JP2007038831A - 二輪車用空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】 二輪車の車体(タイヤ11)を大きく倒した旋回時における操縦安定性を向上させる。
【解決手段】 トレッド端Pと点Qとを結ぶ直線Mと直線Nとの交差角Aを55度以上としたので、タイヤ11が大きく(55度程度)倒れたとき、前記直線Mが路面Jに対し実質上平行となるか、あるいは、トレッド端Pに向かって拡開するよう直線Mが路面Jに対し傾斜する。この結果、接地形状Kの面積中心Cが、トレッド端Pからタイヤ赤道S側にL/6以上離れた位置までタイヤ赤道S側にずれて、接地形状Kのトレッド端P側端部はトレッド端Pによって殆どあるいは全く切り落とされることはなく、これにより、接地形状Kの幅Hが従来よりかなり幅広となる。
【選択図】 図2

Description

この発明は、カーカス層の半径方向外側に実質上周方向に延びる補強素子が埋設された周方向ベルト層が配置されている二輪車用空気入りタイヤに関する。
一般に、二輪車用空気入りタイヤにおいては、直進走行時には二輪車の車体が路面に対してほぼ直立しているため、タイヤのトレッド中央部が主に路面に接地し、一方、旋回走行時には二輪車の車体が路面に対して傾斜するため、トレッド端部が主に路面に接地する。この結果、二輪車用空気入りタイヤのトレッド中央部には、直進走行時の周方向入力(加減速)に対するグリップが、一方、トレッド両端部には旋回走行時の幅方向(横方向)入力に対するグリップがそれぞれ要求される。
従来、前述した直進走行時におけるタイヤのグリップ(操縦安定性)を向上させるため、例えば以下の特許文献1に記載されているようなものが提案されている。
特開平9−226319号公報
このものは、カーカス層の半径方向外側に、内部に実質上周方向に延びる補強素子が埋設された2枚の周方向プライからなる周方向ベルト層を配置するとともに、前記周方向プライ間に繊維/ゴム複合体からなる補強層を配置したものである。そして、このものは、周方向ベルト層の高いたが効果によって高速走行時の遠心力によるトレッド部の径成長を抑制し、これにより、接地形状の変化を強力に抑制して、直進走行時の操縦安定性および高速耐久性を向上させるようにしている。
しかしながら、前述の二輪車用空気入りタイヤに設けられた周方向ベルト層は、二輪車の車体を大きく倒した旋回時、例えば舗装路でのUターン時や、サーキットでのヘアピン通過時における操縦安定性を殆ど向上させることができなかったため、ユーザーから前述ようなタイヤにおいて、二輪車の車体を大きく倒した旋回時における操縦安定性を向上させて欲しいという要望が数多く出されていた。
そこで、本発明者は二輪車の車体を大きく倒した旋回時におけるタイヤの状態を詳しく研究した結果、前述のように車体を大きく倒したとき、タイヤは路面に対して55度程度傾斜し(キャンバー角が55度程度である)、トレッド幅の 1/6程度の幅のトレッド端部において接地していること、また、従来のタイヤを路面に対して55度程度傾斜させると、その接地形状Kは、図8に示すように、周方向に細長い略楕円形からトレッド端P側端部がトレッド端Pによって切り落とされた幅狭の略蒲鉾形となってその面積中心Cがトレッド端P近傍に位置することになるため、接地しているトレッド端部の狭い範囲のゴムがグリップを出すことになり、この結果、該部位のゴムの負担が大きくなって充分なグリップを出すことができず、操縦安定性が低下することを知見した。
この発明は、トレッド幅の 1/6程度の幅であるトレッド両端部の外表面輪郭形状が旋回時の接地形状、操縦安定性に大きな影響を与えることに着目してなされたもので、一対のビードコア間をトロイダル状に延びるカーカス層と、カーカス層の半径方向外側に配置され、内部に実質上周方向に延びる補強素子が埋設された少なくとも1枚の周方向プライからなる周方向ベルト層と、前記周方向ベルト層の半径方向外側に配置されたトレッドとを備えた二輪車用空気入りタイヤにおいて、標準リムに装着され正規内圧が充填されたときの子午線断面におけるトレッド端Pからタイヤ赤道Sまでのトレッド外表面上での距離をLとし、トレッド端Pからトレッド外表面に沿ってL/3だけタイヤ赤道S側に離れた点をQとしたとき、前記トレッド端Pと点Qとを結ぶ直線Mとタイヤ回転軸線に平行な直線Nとの交差角Aを55〜63度の範囲内とした二輪車用空気入りタイヤである。
