JP2007044965A - 成形用金型および成形体の成形方法 - Google Patents

成形用金型および成形体の成形方法 Download PDF

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義久 宮部
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Abstract

【課題】 複数の角度方向に延びる面からなる発泡層のすべての面が所定の発泡倍率を満足するように成長させることができ、さらに、成形体を型から効率的に押出すことのできる成形用金型および成形体の成形方法を提供する。
【解決手段】 成形用金型1は、可動型4と固定型2とから構成されており、可動型4には、成形体aを押出すための押出し手段5が備えられており、その押出し方向が型締めおよび型開き方向とは異なる方向となるように構成されている。発泡層a2は、押出し方向に直交する方向の面とそれ以外の方向の面とから構成されており、発泡層a2がキャビティ内で成長する際には、可動型4が移動することによって発泡層a2を構成する押出し方向に直交する方向の面a21とそれ以外の方向の面a22のすべての面が所定の発泡倍率を満足して成長することができ、発泡層a2の成形後に、成形体aを押出し手段5にて可動型4から押出すことができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、固定型と可動型とから構成され、双方の型間に画成されたキャビティ内にて芯材と発泡層の2層構造を有する成形体を成形するための成形用金型と、該成形用金型を使用してなる成形体の成形方法に係り、特に、複数の角度方向に延びる面からなる発泡層のすべての面が所定の発泡倍率を満足するように成長させることができ、さらに、成形体を型から効率的に押出すことのできる成形用金型および成形体の成形方法に関するものである。
自動車の内装品、例えばインストゥルメンタルパネル(以下、単に、「インパネ」という)などは、芯材と、ポリウレタンやポリプロピレンなどの樹脂材からなる発泡層と、からなる2層構造から構成されており、かかる内装品は、金型内にて射出成形により製造されるのが一般的である。
固定型と可動型とからなる金型のキャビティ内に高温/高圧で溶融状態の樹脂材が充填され、例えば可動型を開くことにより、キャビティ内が減圧され、樹脂材内に溶け込んでいたCOガスが気泡の形で発泡される。この可動型の型開き量やそのスピードを適宜に調整することにより、気泡を適宜の大きさに成長させることができ、結果として所望の軟らかさを備えた発泡層(ソフト層)を得ることができる。したがって、発泡層の発泡倍率によって発泡層の厚みが決定され、この発泡倍率または厚みが所定の値を満足することは、発泡層が所定の軟らかさを有していることを示すこととなる。
ところで、インパネなどの内装品は、その形状が比較的複雑であり、また複数の開口を有していることから、固定型および可動型で画成されたキャビティ内にて射出成形がおこなわれた後は、一定方向の型締め/型開き方向に例えば可動型を移動させることにより、成形品からの型の離型がおこなわれていた。すなわち、双方の金型の対向面(または当接面)形状が複雑であることから、型締め/型開き方向は一定方向に限定されることとなり、それ以外の方向に可動型を移動させても型と成形品とが干渉することで可動型の移動が阻害されることとなる。
発泡層が型締め/型開き方向と直交する方向に広がる層である場合には、発泡層の成長に応じて可動型が自在に移動し、発泡層は適宜の発泡倍率に成長することができる。しかし、発泡層の形状が、かかる型締め/型開き方向と直交する方向に加えてそれ以外の方向にも延びる面を有している場合には、該それ以外の面の発泡層の発泡倍率は、型締め/型開き方向と直交する方向の発泡層の発泡倍率と同程度とはならず、したがって、所望の軟らかさ(ソフト感)を満足できない可能性が高くなる。従来は、かかる問題を許容し、型締め/型開き方向と直交する方向と異なる方向に延びる発泡層は、比較的硬く成形されていた。例えば、図5に示す従来の成形用金型に基づいて説明すると、可動型b1と固定型b2の間のキャビティ内において、開口a11を有する芯材a1と、その一部の表面に発泡層a2からなる成形体aが成形される。ここで、可動型b1の型締め/型開き方向はX方向である。発泡層a2は、型締め/型開き方向に直交する方向の面a21と、該面a21から斜めに立ち上がる面a22とから構成されている。発泡層a2の発泡成長の際には、可動型b1がX方向に移動し、かかる移動によって発泡層の面a21は発泡成長方向Y1に向かって所定の発泡倍率にて発泡成長することができる。