JP2008155401A - 樹脂成形品の成形方法及び成形装置 - Google Patents

樹脂成形品の成形方法及び成形装置 Download PDF

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満晴 金子
Junichi Ogawa
淳一 小川
Yohei Ichihara
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Abstract

【課題】ブロー成形体の膨張が妨げられることを抑制することができる樹脂成形品の成形方法及び成形装置を提供する。
【解決手段】パリソンをブロー成形して形成される中空のブロー成形体23の内部に発泡性樹脂31を注入した後に、成形型10のキャビティの容積を拡大させるように成形型のコア部13を型開き方向に所定量移動し、前記発泡性樹脂の発泡を促進させて前記ブロー成形体を膨張させるようにした樹脂成形品24の成形において、前記成形型の前記コア部を型開き方向に所定量移動して前記ブロー成形体を膨張させる際に、前記ブロー成形体の膨張に伴って前記ブロー成形体の延伸される部分に対応する前記成形型の型面部が、前記成形型の他の型面部より高い温度に設定される。
【選択図】図8

Description

本発明は、樹脂成形品の成形方法及び成形装置に関する。
例えば自動車用部品など種々の工業用部品においては、軽量性や断熱性等の優れた特性を有する発泡樹脂成形品が広く使用されている。しかし、発泡性樹脂を成形型内に注入し発泡成形させた樹脂成形品においては、成形品の最表面であるスキン層において形成された気泡が破泡して、外観不良等の問題を引き起こす場合がある。
これに対し、発泡性樹脂からなる樹脂成形品の表面性を向上させるものとして、成形型内に溶融状態の樹脂からなるパリソンを垂下させた後に、パリソンを成形型で挟み込んで空気等の気体を吹き込み成形させるようにした中空成形(所謂ブロー成形)と発泡成形とを組み合わせた樹脂成形品の成形方法が知られている。例えば特許文献1には、熱可塑性樹脂発泡層を有するパリソンをブロー成形してなる中空成形体の内部に熱可塑性樹脂発泡体片を充填して、該発泡体片を加熱して該発泡体片を相互に融着させた表皮付発泡成形体及びその製造方法が開示されている。
また、発泡性樹脂を用いた樹脂成形品の成形方法としては、樹脂に発泡剤を含有させた発泡性樹脂を固定型と可動型とでなる一対の成形型のキャビティ内に注入した後に、可動型を型開き方向に移動させてキャビティの容積を拡大することにより、発泡性樹脂の発泡を促進させるようにした成形方法(所謂コアバック法)も知られている。
特開2004ー284149号公報
ところで、パリソンをブロー成形してなるブロー成形体の内部に発泡性樹脂を注入して発泡させる際に、該発泡性樹脂の発泡をコアバック法によって促進させるようにして成形された樹脂成形品においては、成形型を型開き方向に開いて成形型のキャビティの容積を拡大し、発泡性樹脂の発泡を促進させてブロー成形体を膨張させる際に、ブロー成形体が成形型によって冷却されて伸びず、ブロー成形体の膨張が妨げられ、例えばコーナ部でのダレなどの外観不良等の問題を引き起こす畏れがある。
そこで、この発明は、前記技術的課題に鑑みてなされたものであり、発泡性樹脂の発泡を促進させてブロー成形体を膨張させることができるとともに、ブロー成形体の膨張に伴ってブロー成形体の延伸される部分が成形型によって冷却されブロー成形体の膨張が妨げられること抑制することができる樹脂成形品の成形方法及び成形装置を提供することを目的とする。
このため、本願の請求項1に係る樹脂成形品の成形方法は、ソリッド樹脂からなるパリソンを型開きした成形型内に垂下させ、前記パリソンを挟んで前記成形型を型閉めした後に前記パリソンをブロー成形して中空のブロー成形体を形成し、該ブロー成形体の形成後に前記ブロー成形体内に発泡性樹脂を注入し、該発泡性樹脂の注入後に、前記成形型のキャビティの容積を拡大させるように前記成形型のコア部を所定量移動させることにより、前記発泡性樹脂の発泡を促進させて前記ブロー成形体を膨張させるようにした樹脂成形品の成形方法であって、前記コア部を移動して前記ブロー成形体を膨張させる際に、前記ブロー成形体の膨張に伴って前記ブロー成形体の延伸される部分に対応する前記成形型の型面部が、前記成形型の他の型面部より高い温度に設定されていることを特徴としたものである。
また、本願の請求項2に係る発明方法は、請求項1に係る発明方法において、前記パリソンを挟んで前記成形型を型閉めする型閉め時から前記成形型のコア部を所定量移動させたコア移動終了時までの間において、前記ブロー成形体の延伸される部分に対応する前記成形型の型面部が、前記成形型の他の型面部より高い温度に設定されていることを特徴としたものである。
更に、本願の請求項3に係る発明方法は、請求項1又は2に係る発明方法において、前記成形型のコア部を所定量移動させたコア移動終了時から前記樹脂成形品が前記成形型から取り出される成形品脱型時までの間において、前記ブロー成形体の延伸される部分に対応する前記成形型の型面部が、前記型閉め時から前記コア移動終了時までの間における前記成形型の前記型面部の温度より低い温度に設定されていることを特徴としたものである。
また更に、本願の請求項4に係る発明方法は、請求項1〜3の何れか一に係る発明方法において、前記発泡性樹脂に、該発泡性樹脂を補強する補強繊維が含有されていることを特徴としたものである。
また更に、本願の請求項5に係る発明方法は、請求項1〜4の何れか一に係る発明方法において、前記発泡性樹脂に、物理発泡剤が含有されていることを特徴としたものである。
また更に、本願の請求項6に係る発明方法は、請求項5に係る発明方法において、前記物理発泡剤が、超臨界状態の流体であることを特徴としたものである。