この発明においては、トレッド端Pからタイヤ赤道Sまでのトレッド外表面上での距離をLとし、トレッド端Pからトレッド外表面に沿ってL/3だけタイヤ赤道S側に離れた点をQとしたとき、前記トレッド端Pと点Qとを結ぶ直線Mとタイヤ回転軸線に平行な直線Nとの交差角Aを55度以上としたので、タイヤが大きく(55度程度)倒れたとき、前記直線Mが路面に対し実質上平行となるか、あるいは、トレッド端Pに向かって拡開するよう直線Mが路面に対し傾斜する。
この結果、接地形状Kの面積中心Cが、トレッド端Pからタイヤ赤道S側にL/6以上離れた位置までタイヤ赤道S側にずれて、接地形状Kのトレッド端P側端部がトレッド端Pによって殆どあるいは全く切り落とされることがなくなり、これにより、接地形状Kの幅Hが従来よりかなり幅広となる。なお、このときの接地形状Kの面積は従来とほぼ同一である。このようなことから広い範囲のゴムがグリップを出すこととなってゴムの負担が軽減され、充分なグリップを出す、即ち、操縦安定性を向上させることができるとともに、耐摩耗性も向上させることができるようになった。
但し、前記交差角Aが63度を超えると、接地形状Kの面積中心Cがタイヤ赤道S側に大きくずれてトレッド端P近傍が接地しなくなり、この結果、接地形状Kの幅Hが従来とほぼ同等程度となるため、前記交差角Aは63度以下でなければならない。
また、請求項2に記載のように構成すれば、接地形状の幅方向中央部での接地圧低下を効果的に抑制しながら、接地形状の幅を充分に幅広とすることができる。
さらに、請求項3に記載のように構成すれば、トレッド端部の外表面輪郭形状が円弧であるとき、請求項2に係る発明と同様の作用・効果を奏することができる。
また、請求項4に記載のように構成すれば、周方向プライを簡単かつ安価に製造することができる。
さらに、請求項5に記載のように構成すれば、周方向ベルト層のたが効果を効果的に向上させることができる。
また、請求項6に記載のように構成すれば、面内せん断剛性の高い傾斜プライによって旋回走行時におけるトレッド部の変形を効果的に抑制することができるため、旋回走行時の操縦安定性をさらに向上させることができる。
以下、この発明の実施形態1を図面に基づいて説明する。
図1において、11は高速走行あるいは超高速走行に適する二輪車用空気入りラジアルタイヤであり、このタイヤ11は子午線断面が略弧状を呈しながら半径方向外側に向かって凸状に滑らかに湾曲するトレッド部13と、このトレッド部13の幅方向両端からほぼ半径方向内側に向かって延びる一対のサイドウォール部14と、これらサイドウォール部14の半径方向内側端に連続しビードコア16がそれぞれ埋設された一対のビード部15とを備え、トレッド端P間の幅がタイヤ最大幅となるよう成形されている。
また、前記タイヤ11はビードコア16間をトロイダル状に延びてサイドウォール部14、トレッド部13を補強するカーカス層20を有し、このカーカス層20の両端部は前記ビードコア16の回りを内側から外側に向かって折り返されることで、これらビードコア16に係止されている。前記カーカス層20は少なくとも1枚、ここでは2枚のカーカスプライ21から構成され、これらのカーカスプライ21の内部にはタイヤ赤道Sに対して80〜90度のコード角で交差する、即ち、実質上ラジアル方向(子午線方向)に延びる補強コードが多数本埋設されている。
そして、前記補強コードとしては、ナイロン、レーヨン、ポリエステル等の有機繊維コードが用いられる。また、前記補強コードがタイヤ赤道Sに対して90度未満の角度で傾斜している場合には、これら補強コードは2枚のカーカスプライ21において子午線方向に対し逆方向に傾斜しており、この結果、これら補強コードは前記2枚のカーカスプライ21において互いに交差することになる。なお、前記タイヤ11は補強コードがタイヤ赤道Sに対して80度未満のコード角度で逆方向に傾斜するバイアスタイヤであってもよい。
