JPH0663694A - 曲管成形用の金型装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 少なくとも一方の端部が直線円筒状で中央部
より径が大きい曲管を製造する曲管成形用の金型装置に
おいて、曲管の外壁を成形するキャビティー部３１を有
する固定金型部３と、曲管の曲線円筒状の内壁を成形す
る中子１４ｂを円弧状に移動させながらキャビティー部
３１に挿入すると共に、前記端部の内壁を成形する中子
１４ｃを中子１４ｂの外径部に摺動させて直線状に移動
させながら前記キャビティー部３１に挿入する移動金型
部２が設けられている。 【効果】 比較的簡単な構成の金型装置で曲管を成形で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、曲管製造用の金型装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】曲率を有するパイプを鋳造するための消
失性曲管模型は、例えば、実公平３−１５２３６号公報
に開示されているように、固定金型と複数の移動金型を
用いて製造する方法が提案されている。固定金型と移動
金型は全体として曲管模型用キャビティーを形成するよ
うになっており、キャビティー内に発泡材料を充填する
ことにより、曲管模型が成形される。成形後、曲管模型
の内壁を成形するために使用された直線円筒部用中子は
直線状に移動し、管部用中子は円弧状に移動して、外に
取り出されるようになっており、これにより、曲管模型
の内壁における引っ掻き傷の発生を防止し、滑らかで精
度の高い曲管模型を製造できるようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
構成では、両端に直線円筒部を有する曲管模型を製造し
ようとすると、二台の直線移動可能な移動金型と、一台
の円弧移動可能な移動金型を必要とするので、金型装置
が複雑になり、高価になるという問題点を有している。

【０００４】また、装置全体が複雑であるため、別種の
曲管模型を製造する場合、かなりの手間を要するという
問題点を有している。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明に係る曲管成形用
の金型装置は、上記の課題を解決するために、少なくと
も一方の端部が直線円筒状で中央部より径が大きい曲管
を製造する曲管成形用の金型装置において、曲管の外壁
を成形するキャビティー部を有する固定金型部と、曲管
の曲線円筒状の内壁を成形する第１の中子を円弧状に移
動させながら前記キャビティー部に挿入すると共に、前
記端部の内壁を成形する第２の中子を前記第１の中子の
外径部に摺動させて直線状に移動させながら前記キャビ
ティー部に挿入する移動金型部が設けられていることを
特徴としている。

【０００６】

【作用】上記の構成により、少なくとも一方の端部が直
線円筒状で中央部より径が大きい曲管を製造する曲管成
形用の金型装置において、曲管の外壁を成形するキャビ
ティー部を有する固定金型部と、曲管の曲線円筒状の内
壁を成形する第１の中子を円弧状に移動させながら前記
キャビティー部に挿入すると共に、前記端部の内壁を成
形する第２の中子を前記第１の中子の外径部に摺動させ
て直線状に移動させながら前記キャビティー部に挿入す
る移動金型部を設けたので、キャビティー部、第１およ
び第２の中子で形成されたキャビティーに、例えば発泡
性の熱可塑性樹脂粒子を充填し、加熱成形して曲管を形
成した後、第２の中子を端部より外に抜き出せば、第１
の中子を成形品と干渉させることなく取り出せる。これ
により、比較的簡単な構成の金型装置で曲管を成形でき
るようになる。しかも、金型を取り換えることにより、
別種の曲管を容易に製造できる。

【０００７】

【実施例】本発明の一実施例について図１ないし図４に
基づいて説明すれば、以下の通りである。

【０００８】本実施例の鋳造用曲管模型の製造装置は、
図１に示すように、ベース１０上に、直線移動可能な移
動金型部１と、直線状にスライドでき、かつ、円弧状に
移動可能な移動金型部２と、固定金型部３を設けた構成
になっている。

