に与える加速・減速指令の指令トルクに反映させる。アクセル操作部16およびブレーキ操作部17は、それぞれアクセルペダルおよびブレーキペダルと、各ペダルの動作量をそれぞれ検出するアクセルセンサ16aおよびブレーキセンサ17aとを有する。バッテリ19は、車体1に搭載され、モータ6の駆動、および車両全体の電気系統の電源として用いられる。
図3は、この駆動制御装置20の制御系のブロック図である。以後、図1も適宜参照しつつ説明する。インバータ装置22は、各モータ6に対して設けられたパワー回路部28と、このパワー回路部28を制御するモータコントロール部29とを有する。モータコントロール部29は、このモータコントロール部29が持つインホイールモータ駆動装置IWMに関する各検出値や制御値等の各情報(例えば、モータ回転数、制御トルク、異常情報等)をECU21に出力する機能を有する。
ここで図5は、モータ回転数と出力トルクとの関係を示す図である。モータの最大トルクTMAは、モータ回転数が上昇するに従って下がっていく。したがって、アクセル操作部16(図1)を最大限踏み込んだときに最大トルクTMAが出るようにするには、図3に示すように、指令トルク演算部47は、アクセルセンサ16aの出力するアクセル開度の信号と、ECU21に与えられたモータ回転数から、指令トルクを算出する必要がある。
パワー回路部28は、インバータ31と、このインバータ31を駆動するPWMドライバ32とを有する。インバータ31は、バッテリ19(図1)の直流電力をモータ6の駆動に用いる3相の交流電力に変換する。図4に示すように、インバータ31は、複数の半導体スイッチング素子18で構成され、PWMドライバ32(図3)は、オンオフ指令に基づきインバータ31を駆動する。半導体スイッチング素子18は、例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)等からなる。
図3に示すように、モータコントロール部29は、その基本となる制御部としてモータ駆動制御部30を有する。モータ駆動制御部30は、ECU21から与えられる指令トルクによる加速・減速指令に従い、電流指令に変換してパルス幅変調し、PWMドライバ32にオンオフ指令を与える。モータ駆動制御部30は、インバータ31からモータ6に流すモータ電流を電流センサ38から得て、電流フィードバック制御(制御信号による制御)を行う。また、モータ駆動制御部30は、モータ6のロータ6a(図2)の回転角を回転角度検出手段36から得て、ベクトル制御(制御信号による制御)を行う。回転角度検出手段36として、例えば、レゾルバ等が適用される。
この実施形態では、上記構成の駆動制御装置20に、異常検出手段34および異常対応トルク配分変更手段35を設けている。
異常検出手段34は駆動系統Kに生じた異常を検出する。この異常検出手段34は、各モータ6および各モータ6に接続されるインバータ装置22を含む駆動系統K毎に設けられる。この例では、左側車輪2の走行用のモータ6に対応するインバータ装置22(これら左側車輪2用のモータ6およびインバータ装置22が一つの駆動系統K)のモータコントロール部29に、この駆動系統Kに生じた異常を検出する異常検出手段34が設けられる。また右側車輪2の走行用のモータ6に対応するインバータ装置22(これら右側車輪2用のモータ6およびインバータ装置22が一つの駆動系統K)のモータコントロール部29に、この駆動系統Kに生じた異常を検出する異常検出手段34が設けられる。
異常検出手段34で検出する異常としては、(1)検出系の異常、(2)電力供給系の異常、(3)配線系の異常が考えられる。
(1)検出系の異常としては、例えば、モータ6に流れる電流を検出する電流センサ38、その検出回路(図示せず)の異常、それらの電線の断線やショート等がある。検出系の異常の他の例として、回転角度検出手段36の異常、その検出回路(図示せず)の異常、それらの電線の断線やショート等がある。
(2)電力供給系の異常としては、例えば、モータ駆動制御部30の異常、PWMドライバ32の異常、半導体スイッチング素子18の異常がある。
(3)配線系の異常としては、モータ線の断線やショート等がある。
異常検出手段34は、例えば、ある駆動系統Kにつき、ECU21から与えられる指令トルクに相応する電流が電流センサ38から検出されないとき、前記駆動系統Kに検出系または電力供給系の異常が発生したと検出する。また異常検出手段34は、例えば、ある駆動系統Kにつき、回転角度検出手段36で検出されて演算されるモータ角加速度が、ECU21から与えられる指令トルクに相応するモータ角加速度に対し閾値以上乖離しているとき、前記駆動系統Kに検出系または電力供給系の異常が発生したと検出する。
