JP2007057469A - 力学量センサ及び力学量センサの製造方法 - Google Patents

力学量センサ及び力学量センサの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 密閉室内の電極と電極配線の損傷を防止する力学センサの提供。
【解決手段】 密閉室を形成するガラス基板20、21の内側の表面に、錘部23の変位を検出する検出電極25a、25bと同一材料からなる気体分子吸収材30を設ける。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ガラス基板とシリコン基板とを用いて高真空な密閉室を形成し、該密閉室内に検出部を収容した加速度センサや角速度センサ等の力学量センサ及び力学量センサの製造方法に関するものである。
近年、半導体プロセス技術を用いて1つの基板上に電子回路と機械機構とを融合させた微小デバイスであるMEMS(Micro Electro Mechanial System)が注目されている。このMEMSは、シリコンウエハ上で半導体技術を利用して製造されることから、加工精度の高さ、量産の容易さ、電子回路と機械機構とを一体形成することで精密な動作制御が可能等といった利点があり、情報通信や化学、医療やバイオ、自動車工業など様々な分野で応用され始めている。その1つとして、例えば、加速度センサや角速度センサ等、力学量センサにMEMSを応用したものが知られている。
これら力学量センサとしては、センサ内に、加速度や角速度が加えられるとそれに応じて変位するよう揺動自在に吊り下げられた微小な錘を配置し、その変位を錘を支持する部材に設けられたピエゾ抵抗体の抵抗の変化や、錘に対向するように設けられた電極と錘の間の静電容量の変化として出力するものが知られている。
この構造の力学量センサにおいて、検出感度を向上させるためには、錘を真空に保たれた密閉室中に配置するのが有効である。加速度センサにおいては、錘を真空に保たれた密閉室中に配置することにより、変位する際の気体によるダンピング効果の影響を防ぎ、変位を大きくし、検出感度を向上させることが出来る。また、角速度センサにおいては、角速度が加えられたときに生じるコリオリ力による振動の方向の変化を検出するため、錘を振動させなければならず、角速度センサの場合よりもダンピング効果が大きくなるため、錘をより高い真空に保たれた密閉室中に配置する必要がある。
MEMSにおいては、真空に保たれた密閉室を形成するには、ギャップを設けた一枚の基板に別の基板を接合するのが、最も簡便な方法である。また、貫通した穴を設けた一枚の基板の両面に別の基板を接合する方法も知られている。これらの場合、一般的にはギャップ又は貫通した穴を設ける基板としてシリコン基板を用い、この基板にガラス基板を陽極接合技術を利用して接合するのが最も容易である。ところが、陽極接合時に両基板の接合面から酸素ガスが発生して密閉室内に残留してしまい、該密閉室内の圧力が上昇する不具合があった。また、製造工程において基板表面に付着した水分子が密閉室内に残留してしまい、該密閉室内の圧力が上昇する不具合があった。これにより、例えば、密閉室内に収容された検出部の変位により、印加された力学量を測定する力学量センサにおいては、検出部の動きが、残留酸素ガス又は残留水分等の残留ガスのダンピング効果によって妨げられ、センサの検出感度の低下を招いていた。また、前記残留ガスが密閉室内に形成された電気配線等と化学反応して損傷させ、センサの信頼性の低下を招いていた。そのため、高い検出感度を持ち、信頼性の高い力学量センサを得るためには、前記密閉室内の残留ガスを出来る限り吸収し、真空度を損なわないようにする必要がある。
密閉室内の残留ガスを吸収する方法としては、一般的に酸素ガスや水分に対して化学的に活性に反応するゲッター材と呼ばれる気体分子吸収材を該密閉室内に配置し、加熱して残留ガスと化学的に反応させて除去する方法が知られている。
ここで、従来の気体分子吸収材を用いた力学量センサの構造について、図18を参照して説明する。この力学量センサの構造は、シリコンウエハ1とガラス基板2、3とを接合することで気密に保たれた密閉室4内に検出部5、検出電極6、電気配線7、気体分子吸収材8を配置したものである。気体分子吸収材8は、例えば粒子状の気体分子吸収材をデバイス中に封入する方法(例えば、特許文献1参照。)。あるいはスパッタリングなどの方法により気体分子吸収材を基板上に成膜し、基板上に一括して配置する方法が知られている。密閉室内の残留ガスを吸収するためには、気体分子吸収材を加熱し、気体分子との化学反応を促進させる必要がある。加熱方法として、例えば力学量センサを形成した基板を一括して加熱する、または気体分子吸収材に通電して加熱する(例えば、特許文献2参照。)。あるいは気体分子吸収材にレーザーを照射して該気体分子吸収材のみを選択的に加熱するなどの方法が知られていた(例えば、特許文献3参照。)。
特開平10-122869号公報、図6 特開平10-213441号公報、図1 特開平10-206455号公報、図5、図6
しかしながら、上記従来の方法では、以下の課題が残されている。
即ち、気体分子吸収材をデバイス中に配置する工程において、粒子状の気体分子吸収材をデバイス中に封入する場合には、気体分子吸収材を格納するための検出部から隔離された収容室を設けなければならず、デバイスの小型化に制約が生じる不具合があった。また、デバイス一つ一つにそれぞれ気体分子吸収材を封入しなければならず、量産性が著しく低下する不具合があった。さらに、粒子状の気体分子吸収材は脆く、個別に投入する工程中に粉体を発生するなどして基板表面に付着、陽極接合工程での密着性を阻害し、密閉室の気密を保つことができない不具合があった。
