JP2007062351A - 成形用金型および成形体の成形方法 - Google Patents

成形用金型および成形体の成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の方向に広がる面から構成されている発泡層おいて、そのすべての面を所定の発泡倍率以上に成長させることのできる成形用金型および成形体の成形方法を提供する。
【解決手段】成形用金型1は、本体金型2と、該本体金型2に対して相対的に移動できるスライド型3とからなる固定型と、可動型4とから構成されている。スライド型3は、その一部がキャビティCに面し、型締めおよび型開き方向(X方向)と異なる方向(Y方向)に移動できるようになっており、型締めおよび型開き方向と直交する面a21とそれ以外の面a22とからなる発泡層a2がキャビティC内で成長する際に、少なくともスライド型3がY方向に移動することにより、発泡層a2を構成する面a21と面a22がともに所定の発泡倍率を満足するように成長することが可能となる。
【選択図】図3

Description

本発明は、固定型と可動型とから構成され、双方の型間に画成されたキャビティ内にて芯材と発泡層の2層構造を有する成形体を成形するための成形用金型と、該成形用金型を使用してなる成形体の成形方法に係り、特に、複数の方向に広がる面から構成されている発泡層おいて、そのすべての面を所定の発泡倍率以上に成長させることにより、該すべての面が所望のソフト感を有する発泡層を成形することのできる成形用金型および成形体の成形方法に関するものである。
自動車の内装品、例えばインストゥルメンタルパネル(以下、単に、「インパネ」という)などは、芯材と、ポリウレタンやポリプロピレンなどの樹脂材からなる発泡層と、からなる2層構造から構成されており、かかる内装品は、金型内にて射出成形により製造されるのが一般的である。
固定型と可動型とからなる金型のキャビティ内に高温/高圧で溶融状態の樹脂材が充填され、例えば可動型を開くことにより、キャビティ内が減圧され、樹脂材内に溶け込んでいたCOガスが気泡の形で発泡される。この可動型の型開き量やそのスピードを適宜に調整することにより、気泡を適宜の大きさに成長させることができ、結果として所望の軟らかさを備えた発泡層(ソフト層)を得ることができる。したがって、発泡層の発泡倍率によって発泡層の厚みが決定され、この発泡倍率または厚みが所定の値を満足することは、発泡層が所定の軟らかさを有していることを示すこととなる。
ところで、インパネなどの内装品は、その形状が比較的複雑であり、また複数の開口を有していることから、固定型および可動型で画成されたキャビティ内にて射出成形がおこなわれた後は、一定方向の型締め/型開き方向に例えば可動型を移動させることにより、成形品からの型の離型がおこなされていた。すなわち、双方の金型の対向面(または当接面)形状が複雑でることから、型締め/型開き方向は一定方向に限定されることとなり、それ以外の方向に可動型を移動させても型と成形品とが干渉することで可動型の移動が阻害されることとなる。
発泡層が型締め/型開き方向と直交する方向に広がる層である場合には、発泡層の成長に応じて可動型が自在に移動し、発泡層は適宜の発泡倍率に成長することができる。しかし、発泡層の形状が、かかる型締め/型開き方向と直交する方向に加えてそれ以外の方向にも延びる面を有している場合には、該それ以外の面の発泡層の発泡倍率は、型締め/型開き方向と直交する方向の発泡層の発泡倍率と同程度とはならず、したがって、所望の軟らかさ(ソフト感)を満足できない可能性が高くなる。従来は、かかる問題を許容し、型締め/型開き方向と直交する方向と異なる方向に延びる発泡層は、比較的硬く成形されていた。例えば、図16に示す従来の成形用金型に基づいて説明すると、可動型b1と固定型b2の間のキャビティ内において、開口a11を有する芯材a1と、その一部の表面に発泡層a2からなる成形体aが成形される。ここで、可動型b1の型締め/型開き方向はX方向である。発泡層a2は、型締め/型開き方向に直交する方向の面a21と、該面a21から斜めに立ち上がる面a22とから構成されている。発泡層a2の発泡成長の際には、可動型b1がX方向に移動し、かかる移動によって発泡層の面a21は発泡成長方向Y1に向かって所定の発泡倍率にて発泡成長することができる。その一方で、発泡層の面a22の発泡成長は成長に応じたキャビティ空間が確保されないことから、その発泡成長方向Y2への発泡成長が阻害される。その結果、発泡層全体では、所定の発泡倍率で成長して十分なソフト感を備えた部分と、所定の発泡倍率で成長することができないために十分なソフト感を有していない部分とから構成されることとなる。
特許文献1には、表皮材層と基材層とからなる部分と、基材層のみからなる部分とから構成される成形品を1台の金型装置にて成形することのできる該金型装置に関する発明が開示されている。この金型装置によれば、コア型(固定型)とキャビティ型(可動型)にて画成されたキャビティ内で、まず基材層を射出成形し、基材層の硬化を待ち、次に所定の基材層表面に表皮材層を射出成形することができる。従来は、基材層を別途の金型装置にて成形し、該基材層を表皮材層成形用の金型装置のキャビティ内に収容して表皮材層の成形をおこなっていたため、成形品の製造工程が長くなり、製造が非効率的であるという問題が生じていたため、かかる課題を解決すべく発明されたものである。なお、ここでいう表皮材層とは、上記する発泡層に対応する層のことである。
特開平8−85132号公報
特許文献1に開示の金型装置によれば、基材層と表皮材層の2層構造からなる成形品の製造を1台の金型装置にて効率的におこなうことができる。しかし、キャビティ型(可動型)の可動方向、すなわち、キャビティ型の型閉め/型開き方向と直交する方向の表皮材層の発泡成長と、それ以外の方向の表皮材層の発泡成長とが相対的に大きく異なり、結果として、表皮材層に所望のソフト感を有する箇所と有しない箇所が並存するといった問題を解消することはできない。そのため、かかる金型装置を使用しても、依然として多面形状の表皮材層のすべての面が所望のソフト感を備えた成形品を製造することはできない。
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、複数の方向に広がる面から構成されている発泡層を備えた成形体の成形に際し、そのすべての面を所定の発泡倍率以上に成長させることによって、該すべての面が所望のソフト感を有する発泡層を成形することのできる成形用金型および成形体の成形方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による成形用金型は、固定型と可動型とから構成され、双方の型間に画成されたキャビティ内にて芯材と発泡層の2層構造を有する成形体を成形するための成形用金型であって、固定型は、本体金型と、該本体金型に対して相対的に移動するスライド型と、から構成されており、該スライド型は、その一部が前記キャビティに面し、型締めおよび型開き方向と異なる方向に移動するように構成されており、前記キャビティ面は互いに平行でない複数の方向に広がる面から構成されていることを特徴とする。
本発明の成形用金型は、固定型と可動型との間で画成されるキャビティ内で、芯材と発泡層の2層構造からなる成形体における、該芯材および発泡層の成形をともにおこなうことのできる金型に関するものである。芯材の成形は、射出成形の他、樹脂製または鋼製の板部材をキャビティ内にてプレス成形することもできる。所定形状に成形された芯材表面の所定領域において発泡層が射出成形される。この発泡層は、適宜の樹脂にて成形されるものであり、例えば既述するようなポリウレタンやポリプロピレンなどから成形できる。