その一方で、発泡層の面a22の発泡成長は成長に応じたキャビティ空間が確保されないことから、その発泡成長方向Y2への発泡成長が阻害される。その結果、発泡層全体では、所定の発泡倍率で成長して十分なソフト感を備えた部分と、所定の発泡倍率で成長することができないために十分なソフト感を有していない部分とから構成されることとなる。なお、従来は、図示するように、型締め/型開き方向と同一軸線方向(ここでは、同一軸線で逆向きのZ方向)に成形体を離型させる押出し手段の押出し方向が設定されていた。この押出し手段は、例えば、図示するプレートc1と複数のエジェクターピンc2,c2,…などから構成され、プレートc1をy1方向に押込むことで、成形体aを可動型b1から離型させるものである。
ところで、特許文献1には、固定型の内部に、油圧シリンダーおよびロッドと、その先端に取り付けられたプレートと、プレートの一側に取り付けられたエジェクターピンを内装しておき、ロッドの上下動によってエジェクターピンを上下させ、エジェクターピンの先端で樹脂成形体を押出すことのできる樹脂封止装置に関する発明が開示されている。ここで、製作される成形体の形状は、平面形状の成形体であることが図面から判断され、下方へ可動する可動型の型締め/型開き方向とエジェクターピンの押出し方向はともに鉛直方向である。
一方、特許文献2には、可動型側にエアシリンダとエジェクターピン(ロッド)が内装されており、このエジェクターピンにて芯材と表皮材との2層構造の成形体を押出す構造の成形装置に関する発明が開示されている。かかる発明では、上記する発泡層と同義である表皮材が、可動型の型締め/型開き方向に直交する面と平行な面とから構成される実施例が図示されているが、この装置は、型締め/型開き方向に平行な面の表皮材の十分な発泡成長をも満足させることを目的としていない。すなわち、上記するように、型締め/型開き方向に直交する方向の表皮材の発泡成長のみが十分に促進されるものである。したがって、上記するような複数の角度方向に延びる面を有する発泡層(ここでは表皮材)のすべての面の発泡成長を十分に促進させるに至らず、すべての面で所望のソフト感を有する成形体を成形することはできない。また、当該発明においても、可動型の型締め/型開き方向とエジェクターピンの押出し方向はともに鉛直方向となっている。これは、固定型と可動型とから形成されるパーティングラインの設定や、効率的な成形体の押出しを勘案した場合に当然の方策と言える。
特開平6−315956号公報 特開平7−323432号公報
特許文献1,2に開示の樹脂封止装置および成形装置では、複数の角度方向に延びる面を有する発泡層(表皮材)のすべての面の発泡成長を充足させることはできない。例えば、特許文献2の成形装置では、可動型の型締め/型開き方向に平行な面の発泡成長は、型締め/型開き方向に垂直な面のそれに比して少なくならざるを得ない。可動型の移動方向やキャビティ形状などから、発泡層の発泡成長時のキャビティ空間が十分に確保されない等の理由に基づくものである。したがって、成形体の押出しを効率的におこなうことができたとしても、比較的複雑な形状の発泡層を有する成形体において、該発泡層の全面が所定の発泡倍率を満足するように成長させることと、効率的な成形体の押出しの双方を満足することはできない。
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、複数の角度方向に延びる面(平面のみならず曲面も含む)からなる発泡層のすべての面が所定の発泡倍率を満足するように成長させることができ、さらに、成形体を型から効率的に押出すことのできる成形用金型および成形体の成形方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による成形用金型は、固定型と可動型とから構成され、双方の型間に画成されたキャビティ内にて芯材と発泡層の2層構造を有する成形体を成形するための成形用金型であって、前記可動型は、型締めおよび型開き方向とは異なる押出し方向に成形体を押出す押出し手段を備えるとともに、前記キャビティを形成する固定型と可動型の内面が、前記押出し方向に直交する方向に広がる第1の面と、該第1の面と異なる方向に広がる第2の面を少なくとも含む複数の面を備えており、さらに、前記可動型が、型締めおよび型開き方向に移動する際に、前記複数の面が型締めおよび型開き方向と異なる方向で、かつ、前記複数の面から構成される発泡層の各面を所定の発泡倍率に成長させる方向に移動可能に構成されていることを特徴とする。
