JP2007055505A - 車両用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 表皮材の端末や接合部がガーニッシュからはみ出さず、外観商品性が向上された車両用シートを提供する。
【解決手段】 車両用シートSのシートバック10の肩部に凹部10aを設け、表皮材13には凹部10aの位置に開口を設け、ロックノブガーニッシュ43及びトリムプレート44を配設する。トリムプレート44は筒状に形成され、その内周面に沿って開口を囲む表皮材13の端末部13aをシートバック10の内部側に引き込み、トリムプレート44に縫合する。ロックノブガーニッシュ43の凹部43aは端末部13aの縫製ライン上からトリムプレート44の筒状空間に嵌め込まれ、凹部43aの縁から平面状に延出されたフラップ43bが端末部13aと縫製ラインを覆う。縫製ライン及び端末部13aは筒状内周面44aに沿って設けられているため、引っ張られてもフラップ43bからはみ出すことがない。
【選択図】 図3

Description

本発明は、シートバック等の表面を覆う表皮材に開口が設けられ、この開口にガーニッシュやトリムプレート等の部材を配設して、開口まわりの表皮材の端末を固定し被覆した車両用シートに関する。
従来から、車両用シートのシートバックを車体前方側に倒したり、車体後方側に倒してリクライニングさせることが可能な可倒式のシートバックを備えた車両用シートが知られている。このような可倒式のシートバックには、該シートバックを角度調整可能なロック解除状態と角度調整不能なロック状態とに切り換えるためのロック解除ノブやロック解除レバーなどの操作部材が設けられているものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許第3299179号公報(第3頁、図3、図5)
特許文献1の乗用車のシートでは、シートバックの裏面にシートバックロック解除レバーが設けられている。このシートバックロック解除レバーは、一端が、シートバックの内部に設けられたブラケットに回動可能に取り付けられている。
特許文献1では、シートバックロック解除レバーを取り付けたシートバック裏面における表皮材の端末処理は、以下のような構成で行われている。まず、このシートバック内部のブラケットにはシートの表皮材側に受け部材が延出されており、この受け部材と表皮材に設けられた開口とを位置合わせする。そして、表皮材の開口から、表皮材の端末を押さえるように、鍔部を有するガーニッシュを挿入する。このようにすると、ガーニッシュの鍔部と受け部材の開口部とによって表皮の端末が挟み込まれて固定される。
特許文献1では、ガーニッシュの鍔部と受け部材の開口部は、シートバックの表面に沿って略水平面をなすように形成されている。また、受け部材の開口部の表面と、ガーニッシュの鍔部裏面には、互いに係合する凹凸部が設けられており、この凹凸部によって表皮材の端末が位置ずれしないように係合固定されている。以上のような構成により、表皮材の端末が外部から見えないように覆われて固定されている。
また、図10は、他の従来例における表皮材の開口の端末処理の構成を示す断面図である。この図において、100は表皮材によって覆われたシートバック、101は表皮材、102はガーニッシュ、103はトリムプレート、104は表皮材の内部に充填された充填材である。この従来例では、特許文献1と同様に、平板状のトリムプレート103の開口を表皮材101の開口に位置合わせして表皮材101の内部側にトリムプレート103を配設し、このトリムプレート103の上に開口周りの端末101aが重ねられ縫合糸105によって共縫いして接合されている。
また、表皮材101の開口にはガーニッシュ102の凹部102aが挿入されている。このガーニッシュ102は、凹部102aの縁部から開口の外周方向に延出されたフラップ102bを有しており、端末101aとトリムプレート103との縫合部が、このフラップ102bによってシートバック100の表面側から見えないように覆われている。
