JP2003266469A - 熱可塑性樹脂発泡体およびその製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂発泡体およびその製造方法

Info

Publication number
JP2003266469A
JP2003266469A JP2002072447A JP2002072447A JP2003266469A JP 2003266469 A JP2003266469 A JP 2003266469A JP 2002072447 A JP2002072447 A JP 2002072447A JP 2002072447 A JP2002072447 A JP 2002072447A JP 2003266469 A JP2003266469 A JP 2003266469A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cavity
foam
mold
skin layer
thermoplastic resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002072447A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3749694B2 (ja
Inventor
Satoshi Shimura
吏士 志村
Hitoshi Kawachi
斉 河内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2002072447A priority Critical patent/JP3749694B2/ja
Publication of JP2003266469A publication Critical patent/JP2003266469A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3749694B2 publication Critical patent/JP3749694B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Molding Of Porous Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発泡体を高倍率化してクッション性、断熱
性、軽量化、浮遊性、吸音性等を高め、かつ、剛性を確
保することを簡単な操作で実現することができる発泡体
を提供する。 【解決手段】 片面の周辺部に断面U字状に湾曲したま
たは断面V字状に折り返した補強リブ(24)が設けられた
熱可塑性樹脂発泡体である。該発泡体は、平面方向に発
泡倍率および/または気泡形態を異にする領域を有し、
各領域に、片面の周辺部に断面U字状に湾曲したまたは
断面V字状に折り返した補強リブ(24)が設けられたもの
とすることもできる。該発泡体は、断面V字状に折り返
した補強リブ(24)の折り返し部どうしが重ね合わされた
ものとすることもできる。該発泡体は、発泡倍率が補強
リブ(24)の外側より内側において高いものとすることも
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一方の片面部にク
ッション性を有し他方の片面部に剛性を有する発泡体お
よびその製造方法に関する。
【0002】本明細書全体を通して、進入方向とは、移
動片を基準にして、これがキャビティを縮小させるよう
にキャビティのゲート部に向かって進む方向、すなわち
図4(b)中の(61)の方向をいう。後退方向とは移動片
がキャビティ容積を拡大するようにキャビティのゲート
部から離れる向きに退く方向、すなわち図4(b)中の
(62)の方向をいう。出退方向とは図4(b)中の矢印(6
1)(62)方向をいう。
【0003】
【従来の技術】従来、熱可塑性樹脂発泡体の製造方法と
しては、特公昭51−8424号公報に、発泡剤を含む
溶融樹脂を金型キャビティー内へ射出した後、一定量の
発泡を行わせる所定ストローク分だけ金型を拡型して樹
脂を発泡させる、いわゆるコアバック法が記載されてい
る。コアバック法による発泡体は、発泡倍率の制御が容
易である、スキン層と発泡層の領域がはっきりしており
表面が綺麗で同重量の非発泡成形品に比較して剛性が大
きい、といった特徴を有する。
【0004】また、特開平7−80885号公報には、
上記のようなコアバック法によって、金型表面側の冷却
固化されたスキン層とその内部の発泡層とを有する発泡
成形品を得るに当たり、拡型開始後の拡型速度を所定範
囲に設定し、射出完了から拡型開始までの時間を所定範
囲に設定し、または金型表面温度を所定範囲に設定する
ことにより、発泡層の発泡倍率を適当なものとし、かつ
スキン層の表面状態を良好なものとすることができると
記載されている。
【0005】しかし、特開平7−80885号公報の方
法のように、発泡倍率を高倍率化して例えばクッション
性を持たせた場合、必然的に発泡成形品の剛性が不足す
る。同公報の方法では、クッション性と剛性を両立した
発泡成形品を得る方法として、第1工程で剛性の大きい
芯材層を成形しておき、第2工程で同層を発泡層とスキ
ン層に積層する3層構造体の製造方法が示されている。
しかし、この方法は、上記のように製造工程が2つに分
かれ、生産性、コストの面から不利である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、発泡
体を高倍率化してクッション性、断熱性、軽量化、浮遊
性、吸音性等を高め、かつ、剛性を確保することを簡単
な操作で実現することができる発泡体を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1による発明は、
成形品の片面内部に、スキン層が断面U字状に湾曲され
または断面V字状に折り返されてなる補強リブが設けら
れていることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体である。
【0008】請求項2による発明は、平面方向に発泡倍
率および/またはセル形態を異にする領域を有し、各領
域の片面内部に、断面U字状に湾曲したまたは断面V字
状に折り返した補強リブが設けられていることを特徴と
する熱可塑性樹脂発泡体である。
【0009】請求項3による発明は、断面V字状に折り
返した補強リブの折り返し部どうしが重ね合わされてい
ることを特徴とする請求項1または2記載の熱可塑性樹
脂発泡体である。折り返し部どうしを重ね合わせるに
は、例えば、キャビティ周縁部(32)に大きな熱溜まりを
設ける。
【0010】請求項4による発明は、発泡倍率が補強リ
ブの外側より内側において高いことを特徴とする請求項
1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂発泡体である。
【0011】本発明による発泡体において、補強リブを
有する面のスキン層は反対面のスキン層より肉厚である
