JPH08300391A - 発泡性プラスチック組成物の射出成形方法 - Google Patents

発泡性プラスチック組成物の射出成形方法

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JPH08300391A
JPH08300391A JP7108460A JP10846095A JPH08300391A JP H08300391 A JPH08300391 A JP H08300391A JP 7108460 A JP7108460 A JP 7108460A JP 10846095 A JP10846095 A JP 10846095A JP H08300391 A JPH08300391 A JP H08300391A
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Michio Yoshizaki
倫生 吉崎
Koichi Honda
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面が無発泡又は低発泡で緻密な構造を有す
る層でなり内部が高発泡層でなる、軽量で断熱性に優れ
た発泡プラスチック成形品を製造すること。 【構成】 目的とする成形品の容積より小さいキャビテ
ィー内に溶融した発泡性プラスチック組成物を射出し、
射出充填完了後に金型面に接触する固化層と内部の溶融
層が混在する状態まで冷却した後、キャビティーの容積
を目的とする成形品の容積まで拡大し更に冷却してから
発泡プラスチック成形品を取り出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発泡性プラスチック組
成物の射出成形方法に関する。さらに詳しくは、成形品
の表面が無発泡又は低発泡で緻密な構造を有する層でな
り内部が高発泡層でなる、軽量で、断熱性に優れ更に剛
性を有する発泡プラスチック成形品を製造する射出成形
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の発泡プラスチック成形品の製造方
法として、目的とする成形品と同じ容積を有するキャビ
ティー内に、発泡剤を含む熱可塑性プラスチック組成物
をキャビテイーの容積より少ない量で射出し、該組成物
の発泡による容積増加を利用してキャビティー内に充填
させる方法が知られている。しかしながら、この方法で
は目的とする成形品の末端部分の形状が薄肉である場合
には該組成物を完全に充填することが困難である。更に
目的とする成形品の厚みが4mm以上の場合においても、
発泡倍率が1.2〜1.5倍が限度であり、このような倍
率では得られる発泡プラスチック成形品の断熱性及び軽
量化に問題が残る。
【0003】その他の発泡プラスチック成形品の製造方
法として特開昭62−246710号公報には、射出成
形機の射出口に結合される成形型を固定型とその固定型
に対して進退する可動型とで構成し、それらの間に形成
されるキャビティーを可動型の進退によって拡大縮小可
能となし、射出成形機から成形型内へ発泡剤が射出され
るとき可動型を後退させてキャビティーを所定の大きさ
まで拡大する発泡樹脂の射出成形方法が開示されてい
る。また、特開平4−214311号公報には互いには
まりあってキャビティー容積を拡大又は縮小する方向に
相対移動可能な金型を、所定のキャビティー容積縮小位
置に位置させ、キャビティー内に発泡性溶融樹脂を発泡
しない樹脂圧力に維持した状態で注入しながら金型をキ
ャビティー容積拡大方向に移動させ、次に金型をキャビ
ティー容積縮小方向に移動させることにより樹脂を圧縮
し、これの表面を冷却して固化させ、次に金型を再びキ
ャビティー容積拡大方向に移動させることにより発泡を
開始する樹脂圧力まで低下させて内部の樹脂を発泡さ
せ、冷却した後成形品を取出す射出圧縮成形法が開示さ
れている。
【0004】しかしながら、上記のような従来の方法に
は、外観が優れた成形品が得られないという問題が残
る。前者の方法では、その原因として射出と同時にキャ
ビティーの容積を拡大するため、成形品の表面部分で気
泡の破裂が起こり、無発泡又は低発泡で緻密な気泡構造
の表面が得られないこと、やゲートより離れた位置に薄
肉部があるキャビティーの構造を持つ金型を用いた場
