JP4922856B2 - 気密パッケージ、角速度センサ及び気密パッケージの製造方法 - Google Patents

気密パッケージ、角速度センサ及び気密パッケージの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シリコン基板等の半導体基板とガラス基板等のリッド基板との間に形成された格納室を有する気密パッケージ及び該気密パッケージの製造方法に関する。
従来より、加速度センサや角速度センサ等の力学量センサに代表されるように、センサ部を、大気圧よりも圧力が低い減圧雰囲気に維持した格納室内に収容した気密パッケージが数多く提供されている。これは、センサ部のダンピングによる検出感度の低下防止や、外部からの塵埃等の侵入防止や、温度や湿度等の環境条件が変化することで性能特性が変化してしまうことを防止するためである。このような気密パッケージは、一般的にシリコン基板等の半導体基板とガラス基板等のリッド基板とが接合され、両基板間に形成された格納室内にセンサ部が収容されている。
センサ部を減圧雰囲気に維持された格納室内に収容する方法としては、さまざまな方法が考えられているが、通常は以下の方法が用いられている。
即ち、まずはじめに半導体基板の不要な部分を選択的に除去して外枠及び該外枠に囲まれて保持されたセンサ部を形成する。次に、リッド基板を半導体基板の片面もしくは両面に接合すると、外枠とリッド基板とに囲まれた空間が格納室となり、センサ部が格納室内に収容される。半導体基板とリッド基板の接合工程において、真空中で接合を行うと、格納室内を減圧雰囲気に維持することができる。
接合工程としては、さまざまな方法が考えられるが、生産性や信頼性を考慮すると、陽極接合が最も優れている。
陽極接合は、ホウ珪酸ガラスなど、アルカリ金属を含むガラスからなるリッド基板と、シリコン等からなる半導体基板とを用いて行われる。両者を接触させて250℃以上に加熱し、リッド基板を陰極、半導体基板を陽極として電圧を印加すると、リッド基板と半導体基板の接触面で電気化学的な反応が進行し、両者の間に強固な接合が生じる。
しかしながら、陽極接合では、リッド基板と半導体基板の接触面における化学反応の結果、余剰な酸素原子が遊離して酸素分子となり、接合面を拡散して格納室内に侵入する。したがって、真空中、例えば10^−3Pa程度の圧力雰囲気で陽極接合を行い格納室を形成しても、接合終了後に得られる格納室内の圧力は数百Pa程度以上になることが知られている。
そのため、格納室内の圧力を小さくするために種々の方法が考案されている。
例えば、特許文献1では、陽極接合を行う部分を外枠と内枠に分け、外枠と内枠の間に、陽極接合に付随して発生する酸素分子を貯留する貯留室を設けた気密パッケージが記載されている。
ここで、この気密パッケージについて、図20を参考にして説明する。
図20(a)は、この気密パッケージ51の断面図を示したものである。また、図20(b)は図20(a)中のDによって示された部分の陽極接合時の状態を拡大して示したものである。
この気密パッケージ51は、シリコンからなる半導体基板52と、ホウ珪酸ガラスなどのアルカリ金属を含有するリッド基板53とを陽極接合法により接合したものである。半導体基板52は、不用な部分を選択的に除去して、外枠54と、内枠59と、内枠59及びリッド基板53によって囲まれた格納室55と、格納室55に収納された機能部56とが形成されたものである。
半導体基板52のリッド基板53と接合される面には、外枠54と内枠59にはさまれるようにして形成された貯留室57が設けられている。
この半導体基板52とリッド基板53とを減圧雰囲気中で陽極接合すると、図20(b)に示すように、陽極接合に付随して半導体基板52とリッド基板53との接合界面から発生する酸素分子58は、接合界面を拡散して貯留室55に達してそこで閉じ込められるため、酸素分子58が格納室55に到達して格納室55の真空度を悪化させることがない。
特開2001−196486
しかしながら、上記従来の方法では、以下の課題が残されている。
即ち、特許文献1に記載されている方法では、図20(b)に示すように、陽極接合において、半導体基板52のうち外枠54とリッド基板53との接合界面から発生する酸素分子58は貯留室57に捉えることができるが、内枠59とリッド基板53との接合界面から発生する酸素分子60のうち一部は接合界面を拡散して格納室55に到達するため、格納室55を所定の減圧雰囲気または所定のガス雰囲気に保つことができないという不都合を生じるものであり、最適な気密パッケージを製造することが困難であった。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、陽極接合に付随して発生する酸素分子の格納室内への拡散を防ぎ、格納室内を所定の減圧雰囲気または所定のガス雰囲気に保って高性能化された気密パッケージ及び該気密パッケージの製造方法を提供することである。
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
この発明に係る気密パッケージは、アルカリ金属を含むガラスからなるリッド基板と、枠状に形成されたフレームを有し、前記リッド基板に陽極接合される半導体基板と、前記リッド基板及び前記フレームによって囲まれて気密状態に保持されるとともに機能部を格納する格納室と、を有する気密パッケージであって、平面視で前記格納室を囲むように設けられ、前記半導体基板又は前記リッド基板の何れか一方の基板の表面を除去して形成された貯留室と、前記リッド基板と前記半導体基板と陽極接合により上下に接合する上で、前記貯留室と当該貯留室の形成された基板と対向する基板の表面とを上下にわたって接続するように設けられることで前記格納室と前記貯留室とを隔て、前記陽極接合時には陽極接合反応しない材料からなる隔壁と、を備えることを特徴とするものである。
この発明に係る気密パッケージにおいては、隔壁が貯留室と格納室とを隔てるように設けられており、半導体基板とリッド基板とを接合する際に、隔壁が半導体基板及びリッド基板に密着するので格納室と貯留室の間が気密に保たれる。したがって、半導体基板とリッド基板とを陽極接合する際に生じる酸素分子は接合界面を拡散して貯留室に到達するが、格納室へは侵入しない。また、陽極接合時に隔壁とリッド基板との接触面から酸素分子が生じないため、酸素分子が格納室へは侵入しない。そのため、本発明に係る気密パッケージでは、所定の減圧雰囲気またはガス雰囲気に保たれた格納室内に機能部が設けられることになり、機能部が動作する際のダンピングを防いで性能を向上させたり、機能部が化学的に活性な気体と反応して損傷したりするのを防いで信頼性を向上させたりすることができる。
また、本発明に係る気密パッケージは、上記本発明の気密パッケージであって、前記隔壁は、前記半導体基板に設けられた半導体基板側隔壁と前記リッド基板に設けられたリッド基板側隔壁とが接続されてなる場合、当該半導体基板側隔壁とリッド基板側隔壁のうち少なくともいずれか一方を前記陽極接合時に他方の隔壁と共晶反応する合金又は前記リッド基板にのみ設けられ先端が前記半導体基板の表面と接続される場合、前記陽極接合時に前記半導体基板を構成する材料と共晶反応する材料の何れかであって、前記共晶反応における共晶点以上の温度で溶融されてなることを特徴とするものである。
この発明に係る気密パッケージにおいては、隔壁が共晶点以上の温度で溶融する材料からなるので、半導体基板とリッド基板とを接合する際に、半導体基板とリッド基板とを、隔壁の共晶点以上の温度に保って接触させると、隔壁が共晶反応によって溶融しながら半導体基板及びリッド基板に密着するので、格納室と貯留室の間をより確実に気密に保つことができる。
また、本発明に係る気密パッケージは、上記本発明の気密パッケージであって、前記共晶反応する合金は金及びスズまたは銀及びスズからなる合金であることを特徴とするものである。
この発明にかかる気密パッケージにおいては、金及びスズの合金は約270℃以上で、銀及びスズの合金は約250℃以上で共晶反応し、溶融するので、機能部に損傷を与えない温度で半導体基板とリッド基板とを接合することができる。また、半導体基板の材料としてシリコンを選択し、リッド基板の材料としてホウ珪酸ガラスを選択すると、両基板の熱膨張率がおよそ300℃で一致するので、300℃に加熱すると、基板の反りを発生させることなく半導体基板とリッド基板とを接合させるとともに隔壁が共晶反応によって溶融しながら半導体基板及びリッド基板に密着するので、格納室と貯留室の間をより確実に気密に保つことができる。
また、本発明に係る気密パッケージは、上記本発明の気密パッケージであって、前記隔壁は前記半導体基板に設けられた半導体基板側隔壁と前記リッド基板に設けられたリッド基板側隔壁とが接続されてなる場合、前記半導体基板側隔壁は前記リッド基板側隔壁よりも硬い材料で且つ細く形成されてなり、前記半導体基板側隔壁と前記リッド基板側隔壁とは、前記半導体基板側隔壁の先端が前記リッド基板側隔壁の内部に嵌入されることで密接した状態で接続されることを特徴とするものである。
本発明に係る気密パッケージにおいては、半導体基板側隔壁はリッド基板側隔壁よりも細く、硬い材料からなるので、半導体基板とリッド基板を接合する際に半導体基板側隔壁がリッド基板側隔壁に嵌入しながら密接し、隔壁を形成する。そのため、貯留室と格納室の間の気密をより確実に保つことができる。
本発明に係る気密パッケージにおいては、シリコンからなる半導体基板とリッド基板を350℃以上の温度に加熱して接触させると、半導体基板側隔壁とリッド基板側隔壁とが共晶反応により強固に接合するので、貯留室と格納室の間の気密をより確実に保つことができる。
また、本発明にかかる気密パッケージの製造方法は アルカリ金属を含むガラスからなるリッド基板と、枠状に形成されたフレームを有する半導体基板と、前記リッド基板及び前記フレームによって囲まれて気密状態に保持されるとともに機能部を格納する格納室と、を有する気密パッケージの製造方法であって、前記半導体基板に貯留室と隔壁と格納室とを形成する半導体基板形成工程と、前記リッド基板と前記半導体基板とを接合する接合工程と、を備え、前記半導体基板形成工程において前記貯留室は前記半導体基板の表面を除去して平面視で前記格納室を囲むように設けられ、前記隔壁は前記貯留室の底部に該貯留室と前記格納室とを隔て且つ前記貯留室の深さよりも長くなるように設けられ、前記接合工程において前記半導体基板と前記リッド基板とを加圧して接触させることで前記隔壁を塑性変形させつつ該半導体基板及び該リッド基板に密着させ、次いで該半導体基板を陽極とし該リッド基板を陰極として電圧を印加し、陽極接合法によって該半導体基板と該リッド基板とを接合させることを特徴とするものである。
