JP2007069487A - 積層フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】 フィルムの取扱性を損なうことなく、高い紫外線バリア性を付与できる積層フィルム(特に、包装用フィルム)を提供する。
【解決手段】 基材フィルムの少なくとも一方の面に、金属又は金属酸化物層を介することなく、バインダー樹脂と、このバインダー樹脂に分散した紫外線吸収能を有する無機微粒子(酸化チタン、酸化亜鉛などの遷移金属酸化物など)とを、前者/後者(重量比)=95/5〜20/80の割合で含むコート層を形成し、さらにこのコート層に被覆層を形成する。前記バインダー樹脂は、ビニルアルコール系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂などの酸素ガスバリア性を有する樹脂で構成してもよい。
【選択図】 なし
【解決手段】 基材フィルムの少なくとも一方の面に、金属又は金属酸化物層を介することなく、バインダー樹脂と、このバインダー樹脂に分散した紫外線吸収能を有する無機微粒子(酸化チタン、酸化亜鉛などの遷移金属酸化物など)とを、前者/後者(重量比)=95/5〜20/80の割合で含むコート層を形成し、さらにこのコート層に被覆層を形成する。前記バインダー樹脂は、ビニルアルコール系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂などの酸素ガスバリア性を有する樹脂で構成してもよい。
【選択図】 なし
Description
本発明は、紫外線バリア性に優れ、物品を包装するための包装用フィルムなどとして有用な積層フィルムに関する。
物品(食品、医薬品、精密機器など)を紫外線の影響から保護するために、物品を包装又は被覆するための包装用フィルムあるいは被覆用フィルムには紫外線バリア性が要求される。また、包装あるいは被覆後の物品の確認性、外観等を考慮して透明性も必要とされることが多い。このような包装用フィルムあるいは被覆用フィルムとして、紫外線吸収能を有する物質(例えば、酸化亜鉛などの金属酸化物)を含むバリア性フィルムの開発に力が注がれている。
紫外線吸収能を有する物質(例えば、金属又は金属酸化物など)は、通常、不透明な場合が多いので、透明性を付与するために、粒子サイズを可視光領域の波長よりも小さくするなどの手段がとられている。また、紫外線バリア性は、紫外線吸収能を有する物質の含有量を大きくすることにより向上することが予想されるが、一方で、粒子同士が凝集しやすくなり、透明性が低下する傾向がある。
紫外線吸収能を有する物質としては、種々の物質が知られており、例えば、特許第3534039号公報(特許文献1)には、表面に酸化亜鉛に対してケイ酸亜鉛換算で0.5〜50重量%の範囲のケイ酸亜鉛からなる被覆層を有することを特徴とする表面活性を抑えた酸化亜鉛粒子、前記酸化亜鉛粒子を1〜80重量%の範囲で含有してなる樹脂組成物や塗料組成物などが開示されている。この文献には、前記酸化亜鉛粒子が、その表面にケイ酸亜鉛からなる被覆層を有するので、ポリエチレンテレフタレートやポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂の分解を促進することがなく、これらの樹脂に好適に用いることができるほか、その他の種々の樹脂製品に好適に用いることができることが記載されている。そして、実施例には、前記酸化亜鉛粒子を樹脂に用いた具体例として、鉄固溶酸化亜鉛超微粒子粉末、常温乾燥型アクリル樹脂および溶剤をペイントシェーカーにて処理して得られた分散液に、さらに常温乾燥型アクリル樹脂を加えて混合して塗料を調製し、この塗料をポリエチレンテレフタレートフィルム上にバーコーターで塗布して試験片を得たことが記載されている。
紫外線吸収能を有する物質を含むフィルムも知られている。例えば、特開2000−6305号公報(特許文献2)は、高分子フィルム基材と、この基材の少なくとも片面に気相成長法により成膜した金属もしくは金属酸化物からなるガスバリア層とからなる複合フィルム材料において、ガスバリア層上に微粒子を含有する樹脂層を形成した紫外線カット性を有する透明性ガスバリア複合フィルム材料が開示されている。この文献には、超微粒子を含有する樹脂層(3)は、セラミック、粘土鉱物、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セシウムなどの超微粒子が高分子バインダー樹脂、あるいは電子線または紫外線の照射により硬化する樹脂に分散した構造を有すること、高分子バインダー樹脂としては、非水溶媒に溶解あるいは分散可能な樹脂や、熱により溶融ができる熱可塑性樹脂を使用することができ、例えば、塩化ビニル、塩素化ポリプロピレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合、ニトロセルロース、ウレタン、ポリエステル、ポリアミド等の樹脂が使用できること、樹脂中に含有する超微粒子の含有量は、高分子バインダー樹脂や電子線硬化樹脂100重量部に対し0.01〜3重量部の範囲であること、樹脂層(3)の形成は、非水溶剤を使用する場合には、高分子バインダー樹脂と吸湿性材料と非水溶剤とを均一に混合したコーティング組成物を、ガスバリア層(2)上に塗布し乾燥することにより行うことができ、また、熱により溶融押し出しさせる場合は、公知のTダイから超微粒子を含有した樹脂を押し出しコーティングすることができることなどが記載されている。
しかし、この文献のフィルムでは、金属蒸着層を形成するので、フィルムの柔軟性(フレックス性)に乏しく、折り曲げなどにより簡便にフィルム特性(紫外線バリア性など)を損ねやすいため、取扱性が充分でない。また、金属蒸着層の形成により、透明性が低下したり、基材フィルムと樹脂層との密着性が低下する虞がある。
特許第3534039号公報(特許請求の範囲、段落番号[0068][0116])
特開2000−6305号公報(特許請求の範囲、[0030][0031][0039][0047][0050])
従って、本発明の目的は、フィルムの取扱性を損なうことなく、高い紫外線バリア性を付与できる積層フィルム(特に、包装用フィルム)を提供することにある。
本発明の他の目的は、紫外線バリア性と透明性とを高いレベルで両立できる積層フィルムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、紫外線バリア性を有しているとともに、金属又は金属蒸着層を介在させることなく、ガスバリア性(特に酸素ガスバリア性)を付与できる積層フィルムを提供することにある。
本発明の別の目的は、基材フィルムに対するコート層の密着性が高く、しかも高い紫外線バリア性を有する積層フィルムを提供することにある。
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、基材フィルムに、特定の割合で、バインダー樹脂中に紫外線吸収能を有する無機微粒子(特に、ナノサイズの無機粒子)が分散したコート層を形成し、さらにこのコート層に被覆層(特に、ヒートシール層)を形成した積層フィルムでは、フィルムの取扱性を維持しつつ、高い紫外線バリア性を付与できること、さらには、コート層を構成する樹脂成分を選択するなどにより、金属又は金属酸化物層(又は金属蒸着層)を形成しなくても、紫外線バリア性とガスバリア性(特に酸素バリア性)とを両立できることを見い出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の積層フィルム(紫外線バリア性積層フィルム)は、基材フィルムと、この基材フィルムの少なくとも一方の面に、金属又は金属酸化物層を介することなく形成されたコート層と、このコート層に形成された被覆層とで構成された積層フィルムであって、前記コート層が、バインダー樹脂と、このバインダー樹脂に分散した紫外線吸収能を有する無機微粒子とを、前者/後者(重量比)=95/5〜20/80の割合で含む積層フィルムである。このようなコート層は、通常、基材フィルムに、バインダー樹脂と溶媒とを含む混合液に紫外線吸収能を有する無機微粒子が分散した塗布液(分散液)を塗布することより形成できる。
前記基材フィルムは、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂又はポリアミド系樹脂で構成されていてもよい。前記バインダー樹脂は、無機微粒子を分散可能であれば特に限定されず、例えば、ビニルアルコール系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂およびポリウレタン系樹脂から選択された少なくとも1種で構成されていてもよい。特に、バインダー樹脂は、ガスバリア性(特に、酸素ガスバリア性)を有する樹脂であってもよく、例えば、ビニルアルコール系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂およびアクリロニトリル系樹脂から選択された少なくとも1種の酸素ガスバリア性を有する樹脂で構成されていてもよい。このようなコート層が酸素ガスバリア性樹脂で構成された積層フィルムにおいて、温度20℃、湿度20%RH雰囲気下での酸素透過度(積層フィルムの酸素透過度)は、例えば、450ml/m2・day・MPa以下であってもよい。代表的な前記積層フィルムには、基材フィルムが、オレフィン系樹脂で構成され、かつバインダー樹脂が、ビニルアルコール系樹脂又は塩化ビニリデン系樹脂で構成されており、温度20℃、湿度20%RH雰囲気下での酸素透過度(積層フィルムの酸素透過度)が、450ml/m2・day・MPa以下である積層フィルムなどが含まれる。