24はカーカス層20の半径方向外側に配置された周方向ベルト層であり、この周方向ベルト層24は少なくとも1枚、ここでは2枚の周方向プライ25から構成されている。各周方向プライ25は1本または複数本の補強素子を被覆ゴム中に埋設したストリップをタイヤ赤道Sにほぼ沿って螺旋状に多数回巻回することで構成されており、この結果、該周方向プライ25内に埋設されている補強素子はタイヤ赤道Sに実質上平行に延びることとなって、強力なたが効果を発揮する。これにより、高速走行時の遠心力によるトレッド部13の径成長および接地形状Kの変化が強力に抑制され、直進走行時の操縦安定性および高速耐久性が向上する。
ここで、前述のようにストリップを螺旋状に多数回巻回することで周方向プライ25を構成するようにすれば、周方向プライ25を簡単かつ安価に製造することができる。また、前述の補強素子としては、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、芳香族ポリアミド等の有機繊維またはスチールを用いることができるが、高温時においても殆ど伸張することのない非伸張性材料、例えば芳香族ポリアミド、スチールを用いるようにすれば、周方向ベルト層24のたが効果を効果的に向上させることができる。
26は前記周方向ベルト層24の半径方向外側に配置されたゴムからなるトレッドであり、このトレッド26の外表面27には、通常、図示してない幅広の溝が多数形成されている。28は前記タイヤ11が装着されたリムであり、このリム28のビードシート部29には前記タイヤ11のビード部15がそれぞれ着座されている。
ここで、前述のようなタイヤ11の周方向ベルト層24は旋回時における操縦安定性の向上に殆ど寄与することがないため、図2に示すように、二輪車の車体を大きく倒して、即ちタイヤ11を路面Jに対して55度程度傾斜させながら(キャンバー角Bを55度程度としながら)旋回しようとすると、旋回時のグリップが低すぎて操縦が不安定となることがあった。
このため、この実施形態においては、トレッド端Pと点Qとを結ぶ直線Mとタイヤ回転軸線に平行な直線Nとの交差角Aを、従来タイヤでは50度程度であったものを、55度以上としたのである。ここで、前記点Qは、タイヤ11を標準リムに装着し正規内圧を充填したときの該タイヤ11の子午線断面において、トレッド端Pからタイヤ赤道Sまでのトレッド外表面上での距離をLとしたとき、トレッド端Pからトレッド外表面に沿ってL/3だけタイヤ赤道S側に離れた点である。
この結果、タイヤ11が二輪車の車体と共に大きく倒れた(キャンバー角Bを55度程度とした)とき、前記交差角Aが55度であると、図2に示すように直線Mが路面Jに対し実質上平行となり、一方、前記交差角Aが55度を超えている角度、例えば60度であると、図3に示すようにトレッド端Pに向かって拡開するよう直線Mは路面Jに対し傾斜する。これにより、接地形状Kの面積中心Cが、トレッド端Pからタイヤ赤道S側にL/6以上離れた位置までタイヤ赤道S側にずれて、接地形状Kのトレッド端P側端部は、図4に示すように、トレッド端Pによって殆どあるいは全く切り落とされることがなくなる。
これにより、接地形状Kの幅Hが従来(図8参照)よりかなり幅広となり、この結果、広い範囲のゴムがグリップを出すこととなってゴムの負担が軽減され、充分なグリップを出す、即ち、操縦安定性を向上させることができるとともに、耐摩耗性も向上させることができるようになった。そして、前述した面積中心Cのずれは交差角Aが大となるほど、タイヤ赤道S側に大きくずれ、操縦安定性、耐摩耗性が向上する。なお、このときの接地形状Kの面積は従来とほぼ同一である。
但し、前記交差角Aが63度を超えると、接地形状Kの面積中心Cがタイヤ赤道S側に大きくずれてトレッド端P近傍が接地しなくなり、この結果、接地形状Kの幅Hが従来とほぼ同等程度となるため、前記交差角Aは63度以下でなければならない。このようなことから前記交差角Aは55〜63度の範囲内となる。
ここで、前述した標準リムとは、下記規格に記載されている適用サイズにおける標準リム(または、"DESIGN RIM"、 "Recommended Rim")のことである。そして、規格とは、タイヤが生産または使用される地域に有効な産業規格によって決められており、例えば、アメリカ合衆国では「The Tire and Rim Association Inc. のYear Book」が、欧州では「The European Tire and Rim Technical Organization の Standards Manual」が、日本では「日本自動車タイヤ協会のJATMA Year Book」が相当する。また、前述の正規内圧とは、前記規格に記載されている適用サイズ・プライレーティングにおける最大荷重(最大負荷能力)に対応する空気圧のことである。
