JP5381124B2 - 発泡樹脂成形品の成形方法及び成形装置 - Google Patents

発泡樹脂成形品の成形方法及び成形装置 Download PDF

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Description

本発明は、発泡樹脂成形品の成形方法及び成形装置に関する。
発泡樹脂成形品の成形方法として、例えば特許文献1には、成形型内に形成されるキャビティ内に、発泡剤を含有する溶融発泡性樹脂をショートショットの状態で(つまり、キャビティ容積よりも少ない量で)射出により供給すると共に、その成形中に成形型を型開き方向に移動させる(コアバックする)ことによって、キャビティ内の溶融発泡性樹脂を発泡させる成形方法が開示されている。
特開2004−17285号公報
ところで、キャビティ内に溶融樹脂を射出により供給する場合、例えばその射出供給を複数のゲートを通じて行ったり、成形品に中空部を形成するために成形型にピン等を設けたり、その成形品の形状が複雑であったりしたときには、キャビティ内で溶融樹脂の複数の流れが合流するようになり、その合流により融着したウエルド部分が成形後の樹脂成形品に発生する。
ここで本願発明者らは、溶融発泡性樹脂により発泡樹脂成形品を成形するときには、そうしたウエルド部分における発泡セルの径が、他の部分における発泡セルの径よりも大きくなることに気づいた。発泡セルの肥大化は、発泡樹脂成形品の局所的な強度低下を招くという不都合がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、発泡樹脂成形品の局所的な強度低下を回避することにある。
本願発明者らが検討したところ、ウエルド部分における発泡セルの肥大化は、キャビティ内を流動する溶融発泡性樹脂の流動先端部では圧力が相対的に低く、溶融発泡性樹脂内の発泡剤が発泡し易いことに起因することが判明した。つまり、キャビティ内を流動している最中に、流動先端部では発泡剤の発泡が開始されており、それによって流動先端部同士が衝突するウエルド発生部付近では、その周囲部と比較して、大きく成長した発泡剤が存在するようになる。その状態で、成形型のコアバックを行ったときには、ウエルド発生部における比較的大きく成長した発泡剤が、その周囲部に存在する発泡剤よりも優先的に、樹脂に溶解している他の発泡剤を取り込んで成長するようになり、その結果、ウエルド発生部においては、発泡剤がその周囲に存在する発泡剤よりも大きく成長し、そのことがウエルド部分における発泡セルの肥大化を招くことを見出した。こうした発泡セルの肥大化は、溶融発泡性樹脂をキャビティ内にショートショットの状態で供給した場合には、キャビティ内の圧力が比較的低くなるため、特に顕著になる。
本願発明者らは、コアバックに先立って、ウエルド発生部の溶融発泡性樹脂を加圧することで既に成長している発泡剤を溶融発泡性樹脂に溶解させるようにすれば、ウエルド発生部及びその周囲部において大きく成長した発泡剤がなくなり、ウエルド発生部及びその周囲部の溶融発泡性樹脂が略同一条件で発泡を開始するようになり、比較的大きく成長した発泡剤が、他の発泡剤よりも優先的に、樹脂に溶解している発泡剤を取り込んで成長することを回避し得ることを見出した。このことにより、ウエルド発生部の発泡剤が溶融発泡性樹脂の供給完了時点において既に大きく成長していたとしても、コアバックの際に溶解している発泡剤をさらに取り込んで成長することを抑制して、ウエルド部分における発泡セルの肥大化が抑制され得る。
発泡樹脂成形品の成形方法は、成形型内に区画形成されるキャビティ内に、溶融発泡性樹脂を射出供給する供給工程と、前記成形型を型開き方向に移動させて前記キャビティの容積を増大させることによって、前記キャビティ内の前記溶融発泡性樹脂を発泡させる発泡工程と、前記成形型の移動完了後に、前記溶融発泡性樹脂を固化させて発泡樹脂成形品を成形する成形工程と、を含み、前記成形型には、前記発泡樹脂成形品において前記溶融発泡性樹脂の複数の流れが合流して融着したウエルド部分に対応するウエルド発生部と、当該ウエルド発生部に隣接する周囲部と、がそれぞれ規定され、前記発泡工程では、前記ウエルド発生部の溶融発泡性樹脂を一旦加圧した後に、前記成形型を型開き方向へ移動させて前記溶融発泡性樹脂の発泡を開始する。