前記無機微粒子は、例えば、金属酸化物(特に、遷移金属酸化物)であってもよい。前記コート層において、前記バインダー樹脂と前記無機微粒子との割合は、前者/後者(重量比)=92/8〜45/55程度であってもよい。前記分散液において、無機微粒子は平均粒子径300nm以下で分散していてもよい。また、前記コート層は、アンカーコート層を介することなく基材フィルムに直接形成されていてもよい。
前記被覆層は、コート層表面を被覆又は保護できる樹脂で構成すればよく、特に、ヒートシール可能な樹脂(例えば、オレフィン系樹脂)で構成されていてもよい。被覆層をヒートシール可能な樹脂で構成すると、積層フィルムを包装用フィルムとして好適に用いることができる。
代表的な前記積層フィルムには、例えば、(i)基材フィルムが、プロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂又はポリアミド系樹脂で構成された二軸延伸フィルムであり、(ii)コート層が、ビニルアルコール系樹脂および塩化ビニリデン系樹脂から選択された少なくとも1種の酸素ガスバリア性を有するバインダー樹脂と、酸化亜鉛および酸化チタンから選択された少なくとも1種で構成された無機微粒子とを、前者/後者(重量比)=93/7〜40/60の割合で含み、かつ(iii)被覆層が、エチレン系樹脂およびプロピレン系樹脂から選択された少なくとも1種のヒートシール可能な樹脂で構成されている積層フィルムなどが含まれる。
本発明の積層フィルムは、紫外線バリア性に優れており、例えば、波長280nm以下の光線を50%以上遮断可能であってもよく、波長350nm以下の光線を20%以上遮断可能であってもよい。また、本発明の積層フィルムは、透明性が高く、積層フィルムのうち、基材フィルムとこの基材フィルムの少なくとも一方の面に形成されたコート層とで構成されたコートフィルム(被覆層が形成されていない積層フィルム)の全光線透過率が80%以上であってもよい。さらに、本発明の積層フィルムは、フィルムの密着性にも優れており、基材フィルムに対するコート層の剥離強度は、70g/15mm以上であってもよい。
本発明の積層フィルムは、例えば、前記基材フィルムに、バインダー樹脂と紫外線吸収能を有する無機微粒子と溶媒とで構成され、かつ分散処理された塗布液を塗布してコート層を形成し、形成したコート層に被覆層を形成することにより製造できる。このような方法では、コート層において、効率よく無機微粒子を分散させるため、前記無機微粒子の粒径は比較的小さいのが好ましく、例えば、前記塗布液において、前記無機微粒子は平均粒子径300nm以下で分散していてもよい。
本発明の積層フィルムは、基材フィルムに、金属蒸着層を介在させることなく、バインダー樹脂と、このバインダー樹脂に分散した紫外線吸収能を有する無機微粒子とを特定の割合で含むコート層(樹脂コート層)を形成し、このコート層に、さらにコート層を被覆又は保護する被覆層を形成するので、フィルムの取扱性を損なうことなく、高い紫外線バリア性を付与できる。また、コート層に被覆層を形成してフィルム表面を平滑にすることができ、紫外線バリア性と透明性とを高いレベルで両立できる。さらに、本発明の積層フィルムでは、コート層を構成する樹脂などを選択することにより、紫外線バリア性を有しているとともに、金属又は金属蒸着層を介在させることなく、ガスバリア性(特に酸素ガスバリア性)を付与できる。さらにまた、本発明の積層フィルムは、基材フィルムに対するコート層の密着性が高く、しかも高い紫外線バリア性を有している。
本発明の積層フィルムは、基材フィルムと、この基材フィルムの少なくとも一方の面に、金属又は金属酸化物層(金属又は金属酸化物層で構成された層)を介することなく形成されたコート層と、このコート層に形成された被覆層とで構成されている。
[基材フィルム]
基材フィルムの種類は特に制限されず、例えば、紙類、プラスチックフィルム類が例示でき、加工性、透明性などの観点から、通常、基材フィルムは、樹脂フィルムであってもよい。
基材フィルムの種類は特に制限されず、例えば、紙類、プラスチックフィルム類が例示でき、加工性、透明性などの観点から、通常、基材フィルムは、樹脂フィルムであってもよい。
樹脂フィルムを構成するプラスチックとしては、例えば、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのホモ又はコポリアルキレンアリレート、液晶性ポリエステルなど)、ポリアミド系樹脂(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12など)、スチレン系樹脂(ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体など)、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロースエステル系樹脂、生分解性樹脂(ポリ乳酸などの脂肪族ポリエステル系樹脂、脂肪族ポリアミド系樹脂など)などが例示できる。
基材フィルムは単一の基材フィルムであってもよく、複数の層で構成された複合基材フィルム(例えば、プラスチックフィルム同士の積層体など)であってもよい。また、基材フィルムは、生分解性を有するフィルム(例えば、脂肪族ポリエステル系樹脂フィルムなど)であってもよい。これらの基材フィルムのうち、オレフィン系樹脂(エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂など)、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリC2-4アルキレンアリレート又はコポリエステルなどの芳香族ポリエステル系樹脂)、又はポリアミド系樹脂で構成された基材フィルムが好ましく、特にオレフィン系樹脂で構成された基材フィルム(又は非極性フィルム)が好ましい。なお、基材フィルムは、通常、熱可塑性樹脂で構成される。
オレフィン系樹脂としては、オレフィンの単独又は共重合体が挙げられる。オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、4−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセンなどのα−C2-16オレフィンなどが挙げられる。これらのオレフィンは単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。これらのオレフィンのうち、α−C2-8オレフィン、好ましくはα−C2-4オレフィン(エチレン、プロピレンなど)、さらに好ましくは少なくともプロピレンを含むのが好ましい。
オレフィン系樹脂は、オレフィンと共重合性モノマーとの共重合体であってもよい。共重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル[例えば、(メタ)アクリル酸C1-6アルキルエステル];ビニルエステル類(例えば、酢酸ビニルなど);環状オレフィン類(ノルボルネン、エチリデンノルボルネン、シクロペンタジエンなど);ジエン類などが例示できる。共重合性モノマーは単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。前記共重合体において、共重合性モノマーの使用量は、オレフィン100重量部に対して、0.1〜100重量部、好ましくは0.5〜50重量部、さらに好ましくは1〜25重量部程度の範囲から選択できる。
オレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン系樹脂[例えば、低、中又は高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−(4−メチルペンテン−1)共重合体など]、プロピレン系樹脂(例えば、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体などのプロピレン含有80重量%以上のプロピレン系樹脂など)、ポリ(メチルペンテン−1)樹脂などが挙げられる。共重合体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体又はそのアイオノマー、エチレン−アクリル酸エチル共重合体などのエチレン−(メタ)アクリレート共重合体、無水マレイン酸グラフトポリプロピレンなどが例示できる。前記共重合体(オレフィン同士の共重合体及びオレフィンと共重合性モノマーとの共重合体)には、ランダム共重合体、ブロック共重合体、又はグラフト共重合体が含まれる。
これらのオレフィン系樹脂のうち、耐熱性、耐油性、強度や剛性などの点から、プロピレン系樹脂が好ましい。プロピレン系樹脂には、プロピレンホモポリマー又はプロピレン−α−オレフィン共重合体などが含まれる。プロピレン系樹脂(共重合体を含む)においてプロピレンとα−オレフィンとの割合(重量比)は、プロピレン/α−オレフィン=60/40〜100/0(例えば、65/35〜99.9/0.1)、好ましくは70/30〜100/0(例えば、75/25〜99.5/0.5)、さらに好ましくは80/20〜100/0(例えば、85/15〜99/1)、特に90/10〜100/0程度であってもよい。
プロピレン系樹脂は、アタクチック構造であってもよいが、アイソタクチック、シンジオタクチック、メタロセン触媒により生成するメタロセン構造などの立体規則性を有していてもよい。経済性などの点から、アイソタクチック構造を有するプロピレン系樹脂が好ましい。
基材フィルムのベース樹脂(特に、プロピレン系樹脂などのオレフィン系樹脂)は、防湿性又は水蒸気バリア性を高めるため、テルペン系樹脂及び石油樹脂から選択された少なくとも一種の樹脂を含有していてもよい。
テルペン系樹脂としては、例えば、テルペン類(ピネン、カレン、ミルセン、オシメン、リモネン、テルピノレン、テルピネン、サビネン、トリシクレン、ピサポレン、ジンギペレン、サンタレン、カンホレン、ミレン、トタレンなど)の重合体又はこれらの水添物(例えば、80%以上の水添率で水素添加した樹脂)などが挙げられる。これらのテルペン系樹脂は極性基を含まないのが好ましい。