合、完全な充填が困難であることが考えられる。さら
に、後者の方法ではゲートより離れた位置に薄肉部があ
るキャビティーの構造を持つ金型(例えば平面部が大き
く、リブやボス等を有する形状をもつ成形品用の金型
等)及び通常の成形機を用いた場合、発泡性プラスチッ
クが発泡しない圧力に維持することが困難であることが
考えられる。勿論、大型の成形機を用い高速高圧で射出
を行うか、又はカウンタープレッシャー法を併用すれ
ば、発泡性プラスチックが発泡しない圧力に維持するこ
とができるが、経済性に問題が残る。更にキャビティー
容積を縮小及び拡大する2工程が必要であるため、並び
に縮小及び拡大したときのキャビティー容積を決定する
のに、労力、費用、時間が掛かるため経済性に問題が残
る。
【0005】さらに、従来の方法では、平面部が大きく
末端部分に薄肉のリブや壁面又はボス等を有する形状の
成形品では、成形品末端まで充分に樹脂を充填すること
ができず(いわゆるショートショット)不良品の発生、
及び表面が緻密で外観が優れた成形品が得られないとい
う問題が残る。
【0006】その原因として上記何れの方法も射出と同
時又は射出途中でキャビティー拡大を行う、つまり樹脂
を供給している最中に充填すべきキャビティーの容積が
増大していることが考えられる。特に平面部が大きなキ
ャビティーで該操作を行った場合、樹脂の供給速度がキ
ャビティーの容積拡大速度に追従できない事態が充分に
起こりうる。このような状況においては供給される樹脂
のキャビティー内での圧力を一定に維持することは非常
に困難であり、樹脂の発泡開始を阻止することはできな
い。更に末端までの充填に一定以上の樹脂供給圧力を必
要とする該形状を持つキャビティーでは、必然的にショ
ートショットとならざるを得ない。また、キャビティー
拡大後に再度キャビティー圧縮を行っても同時点では既
に樹脂の発泡の大半が完了しているために、キャビティ
ー圧縮工程は発泡によって生成された気泡部分を圧縮す
るのみで末端部分への流動充填効果は期待できない。
【0007】また前記と同じ理由により、キャビティー
内での樹脂圧力の低下は樹脂供給途中での発泡を促進さ
せることになり、この発泡によって生成された気泡が供
給中の樹脂先端部分で次々に破壊されるため成形品表面
にその痕跡を残すことになり、良好な外観を持つ成形品
が得られない。更に前記圧力低下を防止するために予め
金型内に圧縮ガスを封入しておき流動樹脂の先端部分圧
力を一定に保持するいわゆるカウンタープレッシャー法
を併用した場合に於いても、樹脂供給速度とキャビティ
ー容積拡大速度の関連に於いてキャビティー平面部分で
は見掛け上樹脂の流動が停止するか若しくは後退する現
象が発生し、その痕跡がいわゆるためらいマークとして
成形品表面上に現れて著しく外観を損なうことになる。
【0008】このような従来方法の欠点を除去するに
は、成形品の形状を棒状若しくは柱状または平面部投影
面積に対して厚み方向に充分に厚い形状に限定せざるを
得なくなる。すなわちこれら射出と同時又は射出途中に
キャビティーを拡大する工程を含む方法によって良好な
成形品を得ようとするときには成形品の形状が狭い範囲
に限定されてしまうという制約を逃れることは出来な
い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の問題点に鑑みてなされたものであってその目的は、ゲ
ートより離れた位置に薄肉部があるキャビティー構造を
有する金型を用いて通常の射出成形機で、表面が無発泡
又は低発泡で緻密な構造を有する層でなり内部が高発泡
層でなる、軽量で断熱性に優れ更に剛性を有する発泡プ
ラスチック成形品を製造する経済性に優れた射出成形方
法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、 a) 溶融した発泡性プラスチック組成物を目的とする成
形品の容積の10〜95%の容積を有するキャビティー
内に射出する工程、 b) 射出充填完了後に金型面に接触する固化層と内部の
溶融層が混在する状態まで冷却する工程、 c) 目的とする成形品の容積までキャビティーの容積を
拡大する工程、及び d) 更に冷却を行った後に成形品を取り出す工程を含む
発泡性プラスチック組成物の射出成形方法が提供され
る。
【0011】本発明に用いる発泡性プラスチック組成物