溶融発泡性樹脂の供給完了後、成形型の型開き方向への移動開始前は、ウエルド発生部において既に大きく成長している発泡剤が存在しているが、そのウエルド発生部における溶融発泡性樹脂を一旦加圧することによって、成長している発泡剤が溶融発泡性樹脂に再び溶解する。そうして、ウエルド発生部及びその周囲部のそれぞれにおける溶融発泡性樹脂の発泡剤の溶解状態を、大きく成長している発泡剤が存在しないような同じ状態にし、その状態で成形型を型開き方向に移動して溶融発泡性樹脂を発泡させることで、大きく成長した発泡剤が優先的に、樹脂に溶解している他の発泡剤を取り込んで成長することがなくなる。その結果、ウエルド発生部において局所的に、発泡剤が大きく成長してしまうことがなく、発泡樹脂成形品のウエルド部分における発泡セルの肥大化が抑制されて、発泡セルが均質化する。
前記成形型のウエルド発生部と周囲部とは、互いに独立して型閉め及び型開き方向に移動することが可能であり、前記発泡工程では、前記ウエルド発生部を型閉め方向に移動させることによって当該ウエルド発生部の溶融発泡性樹脂を一旦加圧した後に、前記ウエルド発生部及び周囲部の型開き方向への移動を開始して、当該ウエルド発生部及び周囲部を所定位置までそれぞれ移動させる。
ウエルド発生部と周囲部との間で成形型を分割構成することによって、ウエルド発生部において局所的に溶融発泡性樹脂を加圧することが可能になると共に、ウエルド発生部及び周囲部を共に型開き方向に移動させることによって、ウエルド発生部及び周囲部のそれぞれにおいて、溶融発泡性樹脂の発泡を、同じタイミングで開始することが可能になる。このことは、ウエルド発生部及び周囲部のそれぞれにおける溶融発泡性樹脂の発泡状態を、互いに同じ状態にし得る。
前記供給工程は、前記キャビティの容積よりも少ない量の前記溶融発泡性樹脂を前記キャビティ内に供給する、としてもよい。
溶融発泡性樹脂をショートショット状態で供給する場合、発泡剤の発泡倍率の調整やその設定を容易に行うことが可能になる一方で、前述したように、キャビティ内の圧力が比較的低圧になることで、ウエルド部分において発泡セルが肥大化し易い。これに対し前記の構成では、ウエルド部分における発泡セルの肥大化が抑制されるため、ショートショット状態で溶融発泡性樹脂を供給する成形方法において特に有効である。
発泡樹脂成形品の成形装置は、キャビティを有する成形型と、前記キャビティ内に溶融発泡性樹脂を射出供給する供給手段と、を備え、前記成形型には、当該成形型によって成形される発泡樹脂成形品において前記溶融発泡性樹脂の複数の流れが合流して融着したウエルド部分に対応するウエルド発生部と、当該ウエルド発生部に隣接する周囲部と、がそれぞれ規定され、前記成形型は、型開き方向に移動して前記キャビティの容積を増大させることにより、前記キャビティ内の前記溶融発泡性樹脂を発泡させるように構成され、前記成形型はさらに、前記ウエルド発生部の溶融発泡性樹脂を加圧する加圧手段を有していて、当該加圧手段によって前記ウエルド発生部の溶融発泡性樹脂を一旦加圧した後に、前記型開き方向へ移動して前記溶融発泡性樹脂の発泡を開始するように構成されている。
前記成形型は、前記ウエルド発生部と前記周囲部とが互いに独立して型閉め及び型開き方向に移動することが可能に構成されていて、前記ウエルド発生部を前記型閉め方向に移動させることによって前記ウエルド発生部の溶融発泡性樹脂を一旦加圧した後に、前記ウエルド発生部及び周囲部の前記型開き方向への移動を開始させると共に、前記ウエルド発生部及び周囲部を所定位置までそれぞれ移動させるように構成されている。
