JP2007066826A - リチウム/二硫化鉄一次電池 - Google Patents

リチウム/二硫化鉄一次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 放電容量の劣化を抑制でき、かつ開回路電圧の上昇を抑制できるリチウム/二硫化鉄一次電池を提供する。
【解決手段】 リチウム/二硫化鉄一次電池は、正極活物質である二硫化鉄を含む正極合剤を正極2と、負極活物質を有する負極3と、有機溶媒に電解質を溶解させてなる電解液とを備える。正極合剤中には、金属粉末を含む。これにより、放電容量の劣化を抑制でき、かつ開回路電圧の上昇を抑制できる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、二硫化鉄を正極活物質とする正極と、リチウムを負極活物質とする負極と、有機溶媒の電解液とを備えるリチウム/二硫化鉄一次電池に関する。
現在、市販されている1.5V級一次電池には、水溶液を電解液に用いるマンガン電池、アルカリマンガン電池、酸化銀電池、空気電池、ニッケル/亜鉛電池、および有機溶媒を電解液に用いるリチウム一次電池等がある。
リチウム一次電池としては、例えば正極活物質として、二硫化鉄(FeS2)等の金属硫化物、二酸化マンガン(MnO2)等の金属酸化物、負極活物質にリチウムを用いたものが提案されている。(特許文献1参照)
特許第3060109号公報
電池の高容量化を図るためには、例えば、電池に含有する活物質を増量する方法を採ることができる。活物質を増量する方法としては、例えば電池が捲回構造を有する場合には、正極および負極を厚くする方法が採られる。
正極および負極を厚くすることによって、容量として寄与しないセパレータや集電体の含有量を減らし、電池に含有する活物質の投入量を増量することで電池の高容量化を実現できる。
しかしながら、従来技術のまま電極を厚くすると、集電体からの距離が遠い活物質の集電を十分にとることができないため、放電容量が低下し、所望の容量向上を得ることができない。
そこで、電極の導電性を向上させるため、黒鉛やカーボンブラックなどの導電性を有する炭素質材料の添加量を増やすことも検討されているが、比重の低い炭素材料の増量は、活物質の減量をもたらし、放電容量の大きな向上につながる厚塗りの実現は困難となる。
また、積層構造またはインサイドアウト型電池の場合では、捲回構造をとらずにペレット状の正極および負極を用いるが、この場合も従来のペレット厚みを保ちながらペレットの導電性を向上させるのは同様の理由で困難である。
リチウム/二硫化鉄一次電池は、例えば、正極活物質の二硫化鉄が約894mAh/g、負極活物質のリチウムが約3863mAh/gと、非常に高い理論容量を示す正・負極材料から構成されており、高容量かつ軽量、負荷特性、低温特性といった電池特性の面からも、極めて優れた電池を実現できる。
さらに、リチウム/二硫化鉄一次電池は、初期の開回路電圧(OCV)が1.7V〜1.8V、平均放電電圧が1.3V〜1.6V付近であり、他の1.5V級一次電池、例えば水溶液を電解液に用いるマンガン電池、アルカリマンガン電池、酸化銀電池、空気電池、ニッケル/亜鉛電池と互換性を有する点からもその実用価値は高い。
しかしながら、リチウム/二硫化鉄一次電池は、保存時に開回路電圧の上昇する問題がある。開回路電圧は、対策を施さないと、電池作製直後から上昇を続け、100時間後には、2.0V以上に上昇することもある。
開回路電圧が上昇し高くなると、電池を挿入した機器の誤作動や機器回路の破壊につながるため、1.5V級電池であるリチウム/二硫化鉄一次電池の開回路電圧は、1.83V以下に抑えることがJISに規定されている。従来では、開回路電圧の上昇を抑制する対策として、電解液に添加剤を加える、電池作製直後に一部放電する等が提案されている。
しかしながら、電解液に添加剤を加える対策では、添加剤が負荷特性や保存特性に悪影響を与える問題がある。また、電池作製直後に一部放電する対策では、電池の放電容量が減少する問題がある。
したがって、この発明の目的は、放電容量の劣化を抑制でき、かつ保存時の開回路電圧の上昇を抑制できるリチウム/二硫化鉄一次電池を提供することにある。
本願発明者等は、長年リチウム/二硫化鉄一次電池の開回路電圧の上昇を抑制するために鋭意検討を続けてきた。その結果、正極活物質である二硫化鉄を含む正極合剤中に、金属粉末を含むことによって、放電容量の劣化を抑制でき、かつ保存時の開回路電圧の上昇を抑制できることを知見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、上述した課題を解決するために、この発明は、
正極活物質である二硫化鉄を含む正極合剤を有する正極と、
リチウムを負極活物質とする負極と、
有機溶媒に電解質を溶解した電解液とを備えたリチウム/二硫化鉄一次電池であって、
正極合剤中に、金属粉末を含むことを特徴とするリチウム/二硫化鉄一次電池である。
