JP2010223599A - 機能素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 シリコン基板とガラス基板との間の接合強度を高める。
【解決手段】 加速度センサ1を、ガラス基板3が表面に取付けられたシリコン基板2を用いて形成する。シリコン基板2には、固定部4、可動部5および支持梁6を形成すると共に、可動部5等を取囲んで第1,第2の封止枠11,13を形成する。そして、第1の封止枠11とガラス基板3との間には、陽極接合によって接合された陽極接合部12を形成する。一方、第2の封止枠13とガラス基板3との間には、陽極接合時の静電力を用いて接合膜15,16が加圧接合された加圧接合部17を形成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば角速度、加速度等の検出や各種の信号処理を行う機能素子部を備えた機能素子に関する。
一般に、機能素子として、角速度センサ、加速度センサ、メカニカルフィルタ等のように、マイクロマシニング技術を用いてシリコン基板等を加工したMEMS(Micro Electro-Mechanical System)素子が知られている。また、他の機能素子として、シリコン基板上に圧電膜を形成したSAW(Surface Acoustic Wave)フィルタ等も知られている(例えば、特許文献1参照)。このような機能素子では、角速度、加速度等の検出や各種の信号処理を行う機能素子部を備えると共に、該機能素子部の特性や信頼性を確保するために、該機能素子部を気密封止している。
特開2008−105162号公報
ところで、従来技術による機能素子では、シリコン、アルミニウム等の材料とガラス基板とを陽極接合することによって、機能素子部を気密封止している。しかし、陽極接合だけでは十分な接合強度が得られないことがあり、接合不良が生じて機能素子部周囲の気密性が損なわれる虞れがある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、シリコン基板とガラス基板との間の接合強度を高めることができる機能素子を提供することにある。
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、機能素子部と、第1の接合部と、第2の接合部とを有してなるシリコン基板と、該シリコン基板の表面に対向して設けられたガラス基板とを備え、該ガラス基板と前記シリコン基板とによって前記機能素子部を封止した機能素子であって、前記第1の接合部と前記ガラス基板とを陽極接合した陽極接合部と、該陽極接合時に発生する静電力を用いて、前記第2の接合部と前記ガラス基板との間に接合用金属を介在させて加圧接合した加圧接合部とを設けたことを特徴としている。
請求項2の発明は、機能素子部と、第1の接合部と、第2の接合部とを有してなるシリコン基板と、該シリコン基板の裏面および表面にそれぞれ対向して設けられた第1,第2のガラス基板とを備え、該第1,第2のガラス基板と前記シリコン基板とによって前記機能素子部を封止した機能素子であって、前記第1の接合部の裏面と前記第1のガラス基板とを陽極接合した裏面側の陽極接合部と、該陽極接合時に発生する静電力を用いて、前記第2の接合部の裏面と前記第1のガラス基板との間に接合用金属を介在させて加圧接合した裏面側の加圧接合部と、前記第1の接合部の表面と前記第2のガラス基板とを陽極接合した表面側の陽極接合部と、該陽極接合時に発生する静電力を用いて、前記第2の接合部の表面と前記第2のガラス基板との間に接合用金属を介在させて加圧接合した表面側の加圧接合部とを設けたことを特徴としている。
請求項3の発明では、前記第1,第2の接合部は、前記機能素子部を取囲む枠形状に形成すると共に、前記第2の接合部を第1の接合部よりも前記機能素子部に近い位置に配置している。
請求項1の発明によれば、シリコン基板の第1,第2の接合部とガラス基板との間には陽極接合部と加圧接合部とを設けたから、シリコン基板とガラス基板とを陽極接合部および加圧接合部によって強固に接合することができ、接合強度を高めることができる。また、陽極接合を行うときには、シリコン基板とガラス基板とを相互に引き付ける大きな静電力が接着圧力として作用する。このため、この静電力を用いてシリコン基板側の接合用金属とガラス基板側の接合用金属とを密着させることができるから、別途に加圧手段を用いることなく、これら2つの接合用金属を圧着することができる。
請求項2の発明によれば、シリコン基板の第1,第2の接合部の裏面と第1のガラス基板との間には裏面側の陽極接合部と裏面側の加圧接合部とを設け、シリコン基板の第1,第2の接合部の表面と第2のガラス基板との間には表面側の陽極接合部と表面側の加圧接合部とを設ける構成とした。このため、シリコン基板と第1,第2のガラス基板とを陽極接合部および加圧接合部によってそれぞれ強固に接合することができ、接合強度を高めることができる。また、陽極接合を行うときには、シリコン基板と第1,第2のガラス基板とを相互に引き付ける大きな静電力が接着圧力として作用する。このため、この静電力を用いてシリコン基板側の接合用金属と第1,第2のガラス基板側の接合用金属とを密着させることができるから、別途に加圧手段を用いることなく、これら2つの接合用金属を圧着することができる。
