JP3749694B2 - 熱可塑性樹脂発泡体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一方の片面部にクッション性を有し他方の片面部に剛性を有する発泡体およびその製造方法に関する。
【0002】
本明細書全体を通して、進入方向とは、移動片を基準にして、これがキャビティを縮小させるようにキャビティのゲート部に向かって進む方向、すなわち図4(b)中の(61)の方向をいう。後退方向とは移動片がキャビティ容積を拡大するようにキャビティのゲート部から離れる向きに退く方向、すなわち図4(b)中の(62)の方向をいう。出退方向とは図4(b)中の矢印(61)(62)方向をいう。
【0003】
【従来の技術】
従来、熱可塑性樹脂発泡体の製造方法としては、特公昭51−8424号公報に、発泡剤を含む溶融樹脂を金型キャビティー内へ射出した後、一定量の発泡を行わせる所定ストローク分だけ金型を拡型して樹脂を発泡させる、いわゆるコアバック法が記載されている。コアバック法による発泡体は、発泡倍率の制御が容易である、スキン層と発泡層の領域がはっきりしており表面が綺麗で同重量の非発泡成形品に比較して剛性が大きい、といった特徴を有する。
【0004】
また、特開平7−80885号公報には、上記のようなコアバック法によって、金型表面側の冷却固化されたスキン層とその内部の発泡層とを有する発泡成形品を得るに当たり、拡型開始後の拡型速度を所定範囲に設定し、射出完了から拡型開始までの時間を所定範囲に設定し、または金型表面温度を所定範囲に設定することにより、発泡層の発泡倍率を適当なものとし、かつスキン層の表面状態を良好なものとすることができると記載されている。
【0005】
しかし、特開平7−80885号公報の方法のように、発泡倍率を高倍率化して例えばクッション性を持たせた場合、必然的に発泡成形品の剛性が不足する。同公報の方法では、クッション性と剛性を両立した発泡成形品を得る方法として、第1工程で剛性の大きい芯材層を成形しておき、第2工程で同層を発泡層とスキン層に積層する3層構造体の製造方法が示されている。しかし、この方法は、上記のように製造工程が2つに分かれ、生産性、コストの面から不利である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、発泡体を高倍率化してクッション性、断熱性、軽量化、浮遊性、吸音性等を高め、かつ、剛性を確保することを簡単な操作で実現することができる発泡体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1による発明は、成形品の片面内部に、該面に対して略垂直方向に、スキン層が断面U字状に湾曲されまたは断面V字状に折り返されてなる補強リブが設けられ、補強リブを有する面のスキン層が反対面のスキン層より肉厚であることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体である。
【0008】
請求項2による発明は、平面方向に発泡倍率および/またはセル形態を異にする領域を有し、各領域の片面内部に、該面に対して略垂直方向に、スキン層が断面U字状に湾曲されまたは断面V字状に折り返されてなる補強リブが設けられていることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体である。
【0009】
請求項3による発明は、断面V字状にスキン層が折り返されてなる補強リブの折り返し部どうしが互いに接した状態であることを特徴とする請求項2記載の熱可塑性樹脂発泡体である。折り返し部どうしを互いに接した状態にするには、例えば、キャビティ周縁部(32)に大きな熱溜まりを設ける。
【0010】
請求項4による発明は、補強リブを有する面のスキン層が反対面のスキン層より肉厚であることを特徴とする請求項2又は3いずれかに記載の熱可塑性樹脂発泡体である。
【0011】
本発明による発泡体において、補強リブを有する面のスキン層は反対面のスキン層より肉厚であることが好ましい。このようにスキン層の厚みに差を付けることによって、発泡体の剛性をさらに増すことができる。スキン層の厚みに差を付けるには、例えば、固定型の温度を移動片進入部の温度より高くして固定型に接する溶融樹脂の温度を反対側より高くする。図13はスキン層の厚みに差を付けた発泡体(55)を示すものである。同図中、(56)は移動片前端面側のスキン層、(57)は固定型凹所底面側のスキン層で、前者が後者より肉厚になっている。(24)は本発明による方法でスキン層を断面U字状またはV字状に曲げて形成された補強リブである。
【0012】