以上説明したように、本発明によると、成形型の型開き方向への移動を開始する前に、ウエルド発生部における溶融発泡性樹脂を一旦加圧して、既に成長している発泡剤を再び溶融発泡性樹脂に溶解させることによって、ウエルド発生部における発泡剤が、他の発泡剤を取り込んで大幅に成長してしまうことが回避されて、ウエルド発生部において局所的に発泡剤が大きく成長してしまうことを防止することができる。その結果、発泡樹脂成形品のウエルド部分における発泡セルの肥大化を抑制することができ、発泡セルの肥大化に起因する、発泡樹脂成形品の局所的な強度低下を回避することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は成形装置1の一例を示している。この成形装置1は、成形型4のキャビティ27内に供給した溶融発泡性樹脂70を発泡及び固化することによって、発泡樹脂成形品を成形する。発泡樹脂成形品は、自動車用、建築資材用、家電用、日用雑貨用等の広い用途に用いることができ、その各用途において、当該発泡樹脂成形品は、補強材、断熱材、遮音材、防振材、衝撃吸収材等として用いることが可能である。図2は、そうした発泡樹脂成形品の一例として、自動車用空調装置のダクト部材50を示している。このダクト部材50は半割状であり、一対のダクト部材50を互いに突き合わせることによって全体として筒状のダクトが形成される。こうした空調用のダクトを発泡樹脂成形品によって構成することは、ダクトの管壁が発泡セルによる断熱層により構成されることになるため、高い断熱性が得られる点で有利である。
このダクト部材(発泡樹脂成形品)50についてさらに詳細に説明する。発泡樹脂成形品50は、その幅方向(図2における左手間から右奥の方向)の中央部に、幅方向に直交する長さ方向に延びる、半円形状に膨出した中空状の膨出部51と、その膨出部51の幅方向の両側縁部から両側外方に拡がると共に、その膨出部51に沿って延びる平板部52,52と、を備えて構成される。平板部52には、その厚み方向に貫通すると共に、発泡樹脂成形品50の取付固定等に利用される貫通孔54が適宜の位置に複数、形成されている。このように長さ方向に比較的細長い発泡樹脂成形品50を成形するときには、キャビティ27内への溶融発泡性樹脂70の供給を、長さ方向に間隔を空けて複数の箇所(ゲート)から行う場合がある。図2における符号27aは、そのゲート位置の一例を仮想的に示している。このように複数(ここでは2箇所)のゲート27aのそれぞれから溶融発泡性樹脂をキャビティ27内に射出供給する場合には、その2箇所のゲート27aから流れる溶融発泡性樹脂が、ゲート27a間の略中間位置で合流するようになり(図2における一点鎖線の矢印参照)、そうした合流により融着したウエルド部分55が発泡樹脂成形品50に発生してしまう。また、平板部52の各貫通孔54は、成形型4にピンを設けることによって形成されることになるが、こうした貫通孔54の近傍にも、ピンの両側を迂回して流れる溶融発泡性樹脂が合流して融着するため(図2における一点鎖線の矢印参照)、ウエルド部分55が発生することになる。溶融発泡性樹脂を用いた発泡樹脂成形品50において、こうしたウエルド部分55では発泡セルが肥大化し易く、そのことが発泡樹脂成形品50の局所的な強度低下を招く場合がある。特に貫通孔54は取付固定に利用されるため、その付近には比較的大きい荷重が作用することから、必要な強度を確保することが重要である。ここに開示する成形装置1及び成形方法は、そうした発泡樹脂成形品50の局所的な強度低下を回避し得る。
前記成形装置1は、図1に示すように、成形型4と、この成形型4のキャビティ27内に溶融発泡性樹脂70を供給する樹脂供給装置7(供給手段)とを備えている。尚、ここに示す成形型4は、理解容易のためにその形状を簡略化して描いており、図2に示す発泡樹脂成形品50の形状とは対応していない。
成形型4は、固定型21と、この固定型21に対して相対的に、水平方向(図1の左右方向)にスライドして型閉め及び型開きを行う可動型22とを含んで構成されている。固定型21における可動型22側の面には、凹部21aが形成されており、この凹部21aを構成する側面が、キャビティ27を区画形成するキャビティ面27bを構成する。これに対し可動型22は、不図示の駆動機構により、固定型21に対して接近及び離間するよう構成されている。可動型22はまた、固定型21側の面に、その固定型21側に突出すると共に、凹部21a内に嵌入される凸部22aを有しており、この凸部22aを構成する側面が、キャビティ27を区画形成するキャビティ面27bを構成する。成形型4にはまた、図示は省略するが、キャビティ27内に充填された溶融発泡性樹脂70を冷却するための冷却手段が設けられている。冷却手段は、例えば成形型4内に配設された冷媒流路によって構成される。