請求項3の発明によれば、第1,第2の接合部はいずれも機能素子部を取囲む枠形状に形成したから、二重枠構造をなす2つの接合部によって機能素子部の周囲を確実に気密状態で封止することができる。また、加圧接合する第2の接合部は、陽極接合する第1の接合部よりも機能素子部に近い位置に配置した。このため、第1の接合部を陽極接合するときにガラス基板中のナトリウムが析出されたときでも、加圧接合する第2の接合部によってナトリウムが機能素子部の周囲に侵入するのを阻止することができる。これにより、機能素子部の劣化を防止することができる。
本発明の第1の実施の形態による加速度センサを示す分解斜視図である。 図1中の加速度センサを示す縦断面図である。 加速度センサを図2中の矢示III−III方向からみた断面図である。 固定電極形成工程によりシリコン基板に固定電極等を形成した状態を示す図2と同様位置の縦断面図である。 犠牲層形成工程によりシリコン基板に犠牲層を形成した状態を示す縦断面図である。 シリコン層形成工程によりシリコン基板の表面にシリコン層を形成した状態を示す縦断面図である。 機能素子部形成工程によりシリコン層を加工して固定部、可動部、支持梁および第1,第2の封止枠を形成した状態を示す縦断面図である。 犠牲層除去工程によりシリコン基板から犠牲層を除去した状態を示す縦断面図である。 ガラス基板形成工程によりガラス基板に凹陥部等を形成した状態を示す縦断面図である。 ガラス基板接合工程によりガラス基板とシリコン基板とを陽極接合と同時に加圧接合する状態を示す縦断面図である。 本発明の第2の実施の形態による加速度センサを示す分解斜視図である。 図11中の加速度センサを示す縦断面図である。 第1のガラス基板形成工程によりガラス基板に第1の固定電極等を形成した状態を示す図12と同様位置の縦断面図である。 シリコン基板形成工程によりシリコン基板の裏面に接合用金属等を形成した状態を示す縦断面図である。 第1のガラス基板接合工程により第1のガラス基板とシリコン基板とを陽極接合と同時に加圧接合する状態を示す縦断面図である。 機能素子部形成工程によりシリコン基板を加工して固定部、可動部、支持梁および第1,第2の封止枠を形成した状態を示す縦断面図である。 第2のガラス基板形成工程によりガラス基板に第2の固定電極等を形成した状態を示す縦断面図である。 第2のガラス基板接合工程により第2のガラス基板とシリコン基板とを陽極接合と同時に加圧接合する状態を示す縦断面図である。 変形例による加速度センサを示す縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態による機能素子として加速度センサを例に挙げて、添付図面を参照して詳細に説明する。
まず、図1ないし図10は第1の実施の形態を示している。図において、加速度センサ1は、シリコン基板2とガラス基板3とによって形成されている。ここで、シリコン基板2およびガラス基板3は、いずれも数ミリ程度の大きさの四角形状に形成され、互いに直交する3軸方向をX軸,Y軸およびZ軸としたときに、例えばX軸およびY軸に沿って水平方向に広がっている。
また、シリコン基板2は、例えば高抵抗な単結晶シリコンからなる基底部2Aと、該基底部2Aの表面に形成された低抵抗な多結晶シリコンからなる表層部2Bとを備えている。ここで、基底部2Aの表面には、略四角形に窪んだ凹陥部2Cが形成されている。一方、表層部2Bには、マイクロマシニング技術を用いて後述する固定部4、可動部5、支持梁6および第1,第2の封止枠11,13が形成されている。そして、固定部4、可動部5および支持梁6は、加速度を検出する機能素子部を構成している。
一方、ガラス基板3は、例えば絶縁性を有するガラス材料等によって形成されると共に、シリコン基板2と対向する裏面側に略四角形に窪んだ凹陥部3Aが形成されている。そして、シリコン基板2とガラス基板3との間には、凹陥部2C,3Aと対応した位置に後述の可動部5を収容する収容空間Sが画成されている。
固定部4は、シリコン基板2のうち凹陥部2Cの外側で、かつガラス基板3の凹陥部3Aの内側に位置して、基底部2Aの表面に固定されている。このため、固定部4とガラス基板3との間には、隙間が形成されている。そして、固定部4は、例えばX軸方向の一側に配置されている。また、固定部4には、後述の支持梁6を介して可動部5が連結されている。
可動部5は、固定部4よりもX軸方向の他側に位置して凹陥部2C,3Aと対向した位置に配置され、厚さ方向(Z軸方向)に変位可能な状態となっている。ここで、可動部5は、例えば四角形の平板状に形成されている。そして、可動部5と基底部2Aおよびガラス基板3との間には、それぞれ隙間が形成されている。これにより、可動部5は、加速度による慣性力に応じて厚さ方向に変位する。
支持梁6は、可動部5と固定部4との間に例えば2本設けられ、可動部5を垂直方向に変位可能となるように片持ち状態で支持している。これらの支持梁6は、例えばクランク状に屈曲した折曲げ梁として形成され、基底部2Aとガラス基板3との間に位置して水平方向に延びると共に、これらのシリコン基板2およびガラス基板3から垂直方向(厚さ方向)に離間している。
また、各支持梁6は、基端側が固定部4に連結され、先端側が可動部5に連結されている。そして、支持梁6は、可動部5が基底部2Aまたはガラス基板3に向けて変位するときに、垂直方向に撓み変形または捩れ変形するものである。
可動側引出電極7は、例えば基底部2Aのうち固定部4と対応した位置に配置され、固定部4および支持梁6を通じて可動部5に電気的に接続されている。そして、可動側引出電極7は、例えばレーザー加工やマイクロブラスト法を用いることによってシリコン基板2に厚さ方向に貫通した信号用のビアホール(スルーホール)を穿設し、このスルーホール内に銅(Cu)等の導電性金属材料を充填することによって形成されている。