【０００９】移動金型部１は、図１ないし図３に示すよ
うに、ベース１０に固定された直線状のガイド軸１１・
１１と、ガイド軸１１・１１に沿って摺動するスライダ
ー１２から構成されている。スライダー１２の固定金型
部３側には、プレート１３が設けられており、このプレ
ート１３に、曲管模型の直線円筒部の内壁側を成形する
ための直線円筒状の中子１４ａが固定されている。

【００１０】移動金型部２は、図１、図２および図４に
示すように、バックプレート２２と、バックプレート２
２を固定したアーム２３と、アーム２３を回転軸２４の
回りに円弧状に回動させるアクチュエーター２５から構
成されている。アクチュエーター２５は、回転軸２４の
中心が曲管模型の曲率中心に一致するように、セットさ
れている。バックプレート２２の固定金型部３側には、
中空の円板２１が固定されており、この円板２１に、曲
管模型の曲線円筒部の内壁側を成形するための曲線円筒
状の中子１４ｂが固定されている。

【００１１】一方、曲管模型の受け口部の内壁側を成形
するための段付き円筒状の中子１４ｃは、中子１４ｂの
外側円筒部に嵌合されており、中子１４ｃから固定金型
部３とは反対の方向に延びたロッド２９…が円板２１を
貫通して裏板２６に固定されている。裏板２６の中央部
にはネジ穴が明いており、油圧でシリンダー２７から押
し出されたピストン２７ａの先端に設けられたネジを回
転させることにより、ロッド２９…で裏板２６に固定さ
れた中子１４ｃを直線状にスライドさせて、引き出せる
ようになっている。

【００１２】固定金型部３は、二分割になっており、図
１に示すように、曲管模型の外壁側を成形するための円
筒状のキャビティー部３１と、キャビティー部３１を囲
むように設けられた蒸気室３２を有している。キャビテ
ィー部３１に中子１４ａ〜１４ｃを挿入することによ
り、曲管模型を成形するためのキャビティー３４が形成
される。

【００１３】上記の構成において、移動金型部１のスラ
イダー１２をピストン（図示されていない）で押し出す
ことにより、スライダー１２がガイド１１・１１に沿っ
て進み、プレート１３に固定した直線円筒状の中子１４
ａが固定金型３のキャビティー部３１に挿入される。こ
れにより、曲管模型の直線円筒部に対応するキャビティ
ー３４が形成される。

【００１４】次に、移動金型部２のアーム２３をアクチ
ュエーター２５によって時計回りに回動させる。これに
より、アーム２３に固定された円板２１にセットされた
曲線円筒状の中子１４ｂが回動しながら固定金型３のキ
ャビティー部３１に挿入される。そして、加熱によるキ
ャビティー３４内の圧力増加で中子１４ｂが後退しない
ように、バックプレート２２の一端を油圧シリンダー２
８のピストン２８ａで押圧し、ロックする。これによ
り、曲管模型の曲線円筒部に対応するキャビティー３４
が形成される。

【００１５】それから、油圧でシリンダー２７からピス
トン２７ａを押し出すことにより、裏板２６を真っ直ぐ
スライドさせ、ロッド２９…で裏板２６に固定された段
付き円筒状の中子１４ｃを中子１４ｂに摺動させなが
ら、所定位置にセットする。これにより、曲管模型の受
け口部に対応するキャビティー３４が形成される。

【００１６】以上のようにして、移動金型部１・２の中
子１４ａ〜１４ｃおよび固定金型部３のキャビティー部
３１でキャビティー３４を形成した後、例えばポリスチ
レンやスチレンとメチルメタアクリレートとの共重合体
等からなる発泡性の熱可塑性樹脂粒子をキャビティー３
４内に充填し、蒸気供給系４１ａから固定金型３の蒸気
室３２・３２、中子１４ｂの中空部１６等に加圧水蒸気
を供給することにより、加熱発泡させ、曲管模型が製造
される。その後、冷却水供給系４２ａから冷却水を蒸気
室３２・３２、中空部１６等に導入し、曲管模型を冷却
する。