ことが好ましい。このようにスキン層の厚みに差を付け
ることによって、発泡体の剛性をさらに増すことができ
る。スキン層の厚みに差を付けるには、例えば、固定型
の温度を移動片進入部の温度より高くして固定型に接す
る溶融樹脂の温度を反対側より高くする。図13はスキ
ン層の厚みに差を付けた発泡体(55)を示すものである。
同図中、(56)は移動片前端面側のスキン層、(57)は固定
型凹所底面側のスキン層で、前者が後者より肉厚になっ
ている。(24)は本発明による方法でスキン層を断面U字
状またはV字状に曲げて形成された補強リブである。
【0012】請求項5による発明は、金型キャビティ容
積の拡大縮小が可能である金型の縮小状態キャビティ内
に溶融した発泡性樹脂を充填した後、キャビティ容積を
拡大することにより同樹脂を発泡させて熱可塑性樹脂発
泡体を製造する方法において、金型は、雌型状の固定型
と、固定型の凹所内に入り込む進入部を有する移動片
と、移動片に外装された固定片とを具備し、固定型凹所
内への進入部の進入によりキャビティが縮小状態にある
時に、キャビティ(31)は、固定型の凹所底面(35)とこれ
に対向する移動片前端面(36)とで挟まれるキャビティ本
体部(34)と、同本体部の周縁に後退方向突出状に一体に
設けられかつ固定型の凹所内周面(33)とこれに対向する
移動片進入部の外周面(37)と固定片の前端面(38)とで囲
まれるキャビティ周縁部(32)とからなり、縮小キャビテ
ィ内に発泡性樹脂の溶融物を充填して充填物の金型表面
部に非発泡のスキン層を成形し、次いで、スキン層が未
固化状態である間に、移動片を固定型から後退させてキ
ャビティ容積を拡大することにより、溶融樹脂を発泡さ
せると共に、キャビティ周縁部の樹脂充填物の内側にお
いてスキン層を断面U字状に湾曲しまたはV字状に折り
返して補強リブを形成することを特徴とする熱可塑性樹
脂発泡体の製造方法である。
【0013】請求項6による発明は、キャビティ周縁部
の樹脂充填物に熱溜まりを設けることにより同充填物の
スキン層の固化を遅らせることを特徴とする請求項5記
載の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法である。
【0014】キャビティ周縁部の樹脂充填物に熱溜まり
を設けるには、例えば、キャビティ周縁部の厚み(t4)を
キャビティ本体部(41)の厚み(t3)よりも厚くする、およ
び/または、キャビティ周縁部(32)の出退方向の長さ(t
5)を大きくする(図4参照)。
【0015】請求項7による発明は、金型に温度調整機
構を設けて、同装置によりキャビティ周縁部の樹脂充填
物を高温に維持して、同充填物のスキン層の固化を遅ら
せることを特徴とする請求項5記載の熱可塑性樹脂発泡
体の製造方法である。
【0016】温度調整機構は例えば電気ヒータ、オイル
ヒータ等であってよい。温度調整機構の設置位置は固定
型および移動片のいずれでもよいが、後者が好ましい。
【0017】請求項2記載の、平面方向に発泡倍率およ
び/またはセル形態を異にする領域を有する発泡体を得
るには、例えば、請求項5記載の方法において、移動片
を複数の分割片に分け、各分割片の進入部を固定型の1
つの凹所内に進入させて縮小状態にした各キャビティ区
画内に発泡性樹脂の溶融物を充填した後、各分割片を各
区画から独立に後退させ、分割片ごとに後退タイミング
ないしは後退速度(すなわちキャビティ拡大速度)を異
ならしめ、またはキャビティ区画ごとに溶融樹脂温度を
異ならしめ、またはキャビティ容積の拡大幅を異ならし
め、または金型温度を異ならしめる。
【0018】各分割片を各区画から独立に後退させるに
は、移動片の各分割片を別々の駆動装置で移動させる。
平面方向に発泡倍率および/またはセル形態を異にする
領域を有する発泡体は、例えば、剛性を確保する領域
と、断熱性やクッション性を確保する領域を有する発泡
体であり、コンテナ、電気製品部材や車両部材に使用さ
れる。
【0019】図8は、このような発泡体の例を示すもの
である。同図中、(50)は平面方向に発泡倍率およびセル
形態を異にする領域を有する発泡体、(51)は高発泡倍率
の微細セル群からなり、断熱性に富む1つの微細セル領
域、(52)は厚み方向に細長いセル群からなり、剛性に富
む低発泡倍率の3つの細長セル領域である。(24)は本発
明による方法でスキン層を断面U字状またはV字状に曲
げて形成された補強リブである。微細セル領域(51)の発
泡倍率は、図8(b)に示すように、補強リブ(24)の外
側より内側において高く、補強リブ(24)の内側部分は外
側部分および細長セル領域(52)よりも膨出している。
【0020】図10は、図8の発泡体を製造する装置に
おいて、各キャビティ区画内に同じ温度で発泡性樹脂の
溶融物を充填してスキン層を成形した後、各分割片を各
区画から同じタイミングおよび同じ速度で後退させるこ
とにより得られる、平面方向に発泡倍率およびセル形態
が同じである4つの領域(54)を有する発泡体(53)を示
す。(24)は本発明による方法でスキン層を断面U字状ま
たはV字状に曲げて形成された補強リブである。このよ
うな発泡体は壁材等の住宅内装材、パレットなどの軽量
パネルに好適に使用される。
【0021】本発明において用いられる熱可塑性樹脂は
特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチ
レン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリブテン、塩素化ポリエチレン等のオ
レフィン系樹脂、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン
−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン
系樹脂、ポリメチルアクリレート、エチレン−エチルア
クリレート共重合体などのアクリル樹脂、ポリ塩化ビニ
ル等の塩素系樹脂、ポリフッ化エチレン等のフッ素系樹
脂、6−ナイロン、66−ナイロン、12−ナイロン等
のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ABS
樹脂、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニ
レンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ
エーテルイミド、ケイ素樹脂、熱可塑性ウレタン、各種
エラストマー等が挙げられる。
【0022】とりわけ、発泡に適した溶融張力もしくは
伸張粘度を有するものが好ましく、例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリ
塩化ビニル等が好適に使用される。更に、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等としては伸張粘度特性を調整した
微架橋樹脂が好ましい。
【0023】これら樹脂は、単体で用いられても良い
し、2種以上がアロイ、ブレンドまたはコンポジットさ
