JP2007045881A - オレフィン類重合用固体触媒成分および触媒並びにこれを用いたオレフィン類重合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 マグネシウム化合物、四塩化チタン、及び電子供与体を含有する固体成分に、(R1R2N)n(R3)4−n−mSi(OR4)mで表わされる有機ケイ素化合物(b)、〔CH2=CH−(CH2)n〕qSiR5 4−qで表わされる有機ケイ素化合物(c)および有機アルミニウム化合物を接触させて得られるオレフィン重合用固体触媒成分、および(B)有機アルミニウム化合物および必要により(C)外部電子供与体から形成されるオレフィン重合用触媒、更に該触媒を用いてオレフィン類重合体を得る。
【選択図】 図1
Description
(R1R2N)n(R3)4−n−mSi(OR4)m (1)
(式中、R1は炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ビニル基、アリル基、アラルキル基を示し、R2は水素原子、炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ビニル基、アリル基、アラルキル基を示し、R1とR2は同一でも異なっていてもよく、また互いに結合してなる環状の2価の基を示し、R3は炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ビニル基、アリル基、アラルキル基を示し、R4は炭素数1〜4のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ビニル基、アリル基またはアラルキル基を示し、同一又は異なっていてもよく、nは1≦n≦3の整数を表し、mは1または2の整数を表し、n+m≦4である。)で表わされる有機ケイ素化合物(b)、下記一般式(2);
〔CH2=CH−(CH2)l〕qSiR5 4−q (2)
(式中、R5は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ビニル基、ハロゲン原子を示し、同一又は異なっていてもよく、lは0または1≦l≦5の整数であり、qは1≦q≦4の整数である。但し、qが1の場合、R5の少なくとも一つは炭素数2〜20のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ビニル基、ハロゲン原子である。)で表わされる有機ケイ素化合物(c)および下記一般式(3);
R6 rAlQ3−r (3)
(式中、R6は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Qは水素原子あるいはハロゲン原子を示し、rは1≦r≦3の整数である。)で表わされる有機アルミニウム化合物(d)を接触させて得られることを特徴とするオレフィン類重合用固体触媒成分を提供するものである。
(式中、R7は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Qは水素原子あるいはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3の整数である。)で表される有機アルミニウム化合物、および必要に応じて(C)外部電子供与性化合物を含有することを特徴とするオレフィン類重合用触媒を提供するものである。
(1)ジアルコキシマグネシウム(i)を芳香族炭化水素化合物(iv)溶媒中に懸濁させた後、四塩化チタンと接触させ、その後昇温して成分(iii)と接触させて固体生成物を得、該固体生成物を芳香族炭化水素化合物(iv)で洗浄した後、芳香族炭化水素化合物(iv)の存在下、再度四塩化チタンと接触させて固体成分(a)を調製する方法。なおこの際、該固体成分を、炭化水素化合物溶媒の存在下又は不存在下で加熱処理して固体成分(a)を得ることができる。また、該固体成分と四塩化チタンとを2回以上接触させて固体成分(a)を得ることもできる。
本発明の固体触媒成分(A)は、前記固体成分(a)に前記成分(b)、前記成分(c)および前記成分(d)を接触させて得られるが、成分(a)、(b)、(c)および(d)の接触は、操作の容易性を考慮して、不活性溶媒の存在下に行う。不活性溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素化合物、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素化合物などが用いられる。各成分の接触順序は特に制限は無いが、以下に示す接触順序が好ましい。
(1)成分(a)+成分(b)+成分(c)+成分(d)
(2)成分(a)+成分(b)+成分(c)→成分(d)
(3)成分(a)+成分(b)→成分(c)+成分(d)
(4)成分(a)+成分(c)→成分(b)+成分(d)
(5)成分(a)+成分(d)→成分(b)+成分(c)
(6)成分(a)→成分(b)+成分(c)(予め混合)→成分(d)
(7)成分(a)→成分(c)+成分(d)(予め混合)→成分(b)
R15 sSi(OR16)4−s (5)
(式中、R15は炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、ビニル基、アリル基、アラルキル基を示し、同一または異なっていてもよく、R16は炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐を持つアルキル基を示し、同一または異なっていてもよく、sは0≦s≦3の整数である。)で表される化合物が用いられる。このような有機ケイ素化合物としては、フェニルアルコキシシラン、アルキルアルコキシシラン、フェニルアルキルアルコキシシラン、シクロアルキルアルコキシシラン、シクロアルキルアルキルアルコキシシラン等を挙げることができる。
窒素ガスで十分に置換され、撹拌機を具備した容量500ミリリットルの丸底フラスコにジエトキシマグネシウム10グラム、フタル酸ジブチル2.5グラムおよびトルエン80ミリリットルを装入して、懸濁状態とし、温度を10℃に保持した。次いで該懸濁溶液に四塩化チタン20ミリリットルを懸濁液の温度が10℃に保持するようにフラスコを冷却しながら加えて、その後1時間10℃で攪拌した。その後、昇温して90℃とした。その後90℃の温度を保持した状態で、1時間撹拌しながら反応させた。反応終了後、80℃のトルエン100ミリリットルで4回洗浄し、新たに四塩化チタン20ミリリットルおよびトルエン80ミリリットルを加え、100℃に昇温し、1時間撹拌しながら反応させた。反応終了後、40℃のn−ヘプタン100ミリリットルで7回洗浄した。固液を分離して、固体成分を得た。固体分中のチタン含有率を測定したところ、2.8重量%であった。
窒素ガスで十分に置換され、撹拌機を具備した容量300ミリリットルの丸底フラスコに、上記で得られた固体成分(a)6グラムを21ミリリットルのヘプタンに懸濁し、ジアリルジメチルシラン0.5グラムを加え、60℃で1時間処理した。1時間後にヘプタン23ミリリットル、ビスパーヒドロイソキノリノジメトキシシラン3.9グラム、トリエチルアルミニウム2グラムを加え、60℃で1時間処理した。処理終了後室温のヘプタン50ミリリットルで8回洗浄し、固液を分離し、固体触媒成分を得た。固体触媒成分中のチタン含有率を測定したところ、2.0重量%であった。
窒素ガスで完全に置換された内容積2.0リットルの撹拌機付オートクレーブに、トリエチルアルミニウム1.32ミリモルおよび前記固体触媒成分をチタン原子として0.0026ミリモル装入し、重合用触媒を形成した。その後、水素ガス1.5リットル、液化プロピレン1.4リットルを装入し、20℃で5分間予備重合を行なった後に昇温し、70℃で1時間重合反応を行った。このときの固体触媒成分1g当たりの重合活性、ヘプタン不溶分(HI)、生成重合体のメルトインデックスの値(MI)、多分散性指数(PI)を表2に示した。
重合活性=生成重合体(g)/固体触媒成分(g)
また、ヘプタン不溶分(HI)は以下の方法で測定した。
生成重合体を沸騰n−ヘプタンで6時間抽出したときのn−ヘプタンに不溶解の重合体の割合(重量%)とした。
多分散性指数の値(PI)は、レオメトリクス社製ダイナミックストレスレオメーターで厚さ1.0mmのディスクを用いて測定した。
さらに、生成重合体(a)のメルトインデックスの値(MI)は、ASTM D 1238、 JIS K 7210に準じて測定した。
〔重合触媒の形成および重合〕
窒素ガスで完全に置換された内容積2.0リットルの撹拌機付オートクレーブに、トリエチルアルミニウム1.32ミリモル、ビスパーヒドロイソキノリノジメトキシシラン0.13ミリモルおよび実施例1で調製した固体成分(a)をチタン原子として0.0026ミリモル装入し、重合用触媒を形成した。その後、水素ガス1.5リットル、液化プロピレン1.4リットルを装入し、20℃で5分間予備重合を行なった後に昇温し、70℃で1時間重合反応を行った。重合結果を表2に示した。
実施例10で調製した固体成分(a)を用い、固体触媒成分を調製する際にビスパーヒドロイソキノリノジメトキシシラン3.9グラムの代わりにシクロヘキシルメチルジメトキシシラン2.0グラムを使用した以外は実施例1と同様に固体触媒成分を調製し、更に重合触媒の形成および重合を行った。得られた固体触媒成分中のチタン含有量は1.9重量%であった。重合結果を表2に示した。
実施例1で調製した固体成分(a)を用い、固体触媒成分を調製する際にジアリルジメチルシランを使用しなかった以外は実施例1と同様に固体触媒成分を調製し、更に重合触媒の形成および重合を行った。得られた固体触媒成分中のチタン含有量は1.9重量%であった。重合結果を表2に示した。
Claims (16)
- マグネシウム、チタン、ハロゲン及び電子供与体を含有する固体成分(a)に、下記一般式(1);
(R1R2N)n(R3)4−n−mSi(OR4)m (1)
(式中、R1は炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ビニル基、アリル基、アラルキル基を示し、R2は水素原子、炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ビニル基、アリル基、アラルキル基を示し、R1とR2は同一又は異なっていてもよく、また互いに結合してなる環状の2価の基を示し、R3は炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ビニル基、アリル基、アラルキル基を示し、R4は炭素数1〜4のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ビニル基、アリル基またはアラルキル基を示し、同一又は異なっていてもよく、nは1≦n≦3の整数を表し、mは1または2の整数を表し、n+m≦4である。)で表わされる有機ケイ素化合物(b)、
下記一般式(2);
〔CH2=CH−(CH2)l〕qSiR5 4−q (2)
(式中、R5は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ビニル基、ハロゲン原子を示し、同一又は異なっていてもよく、lは0または1〜5の整数であり、qは1≦q≦4の整数である。但し、qが1の場合、R5の少なくとも一つは炭素数2〜20のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ビニル基、ハロゲン原子である。)で表わされる有機ケイ素化合物(c)および
下記一般式(3);
R6 rAlQ3−r (3)
(式中、R6は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Qは水素原子あるいはハロゲン原子を示し、rは1≦r≦3の整数である。)で表わされる有機アルミニウム化合物(d)を接触させて得られることを特徴とするオレフィン類重合用固体触媒成分。 - 前記固体成分(a)が、マグネシウム化合物(i)、チタン化合物(ii)および電子供与性化合物(iii)を接触して得られることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン類重合用固体触媒成分。
- 前記マグネシウム化合物(i)が、ジアルコキシマグネシウムであることを特徴とする請求項2に記載のオレフィン類重合用固体触媒成分。
- 前記チタン化合物(ii)が、四塩化チタンであることを特徴とする請求項2に記載のオレフィン類重合用固体触媒成分。
- 前記電子供与性化合物(iii)が、カルボン酸ジエステルまたはその誘導体であることを特徴とする請求項2に記載のオレフィン類重合用固体触媒成分。
- 前記電子供与性化合物(iii)が、フタル酸ジエステルまたはその誘導体であることを特徴とする請求項2に記載のオレフィン類重合用固体触媒成分。
- 前記有機ケイ素化合物(b)の一般式(1)中のR1R2Nがパーヒドロキノリノ基またはパーヒドロイソキノリノ基であることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン類重合用固体触媒成分。
- 前記有機ケイ素化合物(b)の一般式(1)中のR1が、2級炭素または3級炭素を含むアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン類重合用固体触媒成分。
- 前記有機ケイ素化合物(b)が、tert−ブチルアミノアルキルジアルコキシシシラン、ビスパーヒドロキノリノジアルコキシシランまたはビスパーヒドロイソキノリノジアルコキシシランであることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン類重合用固体触媒成分。
- 前記有機ケイ素化合物(c)が、ジアリルジアルキルシランであることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン類重合用固体触媒成分。
- 前記マグネシウム化合物(i)が、ジエトキシマグネシウムであることを特徴とする請求項2または3に記載のオレフィン類重合用固体触媒成分。
- 前記マグネシウム化合物(i)がジアルコキシマグネシウムであり、且つ前記チタン化合物(ii)がチタンハロゲン化物であることを特徴とする請求項2または3に記載のオレフィン類重合用固体触媒成分。
- (A)請求項1〜12のいずれか1項に記載のオレフィン類重合用固体触媒成分、(B)下記一般式(4);
R7 pAlQ3-p(4)
(式中、R7は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Qは水素原子あるいはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3の整数である。)で表される有機アルミニウム化合物、および(C)必要に応じ外部電子供与性化合物を含有することを特徴とするオレフィン類重合用触媒。 - 前記(C)外部電子供与性化合物が、下記一般式(5);
R8 qSi(OR9)4−q (5)
(式中、R8は炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、ビニル基、アリル基、アラルキル基を示し、同一または異なっていてもよい。R9は炭素数1〜4のアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、ビニル基、またはアリル基又はアラルキル基を示し、同一または異なっていてもよい。qは0≦q≦3の整数である。)で表される有機ケイ素化合物であることを特徴とする請求項13に記載のオレフィン類重合用触媒。 - 請求項13または14に記載のオレフィン類重合用触媒の存在下にオレフィン類の重合を行なうことを特徴とするオレフィン類重合体の製造方法。
- 前記オレフィン類が、プロピレンであることを特徴とする請求項15に記載のオレフィン類重合体の製造方法。
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