成形型4の型閉めの際には、図示は省略するが、可動型22が固定型21側に移動し、凸部22aが凹部21a内に嵌入されることで型閉めが完了する。これによって、凹部21a及び凸部22aにより、成形型4内にキャビティ27が区画形成される。また、後述の如く成形型4をコアバックさせる際には、凸部22aが凹部21aに嵌入した状態を維持したまま、可動型22が固定型21とは反対側へ移動するようになっている。尚、詳細は後述するが、可動型22は分割構造であり、分割された部位毎に独立して、型閉め方向及び型開き方向に往復移動することが可能に構成されている。さらに、成形完了後の型開きの際には、凹部21a内に嵌入していた凸部22aがその凹部21a内から外れるまで、可動型22が固定型21とは反対側へ大きく移動する。それによってキャビティ27内で成形された樹脂成形品が取り出し可能になる。
樹脂供給装置7は、溶融発泡性樹脂70を射出する射出成形機5と、固定型21内に設けられかつ射出成形機5より射出された溶融発泡性樹脂70をキャビティ27内に導くための樹脂導入通路6とで構成されている。
射出成形機5は、円筒状の射出シリンダ41を有している。この射出シリンダ41の前端にはノズル41aが設けられ、このノズル41aが樹脂導入通路6に接続されている。射出シリンダ41の内部には、スクリュー42が回転可能にかつ進退可能に設けられている。このスクリュー42の後端側に、該スクリュー42を駆動するための駆動機構(図示せず)が設けられている。
射出シリンダ41の後端部の上部には、樹脂ペレット71を投入するためのホッパー43が接続されており、このホッパー43に投入された樹脂ペレット71は、射出シリンダ41内に供給される。また、射出シリンダ41の周壁部には、複数の加熱ヒーター(図示せず)が射出シリンダ41の前後方向に並ぶように設置されている。そして、ホッパー43から射出シリンダ41内に供給された樹脂ペレット71は、駆動機構によるスクリュー42の回転により射出シリンダ41の前側へ移動しながら、加熱ヒーターによって溶融されるようになっている。
射出シリンダ41の前後方向中間部には、射出シリンダ41内に、超臨界流体を注入するための注入ノズル45が接続されている。この注入ノズル45は、窒素や二酸化炭素等のガスを、超臨界流体(臨界圧力及び臨界温度を超えた状態)にして供給する超臨界流体供給装置46に接続されており、この超臨界流体供給装置46により、注入ノズル45から超臨界流体が射出シリンダ41内に注入される。これにより、樹脂ペレット71が溶融してなる溶融樹脂中に超臨界流体が混ぜ合わされかつ溶解されて溶融発泡性樹脂70となり、成形時には超臨界流体が気化することで、溶融発泡性樹脂70が発泡することになる。すなわち、本実施形態では、超臨界流体の性質、つまり液体としての粘度及び溶解力と気体としての激しい分子運動とを併せ持つ性質を利用して超微細発泡成形を行うべく、発泡剤として超臨界流体からなる物理発泡剤を用いている。樹脂ペレット71は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン等からなっている。
溶融発泡性樹脂70は、スクリュー42の回転により射出シリンダ41内におけるスクリュー42の前方部分へと押し出される。このとき、その圧力でスクリュー42が後退し、所定距離(射出シリンダ41内におけるスクリュー42の前方部分に、1回の射出に必要な溶融発泡性樹脂70の量が収容されるような距離)だけ後退したときに、スクリュー42の回転が停止する。これにより、射出シリンダ41内におけるスクリュー42の前方部分には、成形型4のキャビティ27内に供給される溶融発泡性樹脂70が収容されることになる。そして、溶融発泡性樹脂70を射出する際には、駆動機構によりスクリュー3が高速で前進するようになっている。これにより、溶融発泡性樹脂70がノズル41aから樹脂導入通路6を介して、成形型4のキャビティ27内に供給されることになる。