また、気体分子吸収材を加熱して気体分子との化学反応を促進させ、気体分子を吸収する工程において、基板を一括して加熱する場合には、電極や電気配線が損傷しないように、加熱しても化学的に不活性であるような、気体分子吸収材とは異なる材料を用いて電極や電気配線を形成しなければならず、工程数が増加する、成膜方法やパターニング方法、材料の選定に制約が生じるなどの不具合があった。
また、気体分子吸収材に通電して該気体分子吸収材のみを選択的に加熱する場合には、外部から該気体分子吸収材に電気的に導通させる構造を形成しなければならず、デバイスの小型化に制約が生じる不具合があった。
更に、気体分子吸収材にレーザーを照射して該気体分子吸収材のみを選択的に加熱する場合には、基板上に形成された力学量センサそれぞれについて、レーザー光を照射するための位置決めを行い、レーザー光を照射するという工程を繰り返す必要があり、量産性が著しく低下する不具合があった。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、気体分子吸収工程において基板を一括して加熱することができると共に、密閉室内に配置された電極及び電気配線の損傷を防ぐことができる力学量センサ及び力学量センサの製造方法を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するのに以下の方法を提供する。
本発明の力学量センサは、気密に保たれた密閉室と、前記密閉室内に収容されて揺動自在に保持され、外部から印加される力学量に応じて変位する検出部と、前記密閉室内に配置され、前記検出部の変位に応じた電気信号を出力する検出電極部と、前記検出電極から前記密閉室外部へと接続された電気配線部と、前記密閉室内に配置された気体分子吸収材とを備える力学量センサであって、前記電気配線部と前記気体分子吸収材とは互いに同一の材料からなることを特徴とするものである。
本発明によれば、電気配線部と気体分子吸収材とは互いに同一の材料からなるので、同一の工程により一括して前記電気配線部及び前記気体分子吸収材とを形成することができる。
また、上記本発明に係る力学量センサの製造方法は、気密に保たれた密閉室と、前記密閉室内に収容されて揺動自在に保持され、外部から印加される力学量に応じて変位する検出部と、前記密閉室内に配置され、前記検出部の変位に応じた電気信号を出力する検出電極部と、前記検出電極から前記密閉室外部へと接続された電気配線部と、前記密閉室内に配置された気体分子吸収材とを備える力学量センサの製造方法であって、前記検出部を形成する検出部形成工程と、前記検出電極部、前記電気配線部及び前記気体分子吸収材を形成する電気配線部形成工程と、前記検出部、前記検出電極部、前記電気配線部及び前記気体分子吸収材とを収容する前記密閉室を、気密状態となるように形成する密閉室形成工程と、前記密閉室内に残留する酸素分子又は水分子のうち少なくとも一方と、前記気体分子吸収材とを化学反応させて密閉室内より除去する気体分子吸収工程とを備え、前記電気配線部形成工程の際に、前記電気配線部と前記気体分子吸収材とを同一材料により同一工程で形成することを特徴とするものである。
本発明によれば、まず、検出部形成工程によって、揺動自在に保持され、外部から印加される力学量に応じて変位する検出部を形成する。
次に、電気配線部形成工程によって、前記検出部の変位に応じた電気信号を出力する検出電極部、前記電気配線部及び前記気体分子吸収材を形成する。
次に、密閉室形成工程によって、前記検出部、前記検出電極部、前記電気配線部及び前記気体分子吸収材とを収容する前記密閉室を、気密状態となるように形成する。
次に、気体分子吸収工程によって、前記気体分子吸収材を加熱して、前記密閉室内に閉じ込められた気体分子と前記気体分子吸収材とを化学反応させて気体分子を吸収する。
本発明によれば、電気配線部及び気体分子吸収材は互いに同一の材料からなるので、前記電気配線部形成工程において、同一の工程で一括して電気配線部及び気体分子吸収材を形成することができる。
また、本発明の力学量センサは、上記本発明の力学量センサであって、前記電気配線部及び前記気体分子吸収材は加熱されることにより前記密閉室中の酸素分子又は水分子の少なくとも一方と化学反応して吸収する材料からなることを特徴とするものである。
本発明によれば、密閉室を気密状態に保ったのちに前記気体分子吸収材を加熱する事により、該気体分子吸収材と、前記密閉室内に残留する酸素分子又は水分子の少なくとも一方を化学反応させて吸収し、密閉室内の真空度を向上させることが出来る。
また、本発明の力学量センサは、上記本発明の力学量センサであって、前記電気配線部及び前記気体分子吸収材はともにアルミニウム、チタン、クロム、バナジウム、鉄、ニッケル、ジルコニウムのうち少なくともいずれか1種類以上を含む材料からなることを特徴とするものである。
本発明によれば、密閉室内に配置されたアルミニウム、チタン、クロム、バナジウム、鉄、ニッケル、ジルコニウムのうち少なくともいずれか1種類以上を含む材料からなる気体分子吸収材を加熱する事により、該気体分子吸収材と、前記密閉室内に残留する酸素分子又は水分子のうち少なくとも一方とを化学反応させて吸収し、前記密閉室内の真空度を向上させることが出来る。
また、本発明にかかる力学量センサの製造方法は、上記本発明の力学量センサの製造方法であって、前記電気配線部及び前記気体分子吸収材は加熱されることにより前記密閉室中の酸素分子又は水分子の少なくとも一方と化学反応して吸収する材料からなることを特徴とするものである。