この発明によれば、放電容量の劣化を抑制でき、かつ保存時の開回路電圧の上昇を抑制できる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施形態によるリチウム/二硫化鉄一次電池を示す。図1に示す電池は、いわゆる円筒型と呼ばれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶1の内部に、渦巻型電極体を有している。渦巻型電極体は、正極活物質を有する帯状の正極2と、負極活物質を有する帯状の負極3とが、イオン透過性を有するセパレータ4を介して多数回巻回されてなる。
電池缶1は、例えばニッケルメッキが施された鉄により、構成されており、一端部が閉鎖され、他端部が開放されている。電池缶1の内部には、渦巻型電極体を挟み込むように、周面に対して垂直に一対の絶縁板5および絶縁板6がそれぞれ配置されている。
電池缶1の開放端部には、電池蓋7と、この電池蓋7の内側に設けられた安全弁8及び熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)9とが、封口ガスケット10を介してかしめられることにより取り付けられており、電池缶1の内部は、密閉されている。
電池蓋7は、例えば電池缶1と同様の材料により構成されている。安全弁8は、熱感抵抗素子9を介して電池蓋7と電気的に接続されており、内部短絡又は外部からの加熱等により電池の内圧が一定以上となった場合に電池蓋7と渦巻型電極体との電気的接続を切断する、いわゆる電流遮断機構を備えている。
熱感抵抗素子9は,温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限し、大電流による異常な発熱を防止するものであり、例えば、チタン酸バリウム系半導体セラミックスにより構成されている。封口ガスケット10は、例えば絶縁材料により構成されており、表面には、例えばアスファルトが塗布されている。
渦巻型電極体の正極2には、アルミニウム等よりなる正極リード11が接続されており、負極3には、ニッケル等よりなる負極リード12が接続されている。正極リード11は、安全弁8に溶接されることにより電池蓋7と電気的に接続されている。負極リード12は、電池缶1に溶接され電気的に接続されている。
また、正極2と負極3との間のセパレータ4には、非水電解質として、例えば非水電解液が含浸されている。セパレータ4は、正極2と負極3との間に配されることにより、正極2と負極3の物理的接触を防ぐ機能を有する。さらに、セパレータ4は、非水電解液を吸収することにより、孔中に非水電解液を保持し、放電時にリチウムイオンが通過できるものである。
[正極2]
正極2は、帯状の形状を有する正極集電体と、この正極集電体の両面に設けられた正極合剤とからなる。正極集電体は、例えばアルミニウム(Al)箔、ニッケル(Ni)箔、ステンレス(SUS)箔、銅(Cu)箔等の金属箔である。
正極合剤中には、少なくとも正極活物質である二硫化鉄と、金属粉末が含まれる。例えば、正極合剤は、二硫化鉄(FeS2)と、金属粉末と、導電剤と、結着剤(バインダ)とからなる。導電剤および結着剤は、必要に応じて含まれる。
正極活物質である二硫化鉄は、主に自然界に存在する黄鉄鉱(pyrite)を粉砕したものが用いられるが、化学合成、例えば、塩化第一鉄(FeCl2)を硫化水素(H2S)中にて焼成して得られる二硫化鉄なども使用可能である。
金属粉末としては、金属元素からなる粉末状の物質であれば構成元素の種類、組成は問わない。具体的には、金属粉末としては、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)のいずれか又はこれらの混合物、これらの合金を用いることができ、好ましくは、銅、アルミニウム、亜鉛である。合金の形態として用いる場合は、銅、アルミニウム、亜鉛が原子比で50%以上含まれていることが好ましい。
正極合剤中に金属粉末を含むことによって、正極活物質の副反応により生じると推定される電池電圧の上昇を抑制できる。すなわち、正極活物質との間で混成電位を形成し、これにより、無添加時とは、異なる電位環境に活物質を保つことによって副反応を抑制し、開回路電圧の上昇を抑制できる。
さらに、金属粉末は導電剤としての機能を有するので、正極合剤中に金属粉末を含むことによって、負荷特性を上げることができる。さらに、例えば導電剤である炭素材料の代わりに用いることによって、導電剤である炭素材料を省くことが可能となる。
正極合剤に含まれる金属は粉末状である。金属粒径が大きすぎると、正極合剤中で各金属粒子が互いに接触することなく、合剤中に存在し、導電ネットワークを形成することができず、電極の導電性を確保できない。
また、金属粒径が大きすぎると、塗布方式で電極を作製する場合に、集電体とブレードの間に噛み込んで、塗布できず電極の作製が不可能となる。さらに、金属粒径が小さすぎると、金属粉末が凝集し、活物質の間を結ぶ導電性ネットワークを効率的に形成しない。