樹脂導入通路6は、固定型21における可動型22とは反対側の面に開口して、射出成形機5に連通すると共に、その途中において2つに分岐して固定型21における凹部21aの側面(上下方向に延びるキャビティ面27b)において、その上下方向に間隔を空けて開口している。この凹部21aのキャビティ面27bにおける開口が、ゲート27aを構成している。このようにこの成形型4では、図1においては、上下2箇所のゲート27aが設定されており、図示は省略するが、各ゲート27aから放射状に溶融発泡性樹脂が流動することによって、キャビティ28内に溶融発泡性樹脂70が略充填されるようになる。このときに上側のゲート27aから略下向きに流動する溶融発泡性樹脂70と、下側のゲート27aから略上向きに流動する溶融発泡性樹脂70とは、2つのゲート27aの略中間位置で合流(衝突)して融着するようになり、それによって発泡樹脂成形品にはウエルド部分が生じ得る。以下の説明において、発泡樹脂成形品のウエルド部分に対応する成形型4の箇所をウエルド発生部と呼び、そのウエルド発生部に隣接する成形型4の箇所を周囲部と呼ぶ場合がある。
そうして、前記成形型4における可動型22は、ウエルド発生部23と、ウエルド発生部以外の部分である本体部24(周囲部を含む)とからなる分割構成とされており、ウエルド発生部23と本体部24とは、互いに独立して型閉め及び型開き方向に往復移動することが可能に構成されている(図1の矢印参照)。このことにより、成形型4の型閉め状態から、ウエルド発生部23のみを型閉め方向にさらに移動させて、キャビティ27におけるウエルド発生部23に充填されている溶融発泡性樹脂70を加圧することが可能に構成されている。尚、図1に概略的に示す成形型4においては、ウエルド発生部23が1箇所のみ設定されているが、成形型4においてウエルド発生部23が複数箇所、設定されるのであれば、その各々のウエルド発生部23を本体部24から分離すればよい。
次に、図3のタイミングチャートを参照しながら、成形装置1を用いて樹脂成形品を成形する方法を説明する。図3に示すように、前の成形サイクルで成形した成形品を、型開きした成形型から取り出した後に、可動型22をスライドさせて成形型4の型閉めを開始する。そうして、図1に示すような成形型4の型閉め状態に至る。
成形型4の型閉め完了後に、射出成形機5のスクリュー42を高速で前進させて、射出シリンダ41内におけるスクリュー42の前方部分に収容された溶融発泡性樹脂70を射出する。これによって高圧の溶融発泡性樹脂70が2箇所のゲート27aを通じて、成形型4のキャビティ27内に供給される。ここで、溶融発泡性樹脂70の供給量は、キャビティ27の容積よりも少なく設定されており、これによってキャビティ27内は、いわゆるショートショットの状態とされている。こうしたショートショット状態での溶融発泡性樹脂70の供給は、樹脂成形品の発泡倍率を制御する上で有利である。
キャビティ27内に供給された溶融発泡性樹脂70は、そのキャビティ27内を流動し、ウエルド発生部23において互いに衝突する。このとき、ウエルド発生部23においては、溶融発泡性樹脂70がキャビティ内を流動している最中に、その流動先端部で発泡剤の発泡が開始されていることに起因して、比較的大きく成長した発泡剤が存在するようになる(図4の(a)参照)。この現象を、溶融発泡性樹脂70の溶解度について見てみると、図4(b)に示すように、溶解度が圧力に比例して増加するというヘンリー則に従えば、射出成形機5からキャビティ27内に射出されかつ、そのキャビティ27内を流動するにつれて、溶融発泡性樹脂70の圧力が低下するに伴い、同図の一点鎖線で示す状態から実線で示す状態へと移行することになり、溶解度曲線を越えて、溶融発泡性樹脂70に溶解していた発泡剤が発泡を開始することになる。
