JP2009226872A - 発泡樹脂成形品の成形方法及び成形装置 - Google Patents

発泡樹脂成形品の成形方法及び成形装置 Download PDF

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満晴 金子
Junichi Ogawa
淳一 小川
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之典 中島
Tsuguhisa Miyamoto
嗣久 宮本
Masatoshi Shinomori
正利 篠森
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Abstract

【課題】コアバック法を用いた発泡樹脂成形において、成形キャビティ内に可動コアのコアバック方向に略沿った成形型の縦壁部を存在させ、該縦壁部に隣接する発泡性樹脂も可動型のコアバックに伴って発泡させるに際し、前記縦壁部に隣接する樹脂部が反縦壁部側に引き込まれることを防止する。
【解決手段】成形キャビティ30内に可動型31のコアバック方向に略沿って型の縦壁部34wを存在させると共に、該縦壁部に隣接する発泡性樹脂も可動型のコアバックに伴って発泡させる発泡樹脂成形品の成形方法であって、可動型を、縦壁部を有する第1可動型部32と、これに隣接する第2可動型部36とでなる分割構造とし、第1可動型部のコアバック量率を前記第2可動型部のコアバック量率に比して小さく設定した、ことを特徴とする。
【選択図】図4

Description

この発明は、樹脂に発泡剤を含有させた発泡性樹脂から成形されてなる発泡樹脂成形品の成形方法及び成形装置に関する。
従来、例えば自動車用部品などの種々の工業用部品の分野においては、軽量性や断熱性などに優れた発泡樹脂成形品が幅広く採用されている。かかる発泡樹脂成形品は、使用される目的及び用途などに応じて、好適な使用材料を選定し、また、成形品内部の気泡の形態や発泡倍率などの諸条件を好適に設定して製作されている。
このような発泡樹脂成形品の成形方法として、樹脂に発泡剤を含有させた発泡性樹脂を成形型の成形キャビティ内に注入した後に、キャビティの容積を拡大させるように成形型のコア部を移動させることにより、発泡性樹脂の発泡を促進させるようにした成形方法(所謂コアバック法)は公知である。このコアバック法を用いることにより、発泡セル径のバラツキが小さい発泡樹脂成形品を得ることができることが知られている。
例えば特許文献1には、発泡剤が含有される繊維含有溶融熱可塑性樹脂を材料に用い、この発泡性樹脂を金型のキャビティ内に射出した後に、金型キャビティの容積が拡大する方向に可動型を後退させることにより、繊維含有溶融熱可塑性樹脂を膨張させて成形した繊維強化軽量樹脂成形品およびその製造方法が開示されている。
ところで、発泡樹脂成形品を他の部品もしくは部材(以下、相手部材という)に取り付けて使用する場合、その取付構造として、相手部材に係合用の爪部あるいは突起部を設ける一方、発泡樹脂成形品の取付部に嵌合用の穴部あるいは切欠部を形成しておき、この穴部あるいは切欠部に前記爪部あるいは突起部を嵌合させることにより、発泡樹脂成形品を相手部材に係合させて取り付ける構造が知られている。
例えば、自動車等の車両用の空調装置に付設する空調ダクトには、軽量性や断熱性などに優れた発泡樹脂成形品が多用されているが、この空調ダクトを車室前端に位置するインストルメントパネルの背面を通して配設する場合、インストルメントパネルの背面側に係合用の爪部を設ける一方、発泡樹脂成形品の空調ダクトの取付座面に、前記爪部を嵌合させるに適合した形状および寸法の嵌合穴を形成しておき、この嵌合穴に前記係合爪部を嵌合させることにより、空調ダクトをインストルメントパネルの背面に取り付ける(係合させる)ことが考えられる。この場合、嵌合穴の周縁部分まで発泡させることで、空調ダクトのより一層の軽量化を図ることができる。
特開平11−156881号公報
発泡樹脂成形品に穴部を形成する場合、可動型の一部に凸部を形成し、この凸部の周縁の縦壁部により成形品に所要の穴部を形成することが考えられる。
図15及び図16は、従来例に係る穴部を有する発泡樹脂成形品の成形方法を模式的に示す断面図であり、図15は成形型の要部のコアバック前の状態を示し、図16は成形型の要部のコアバック後の状態を示している。
これらの図に示されるように、可動型131の固定型121に対向する面の一部には、固定型121側に突出する所定形状および寸法の凸部134が設けられ、固定型121には、この凸部134を受け合う124凹部が形成されている。可動型131と固定型121とを閉じ合わせて形成される成形キャビティ130内に溶融状態の発泡性樹脂141を充填し(図15参照)、その後、可動型131を後退させて所謂コアバックを行うことにより、成形キャビティ130が拡大されて発泡性樹脂141が発泡し、穴部112付きの発泡樹脂成形品110が発泡成形される(図16参照)。このとき、成形品110の穴部112の縁部は、可動型131の凸部134周縁の縦壁部134wによって形成される。
しかしながら、この場合には、コアバックに伴う発泡性樹脂141の発泡により穴部112が拡張してしまい、所要の平面寸法精度を確保することが難しくなる、という問題があった。