本発明に係る気密パッケージの製造方法においては、隔壁が貯留室と格納室とを隔てるように設けられており、半導体基板とリッド基板とを接合する際に、隔壁が半導体基板及びリッド基板に密着するので格納室と貯留室の間が気密に保たれる。したがって、半導体基板とリッド基板とを陽極接合する際に生じる酸素分子は接合界面を拡散して貯留室に到達するが、格納室へは侵入しない。また、陽極接合時に隔壁とリッド基板との接触面から酸素分子が生じないため、酸素分子が格納室へは侵入しない。そのため、格納室を所定の減圧雰囲気またはガス雰囲気に保つことができる。
また、貯留室と隔壁とが半導体基板の表面に形成されるので、リソグラフィの精度で位置合わせすることができ、位置合わせの精度余裕を小さくすることができるので、デバイスを小型化することができる。
また、本発明に係る気密パッケージの製造方法は、アルカリ金属を含むガラスからなるリッド基板と、枠状に形成されたフレームを有する半導体基板と、前記リッド基板及び前記フレームによって囲まれて気密状態に保持されるとともに機能部を格納する格納室と、を有する気密パッケージの製造方法であって、前記半導体基板に貯留室と格納室とを形成する半導体基板形成工程と、前記リッド基板に隔壁を形成するリッド基板形成工程と、前記リッド基板と前記半導体基板とを接合する接合工程と、を備え、前記半導体基板形成工程において前記貯留室は前記半導体基板の表面を除去して平面視で前記格納室を囲むように設けられ、前記リッド基板形成工程において、前記隔壁は前記リッド基板と前記半導体基板とを接合する際に前記貯留室の底部と相対する位置であって、前記貯留室と前記格納室とを隔て且つ前記貯留室の深さよりも長くなるように設けられ、前記接合工程において前記半導体基板と前記リッド基板とを加圧して接触させることで前記隔壁を塑性変形させつつ前記貯留室の底部及び該リッド基板に密着させ、次いで該半導体基板を陽極とし該リッド基板を陰極として電圧を印加し、陽極接合法によって該半導体基板と該リッド基板とを接合させることを特徴とするものである。
本発明に係る気密パッケージの製造方法においては、隔壁が貯留室と格納室とを隔てるように設けられており、半導体基板とリッド基板とを接合する際に、隔壁が半導体基板及びリッド基板に密着するので格納室と貯留室の間が気密に保たれる。したがって、半導体基板とリッド基板とを陽極接合する際に生じる酸素分子は接合界面を拡散して貯留室に到達するが、格納室へは侵入しない。また、陽極接合時に隔壁とリッド基板との接触面から酸素分子が生じないため、酸素分子が格納室へは侵入しない。そのため、格納室を所定の減圧雰囲気またはガス雰囲気に保つことができる。
また、リッド基板の表面に隔壁を設けているので、半導体基板とリッド基板の接合時に、隔壁と半導体基板とが接するため、隔壁の材料としてガラスと陽極接合反応するような材料を用いることができる。また、リッド基板の表面に電極などを形成する場合には、同一の工程で隔壁と電極を形成することができ、工数を削減することができる。
また、隔壁の材料として金を選択し、シリコンからなる半導体基板とリッド基板を350℃以上の温度に加熱して接触させると、半導体基板と隔壁との間で共晶反応により強固に接合するので、貯留室と格納室の間の気密をより確実に保つことができる。
また、本発明に係る気密パッケージの製造方法は、アルカリ金属を含むガラスからなるリッド基板と、枠状に形成されたフレームを有する半導体基板と、前記リッド基板及び前記フレームによって囲まれて気密状態に保持されるとともに機能部を格納する格納室と、を有する気密パッケージの製造方法であって、前記半導体基板に格納室を形成する半導体基板形成工程と、前記リッド基板に貯留室と隔壁とを形成するリッド基板形成工程と、前記リッド基板と前記半導体基板とを接合する接合工程と、を備え、前記リッド基板形成工程において前記貯留室は前記リッド基板の表面を除去して平面視で前記格納室を囲むように設けられ、前記隔壁は前記貯留室の底部に前記貯留室と前記格納室とを隔て且つ前記貯留室の深さよりも長くなるように設けられ、前記接合工程において前記半導体基板と前記リッド基板とを加圧して接触させることで前記隔壁を塑性変形させつつ前記貯留室の底部及び該リッド基板に密着させ、次いで該半導体基板を陽極とし該リッド基板を陰極として電圧を印加し、陽極接合法によって該半導体基板と該リッド基板とを接合させることを特徴とするものである。
本発明に係る気密パッケージの製造方法においては、隔壁が貯留室と格納室とを隔てるように設けられており、半導体基板とリッド基板とを接合する際に、隔壁が半導体基板及びリッド基板に密着するので格納室と貯留室の間が気密に保たれる。したがって、半導体基板とリッド基板とを陽極接合する際に生じる酸素分子は接合界面を拡散して貯留室に到達するが、格納室へは侵入しない。また、陽極接合時に隔壁とリッド基板との接触面から酸素分子が生じないため、酸素分子が格納室へは侵入しない。そのため、格納室を所定の減圧雰囲気またはガス雰囲気に保つことができる。
また、リッド基板の表面に隔壁を設けているので、半導体基板とリッド基板の接合時に、隔壁と半導体基板とが接するため、隔壁の材料としてガラスと陽極接合反応するような材料を用いることができる。また、リッド基板の表面に電極などを形成する場合には、同一の工程で隔壁と電極を形成することができ、工数を削減することができる。
また、隔壁の材料として金を選択し、シリコンからなる半導体基板とリッド基板を350℃以上の温度に加熱して接触させると、半導体基板と隔壁との間で共晶反応により強固に接合するので、貯留室と格納室の間の気密をより確実に保つことができる。
また、貯留室及び隔壁はともにリッド基板上に設けられるため、リソグラフィ技術の精度で位置合わせが可能である。そのため、位置合わせの精度余裕を小さくすることができ、デバイスを小型化することができる。
また、本発明に係る気密パッケージの製造方法は、前記隔壁は、前記半導体基板を構成する材料と共晶反応する材料であって、前記共晶反応における共晶点以上の温度で溶融する材料からなり、前記接合工程において、前記共晶点以上の温度で前記半導体基板と前記リッド基板とを接触させて前記隔壁を該半導体基板に密着させることを特徴とするものである。
本発明に係る気密パッケージの製造方法においては、隔壁が共晶点以上の温度で溶融する材料からなるので、半導体基板とリッド基板とを接合する際に、半導体基板とリッド基板とを、隔壁の共晶点以上の温度に保って接触させると、隔壁が共晶反応によって溶融しながら半導体基板及びリッド基板に密着するので、格納室と貯留室の間がより確実に気密に保たれる。したがって、半導体基板とリッド基板とを陽極接合する際に生じる酸素分子は接合界面を拡散して貯留室に到達するが、格納室へは侵入せず、格納室を所定の減圧雰囲気またはガス雰囲気に保つことができる。
また、本発明にかかる気密パッケージの製造方法は、アルカリ金属を含むガラスからなるリッド基板と、枠状に形成されたフレームを有する半導体基板と、前記リッド基板及び前記フレームによって囲まれて気密状態に保持されるとともに機能部を格納する格納室と、を有する気密パッケージの製造方法であって、前記半導体基板または前記リッド基板の少なくとも一方に貯留室を形成する貯留室形成工程と、前記半導体基板に半導体基板側隔壁と格納室とを形成する半導体基板形成工程と、前記リッド基板にリッド基板側隔壁を形成するリッド基板形成工程と、前記リッド基板と前記半導体基板とを接合する接合工程と、を備え、前記貯留室形成工程において前記貯留室は前記半導体基板または前記リッド基板の少なくとも一方の表面を除去して平面視で前記格納室を囲むように設けられ、前記半導体基板形成工程において、前記半導体基板側隔壁は平面視で前記格納室を囲むように設けられ、前記リッド基板形成工程において、前記リッド基板側隔壁は平面視で前記格納室を囲み、前記リッド基板と前記半導体基板とを接合する際に前記半導体基板側隔壁と相対する位置に設けられ、前記半導体基板側隔壁は前記リッド基板側隔壁よりも硬い材料からなり、該リッド基板側隔壁よりも細く形成され、前記リッド基板側隔壁の長さを加算した長さが前記貯留室の深さよりも長くなるように設けられ、前記接合工程において前記半導体基板と前記リッド基板とを加圧して接触させることで前記半導体基板側隔壁と前記リッド基板側隔壁を塑性変形させて前記半導体基板側隔壁の先端を前記リッド基板側隔壁の内部に嵌入し、当該半導体基板側隔壁とリッド基板側隔壁とを密接させて前記貯留室と前記格納室とを隔てる隔壁を形成し、次いで該半導体基板を陽極とし該リッド基板を陰極として電圧を印加し、陽極接合法によって該半導体基板と該リッド基板とを接合させることを特徴とするものである。
本発明に係る気密パッケージの製造方法においては、半導体基板側隔壁はリッド基板側隔壁よりも細く、硬い材料からなるので、半導体基板とリッド基板を接合する際に半導体基板側隔壁がリッド基板側隔壁に嵌入しながら密接し、隔壁を形成する。そのため、貯留室と格納室の間の気密をより確実に保つことができる。
また、本発明に係る気密パッケージの製造方法は、上記本発明の気密パッケージの製造方法であって、前記半導体基板側隔壁及びリッド基板側隔壁は、金及びスズまたは銀及びスズからなる合金からなり、前記接合工程において、前記半導体基板と前記リッド基板とを前記合金の共晶反応における共晶点以上の温度で接触させることで、前記半導体基板側隔壁と前記リッド基板側隔壁を塑性変形させるとともに溶融させて前記隔壁を形成することを特徴とするものである。
本発明にかかる気密パッケージの製造方法においては、金及びスズの合金は約270℃以上で、銀及びスズの合金は約250℃以上で共晶反応し、溶融するので、機能部に損傷を与えない温度で半導体基板とリッド基板とを接合することができる。また、半導体基板の材料としてシリコンを選択し、リッド基板の材料としてホウ珪酸ガラスを選択すると、両基板の熱膨張率がおよそ300℃で一致するので、300℃に加熱すると、基板の反りを発生させることなく半導体基板とリッド基板とを接合させるとともに隔壁が共晶反応によって溶融しながら半導体基板及びリッド基板に密着するので、格納室と貯留室の間をより確実に気密に保つことができる。
また、本発明に係る気密パッケージの製造方法は、上記本発明の気密パッケージの製造方法であって、前記半導体基板形成工程において、前記半導体基板側隔壁はシリコンから形成され、前記リッド基板形成工程において、前記リッド基板側隔壁は前記シリコンと共晶反応する金から形成され、前記接合工程において、前記半導体基板と前記リッド基板とを前記共晶反応における共晶点である0℃以上の温度で接触させることで、前記半導体基板側隔壁と前記リッド基板側隔壁を塑性変形させるとともに溶融させて前記隔壁を形成することを特徴とするものである。
本発明に係る気密パッケージの製造方法においては、シリコンからなる半導体基板とリッド基板を30℃以上の温度に加熱して接触させると、半導体基板側隔壁とリッド基板側隔壁とが共晶反応により強固に接合するので、貯留室と格納室の間の気密をより確実に保つことができる。