発泡層の発泡成長に応じて、可動型または固定型は、型締め/型開き方向に移動する。すなわち、可動型が不動の固定型に対して相対的に移動する形態であってもよいし、固定型が不動の可動型に対して相対的に移動する形態であってもよい。例えば固定型に対する可動型の移動方向は、いわゆる型締め/型開き方向であり、固定型が可動型に対して下方に位置決め固定されている場合には、可動型の鉛直上方への移動方向が型締め/型開き方向となる。キャビティの形状は、該キャビティ内で成形される成形体の形状に応じて任意であるが、本発明では、少なくとも発泡層が成形されるキャビティ部分が複数の角度を有する面から構成されており、この複数の角度の面に対応するようにスライド型が固定型に移動可能に取り付けられている。固定型を構成する本体金型の一側(キャビティ側)にスライド型が設けられる。
ここで、スライド型は、少なくとも型締め/型開き方向とは異なる方向に移動できるように、固定型の本体金型に取り付けられている。この方向は、複数の角度面を備えた発泡層のすべての面が同程度の発泡倍率で成長できる方向に設定されている。すべての面の発泡成長に際して、適宜の方向にスライド型が移動することにより、該すべての面を同程度に発泡成長させることができる。従来の金型装置においては、かかるスライド型がないために、このような2つの面から形成される発泡層の成長に際しては、可動型または固定型の型締め/型開き方向の移動により、型締め/型開き方向に直交する面の発泡成長は所望の成長をおこなう一方で、他の方向の面の発泡成長はそれに対して極めて少なかった。したがってかかる面においては十分なソフト感が得られない結果となっていた。
ここで、所定の発泡倍率は、成形体に要求されるソフト感によって異なるものであり、したがって適宜に設定することができる。例えば、キャビティ内への初期の材料充填時の元厚に対して1.8〜2倍程度に設定することができる。
本発明の成形用金型によれば、複数の方向に広がる面を有する発泡層の発泡成長に応じて可動型または固定型が型締め/型開き方向に移動し、その際に、発泡層に直接接しているスライド型は、発泡層を構成するすべての面の発泡倍率が同程度または所定の発泡倍率を満足する移動方向にスライドすることができるため、可動型または固定型の移動を阻害することなく、所望のソフト感を有するような発泡層の成長を実現することができる。
また、本発明による成形用金型の他の実施形態において、前記キャビティ面が、前記型締めおよび型開き方向と直交する面とそれ以外の面とからなることを特徴とする。
本発明の成形用金型においては、スライド型のキャビティ面が、型締め/型開き方向に直交する方向の面とそれ以外の面とから構成されるものであり、該それ以外の面は、平面や曲面などから構成される。
例えば、型締め/型開き方向に直交する面と、型締め/型開き方向に略平行な面とから構成されている場合には、スライド型の移動方向を、この2つの面から形成される中心角の1/2の角度方向またはそれに近い角度に設定することにより、双方の面の発泡層の発泡成長に際してスライド型がかかる角度方向に移動することができるため、双方の面を同程度に発泡成長させることができる。
また、本発明による成形用金型の他の実施形態において、前記本体金型には、スライド型の一部または全部が収容される収容空間が設けられており、スライド型には該スライド型の所定方向の移動を案内する軸部材が設けられており、可動型には軸部材が遊嵌する案内溝が設けられており、案内溝に軸部材が遊嵌された姿勢で本体金型およびスライド型と対向する位置に可動型が設けられており、発泡層の成長に応じて可動型または固定型とスライド型が移動することにより、発泡層を構成する複数の方向に広がる面を、それぞれ所定の発泡倍率で成形させることを特徴とする。
固定型の本体金型のうち、キャビティに面する一側には、スライド型の一部または全部が収容できる収容空間が設けられ、この収容空間内にスライド型が遊嵌される。ここで、スライド型の所定方向への移動を案内するために、該スライド型の端部に軸部材を設けておき、可動型にはこの軸部材が遊嵌できる案内溝であって、該スライド型が移動する方向に溝が延びた案内溝を穿設しておき、軸部材を該案内溝に遊嵌した姿勢でスライド型と可動型を本体金型に取り付けることにより成形用金型を構成することができる。
本発明の成形用金型の構成によれば、キャビティ内で発泡層が発泡成長する際に、スライド型が所望の方向、すなわち、発泡層のすべての面が所定の発泡倍率を満足するように成長できる方向にスライドすることができ、さらに、可動型または固定型も発泡層の発泡成長に応じて型締め/型開き方向に自由に移動することができる。
ここで、可動型または固定型が、例えば鉛直方向となる型締め/型開き方向に移動する際に、該可動型または固定型が水平方向にずれないようにするために、可動型の側面に溝付きのカムプレートなどを取り付けておく。このカムプレートには所定方向に延びた溝を設けておき、スライド型に取り付けられた軸部材を溝に遊嵌した姿勢で固定型とスライド型、および可動型を取り付けることにより、固定型に対するスライド型の所定方向への移動に加えて、可動型または固定型の所定の型締め/型開き方向への移動を保証することができる。
本発明の成形用金型は簡易な構成であることから、その製造コストは比較的安価である。したがって、安価な本発明の成形用金型により、複数の角度面を有する発泡層のすべての面が所望の発泡倍率を満足できる成形体を成形することが可能となる。
また、本発明による成形用金型の他の実施形態において、前記本体金型には、スライド型の一部または全部が収容される収容空間が設けられており、該収容空間はスライド型が所定の方向に移動可能に成形されており、発泡層の成長に応じて該発泡層用のキャビティを形成するようにスライド型がアクチュエータによって移動するように構成されていることを特徴とする。
本発明の実施形態では、スライド型の一部または全部を収容する本体金型の収容空間が、所定のスライド型の移動方向となるように成形されており、この収容空間内にスライド型が移動自在に収容され、このスライド型の移動を適宜のアクチュエータにておこなう成形用金型に関するものである。この収容空間のスライド型移動方向長さは、少なくとも、発泡層が成長した際の発泡層厚とスライド型の長さの総和以上の長さに設定されている必要がある。
例えば、収容空間の下部に送りねじが設けられており、送りねじはアクチュエータの一実施例であるサーボモータにて回転可能となっている。この送りねじ(ねじ軸)の回転に応じて該送りねじの軸方向にナットが移動可能に装着されており、このナットの移動に応じて該ナット上に載置されたスライド型が収容空間内を移動できるように構成することができる。例えば、ねじ軸の回転によって軸の反対方向に移動する(相対的に離れる方向に移動する)2つのナットが設けられ、かかるナット上面は傾斜させた形状に成形されており、該2つのナットにそれぞれ当接する脚部材がスライド型の下面に装着されている。この脚部材がナットと当接する面を、ナットの傾斜に適合した傾斜面に成形しておくことで、サーボモータの回転によってねじ軸が回転し、この回転によって2つのナットが例えば相対的に離れるようにねじ軸の軸方向に移動し、2つのナットの移動に応じて、ナット上面の傾斜に沿ってスライド型が下方(ねじ軸方向)に落ちるように移動することができる。スライド型の下方への移動によって発泡層用のキャビティ空間が拡大し、このキャビティ空間内において発泡層が発泡成長することが可能となる。ここで、サーボモータの回転は、発泡層の成長に応じてスライド型が移動できるように調整されているのが望ましい。なお、本発明の成形用金型は上記する実施例に限定されるものではなく、したがって、適宜のアクチュエータと該アクチュエータによるスライド型の移動手段の組み合わせが選定できる。