図17は、前記従来例に係る穴部112の拡張状態を示す模式的な説明図である。この図17及び前述の図16に示されるように、コアバック前においては(図17の2点鎖線表示)、可動型131の凸部周縁の縦壁部134wで形状および平面寸法が規定されていた穴部112は、コアバック完了後には(図17の実線表示)、その縁部が外側(反縦壁部側)へ引き込まれて拡張し、前記凸部周縁の縦壁部134wで規定されるべき所要の寸法よりも大きくなってしまう。
これは、発泡成形時のコアバックに伴う発泡性樹脂の発泡の仕方に関連するものと推察される。すなわち、成形キャビティ内に充填された樹脂(発泡性樹脂)のうち可動型の凸部周縁の縦壁部に隣接する部分は、金型による冷却効果で時間経過に伴って伸び性が低下する。このため、コアバックが進行するに連れて、穴の縁部を構成する樹脂部が外側へ引き込まれるように収縮し、穴部が全体として拡張してしまい、前記凸部周縁の縦壁部で規定されるべき所要の平面寸法を精度良く形成することが難しくなる、ものと考えられる。
尚、このような問題は、穴部に限らず、例えば切欠部など、成形キャビティ内に可動コアのコアバック方向に略沿った金型の縦壁部を存在させ、発泡性樹脂の縦壁部に隣接する部分も前記可動型のコアバックに伴って発泡させる場合には、同様に生じるものである。
この発明は、かかる技術的課題に鑑みてなされたもので、コアバック法を用いた発泡樹脂成形において、成形キャビティ内に可動コアのコアバック方向に略沿った成形型の縦壁部を存在させ、発泡性樹脂の縦壁部に隣接する部分も可動型のコアバックに伴って発泡させるに際し、前記縦壁部に隣接する樹脂部が反縦壁部側に引き込まれることを防止できるようにすることを、基本的な目的とする。
このため、本願の請求項1に係る発明(第1の発明)は、固定型と可動型とを組み合わせて形成した成形キャビティ内に溶融状態の発泡性樹脂を注入し、前記可動型をコアバックさせて前記成形キャビティの容積を少なくとも部分的に拡大させることにより前記発泡性樹脂の発泡を促進するコアバック成形法を用い、前記成形キャビティ内に前記可動型のコアバック方向に略沿って型の縦壁部を存在させると共に、前記発泡性樹脂の前記縦壁部に隣接する部分も前記可動型のコアバックに伴って発泡させる、発泡樹脂成形品の成形方法であって、
前記可動型を、前記縦壁部を有する第1可動型部と、これに隣接する第2可動型部とでなる分割構造とし、前記第1可動型部のコアバック量率を前記第2可動型部のコアバック量率に比して小さく設定した、ことを特徴としたものである。
また、本願の請求項2に係る発明(第2の発明)は、前記第1の発明において、前記第1可動型部の固定型に対向する第1型面は、コアバック前においては前記第2可動型部の固定型に対向する第2型面よりも反固定型側に位置し、コアバック完了後においては前記第2型面と略面一となる、ことを特徴としたものである。
更に、本願の請求項3に係る発明(第3の発明)は、前記第1又は第2の発明において、前記縦壁部により、成形品に開口部および切欠部の少なくとも何れか一方の縁部を成形する、ことを特徴としたものである。
また更に、本願の請求項4に係る発明(第4の発明)は、前記第1から第3の発明の何れか一において、前記発泡性樹脂は物理発泡剤を含有している、ことを特徴としたものである。
また更に、本願の請求項5に係る発明(第5の発明)は、前記第4の発明において、前記物理発泡剤が超臨界状態の流体である、ことを特徴としたものである。
また更に、本願の請求項6に係る発明(第6の発明)は、互いに組み合わされて成形キャビティを形成する固定型と可動型とを有する成形型と、樹脂に発泡剤を含有させた発泡性樹脂を溶融状態で前記成形キャビティ内に注入する注入手段と、前記可動型を前記成形キャビティの容積を少なくとも部分的に拡大させるように前記固定型に対して移動させる可動型コアバック手段と、を備え、前記成形キャビティ内に溶融状態の発泡性樹脂を注入し、前記可動型をコアバックさせて前記成形キャビティの容積を少なくとも部分的に拡大させることにより前記発泡性樹脂の発泡を促進するコアバック成形法を用い、前記成形キャビティ内に前記可動型のコアバック方向に略沿って型の縦壁部を存在させると共に、前記発泡性樹脂の前記縦壁部に隣接する部分も前記可動型のコアバックに伴って発泡させる、発泡樹脂成形品の成形装置であって、
前記可動型は、前記縦壁部を有する第1可動型部と、これに隣接する第2可動型部とでなる分割構造であり、前記可動型コアバック手段は、前記第1可動型部のコアバック量率を前記第2可動型部のコアバック量率に比して小さく設定して、可動型をコアバックさせる、ことを特徴としたものである。
また更に、本願の請求項7に係る発明(第7の発明)は、前記第6の発明において、前記第1可動型部の固定型に対向する第1型面は、コアバック前においては前記第2可動型部の固定型に対向する第2型面よりも反固定型側に位置しており、前記可動型コアバック手段は、コアバック完了後においては前記第1型面と前記第2型面とが略面一となるように、可動型をコアバックさせる、ことを特徴としたものである。
また更に、本願の請求項8に係る発明(第8の発明)は、前記第6又は第7の発明において、前記縦壁部が、成形品の開口部および切欠部の少なくとも何れか一方の縁部を規定している、ことを特徴としたものである。
また更に、本願の請求項9に係る発明(第9の発明)は、前記第6から第8の発明の何れか一において、前記注入手段は物理発泡剤を含有する発泡性樹脂を注入する、ことを特徴としたものである。
また更に、本願の請求項10に係る発明(第10の発明)は、前記第9の発明において、前記注入手段は、前記物理発泡剤として超臨界状態の流体を含有する発泡性樹脂を注入する、ことを特徴としたものである。