以上のように、特許文献1の構成では、表皮材に設けた開口にガーニッシュ及び受け部材が配設されている。また、図10の構成では、表皮材に設けた開口にガーニッシュ及びトリムプレートが配設されている。そして、このガーニッシュと受け部材あるいはトリムプレートに開口まわりの表皮材の端末が接合され、外部から接合部や端末が見えないように構成されている。
以上のような従来例の構成では、表皮材の端末がシートバックの表面に沿って略水平面状に配設されており、表皮材の端末を固定する凹凸部や縫合部は、シートバックの表面に沿って設けられている。従って、凹凸部や縫合部を外部から見えないようにガーニッシュで覆うためには、ガーニッシュの鍔部あるいはフラップを、凹凸部や縫合部の幅に応じてある程度幅広に形成する必要があり、ガーニッシュの小型化を図ることができないという問題点があった。
また、凹凸部や縫合部がシートバックの表面に沿って設けられていると、表皮材が開口の外周方向に強く引っ張られたときにガーニッシュからはみ出してしまう可能性があった。例えば、図11に示すように、従来例のシートバック100では、表皮材101が矢印W方向に引っ張られると、縫合糸105が開口の外周側に位置ずれして縫製ラインがガーニッシュ102のフラップ102bの外側にはみ出す可能性があった。また、特許文献1のような構成では、端末が引っ張られて凹凸部から外れてはみ出したり、表皮材に係合穴を設けて凹凸部に係合固定した場合には係合穴が引っ張り方向に伸びてしまいガーニッシュ102の外側に端末がはみ出す可能性があった。
つまり、接合部がシートバックの表面に沿って略水平面状に配設されていると、表皮材が引っ張られることによりガーニッシュからはみ出しやすく、外観商品性が低下するという問題点があった。
本発明の目的は、上記各問題点に鑑み、シートバック等の表面を覆う表皮材に設けられた開口にガーニッシュやトリムプレート等の部材を配設して開口まわりの表皮材の端末を接合して固定する構成において、表皮材の端末や接合部がガーニッシュからはみ出さないように処理し、外観商品性が向上された車両用シートを提供することにある。
前記課題は、表皮材によって覆われた可倒式の可動部と、該可動部を支持する固定部と、該固定部と前記可動部とを角度調整可能に連結する角度調整機構部と、該角度調整機構部を角度調整作動が不能なロック状態,角度調整作動が可能なロック解除状態,に切り換えるための操作部と、を備えた車両用シートにおいて、前記操作部は、前記角度調整機構部に一端が連結された伝達部材と、該伝達部材の他端に連結された操作部材と、を有し、該操作部材は前記可動部に設けられた凹部に配設され、前記表皮材には、前記凹部に合わせて開口が設けられ、該開口には、前記表皮材の裏面側に配設され前記表皮材の端末が接合されるトリムプレート,前記表皮材の端末を前記可動部の表面側から覆うガーニッシュ,が配設され、前記トリムプレートには、前記開口に沿う縁部が設けられ、該縁部から前記可動部の内部側へ延出される接合面が形成され、該接合面に前記表皮材の端末が当接され接合されたことにより解決される。
このように、本発明では、操作部材を配設するために可動部の表面に凹部を設け、この凹部に合わせて表皮材に開口を形成し、この開口における表皮材の端末が、表皮材の裏面側に配設されたトリムプレートに接合されている。トリムプレートには、開口に沿う縁部から可動部の内部側に延出するように接合面が形成されている。
このように、開口の縁部から可動部の内部側へ向かって延出された接合面に表皮材の端末を接合すると、表皮材が開口の外周側に引っ張られたときに、その接合ライン及び表皮材の端末は、表皮材の移動に伴って接合面に沿って移動する。そして、その移動方向は接合面に沿った方向、すなわち可動部の内部から表面へ向かう方向であり、可動部の表面に沿って移動することがない。従って、ガーニッシュの縁から表皮材とトリムプレートとの接合ラインがはみ出したり端末が飛び出したりすることがなく、外観商品性が良好とされる。
また、このように接合ラインが可動部の表面に沿って設けられていないので、接合ラインを覆うようにガーニッシュを形成する必要がない。従って、ガーニッシュの小型化及び軽量化を図ることができ、設計の自由度が増大する。
