JP2010143141A - 発泡成形品の製造方法 - Google Patents

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博之 平野
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Abstract

【課題】成形不良が生じ難く、かつスワールマーク等の外観不良が生じ難く、外観に優れた発泡成形品を安定して得ることができる発泡成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂と化学発泡剤とを含有する熱可塑性樹脂組成物を発泡射出成形することにより発泡成形品を製造する方法であって、射出成形用金型2のキャビティAのガス圧力を0.4〜0.6MPaとし、かつガス温度を熱可塑性樹脂組成物の荷重たわみ温度+25℃以上、熱可塑性樹脂組成物の荷重たわみ温度+100℃以下とした状態で、キャビティAに熱可塑性樹脂組成物を射出する工程と、熱可塑性樹脂組成物を発泡させる工程と、発泡した熱可塑性樹脂組成物を冷却する工程とを備える、発泡成形品の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱可塑性樹脂と化学発泡剤とを含有する熱可塑性樹脂組成物を発泡射出成形することにより発泡成形品を得る発泡成形品の製造方法に関する。
パソコン等の情報機器、家電もしくはOA機器等の筐体、又は自動車の内装品に、熱可塑性樹脂成形品が用いられている。
上記熱可塑樹脂成形品には、軽量化が求められている。上記熱可塑性樹脂成形品の厚みを薄くすることにより、又は上記熱可塑性樹脂成形品として発泡成形品を用いることにより、熱可塑性樹脂成形品を軽くすることができる。
上記発泡成形品を得るために、従来、発泡射出成形法が広く用いられている。発泡射出成形法では、熱可塑性樹脂を発泡させるために、アゾ化合物もしくは炭酸水素ナトリウム等の化学発泡剤、又は窒素もしくは炭酸ガス等の物理発泡剤等が用いられる。
上記化学発泡剤を用いる場合、化学発泡剤を熱分解温度以上の温度に加熱し、化学発泡剤の熱分解によりガスを発生させる。発生したガスを溶融樹脂に溶解させ、混練することにより、溶融樹脂を発泡させる。上記物理発泡剤を用いる場合、物理発泡剤を溶融樹脂に溶解させる。その後、溶融樹脂を発泡させる。
上記発泡射出成形法の一例が、下記の特許文献1に開示されている。ここでは、熱伝導率0.002cal/cm・sec・℃以下、かつ厚み0.001mm以上3mm以下の断熱層により内面が被覆されている金型が用いられている。この金型を用いて、熱可塑性樹脂を発泡射出成形することにより、断熱層に接触された部分の発泡成形品の表面に、スワールマークを生じ難くすることができる。また、表面が発泡しておらず、かつ内部が発泡した発泡成形品を得ることができる。
また、下記の特許文献2には、加熱時の金型温度を、熱可塑性樹脂の熱変形温度よりも0〜100℃高くし、かつ冷却後の取出し時の金型温度を、熱可塑性樹脂の熱変形温度よりも0〜100℃低くする発泡射出成形法が開示されている。ここでは、金型温度を上記範囲内に制御することにより、発泡成形品の外観を良好にできることが記載されている。
また、発泡射出成形法として、カウンタープレッシャー法が知られている。カウンタープレッシャー法では、空気又は窒素などで金型のキャビティを予め加圧した後、熱可塑性樹脂を射出する。熱可塑性樹脂を射出した後、直ちにガス抜きを行う。これにより、成形品の表面の発泡が抑えられ、内部のみが発泡した発泡成形品を得ることができる。
上記カウンタープレッシャー法の一例が、下記の特許文献3に開示されている。ここでは、先ず、溶融樹脂と、大気圧以上に圧力調整された窒素との混合物を用意する。次に、大気圧以上に調節された窒素により加圧保持されたキャビティに、上記混合物を充填する。混合物の充填を開始した後、かつ金型を開くまでの間に、キャビティの窒素を解放する。
特開2004−066751号公報 特開2004−050566号公報 特開2004−216578号公報
特許文献1に記載の射出成形用金型を用いた場合、内面が断熱層により被覆された金型を用いているため、断熱層が劣化して金型の耐久性が低下するおそれがあった。