は熱可塑性プラスチックと発泡剤を含有する。熱可塑性
プラスチックとしては、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、プロピレン/エチレンコポリマー、ポリスチレン、
ポリ塩化ビニール、ポリ塩化ビニリデン、ABS樹脂、
メタクリル樹脂、ポリビニールアルコール等を例示でき
る。発泡剤としては、炭酸アンモニウム並びに重炭酸ソ
ーダ等の無機化合物及びアゾ化合物、スルホヒドラジド
化合物、ニトロソ化合物およびアジド化合物等の有機化
合物を例示できる。上記アゾ化合物としてはアゾジカル
ボンアミド(ADCA)、2,2−アゾイチブチロニト
リル、アゾヘキサヒドロベンゾニトリル及びジアゾアミ
ノベンゼン等が例示でき、上記スルホヒドラジド化合物
としてはベンゼンスルホヒドラジド、ベンゼン−1,3
−ジスルホヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,3−
ジスルホヒドラジド及びジフェニルオキシド−4,4−
ジスルホヒドラジド等が例示でき、上記ニトロソ化合物
としてはN,N−ジニトロソペンタメチレンテトラミン
(DNPT)及びN,N−ジメチルテレフタレート等が
例示でき、上記アジド化合物としてはテレフタルアジド
及びP−第三ブチルベンズアジド等が例示できる。
【0012】本発明の発泡性プラスチック組成物は、例
えば、熱可塑性プラスチックに対して発泡剤を0.5〜
5重量%配合しタンブラー等を用いてドライブレンドす
ることによつて調整できる。
【0013】本発明で規定する目的とする成形品の容積
の10〜95%の容積を有するキャビティーは、例え
ば、目的とする成形品の容積を目的とする成形品の発泡
倍率で除した容積で表すことができる。例えば、目的と
する成形品の寸法が200mm×200mm×4mmであり、
発泡倍率が2倍の場合、目的とする成形品の容積の50
%の容積を有するキャビティーは、200mm×200mm
×2mmとあらわすことができる。
【0014】10%より小さい容積を有するキャビティ
ーを用いると、充填時に発泡性プラスチック組成物に掛
かる圧力の勾配が大きくなり、したがって均一な充填が
できず外観の優れる発泡プラスチック成形品が得られず
好ましくない。一方、95%より大きい容積を有するキ
ヤビティーを用いると、射出時に、一時的に発泡性プラ
スチック組成物に掛かる圧力が低下し、充填が完了する
前に発泡が始まり、外観の優れた発泡プラスチック成形
品が得られず好ましくない。
【0015】本発明によるキャビティー容積の拡大は、
例えば、射出成形機の型締め機構による金型の移動また
は金型に設けられたスライドコアの移動によって行うこ
とができる。このようなキャビティー容積の変化は手動
操作によっても行うことができるが、成形機または金型
の機構自体で制御できることが望ましい。すなわち、射
出成形機の型締め機構による金型の移動でキャビティー
容積の拡大を行う場合は、成形動作中に金型を任意に移
動及び停止できるような制御機能を持つことが望まし
く、スライドコアの移動によってキャビティー容積の拡
大を行う場合はスライドコアの移動を任意に制御できる
機能を持つことが望ましい。
【0016】本発明による金型面に接触する固化層と内
部の溶融層が混在する状態までの冷却は、例えば、射出
成形用金型の冷却機構を用い、射出による組成物の充填
が完了した後、目的とする成形品の容積の10〜95%
の容積を有するキャビティーの状態を1〜20秒間保持
することによって行うことができる。
【0017】本発明で用いる発泡性プラスチック組成物
には、必要に応じて酸化防止剤、耐候剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤、着色剤、オレフィン系エラストマー及
びタルク等の無機フィラーを本発明の目的を損なわない
範囲で配合することができる。
【0018】(作用効果)本発明の方法は、発泡性プラ
スチック組成物をキャビティー中へ射出している間はキ
ャビティーの状態が縮小位置にあり、つまり射出中はキ
ャビティーを縮小したり拡大したりしてキャビティーの
容積を変化させたりしないで、射出完了後に冷却−キャ
ビティーの拡大−再冷却の操作を行うことが特徴であ
る。したがって、この方法によって得られた成形品はそ
の表面が無発泡または低発泡で緻密な構造を有する層で