石油樹脂としては、例えば、C5-9留分(高級オレフィン系炭化水素)を主成分とする脂肪族系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂、ビニルトルエンやインデンなどの芳香族炭化水素を主成分とする石油樹脂、これらの水添物(例えば、80%以上の水添率で水素添加した樹脂)などが挙げられる。これらの石油樹脂は極性基を含まないのが好ましい。このような石油樹脂としては、具体的には、例えば、荒川化学(株)製の商品名「アルコンP−125」、トーネックス社製の「エスコレッツ5320HC」などが挙げられる。
テルペン系樹脂及び/又は石油樹脂の含有量は、ベース樹脂100重量部に対して1〜25重量部(例えば、1〜10重量部)、好ましくは5〜20重量部程度であってもよい。
基材フィルムには、必要に応じて、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤、熱安定化剤など)、結晶核剤、難燃剤、難燃助剤、充填剤、可塑剤、耐衝撃改良剤、補強剤、着色剤、分散剤、帯電防止剤、発泡剤、抗菌剤、ブロッキング防止剤などを添加してもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
基材フィルムは、未延伸フィルムであってもよいが、通常、延伸(一軸又は二軸)されていてもよい。通常、基材フィルムとしては、一軸延伸フィルム又は二軸延伸フィルム、特に二軸延伸フィルムを用いる場合が多い。また、基材フィルムの表面には、接着性を向上させるため、コロナ放電やグロー放電などの放電処理、酸処理、焔処理などの表面処理を施してもよい。
基材フィルムの厚みは、例えば、5〜200μm、好ましくは7〜100μm、さらに好ましくは8〜60μm、特に10〜50μm程度であってもよい。
なお、テルペン系樹脂及び/又は石油樹脂を含み、かつ防湿性などが付与されたプロピレン系樹脂をベース樹脂とする基材フィルムは、通常、密着性が低い。しかし、本発明では、このような基材フィルムに対しても、高い密着力でバリア層を形成できる。
[コート層]
コート層(コーティング層、塗布層)は、基材フィルムの少なくとも一方の面に形成すればよく、基材フィルムの両面に形成してもよい。通常、コート層は、基材フィルムの片面に形成してもよい。このようなコート層は、少なくともバインダー樹脂(単に樹脂ということがある)と、このバインダー樹脂に分散した紫外線吸収能を有する無機微粒子とで構成され、これらの成分を特定の割合で含んでいる。なお、前記コート層は、通常、基材フィルムに、バインダー樹脂と溶媒とを含む混合液に紫外線吸収能を有する無機微粒子が分散した塗布液(分散液)を塗布することにより形成できる。このような分散液のコーティングにより、前記無機微粒子がバインダー樹脂中に分散したコート層を効率よく形成でき、高い紫外線バリア性を積層フィルムに付与できる。
コート層(コーティング層、塗布層)は、基材フィルムの少なくとも一方の面に形成すればよく、基材フィルムの両面に形成してもよい。通常、コート層は、基材フィルムの片面に形成してもよい。このようなコート層は、少なくともバインダー樹脂(単に樹脂ということがある)と、このバインダー樹脂に分散した紫外線吸収能を有する無機微粒子とで構成され、これらの成分を特定の割合で含んでいる。なお、前記コート層は、通常、基材フィルムに、バインダー樹脂と溶媒とを含む混合液に紫外線吸収能を有する無機微粒子が分散した塗布液(分散液)を塗布することにより形成できる。このような分散液のコーティングにより、前記無機微粒子がバインダー樹脂中に分散したコート層を効率よく形成でき、高い紫外線バリア性を積層フィルムに付与できる。
(バインダー樹脂)
樹脂(バインダー樹脂)としては、無機微粒子を分散可能であれば特に限定されず、例えば、前記基材フィルムの項で例示の樹脂などが挙げられる。代表的なバインダー樹脂には、例えば、付加重合系樹脂[例えば、ビニルアルコール系樹脂、ハロゲン含有樹脂(塩化ビニリデン系樹脂など)、アクリル系樹脂(例えば、ポリアクリル酸などのアクリル系単量体の単独又は共重合体など)、スチレン系樹脂、アクリロニトリル系樹脂(例えば、ポリアクリロニトリルなど)など]、縮合重合系樹脂[例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂(又は飽和ポリエステル系樹脂、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのホモ又はコポリアルキレンアリレートなど)、ポリウレタン系樹脂など]などの合成高分子;天然高分子又はその誘導体[例えば、セルロース系樹脂(アルキルセルロース(メチルセルロースなど)、ヒドロキシアルキルセルロース(ヒドロキシエチルセルロースなど)、カルボキシメチルセルロースなどのセルロースエーテル類など)など]などが含まれる。バインダー樹脂は、単独で又は2種以上組みあわせてもよい。
樹脂(バインダー樹脂)としては、無機微粒子を分散可能であれば特に限定されず、例えば、前記基材フィルムの項で例示の樹脂などが挙げられる。代表的なバインダー樹脂には、例えば、付加重合系樹脂[例えば、ビニルアルコール系樹脂、ハロゲン含有樹脂(塩化ビニリデン系樹脂など)、アクリル系樹脂(例えば、ポリアクリル酸などのアクリル系単量体の単独又は共重合体など)、スチレン系樹脂、アクリロニトリル系樹脂(例えば、ポリアクリロニトリルなど)など]、縮合重合系樹脂[例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂(又は飽和ポリエステル系樹脂、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのホモ又はコポリアルキレンアリレートなど)、ポリウレタン系樹脂など]などの合成高分子;天然高分子又はその誘導体[例えば、セルロース系樹脂(アルキルセルロース(メチルセルロースなど)、ヒドロキシアルキルセルロース(ヒドロキシエチルセルロースなど)、カルボキシメチルセルロースなどのセルロースエーテル類など)など]などが含まれる。バインダー樹脂は、単独で又は2種以上組みあわせてもよい。
これらのバインダー樹脂のうち、無機微粒子の分散性の観点から、ビニルアルコール系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂などが好ましい。また、バインダー樹脂は、ガスバリア性(酸素ガスバリア性など)を有する(又は付与できる)樹脂であるのが好ましい。このような樹脂には、前記樹脂のうち、ビニルアルコール系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリロニトリル系樹脂などが挙げられる。
特に、ビニルアルコール系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂およびアクリロニトリル系樹脂(特に、ビニルアルコール系樹脂および塩化ビニリデン系樹脂から選択された少なくとも1種の樹脂)は、無機微粒子を効率よく分散でき、かつ分散後の塗布液の安定性も高いため、高い酸素ガスバリア性を付与できるという観点から好適に用いることができる。
ビニルアルコール系樹脂(ビニルアルコール系重合体)としては、脂肪酸ビニルエステルの単独又は共重合体のケン化物、脂肪酸ビニルエステルと共重合性単量体との共重合体のケン化物などが例示できる。脂肪酸ビニルエステルとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどが例示でき、通常、酢酸ビニルが使用される。共重合性単量体としては、C2-4オレフィン(エチレン、プロピレン、ブテンなど)、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、アルキルビニルエーテル類、ビニルピロリドンなどが例示できる。共重合性単量体としては、少なくともエチレンを含む単量体、特にエチレンが使用される。なお、ビニルアルコール系重合体は、変性(アセタール化、リン酸エステル化、アセチル化など)されていてもよい。
代表的なビニルアルコール系重合体としては、ポリビニルアルコール、脂肪酸ビニルエステルと共重合性単量体との共重合体のケン化物(エチレン−ビニルアルコール共重合体など)が例示できる。特に、ガスバリア性の点から、ポリビニルアルコール及びエチレン−ビニルアルコール共重合体から選択された少なくとも一種の重合体を好適に使用できる。エチレン−ビニルアルコール共重合体において、エチレン含有量は、比較的少量、例えば、1〜10重量%、好ましくは2〜7重量%、さらに好ましくは2〜5重量%程度であってもよい。ビニルアルコール系重合体のケン化度は、通常、80モル%以上(例えば、80〜100モル%程度)であり、好ましくは90モル%以上(例えば、90〜99.5モル%程度)、さらに好ましくは95モル%以上(例えば、95〜99モル%程度)である。
ビニルアルコール系重合体の重合度は、例えば、200以上(例えば、200〜5000)、好ましくは250〜5000、さらに好ましくは300〜3000程度であってもよい。
塩化ビニリデン系樹脂としては、ポリ塩化ビニリデンであってもよいが、通常、塩化ビニリデン系共重合体を好適に使用できる。塩化ビニリデン系共重合体は、塩化ビニリデンと共重合性モノマーとの共重合体であり、このような共重合性モノマーとしては、例えば、ハロゲン化ビニル(塩化ビニルなど)、カルボン酸ビニルエステル(例えば、酢酸ビニルなど)、不飽和カルボン酸(例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸など)、(メタ)アクリル酸エステル(例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキル(例えば、(メタ)アクリル酸C1-10 アルキルエステル)、(メタ)アクリロニトリルなどが例示される。