本願の第1の発明によれば、可動型を第1可動型部と第2可動型部とでなる分割構造とし、可動型のコアバック方向に略沿った縦壁部を有する第1可動型部のコアバック量率を、該第1可動型部に隣接する第2可動型部のコアバック量率に比して小さく設定したので、成形キャビティ内の発泡性樹脂のうち前記縦壁部に隣接する樹脂部については、伸び性が或る程度低下したとしても、他の部分の樹脂部に比して可動型のコアバック動作に追従し易くなるようにできる。これにより、発泡性樹脂のうち縦壁部に隣接する樹脂部が、型による冷却効果で伸び性が低下することに起因して、コアバックに伴う発泡時に反縦壁部側に引き込まれることを、比較的簡単な構成で、抑制することができる。
また、本願の第2の発明によれば、基本的には前記第1の発明と同様の作用効果を奏することができる。特に、第1可動型部の固定型に対向する第1型面は、コアバック前においては前記第2可動型部の固定型に対向する第2型面よりも反固定型側に位置し、コアバック完了後においては前記第2型面と略面一となるので、前記第1可動型部および第2可動型部に対応する面が略平面状とされた成形品を得ることができる。
更に、本願の第3の発明によれば、基本的には前記第1又は第2の発明と同様の作用効果を奏することができる。特に、前記縦壁部によって成形品に開口部および切欠部の少なくとも何れか一方の縁部を成形するので、開口部または切欠部の平面寸法および形状について高い精度を有する発泡樹脂成形品を成形することができる。
また更に、本願の第4の発明によれば、基本的には前記第1から第3の発明の何れか一と同様の作用効果を奏することができる。特に、前記発泡性樹脂に物理発泡剤が含有されていることにより、発泡倍率がより高い発泡樹脂成形品を得ることができ、しかも、その際により顕著に表れる第1の発明の技術課題である、前述の「発泡性樹脂のうち縦壁部に隣接する樹脂部が、型による冷却効果で伸び性が低下することに起因して、コアバックに伴う発泡時に反縦壁部側に引き込まれる」ことを、より効果的に抑制することができる。
また更に、本願の第5の発明によれば、前記物理発泡剤が超臨界状態の流体であることにより、前記4の発明の作用効果を更に助長することができる。物理発泡剤として超臨界状態の流体を用いることで、より微細な発泡セルを有する発泡樹脂成形品を成形することができ、発泡樹脂成形品の全体的な物性をさらに向上させることができる。
また更に、本願の第6の発明によれば、可動型は第1可動型部と第2可動型部とでなる分割構造であり、前記可動型コアバック手段は、可動型のコアバック方向に略沿った縦壁部を有する第1可動型部のコアバック量率を、該第1可動型部に隣接する第2可動型部のコアバック量率に比して小さく設定して、可動型をコアバックさせるので、成形キャビティ内の発泡性樹脂のうち前記縦壁部に隣接する樹脂部については、伸び性が或る程度低下したとしても、他の部分の樹脂部に比して可動型のコアバック動作に追従し易くなるようにできる。これにより、発泡性樹脂のうち縦壁部に隣接する樹脂部が、型による冷却効果で伸び性が低下することに起因して、コアバックに伴う発泡時に反縦壁部側に引き込まれることを、比較的簡単な構成で、抑制することができる。
また更に、本願の第7の発明によれば、基本的には前記第6の発明と同様の作用効果を奏することができる。特に、第1可動型部の固定型に対向する第1型面は、コアバック前においては前記第2可動型部の固定型に対向する第2型面よりも反固定型側に位置しており、可動型コアバック手段は、コアバック完了後においては前記第1型面と前記第2型面とが略面一となるように、可動型をコアバックさせるので、前記第1可動型部および第2可動型部に対応する面が略平面状とされた成形品を得ることができる。
また更に、本願の第8の発明によれば、基本的には前記第6又は第7の発明と同様の作用効果を奏することができる。特に、前記縦壁部が、成形品の開口部および切欠部の少なくとも何れか一方の縁部を規定しているので、開口部または切欠部の平面寸法および形状について高い精度を有する発泡樹脂成形品を成形することができる。
また更に、本願の第9の発明によれば、基本的には前記第6から第8の発明の何れかと同様の作用効果を奏することができる。特に、注入手段は物理発泡剤を含有する発泡性樹脂を注入するので、発泡倍率がより高い発泡樹脂成形品を得ることができ、しかも、その際により顕著に表れる第6の発明の技術課題である、前述の「発泡性樹脂のうち縦壁部に隣接する樹脂部が、型による冷却効果で伸び性が低下することに起因して、コアバックに伴う発泡時に反縦壁部側に引き込まれる」ことを、より効果的に抑制することができる。
また更に、本願の第10の発明によれば、注入手段は、前記物理発泡剤として超臨界状態の流体を含有する発泡性樹脂を注入するので、前記第9の発明の作用効果を更に助長することができる。物理発泡剤として超臨界状態の流体を用いることで、より微細な発泡セルを有する発泡樹脂成形品を成形することができ、発泡樹脂成形品の全体的な物性をさらに向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照しながら説明する。本実施形態は、例えば、自動車等の車両用の空調装置に付設する空調ダクトを発泡樹脂成形品で形成し、この空調ダクトを車室前端に位置するインストルメントパネルの背面に取り付けることを想定した場合についてのものである。