また更に、本願の請求項7に係る樹脂成形品の成形装置は、開閉可能な成形型と、型開きされた前記成形型内にソリッド樹脂からなるパリソンを押し出す押出ヘッドと、前記パリソンを挟んで前記成形型を型閉めした後に前記パリソン内に加圧流体を供給し中空のブロー成形体を形成する加圧流体供給手段と、前記ブロー成形体内に発泡性樹脂を注入する注入手段と、前記成形型のキャビティの容積を拡大させるように前記成形型のコア部を移動させるコア移動手段とを備え、前記ブロー成形体の内部に前記発泡性樹脂を注入した後に、前記成形型のキャビティの容積を拡大させるように前記コア部を移動し、前記発泡性樹脂の発泡を促進させて前記ブロー成形体を膨張させるようにした樹脂成形品の成形装置であって、前記成形型の型面部の温度調整を行う温調手段と、前記成形型の前記型面部を所定温度に設定するように前記温調手段の作動を制御する制御手段と、をさらに備え、前記制御手段は、前記コア部を移動して前記ブロー成形体を膨張させる際に、前記ブロー成形体の膨張に伴って前記ブロー成形体の延伸される部分に対応する前記成形型の型面部を、前記成形型の他の型面部より高い温度に設定するように前記温調手段の作動を制御することを特徴としたものである。
また更に、本願の請求項8に係る発明は、請求項7に係る発明において、前記温調手段は、前記成形型内を流通する温調媒体を備え、前記制御手段は、前記コア部を移動して前記ブロー成形体を膨張させる際に、前記ブロー成形体の膨張に伴って前記ブロー成形体の延伸される部分に対応する前記成形型の型面部の温度調整を行う前記温調媒体の温度を、前記成形型の他の型面部の温度調整を行う前記温調媒体の温度より高い温度に設定するように前記温調手段の作動を制御することを特徴としたものである。
また更に、本願の請求項9に係る発明は、請求項7に係る発明において、前記温調手段は、前記コア部を移動して前記ブロー成形体を膨張させる際に、前記ブロー成形体の膨張に伴って前記ブロー成形体の延伸される部分に対応する前記成形型の型面部を、前記成形型の他の型面部より高い温度に加熱する加熱手段を備えていることを特徴としたものである。
また更に、本願の請求項10に係る発明は、請求項7〜9の何れか一に係る発明において、前記制御手段は、前記パリソンを挟んで前記成形型を型閉めする型閉め時から前記成形型の前記コア部を移動させたコア移動終了時までの間において、前記ブロー成形体の延伸される部分に対応する前記成形型の型面部を、前記成形型の他の型面部より高い温度に設定するように前記温調手段の作動を制御することを特徴としたものである。
また更に、本願の請求項11に係る発明は、請求項7〜10の何れか一に係る発明において、前記制御手段は、前記成形型のコア部を移動させたコア移動終了時から前記樹脂成形品が前記成形型から取り出される成形品脱型時までの間において、前記ブロー成形体の延伸される部分に対応する前記成形型の型面部を、前記型閉め時から前記コア移動終了時までの間における前記成形型の前記型面部の温度より低い温度に設定するように前記温調手段の作動を制御することを特徴としたものである。
また更に、本願の請求項12に係る発明は、請求項7〜11の何れか一に係る発明において、前記成形型は、固定型と可動型とを有し、前記固定型及び前記可動型の何れか一方の型は、前記成形型を型閉めする際に前記固定型及び前記可動型の他方の型と型閉めするとともに前記成形型の前記コア部の外周に位置する外周部と、前記成形型のキャビティの容積を拡大させるように前記外周部に対し移動可能な前記コア部とを備え、前記温調手段は、前記ブロー成形体の延伸される部分に対応する前記外周部の型面部を、前記成形型の他の型面部より高い温度にするように前記外周部の型面部の温度調整を行うことを特徴としたものである。
本願の請求項1に係る樹脂成形品の成形方法によれば、発泡性樹脂の発泡を促進させてブロー成形体を膨張させることができるとともに、ブロー成形体の膨張に伴ってブロー成形体の延伸される部分が成形型によって冷却されブロー成形体の膨張が妨げられることを抑制することができ、表面性及び物性に優れた樹脂成形品を容易に且つ確実に成形することができる。
また、本願の請求項2に係る発明方法によれば、成形型のコア部を移動させる前においても、ブロー成形体の膨張に伴ってブロー成形体の延伸される部分が冷却されることを抑制することができ、前記効果をより有効に奏することができる。
更に、本願の請求項3に係る発明方法によれば、樹脂成形品を成形した後に樹脂成形品の冷却を促進させることができ、樹脂成形品を成形する成形サイクルタイムを短縮させることが可能である。
また更に、本願の請求項4に係る発明方法によれば、発泡性樹脂に含有された補強繊維のスプリングバック現象によって発泡性樹脂の発泡をさらに促進させることが可能である。補強繊維が含有された発泡性樹脂を用いて成形される樹脂成形品において、樹脂成形品の表面に補強繊維が露出して表面外観を悪化させることがなく、前記効果をより有効に奏することができる。
また更に、本願の請求項5に係る発明方法によれば、発泡性樹脂に、物理発泡剤が含有されていることにより、発泡セル径の微細な樹脂成形品を成形することができ、樹脂成形品において曲げ剛性等の物性をさらに向上させることができる。
また更に、本願の請求項6に係る発明方法によれば、物理発泡剤が、超臨界状態の流体であることにより、さらに微細な発泡セルを有する樹脂成形品を成形することができ、前記効果をさらに有効に奏することができる。
また更に、本願の請求項7に係る樹脂成形品の成形装置によれば、発泡性樹脂の発泡を促進させてブロー成形体を膨張させることができるとともに、ブロー成形体の膨張に伴ってブロー成形体の延伸される部分が成形型によって冷却されブロー成形体の膨張が妨げられることを抑制することができ、表面性及び物性に優れた樹脂成形品を容易に且つ確実に成形することができる。
また更に、本願の請求項8に係る発明によれば、温調手段は、成形型内を流通する温調媒体を備えていることにより、比較的簡単な構造によってブロー成形体の延伸される部分に対応する成形型の型面部の温度調整を行うことが可能である。
また更に、本願の請求項9に係る発明によれば、温調手段は、成形型の型面部を加熱する加熱手段を備えていることにより、比較的簡単な構造によってブロー成形体の延伸される部分に対応する成形型の型面部の温度調整を行うことができる。
また更に、本願の請求項10に係る発明によれば、成形型のコア部を移動させる前においても、ブロー成形体の膨張に伴ってブロー成形体の延伸される部分が冷却されることを抑制することができ、前記効果をより有効に奏することができる。
また更に、本願の請求項11に係る発明によれば、樹脂成形品を成形した後に樹脂成形品の冷却を促進させることができ、樹脂成形品を成形する成形サイクルタイムを短縮させることが可能である。