特許文献2には、金型温度を上記範囲内に制御することにより、発泡成形品の外観を良好にできることが記載されている。しかしながら、この方法でも、外観が良好な発泡成形品を、安定して得ることが困難なことがあった。
また、特許文献3に記載のカウンタープレッシャー法では、金型内のガスを開放するタイミング、及び開放するガス量等の調整が困難なことがあった。さらに、金型内のガスにより、キャビティに充填された熱可塑性樹脂の流動が妨げられることがあった。このため、転写不良又はひけ等の成形不良が生じることがあった。
本発明の目的は、成形不良が生じ難く、かつスワールマーク等の外観不良が生じ難く、外観に優れた発泡成形品を安定して得ることができる発泡成形品の製造方法を提供することにある。
本発明によれば、熱可塑性樹脂と化学発泡剤とを含有する熱可塑性樹脂組成物を発泡射出成形することにより発泡成形品を製造する方法であって、射出成形用金型のキャビティのガス圧力を0.4〜0.6MPaとし、かつガス温度を前記熱可塑性樹脂組成物の荷重たわみ温度+25℃以上、前記熱可塑性樹脂組成物の荷重たわみ温度+100℃以下とした状態で、キャビティに前記熱可塑性樹脂組成物を射出する工程と、前記熱可塑性樹脂組成物を発泡させる工程と、発泡した前記熱可塑性樹脂組成物を冷却する工程とを備える、発泡成形品の製造方法が提供される。
本発明に係る発泡成形品の製造方法によれば、射出成形用金型のキャビティのガス圧力を0.4〜0.6MPaとし、かつガス温度を熱可塑性樹脂組成物の荷重たわみ温度+25℃以上、熱可塑性樹脂組成物の荷重たわみ温度+100℃以下とした状態で、キャビティに熱可塑性樹脂組成物を射出するので、スワールマークと呼ばれる模様を生じ難く、外観が良好な発泡成形品を得ることができる。さらに、本発明では、外観に優れた発泡成形品を、安定して製造できる。
以下、本発明の詳細を説明する。
本願発明者は、上記カウンタープレッシャー法により発泡成形品を得る際に、熱可塑性樹脂の発泡圧力よりも高い圧力かつ高温の不活性ガスによりキャビティを満たした後、発泡剤が溶解された溶融樹脂を射出することで、スワールマークと呼ばれる模様を生じ難くすることができ、かつ不活性ガスにより溶融樹脂の流動が妨げられずに、発泡不良を生じ難くすることができると考えた。
しかしながら、不活性ガスをある一定温度以上にすると、金型内への溶融樹脂の充填が完了する直前に不活性ガスが断熱圧縮され、300℃以上の高温になることがあった。このため、溶融樹脂が熱により劣化することがわかった。一方、不活性ガスがキャビティに流入する時、断熱膨張により金型温度が低下することがわかっている。また、その時のガスが溶融樹脂と接するとき、溶融樹脂は、一部、冷却により固化し、外観不良になることもわかってきた。
そこで、本願発明者は、さらに検討した結果、不活性ガスの圧力と温度とを精密に制御すれば、上記課題を解決できることを見出した。
本発明に係る発泡成形品の製造方法では、射出成形用金型のキャビティのガス圧力を0.4〜0.6MPaとし、かつガス温度を熱可塑性樹脂組成物の荷重たわみ温度+25℃以上、熱可塑性樹脂組成物の荷重たわみ温度+100℃以下とした状態で、キャビティに熱可塑性樹脂組成物が射出される。射出の際のキャビティのガス圧力及びガス温度を上記範囲内に制御した状態で、キャビティに熱可塑性樹脂組成物を射出することにより、成形不良が生じ難く、かつスワールマーク等の外観不良が生じ難く、外観に優れた発泡成形品を安定して得ることができる。
熱可塑性樹脂組成物が射出される際のガス温度は、熱可塑性樹脂組成物の荷重たわみ温度+25℃以上、熱可塑性樹脂組成物の荷重たわみ温度+100℃以下である。比較的低温のガスが金型のキャビティに充填された状態で、溶融した熱可塑性樹脂組成物を金型のキャビティに充填すると、充填時に断熱膨張現象が生じて、ガス温度は大きく低下する。また、キャビティ部分の金型の内面の温度は、5〜10℃程度低下する。このため、金型のキャビティへの熱可塑性樹脂組成物の充填中に、金型によって熱可塑性樹脂組成物が冷却される前に、低温になった不活性ガスにより熱可塑性樹脂組成物が冷却される。従って、発泡不良、転写不良又はひけ等が生じやすくなるという問題がある。熱可塑性樹脂組成物が射出される際のガス温度を、熱可塑性樹脂組成物の荷重たわみ温度+25℃以上、熱可塑性樹脂組成物の荷重たわみ温度+100℃以下の範囲内にすることにより、上記問題を解消できる。