本発明によれば、発泡層の発泡成長の際に可動型を固定型に対して相対的に移動させる必要がなく、収容空間内でスライド型が所定の方向に移動するのみで、複数の角度面を有する発泡層の各面が所望の発泡倍率を満足するように成長することができる。また、例えばアクチュエータとしてサーボモータを使用し、スライド型の移動手段として送りねじ機構を適用することにより、極めて安価に成形用金型を製造することが可能となる。
また、本発明による成形用金型の他の実施形態は、キャビティ面を構成する複数の方向に広がる各面の面積比率に応じて各面に直交する方向の線形ベクトルがそれぞれ求められ、それぞれの線形ベクトルを結合してなる結合ベクトルが求められ、該結合ベクトルに直交する方向がスライド型の移動方向に設定されており、スライド型は一側面側からアクチュエータにて押出されるように構成されており、スライド型の前記一側面と反対側の他側面に対向している可動型の内壁面が、前記結合ベクトルの方向に広がるように形成されており、スライド型が該内壁面に沿って移動するように構成されていることを特徴とする。
本発明の成形用金型では、複数の方向に広がる面からなるキャビティ面(または発泡層の形状)を勘案して、その代表となる発泡成長方向を予め求め、その代表となる方向に直交する方向をスライド型の移動方向に設定するとともに、可動型の内壁面のうち、スライド型が該内壁面に当接された姿勢でスライド型の移動を案内する内壁面を、結合ベクトルの方向に広がる方向に設定したものである。
発泡成長方向の代表となる方向を求めるに際し、まず、各面の面積に応じて、各面に直交する方向の線形ベクトルのベクトル量を求めておく。この線形ベクトルを結合させることにより、各面の面積比率が考慮された発泡層の代表となる発泡成長方向を決定することができる。なお、発泡層の面が曲面を備えている場合には、該曲面の中心に対して、その法線方向を線形ベクトルの方向とすることができ、面積は、曲面を投影した投影面積を該曲面の面積と仮定することで、線形ベクトルのベクトル量および方向を設定することができる。
スライド型を上記の結合ベクトルに直交する方向に移動するように構成した場合、スライド型の下面と当接する固定型の内壁面には、発泡層が発泡する際の圧力の最大値が作用することとなる。すなわち、実際には、発泡層の形状に応じた複数の方向に発泡層が成長することから、各成長方向に圧力が作用することとなるが、本発明では、発泡層を構成する各面の結合ベクトル方向に直交する方向にスライド型を下方から支持する固定型の内壁面が形成されているため、この面で、発泡層成形時の最大圧力を受けることができる。
一方、上記する結合ベクトル方向と直交する方向に、スライド型をアクチュエータにて移動させる構成を適用している。したがって、最大圧力を固定型にて受け、それに対する直交方向、すなわち、発泡層の発泡成長時に作用する圧力が最も小さくなる方向にアクチュエータを稼動させることとしているため、スライド型を移動させる際に要求されるアクチュエータの能力ないしは規格を、必要最小限に設定することが可能となる。なお、適用されるアクチュエータは特に限定するものではないが、例えばサーボモータや、油圧ないしは空気圧によるシリンダーユニットを使用することができる。
発泡層の発泡成長に応じて、可動型または固定型は、型締め/型開き方向に移動する。すなわち、可動型が不動の固定型に対して相対的に移動する形態であってもよいし、固定型が不動の可動型に対して相対的に移動する形態であってもよい。一方、スライド型は、上記する結合ベクトルに直交する方向にその一側面からアクチュエータにて押出されることとなり、スライド型の他側面は、可動型の内壁面の傾斜方向に案内されるように移動することとなる。この可動型の内壁面の方向は、上記する結合ベクトルの方向に設定されている。したがって、型締め/型開き方向に対して結合ベクトルの方向がθ傾斜している場合には、例えば固定型は可動型に対して型締め/型開き方向に移動し、スライド型は、アクチュエータにて押出されることにより、可動型の内壁面に案内されながら所定のθ方向に移動することができる。
本発明の成形用金型によれば、スライド型を押出すアクチュエータを可及的に最小限の出力性能に抑えることが可能となる。また、複数の方向に広がる発泡層の結合ベクトル方向に延びる可動型の内壁面にスライド型が案内されながら、発泡層の発泡成長に応じて移動することができるため、発泡層を構成するすべての面を所定の発泡倍率を満足するように成長させることが可能となる。
また、本発明による成形用金型の他の実施形態は、前記成形用金型において、前記可動型の内壁面にスライド型が接していることを確認するためのセンサが該可動型に内蔵されていることを特徴とする。
発泡層の発泡成長に応じてアクチュエータによって押出され、可動型の内壁面に案内されながらスライド型が移動できる構成であることから、スライド型が可動型の内壁面に当接しているか否かを特定することは、スライド型が所定の方向に移動していることを確認する上で極めて重要なことである。上記するように、スライド型が所定の方向、すなわち、上記する結合ベクトル方向に移動することにより、複数の方向に広がる発泡層のすべての面の発泡成長を促進することとなるからである。
そこで、本発明の成形用金型においては、スライド型が当接する可動型の内壁面において、スライド型が確実に該内壁面に当接していることを確認するための適宜のセンサを内蔵した構成を適用するものである。
ここで、センサの形態は特に限定するものではないが、例えば、リミットスイッチや、圧力センサ、密着センサなどを使用することができる。リミットスイッチの場合には、スライド型が可動型の内壁面に当接した段階でONするように構成することができ、圧力センサの場合には、任意の圧力閾値を設定しておき、閾値以上の圧力でセンサを押圧した段階でスライド型が可動型の内壁面に確実に当接したことを特定するようにしておくことができる。なお、いずれの形態のセンサを使用する場合においても、可動型の内壁面において、スライド型が移動する方向に複数のセンサを内蔵しておくことにより、一定の移動量(発泡成長量)のすべての段階で、スライド型が確実に可動型の内壁面に当接しながら移動していることを特定することが可能となる。
また、本発明による成形用金型の他の実施形態は、前記成形用金型において、センサの検知結果が所定の閾値を外れたことを知らせる警報手段をさらに備えたことを特徴とする。
警報手段は、センサに接続されており、作業員にアラームにて通知するような形態や、センサが接続されるコンピュータ側の画面上に警報表示をするような形態を適用することができる。警報手段にてスライド型が可動型の内壁面に当接していないことが検知された際には、可動型やスライド型の稼動を停止させ、作業員が状況の確認をおこなうことにより、不良な成形体の製造を早期に中止することが可能となる。
また、本発明による成形用金型の他の実施形態において、可動型が、本体金型とその内部で回転する入子とから構成されており、該入子の一方面はキャビティに面しており、芯材と発泡層の成形ごとに入子の前記一方面の角度を調整する調整手段を備えていることを特徴とする。
芯材および発泡層が複数の方向に広がる面を備えている場合には、芯材成形後の型開き時や発泡層成形後の型開き時において、芯材ないしは芯材表面に発泡層が成形された成形体と型との間にアンダーカット部が形成されることが往々にてある。
