JP2011025452A - 発泡成形用金型及び発泡成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】リブ、つめ形状等の突起形状を有する発泡成形品を成形するときに、発泡樹脂を突起成形部まで充填することができると共にサイクルタイムを長くすることなくヒケやウェルドラインの発生を防止することを目的とする。
【解決手段】本発明は、発泡樹脂を充填して発泡成形品を成形するための発泡成形用金型20であって、発泡樹脂が充填される本体成形部24と、前記本体成形部24に開口し発泡樹脂が充填される突起成形部25とを具備し、前記本体成形部24と前記突起成形部25とで形成される角部に、前記本体成形部24と前記突起成形部25とに連通した樹脂導入部26を形成したことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、発泡成形品を成形するための発泡成形用金型及び発泡成形品の製造方法に関するものである。特に、リブ、つめ形状等の突起形状を有する発泡成形品を成形する場合に用いられて好適である。
通常の射出成形によりリブ、つめ形状等の突起形状を有する成形品を成形用金型で成形すると、成形品には、突起形状を有する面とは反対面にヒケが発生したり、ウェルドラインが発生したりすることがあった。従来、突起形状の反対面に発生するヒケを目立たなくするために、成形品の突起形状の根元の肉厚を成形品の基本肉厚より薄くする等の手法が取られている。また、特許文献1に開示された手法では、ウェルドラインを目立たなくするために、樹脂の流動方向に直交する方向に突起形状を配向されるようにして、成形品を成形する手法が開示されている。
特開2008−49652号公報
しかしながら、突起形状を有する成形品を発泡成形用金型で発泡成形する場合、上述したような通常の射出形成と異なり、発泡倍率を確保するために、発泡樹脂が冷えないように高速で発泡成形用金型内に充填させ、保圧をかけないで成形する。
したがって、発泡成形品の突起形状の根元の肉厚を発泡成形品の基本肉厚よりも薄くして、かつ樹脂の流動方向に直交する方向に突起形状を形成するような手法を用いて成形したとしても、突起形状を成形する発泡成形用金型の成形部にまで発泡樹脂が充填されず、突起形状を有する面とは反対面にヒケが発生してしまうという問題がある。
ここで、具体的に図9を参照して突起形状を有する発泡成形品を成形する場合について説明する。図9(a)は、成形する発泡成形品の一例を示す図である。図9(b)、(c)は、発泡成形用金型で発泡成形品を成形する方法を説明するための図である。
図9(a)に示すように、発泡成形品100は、直方体状の成形品本体部101に薄い幅広な突起部(リブ)102が立設された形状を有している。
図9(b)、(c)は、図9(a)に示す発泡成形品100を成形するための発泡成形用金型110の構成を示す断面図である。
発泡成形用金型110は、固定側金型111、可動側金型112から構成されている。固定側金型111と可動側金型112とを型合わせしたときに生じる空間が発泡成形品を成形するためのキャビティ113となる。また、固定側金型111には、突起部102を成形するための溝状の突起成形部115が発泡樹脂の流動方向に対して直交する方向に形成されている。
また、可動側金型112は、キャビティ113に充填された発泡樹脂を発泡させるために固定側金型111に対して離間する方向に可動する、いわゆるコアバック動作を行う(ここでは、下側方向に可動する)。さらに、可動側金型112は、キャビティ113に発泡成形品が成形された後、キャビティ113から発泡成形品を取り出せるように、固定側金型111に対し、さらに離間する方向に可動する。
発泡成形用金型110を用いて、発泡成形品を成形する場合、固定側金型111に可動側金型112を型合わせした状態で、溶融した発泡樹脂をキャビティ113に図9(b)に示す矢印方向に充填させる。上述したように発泡成形では、高速で、かつ保圧をかけないように充填させるために、発泡樹脂は、突起成形部115内に入り込み難く、図9(b)に示すように、突起成形部115の開口付近までしか入らない。