上記ガス温度の好ましい下限は、熱可塑性樹脂組成物の荷重たわみ温度+30℃である。上記ガス温度の好ましい上限は、熱可塑性樹脂組成物の荷重たわみ温度+70℃である。上記ガス温度が上記好ましい範囲にある場合には、成形不良及び外観不良がより一層生じ難くなる。なお、上記「荷重たわみ温度」とは、JIS K7191−2(Ae法)の方法により測定された温度を意味する。
不活性ガスを上記ガス温度にする方法は、特に限定されない。この方法として、不活性ガスのキャビティへの充填の前に、不活性ガスが一時的に滞留される高圧ガスタンクに、ヒーター等を設置し、不活性ガスを加温する方法等が挙げられる。
熱可塑性樹脂組成物の射出が完了する前に、不活性ガスは、金型のキャビティから排出されることが好ましい。熱可塑性樹脂組成物の射出が完了する0.05〜1.5秒前に、不活性ガスは、金型のキャビティから排出されることがより好ましい。不活性ガスの排出により、成形不良及び外観不良が生じるのをより一層抑制できる。
熱可塑性樹脂組成物の射出の後、熱可塑性樹脂組成物は発泡される。熱可塑性樹脂組成物を発泡させる方法として、熱可塑性樹脂組成物が射出されたキャビティの体積を大きくする方法が挙げられる。なかでも、表面が発泡しておらず、内部が発泡した発泡成形品を容易に得ることができるので、熱可塑性樹脂組成物が射出されたキャビティの体積を大きくする方法が好ましい。キャビティの体積を大きくする方法として、金型を離間させる方法等が挙げられる。具体的には、可動型を固定型から離間させる方法が挙げられる。
熱可塑性樹脂組成物を発泡させた後、発泡した熱可塑性樹脂組成物は冷却される。冷却温度は、10〜80℃の範囲内にあることが好ましい。冷却時間は、10〜50秒の範囲内にあることが好ましい。
上記発泡成形品を構成するのに用いられる上記熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と、化学発泡剤とを含有する。この熱可塑性樹脂組成物を用いて、本発明に係る発泡成形品の製造方法に従って発泡成形品を得ることにより、内部に発泡構造を有し、かつ表面が発泡していない発泡成形品を容易に得ることができる。
上記熱可塑性樹脂は特に限定されない。上記熱可塑性樹脂として、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、又はアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体(ABS樹脂)等が挙げられる。上記ポリオレフィン系樹脂として、ポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。なかでも、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、ポリプロピレン系樹脂がより好ましい。上記熱可塑性樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記化学発泡剤は特に限定されない。上記化学発泡剤として、有機系化学発泡剤又は無機系化学発泡剤を使用できる。上記有機系化学発泡剤として、ニトロソ化合物、アゾ化合物、スルホニルヒドラジド化合物又はアジド化合物等が挙げられる。上記無機系化学発泡剤として、炭酸水素ナトリウム又は炭酸アンモニウム等が挙げられる。なかでも、アゾ化合物又は炭酸水素ナトリウムが好ましい。上記化学発泡剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱可塑性樹脂組成物は、顔料、補強剤、難燃剤、紫外線吸収剤又は安定剤の公知の添加剤を含有してもよい。上記補強剤として、板状フィラー、繊維状フィラー又は針状フィラー等が挙げられる。
図1に、本発明の一実施形態に係る発泡成形品の製造方法に用いられる射出成形装置の概略構成図の一例を示す。
図1に示す射出成形装置1は、射出成形用金型2を備える。