固定電極8は、可動部5と対向する位置で基底部2Aの表面側に設けられている。この固定電極8は、凹陥部2Cの底面に位置して例えば導電性の金属薄膜によって形成され、ほぼ全面に亘って可動部5と対面している。また、固定電極8は、可動部5との接触を防止するために、例えば酸化シリコン、窒化シリコン等からなる絶縁膜9によって覆われている。そして、固定電極8は、可動側引出電極7とほぼ同様に基底部2Aに貫通して形成された固定側引出電極10に接続されている。
ここで、引出電極7,10は、外部の検出回路等に接続される。そして、検出回路は、引出電極7,10間の静電容量に応じた信号を検出する。このとき、引出電極7,10間の静電容量は、厚さ方向に対する可動部5の変位に応じて変化する。このため、検出回路は、引出電極7,10間からの検出信号を用いて、加速度センサ1に作用する加速度を検出することができる。
第1の封止枠11は、シリコン基板2の表層部2Bによって形成された第1の接合部を構成している。この第1の封止枠11は、例えばシリコン基板2およびガラス基板3の周縁に沿って延びる四角形の枠状に形成されている。また、第1の封止枠11は、可動部5、支持梁6等を取囲み、後述する第2の封止枠13と一緒にシリコン基板2とガラス基板3との間に収容空間Sを保持している。そして、第1の封止枠11は、陽極接合法によってガラス基板3に接合されている。このため、第1の封止枠11とガラス基板3との間には、これらが接合した陽極接合部12が形成されている。
第2の封止枠13は、シリコン基板2の表層部2Bによって形成された第2の接合部を構成している。この第2の封止枠13は、例えば第1の封止枠11と同様に四角形の枠状に形成されている。また、第2の封止枠13は、第1の封止枠11よりも可動部5に近い内側位置に配置され、可動部5、支持梁6等を取囲むと共に、第1の封止枠11との間に溝14が形成されている。これにより、第1,第2の封止枠11,13は、収容空間Sを封止する二重枠を構成している。
そして、第2の封止枠13の表面には、例えば金(Au)を含む合金または金等の導電性の金属材料からなる接合用金属としての接合膜15が形成されている。同様に、ガラス基板3の接合面となる裏面にも、封止枠13と対向した位置に接合膜15と同様の接合用金属としての接合膜16が形成されている。そして、これらの接合膜15,16は、シリコン基板2とガラス基板3とが密着するように加圧された状態で、熱圧着されている。これにより、第2の封止枠13は、加圧接合法によってガラス基板3に接合され、第2の封止枠13とガラス基板3との間には、接合膜15,16を介在させて加圧接合した加圧接合部17が形成されている。
なお、接合膜15と第2の封止枠13との間、および接合膜16とガラス基板3との間には、接合膜15,16の密着性を高めるために、例えばクロム(Cr)、プラチナ(Pr)等の密着層を設けるものである。
次に、図4ないし図10を参照しつつ、加速度センサ1の製造方法について説明する。
まず、図4に示す固定電極形成工程では、高抵抗な単結晶シリコンからなるシリコン基板21を用意し、このシリコン基板21の表面のうち所定部位にエッチング加工を施すことによって、凹陥部2Cを形成する。また、シリコン基板21には、レーザー加工、マイクロブラスト法等を用いてスルーホールを形成した後に、このスルーホール内に銅等の導電性金属材料を例えばメッキ処理によって充填し、可動側引出電極7および固定側引出電極10を形成する。
そして、シリコン基板21には、例えばスパッタ、蒸着法等を用いることによって、導電性の金属薄膜を形成する。これにより、シリコン基板21の凹陥部2Cの底面には、可動部5と対応した位置に固定電極8を形成し、この固定電極8を固定側引出電極10に電気的に接続する。その後、固定電極8の表面には、絶縁膜9を形成する。
次に、図5に示す犠牲層形成工程では、シリコン基板21の凹陥部2Cに固定電極8等を覆って例えばチタン等の材料からなる犠牲層22を形成する。その後、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用いて、シリコン基板21の表面を平坦な状態に研磨する。これにより、凹陥部2C内に犠牲層22が埋め込まれると共に、犠牲層22およびシリコン基板22の表面には、平滑化された平坦面が形成される。
次に、図6に示すシリコン層形成工程では、例えばスパッタ等によって、シリコン基板21の表面に低抵抗な多結晶シリコンからなるシリコン層23を形成する。これにより、犠牲層22の表面は、シリコン層23によって覆われる。
次に、図7に示す機能素子部形成工程では、例えばRIE加工(反応性イオンエッチング)等の手段を用いて、シリコン層23のうち不要な部位を除去し、残った部位によって固定部4、可動部5および支持梁6からなる機能素子部を形成すると共に、第1,第2の封止枠11,13を形成する。
このとき、固定部4は、凹陥部2Cとは異なる位置に配置され、シリコン基板21に固定されている。一方、可動部5および支持梁6は、凹陥部2Cと対応した位置に配置される。
また、第1,第2の封止枠11,13は、凹陥部2Cを取囲んで、シリコン基板21に固定されている。このとき、第2の封止枠13は、第1の封止枠11の内側に位置して、第1の封止枠11と可動部5等との間に配置される。