次に、可動側金型112がコアバック動作をして、キャビティ113内の圧力を開放させて、充填された発泡樹脂をキャビティ113内で発泡させる。
発泡樹脂が発泡すると、図9(c)に示すように、キャビティ113内では、発泡成形品100の外殻を構成する、樹脂の密度の高いスキン層A(未発泡層)と、内部を構成する、比較的樹脂の密度の低い発泡層Bとが混在した状態で成形される。このとき、突起成形部115の開口付近までしか入らなかった発泡樹脂は、突起成形部115の先端方向に向かって発泡するために、突起成形部115と反対側(可動側金型112側)に向かって発泡する力が不足してしまう。したがって、図9(c)に示すように、成形された発泡成形品は、突起部が形成された反対側の面にヒケが発生してしまうという問題が生じる。
一方、このような発泡成形品のヒケの発生を防止するために、突起部102を成形する溝状の突起成形部全体を広くすることが考えられる。
ここで、具体的に図10(a)、(b)を参照して、溝状の突起成形部全体を広くした発泡成形用金型120により発泡成形品を成形する場合について説明する。
図10(a)、(b)に示すように、固定側金型121に形成されている溝状の突起成形部125は、図9(b)に示す溝状の突起成形部115に比べて、空間が広く形成されている。
この場合、流動する発泡樹脂は突起成形部125内に入り込み易く、図10(a)に示すように、突起成形部125の先端まで充填される。したがって、可動側金型122がコアバック動作をして、発泡樹脂をキャビティ123内で発泡させると、図10(b)に示すように発泡樹脂は、突起成形部125の先端まで充填されているため、突起成形部125と反対側(可動側金型122側)に向かっても発泡するので、ヒケが発生しない。
しかしながら、成形した発泡成形品の突起部が肉厚になってしまうために、冷却に時間を要してしまい、発泡成形品を成形するサイクルタイムが長くなってしまい、生産性が低下するという問題が生じる。
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、リブ、つめ形状等の突起形状を有する発泡成形品を成形するときに、発泡樹脂を突起成形部まで充填させると共にサイクルタイムを長くすることなくヒケやウェルドラインの発生を防止することを目的とする。
本発明に係る発泡成形用金型は、発泡樹脂を充填して発泡成形品を成形するための発泡成形用金型であって、発泡樹脂が充填される本体成形部と、前記本体成形部に開口し発泡樹脂が充填される突起成形部とを具備し、前記本体成形部と前記突起成形部とで形成される角部に、前記本体成形部と前記突起成形部とに連通した樹脂導入部を形成したことを特徴とする。
また、前記樹脂導入部の前記本体成形部に対する開口縁は、湾曲していることを特徴とする。
また、前記樹脂導入部の前記本体成形部に対する開口縁の少なくとも一部は、平面視でみたときに、発泡樹脂が該発泡成形用金型に充填するときの流動方向に対して対峙していることを特徴とする。
また、前記樹脂導入部の内面は、前記突起成形部の深さ方向に対して略直交する方向に広がる扇形形状に形成されていることを特徴とする。
また、前記樹脂導入部の内面は、球状形状に形成されていることを特徴とする。
また、前記扇形形状の樹脂導入部は、前記本体成形部に対する前記樹脂導入部の開口面積が、前記本体成形部に対する前記突起成形部の開口面積の50パーセント以上であり、前記樹脂導入部の深さが、前記突起成形部の深さの50パーセント以上であり、前記樹脂導入部の空間の容積が、前記突起成形部の空間の容積の30パーセント以上であることを特徴とする。