請求項5による発明は、金型キャビティ容積の拡大縮小が可能である金型の縮小状態キャビティ内に溶融した発泡性樹脂を充填した後、キャビティ容積を拡大することにより同樹脂を発泡させて熱可塑性樹脂発泡体を製造する方法において、金型は、雌型状の固定型と、固定型の凹所内に入り込む進入部を有する移動片と、移動片に外装された固定片とを具備し、固定型凹所内への進入部の進入によりキャビティが縮小状態にある時に、キャビティ(31)は、固定型の凹所底面(35)とこれに対向する移動片前端面(36)とで挟まれるキャビティ本体部(34)と、同本体部の周縁に後退方向突出状に一体に設けられかつ固定型の凹所内周面(33)とこれに対向する移動片進入部の外周面(37)と固定片の前端面(38)とで囲まれるキャビティ周縁部(32)とからなり、縮小キャビティ内に発泡性樹脂の溶融物を充填して充填物の金型表面部に非発泡のスキン層を成形し、次いで、スキン層が未固化状態である間に、移動片を固定型から後退させてキャビティ容積を拡大することにより、溶融樹脂を発泡させると共に、キャビティ周縁部の樹脂充填物の内側において、成形品の片面内部に、該面に対して略垂直方向に、スキン層を断面U字状に湾曲しまたはV字状に折り返して補強リブを形成するとともに、キャビティ周縁部の厚み (t4) をキャビティ本体部 (41) の厚み (t3) よりも厚くすることにより、キャビティ周縁部の樹脂充填物のスキン層の固化を遅らせることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体の製造方法である。
【0017】
請求項2記載の、平面方向に発泡倍率および/またはセル形態を異にする領域を有する発泡体を得るには、例えば、請求項5記載の方法において、移動片を複数の分割片に分け、各分割片の進入部を固定型の1つの凹所内に進入させて縮小状態にした各キャビティ区画内に発泡性樹脂の溶融物を充填した後、各分割片を各区画から独立に後退させ、分割片ごとに後退タイミングないしは後退速度(すなわちキャビティ拡大速度)を異ならしめ、またはキャビティ区画ごとに溶融樹脂温度を異ならしめ、またはキャビティ容積の拡大幅を異ならしめ、または金型温度を異ならしめる。
【0018】
各分割片を各区画から独立に後退させるには、移動片の各分割片を別々の駆動装置で移動させる。平面方向に発泡倍率および/またはセル形態を異にする領域を有する発泡体は、例えば、剛性を確保する領域と、断熱性やクッション性を確保する領域を有する発泡体であり、コンテナ、電気製品部材や車両部材に使用される。
【0019】
図8は、このような発泡体の例を示すものである。同図中、(50)は平面方向に発泡倍率およびセル形態を異にする領域を有する発泡体、(51)は高発泡倍率の微細セル群からなり、断熱性に富む1つの微細セル領域、(52)は厚み方向に細長いセル群からなり、剛性に富む低発泡倍率の3つの細長セル領域である。(24)は本発明による方法でスキン層を断面U字状またはV字状に曲げて形成された補強リブである。微細セル領域(51)の発泡倍率は、図8(b)に示すように、補強リブ(24)の外側より内側において高く、補強リブ(24)の内側部分は外側部分および細長セル領域(52)よりも膨出している。
【0020】
図10は、図8の発泡体を製造する装置において、各キャビティ区画内に同じ温度で発泡性樹脂の溶融物を充填してスキン層を成形した後、各分割片を各区画から同じタイミングおよび同じ速度で後退させることにより得られる、平面方向に発泡倍率およびセル形態が同じである4つの領域(54)を有する発泡体(53)を示す。(24)は本発明による方法でスキン層を断面U字状またはV字状に曲げて形成された補強リブである。このような発泡体は壁材等の住宅内装材、パレットなどの軽量パネルに好適に使用される。
【0021】
本発明において用いられる熱可塑性樹脂は特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリブテン、塩素化ポリエチレン等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン系樹脂、ポリメチルアクリレート、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル等の塩素系樹脂、ポリフッ化エチレン等のフッ素系樹脂、6−ナイロン、66−ナイロン、12−ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ケイ素樹脂、熱可塑性ウレタン、各種エラストマー等が挙げられる。
【0022】
とりわけ、発泡に適した溶融張力もしくは伸張粘度を有するものが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル等が好適に使用される。更に、ポリエチレン、ポリプロピレン等としては伸張粘度特性を調整した微架橋樹脂が好ましい。