本発明の成形用金型は、固定型と可動型との間で画成されるキャビティ内で、芯材と発泡層の2層構造からなる成形体における、該芯材および発泡層の成形をともにおこなうことのできる金型に関するものである。芯材の成形は、射出成形の他、樹脂製または鋼製の板部材をキャビティ内にてプレス成形することもできる。所定形状に成形された芯材表面の所定領域において発泡層が射出成形される。この発泡層は、適宜の樹脂にて成形されるものであり、例えば既述するようなポリウレタンやポリプロピレンなどから成形できる。ここで、押出し手段は特に限定するものではないが、プレートと、該プレートの一側に固着された複数のエジェクター(突き出し部材)とから構成し、このプレートを手動または自動にて押出し方向に押出し可能に構成した実施例などが適用できる。また、本発明では、成形体が可動型側に接着しながら発泡成長することで固定型から自然に離型していくことを前提としているため、可動型側に押出し手段を設けた構成としているが、固定型に成形体が接着する場合には、該固定型に押出し手段が設けられる構成となる。
可動型は、キャビティ内における発泡層の成長に応じて固定型に対して相対的に移動できるようになっている。この固定型に対する可動型の移動方向は、いわゆる型締め/型開き方向であり、例えば固定型が可動型に対して下方に位置決め固定されている場合には、可動型の鉛直上方への移動方向が型締め/型開き方向となる。キャビティの形状は、該キャビティ内で成形される成形体の形状に応じて任意であるが、本発明では、少なくとも発泡層が成形されるキャビティ部分が複数の角度方向に延びる面から構成されており、この複数の面の少なくとも1つの面は、例えば、成形体の押出し方向に直交する方向に延びる面となっている。ここで、上記する押出し方向と、可動型の型締め/型開き方向とは同一の方向とならないように設定されている。例えば、発泡層が2つの平面から構成されている場合には、この2つの面の中心角の1/2程度の角度方向に可動型の型締め/型開き方向がくるようにパーティングライン(固定型と可動型との当接ライン)が設定されるのが望ましい。この場合、成形体の押出し方向を可動型の型締め/型開き方向と同じ方向に設定すると、可動型から成形体を押出す際に、可動型と成形体との間で干渉する部分が生じ、結果として成形体の押出しができない事態が招来される。そこで、複数の面から構成される発泡層のうちの一つの面を、例えば押出し方向に直交する方向となるように押出し手段の押出し方向とパーティングラインを設定するとともに、押出し方向と可動型の型締め/型開き方向とを異なる方向に設定することで、発泡層の全面の発泡成長の促進と、成形体の可動型からの押出しの双方を満足させようとするものである。
ここで、所定の発泡倍率は、成形体に要求されるソフト感によって異なるものであり、したがって適宜に設定することができる。例えば、キャビティ内への初期の材料充填時の元厚に対して1.8〜2倍程度に設定することができる。
また、本発明による成形用金型の好ましい実施形態は、発泡層の成長時に可動型が移動する際に、該可動型と干渉する部分が前記固定型に存在する場合には、該干渉する部分が可動型の移動時に移動できるように構成されており、可動型の移動によって可動型と固定型の干渉が回避できることを特徴とする。
発泡層の発泡成長に応じて、可動型が型締め/型開き方向に移動することにより、発泡層用のキャビティ空間が拡大される。本発明の成形用金型においては、型締め/型開き方向に直交する方向に成形体を構成する発泡層の面が延びた構成とはなっていないため、可動型の移動時に、例えば可動型の一部(その表面に接着した芯材の一部)と固定型とが干渉することにより、可動型の移動が阻害される可能性もある。
本発明は、かかる問題を解消するための成形用金型の実施形態に関するものであり、固定型のうち、可動型の型締め/型開き方向への移動に際して該可動型と干渉する部分については、かかる干渉する部分を固定型の他の部分と予め縁切りした構成としておき、この干渉する部分を成形体の押出し方向に移動可能に構成しておく。干渉する部分を発泡層の成長により可動型が移動するタイミングよりも若干早いタイミングで移動させることにより、可動型の移動時に固定型との干渉も回避することができ、発泡層の発泡成長を十分に促進させることができる。
ここで、上記する干渉する部分を移動させる手段は特に限定されるものではないが、例えば、サーボモータとラック/ピニオン機構を組み合わせた構成とし、ラックの先端に干渉する部分を取り付けておき、発泡層の成長に応じてサーボモータを駆動させることによって干渉する部分が可動型から逃げることのできる実施例などが適用できる。