本発明の成形用金型は、かかる型開き時のアンダーカット処理を可能とした成形用金型に関するものであり、特に、本発明では、可動型を本体金型とその内部で回転する入子とから構成させ、入子を適宜に回転させることによってアンダーカット処理を効率的おこなうようにした成形用金型である。この入子の回転調整は、成形用金型に接続されたコンピュータ内の調整手段にておこなうことができ、芯材成形後の型開き時や発泡層成形後(成形体成形後)の型開き時において、入子に所定の回転角度指令信号を送信することで入子の回転が実現できる。また、この成形用金型は、芯材成形時の固定型と、発泡層成形時の固定型を別途に用意しておき、芯材成形後の型開きの際に可動型の入子を回転させながらアンダーカット処理をおこない、発泡層成形時には、入子の角度を適宜に調整して発泡層成形用の固定型に可動型を設置することにより、一つの可動型を利用して、芯材〜発泡層の成形までをおこなうことが可能となる。
また、本発明による成形用金型の他の実施形態において、可動型が、本体金型とその内部を前記結合ベクトルの方向に移動する入子とから構成されていることを特徴とする。
本発明の成形用金型は、可動型の入子を回転させるかわりに、上記する結合ベクトル方向にスライドさせながらアンダーカット処理をおこなうものである。
本発明の成形用金型によっても、芯材成形時と発泡層成形時において、可動型を構成する入子をスライド調整することにより、適宜のキャビティ空間を形成することができるため、一つの可動型を利用して、芯材〜発泡層の成形までをおこなうことが可能となる。
また、本発明による成形体の成形方法は、本体金型と、該本体金型に対して相対的に移動できるスライド型と、からなる固定型と、可動型と、から構成される成形用金型を使用し、固定型と可動型とから画成されるキャビティ内で、芯材と発泡層の2層構造からなる成形体であって、該発泡層が複数の方向に広がる面から構成される成形体を成形する成形方法であって、前記キャビティ内で芯材を所定形状に成形する第一工程と、発泡層用の溶融材料をキャビティ内に充填し、発泡層の成長に応じて少なくともスライド型が所定の方向に移動し、本体金型とスライド型と可動型とから成形体を離型する第二工程と、からなり、第二工程における発泡層の成長の際にはスライド型が所定の方向に移動することにより、発泡層を構成する複数の方向に広がるすべての面を所定の発泡倍率を満足するように成長させることを特徴とする。
本発明の成形体の成形方法は、既述する成形用金型を使用して、複数の方向に広がる面からなる芯材および発泡層から構成された成形体を成形する方法に関するものである。
本発明の成形体の成形方法によれば、複数の方向に広がる面を有する発泡層の発泡成長に応じて可動型または固定型が型締め/型開き方向に移動し、その際に、発泡層に直接接しているスライド型は、発泡層を構成するすべての面の発泡倍率が同程度または所定の発泡倍率を満足する移動方向にスライドすることができるため、発泡層を構成するすべての面を所望の発泡倍率で成長させることが可能となる。
また、本発明による成形体の成形方法の他の実施形態は、第1の本体金型と、該第1の本体金型に対して相対的に移動できるスライド型と、からなる第1の固定型と、第2の固定型と、第2の本体金型とその内部で回転する入子とから構成されていずれかの固定型に組み付けられる可動型と、から構成される成形用金型を使用し、第2の固定型と可動型とから画成される第1のキャビティ内で芯材を成形し、第1の固定型と可動型とから画成される第2のキャビティ内で芯材表面に発泡層を成形することによってできる2層構造の成形体であって、該発泡層が複数の方向に広がる面から構成される成形体を成形する成形方法において、第1のキャビティ内で芯材を所定形状に成形する第一工程と、可動型の入子の角度を回転させ、その一方面とスライド型とから第2のキャビティを画成し、該第2のキャビティ内に芯材を載置するとともに発泡層用の溶融材料を充填し、発泡層の成長に応じて少なくともスライド型が所定の方向に移動し、本体金型とスライド型と可動型とから成形体を離型する第二工程と、からなり、第二工程における発泡層の成長の際にはスライド型が所定の方向に移動することにより、発泡層を構成する複数の方向に広がるすべての面を所定の発泡倍率を満足するように成長させることを特徴とする。
本発明の成形体の成形方法では、上記するように、可動型を本体金型とその内部で回転可能な入子とから構成しておくことにより、芯材成形後ないしは発泡層成形後の型開き時のアンダーカット処理を効率よくおこなうことができる。なお、芯材成形時と発泡層成形時には、別途の固定型が併設されており、その上方において、双方の固定型に可動型を自動的に載置できる成形用金型システムを構成しておくこともできる。例えば、固定型を2基、可動型も2基用意しておき、2つの可動型は回転ユニットにて双方の固定型に載置可能としておく。双方の可動型は、ともに回転可能な入子が装着された同じ形式の可動型からなる。一方、2つの固定型は、その一方が芯材成形用の固定型であり、したがって、上記するスライド型を本体金型内に備えていないものである(第2の固定型)。それに対して、他方の固定型は、上記するスライド型を本体金型内に備えたものであり、成形された芯材をスライド型上のキャビティに収容した後に、その表面に発泡層を成形するものである(第1の固定型)。ここで、第2の固定型と一方の可動型において芯材を成形し、可動型の型開きとともに芯材を固定型から取り外し、回転ユニットの回転によって芯材を備えた可動型を第1の固定型上に移動させ、芯材をスライド型上に移載する。この段階で、第2の固定型上にも他方の可動型が載置され、第2の固定型と可動型との間で別途の芯材が成形されると同時に、第1の固定型と可動型との間で芯材表面に発泡層が成形される。第1の固定型から可動型を型開きすることによって芯材および発泡層からなる成形体を固定型から脱型することができ、可動型から成形体を取り外すことによって成形体を得ることができる。
上記操作を繰り返すことにより、芯材の成形と成形体の成形を同時連続的におこなうことができ、効率的な成形体の成形を実現することが可能となる。
また、本発明による成形体の成形方法の他の実施形態は、第1の本体金型と、該第1の本体金型に対して相対的に移動できるスライド型と、からなる第1の固定型と、第2の固定型と、第2の本体金型とその内部をスライドする入子とから構成されていずれかの固定型に組み付けられる可動型と、から構成される成形用金型を使用し、第2の固定型と可動型とから画成される第1のキャビティ内で芯材を成形し、第1の固定型と可動型とから画成される第2のキャビティ内で芯材表面に発泡層を成形することによってできる2層構造の成形体であって、該発泡層が複数の方向に広がる面から構成される成形体を成形する成形方法において、第1のキャビティ内で芯材を所定形状に成形する第一工程と、可動型の入子をスライドさせ、その一方面とスライド型とから第2のキャビティを画成し、該第2のキャビティ内に芯材を載置するとともに発泡層用の溶融材料を充填し、発泡層の成長に応じて少なくともスライド型が所定の方向に移動し、本体金型とスライド型と可動型とから成形体を離型する第二工程と、からなり、第二工程における発泡層の成長の際にはスライド型が所定の方向に移動することにより、発泡層を構成する複数の方向に広がるすべての面を所定の発泡倍率を満足するように成長させることを特徴とする。
本発明の成形体の成形方法は、可動型に回転可能な入子を装着する代わりに、既述するスライド可能な入子を装着してなる成形用金型を使用して成形体を成型する方法に関するものであり、成形用金型システムの構成や、成形方法の流れは上記する成形方法と同様である。