本発明によれば、密閉室内に残留する酸素分子又は水分子を気体分子吸収材に吸収させる気体分子除去工程において、前記気体分子吸収材を加熱する事により、該気体分子吸収材と前記密閉室内に残留する酸素分子又は水分子の少なくともいずれか一方とを化学反応させて吸収し、前記密閉室内の真空度を向上させることが出来る。
また、本発明の力学量センサは、上記本発明の力学量センサであって、前記電気配線部を覆って成膜される保護膜を備えていることを特徴とするものである。
本発明によれば、密閉室内に残留する酸素分子又は水分子を気体分子吸収材に吸収させるために該力学量センサを一括して加熱しても、電気配線部が保護膜によって覆われているため、前記電気配線部が酸素分子又は水分子と化学反応して損傷するのを防止することができる。
また、本発明の力学量センサは、上記本発明の力学量センサであって、前記保護膜は、酸素又は水の少なくとも一方に対して化学的に不活性または反応性に乏しい材料からなることを特徴とするものである。
本発明によれば、密閉室内に残留する酸素分子又は水分子を気体分子吸収材に吸収させるために該力学量センサを一括して加熱しても、電気配線部が酸素又は水の少なくとも一方に対して化学的に不活性または反応性に乏しい材料からなる保護膜によって覆われているため、前記電気配線部が酸素分子又は水分子と化学反応して損傷するのを防止することができる。
また、本発明の力学量センサは、上記本発明の力学量センサであって、前記保護膜は酸素又は水の少なくとも一方に対して化学的に不活性または反応性に乏しい絶縁体、金属又は半導体材料からなることを特徴とするものである。
本発明によれば、密閉室内に残留する酸素分子又は水分子を気体分子吸収材に吸収させるために該力学量センサを一括して加熱しても、電気配線部が酸素又は水の少なくとも一方に対して化学的に不活性または反応性に乏しい絶縁体、金属又は半導体材料からなる保護膜によって覆われているため、前記電気配線部が酸素分子又は水分子と化学反応して損傷するのを防止することができる。
また、本発明の力学量センサは、上記本発明の力学量センサであって、前記保護膜は酸化シリコン、窒化シリコン、樹脂、金、白金、酸化アルミニウム、アモルファスシリコン、多結晶シリコンのうち少なくともいずれか1種類以上を含む材料からなることを特徴とするものである。
本発明によれば、密閉室内に残留する酸素分子又は水分子を気体分子吸収材に吸収させるために該力学量センサを一括して加熱しても、電気配線部が酸化シリコン、窒化シリコン、樹脂、ニッケル、金、白金、クロム、酸化アルミニウム、アモルファスシリコン、多結晶シリコンのうち少なくともいずれか1種類以上を含む材料からなる保護膜によって覆われているため、前記電気配線部が酸素分子又は水分子と化学反応して損傷するのを防止することができる。
また、本発明に係る力学量センサの製造方法は、上記本発明の力学量センサの製造方法であって、前記電気配線部を覆って成膜される、酸素又は水の少なくとも一方に対して化学的に不活性または反応性に乏しい材料からなる保護膜を備え、前記気体分子吸収工程の際、該力学量センサを一括して加熱することにより前記密閉室内に残留する酸素分子又は水分子と前記気体分子吸収材とを化学反応させることを特徴とするものである。
本発明の力学量センサの製造方法によれば、密閉室内に残留する酸素分子又は水分子を気体分子吸収材に吸収させる気体分子吸収工程において、該力学量センサを一括して加熱しても、電気配線部は酸素又は水の少なくとも一方に対して化学的に不活性又は反応性に乏しい材料からなる保護膜によって覆われているので、前記電気配線部が酸素分子又は水分子と化学反応して損傷するのを防止することができる。
また、本発明の力学量センサは、上記本発明の力学量センサであって、前記気体分子吸収材は、前記密閉室内部から外部に電気的に接続された電極取り出し構造により、外部より電流を流すことが可能な構造であることを特徴とするものである。
本発明によれば、気体分子吸収材に外部より電流を流すことにより加熱することができるので、電気配線部を加熱して損傷させることなく密閉室内に残留する酸素分子又は水分子を該気体分子吸収材に吸収させることができる。
また、本発明の力学量センサは、上記本発明の力学量センサであって、前記気体分子吸収材の一端は前記電気配線部に接続され、該気体分子吸収材の他端は前記電極取り出し構造に電気的に接続されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、気体分子吸収材に外部より電流を流す外部電極の一方が電気配線部に接続される外部電極と共通となるので、電気配線部を加熱して損傷させることなく密閉室内に残留する酸素分子又は水分子を該気体分子吸収材に吸収させる構造を保ったまま前記外部電極の数を減少させ、該力学量センサを小型化することができる。
また、本発明にかかる力学量センサの製造方法は、上記本発明の力学量センサの製造方法であって、前記気体分子吸収材の一端は前記電気配線部に接続され、該気体分子吸収材の他端は前記電極取り出し構造に電気的に接続されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、気体分子吸収工程の際に、気体分子吸収材に外部より電流を流す外部電極の一方が電気配線部に接続される外部電極と共通となるので、電気配線部を加熱して損傷させることなく密閉室内に残留する酸素分子又は水分子を該気体分子吸収材に吸収させる構造を保ったまま前記外部電極の数を減少させ、該力学量センサを小型化することができる。