なり、内部が高発泡層でなる、外観、断熱性等が優れた
ものである。
【0019】成形品の表面が無発泡または低発泡で緻密
な構造を有する層が得られる原因として、上記b)の工
程までキャビティーの容積が成形品の容積の10〜95
%、つまりキャビティーの容積が縮小位置でありキャビ
ティーの容積の拡大を行わないため、キャビティー内に
射出充填した溶融状態の発泡性プラスチックの末端まで
射出圧力及び射出保圧が伝わっていると考えられ、この
状態の時の溶融した発泡性プラスチックは無発泡または
低発泡状態であると考えられる。その状態で金型面に接
する固化層と内部の溶融層が混在する状態まで冷却する
工程が存在するため、金型に接している溶融した発泡性
プラスチックは、無発泡又は低発泡状態のまま冷却され
るため、金型の表面を転写し、その後キャビティー容積
を拡大しても発泡することがないと考えられるため、表
面が無発泡又は低発泡で緻密な構造を有する層を持つ成
形品が形成され、すなわち外観が優れると考えられる。
また、上記のようにキャビティー内に射出充填した溶融
状態の発泡性プラスチックの末端まで射出圧力及び保圧
が伝わっていると考えられるため、ゲートより離れた位
置に薄肉部があるキャビティー構造を持つ金型を用いた
場合でも、薄肉部にも溶融状態の発泡性プラスチックが
充填でき、完全な充填が容易であると考えられる。勿
論、上記冷却する工程は、金型面に接する固化層と内部
の溶融層が混在する状態まで行われるため、その後の
c)の工程により内部の溶融層が発泡すると考えられ、
上記d)の工程で内部まで冷却固化させるため、内部が
高発泡層でなる成形品が得られる。
【0020】
【実施例】以下に実施例及び比較例によって本発明をさ
らに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によ
り制約されるものではない。なお以下の実施例及び比較
例で用いた組成物、射出成形機及び金型を以下に示す。
【0021】〔組成物〕 以下に示す組成物A、組成物
B及び組成物Cを用いた。 組成物A:JIS K7210の試験条件14(230
℃;21.18N)に基づくメルトフローレートが2.5
g/10分、結晶融点が165℃の結晶性プロピレン単
独重合体を97重量部及びアゾジカルボンアミド(AD
CA)を3重量部配合してタンブラーミキサーにて混合
撹拌して得た組成物。 組成物B:プロピレン単独重合体85重量%及びエチレ
ン含有量が60重量%のプロピレン・エチレン共重合体
15重量%よりなるJIS K7210の試験条件14
(230℃;21.18N)に基づくメルトフローレー
トが2.5g/10分、結晶融点が165℃の結晶性プ
ロピレン・エチレンブロック共重合体を97重量部、並
びにアゾジカルボンアミド(ADCA)を3重量部配合
してタンブラーミキサーにて混合撹拌して得た組成物。 組成物C:JIS K7210の試験条件14(230
℃;21.18N)に基づくメルトフローレートが2.5
g/10分、結晶融点が165℃の結晶性プロピレン単
独重合体を97重量部、アゾジカルボンアミド(ADC
A)を2重量%及び炭酸アンモニウムを1重量部配合し
てタンブラーミキサーにて混合撹拌して得た組成物。
【0022】〔射出成形機〕 スクリュー径が90mmの
シリンダー及び型締め制御機構を有し、最大型締め力が
650Tである射出成形機を用いた。 〔金型〕 後述の図1に示す、縦410mm,横295m
m,高さ50mmの箱形状の成形品が得られるキャビティ
ーを有し、更に金型のパーティング部分は嵌合形状であ
り、可動側の金型位置でキャビティーの容積が変更可能
な金型を用いた。
【0023】以下の実施例及び比較例で用いた特性の評
価は下記の方法で行った。 〔充填状態〕 実施例及び比較例で得られた成形品と以
下に示す標準品とを比較評価を行い、充填不足が現れる
末端部分の形状が標準品と同じ場合をG、異なる場合を
Nとした。 標準品:JIS K7210の試験条件14(230
℃;21.18N)に基ずくメルトフローレートが2.5
g/10分のポリプロピレンを用いて、実施例に用いる
成形機及び金型を用い、射出成形機のシリンダー設定温
度を210℃、金型の冷却水温度を50℃に設定し、天
面部分の厚みが5.0mm、全体の容積が780ccのキャ
ビティー内に702gの射出を行い、射出が完了後50