図1は、本実施形態に係る発泡樹脂成形品としての前記空調ダクトの断面構造を示す断面説明図である。この図に示すように、前記空調ダクト1は、所定厚さを有する略半円状の断面を備えたダクト本体部2と、該ダクト本体部2の上下の端末部に形成された所定厚さの取付フランジ部3とを備えている。
図2は、前記空調ダクト1の取付フランジ部3の一部を拡大して示す平面図である。この図に示すように、各取付フランジ部3には、平面視で矩形状の穴部4(貫通穴)が形成されている。
一方、インストルメントパネル6の背面側には、前記取付フランジ部3の穴部4に嵌挿して係合する爪部7が一体的に形成されている。
本実施形態では、このインストルメントパネル6が例えばソリッドの樹脂成形品として成形され、空調ダクト1全体が、一体の発泡樹脂成形品として成形されている。そして、取付フランジ部3に形成された穴部4にインストルメントパネル6の背面側に設けられた爪部7を嵌挿して係合させることにより、空調ダクト1がインストルメントパネル6の背面に取り付けられ、両者1,6間に通風路9が形成されるようになっている。このように空調ダクト1を発泡樹脂成形品としたことにより、軽量で断熱性に優れた空調ダクト1が得られる。
次に、前記空調ダクト1の成形に用いた発泡樹脂成形法について説明する。
この説明では、発泡樹脂成形品として、所定厚さの略板状の成形体に所定形状(例えば平面視で矩形状)で所定の平面寸法(つまり、長さ及び幅)の穴部を形成したワークが、簡略化されたモデルとして用いられている。すなわち、このワークは、所定厚さを有する略板状の成形体に穴部を形成した発泡樹脂成形品を構成している。
図3は、前記発泡樹脂成形品(ワーク)を発泡樹脂成形するための成形装置を模式的に示す断面図である。この図に示すように、成形装置Mは、開閉可能な成形型20と、成形型20内の成形キャビティ30内に発泡性樹脂を注入する注入手段としての射出装置40とを備えている。尚、具体的には図示しなかったが、成形装置Mには、成形型20を冷却するための冷却装置も付設されている。
前記成形型20は、常時静止状態に維持される固定型21と、該固定型21に対して成形型20の開閉方向(図3の矢印Ya,Yb方向)に移動可能に設けられた可動型31とで構成され、両者21,31を互いに組み合わせることで、前記ワークの形状に対応した成形キャビティ30が形成される。図3は、固定型21に対して可動型31を閉じ合わせて型締めした状態を示している。
本実施形態では、前記可動型31が、2つの型部分でなる分割構造として形成されている。具体的は、可動型31は、中央に位置する第1可動型部32(分割コア)と、その周囲に隣接して位置する第2可動型部36の、2つの分割型部で構成されている。これら分割型部32,36の各々は、図示しない可動型駆動機構に連結されており、該可動型駆動機構によって成形型20の開閉方向(図3の矢印Ya,Yb方向)にそれぞれ独立して移動することができるようになっている。
第1可動型部32は、固定型21に対向する面の中央部分に、コア本体部33の型面33f(後述する第1型面)から略垂直に固定型21側に突出する所定形状(本実施形態では、例えば断面矩形状)および寸法の中央凸部34を備えており、この中央凸部34の周縁の縦壁部34wが、成形品の穴部の縁部を成形し、その形状および平面寸法を定めることになる。一方、固定型21には、この中央凸部34を受け合う中央凹部24が形成されている。
固定型21の中央凹部24の内周面と第1可動型部32の中央凸部34の外周面34w(縦壁部)との隙間(クリアランス)は、第1可動型部32が固定型21に対して前記開閉方向(図3の矢印Ya,Yb方向)へスムースに摺動でき、且つ、成形キャビティ30を形成した状態で、キャビティ30の内部に充填された発泡性樹脂が外部に漏洩することがないようにシール性を維持できる範囲内に設定されている。
前記第1可動型部32の周囲に隣接して配置された第2可動型部36は、固定型21に対向する面の外周部分に、コア本体部37の型面37f(後述する第2型面)から固定型21側に突出し、固定型21の外周部を覆う周壁部38を備えている。
この第2可動型部36周壁部38の内周面と固定型21の外周面との隙間は、第2可動型部36が固定型21に対して前記開閉方向へスムースに摺動でき、且つ、成形キャビティ30を形成した状態で、キャビティ30の内部に充填された発泡性樹脂が外部に漏洩することがないようにシール性を維持できる範囲内に設定されている。
このような構成を備えた固定型21と可動型31とで成形キャビティ30を形成した状態で、前記可動型駆動機構(不図示)によって、可動型31を(つまり、第1可動型部32,第2可動型部36を)成形型20の型開き方向(図3の矢印Ya方向)へ所定量だけ移動させることにより、成形キャビティ30の容積を少なくとも部分的に拡大させることができる。
成形キャビティ30内に発泡性樹脂を注入した後に、第1可動型部32,第2可動型部36をそれぞれ型開き方向へ所定量だけ移動させて成形キャビティ30の容積を拡大させることにより、キャビティ30内の発泡性樹脂の発泡を促進する、所謂、コアバックを行うことができる。このコアバックでの第2可動型部36の移動量は、当該第2可動型部36の周壁部38が固定型21の外周面から離脱しない範囲で設定される。また、第1可動型部32のコアバック移動量は、当該第1可動型部32の中央凸部34が固定型21の中央凹部24から離脱しない範囲で設定される。尚、コアバック法自体は、従来公知の手法と基本的には同じものである。