したがって、金属粉末の平均粒径(メジアン径:D50)は、活物質の間を結ぶ導電性ネットワークを確保できる点から、0.05μm〜1000μmが好ましい。さらに、金属粉末の平均粒径は、活物質の間を結ぶ導電性ネットワークをより確保できる点から、0.1μm〜500μmがより好ましい。さらに、金属粉末の平均粒径は、活物質の間を結ぶ導電性ネットワークを著しく確保できる点から、0.2μm〜100μmがより好ましい。
また、金属粉末の含有率は、放電容量の劣化をより抑制でき、かつ保存時の開回路電圧の抑制効果を得る事ができる点から、正極合剤に対して、0.01wt%〜10wt%が好ましい。
導電剤としては、正極活物質に適量混合して導電性を付与できるものであれば特に制限はされず、例えば、人造黒鉛、天然黒鉛、ケッチェンブラック(KB)やアセチレンブラックなどのカーボンブラック、コークス、非晶質炭素などの炭素材料を用いることができる。
結着剤としては、公知の結着剤を用いることができる。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などの有機高分子バインダを用いることができる。
[負極3]
負極3は、帯状の形状を有する金属箔からなる。この負極活物質でもある金属箔の材料としては、リチウム金属またはリチウムにアルミニウムなどの合金元素を添加したリチウム合金等を用いることができる。
[電解液]
電解液としては、リチウム塩を電解質として、これを有機溶媒に溶解させた電解液を用いることができる。ここで有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、スルホラン、アセトニトリル、ジメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等の、単独もしくは二種類以上の混合溶媒を用いることができる。
電解質としては、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6),四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4),トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、ヨウ化リチウム(LiI)等を用いることができる。
[セパレータ]
セパレータとしては、例えば,ポリプロピレン、ポリエチレンといったポリオレフィン系の微多孔性フィルム等を用いることができる。
次に、この発明の一実施形態によるリチウム/二硫化鉄一次電池の製造方法について説明する。
まず、例えば、正極活物質、金属粉末、結着剤および導電剤を混合して正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの溶剤に分散してペースト状の正極合剤スラリーとする。この正極合剤スラリーを正極集電体上に塗布して乾燥させた後、ローラプレス機などにより圧縮成型して正極合剤層を形成する。これにより、正極2が作製される。
次に、上述のようにして得られた帯状の正極2と、帯状の形状を有する負極3と、帯状の形状を有するセパレータ3とを、例えば正極2、セパレータ4、負極3、セパレータ4の順に積層し、長手方向に多数回巻回して、渦巻型電極体を作製する。
次に、底部に絶縁板5が予め挿入され、内側に例えばニッケルメッキが予め施された電池缶1に、渦巻型電極体を収納する。そして、渦巻型電極体の上面に絶縁板6を配設する。その後、負極3の集電をとるために、例えばニッケルからなる負極リード12の一端を負極3に取り付け、他端を電池缶1に溶接する。
これにより、電池缶1は負極3と導通をもつことになり、外部負極となる。また、正極2の集電をとるために、例えばアルミニウムからなる正極リード11の一端を正極2に取り付け、他端を安全弁8を介して電池蓋7と電気的に接続する。これにより、電池蓋7は正極2と導通をもつこととなり、外部正極となる。
そして、この電池缶1の中に、電解質を有機溶媒に溶解させて調製した電解液を注入した後に、アスファルトを塗布した封口ガスケット10を介して電池缶1をかしめる。以上により、電池蓋7が固定された円筒型のリチウム/二硫化鉄一次電池が作製される。
この発明の一実施形態によると、正極活物質である二硫化鉄の構成元素は、鉄と硫黄である。特許3060109号公報には、鉄と、硫黄と、銅とを構成元素とする黄銅鉱正極活物質材料が提示されている。また、特開昭58−40777号公報には、銅以外のコバルト等の金属元素と鉄と硫黄を構成元素とする正極活物質が提示されている。
しかしながら、この発明は、銅は、銅金属として粉末状で正極合剤に添加されるものであり、二硫化鉄は、銅と3元系の化合物を形成していない点で、上記特許3060109号公報および特開昭58−40777号公報に提示されたものとは、異なる発明である。