さらに、第2の封止枠13は、固定部4、可動部5、支持梁6と共に、第1の封止枠11よりも薄く形成されている。具体的には、第2の封止枠13の暑さ寸法は、例えば接合膜15,16の厚さ寸法に応じた分だけ、第1の封止枠11の厚さ寸法よりも短くなっている。このため、第2の封止枠13等の表面は、第1の封止枠11の表面よりもシリコン基板21側に位置して、これらの間には例えば1μm以下の僅かな段差が形成されている。そして、第1,第2の封止枠11,13は、凹陥部2Cの外側に位置して、四角形の二重枠形状をなして可動部5等の周囲を取囲んでいる。
また、RIE加工の終了後には、例えば蒸着法、スパッタ法を用いて、第2の封止枠13の表面に、例えば金等の導電性の金属薄膜を形成し、0.3〜0.7μm程度の厚さ寸法をもった接合膜15を形成する。一方、第1の封止枠11の表面は、シリコン材料が露出した状態に保持する。これにより、接合膜15の表面と第1の封止枠11の表面とは、例えば略同一面を形成するようになる。
次に、図8に示す犠牲層除去工程では、例えばウエットエッチング等によって犠牲層22を除去する。これにより、基底部2Aと表層部2Bとを備えたシリコン基板2が形成される。このとき、可動部5は、基底部2Aとの間に隙間が形成され、基底部2Aから浮いた状態になる。そして、可動部5は、支持梁6によって固定部4に片持ち支持されると共に、凹陥部2Cの底面に位置する固定電極8等と対面した状態になる。
一方、図9に示すガラス基板形成工程では、ガラス基板24を用意し、このガラス基板24の裏面側にエッチング加工等によって、凹陥部3Aを形成する。また、ガラス基板24に対して、例えばスパッタ、蒸着法等を用いることによって、凹陥部3Aの周囲に位置して金等の導電性の金属薄膜を形成し、接合膜15と同様の接合膜16を形成する。このとき、接合膜16は、ガラス基板24の裏面のうち第2の封止枠13と対応した位置に配置される。以上の工程によって、ガラス基板3が形成される。
次に、図10に示すガラス基板接合工程では、シリコン基板2の表面にガラス基板3を重ね合わせた状態で、シリコン基板2とガラス基板3に電圧源25を接続する。この状態で、例えば数百℃程度の予め決められた温度でシリコン基板2およびガラス基板3を加熱しつつ、電圧源25を用いてシリコン基板2とガラス基板3との間に所定の電圧を印加する。これにより、第1の封止枠11およびガラス基板3は、互いに陽極接合され、これらの間には陽極接合部12が形成される。
また、この陽極接合時には、シリコン基板2とガラス基板3との間には静電力が作用し、シリコン基板2およびガラス基板3は、互いに強く引き付け合う。このため、接合膜15,16には、互いに密着した状態で大きな荷重が加わる。これにより、別途に荷重を加えなくても、陽極接合時の接着圧力によって、接合膜15,16が互いに圧着接合され、第2の封止枠13とガラス基板3との間には加圧接合部17が形成される。
この結果、シリコン基板2とガラス基板3との間には、図2に示すように、陽極接合部12および加圧接合部17によって二重に封止された気密状態の収容空間Sが画成されると共に、収容空間S内には可動部5が配置される。そして、可動部5は、厚さ方向に変位可能な状態でシリコン基板2の固定電極8と対向した位置に配置され、加速度センサ1が完成する。
本実施の形態による加速度センサ1は上述の製造方法によって製造されるもので、次にその作動について説明する。
まず、加速度センサ1に加速度が作用すると、可動部5は慣性力によってシリコン基板2の厚さ方向に変位する。このとき、可動部5と固定電極8との間の静電容量が増加または減少する。このため、外部の検出回路は、引出電極7,10を用いて可動部5と固定電極8との間の静電容量に応じた信号を検出し、この信号を用いて加速度センサ1に作用する加速度を検出する。
かくして、本実施の形態によれば、シリコン基板2とガラス基板3との間には陽極接合部12と加圧接合部17とを設けたから、シリコン基板2とガラス基板3とを陽極接合部12および加圧接合部17によって強固に接合することができ、接合強度を高めることができる。
また、第1,第2の封止枠11,13はいずれも可動部5を取囲む枠形状に形成したから、2つの封止枠11,13によって二重に封止することができ、可動部5を収容する収容空間Sの気密性を高めることができる。
さらに、陽極接合を行うときには、シリコン基板2とガラス基板3とを相互に引き付ける大きな静電力が接着圧力として作用する。このため、この静電力を用いて第2の封止枠13の接合膜15とガラス基板3の接合膜16とを密着させることができる。この結果、別途に加圧手段を用いることなく、これら2つの接合膜15,16を圧着することができ、単一の接合工程で加圧接合と陽極接合を同時に行うことができる。
また、加圧接合する第2の封止枠13は、陽極接合する第1の封止枠11よりも可動部5に近い位置に配置したから、陽極接合部12からガラス基板3中のナトリウム(Na)が析出されたときでも、第2の封止枠13を接合する加圧接合部17によってナトリウムが可動部5の周囲に侵入するのを阻止することができる。これにより、可動部5、固定電極8等の劣化を防止して、加速度センサ1の信頼性、耐久性を向上することができる。
次に、図11ないし図19は本発明による第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、シリコン基板の両面に第1,第2のガラス基板をそれぞれ設けた3層構造からなる加速度センサに適用したことにある。
図中、加速度センサ31は、第1,第2のガラス基板32,33と、これらのガラス基板32,33に挟まれたシリコン基板34とによって形成されている。ここで、ガラス基板32,33は、例えば絶縁性を有するガラス材料等からなり、数ミリ程度の大きさの四角形状に形成されている。