本発明に係る発泡成形品の製造方法は、発泡樹脂が充填される本体成形部と、前記本体成形部に開口し発泡樹脂が充填される突起成形部とを具備する発泡成形用金型に発泡樹脂を充填して発泡成形品を成形する発泡成形品の製造方法であって、前記本体成形部と前記突起成形部とで形成される角部に、前記本体成形部と前記突起成形部とに連通した樹脂導入部を介して、前記本体成形部から前記突起成形部に発泡樹脂を充填することを特徴とする。
本発明によれば、リブ、つめ形状等の突起形状を有する発泡成形品を成形するときに、発泡樹脂を突起成形部まで充填させることができると共にサイクルタイムを長くすることなくヒケやウェルドラインの発生を防止することができる。
例えば発泡樹脂が充填される本体成形部と、前記本体成形部に開口し発泡樹脂が充填される突起成形部とを具備し、前記本体成形部と前記突起成形部とで形成される角部に、前記本体成形部と前記突起成形部とに連通した樹脂導入部を形成したことにより、樹脂導入部を通して突起成形部に発泡樹脂を充填しやすくすることができる。
また、例えば樹脂導入部の前記本体成形部に対する開口縁は、湾曲していることから、本体成形部内を流動している発泡樹脂を幅広く突起成形部に導くことができる。
また、例えば樹脂導入部の前記本体成形部に対する開口縁の少なくとも一部は、平面視でみたときに、発泡樹脂が該発泡成形用金型に充填するときの流動方向に対して対峙していることから、本体成形部内を流動している発泡樹脂を幅広く突起成形部に導くことができる。
また、例えば扇形形状の樹脂導入部は、前記本体成形部に対する前記樹脂導入部の開口面積が、前記本体成形部に対する前記突起成形部の開口面積の50パーセント以上であり、前記樹脂導入部の深さが、前記突起成形部の深さの50パーセント以上であり、前記樹脂導入部の空間の容積が、前記突起成形部の空間の容積の30パーセント以上であることから、発泡樹脂を突起成形部に早く充填させることができる。
本実施形態に係る発泡成形用金型により成形された発泡成形品の一例を示す図である。 発泡成形用金型の構成を示す断面図である。 発泡成形用金型を用いて発泡成形品を成形する方法を説明するための図である。 発泡樹脂の他の流動方向について説明するための図である。 発泡成形品のモデルの一例を示す斜視図である。 発泡成形品の突起形状の一例を示す斜視図である。 突起成形部に充填される発泡樹脂の充填時間の判定結果を示す図である。 他の実施形態に係る発泡成形用金型により成形された発泡成形品の一例を示す図である。 従来の発泡成形用金型を用いて発泡成形品を成形する方法を説明するための図である。 従来の発泡成形用金型を用いて発泡成形品を成形する方法を説明するための図である。
以下、図面に基づき、本発明に係る発泡成形用金型(以下、成形用金型という)の好適な実施形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る成形用金型により成形された発泡成形品の一例を示す図である。図1(a)は、発泡成形品の斜視図である。図1(b)は、発泡成形品の平面図である。図1(c)は、発泡成形品の正面図である。
発泡成形品10は、直方体状の成形品本体部11に薄い幅広な突起部(リブ)12が立設された形状を有している。また、突起部12の根元であって、成形品本体部11と突起部12とで形成される角部には、平面視(図1(b))でみて扇形形状とする肉厚部13が形成されている。より具体的に説明すると、肉厚部13は、突起部12の一方の略垂直面12aの幅方向における中央を中心とした扇形、本実施形態では略半円である。この肉厚部13は、突起部12の高さ方向に沿って立設している。
このような扇形形状の肉厚部13を形成することにより成形用金型で発泡成形品10を成形するときに、溶融した発泡樹脂が突起部12を成形する後述する突起成形部まで充填しやすくなる。
次に、発泡成形品10を成形するための本実施形態に係る成形用金型20の構成について図2を参照して説明する。
図2は、図1に示す発泡成形品10を成形するための成形用金型20の構成を示す断面図である。なお、図2に示す成形用金型20は、図1(b)に示す発泡成形品10のI−I断面に対応する位置で切断したものである。