【0023】
これら樹脂は、単体で用いられても良いし、2種以上がアロイ、ブレンドまたはコンポジットされたものでも良い。
【0024】
本発明において、発泡性樹脂は、溶融状態の樹脂に発泡剤を供給し含浸させたものである。
【0025】
本発明で用いられる発泡剤は、樹脂と反応を起こさず、さらに樹脂を劣化するなどの悪影響を樹脂に及ぼさないもの、すなわち不活性なものであれば、特に限定されるものではなく、有機および無機系の熱分解型化学発泡剤または物理発泡剤が使用できる。
【0026】
化学発泡剤としてはアゾ化合物、ヒドラジド化合物、ニトロソ化合物、セミカルバジド化合物、ヒドラゾ化合物、テトラゾール化合物、エステル化合物、重炭酸塩、炭酸塩、亜硝酸塩などが挙げられる。更に具体的には、アゾジカルボンアミド(ADCA)、イソブチロニトリル(AZDN)、ベンゼンスルホニルヒドラゾ(OBSH)、ジニトロペンタメチレンテトラミン(DPT )、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、P−トルエンスルホンヒドラジド(TSH )、バリウムアゾジカルボキシレート(Ba−AC)等が挙げられる。
【0027】
物理発泡剤は、脂肪族炭化水素、塩素化脂肪族炭化水素、ふっ素化脂肪族炭化水素、不活性ガスに大別される。脂肪族炭化水素としては、C4 〜C7 の低
沸点溶剤、例えばn−プロパン、n−ペンタン、n−ヘキサン、ネオペンタン、これら炭化水素の異性体が例示される。塩素化脂肪族炭化水素としては、塩化メチル、塩化メチレン、トリクロルエチレン、ジクロルエタンが例示される。ふっ素化脂肪族炭化水素としては、トリクロルフルオロメタン(フレオン11)、ジクロルテトラフルオロエタン(フレオン114)が例示される。不活性ガスとしては、炭酸ガス、窒素、アルゴン、ネオン、ヘリウム、酸素が例示される。これらは単独で使用されても良いし、2種以上併用されても良い。
【0028】
本発明において、発泡性樹脂は、好ましくは、炭酸ガス、窒素、アルゴン、ネオン、ヘリウム、酸素等の不活性ガスからなる物理的発泡剤や、アゾジカルボンアミド(ADCA)、イソブチロニトリル(AZDN)等の化学発泡剤を単独でまたは2以上の組み合わせで含む樹脂である。水と特殊イソシアネートから生じる炭酸ガスを使う水発泡技術を適用して発泡性樹脂を得ることもできる。
【0029】
キャビティ容積を拡大縮小する方法は、特に限定されるものではないが、図2および3に示すように射出成形機の油圧機構もしくは外部の油圧装置と油圧ピストンにより金型の移動片をキャビティ拡大方向へ移動させる方法や、図5、6および7に示すように射出成形機の型開き機構を利用する方法などが挙げられる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図により具体的に説明する。
【0031】
実施例1
図1は射出成形装置の一例を示す概略図である。図1において、(1) は射出成形装置、(11)は同成形装置(1) の樹脂可塑化混練用のシリンダ、(12)は同シリンダ(11)の後端寄り上側に設けられた耐圧チャンバー、(13)は耐圧チャンバー(12)の上に設けられたホッパー、(14)は発泡剤として使用する炭酸ガスのボンベで、管路(142) を介して耐圧チャンバー(12)に接続されている。(141) は管路(142) に設けられた圧力調整バルブ、(121) 、(122) 、(123) 、(124) はバルブである。(2) は固定型(21)と可動型(22) を備えた射出成形用金型である。
【0032】
熱可塑性樹脂としてポリプロピレン(Montell-JPO 社製 HMS-PP、融点127℃)をホッパー(13)に投入し、バルブ(122) を開にして同樹脂を耐圧チャンバー(12)に給送した。その後、バルブ(122)(123)(124) を閉じ、圧力調整バルブ(141) より圧力を5.5MPaに調整された炭酸ガスをバルブ(121) を経て耐圧チャンバー(12)に導入した。
【0033】
耐圧チャンバー(12)内において、炭酸ガスの圧力を5.5MPaに温度を45℃に2時間保持し、炭酸ガスを熱可塑性樹脂に供給し溶解させた。
【0034】
この炭酸ガス含有熱可塑性樹脂を耐圧チャンバー(12)からバルブ(124) を経て、190℃に設定されたシリンダ(11)内に供給した。その後、シリンダ(11)前端寄りの計量部に溜まった熱可塑性樹脂を、図2に示すように、ランナー部(5) およびゲート部(6) を経て操作初期の縮小状態のキャビティ(31)内に射出した。
【0035】