また、接合ラインの位置ずれが発生しても接合ラインがはみ出さず外観商品性に影響しないので、接合位置の精度によらず一定の外観商品性を確保することができる。従って、製造作業者の熟練度によらず一定の外観商品性を確保することができ、品質が安定化される。
また、本発明の可動部は、可動部を支持する固定部に対して角度調整手段により角度調整可能に連結されており、この角度調整手段を、角度調整作動が不能なロック状態と、角度調整作動が可能なロック解除状態と、に切り換えるための操作部材を備えている。つまり、可動部の角度調整を行うための操作部材を、本発明の構成により、外観性良く配設することができる。
また、本発明において、前記トリムプレートは、一端が前記表皮材を介して前記ガーニッシュの裏面に対向するように設けられた筒状部を有して形成され、該筒状部の内周面に前記表皮材の端末が接合された構成とすることができる。このように、筒状部の一端を表皮材側に向けて配設し、表皮材を介して前記ガーニッシュの裏面に対向するように設けると、この筒状部の内周面を、開口の縁部から可動部の内部側へ向かって延出された接合面として用いることができる。
また、本発明において、前記ガーニッシュは、前記凹部に配設された本体部と、該本体部から前記可動部の表面に沿って前記開口の外周方向に延出された略平面状のフラップと、を有する構成とすることができる。このように、本発明のガーニッシュは、可動部の表面に設けた凹部に本体部を配設している。従って、トリムプレートの内周側にガーニッシュの本体部を嵌め込んで、本体部とトリムプレートとの間に表皮材の端末を挟み込んだり、本体部を可動部の内部に配設されたフレーム等に固定することができる。また、本発明のガーニッシュは、本体部から可動部の表面に沿って略平面状に形成されたフラップを有しており、このフラップにより表皮材の端末を覆うことができる。
そしてまた、本発明において、前記トリムプレートは、前記表皮材の端末と縫合により接合することができる。
そして、前記可動部は、より具体的には、シートバックからなる。また、前記凹部を、前記シートバックの肩部に設けることができる。
このように、本発明は、リクライニング式のシートバックや、前傾させて収納するシートバックなどの可倒式のシートバックを有する車両用シートに適用することができる。つまり、シートバックの肩部に凹部を設け、この凹部に合わせて表皮材に開口を形成してガーニッシュ及び操作部材を配設することができる。このようにして、操作容易でかつ着座の邪魔にならない位置に、外観性良く操作部材を取り付けることができる。
本発明によれば、開口の縁部と可動部の内部側に位置する部位とを接続する接合面に表皮材の端末が接合されるので、表皮材の端末が開口の外側に引っ張られても、ガーニッシュから表皮材とトリムプレートとの接合ラインがはみ出したり、端末が飛び出すことがない。従って、外観商品性が良好とされる。
また、接合ラインが可動部の表面に沿って設けられていないので、接合ラインを覆うようにガーニッシュを形成する必要がない。従って、ガーニッシュの小型化を図ることができ、設計の自由度が増大する。
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図1〜図9は本発明の一実施形態に係るものであり、図1は車両用シートを着座側からみた斜視図、図2はシートバックのフレーム部分の構成を示す説明図、図3はシートバックの肩部の断面図(図1のA−A断面図)、図4は前倒し操作部の説明図、図5はトリムプレートの説明図、図6〜図9はシートバックの肩部の要部拡大断面図(図6〜図7は図1のA−A断面図、図8〜図9は図1のB−B断面図)である。
(車両用シートの全体構成)
本発明の一実施形態に係る車両用シートSは、乗用自動車等の車両用シートとして好適に用いられるもので、図1に示すように、シートバック10と、シートクッション20を備えている。また、図2に示すように、図1のシートバック10とシートクッション20とを角度調整可能に連結する前倒し機構部30と、この前倒し機構部30を角度調整作動が不能なロック状態と角度調整作動が可能なロック解除状態とに切り換えるための前倒し操作部40と、を備えている。