成形用金型20は、固定側金型21、可動側金型22から構成されている。固定側金型21と可動側金型22とを型合わせしたときに囲まれた空間が発泡成形品を成形するためのキャビティ23となる。キャビティ23には、発泡成形品10の成形品本体部11を成形するための本体成形部24と、この本体成形部24に開口し発泡成形品10の突起部12を成形するための突起成形部25と、扇形形状の肉厚部13を成形するための樹脂導入部26とが形成されている。
また、固定側金型21には、溶融された発泡樹脂をキャビティ23に充填させるための通路となる孔状のスプルー27が樹脂導入部26側に形成されている。図2に示すスプルー27は、突起成形部25の長手溝幅方向(紙面垂直方向)における中心を通り、突起成形部25の長手溝幅方向に対して直交する位置に配設されている。したがって、図2に示す成形用金型20では、発泡樹脂は、スプルー27から流動しキャビティ23内を図2の矢印方向に示すように右側から左側に流動する。
突起成形部25は、発泡樹脂の流動方向に対し略直交する方向に深い溝状に形成されている。突起成形部25は、発泡樹脂の流動方向に対し略直交する方向が長手溝幅方向であり、発泡樹脂の流動方向に対し略平行する方向が短手溝幅方向である。また、図2に示すように、突起成形部25は、開口から先端(深さ方向)に向かうにしたがって短手溝幅を狭くさせた、いわゆる抜き勾配が形成されている。
樹脂導入部26は、本体成形部24と突起成形部25とに連通していて、本体成形部24と突起成形部25とで形成される角部のうち、発泡樹脂が流動してくる方向に近い側の角部に形成されている。樹脂導入部26は、上述した発泡成形品10の扇形形状の肉厚部13の凹凸を逆にした形状である。すなわち、樹脂導入部26の本成成形部24に対して開口する開口縁26aは、矢印A方向の平面視でみたとき、湾曲して形成されている。したがって、開口縁26aの少なくとも一部は、矢印A方向の平面視でみたとき、発泡樹脂の流動してくる方向に対して対峙している。また、樹脂導入部26の内面は、発泡樹脂の流動方向と反対方向に広がる扇形形状に形成されている。
このように、樹脂導入部26は、本体成形部24に対する突起成形部25の開口の一部を広げる役割を有している。したがって、樹脂導入部26を形成することにより、スプルー27からキャビティ23内に流入された発泡樹脂は、本体成形部24に流入した後、樹脂導入部26を通って、突起成形部25内に流入し易くなる。
次に、図3(a)、(b)を参照して、成形用金型20を用いて発泡成形品10を成形する方法について説明する。
まず、成形用金型20の固定側金型21と可動側金型22とを型合わせした状態で、図示しない成形機が、溶融した発泡樹脂をスプルー27に高速で射出する。スプルー27に射出された発泡樹脂は、キャビティ23の本体成形部24内に流入する。この後、発泡樹脂が、突起成形部25の開口近くまで充填されると、突起成形部25の開口を広げる役割を有する樹脂導入部26内に発泡樹脂を流入させることができる。すなわち、突起成形部25の開口が狭くとも、本体成形部24に高速で流入した発泡樹脂は、樹脂導入部26を通って、突起成形部25の先端にまで充填する。そして、図3(a)に示すように、本体成形部24全体に発泡樹脂を充填させ、キャビティ23内の全てに発泡樹脂を充填させることができる。なお、発泡成形では、キャビティ23内に発泡樹脂を充填させた後、樹脂圧力を一定時間保持する保圧を行わないので、通常は、突起成形部25内に発泡樹脂を充填させるのが困難であるが、本実施形態のように、樹脂導入部26を形成したことにより、突起成形部25内にも満遍なく発泡樹脂を充填させることができる。