前記指令トルクに相応する電流、前記指令トルクに相応するモータ角加速度、前記閾値は、例えば、試験やシミュレーション等の結果により定められる。以下同じ。
異常検出手段34は、例えば、ある駆動系統Kにつき、電流センサ38から検出される電流が、ECU21から与えられる指令トルクに相応する電流に対し閾値以上乖離しているとき、前記駆動系統Kに電力供給系の異常または配線系の異常が発生したと検出する。
異常対応トルク配分変更手段35は、ECU21におけるトルク配分手段48に設けられる。異常対応トルク配分変更手段35は、判定部35aと、回生トルク算出部35bと、トルク配分変更部35cとを有する。判定部35aは、前述の異常検出手段34により異常が検出された駆動系統Kにおけるインバータ装置22からモータ6への制御信号が停止したか否かを判定する。具体的に、ある異常検出手段34が異常を検出すると、このモータコントロール部29は、異常が検出された駆動系統Kにおける、前記モータ6の制御トルクおよびモータ回転数と共に、異常情報をECU21に与える。
判定部35aは、与えられた異常情報等から前記駆動系統Kのインバータ装置22からモータ6への制御信号が停止したと判定すると、回生トルク算出部35bは、モータ駆動用の電源電圧とモータ回転数との定められた関係に基づき、異常が検出された駆動系統Kにおけるモータ6が発生する回生トルクを算出する。トルク配分変更部35cは、この算出した回生トルクに対し逆向きで且つこの回生トルクの絶対値に基づき算出されたトルクを、異常が検出されない駆動系統K(正常な駆動系統K)におけるモータ6に分配する。
図2に示すように、このモータ6は、ロータ6aのコア部に永久磁石が内蔵された埋込磁石型同期モータであるため、モータ6への制御信号が停止した場合であっても、ロータ6aがフリーで回転している状態ではこのモータ6の巻線に電圧が発生する。この電圧はインバータ装置側への逆起電圧となる。ここで図6は、逆起電圧のピーク値とモータ回転数との関係を示す図である。モータ回転数が高くなるに従って、逆起電圧のピーク値が高くなる。
図3、図6に示すように、逆起電圧のピーク値が電源電圧(バッテリ19(図1)の電圧)以下のとき、モータ6からバッテリ19(図1)に発電電流は流れず、回生トルクは発生しない。つまり逆起電圧のピーク値が電源電圧以下となる定められたモータ回転数Na以下のときには、回生トルクが発生せず実用上問題とならない。前記定められたモータ回転数Naは、試験やシミュレーションの結果により定められる。
逆起電圧のピーク値が電源電圧(バッテリ19(図1)の電圧)を上回ると、モータ6からインバータ31を介してバッテリ19(図1)に発電電流が流れる。これと同時に回生トルクが発生し、その結果、車両に意図しないブレーキがかかってしまう。そこで、トルク配分変更部35cは、算出した回生トルクに対し逆向きで且つこの回生トルクと絶対値が同じとなるトルクを、異常が検出されない駆動系統K(正常な駆動系統K)におけるモータ6に分配する。
以下、図7乃至図10と共に、車体1の左右の後輪2,2、および左右の前輪3,3がそれぞれ独立のモータ6により駆動される駆動輪とした場合のトルク分配例を示す。以下、図3も適宜参照しつつ説明する。この場合、図示しないが、インバータ装置22(図3)はモータ6毎にそれぞれ設けられる。
図7(a)は、左右の前後輪3,2の駆動系統が正常時を示している。このとき、左前輪3、左後輪2、右前輪3、右後輪2にそれぞれA、B、C、Dニュートンメーター(N・m)のトルクが発生している。同図において、矢印の向きはトルクの方向を表し、矢印の長さはトルクの大きさを示す。以下同じ。図7(b)に示すように、左後輪2の駆動系統に異常が発生した場合、左後輪2にB´(N・m)の回生トルク(走行を妨げるトルク)が発生すると、異常対応トルク配分変更手段35(図3)は、この回生トルクと逆向きのトルク(−B´(N・m))を残りの三輪に分配する。
例えば、左後輪2に発生した回生トルクがB´(N・m)=−(e+f+g)と回生トルク算出部35b(図3)が算出すると、トルク配分変更部35c(図3)は、左前輪3にe(N・m)、右前輪3にf(N・m)、右後輪2にg(N・m)のトルクをそれぞれ分配する。そうすると、左前輪3にA+e=A´(N・m)、右前輪3にC+f=C´(N・m)、右後輪2にD+g=D´(N・m)のトルクがそれぞれ発生する。