この車両用シートSは、シートクッション20が車両フロア面上の所定位置に不図示のシート固定部材を介して取り付けられることにより、車体に固定されている。なお、シートバック10が本発明の可動部に相当し、シートクッション20が本発明の固定部に相当し、前倒し機構部30が本発明の角度調整機構部に相当し、前倒し操作部40が本発明の操作部に相当する。
図2はシートバック10の表皮材及びクッション材部分を省略してフレーム部分の構成を示した図である。この図に示すように、シートバックフレーム11は軽量合金のパイプ材等を組み立てて所定形状に形成されており、側辺には、後述する前倒し機構部30のサイドフレーム33が取り付けられている。サイドフレーム33の下方側の端部にはブラケット34が連結されており、ブラケット34はシートクッション20のシートバック10側の端部に固定されている。すなわち、シートバックフレーム11が前倒し機構部30を介してシートクッション20に連結されている。
また、図2に示すように、シートバック10の肩部には前倒し操作部40が設けられている。なお、図2に示す前倒し操作部40は一部構成を省略している。また、図3はシートバック10の肩部の断面図(図1のA−A断面図)、図4は前倒し操作部40の説明図である。この図において、前倒し操作部40がシートバックフレーム11に取り付けられた構成を示している。
前倒し操作部40は、図3、図4に示すように、操作部材としてのロック解除ノブ41と、一端がロック解除ノブ41に連結され他端が前倒し機構部30に連結された操作ワイヤ42と、ロック解除ノブ41をシートバック10の表面に設置するためのロックノブガーニッシュ43と、トリムプレート44と、を備えている。
図1に示すように、ロック解除ノブ41はシートバック10の肩部表面に設けられており、シートバック10の表面から操作可能とされている。従って、搭乗者は、シートバック10の表面側からロック解除操作を行うことができる。
シートバック10は、図3に示すように、シートバックフレーム11と、シートバックフレーム11の着座側及び背面側に設けられた発泡樹脂等のクッションパッド12と、シートバックフレーム11及びクッションパッド12を被覆する表皮材13と、を備えている。なお、シートバックフレーム11の背面側にはクッションパッド12を設けずに板状のフレームやバックボード等を設けた構成としてもよい。
シートバック10の肩部には、ロック解除ノブ41を配設するために、クッションパッド12が窪んだ状態に形成された凹部10aが設けられている。表皮材13には、この凹部10aにあわせた位置に開口が形成されている。
シートバック10は、表皮材13を金型にセットし、シートバックフレーム11等をインサートして型締めし、溶融樹脂(発泡樹脂原液)を注入して表皮材13の内部空間に発泡樹脂を充填し、発泡層からなるクッションパッド12を形成することにより一体成形して製造することができる。凹部10aは、金型の樹脂注入ノズルをこの凹部10aと対応する形状として表皮材13の開口にセットすることにより形成することができる。
表皮材13は、本革、合成皮革、ファブリック等からなるシート材を用いることができ、例えば、複数の表皮材片を縫合することによりシートバック10の形状に応じた立体的形状を構成して、表裏反転させてシートバック10の表面に配設することができる。
また、シートクッション20は、シートバック10と同様に内部に所定形状のフレームを備え、座面側がクッション材と表皮材により覆われた構成とされている。
前倒し機構部30は、シートバックフレーム11に連結されるサイドフレーム33と、シートクッション20に連結されるブラケット34と、このサイドフレーム33とブラケット34とが相対回動可能に軸着される回動軸31と、サイドフレーム33とブラケット34との間に設けられたロック機構32と、を備えている。サイドフレーム33とブラケット34は、その傾倒状態に応じた傾倒角度となる。