図2および図3において、金型(2) の可動型(22)はキャビティの厚み方向に出退可能な移動片(221) と、上下動可能なクサビ片(222) とを具備し、クサビ片(222) は油圧装置(224) に接続された油圧シリンダ(223) の動作により昇降されるようになっている。そして、図2に示すようにクサビ片(222) が下降したときキャビティ(31)が縮小され、図3に示すようにクサビ片(222) が上昇するときはキャビティ(31)は拡大される。
【0036】
図4は金型の構造を示すものである。
【0037】
図4(a) において、金型(2) は、固定型(21)と、可動型(22)と、可動型(22)の移動片(221) に外装された(すなわち移動片(221) の外側に密接状に設けられた)シリンダ状の固定片(23)とからなる。固定型(21)は雌型状であり、可動型(22)の移動片(221) は固定型の円形凹所内に入り込む円柱状の進入部(221a)を有する。進入部(221a)の半径は固定型凹所の半径よりt4だけ小さい。固定型(21)の凹所内への進入部(221a)の進入によりキャビティ(31)が縮小状態にある時に、図4(a) に示すように、出退方向断面凹状の有底筒状キャビティ(31)が形成される。すなわち、縮小キャビティ(31)は、固定型(21)の凹所底面(35)とこれに対向する移動片(221) の前端面(36)とで挟まれるキャビティ本体部(34)と、同本体部の周縁に後退方向突出状に一体に設けられかつ固定型(21)の凹所内周面(33)とこれに対向する移動片進入部(221a)の外周面(37)とシリンダ状の固定片(23)の前端面(38)とで囲まれるキャビティ周縁部(32)とからなる。
【0038】
可動型(22)の移動片(221) は、その進入部(221a)がキャビティ(31)内をその厚み方向((61)または(62))に出退自在なように、設けられている。
【0039】
縮小キャビティ(31)は、上述のように、出退方向断面凹状の有底筒状をなすので、縮小キャビティ(31)内に溶融樹脂を充満させると、図4(b) に示すように、樹脂層本体部(41)と筒状周辺部(32)とからなる出退方向断面凹状の有底筒状の充填樹脂層(40)が成形され、充填物の金型表面部に非発泡のスキン層が成形される。次いで、スキン層が未固化状態である間に、図4(c) に示すように、移動片(221) を後退させてその進入部(221a)を固定型(21)から抜き出すと、キャビティ容積が拡大されることにより、発泡性溶融樹脂が発泡すると共に、キャビティ周縁部(32)に充填された樹脂からなる筒状周辺部(42)の内側においてスキン層が断面U字状またはV字状に湾曲され若しくは重なり状に折り返され、補強リブ(24)が形成される。こうして、図14に示すように、補強リブ(24)で強化された厚肉円板状の発泡体(4) が得られる。
【0040】
図5、6、7はキャビティ(31)の拡大手段の他の例を示す説明図である。この拡大手段は、図2、3に示すキャビティ(31)の拡大手段のようなクサビ片(222) 、油圧装置(224) 、油圧シリンダ(223) の代わりに、射出成形装置(1) の金型(2b)の開閉装置を用いたものである。
【0041】
すなわち、移動片(221b)は、射出成形装置(1) の油圧シリンダ(17)の作動杆(16)の作動により移動する可動型取付板(15)と共に出退移動されるようになっている。図5は、移動片(221b)が可動型取付板(15)と共に前進し、キャビティ(31)が縮小された状態を示し、図6は、移動片(221b)が可動型取付板(15)と共に後退し、キャビティ(31)が拡大された状態を示している。図7は、成形された発泡体(4) を金型(2b)を開いて取り出す状態を示す。(23)は移動片に外装されたシリンダ状の固定片、(24)は本発明による方法でスキン層を断面U字状またはV字状に曲げて形成された補強リブ、(61)は可動型取付板(15)の取付部材(62)に立設されたピンで、その頭部は固定片(23)内に形成された空所(63)に抜けないように収められている。(64)はピン(61)に外装されたコイル状押ばねで、取付部材(62)と固定片(23)の間に介在させられている。このコイル状押ばね(64)によりキャビティ(31)の拡大時に固定片(23)が移動片(221b)に伴って後退しないようになされている。
【0042】
実施例2
図8、9に示すように、平面方向に発泡倍率およびセル形態を異にする領域を有する発泡体(50)を製造する。
【0043】
図8の発泡体(50)を得るには、移動片は固定型の凹所内に入り込む4つの分割片からなり、各分割片は別々の駆動装置によって独立に移動させられる。4つの分割片のうち1つは微細セル領域(51)を形成するためのものであり、3つは細長セル領域(52)を形成するためのものである。
【0044】