また、本発明による成形用金型の他の実施形態において、前記固定型の内部には、シリンダーとその端部で出入りするロッドとからなるシリンダーユニットが内蔵されており、前記干渉する部分は、固定型の他の部分と縁切りされており、ロッドの先端に前記干渉する部分が固着されており、可動型の移動に応じてロッドがシリンダー内に入ることによって前記干渉する部分が移動し、可動型と固定型との干渉が回避されることを特徴とする。
本発明は、発泡層成長時の可動型の移動の際に、該可動型が固定型と干渉する部分が存在する場合に、双方の干渉を回避する手段の一実施形態に関するものである。本発明の回避手段は、シリンダーユニットを固定型に内蔵する態様であり、シリンダーユニットを構成するロッドの先端に上記する干渉する部分を固着しておき、発泡層の成長時の可動型の移動に応じてロッドをスライドさせることにより、干渉する部分と可動型との干渉を回避するものである。ここで、シリンダーユニットを構成するシリンダーは、油圧シリンダーであってもエアシリンダーであってもよい。本発明では、ロッドのスライド方向を押出し手段の押出し方向と同一方向とすることにより、効率的な干渉回避を実現することができる。
前記シリンダーユニットを駆使しながら、複数の角度方向に延びる面からなる発泡層のすべての面が所定の発泡倍率を満足するように成長させ、成形体が離型可能な状態となった段階で、押出し手段により、可動型から成形体を押出すことにより、その全面が所望のソフト感を有する発泡層を備えた成形体を効率的に製造することが可能となる。
さらに、本発明による成形体の成形方法は、固定型と、成形体を押出す押出し手段を備え、型締めおよび型開き方向に移動する可動型と、を用いて、前記固定型および可動型の内面により形成されるキャビティ内に所定形状の芯材を成形した後に、該キャビティ内に溶融材料を充填し、この溶融材料を発泡させることで2層構造を有する成形体を成形する成形方法であって、キャビティを形成する固定型と可動型の内面を構成する複数の面が、いずれも可動型の移動する型締めおよび型開き方向とは異なる方向であって、かつ、該複数の面から構成される発泡層の各面が所定の発泡倍率に成長可能な方向に調整されていることを特徴とする。
本発明は、上記する1台の成形用金型を使用して、芯材と発泡層の2層構造からなる成形体を成形する成形方法に関するものである。芯材のキャビティ内での成形方法は、射出成形やプレス成形が適用できる。ここで、成形用金型を構成する固定型を2種類用意しておき、まず、芯材用のキャビティ空間のみが形成される固定型を使用して芯材をキャビティ内で形成し、次に、発泡層用のキャビティ空間がさらに備えられた固定型に変更して芯材表面に発泡層を形成することもできる。例えば、発泡層が押出し方向に直交する方向に延びる面とそれ以外の方向に延びる面とから構成される発泡層の発泡成長の際には、すべての面が所定の発泡倍率を満足する方向に可動型が移動することにより、所望のソフト感をそのすべての面で備えた発泡層を有する成形体を得ることができる。また、発泡層の成長時に可動型と固定型とが干渉する場合には、既述するシリンダーユニット等を備えた固定型を使用することにより、双方の干渉を回避することで発泡層の成長を促進させることができる。
発泡層の成形後、押出し手段による成形体の可動型からの押出しに際しては、押出し手段の押出し方向を可動型と成形体とが干渉しない方向に設定しておくことにより、可動型に干渉回避用の手段を講じておく必要がなくなる。
以上の説明から理解できるように、本発明の成形用金型および成形体の成形方法によれば、複数の方向に延びる面から構成される発泡層のすべての面が所定の発泡倍率を満足するように成長することができる方向にキャビティを構成する複数の面を設定し、かつ、押出し手段の押出し方向を可動型の型締め/型開き方向と異なる方向に設定することにより、すべての面で所望のソフト感を有する発泡層を備えた成形体を成形することができ、さらには、かかる成形体の離型を効率的におこなうことができる。また、本発明の成形用金型および成形体の成形方法によれば、発泡層成長時に可動型と固定型とが干渉する場合には、固定型内部に適宜の干渉回避手段を講じておくことにより、発泡層を構成するすべての面の発泡成長を十分に促進させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の成形用金型の一実施形態を示した模式図を、図2、図3は、順に、成形体の成形方法を示した模式図をそれぞれ示している。図4は、成形用金型の他の実施形態を示した模式図である。なお、図示する成形体の実施形態は、押出し手段の押出し方向に直交する面と該面に略直交する面(押出し方向に略平行な面)とから構成されているが、成形される成形体の形状がかかる実施形態に限定されるものでないことは勿論のことである。ただし、いずれの形状の成形体であっても、成形体を構成する発泡層のすべての面が所定の発泡倍率を満足した成長をおこなうことができるようにパーティングラインやキャビティが設定される必要がある。