シートバック10を前倒し方向(図1、図2の矢印Cの方向)に傾けると、サイドフレーム33とブラケット34が回動軸31まわりに相対回動される。一方、シートバック10を復帰方向(矢印Cの逆方向)に起こすことにより、サイドフレーム33とブラケット34が前倒し時と逆方向に相対回動される。このようにして、シートバック10をシートクッション20に対して前倒し方向または復帰方向に作動させ、角度調整することができる。
ロック機構32は、サイドフレーム33とブラケット34の相対回動を、任意の傾倒角度において規制することができるように構成されている。また、本例のロック機構32は前倒し操作部40の操作ワイヤ42に連結されている。このロック機構32は、常時はロック状態とされているが、操作ワイヤ42を牽引することにより、ロック状態を解除することができるように構成されている。
例えば、ロック機構32は、サイドフレーム33に直接的または間接的に固定されサイドフレーム33と共に回動軸31まわりに所定の軌跡を描いて揺動する揺動部材,この揺動部材の自由端側をその軌跡上の任意の位置で係止可能な係止部材,この係止部材を揺動部材側に付勢する付勢部材,等を備えた構成とすることができる。
係止部材には操作ワイヤ42が連結されており、操作ワイヤ42を牽引することによって、付勢部材による付勢方向と逆の方向に係止部材を作動させることができる。また、係止部材はブラケット34に直接的または間接的に固定されており、係止部材が揺動部材を係止することにより、サイドフレーム33とブラケット34の相対回動が不能とされる。
このようにすると、常時は付勢部材の付勢力により揺動部材が係止部材によって係止されて軌道上の任意の位置に係止され、サイドフレーム33とブラケット34の相対回動が不能とされる。すなわち、前倒し機構部30は、シートバック10の角度調整作動が不能なロック状態となる。
また、操作ワイヤ42を牽引すると、係止部材による揺動部材の係止状態が解除されて揺動部材が軌道上を移動可能な状態となり、サイドフレーム33とブラケット34が相対回動可能となる。すなわち、前倒し機構部30は、シートバック10の角度調整作動が可能なロック解除状態となる。
なお、前倒し機構部30やロック機構32は、公知のリクライニング機構や前倒し機構に用いられているものを種々適用することができるのは勿論である。
(前倒し操作部の構成)
次に、本例における前倒し操作部40の構成についてさらに説明する。
本例のロック解除ノブ41、ロックノブガーニッシュ43、トリムプレート44は、例えばポリプロピレン樹脂等の樹脂成形品からなるものである。但し、これらは樹脂製に限定されるものではなく、種々の材料を用いることができる。
図5はロックノブガーニッシュ43とトリムプレート44の斜視図である。ロックノブガーニッシュ43は、この図に示すように、中央に設けられた凹部43aと、凹部43aの縁部から外周方向に向かって略水平に延出されたフラップ43bを有している。凹部43aは、フラップ43bに接続する縁部から下端側に向かってやや先細り形状とされている。凹部43aの下端部は、図3の断面構成に示すように、長辺方向の一方の側に底面が形成されて塞がれた状態となっており、他方の側は底面が形成されずに開口状態となっている。なお、凹部43aが本発明の本体部に相当する。
本例では、ロックノブガーニッシュ43は、シートバックフレーム11の肩部に固定されたブラケット45に支持固定されている。図4(a)は前倒し操作部40をシートバック10の座面側からみた図、図4(b)はシートバック10の側面からみた図である。また、この図において、ロック解除ノブ41とロックノブガーニッシュ43は点線で表示し、トリムプレート44は図示を省略している。
ブラケット45は、シートバックフレーム11の上端から着座面側に延出された傾斜面45aを有して形成されている。ブラケット45には、この傾斜面45aから略垂直に立ち上がる板状部材45bが略平行に2枚設けられており、板状部材45bの間にはロック解除ノブ41を回動自在に支持するための回動軸41aが略水平に取り付けられている。
ロックノブガーニッシュ43は、凹部43aが2枚の板状部材45bの間に挟まれるように傾斜面45a上に設置される。そして、凹部43aの一端側に形成された底面をブラケット45の傾斜面45aに当接させて固定することができる。また、凹部43aの開口状態となった側の下端部は、回動軸41aに引っ掛けられて支持される。これにより、回動軸41aが凹部43aを横切るように組み付けられた状態となる。