また、本発明に係る気密パッケージは、上記本発明の気密パッケージで構成される角速度センサであって、前記機能部が前記フレームにバネを介して支持されて揺動自在に保持された錘であり、前記錘を静電引力を利用して振動させる駆動電極と、振動状態の前記錘が角速度を受けて変位したときに、該錘の変位を静電容量の変化として出力する検出電極とを備えていることを特徴とするものである。
本発明に係る気密パッケージにおいては、錘が格納室内に設けられているので、格納室内が減圧雰囲気に保たれていると、錘を振動させたときにダンピングを小さくし、振幅を大きくすることができる。したがって、角速度を検出する感度を向上することができ、高性能な電子デバイスを格納する気密パッケージを得ることができる。
本発明に係る気密パッケージ及び本発明にかかる気密パッケージの製造方法によれば、半導体基板とリッド基盤の陽極接合に付随して発生する酸素分子の格納室内への拡散を
防ぎ、格納室内を所定の減圧雰囲気または所定のガス雰囲気に保って高性能化された気密パッケージを得ることができる。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る第1実施形態を、図1及び図2を参照して説明する。
図1(a)は、本発明に係る気密パッケージ1の断面図を示したものであり、図1(b)は図1(a)に示した円Aで囲まれる部分を拡大した部分図である。また、図2は気密パッケージ1の平面図を示したものであり、簡単のためにリッド基板3を省略したものである。
図1(a)に示すように、気密パッケージ1は、例えばシリコンからなる半導体基板2と、ホウ珪酸ガラスなどのアルカリ金属イオンを含むガラスからなるリッド基板3とからなっている。半導体基板2は枠状に形成されたフレーム4を有しており、リッド基板3とフレームとによって囲まれることにより格納室5が形成されている。格納室5には、例えば角速度センサや加速度センサのような機能部56を格納することができる。
図2に示すようにフレーム4には格納室5を取り囲むようにして貯留室6が設けられ、図1(a)及び図1(b)に示すように格納室5と貯留室6とを隔てて半導体基板2とリッド基板3とに接続された隔壁7が設けられている。隔壁7は例えば金のような可塑性の材料からなり、半導体基板2とリッド基板3とに密着しているので、貯留室6は格納室5と隔てられ、気密状態に保持されている。半導体基板2とリッド基板3とを陽極接合法により接合すると酸素分子9が接合界面から発生し、接合界面を拡散して貯留室6に到達するが、格納室5には侵入しない。したがって、減圧雰囲気中で接合を行うと、格納室5の内部の圧力は接合時の圧力を保つことができる。また、所定のガス雰囲気中で接合を行うと、格納室5の内部は接合時のガスの成分及び圧力を保つことができる。
次に、このように構成された気密パッケージ1の製造方法について、図3及び図4を参照して説明する。なお、以下に示す製造工程は、多数の気密パッケージを製造可能なサイズの半導体基板2及びリッド基板3によって行われ、最終的に微小な気密パッケージ1に個片化されるものであるが、図3及び図4においては、説明を簡略化するため、単体の気密パッケージ1を製造するものとして図示している。
本実施形態の気密パッケージ1の製造工程は、半導体基板形成工程と、接合工程とを適宜行って製造する方法である。
まず、半導体基板形成工程を行う。
図3(a)に示すように、シリコンからなる半導体基板2を準備する。
次に、図3(b)に示すように、半導体基板2の表面の所定の位置を選択的に除去し、例えば深さ0.1マイクロメートル程度以上の深さの貯留室6を設ける。貯留室6は、後述する格納室5を取り囲むように配置する。半導体2の表面を選択的に除去する方法としては、例えばReactive Ion Etching(RIE)によるドライエッチングや、Tetramethyl Ammonium Hydroxide(TMAH)水溶液や水酸化カリウム水溶液のようなアルカリ性のエッチャントによるウェットエッチングなどを選択することができる。RIEによるドライエッチングの場合は、まず半導体基板2の表面にフォトリソグラフィ技術により選択的に除去する領域以外の部分を保護するレジストマスクを形成する。次いでRIEを用いて半導体基板2の表面の露出した部分を選択的に除去する。その後レジストマスクを除去する。アルカリ性のエッチャントによるウェットエッチングの場合は、まず半導体基板2の表面に熱酸化やPrasma Chemical Vapor Deposition(P−CVD)などの方法により酸化シリコン薄膜を成膜する。次いでフォトリソグラフィ技術により選択的に除去する領域以外の部分を保護するレジストマスクを成膜する。次いでRIEによるドライエッチングやフッ酸によるウェットエッチングなどの方法により酸化シリコン薄膜の所定の領域を除去する。次いでレジストマスクを除去し、所定の領域を除去した酸化シリコン薄膜をマスクとして前述したアルカリ性のエッチャントによるウェットエッチングを用いて半導体基板2の表面を選択的に除去する。その後酸化シリコン薄膜を除去する。
次に、図3(c)に示すように、貯留室6の底部に隔壁7を設ける。隔壁7は、金のような可塑性の材料を用い、貯留室6の深さよりも厚く形成し半導体基板2の表面より突出させると、後述する接合工程において格納室5と貯留室6の間を気密に保つことができる。なお、隔壁7の半導体基板2の表面に対する突出量が大きすぎると、後述する接合工程において確実に半導体基板2とリッド基板3とを密着させることができず、接合不良を生じる原因となる。したがって、隔壁7は貯留室6の深さよりも0.1マイクロメートルから0.5マイクロメートル程度厚い材料で形成すると良い。また、隔壁7を形成する材料としては、アルミニウムなどのようにホウ珪酸ガラスなどと陽極接合反応する材料を用いてはならない。隔壁7を形成する方法としては、例えば材料として金を用いる場合は、蒸着やスパッタリング、めっきなどの方法を用いて半導体基板2の表面に貯留室6の深さより0.1マイクロメートルから0.5マイクロメートル程度厚い金薄膜を成膜する。次に、フォトリソグラフィ技術により選択的に除去する領域以外の部分を保護するレジストマスクを成膜する。次いでRIEによるドライエッチングや、エッチャントによるウェットエッチングなどを用いて露出した金薄膜を除去する。最後にレジストマスクを除去する。
このように、半導体基板2に貯留室6及び隔壁7を設けると、リソグラフィ技術の位置精度で両者を形成することが出来るので、隔壁7を貯留室6の端部に形成することが出来る。そのため、貯留室6を小型化することができ、気密パッケージ1を小型化することができる。
次に、図3(d)に示すように、半導体基板2の表面の所定の領域を選択的に除去し、フレーム4及び格納室5を形成する。なお、本実施例においては格納室5の深さを半導体基板2の厚さよりも小さくした例を挙げたが、半導体基板2の所定の領域を除去して貫通し、一方の表面に他の基板を接合して格納室5を形成してもかまわない。半導体基板2の表面の所定の領域を選択的に除去する方法としては、貯留室6を形成する場合と同様にRIEによるドライエッチングや、アルカリ性エッチャントによるウェットエッチングなどを選択することができる。また、数秒ずつエッチングと保護膜成膜を繰り返すボッシュプロセスを用いたDeep RIE技術を用いると、側壁を保護しながらエッチングできるので、垂直に近い角度の側壁を得ることができる。これにより、精度の良い加工ができるとともに、エッチングする領域を狭くすることができデバイスを小型化することができる。
次に、接合工程を行う。図3(e)に示すように、ホウ珪酸ガラスなどアルカリ金属を含むガラスからなるリッド基板3を、半導体基板2に接合する。接合する方法の詳細は以下に説明するとおりである。
まず、所定の減圧雰囲気またはガス雰囲気に保った図示しない反応室の内部でリッド基板3を半導体基板2に接触させる。隔壁7は半導体基板2の表面よりも突出して形成されているので、はじめにリッド基板3と隔壁7とが接触する。さらに半導体基板2とリッド基板3とを所定の圧力で加圧すると、リッド基板3と半導体基板2のフレーム4とが接触するまで隔壁7が塑性変形してリッド基板3に密着しながら厚さを減じるため、格納室5と貯留室6との間が気密に保たれる。
半導体基板2とリッド基板3とを確実に接合するために、陽極接合法を採用する。リッド基板3とフレーム4とが接触した状態で、両基板を200℃から400℃の間の温度に加熱し、半導体基板2を陽極、リッド基板3を陰極として200Vから1000V程度の直流電圧を印加すると、リッド基板3とフレーム4の接触面で電気化学反応が生じ、共有結合による強固な接合を得ることができる。この際の電気化学反応により、リッド基板3とフレーム4の接触面で酸素分子が発生し、拡散して貯留室6に到達する。しかし、隔壁7により貯留室6は格納室5から気密状態で隔てられているので酸素分子は格納室5に侵入しない。また、陽極接合時に隔壁7とリッド基板3との接触面から酸素分子が生じないため、酸素分子が格納室5へは侵入しない。そのため、格納室5の雰囲気は反応室の内部の減圧雰囲気またはガス雰囲気を保つことができる。
なお、上記では半導体基板2とリッド基板3とを接触した状態で加熱する方法について説明した。このようにすると、半導体基板2とリッド基板3を所定の圧力で接触させることにより、両基板の熱膨張率が異なる場合でも位置ずれを抑制することができ、高精度な気密パッケージを得ることができる。しかし、この方法によると、格納室5及びリッド基板3の表面に吸着していた気体分子が加熱により放出され、格納室5の内部の圧力やガス成分が変化する可能性がある。この問題を防ぐには、以下に説明するようにすれば良い。
まず、上記と同様の反応室内の内部で、半導体基板2とリッド基板3とを接触させずに、200℃から400℃の間の温度に加熱する。この状態で数分から1時間程度保持し、両基板の表面に吸着した気体分子を放出させる。その後、半導体基板2とリッド基板3とを接触させ、上記と同様に陽極接合法により接合を行う。この方法を採用すると、両基板を加熱した状態で接合工程を行うので、隔壁7がやわらかくなり、より容易に塑性変形させることができるので、半導体基板2とリッド基板3とを接触させるための圧力を小さくすることができ、基板の破損を防ぐことができる。また、あらかじめ両基板の表面に吸着していた気体分子を放出させるため、接合中または接合後に格納室5の表面から気体分子が放出されて格納室5の内部の減圧雰囲気またはガス雰囲気を所定の状態に保つことができる。
以上に述べたように、本発明にかかる第1実施形態においては、隔壁7によって格納室5と貯留室6の間が気密に保たれることを特徴とする。そのため半導体基板2とリッド基板3とを陽極接合する際に生じる酸素分子は貯留室6までは到達するが、格納室5へは侵入しない。また、陽極接合時に隔壁7とリッド基板3との接触面から酸素分子が生じないため、酸素分子が格納室5へは侵入しない。