好ましい塩化ビニリデン系共重合体には、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体、塩化ビニリデン−アクリレート共重合体、塩化ビニリデン−メタクリレート共重合体、塩化ビニリデン−酢酸ビニル共重合体などが含まれる。なお、塩化ビニリデン系共重合体において、塩化ビニリデン含量は、通常、85〜99重量%、好ましくは90〜97重量%程度であってもよい。
なお、基材フィルム(又は基材フィルムを構成する樹脂)の屈折率とバインダー樹脂の屈折率との差(絶対値)は、例えば、0.5以下(例えば、0〜0.4程度)、好ましくは0.3以下(例えば、0.005〜0.25程度)、さらに好ましくは0.2以下(例えば、0.01〜0.1程度)であってもよい。
(無機微粒子)
無機微粒子としては、紫外線吸収能を有する限り特に限定されず、例えば、金属酸化物[アルカリ金属酸化物(酸化セシウムなど)、アルカリ土類金属酸化物(酸化カルシウム、酸化バリウムなど)、遷移金属酸化物(酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムなど)、典型元素の金属酸化物(酸化ケイ素など)、ランタノイド金属酸化物(酸化セリウムなど)など]、金属炭酸塩[例えば、アルカリ土類金属炭酸塩(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなど)など]、金属炭化物(SiCなど)、金属窒化物、鉱物類(例えば、カオリン、タルク、セリサイト、モンモリロナイト、雲母などの粘土鉱物など)などの微粒子が例示できる。これらの無機微粒子は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの無機微粒子のうち、金属酸化物(特に遷移金属酸化物)の無機微粒子が好ましく、特に、酸化亜鉛、酸化チタンの無機微粒子が好ましい。
無機微粒子としては、紫外線吸収能を有する限り特に限定されず、例えば、金属酸化物[アルカリ金属酸化物(酸化セシウムなど)、アルカリ土類金属酸化物(酸化カルシウム、酸化バリウムなど)、遷移金属酸化物(酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムなど)、典型元素の金属酸化物(酸化ケイ素など)、ランタノイド金属酸化物(酸化セリウムなど)など]、金属炭酸塩[例えば、アルカリ土類金属炭酸塩(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなど)など]、金属炭化物(SiCなど)、金属窒化物、鉱物類(例えば、カオリン、タルク、セリサイト、モンモリロナイト、雲母などの粘土鉱物など)などの微粒子が例示できる。これらの無機微粒子は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの無機微粒子のうち、金属酸化物(特に遷移金属酸化物)の無機微粒子が好ましく、特に、酸化亜鉛、酸化チタンの無機微粒子が好ましい。
なお、無機微粒子は、表面処理(被覆処理など)された粒子であってもよい。表面処理としては、紫外線バリア性、バインダー樹脂に対する分散性などを向上できる処理(例えば、樹脂による被覆処理、有機溶剤処理など)などが挙げられる。また、無機微粒子は、特許第3534039号公報に記載の無機微粒子であってもよい。
無機微粒子の平均一次粒子径(コート液の調製に用いる無機微粒子の平均一次粒子径)は、紫外線吸収性や透明性の観点から、通常、ナノメータサイズ(又はナノメータサイズ以下)であり、例えば、100nm以下(例えば、1〜80nm)、好ましくは2〜60nm、さらに好ましくは3〜50nm、特に5〜40nm(例えば、10〜30nm)程度であってもよい。なお、可視光の波長よりも小さいサイズ(例えば、可視光波長の1/2〜1/50程度のサイズなど)を有する無機微粒子は、透明性を向上させるのに好ましい。
コート層(又は塗布液)において、樹脂(バインダー樹脂)と無機微粒子との割合(固形分割合)は、前者/後者(重量比)=95/5〜20/80の範囲であればよく、94/6〜30/70(例えば、94/6〜35/65)、好ましくは93/7〜40/60(例えば、92/8〜45/55)程度であってもよく、通常、95/5〜50/50(例えば、93/7〜55/45)、特に92/8〜60/40(例えば、91/9〜65/35)程度であってもよい。
なお、コート層は、必要に応じて、前記基材フィルムの項で例示の添加剤(分散剤など)、消泡剤、粘度調整剤、防腐剤、架橋剤[例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ウレタン系架橋剤、イソシアネート架橋剤、メラミン系架橋剤、カルボジイミド基含有化合物、エポキシ系架橋剤、ポリアルキレンイミン(ポリエチレンイミンなど)、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなど]などの添加剤を含んでいてもよい。添加剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
特に、架橋剤の割合は、バインダー樹脂100重量部に対して、0.5〜50重量部、好ましくは1〜30重量部、さらに好ましくは3〜20重量部程度であってもよい。
コート層の厚み(又は塗布量)は、0.1〜10μm程度の範囲から選択でき、例えば、0.2〜8μm、好ましくは0.3〜7μm、さらに好ましくは0.5〜6μm(例えば、1〜5μm)程度であってもよい。また、基材フィルムの厚みとコート層の厚みとの割合は、前者/後者=99/1〜70/30、好ましくは98/2〜50/50、さらに好ましくは97/3〜60/40、特に96/4〜70/30程度であってもよい。
前記のように、コート層は、基材フィルムに対して、金属又は金属酸化物層(金属蒸着層)を形成することなく(すなわち、基材フィルムとコート層との間に蒸着層を介在させることなく)形成されている。蒸着層を形成すると、折り曲げなどにより蒸着層にクラックなどが生じるため、フィルムの取扱性を低下させる。また、このようなクラックにより、フィルム特性(紫外線バリア性、ガスバリア性など)が低下しやすく、また、蒸着層の形成により透明性や密着性なども低下する虞がある。
本発明の積層フィルムでは、金属蒸着層を介在させることなくコート層を形成できるため、取扱性を損なうことなく高い紫外線バリア性を付与でき、フィルム特性を低下させることがない。特に、コート層を構成する樹脂としてガスバリア性を有する樹脂を使用すると、蒸着層を形成しなくても、高いガスバリア性(特に酸素バリア性)をフィルムに付与できる。
なお、基材フィルムとコート層の間には、金属蒸着層を介在させない限り、接着剤層(アンカーコート層)を形成してもよい。すなわち、コート層は、基材フィルム上に直接形成してもよく、必要に応じて、基材フィルムとコート層との間には、接着剤層を形成してもよい。接着剤層を構成する接着成分としては、例えば、ウレタン系樹脂(イソシアネート基含有ポリマーなど)、イミノ基含有ポリマー(ポリエチレンイミンなどのポリアルキレンイミンなど)、ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂(エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体などの変性ポリオレフィンなど)などの接着性樹脂;ゴム系接着剤;カップリング剤(チタンカップリング剤、シランカップリング剤)などが挙げられる。これらの接着成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。接着剤層の厚みは、0.01〜3μm、好ましくは0.01〜2μm、さらに好ましくは0.01〜1μm程度であってもよい。
なお、本発明では、前記無機微粒子が比較的均一にバインダー樹脂に分散されているため、接着剤層を形成することなく、基材フィルムに直接コート層を形成しても、基材フィルムに対して高い密着強度でコート層を形成することができる。
コート層は、前記のように、バインダー樹脂と溶媒とを含む混合液に紫外線吸収能を有する無機微粒子が分散した塗布液(コーティング液)の塗布(コーティング)により形成される。
また、このようなコート層は、コーティング液を塗布(さらに乾燥)したのち、エージング処理されていてもよい。エージング処理すると、エージングにより結晶化が向上するためか、原反(又は基材フィルム)の種類(例えば、前記石油樹脂などを含む基材フィルムなど)によっては、ガスバリア性を一層向上でき、また、より一層安定化できる。また、エージング処理により、基材フィルムとコート層との密着性も向上できる。
[被覆層]
前記コート層は、無機微粒子を含んでいるためか、無機微粒子をバインダー樹脂に十分に分散させても、表面に凹凸が生じ、表面平滑性に乏しい。また、このような表面の凹凸により、フィルムの透明性が低下する。そこで、本発明では、前記コート層に、さらに被覆層を形成する。
前記コート層は、無機微粒子を含んでいるためか、無機微粒子をバインダー樹脂に十分に分散させても、表面に凹凸が生じ、表面平滑性に乏しい。また、このような表面の凹凸により、フィルムの透明性が低下する。そこで、本発明では、前記コート層に、さらに被覆層を形成する。