なお、このようなブラケットの構成は一例であり種々改変することができる。例えば、板状部材45bに代えて、ロックノブガーニッシュ43の凹部43aの外周形状に合わせたワイヤフレームを設けてもよい。
このようにしてシートバックフレーム11の肩部に固定されたロックノブガーニッシュ43は、図3に示すように、シートバック10の肩部に設けられた表皮材13の開口からフラップ43bがシートバック10の表面に露出するように取り付けられている。この図に示すように、ロックノブガーニッシュ43の周囲の表皮材13の端末は、フラップ43bにシートバック10の表面側から覆われ、本例のトリムプレート44に接合されて端末処理されている。
トリムプレート44は、図5に示すように、略矩形状の断面を有し各部位の厚み寸法が略同一に形成された筒状部材である。従って、ロックノブガーニッシュ43の凹部43aは、図5の矢印方向に組み付けることにより、トリムプレート44の内周部すなわち筒状空間内に嵌め込むことができるようになっている。
図6及び図7は図3の要部拡大図である。ロック解除ノブ41は、この図に示すようにくの字状に屈曲した形状を有しており、屈曲部を回動軸41aに軸着することにより、ロックノブガーニッシュ43の凹部43a内に回動自在に組み付けられている。ロック解除ノブ41の一端側には操作ワイヤ42の端部が固定されている。また、操作ワイヤ42は、ブラケット45の傾斜面45a(図4参照)に形成された挿通孔に挿通されてシートバック10の内部側に延出されている。
このような構成により、ロック解除ノブ41は、シートバック10の表面側にある自由端41bを、凹部43aから矢印Xの方向に持ち上げて回動させることができる。これにより、図7に示すように、もう一方の自由端41cに連結された操作ワイヤ42が矢印Yの方向に牽引され、ロック解除操作を行うことができる。
(表皮材の端末処理部の構成)
本例では、以上のような構成において、開口を囲む表皮材13の端末部13aが、図6乃至図9に示すようにトリムプレート44の筒状内周面44aに縫合糸46によって縫合されており、トリムプレート44の筒状内周面44aに沿って表皮材13の端末部13aの縫製ラインが形成されている。
このような縫製ラインを形成するためには、まず、トリムプレート44を、表皮材13に設けた開口から、シートバック10の内部空間すなわち凹部10a内に位置する側に配設し、トリムプレート44の一端側の開口を表皮材13の裏面側から開口に位置合わせする。次に、表皮材13の端末部13aをトリムプレート44の開口から凹部10aの内部側に所定長さ分引き込んで筒状内周面44aに密着させ、トリムプレート44と表皮材13の端末部13aとを縫合糸46で共縫いして接合する。
そして、ロックノブガーニッシュ43の凹部43aを、表皮材13の端末部13aが接合された上からトリムプレート44の筒状空間に嵌め込む。これにより、凹部43aと筒状内周面44aとの間に表皮材13の端末部13aが挟みこまれる。そして、表皮材13は、トリムプレート44の開口付近において、フラップ43bの裏面に沿って折り曲げられてシートバック10の表面をなす方向に方向転換されている。
このとき、トリムプレート44の開口付近の表皮材13は、ロックノブガーニッシュ43のフラップ43bによってシートバック10の表面側から覆われている。また、トリムプレート44の筒状内周面44aに沿って設けられた縫製ライン及び端末部13aについても、フラップ43bあるいは凹部43aによってシートバック10の表面側から覆われた状態となっている。つまり、縫製ライン及び端末部13aがロックノブガーニッシュ43からはみ出さないように、外観性良く端末処理されている。
このように、本例では、トリムプレート44が従来例のような平板状でなく筒状に形成され、その筒状内周面44aに沿って表皮材13の端末部13aが縫合されていることにより、縫製ラインが従来例のようにフラップ43bの裏面に沿って設けられていない。従って、フラップ43bの幅が狭くても縫製ラインがフラップ43bからはみ出すことがない。よって、ロックノブガーニッシュ43を小型化し軽量化することができる。