前記第1可動型部32の中央凸部34の周縁の縦壁部34wは、コア本体部33の型面33fから略垂直に延びており、一方、第1可動型部32は、前記コア本体部33の型面33fに対して略垂直方向にコアバックされるので、縦壁部34wは第1可動型部32のコアバック方向に略沿った方向に配置されていると言える。
尚、穴部の平面視における周縁部を成形する縦壁部34wは、必ずしも第1可動型部32の型面33fに垂直でなくても良く、若干の傾斜を有するテーパ状部分を少なくとも一部に備えていても良い。この場合には、穴部の周縁部も、厚さ方向の少なくとも一部にテーパ状部分を有することになる。
尚、具体的には図示しなかったが、固定型21には、該固定型21を冷却してその型面等の所要部分を所要温度に保つために、冷却水通路が設けられている。また、可動型31にも、該可動型31を冷却してその型面等の所要部分を所要温度に保つために、冷却水通路が設けられている。これら冷却水通路の構成および作用は、従来公知のものと同様のものである。
前記射出装置40は、樹脂に発泡剤を含有させた発泡性樹脂を成形型20の成形キャビティ30内に注入するもので、例えば樹脂ペレットとして供給される材料樹脂42を混錬溶融させるシリンダ43を備えている。該シリンダ43の内部には、回転スクリュー44が配設され、このスクリュー44の後端には、具体的には図示しなかったが、スクリュー44を回転駆動する回転駆動機構、及びスクリュー44を前進動させて溶融樹脂を成形キャビティ30に向けて射出する射出機構が連結されている。射出装置40では、シリンダ43内に投入された材料樹脂42が、シリンダ43の周囲に設けられた加熱ヒータ(不図示)によって順次加熱されると共に、スクリュー44によって混錬される。
前記射出装置40には、二酸化炭素又は窒素等の不活性ガスを貯留したボンベ45,前記不活性ガスを超臨界状態にする超臨界流体発生装置46、及び超臨界状態にされた不活性ガスをシリンダ43内に注入する超臨界流体注入装置47が付設されている。そして、ボンベ45から供給され超臨界流体発生装置46によって超臨界状態にされた不活性ガスが、超臨界流体注入装置47によって、シリンダ43内で混錬溶融された樹脂42に注入され、樹脂42に発泡剤を含有させた発泡性樹脂41が形成されるようになっている。
シリンダ43内の発泡性樹脂41は、スクリュー44が前記回転駆動機構によって回転されるとともに前記射出機構によって前進動させられることにより、成形型20の成形キャビティ30内に注入される。成形型20には、具体的には固定型21には、発泡性樹脂41を成形キャビティ30に向かって注入するための樹脂通路29が設けられている。
前記材料樹脂42としては、例えば、ポリプロピレン樹脂などの熱可塑性樹脂が用いられる。また、本実施形態では、前記発泡性樹脂41に含有される発泡剤に、物理発泡剤として超臨界状態にある流体を用いているが、その他の物理発泡剤を用いてもよい。或いは、化学発泡剤を使用することもできる。
尚、物理発泡剤を樹脂に含有させた場合には、化学発泡剤を用いた場合に比して、一般に、発泡圧が高くなり発泡し易くなることが知られている。また、物理発泡剤として超臨界状態の流体を用いることで、より微細な発泡セルを有する発泡樹脂成形品を成形することができ、発泡樹脂成形品の全体的な物性をさらに向上させることができる。
また、具体的には図示しなかったが、成形装置Mは、該成形装置Mを総合的に制御する制御ユニットを備えている。該制御ユニットは、例えばマイクロコンピュータを主要部として構成されており、成形型20の作動制御,射出装置40の作動制御,冷却装置(不図示)の作動制御等の各種制御を行う。
次に、成形装置Mを用いた発泡樹脂成形品(ワーク)の成形について説明する。前述のように、発泡樹脂成形品10(ワーク)は、所定厚さを有する略板状の成形体に穴部12を形成して構成されている。
図4及び図5は、図3の要部を拡大して示す拡大断面図で、前記ワークの発泡樹脂成形のコアバック工程を説明するための工程説明図である。尚、この図4及び図5においては、固定型21の樹脂通路29は図面の簡略化のために省略されている。
また、図6は可動型コアバック時におけるキャビティ厚さの変化特性を示すグラフで、横軸は射出完了時を基点とする時間であり、縦軸がキャビティ厚さである。実線ラインL1aが第1可動型部32に対応するキャビティ厚さの変化特性を示し、破線ラインL2aが第2可動型部36に対応するキャビティ厚さの変化特性を示している。
更に、図7は可動型コアバック時における発泡倍率の変化特性を示すグラフで、横軸は射出完了時を基点とする時間であり、縦軸が発泡倍率である。実線ラインL1bが第1可動型部32に対応する部分の発泡倍率の変化特性を示し、破線ラインL2bが第2可動型部36に対応する部分の発泡倍率の変化特性を示している。
これら図6及び図7のグラフから良く分かるように、本実施形態では、コアバックによる第1可動型部32に対応する樹脂部でのキャビティ厚さの変化量および発泡倍率の変化量は、第2可動型部36に対応する樹脂部で各変化量に比して小さく設定されている。すなわち、第1可動型部32のコアバック量率は第2可動型部36のコアバック量率に比して小さく設定されていると言える。
尚、本実施形態では、発泡樹脂成形品(ワーク)の発泡倍率を例えば6倍とし、例えば、初期厚さ1mmの発泡樹脂を6mmまでコアバックして発泡させるようにした。