れたものでも良い。
【0024】本発明において、発泡性樹脂は、溶融状態
の樹脂に発泡剤を供給し含浸させたものである。
【0025】本発明で用いられる発泡剤は、樹脂と反応
を起こさず、さらに樹脂を劣化するなどの悪影響を樹脂
に及ぼさないもの、すなわち不活性なものであれば、特
に限定されるものではなく、有機および無機系の熱分解
型化学発泡剤または物理発泡剤が使用できる。
【0026】化学発泡剤としてはアゾ化合物、ヒドラジ
ド化合物、ニトロソ化合物、セミカルバジド化合物、ヒ
ドラゾ化合物、テトラゾール化合物、エステル化合物、
重炭酸塩、炭酸塩、亜硝酸塩などが挙げられる。更に具
体的には、アゾジカルボンアミド(ADCA)、イソブチロ
ニトリル(AZDN)、ベンゼンスルホニルヒドラゾ(OBS
H)、ジニトロペンタメチレンテトラミン(DPT )、ア
ゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、P−トルエンスル
ホンヒドラジド(TSH )、バリウムアゾジカルボキシレ
ート(Ba−AC)等が挙げられる。
【0027】物理発泡剤は、脂肪族炭化水素、塩素化脂
肪族炭化水素、ふっ素化脂肪族炭化水素、不活性ガスに
大別される。脂肪族炭化水素としては、C4 〜C7
低沸点溶剤、例えばn−プロパン、n−ペンタン、n−
ヘキサン、ネオペンタン、これら炭化水素の異性体が例
示される。塩素化脂肪族炭化水素としては、塩化メチ
ル、塩化メチレン、トリクロルエチレン、ジクロルエタ
ンが例示される。ふっ素化脂肪族炭化水素としては、ト
リクロルフルオロメタン(フレオン11)、ジクロルテ
トラフルオロエタン(フレオン114)が例示される。
不活性ガスとしては、炭酸ガス、窒素、アルゴン、ネオ
ン、ヘリウム、酸素が例示される。これらは単独で使用
されても良いし、2種以上併用されても良い。
【0028】本発明において、発泡性樹脂は、好ましく
は、炭酸ガス、窒素、アルゴン、ネオン、ヘリウム、酸
素等の不活性ガスからなる物理的発泡剤や、アゾジカル
ボンアミド(ADCA)、イソブチロニトリル(AZDN)等の
化学発泡剤を単独でまたは2以上の組み合わせで含む樹
脂である。水と特殊イソシアネートから生じる炭酸ガス
を使う水発泡技術を適用して発泡性樹脂を得ることもで
きる。
【0029】キャビティ容積を拡大縮小する方法は、特
に限定されるものではないが、図2および3に示すよう
に射出成形機の油圧機構もしくは外部の油圧装置と油圧
ピストンにより金型の移動片をキャビティ拡大方向へ移
動させる方法や、図5、6および7に示すように射出成
形機の型開き機構を利用する方法などが挙げられる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
より具体的に説明する。
【0031】実施例1 図1は射出成形装置の一例を示す概略図である。図1に
おいて、(1) は射出成形装置、(11)は同成形装置(1) の
樹脂可塑化混練用のシリンダ、(12)は同シリンダ(11)の
後端寄り上側に設けられた耐圧チャンバー、(13)は耐圧
チャンバー(12)の上に設けられたホッパー、(14)は発泡
剤として使用する炭酸ガスのボンベで、管路(142) を介
して耐圧チャンバー(12)に接続されている。(141) は管
路(142)に設けられた圧力調整バルブ、(121) 、(122)
、(123) 、(124) はバルブである。(2) は固定型(21)
と可動型(22) を備えた射出成形用金型である。
【0032】熱可塑性樹脂としてポリプロピレン(Mont
ell-JPO 社製 HMS-PP、融点127℃)をホッパー(13)
に投入し、バルブ(122) を開にして同樹脂を耐圧チャン
バー(12)に給送した。その後、バルブ(122)(123)(124)
を閉じ、圧力調整バルブ(141) より圧力を5.5MPa
に調整された炭酸ガスをバルブ(121) を経て耐圧チャン
バー(12)に導入した。
【0033】耐圧チャンバー(12)内において、炭酸ガス
の圧力を5.5MPaに温度を45℃に2時間保持し、
炭酸ガスを熱可塑性樹脂に供給し溶解させた。
【0034】この炭酸ガス含有熱可塑性樹脂を耐圧チャ
ンバー(12)からバルブ(124) を経て、190℃に設定さ
れたシリンダ(11)内に供給した。その後、シリンダ(11)
前端寄りの計量部に溜まった熱可塑性樹脂を、図2に示
すように、ランナー部(5) およびゲート部(6) を経て操
作初期の縮小状態のキャビティ(31)内に射出した。
【0035】図2および図3において、金型(2) の可動
型(22)はキャビティの厚み方向に出退可能な移動片(22
1) と、上下動可能なクサビ片(222) とを具備し、クサ
ビ片(222) は油圧装置(224) に接続された油圧シリンダ
(223) の動作により昇降されるようになっている。そし
て、図2に示すようにクサビ片(222) が下降したときキ
ャビティ(31)が縮小され、図3に示すようにクサビ片(2
22) が上昇するときはキャビティ(31)は拡大される。
【0036】図4は金型の構造を示すものである。
【0037】図4(a) において、金型(2) は、固定型(2
1)と、可動型(22)と、可動型(22)の移動片(221) に外装
された(すなわち移動片(221) の外側に密接状に設けら
れた)シリンダ状の固定片(23)とからなる。固定型(21)
は雌型状であり、可動型(22)の移動片(221) は固定型の
円形凹所内に入り込む円柱状の進入部(221a)を有する。
進入部(221a)の半径は固定型凹所の半径よりt4だけ小
さい。固定型(21)の凹所内への進入部(221a)の進入によ
りキャビティ(31)が縮小状態にある時に、図4(a) に示
すように、出退方向断面凹状の有底筒状キャビティ(31)
が形成される。すなわち、縮小キャビティ(31)は、固定
型(21)の凹所底面(35)とこれに対向する移動片(221) の
前端面(36)とで挟まれるキャビティ本体部(34)と、同本
体部の周縁に後退方向突出状に一体に設けられかつ固定
型(21)の凹所内周面(33)とこれに対向する移動片進入部
(221a)の外周面(37)とシリンダ状の固定片(23)の前端面
(38)とで囲まれるキャビティ周縁部(32)とからなる。
【0038】可動型(22)の移動片(221) は、その進入部
(221a)がキャビティ(31)内をその厚み方向((61)または
(62))に出退自在なように、設けられている。
【0039】縮小キャビティ(31)は、上述のように、出
退方向断面凹状の有底筒状をなすので、縮小キャビティ
(31)内に溶融樹脂を充満させると、図4(b) に示すよう
に、樹脂層本体部(41)と筒状周辺部(32)とからなる出退
方向断面凹状の有底筒状の充填樹脂層(40)が成形され、
充填物の金型表面部に非発泡のスキン層が成形される。
次いで、スキン層が未固化状態である間に、図4(c) に
示すように、移動片(221) を後退させてその進入部(221
a)を固定型(21)から抜き出すと、キャビティ容積が拡大
されることにより、発泡性溶融樹脂が発泡すると共に、