被覆層は、通常、樹脂で構成してもよい。被覆層を構成する樹脂としては、コート層表面の凹凸を平滑化できる限り特に限定されず、前記基材フィルムの項で例示の樹脂などであってもよい。好ましい態様では、被覆層を、ヒートシール可能な樹脂(ヒートシール性を有する樹脂、ヒートシール性樹脂)で構成してもよい。ヒートシール性樹脂で構成された被覆層(ヒートシール層)を形成すると、積層フィルムを包装用フィルムとして好適に用いることができる。
ヒートシール性樹脂(シーラント、ヒートシール剤)としては、例えば、オレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体など)、塩化ビニリデン系樹脂(塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体など)、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂(ポリ酢酸ビニルなど)、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、熱可塑性ウレタン系樹脂、ゴム状重合体(スチレン−ブタジエン共重合体など)などであってもよい。好ましい樹脂には、非ハロゲン系樹脂(特に、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどの塩素を含まない非塩素系樹脂)、特に、オレフィン系樹脂が挙げられる。このような非ハロゲン系樹脂は、焼却などにより廃棄しても、環境汚染を生じることないため、好適に使用できる。ヒートシール性樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
オレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂などが挙げられる。エチレン系樹脂としては、例えば、エチレン単独重合体(直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンなどのポリエチレン)、エチレンとオレフィンとの共重合体[例えば、エチレンとα−オレフィン(プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチルペンテン、4−メチルペンテンなどのα−C2-6オレフィンなど)との共重合体(例えば、エチレン−プロピレン共重合体など)];エチレンと(メタ)アクリル系単量体との共重合体[例えば、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体などのエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体など];エチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。エチレン系樹脂は、単独で又は2種以上組みあわせてもよい。
プロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体(ポリプロピレン)、プロピレン系ランダム樹脂が挙げられる。プロピレン系ランダム樹脂には、例えば、プロピレン系共重合体(プロピレン系ランダム共重合体)、プロピレン系共重合体とプロピレン単独重合体との混合物(ブレンド物)などが含まれる。プロピレン共重合体としては、例えば、プロピレンと、アルケン類(エチレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチルペンテン、4−メチルペンテンなどのα−C2-6オレフィンなど)とのランダム共重合体、例えば、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレン−ブチレンランダム三元共重合体などが挙げられる。これらのランダム共重合体のうち、特にエチレンとプロピレンのランダムコポリマーが好ましい。なお、エチレン及び/又はブテンをプロピレン系ランダム樹脂全体の16重量%以下(特に1〜16重量%)含んでいてもよい。また、0.5重量%以下のエチレン含量を有するポリプロピレンは、プロピレン単独重合体ということができる。プロピレン系樹脂は、単独で又は2種以上組みあわせてもよい。
被覆層(又はヒートシール層)は、ポリオレフィン系樹脂で構成するのが好ましく、特にポリエチレン系樹脂(例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン樹脂)およびポリプロピレン系樹脂(例えば、非結晶性ポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂など)から選択された少なくとも1種で構成してもよい。
ヒートシール層(又はヒートシール層を構成する樹脂)の融点(又はガラス転移点)は、例えば、50〜180℃、好ましくは60〜150℃、さらに好ましくは70〜140℃程度であってもよい。
また、ヒートシール層(又は基材フィルム又は包装フィルム)のヒートシール温度(又はヒートシール可能な温度又はヒートシールする温度)は、ヒートシール層を構成する樹脂の種類、あるいはヒートシール条件にもよるが、例えば、80〜250℃、好ましくは100〜220℃、さらに好ましくは120〜200℃程度であってもよい。
なお、前記バインダー樹脂の屈折率と被覆層を構成する樹脂の屈折率との差(絶対値)は、透明性の観点から、例えば、0.5以下(例えば、0〜0.4程度)、好ましくは0.3以下(例えば、0.005〜0.25程度)、さらに好ましくは0.2以下(例えば、0.01〜0.1程度)であってもよい。
なお、被覆層は、単層構造であってもよく、積層構造を有していてもよい。また、被覆層は、未延伸(無延伸)又は延伸処理されていてもよく、通常、無延伸フィルムであってもよい。
被覆層(ヒートシール層)は、必要に応じて、接着剤又は接着性成分(例えば、アクリル系接着剤、ポリアミド系接着剤など)などを含んでいてもよい。
また、被覆層は、必要に応じて、添加剤[例えば、慣用の架橋剤(例えば、シランカップリング剤、ポリイソシアネート化合物、オキサゾリン化合物、ジルコニウム化合物など)などの前記例示の添加剤など]を含んでいてもよい。これらの添加剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
被覆層の厚みは、特に限定されないが、例えば、5〜150μm(例えば、10〜120μm)、好ましくは20〜100μm、さらに好ましくは25〜70μm(例えば、25〜60μm)程度であってもよい。また、コート層の厚みと被覆層の厚みとの割合は、前者/後者=50/50〜0.1/99.9、好ましくは40/60〜0.5/99.5(30/70〜1/99)、さらに好ましくは25/75〜2/98(例えば、20/80〜3/97)、特に15/85〜4/96(例えば、12/88〜5/95)程度であってもよい。
なお、被覆層は、コート層に直接形成してもよく、必要に応じて、コート層と被覆層との間には、接着剤層(アンカーコート層)を形成してもよい。接着剤層を構成する接着成分(例えば、接着性樹脂)としては、前記コート層の項で例示の接着成分などが挙げられる。接着剤層の厚みは、例えば、0.01〜10μm、好ましくは0.1〜7μm、さらに好ましくは0.3〜6μm(例えば、0.5〜5μm)程度であってもよい。
さらに、コート層と被覆層との間には、必要に応じて、他の層[帯電防止層、滑性層、防曇層、印刷層などの機能層(蒸着層を除く)など]を形成してもよい。
[積層フィルム]
本発明の積層フィルムは、前記のように、基材フィルムと、コート層と、被覆層(特にヒートシール層)とで構成でき、前記コート層は、金属又は金属酸化物層を形成することなく、前記基材フィルムの少なくとも一方の面に形成されている。
本発明の積層フィルムは、前記のように、基材フィルムと、コート層と、被覆層(特にヒートシール層)とで構成でき、前記コート層は、金属又は金属酸化物層を形成することなく、前記基材フィルムの少なくとも一方の面に形成されている。
積層フィルム全体の厚みは、例えば、5〜200μm、好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは15〜60μm(例えば、20〜50μm)程度であってもよい。
本発明の積層フィルム(積層フィルム)は、紫外線バリア性に優れている。例えば、本発明の積層フィルムは、波長280nm以下の光(光線)を、30%以上(例えば、40〜100%程度)、好ましくは50%以上(例えば、60〜99%程度)、さらに好ましくは70%以上(例えば、75〜98%程度)遮断(又は吸収)可能である。また、本発明の積層フィルムは、波長350nm以下の光(光線)を、例えば、10%以上(例えば、15〜100%程度)、好ましくは20%以上(例えば、25〜98%程度)、さらに好ましくは30%以上(例えば、40〜95%程度)遮断(又は吸収)可能であり、コート層の樹脂、無機微粒子の粒径や種類、これらの組合せなどによっては、50%以上[例えば、60%以上(例えば、70〜100%程度)、好ましくは75%以上(例えば、80〜100%程度)]遮断することもできる。
また、本発明の積層フィルムは、ガスバリア性(特に酸素ガスバリア性)においても優れている。例えば、本発明の積層フィルムにおいて、温度20℃、湿度20%RH雰囲気下での酸素透過度(単位ml/m2・day・MPa)は、450以下(例えば、0〜420)、好ましくは400以下(例えば、1〜380)、さらに好ましくは350以下(例えば、3〜250)程度であり、特に100以下[例えば、1〜80、好ましくは50以下(例えば、2〜30程度)、さらに好ましくは20以下(例えば、3〜15程度)]にすることも可能である。
前記積層フィルムは、透明性にも優れ、例えば、全光線透過率が75%以上(例えば、78〜99.9%)、好ましくは80%以上(例えば、82〜99.5%)、さらに好ましくは85%以上(例えば、88〜99%程度)である。