また、前記トレッド端Pと点Qとの間におけるトレッド26の外表面27の輪郭形状が単一曲率半径の円弧以外の形状であるとき、例えば曲率半径が異なる複数の円弧から構成されているときには、該外表面27の輪郭形状と前記直線Mとの間での直線Mに直交する方向の最大離隔距離Dを 0.3〜 1.4mmの範囲内とすることが好ましい。
その理由は、距離Dが 0.3mm未満であると、トレッド端Pと点Qとの間の外表面27が平坦面に近くなって、接地形状Kの幅方向中央部での接地圧が低下する(極端な場合には路面Jから浮き上がる)とともに、接地形状Kが図5に示すような略蝶々形となり、この結果、接地形状Kの幅方向中央部でのグリップが低下して操縦安定性が低下してしまうことがあり、一方、前記距離Dが 1.4mmを超えると、接地形状Kが図6に示すように周方向に細長くなってその幅Hが狭くなり、これにより、狭い範囲のゴムがグリップを出すことになってゴムの負担が大きくなり操縦安定性が低下することがあるが、距離Dを前述の範囲内とすると、接地形状Kの幅方向中央部での接地圧低下を効果的に抑制しながら、接地形状Kの幅Hを充分に幅広とすることができるからである。
また、トレッド端Pと点Qとの間におけるトレッド26の外表面27の輪郭形状が単一曲率半径の円弧から形成されているときには、その曲率半径Rを 140〜 700mmの範囲内とすることが好ましい。これは、曲率半径Rを 140mm以上とすれば、前述の距離Dを 0.3mm以上とすることができ、一方、 700mm以下とすれば、前述の距離Dを 1.4mm以下とすることができ、これにより、前述と同様の作用・効果を得ることができるからである。
図7はこの発明の実施形態2を示す図である。この実施形態においては、前記周方向ベルト層24を1枚の周方向プライ25から構成するとともに、該周方向ベルト層24とカーカス層20との間に幅がトレッド幅とほぼ等しい傾斜ベルト層31を配置している。ここで、これら周方向ベルト層24と傾斜ベルト層31との配置関係を前述とは逆に、傾斜ベルト層とカーカス層との間に周方向ベルト層を配置するようにしてもよく、要するに、これら周方向ベルト層、傾斜ベルト層が半径方向に重なり合っていればよい。
ここで、前記傾斜ベルト層31は少なくとも1枚、ここでは2枚の傾斜プライ32から構成するとともに、その幅を、該傾斜ベルト層31のベルト端における亀裂発生を防止するため、トレッド幅以下とすることが好ましい。各傾斜プライ32の内部にはタイヤ赤道Sに対して傾斜した互いに平行に延びる多数本の補強コードがそれぞれ埋設され、これらの補強コードは傾斜プライ32の幅方向一端から幅方向他端まで延び、これらの幅方向両端において切断端が露出している。
また、これらの補強コードは前記2層の傾斜プライ32においてタイヤ赤道Sに対し逆方向に傾斜しており、この結果、これら補強コードは互いに交差している。ここで、前記補強コードとしては、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、芳香族ポリアミド等の有機繊維またはスチールが用いられる。そして、前述のようにカーカス層20の半径方向外側に傾斜ベルト層31を配置すれば、面内せん断剛性の高い傾斜プライ32によって旋回走行時におけるトレッド部13の幅方向変形を効果的に抑制することができるため、旋回走行時の操縦安定性をさらに向上させることができる。
次に、試験例1について説明する。この試験に当たっては、交差角Aがいずれも50度で、曲率半径Rがそれぞれ 160mm(Dが 1.3mm)、80mm(Dが 2.5mm)である従来タイヤ1、2と、交差角Aがいずれも57度で、曲率半径Rがそれぞれ 160mm(Dが 1.3mm)、 300mm(Dが 0.6mm)、80mm(Dが 2.5mm)、 2000mm(Dが 0.1mm)である実施タイヤ1、2、3、4と、交差角Aが60度で、曲率半径Rが 160mm(Dが 1.3mm)である実施タイヤ5と、交差角Aが65度で、曲率半径Rが 160mm(Dが 2.5mm)である比較タイヤ1とを準備した。