また更に、本願の請求項12に係る発明によれば、成形型の構造やその駆動機構等を複雑化させることなく、比較的簡単な構造によって、前記効果を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る樹脂成形品の成形装置を示す概略説明図である。この図に示すように、前記成形装置1は、開閉可能に設けられる成形型10と、加熱溶融した第1の樹脂をパリソン20として押し出す押出ヘッド21と、成形型10内に加圧流体を供給する加圧流体供給手段としてのブローピン25と、成形型10内に第2の樹脂に発泡剤を含有させた発泡性樹脂を注入する注入手段としての射出装置30と、成形型10の型面部の型温調整を行う温調手段としての温調装置40とを備えている。
成形型10は、固定型11と可動型12とによって構成され、固定型11と可動型12とを型閉めすることにより、成形型10内に樹脂成形品の所望形状に応じたキャビティ16が形成される。可動型12は、キャビティ16の一部を規定するコア部13と、コア部13と組み合わせられる外周部14とを備えている。なお、後述するように、成形型10の外周部14には、該外周部14の型面部14aの温度を調整するための温調媒体が流通する媒体流路15が設けられている。
図2は、前記成形装置の可動型を模式的に示す斜視図であり、図2では、外周部14に対してコア部13が型開き方向に移動された状態を示している。図2に示すように、可動型12のコア部13は、略平板状に形成される板状部13aから四角状に突出する突出部13bを備えており、成形型10の型開閉方向に垂直な方向において突出部13bの外周には、該突出部13bの外周形状に応じて四角枠状に形成された外周部14が嵌め合わせられている。
可動型12は、固定型11に対してコア部13と外周部14とが一体的に型開閉方向に移動可能に構成されるとともに、固定型11と可動型12とを型閉めした後に、可動型12の外周部14と固定型11とを型閉めした状態において、成形型10のキャビティ16の容積を拡大させるように可動型12のコア部13のみを型開き方向に移動可能に構成されている。
ブローピン25は、加圧流体供給源(不図示)から供給される加圧流体として圧縮空気などの加圧気体を成形型10内に供給して、成形型10内を所定の圧力に保持することができるようになっている。また、ブローピン25は、該ブローピン25を成形型10内に挿入した状態で成形型10内の空気を排気できるようになっている。成形型10の固定型11には、ブローピン25を挿通させるための挿通孔26が設けられ、ブローピン25は、挿通孔26内で進退動可能に構成されている。
射出装置30は、発泡性樹脂31を成形型10内に注入するものであり、第2の樹脂32を混錬溶融させるシリンダ33を備えている。シリンダ33の内部にはスクリュー34が備えられ、スクリュー34の後端には、スクリュー駆動機構及び射出機構(共に不図示)が連結されている。
射出装置30では、シリンダ33の周囲に設けられた加熱ヒータ(不図示)とスクリュー34とによって、シリンダ33に投入された第2の樹脂32を順次加熱するとともに混錬溶融させる。そして、混錬溶融された第2の樹脂32に対し、二酸化炭素又は窒素等の不活性ガスを含むボンベ35から超臨界流体発生装置36を介して超臨界状態にされた前記不活性ガスが、超臨界流体注入装置37によって注入される。これにより、第2の樹脂32に発泡剤を含有させた発泡性樹脂31が形成される。
発泡性樹脂31は、スクリュー34が前記スクリュー駆動機構によって回転されるとともに前記射出機構によって射出されることによって成形型10内に注入される。成形型10、具体的には固定型11には、射出装置30のノズル38に連通され、発泡性樹脂31を成形型10内に注入するための注入経路17が設けられている。
温調装置40は、成形型10の型温調整を行うものであり、図1に示すように、温水供給装置41と冷水供給装置42とを備えている。温水供給装置41は、温調媒体供給源(不図示)から供給される温調媒体としての水を所定温度に温めて温水として供給できるようになっており、冷水供給装置42は、前記温調媒体供給源から供給される温調媒体としての水を冷却して所定温度の冷水として供給できるようになっている。なお、図1では、可動型12の外周部14の型温調整を行う温調装置40のみが示されているが、可動型12のコア部13及び固定型11にもそれぞれ、該コア部13及び固定型11の型面部の温度調整を行うための温調媒体を備えた温調手段が設けられている。
温水供給装置41には、温水供給ホース43と温水排出ホース44とが接続され、冷水供給装置42には、冷水供給ホース45と冷水排出ホース46とが接続されている。また、温水供給ホース43と冷水供給ホース45とはともに給水切換弁47に連結され、温水排出ホース44と冷水排出ホース46とはともに排水切換弁48に連結されている。
前述したように、可動型12の外周部14には、該外周部14の型面部14aを所定温度に調整するために温水や冷水が流通する媒体流路15が設けられており、この媒体流路15には、該媒体流路15内に温水又は冷水を供給するための給水ホース49と、該媒体流路15から温水又は冷水を排出するための排水ホース50とが連結されている。
給水ホース49は、その一端が媒体流路15に連結されるとともに、その他端が給水切換弁47に連結されており、給水切換弁47は、給水ホース49に対する温水供給ホース43又は冷水供給ホース45の連通を選択的に切り換えることができるとともに、それらの連通を遮断できるようになっている。
一方、排水ホース50は、その一端が媒体流路15に連結されるとともに、その他端が排水切換弁48に連結されており、排水切換弁48は、排水ホース50に対する温水排出ホース44又は冷水排出ホース46の連通を選択的に切り換えることができるとともに、それらの連通を遮断できるようになっている。
温調装置40では、成形型10内の媒体流路15に温水を供給する場合、給水切換弁47によって温水供給ホース43と給水ホース49とが連通させられ、排水切換弁48によって排水ホース50と温水排出ホース44とが連通させられ、温水供給装置41からの温水が、温水供給ホース43、給水ホース49、媒体流路15、排水ホース50及び温水排出ホース44を通じて流通させられる。