また、特開昭58−40777号公報、特開昭58−17280号公報には、金属粉末を硫化物活物質と共に固体正極活物質に添加することが規定されているが、そこで用いられている活物質は、二硫化鉄ではなく、鉄と硫黄と第3元素からなる3元系の化合物である。
以下、実施例によりこの発明を具体的に説明するが、この発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1>
まず、正極活物質としてのメジアン径(D50)32μmの二硫化鉄95.98wt%と、メジアン径2.5μmの銅粉末0.02wt%と、導電剤としてのメジアン径4μmの人造黒鉛1wt%と、ケッチェンブラック(KB)1wt%と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)2wt%とを混合し、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに十分に分散させて正極合剤スラリーとした。なお、メジアン径は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(製品名:LA−920 株式会社堀場製作所製)で測定した。
次に、正極合剤スラリーを正極集電体である厚み15μmのアルミニウム箔の両面にコーターで塗布し、加熱乾燥器中で、乾燥させてN−メチル−2−ピロリドンを揮発させた後、一定圧力で圧縮成型して帯状の正極を作製した。
次に、以上のようにして作製された帯状の正極と、負極としてのリチウム箔を、正極、ポリエチレンセパレータ、負極、ポリエチレンセパレータの順に積層してから多数回巻回し、渦巻型電極体を作製した。
以上のようにして得られた渦巻型電極体をニッケルメッキを施した鉄製電池缶に収納した。そして、渦巻型電極体の上下両面に絶縁板を配設し、アルミニウム製の正極リードを正極集電体から導出して電池蓋に、ニッケル製の負極リードを負極集電体から導出して電池缶に溶接した。
次に、1、3−ジオキシラン(DOL)と、1、2−ジメトキシエタン(DME)が体積比で2:1の混合溶媒にヨウ化リチウム(LiI)を添加して、ヨウ化リチウムのモル濃度が1.0mol/lとなるように調製した電解液を、電池缶に注入した。
次に、アスファルトが表面に塗布された絶縁封口ガスケットを介して電池缶をかしめることにより、電流遮断機構を有する安全弁、熱感抵抗素子および電池蓋を固定して電池内の気密性を保持させた。以上により、単3形のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例2>
メジアン径32μmの二硫化鉄93wt%、メジアン径2.5μmの銅粉末3wt%、メジアン径4μmの人造黒鉛1wt%、ケッチェンブラック1wt%、ポリフッ化ビニリデン2wt%の組成となるように、正極合剤を調製した以外は、実施例1と同様にして、実施例2のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例3>
メジアン径32μmの二硫化鉄87wt%、メジアン径2.5μmの銅粉末9wt%、メジアン径4μmの人造黒鉛1wt%、ケッチェンブラック1wt%、ポリフッ化ビニリデン2wt%の組成となるように、正極合剤を調製した以外は、実施例1と同様にして、実施例3のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例4>
メジアン径32μmの二硫化鉄85wt%、メジアン径2.5μmの銅粉末11wt%、メジアン径4μmの人造黒鉛1wt%、ケッチェンブラック1wt%、ポリフッ化ビニリデン2wt%の組成となるように、正極合剤を調製した以外は、実施例1と同様にして、実施例4のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
次に、正極合剤中に合金の形態の金属粉末を含む実施例5のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例5>
メジアン径32μmの二硫化鉄94wt%、メジアン径25μmの銅−亜鉛合金粉末2wt%、メジアン径4μmの人造黒鉛1wt%、ケッチェンブラック1wt%、ポリフッ化ビニリデン2wt%の組成となるように、正極合剤を調製した以外は、実施例1と同様にして、実施例5のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
次に、金属粉末の導電剤としての効果を確認すべく、黒鉛、ケッチェンブラックを添加せずに、金属粉末のみを添加し、金属粉末の種類を変えた実施例6〜実施例10のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。すなわち、銅、スズ、ニッケル、亜鉛、アルミニウム粉末を用いた実施例6〜実施例10のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例6>