キャビティ周縁部(32)に充填された樹脂からなる筒状周
辺部(42)の内側においてスキン層が断面U字状またはV
字状に湾曲され若しくは重なり状に折り返され、補強リ
ブ(24)が形成される。こうして、図14に示すように、
補強リブ(24)で強化された厚肉円板状の発泡体(4) が得
られる。
【0040】図5、6、7はキャビティ(31)の拡大手段
の他の例を示す説明図である。この拡大手段は、図2、
3に示すキャビティ(31)の拡大手段のようなクサビ片(2
22)、油圧装置(224) 、油圧シリンダ(223) の代わり
に、射出成形装置(1) の金型(2b)の開閉装置を用いたも
のである。
【0041】すなわち、移動片(221b)は、射出成形装置
(1) の油圧シリンダ(17)の作動杆(16)の作動により移動
する可動型取付板(15)と共に出退移動されるようになっ
ている。図5は、移動片(221b)が可動型取付板(15)と共
に前進し、キャビティ(31)が縮小された状態を示し、図
6は、移動片(221b)が可動型取付板(15)と共に後退し、
キャビティ(31)が拡大された状態を示している。図7
は、成形された発泡体(4) を金型(2b)を開いて取り出す
状態を示す。(23)は移動片に外装されたシリンダ状の固
定片、(24)は本発明による方法でスキン層を断面U字状
またはV字状に曲げて形成された補強リブ、(61)は可動
型取付板(15)の取付部材(62)に立設されたピンで、その
頭部は固定片(23)内に形成された空所(63)に抜けないよ
うに収められている。(64)はピン(61)に外装されたコイ
ル状押ばねで、取付部材(62)と固定片(23)の間に介在さ
せられている。このコイル状押ばね(64)によりキャビテ
ィ(31)の拡大時に固定片(23)が移動片(221b)に伴って後
退しないようになされている。
【0042】実施例2 図8、9に示すように、平面方向に発泡倍率およびセル
形態を異にする領域を有する発泡体(50)を製造する。
【0043】図8の発泡体(50)を得るには、移動片は固
定型の凹所内に入り込む4つの分割片からなり、各分割
片は別々の駆動装置によって独立に移動させられる。4
つの分割片のうち1つは微細セル領域(51)を形成するた
めのものであり、3つは細長セル領域(52)を形成するた
めのものである。
【0044】図9の発泡体(50)を得るには、移動片は固
定型の凹所内に入り込む3つの分割片からなり、各分割
片は別々の駆動装置によって独立に移動させられる。3
つの分割片のうち1つは微細セル領域(51)を形成するた
めのものであり、2つは細長セル領域(52)を形成するた
めのものである。
【0045】図8の場合も図9の場合も、各凹所におい
てキャビティの拡大は2段階で行われる。以下、図8の
発泡体(50)を得る場合について、説明をする。
【0046】まず、3つの細長セル領域(52)の形成はつ
ぎのように行う。
【0047】第1次キャビティ拡大工程 細長セル領域(52)形成用の3つの区画凹所とこれらに入
り込む移動片の分割片との組み合わせにおいて、各キャ
ビティ区画のキャビティ本体部の幅(t3)(図4(a) 参
照)が2mmである縮小キャビティ内に炭酸ガス含有ポ
リプロピレン樹脂の溶融物を充填した後、各キャビティ
区画を充填時の形状に5秒間保ち、ついで分割片を中間
位置まで(2mm)後退させた。この後退時のキャビテ
ィ拡大速度は15mm/秒であった。
【0048】第2次キャビティ拡大工程 その後、キャビティ拡大を中間位置で0.5秒間停止し
た後、再び分割片を最終キャビティ拡大幅20mmまで
後退させた。この後退時のキャビティ拡大速度は15m
m/秒であった。
【0049】つぎに、微細セル領域の形成について、説
明をする。
【0050】炭酸ガス含有ポリプロピレン樹脂の溶融物
を残りの1つのキャビティ区画に充填した後、第1次キ
ャビティ拡大を始めるまでの保持時間を0.5秒とし、
第1次キャビティ拡大工程での分割片後退時のキャビテ
ィ拡大速度を10mm/秒とし、第1次キャビティ拡大
工程と第2次キャビティ拡大工程の間におけるキャビテ
ィ拡大停止時間を14秒とし、第2次キャビティ拡大工
程で分割片を最終キャビティ拡大幅30mmまで後退さ
せ、この後退時のキャビティ拡大速度を5mm/秒とし
た点以外、細長セル領域の形式と同様の操作を行った。
【0051】得られた熱可塑性樹脂発泡体は、3つの細
長セル領域(52)と1つの微細セル領域(51)とからなり、
図8(b)に示すように、後者の発泡倍率は補強リブ(2
4)の外側より内側において高く、後者の補強リブ(24)の
内側部分は外側部分および細長セル領域(52)よりも膨出
している。前者は、厚み方向に細長いセル群からなり、
剛性に富む低発泡倍率のものであり、後者は、高発泡倍
率の微細セル群からなり、断熱性に富む1つの領域(51)
のものである。この発泡体も、各領域(51)(52)の周辺部
の片面内部に、本発明による方法でスキン層を断面U字
状またはV字状に曲げて形成された補強リブ(24)を有す
る。
【0052】実施例3 この実施例では、図8に示す実施例2に記載の発泡体(5
0)を得る方法において、操作条件を変更することによ
り、3つの細長セル領域(52)と1つの微細セル領域(51)
の厚みをいずれも同一(20mm)にした。前者は、図
15に示すように、厚み方向に細長いセル群からなり、
剛性に富む低発泡倍率のものであり、後者は、図16に
示すように、高発泡倍率の微細セル群からなり、断熱性
に富む1つの領域(51)のものである。この発泡体も、各
領域(51)(52)の周辺部に、本発明による方法でスキン層
を断面U字状またはV字状に曲げて形成された補強リブ
(24)を有する。こうして得られた発泡体(50)を図11に
示す。
【0053】実施例4 第1次キャビティ拡大工程 図4(a) において、キャビティ本体部(34)の出退方向の
幅(t3)が3mm、キャビティ周縁部(32)の幅(t4)が12
mm、キャビティ周縁部(32)の出退方向の長さ(t5)が2
0mmである縮小キャビティ(31)内に炭酸ガス含有ポリ
プロピレン樹脂の溶融物を充填した後、キャビティ(31)
を充填時の形状に5秒間保ち、樹脂の平均温度が180
℃になった時点で、油圧シリンダ(223) によりクサビ片
(222) を上昇させ、移動片(221) を中間位置まで(4m
m)後退させた。この第1次キャビティ拡大工程のキャ
ビティ(31)の拡大速度は5mm/秒であった。
【0054】第2次キャビティ拡大工程 その後、樹脂の厚み方向中心部の温度が160℃になっ
た時点で再び油圧シリンダ(223) によりクサビ片(222)
を上昇させ、移動片(221) を最終キャビティ拡大幅26
mmまで後退させた。この後退時のキャビティ(31)の拡
大速度は10mm/秒であった。
【0055】この第2次キャビティ拡大工程の後、キャ
ビティ(31)内で熱可塑性樹脂の発泡体を360秒間冷却
して、金型(2) を開き、発泡体(4) を取り出した。
【0056】得られた熱可塑性樹脂発泡体は、図12に
示すように、キャビティ周縁部の内側においてスキン層