一方、成形型10内の媒体流路15に冷水を供給する場合、給水切換弁47によって冷水供給ホース45と給水ホース49とが連通させられ、排水切換弁48によって排水ホース50と冷水排出ホース46とが連通させられ、冷水供給装置42からの冷水が、冷水供給ホース45、給水ホース49、媒体流路15、排水ホース50及び冷水排出ホース46を通じて流通させられる。
また、前記成形装置1は、該成形装置1を総合的に制御する制御ユニット(不図示)を備えており、該制御ユニットは、成形型10の開閉駆動、成形型10のコア部13の型開き方向への移動機構、押出ヘッド21のパリソン押出機構、ブローピン25の作動機構、ブローピン25からの加圧流体供給機構、射出装置30の発泡性樹脂31の注入機構、温調装置40の作動等の制御を行う。前記制御ユニットには、タイマ(不図示)が備えられており、後述する図10及び図11に示すように、前記制御ユニットは、パリソン20が垂下されるときからの時間に応じて、温水及び冷水の切換タイミングを調整し、成形型10の型面部14aを所定温度に設定するように温調装置40の作動を制御する。
前記制御ユニットは、外周部14の型面部14aを所定温度に加温する場合、外周部14の型面部14aの温度を検出する温度センサ(不図示)の検出値に基づいて温水供給装置41から供給する温水の温度を設定するとともに給水切換弁47や排水切換弁48の開閉動作を制御し、外周部14の型面部14aを所定温度に冷却する場合、前記温度センサの検出値に基づいて冷水供給装置42から供給する冷水の温度を設定するとともに給水切換弁47や排水切換弁48の開閉動作を制御する。なお、前記制御ユニットは、例えばマイクロコンピュータを主要部として構成されている。
次に、前記成形装置1を用いた樹脂成形品の成形について説明する。
先ず、成形型10が型開きされた状態において、押出ヘッド21から成形型10内に、具体的には固定型11のキャビティ面11aと可動型12のコア部13のキャビティ面13cとの間に加熱溶融された第1の樹脂からなるパリソン20が円筒状に垂下される。なお、第1の樹脂としては、例えば熱可塑性樹脂等の非発泡のソリッド樹脂を用いることができる。
そして、固定型11に対して可動型12のコア部13と外周部14とが一体的に型閉め方向に移動されて成形型10が型閉めされ、パリソン20の上端側及び下端側が固定型11と可動型12の外周部14とによって挟み込まれる。これにより、パリソン20の内部の空間が閉じられてパリソン20の内部に空間部22が形成される。そして、その後にパリソン20の空間部22内に加圧気体が供給される。
図3は、前記成形装置の成形型内に位置するパリソンに加圧気体が供給された状態を示す概略説明図である。ブローピン25が前進させられ、ブローピン25によってパリソン20の内部の空間部22に加圧気体が供給され、パリソン20がブロー成形される。これにより、パリソン20は、その内部の空間が膨張してキャビティ面11a、13cに押し付けられ、キャビティ面11a、13cに応じた中空のブロー成形体23が成形される。
図4は、前記成形型内に発泡性樹脂が注入される状態を示す概略説明図である。成形型10内に垂下されたパリソン20がブロー成形されると、次に、ブロー成形体23内の空間部22に、射出装置30から第2の樹脂32に超臨界状態の流体を含有させた発泡性樹脂31が注入される。なお、第2の樹脂としては、例えばポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂などを用いることができる。
射出装置30からブロー成形体23内の空間部22への発泡性樹脂31の注入機構について、図5〜図7を参照して説明する。
図5〜図7は、射出装置30からブロー成形体23内の空間部22へ発泡性樹脂31が注入される工程を順に表しており、図4のA部について拡大して示している。図5は、前記注入経路に設けられた第1の弁体及び第2の弁体が閉じた状態を示す説明図、図6は、前記注入経路に設けられた前記第1の弁体が開き前記第2の弁体が閉じた状態を示す説明図、図7は、前記注入経路に設けられた前記第1の弁体及び前記第2の弁体が開いた状態を示す説明図である。
図5に示すように、固定型11に設けられる注入経路17は、キャビティ面11aに形成される凹部11bと連通され、該凹部11bの底側に第1の弁体51が備えられている。第1の弁体51は、ロッド52を介して駆動シリンダ53に連結され、駆動シリンダ53を作動させることにより上下方向に移動可能に構成されている。注入経路17は、この第1の弁体51が上方へ移動されることで閉じられる。また、注入経路17には、該注入経路17を開閉し、水平方向に移動可能に構成される第2の弁体54が備えられている。これにより、注入経路17では、第1の弁体51及び第2の弁体54が開いた状態において、発泡性樹脂31が成形型10内に注入可能となる。
図5に示すように、第1の弁体51及び第2の弁体54がそれぞれ注入経路17を閉じた状態で、パリソン20内の空間部22に加圧気体が供給されてパリソン20がキャビティ面11aに押し付けられる際には、凹部11bにおいても、その表面にパリソン20が断面コ字状に押し付けられるが、この部分ではパリソン20の厚さが薄く成形される。
そして、図6に示すように、駆動シリンダ53を作動させて第1の弁体51を下方側へ移動させた後に、ブローピン25を介して加圧気体が供給され空間部22の圧力が高められると、凹部11b内に断面コ字状に成形されたパリソン20が、その底部20aにおいて開口させられる。
次に、第2の弁体54が注入経路17を開くように移動され、空間部22と注入経路17とが連通された後に、図7に示すように、発泡性樹脂31が、射出装置30から空間部22内に注入される。なお、図5〜図7は、パリソン20がブロー成形されて形成される中空のブロー成形体23の内部への発泡性樹脂の注入の一例を示したものであり、その他の好適な手段によって発泡性樹脂31を注入するようにしてもよい。
このようにして、発泡性樹脂31がブロー成形体23内に注入される際には、発泡性樹脂31の注入に伴って、ブロー成形体23の空間部22内の空気がブローピン25を通じて排出される。ブロー成形体23内に発泡性樹脂31が充填されると、ブローピン25が後退させられ、次に、固定型11と可動型12の外周部14とを型閉めした状態で、成形型10のキャビティ16の容積を拡大させるように成形型10のコア部13のみを型開き方向に移動させる。これにより、発泡性樹脂31の発泡を促進させ、ブロー成形体23を膨張させる。