図1は、成形用金型の一実施形態の模式図である。成形用金型1は、固定型2と可動型4とから大略構成されており、固定型2のうち、発泡層a2の発泡成長時に可動型4と干渉する部分は、可動部31として固定型2の他の部分と縁切りされた構成となっている。固定型2には、可動部31が移動できるように所定寸法の可動空間21が穿設されており、この可動空間21内に可動部31が移動可能に遊嵌されている。また、可動部4の内部には成形体aを押出すための押出し手段5が内装されている。この押出し手段5は、エアシリンダーまたは油圧シリンダーからなるシリンダー53aと、その端部を出入りするロッド53bとから構成されるシリンダーユニット53と、ロッド53bに接続されたプレート51と、プレート51の一側面に取り付けられた複数のエジェクターピン52,52,…とから構成されている。発泡層の発泡成長に応じて、成形体aと固定型とが離型され、押出し手段5にて成形体aを可動型4から押出すことによって成形体aの成形がおこなわれる。
可動型4は、固定型2に対して鉛直上方のX方向に移動できるようになっており、このX方向が型締め/型開き方向となる。一方、押出し手段5による押出し方向は、X方向とは異なるZ方向であり、このZ方向は、成形体aの可動型4からの押出し時に、可動部31と成形体aとが干渉しない方向である。図1に示す実施例では、成形される成形体aの発泡層a2が、押出し方向(Z方向)に直交する面a21と、押出し方向に平行な面a22とから構成されている。かかる発泡層a2の実施例の場合には、この2つの面a21と面a22の双方がともに所定の発泡倍率を満足して成長するために、図示するように、面a21と面a22とからなる中心角の1/2程度の方向であるY方向が可動型4の型締め/型開き方向(X方向)と同軸方向となることが望ましい。すなわち、発泡層a2の発泡成長に応じて可動型4が移動するが、その際に、キャビティ空間が発泡層の成長を阻害しない程度に十分に広げられる必要がある。面a21はY1方向へ、面a22はY2方向へそれぞれ発泡成長するため、図示するように、その中間角度であるY方向が型締め/型開き方向(X方向)と同軸方向となることによってその目的を達することができる。なお、従来は、かかる発泡層の実施例に対して、図5に示すように型締め/型開き方向と発泡層の一つの面(図ではa21)が直交するようにパーティングラインやキャビティが設定されていたため、発泡層の発泡成長時に面a22用のキャビティ空間が十分に確保できないことから、全体として所定の発泡倍率を満足した発泡層を有する成形体を得ることができなかった。なお、図1に示す実施例では、発泡層の発泡成長時に、可動型4と固定型2とが干渉する部分が生じるため、干渉する部分を固定型2にて対処するための可動部31を設け、可動部31を固定型2の他の部分と縁切りした構成として移動できるようにしている。発泡層a2の発泡成長に先行してかかる可動部31が可動空間21内を移動することで(図ではZ方向)、固定型2と芯材a1(可動型4)との干渉を回避することができる。
図2,3は、成形体の成形方法の概要を順に説明した模式図である。まず、固定型2と可動型4の間に板材を挟持させ、プレス成形によって芯材a1を所定の形状に成形する。なお、固定型2と可動型4の間のキャビティ内に例えば樹脂材料を充填する射出成形方法にて芯材a1を成形してもよい。芯材a1の成形後、芯材a1表面の所定領域のキャビティ内に図示しない充填孔を介して発泡層用の樹脂材料(例えばポリウレタンやポリプロピレンなど)を充填する。樹脂材料の充填後、時間の経過とともに樹脂材料内のCO気泡が発泡成長することで発泡層a2が成長していく。図では、発泡層a2を構成する面a21がY1方向へ、面a22がY2方向へ発泡成長する。
この発泡層a2の発泡成長の前段階で、可動型4と固定型2との干渉部分である可動部31は予めZ方向に移動されるようになっている。可動部31の移動方法としては、使用される発泡層の発泡成長に要する時間に応じてロッド32がスライドできるように構成された態様や、可動部31の適宜箇所に図示しない圧力センサを取り付けておき、発泡層成長時に発泡層から作用する圧力をセンサが検知した際にロッド32がスライドできる態様などが適用できる。