その後、成形機が、可動側金型22を固定側金型21に対して離間する方向に可動させる、コアバック動作を行う。ここでは、図3(b)に示すように、可動側金型22を固定側金型21に対して距離L1、離すことで、キャビティ23の空間が可動側金型22の移動方向に拡大する。このとき、キャビティ23に充填された発泡樹脂が発泡し、図3(b)に示すように、発泡成形品10の外殻を構成する、密度の高いスキン層A(未発泡層)と、内部を構成する、比較的樹脂の密度の低い発泡層Bが混在した状態で成形される。このとき、上述したように発泡樹脂は、突起成形部25の先端まで十分に充填されているので、突起成形部25の先端方向に対して反対方向に発泡する力が不足することがなく、発泡成形品にヒケが生じることがない。
その後、成形機が、可動側金型22を固定側金型21に対して、さらに離間する方向に可動させて、キャビティ23から発泡成形品10を取り出す。このとき、突起成形部25により成形される突起部12の厚みは薄く、樹脂導入部26により成形される扇形形状の肉厚部13は、突起部12の一方の垂直面12aにしか形成されていない。したがって、成形用金型20によって成形された発泡成形品10はすぐに冷却されるので、発泡成形品10を成形するサイクルタイムが長くなることはない。
このように、本実施形態の成形用金型20によれば、本体成形部24と突起成形部25とで形成される角部に本体成形部24に対する突起成形部25の開口を広げるように樹脂導入部26を形成することにより、樹脂導入部26を通って突起成形部25の先端まで容易に発泡樹脂を充填させることができると共にサイクルタイムを長くすることなくヒケやウェルドラインの発生を防止することができる。
なお、図2、図3に示す成形用金型20ではスプルー27を突起成形部25の長手溝幅方向における中心を通り突起成形部25の長手溝幅方向に対して直交する位置に配設し、発泡樹脂が突起成形部25の長手溝幅方向に対して略直交する方向に流動する場合について説明したが、この場合に限られない。
ここで、図4を参照して、発泡樹脂の他の流動方向について説明する。
図4は、図1に示す発泡成形品10であって、スプルーの位置を破線で示した斜視図である。ここでは、成形用金型20のキャビティ23の代わりに発泡成形品10を用いて発泡樹脂の流動方向について説明する。
図4において、スプルー27Aは、上述した図2、図3に示す実施形態と同一の位置である。すなわち、スプルー27Aは、肉厚部13が形成されている側であって、突起部12の幅方向における中心で、突起部12の幅方向に対して略直交する位置に配設されている。したがって、スプルー27Aによる発泡樹脂の供給口27aと、樹脂導入部26の扇形形状の一部とが対峙する。
ここで、スプルー27Aから流入された発泡樹脂は、矢印41Aに示すように、突起部12の幅方向に対して略直交する方向に流動する。すなわち、スプルー27Aから流入された発泡樹脂は、肉厚部13を成形する樹脂導入部26の扇状形状の一部と対峙するので、樹脂導入部26内に流入しやすく、突起部12を成形する突起成形部25内に流入し易くなる。
次に、図4において、スプルー27Bは、肉厚部13が形成されている側で、突起部12の幅方向に対して傾斜した角度α(例えば45度)の位置に配設されている。したがって、スプルー27Bによる発泡樹脂の供給口27bと、樹脂導入部26の扇形形状の一部とが対峙する。
ここで、スプルー27Bから流入された発泡樹脂は、矢印41Bに示すように、突起部12の幅方向に対して斜めの角度で流動する。この場合であっても、スプルー27Bから流入された発泡樹脂は、肉厚部13を成形する樹脂導入部26の扇状形状の一部と対峙するので、樹脂導入部26内に流入しやすく、突起部12を成形する突起成形部25内に流入し易くなる。なお、スプルー27Cも同様に、スプルー27Cから流入された発泡樹脂は、肉厚部13を成形する樹脂導入部26の扇状形状の一部と対峙するので、樹脂導入部26内に流入しやすくなる。
すなわち、樹脂導入部26の扇形形状の円弧の少なくとも一部が、成形用金型20のキャビティ23に充填するときの発泡樹脂の流動方向に対して対峙するのであれば、スプルー27を配設する位置はどのような位置であってもよい。逆に、成形用金型20のキャビティ23に充填するときの発泡樹脂の流動方向に対して樹脂導入部26の扇形形状の円弧の少なくとも一部が対峙するのであれば、樹脂導入部26を形成する位置はどのような位置であってもよい。このように、樹脂導入部26の内面を扇形形状にすることで、流動する発泡樹脂を広い角度で樹脂導入部26に導くことができる。