秒間冷却した後、金型を開き成形品を取り出した。この
成形品を標準品とした。
【0024】〔外観〕 実施例及び比較例で得られた成
形品と以下に示す標準品とを比較評価を行い、表面状態
が標準品と同等の場合をG、明らかに異なり表面に凹凸
が見られる場合をNとした。 〔発泡倍率〕 実施例および比較例で得られた成形品か
ら100mm×100mmの試験片を切り出し、それぞれの
比重を測定後、標準品の比重で除した値で表した。
【0025】〔断熱性〕 実施例及び比較例で得られた
成形品から100mm×100mmの試験片を切り出しAS
TM D2320に準拠(プローブ法)して熱伝導率を
測定し、断熱性の指標とした(単位:Kcal/m・Hr・
℃)。熱伝導率の値が小さいほど、断熱性に優れること
を示す。 〔剛性〕 実施例及び比較例で得られた成形品から15
mm×119mmの試験片を切り出し、JIS K7203
に準拠して曲げ試験を行った。試験結果は最大曲げ荷重
を記し、剛性の指標とした。
【0026】実施例 1 上記の組成物A、射出成形機及び金型を用い、射出成形
機のシリンダー設定温度を230℃、金型の冷却水温度
を70℃に設定し、以下に示す手順で成形を行った。 成形品の天面部に接するキャビティー間(移動型と
固定型の間)の厚みが(以下天面部の厚みと略記)2.
2mm、容積が440ccのキャビティー内に射出を行い3
秒間で396gの組成物の射出を完了した。 射出充填が完了後10秒間冷却した後、容積の拡大
を開始し、開始後1.5秒後に天面部のキャビティー厚
みが5.0mm、全体の容積が780ccとなるように容積
拡大を完了した。 容積拡大の完了後100秒間冷却した後、金型を開
き成形品を取り出した。縦410mm×横295mm×高さ
52.8mm(容積780cc)の成形品が得られた。得ら
れた成形品の特性を後述の表1に示した。
【0027】実施例 2 上記の組成物A、射出成形機及び金型を用い、射出成形
機のシリンダー設定温度を230℃、金型の冷却水温度
を70℃に設定し、下記工程以外は実施例1と同様な
手順で成形を行った。 射出充填が完了後15秒間冷却した後、容積の拡大
を開始し、開始後1.5秒後に天面部のキャビティー厚
みが5.0mm、全体の容積が780ccとなるように容積
拡大を完了した。縦410mm×横295mm×高さ52.
8mm(容積780cc)の成形品が得られた。得られた成
形品の特性を表1に示した。
【0028】実施例 3 上記の組成物A、射出成形機及び金型を用い、射出成形
機のシリンダー設定温度を230℃、金型の冷却水温度
を70℃に設定し、下記工程以外は実施例1と同様な
手順で成形を行った。 天面部のキャビティー厚みが1.7mm、全体の容積
が380ccのキャビティー内に射出を行い3秒間で34
2gの組成物の射出を完了した。縦410mm×横295
mm×高さ52.8mm(容積780cc)の成形品が得られ
た。得られた成形品の特性を表1に示した。
【0029】実施例 4 上記の組成物B、射出成形機及び金型を用い、射出成形
機のシリンダー設定温度を230℃、金型の冷却水温度
を70℃に設定し、実施例1の工程〜と同様な手順
を用いて成形を行った。縦410mm×横295mm×高さ
52.8mm(容積780cc)の成形品が得られた。得ら
れた成形品の特性を表1に示した。
【0030】実施例 5 上記の組成物C、射出成形機及び金型を用い、射出成形
機のシリンダー設定温度を230℃、金型の冷却水温度
を70℃に設定し、実施例1の工程〜と同様な手順
を用いて成形を行った。縦410mm×横295mm×高さ
52.8mm(容積780cc)の成形品が得られた。得ら
れた成形品の特性を表1に示した。
【0031】比較例 1 上記の組成物A、射出成形機及び金型を用い、射出成形
機のシリンダー設定温度を230℃、金型の冷却水温度
を70℃に設定し、以下に示す手順で成形を行った。天
面部のキャビティー厚みが5.0mm、全体の容積が78
0ccのキャビティー内に射出を行い、3秒間で396g
の組成物の射出を完了した。射出が完了後120秒間冷
却した後、金型を開き成形品を取り出した。縦410mm
×横295mm×高さ51.3mm(容積665cc)の成形
品が得られた。得られた成形品の特性を表1に示した。
【0032】比較例 2 上記の組成物A、射出成形機及び金型を用い、射出成形