そして、ガラス基板32,33には、互いの対向面側に位置して略四角形に窪んだ凹陥部32A,33Aがそれぞれ形成されている。これにより、ガラス基板32,33の間には、凹陥部32A,33Aと対応した位置に後述の可動部36を収容する収容空間Sが画成されている。また、ガラス基板32,33およびシリコン基板34は、例えばX軸およびY軸に沿って水平方向に広がっている。
一方、シリコン基板34は、例えば低抵抗な単結晶シリコンを用いて形成されている。そして、シリコン基板34には、マイクロマシニング技術を用いて後述する固定部35、可動部36、支持梁37および第1,第2の封止枠45,48が形成されている。ここで、固定部35、可動部36および支持梁37は、加速度を検出する機能素子部を構成している。
固定部35は、シリコン基板34に形成され、第1のガラス基板32に固定されている。この固定部35は、例えばX軸方向の一側に配置されている。また、固定部35には、後述の支持梁37を介して可動部36が連結されている。そして、固定部35は、第2の封止枠45と同様に、接合膜50,51を介して第1のガラス基板32の表面に加圧接合されている。
可動部36は、ガラス基板32,33の凹陥部32A,33Aと対向した位置に配置され、厚さ方向(Z軸方向)に変位可能な状態となっている。ここで、可動部36は、例えば四角形の平板状に形成されている。そして、可動部36とガラス基板32,33との間には、それぞれ隙間が形成されている。これにより、可動部36は、加速度による慣性力に応じて厚さ方向に変位する。
支持梁37は、可動部36と固定部35との間に例えば2本設けられ、可動部36を垂直方向に変位可能となるように片持ち状態で支持している。これらの支持梁37は、例えばクランク状に屈曲した梁として形成され、ガラス基板32,33の間に位置して水平方向に延びると共に、これらのガラス基板32,33から垂直方向(厚さ方向)に離間している。
また、各支持梁37は、基端側が固定部35に連結され、先端側が可動部36に連結されている。そして、支持梁37は、可動部36がガラス基板32,33に向けて変位するときに、垂直方向に撓み変形または捩れ変形するものである。
可動側引出電極38は、例えば第1のガラス基板32のうち固定部35と対応した位置に配置され、固定部35および支持梁37を通じて可動部36に電気的に接続されている。そして、可動側引出電極38は、例えばレーザー加工やマイクロブラスト法を用いることによってガラス基板32に厚さ方向に貫通した信号用のビアホール(スルーホール)を穿設し、このスルーホール内に銅等の導電性金属材料を充填することによって形成されている。
第1の固定電極39は、可動部36と対向する位置で第1のガラス基板32の表面側に設けられている。この第1の固定電極39は、凹陥部32Aの底面に位置して例えば導電性の金属薄膜によって形成され、ほぼ全面に亘って可動部36と対面している。また、固定電極39は、可動部36との接触を防止するために、例えば酸化シリコン、窒化シリコン等からなる絶縁膜40によって覆われている。そして、固定電極39は、可動側引出電極38とほぼ同様に形成された第1の固定側引出電極41に接続されている。
第2の固定電極42は、厚さ方向に対して可動部36を挟んで第1の固定電極39とは反対側に配置され、可動部36と対向する位置で第2のガラス基板33の裏面側に設けられている。この第2の固定電極42は、凹陥部33Aの底面に位置して例えば導電性の金属薄膜によって形成され、ほぼ全面に亘って可動部36と対面している。また、固定電極42は、絶縁膜40とほぼ同様の絶縁膜43によって覆われると共に、第2のガラス基板33を貫通して設けられた第2の固定側引出電極44に接続されている。
ここで、引出電極38,41,44は、外部の検出回路等に接続される。そして、検出回路は、引出電極38,41間の静電容量と、引出電極38,44間の静電容量とに応じた信号を検出し、これら信号を差動演算する。この差動演算の出力は可動部36の変位に応じて変化するから、検出回路は、この差動演算の出力を用いて、加速度センサ31に作用する加速度を検出することができる。
第1の封止枠45は、シリコン基板34によって形成され、例えばガラス基板32,33の周縁に沿って延びる四角形の枠状に形成されている。この第1の封止枠45は、可動部36、支持梁37等を取囲み、後述する第2の封止枠48と一緒にガラス基板32,33の間に収容空間Sを保持している。そして、第1の封止枠45は、陽極接合法によって第1,第2のガラス基板32,33に接合されている。これにより、第1の封止枠45と第1のガラス基板32との間には、裏面側の陽極接合部46が形成されると共に、第1の封止枠45と第2のガラス基板33との間には、表面側の陽極接合部47が形成されている。
第2の封止枠48は、シリコン基板34によって形成され、例えば第1の封止枠45と同様に四角形の枠状に形成されている。この第2の封止枠48は、第1の封止枠45よりも可動部36に近い内側位置に配置され、可動部36、支持梁37等を取囲むと共に、第1の封止枠45との間に溝49が形成されている。これにより、第1,第2の封止枠45,48は、収容空間Sを封止する二重枠を構成している。
そして、第2の封止枠48および固定部35の裏面には、例えば金を含む合金または金等の導電性の金属材料からなる接合用金属としての接合膜50が形成されている。同様に、第1のガラス基板32の接合面となる表面にも、第2の封止枠48および固定部35と対向した位置に接合膜50と同様の接合用金属としての接合膜51が形成されている。そして、これらの接合膜50,51は、シリコン基板34と第1のガラス基板32とが密着するように加圧された状態で、熱圧着されている。これにより、第2の封止枠48および固定部35は、加圧接合法によって第1のガラス基板32に接合され、第2の封止枠48および固定部35と第1のガラス基板32との間には、接合膜50,51を介在させて加圧接合した裏面側の加圧接合部52が形成されている。
