JP5691476B2 - 発泡樹脂成形品の成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車用部品等の発泡樹脂成形品の成形方法に関し、発泡樹脂成形品の成形技術の分野に属する。
自動車用部品等として発泡樹脂成形品を用いる場合、この発泡樹脂成形品に、衝撃荷重が加えられたときに折れや割れが発生しやすい部分を意図的に設けることがある。具体的には、例えば特許文献1に開示されているように、インストルメントパネルやハンドルの一部で構成されるエアバッグカバーに、エアバッグ展開時に割れやすくするためのノッチ部を形成したりすることがある。
このようなノッチ部は、樹脂の発泡成形を行った後に作り込まれることがあるが、この場合、製造工程が増加するため、生産性が悪化してしまう。
そこで、生産性の向上を図る観点から、例えば図11に示すように、成形型110の成形面にノッチ部の形状に対応する突出部120を形成しておくことで、樹脂の発泡成形とノッチ部の形成とを同時に行う技術が知られている。
この図11の例では、成形型110が可動型114と固定型112とで構成され、先ず、図11(a)に示すように可動型114と固定型112とで囲まれるキャビティ116に発泡剤を含有する樹脂融液Bを射出して充填した後、図11(b)に示すように可動型114を固定型112から離間する方向へ移動(以下、「コアバック」ともいう。)させることで、上記のノッチ部を備えた発泡樹脂成形品が成形される。なお、このようにコアバックにより樹脂を発泡成形する技術は、例えば特許文献2に開示されているように周知の技術である。
特開平10−203287号公報 特開平11−156881号公報
しかしながら、図11に示すような突出部120を備えた成形型110を用いる場合、該突出部120と射出ゲートとの位置関係によっては、図11(a)に示すようにキャビティ116に樹脂融液Bを射出充填するときに、前記突出部120がキャビティ116内における樹脂融液Bの流動の抵抗となることがある。
この場合、樹脂融液Bの流動方向において、突出部120よりも下流側の樹脂部分B2の圧力が、上流側の樹脂部分B1の圧力よりも低くなり、発泡が進みやすい状態になる。この状態でコアバックを行うと、図11(b)に示すように、突出部120よりも下流側で成形される樹脂部分B2のセル径が過剰に大きくなり、当該樹脂部分B2の強度低下や外観の悪化を招いてしまうとともに、樹脂成形品全体として、品質や外観にばらつきが生じてしまう。
そこで、本発明は、被成形面にノッチ部を備えた発泡樹脂成形品を製造する場合において、生産性の向上を図りつつ、良好な品質、外観および均一性を備えた成形品を得ることができる発泡樹脂成形品の成形方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る発泡樹脂成形品の成形方法は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、
固定型と可動型とを備えた成形型を用いて被成形面にノッチ部を有する発泡樹脂成形品を成形する発泡樹脂成形品の成形方法であって、
前記可動型として、前記ノッチ部を成形するノッチ成形部に対応する位置で分割された第1分割型と第2分割型とを有する型を用いると共に、
前記固定型と前記可動型とで囲まれたキャビティに、発泡剤を含有する樹脂融液を射出して充填させる射出工程と、
該射出工程の前または後に、前記第1分割型を、前記第2分割型よりも前記固定型から離間した位置までコアバックさせる第1分割型コアバック工程と、
前記射出工程と前記第1分割型コアバック工程との後に、前記第2分割型の成形面に対向する樹脂部分における前記ノッチ成形部に沿った縁部に、前記ノッチ部を構成する形状ダレが生じるように、前記第2分割型を前記固定型から離間する方向にコアバックさせる第2分割型コアバック工程と、を備えたことを特徴とする。
次に、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、
前記第1分割型コアバック工程を前記射出工程の後に行う場合、
前記射出工程の終了時から所定の遅延時間が経過した後、前記第1分割型コアバック工程を行うことを特徴とする。
さらに、請求項3に記載の発明は、前記請求項1または請求項2に記載の発明において、
前記射出工程の開始時から前記第2分割型コアバック工程の終了時までの間、前記第2分割型を前記第1分割型よりも高温となるように温度調節することを特徴とする。