さらに、本発明の成形体の成形方法の他の実施形態において、前記成形用金型には、スライド型が所定の方向に移動しているか否かを検知するセンサがさらに備えられており、前記第二工程において、センサの検知結果が所定の閾値を外れた際にはスライド型と可動型の移動が停止されることを特徴とする。
ここで、スライド型の移動する所定方向とは、例えば、既述する結合ベクトル方向のことを意味しており、発泡層成形時においてスライド型が当接すべき可動型の内壁面にスライド型が当接していないことをセンサが検知するようなシステムを構築しておく。センサとして例えば圧力センサを使用する場合には、一定の圧力値を閾値としておき、該閾値未満の検知結果の場合には、スライド型および可動型の稼動を停止させる。一方、センサとしてリミットスイッチを使用する場合には、スライド型が可動型の内壁面に沿ってスライドしている際に、リミットスイッチがONされない場合にスライド型および可動型の稼動を停止させるようにシステムを構成しておく。
本発明の成形体の成形方法によれば、複数の方向に広がる発泡層のすべての面が所望の発泡成長をしていることを確認しながら成形体を成形することができるため、不良品の発生を未然に防止することが可能となる。
以上の説明から理解できるように、本発明の成形用金型および成形体の成形方法によれば、固定型を構成するスライド型が、可動型または固定型の移動方向、すなわち、型締め/型開き方向とは異なる適宜の方向に移動することにより、複数の方向に広がる発泡層のすべての面が所望のソフト感を備えた成形体を成形することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の成形用金型の一実施形態の分解斜視図を、図2は、成形用金型の正面図であって、キャビティ内で芯材が成形されている状況を示した図を、図3は、成形用金型の正面図であって、キャビティ内で発泡層が成形されている状況を示した図をそれぞれ示している。図4,5はそれぞれ、成形用金型の他の実施形態を示した模式図である。図6は、成形用金型のさらに他の実施形態を示した模式図であって、芯材がキャビティ内に設置されている状況を示した図を、図7は、図6の実施形態において、芯材表面で発泡層が成長している状況を示した図をそれぞれ示している。図8は、スライド式の入子を備えた可動型を有する成形用金型における型開き、型閉じ、成形体の取り出しの状況を説明した図であって、図8aは、芯材を型締めしている状況を説明した図であり、図8bは、可動型の一部を開いた状態を説明した図であり、図8cは、入子をスライドさせている状況を説明した図であり、図8dは、別途の固定型と入子との間のキャビティにて芯材表面に発泡層を成形している状況を説明した図であり、図8eは、成形体を取り出している状況を説明した図である。図9は、回転式の入子を備えた可動型の芯材成形時の状況と発泡層成形時の状況と成形体の取り出しの状況を説明した図であって、図9aは、芯材成形時の入子の状況を説明した図であり、図9bは、発泡層成形時の入子の状況を説明した図であり、図9cは、成形体を取り出すために入子を回転させている状況を説明した図であり、図9dは、成形体を取り出している状況を説明した図である。図10は、2基の固定型および2基の可動型からなるシステムを使用した成形体の成形方法を説明した図であって、芯材を成形している状況を説明した図を、図11は、図10に続き、型開きの状況を説明した図を、図12は、図11に続き、発泡層を成形している状況を説明した図を、図13は、図12に続き、一方の成形用金型では脱型準備をしており、他方の成形用金型では芯材を成形している状況を説明した図を、図14は、図13に続き、双方の成形用金型を型開きするとともに、成形体を取り出している状況を説明した図をそれぞれ示している。図15は、発泡層成形時の成形方法の一実施形態を示したフローである。
図1は、成形用金型の一実施形態の分解斜視図である。成形用金型1は、固定型を構成する本体金型2と可動型4とから大略構成されており、本体金型2のキャビティ面に面する一側に穿設された収容空間21内に所定方向に移動可能なスライド型3を備えて構成されている。可動型4は、本体金型2に対して鉛直上方のX方向に移動できるようになっており、このX方向が型締め/型開き方向となる。一方、スライド型3は、X方向とは異なるY方向に移動自在に収容空間21内に遊嵌されている。ここで、収容空間21の内空寸法はスライド型3の移動を阻害しないように、スライド型3の寸法よりも大きめに設定されている。スライド型3のY方向への移動は、収容空間21の形状によってその移動方向がほぼ決定される。なお、図示するスライド型3の実施形態では、そのキャビティ空間に面する形状が、型締め/型開き方向(X方向)と直交する方向に延びる面32と、該面32から所定の傾角で立設した面33とから構成されている(発泡層の形状がかかる2つの面から構成されることとなる)が、スライド型3のキャビティ空間に面する形状は、成形される発泡層の形状に応じて適宜設定することができる。
また、発泡層の発泡成長の際に、可動型4が水平方向にずれることなく矢印X方向に移動できるように、可動型4の側面には2つのカムプレート5,5が取り付けられており、このカムプレート5には、軸部材31が遊嵌できる案内溝51が穿設されている。この案内溝51の穿設方向は、スライド型の移動方法(Y方向)となるように設定されている。本体金型2の収容空間21内にスライド型3を収容し、カムプレート5,5の案内溝51,51にスライド型3の両端部の軸部材31,31をそれぞれ遊嵌させながら可動型4を本体金型2に設置することにより、成形用金型1が組付けられる。かかる成形用金型1は、従来の成形用金型にスライド型を加えたものであり、その移動方向を可動型の型締め/型開き方向と異なる方向に移動できるような態様としたものである。この成形用金型1は比較的簡易な構造であることから、従来の成形用金型と同程度の製作コストにて製作することが可能である。
図2は、成形用金型1において、開口a11を有する芯材a1がプレス成形された後に、図示を省略する注入孔を介して高温で溶融状態の発泡層用樹脂材料がキャビティC内に充填された状態を示している。ここで、成形される発泡層a2の形状は、型締め/型開き方向(X方向)と直交する方向に延びる面a21と、該面a21から所定の傾角で立設した面a22とからなる。なお、このキャビティC内が密閉空間であることは言うまでもない。なお、芯材a1の成形は、プレス成形のほか、発泡層と同様に射出成形によることもできる。
図3は、発泡層a2が成長している際の成形用金型1を示したものである。樹脂材料をキャビティC内に充填後、時間経過に伴って、該樹脂材料内に溶け込んでいたCOガスからなる気泡が発泡成長してくる。この気泡の発泡成長に伴って発泡層a22が成長し、発泡層a22の層厚が厚くなっていく。本実施例では、発泡層a2の面a21はZ1方向へ、面a22はZ2方向へ成長しようとする。この発泡層a2の成長に伴って、可動型4は鉛直上方(X方向)に持ち上げられるように移動する。
発泡層a2は、その一側面が芯材a1に付着した姿勢で可動型4の移動に応じて上方(Z1、Z2方向)に発泡成長し、他側面は、下方(Z1、Z2方向)に発泡成長する。ここで、図示を省略する可動型4に取り付けられたカムプレート5に穿設された案内溝51の穿設方向は、スライド型3の移動方向(Y方向)を決定することとなる。本実施例では、このY方向を面a21と面a22の中心角の1/2の角度方向に設定することで、スライド型3のY方向への移動により、発泡層a2を構成する面a21と面a22の双方の発泡成長を促進することができ、したがって発泡層を構成するすべての面が所望の発泡倍率を満たす成長を実現することができる。