また、第2の封止枠48の表面にも、接合膜50と同様な接合用金属としての接合膜53が形成されている。さらに、第2のガラス基板33の接合面となる裏面にも、第2の封止枠48と対向した位置に接合膜53と同様の接合用金属としての接合膜54が形成されている。そして、これらの接合膜53,54は、シリコン基板34と第2のガラス基板33とが密着するように加圧された状態で、熱圧着されている。これにより、第2の封止枠48は、加圧接合法によって第2のガラス基板33に接合され、第2の封止枠48と第2のガラス基板33との間には、接合膜53,54を介在させて加圧接合した表面側の加圧接合部55が形成されている。
なお、接合膜50,53と第2の封止枠48との間、接合膜51と第1のガラス基板33との間、および接合膜54と第2のガラス基板33との間には、接合膜50,51,53,54の密着性を高めるために、例えばクロム、プラチナ等の密着層を設けるものである。
次に、図13ないし図18を参照しつつ、加速度センサ31の製造方法について説明する。
まず、図13に示す第1のガラス基板形成工程では、絶縁性のガラス基板61を用意し、このガラス基板61の表面のうち所定部位にエッチング加工を施すことによって、凹陥部32Aを形成する。また、ガラス基板61には、レーザー加工、マイクロブラスト法等を用いてスルーホールを形成した後に、このスルーホール内に銅等の導電性金属材料を例えばメッキ処理によって充填し、可動側引出電極38および第1の固定側引出電極41を形成する。
そして、ガラス基板61には、例えばスパッタ、蒸着法等を用いることによって、導電性の金属薄膜を形成する。これにより、ガラス基板61の凹陥部32Aの底面には、可動部36と対応した位置に第1の固定電極39を形成し、この第1の固定電極39を第1の固定側引出電極41に電気的に接続する。その後、第1の固定電極39の表面には、絶縁膜40を形成する。
また、ガラス基板61の表面には、固定部35および第2の封止枠48と対応した位置に例えば金等の導電性の金属薄膜を形成し、0.3〜0.7μm程度の厚さ寸法をもった接合膜51を形成する。以上の工程によって、第1の固定電極39等を備えた第1のガラス基板32が形成される。
一方、図14に示すシリコン基板形成工程では、例えば低抵抗な単結晶シリコンによって形成されたシリコン基板62を用意する。そして、シリコン基板62の裏面にエッチング加工等を施し、第1の封止枠45に対応した周縁部62Aを除いて深さ寸法の小さい(例えば1μm以下程度)浅底凹部62Bを形成する。そして、この浅底凹部62Bには、接合膜51と対応した位置に接合膜51と同様の金属薄膜からなる接合膜50を形成する。
次に、図15に示す第1のガラス基板接合工程では、第1のガラス基板32の表面にシリコン基板62を重ね合わせた状態で、第1のガラス基板32とシリコン基板62に電圧源63を接続する。この状態で、例えば数百℃程度の予め決められた温度で第1のガラス基板32およびシリコン基板62を加熱しつつ、電圧源63を用いて第1のガラス基板32とシリコン基板62に所定の電圧を印加する。これにより、シリコン基板62の周縁部62Aと第1のガラス基板32は、互いに陽極接合され、これらの間には裏面側の陽極接合部46が形成される(図12参照)。
また、この陽極接合時には、シリコン基板62と第1のガラス基板32との間には静電力が作用し、シリコン基板62および第1のガラス基板32は、互いに強く引き付け合う。このため、接合膜50,51には、互いに密着した状態で大きな荷重が加わる。これにより、別途に荷重を加えなくても、陽極接合時の接着圧力によって、接合膜50,51が互いに圧着接合され、周縁部62Aと第2のガラス基板32との間には裏面側の加圧接合部52が形成される。
このとき、ガラス基板32の凹陥部32Aは、シリコン基板62によって閉塞される。また、シリコン基板62は、加圧接合部52を介して第1のガラス基板32の可動側引出電極38に電気的に接続される。そして、第1のガラス基板32にシリコン基板62を接合した後には、例えばCMP法を用いて、シリコン基板62の表面を平坦な状態に研磨する。
次に、図16に示す機能素子部形成工程では、例えばRIE加工等の手段を用いて、シリコン基板23のうち不要な部位を除去し、残った部位によって固定部35、可動部36および支持梁37からなる機能素子部を形成すると共に、第1,第2の封止枠45,48を形成する。
このとき、固定部35は、凹陥部32Aとは異なる位置に配置され、第1のガラス基板32に固定されている。一方、可動部36および支持梁37は、凹陥部32Aと対応した位置に配置され、第1のガラス基板32との間に隙間が形成されている。これにより、可動部36は、第1の固定電極39と対向した位置で支持梁37によって固定部35に片持ち支持される。
また、第1,第2の封止枠45,48は、凹陥部32Aを取囲んで、第1のガラス基板32に固定されている。このとき、第2の封止枠48は、第1の封止枠45の内側に位置して、第1の封止枠45と可動部36等との間に配置される。また、第2の封止枠48の厚さ寸法は、例えば接合膜53,54の厚さ寸法に応じた分だけ、第1の封止枠45の厚さ寸法よりも短くなっている。このため、第2の封止枠48の表面は、第1の封止枠45の表面よりも第1のガラス基板32側に位置して、これらの間には例えば1μm以下の僅かな段差が形成されている。