先ず、図3に示されるように、可動型31と固定型21とを組み合わせて型締めし、第2可動型部36周壁部38の先端が固定型21の外側部分にほぼ当接した状態で、成形キャビティ30内に、樹脂42に発泡剤として超臨界状態の流体を含有させた発泡性樹脂41が射出装置40から注入される。このとき、固定型21の中央凹部24内に収納された可動型31の第1可動型部32の中央凸部34は、その先端が中央凹部24内の底部近傍に位置している。
この図3に示すコアバック前の状態(射出完了状態)では、第1可動型部32の固定型21に対向する型面33f(第1型面)は、第2可動型部36の固定型21に対向する型面37f(第2型面)よりも反固定型側に位置している。
換言すれば、より好ましくは、このコアバック前の状態では、成形キャビティ30の第1可動型部32に対応する部分のコアバック方向の厚さは、第2可動型部36に対応する部分のコアバック方向の厚さよりも厚くなっている。
この射出が完了すると、可動型31のコアバックが開始される。
尚、図6及び図7のグラフから良く分かるように、本実施形態では、好ましくは、穴部12の縁部を成形する前記縦壁部34wを有する第1可動型部32を第2可動型部36よりも先にコアバックを開始させるようにしている。すなわち、射出完了後、所要時間を置いて、第1可動型部32のコアバック動作が開始され、その後、更に所定時間を置いて第2可動型部36のコアバック動作が開始される。
このように、可動型31のコアバック方向に略沿った縦壁部34wを有する第1可動型部32を、該第1可動型部32の周囲に隣接する第2可動型部36よりも先にコアバックを開始させることにより、成形キャビティ30内の発泡性樹脂のうち前記縦壁部34wに隣接する樹脂部については、比較的早期に、つまり、比較的温度が高くて一定以上の伸び性が維持されている間に、発泡を開始させることができ、発泡性樹脂のうち縦壁部34wに隣接する樹脂部が、型部34による冷却効果で伸び性が低下することに起因して、コアバックに伴う発泡時に反縦壁部側に引き込まれることを抑制するのに貢献できる。
また、図7のグラフから良く分かるように、本実施形態では、より好ましくは、コアバック初期のある程度の期間は、第1可動型部32に対応する部分の発泡倍率が第2可動型部36に対応する部分の発泡倍率よりも大きくなっている。
これにより、第1可動型部32に対応する部分から第2可動型部36に対応する部分に向けて、第2型面37fに沿った面内で発泡が生じることを防止し、縦壁部34wに隣接する樹脂部が反縦壁部側に収縮することを抑制している。
この後、所定時間が経過すると第1可動型部32のコアバック動作が完了するが、この時点では、第2可動型部36のコアバック動作は継続している。図4は、第1可動型部32のコアバック動作が完了する直前の状態を示している。尚、図6から良く分かるように、本実施形態では、第1可動型部32と第2可動型部36のキャビティ厚さの変化率(つまりコアバック速度)は、略同一である。
そして、更に所定時間が経過すると、第2可動型部36のコアバック動作が完了する。図5は、第1可動型部32及び第2可動型部37のコアバック動作が共に完了した状態を示している。この後、所定時間が経過し、成形型20の冷却が完了すると、型開きが行われ、所定厚さを有する略板状の成形体に穴部12を形成して構成された最終完成状態の発泡樹脂成形品10(ワーク)が取り出される。以上で1サイクルの成形工程が終了する。
本実施形態では、好ましくは、第1可動型部32及び第2可動型部36のコアバックが共に完了した時点では(図5参照)、第1可動型部32の固定型21に対向する第1型面33fは、第2可動型部36の固定型21に対向する第2型面37fと略面一となるように設定されている。
これにより、第1可動型部32および第2可動型部36に対応する面が略平面状とされたワーク10を得ることができる。
また、成形キャビティ30の第1可動型部32に対応する部分のコアバック方向の厚さは、コアバック完了後においては、第2可動型部36に対応する部分のコアバック方向の厚さと略等しくなっている。
これにより、第1可動型部32および第2可動型部36に対応する部分が略一定厚さとされた板状のワーク10を得ることができる。
以上、説明したように、本実施形態によれば、可動型31を複数の可動型部32,36でなる分割構造とし、可動型31のコアバック方向に略沿った縦壁部34wを有する第1可動型部32のコアバック量率を、該第1可動型部32の周囲に隣接する第2可動型部36のコアバック量率に比して小さく設定したので、成形キャビティ30内の発泡性樹脂のうち前記縦壁部34wに隣接する樹脂部については、伸び性が或る程度低下したとしても、他の部分の樹脂部に比して可動型のコアバック動作に追従し易くなるようにできる。
従って、発泡性樹脂のうち縦壁部34wに隣接する樹脂部が、型部34による冷却効果で伸び性が低下することに起因して、コアバックに伴う発泡時に反縦壁部側に引き込まれることを、比較的簡単な構成で、抑制することができる。
これにより、前記縦壁部34wによって縁部が成形される穴部12の平面寸法および形状について、高い精度を有する発泡樹脂成形品10を得ることができるのである。
しかも、前記発泡性樹脂に物理発泡剤が含有されているので、発泡倍率がより高い発泡樹脂成形品を得ることができ、しかも、その際により顕著に表れる技術課題である、前述の「発泡性樹脂のうち縦壁部34wに隣接する樹脂部が、型部34による冷却効果で伸び性が低下することに起因して、コアバックに伴う発泡時に反縦壁部側に引き込まれる」ことを、より効果的に抑制することができる。