メジアン径32μmの二硫化鉄95wt%、メジアン径2.5μmの銅粉末3wt%、ポリフッ化ビニリデン2wt%の組成となるように、正極合剤を調製した以外は、実施例1と同様にして、実施例6のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例7>
メジアン径32μmの二硫化鉄95wt%、メジアン径3.3μmのスズ粉末3wt%、ポリフッ化ビニリデン2wt%の組成となるように、正極合剤を調製した以外は、実施例1と同様にして、実施例7のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例8>
メジアン径32μmの二硫化鉄95wt%、メジアン径1.8μmのニッケル粉末3wt%、ポリフッ化ビニリデン2wt%の組成となるように、正極合剤を調製した以外は、実施例1と同様にして、実施例8のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例9>
メジアン径32μmの二硫化鉄95wt%、メジアン径5μmの亜鉛粉末3wt%、ポリフッ化ビニリデン2wt%の組成となるように、正極合剤を調製した以外は、実施例1と同様にして、実施例9のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例10>
メジアン径32μmの二硫化鉄95wt%、メジアン径9.1μmのアルミニウム粉末3wt%、ポリフッ化ビニリデン2wt%の組成となるように、正極合剤を調製した以外は、実施例1と同様にして、実施例10のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
次に、金属粉末である銅粉末の粒径を各々変えた実施例11〜実施例13および比較例2のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例11>
メジアン径32μmの二硫化鉄93wt%、メジアン径0.05μmの銅粉末3wt%、メジアン径4μmの人造黒鉛1wt%、ケッチェンブラック1wt%、ポリフッ化ビニリデン2wt%の組成となるように、正極合剤を調製した以外は、実施例1と同様にして、実施例11のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例12>
メジアン径32μmの二硫化鉄93wt%、メジアン径32μmの銅粉末3wt%、メジアン径4μmの人造黒鉛1wt%、ケッチェンブラック1wt%、ポリフッ化ビニリデン2wt%の組成となるように、正極合剤を調製した以外は、実施例1と同様にして、実施例12のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例13>
メジアン径32μmの二硫化鉄93wt%、メジアン径135μmの銅粉末3wt%、メジアン径4μmの人造黒鉛1wt%、ケッチェンブラック1wt%、ポリフッ化ビニリデン2wt%の組成となるように、正極合剤を調製した以外は、実施例1と同様にして、実施例13のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<比較例1>
金属粉末を添加せず、メジアン径32μmの二硫化鉄96wt%、メジアン径4μmの人造黒鉛1wt%、ケッチェンブラック1wt%、ポリフッ化ビニリデン2wt%の組成となるように、正極合剤を調製した以外は、実施例1と同様にして、比較例1のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<比較例2>
メジアン径32μmの二硫化鉄93wt%、メジアン径0.85mm〜1.18mmの銅粉末3wt%、メジアン径4μmの人造黒鉛1wt%、ケッチェンブラック1wt%、ポリフッ化ビニリデン2wt%の組成となるように、正極合剤を調製した。しかしながら、この正極合剤を正極集電体に塗布することができず、電極の作製が不可能となった。なお、比較例2の銅粉末のメジアン径は、分級に用いたメッシュの目開きからの推測値である。
放電容量の測定
次に、実施例1〜実施例13および比較例1のリチウム/二硫化鉄一次電池を、1000mAの定電流で電池電圧が0.9Vになるまで放電を行い、放電容量を測定した。
開回路電圧の測定
電解液注入後、60℃の環境下に200時間保管した後、実施例1〜実施例13及び比較例1の電池の開回路電圧を測定した。
表1に、実施例1〜実施例13および比較例1〜比較例2のリチウム/二硫化鉄一次電池について、添加金属の種類、添加金属のメジアン径、正極合剤の組成(wt%)、容量および開回路電圧(OCV)の測定結果を示す。
Figure 2007066826
評価1(金属粉末の含有率の検討)
表1に示すように、実施例1〜実施例4のリチウム/二硫化鉄一次電池の開回路電圧は、正極合剤中に金属粉末を含まない比較例1のリチウム/二硫化鉄一次電池より低い。したがって、正極合剤中に金属粉末である銅粉末を含むことによって、保存時の開回路電圧の上昇を抑制できることがわかる。さらに、実施例1〜実施例4の開回路電圧の測定結果より、正極合剤中の銅粉末の組成が増加するにつれて、保存時の開回路電圧の上昇を抑制する効果が大きくなることがわかる。