射出成型用金型2は、固定型としての第1の金型21と、可動型としての第2の金型22とを備える。第1の金型21と第2の金型22とが組み合わされたときに、射出成形用金型2の内部に内部空間であるキャビティAが形成される。第1,第2の金型21,22の形状は矩形板状である。第1,第2の金型の形状は特に限定されない。
第2の金型22は、第1の金型21に対して近接及び離間するように、移動可能に構成されている。第2の金型22だけでなく、第1の金型21も第2の金型22に対して近接及び離間するように、移動可能に構成されていてもよい。すなわち、第1,第2の金型が互いに近接及び離間するように、第1の金型及び第2の金型の内の少なくとも一方が、移動可能に構成されていてもよい。
第1の金型21に、キャビティAに溶融樹脂を注入するための樹脂注入用貫通孔21aが設けられている。第2の金型22のパーティングライン面側の表面に、キャビティAを形成するための凹部22aが形成されている。凹部22aに、キャビティAにガスを注入するためのガス注入孔22bが設けられている。ガス注入孔22bは、ガス注入用流路23に連ねられている。また、凹部22aには、キャビティAからガスを排出するためのガス排出孔22cが設けられている。ガス排出孔22cは、ガス排出用流路24に連ねられている。
第2の金型22の凹部22aに連ねられているガス注入用流路23に、ガス注入用バルブ3及び減圧バルブ4を介して、高圧ガスタンク5が接続されている。ガス注入用バルブ3に、ガス注入用バルブ制御装置6が接続されている。ガス注入用バルブ3は、ガス注入用バルブ制御装置6の信号により、任意のタイミングで開く。ガス注入用バルブ3が開くと、ガス注入用流路23及びガス注入孔22bを経由してキャビティAに不活性ガスが注入される。
高圧ガスタンク5内のガス温度を制御するために、高圧ガスタンク5の外周面に、温度ヒーター7が取り付けられている。また、温度ヒーター7には、温度センサー8が取り付けられている。温度ヒーター7及び温度センサー8は、温度制御装置9に接続されている。温度制御装置9により、温度センサー8から温度を検知して、必要に応じて温度ヒーター7により、高圧ガスタンク5を加温することができる。なお、高圧ガスタンク5には、開放バルブ10及びリリーフ弁11が接続されている。
また、高圧ガスタンク5には、該高圧ガスタンク5にガスを圧送するために、圧縮ポンプ12が接続されている。圧縮ポンプ12に、バルブ13,14が接続されている。バルブ13に不活性ガスボンベ15が接続されている。
高圧ガスタンク5に圧縮ポンプ12が接続されており、かつ圧縮ポンプ12にバルブ13を介して不活性ガスボンベ15が接続されているため、任意の種類のガスを圧縮することができる。さらに、圧縮ポンプ12を制御することにより、高圧ガスタンク5の圧力を容易に制御できる。
また、第2の金型22の凹部22aに連ねられているガス排出用流路24に、ガス排出用バルブ16が接続されている。ガス排出用バルブ16に、ガス排出用バルブ制御装置17が接続されている。ガス排出用バルブ16は、ガス排出用バルブ制御装置17の信号により、任意のタイミングで開く。ガス排出用バルブ16が開くと、ガス排出孔22c及びガス排出用流路24を経由してキャビティAから不活性ガスが排出される。これにより、キャビティAの圧力を解放できる。
発泡成形品は、射出成形装置1を用いて、例えば以下のようにして得ることができる。
先ず、高圧ガスタンク5を温度ヒーター7により加熱する。高圧ガスタンク5内の温度を、発泡成形品を構成するための熱可塑性樹脂組成物の荷重たわみ温度+25℃以上、かつ熱可塑性樹脂組成物の荷重たわみ温度+100℃以下の温度に保持する。また、圧縮ポンプ12を用いて、高圧ガスタンクに不活性ガスを不活性ガスボンベ15から圧送し、高圧ガスタンク内のガス圧力を10MPa程度に保持する。また、射出成型用金型2を、第1,第2の金型21,22が閉じた状態にする。