図8は、前記成形型内に注入された発泡性樹脂が発泡成形された状態を示す概略説明図である。この図に示すように、成形装置1では、成形型10のキャビティ16の容積を拡大するように、成形型10のコア部13が型開き方向に、すなわち矢印X1の方向に所定量移動されることにより、発泡性樹脂31の発泡が促進されブロー成形体23が膨張される。そして、溶融状態にある発泡性樹脂31が冷却されて固化し、ブロー成形体23の内部に発泡性樹脂31を注入して発泡させるようにした樹脂成形品24が成形される。
このように、ブロー成形体23の内部に発泡性樹脂31を注入した後に、成形型10のキャビティ16の容積を拡大するように成形型10のコア部13を型開き方向に移動させて樹脂成形品24を成形する場合、ブロー成形体23が成形型10によって冷却され、コア部13を型開き方向に移動させる際にブロー成形体23が型開き方向に延伸されず、ブロー成形体23の膨張が妨げられて、例えばコーナ部のダレなどの外観不良等の問題が生じる場合があるが、本実施形態では、成形型10の型面部の温度を好適に調整することでかかる問題を回避する。
図9は、図8のB部を拡大して示した断面説明図である。前記のように、成形型10のキャビティ16の容積を増大させるように成形型10のコア部13を型開き方向に移動させると、ブロー成形体23が型開き方向に膨張され、コア部13のキャビティ面13cに、具体的にはキャビティ面13cの周縁部13d近傍に位置するブロー成形体23が延伸させられる。
温調装置40は、コア部13を型開き方向に移動してブロー成形体23を膨張させる際に、ブロー成形体23の膨張に伴って該ブロー成形体23の延伸される部分23aに対応する成形型10の型面部、具体的には、ブロー成形体23の延伸される部分23aに隣接する外周部14の型面部14aを、成形型10の他の型面部、例えば可動型12のコア部13のキャビティ面13cや固定型11のキャビティ面11aより高い温度に設定するように前記制御手段によって制御される。
具体的には、温調装置40は、コア部13を移動してブロー成形体23を膨張させる際に、ブロー成形体23の膨張に伴ってブロー成形体23の延伸される部分23aに対応する成形型10の型面部14aの温度調整を行う温調媒体としての温水の温度を、成形型10の他の型面部11a、13cの温度調整を行う温調媒体の温度より高い温度に設定するようにその作動が前記制御手段によって制御される。このようにして、比較的簡単な構造によってブロー成形体の延伸される部分に対応する成形型の型面部の温度調整を行うことが可能である。なお、外周部14の型面部14aは、コア部13の型開き方向への移動に伴って新たにキャビティ面となる型面部だけでなく、前記キャビティ面近傍の型面部も含むものとする。
図10は、前記温調装置において温水と冷水との切換タイミングを示すパターン図である。この図に示すように、温調装置40では、前記制御ユニットによって媒体流路15内に供給する温水と冷水の切換が行われる。前記のように、成形型10のコア部13を型開き方向に所定量移動(コアバック)してブロー成形体23を膨張させる際には、外周部14が温水によって加温され、外周部14の型面部14aは、成形型10の他の型面部、例えばキャビティ面11a、13cより高い温度に設定される。
このように、成形型10のコア部13を型開き方向に移動してブロー成形体23を膨張させる際に、外周部14の型面部14aを、成形型10の他の型面部より高い温度に設定することで、ブロー成形体23の延伸される部分23aが冷却固化されることを抑制することができ、ブロー成形体23の延展性を維持することができる。
また、コア部13の型開き方向への移動前においても外周部14の型面部14aは、成形型10の他の型面部11a、13cより高い温度に設定される。すなわち、パリソン20を挟んで成形型10を型閉めする型閉め時から、パリソン20がブロー成形され、そのブロー成形体23の内部に発泡性樹脂31が注入され、その後に成形型10のコア部13を型開き方向に移動させたコア移動終了時まで、外周部14が温水によって加温され、外周部14の型面部14aは、成形型10の他の型面部、例えばキャビティ面11a、13cより高い温度に設定される。なお、外周部14の型面部14aは、例えば80℃の温度に設定され、コア部13のキャビティ面13cや固定型11のキャビティ面11aは、例えば60℃に設定される。
このように、成形型10の型閉め時からコア部13を移動したコア移動終了時までの間、外周部14の型面部14aを、成形型10の他の型面部11a、13cより高い温度に設定することで、コア部13を型開き方向に移動させる前においても、ブロー成形体23の膨張に伴ってブロー成形体23の延伸される部分23aが冷却固化されることを抑制することができる。
一方、コア移動終了時から、成形型10が型開きされた後に樹脂成形品24が成形型10から取り出される成形品脱型時までは、外周部14が冷水によって冷却され、外周部14の型面部14aは、型閉め時からコア移動終了時までの間における外周部14の型面部14aの温度より低い温度に設定される。なお、外周部14の型面部14aは、例えば50℃の温度に設定され、コア部13のキャビティ面13cや固定型11のキャビティ面11aは、例えば60℃に設定される。
このように、コア移動終了時から成形品脱型時までの間、外周部14の型面部14aを、型閉め時からコア移動終了時までの間の型面部14aの温度より低い温度に設定することで、樹脂成形品24を成形した後に樹脂成形品24の冷却を促進させることができ、樹脂成形品24を成形する成形サイクルタイムを短縮させることが可能である。
樹脂成形品24においては、ブロー成形体23の延伸される部分23aはその肉厚が薄く成形されることとなるが、この薄肉化された部分23aを介して発泡性樹脂31が冷却されるので、この部分23aの内側では、発泡性樹脂31が急速に冷却固化されたスキン層を厚く形成することができ、ブロー成形体23の薄肉化された部分23aの強度が弱くなることを抑制することができる。