ここで、発泡樹脂が樹脂導入部26から突起成形部25に流入し、突起成形部25の先端まで充填する時間が長いと発泡成形品を成形するサイクルタイムが長くなってしまう。そして、突起成形部25に発泡樹脂が充填される時間は、突起成形部25に対する樹脂導入部26の形状や大きさ等に左右すると考えられる。
したがって、以下では、突起成形部25に発泡樹脂が充填される時間を所定の時間までに短縮させることができる樹脂導入部26の形状や大きさ等について検証する。
ここでは、図5に示すような発泡成形品のモデルを作製し、検証する。図5は、検証に用いた発泡成形品51の一例を示す斜視図である。発泡成形品51は、成形本体部52に複数の突起部53(53a〜53h)が立設されている。突起部53a〜53hは、同一形状であって、それぞれ幅方向(長手方向)が平行に立設している。また、成形本体部52の中心には、スプルー55を破線で示している。各突起部53a〜53hは、それぞれスプルー55から同じ距離L2(ここでは、100mm)に立設されている。したがって、スプルー55から流入された発泡樹脂は、スプルー55を中心に円状に広がるような流動方向となる。
ここで、突起部53a、53eは、発泡樹脂の流動方向に対して突起部53a、53eの幅方向が平行になるように配置されている。また、突起部53c、53gは、発泡樹脂の流動方向に対して突起部53c、53gの幅方向が直交するように配置されている。また、突起部53b、53d、53f、53hは、発泡樹脂の流動方向に対して突起部53b、53d、53f、53hの幅方向が傾くように配置されている。
このような発泡成形品51を成形する場合、発泡樹脂の流動方向に対して突起部の幅方向が平行して配置されている突起部53a、53eを成形する成形用金型の突起成形部には、発泡樹脂が充填されやすい。一方、発泡樹脂の流動方向に対して突起部の幅方向が直交して配置されている突起部53c、53gを成形する成形用金型の突起成形部には、発泡樹脂が充填され難い。したがって、ここでは、スプルー55から発泡樹脂を流入させたときに、突起部53c、53gを成形する突起成形部に発泡樹脂が充填される時間が、突起部53a、53eを成形する突起成形部に発泡樹脂が充填される時間以下になるような樹脂導入部の形状や大きさを検証する。
ここでは、突起部53c、53gのうち突起部53cを取り上げて説明する。突起部53cの各寸法について、図6を参照して説明する。図6に示す突起部53cは、突起部53cの根元厚みT1を1.2mmとし、突起部53cの先端厚みT2を0.8mmとし、突起部53cの幅Wを10mmとし、突起部53cの底面積S1を12mm2とし、突起部53cの高さH1を10mmとし、突起部53cの体積V1を100mm3とする。
なお、突起部53cの各寸法を、それぞれ図2、図3に示す突起部53cを成形する成形用金型20に対応させると、突起部53cの根元厚みT1は本体成形部24に対する突起成形部25の開口幅(短手溝幅)に対応し、先端厚みT2は突起成形部25の先端の短手溝幅に対応し、幅Wは本体成形部24に対する突起成形部25の開口幅(長手溝幅)に対応し、底面積S1は本体成形部24に対する突起成形部25の開口の開口面積に対応し、高さH1は突起成形部25の深さに対応し、体積V1は突起成形部25の空間の容積に対応する。なお、本体成形部24に対する突起成形部25の開口の開口面積は、樹脂導入部26がないときの本体成形部24の空間と突起成形部25の空間とが接する面積である。
次に、扇形形状の肉厚部54として、突起部53cの発泡樹脂が流動してくる方向の側に半円状の肉厚部54を形成する。ここでは、肉厚部54の半径をR、底面積をS2、高さをH2、体積をV2とする。