本発明にかかる力学量センサ及び力学量センサの製造方法によれば、気体分子吸収材は電気配線部と同一の材料からなるので同一の工程で一括して形成することが出来るので、粒子状の気体分子吸収材を投入するのと異なり検出部から隔離された格納用の収容室を設ける必要が無く、容易に小型化することが出来る。また、基板上に一括して気体分子吸収材を形成できるので、粒子状の気体分子吸収材を一つ一つ投入する場合に比べて量産性が著しく向上する。さらに、個別に投入する工程が省けるため、基板の接合面に気体分子吸収材の破片が付着して密閉室の気密が損なわれることが無くなる。
さらに、電気配線部を酸素分子又は水分子に対して化学的に不活性または反応性に乏しいような材料からなる保護膜で覆うことにより、密閉室中に残留する酸素分子又は水分子を気体分子吸収材に吸収させる工程において、該力学量センサを一括して加熱しても電気配線部が酸素分子又は水分子と化学反応して損傷することなく、酸素分子又は水分子を気体分子吸収材と化学反応させて吸収させ、密閉室内の真空度を向上させることが出来るとともに、基板を一括して過熱することができるので気体分子吸収材一つ一つにレーザー光を照射して加熱する場合に比べて量産性が著しく向上する。
また、外部電極と気体分子吸収材を電気的に接続させ、該気体分子吸収材に外部から電流を流すことが可能な構造を設けることにより、密閉室中に残留する酸素分子又は水分子を気体分子吸収材に吸収させる工程において、気体分子吸収材に外部から電流を流して選択的に加熱することが出来るので、電気配線部が酸素分子又は水分子と化学反応して損傷することなく、酸素分子又は水分子を気体分子吸収材と化学反応させて吸収させ、密閉室内の真空度を向上させることが出来る。
特に、気体分子吸収材の一端を電気配線部に接続することにより、気体分子吸収材に外部より電流を流す外部電極の一方が電気配線部に接続される外部電極と共通となるので、電気配線部を加熱して損傷させることなく密閉室内に残留する酸素分子又は水分子を該気体分子吸収材に吸収させる構造を保ったまま前記外部電極の数を減少させ、該力学量センサを小型化することができる。
以下、本発明に係る力学量センサ及び力学量センサの製造方法の第1実施形態を図2、図3及び図4を参照して説明する。
なお、本実施形態では、力学量センサを、角速度を検出するジャイロセンサ9とし、該ジャイロセンサ9をデジタルカメラや携帯電話機等のカメラ機構を有する電子機器Aに適用した場合を例にして以下に説明する。
上記電子機器Aは、図1に示すように、カメラモジュール10と上記ジャイロセンサ9を有するセンサユニット11とを備えている。カメラモジュール10は、センサユニット11から送られてきた角速度に基づいて、図示しないカメラレンズの補正量の算出を行うレンズ補正量算出回路12と、該レンズ補正量算出回路12で算出された補正量に基づいてX軸用レンズアクチュエータ13及びY軸用レンズアクチュエータ14を駆動するレンズ駆動回路15とを備えている。そして、両レンズアクチュエータ13、14は、それぞれカメラレンズをX方向及びY方向に適時変位させることで、手振れ補正等ができるようになっている。
上記センサユニット11は、上記ジャイロセンサ9と、該ジャイロセンサ9で検出された角速度に応じた静電容量を電圧に変換するC−V変換回路16と、変換された電圧から角速度を算出する角速度算出回路17とを備えている。また、角速度算出回路17は、算出した角速度を上記レンズ補正量算出回路12に出力するようになっている。
ジャイロセンサ9は、図2、図3及び図4に示すように、シリコン基板19と、シリコン基板19の上面及び下面に接合されたガラス基板20、21と、シリコン基板19とガラス基板20、21との間に形成された密閉室22と、密閉室22内に収容されて、外部から力学量(例えば、角速度)が加えられたときに加えられた力学量に応じて変位する検出部と、ガラス基板20及び21上に形成され、前記検出部の変位を電気信号に変換する検出用電極と、ガラス基板20及び21上に形成された電気配線部とを備えており、該検出部はシリコン基板19より形成され、ガラス基板20及び21と所定の間隔を持って配置される錘部23と、錘部23を揺動自在に吊り下げるように支持する梁部24a、24b、24c及び24dとからなり、前記電気配線部は、錘部23と対向するようにガラス基板20上に設けられて錘部23の変位を電気信号として出力する検出用電極25a、25b、25c及び25dと、錘部23と対抗するようにガラス基板21上に設けられて、高周波電圧を印加することにより錘部23との間に静電力を生じさせて錘部23を振動させる駆動電極26と、検出用電極25a、25b、25c及び25dから出力される電気信号をセンサ外部に出力する出力配線部27a、27b、27c及び27dと、駆動電極26にセンサ外部から高周波電圧を入力する入力配線部28と、ガラス基板20上に設けられた貫通孔34とその少なくとも内周面を覆うように導電体材料から形成された外部電極35とからなるものである。また、該電気配線部の厚さは電気信号を損失なく伝達する程度であればよく、例えば0.1μm程度であってよい。
密閉室22は、シリコン基板19より形成された枠体部29とガラス基板20及び21とによって囲まれて形成されており、梁部24a、24b、24c及び24dの一端は枠体部29に接続されている。また、本実施形態においてはガラス基板20上に検出電極25及び出力配線部27を、ガラス基板21上に駆動電極26、入力配線部28及び気体分子吸収材30を形成しているが、ガラス基板20上に駆動電極26、入力配線部28及び気体分子吸収材30を、ガラス基板21上に検出電極25及び出力配線部27を形成してもよく、また、ガラス基板20及び21の両方にそれぞれ検出電極25、駆動電極26、出力配線部27、入力配線部28及び気体分子吸収材30を形成してもよい。