また、図10に示すように、パリソン20が成形型10内に垂下される際には、外周部14は冷水によって冷却されている。図10では、パリソンの垂下から型閉じ時における冷水から温水への切換タイミング調整域が示されているが、この切換タイミング調整域は、樹脂の温度特性、樹脂温度、成形型の温度などに応じて、その調整域内で切換タイミングが調整可能であることを示している。コア移動終了後における温水から冷水への切換タイミング調整域についても、樹脂の温度特性、樹脂温度、成形型の温度、パリソンの肉厚や材料、コア部の型開き方向への移動量などに応じて、その調整域内で切換タイミングが調整可能であることを示している。
図11は、前記温調装置において温水と冷水との切換タイミングを示す別のパターン図である。この図に示すように、温調装置40は、パリソン20が成形型10内に垂下されるときから、樹脂成形品24が成形型10から取り出される成形品脱型時までの間を通じて、外周部14が温水によって加温され、外周部14の型面部14aは、成形型10の他の型面部、例えばキャビティ面11a、13cより高い温度に設定されるようにしてもよい。
また、成形装置1では、パリソン20の空間部22に発泡性樹脂31を注入する際に、空間部22内の空気がブローピン25を通じて排出されているが、空間部22を規定するパリソン20に、空間部22内の気体を排出する気体排出用穴を設けるようにしてもよい。
図12は、本発明の第2の実施形態に係る樹脂成形品の成形装置において、該成形装置の成形型内に位置するパリソンに加圧気体が供給された状態を示す概略説明図であり、図13は、前記成形装置の成形型内に発泡性樹脂が注入される状態を示す概略説明図である。なお、これらの図では、前述した成形装置1と同様の構成を備え、同様の作用をなすものについては同一符号を付し、それ以上の説明は省略する。
第2の実施形態に係る成形装置では、図12に示すように、成形型60が型閉じされた状態において、キャビティ面11a、13cによって形成される空間内に突出するようにピン61が固定型11に設けられている。このピン61は、その先端側が先細り形状に形成され、その後端側が可動プレート62に取り付けられている。該可動プレート62は、例えば駆動シリンダ等によって、キャビティ面11a、13cによって形成される空間に対して進退動可能に構成されている。
また、成形型60では、キャビティ面11a、13cによって形成される空間内の気体を排出するための排気経路64が固定型11に形成されており、この排気経路64は、可動プレート62を前進させることで閉じられ、可動プレート62を後退させることで開かれるようになっている。
前記のように、パリソン20の空間部22に加圧気体が供給されてパリソン20がキャビティ面11aに押し付けられる際には、図12に示すように、パリソン20にピン61が刺さった状態でパリソン20がキャビティ面11aに押し付けられ、パリソン20には、ピン61によって気体排出穴20bが形成される。
そして、発泡性樹脂31が空間部22内に注入される際には、図13に示すように、ブローピン25を後退させるとともに可動プレート62を後退させる。これにより、発泡性樹脂31の注入に伴って、空間部22内の気体を、気体排出穴20bから排気経路64を通じて排出させることができる。
なお、本実施形態では、発泡剤として超臨界状態にある流体を用いているが、その他の物理発泡材、あるいは化学発泡剤を使用することも可能である。また、成形型の型面部を温調する温調媒体として、水を用いているが、これに限るものではなく、例えば油等のその他の温調媒体を用いることも可能である。
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、樹脂成形品24を成形する上で、成形型10のコア部13を移動してブロー成形体23を膨張させる際に、外周部14の型面部14aを、成形型10の他の型面部11a、13cより高い温度に設定することにより、発泡性樹脂31の発泡を促進させてブロー成形体23を膨張させることができるとともに、ブロー成形体23の膨張に伴ってブロー成形体23の延伸される部分23aが成形型10によって冷却されブロー成形体23の膨張が妨げられることを抑制することができ、表面性及び物性に優れた樹脂成形品を容易に且つ確実に成形することができる。
また、成形型10の型閉め時からコア部13を移動したコア移動終了時までの間、外周部14の型面部14aを、成形型10の他の型面部より高い温度に設定することにより、成形型10のコア部13を型開き方向に移動させる前においても、ブロー成形体23の膨張に伴ってブロー成形体23の延伸される部分23aが冷却されることを抑制することができ、前記効果をより有効に奏することができる。
更に、発泡性樹脂31に、物理発泡剤が含有されていることにより、発泡セル径の微細な樹脂成形品を成形することができ、樹脂成形品において曲げ剛性等の物性をさらに向上させることができる。
また更に、物理発泡剤が、超臨界状態の流体であることにより、さらに微細な発泡セルを有する樹脂成形品を成形することができ、前記効果をさらに有効に奏することができる。
また更に、本実施形態に係る成形装置1では、成形型の構造やその駆動機構等を複雑化させることなく、比較的簡単な構造によって、前記効果を得ることができる。
なお、樹脂成形品24の成形に際し、発泡性樹脂31にさらに、該発泡性樹脂31を補強する補強繊維を含有させるようにしてもよい。このように、発泡性樹脂31に補強繊維を含有させることで、繊維のスプリングバック現象によって発泡性樹脂の発泡をさらに促進させることが可能である。補強繊維が含有された発泡性樹脂を用いて成形する場合においても、樹脂成形品の表面に補強繊維が露出して表面外観を悪化させることがなく、表面性の良好な樹脂成形品を得ることができる。
図14は、本発明の第3の実施形態に係る樹脂成形品の成形装置において、該成形装置の成形型内に発泡性樹脂が注入される状態を示す概略説明図であり、図15は、前記成形型内に注入された発泡性樹脂が発泡成形された状態を示す概略説明図である。なお、これらの図では、前述した成形装置1と同様の構成を備え、同様の作用をなすものについては同一符号を付し、それ以上の説明は省略する。