請求項1に記載の発明に係る発泡樹脂成形品の成形方法は、ノッチ成形部に対応する位置で分割された第1および第2の分割型を有する可動型を用いると共に、射出工程の終了後、第1分割型が第2分割型よりも固定型から離間して配置された状態で、第2分割型をコアバックさせることで、射出工程終了後にキャビティ内の樹脂の表面にスキン層が形成されることを利用して、第2分割型の成形面に対向する樹脂部分における前記ノッチ成形部に沿った縁部に形状ダレを意図的に生じさせるものであり、この形状ダレにより、前記成形品の被成形面にノッチ部を形成することができる。
この成形方法によれば、樹脂の発泡成形とノッチ部の形成とを同時に行うことができるため、ノッチ部を備えた発泡樹脂成形品を効率的に生産することができる。
また、本発明の成形方法では、上述の形状ダレを利用してノッチ部を形成することから、従来のようにノッチ部の形状に対応する突出部を成形型の成形面に設けなくても済むため、射出充填中の樹脂融液に流動抵抗が生じて樹脂融液の圧力にむらが生じることを防止することができる。よって、射出完了後のコアバック成形中に発泡むらが生じることを回避して、良好な品質、外観および均一性を備えた成形品を得ることができる。
さらに、請求項2に記載の発明によれば、第1分割型のコアバックを、射出工程が終了してから所定時間遅らせて行うため、第1分割型のコアバック前にキャビティ内の樹脂の表面にスキン層が形成されることを促すことができる。そのため、第1分割型のコアバック中に、第1分割型の成形面に対向する樹脂部分における前記ノッチ成形部に沿った縁部にも、第2分割型に対向する樹脂部分と同様の形状ダレを発生させることができる。したがって、これら両樹脂部分の形状ダレを利用して、前記成形品のノッチ部を形成することができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、射出工程の開始時から第2分割型コアバック工程の終了時までの間、第2分割型が第1分割型よりも高温となるように温度調節されるため、第2分割型コアバック工程が射出開始時から時間を置いて行われるにも拘わらず、その時間の経過に伴う冷却固化の進行を抑制することができ、これにより、第2分割型コアバック工程において、第2分割型の成形面に対向する樹脂部分をより適正に発泡成形することができる。
本発明の方法で成形される成形品の例として示す自動車のインストルメントパネルの斜視図である。 第1の実施形態に係る成形方法の手順を示す図である。 図2(b)の拡大図である。 図2(c)の拡大図である。 第2の実施形態に係る成形方法の手順を示す図である。 図5(a)の拡大図である。 図5(b)の拡大図である。 図5(c)の拡大図である。 第3の実施形態に係る成形方法により調節される可動型の温度の経時的変化を示すグラフである。 第4の実施形態に係る成形方法の手順を示す図である。 ノッチ部を備えた発泡樹脂成形品を成形する方法の従来例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
まず、本発明の方法で成形される発泡樹脂成形品の例を説明すると、図1に示す成形品1は、自動車のインストルメントパネルであり、このインストルメントパネル1の一部は、図示しないエアバッグを覆い隠すエアバッグカバー1aとなっている。エアバッグカバー1aの裏面の周縁部には、例えば上縁部を残してノッチ部2が設けられており、エアバッグカバー1aに裏面側から衝撃荷重が加えられたとき、ノッチ部2において割れが生じやすくなっている。よって、エアバッグが展開するとき、エアバッグカバー1aは、ノッチ部2が割れることで、上縁部のみがインストルメントパネル1に繋がった状態で上方へ開き、エアバッグの展開を阻害しないようになっている。
ただし、本発明の方法で成形される成形品は、割れや折れを生じやすくするためのノッチ部が被成形面に形成された発泡樹脂成形品であればインストルメントパネルに限られるものでなく、例えば、一部がエアバッグカバーとされた運転ハンドルなどといった種々の成形品を本発明の方法により成形することができる。
以下、被成形面にノッチ部を備えた発泡樹脂成形品を成形する方法に関して、本発明の各実施形態を具体的に説明する。
(第1の実施形態)
先ず、図2〜図4を参照しながら、本発明の第1の実施形態について説明する。
図2〜図4に示すように、本実施形態では、固定型12と可動型14とを備えた成形型10を使用する。可動型14は、例えば高速油圧シリンダからなる図示しない開閉装置により、固定型12に対して近接または離間する方向へ移動可能となっており、これにより、成形型10の型締め及び型開き、並びに可動型14のコアバックが可能となっている。また、成形型10の温度は例えば冷却水循環装置からなる図示しない温度調節装置により調節可能となっており、これにより、固定型12と可動型14とで囲まれたキャビティ16内に高温の樹脂融液が充填されたときでも、成形型10を適温に維持することができる。