図8(a)は、左右の前後輪3,2の駆動系統が正常時を示している。このとき、左前輪3、左後輪2、右前輪3、右後輪2にそれぞれA、B、C、Dニュートンメーター(N・m)のトルクが発生している。図8(b)に示すように、左後輪2の駆動系統に異常が発生した場合、トルク配分変更部35c(図3)は、指令トルクに基づき算出された総駆動トルク(Total TRQ)が、異常検出の前後で変わらないように、算出された総駆動トルクに、異常が検出された駆動系統におけるモータ6につき発生する回生トルクと逆向きのトルクを加えた駆動トルクを、正常な駆動系統におけるモータ6に分配しても良い。
この場合、総駆動トルクTotal TRQは次のように表される。
Total TRQ=A+B+C+D …(正常時)
=A+(h+i+j)+C+D
=A+(h+i+j)+C+D+B´+(e+f+g) …(異常時)
=(A+e+h)+(C+f+i)+(D+g+j)+B´
=A´+B´+C´+D´
BおよびA´〜D´に次のような関係が成り立つ。
B=h+i+j、B´=−(e+f+g)
A´=A+e+h、C´=C+f+i、D´=D+g+j
つまり左後輪2の駆動系統の異常時、左後輪2に発生した回生トルクがB´(N・m)=−(e+f+g)と回生トルク算出部35b(図3)が算出すると、トルク配分変更部35c(図3)は、総駆動トルクTotal TRQが異常検出の前後で変わらないように、左前輪3にe+h(N・m)、右前輪3にf+i(N・m)、右後輪2にg+j(N・m)のトルクをそれぞれ分配する。
図9(a)は、左右の前後輪3,2の駆動系統が正常時を示している。このとき左前輪3、左後輪2、右前輪3、右後輪2にそれぞれA、B、C、D(N・m)のトルクが発生している。図9(b)に示すように、左後輪2の駆動系統に異常が発生した場合、トルク配分変更部35c(図3)は、車両における左右方向のトルク分配比が異常検出の前後で変わらないように、異常が検出されない駆動系統におけるモータ6にトルクを分配しても良い。この例では、異常検出の前後で総駆動トルクを変えることなく、前記左右方向のトルク分配比が異常検出の前後で変わらないように、正常な駆動系統のモータ6にトルクを分配する。
異常時の左前輪3、左後輪2、右前輪3、右後輪2のトルクをそれぞれA´、B´、C´、D´(N・m)とすると、左右方向のトルク分配比は正常時と異常時とで同一であるから次式が成立する。(A+B):(C+D)=(A´+B´):(C´+D´)
そうすると、トルク配分変更部35c(図3)は、左前輪3にA+B+(−B´)=A´(N・m)のトルクを発生させる。
図10に示すように、トルク配分変更部35c(図3)は、異常検出の前後で総駆動トルクを変えて、左右方向のトルク分配比が異常検出の前後で変わらないように、異常が検出されない駆動系統におけるモータ6にトルクを分配しても良い。
図9(b)に示すような異常時において、左前輪3のトルクA´=A+B+(−B´)が、出力可能な最大トルクを超える場合は、右側の車輪3,2のトルクを下げて左右方向のトルクのバランスをとるしかない。具体的には、図10(b)に示すように、トルク配分変更部35c(図3)は、右前輪3にC´(但し、C>C´)(N・m)、右後輪2にD´(但し、D>D´)(N・m)のトルクを分配する。
作用効果について説明する。
以上説明した駆動制御装置20によれば、車両の駆動時、異常検出手段34は、駆動系統に生じた異常をそれぞれ検出する。判定部35aは、与えられた異常情報等からある駆動系統のモータ6への制御信号が停止したと判定すると、回生トルク算出部35bは、異常が検出された駆動系統におけるモータ6につき発生する回生トルクを算出する。さらにトルク配分変更部35cは、回生トルク算出部35bで算出した回生トルクに対し逆向きで且つ算出した回生トルクの絶対値に基づき求められるトルクを、正常な駆動系統におけるモータ6に分配する。
このように、ある駆動系統におけるモータ6への制御信号が停止した場合に、逆起電圧のピークが電源電圧を上回って回生トルクが発生しても、この回生トルクに対し逆向きでこの回生トルクの絶対値に基づき求められるトルクを、正常な駆動系統におけるモータ6に分配するため、車両に意図しないブレーキがかかることを低減することができる。この場合、リレーや機構等を設ける従来技術よりも構造を複雑化することなく、意図しないブレーキがかかることを低減し得る。