の折り返し部どうしが互いに接した補強リブ(24)を有す
る。スキン層の折り返し部どうしが互いに接した状態を
図17に示す。
【0057】実施例5 キャビティ周縁部(32)の幅(t4)を4mmにした点を除い
て、実施例4と同様の操作を行った。
【0058】得られた熱可塑性樹脂発泡体は、キャビテ
ィ周縁部の内側においてスキン層が断面U字状またはV
字状に湾曲したものであった。
【0059】実施例6 前記実施例1において、図4に示すキャビティへの樹脂
充填およびキャビティ容積の拡大の代わりに、図18に
示す操作を行った。
【0060】すなわち、図18(a) に示す樹脂充填工程
において、キャビティ本体部(34)の出退方向の幅(t3)を
3mmとし、ここへ溶融樹脂を充填した。
【0061】キャビティ容積の拡大は2段階で行った。
【0062】第1次キャビティ拡大工程では、樹脂充填
終了後0.5秒間この状態を保ち、次いで、図18(b)
に示すように、移動片(221) を中間位置(t7=2mm)
まで後退させた。この後退時のキャビティ拡大速度は1
0mm/秒とした。
【0063】第2次キャビティ拡大工程では、移動片(2
21) を中間位置で14秒間停止した後、再び最終キャビ
ティ拡大幅(t8=26mm)まで後退させた。この後退
時のキャビティ拡大速度は5mm/秒とした。
【0064】その他の点は、実施例1と同様の操作を行
った。
【0065】この実施例で得られた発泡体も、周辺部の
片面内部に、本発明による方法でスキン層を断面U字状
またはV字状に曲げて形成された補強リブ(24)を有す
る。
【0066】実施例7 前記実施例2において、図8に示すキャビティへの樹脂
充填およびキャビティ容積の拡大の代わりに、図19に
示す操作を行った。
【0067】すなわち、図19に示すように、固定型(2
1)の1つの凹所に対し、並列状の3つの分割片からなる
移動片(221) が配されている。移動片は各凹所内にり込
む第1分割片(71)、第2分割片(72)および第3分割片(7
3)からなり、各分割片は別々の駆動装置によって独立に
出退させられる。3つの分割片のうち両側の2つは微細
セル領域を形成するためのものであり、中央の1つは細
長セル領域を形成するためのものである。
【0068】図19(a) に示す樹脂充填工程では、キャ
ビティ本体部(34)の出退方向の幅(t3) を3mm と
し、ここへ溶融樹脂を充填した。キャビティ容積の拡大
は2段階で行った。
【0069】第1分割片(71)はつぎのように後退させ
た。すなわち、第1次キャビティ拡大工程では、充填終
了後0.5秒間この状態を保ち、次いで第1分割片(71)
を中間位置(2mm)まで後退させた。この後退時のキ
ャビティ拡大速度は10mm/秒とした。第2次キャビ
ティ拡大工程では、第1分割片(71)を中間位置で14秒
間停止した後、再び最終キャビティ拡大幅(26mm)
まで後退させた。この後退時のキャビティ拡大速度は5
mm/秒とした(図19(b) 参照)。
【0070】第2分割片(72)はつぎのように後退させ
た。すなわち、第1次キャビティ拡大工程では、充填終
了後5秒間この状態を保ち、次いで第2分割片(72)を中
間位置(2mm)まで後退させた。この後退時のキャビ
ティ拡大速度は15mm/秒とした。第2次キャビティ
拡大工程では、第2分割片(72)を中間位置で0.5秒間
停止した後、再びキャビティ周縁部(32)と同じ厚みすな
わち最終キャビティ拡大幅(20mm)まで後退させ
た。この後退時のキャビティ拡大速度は15mm/秒と
した(図19(b) 参照)。
【0071】第3分割片(73)はつぎのように後退させ
た。すなわち、第1次キャビティ拡大工程では、充填終
了後0.5秒間この状態を保ち、次いで第3分割片(73)
を中間位置(2mm)まで後退させた。この後退時のキ
ャビティ拡大速度は10mm/秒とした。第2次キャビ
ティ拡大工程では、第3分割片(73)を中間位置で14秒
間停止した後、再び最終キャビティ拡大幅(16mm)
まで後退させた。この後退時のキャビティ拡大速度は5
mm/秒とした(図19(b) 参照)。
【0072】その他の点は、実施例2と同様の操作を行
った。
【0073】第1分割片(71)、第2分割片(72)および第
3分割片(73)を上記のように後退させることにより、平
面方向に発泡倍率およびセル形態を異にする領域を有す
る発泡体を製造した。すなわち、第1分割片(71)の後退
により発泡倍率8.7倍の微細セル領域(74)が形成さ
れ、第2分割片(72)の後退により発泡倍率6.7倍の細
長セル領域(75)が形成され、第3分割片(73)の後退によ
り発泡倍率5.3倍の微細セル領域(76)が形成された。
微細セル領域(74)(76)は断熱性に優れ、細長セル(75)は
圧縮強度に優れている。
【0074】このように、樹脂充填後の保持時間、中間
位置での分割片の停止時間、キャビティの拡大速度等を
異ならしめることにより異なるセル形態の領域を形成す
ることができ、樹脂充填時におけるキャビティ本体部の
出退方向の幅(t3) 、および、最終キャビティ拡大幅を
異ならしめることにより異なる発泡倍率の領域を得るこ
とができる。セル形態は金型温度の差によっても異なら
しめることができる。
【0075】また、後述する実施例9のように、最終キ
ャビティ拡大幅をキャビティ周縁部(32)と同じ厚みにす
ることにより、拡型側の面の凹凸をなくした発泡体を得
ることもできる。
【0076】得られた発泡体における各領域の境界部(7
7)および周縁部(78)(キャビティ周縁部(32)に相当する
部分)は、他の部分に比べ発泡倍率が小さいため大きな
補強効果を示す。
【0077】発泡体における各領域の境界部(77)および
周縁部(78)(キャビティ周縁部(32)に相当する部分)の
出退方向の幅は、図20に示すように、領域ごとに異な
るものとしてもよい。
【0078】この実施例で得られた発泡体も、各領域の
周辺部の片面内部に、本発明による方法でスキン層を断
面U字状またはV字状に曲げて形成された補強リブ(24)
を有する。
【0079】実施例8 この実施例では、本発明による熱可塑性樹脂発泡体の適
用例として断熱性を持ったコンテナを挙げる。
【0080】図21において、コンテナ本体(81)の側壁
部(82)および蓋体(83)は断熱性を必要とするため、微細
セル領域で構成し、周縁部にはスキン層を断面U字状に
曲げて形成された補強リブ(24)を有する。蓋体(83)は表
裏両面にスキン層を有する。底壁(84)は強度を必要とす
るため、対角線部とその上に位置する5つの円形部から
なりかつ細長セル領域(86)で構成された補強部を有し、
それ以外の部分は微細セル領域(85)で構成したものであ
る。底壁(84)は、各領域の片面内部にスキン層を断面U
字状に曲げて形成された補強リブ(24)を有する。このよ
うに底壁(84)には細長セル領域(86)を有し、かつ同領域
の縁部には補強リブ(24)が設けられるので、曲げ剛性
(たわみ強度)が高い。
【0081】実施例9 この実施例では、本発明による熱可塑性樹脂発泡体のも
う1つの適用例として断熱性を持った住宅内装材(壁