また、実施例1〜実施例4の放電容量の測定結果より、銅粉末の組成が増大するにつれて、容量の減少幅が大きくなることがわかる。さらに、実施例4の放電容量の測定結果より、10%を超えると、放電容量の減少量が著しく大きくなり、この発明の電池系の高容量という優位性が失われる。したがって、容量をより確保できる点から、正極合剤中の金属粉末である銅粉末の含有率は、正極合剤に対して10wt%以下が好ましいことわかる。
以上より、放電容量の劣化をより抑制でき、かつ保存時の開回路電圧の抑制効果を得る事ができる点から、金属粉末の含有率は、正極合剤に対して、0.01wt%〜10wt%がより好ましいことがわかった。
評価2(金属粉末の形態の検討)
表1に示すように、実施例5の電池は、比較例1に対して、開回路電圧が小さく、開回路電圧の上昇を抑制できることがわかる。また、実施例5の電池は、比較例1とほぼ同じ容量を保持できることがわかる。したがって、金属粉末が合金の形態でも、放電容量の劣化を抑制でき、かつ保存時の開回路電圧の上昇を抑制できることがわかった。
評価3(金属粉末の導電剤としての機能の検討)
表1に示すように、実施例6〜実施例10の電池の開回路電圧は、比較例1に対して低い。したがって、銅、スズ、ニッケル、亜鉛、アルミニウムを添加することによって、開回路電圧の上昇を抑制できることがわかった。また、実施例6〜実施例10の電池の放電容量は、比較例1の電池の放電容量とほぼ同じである。したがって、導電剤である黒鉛、ケッチェンブラックを添加しなくても、金属粉末である銅、スズ、ニッケル、亜鉛、アルミニウムを正極合剤中に含むことによって、金属粉末が導電剤として機能することがわかる。
以上より、正極合剤中に金属粉末を含むことによって、導電剤である炭素材料を省いても、放電容量の劣化を抑制でき、かつ保存時の開回路電圧の上昇を抑制できることがわかった。
評価4(金属粉末の粒径の検討)
表1に示すように、実施例11〜実施例13の電池の開回路電圧は、比較例1に対して低い。また、実施例11〜実施例13の電池の放電容量は、金属粉末の粒径によらずほぼ同じである。したがって、金属粉末の粒径によらず、金属粉末を添加することによって、放電容量の劣化を抑制でき、かつ開回路電圧の上昇を抑制できることがわかる。なお、比較例2のように、粒径が大きくなりすぎると、正極合剤を塗布できなくなり、電極の作製が困難となることがわかる。
この発明は、上述したこの発明の実施形態に限定されるものでは無く、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。例えば、電池の構造は、正極合剤が規定の構造をとれば形態を問わない。例えば、捲回式構造(ジェリーロール構造)、インサイドアウト型構造、ボタン型電池で通常用いることができる積層構造等をとることができる。
さらに、例えば一実施形態による正極では、所定の金属粉末が所定の含有率で含まれる正極が得られるならば、作製方法は問わない。
具体的には、例えば、溶剤中に活物質や他の正極構成材料を分散、溶解させて混合させる湿式混合や、活物質他の正極構成材料を粉体状態で分散させる乾式混合などの方法を採ることができる。湿式混合の場合には、例えばプラネタリミキサなどの、乾式混合の場合には、例えばVブレンダなどの通常用いられる混合方式を広く用いることができる。
また、正極の作製には、コーティング、噴射などの方法により、正極混合物を集電体に付着させる方法、あるいは加圧、射出などの成型によりペレット状に成型する方法などを採ることができる。
この発明の一実施形態によるリチウム/二硫化鉄一次電池の構造を示す断面側面図である。
符号の説明
1・・・電池缶
2・・・正極
3・・・負極
4・・・セパレータ
5・・・絶縁板
6・・・絶縁板
7・・・電池蓋
8・・・安全弁
9・・・熱感抵抗素子
10・・・封口ガスケット
11・・・正極リード
12・・・負極リード

Claims (3)

  1. 正極活物質である二硫化鉄を含む正極合剤を有する正極と、
    リチウムを負極活物質とする負極と、
    有機溶媒に電解質を溶解した電解液とを備えたリチウム/二硫化鉄一次電池であって、
    上記正極合剤中に、金属粉末を含むことを特徴とするリチウム/二硫化鉄一次電池。
  2. 請求項1において、
    上記金属粉末の含有率は、上記正極合剤に対して、0.01wt%〜10wt%であることを特徴とするリチウム/二硫化鉄一次電池。
  3. 請求項1において、
    上記金属粉末は、銅、アルミニウム、スズ、ニッケル、亜鉛のいずれかであることを特徴とするリチウム/二硫化鉄一次電池。
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