図3からも明らかなように、可動型4の移動方向、すなわち、型締め/型開き方向は芯材a1の形状や開口などによって一定の方向に決定され、それ以外の方向への移動は型と芯材a1との干渉によって許容されない。かかる条件を前提として、複数の角度面を有する発泡層のすべての面の発泡成長を十分に促進させるためには、可動型の移動とは分離した態様の別途の可動手段が必須となり、本発明においては、かかる別途の可動手段としてスライド型を適用するものである。スライド型の移動方向は、発泡層の有する形状に応じて、そのすべての面の発泡成長が促進できる方向に決定されることとなる。
図4は、成形用金型の他の実施形態を示した模式図である。この成形用金型1aは、固定型の本体金型2にスライド型3を収容する収容空間21を設け、該収容空間21の下部にサーボモータ6によって駆動する送りねじ機構を備えた金型である。サーボモータ6の回転軸にねじ軸71を装着し、このねじ軸71に、間隔を置いて2つのナット72a,72bを軸着する。このナット72a,72bは、ねじ軸の回転によって相対的に遠ざかるように移動できるようになっている(X1、X2方向)。また、ナット72a,72bの上面は傾斜形状に製作されており、ナット72a,72bがともに他方のナット側において下方へ傾斜した形状となっている。
一方、スライド型3の下部には、2つの脚部材73a,73bが取り付けられており、脚部材73a,73bはそれぞれナット72a,72b上をスライドできるように、該ナット72a,72bに適合する形状に製作されている。すなわち、脚部材73a,73bは、ともに他方の脚部材側において下方へ傾斜した形状を呈している。
サーボモータ6の回転によってねじ軸71が回転し、ねじ軸71の回転によってナット72a,72bが相対的に遠ざかるように移動し、かかるナットの移動によって脚部材73a,73bがナット上をスライドすることにより、スライド型3が下方へ移動することができる(Y方向)。
サーボモータ6の回転は、発泡層の発泡成長に応じてスライド型3が下方へ移動できるように調整されていることが望ましい。例えば、発泡層として使用される樹脂材料の発泡成長特性に応じてサーボモータの回転速度を予め設定しておく実施例が適用できる。さらには、図示しない圧力センサをスライド型3のキャビティ面に埋め込んでおき、発泡層の発泡成長に応じてスライド型3に所定の圧力が作用した段階で、サーボモータが駆動してスライド型を所定量移動させるような実施例が適用できる。
図4に示す実施例によれば、発泡層の発泡成長に際して可動型4が型締め/型開き方向に移動する必要がない。すなわち、発泡層の発泡成長を本体金型内部のスライド型の移動のみによって対応することができる。また、サーボモータの回転を適宜に設定することにより、発泡層の最適な発泡成長(適宜の発泡倍率を満足する成長)を人為的に図ることも可能となる。これは、キャビティ空間の形成のタイミングと発泡層の発泡成長速度との関係を特定し、最適なタイミングでキャビティ空間を形成できるようにサーボモータの回転決定するものである。
図5は、成形用金型のさらに他の実施形態を示した模式図である。この成形用金型1bは、本体金型2をサーボモータ6および送りねじ機構の台座として位置付け、この本体金型2の上で、成形用金型1aと同様にスライド型3が所定の方向に移動することにより、発泡層のすべての面の発泡成長を促進させようとするものである。
成形用金型1bは、成形用金型1aに比べて、収容空間を穿設する等の製作手間を省くことができるため、金型製作コストをさらに低減することが可能となる。
図6は、成形用金型のさらに他の実施形態を示した模式図である。この成形用金型1cは、本体金型2内にスライド型3がスライド可能に収容されており、このスライド型3の一側面を油圧シリンダー9にて押出し可能に構成されている。
図示する芯材a1は、4方向に広がる面a11,a12,a13,a14から構成されている。各面の面積を、A1,A2,A3,A4とし、各面に直交する方向をそれぞれX1,X2,X3,X4とする。各面の合ベクトルの方向:X5=(a11・A1+a12・A2+a13・X3+a14・X4)/(A1+A2+A3+A4)で算出することができる。成形用金型1cでは、複数方向に広がる面から構成される芯材の結合ベクトルをまず算出し、この結合ベクトルに直交する方向に広がる固定型2の面22にて発泡層成形時の圧力を受圧し、同様に結合ベクトルに直交する方向にスライド型3を押出すように構成するものである。図では、結合ベクトル方向が図示する型締め/型開き方向に対してθの角度となっている。なお、芯材(および発泡層)の形状が上記する4つの面から構成される形態以外の場合においても、同様に結合ベクトルを算出すればよい。
また、可動型4のうち、スライド型3の油圧シリンダー9と反対側の側面と当接する内壁面41も結合ベクトル方向であるθ方向に設定されている。さらに、この内壁面41には、密着センサや圧力センサ、リミットスイッチ等の適宜のセンサ8が内蔵されている。
図7は、芯材a1の表面に発泡層a2が発泡成形されている状況(発泡層a2が発泡成長している状況)を説明した図である。図示する実施形態では、発泡層a2の発泡成長に応じて、可動型4に対して下方にある固定型2が型締め/型開き方向に移動するものである。発泡層a2の発泡成長に応じて、固定型2がY1方向に移動し、この移動に同期するようにスライド型3を固定型2の内壁面22上でスライドさせる(Y3方向)。固定型2の移動の際に、スライド型3は、可動型4の内壁面41に案内されるように、可動型4に対して相対的に結合ベクトル方向(θ方向)にスライドすることができる(Y2方向)。スライド型3が結合ベクトル方向にスライドすることにより、複数方向の面からなる発泡層a2のすべての面を、所定の発泡倍率を満足するように成長させることが可能となる。
また、可動型4の内壁面41に内蔵されたセンサ8にて、スライド型3が確実に該内壁面41に当接していることを確認することができ、ひいては、スライド型3が結合ベクトル方向に確実にスライドしていることを確認することができる。なお、図示を省略するが、このセンサは、コンピュータに接続されており、コンピュータ内には、センサ出力を読取って、スライド型3が内壁面41に当接していない場合には、該コンピュータ内に内蔵された適宜の警報手段にて作業員に通知する(画面表示)ように構成されている。警報手段としては、さらにアラームを備えた形態であってもよい。
図7に示すように、発泡層a2の発泡成長時に最も圧力が最大となる結合ベクトル方向の圧力P,P,…を固定型2の内壁面22にて受圧することにより、それに対して直交する油圧シリンダー9の押出し方向に作用する圧力を極めて小さくすることができる。したがって、適用される油圧シリンダーの性能ないしは規格を可及的に低性能ないしは小規模とすることができる。なお、スライド型3の下面と固定型2の内壁面22との間には、動摩擦低減用の潤滑材を塗布しておいたり、図示しないベアリングを内壁面22に設けておくことで、スライド型3のスライド時の摩擦抵抗を低減することができる。
図8は、スライド式の入子を備えた可動型を有する成形用金型を使用して、型開き、型閉じ、成形体の取り出しの状況を説明した図である。図8aに示すように、可動型20は、2つの部分(分割体21,分割体22)に分離されており、分割体21の内部には入子30がスライド可能に収容されている。図8aでは、入子30と固定型10との間のキャビティ内にて芯材a1が成形されている。