射出成形用金型1のキャビティAにガス圧力0.4〜0.6MPaでガスを充填させ得る状態に、減圧バルブ4を制御する。ガス注入用バルブ3を開いて、キャビティAにガスを注入する。所定時間が経過した後、ガス注入用バルブ3を閉じる。次に、熱可塑性樹脂と化学発泡剤とを含有する熱可塑性樹脂組成物を、キャビティAに射出し、充填する。熱可塑性樹脂組成物は溶融状態で射出される。熱可塑性樹脂組成物の射出が完了する直前に、ガス排出孔22c及びガス排出用流路24からガスを排出する。熱可塑性樹脂組成物の射出が完了し、コアバック待ち時間が経過した後、例えば第1,第2の金型22,23が離間するように、第2の金型23を所定の距離だけコアバックさせる。第2の金型23をコアバックさせることにより、熱可塑性樹脂組成物を発泡させる。次に、発泡した熱可塑性樹脂組成物を冷却し、固化させる。その後、射出成形用金型1を開いて、発泡成形品を射出成形用金型1から取り出す。
以下、本発明について、実施例および比較例を挙げて具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)熱可塑性樹脂組成物の調製
ポリプロピレン(プライムポリマー社製、商品名:J830HV、荷重たわみ温度:105℃(測定方法:JIS K7191−2、Ae法、試験条件:0.45MPa))100重量部と、発泡剤(永和化成工業社製、商品名:ポリスレンEE275F)5重量部とを添加し、熱可塑性樹脂組成物Aを調製した。
(2)発泡射出成形
図1に示す射出成形装置を用いて、以下の成形条件により、射出成形用金型のキャビティのガス圧力を0.5MPaとし、かつガス温度を135℃とした状態で上記熱可塑性樹脂組成物Aを射出し、発泡させ、冷却した。このようにして、縦130mm×横330mm×厚み2.9mmの発泡成形品を得た。
[成形条件]
樹脂温度:200℃
スクリュー回転数:80rpm
射出時のキャビティの厚み:1.43mm
キャビティの大きさ:縦130mm×横330mm
コアバック時の型開き幅:1.5mm
コアバック待ち時間:0.5秒
充填時間:2.1秒
冷却時間:40秒
冷媒温度:40℃
成形サイクル:44秒
発泡倍率:2.01倍
高圧ガスタンクの温度:135℃
熱可塑性樹脂組成物の充填開始時のガス圧力:0.5MPa
熱可塑性樹脂組成物の充填開始時のガス温度:135℃
不活性ガスボンベの種類:炭酸ガスボンベ
(比較例1)
高圧ガスタンクの温度を80℃とし、熱可塑性樹脂組成物の射出の際のキャビティのガス温度を80℃に変更したこと、並びにコアバック時の型開き幅を1.2mmとし、発泡倍率を1.75倍に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、縦130mm×横330mm×厚み2.5mmの発泡成形品を得た。
(比較例2)
高圧ガスタンクの温度を230℃とし、熱可塑性樹脂組成物の射出の際のキャビティのガス温度を230℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、縦130mm×横330mm×厚み2.9mmの発泡成形品を得た。
(比較例3)
図1に示す射出成形装置において、高圧ガスタンクを設けずに、炭酸ガスボンベを減圧バルブに直接接続した射出成形装置を用意した。この射出成形装置を用いて、熱可塑性樹脂組成物の射出の際のキャビティのガス圧力を0.5Pa、かつガス温度を30℃とした状態で、熱可塑性樹脂組成物を射出したこと、並びにコアバック時の型開き幅を1.0mmとし、発泡倍率を1.50倍に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、縦130mm×横330mm×厚み2.1mmの発泡成形品を得た。
(比較例4)
図1に示す射出成形装置において、高圧ガスタンクを設けずに、窒素ガスボンベを減圧バルブに直接接続した射出成形装置を用意した。この射出成形装置を用いて、熱可塑性樹脂組成物の射出の際のキャビティのガス圧力を0.5Pa、かつガス温度を30℃とした状態で、熱可塑性樹脂組成物を射出したこと、並びにコアバック時の型開き幅を1.0mmとし、発泡倍率を1.45倍に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、縦130mm×横330mm×厚み2.0mmの発泡成形品を得た。
(実施例2)