また、このように構成されていると、図9に示すように表皮材13が開口の外周方向(図9の矢印Z方向)に引っ張られた場合に、表皮材13の端末部13aと縫合糸46はトリムプレート44の筒状内周面44aに沿ってシートバック10の表面側に移動する。しかし、縫製ラインはシートバック10の表面から離れた位置に設けられているので、縫製ラインはトリムプレート44の開口の縁を越えて開口の外周側にはみ出すところまで位置ずれすることがなく、フラップ43bからはみ出すことがない。従って、外観商品性を向上させることができる。
つまり、本例の構成では、表皮材13が引っ張られることによって縫製ラインの位置ずれが生じても、その位置ずれが、従来のように縫製ラインや端末部13aがフラップ43bからからはみ出す原因となることがない。従って、外観性の良好な状態を維持することができる。また、縫製ラインや端末部13aの位置精度が少々悪くても、フラップ43bからのはみ出しが発生しない。つまり、外観品質が縫製ラインの位置精度に左右されないため、端末処理作業に熟練を要さない構成となっている。
なお、上記実施例では表皮材13とトリムプレート44との接合手段として縫合を用いていたが、縫合に限らず、他の接合方法にも本発明が適用できるのは勿論である。例えば、縫合糸46以外の接合部材として面状ファスナーなどの種々のファスナー材を用いた場合も同様の効果が得られる。また、トリムプレート44の筒状内周面44aに係止突起を設けると共に表皮材13の端末部13aに係合穴を設け、係止突起に係合穴を係合させて接合する構成でも同様の効果が得られる。つまり、このような構成では、表皮材13が引っ張られることによって係合穴が引っ張り方向に拡径される可能性があるが、上記実施例と同様に、拡径部が筒状内周面44aに沿った範囲内であれば、フラップ43bからのはみ出しは発生しない。また、表皮材13の端末部13aに係合穴を設ける代わりにひも状のコード部材を取り付けて係止突起に引っ掛ける構成であっても、同様の効果が得られる。
また、上記実施例では、トリムプレート44は略同一径の筒状部材とされ、筒状内周面44aはシートバック10の表面に対して略垂直をなすように配設されていたが、筒状内周面44aが例えば斜面や段差面、湾曲面などの種々の形状とされていても本発明が適用できる。すなわち、斜面や段差面、湾曲面のような形状であっても、シートバック10の表面からシートバック10の内部側に所定寸法引き込んだ位置で表皮材13の端末部13aをトリムプレート44に接合することができる。
また、表皮材13との接合面となる筒状内周面44aは、上記実施例では開口の縁に沿って連続面をなすように形成されているが、この接合面は、例えばくし形状に周方向に分断されていても良い。このような構成であっても、表皮材13の端末部13aを開口の縁よりも内部側に引き込んだ位置に接合ラインを設けることができる。
さらに、上記実施例では、シートバック10の肩部に凹部10aを設け、凹部10aに合わせて表皮材13に開口を設け、その開口にロックノブガーニッシュ43及びトリムプレート44を取り付けてロック解除ノブ41を配設したが、シートバック10の肩部に限らず、表皮材13に覆われた被覆部の所望の位置をロックノブガーニッシュ43及びトリムプレート44の取付位置とすることができる。例えば、シートバック10の側面部や、背面部のバックボードが設けられていない位置を取付位置とすることができる。
また、上記実施例は、シートバック10の前傾作動のロック解除を行うためのロック解除ノブ41の取付部に適用されていたが、例えば、リクライニング機構のロック解除ノブや、その他種々の操作を行うための操作部材の取付部に適用することができる。また、上記実施例の車両用シートSは、ヘッドレストやアームレストなどを設けた構成であってもよく、この場合には、操作部材はヘッドレストやアームレストを可動にするためのロック解除ノブであってもよい。