芯材a1が成形された後、図8bに移行し、可動型20を構成する分割体22が分割体21から分離される(X方向)。さらに、固定型10と分割体21を分離させるに際し、図8cに示すように、アンダーカット処理をおこなうために入子30をY1方向にスライドさせた後に固定型10を分割体21と反対側へ移動させる(Y2方向)。
次いで、分割体21と分割体22とを合体させるとともに、発泡層成形用の固定型40と入子30との間でキャビティを形成する。このキャビティ内に、例えばオレフィン系樹脂(TPO材)と二酸化炭素ガスの混合物を充填して、芯材a1の表面に発泡層a2を成形する(図8d)。
所望の成形体aが成形された後、固定型40をスライドさせて可動型と分離し(図8eのZ1方向)、入子30に装着されている押出し機構50にて成形体aを押出すことにより、成形体aを得ることができる。
図9は、回転式の入子を備えた可動型の芯材成形時の状況と発泡層成形時の状況と成形体の取り出しの状況を説明した図である。図9aに示すように、可動型70に回転可能に入子60が取付けられており、この入子60と図示を省略する固定型との間で芯材a1が成形される。
次いで、固定型と可動型とを分離するとともに、可動型70に対して入子60を相対的に回転させ(図9bのX方向)、図示を省略する固定型と入子60との間で芯材a1表面に発泡層a2を成形する。
図8cに移行し、発泡層成形後、固定型と可動型とを分離し、入子60を可動型70に対してスライドさせ(Y1方向)、回動させて元の位置まで戻し(Y2方向)、入子60を引き戻す(Y3方向)。最後に、押出し機構90にて成形体aを入子60から押出すことにより、成形体aを得ることができる。
次に、図10〜14に基づいて、2基の可動型および2基の固定型から構成される成形用金型システムを使用して、成形体を成形する方法について説明する。
この成形用金型システム100は、台座101上に2基の固定型104b、105bが併設載置されており、その上方にサーボモータ103にて回転可能な円盤102が昇降自在に配設されており、この円盤102の下面には、2基の可動型104a,105aがそれぞれ固定型104b、105bと嵌合可能に配設されている。まず、図10に示すように、可動型104aと固定型104bからなる成形用金型104のキャビティ内に、例えばポリプロピレン材等の適宜の樹脂材が供給され(X方向)、芯材a1が成形される。次いで、図11に移行し、円盤102が上昇するとともに(Y1方向)、180度回動することにより(Y2方向)、固定型104bの上方には可動型105aが、固定型105bの上方には可動型104aがそれぞれ配設される。ここで、成形用金型104,105は、円盤102の回動中心軸に対して線対称の関係となる構成にて双方が形成されているため、固定型104bと可動型105a、固定型105bと可動型104aもそれぞれ嵌合できるようになっている。
図12に移行し、円盤102を降下させることにより、固定型104bと可動型105a、固定型105bと可動型104aがそれぞれ嵌合する。その後、固定型105bと可動型104aのキャビティ内には例えばオレフィン系樹脂(TPO材)と二酸化炭素ガスの混合物が供給され(X方向)、芯材a1の表面に発泡層a2の成形される。一方、図13に示すように、固定型104bと可動型105aのキャビティ内にはポリプロピレン材等の適宜の樹脂材が供給され(Y方向)、芯材a1が成形される。
次いで、図14に移行し、固定型105bと可動型104aのキャビティ内で成形体aが成形された後に、円盤102が上昇し(X方向)、可動型104aに収容されていた押出し機構107にて成形体aを押出すことにより、成形体aを得ることができる。
上記操作を繰返しておこなうことにより、自動制御による効率的な成形体の成形を実現することができる。
図15は、芯材表面に発泡層を成形する際の成形フローを示したものであり、特に、図6,7に示す成形用金型1cを使用した場合の成形フローを示している。まず、芯材を固定型と可動型との間のキャビティ内に収容しながら型閉じをする(ステップS1)。次いで、キャビティ内に適宜の樹脂および二酸化炭素ガスの混合体等を射出し(ステップS2)、キャビティ内で混合体が発泡していく(ステップS3)。この発泡成長に応じて、上記するスライド型が所定の方向に移動するとともに、固定型または可動型が型締め/型開き方向に移動する。
スライド型が可動型の内壁面に確実に当接しているかを特定するために、センサから異常信号があるか否かを確認する。例えば、リミットスイッチがONされていない場合には、異常信号がコンピュータに送信されるようになっている。ここで、異常信号がある場合には、スライド型や固定型ないしは可動型の移動を停止させ、成形用金型の確認/修理をおこなう(ステップS4)。
一方、異常信号がない場合には、固定型や可動型の端末アンダーカット処理をおこないながら(ステップS5)、型開きをおこなう(ステップS6)。この型開きは、固定型を開く形態であってもよいし、可動型を開く形態であってもよい。
型開き後に成形体を取り出すことにより、成形体を得ることができる(ステップS7)。ステップS1〜ステップS7を所望の成形体の数だけ繰り返すことによって、所定数の成形体を得ることができる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
本発明の成形用金型の一実施形態の分解斜視図。 成形用金型の正面図であって、キャビティ内で芯材が成形されている状況を示した図。 成形用金型の正面図であって、キャビティ内で発泡層が成形されている状況を示した図。 成形用金型の他の実施形態を示した模式図。 成形用金型のさらに他の実施形態を示した模式図。 成形用金型のさらに他の実施形態を示した模式図であって、芯材がキャビティ内に設置されている状況を示した図。 図6の実施形態において、芯材表面で発泡層が成長している状況を示した図。 スライド式の入子を備えた可動型を有する成形用金型における型開き、型閉じ、成形体の取り出しの状況を説明した図であって、(a)は、芯材を型締めしている状況を説明した図であり、(b)は、可動型の一部を開いた状態を説明した図であり、(c)は、入子をスライドさせている状況を説明した図であり、(d)は、別途の固定型と入子との間のキャビティにて芯材表面に発泡層を成形している状況を説明した図であり、(e)は、成形体を取り出している状況を説明した図。 回転式の入子を備えた可動型の芯材成形時の状況と発泡層成形時の状況と成形体の取り出しの状況を説明した図であって、(a)は、芯材成形時の入子の状況を説明した図であり、(b)は、発泡層成形時の入子の状況を説明した図であり、(c)は、成形体を取り出すために入子を回転させている状況を説明した図であり、(d)は、成形体を取り出している状況を説明した図。 2基の固定型および2基の可動型からなるシステムを使用した成形体の成形方法を説明した図であって、芯材を成形している状況を説明した図。 図10に続き、型開きの状況を説明した図。 図11に続き、発泡層を成形している状況を説明した図。 図12に続き、一方の成形用金型では脱型準備をしており、他方の成形用金型では芯材を成形している状況を説明した図。 図13に続き、双方の成形用金型を型開きするとともに、成形体を取り出している状況を説明した図。 発泡層成形時の成形方法の一実施形態を示したフロー。 従来の成形用金型のキャビティ内で発泡層が成長している状況を示した模式図。
符号の説明