【００１７】なお、加圧水蒸気は蒸気排出系４１ｂから
排出され、冷却水は冷却水排出系４２ｂから排出され
る。また、蒸気室３２・３２内に凝縮した水はドレイン
４３から抜き取られる。

【００１８】冷却後、移動金型部１のスライダー１２を
ピストン（図示されていない）で引き出すことにより、
中子１４ａを曲管模型から抜き取る。

【００１９】それから、移動金型部２のピストン２７ａ
を回転させることにより、ピストン２７ａの先端のネジ
で裏板２６を下げる。これにより、ロッド２９…で裏板
２６に固定された中子１４ｃが中子１４ｂに摺動しなが
ら後退し、曲管模型と中子１４ｃの間にすき間ができ
る。

【００２０】この状態で、ピストン２８ａを下げて円板
２１のロックを解除した後、アクチュエーター２５によ
ってアーム２３を反時計回りに回動させる。これによ
り、中子１４ｂ・１４ｃは曲管模型と干渉することな
く、抜き取られる。最後に、固定金型部３の型開きを行
い、曲管模型を取り出す。

【００２１】以上のように、本実施例の鋳造用曲管模型
の製造装置によれば、曲管模型の受け口部の内壁に対応
する段付き円筒状の中子１４ｃを真っ直ぐわずかに後退
させた後、曲管模型の曲線円筒部の内壁に対応する曲線
円筒状の中子１４ｂをアーム２３で回動させながら曲管
模型から抜き取る構成であるので、内壁にほとんど傷の
ない曲管模型を製造できる。したがって、この曲管模型
を鋳造用の消失模型として使用すれば、傷のほとんどな
い滑らかな鋳肌を有する鋳造曲管を得ることができる。

【００２２】以上の実施例では、鋳造用曲管模型の製造
について説明したが、本実施例の装置で製造された成形
品を最終製品として利用しても、もちろんかまわない。

【００２３】

【発明の効果】本発明の曲管成形用の金型装置は、以上
のように、曲管の外壁を成形するキャビティー部を有す
る固定金型部と、曲管の曲線円筒状の内壁を成形する第
１の中子を円弧状に移動させながら前記キャビティー部
に挿入すると共に、直線円筒状で中央部より径が大きい
端部の内壁を成形する第２の中子を前記第１の中子の外
径部に摺動させて直線状に移動させながら前記キャビテ
ィー部に挿入する移動金型部が設けられているので、キ
ャビティー部、第１および第２の中子で形成されたキャ
ビティーに、例えば発泡性の熱可塑性樹脂粒子を充填
し、加熱成形して曲管を形成した後、第２の中子を端部
より外に抜き出せば、第１の中子を成形品と干渉させる
ことなく取り出せる。これにより、比較的簡単な構成の
金型装置で曲管を成形できるようになる。しかも、金型
を取り換えることにより、別種の曲管を容易に製造でき
るという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る鋳造用曲管模型の製造装置の概略
の正面図である。

【図２】図１の鋳造用曲管模型の製造装置の概略の左側
面図である。

【図３】図１の鋳造用曲管模型の製造装置の概略の矢視
図である。

【図４】図１の鋳造用曲管模型の製造装置の概略の底面
図である。

【符号の説明】 １ 移動金型部 ２ 移動金型部 ３ 固定金型部 １４ａ 中子 １４ｂ 中子 １４ｃ 中子 ２３ アーム ２５ アクチュエーター ３１ キャビティー部 ３４ キャビティー

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくとも一方の端部が直線円筒状で中央
   部より径が大きい曲管を製造する曲管成形用の金型装置
   において、 曲管の外壁を成形するキャビティー部を有する固定金型
   部と、曲管の曲線円筒状の内壁を成形する第１の中子を
   円弧状に移動させながら前記キャビティー部に挿入する
   と共に、前記端部の内壁を成形する第２の中子を前記第
   １の中子の外径部に摺動させて直線状に移動させながら
   前記キャビティー部に挿入する移動金型部が設けられて
   いることを特徴とする曲管成形用の金型装置。