成形品のノッチ部を成形するノッチ成形部18は、可動型14の成形面に設けられており、この可動型14は、ノッチ成形部18に対応する位置で分割された第1分割型14aと第2分割型14bとを有する。これらの分割型14a,14bは相互に隣接して設けられ、各分割型14a,14bは、前記開閉装置により個別に移動可能となっている。また、各分割型14a,14bの温度は、前記温度調節装置により個別に調節可能となっている。
なお、可動型14は、第1分割型14a及び第2分割型14bのみで構成されてもよいし、これらの分割型14a,14bとは別の分割型を更に有してもよい。
次に、第1の実施形態に係る方法により発泡樹脂成形品を成形する手順について説明する。
先ず、射出工程として、図2(a)に示すように、成形型10を型締めした状態、すなわち固定型12に対して可動型14を再接近させた状態で、図示しない射出装置により、樹脂材料を加熱溶融してなり発泡剤を含有する樹脂融液Aを、固定型12と可動型14とで囲まれたキャビティ16に射出して充填する。このとき、ノッチ成形部18では、第1分割型14aの成形面と第2分割型14bの成形面とは同一面上に配置された状態となっているため、キャビティ16内の樹脂融液Aは抵抗無く流動し、樹脂融液Aの圧力は概ね均一となっている。
樹脂材料の種類は特に限定されないが、価格面および入手面において、好ましくは、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等の汎用プラスチックが用いられ、それらの中でもポリプロピレンが特に好適に用いられる。
また、発泡剤の種類も特に限定されないが、例えば、二酸化炭素または窒素等の物理発泡剤、炭酸水素ナトリウム等の化学発泡剤、あるいは、気化等により膨張可能な膨張剤と該膨張剤を内包する球殻状のシェルとからなる熱膨張性マイクロカプセルが用いられる。
次に、第1分割型コアバック工程として、図2(b)に示すように、第2分割型14bを停止させたまま、第1分割型14aを固定型12から離間する方向にコアバックさせる。これにより、第1分割型14aと固定型12とで挟まれた樹脂部分、すなわち第1分割型14aの成形面に対向する樹脂部分A1が発泡成形される。第1分割型14aのコアバックは、通常(非分割タイプ)の可動型のコアバックと同様、射出工程が終了した直後のタイミングで開始する。
図3は、第1分割型14aのコアバックが完了してから所定時間経過したときのノッチ成形部18及びその周辺を示す拡大図である。この図3に示す状態では、第1分割型14aが第2分割型14bに比べて固定型12から離間して配置されるとともに、キャビティ16内の樹脂融液Aの表面(成形型10との対向面)は、成形型10との接触による冷却が進行することで、膜状の所謂スキン層aが形成されている。第1分割型14aと第2分割型14bとはコアバック方向にずれて配置されているため、ノッチ成形部18において可動型14に対面するスキン層aは、第2分割型14bの側面に対向する側面対向部22を備えた段状に形成されている。
ところで、スキン層aは、高温(例えば約200度)の状態でキャビティ16に射出充填された樹脂融液Aの表面が、比較的低温(例えば約40度)に温度調節された成形型10により冷却されることで形成されるものである。そのため、射出工程の完了直後は、樹脂融液Aの表面はほとんど冷却されていないことから、第1分割型14aのコアバックは、樹脂融液Aにスキン層aが形成されていない状態で開始される。その後、樹脂融液Aの冷却が進むと、樹脂融液Aの表面にスキン層aが形成されて、時間の経過に伴って、スキン層aの厚みが増大していく。
続いて、第2分割型コアバック工程として、図2(c)に示すように、第2分割型14bを、例えば第1分割型14aと同じ後退位置までコアバックさせて、第2分割型14bと固定型12とで挟まれた樹脂部分、すなわち第2分割型14bの成形面に対向する樹脂部分A2を発泡成形する。この第2分割型14bのコアバックは、樹脂融液Aの表面にスキン層aが形成された状態で行うために、上述の第1分割型14aのコアバックが完了したときから所定時間(例えば0〜4秒)だけ遅れて開始される。すなわち、第2分割型14bのコアバックは、ノッチ成形部18による被成形部に上記の段状のスキン層aが形成された状態でされる。