このジャイロセンサ9に、例えばX軸方向の角速度が印加されると、錘部23にY軸方向へのコリオリ力が生じ、錘部23の振動がY軸方向に傾く。この振動の方向の変化は、検出電極25a、25b、25c及び25dと錘部23との間の静電容量の変化として電気信号に変換される。この電気信号は出力配線部27a、27b、27c及び27dを介してセンサ外部に伝達されて出力される。
またジャイロセンサ9は、ガラス基板21上に形成された、前記電気配線部と同一の材料、例えばアルミニウムからなる気体分子吸収材30を備えており、気体分子吸収材30を加熱することにより密閉室内に残留する酸素分子又は水分子と化学反応して吸収し、該密閉室内の真空度を向上させることが出来る。
なお、気体分子吸収材を形成するための材料としては、アルミニウムに限らず、加熱することにより酸素分子又は水分子と化学反応して吸収する金属であればよく、例えば、チタン、バナジウム、鉄、ニッケル、ジルコニウム、あるいはこれらを含む合金であってもよい。また、加熱する温度は、例えば100℃以上であることが望ましいが、検出電極25、駆動電極26、出力配線部27、入力配線部28等金属薄膜によって形成されたパターンが損傷される温度よりも低い温度であることが望ましい。例えば検出電極25、駆動電極26、出力配線部27、入力配線部28等がアルミニウムによって形成されている場合には、400℃以下の温度であることが望ましい。
また、前記電気配線部は、酸素分子又は水分子に対して化学的に不活性又は反応性の乏しい材料からなる保護膜31に覆われている。これにより、センサ全体を加熱しても電気配線部が酸素分子又は水分子と化学反応して損傷し、機能を損なうのを防ぐことが出来る。また、保護膜31の厚さは、酸素又は水分子が検出電極25、駆動電極26、出力配線部27、入力配線部28に接触するのを防ぐことができる程度であればよく、例えば0.1μm程度であれば良い。
なお、保護膜31は絶縁体、金属、半導体のいずれの材料であっても良い。保護膜31が絶縁体から形成されている場合には、製造工程のうち密閉室形成工程においてシリコン基板19とガラス基板20及び21を陽極接合などの手法を用いて接合する際に錘部23が前記電気配線部と接触して電流が流れて電気配線部を損傷するという不具合を防ぐことができる。また、ジャイロセンサ9の使用中に、過大な外力が印加されて錘部23が前記電気配線部と接触した場合においても、電気配線部と錘部23の間に電流が流れて電気配線部やC−V変換回路16、角速度算出回路17を損傷するのを防ぐことができる。このような絶縁体の材料としては、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、樹脂、酸化アルミニウムなどであればよい。
また、保護膜31が金属から形成されている場合には、錘部23と駆動電極26、あるいは錘部23と、検出電極25a、25b、25c及び25dの間の静電容量が小さくなるのを防ぐことができ、錘部23を効率よく振動させ、検出感度を向上させることができる。なお、保護膜31が金属で形成されている場合には、錘部23と電気配線部との接触による損傷を防ぐために、絶縁体からなる接触防止体を保護膜31の上に設けても良い。このような金属の材料としては、例えば金、白金などであれば良い。
また、保護膜31が半導体から形成されている場合には、錘部23と駆動電極26、あるいは錘部23と、検出電極25a、25b、25c及び25dの間の静電容量が小さくなるのを防ぐことができ、錘部23を効率よく振動させ、検出感度を向上させることができる。なお、保護膜31が金属で形成されている場合には、錘部23と電気配線部との接触による損傷を防ぐために、絶縁体からなる接触防止体を保護膜31の上に設けても良い。このような半導体の材料としては、例えばアモルファスシリコン、多結晶シリコンなどであれば良い。
次に、このように構成されたジャイロセンサ9の製造方法を図5から図14を参照しながら説明する。
本実施形態のジャイロセンサ9の製造方法は、シリコン基板をエッチングして凹部、錘部及び梁部を形成する検出部形成工程と、ガラス基板上に錘部に対向するように検出電極を形成し、気体分子吸収材及び、検出電極と外部電極を電気的に接続する電気配線部を形成し、検出電極及び電気配線部を覆うように保護膜を形成する電気配線部形成工程と、前記検出部、前記検出電極部、前記電気配線部及び前記気体分子吸収材とを収容する前記密閉室を、気密状態となるように形成し、前記外部電極を形成する密閉室形成工程と、前記密閉室内に残留する酸素分子又は水分子のうち少なくとも一方と、前記気体分子吸収材とを化学反応させて密閉室内より除去する気体分子吸収工程とを備えている。
これら各工程について、以下に詳細に説明する。
まず、検出部形成工程において、シリコン基板19の両面にフォトリソグラフィを用いてマスクを形成し、図6に示すように、ドライエッチング又はウェットエッチングにより凹部33、34を形成する。次に、シリコン基板19の一方の面にフォトリソグラフィを用いてマスクを形成し、図7に示すように、凹部33の底面をドライエッチング又はウェットエッチングして、梁部24及び錘部26の上部を形成する。次に、シリコン基板19の他方の面にフォトリソグラフィを用いてマスクを形成し、図8に示すように、凹部34の底面をドライエッチング又はウェットエッチングして、錘部26の下部を形成する。なお、先に凹部34の底面を加工して錘部26の下部を形成したのちに凹部33の底面を加工して梁部24及び錘部26の上部を形成しても構わない。また、シリコン基板として、例えばSOI(Silicon On Insulator)基板を使用すると、埋め込み酸化膜層をエッチングストップとして利用することにより、梁部24の厚さを精度よく加工することが出来る。また、本工程では、同時に電気配線部27又は28と外部電極34とを接続する柱状構造32を形成することにより、ジャイロセンサ9の片面のみから電気信号を取り出すことが出来る。