また、半導体基板2の表面にリソグラフィ技術を用いて貯留室6及び隔壁7を形成することを特徴とする。そのため、リソグラフィ技術の精度の範囲内で貯留室6及び隔壁7を形成することができ、貯留室6を小型化することができ、気密パッケージ1を小型化することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態を、図4を参照して説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図4(a)は半導体基板2とリッド基板3とを接合する前の状態を示している。第2実施形態においては、隔壁7をリッド基板3の表面に設けたことを特徴としている。貯留室6及び隔壁7は、第1実施形態の場合と同様に格納室5を取り囲むように形成されている。
図4(b)は半導体基板2とリッド基板3とを接合し、気密パッケージ1を形成した状態を示している。第1実施形態の場合と同様に、隔壁7を貯留室6の深さよりも厚く形成すると、隔壁7が半導体基板2及びリッド基板3に密着して格納室5と貯留室6の間を気密に保つことができる。
次に、第2実施形態の製造方法について、図5を参照して説明する。
本実施形態の気密パッケージ1の製造工程は、半導体基板形成工程と、リッド基板形成工程と、接合工程とを適宜行って製造する方法である。
まず、半導体基板形成工程を行う。
図5(a)に示すように、シリコンからなる半導体基板2を準備する。
次に、図5(b)に示すように半導体基板2の所定の領域を選択的に除去し、第1実施形態の場合と同様に貯留室6を設ける。
次に、図5(c)に示すように半導体基板2の所定の領域を選択的に除去し、第1実施形態の場合と同様にフレーム4及び格納室5を設ける。
なお、本実施例においては格納室5の深さを半導体基板2の厚さよりも小さくした例を挙げたが、半導体基板2の所定の領域を除去して貫通し、一方の表面に他の基板を接合して格納室5を形成してもかまわない。
次に、リッド基板形成工程を行う。
まず、図5(d)に示すように、ホウ珪酸ガラスなどのアルカリ金属を含むガラスからなるリッド基板3を準備する。
次に、後述する接合工程において半導体基板2とリッド基板3とを接触させたときに貯留室6と対向する位置に、図5(e)に示すようにリッド基板3の表面に隔壁7を形成する。隔壁7の厚さは、第1実施形態の場合と同様に、貯留室6の深さよりも0.1マイクロメートルから0.5マイクロメートル程度厚くすればよい。
隔壁7を形成する材料としては、可塑性を持つ材料であれば良いが、例えば金やアルミニウムなどを選択すると、スパッタリングや蒸着などの方法でリッド基板3の表面に金薄膜やアルミニウム薄膜を成膜し、その後リソグラフィ技術によって薄膜の不要な部分をマスクし、ドライエッチングやウェットエッチングなどの方法によって薄膜のマスクされていない部分を選択的に除去するという方法により、容易に高精度な加工を行い、隔壁7を形成することができる。
なお、隔壁7を形成する材料として、例えば金を用い、後述する接合工程において半導体基板2及びリッド基板3を例えば350℃以上、好適には金とシリコンの共晶点である363℃以上の温度に加熱して接触させると、隔壁7と半導体基板2との間で金とシリコンの共晶反応が生じ、強固に接合させることができる。共晶接合を確実に行うためには、半導体基板2とリッド基板3とを400℃以上に加熱し、50kPaから500kPa程度以上の圧力で両者を圧接させるとよい。
次に、接合工程を行う。
図5(e)に示すように、貯留室6と隔壁7とが相対するように半導体基板2とリッド基板3との位置を合わせ、所定の減圧雰囲気またはガス雰囲気に保った図示しない反応室の内部で半導体基板2とリッド基板3とを接触させる。隔壁7は貯留室6の深さよりも厚く形成されているので、はじめに貯留室6の底部と隔壁7とが接触する。さらに半導体基板2とリッド基板3とを所定の圧力で加圧すると、リッド基板3と半導体基板2のフレーム4とが接触するまで隔壁7が塑性変形して半導体基板2に密着しながら厚さを減じるため、格納室5と貯留室6との間が気密に保たれる。
次いで、第1実施形態の製造方法で説明したのと同様に、陽極接合法を用いて半導体基板2のフレーム4とリッド基板3とを強固に接合させて、気密パッケージ1を形成する。陽極接合反応に伴って生じた酸素分子は、フレーム4とリッド基板3の接合面を拡散して貯留室6に到達するが、隔壁7によって格納室5と貯留室6の間は気密に保たれているので、酸素分子は格納室5の内部までは侵入せず、格納室5の雰囲気は反応室の内部の減圧雰囲気またはガス雰囲気を保つことができる。
以上に述べたように、本発明にかかる第2実施形態においては、第1実施形態の場合と同様に、隔壁7によって格納室5と貯留室6の間が気密に保たれることを特徴とする。そのため、半導体基板2とリッド基板3とを陽極接合する際に生じる酸素分子は貯留室6までは到達するが、格納室5へは侵入しない。
また、第1実施形態の場合と異なり、半導体基板2の表面に貯留室6を設け、リッド基板3の表面に隔壁7を設けることを特徴とする。そのため、アルミニウムのようにアルカリ金属を含むガラスと陽極接合反応するような材料を隔壁7の材料として選択することができる。また、金などのようにシリコンと共晶接合反応するような材料を隔壁7の材料として選択することができ、半導体基板2とリッド基板3とを共晶点以上の温度に加熱して接触させると、隔壁7と半導体基板2とが共晶接合反応するため、貯留室6と格納室5との間の気密をより強固に保つことができる。
(第3実施形態)
次に、本発明にかかる第3実施形態を、図6を参照して説明する。なお、この第3実施形態においては、第1実施形態及び第2実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図6(a)は半導体基板2とリッド基板3とを接合する前の状態を示している。第3実施形態においては、貯留室6及び隔壁7をリッド基板3の表面に設けたことを特徴としている。貯留室6及び隔壁7は、第1実施形態の場合と同様に格納室5を取り囲むように形成されている。
図6(b)は半導体基板2とリッド基板3とを接合し、気密パッケージ1を形成した状態を示している。第1実施形態及び第2実施形態の場合と同様に、隔壁7を貯留室6の深さよりも厚く形成すると、隔壁7が半導体基板2及びリッド基板3に密着して格納室5と貯留室6の間を気密に保つことができる。
次に、第3実施形態の製造方法について、図7を参照して説明する。
本実施形態の気密パッケージ1の製造工程は、半導体基板形成工程と、リッド基板形成工程と、接合工程とを適宜行って製造する方法である。
まず、半導体基板形成工程を行う。
図7(a)に示すように、シリコンからなる半導体基板2を準備する。
次に、図7(b)に示すように半導体基板2の所定の領域を選択的に除去し、第1実施形態及び第2実施形態の場合と同様にフレーム4及び格納室5を設ける。
なお、本実施例においては格納室5の深さを半導体基板2の厚さよりも小さくした例を挙げたが、半導体基板2の所定の領域を除去して貫通し、一方の表面に他の基板を接合して格納室5を形成してもかまわない。
次に、リッド基板形成工程を行う。
まず、図7(c)に示すように、ホウ珪酸ガラスなどのアルカリ金属を含むガラスからなるリッド基板3を準備する。
次に、図7(d)に示すように、後述する接合工程において半導体基板2とリッド基板3とを接触させたときにフレーム4と格納室5の境界に対向するようにリッド基板3の表面の所定の領域を選択的に除去して貯留室6を形成する。リッド基板3の表面を選択的に除去する方法としては、RIEによるドライエッチングや、フッ酸によるウェットエッチングなどを選択することができる。
次に、貯留室6の底部に、図7(e)に示すようにリッド基板3の表面に隔壁7を形成する。隔壁7の厚さは、第1実施形態の場合と同様に、貯留室6の深さよりも0.1マイクロメートルから0.5マイクロメートル程度厚くすればよい。
隔壁7を形成する材料としては、可塑性を持つ材料であれば良いが、例えば金やアルミニウムなどを選択すると、スパッタリングや蒸着などの方法でリッド基板3の表面に金薄膜やアルミニウム薄膜を成膜し、その後リソグラフィ技術によって薄膜の不要な部分をマスクし、ドライエッチングやウェットエッチングなどの方法によって薄膜のマスクされていない部分を選択的に除去するという方法により、容易に高精度な加工を行い、隔壁7を形成することができる。
なお、隔壁7を形成する材料として、例えば金を用い、後述する接合工程において半導体基板2及びリッド基板3を、例えば350℃以上、好適には金とシリコンの共晶点である363℃以上に加熱して接触させると、隔壁7と半導体基板2との間で金とシリコンの共晶反応が生じ、強固に接合させることができる。共晶接合を確実に行うためには、半導体基板2とリッド基板3とを400℃以上に加熱し、50kPaから500kPa程度以上の圧力で両者を圧接させるとよい。
次に、接合工程を行う。
図7(f)に示すように、貯留室6と、フレーム4と格納室5の境界とが相対し隔壁7がフレーム4に接触するように半導体基板2とリッド基板3との位置を合わせ、所定の減圧雰囲気またはガス雰囲気に保った図示しない反応室の内部で半導体基板2とリッド基板3とを接触させる。隔壁7は貯留室6の深さよりも厚く形成されているので、はじめにフレーム4と隔壁7とが接触する。さらに半導体基板2とリッド基板3とを所定の圧力で加圧すると、リッド基板3と半導体基板2のフレーム4とが接触するまで隔壁7が塑性変形して半導体基板2に密着しながら厚さを減じるため、格納室5と貯留室6との間が気密に保たれる。
次いで、第1実施形態の製造方法で説明したのと同様に、陽極接合法を用いて半導体基板2のフレーム4とリッド基板3とを強固に接合させて、気密パッケージ1を形成する。陽極接合反応に伴って生じた酸素分子は、フレーム4とリッド基板3の接合面を拡散して貯留室6に到達するが、隔壁7によって格納室5と貯留室6の間は気密に保たれているので、酸素分子は格納室5の内部までは侵入せず、格納室5の雰囲気は反応室の内部の減圧雰囲気またはガス雰囲気を保つことができる。
以上に述べたように、本発明にかかる第3実施形態においては、第1実施形態及び第2実施形態の場合と同様に、隔壁7によって格納室5と貯留室6の間が気密に保たれることを特徴とする。そのため、半導体基板2とリッド基板3とを陽極接合する際に生じる酸素分子は貯留室6までは到達するが、格納室5へは侵入しない。
また、第2実施形態の場合と同様に、リッド基板3の表面に隔壁7を設けることを特徴とする。そのため、アルミニウムのようにアルカリ金属を含むガラスと陽極接合反応するような材料を隔壁7の材料として選択することができる。また、金などのようにシリコンと共晶接合反応するような材料を隔壁7の材料として選択することができ、半導体基板2とリッド基板3とを共晶点以上の温度に加熱して接触させると、隔壁7とリッド基板3とが共晶接合反応するため、貯留室6と格納室5との間の気密をより強固に保つことができる。