図9の発泡体(50)を得るには、移動片は固定型の凹所内に入り込む3つの分割片からなり、各分割片は別々の駆動装置によって独立に移動させられる。3つの分割片のうち1つは微細セル領域(51)を形成するためのものであり、2つは細長セル領域(52)を形成するためのものである。
【0045】
図8の場合も図9の場合も、各凹所においてキャビティの拡大は2段階で行われる。以下、図8の発泡体(50)を得る場合について、説明をする。
【0046】
まず、3つの細長セル領域(52)の形成はつぎのように行う。
【0047】
第1次キャビティ拡大工程
細長セル領域(52)形成用の3つの区画凹所とこれらに入り込む移動片の分割片との組み合わせにおいて、各キャビティ区画のキャビティ本体部の幅(t3)(図4(a) 参照)が2mmである縮小キャビティ内に炭酸ガス含有ポリプロピレン樹脂の溶融物を充填した後、各キャビティ区画を充填時の形状に5秒間保ち、ついで分割片を中間位置まで(2mm)後退させた。この後退時のキャビティ拡大速度は15mm/秒であった。
【0048】
第2次キャビティ拡大工程
その後、キャビティ拡大を中間位置で0.5秒間停止した後、再び分割片を最終キャビティ拡大幅20mmまで後退させた。この後退時のキャビティ拡大速度は15mm/秒であった。
【0049】
つぎに、微細セル領域の形成について、説明をする。
【0050】
炭酸ガス含有ポリプロピレン樹脂の溶融物を残りの1つのキャビティ区画に充填した後、第1次キャビティ拡大を始めるまでの保持時間を0.5秒とし、第1次キャビティ拡大工程での分割片後退時のキャビティ拡大速度を10mm/秒とし、第1次キャビティ拡大工程と第2次キャビティ拡大工程の間におけるキャビティ拡大停止時間を14秒とし、第2次キャビティ拡大工程で分割片を最終キャビティ拡大幅30mmまで後退させ、この後退時のキャビティ拡大速度を5mm/秒とした点以外、細長セル領域の形式と同様の操作を行った。
【0051】
得られた熱可塑性樹脂発泡体は、3つの細長セル領域(52)と1つの微細セル領域(51)とからなり、図8(b)に示すように、後者の発泡倍率は補強リブ(24)の外側より内側において高く、後者の補強リブ(24)の内側部分は外側部分および細長セル領域(52)よりも膨出している。前者は、厚み方向に細長いセル群からなり、剛性に富む低発泡倍率のものであり、後者は、高発泡倍率の微細セル群からなり、断熱性に富む1つの領域(51)のものである。この発泡体も、各領域(51)(52)の周辺部の片面内部に、本発明による方法でスキン層を断面U字状またはV字状に曲げて形成された補強リブ(24)を有する。
【0052】
実施例3
この実施例では、図8に示す実施例2に記載の発泡体(50)を得る方法において、操作条件を変更することにより、3つの細長セル領域(52)と1つの微細セル領域(51)の厚みをいずれも同一(20mm)にした。前者は、図15に示すように、厚み方向に細長いセル群からなり、剛性に富む低発泡倍率のものであり、後者は、図16に示すように、高発泡倍率の微細セル群からなり、断熱性に富む1つの領域(51)のものである。この発泡体も、各領域(51)(52)の周辺部に、本発明による方法でスキン層を断面U字状またはV字状に曲げて形成された補強リブ(24)を有する。こうして得られた発泡体(50)を図11に示す。
【0053】
実施例4
第1次キャビティ拡大工程
図4(a) において、キャビティ本体部(34)の出退方向の幅(t3)が3mm、キャビティ周縁部(32)の幅(t4)が12mm、キャビティ周縁部(32)の出退方向の長さ(t5)が20mmである縮小キャビティ(31)内に炭酸ガス含有ポリプロピレン樹脂の溶融物を充填した後、キャビティ(31)を充填時の形状に5秒間保ち、樹脂の平均温度が180℃になった時点で、油圧シリンダ(223) によりクサビ片(222) を上昇させ、移動片(221) を中間位置まで(4mm)後退させた。この第1次キャビティ拡大工程のキャビティ(31)の拡大速度は5mm/秒であった。
【0054】
第2次キャビティ拡大工程
その後、樹脂の厚み方向中心部の温度が160℃になった時点で再び油圧シリンダ(223) によりクサビ片(222) を上昇させ、移動片(221) を最終キャビティ拡大幅26mmまで後退させた。この後退時のキャビティ(31)の拡大速度は10mm/秒であった。
【0055】
この第2次キャビティ拡大工程の後、キャビティ(31)内で熱可塑性樹脂の発泡体を360秒間冷却して、金型(2) を開き、発泡体(4) を取り出した。
【0056】
得られた熱可塑性樹脂発泡体は、図12に示すように、キャビティ周縁部の内側においてスキン層の折り返し部どうしが互いに接した補強リブ(24)を有する。スキン層の折り返し部どうしが互いに接した状態を図17に示す。
【0057】
実施例5