図3に示すように、溶融発泡性樹脂70の射出供給完了後、通常は、所定の遅延時間が経過した後に、成形型4を型開き方向に開くコアバックを開始するが、ここでは、図5(a)に示すように、コアバックの開始前にウエルド発生部23を型閉め方向に所定量だけ移動させる。そのことにより、ウエルド発生部23の溶融発泡性樹脂70を加圧する。この加圧によって、図5(b)に示すように、溶融発泡性樹脂70は、同図の一点鎖線で示す状態から実線で示す状態へと移行して溶解度曲線を越えることにより、成長していた発泡剤が溶融発泡性樹脂に再び溶解するようになる。こうして、ウエルド発生部23において大きく成長していた発泡剤がなくなる。
ウエルド発生部23の溶融発泡性樹脂70を加圧した後に、ウエルド発生部23及び本体部24を共に型開き方向に移動させることによって、コアバックを開始する。そうしてキャビティ27の容積を増大させながら、溶融発泡性樹脂70を発泡させる。
ここでコアバックは、図7に示すように、ウエルド発生部23及び本体部24で、同じタイミングで移動を開始すると共に、その移動速度を同じにするようにしてもよい。尚、図7は、ウエルド発生部23(破線)及び本体部24(実線)についての、時間(横軸)に対する、型閉め状態を原点とした位置(縦軸)の関係を示しており、その傾きがウエルド発生部23及び本体部24の移動速度に相当する。このようにコアバックの開始タイミングやコアバックの移動速度といったコアバック条件を同じにすることは、前述したようにウエルド発生部23の溶融発泡性樹脂70を加圧することにより、溶融発泡性樹脂70の発泡剤の溶解状態がウエルド発生部23及びその周囲部において互いに同じ状態となっていることから、溶融発泡性樹脂70の発泡状態を、ウエルド発生部23と周囲部とで同じ状態にし得る点で有利になる。そうして、各発泡剤は、ウエルド発生部23において局所的に大きく成長しすぎることがなく、図6の(a)に模式的に示すように均質化する。尚、コアバックによって溶融発泡性樹脂70の圧力が低下するため、図6の(b)に示すように、溶融発泡性樹脂70は、一点鎖線の状態から実線の状態へと移行して溶解曲線を再び越えることを確認的に記載する。
ここで、可動型22の、コアバックに係る移動量は、発泡セルの径をどの程度にするかによって予め決められており、こうしたコアバックを行うことは、発泡倍率を制御する上で有効である。尚、ウエルド発生部23及び本体部24のコアバック位置は互いに同じ位置に設定されるため、前述したように、ウエルド発生部23及び本体部24のコアバック開始タイミング及び移動速度を互いに同じにすることによって、本体部24が先に所定のコアバック完了位置に到達した後、ウエルド発生部23がそれに遅れて所定のコアバック完了位置に到達し、そのことによってコアバックの完了に至ることになる。
溶融発泡性樹脂70は、キャビティ27内への供給開始から樹脂温度が低下していき、その樹脂温度が固化温度に達すると、固化(硬化)する(尚、固化温度に達するのはコアバック完了後である)。このように溶融発泡性樹脂70が固化すると、発泡は停止して、発泡セル径はそれ以上大きくなることはない。
コアバックの完了後は、図3のタイミングチャートに示すように、所定時間が経過するのを待つ。この間に溶融発泡性樹脂70が完全に固化する。こうして、溶融発泡性樹脂70を用いた発泡樹脂成形品の成形が完了し、その後、可動型22を固定型21とは反対側へ移動させて型開きを行い、成形された発泡樹脂成形品を成形型4から取り出す。そして、この発泡樹脂成形品として不要な部分をカットして、発泡樹脂成形品が完成する。
以上説明したように、この成形装置1は、可動型22を、ウエルド発生部23と本体部24とで分割構成して、ウエルド発生部23のみを型閉め方向に移動させることにより、ウエルド発生部23の溶融発泡性樹脂70を、局所的に加圧することができる。そのことにより、コアバックの開始前において、ウエルド発生部23の付近において予め大きく成長している発泡剤が無くなり、コアバックによって、ウエルド発生部23及び周囲部の発泡剤が、概ね均質に発泡するようになる。そうして、発泡樹脂成形品のウエルド部における発泡コアの肥大化が抑制され、その結果、発泡樹脂成形品の局所的な強度低下を回避し得る。