また、第2実施形態の場合と異なり、リッド基板3の表面に貯留室6及び隔壁7を設けることを特徴とする。そのため、リソグラフィ技術の精度の範囲内で貯留室6及び隔壁7を形成することができ、貯留室6を小型化でき、気密パッケージ1を小型化することができる。
(第4実施形態)
次に、本発明にかかる第4実施形態を、図8を参照して説明する。なお、この第4実施形態においては、第1実施形態から第3実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図8(a)は半導体基板2とリッド基板3とを接合する前の状態を示している。第4実施形態においては、半導体基板側隔壁9を半導体基板2の表面に設け、リッド基板側隔壁10をリッド基板3の表面に設けたことを特徴としている。半導体基板側隔壁9とリッド基板側隔壁10は相対する位置に設けられている。本実施例では貯留室6を半導体基板2の表面に設けた例を示したが、リッド基板3の表面に設けてもかまわない。貯留室6、半導体基板側隔壁9及びリッド基板側隔壁10は、第1実施形態の場合と同様に格納室5を取り囲むように形成されている。

図8(b)は半導体基板2とリッド基板3とを接合し、気密パッケージ1を形成した状態を示している。半導体基板側隔壁9とリッド基板側隔壁10をあわせた厚さが貯留室6の深さよりも厚くなるように形成すると、半導体基板側隔壁9とリッド基板側隔壁10とが互いに塑性変形しながら密着して格納室5と貯留室6の間を気密に保つことができる。
次に、第4実施形態の製造方法について、図9から図12を参照して説明する。
本実施形態の気密パッケージ1の製造工程は、半導体基板形成工程と、リッド基板形成工程と、接合工程とを適宜行って製造する方法である。
まず、半導体基板形成工程を行う。
はじめに、図9(a)に示すようにシリコンからなる半導体基板2を準備する。
次に、図9(b)に示すように、第1実施形態の場合と同様に半導体基板2の表面の所定の領域を選択的に除去し、貯留室6を設ける。
次に、図9(c)に示すように、半導体基板側隔壁9を設ける。
次に、図9(d)に示すように、第1実施形態の場合と同様に半導体基板2の表面の所定の領域を除去し、フレーム4及び格納室5を形成する。なお、本実施例においては格納室5の深さを半導体基板2の厚さよりも小さくした例を挙げたが、半導体基板2の所定の領域を除去して貫通し、一方の表面に他の基板を接合して格納室5を形成してもかまわない。
次に、リッド基板形成工程を行う。
まず、図10(a)に示すように、ホウ珪酸ガラスなどアルカリ金属を含むガラスからなるリッド基板3を準備する。
次に、図10(b)に示すように、リッド基板3の表面の所定の位置に、後述する接合工程において半導体基板側隔壁9と相対するような位置に、リッド基板側隔壁10を形成する。半導体基板側隔壁9とリッド基板側隔壁10は、両者を合計した厚さが貯留室6の深さよりも0.1マイクロメートルから0.5マイクロメートル程度厚くなるように形成すればよい。
また、半導体基板側隔壁9とリッド基板側隔壁10を形成する材料としては、いずれか一方または両者ともに金やアルミニウムなど、可塑性の材料を用いればよい。
次に、接合工程を行う。
図10(c)に示すように、半導体基板側隔壁9とリッド基板側隔壁10とが相対するように半導体基板2とリッド基板3の位置を合わせ、両者を接触させる。半導体基板側隔壁9とリッド基板側隔壁10を合計した厚さは貯留室6の深さよりも厚く形成されているので、まず半導体基板側隔壁9とリッド基板側隔壁10とが接触する。さらに半導体基板2とリッド基板3とを所定の圧力で加圧すると、リッド基板3と半導体基板2のフレーム4とが接触するまで半導体基板側隔壁9とリッド基板側隔壁10とが密着しながら塑性変形して厚さを減じるため、格納室5と貯留室6との間が気密に保たれる。
次いで、第1実施形態の製造方法で説明したのと同様に、陽極接合法を用いて半導体基板2のフレーム4とリッド基板3とを強固に接合させて、気密パッケージ1を形成する。陽極接合反応に伴って生じた酸素分子は、フレーム4とリッド基板3の接合面を拡散して貯留室6に到達するが、半導体基板側隔壁9及びリッド基板側隔壁10によって格納室5と貯留室6の間は気密に保たれているので、酸素分子は格納室5の内部までは侵入せず、格納室5の雰囲気は反応室の内部の減圧雰囲気またはガス雰囲気を保つことができる。
なお、半導体基板側隔壁9とリッド基板側隔壁10のうち少なくともいずれか一方を、金とスズからなる合金や、銀とスズからなる合金など、共晶点以上の温度で溶融するような材料を用いて形成し、接合工程において半導体基板2とリッド基板3とを共晶点以上の温度に加熱して接触させると、半導体基板側隔壁9とリッド基板側隔壁10とが溶融しながら塑性変形して密着するので、格納室5と貯留室6の間の気密を確実に保つことができる。なお、金とスズからなる合金の共晶点は約270℃、銀とスズからなる合金の共晶点は約250℃なので、それ以上の温度で半導体基板2とリッド基板3とを接触させればよい。また、半導体基板2の材料としてシリコンを選択し、リッド基板3の材料としてホウ珪酸ガラスを選択すると、両基板の熱膨張率がおよそ300℃で一致するので、300℃に加熱すると、基板の反りを発生させることなく半導体基板2とリッド基板3とを接合させるとともに半導体基板側隔壁9とリッド基板側隔壁10とが共晶反応によって溶融しながら互いに密着するので、格納室5と貯留室6の間をより確実に気密に保つことができる。
また、半導体基板側隔壁9とリッド基板側隔壁10のうちいずれか一方を他方よりも細くなるように形成してもよい。図11は、図10(c)の円Bで囲まれた部分を拡大した部分図であり、半導体基板側隔壁9をリッド基板側隔壁10よりも細くなるように形成した例を示している。なお、リッド基板側隔壁10を半導体基板側隔壁9より細くなるように形成してもかまわない。
図11(a)は半導体基板2とリッド基板3とを接合する前の状態を示し、図11(b)は半導体基板2とリッド基板3とを接合して気密パッケージ1を形成した状態を示している。
このように構成すると、半導体基板側隔壁9はリッド基板側隔壁10よりも細いため、図11(b)に示すように、半導体基板2とリッド基板3とを所定の圧力で接触させると、リッド基板側隔壁10に半導体基板側隔壁9が嵌入するため、格納室5と貯留室6との間の気密を確実に保つことができる。
また、この場合において、半導体基板側隔壁9をリッド基板側隔壁10よりも硬い材料を用いて形成すると、より容易に半導体基板側隔壁9をリッド基板側隔壁10に嵌入させることができる。例えば、半導体基板側隔壁9をシリコンや酸化シリコンで形成し、リッド基板側隔壁10を金やアルミニウムなどで形成しても良い。半導体基板側隔壁9をシリコンで形成する場合には、半導体基板2の表面の所定の位置を選択的に除去して貯留室6及び半導体基板側隔壁9を形成するような方法を採用することができる。
なお、半導体基板側隔壁9の材料としてシリコンを選択すると、リッド基板側隔壁10を形成する材料としては、金など、シリコンと陽極接合反応しない材料を選択する必要がある。
また、半導体基板形成工程において、半導体基板側隔壁9を形成する方法として、TMAH水溶液や水酸化カリウム水溶液のような強アルカリ性エッチャントによるウェットエッチングにより半導体基板2の表面の所定の位置を選択的に除去する方法を用いることができる。図12は、図10(c)の円Bで囲まれた部分を拡大した部分図であり、半導体基板側隔壁9を形成する方法としてウェットエッチングを用いた例を示している。
図12(a)は半導体基板2とリッド基板3を接合する前の状態を示している。半導体基板2の材料として、表面が(100)方向の結晶面であるようなシリコン基板を採用し、強アルカリ性エッチャントによるウェットエッチングを行うと、(111)面を側面とする半導体基板側隔壁9を形成することができる。
図12(b)は半導体基板2とリッド基板3とを接合して気密パッケージ1を形成した状態を示している。シリコンのウェットエッチングを利用して(111)面を側面とする半導体基板側隔壁9を形成すると、接合工程において、接触時の圧力が半導体基板側隔壁9の先端に集中するので、半導体基板側隔壁9をリッド基板側隔壁10に容易に嵌入させることができ、格納室5と貯留室6の間の気密を確実に保つことができる。
また、半導体基板側隔壁9の材料としてシリコンを選択し、リッド基板側隔壁10の材料として金を選択することができる。このように構成すると、接合工程において、半導体基板2とリッド基板3とを約360℃以上に加熱しながら接触させると金とシリコンの共晶反応により、半導体基板側隔壁9とリッド基板側隔壁10とが強固に接合し、格納室5と貯留室6の間の気密を確実に保つことができる。
以上に述べたように、本発明にかかる第4実施形態においては、半導体基板側隔壁9とリッド基板側隔壁10とが密着して、格納室5と貯留室6の間が気密に保たれることを特徴とする。そのため、半導体基板2とリッド基板3とを陽極接合する際に生じる酸素分子は貯留室6までは到達するが、格納室5へは侵入しない。
また、半導体基板側隔壁9とリッド基板側隔壁10のうち少なくともいずれか一方を金とスズからなる合金や銀とスズからなる合金など、共晶点以上の温度で溶融するような材料を用いて形成し、共晶点以上の温度で加熱して半導体基板2とリッド基板3とを接触させると、半導体基板側隔壁9とリッド基板側隔壁10とが溶融しながら密着するので、格納室5と貯留室6の間の気密をより確実に保つことができる。
また、半導体基板側隔壁9とリッド基板側隔壁10のいずれか一方を他方よりも細く形成し、細く形成した側の隔壁を他方より硬い材料で形成すると、細く形成した側の隔壁を他方へ嵌入させることができるので、格納室5と貯留室6の間の気密をより確実に保つことができる。
また、半導体基板側隔壁9の材料をシリコンとし、強アルカリ性エッチャントによるウェットエッチングを用いて形成すると、異方性エッチングにより(111)面を側面とする半導体基板側隔壁9を形成することができる。このように形成すると、半導体基板側隔壁9をリッド基板側隔壁10により容易に嵌入させることができるので、格納室5と貯留室6の間の気密をより確実に保つことができる。
また、半導体基板側隔壁9の材料をシリコンとし、リッド基板側隔壁10の材料を金として、約360℃以上に保ちながら半導体基板2とリッド基板3とを接触させると、共晶反応によって半導体基板側隔壁9とリッド基板側隔壁10とが溶融しながら密着するので、格納室5と貯留室6の間の気密をより確実に保つことができる。
(第5実施形態)
次に、本発明に係る第5実施形態を、図13及び図14を参照して説明する。
なお、本実施形態では、本発明に係る気密パッケージの具体的な一例として、揺動自在に保持された錘を、該錘に対向し所定の間隔を空けて設けられた駆動電極から静電引力によって振動させ、該錘に対向し所定の間隔を空けて設けられた検出電極と錘との静電容量の変化によって錘の変位を検出し、印加された角速度を測定する静電駆動静電検出型角速度センサを例に挙げて説明する。