特に、前記物理発泡剤が超臨界状態の流体であることにより、前記作用効果を更に助長することができる。物理発泡剤として超臨界状態の流体を用いることで、より微細な発泡セルを有する発泡樹脂成形品を成形することができ、発泡樹脂成形品の全体的な物性をさらに向上させることも可能である。
前記コアバック工程でのキャビティ厚さや発泡倍率の変化特性としては、可動型31のコアバック方向に略沿った縦壁部34wを有する第1可動型部32のコアバック量率を、該第1可動型部32の周囲に隣接する第2可動型部36のコアバック量率に比して小さく設定することを前提として、種々の特性を適用することができる。
図8及び図9は、本実施形態の第1変形例に係る特性を示すグラフである。図8は可動型コアバック時におけるキャビティ厚さの変化特性を示すグラフで、横軸は射出完了時を基点とする時間であり、縦軸がキャビティ厚さである。実線ラインL3aが第1可動型部32に対応するキャビティ厚さの変化特性を示し、破線ラインL4aが第2可動型部36に対応するキャビティ厚さの変化特性を示している。また、図9は可動型コアバック時における発泡倍率の変化特性を示すグラフで、横軸は射出完了時を基点とする時間であり、縦軸が発泡倍率である。実線ラインL3bが第1可動型部32に対応する部分の発泡倍率の変化特性を示し、破線ラインL4bが第2可動型部36に対応する部分の発泡倍率の変化特性を示している。
この第1変形例では、第1可動型部32と第2可動型部36とは、略同じタイミングでコアバックが開始される。また、図8から良く分かるように、この第1変形例では、第1可動型部32のキャビティ厚さの変化率(つまりコアバック速度)は、第2可動型部36のそれよりも大きく設定されている。
また、図9のグラフから良く分かるように、この第1変形例においても、より好ましくは、コアバック初期のある程度の期間は、第1可動型部32に対応する部分の発泡倍率が第2可動型部36に対応する部分の発泡倍率よりも大きくなるように設定されている。
更に、図10及び図11は、本実施形態の第2変形例に係る特性を示すグラフである。図10は可動型コアバック時におけるキャビティ厚さの変化特性を示すグラフで、横軸は射出完了時を基点とする時間であり、縦軸がキャビティ厚さである。実線ラインL5aが第1可動型部32に対応するキャビティ厚さの変化特性を示し、破線ラインL6aが第2可動型部36に対応するキャビティ厚さの変化特性を示している。また、図11は可動型コアバック時における発泡倍率の変化特性を示すグラフで、横軸は射出完了時を基点とする時間であり、縦軸が発泡倍率である。実線ラインL5bが第1可動型部32に対応する部分の発泡倍率の変化特性を示し、破線ラインL6bが第2可動型部36に対応する部分の発泡倍率の変化特性を示している。
この第2変形例では、図10から良く分かるように、第1可動型部32と第2可動型部36とは、略同じタイミングでコアバックが開始されるが、コアバック開始後所定期間は、第2可動型部36のキャビティ厚さの変化率(つまりコアバック速度)は、第1可動型部32のそれよりもかなり小さく抑制され、その後、両者は略等しくなる。
また、図11のグラフから良く分かるように、この第2変形例においても、より好ましくは、コアバック初期のある程度の期間は、第1可動型部32に対応する部分の発泡倍率が第2可動型部36に対応する部分の発泡倍率よりも大きくなるように設定されている。
尚、以上の説明は、穴部を有する部材を発泡樹脂成形する場合についてのものであったが、本発明は、穴部に限定されるものではなく、例えば図12,図13,図14に示すような切欠部51,52,53を有する部材を発泡樹脂成形法にて成形する場合についても、有効に適用することができるものである。
また、前述の実施形態は、車両用の空調ダクト及びこれを簡略化したモデルの成形を例にとったものであったが、本発明は、かかる場合に限定されるものではなく、種々の他の発泡樹脂成形品を成形する場合にも適用することができるものである。
このように、本発明は、例示された実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
本発明は、樹脂に発泡剤を含有させた発泡性樹脂から成形されてなる発泡樹脂成形品の成形方法及び成形装置に関し、例えば、車両用の空調ダクトなど、軽量性や断熱性などに優れた発泡樹脂成形品を成形する場合に、好適に適用することができる。
本発明の実施形態に係る発泡樹脂成形品としての空調ダクトの断面構造を示す断面説明図である。 前記空調ダクトの取付フランジ部の穴部を拡大して示す平面図である。 本発明の実施形態に係るワークを発泡樹脂成形するための成形装置を模式的に示す断面図である。 図3の要部を拡大して示す拡大断面図で、前記ワークの発泡樹脂成形のコアバック工程を説明するための工程説明図の一部である。 図3の要部を拡大して示す拡大断面図で、前記ワークの発泡樹脂成形のコアバック工程を説明するための工程説明図の一部である。 前記ワークの発泡樹脂成形での可動型コアバック時におけるキャビティ厚さの変化特性を示すグラフである。 前記ワークの発泡樹脂成形での可動型コアバック時における発泡倍率の変化特性を示すグラフである。 前記実施形態の第1変形例に係る発泡樹脂成形での可動型コアバック時におけるキャビティ厚さの変化特性を示すグラフである。 前記第1変形例に係る発泡樹脂成形での可動型コアバック時における発泡倍率の変化特性を示すグラフである。 