機のシリンダー設定温度を230℃、金型の冷却水温度
を70℃に設定し、以下に示す手順で成形を行った。 天面部の厚みが2.2mm、容積が440ccのキャビ
ティー内に射出を行い3秒間で396gの組成物の射出
を完了した。 射出開始後2秒後に容積の拡大を開始し、開始後
1.5秒後に天面部のキャビティー厚みが5.0mm、全体
の容積が780ccとなるように容積拡大を完了した。 容積拡大の完了後100秒間冷却した後、金型を開
き成形品を取り出した。縦410mm×横295mm×高さ
52mm(容積720cc)の成形品が得られた。得られた
成形品の特性を後述の表1に示した。
【0033】比較例 3 上記の組成物A、射出成形機及び金型を用い、射出成形
機のシリンダー設定温度を230℃、金型の冷却水温度
を70℃に設定し、以下に示す手順で成形を行った。 天面部の厚みが2.2mm、容積が440ccのキャビ
ティー内に射出を行い3秒間で396gの射出組成物の
射出を完了した。 射出開始と同時に容積の拡大を開始し、開始後1.
5秒後に天面部のキャビティー厚みが5.0mm、全体の
容積が780ccとなるように容積拡大を完了した。 容積拡大の完了後100秒間冷却した後、金型を開
き成形品を取り出した。縦410mm×横295mm×高さ
52mm(容積700cc)の成形品が得られた。得られた
成形品の特性を後述の表1に示した。
【0034】表1に示すように、実施例1、2、3、4
及び5で得られた成形品は充填状態、断熱性、剛性及び
外観のいずれにおいても優れていた。これに対し比較例
1、比較例2及び比較例3で得られた成形品は充填状
態、断熱性、剛性及び外観のいずれのいても劣ってお
り、比較例1、比較例2及び比較例3で用いた射出成形
方法は本発明に適していない。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、ゲートより離れた位置
に薄肉部があるキャビティー構造を有する金型を用いて
通常の射出成形機で成形でき、しかも、成形品の表面が
無発泡又は低発泡で緻密な構造を有する層でなり内部が
高発泡層でなる、軽量で断熱性に優れ更に剛性を有する
発泡プラスチック成形品を製造する経済性に優れた射出
成形方法が提供できる。このような方法で得られた成形
品は自動車、家電、一般工業用部品に極めて有用であ
る。
【0036】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で得られた成形品(表面)の図である。
【図2】実施例で得られた成形品(裏面)の図である。
【符号の説明】 1 ゲート位置 2 天面部並びに剛性、断熱性の試験に用いる試験片を
切り出す部位

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a) 溶融した発泡性プラスチック組成物
    を目的とする成形品の容積の10〜95%の容積を有す
    るキャビティー内に射出する工程、 b) 射出充填完了後に金型面に接触する固化層と内部の
    溶融層が混在する状態まで冷却する工程、 c) 目的とする成形品の容積までキャビティーの容積を
    拡大する工程、及び d) 更に冷却を行った後に成形品を取り出す工程を含む
    発泡性プラスチック組成物の射出成形方法。
  2. 【請求項2】 発泡性プラスチック組成物は熱可塑性プ
    ラスチックと発泡剤を含有する請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 発泡性プラスチック組成物は酸化防止
    剤、耐候剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、着色剤、オレ
    フィン系エラストマー、無機フィラー等をさらに含有す
    る請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 発泡剤を熱可塑性プラスチックに対して
    0.5〜5重量%配合する請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の方法によつて製造された
    発泡プラスチック成形品。
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