図13は、本実施形態の角速度センサ21の平面図であり、簡単のために上部リッド基板26及び下部リッド基板27を省略し、半導体基板22の支持層24の側から見た図である。
また、図14は、図13の角速度センサ21のCC線における断面図である。この図14に示すように、角速度センサ21は、所定間隔を空けた状態で互いに平行配置された例えばホウ珪酸ガラスなどのアルカリ金属を含むガラスからなる上部リッド基板26及び下部リッド基板27と、上部リッド基板26と下部リッド基板27との間に挟まれた状態で接合された、例えばシリコンからなる半導体基板22とからなり、半導体基板22からなり枠状に形成されたフレーム32と、フレーム32と上部リッド基板26及び下部リッド基板27とで囲まれた格納室28と、半導体基板22からなり格納室28内に設けられた錘29と、この錘29と前記フレーム32とを接続して錘29を揺動自在に保持するバネ30と、錘29に対向し所定の間隔を空けて下部リッド基板27上に形成された駆動電極33と、錘29に対向し所定の間隔を空けて上部リッド基板26上に形成された検出電極34と、半導体基板22からなり格納室28内に設けられ駆動電極33及び検出電極34に接続するアイランド31と、上部リッド基板26にも受けられてアイランド31と接続する外部電極36とを備えている。
なお、本実施形態においては、半導体基板22として、活性層23及び支持層24並びに埋め込み酸化膜層25を備えるSOI(Silicon On Insulator)基板を用いた。SOI基板を用いると、後述するようにバネ30の厚さを精度よく形成することができるので、バネ30の振動特性のばらつきが小さい角速度センサを得ることができる。
支持層24には格納室28を取り囲むようにして貯留室37が設けられ、貯留室37と格納室28とを隔てて支持層24及び下部リッド基板27に接続された隔壁38が設けられている。さらに、アイランド31を構成する支持層24には格納室28に取り囲まれるようにして第2の貯留室37Aが設けられ、第2の貯留室37Aと格納室28とを隔てて支持層24及び下部リッド基板27に接続された第2の隔壁38Aが設けられている。隔壁38,38Aは例えばアルミニウムや金のような可塑性の材料からなり、支持層24及び下部リッド基板27に密着しているので、貯留室37,37Aと格納室28の間は気密に保持されている。そのため、後述する下部リッド基板接合工程において支持層24と下部リッド基板27とを陽極接合する際に生じる酸素分子は接合界面を拡散して貯留室37,37Aに到達するが、格納室28には侵入せず、格納室28内の減圧雰囲気または所定のガス雰囲気を保つことができる。なお、貯留室37,37A及び隔壁38,38Aについては、第2実施例で説明したのと同様の構成を例に挙げて説明するが、第1実施形態から第4実施形態のうちどの構成を採用してもかまわない。
このように構成した角速度センサ21において、外部電極36及びアイランド31を介して駆動電極33に所定の波形の電気信号を入力すると、電気信号の波形に従って駆動電極33と錘29との間に静電引力が生じ、錘29は所定の振動数で振動する。
この状態で角速度センサ21に角速度を印加すると、錘29にコリオリ力が作用して振動の方向が変化する。それにしたがって、錘29と検出電極34の間の静電容量が変化する。この静電容量の変化をアイランド31及び外部電極36を介して電気信号として出力すると、角速度センサ21に印加された角速度の大きさ及び方向を検出することができる。
また、本実施形態においては、上部リッド基板26に検出電極34を、下部リッド基板27に駆動電極33を配置した例を挙げたが、これらの電極の配置は適宜変更してもかまわない。また、上部リッド基板26及び下部リッド基板27の両方に駆動電極33及び検出電極34を形成してもかまわない。
また、本実施形態においては、支持層24に貯留室37,37Aを設け、支持層24と下部リッド基板27を接続するように隔壁38,38Aを設けた例を挙げたが、本実施形態の製造方法で後述するように、この場合はまず活性層23と上部リッド基板26を接合した後、支持層24と下部リッド基板27とを接合しなければならない。活性層23に貯留室37,37Aを設け、活性層23と上部リッド基板26を接続するように隔壁38,38Aを設けても良いが、この場合は支持層24と下部リッド基板27を接合した後に活性層23と上部リッド基板26とを接合しなければならない。なお、活性層23と支持層24の両方に貯留室37,37Aを設け、そのいずれにも隔壁38,38Aを設ける場合には、上部リッド基板26と下部リッド基板27のいずれを先に接合してもかまわない。
また、本実施形態では角速度センサを例に挙げて説明したが、同様の構成で駆動電極33を設けず、錘29を振動させない加速度センサであっても良い。
また、同様の構成で検出電極34を設けず、錘29を振動させる発振器であっても良い。
次に、このように構成された角速度センサ21の製造方法について、図15から図18を参照して説明する。図15から図18は、角速度センサ21を製造する際の各工程を示すものであり、図13のCC線における断面図に対応している。なお、以下に示す製造工程は、多数の角速度センサを製造可能なサイズの半導体基板22及び上部リッド基板26並びに下部リッド基板27によって行われ、最終的に微小な角速度センサ21に個片化されるものであるが、図15から図18においては、説明を簡略化するため、単体の角速度センサ21を抜き出して図示している。
本実施形態の角速度センサ21の製造方法は、半導体基板形成工程と、リッド基板形成工程と、第1の接合工程と、格納室形成工程と、第2の接合工程と、外部電極形成工程を適宜行って製造する方法である。
まず、半導体基板形成工程を行う。まず、図15(a)に示すように、シリコンからなる半導体基板22を準備する。半導体基板22としては、前述したように、活性層23及び支持層24並びに埋め込み酸化膜層25からなるSOI基板を選択することができる。
次に、図15(b)に示すように、支持層24の表面の所定の位置を選択的に除去し、例えば深さ0.1マイクロメートル程度以上の深さの貯留室37,37Aを設ける。貯留室37,37Aは、後述する格納室28を取り囲むように配置すればよい。支持層24の表面を選択的に除去する方法としては、第1実施形態から第4実施形態で説明したように、RIEによるドライエッチングや、TMAHなどのアルカリ性エッチャントによるウェットエッチングなどを選択することができる。
貯留室37,37Aを設ける面としては、後述する第2の接合工程においてリッド基板を接合する面であればよい。これは、第1の接合工程においては格納室28は密閉されていないので、陽極接合により生じた酸素分子は大気中に放散されるためである。本実施例では後述するように第2の接合工程において支持層24と下部リッド基板27とを接合する場合を例としてあげたので、支持層24の表面に貯留室37,37Aを設ける。
次に、図15(c)に示すように、RIEによるドライエッチングやアルカリ性エッチャントによるウェットエッチングなどの方法によって、活性層23の表面の所定の位置を選択的に除去し、上部センサギャップ39を設ける。上部センサギャップ39は、後述する錘29とバネ30とが揺動自在に保持されるように、上部リッド基板26に対して所定の間隔を持って錘29及びバネ30が配置されるようにするためのものである。上部センサギャップ39の深さは、錘29及びバネ30が揺動自在に保持される程度であれば良く、例えば1マイクロメートル程度以上とすることができる。ただし、本実施例のように上部リッド基板26に検出電極34を設ける場合には錘30と検出電極34の間の静電容量をなるべく大きくするように両者の間隔を設定する必要がある。また、上部リッド基板27に駆動電極33を設ける場合にも、錘30と駆動電極33の間に作用する静電引力をなるべく大きくするように両者の間隔を設定する必要がある。そのため、上部センサギャップ39の深さは例えば10マイクロメートル程度以下とすることが望ましい。なお、ピエゾ抵抗による検出方式などを採用する場合には、上部センサギャップ39の深さはこの限りではない。
次に、図15(d)に示すように、RIEによるドライエッチングやアルカリ性エッチャントによるウェットエッチングなどの方法によって、支持層24の表面の所定の位置を選択的に除去し、下部センサギャップ40を設ける。上部センサギャップ39の場合と同様の理由によって、下部センサギャップ40の深さは例えば1マイクロメートル程度以上、10マイクロメートル程度以下に設定するのが望ましい。
次に、図15(e)に示すように、活性層23の表面の所定の位置を選択的に除去し、錘29の活性層側、バネ30、アイランド31の活性層側及びフレーム32の活性層側を形成する。半導体基板22としてSOI基板を用いると、埋め込み酸化膜層25をエッチングストップ層として利用することができるので、バネ30の厚さを精度よく加工することができる。活性層23の表面の所定の位置を選択的に除去する方法としては、RIEによるドライエッチングやアルカリ性エッチャントによるウェットエッチングなどの方法のほか、所定の時間間隔でエッチングと保護膜成膜を繰り返して行うボッシュプロセスを利用したDeep RIE技術を用いることができる。Deep RIE技術を用いると、側壁を保護しながらエッチングできるので、垂直に近い角度の側壁を得ることができる。これにより、精度の良い加工ができるとともに、エッチングする領域を狭くすることができデバイスを小型化することができる。
次に、リッド基板形成工程を行う。まず、図16(a)に示すようにホウ珪酸ガラスなどのアルカリ金属を含むガラスからなる上部リッド基板26を準備する。
次に、図16(b)に示すように、上部リッド基板26の所定の位置を選択的に除去し、後述する第1の接合工程を行ったときにアイランド31に連通するように貫通孔35を形成する。上部リッド基板26の所定の位置を選択的に除去する方法としては、フッ酸水溶液をエッチャントとするウェットエッチングや、RIEによるドライエッチング、レーザー照射による加工などを選択することができる。また、サンドブラスト技術を用いると、簡便に貫通孔35を形成することができる。また、ホットエンボス技術を用いて上部リッド基板26に凹部を形成し、残存した部分を研磨などの方法で除去することにより、貫通孔35を形成することができる。ホットエンボス技術を用いると、型による成型なので加工精度の良い貫通孔を得ることができ、小型化することができる。また、貫通孔35の断面形状を図16(b)に示すようにテーパ状に形成すると、後述する外部電極形成工程において、スパッタリングや蒸着などの方法を用いて貫通孔35の側壁に導電性薄膜を成膜して外部電極を形成することができ、デバイスの信頼性を向上させることができる。