図4は、第2分割型14bのコアバックが完了した状態を示す拡大図である。この図4に示すように、スキン層aの前記側面対向部22は、第2分割型14bがコアバックされても、このコアバックに追従せずに元の位置に取り残された非追従部となる。そのため、第2分割型14bの成形面に対向するスキン層部分も、前記非追従部22に連なる端部においては第2分割型14bのコアバックに追従しない。したがって、第2分割型14bの成形面に対向する樹脂部分A2におけるノッチ成形部18に沿った縁部には、図示するような形状ダレ20が生じる。そして、このように第1分割型14aのコアバックと第2分割型14bのコアバックとを時間差を持たせて行うことで前記非追従部22と前記形状ダレ20とを意図的に生じさせることにより、これら非追従部22と形状ダレ20とにより、成形品の被成形面にノッチ部を成形することができる。
この成形方法によれば、樹脂の発泡成形とノッチ部の形成とを同時に行うことができるため、ノッチ部を備えた発泡樹脂成形品を効率的に生産することができる。
また、この成形方法によれば、上述の形状ダレ20を利用してノッチ部を形成することから、従来のようにノッチ部の形状に対応する突出部を成形型10の成形面に設けなくても済むため、射出充填中の樹脂融液Aに流動抵抗が生じて樹脂融液Aの圧力にむらが生じることを防止することができる。よって、射出完了後のコアバック成形中に発泡むらが生じることを回避して、良好な品質、外観および均一性を備えた成形品を得ることができる。
(第2の実施形態)
次に、図5〜図8を参照しながら、本発明の第2の実施形態について説明する。
図5〜図8に示すように、本実施形態においても、第1の実施形態と同様の成形型10を使用する。したがって、ここでは、成形型10及びその各構成要素についての詳細な説明は省略し、図5〜図8において、それらの各要素には第1の実施形態と同符号を付している。
続いて、第2の実施形態に係る方法により発泡樹脂成形品を成形する手順について説明する。
先ず、第1の実施形態と同様、射出工程として、図5(a)に示すように、成形型10を型締めした状態で、図示しない射出装置により、樹脂材料を加熱溶融してなり発泡剤を含有する樹脂融液Aをキャビティ16に射出して充填する。このとき、ノッチ成形部18では、第1分割型14aの成形面と第2分割型14bの成形面とは同一面上に配置された状態となっているため、キャビティ16内の樹脂融液Aは抵抗無く流動し、樹脂融液Aの圧力は概ね均一となっている。
なお、第1の実施形態と同様、樹脂材料および発泡剤の種類は特に限定されるものでない。
次に、第1分割型コアバック工程として、図5(b)に示すように、第2分割型14bを停止させたまま、第1分割型14aを固定型12から離間する方向にコアバックさせ、第1分割型14aの成形面に対向する樹脂部分A1を発泡成形する。
本実施形態では、第1の実施形態と異なり、この第1分割型14aのコアバックを、図6に示すように樹脂融液Aの表面にスキン層aが形成された状態で行うために、射出工程の終了直後でなく、第1分割型14aのコアバックが完了してから所定の遅延時間(例えば0.5〜3秒)だけ経過したときに開始する。
これにより、図7に示すように、コアバック前の第1分割型14aの成形面に対向していたスキン層部分が、第1分割型14aのコアバックに伴って形成される第1分割型14aの成形面と第2分割型14bの側面とのコーナー部に追従し難いことを利用して、第1分割型14aの成形面に対向する樹脂部分A1におけるノッチ成形部18に沿った縁部に、図示するような形状ダレ24を生じさせる。
続いて、第2分割型コアバック工程として、図5(c)に示すように、第2分割型14bを、例えば第1分割型14aと同じ後退位置までコアバックさせて、第2分割型14bの成形面に対向する樹脂部分A2を発泡成形する。この第2分割型14bのコアバックは、第1分割型14aのコアバックが完了してから所定時間(例えば0〜2秒)経過したときに開始する。
図7に示すように、第1の実施形態と同様、第2分割型14bのコアバックは、ノッチ成形部18により段状のスキン層aが形成された状態で行われる。また、図8に示すように、第1分割型14aのコアバックに伴って生じた形状ダレ24は、第2分割型14bのコアバックに追従せず、第1の実施形態における非追従部22と同様の機能を果たす。そのため、第2分割型14bのコアバックが完了すると、第2分割型14bの成形面に対向する樹脂部分A2におけるノッチ成形部18に沿った縁部に、第1の実施形態と同様の形状ダレ20が生じる。そして、このようにして意図的に生じさせた2つの形状ダレ20,24により、成形品の被成形面に逆V字状のノッチ部を成形することができる。
以上の第2の実施形態によっても、第1の実施形態と同様、被成形面にノッチ部を備えた発泡樹脂成形品を成形する場合において、生産性の向上を図りつつ、良好な品質、外観および均一性を備えた成形品を得ることができる。