なお、肉厚部54の各寸法を、それぞれ図2、図3に示す肉厚部54を成形する成形用金型20に対応させると、肉厚部54の半径Rは樹脂導入部26の扇形形状の半径に対応し、底面積S2は本体成形部24に対する樹脂導入部26の開口の開口面積に対応し、高さH2は樹脂導入部26の深さに対応し、体積V2は樹脂導入部26の空間の容積に対応する。なお、本体成形部24に対する樹脂導入部26の開口の開口面積は、突起成形部25がないときの本体成形部24の空間と樹脂導入部26の空間とが接する面積である。
なお、ここでは、解析ソフトとして、Moldflow Plastics Insight6.2を用いた。また、解析条件として、金型温度50℃、使用樹脂をPP(ポリプロピレン)、樹脂温度を200℃、樹脂の流動速度を135cm3/s、保圧を0Paとした。そして、肉厚部54の半径R等を変化させて、突起部53c、53gを成形する突起成形部25に発泡樹脂が充填される時間が、突起部53a、53eを成形する突起成形部25に発泡樹脂が充填される時間以下になる条件を検証した。なお、このとき、突起部53a、53eを成形する突起成形部25に発泡樹脂が充填される時間は、突起部53a、53eを成形する突起成形部に連通する樹脂導入部が形成されていない場合における発泡樹脂が充填される時間である。
この結果、図7の表に示すような試料1〜7の検証結果を得た。図7において、判定に「○」が付されている試料1、2および5の条件が、発泡樹脂が充填される時間が突起部53a、53eを成形する突起成形部25に発泡樹脂が充填される時間以下であることを示している。ここでは、肉厚部54の半径Rと共に、突起部53cの底面積S1に対する肉厚部54の底面積S2の割合、突起部53cの高さH1に対する肉厚部54の高さH2の割合、突起部53cの体積V1に対する肉厚部54の体積V2の割合を検証結果に示す。
図7に示す検証結果によれば、試料1、2の結果から突起部53cの底面積S1に対して肉厚部54の底面積S2を50パーセント以上にし、突起部53cの高さH1に対して肉厚部54の高さH2を50パーセント以上にし、突起部53cの体積V1に対して肉厚部54の体積V2を30パーセント以上にする。また、試料5の結果から突起部53cの底面積S1に対して肉厚部54の底面積S2を118パーセント以上にし、突起部53cの高さH1に対して肉厚部54の高さH2を40パーセント以上にし、突起部53cの体積V1に対して肉厚部54の体積V2を57パーセント以上にする。少なくとも、このような条件にすることにより、突起部53c、53gを成形する突起成形部25に発泡樹脂が充填される時間が、突起部53a、53eを成形する突起成形部25に発泡樹脂が充填される時間以下になることが検証された。
すなわち、図2および図3に示す成形用金型20に対応させると、試料1、2の結果から、少なくとも突起成形部25の開口面積S1に対して樹脂導入部26の開口面積S2を50パーセント以上にし、突起成形部25の深さH1に対して樹脂導入部26の深さH2を50パーセント以上にし、突起成形部25の容積V1に対して樹脂導入部26の容積V2を30パーセント以上にすることにより、突起成形部25に発泡樹脂を充填させる時間を短縮させることができる。
また、試料5の結果から、少なくとも突起成形部25の開口面積S1に対して樹脂導入部26の開口面積S2を118パーセント以上にし、突起成形部25の深さH1に対して樹脂導入部26の深さH2を40パーセント以上にし、突起成形部25の容積V1に対して樹脂導入部26の容積V2を57パーセント以上にすることにより、突起成形部25に発泡樹脂を充填させる時間を短縮させることができる。
なお、上述した実施形態では、成形用金型20に扇形形状の樹脂導入部26を形成することにより、発泡樹脂が本体成形部24に流入した後、樹脂導入部26を通って、突起成形部25内に流入し易くする場合について説明した。しかしながら、樹脂導入部26は、扇形形状に限られず、球状形状であってもよい。