次に、電極部形成工程において、図10に示すように、ガラス基板20上にウェットエッチング、ドライエッチング又はサンドブラストによって貫通孔35を形成する。次に、ガラス基板20及び21上に、例えばアルミニウムからなる薄膜を例えばスパッタリングや蒸着などにより成膜する。次に、フォトリソグラフィを用いてマスクを形成し、図11及び図13に示すように、ドライエッチング又はウェットエッチングによって検出電極25、駆動電極26、出力配線部27、入力配線部28、気体分子吸収材30を形成する。なお、これらを形成するための材料としては、アルミニウムに限らず、加熱することにより酸素分子又は水分子と化学反応して吸収する金属であればよく、例えば、チタン、バナジウム、鉄、ニッケル、ジルコニウム、あるいはこれらを含む合金であってもよい。また、厚さは電気信号を損失なく伝達する程度であればよく、例えば0.1μm程度であってよい。次に、検出電極25、駆動電極26、出力配線部27、入力配線部28を覆い、気体分子吸収材30が露出されるように、検出電極25、駆動電極26、出力配線部27、入力配線部28の上に保護膜31を形成する。保護膜は酸素又は水の少なくとも一方に対して化学的に不活性または反応性に乏しい材料から形成すればよく、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、樹脂、ニッケル、金、白金、クロム、酸化アルミニウム、アモルファスシリコン、多結晶シリコンのうち少なくともいずれか1種類以上を含む材料であってもよい。また、保護膜31の厚さは、酸素又は水分子が検出電極25、駆動電極26、出力配線部27、入力配線部28に接触するのを防ぐことができる程度であればよく、例えば0.1μm程度であれば良い。また、本実施形態の製造方法においてはガラス基板20上に検出電極25及び出力配線部27を、ガラス基板21上に駆動電極26、入力配線部28及び気体分子吸収材30を形成しているが、ガラス基板20上に駆動電極26、入力配線部28及び気体分子吸収材30を、ガラス基板21上に検出電極25及び出力配線部27を形成してもよく、また、ガラス基板20及び21の両方にそれぞれ検出電極25、駆動電極26、出力配線部27、入力配線部28及び気体分子吸収材30を形成してもよい。
次に、密閉室形成工程において、図14に示すように、シリコン基板19の両面にガラス基板20及び21を接合する。このとき、形成された電極、配線部等を損傷させないためにはできるだけ低温で基板を接合するのが望ましい。そのためには、例えば陽極接合を用いることによって低温で強度の強い接合を行うことが出来る。また、密閉室内を真空状態に保つため、基板の接合は真空中で行うのが望ましい。次に、ガラス基板20上に設けられた貫通孔35の少なくとも内周面を覆うように導電性材料を成膜又は注入し、外部電極36を形成する。
最後に、気体分子吸収工程において、ジャイロセンサ9を例えば400℃に加熱し、密閉室内部に残留する酸素分子又は水分子を気体分子吸収材に吸収させる。気体分子吸収工程前には密閉室内部の真空度が例えば0.1Torrから1Torrであったのが、気体分子吸収工程後には0.1Torr以下に減圧することができる。なお、加熱する温度は、例えば100℃以上であることが望ましいが、検出電極25、駆動電極26、出力配線部27、入力配線部28等金属薄膜によって形成されたパターンが損傷される温度よりも低い温度であることが望ましい。例えば検出電極25、駆動電極26、出力配線部27、入力配線部28等がアルミニウムによって形成されている場合には、400℃以下の温度であることが望ましい。
次に、本発明にかかるジャイロセンサの第2実施形態を図15を参照して説明する。なお、第2実施形態において第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、検出電極25、駆動電極26、出力配線部27、入力配線部28を保護膜31で覆うことにより、ジャイロセンサを一括して加熱してもこれらが密閉室22内に残留する酸素分子又は水分子と反応して損傷するのを防ぐ構成であるのに対し、第2実施形態では、保護膜31は存在せず、気体分子吸収材30は電気配線37によって外部電極36に接続されており、外部より通電して気体分子吸収材30に電流を流すことが出来る構造になっている。
このように構成することで、保護膜31を形成する工程を省くことが出来、量産性が向上する。また、外部より気体分子吸収材30に通電することにより、検出電極25、駆動電極26、出力配線部27、入力配線部28を加熱することなく気体分子吸収材30のみを選択的に加熱することが出来る。通電する電力は気体分子吸収材30が酸素分子又は水分子と活性に反応するような温度となるような電力であればよく、例えば気体分子吸収材30がアルミニウムから形成されており、その体積が1000μm3であるような場合、おおよそ2×10-7W程度以上の電力を通電すれば、気体分子吸収材30の温度が100℃以上となり、酸素分子又は水分子と活性に反応するようになる。