キャビティ周縁部(32)の幅(t4)を4mmにした点を除いて、実施例4と同様の操作を行った。
【0058】
得られた熱可塑性樹脂発泡体は、キャビティ周縁部の内側においてスキン層が断面U字状またはV字状に湾曲したものであった。
【0059】
実施例6
前記実施例1において、図4に示すキャビティへの樹脂充填およびキャビティ容積の拡大の代わりに、図18に示す操作を行った。
【0060】
すなわち、図18(a) に示す樹脂充填工程において、キャビティ本体部(34)の出退方向の幅(t3)を3mmとし、ここへ溶融樹脂を充填した。
【0061】
キャビティ容積の拡大は2段階で行った。
【0062】
第1次キャビティ拡大工程では、樹脂充填終了後0.5秒間この状態を保ち、次いで、図18(b) に示すように、移動片(221) を中間位置(t7=2mm)まで後退させた。この後退時のキャビティ拡大速度は10mm/秒とした。
【0063】
第2次キャビティ拡大工程では、移動片(221) を中間位置で14秒間停止した後、再び最終キャビティ拡大幅(t8=26mm)まで後退させた。この後退時のキャビティ拡大速度は5mm/秒とした。
【0064】
その他の点は、実施例1と同様の操作を行った。
【0065】
この実施例で得られた発泡体も、周辺部の片面内部に、本発明による方法でスキン層を断面U字状またはV字状に曲げて形成された補強リブ(24)を有する。
【0066】
実施例7
前記実施例2において、図8に示すキャビティへの樹脂充填およびキャビティ容積の拡大の代わりに、図19に示す操作を行った。
【0067】
すなわち、図19に示すように、固定型(21)の1つの凹所に対し、並列状の3つの分割片からなる移動片(221) が配されている。移動片は各凹所内にり込む第1分割片(71)、第2分割片(72)および第3分割片(73)からなり、各分割片は別々の駆動装置によって独立に出退させられる。3つの分割片のうち両側の2つは微細セル領域を形成するためのものであり、中央の1つは細長セル領域を形成するためのものである。
【0068】
図19(a) に示す樹脂充填工程では、キャビティ本体部(34)の出退方向の幅(t3) を3mm とし、ここへ溶融樹脂を充填した。キャビティ容積の拡大は2段階で行った。
【0069】
第1分割片(71)はつぎのように後退させた。すなわち、第1次キャビティ拡大工程では、充填終了後0.5秒間この状態を保ち、次いで第1分割片(71)を中間位置(2mm)まで後退させた。この後退時のキャビティ拡大速度は10mm/秒とした。第2次キャビティ拡大工程では、第1分割片(71)を中間位置で14秒間停止した後、再び最終キャビティ拡大幅(26mm)まで後退させた。この後退時のキャビティ拡大速度は5mm/秒とした(図19(b) 参照)。
【0070】
第2分割片(72)はつぎのように後退させた。すなわち、第1次キャビティ拡大工程では、充填終了後5秒間この状態を保ち、次いで第2分割片(72)を中間位置(2mm)まで後退させた。この後退時のキャビティ拡大速度は15mm/秒とした。第2次キャビティ拡大工程では、第2分割片(72)を中間位置で0.5秒間停止した後、再びキャビティ周縁部(32)と同じ厚みすなわち最終キャビティ拡大幅(20mm)まで後退させた。この後退時のキャビティ拡大速度は15mm/秒とした(図19(b) 参照)。
【0071】
第3分割片(73)はつぎのように後退させた。すなわち、第1次キャビティ拡大工程では、充填終了後0.5秒間この状態を保ち、次いで第3分割片(73)を中間位置(2mm)まで後退させた。この後退時のキャビティ拡大速度は10mm/秒とした。第2次キャビティ拡大工程では、第3分割片(73)を中間位置で14秒間停止した後、再び最終キャビティ拡大幅(16mm)まで後退させた。この後退時のキャビティ拡大速度は5mm/秒とした(図19(b) 参照)。
【0072】
その他の点は、実施例2と同様の操作を行った。
【0073】
第1分割片(71)、第2分割片(72)および第3分割片(73)を上記のように後退させることにより、平面方向に発泡倍率およびセル形態を異にする領域を有する発泡体を製造した。すなわち、第1分割片(71)の後退により発泡倍率8.7倍の微細セル領域(74)が形成され、第2分割片(72)の後退により発泡倍率6.7倍の細長セル領域(75)が形成され、第3分割片(73)の後退により発泡倍率5.3倍の微細セル領域(76)が形成された。微細セル領域(74)(76)は断熱性に優れ、細長セル(75)は圧縮強度に優れている。
【0074】
このように、樹脂充填後の保持時間、中間位置での分割片の停止時間、キャビティの拡大速度等を異ならしめることにより異なるセル形態の領域を形成することができ、樹脂充填時におけるキャビティ本体部の出退方向の幅(t3) 、および、最終キャビティ拡大幅を異ならしめることにより異なる発泡倍率の領域を得ることができる。セル形態は金型温度の差によっても異ならしめることができる。