図8は、樹脂導入部26を球状形状に形成した成形用金型を用いて成形した発泡成形品80の斜視図である。図8に示すように、発泡成形品80には、発泡樹脂の流動方向82に対峙するように球状形状の肉厚部81が形成されている。したがって、上述した実施形態と同様、成形用金型では、発泡樹脂が球状形状の肉厚部81を成形する樹脂導入部を通って、突起成形部に流入し易い。このように、樹脂導入部の形状は、流動している発泡樹脂を樹脂導入部に導くことができる形状であればどのような形状であってよい。
なお、発泡樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましく、化学発泡剤を用いてもよいし、物理発泡剤を用いてもよい。
また、成形機としては、コアバック動作(コアバック制御)を正確に行うことができる電動射出成形機、ハイブリッド射出成形機であることが望ましいが、油圧制御の射出成形機であってもよい。
また、上述した成形用金型では、突起部を成形するための突起成形部および樹脂導入部を固定側金型に形成する場合について説明したが、この場合に限られず、可動側金型に突起成形部および樹脂導入部を形成してもよい。
10:発泡成形品 11:成形品本体部 12:突起部 13:扇形形状の肉厚部
20:発泡成形用金型 21:固定側金型 22:可動側金型 23:キャビティ
24:本体成形部 25:突起成形部 26:樹脂導入部 27:スプルー
51:発泡成形品 53(53a〜53h):突起部
80:発泡成形品 81:球状形状の肉厚部

Claims (7)

  1. 発泡樹脂を充填して発泡成形品を成形するための発泡成形用金型であって、
    発泡樹脂が充填される本体成形部と、
    前記本体成形部に開口し発泡樹脂が充填される突起成形部とを具備し、
    前記本体成形部と前記突起成形部とで形成される角部に、前記本体成形部と前記突起成形部とに連通した樹脂導入部を形成したことを特徴とする発泡成形用金型。
  2. 前記樹脂導入部の前記本体成形部に対する開口縁は、湾曲していることを特徴とする請求項1に記載の発泡成形用金型。
  3. 前記樹脂導入部の前記本体成形部に対する開口縁の少なくとも一部は、平面視でみたときに、発泡樹脂が該発泡成形用金型に充填するときの流動方向に対して対峙していることを特徴とする請求項2に記載の発泡成形用金型。
  4. 前記樹脂導入部の内面は、前記突起成形部の深さ方向に対して略直交する方向に広がる扇形形状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の発泡成形用金型。
  5. 前記樹脂導入部の内面は、球状形状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の発泡成形用金型。
  6. 前記扇形形状の樹脂導入部は、
    前記本体成形部に対する前記樹脂導入部の開口面積が、前記本体成形部に対する前記突起成形部の開口面積の50パーセント以上であり、
    前記樹脂導入部の深さが、前記突起成形部の深さの50パーセント以上であり、
    前記樹脂導入部の空間の容積が、前記突起成形部の空間の容積の30パーセント以上であることを特徴とする請求項4に記載の発泡成形用金型。
  7. 発泡樹脂が充填される本体成形部と、前記本体成形部に開口し発泡樹脂が充填される突起成形部とを具備する発泡成形用金型に発泡樹脂を充填して発泡成形品を成形する発泡成形品の製造方法であって、
    前記本体成形部と前記突起成形部とで形成される角部に、前記本体成形部と前記突起成形部とに連通した樹脂導入部を介して、前記本体成形部から前記突起成形部に発泡樹脂を充填することを特徴とする発泡成形品の製造方法。
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JP2018034420A (ja) * 2016-08-31 2018-03-08 積水テクノ成型株式会社 射出発泡成形用金型

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