(第3の実施形態)
次に、図9を参照しながら、本発明の第3の実施形態について説明する。
図9に示すように、第3の実施形態は、射出工程の開始時から第2分割型コアバック工程の終了時までの間、第2分割型14bを第1分割型14aよりも高温となるように温度調節するものである。なお、第3の実施形態におけるその他の構成については、第2の実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
成形型10の温度調節について具体的に説明すると、先ず、成形型10全体を同一温度(例えば40度)に調節した状態で型締めを行った後、可動型14の第2分割型14bのみを所定温度(例えば80度)に達するまで温度上昇させる。第2分割型14bの温度が前記所定温度に達すると射出工程を開始し、その後、射出工程が終了し、さらに第1分割型コアバック工程と第2分割型コアバック工程とが終了するまで、第2分割型14bの温度を前記所定温度に維持する。第2分割型コアバック工程が終了すると、第2分割型14bの温度を第1分割型14aと同じ温度になるまで徐々に低下させる。
このように、射出工程の開始時から第2分割型コアバック工程の終了時までの間、第2分割型14bを第1分割型14aよりも高温となるように温度調節することで、第2分割型コアバック工程が射出開始時から時間を置いて行われるにも拘わらず、その時間の経過に伴う樹脂の冷却固化の進行を抑制することができ、これにより、第2分割型コアバック工程において、第2分割型14bの成形面に対向する樹脂部分A2をより適正に発泡成形することができる。
したがって、第3の実施形態によれば、図8に示すような形状ダレ20,24で構成されるノッチ部を備えた発泡樹脂成形品を一層確実に得ることができる。
なお、第3の実施形態においても、第2分割型コアバック工程は、第1分割型コアバック工程終了時から所定時間(例えば0〜4秒)経過したときに開始するようにする。ただし、本実施形態では、第2分割型14bを比較的高温に温度調節するため、第2分割型14bに対向する樹脂部分A2の表面にスキン層aが形成されるまでに比較的長い時間がかかる。そのため、第1分割型コアバック工程終了後、第2の実施形態に比べて長い時間を置いて第2分割型コアバック工程を開始することが好ましい。
また、第3の実施形態において、第1分割型14a及び第2分割型14bの温度調節に関する具体的な構成は、射出工程の開始時から第2分割型コアバック工程の終了時までの間に第2分割型14bを第1分割型14aよりも高温にするものであれば種々の構成が考えられ、特に上記の構成に限定されるものでない。
さらに、第3の実施形態では、第2の実施形態と同様、射出工程終了時から所定の遅延時間が経過したときに第1分割型コアバック工程が開始されるが、第1の実施形態と同様、射出工程終了直後に第1分割型コアバック工程を開始するようにしてもよく、この場合は、図4に示すような形状ダレ20と非追従部22とで構成されるノッチ部を備えた発泡樹脂成形品を一層確実に得ることができる。
(第4の実施形態)
続いて、図10を参照しながら、第4の実施形態について説明する。
第4の実施形態では、図10(a)に示すように、予め第1分割型14aをコアバックさせておき、このコアバックの後に、射出工程を開始する。この射出工程が完了したとき、第1分割型14aの成形面に対向する樹脂部分A1は、第2分割型14bの成形面に対向する樹脂部分A2に比べて、キャビティ16の厚みが大きい分だけ圧力は低くなり、発泡しやすい状態となっている。したがって、第1分割型14aの成形面に対向する樹脂部分A1は、コアバックを行うことなく発泡成形される。
続いて、第2分割型コアバック工程として、図10(b)に示すように、第2分割型14bを、例えば第1分割型14aと同じ後退位置までコアバックさせて、第2分割型14bの成形面に対向する樹脂部分A2を発泡成形する。この第2分割型14bのコアバックは、樹脂融液Aの表面にスキン層aが形成された状態で行うために、射出工程が完了したときから所定時間(例えば0〜4秒)だけ遅れて開始される。これにより、図3に示すように、ノッチ成形部18による被成形部に段状のスキン層aが形成された状態で第2分割型14bがコアバックされることとなるため、第1の実施形態と同様、図4に示すような形状ダレ20と非追従部22とで構成されるノッチ部を備えた成形品を得ることができる。
第4の実施形態によれば、予め第1分割型をコアバックさせておくことで、射出工程後は第2分割型14bのみをコアバックさせればよいため、より簡易な成形方法により、ノッチ部を備えた発泡樹脂成形品を得ることができる。