図14に示すように、第3の実施形態に係る成形装置70では、成形型80の型温調整を行うための温調装置90が,成形装置1の温水供給装置41に代えて、成形型80の型面部を加熱する加熱手段として可動型82の外周部84に設けられた加熱ヒータ85を有する加熱装置91を備えるとともに、冷水供給装置92を備えている。加熱装置91は、可動型82の外周部84に組み込まれた加熱ヒータ85に接続され、加熱ヒータ85によって外周部84の型面部84aを所定温度に加熱できるようになっている。
冷水供給装置92は、前記温調媒体供給源から供給される温調媒体としての水を冷却して所定温度の冷水として供給できるようになっている。なお、可動型82の外周部84には、温調媒体としての冷水が流通する媒体流路(不図示)が設けられ、この媒体流路には、給水ホース97と排水ホース98とが連結されている。
冷水供給装置92には、冷水供給ホース93と冷水排出ホース94とが連結され、冷水供給ホース93と給水ホース97との間に給水開閉弁95が設けられ、冷水排出ホース94と排水ホース98との間には排水開閉弁96が設けられている。給水開閉弁95は、冷水供給ホース93と給水ホース97との間の連通又は遮断が可能に構成されている。また、排水開閉弁96は、冷水排出ホース94と排水ホース98との間の連通又は遮断が可能に構成されている。
温調装置90では、加熱装置91を作動させることにより、外周部84の型面部84aを所定温度に加熱することができ、冷水供給装置41を作動させることにより、外周部83の型面部84aを所定温度に冷却することができるようになっている。なお、加熱装置91及び冷水供給装置92の作動は、前記制御ユニットによって制御される。
成形装置70においても、図14に示すように、パリソン20がブロー成形され、そのブロー成形体23の内部に発泡性樹脂31が注入される際には、外周部84の型面部84aが、加熱ヒータ85によって加熱される。また、成形型80のコア部13を型開き方向に移動してブロー成形体23を膨張させる際にも、ブロー成形体23の膨張に伴って該ブロー成形体23の延伸される部分23aに対応する外周部84の型面部84aが、加熱ヒータ85によって加熱され、成形型80の他の型面部、例えばキャビティ面11a、13cより高い温度に加熱される。なお、加熱ヒータ85によって加熱される際には、給水開閉弁95及び排水開閉弁96が閉じられ、冷却供給装置92による冷水の供給が停止させられている。
一方、図15に示すように、コア部13が移動されたコア移動終了時から、成形型80が型開きされた後に樹脂成形品24が成形型80から取り出される成形品脱型時までは、加熱装置91によって加熱ヒータ85の電源がオフ状態にされるとともに、冷水供給装置92によって外周部84の型面部84aが冷水により冷却され、外周部84の型面部84aは、型閉め時からコア移動終了時までの間における外周部84の型面部84aの温度より低い温度に設定される。
このように、温調装置90は、ブロー成形体23の延伸される部分23aに対応する成形型84の型面部84aを、成形型80の他の型面部11a、13cより高い温度に加熱する加熱手段85を備えていることにより、比較的簡単な構造によってブロー成形体23の延伸される部分23aに対応する成形型80の型面部84aの温度調整を行うことができ、前記実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、温調装置40における温水供給装置41及び冷水供給装置42、あるいは温調装置90における冷水供給装置92において、成形型の型面部を所定温度に温調するために、温水や冷水を連続的に供給するものであっても、間欠的に供給するものであってもよい。
本実施形態では、成形型10のコア部13が型開き方向に移動してブロー成形体23を膨張させ、ブロー成形体23の延伸される部分23aに隣接する外周部14の型面部14aが温調手段によって温調されているが、成形型のキャビティの容積を拡大するように成形型のコア部を移動してブロー成形体を膨張させる際に、該コア部の移動に伴ってブロー成形体の延伸される部分に隣接する成形型の型面部を、成形型の他の型面部より高い温度にする温調手段を備えたその他の成形型を用いることが可能である。
以上のように、本発明は、例示された実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
本発明は、ブロー成形体の内部に発泡性樹脂を注入し発泡させるようにした樹脂成形品の成形に関するものであり、例えば車体に組みつけられるトランクボードなどの樹脂成形品の成形に好適に適用可能である。
本発明の第1の実施形態に係る樹脂成形品の成形装置を示す概略説明図である。 前記成形装置の可動型を模式的に示す斜視図である。 前記成形装置の成形型内に位置するパリソンに加圧気体が供給された状態を示す概略説明図である。 前記成形型内に発泡性樹脂が注入される状態を示す概略説明図である。 前記注入経路に設けられた第1の弁体及び第2の弁体が閉じた状態を示す説明図である。 前記注入経路に設けられた前記第1の弁体が開き前記第2の弁体が閉じた状態を示す説明図である。 前記注入経路に設けられた前記第1の弁体及び前記第2の弁体が開いた状態を示す説明図である。 前記成形型内に注入された発泡性樹脂が発泡成形された状態を示す概略説明図である。 図8のB部を拡大して示した断面説明図である。 前記温調装置において温水と冷水との切換タイミングを示すパターン図である。 前記温調装置において温水と冷水との切換タイミングを示す別のパターン図である。 本発明の第2の実施形態に係る樹脂成形品の成形装置において、該成形装置の成形型内に位置するパリソンに加圧気体が供給された状態を示す概略説明図である。 前記成形装置の成形型内に発泡性樹脂が注入される状態を示す概略説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る樹脂成形品の成形装置において、該成形装置の成形型内に発泡性樹脂が注入される状態を示す概略説明図である。 前記成形型内に注入された発泡性樹脂が発泡成形された状態を示す概略説明図である。
符号の説明
1、70 成形装置
10、60、80 成形型
11 固定型
12、82 可動型
13 コア部
14、84 外周部
16 キャビティ
20 パリソン
21 押出ヘッド
23 ブロー成形体