そして、第1,第2の封止枠45,48は、凹陥部32Aの外側に位置して、四角形の二重枠形状をなして可動部36等の周囲を取囲んでいる。これにより、固定部35、可動部36、支持梁37および第1,第2の封止枠45,48を備えたシリコン基板34が形成される。
また、RIE加工の終了後には、例えば蒸着法、スパッタ法を用いて、第2の封止枠48の表面に、例えば金等の導電性の金属薄膜を形成し、0.3〜0.7μm程度の厚さ寸法をもった接合膜53を形成する。一方、第1の封止枠45の表面は、シリコン材料が露出した状態に保持する。これにより、接合膜53の表面と第1の封止枠45の表面とは、例えば略同一面を形成するようになる。
一方、図17に示す第2のガラス基板形成工程では、ガラス基板64を用意し、このガラス基板64の裏面側にエッチング加工等によって、凹陥部33Aを形成する。また、ガラス基板64には、厚さ方向に貫通したスルーホール等からなる第2の固定側引出電極44を形成する。さらに、第1のガラス基板形成工程とほぼ同様に、ガラス基板64の裏面には、凹陥部33Aの内部に位置して、第2の固定電極42および絶縁膜43を形成する。このとき、第2の固定電極42は、第2の固定側引出電極44に接続される。
また、ガラス基板64に対して、例えばスパッタ、蒸着法等を用いることによって、凹陥部33Aの周囲に位置して金等の導電性の金属薄膜を形成し、接合膜53と同様の接合膜54を形成する。このとき、接合膜54は、ガラス基板64の裏面のうち第2の封止枠48と対応した位置に配置される。以上の工程によって、第2の固定電極42等を備えた第2のガラス基板33が形成される。
次に、図18に示す第2のガラス基板接合工程では、シリコン基板34の表面に第2のガラス基板33を重ね合わせた状態で、シリコン基板34と第2のガラス基板33に電圧源63を接続する。この状態で、第1のガラス基板接合工程と同様に、第2のガラス基板33、シリコン基板34等を加熱しつつ、電圧源63を用いて第2のガラス基板33とシリコン基板34に所定の電圧を印加する。これにより、第1の封止枠45および第2のガラス基板33は、互いに陽極接合され、これらの間には表面側の陽極接合部47が形成される。
また、この陽極接合時には、第2のガラス基板33とシリコン基板34との間には静電力が接着圧力として作用する。このため、陽極接合時の接着圧力によって、接合膜53,54が互いに圧着接合されるから、第2の封止枠48と第2のガラス基板33との間には表面側の加圧接合部55が形成される。
この結果、第1,第2のガラス基板32,33間には、図12に示すように、陽極接合部46,47および加圧接合部52,55によって二重に封止された気密状態の収容空間Sが画成されると共に、収容空間S内には可動部36が配置される。そして、可動部36は、厚さ方向に変位可能な状態でガラス基板32,33の固定電極39,42と対向した位置に配置され、加速度センサ31が完成する。
本実施の形態による加速度センサ31は上述の製造方法によって製造されるもので、次にその作動について説明する。
まず、加速度センサ31に加速度が作用すると、可動部36は慣性力によってガラス基板32,33の厚さ方向に変位する。このとき、可動部36と第1,第2の固定電極39,42との間の静電容量が増加または減少する。また、可動部36と第1の固定電極39との間の静電容量と、可動部36と第2の固定電極42との間の静電容量とは、増加と減少が互いに逆になる。このため、外部の検出回路は、引出電極38,41を用いて可動部36と第1の固定電極39との間の静電容量に応じた信号を検出すると共に、引出電極38,44を用いて可動部36と第2の固定電極42との間の静電容量に応じた信号を検出する。そして、これら2つの信号を差動演算することによって、加速度センサ31に作用する加速度を検出する。
かくして、本実施の形態によれば、シリコン基板34と第1のガラス基板32との間には陽極接合部46と加圧接合部52とを設けると共に、シリコン基板34と第2のガラス基板33との間には陽極接合部47と加圧接合部55とを設けたから、シリコン基板34と第1,第2のガラス基板33とを陽極接合部46,47および加圧接合部52,55によって強固に接合することができ、接合強度を高めることができる。
また、第1,第2の封止枠45,48はいずれも可動部36を取囲む枠形状に形成したから、2つの封止枠45,48によって二重に封止することができ、可動部36を収容する収容空間Sの気密性を高めることができる。
さらに、陽極接合を行うときには、シリコン基板34と第1,第2のガラス基板32,33とを相互に引き付ける大きな静電力が接着圧力として作用する。このため、この静電力を用いて第2の封止枠48の接合膜50,53とガラス基板32,33の接合膜51,54とを密着させることができる。この結果、別途に加圧手段を用いることなく、互いに対面する接合膜50,53と接合膜51,54とを圧着することができ、単一の接合工程で加圧接合と陽極接合を同時に行うことができる。
また、加圧接合する第2の封止枠48は陽極接合する第1の封止枠45よりも可動部36に近い位置に配置したから、陽極接合部46,47からガラス基板32,33中のナトリウムが析出されたときでも、第2の封止枠48を接合する加圧接合部52,55によってナトリウムが可動部36の周囲に侵入するのを阻止することができる。これにより、可動部36、固定電極39,42等の劣化を防止して、加速度センサ31の信頼性、耐久性を向上することができる。