なお、第4の実施形態では、第1分割型14aと第2分割型14bとを同一温度(例えば40度)に調節した状態で上記の成形を行うが、第3の実施形態と同様、射出工程開始時から第2分割型コアバック工程終了時までの間、第2分割型14bを第1分割型14aよりも高温となるように温度調節してもよく、この場合、上記のノッチ部を備えた成形品を一層確実に得ることができる。
次に、上記第1の実施形態に係る方法による成形を実施した実施例について説明する。
この実施例では、インストルメントパネルを成形するための株式会社日本製鋼所製、型締力850トンの成形型と、射出装置とを用いた。
また、上述の第1の実施形態の通り、成形型の可動型として、ノッチ成形部に対応する位置で分割された第1分割型と第2分割型とを有する型を使用した。
さらに、樹脂材料として、株式会社プライムポリマー製のポリプロピレン樹脂材料(商品名:プライムポリプロ)を用いた。
そして、射出装置における樹脂材料の溶融温度を200℃、型温度を40℃に設定し、まず、可動型を固定型に当接させた状態、すなわち型締めした状態にして、両型の間に容量480cm(横幅:60cm、縦幅:40cm、厚み:2mm)のキャビティを形成した。
次に、射出装置のシリンダ内で前記樹脂材料の融液に化学発泡剤としての炭酸水素ナトリウム(三協化成株式会社製、セルマイクMB3274)を3部混入した後、射出工程として、該融液をキャビティに200mm/sの射出速度(100MPaの射出圧力)で射出して充填させた。
次に、第1分割型コアバック工程として、成形型の第1分割型をキャビティの厚みが5mmになるまでコアバックさせた。
続いて、この第1分割型のコアバック完了時から3秒経過したとき、第2分割型コアバック工程として、成形型の第2分割型をキャビティの厚みが5mmになるまでコアバックさせた。
その後、成形型を40秒間冷却した後、型開きし、インストルメントパネルの成形品を取り出した。
これにより、第1分割型と第2分割型との境界部で成形された部分に所望の形状のノッチ部が形成されたインストルメントパネルを得ることができた。
以上のように、本発明によれば、被成形面にノッチ部を備えた発泡樹脂成形品を製造する場合において、生産性の向上を図りつつ、良好な品質、外観および均一性を備えた成形品を得ることができることから、被成形面にノッチ部を形成する必要がある例えば自動車用部品等の製造技術分野において好適に利用される可能性がある。
1 成形品
2 成形品のノッチ部
10 成形型
12 固定型
14 可動型
14a 第1分割型
14b 第2分割型
16 キャビティ
18 ノッチ成形部
20 形状ダレ
22 非追従部
24 形状ダレ
A 樹脂融液
A1 第1分割型の成形面に対向する樹脂部分
A2 第2分割型の成形面に対向する樹脂部分
a 樹脂表面のスキン層

Claims (3)

  1. 固定型と可動型とを備えた成形型を用いて被成形面にノッチ部を有する発泡樹脂成形品を成形する発泡樹脂成形品の成形方法であって、
    前記可動型として、前記ノッチ部を成形するノッチ成形部に対応する位置で分割された第1分割型と第2分割型とを有する型を用いると共に、
    前記固定型と前記可動型とで囲まれたキャビティに、発泡剤を含有する樹脂融液を射出して充填させる射出工程と、
    該射出工程の前または後に、前記第1分割型を、前記第2分割型よりも前記固定型から離間した位置までコアバックさせる第1分割型コアバック工程と、
    前記射出工程と前記第1分割型コアバック工程との後に、前記第2分割型の成形面に対向する樹脂部分における前記ノッチ成形部に沿った縁部に、前記ノッチ部を構成する形状ダレが生じるように、前記第2分割型を前記固定型から離間する方向にコアバックさせる第2分割型コアバック工程と、を備えたことを特徴とする発泡樹脂成形品の成形方法。
  2. 前記第1分割型コアバック工程を前記射出工程の後に行う場合、
    前記射出工程の終了時から所定の遅延時間が経過した後、前記第1分割型コアバック工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の発泡樹脂成形品の成形方法。
  3. 前記射出工程の開始時から前記第2分割型コアバック工程の終了時までの間、前記第2分割型を前記第1分割型よりも高温となるように温度調節することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発泡樹脂成形品の成形方法。
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