特に、本発明では、無機微粒子が分散した状態でコート層が形成されているため、積層フィルムのうち、被覆層を形成していないコートフィルム(すなわち、基材フィルムとこの基材フィルムの少なくとも一方の面に形成されたコート層とで構成されたコートフィルム)の段階で高い透明性を有しており、例えば、前記コートフィルムの全光線透過率が70%以上(例えば、73〜99.9%)、好ましくは75%以上(例えば、77〜99.5%)、さらに好ましくは80%以上(例えば、83〜99%程度)、特に85%以上(例えば、86〜98%程度)である。
また、前記積層フィルムのヘイズは、例えば、10%以下(例えば、0.1〜10%)、好ましくは9%以下(例えば、0.2〜9%)、さらに好ましくは8%以下(例えば、0.5〜8%)程度である。
また、本発明の積層フィルムは、コート層において無機微粒子が均一に分散しているので、基材フィルムとコート層との密着性が高い。例えば、基材フィルムに対するコート層の剥離強度は、アンカーコート層の有無などにもよるが、通常、50g/15mm以上(例えば、60〜500g/15mm程度)、好ましくは70g/15mm以上(例えば、80〜450g/15mm程度)、さらに好ましくは100以上(例えば、110〜400g/15mm)であり、特に120g/15mm以上[例えば、140〜300g/15mm、好ましくは160g/15mm以上(例えば、180〜250g/15mm)程度であってもよい。
[積層フィルムの製造方法]
本発明の積層フィルム(紫外線バリア性積層フィルム)は、基材フィルムの少なくとも一方の面に、前記コート層を形成し、このコート層に前記被覆層を形成することにより製造できる。
本発明の積層フィルム(紫外線バリア性積層フィルム)は、基材フィルムの少なくとも一方の面に、前記コート層を形成し、このコート層に前記被覆層を形成することにより製造できる。
コート層は、基材フィルムの少なくとも一方の面に(必要に応じてアンカーコート層を介して)、前記バインダー樹脂、前記無機微粒子および溶媒で構成された塗布液(コーティング液)を塗布することにより形成する。
前記塗布液(塗布剤)において、前記無機微粒子は、通常、バインダー樹脂と溶媒とを含む混合液(溶液、乳化液など、通常、溶液)に分散している。すなわち、前記塗布液は、分散処理されている。
塗布液は、水性塗布剤又は非水性塗布剤であってもよい。水性塗布剤の使用は、有機溶剤を使用することがないため、環境的に有利である。
塗布液において、溶媒としては、バインダー樹脂などの種類に応じて、種々の溶媒、例えば、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの脂肪族アルコール類、シクロヘキサノールなどの脂環族アルコール類など)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブなど)、カルビトール類(メチルカルビトール、エチルカルビトールなど)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどのジアルキルケトン、シクロヘキサノンなど)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、エーテル類(ジエチルエーテルなどの鎖状エーテル類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの環状エーテル類など)、炭化水素類[例えば、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、オクタンなど)、脂環族炭化水素類(シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレンなど)、アミド類(ジメチルホルムアミドなど)などが挙げられる。これらの溶媒は、単独で使用してもよく、2種以上組みあわせた混合溶媒として使用してもよい。
なお、水性塗布剤において、水性溶媒は、水単独であってもよく、水と水溶性有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、メチルセロソルブなどのセロソルブ類、カルビトール類、アセトンなどのケトン類など)とで構成してもよい。工業的および環境的な観点から、好ましい水性溶媒は、水単独である。
なお、塗布液(塗布分散液)において、無機微粒子の割合は、溶媒100重量部に対して、例えば、0.01〜30重量部、好ましくは0.05〜20重量部、さらに好ましくは0.1〜10重量部、特に0.5〜5重量部程度であってもよい。また、塗布液において、無機微粒子およびバインダー樹脂の総量の割合(固形分)は、溶媒100重量部に対して、例えば、0.1〜50重量部、好ましくは0.3〜40重量部、さらに好ましくは0.5〜30重量部、特に1〜10重量部程度であってもよい。
このような塗布液(分散液)において、無機微粒子(又は分散粒子)は前記のように分散しているが、高い紫外線バリア性及び透明性を付与するためには、無機微粒子は小粒径で分散しているのが好ましい。そのため、塗布液において、分散した無機微粒子(分散粒子)の平均粒子径は、用いる溶媒にもよるが、例えば、300nm以下(例えば、10〜280nm)、好ましくは250nm以下(例えば、30〜220nm)、さらに好ましくは50〜200nm程度であってもよい。非水性塗布剤(非水性塗布液)では、分散粒子の平均粒子径は、例えば、10〜150nm、好ましくは250nm以下(例えば、30〜220nm)、さらに好ましくは50〜200nm程度であってもよい。なお、分散粒子は、一次粒子又は二次粒子であってもよい。
このような無機微粒子が分散した塗布液(塗布分散液)は、例えば、バインダー樹脂および溶媒を含む溶液(又は乳化液)と前記無機微粒子とを混合し、得られた混合物に対して分散処理を行うことによって調製できる。なお、分散処理とともに、無機微粒子の粉砕処理(又は微細化処理)を行ってもよい。分散処理には、慣用の分散機、例えば、サンドミル、ダイノミル、ホモジナイザー、アトライター、ボールミル、ペイントシェーカー、サンドグラインダー、フルイダイザー、高速ミキサー、超音波分散機(超音波ホモジナイザー)、二本ロール、三本ロール、ニーダー、二軸押出機などを使用できる。分散機の種類(ペイントシェーカーなど)によっては、分散メディア、例えば、ビーズ(ガラスビーズ、ジルコニアビーズなど)を使用してもよい。なお、溶媒との混合や分散処理などにおいて、バインダー樹脂は、エマルジョン、ラテックスなどとして使用してもよい。また、塗布液は、マスターバッチ(例えば、前記無機微粒子と溶媒とを含むマスターバッチ分散液など)を用いて調製してもよい。
コート層を形成するための塗布液は、慣用の方法、例えば、グラビアコーティング、リバースコーティング、ドクターコーティング、バーコーティング、ディップコーティングなどを利用して基材フィルム(又は基材フィルムに形成された接着剤層)に塗布できる。
なお、前記基材フィルムに前記塗布液を塗布した後、塗布面を、適当な温度(例えば、80〜120℃程度)で乾燥させてもよい。
前記のように、基材フィルムとコート層との間には、アンカーコート層(接着剤層)を形成してもよい。このようなアンカーコート層は、例えば、前記接着成分を基材フィルムに、塗布することにより形成してもよい。
被覆層は、被覆層の構成成分を含む塗布液をコート層に塗布することにより形成してもよく、通常、被覆層の構成成分を含むフィルムを慣用のラミネート法(ドライラミネート、押出ラミネート、共押出ラミネートなど)によりコート層にラミネートして形成してもよい。
なお、コート層を塗布した後、必要に応じて、所定の温度[例えば、25℃以上(例えば、25〜65℃程度)、好ましくは30℃以上(例えば、30〜60℃程度)、さらに好ましくは35℃以上(例えば、35〜50℃程度)]で所定時間[例えば、6時間以上(例えば、8〜72時間程度)、好ましくは12時間以上(例えば、16〜60時間程度)、さらに好ましくは18時間以上(例えば、20〜36時間程度)]に亘りエージング処理してもよい。エージング処理は、例えば、前記塗布液の塗布後や被覆層を形成した後などにおいて行ってもよい。エージング処理により、ガスバリア性や、基材フィルムとコート層との密着性を効率よく向上できる。
本発明の積層フィルムは、例えば、種々のフィルム(例えば、ピロー包装用フィルム)、特に紫外線による品質劣化が生じやすい食品や化学品などの包装材料として有用である。特に、酸素ガスバリア性を有しているとともに、内容物の退色や変性を有効に防止できるため、包装材料としての高度な内容物保護機能を有している。そのため、例えば、菓子などの食品、食品用カップやトレイ、薬剤などの化学品、半導体などの電子部品又は精密部品の包装材料などとして利用できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で得られた積層フィルムの物性の評価方法は以下の通りである。
また、得られた積層フィルムを15mm幅の短冊状に裁断して試験片を作製し、それらの紫外線バリア性[%]、ラミネート強度[g/15mm]を以下の方法により測定した。
(紫外線バリア性)
得られた積層フィルムを15mm幅の短冊状に裁断して試験片を作製し、この試験片を使用して、スペクトロフォトメータ(日立製作所製、「U−3010」)を用い、350nm以下の紫外線波長領域および280nm以下の紫外線波長領域における紫外線バリア性を測定した。
得られた積層フィルムを15mm幅の短冊状に裁断して試験片を作製し、この試験片を使用して、スペクトロフォトメータ(日立製作所製、「U−3010」)を用い、350nm以下の紫外線波長領域および280nm以下の紫外線波長領域における紫外線バリア性を測定した。
(コート層の密着性)