可動部31がZ方向に移動し、発泡層の発泡成長に応じて可動型4がX方向に移動することで、発泡層aを構成する面a21,面a22のすべての面の発泡成長が十分に促進される。
図3は、発泡層a2が発泡成長し、該発泡層a2と固定型2とが離型し、最後に、可動部4から押出し手段にて成形体aを押出している状況を示している。押出し手段の押出し方向(Z方法)は、成形体aの押出し時に該成形体aと可動部4との間で干渉する部分が生じない方向に設定されている。図示する実施例では、押出し手段がシリンダーユニット53から構成されており、エアまたは油圧にて制御されるシリンダー53aによるロッド53b,53b,…の移動によって、プレート51を介してエジェクターピン52,52,…の先端が成形体aを押出すことができる。
図4は、成形用金型の他の実施形態を示したものであり、押出し手段の形態が上記成形用金型1と異なる成形用金型1aに関するものである。この押出し手段は、サーボモータ61と、その駆動軸に装着されたねじ軸62と、ねじ軸62の軸方向に沿って移動するナット63とから構成される送りねじ機構によるものである。ナット63にプレート51が取り付けられており、ナットの移動に応じてプレート51が移動し、エジェクターピン52,52,…を介して成形体aを押出すことができる。
上記する成形用金型1,1aに代表される本発明の成形用金型によれば、成形体を構成する発泡層のすべての面が所定の発泡倍率を満足するように成長させることができ、さらに成形体の型からの離型(押出し)も効率的におこなうことができる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
本発明の成形用金型の一実施形態を示した模式図。 成形体の成形方法を示した模式図。 図2に続き、成形体の成形方法を示した模式図。 成形用金型の他の実施形態を示した模式図。 従来の成形用金型を示した模式図。
符号の説明
1,1a…成形用金型、2…固定型、21…可動空間、31…可動部、32…シリンダー、33…ロッド、4…可動型、5…押出し手段、51…プレート、52…エジェクターピン、53…シリンダーユニット、53a…シリンダー、53b…ロッド、61…サーボモータ、62…ねじ軸、63…ナット、P…パーティングライン、a…成形体、a1…芯材、a2…発泡層

Claims (4)

  1. 固定型と可動型とから構成され、双方の型間に画成されたキャビティ内にて芯材と発泡層の2層構造を有する成形体を成形するための成形用金型であって、
    前記可動型は、型締めおよび型開き方向とは異なる押出し方向に成形体を押出す押出し手段を備えるとともに、前記キャビティを形成する固定型と可動型の内面が、前記押出し方向に直交する方向に広がる第1の面と、該第1の面と異なる方向に広がる第2の面を少なくとも含む複数の面を備えており、さらに、前記可動型が、型締めおよび型開き方向に移動する際に、前記複数の面が型締めおよび型開き方向と異なる方向で、かつ、前記複数の面から構成される発泡層の各面を所定の発泡倍率に成長させる方向に移動可能に構成されていることを特徴とする成形用金型。
  2. 発泡層の成長に応じて可動型が移動する際に、該可動型と干渉する部分が前記固定型に存在する場合には、可動型の移動に先んじて、前記干渉する部分が可動型との干渉を回避する方向に移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の成形用金型。
  3. 前記固定型の内部には、シリンダーとその端部で出入りするロッドとからなるシリンダーユニットが内蔵されており、前記干渉する部分は、固定型の他の部分と縁切りされており、ロッドの先端に前記干渉する部分が固設されており、可動型の移動に先んじてロッドがシリンダー内に入ることにより、前記干渉する部分が可動型との干渉を回避する方向に移動可能であることを特徴とする請求項2に記載の成形用金型。
  4. 固定型と、成形体を押出す押出し手段を備え、型締めおよび型開き方向に移動する可動型と、を用いて、前記固定型および可動型の内面により形成されるキャビティ内に所定形状の芯材を成形した後に、該キャビティ内に溶融材料を充填し、この溶融材料を発泡させることで2層構造を有する成形体を成形する成形方法であって、
    キャビティを形成する固定型と可動型の内面を構成する複数の面が、いずれも可動型の移動する型締めおよび型開き方向とは異なる方向であって、かつ、該複数の面から構成される発泡層の各面が所定の発泡倍率に成長可能な方向に調整されていることを特徴とする成形体の成形方法。
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