次に、図16(c)に示すように、後述する第1の接合工程を行ったときに錘29と対向するように、上部リッド基板26の表面にアルミニウムや金など導電性の薄膜からなる検出電極34を形成する。検出電極34を形成する方法として、例えば以下のような方法が用いられる。
まず上部リッド基板26の表面にスパッタリングやめっき、蒸着、CVD、イオンプレーティングなどの方法を用いて導電性薄膜を形成する。次に、リソグラフィ技術を用いて検出電極34となる部分をレジストでマスクし、ウェットエッチングやドライエッチングなどの方法を用いて導電性薄膜の不要な部分を選択的に除去する。
次に、図16(d)に示すように、ホウ珪酸ガラスなどのアルカリ金属を含むガラスからなる下部リッド基板27を準備する。
次に、図16(e)に示すように、後述する第2の接合工程を行ったときに錘29に対向するように、下部リッド基板27の表面にアルミニウムや金など導電性の薄膜からなる駆動電極33を、検出電極34と同様の方法で形成する。
次に、図16(f)に示すように、後述する第2の接合工程を行ったときに貯留室37,37Aと対向し格納室28を取り囲むように隔壁38,38Aを設ける。隔壁38,38Aは、金やアルミニウムなど、可塑性の材料を用いて、貯留室37,37Aの深さよりも0.1マイクロメートルから0.5マイクロメートル程度厚くなるように形成すればよい。
また、導電性の材料を用いて隔壁38,38Aを形成する場合には、駆動電極33を形成する工程において同時に形成すると、工数を減らすことができる。
また、隔壁38,38Aの材料として金を選択し、後述する第2の接合工程において360℃程度以上の温度で半導体基板22と下部リッド基板27とを接触させると、貯留室37,37Aの底部と隔壁38,38Aとが共晶反応して溶融しながら密着するので、貯留室37,37Aと格納室28の間の気密をより確実に保つことができる。
また、隔壁38,38Aの材料として金とスズからなる合金や、銀とスズからなる合金など、共晶点以上で溶融するような材料を選択し、後述する第2の接合工程において共晶点以上の温度で半導体基板22と下部リッド基板27とを接触させると、隔壁38,38Aが共晶反応して溶融しながら密着するので、貯留室37,37Aと格納室28の間の気密をより確実に保つことができる。
次に、第1の接合工程を行う。図17(a)に示すように、貫通孔35がアイランド31に連通し、検出電極34が錘29と対向するように、半導体基板22の活性層23と上部リッド基板26とを接触させる。次いで、活性層23と上部リッド基板26とを陽極接合技術を用いて接合する。
陽極接合技術は以下のとおりである。ホウ珪酸ガラスのようなアルカリ金属を含むガラス基板と、シリコン基板とを接触させ、250℃から500℃の間の温度に加熱する。このようにすると、ガラス基板に含まれるアルカリ金属が流動性を持ち、導電性を持つようになる。このとき、両基板に10kgから1000kgの荷重を加え、より密着するようにしても良い。次いで、シリコン基板を陽極とし、ガラス基板を陰極として200Vから1000Vの電圧を印加すると、両者の間に静電引力が作用して両者が密着される。さらに、両者の間に電流が流れ、電気化学反応が進行してシリコン表面とガラス表面の間に酸素原子によるブリッジが生じ、ガラス基板とシリコン基板とは強固に接合される。この酸素原子のブリッジが生じる際に余剰の酸素原子が生じ、酸素分子となって接合界面を拡散する。
本実施例の第1の接合工程で活性層23と上部リッド基板26とを陽極接合した際に生じる酸素分子は、接合界面を拡散して格納室28に到達する。しかし、後述するエッチング工程において格納室28は一度大気開放されるので、大気中に放散される。したがって、第1の接合工程を行う側の面には貯留室や隔壁を設ける必要はない。
次に、格納室形成工程を行う。図17(b)に示すように、支持層24の表面の所定の領域を選択的に除去し、錘29の支持層側、アイランド31の支持層側及びフレーム32の支持層側を形成する。本実施例のように半導体基板22としてSOI基板を用いる場合には、埋め込み酸化膜層25をエッチングストップとして利用することができるので、バネ30の厚さを精度良く形成することができる。
支持層24の表面の所定の領域を選択的に除去する方法としては、RIEによるドライエッチングや、アルカリ性エッチャントによるウェットエッチング、ボッシュプロセスを用いたDeep RIE技術などを選択することができる。Deep RIE技術を用いると、側壁を保護しながらエッチングできるので、垂直に近い角度の側壁を得ることができる。これにより、精度の良い加工ができるとともに、エッチングする領域を狭くすることができデバイスを小型化することができる。
次に、図17(c)に示すように、埋め込み酸化膜層25のうち露出した部分をRIEによるドライエッチングやフッ酸によるウェットエッチングなどの方法を用いて、選択的に除去する。
次に、第2の接合工程を行う。所定の減圧雰囲気または所定のガス雰囲気に保った図示しない反応槽内部で、図18(a)に示すように、駆動電極33が錘29と対向するように、半導体基板22の支持層24と下部リッド基板27とを接触させる。このとき、隔壁38,38Aは貯留室37,37Aの深さよりも厚い薄膜を用いて形成しているので、まず隔壁38,38Aと貯留室37,37Aの底部とが接触する。さらに半導体基板22及び下部リッド基板27に所定の圧力を加えると、隔壁38,38Aは可塑性の材料から形成されているので、貯留室37,37Aの底部と下部リッド基板27との間に挟まれて両者に密着されながら厚さを減じ、変形する。この変形は、半導体基板22に形成されたフレーム32と下部リッド基板27とが接触するまで行われる。
このとき、フレーム32と上部リッド基板26及び下部リッド基板27とに囲まれた空間が格納室28となる。格納室28の内部には角速度センサ21の機能部である錘29、バネ30、アイランド31、駆動電極33、検出電極34が格納される。
次に、支持層24と下部リッド基板27とを250℃から500℃の間の温度に加熱する。加熱は支持層24と下部リッド基板27とを接触させ、隔壁38,38Aを変形させて両基板を密着させてから行っても良いし、あらかじめ支持層24と下部リッド基板27とを加熱しておいて両者を接触させても良い。このとき、図示しない反応槽内部を所定の減圧雰囲気または所定のガス雰囲気に設定すると、格納室28の内部が反応槽内部と同じ雰囲気となる。
次に、支持層24を陽極とし、下部リッド基板27を陰極として200Vから1000V程度の電圧を印加し、両基板を陽極接合する。陽極接合時に支持層24と下部リッド基板27との間の電気化学反応に起因する酸素分子が発生し、両者の界面を拡散して貯留室37,37Aに到達する。しかし、隔壁38,38Aが貯留室37,37Aの底部と下部リッド基板27とに密着して格納室28と貯留室37,37Aの間を気密に保つため、酸素分子は貯留室37,37Aにとどまり、格納室28には侵入しない。そのため、格納室28の内部は図示しない反応槽内部の所定の減圧雰囲気または所定のガス雰囲気に保たれる。
隔壁38,38Aの材料として、金を選択し、支持層24と下部リッド基板27の温度を360℃以上に加熱して半導体基板22と下部リッド基板27とを圧接すると、金とシリコンの共晶反応により、隔壁38,38Aと貯留室37,37Aの底部とが溶融しながら密着されるので、格納室28と貯留室37,37Aの間の気密をより確実に保つことができる。
また、隔壁38,38Aの材料として、金とスズからなる合金や銀とスズからなる合金など共晶点以上の温度で溶融するような材料を選択し、支持層24と下部リッド基板27の温度を隔壁38,38Aの共晶点よりも高い温度に加熱して半導体基板22と下部リッド基板27とを圧接すると、隔壁38,38Aが溶融しながら密着されるので、格納室28と貯留室37,37Aの間の気密をより確実に保つことができる。
最後に、外部電極形成工程を行う。図18(b)に示すように、上部リッド基板26に設けられた貫通孔35の少なくとも内周面を覆い、アイランド31と電気的に接続された導電性を持つ外部電極36を形成する。外部電極36を形成する方法としては、スパッタリングや蒸着、めっき、Chemical Vapor Deposition(CVD)、イオンプレーティングなどの方法を用いて成膜し、ドライエッチングやウェットエッチングなどを用いて所定の領域を選択的に除去すればよい。また、貫通孔35に導電性ペーストなどを充填してもよい。
以上に述べたように、本発明に係る第5実施形態においては、隔壁38,38Aによって格納室28と貯留室37,37Aの間が気密に保たれることを特徴とする。そのため、支持層24と下部リッド基板27とを陽極接合する際に生じる酸素分子は貯留室37,37Aまでは到達するが、格納室28へは侵入せず、所定の減圧雰囲気またはガス雰囲気を保つことができる。
また、この気密パッケージの内部にはバネ30によって揺動自在に保持された錘29と、錘29を静電引力によって振動させる駆動電極33と、錘29の変位を静電容量の変化によって検出し、電気信号を出力する検出電極34とを備えていることを特徴とする。そのため、この気密パッケージに角速度を印加すると、それに応じた電気信号を出力する角速度センサとして機能する。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
本発明に係る第1実施形態の気密パッケージの断面図である。 図1に示す気密パッケージの平面図である。 図1に示す気密パッケージの製造方法を示す工程図の断面図である。 本発明に係る第2実施形態の気密パッケージの断面図である。 図4に示す気密パッケージの製造方法を示す工程図の断面図である。 本発明に係る第3実施形態の気密パッケージの断面図である。 図6に示す気密パッケージの製造方法を示す工程図の断面図である。 本発明に係る第4実施形態の気密パッケージの断面図である。 図7に示す気密パッケージの製造方法を示す工程図であって、半導体基板形成工程を示す断面図である。 図7に示す気密パッケージの製造方法を示す工程図であって、リッド基板形成工程及び接合工程を示す断面図である。 図7に示す気密パッケージの製造方法を示す工程図であって、接合工程における貯留室及び隔壁の状態を示す部分図である。 図7に示す気密パッケージの製造方法を示す工程図であって、接合工程における貯留室及び隔壁の状態を示す部分図である。 本発明に係る第5実施形態の静電駆動静電検出型角速度センサの平面図である。 図13に示す静電駆動静電検出型角速度センサの断面図である。 図13に示す静電駆動静電検出型角速度センサの製造方法を示す工程図であって、半導体基板形成工程を示す断面図である。 図13に示す静電駆動静電検出型角速度センサの製造方法を示す工程図であって、リッド基板形成工程を示す断面図である。 図13に示す静電駆動静電検出型角速度センサの製造方法を示す工程図であって、上部リッド基板接合工程及び格納室形成工程を示す断面図である。 図13に示す静電駆動静電検出型角速度センサの製造方法を示す工程図であって、下部リッド基板接合工程及び外部電極形成工程を示す断面図である。 金−シリコン合金を示す相図である。 従来の気密パッケージの一例を示す断面図である。