総駆動トルクが異常検出の前後で変わらないように、算出された総駆動トルクに、異常が検出された駆動系統におけるモータ6につき発生する回生トルクと逆向きのトルクを加えた駆動トルクを、正常な駆動系統のモータ6に分配する場合、異常検出の前後において、総駆動トルクの変化を抑制することができる。このため、車両の運転者は、違和感なく車両の運転操作を続行することができる。
車両における左右方向のトルク分配比が異常検出の前後で変わらないように、正常な駆動系統のモータ6にトルクを分配する場合、異常検出の前後において、車両の左右方向のトルク分配比が変わることを抑制できるため、車両の直進や旋回も支障なく運転操作を続行することができる。
他の実施形態について説明する。
車両として、左右の前輪二輪を独立して駆動する二輪独立駆動車を適用しても良い。また車両として、左右の前輪二輪を独立して駆動し、左右の後輪二輪を独立して駆動する四輪独立駆動車を適用しても良い。
インホイールモータ駆動装置IWMにおいては、サイクロイド式の減速機、遊星減速機、平行2軸減速機、その他の減速機を適用可能であり、また、減速機を採用しない、所謂ダイレクトモータタイプであってもよい。
以上、実施形態に基づいてこの発明を実施するための形態を説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2…車輪(駆動輪)
4…車輪用軸受
6…モータ
7…減速機
16…アクセル操作部
17…ブレーキ操作部
20…駆動制御装置
21…ECU
22…インバータ装置
28…パワー回路部
29…モータコントロール部
31…インバータ
34…異常検出手段
35…異常対応トルク配分変更手段
IWM…インホイールモータ駆動装置
K…駆動系統

Claims (4)

  1. 左右の駆動輪を個別に駆動する左右のモータを備えた車両に搭載され、
    操作部の操作に応じて指令トルクを生成し出力するECUと、
    直流電力を交流電力に変換するインバータを含むパワー回路部、および、前記ECUから与えられる前記指令トルクに従って前記パワー回路部を介し前記モータをトルク制御するモータコントロール部を有するインバータ装置と、
    を備えた車輪独立駆動式車両の駆動制御装置において、
    前記各モータおよび前記各モータに接続されるインバータ装置を含む駆動系統毎に設けられ、この駆動系統に生じた異常を検出する異常検出手段と、
    この異常検出手段により異常が検出された駆動系統における前記インバータ装置から前記モータへの制御信号が停止したとき、モータ駆動用の電源電圧とモータ回転数との定められた関係に基づき、前記異常が検出された駆動系統におけるモータが発生する回生トルクを算出し、この回生トルクに対し逆向きで且つこの回生トルクの絶対値に基づき求められるトルクを、異常が検出されない駆動系統におけるモータに分配する異常対応トルク配分変更手段と、
    を設けたことを特徴とする車輪独立駆動式車両の駆動制御装置。
  2. 請求項1に記載の車輪独立駆動式車両の駆動制御装置において、前記異常対応トルク配分変更手段は、前記指令トルクに基づき算出された、全てのモータに与えられるトルクの総和である総駆動トルクが異常検出の前後で変わらないように、算出された総駆動トルクに、前記異常が検出された駆動系統におけるモータが発生する回生トルクと逆向きのトルクを加えた駆動トルクを、異常が検出されない駆動系統におけるモータに分配する車輪独立駆動式車両の駆動制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車輪独立駆動式車両の駆動制御装置において、前記異常対応トルク配分変更手段は、前記車両における左右方向のトルク分配比が異常検出の前後で変わらないように、異常が検出されない駆動系統におけるモータに、算出された前記回生トルクに対し逆向きで且つこの回生トルクの絶対値に基づき求められるトルクを分配する車輪独立駆動式車両の駆動制御装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車輪独立駆動式車両の駆動制御装置において、前記モータは、このモータと、前記駆動輪を支持する車輪用軸受と、前記モータの回転を減速して前記車輪用軸受に伝える減速機とを含むインホイールモータ駆動装置を構成する車輪独立駆動式車両の駆動制御装置。
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