材)を挙げる。
【0082】図19に示す前記実施例7において、キャ
ビティへの樹脂充填後の保持時間、中間位置での分割片
の停止時間、キャビティの拡大速度等が同じになるよう
に、第1分割片(71)、第2分割片(72)および第3分割片
(73)を後退させ、最終キャビティ拡大幅をキャビティ周
縁部(32)と同じ厚みにした。その他の点は実施例7と同
様に行った。こうして、図22に示すように、拡型側の
面の凹凸をなくし、かつ3つの領域(88)をいずれも微細
セル領域で構成した発泡体(87)を得た。
【0083】内装材は断熱性を必要とするため、微細セ
ル領域で構成され、且つ、強度を必要とするため、各領
域の周囲部片面内部にスキン層を断面U字状に曲げて形
成された補強リブ(24)を有する。
【0084】以上の説明は、キャビティの拡大を2段階
で行う場合についてのものであるが、本発明はこれに限
定されるものではなく、キャビティの拡大を1段階で行
う場合にも適用される。
【0085】
【発明の効果】この発明によれば、発泡体を高倍率化し
てクッション性、断熱性、軽量化、浮遊性、吸音性等を
高め、かつ、剛性を確保することを簡単な操作で実現す
ることができる発泡体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明による熱可塑性樹脂発泡体の製
造方法に用いられる射出成形装置の一例を示す概略図で
ある。
【図2】 図2は金型のキャビティ拡大前の状態を示す
水平断面図である。
【図3】 図3は図2に示す金型のキャビティ拡大後の
状態を示す水平断面図である。
【図4】 図4(a)(b)(c) は本発明による熱可塑性樹脂
発泡体成形用金型を示す水平断面図である。
【図5】 図5は他のキャビティ拡大手段を示す水平断
面図である。
【図6】 図6は図5に示すキャビティ拡大手段による
キャビティ拡大後の状態を示す水平断面図である。
【図7】 図7は成形された発泡体(4) を金型(2b)を開
いて取り出す状態を示す水平断面図である。
【図8】 図8(a) は実施例2で得られた発泡体を示す
斜視図、図8(b) は図8(a) 中のb−b線に沿う断面図
である。
【図9】 図9は平面方向に発泡倍率および/またはセ
ル形態を異にする領域を有する発泡体を示す斜視図であ
る。
【図10】 図10(a) は同じ微細セル群からなる4つ
の領域を含む発泡体を示す斜視図、図10(b) は図10
(a) 中のb−b線に沿う断面図である。
【図11】 図11(a) は実施例3で得られた発泡体を
示す斜視図、図11(b) は図11(a) 中のb−b線に沿
う断面図である。
【図12】 図12は実施例4で得られた発泡体を示す
側面図である。
【図13】 図13はスキン層の厚みに差を付けた発泡
体を示す断面図である。
【図14】 図14(a) は実施例1で得られた発泡体を
示す斜視図、図11(b) は図11(a) 中のb−b線に沿
う断面図である。
【図15】 図15は実施例3で得られた発泡体の細長
セル領域を示す断面写真(拡大顕微鏡倍率4倍)であ
る。
【図16】 図16は実施例3で得られた発泡体の微細
セル領域を示す断面写真(拡大顕微鏡倍率4倍)であ
る。
【図17】 図17は実施例4で得られた発泡体のスキ
ン層の折り返し部どうしが互いに接した状態を示す断面
写真(拡大顕微鏡倍率8倍)である。
【図18】 図18(a)(b)(c) は実施例6の工程を示す
熱可塑性樹脂発泡体成形用金型の水平断面図である。
【図19】 図19(a)(b)は実施例7の工程を示す熱可
塑性樹脂発泡体成形用金型の水平断面図、図19(c) は
実施例7で得られた発泡体を示す側面図である。
【図20】 図20は境界部(77)および周縁部(78)の出
退方向の幅が領域ごとに異なる発泡体を示す側面図であ
る。
【図21】 図21(a) は実施例8のコンテナを示す斜
視図、図21(b) は図21(a) 中のb−b線に沿う断面
図、図21(c) は図21(a) 中のc−c線に沿う断面
図、図21(d) は図21(a) 中のd−d線に沿う断面図
である。
【図22】 図22(a) は実施例9の住宅内装材を示す
斜視図、図22(b)は図22(a) 中のb−b線に沿う断
面図である。
【符号の説明】
(2) :金型 (4)(50)(53) :発泡体 (21):固定型 (22):可動型 (221) :移動片 (221a):進入部 (23):シリンダ状の固定片 (24):補強リブ (31):キャビティ (32):キャビティ周縁部 (33):凹所内周面 (34):キャビティ本体部 (35):凹所底面 (36):前端面 (37):外周面 (38):前端面 (71):第1分割片 (72):第2分割片 (73):第3分割片 (74):微細セル領域 (75):細長セル領域 (76):微細セル領域

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形品の片面内部に、スキン層が断面U
    字状に湾曲されまたは断面V字状に折り返されてなる補
    強リブが設けられていることを特徴とする熱可塑性樹脂
    発泡体。
  2. 【請求項2】 平面方向に発泡倍率および/またはセル
    形態を異にする領域を有し、各領域の片面内部に、スキ
    ン層が断面U字状に湾曲されまたは断面V字状に折り返
    されてなる補強リブが設けられていることを特徴とする
    熱可塑性樹脂発泡体。
  3. 【請求項3】 スキン層が断面V字状に折り返されてな
    る補強リブの折り返し部どうしが重ね合わされているこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の熱可塑性樹脂発
    泡体。
  4. 【請求項4】 発泡倍率が補強リブの外側より内側にお
    いて高いことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の熱可塑性樹脂発泡体。
  5. 【請求項5】 金型キャビティ容積の拡大縮小が可能で
    ある金型の縮小状態キャビティ内に溶融した発泡性樹脂
    を充填した後、キャビティ容積を拡大することにより同
    樹脂を発泡させて熱可塑性樹脂発泡体を製造する方法に
    おいて、 金型は、雌型状の固定型と、固定型の凹所内に入り込む
    進入部を有する移動片と、移動片に外装された固定片と
    を具備し、 固定型凹所内への進入部の進入によりキャビティが縮小
    状態にある時に、キャビティ(31)は、固定型の凹所底面
    (35)とこれに対向する移動片前端面(36)とで挟まれるキ
    ャビティ本体部(34)と、同本体部の周縁に後退方向突出
    状に一体に設けられかつ固定型の凹所内周面(33)とこれ
    に対向する移動片進入部の外周面(37)と固定片の前端面
    (38)とで囲まれるキャビティ周縁部(32)とからなり、 縮小キャビティ内に発泡性樹脂の溶融物を充填して充填
    物の金型表面部に非発泡のスキン層を成形し、次いで、
    スキン層が未固化状態である間に、移動片を固定型から