符号の説明
1 気密パッケージ
2 半導体基板
3 リッド基板
4 フレーム
5 格納室
6 貯留室
7 隔壁
8 酸素分子
9 半導体基板側隔壁
10 リッド基板側隔壁
21 角速度センサ
22 半導体基板
23 活性層
24 支持層
25 埋め込み酸化膜層
26 上部リッド基板
27 下部リッド基板
28 格納室
29 錘
30 バネ
31 アイランド
32 フレーム
33 駆動電極
34 検出電極
35 貫通孔
36 外部電極
37,37A 貯留室
38,38A 隔壁
39 上部センサギャップ
40 下部センサギャップ
51 従来の気密パッケージ
52 半導体基板
53 リッド基板
54 外枠
55 格納室
56 機能部
57 貯留室
58 外枠とリッド基板の接合界面から発生する酸素分子
59 内枠
60 内枠とリッド基板の接合界面から発生する酸素分子

Claims (12)

  1. アルカリ金属を含むガラスからなるリッド基板と、枠状に形成されたフレームを有し、前記リッド基板に陽極接合される半導体基板と、前記リッド基板及び前記フレームによって囲まれて気密状態に保持されるとともに機能部を格納する格納室と、を有する気密パッケージであって、
    平面視で前記格納室を囲むように設けられ、前記半導体基板又は前記リッド基板の何れか一方の基板の表面を除去して形成された貯留室と、
    前記リッド基板と前記半導体基板と陽極接合により上下に接合する上で、前記貯留室と当該貯留室の形成された基板と対向する基板の表面とを上下にわたって接続するように設けられることで前記格納室と前記貯留室とを隔て、前記陽極接合時には陽極接合反応しない材料からなる隔壁と、を備えることを特徴とする気密パッケージ。
  2. 請求項1に記載の気密パッケージであって、
    前記隔壁は、前記半導体基板に設けられた半導体基板側隔壁と前記リッド基板に設けられたリッド基板側隔壁とが接続されてなる場合、当該半導体基板側隔壁とリッド基板側隔壁のうち少なくともいずれか一方を前記陽極接合時に他方の隔壁と共晶反応する合金又は前記リッド基板にのみ設けられ先端が前記半導体基板の表面と接続される場合、前記陽極接合時に前記半導体基板を構成する材料と共晶反応する材料の何れかであって、前記共晶反応における共晶点以上の温度で溶融されてなることを特徴とする気密パッケージ。
  3. 請求項2に記載の気密パッケージであって、
    前記共晶反応する合金は金及びスズまたは銀及びスズからなる合金であることを特徴とする気密パッケージ。
  4. 請求項2又は3に記載の気密パッケージであって、
    前記隔壁前記半導体基板に設けられた半導体基板側隔壁と前記リッド基板に設けられたリッド基板側隔壁とが接続されてなる場合
    前記半導体基板側隔壁は前記リッド基板側隔壁よりも硬い材料で且つ細く形成されており、
    前記半導体基板側隔壁と前記リッド基板側隔壁とは、前記半導体基板側隔壁の先端が前記リッド基板側隔壁の内部に嵌入されることで密接した状態で接続されることを特徴とする気密パッケージ。
  5. アルカリ金属を含むガラスからなるリッド基板と、枠状に形成されたフレームを有する半導体基板と、前記リッド基板及び前記フレームによって囲まれて気密状態に保持されるとともに機能部を格納する格納室と、を有する気密パッケージの製造方法であって、
    前記半導体基板に貯留室と隔壁と格納室とを形成する半導体基板形成工程と、
    前記リッド基板と前記半導体基板とを接合する接合工程と、を備え、
    前記半導体基板形成工程において前記貯留室は前記半導体基板の表面を除去して平面視で前記格納室を囲むように設けられ、前記隔壁は前記貯留室の底部に該貯留室と前記格納室とを隔て且つ前記貯留室の深さよりも長くなるように設けられ、
    前記接合工程において前記半導体基板と前記リッド基板とを加圧して接触させることで前記隔壁を塑性変形させつつ該半導体基板及び該リッド基板に密着させ、次いで該半導体基板を陽極とし該リッド基板を陰極として電圧を印加し、陽極接合法によって該半導体基板と該リッド基板とを接合させることを特徴とする気密パッケージの製造方法。
  6. アルカリ金属を含むガラスからなるリッド基板と、枠状に形成されたフレームを有する半導体基板と、前記リッド基板及び前記フレームによって囲まれて気密状態に保持されるとともに機能部を格納する格納室と、を有する気密パッケージの製造方法であって、
    前記半導体基板に貯留室と格納室とを形成する半導体基板形成工程と、
    前記リッド基板に隔壁を形成するリッド基板形成工程と、
    前記リッド基板と前記半導体基板とを接合する接合工程と、を備え、
    前記半導体基板形成工程において前記貯留室は前記半導体基板の表面を除去して平面視で前記格納室を囲むように設けられ、
    前記リッド基板形成工程において、前記隔壁は前記リッド基板と前記半導体基板とを接合する際に前記貯留室の底部と相対する位置であって、前記貯留室と前記格納室とを隔て且つ前記貯留室の深さよりも長くなるように設けられ、
    前記接合工程において前記半導体基板と前記リッド基板とを加圧して接触させることで前記隔壁を塑性変形させつつ前記貯留室の底部及び該リッド基板に密着させ、次いで該半導体基板を陽極とし該リッド基板を陰極として電圧を印加し、陽極接合法によって該半導体基板と該リッド基板とを接合させることを特徴とする気密パッケージの製造方法。
  7. アルカリ金属を含むガラスからなるリッド基板と、枠状に形成されたフレームを有する半導体基板と、前記リッド基板及び前記フレームによって囲まれて気密状態に保持されるとともに機能部を格納する格納室と、を有する気密パッケージの製造方法であって、
    前記半導体基板に格納室を形成する半導体基板形成工程と、
    前記リッド基板に貯留室と隔壁とを形成するリッド基板形成工程と、
    前記リッド基板と前記半導体基板とを接合する接合工程と、を備え、
    前記リッド基板形成工程において前記貯留室は前記リッド基板の表面を除去して平面視で前記格納室を囲むように設けられ、前記隔壁は前記貯留室の底部に前記貯留室と前記格納室とを隔て且つ前記貯留室の深さよりも長くなるように設けられ、
    前記接合工程において前記半導体基板と前記リッド基板とを加圧して接触させることで前記隔壁を塑性変形させつつ前記貯留室の底部及び該リッド基板に密着させ、次いで該半導体基板を陽極とし該リッド基板を陰極として電圧を印加し、陽極接合法によって該半導体基板と該リッド基板とを接合させることを特徴とする気密パッケージの製造方法。
  8. 請求項6又は7に記載の気密パッケージの製造方法であって、
    前記隔壁は、前記半導体基板を構成する材料と共晶反応する材料であって、前記共晶反応における共晶点以上の温度で溶融する材料からなり、
    前記接合工程において、前記共晶点以上の温度で前記半導体基板と前記リッド基板とを接触させて前記隔壁を該半導体基板に密着させることを特徴とする気密パッケージの製造方法。
  9. アルカリ金属を含むガラスからなるリッド基板と、枠状に形成されたフレームを有する半導体基板と、前記リッド基板及び前記フレームによって囲まれて気密状態に保持されるとともに機能部を格納する格納室と、を有する気密パッケージの製造方法であって、
    前記半導体基板または前記リッド基板の少なくとも一方に貯留室を形成する貯留室形成工程と、
    前記半導体基板に半導体基板側隔壁と格納室とを形成する半導体基板形成工程と、
    前記リッド基板にリッド基板側隔壁を形成するリッド基板形成工程と、
    前記リッド基板と前記半導体基板とを接合する接合工程と、を備え、
    前記貯留室形成工程において前記貯留室は前記半導体基板または前記リッド基板の少なくとも一方の表面を除去して平面視で前記格納室を囲むように設けられ、
    前記半導体基板形成工程において、前記半導体基板側隔壁は平面視で前記格納室を囲むように設けられ、
    前記リッド基板形成工程において、前記リッド基板側隔壁は平面視で前記格納室を囲み、前記リッド基板と前記半導体基板とを接合する際に前記半導体基板側隔壁と相対する位置に設けられ、
    前記半導体基板側隔壁は、前記リッド基板側隔壁よりも硬い材料からなり、該リッド基板側隔壁よりも細く形成され、前記リッド基板側隔壁の長さを加算した長さが前記貯留室の深さよりも長くなるように設けられ、
    前記接合工程において前記半導体基板と前記リッド基板とを加圧して接触させることで前記半導体基板側隔壁と前記リッド基板側隔壁を塑性変形させて前記半導体基板側隔壁の先端を前記リッド基板側隔壁の内部に嵌入し、当該半導体基板側隔壁とリッド基板側隔壁とを密接させて前記貯留室と前記格納室とを隔てる隔壁を形成し、次いで該半導体基板を陽極とし該リッド基板を陰極として電圧を印加し、陽極接合法によって該半導体基板と該リッド基板とを接合させることを特徴とする気密パッケージの製造方法。
  10. 請求項9に記載の気密パッケージの製造方法であって、
    前記半導体基板側隔壁及びリッド基板側隔壁は、金及びスズまたは銀及びスズからなる合金からなり、
    前記接合工程において、前記半導体基板と前記リッド基板とを前記合金の共晶反応における共晶点以上の温度で接触させることで、前記半導体基板側隔壁と前記リッド基板側隔壁を塑性変形させるとともに溶融させて前記隔壁を形成することを特徴とする気密パッケージの製造方法。
  11. 請求項9に記載の気密パッケージの製造方法であって、
    前記半導体基板形成工程において、前記半導体基板側隔壁はシリコンから形成され、
    前記リッド基板形成工程において、前記リッド基板側隔壁は前記シリコンと共晶反応する金から形成され、
    前記接合工程において、前記半導体基板と前記リッド基板とを前記共晶反応における共晶点である360℃以上の温度で接触させることで、前記半導体基板側隔壁と前記リッド基板側隔壁を塑性変形させるとともに溶融させて前記隔壁を形成することを特徴とする気密パッケージの製造方法。
  12. 請求項1から4のいずれか一項に記載の気密パッケージで構成される角速度センサであって、
    前記機能部が前記フレームにバネを介して支持されて揺動自在に保持された錘であり、
    前記錘を静電引力を利用して振動させる駆動電極と、
    振動状態の前記錘が角速度を受けて変位したときに、該錘の変位を静電容量の変化として出力する検出電極とを備えていることを特徴とする角速度センサ
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