24 樹脂成形品
25 ブローピン
30 射出装置
31 発泡性樹脂
40、90 温調装置
41 温水供給装置
42、92 冷水供給装置
91 加熱装置

Claims (12)

  1. ソリッド樹脂からなるパリソンを型開きした成形型内に垂下させ、前記パリソンを挟んで前記成形型を型閉めした後に前記パリソンをブロー成形して中空のブロー成形体を形成し、該ブロー成形体の形成後に前記ブロー成形体内に発泡性樹脂を注入し、該発泡性樹脂の注入後に、前記成形型のキャビティの容積を拡大させるように前記成形型のコア部を所定量移動させることにより、前記発泡性樹脂の発泡を促進させて前記ブロー成形体を膨張させるようにした樹脂成形品の成形方法であって、
    前記コア部を移動して前記ブロー成形体を膨張させる際に、前記ブロー成形体の膨張に伴って前記ブロー成形体の延伸される部分に対応する前記成形型の型面部が、前記成形型の他の型面部より高い温度に設定されていることを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
  2. 前記パリソンを挟んで前記成形型を型閉めする型閉め時から前記成形型のコア部を所定量移動させたコア移動終了時までの間において、前記ブロー成形体の延伸される部分に対応する前記成形型の型面部が、前記成形型の他の型面部より高い温度に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形品の成形方法。
  3. 前記成形型のコア部を所定量移動させたコア移動終了時から前記樹脂成形品が前記成形型から取り出される成形品脱型時までの間において、前記ブロー成形体の延伸される部分に対応する前記成形型の型面部が、前記型閉め時から前記コア移動終了時までの間における前記成形型の前記型面部の温度より低い温度に設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂成形品の成形方法。
  4. 前記発泡性樹脂に、該発泡性樹脂を補強する補強繊維が含有されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一に記載の樹脂成形品の成形方法。
  5. 前記発泡性樹脂に、物理発泡剤が含有されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一に記載の樹脂成形品の成形方法。
  6. 前記物理発泡剤が、超臨界状態の流体であることを特徴とする請求項5に記載の樹脂成形品の成形方法。
  7. 開閉可能な成形型と、型開きされた前記成形型内にソリッド樹脂からなるパリソンを押し出す押出ヘッドと、前記パリソンを挟んで前記成形型を型閉めした後に前記パリソン内に加圧流体を供給し中空のブロー成形体を形成する加圧流体供給手段と、前記ブロー成形体内に発泡性樹脂を注入する注入手段と、前記成形型のキャビティの容積を拡大させるように前記成形型のコア部を移動させるコア移動手段とを備え、前記ブロー成形体の内部に前記発泡性樹脂を注入した後に、前記成形型のキャビティの容積を拡大させるように前記コア部を移動し、前記発泡性樹脂の発泡を促進させて前記ブロー成形体を膨張させるようにした樹脂成形品の成形装置であって、
    前記成形型の型面部の温度調整を行う温調手段と、
    前記成形型の前記型面部を所定温度に設定するように前記温調手段の作動を制御する制御手段と、
    をさらに備え、
    前記制御手段は、前記コア部を移動して前記ブロー成形体を膨張させる際に、前記ブロー成形体の膨張に伴って前記ブロー成形体の延伸される部分に対応する前記成形型の型面部を、前記成形型の他の型面部より高い温度に設定するように前記温調手段の作動を制御することを特徴とする樹脂成形品の成形装置。
  8. 前記温調手段は、前記成形型内を流通する温調媒体を備え、
    前記制御手段は、前記コア部を移動して前記ブロー成形体を膨張させる際に、前記ブロー成形体の膨張に伴って前記ブロー成形体の延伸される部分に対応する前記成形型の型面部の温度調整を行う前記温調媒体の温度を、前記成形型の他の型面部の温度調整を行う前記温調媒体の温度より高い温度に設定するように前記温調手段の作動を制御することを特徴とする請求項7に記載の樹脂成形品の成形装置。
  9. 前記温調手段は、前記コア部を移動して前記ブロー成形体を膨張させる際に、前記ブロー成形体の膨張に伴って前記ブロー成形体の延伸される部分に対応する前記成形型の型面部を、前記成形型の他の型面部より高い温度に加熱する加熱手段を備えていることを特徴とする請求項7に記載の樹脂成形品の成形装置。
  10. 前記制御手段は、前記パリソンを挟んで前記成形型を型閉めする型閉め時から前記成形型の前記コア部を移動させたコア移動終了時までの間において、前記ブロー成形体の延伸される部分に対応する前記成形型の型面部を、前記成形型の他の型面部より高い温度に設定するように前記温調手段の作動を制御することを特徴とする請求項7〜9の何れか一に記載の樹脂成形品の成形装置。
  11. 前記制御手段は、前記成形型のコア部を移動させたコア移動終了時から前記樹脂成形品が前記成形型から取り出される成形品脱型時までの間において、前記ブロー成形体の延伸される部分に対応する前記成形型の型面部を、前記型閉め時から前記コア移動終了時までの間における前記成形型の前記型面部の温度より低い温度に設定するように前記温調手段の作動を制御することを特徴とする請求項7〜10の何れか一に記載の樹脂成形品の成形装置。
  12. 前記成形型は、固定型と可動型とを有し、
    前記固定型及び前記可動型の何れか一方の型は、前記成形型を型閉めする際に前記固定型及び前記可動型の他方の型と型閉めするとともに前記成形型の前記コア部の外周に位置する外周部と、前記成形型のキャビティの容積を拡大させるように前記外周部に対し移動可能な前記コア部とを備え、
    前記温調手段は、前記ブロー成形体の延伸される部分に対応する前記外周部の型面部を、前記成形型の他の型面部より高い温度にするように前記外周部の型面部の温度調整を行うことを特徴とする請求項7〜11の何れか一に記載の樹脂成形品の成形装置。
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