    後退させてキャビティ容積を拡大することにより、溶融
    樹脂を発泡させると共に、キャビティ周縁部の樹脂充填
    物の内側においてスキン層を断面U字状に湾曲しまたは
    V字状に折り返して補強リブを形成することを特徴とす
    る熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。
  6. 【請求項6】 キャビティ周縁部の樹脂充填物に熱溜ま
    りを設けることにより同充填物のスキン層の固化を遅ら
    せることを特徴とする請求項5記載の熱可塑性樹脂発泡
    体の製造方法。
  7. 【請求項7】 金型に温度調整機構を設けて、同装置に
    よりキャビティ周縁部(32)の樹脂充填物を高温に維持し
    て、同充填物のスキン層の固化を遅らせることを特徴と
    する請求項5記載の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。
JP2002072447A 2002-03-15 2002-03-15 熱可塑性樹脂発泡体およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3749694B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002072447A JP3749694B2 (ja) 2002-03-15 2002-03-15 熱可塑性樹脂発泡体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002072447A JP3749694B2 (ja) 2002-03-15 2002-03-15 熱可塑性樹脂発泡体およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003266469A true JP2003266469A (ja) 2003-09-24
JP3749694B2 JP3749694B2 (ja) 2006-03-01

Family

ID=29202443

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002072447A Expired - Fee Related JP3749694B2 (ja) 2002-03-15 2002-03-15 熱可塑性樹脂発泡体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3749694B2 (ja)

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007062365A (ja) * 2005-08-03 2007-03-15 Kaneka Corp 熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法および成形体
JP2007160893A (ja) * 2005-12-16 2007-06-28 Dainippon Printing Co Ltd テーパーを有する容器の成形方法および金型
JP2009226867A (ja) * 2008-03-25 2009-10-08 Mazda Motor Corp 発泡樹脂成形品の成形方法及び成形装置
JP2009292081A (ja) * 2008-06-06 2009-12-17 Calsonic Kansei Corp 射出発泡成形用金型
JP2010036512A (ja) * 2008-08-07 2010-02-18 Techno Polymer Co Ltd 樹脂発泡成形体の製造装置及び製造方法
JP2010035903A (ja) * 2008-08-07 2010-02-18 Techno Polymer Co Ltd 樹脂製機枠部材及びその製造方法
JP2010036511A (ja) * 2008-08-07 2010-02-18 Techno Polymer Co Ltd 樹脂発泡成形体及びその製造方法
JP2010167663A (ja) * 2009-01-22 2010-08-05 Mazda Motor Corp 発泡樹脂成形品の成形方法及び成形装置
JP2010173091A (ja) * 2009-01-27 2010-08-12 Mazda Motor Corp 発泡樹脂成形品の成形方法及び成形装置
WO2011001791A1 (ja) * 2009-06-29 2011-01-06 Komatsu Michio 木粉含有樹脂成形体及びその製造方法
JP2011046382A (ja) * 2009-08-25 2011-03-10 Sanko Co Ltd 折り畳みコンテナー
JP2011046381A (ja) * 2009-08-25 2011-03-10 Sanko Co Ltd 容器
JP2011156877A (ja) * 2011-05-25 2011-08-18 Kaneka Corp ポリプロピレン系樹脂発泡成形体およびその製造方法
JP2011201309A (ja) * 2011-05-25 2011-10-13 Kaneka Corp ポリプロピレン系樹脂発泡成形体およびその製造方法
JP2019064204A (ja) * 2017-10-03 2019-04-25 日立化成株式会社 樹脂成形品
JP2019098654A (ja) * 2017-12-05 2019-06-24 南条装備工業株式会社 樹脂成形装置及び樹脂成形方法
JP2020006527A (ja) * 2018-07-03 2020-01-16 三恵技研工業株式会社 自動車用部材及びその製造方法
JP2021053942A (ja) * 2019-09-30 2021-04-08 マツダ株式会社 発泡樹脂成形品の製造方法及び製造装置

Cited By (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007062365A (ja) * 2005-08-03 2007-03-15 Kaneka Corp 熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法および成形体
JP2007160893A (ja) * 2005-12-16 2007-06-28 Dainippon Printing Co Ltd テーパーを有する容器の成形方法および金型
JP2009226867A (ja) * 2008-03-25 2009-10-08 Mazda Motor Corp 発泡樹脂成形品の成形方法及び成形装置
JP2009292081A (ja) * 2008-06-06 2009-12-17 Calsonic Kansei Corp 射出発泡成形用金型
JP2010036511A (ja) * 2008-08-07 2010-02-18 Techno Polymer Co Ltd 樹脂発泡成形体及びその製造方法