特に溶融発泡性樹脂70をショートショットの状態でキャビティ27内に供給する場合は、ウエルド部における発泡コアの肥大化を招きやすいが、こうした場合においても発泡コアの肥大化が抑制されるため、ショートショットによる溶融発泡性樹脂70の供給やコアバックによって発泡倍率の制御を容易に行い得るという利点が得られ、特に有効である。尚、ショートショットによる溶融発泡性樹脂70の供給は必須ではなく、適宜省略することも可能である。
尚、ここに開示した技術は、物理発泡剤を用いた成形に限定されるのではなく、化学発泡剤を用いた成形にも適用可能である。
以上説明したように、本発明は、発泡樹脂成形品の局所的な強度低下を回避することができるから、発泡樹脂成形品の成形装置及び成形方法として有用である。
成形装置の概略図である。 発泡樹脂成形品の一例を示す斜視説明図である。 発泡樹脂成形品の成形手順を示すタイミングチャートである。 (a)溶融発泡性樹脂の供給完了時におけるウエルド発生部付近の状態を模式的に示す説明図、(b)そのときの溶融発泡性樹脂の発泡剤の溶解状態を示す図である。 (a)溶融発泡性樹脂の加圧時におけるウエルド発生部付近の状態を模式的に示す説明図、(b)そのときの溶融発泡性樹脂の発泡剤の溶解状態を示す図である。 (a)コアバック完了時におけるウエルド発生部付近の状態を模式的に示す説明図、(b)そのときの溶融発泡性樹脂の発泡剤の溶解状態を示す図である。 ウエルド発生部及び本体部間の相対的な移動関係を示す図である。
1 成形装置
23 ウエルド発生部
24 本体部(周囲部)
27 キャビティ
4 成形型
7 樹脂供給装置(供給手段)
70 溶融発泡性樹脂

Claims (3)

  1. 成形型内に区画形成されるキャビティ内に、溶融発泡性樹脂を射出供給する供給工程と、
    前記成形型を型開き方向に移動させて前記キャビティの容積を増大させることによって、前記キャビティ内の前記溶融発泡性樹脂を発泡させる発泡工程と、
    前記成形型の移動完了後に、前記溶融発泡性樹脂を固化させて発泡樹脂成形品を成形する成形工程と、を含み、
    前記成形型には、前記発泡樹脂成形品において前記溶融発泡性樹脂の複数の流れが合流して融着したウエルド部分に対応するウエルド発生部と、当該ウエルド発生部に隣接する周囲部と、がそれぞれ規定され、
    前記成形型のウエルド発生部と周囲部とは、互いに独立して型閉め及び型開き方向に移動することが可能であり、
    前記発泡工程では、前記ウエルド発生部を型閉め方向に移動させることによって当該ウエルド発生部の溶融発泡性樹脂を一旦加圧した後に、前記ウエルド発生部及び周囲部の型開き方向へ移動を開始して、前記溶融発泡性樹脂の発泡を開始すると共に、当該ウエルド発生部及び周囲部を所定位置までそれぞれ移動させる発泡樹脂成形品の成形方法。
  2. 請求項1に記載の成形方法において、
    前記供給工程は、前記キャビティの容積よりも少ない量の前記溶融発泡性樹脂を前記キャビティ内に供給する発泡樹脂成形品の成形方法。
  3. キャビティを有する成形型と、
    前記キャビティ内に溶融発泡性樹脂を射出供給する供給手段と、を備え、
    前記成形型には、当該成形型によって成形される発泡樹脂成形品において前記溶融発泡性樹脂の複数の流れが合流して融着したウエルド部分に対応するウエルド発生部と、当該ウエルド発生部に隣接する周囲部と、がそれぞれ規定され、
    前記成形型は、型開き方向に移動して前記キャビティの容積を増大させることにより、前記キャビティ内の前記溶融発泡性樹脂を発泡させるように構成され、
    前記成形型はさらに、前記ウエルド発生部と前記周囲部とが互いに独立して型閉め及び型開き方向に移動することが可能に構成されていて、前記ウエルド発生部を前記型閉め方向に移動させることによって、前記ウエルド発生部の溶融発泡性樹脂を一旦加圧した後に、前記ウエルド発生部及び周囲部の前記型開き方向への移動を開始させて前記溶融発泡性樹脂の発泡を開始すると共に、前記ウエルド発生部及び周囲部を所定位置までそれぞれ移動させるように構成されている発泡樹脂成形品の成形装置。
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