得られた積層フィルムを15mm幅の短冊状に裁断して試験片を作製し、この試験片を使用して、JIS K7127に準じて、テンシロン(オリエンテック社製、「RTM―00」)を用いて、300mm/分の引張速度において剥離強度(ラミネート強度)測定した。測定されたラミネート強度を基材フィルムとコート層との密着性とした。
得られた積層フィルムを15mm幅の短冊状に裁断して試験片を作製し、この試験片を使用して、JIS K7127に準じて、テンシロン(オリエンテック社製、「RTM―00」)を用いて、300mm/分の引張速度において剥離強度(ラミネート強度)測定した。測定されたラミネート強度を基材フィルムとコート層との密着性とした。
(酸素透過度)
各実施例および比較例で得られたフィルムサンプルを使用して、ASTMD−3985に従って、酸素透過率測定装置(モコン(MOCON)社製、「OXTRAN」)を用いて酸素透過度(酸素透過率、初期酸素透過度)を測定した。測定条件は、20℃、相対湿度20%RHである。
各実施例および比較例で得られたフィルムサンプルを使用して、ASTMD−3985に従って、酸素透過率測定装置(モコン(MOCON)社製、「OXTRAN」)を用いて酸素透過度(酸素透過率、初期酸素透過度)を測定した。測定条件は、20℃、相対湿度20%RHである。
また、同様の方法により、ゲルボフレックス試験(屈曲試験、試験条件:23℃、60%RH)を100回行った後のフィルムサンプルの酸素透過度も測定した。
(分散粒子の平均粒子径)
分散粒子の平均粒子径は、粒度分布計((株)島津製作所製、「SALD−7000」)を用いて測定した。
分散粒子の平均粒子径は、粒度分布計((株)島津製作所製、「SALD−7000」)を用いて測定した。
(へーズ)
コートフィルム(積層フィルムのうち被覆層を形成していないフィルム)および積層フィルムについて、JIS K7105に従い、へーズをヘーズメータ(日本電色工業(株)製、「COH300A」)を用いて測定した。
コートフィルム(積層フィルムのうち被覆層を形成していないフィルム)および積層フィルムについて、JIS K7105に従い、へーズをヘーズメータ(日本電色工業(株)製、「COH300A」)を用いて測定した。
(全光線透過率)
コートフィルム(積層フィルムのうち被覆層を形成していないフィルム)および積層フィルムについて、JIS K7105に従い、へーズをヘーズメータ(日本電色工業(株)製、「COH300A」)を用いて測定した。
コートフィルム(積層フィルムのうち被覆層を形成していないフィルム)および積層フィルムについて、JIS K7105に従い、へーズをヘーズメータ(日本電色工業(株)製、「COH300A」)を用いて測定した。
(実施例1)
表面処理された酸化亜鉛粒子(堺化学工業(株)製、「NANOFINE−50W」、平均粒子径20nm)とポリビニルアルコール(日本合成化学(株)製、「NL−05」)の15重量%水溶液とを固形分の重量比で前者/後者=50/50の割合で混合し、ペイントシェーカー(レッドデビル(株)製)を用いて分散処理し、固形分で5重量%のコーティング液を調製した。なお、コーティング液(分散液)において、分散粒子の平均粒子径は180nmであった。
表面処理された酸化亜鉛粒子(堺化学工業(株)製、「NANOFINE−50W」、平均粒子径20nm)とポリビニルアルコール(日本合成化学(株)製、「NL−05」)の15重量%水溶液とを固形分の重量比で前者/後者=50/50の割合で混合し、ペイントシェーカー(レッドデビル(株)製)を用いて分散処理し、固形分で5重量%のコーティング液を調製した。なお、コーティング液(分散液)において、分散粒子の平均粒子径は180nmであった。
なお、前記ポリビニルアルコール水溶液は、水(85重量部)とポリビニルアルコール(日本合成化学(株)製、「NL−05」)(15重量部)とを攪拌しながら混合し、混合液を室温から95℃までゆっくりと昇温させて、ポリビニルアルコールを完全に溶解させ、室温まで冷却することにより調製した。
次いで、表面にコロナ放電処理を施した二軸延伸ポリプロピレンフィルム(ダイセルバリューコーティング(株)製、「セネシPOP G1#20」)の片面に、接着剤層の成分としてポリエステル樹脂(東洋紡績(株)、「バイロンUR8300」)とトリレンジイソシアネート系イソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)、「コロネートL」)との混合物(固形分の重量比で前者/後者=100/5)をワイヤーバーを用いて乾燥重量0.5g/m2となるように塗布して乾燥させた後、調製した前記コーティング液を乾燥重量が1.8g/m2となるようにワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で1分間乾燥させることによりコート層を形成した。
そして、形成したコート層に、(a)ラミネート用接着剤(東洋モートン社製、「TM329」)と(b)ラミネート用架橋剤(東洋モートン社製、「CAT−8B」)と(c)酢酸エチルとをそれぞれ(a)/(b)/(c)=4.8/4.8/10.4の重量比で混合したラミネート用接着剤を、乾燥重量で2.0〜2.5g/m2となるように塗布および乾燥して接着剤層を形成したのち、この接着剤層に、無延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績(株)製、「P1153」、厚み30μm)を圧着させ、40℃、相対湿度20%RHの条件下で24時間保存して積層フィルムを得た。
(実施例2)
実施例1において、接着剤層を形成することなく基材フィルムに直接コート層を形成した以外は、実施例1と同様に積層フィルムを作製した。なお、コーティング液(分散液)において、分散粒子の平均粒子径は180nmであった。
実施例1において、接着剤層を形成することなく基材フィルムに直接コート層を形成した以外は、実施例1と同様に積層フィルムを作製した。なお、コーティング液(分散液)において、分散粒子の平均粒子径は180nmであった。
(実施例3)
実施例1において、表面処理された酸化亜鉛粒子(堺化学工業(株)製、「NANOFINE−50S−LP2」)と、ポリエステル樹脂(日本合成化学(株)製、「TP217」)の15重量%メチルエチルケトン溶液とを、固形分の重量比で前者/後者=30/70の割合で混合し、ペイントシェーカー(レッドデビル社製)で分散処理して、固形分で5重量%のコーティング液を調製し、さらに、コーティング液の塗布量を乾燥重量で3.0g/m2とした以外は、実施例1と同様に積層フィルムを作製した。なお、コーティング液(分散液)において、分散粒子の平均粒子径は85nmであった。
実施例1において、表面処理された酸化亜鉛粒子(堺化学工業(株)製、「NANOFINE−50S−LP2」)と、ポリエステル樹脂(日本合成化学(株)製、「TP217」)の15重量%メチルエチルケトン溶液とを、固形分の重量比で前者/後者=30/70の割合で混合し、ペイントシェーカー(レッドデビル社製)で分散処理して、固形分で5重量%のコーティング液を調製し、さらに、コーティング液の塗布量を乾燥重量で3.0g/m2とした以外は、実施例1と同様に積層フィルムを作製した。なお、コーティング液(分散液)において、分散粒子の平均粒子径は85nmであった。
(実施例4)
実施例1において、酸化亜鉛粒子とポリビニルアルコールの15重量%水溶液とを固形分の重量比で前者/後者=25/75となるように混合し、コーティング液の塗布量を乾燥重量で2.5g/m2としたこと以外は、実施例1と同様に積層フィルムを作製した。なお、コーティング液(分散液)において、分散粒子の平均粒子径は180nmであった。
実施例1において、酸化亜鉛粒子とポリビニルアルコールの15重量%水溶液とを固形分の重量比で前者/後者=25/75となるように混合し、コーティング液の塗布量を乾燥重量で2.5g/m2としたこと以外は、実施例1と同様に積層フィルムを作製した。なお、コーティング液(分散液)において、分散粒子の平均粒子径は180nmであった。
(実施例5)
実施例4において、基材フィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製、「E5100」、厚み12μm)を使用し、コーティング液の塗布量を乾燥重量で2.0g/m2としたこと以外は、実施例4と同様に積層フィルムを作製した。なお、コーティング液(分散液)において、分散粒子の平均粒子径は180nmであった。
実施例4において、基材フィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製、「E5100」、厚み12μm)を使用し、コーティング液の塗布量を乾燥重量で2.0g/m2としたこと以外は、実施例4と同様に積層フィルムを作製した。なお、コーティング液(分散液)において、分散粒子の平均粒子径は180nmであった。
(実施例6)
表面処理された酸化亜鉛粒子(堺化学工業(株)製、「NANOFINE−50S−LP2」、平均粒子径20nm)を、メチルエチルケトンに混合し、ペイントシェーカー(レッドデビル(株)製)を用いて分散処理し、固形分で40重量%の分散液を調製した。
表面処理された酸化亜鉛粒子(堺化学工業(株)製、「NANOFINE−50S−LP2」、平均粒子径20nm)を、メチルエチルケトンに混合し、ペイントシェーカー(レッドデビル(株)製)を用いて分散処理し、固形分で40重量%の分散液を調製した。
一方、トルエン/テトラヒドロフラン混合液(重量比1/2)に、融点145℃の塩化ビニリデン系樹脂(旭化成ケミカルズ(株)、「サランレジンF216」)を投入し、室温から40℃までの温度範囲で溶解するまで攪拌混合し、固形分20重量%の樹脂溶液を得た。