なお、気体分子吸収材30は電気配線36よりも抵抗が大きくなるような形状、例えば電気配線37よりも細く、長い形状とすることにより、電気配線37における発熱量よりも気体分子吸収材30における発熱量の方が大きくなるようにすることが望ましい。例えば電気配線37が30μmの幅で形成されている場合、気体分子吸収材30を幅10um以下にすると、気体分子吸収材30をより効率的に加熱することができる。
また、基板上の各ジャイロセンサ9の外部電極36に同時に電流を流すことが可能であるような、複数のプローブを持つ治具を用いれば、各ジャイロセンサ9の気体分子吸収材30それぞれに一括して電流を流し、加熱することができ、量産性が向上する。
次に、本発明に係るジャイロセンサの第3実施形態について、図16を参照して説明する。なお、第3実施形態において第2実施形態と同一の構成については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第3実施形態と第2実施形態との異なる点は、第2実施形態では、気体分子吸収材30に通電するための外部電極を各気体分子吸収材に対して2つ設けた構成であるのに対し、第3実施形態では気体分子吸収材30に接続される電気配線部のうち一方が入力配線部28に接続された構成となっている。
このように構成することにより、気体分子吸収材30に通電するための外部電極のうち1つを駆動電極26に電気信号を入力するための外部電極と共通のものとし、外部電極の数を減らすことが出来るため、ジャイロセンサ9の小型化を図ることが出来る。
次に、本発明に係るジャイロセンサの第4実施形態について、図17を参照して説明する。なお、なお、第4実施形態において第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第4実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、検出電極25、駆動電極26、出力配線部27、入力配線部28を保護膜31で覆うことにより、ジャイロセンサを一括して加熱してもこれらが密閉室22内に残留する酸素分子又は水分子と反応して損傷するのを防ぐ構成であるのに対し、第4実施形態では、保護膜31は存在せず、気体分子吸収工程においてレーザー光38を気体分子吸収材30に照射する構成となっている。
このように構成することで、保護膜31を形成する工程を省くことが出来、量産性が向上する。また、外部より気体分子吸収材30にレーザー光38を照射することにより、検出電極25、駆動電極26、出力配線部27、入力配線部28を加熱することなく気体分子吸収材30のみを選択的に加熱することが出来る。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、本実施形態では力学量センサとしてジャイロセンサを例にして説明したが、ジャイロセンサに限られるものではなく、例えば、加速度センサ、圧力センサのように真空封止を必要とするデバイスであれば良い。
本発明に係る力学量センサ(ジャイロセンサ)をカメラモジュールを有する電子機器に適用した場合のブロック図の一例である。 本発明に係る力学量センサの第1実施形態を示す組み立て前の斜視図である。 本発明に係る力学量センサの第1実施形態を示す組み立て後の上面図であって、図2に示すガラス基板20を省略した図である。 図3に示す状態の力学量センサのAA'線における断面図である。 本発明に係る力学量センサの第1実施形態の製造工程のうちSOI基板の加工前の状態を示す斜視図である。 図5に示すSOI基板の両面に凹部を形成した状態を示す斜視図である。 図6に示すSOI基板の片面のシリコンを除去して凹部を形成し、錘部の上面と梁部とを形成した状態を示す斜視図である。 図7に示すSOI基板の片面のシリコンを除去して凹部を形成し、錘部の下面を形成した状態を示す斜視図である。 本発明に係る力学量センサの第1実施形態の製造工程のうち電極取り出し部を有するガラス基板の加工前の状態を示す斜視図である。 図9に示すガラス基板に貫通孔を設けた状態を示す斜視図である。 図10に示すガラス基板に電極部を形成した状態を示す斜視図である。 本発明に係る力学量センサの第1実施形態の製造工程のうち電極取り出し部を有しないガラス基板の加工前の状態を示す斜視図である。 図12に示すガラス基板に電極部及び気体分子吸収材を形成した状態を示す斜視図である。 図8に示すSOI基板の両面に図11に示すガラス基板及び図13に示すガラス基板を接合し、外部電極を形成した状態を示す斜視図である。 本発明に係る力学量センサの第2実施形態を示す組み立て後の上面図であって、図2に示すガラス基板20を省略した図である。 本発明に係る力学量センサの第3実施形態を示す組み立て後の上面図であって、図2に示すガラス基板20を省略した図である。 本発明に係る力学量センサの第4実施形態を示す組み立て後の断面図である。 従来の力学量センサの一例を示す組み立て後の断面図である。
符号の説明
9…ジャイロセンサ
19…シリコン基板
20…ガラス基板
21…ガラス基板
22…密閉室
23…錘部
24a、24d…梁部
25a、25d…検出電極
26…駆動電極
27a、27d…出力用配線
28…入力用配線
29…枠体部
30…気体分子吸収材
31…保護膜
32…柱状構造
35…貫通孔
37…電気配線
38…レーザー光

Claims (15)

  1. 気密に保たれた密閉室と、
    前記密閉室内に収容されて揺動自在に保持され、外部から印加される力学量に応じて変位する検出部と、
    前記密閉室内に配置され、前記検出部の変位に応じた電気信号を出力する検出電極部と、
    前記密閉室の外部に形成された外部電極と、
    前記検出電極と前記外部電極を接続する電気配線部と、