【0075】
また、後述する実施例9のように、最終キャビティ拡大幅をキャビティ周縁部(32)と同じ厚みにすることにより、拡型側の面の凹凸をなくした発泡体を得ることもできる。
【0076】
得られた発泡体における各領域の境界部(77)および周縁部(78)(キャビティ周縁部(32)に相当する部分)は、他の部分に比べ発泡倍率が小さいため大きな補強効果を示す。
【0077】
発泡体における各領域の境界部(77)および周縁部(78)(キャビティ周縁部(32)に相当する部分)の出退方向の幅は、図20に示すように、領域ごとに異なるものとしてもよい。
【0078】
この実施例で得られた発泡体も、各領域の周辺部の片面内部に、本発明による方法でスキン層を断面U字状またはV字状に曲げて形成された補強リブ(24)を有する。
【0079】
実施例8
この実施例では、本発明による熱可塑性樹脂発泡体の適用例として断熱性を持ったコンテナを挙げる。
【0080】
図21において、コンテナ本体(81)の側壁部(82)および蓋体(83)は断熱性を必要とするため、微細セル領域で構成し、周縁部にはスキン層を断面U字状に曲げて形成された補強リブ(24)を有する。蓋体(83)は表裏両面にスキン層を有する。底壁(84)は強度を必要とするため、対角線部とその上に位置する5つの円形部からなりかつ細長セル領域(86)で構成された補強部を有し、それ以外の部分は微細セル領域(85)で構成したものである。底壁(84)は、各領域の片面内部にスキン層を断面U字状に曲げて形成された補強リブ(24)を有する。このように底壁(84)には細長セル領域(86)を有し、かつ同領域の縁部には補強リブ(24)が設けられるので、曲げ剛性(たわみ強度)が高い。
【0081】
実施例9
この実施例では、本発明による熱可塑性樹脂発泡体のもう1つの適用例として断熱性を持った住宅内装材(壁材)を挙げる。
【0082】
図19に示す前記実施例7において、キャビティへの樹脂充填後の保持時間、中間位置での分割片の停止時間、キャビティの拡大速度等が同じになるように、第1分割片(71)、第2分割片(72)および第3分割片(73)を後退させ、最終キャビティ拡大幅をキャビティ周縁部(32)と同じ厚みにした。その他の点は実施例7と同様に行った。こうして、図22に示すように、拡型側の面の凹凸をなくし、かつ3つの領域(88)をいずれも微細セル領域で構成した発泡体(87)を得た。
【0083】
内装材は断熱性を必要とするため、微細セル領域で構成され、且つ、強度を必要とするため、各領域の周囲部片面内部にスキン層を断面U字状に曲げて形成された補強リブ(24)を有する。
【0084】
以上の説明は、キャビティの拡大を2段階で行う場合についてのものであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、キャビティの拡大を1段階で行う場合にも適用される。
【0085】
【発明の効果】
この発明によれば、発泡体を高倍率化してクッション性、断熱性、軽量化、浮遊性、吸音性等を高め、かつ、剛性を確保することを簡単な操作で実現することができる発泡体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明による熱可塑性樹脂発泡体の製造方法に用いられる射出成形装置の一例を示す概略図である。
【図2】 図2は金型のキャビティ拡大前の状態を示す水平断面図である。
【図3】 図3は図2に示す金型のキャビティ拡大後の状態を示す水平断面図である。
【図4】 図4(a)(b)(c) は本発明による熱可塑性樹脂発泡体成形用金型を示す水平断面図である。
【図5】 図5は他のキャビティ拡大手段を示す水平断面図である。
【図6】 図6は図5に示すキャビティ拡大手段によるキャビティ拡大後の状態を示す水平断面図である。
【図7】 図7は成形された発泡体(4) を金型(2b)を開いて取り出す状態を示す水平断面図である。
【図8】 図8(a) は実施例2で得られた発泡体を示す斜視図、図8(b) は図8(a) 中のb−b線に沿う断面図である。
【図9】 図9は平面方向に発泡倍率および/またはセル形態を異にする領域を有する発泡体を示す斜視図である。
【図10】 図10(a) は同じ微細セル群からなる4つの領域を含む発泡体を示す斜視図、図10(b) は図10(a) 中のb−b線に沿う断面図である。
【図11】 図11(a) は実施例3で得られた発泡体を示す斜視図、図11(b) は図11(a) 中のb−b線に沿う断面図である。
【図12】 図12は実施例4で得られた発泡体を示す側面図である。