そして、得られた分散液と樹脂溶液とを、固形分比(重量比)で30/70となるように混合攪拌した後、ポリイソシアネート系架橋剤(三井武田ケミカル(株)製、「A−5」)を塩化ビニリデン系樹脂100重量部に対して10重量部となるように混合し、コーティング液を調製した。なお、コーティング液(分散液)において、分散粒子の平均粒子径は85nmであった。
次いで、表面にコロナ放電処理を施した二軸延伸ポリプロピレンフィルム(ダイセルバリューコーティング(株)製、「セネシPOP G1#20」)の片面に、調製した前記コーティング液を乾燥重量が3.0g/m2となるようにワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で1分間乾燥させることによりコート層を形成した。
そして、形成したコート層に、(a)ラミネート用接着剤(東洋モートン社製、「TM329」)と(b)ラミネート用架橋剤(東洋モートン社製、「CAT−8B」)と(c)酢酸エチルとをそれぞれ(a)/(b)/(c)=4.8/4.8/10.4の重量比で混合したラミネート用接着剤を、乾燥重量で2.0〜2.5g/m2となるように塗布および乾燥して接着剤層を形成したのち、この接着剤層に、無延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績(株)製、「P1153」、厚み30μm)を圧着させ、50℃で3日間保存して積層フィルムを得た。
(実施例7)
実施例6において、得られた分散液と樹脂溶液との固形分比(重量比)を30/70から10/90なるように混合攪拌し、コーティング液の塗布量を乾燥重量で2.2g/m2としたこと以外は実施例6と同様にして積層フィルムを作製した。なお、コーティング液(分散液)において、分散粒子の平均粒子径は85nmであった。
実施例6において、得られた分散液と樹脂溶液との固形分比(重量比)を30/70から10/90なるように混合攪拌し、コーティング液の塗布量を乾燥重量で2.2g/m2としたこと以外は実施例6と同様にして積層フィルムを作製した。なお、コーティング液(分散液)において、分散粒子の平均粒子径は85nmであった。
(比較例1)
実施例4において、コーティング液の調製の際に、分散処理を行う代わりにメカニカルスターラーを使用して攪拌混合を行い、コーティング液の塗布量を乾燥重量で2.2g/m2としたこと以外は、実施例4と同様に積層フィルムを作製した。
実施例4において、コーティング液の調製の際に、分散処理を行う代わりにメカニカルスターラーを使用して攪拌混合を行い、コーティング液の塗布量を乾燥重量で2.2g/m2としたこと以外は、実施例4と同様に積層フィルムを作製した。
(比較例2)
実施例2において、酸化亜鉛粒子とポリビニルアルコールの15重量%水溶液とを固形分の重量比で前者/後者=4/96となるように混合し、コーティング液の塗布量を乾燥重量で1.0g/m2としたこと以外は、実施例2と同様に積層フィルムを作製した。なお、コーティング液(分散液)において、分散粒子の平均粒子径は180nmであった。
実施例2において、酸化亜鉛粒子とポリビニルアルコールの15重量%水溶液とを固形分の重量比で前者/後者=4/96となるように混合し、コーティング液の塗布量を乾燥重量で1.0g/m2としたこと以外は、実施例2と同様に積層フィルムを作製した。なお、コーティング液(分散液)において、分散粒子の平均粒子径は180nmであった。
(比較例3)
比較例2において、基材フィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製、「E5100」、厚み12μm)を使用し、酸化亜鉛粒子とポリビニルアルコールの15重量%水溶液とを固形分の重量比で前者/後者=1/99となるように混合したこと以外は、比較例2と同様に積層フィルムを作製した。なお、コーティング液(分散液)において、分散粒子の平均粒子径は180nmであった。
比較例2において、基材フィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製、「E5100」、厚み12μm)を使用し、酸化亜鉛粒子とポリビニルアルコールの15重量%水溶液とを固形分の重量比で前者/後者=1/99となるように混合したこと以外は、比較例2と同様に積層フィルムを作製した。なお、コーティング液(分散液)において、分散粒子の平均粒子径は180nmであった。
(比較例4)
実施例2において、基材フィルムとして二軸延伸ポリプロピレンフィルムの代わりに蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(尾池工業(株)製、「MOS−TO」、厚み12μm)を使用し、コーティング液の塗布量を乾燥重量で2.0g/m2としたこと以外は実施例2と同様にして積層フィルムを作製した。なお、コーティング液(分散液)において、分散粒子の平均粒子径は180nmであった。
実施例2において、基材フィルムとして二軸延伸ポリプロピレンフィルムの代わりに蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(尾池工業(株)製、「MOS−TO」、厚み12μm)を使用し、コーティング液の塗布量を乾燥重量で2.0g/m2としたこと以外は実施例2と同様にして積層フィルムを作製した。なお、コーティング液(分散液)において、分散粒子の平均粒子径は180nmであった。
結果を表1に示す。なお、表1において、「OPP」とは二軸延伸ポリプロピレン、「PET」とはポリエチレンテレフタレート、「PVA」とはポリビニルアルコール、「PES」はポリエステル樹脂、「PVDC」は塩化ビニリデン系樹脂、「VM−PET」とは蒸着ポリエチレンテレフタレートを意味する。
Claims (16)
- 基材フィルムと、この基材フィルムの少なくとも一方の面に、金属又は金属酸化物層を介することなく形成されたコート層と、このコート層に形成された被覆層とで構成された積層フィルムであって、前記コート層が、バインダー樹脂と、このバインダー樹脂に分散した紫外線吸収能を有する無機微粒子とを、前者/後者(重量比)=95/5〜20/80の割合で含む積層フィルム。
- 基材フィルムが、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂又はポリアミド系樹脂で構成されている請求項1記載の積層フィルム。
- バインダー樹脂が、ビニルアルコール系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂およびポリウレタン系樹脂から選択された少なくとも1種で構成されている請求項1記載の積層フィルム。
- バインダー樹脂が、ビニルアルコール系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂およびアクリロニトリル系樹脂から選択された少なくとも1種の酸素ガスバリア性を有する樹脂で構成されており、温度20℃、湿度20%RH雰囲気下での酸素透過度が、450ml/m2・day・MPa以下である請求項1記載の積層フィルム。
- 基材フィルムが、オレフィン系樹脂で構成され、かつバインダー樹脂が、ビニルアルコール系樹脂又は塩化ビニリデン系樹脂で構成されており、温度20℃、湿度20%RH雰囲気下での酸素透過度が、450ml/m2・day・MPa以下である請求項1記載の積層フィルム。
- 無機微粒子が、遷移金属酸化物である請求項1記載の積層フィルム。
- バインダー樹脂と無機微粒子との割合が、前者/後者(重量比)=92/8〜45/55である請求項1記載の積層フィルム。
- コート層が、アンカーコート層を介することなく基材フィルムに直接形成されている請求項1記載の積層フィルム。
- 被覆層が、ヒートシール可能な樹脂で構成されている請求項1記載の積層フィルム。
- 被覆層が、オレフィン系樹脂で構成されている請求項1記載の積層フィルム。
- (i)基材フィルムが、プロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂又はポリアミド系樹脂で構成された二軸延伸フィルムであり、(ii)コート層が、ビニルアルコール系樹脂および塩化ビニリデン系樹脂から選択された少なくとも1種の酸素ガスバリア性を有するバインダー樹脂と、酸化亜鉛および酸化チタンから選択された少なくとも1種で構成された無機微粒子とを、前者/後者(重量比)=93/7〜40/60の割合で含み、かつ(iii)被覆層が、エチレン系樹脂およびプロピレン系樹脂から選択された少なくとも1種のヒートシール可能な樹脂で構成されている請求項1記載の積層フィルム。
- 波長280nm以下の光線を50%以上遮断し、かつ波長350nm以下の光線を20%以上遮断する請求項1記載の積層フィルム。
- 積層フィルムのうち、基材フィルムとこの基材フィルムの少なくとも一方の面に形成されたコート層とで構成されたコートフィルムの全光線透過率が80%以上である請求項1記載の積層フィルム。
- 基材フィルムに対するコート層の剥離強度が、70g/15mm以上である請求項1記載の積層フィルム。
- 基材フィルムに、バインダー樹脂と紫外線吸収能を有する無機微粒子と溶媒とで構成され、かつ分散処理された塗布液を塗布してコート層を形成し、形成したコート層に被覆層を形成する請求項1記載の積層フィルムの製造方法。
- 塗布液において、無機微粒子が平均粒子径300nm以下で分散している請求項15記載の製造方法。
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- 2005-09-07 JP JP2005259672A patent/JP2007069487A/ja active Pending
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