さらに、本発明の端末処理方法は、車両用シートに限らず、表皮材に覆われた車両用部品において、表皮材に開口を設け、ガーニッシュを取り付けて開口まわりを補強する構成に、広く適用することができる。
本実施形態の車両用シートを着座側からみた斜視図である。 本実施形態のシートバックのフレーム部分の構成を示す説明図である。 本実施形態のシートバックの肩部の断面図(図1のA−A断面図)である。 本実施形態の前倒し操作部の説明図である。 本実施形態のトリムプレートの説明図である。 本実施形態のシートバックの肩部の要部拡大断面図(図1のA−A断面図)である。 本実施形態のシートバックの肩部の要部拡大断面図(図1のA−A断面図)である。 本実施形態のシートバックの肩部の要部拡大断面図(図1のB−B断面図)である。 本実施形態のシートバックの肩部の要部拡大断面図(図1のB−B断面図)である。 従来例の表皮材の端末処理を示す要部拡大断面図である。 従来例の表皮材の端末処理を示す要部拡大断面図である。
符号の説明
10‥‥シートバック
10a‥凹部
11‥‥シートバックフレーム
12‥‥クッションパッド
13‥‥表皮材
13a‥端末部
20‥‥シートクッション
30‥‥前倒し機構部
31‥‥回動軸
32‥‥ロック機構
33‥‥サイドフレーム
34‥‥ブラケット
40‥‥前倒し操作部
41‥‥ロック解除ノブ
41a‥回動軸
41b‥自由端
41c‥自由端
42‥‥操作ワイヤ
43‥‥ロックノブガーニッシュ
43a‥凹部
43b‥フラップ
44‥‥トリムプレート
44a‥筒状内周面
45‥‥ブラケット
45a‥傾斜面
45b‥板状部材
46‥‥縫合糸
100‥‥シートバック
101‥‥表皮材
101a‥端末
102‥‥ガーニッシュ
102a‥凹部
102b‥フラップ
103‥‥トリムプレート
104‥‥充填材
105‥‥縫合糸
S‥車両用シート
W,X,Y,Z‥矢印

Claims (6)

  1. 表皮材によって覆われた可倒式の可動部と、該可動部を支持する固定部と、該固定部と前記可動部とを角度調整可能に連結する角度調整機構部と、該角度調整機構部を角度調整作動が不能なロック状態,角度調整作動が可能なロック解除状態,に切り換えるための操作部と、を備えた車両用シートにおいて、
    前記操作部は、前記角度調整機構部に一端が連結された伝達部材と、該伝達部材の他端に連結された操作部材と、を有し、該操作部材は前記可動部に設けられた凹部に配設され、
    前記表皮材には、前記凹部に合わせて開口が設けられ、該開口には、前記表皮材の裏面側に配設され前記表皮材の端末が接合されるトリムプレート,前記表皮材の端末を前記可動部の表面側から覆うガーニッシュ,が配設され、
    前記トリムプレートには、前記開口に沿う縁部が設けられ、該縁部から前記可動部の内部側へ延出される接合面が形成され、該接合面に前記表皮材の端末が当接され接合されたことを特徴とする車両用シート。
  2. 前記トリムプレートは、一端が前記表皮材を介して前記ガーニッシュの裏面に対向するように設けられた筒状部を有して形成され、該筒状部の内周面に前記表皮材の端末が接合されたことを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
  3. 前記ガーニッシュは、前記凹部に配設された本体部と、該本体部から前記可動部の表面に沿って前記開口の外周方向に延出された略平面状のフラップと、を有して構成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
  4. 前記トリムプレートは、前記表皮材の端末と縫合により接合されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用シート。
  5. 前記可動部は、シートバックからなることを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
  6. 前記凹部は、前記シートバックの肩部に設けられたことを特徴とする請求項5に記載の車両用シート。
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