JP2010035903A (ja) * 2008-08-07 2010-02-18 Techno Polymer Co Ltd 樹脂製機枠部材及びその製造方法
JP2010036512A (ja) * 2008-08-07 2010-02-18 Techno Polymer Co Ltd 樹脂発泡成形体の製造装置及び製造方法
JP2010167663A (ja) * 2009-01-22 2010-08-05 Mazda Motor Corp 発泡樹脂成形品の成形方法及び成形装置
JP2010173091A (ja) * 2009-01-27 2010-08-12 Mazda Motor Corp 発泡樹脂成形品の成形方法及び成形装置
US8361612B2 (en) 2009-06-29 2013-01-29 Michio Komatsu Wood powder-containing resin molded product and method for producing the same
WO2011001791A1 (ja) * 2009-06-29 2011-01-06 Komatsu Michio 木粉含有樹脂成形体及びその製造方法
JP2011046382A (ja) * 2009-08-25 2011-03-10 Sanko Co Ltd 折り畳みコンテナー
JP2011046381A (ja) * 2009-08-25 2011-03-10 Sanko Co Ltd 容器
JP2011156877A (ja) * 2011-05-25 2011-08-18 Kaneka Corp ポリプロピレン系樹脂発泡成形体およびその製造方法
JP2011201309A (ja) * 2011-05-25 2011-10-13 Kaneka Corp ポリプロピレン系樹脂発泡成形体およびその製造方法
JP2019064204A (ja) * 2017-10-03 2019-04-25 日立化成株式会社 樹脂成形品
JP2019098654A (ja) * 2017-12-05 2019-06-24 南条装備工業株式会社 樹脂成形装置及び樹脂成形方法
CN110418705A (zh) * 2017-12-05 2019-11-05 南条装备工业株式会社 树脂成型装置及树脂成型方法
CN110418705B (zh) * 2017-12-05 2022-02-18 南条装备工业株式会社 树脂成型装置及树脂成型方法
US11338482B2 (en) 2017-12-05 2022-05-24 NANJO Auto Interior Co., Ltd. Resin molding device and method
JP2020006527A (ja) * 2018-07-03 2020-01-16 三恵技研工業株式会社 自動車用部材及びその製造方法
JP7137975B2 (ja) 2018-07-03 2022-09-15 三恵技研工業株式会社 自動車用部材及びその製造方法
JP2021053942A (ja) * 2019-09-30 2021-04-08 マツダ株式会社 発泡樹脂成形品の製造方法及び製造装置
JP7338376B2 (ja) 2019-09-30 2023-09-05 マツダ株式会社 発泡樹脂成形品の製造方法及び製造装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3749694B2 (ja) 2006-03-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003266469A (ja) 熱可塑性樹脂発泡体およびその製造方法
US4129635A (en) Method for producing foamed moldings from synthetic resin materials
CN102233659B (zh) 带表皮面板的成形方法及带表皮面板
ES2290049T3 (es) Metodo de produccion para espuma de resina termoplastica y molde de moldeo para el mismo.
WO2000003859A1 (fr) Produit en resine moulee, de faible poids, et son procede de fabrication
JP2008018677A (ja) 発泡樹脂成形品の成形方法及び成形装置
JP7001185B2 (ja) 樹脂成形品
JPS6059124B2 (ja) 発泡成形品の製法
JPH08340594A (ja) 射出発泡成形体によるスピーカ振動板
JP3644933B2 (ja) 補強スキン層付き発泡体成形金型
JP2007130826A (ja) 射出発泡成形体の製造方法
JP3739336B2 (ja) 発泡体
US20050252127A1 (en) Foamed molded product and manufacturing method thereof
JP5577061B2 (ja) 発泡成形体、発泡成形体の製造方法および発泡成形体製造用金型
JP3490050B2 (ja) 熱可塑性樹脂発泡体の製造方法
JP2000033627A (ja) 軽量樹脂成形品の製造方法および軽量樹脂成形品
JPH08300391A (ja) 発泡性プラスチック組成物の射出成形方法
JP4476673B2 (ja) 発泡成形用金型
JP2000210969A (ja) 発泡射出成形法及びその装置
JP2004181759A (ja) 発泡樹脂成形体の成形方法及び成形金型
JPH08207074A (ja) 発泡成形体の成形方法
EP1013390A1 (en) Method of injection molding expandable plastic composition
JP7492108B2 (ja) 構造体の製造方法及び金型
WO1998010913A1 (fr) Procede de moulage par injection d'une composition plastique expansible
JPH11179749A (ja) 繊維強化樹脂成形品およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040709

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040714

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040819

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050831

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051012

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051202

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees