JP3822586B2 - オレフィン類重合用固体触媒成分前駆体の製造方法並びにオレフィン類重合用固体触媒成分及び触媒 - Google Patents
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(B)下記一般式(1);
R1 pAlQ3-p (1)
(式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Qは水素原子あるいはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3の実数である。)で表される有機アルミニウム化合物から形成されるオレフィン類重合用触媒である。
(式中、R4は炭素数1〜3のアルキル基を示し、同一であっても異なってもよく、Xは塩素原子または臭素原子を示す。)
上記一般式(3)においてR4はメチル基、エチル基、プロピル基またはイソプロピル基であり、好ましくはメチル基であり、R4がメチル基の化合物とは具合的にはピバル酸のハライド(あるいはトリメチル酢酸のハライド)のことである。具体的な化合物としては、トリメチル酢酸クロライド(ピバル酸クロライド)、トリメチル酢酸ブロマイド(ピバル酸ブロマイド)、トリエチル酢酸クロライド、トリエチル酢酸ブロマイド、トリプロピル酢酸クロライド、トリプロピル酢酸ブロマイド、トリイソプロピル酢酸クロライド、トリイソプロピル酢酸ブロマイドなどが挙げられる。
1)ジアルコキシマグネシウム粉末をトルエンなどの不活性有機溶媒に懸濁させ、攪拌する。この懸濁液中に、不活性有機溶媒に溶解させたモノカルボン酸ハライドの溶液を添加し、接触させる。
2)ジアルコキシマグネシウム粉末をトルエンなどの不活性有機溶媒に懸濁させ、攪拌する。この懸濁液を、不活性有機溶媒に溶解させたモノカルボン酸ハライドの溶液中に添加し、接触させる。
(R6)iC6H4-i(COOR7)(COOR8) (4)
(式中、R6は炭素数1〜8のアルキル基又はハロゲン原子を示し、R7およびR8は炭素数1〜12のアルキル基を示し、R7とR8は同一であっても異なってもよく、また、置換基R6の数iは1又は2であり、iが2のとき、R6は同一であっても異なってもよい。)で表わされるものが好ましい。
(1)(a)→(d)→(b)→(c)→《中間洗浄→(d)→(b)》→最終洗浄→固体触媒成分(A)
(2)(a)→(d)→(c)→(b)→《中間洗浄→(d)→(b)》→最終洗浄→固体触媒成分(A)
(3)(a)→(d)→(b)→(c)→《中間洗浄→(d)→(b)→(c)》→最終洗浄→固体触媒成分(A)
(4)(a)→(d)→(b)→(c)→《中間洗浄→(d)→(c)→(b)》→最終洗浄→固体触媒成分(A)
(5)(a)→(d)→(c)→(b)→《中間洗浄→(d)→(b)→(c)》→最終洗浄→固体触媒成分(A)
(6)(a)→(d)→(c)→(b)→《中間洗浄→(d)→(c)→(b)》→最終洗浄→固体触媒成分(A)
なお、上記の各接触方法において、二重かっこ(《 》)内の工程については、必要に応じ、複数回繰り返し行なうことで一層活性が向上する。かつ《 》内の工程で用いる成分(b)は、新たに加えたものでも、前工程の残留分のものでもよい。また、上記(1)〜(6)で示した洗浄工程以外でも、各接触段階で得られる生成物を、常温で液体の炭化水素化合物で洗浄することもできる。
・低温熟成反応:−20〜70℃、好ましくは−10〜60℃、より好ましくは0〜30℃で、1分〜6時間、好ましくは5分〜4時間、特に好ましくは10分〜3時間。
・反応処理:−20〜130℃、好ましくは70〜120℃、特に好ましくは80〜115℃で、0.5〜6時間、好ましくは0.5〜5時間、特に好ましくは1〜4時間。
・洗浄:0〜110℃、好ましくは30〜100℃、特に好ましくは30〜90℃で、1〜20回、好ましくは1〜15回、特に好ましくは1〜10回。なお、洗浄の際に用いる炭化水素化合物は、常温で液体の芳香族あるいは飽和炭化水素が好ましく、具体的には、芳香族炭化水素としてトルエン、キシレン、エチルベンゼンなど、飽和炭化水素としてヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどが挙げられる。好ましくは、中間洗浄では芳香族炭化水素を、最終洗浄では飽和炭化水素を用いることが望ましい。
R2 q Si(OR3)4-q (2)
(式中、R2は炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、ビニル基、アリル基、又はアラルキル基を示し、同一または異なっていてもよく、R3は炭素数1〜4のアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、ビニル基、アリル基、又はアラルキル基を示し、同一または異なっていてもよく、qは0≦q≦3の整数である。)で表される化合物が用いられる。
本発明のオレフィン類重合用触媒の存在下で、オレフィン類の重合を行った場合、従来の触媒を使用した場合に較べ、ポリマーの立体規則性および収率を高度に維持でき、しかも微粉が少なく粒度分布の均一な重合体を得ることができる。
撹拌機を具備し、窒素ガスで充分に置換された、容量500mlの丸底フラスコに、球状ジエトキシマグネシウム粉末10g及びトルエン80mlを装入し、懸濁液を形成し10℃に冷却した。この懸濁液に、安息香酸クロライド12mlを添加し、10℃で6時間攪拌し、前駆体を含有するトルエン懸濁液を得、さらに40℃のトルエン100mlで2回、その後40℃のヘプタン100mlで5回洗浄し、前駆体を含有するヘプタン懸濁液を得た。この前駆体を分析したところ、ジエトキシマグネシウムの47.8%が塩素化され、安息香酸エチルが10.5重量%含有されていた。
〈固体触媒成分の調製〉
上記で得られた前駆体を含むヘプタン懸濁液を、撹拌機を具備し、窒素ガスで充分に置換された、容量500mlの丸底フラスコに予め装入されたトルエン10ml及びチタンテトラクロライド50mlの溶液中に添加した。次いで、該懸濁液を−5℃で2時間反応させた(低温熟成処理)。その後、90℃まで昇温した後、撹拌しながら2時間反応処理(第1処理)を行った。反応終了後、生成物を70℃のトルエン100mlで1回洗浄し、さらに、70℃のn−ヘプタン100mlで4回洗浄(中間洗浄)し、新たにチタンテトラクロライド50mlを加えて、撹拌しながら100℃で1時間の反応処理(第2処理)を行った。さらにチタンテトラクロライド50mlを加えて、撹拌しながら100℃で1時間の反応処理(第3処理)を行った。次いで、生成物を40℃のヘプタン100mlで7回洗浄し、濾過、乾燥して、粉末状の固体触媒成分(A)を得た。この固体触媒成分中のチタン含有量を測定したところ、1.6重量%であった。
〔重合触媒の形成および重合〕
窒素ガスで完全に置換された内容積2.0リットルの撹拌機付オートクレーブに、トリエチルアルミニウム1.32mmol、p−エトキシ安息香酸エチル0.53mmolおよび前記固体触媒成分をチタン原子として0.0026mmol装入し、重合用触媒を形成した。その後、水素ガス3.0リットル、液化プロピレン1.4リットルを装入し、20℃で5分間予備重合を行なった後に昇温し、70℃で1時間重合反応を行った。このときの固体触媒成分1g当たりの重合活性、生成重合体中の沸騰n−ヘプタン不溶分の割合(HI)、生成重合体のメルトフローレイトの値(MFR)を表1に示した。
重合活性=生成重合体(g)/固体触媒成分(g)
また、生成重合体中の沸騰n−ヘプタン不溶分の割合(HI)は、この生成重合体を沸騰n−ヘプタンで6時間抽出したときのn−ヘプタンに不溶解の重合体の割合(重量%)とした。さらに、生成重合体(a)のメルトフローレイトの値(MFR)は、ASTM D 1238に準じて測定した。
実施例1で得られた前駆体を含むヘプタン懸濁液を、撹拌機を具備し、窒素ガスで充分に置換された、容量500mlの丸底フラスコに予め装入されたトルエン10ml及びチタンテトラクロライド50mlの溶液中に添加した。次いで、該懸濁液を−5℃で2時間反応させた(低温熟成処理)。その後、安息香酸エチルを2.9g添加し、さらに90℃まで昇温した後、撹拌しながら2時間反応処理(第1処理)を行った。反応終了後、生成物を70℃のトルエン100mlで1回洗浄し、さらに、70℃のn−ヘプタン100mlで4回洗浄(中間洗浄)し、新たにチタンテトラクロライド50mlを加えて、撹拌しながら100℃で1時間の反応処理(第2処理)を行った。さらにチタンテトラクロライド50mlを加えて、撹拌しながら100℃で1時間の反応処理(第3処理)を行った。次いで、生成物を40℃のヘプタン100mlで7回洗浄し、濾過、乾燥して、粉末状の固体触媒成分(A)を得た。この固体触媒成分中のチタン含有量を測定したところ、1.6重量%であった。
〈重合触媒の形成および重合〉
上記で得られた固体触媒成分を用いた以外は実施例1と同様に実験を行った。得られた結果を表1に示した。
〈固体触媒成分の調製〉
撹拌機を具備し、窒素ガスで充分に置換された、容量200mlの丸底フラスコに、ジエトキシマグネシウム10g及びトルエン40mlを装入し、懸濁状態とした。次いで、該懸濁液を、撹拌機を具備し、窒素ガスで充分に置換された、容量500mlの丸底フラスコに予め装入されたトルエン10ml及びチタンテトラクロライド50mlの溶液中に添加した。次いで、該懸濁液を−5℃で2時間反応させた(低温熟成処理)。その後、安息香酸エチル5.1gを添加して、さらに90℃まで昇温した後、撹拌しながら2時間反応処理(第1処理)を行った。反応終了後、生成物を70℃のトルエン100mlで1回洗浄し、さらに、70℃のn−ヘプタン100mlで4回洗浄(中間洗浄)し、新たにチタンテトラクロライド50mlを加えて、撹拌しながら100℃で1時間の反応処理(第2処理)を行った。さらにチタンテトラクロライド50mlを加えて、撹拌しながら100℃で1時間の反応処理(第3処理)を行った。次いで、生成物を40℃のヘプタン100mlで7回洗浄し、濾過、乾燥して、粉末状の固体触媒成分(A)を得た。この固体触媒成分中のチタン含有量を測定したところ、3.3重量%であった。
〈重合触媒の形成および重合〉
上記で得られた固体触媒成分を用いた以外は実施例1と同様に実験を行った。得られた結果を表1に示した。
〈固体触媒成分の調製〉
撹拌機を具備し、窒素ガスで充分に置換された、容量200mlの丸底フラスコに、ジエトキシマグネシウム10g及びトルエン40mlを装入し、懸濁状態とした。次いで、該懸濁液を、撹拌機を具備し、窒素ガスで充分に置換された、容量500mlの丸底フラスコに予め装入されたトルエン10ml及びチタンテトラクロライド50mlの溶液中に添加した。次いで、該懸濁液を−5℃で2時間反応させた(低温熟成処理)。その後、安息香酸クロライド4.8gを添加して、さらに90℃まで昇温した後、撹拌しながら2時間反応処理(第1処理)を行った。反応終了後、生成物を70℃のトルエン100mlで1回洗浄し、さらに、70℃のn−ヘプタン100mlで4回洗浄(中間洗浄)し、新たにチタンテトラクロライド50mlを加えて、撹拌しながら100℃で1時間の反応処理(第2処理)を行った。さらにチタンテトラクロライド50mlを加えて、撹拌しながら100℃で1時間の反応処理(第3処理)を行った。次いで、生成物を40℃のヘプタン100mlで7回洗浄し、濾過、乾燥して、粉末状の固体触媒成分(A)を得た。この固体触媒成分中のチタン含有量を測定したところ、3.5重量%であった。
〈重合触媒の形成および重合〉
上記で得られた固体触媒成分を用いた以外は実施例1と同様に実験を行った。得られた結果を表1に示した。
Claims (12)
- 不活性有機溶媒の存在下においてジアルコキシマグネシウム粉末をモノカルボン酸ハライドで処理して、前記ジアルコキシマグネシウムの10〜60%がハロゲン化されたオレフィン類重合用固体触媒成分前駆体を含有する懸濁液を得ることを特徴とするオレフィン類重合用固体触媒成分前駆体の製造方法。
- 前記ジアルコキシマグネシウムがジエトキシマグネシウムであることを特徴とする請求項1記載のオレフィン類重合用固体触媒成分前駆体の製造方法。
- 前記モノカルボン酸ハライドが芳香族モノカルボン酸ハライドであることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン類重合用固体触媒成分前駆体の製造方法。
- 前記モノカルボン酸ハライドが安息香酸ハライド又はトリメチル酢酸ハライドであることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン類重合用固体触媒成分前駆体の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載される製造方法により製造されるオレフィン類重合用固体触媒成分前駆体(a)と4価のチタンハロゲン化合物(b)とを接触させることにより調製されることを特徴とするオレフィン類重合用固体触媒成分。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載される製造方法において得られるオレフィン類重合用固体触媒成分前駆体(a)を含有する懸濁液と4価のチタンハロゲン化合物(b)とを接触させることにより調製されることを特徴とするオレフィン類重合用固体触媒成分。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載される製造方法において得られるオレフィン類重合用固体触媒成分前駆体(a)を含有する懸濁液と4価のチタンハロゲン化合物(b)と電子供与性化合物(c)とを接触させることにより調製されることを特徴とするオレフィン類重合用固体触媒成分。
- 電子供与性化合物(c)がモノカルボン酸エステルであることを特徴とする請求項7に記載のオレフィン類重合用固体触媒成分。
- (A)請求項5〜8のいずれか1項に記載のオレフィン類重合用固体触媒成分、(B)下記一般式(1);R1 pAlQ3-p (1)
(式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Qは水素原子あるいはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3の実数である。)で表される有機アルミニウム化合物から形成されることを特徴とするオレフィン類重合用触媒。 - (A)請求項5〜8のいずれか1項に記載のオレフィン類重合用固体触媒成分、(B)下記一般式(1);R1 pAlQ3-p (1)
(式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Qは水素原子あるいはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3の実数である。)で表される有機アルミニウム化合物および(C)外部電子供与性化合物から形成されることを特徴とするオレフィン類重合用触媒。 - 前記(C)外部電子供与性化合物が、モノカルボン酸エステルであることを特徴とする請求項10記載のオレフィン類重合用触媒。
- 前記(C)外部電子供与性化合物が、下記一般式(2);
R2 qSi( OR3)4-q (2)
(式中、R2は炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、ビニル基、アリル基、アラルキル基のいずれかで、同一または異なっていてもよい。R3は炭素数1〜4のアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、ビニル基、アリル基、アラルキル基を示し、同一または異なっていてもよい。qは0≦q≦3の整数である。)で表される有機ケイ素化合物であることを特徴とする請求項10に記載のオレフィン類重合用触媒。
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