図1に示す射出成形装置を用いて、以下の成形条件により、射出成形用金型のキャビティのガス圧力を0.4MPaとし、かつガス温度を180℃とした状態で、実施例1で得られた熱可塑性樹脂組成物Aを射出し、発泡させ、冷却した。このようにして、縦130mm×横330mm×厚み3.1mmの発泡成形品を得た。
[成形条件]
樹脂温度:200℃
スクリュー回転数:80rpm
射出時のキャビティの厚み:1.43mm
キャビティの大きさ:縦130mm×横330mm
コアバック時の型開き幅:1.55mm
コアバック待ち時間:0.3秒
充填時間:2.1秒
冷却時間:40秒
冷媒温度:40℃
成形サイクル:44秒
発泡倍率:2.1倍
高圧ガスタンクの温度:180℃
熱可塑性樹脂組成物の充填開始時のガス圧力:0.4MPa
熱可塑性樹脂組成物の充填開始時のガス温度:180℃
不活性ガスボンペの種類:炭酸ガスボンベ
(比較例5)
高圧ガスタンクの温度を70℃とし、熱可塑性樹脂組成物の射出の際のキャビティのガス温度を70℃に変更したこと、並びにコアバック時の型開き幅を1.4mmとし、発泡倍率を1.9倍に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、縦130mm×横330mm×厚み2.74mmの発泡成形品を得た。
(比較例6)
高圧ガスタンクの温度を230℃とし、熱可塑性樹脂組成物の射出の際のキャビティのガス温度を230℃に変更したこと、並びに発泡倍率を2.01倍に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、縦130mm×横330mm×厚み2.87mmの発泡成形品を得た。
(評価)
得られた発泡成形品の表面におけるスワールマークの有無、並びに発泡不良が生じているか否かを評価した。
結果を下記の表1,2に示す。
Figure 2010143141
上記表1から、射出成形用金型のキャビティのガス圧力を0.4〜0.6MPaの範囲内の0.5MPaとし、かつガス温度を熱可塑性樹脂組成物の荷重たわみ温度+25℃〜熱可塑性樹脂組成物の荷重たわみ温度+100℃の範囲内の135℃とした状態で、キャビティに熱可塑性樹脂組成物を射出することにより得られた実施例1の発泡成形品では、スワールマークと呼ばれる模様がなく、発泡不良も生じなかった。
Figure 2010143141
また、射出成形用金型のキャビティのガス圧力を0.4〜0.6MPaの範囲内の0.4MPaとし、かつガス温度を熱可塑性樹脂組成物の荷重たわみ温度+25℃〜熱可塑性樹脂組成物の荷重たわみ温度+100℃の範囲内の180℃とした状態で、キャビティに熱可塑性樹脂組成物を射出することにより得られた実施例2の発泡成形品では、スワールマークと呼ばれる模様がなく、発泡不良も生じなかった。
図1は、本発明の一実施形態に係る発泡成形品を得るのに用いられる射出成形装置の概略構成図である。
符号の説明
1…射出成形装置
2…射出成形用金型
3…ガス注入用バルブ
4…減圧バルブ
5…高圧ガスタンク
6…ガス注入用バルブ制御装置
7…温度ヒーター
8…温度センサー
9…温度制御装置
10…開放バルブ
11…リリーフ弁
12…圧縮ポンプ
13…バルブ
14…バルブ
15…不活性ガスボンベ
16…ガス排出用バルブ
17…ガス排出用バルブ制御装置
21…第1の金型
21a…樹脂注入用貫通孔
22…第2の金型
22a…凹部
22b…ガス注入孔
22c…ガス排出孔
23…ガス注入用流路
24…ガス排出用流路
A…キャビティ

Claims (1)

  1. 熱可塑性樹脂と化学発泡剤とを含有する熱可塑性樹脂組成物を発泡射出成形することにより発泡成形品を製造する方法であって、
    射出成形用金型のキャビティのガス圧力を0.4〜0.6MPaとし、かつガス温度を前記熱可塑性樹脂組成物の荷重たわみ温度+25℃以上、前記熱可塑性樹脂組成物の荷重たわみ温度+100℃以下とした状態で、キャビティに前記熱可塑性樹脂組成物を射出する工程と、
    前記熱可塑性樹脂組成物を発泡させる工程と、
    発泡した前記熱可塑性樹脂組成物を冷却する工程とを備える、発泡成形品の製造方法。
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