    前記密閉室内に配置された気体分子吸収材とを備える力学量センサであって、
    前記電気配線部と前記気体分子吸収材は同一の材料からなることを特徴とする力学量センサ。
  2. 請求項1に記載の力学量センサであって、
    前記電気配線部及び前記気体分子吸収材は加熱されることにより前記密閉室中の酸素分子又は水分子の少なくとも一方と化学反応して吸収する材料からなることを特徴とする力学量センサ。
  3. 請求項2に記載の力学量センサであって、
    前記電気配線部及び前記気体分子吸収材はともにアルミニウム、チタン、クロム、バナジウム、鉄、ニッケル、ジルコニウムから選ばれる少なくとも1種類以上を含むことを特徴とする力学量センサ。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の力学量センサであって、
    前記電気配線部を覆う保護膜を有することを特徴とする力学量センサ。
  5. 請求項4に記載の力学量センサであって、
    前記保護膜は、酸素又は水の少なくとも一方に対して化学的に不活性もしくは反応性の乏しい材料からなることを特徴とする力学量センサ。
  6. 請求項5に記載の力学量センサであって、前記保護膜は酸素又は水の少なくとも一方に対して化学的に不活性または反応性に乏しい絶縁体、金属又は半導体材料からなることを特徴とする力学量センサ。
  7. 請求項6に記載の力学量センサであって、
    前記保護膜は酸化シリコン、窒化シリコン、樹脂、金、白金、酸化アルミニウム、アモルファスシリコン、多結晶シリコンから選ばれる1種類以上を含む材料からなることを特徴とする力学量センサ。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の力学量センサであって、
    前記気体分子吸収材は、前記密閉室内部から外部に電気的に接続された電極取り出し構造により、外部より電流を流すことが可能な構造であることを特徴とする力学量センサ。
  9. 請求項8に記載の力学量センサであって、
    前記気体分子吸収材の一端は前記電気配線部に接続され、該気体分子吸収材の他端は前記電極取り出し構造に電気的に接続されていることを特徴とする力学量センサ。
  10. 気密に保たれた密閉室と、前記密閉室内に収容されて揺動自在に保持され、外部から印加される力学量に応じて変位する検出部と、前記密閉室内に配置され、前記検出部の変位に応じた電気信号を出力する検出電極部と、前記密閉室外部に形成された外部電極と、前記検出電極から前記外部電極へと接続された電気配線部と、前記密閉室内に配置された気体分子吸収材とを備える力学量センサの製造方法であって、
    前記検出部を形成する検出部形成工程と、
    前記検出電極部、前記電気配線部及び前記気体分子吸収材を形成する電気配線部形成工程と、
    前記検出部、前記検出電極部、前記電気配線部及び前記気体分子吸収材とを収容する前記密閉室を、気密状態となるように形成し、前記外部電極を形成する密閉室形成工程と、
    前記密閉室内に残留する酸素分子又は水分子のうち少なくとも一方と、前記気体分子吸収材とを化学反応させて密閉室内より除去する気体分子吸収工程とを備え、
    前記電気配線部形成工程の際に、前記電気配線部と前記気体分子吸収材とを同一材料により同一工程で形成することを特徴とする力学量センサの製造方法。
  11. 請求項10に記載の力学量センサの製造方法であって、
    前記電気配線部及び前記気体分子吸収材は加熱されることにより前記密閉室内の酸素分子又は水分子の少なくとも一方と化学反応して吸収する材料を用いて形成することを特徴とする力学量センサの製造方法。
  12. 請求項11に記載の力学量センサの製造方法であって、
    前記電気配線部を覆って成膜される、酸素又は水の少なくとも一方に対して化学的に不活性である材料からなる保護膜を備え、前記気体分子吸収工程の際、該力学量センサを一括して加熱することにより前記密閉室内に残留する酸素分子又は水分子と前記気体分子吸収材とを化学反応させることを特徴とする力学量センサの製造方法。
  13. 請求項11に記載の力学量センサの製造方法であって、
    前記気体分子吸収材は、前記密閉室内部から外部に電気的に接続された電極取り出し構造により、外部より電流を流すことが可能な構造であり、前記気体分子吸収工程の際に前記気体分子吸収材に外部より電流を流して選択的に加熱させることにより前記密閉室内に残留する酸素分子又は水分子と前記気体分子吸収材とを化学反応させることを特徴とする力学量センサの製造方法。
  14. 請求項13に記載の力学量センサの製造方法であって、
    前記気体分子吸収材の一端は前記電気配線部に接続され、該気体分子吸収材の他端は前記電極取り出し構造に電気的に接続されており、該電気配線部及び該電極取り出し構造を介して該気体分子吸収材に電流を流すことにより該気体分子吸収材のみを選択的に加熱し前記密閉室内に残留する酸素分子又は水分子と該気体分子吸収材とを化学反応させることを特徴とする力学量センサの製造方法。
  15. 請求項11に記載の力学量センサの製造方法であって、
    前記気体分子吸収工程の際に、前記気体分子吸収材に該気体分子吸収材が配置された前記第1の基板又は前記第2の基板を通してレーザー光を照射して前記気体分子吸収材を選択的に加熱することにより、前記密閉室内に残留する酸素分子又は水分子と前記気体分子吸収材とを化学反応させることを特徴とする力学量センサの製造方法。
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