1,1a,1b,1c…成形用金型、2…本体金型(固定型)、21…収容空間、3…スライド型、31…軸部材、4…可動型、5…カムプレート、51…案内溝、6…サーボモータ、71…ねじ軸、72a,72b…ナット、73a,73b…脚部材、8…センサ、9…油圧シリンダー、100…成形用金型システム、C…キャビティ、a…成形体、a1…芯材、a2…発泡層

Claims (13)

  1. 固定型と可動型とから構成され、双方の型間に画成されたキャビティ内にて芯材と発泡層の2層構造を有する成形体を成形するための成形用金型であって、
    固定型は、本体金型と、該本体金型に対して相対的に移動するスライド型と、から構成されており、該スライド型は、その一部が前記キャビティに面し、型締めおよび型開き方向と異なる方向に移動するように構成されており、前記キャビティ面は互いに平行でない複数の方向に広がる面から構成されていることを特徴とする成形用金型。
  2. 前記キャビティ面が、前記型締めおよび型開き方向と直交する面とそれ以外の面とからなることを特徴とする請求項1に記載の成形用金型。
  3. 前記本体金型には、スライド型の一部または全部が収容される収容空間が設けられており、スライド型には該スライド型の所定方向の移動を案内する軸部材が設けられており、可動型には軸部材が遊嵌する案内溝が設けられており、案内溝に軸部材が遊嵌された姿勢で本体金型およびスライド型と対向する位置に可動型が設けられており、発泡層の成長に応じて可動型または固定型とスライド型が移動することにより、発泡層を構成する複数の方向に広がる面を、それぞれ所定の発泡倍率で成形させることを特徴とする請求項1または2に記載の成形用金型。
  4. 前記本体金型には、スライド型の一部または全部が収容される収容空間が設けられており、該収容空間はスライド型が所定の方向に移動可能に成形されており、発泡層の成長に応じて該発泡層用のキャビティを形成するようにスライド型がアクチュエータによって移動するように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の成形用金型。
  5. キャビティ面を構成する複数の方向に広がる各面の面積比率に応じて各面に直交する方向の線形ベクトルがそれぞれ求められ、それぞれの線形ベクトルを結合してなる結合ベクトルが求められ、該結合ベクトルに直交する方向がスライド型の移動方向に設定されており、スライド型は一側面側からアクチュエータにて押出されるように構成されており、スライド型の前記一側面と反対側の他側面に対向している可動型の内壁面が、前記結合ベクトルの方向に広がるように形成されており、スライド型が該内壁面に沿って移動するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の成形用金型。
  6. 請求項5に記載の成形用金型において、
    前記可動型の内壁面にスライド型が接していることを確認するためのセンサが該可動型に内蔵されていることを特徴とする成形用金型。
  7. 請求項6に記載の成形用金型において、
    センサの検知結果が所定の閾値を外れたことを知らせる警報手段をさらに備えたことを特徴とする成形用金型。
  8. 可動型が、本体金型とその内部で回転する入子とから構成されており、該入子の一方面はキャビティに面しており、芯材と発泡層の成形ごとに入子の前記一方面の角度を調整する調整手段を備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の成形用金型。
  9. 可動型が、本体金型とその内部を前記結合ベクトルの方向に移動する入子とから構成されていることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の成形用金型。
  10. 本体金型と、該本体金型に対して相対的に移動するスライド型と、からなる固定型と、可動型と、から構成される成形用金型を使用し、固定型と可動型とから画成されるキャビティ内で、芯材と発泡層の2層構造からなる成形体であって、該発泡層が複数の方向に広がる面から構成される成形体を成形する成形方法において、
    前記キャビティ内で芯材を所定形状に成形する第一工程と、発泡層用の溶融材料をキャビティ内に充填し、発泡層の成長に応じて少なくともスライド型が所定の方向に移動し、本体金型とスライド型と可動型とから成形体を離型する第二工程と、からなり、第二工程における発泡層の成長の際にはスライド型が所定の方向に移動することにより、発泡層を構成する複数の方向に広がるすべての面を所定の発泡倍率を満足するように成長させることを特徴とする成形体の成形方法。
  11. 第1の本体金型と、該第1の本体金型に対して相対的に移動できるスライド型と、からなる第1の固定型と、第2の固定型と、第2の本体金型とその内部で回転する入子とから構成されていずれかの固定型に組み付けられる可動型と、から構成される成形用金型を使用し、第2の固定型と可動型とから画成される第1のキャビティ内で芯材を成形し、第1の固定型と可動型とから画成される第2のキャビティ内で芯材表面に発泡層を成形することによってできる2層構造の成形体であって、該発泡層が複数の方向に広がる面から構成される成形体を成形する成形方法において、
    第1のキャビティ内で芯材を所定形状に成形する第一工程と、可動型の入子の角度を回転させ、その一方面とスライド型とから第2のキャビティを画成し、該第2のキャビティ内に芯材を載置するとともに発泡層用の溶融材料を充填し、発泡層の成長に応じて少なくともスライド型が所定の方向に移動し、本体金型とスライド型と可動型とから成形体を離型する第二工程と、からなり、第二工程における発泡層の成長の際にはスライド型が所定の方向に移動することにより、発泡層を構成する複数の方向に広がるすべての面を所定の発泡倍率を満足するように成長させることを特徴とする成形体の成形方法。
  12. 第1の本体金型と、該第1の本体金型に対して相対的に移動できるスライド型と、からなる第1の固定型と、第2の固定型と、第2の本体金型とその内部をスライドする入子とから構成されていずれかの固定型に組み付けられる可動型と、から構成される成形用金型を使用し、第2の固定型と可動型とから画成される第1のキャビティ内で芯材を成形し、第1の固定型と可動型とから画成される第2のキャビティ内で芯材表面に発泡層を成形することによってできる2層構造の成形体であって、該発泡層が複数の方向に広がる面から構成される成形体を成形する成形方法において、
    第1のキャビティ内で芯材を所定形状に成形する第一工程と、可動型の入子をスライドさせ、その一方面とスライド型とから第2のキャビティを画成し、該第2のキャビティ内に芯材を載置するとともに発泡層用の溶融材料を充填し、発泡層の成長に応じて少なくともスライド型が所定の方向に移動し、本体金型とスライド型と可動型とから成形体を離型する第二工程と、からなり、第二工程における発泡層の成長の際にはスライド型が所定の方向に移動することにより、発泡層を構成する複数の方向に広がるすべての面を所定の発泡倍率を満足するように成長させることを特徴とする成形体の成形方法。
  13. 成形用金型には、スライド型が所定の方向に移動しているか否かを検知するセンサがさらに備えられており、前記第二工程において、センサの検知結果が所定の閾値を外れた際にはスライド型と可動型の移動が停止されることを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の成形体の成形方法。
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