前記実施形態の第2変形例に係る発泡樹脂成形での可動型コアバック時におけるキャビティ厚さの変化特性を示すグラフである。 前記第2変形例に係る発泡樹脂成形での可動型コアバック時における発泡倍率の変化特性を示すグラフである。 切欠部を有する発泡樹脂成形品の一例を示す斜視図である。 切欠部を有する発泡樹脂成形品の一例を示す斜視図である。 切欠部を有する発泡樹脂成形品の一例を示す斜視図である。 従来例に係る穴部を有する発泡樹脂成形品の成形方法を模式的に説明するための図で、コアバック前の状態を示す成形型の要部の断面図である。 前記従来例に係る穴部を有する発泡樹脂成形品の成形方法を模式的に説明するための図で、コアバック後の状態を示す成形型の要部の断面図である。 前記従来例に係る穴部の拡張状態を示す模式的な説明図である。
符号の説明
1 空調ダクト
2 ダクト本体部
3 取付フランジ部
4,12 穴部
10 ワーク
20 成形型
21 固定型
22 凸状部
30 成形キャビティ
31 可動型
32 第1可動型部
33 (第1可動型部の)コア本体部
33f 第1型面
34 (第1可動型部の)中央凸部
34w 縦壁部
36 第2可動型部
37 (第2可動型部の)コア本体部
37f 第2型面
40 射出装置
41 発泡性樹脂
42 (材料)樹脂
45 ボンベ
46 超臨界流体発生装置
47 超臨界流体注入装置
51,52,53 切欠部
M 成形装置

Claims (10)

  1. 固定型と可動型とを組み合わせて形成した成形キャビティ内に溶融状態の発泡性樹脂を注入し、前記可動型をコアバックさせて前記成形キャビティの容積を少なくとも部分的に拡大させることにより前記発泡性樹脂の発泡を促進するコアバック成形法を用い、前記成形キャビティ内に前記可動型のコアバック方向に略沿って型の縦壁部を存在させると共に、前記発泡性樹脂の前記縦壁部に隣接する部分も前記可動型のコアバックに伴って発泡させる、発泡樹脂成形品の成形方法であって、
    前記可動型を、前記縦壁部を有する第1可動型部と、これに隣接する第2可動型部とでなる分割構造とし、
    前記第1可動型部のコアバック量率を前記第2可動型部のコアバック量率に比して小さく設定した、
    ことを特徴とする発泡樹脂成形品の成形方法。
  2. 前記第1可動型部の固定型に対向する第1型面は、コアバック前においては前記第2可動型部の固定型に対向する第2型面よりも反固定型側に位置し、コアバック完了後においては前記第2型面と略面一となる、ことを特徴とする請求項1に記載の発泡樹脂成形品の成形方法。
  3. 前記縦壁部により、成形品に開口部および切欠部の少なくとも何れか一方の縁部を成形する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡樹脂成形品の成形方法。
  4. 前記発泡性樹脂は物理発泡剤を含有している、ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の発泡樹脂成形品の成形方法。
  5. 前記物理発泡剤が超臨界状態の流体である、ことを特徴とする請求項4に記載の発泡樹脂成形品の成形方法。
  6. 互いに組み合わされて成形キャビティを形成する固定型と可動型とを有する成形型と、樹脂に発泡剤を含有させた発泡性樹脂を溶融状態で前記成形キャビティ内に注入する注入手段と、前記可動型を前記成形キャビティの容積を少なくとも部分的に拡大させるように前記固定型に対して移動させる可動型コアバック手段と、を備え、
    前記成形キャビティ内に溶融状態の発泡性樹脂を注入し、前記可動型をコアバックさせて前記成形キャビティの容積を少なくとも部分的に拡大させることにより前記発泡性樹脂の発泡を促進するコアバック成形法を用い、前記成形キャビティ内に前記可動型のコアバック方向に略沿って型の縦壁部を存在させると共に、前記発泡性樹脂の前記縦壁部に隣接する部分も前記可動型のコアバックに伴って発泡させる、発泡樹脂成形品の成形装置であって、
    前記可動型は、前記縦壁部を有する第1可動型部と、これに隣接する第2可動型部とでなる分割構造であり、
    前記可動型コアバック手段は、前記第1可動型部のコアバック量率を前記第2可動型部のコアバック量率に比して小さく設定して、可動型をコアバックさせる、
    ことを特徴とする発泡樹脂成形品の成形装置。
  7. 前記第1可動型部の固定型に対向する第1型面は、コアバック前においては前記第2可動型部の固定型に対向する第2型面よりも反固定型側に位置しており、
    前記可動型コアバック手段は、コアバック完了後においては前記第1型面と前記第2型面とが略面一となるように、可動型をコアバックさせる、
    ことを特徴とする請求項6に記載の発泡樹脂成形品の成形装置。
  8. 前記縦壁部が、成形品の開口部および切欠部の少なくとも何れか一方の縁部を規定している、ことを特徴とする請求項6又は7に記載の発泡樹脂成形品の成形装置。
  9. 前記注入手段は物理発泡剤を含有する発泡性樹脂を注入する、ことを特徴とする請求項6から8の何れかに記載の発泡樹脂成形品の成形装置。
  10. 前記注入手段は、前記物理発泡剤として超臨界状態の流体を含有する発泡性樹脂を注入する、ことを特徴とする請求項9に記載の発泡樹脂成形品の成形装置。
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