【図13】 図13はスキン層の厚みに差を付けた発泡体を示す断面図である。
【図14】 図14(a) は実施例1で得られた発泡体を示す斜視図、図11(b) は図11(a) 中のb−b線に沿う断面図である。
【図15】 図15は実施例3で得られた発泡体の細長セル領域を示す断面写真(拡大顕微鏡倍率4倍)である。
【図16】 図16は実施例3で得られた発泡体の微細セル領域を示す断面写真(拡大顕微鏡倍率4倍)である。
【図17】 図17は実施例4で得られた発泡体のスキン層の折り返し部どうしが互いに接した状態を示す断面写真(拡大顕微鏡倍率8倍)である。
【図18】 図18(a)(b)(c) は実施例6の工程を示す熱可塑性樹脂発泡体成形用金型の水平断面図である。
【図19】 図19(a)(b)は実施例7の工程を示す熱可塑性樹脂発泡体成形用金型の水平断面図、図19(c) は実施例7で得られた発泡体を示す側面図である。
【図20】 図20は境界部(77)および周縁部(78)の出退方向の幅が領域ごとに異なる発泡体を示す側面図である。
【図21】 図21(a) は実施例8のコンテナを示す斜視図、図21(b) は図21(a) 中のb−b線に沿う断面図、図21(c) は図21(a) 中のc−c線に沿う断面図、図21(d) は図21(a) 中のd−d線に沿う断面図である。
【図22】 図22(a) は実施例9の住宅内装材を示す斜視図、図22(b) は図22(a) 中のb−b線に沿う断面図である。
【符号の説明】
(2) :金型
(4)(50)(53) :発泡体
(21):固定型
(22):可動型
(221) :移動片
(221a):進入部
(23):シリンダ状の固定片
(24):補強リブ
(31):キャビティ
(32):キャビティ周縁部
(33):凹所内周面
(34):キャビティ本体部
(35):凹所底面
(36):前端面
(37):外周面
(38):前端面
(71):第1分割片
(72):第2分割片
(73):第3分割片
(74):微細セル領域
(75):細長セル領域
(76):微細セル領域
Claims (5)
- 成形品の片面内部に、該面に対して略垂直方向に、スキン層が断面U字状に湾曲されまたは断面V字状に折り返されてなる補強リブが設けられ、補強リブを有する面のスキン層が反対面のスキン層より肉厚であることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体。
- 平面方向に発泡倍率および/またはセル形態を異にする領域を有し、各領域の片面内部に、該面に対して略垂直方向に、スキン層が断面U字状に湾曲されまたは断面V字状に折り返されてなる補強リブが設けられていることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体。
- 断面V字状にスキン層が折り返されてなる補強リブの折り返し部どうしが互いに接した状態であることを特徴とする請求項2記載の熱可塑性樹脂発泡体。
- 補強リブを有する面のスキン層が反対面のスキン層より肉厚であることを特徴とする請求項2又は3いずれかに記載の熱可塑性樹脂発泡体。
- 金型キャビティ容積の拡大縮小が可能である金型の縮小状態キャビティ内に溶融した発泡性樹脂を充填した後、キャビティ容積を拡大することにより同樹脂を発泡させて熱可塑性樹脂発泡体を製造する方法において、金型は、雌型状の固定型と、固定型の凹所内に入り込む進入部を有する移動片と、移動片に外装された固定片とを具備し、固定型凹所内への進入部の進入によりキャビティが縮小状態にある時に、キャビティ(31)は、固定型の凹所底面(35)とこれに対向する移動片前端面(36)とで挟まれるキャビティ本体部(34)と、同本体部の周縁に後退方向突出状に一体に設けられかつ固定型の凹所内周面(33)とこれに対向する移動片進入部の外周面(37)と固定片の前端面(38)とで囲まれるキャビティ周縁部(32)とからなり、縮小キャビティ内に発泡性樹脂の溶融物を充填して充填物の金型表面部に非発泡のスキン層を成形し、次いで、スキン層が未固化状態である間に、移動片を固定型から後退させてキャビティ容積を拡大することにより、溶融樹脂を発泡させると共に、キャビティ周縁部の樹脂充填物の内側において、成形品の片面内部に、該面に対して略垂直方向に、スキン層を断面U字状に湾曲しまたはV字状に折り返して補強リブを形成するとともに、キャビティ周縁部の厚み (t4) をキャビティ本体部 (41) の厚み (t3) よりも厚くすることにより、キャビティ周縁部の樹脂充填物のスキン層の固化を遅らせることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。
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