なお、前記各実施の形態では、第1の接合部となる第1の封止枠11,45と第2の接合部となる第2の封止枠13,48の間には溝14,49を形成する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図19に示す変形例による加速度センサ71のように、第1,第2の接合部を一体化した幅寸法の大きな単一の封止枠72を形成し、該封止枠72の外周側に陽極接合部12を設けると共に、封止枠72の内周側に接合膜15,16からなる加圧接合部17を設ける構成としてもよい。
また、前記各実施の形態では、第1の封止枠11,45および第2の封止枠13,48はいずれも全周に亘って連続した枠形状に形成したが、例えば第1,第2の封止枠のうちいずれか一方のみを全周に亘って連続した枠形状に形成し、他方は全周のうち一部が切断された形状に形成してもよい。
また、前記各実施の形態では、加圧接合部17,52,55は、シリコン材料からなる第2の封止枠13,48に設けた接合膜15,50,53とガラス基板3,32,33に設けた接合膜16,51,54とを加圧接合することによって形成したが、第2の封止枠全体を加圧接合が可能な金属材料(例えば金)によって形成し、該第2の封止枠自体にガラス基板に設けた接合膜を加圧接合する構成としてもよい。
また、前記各実施の形態では、ガラス基板3,32,33の接合対象として全体がシリコン材料によって形成されたシリコン基板4,34を用いる構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、陽極接合ができるように、ガラス基板との接合面がシリコンによって形成された基板であればよく、シリコン基板として例えば2つのシリコン層の間に絶縁層を挟んだSOI(Silicon on Insulator)基板を用いる構成としてもよい。
また、前記第1の実施の形態では、シリコン基板2にのみ固定電極8を設ける構成としたが、第2の実施の形態と同様に、ガラス基板にも固定電極を設ける構成としてもよく、ガラス基板にのみ固定電極を設ける構成としてもよい。一方、第2の実施の形態でも、第1,第2のガラス基板32,33のうちいずれか一方にのみ固定電極を設ける構成としてもよい。
また、前記各実施の形態では、機能素子部は、可動部5,36等によって構成したが、必ずしも機械的に可動する部分を備える必要はなく、例えばシリコン基板にエッチング加工を施して形成する各種の回路素子によって構成してもよい。さらに、機能素子部には、金属薄膜等による可動電極、配線等を設ける構成としてもよく、例えばSAWフィルタに適用する場合には、機能素子部の表面に圧電膜等を形成してもよい。
また、前記各実施の形態では、機能素子として、加速度センサ1,31,71を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばアクチュエータ、リレー素子、角速度センサ、可変容量素子、SAWフィルタ等のようにガラス基板を用いて封止可能な各種の素子に対して広く適用することができる。
1,31,71 加速度センサ(機能素子)
2,34 シリコン基板
3 ガラス基板
4,35 固定部
5,36 可動部
6,37 支持梁
11,45 第1の封止枠(第1の接合部)
12 加圧接合部
13,48 第2の封止枠(第2の接合部)
15,16,50,51,53,54 接合膜(接合用金属)
17 加圧接合部
32 第1のガラス基板
33 第2のガラス基板
46 裏面側の陽極接合部
47 表面側の陽極接合部
52 裏面側の加圧接合部
55 表面側の加圧接合部
72 封止枠(第1,第2の接合部)

Claims (3)

  1. 機能素子部と、第1の接合部と、第2の接合部とを有してなるシリコン基板と、
    該シリコン基板の表面に対向して設けられたガラス基板とを備え、
    該ガラス基板と前記シリコン基板とによって前記機能素子部を封止した機能素子であって、
    前記第1の接合部と前記ガラス基板とを陽極接合した陽極接合部と、
    該陽極接合時に発生する静電力を用いて、前記第2の接合部と前記ガラス基板との間に接合用金属を介在させて加圧接合した加圧接合部とを設けたことを特徴とする機能素子。
  2. 機能素子部と、第1の接合部と、第2の接合部とを有してなるシリコン基板と、
    該シリコン基板の裏面および表面にそれぞれ対向して設けられた第1,第2のガラス基板とを備え、
    該第1,第2のガラス基板と前記シリコン基板とによって前記機能素子部を封止した機能素子であって、
    前記第1の接合部の裏面と前記第1のガラス基板とを陽極接合した裏面側の陽極接合部と、
    該陽極接合時に発生する静電力を用いて、前記第2の接合部の裏面と前記第1のガラス基板との間に接合用金属を介在させて加圧接合した裏面側の加圧接合部と、
    前記第1の接合部の表面と前記第2のガラス基板とを陽極接合した表面側の陽極接合部と、
    該陽極接合時に発生する静電力を用いて、前記第2の接合部の表面と前記第2のガラス基板との間に接合用金属を介在させて加圧接合した表面側の加圧接合部とを設けたことを特徴とする機能素子。
  3. 前記第1,第2の接合部は、前記機能素子部を取囲む枠形状に形成すると共に、前記第2の接合部を第1の接合部よりも前記機能素子部に近い位置に配置してなる請求項1または2に記載の機能素子。
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