ここで、各タイヤのサイズはいずれも190/50ZR17であり、その骨格構造は図7に示すものと同一である。そして、各タイヤのカーカス層(カーカスプライ)内にはタイヤ赤道Sに対して90度で交差したナイロンからなる補強コードを埋設し、また、周方向ベルト層(周方向プライ)内にはスチールからなる補強素子を埋設し、さらに、傾斜ベルト層を構成する2枚の傾斜プライ内にはタイヤ赤道Sに対し70度で逆方向に傾斜した芳香族ポリアミドからなる補強コードを埋設している。
次に、前記各タイヤをサイズがMT6.00であるリムに装着した後、 250kPaの内圧を充填するとともに、2kNの荷重を負荷しながら透明なガラス板に55度のキャンバー角B(スリップ角は0度)で押し付けた。その後、前記各タイヤを10mm/秒の速度でゆっくりとガラス板上を転動させるとともに、その接地形状Kを真下から写真撮影し、撮影された写真から該接地形状Kの接地長G(周方向長さのことで図4参照)および接地幅H(幅方向長さ)を測定した。その結果を従来タイヤ1の接地長を指数 100として以下の表1に示す。ここで、指数 100は 142mmであったので、従来タイヤ1における接地幅Hの指数29は41mmに相当する。また、前記距離Lは 120mmであったので、従来タイヤ1の接地幅Hである41mmはLの34.2%、ほぼL/3に相当する。さらに、実施タイヤ4は接地幅Hが広いが、幅方向中央部にガラス板からの浮き上がりが観察された。
Figure 2007038831
次に、前記各タイヤを排気量が1000cm3(cc)であるスポーツタイプの二輪車に装着したが、ここで、前記各タイヤはリア用のタイヤであったため、二輪車のリアタイヤのみ交換し、フロントタイヤについては同一タイヤを使用した。次に、熟練したテストドライバーによって二輪車をテストコースにおいて実車走行させ、車体を大きく倒した旋回時(キャンバー角が55度程度、旋回速度が時速70km程度)の操縦安定性(コーナリング性能)を、満点を10点として総合評価した。その結果を前記表1に示す。
そして、テストドライバーからは、従来タイヤ1については、大きく倒したときにグリップが失われる、倒す途中まではグリップはあるが、倒れ切るあたりでグリップが無くなりそうな感じがあるため、車体を倒しきれないと、また、従来タイヤ2は、倒す途中まではグリップはあるが、倒れ切るあたりでグリップが突然無くなる感じがあるため、車体を倒しきれない、従来タイヤ1に比較すると、倒したときのグリップは全体的に低いとのコメントがあった。
一方、実施タイヤ1については、非常に良い、倒す途中から倒れ切るまで安定して高いグリップを感じる、車体を深く倒せると、また、実施タイヤ2は、非常に良い、倒す途中から倒れ切るまで安定して高いグリップを感じる、実施タイヤ1に比較すると若干グリップが低そうな気がするが、グリップレベルそのものは高いと、さらに、実施タイヤ3、4は、倒す途中から倒れ切るまで比較的高いグリップを感じる、但し、車体を大きく倒したときに少しグリップが失われるとのコメントがあった。
また、実施タイヤ5については、非常に良い、倒す途中から倒れ切るまで安定して高いグリップを感じる、実施タイヤ1に比較すると若干グリップが低そうな気がするが、グリップレベルそのものは高いと、さらに、比較タイヤ1は、倒す途中から倒れ切るまで安定したグリップが発生しているが、グリップレベルが低い、これ以上倒すとグリップがなくなるという限界の車体の傾き角がどこにあるのか分かりづらいと、のコメントがあった。
この発明は、二輪車に装着される空気入りタイヤの産業分野に適用できる。
この発明の実施形態1を示す空気入りタイヤの子午線断面図である。 空気入りタイヤを大きく倒した旋回時の状態を示す子午線断面図である。 交差角Aが図2と異なる空気りタイヤを大きく倒した旋回時の状態を示す子午線断面図である。 接地形状を示す平面図である。 接地形状を示す平面図である。 接地形状を示す平面図である。 この発明の実施形態2を示す空気入りタイヤの子午線断面図である。 従来の空気入りタイヤの接地形状を示す平面図である。
符号の説明
11…空気入りタイヤ 16…ビードコア
20…カーカス層 24…周方向ベルト層
25…周方向プライ 26…トレッド
27…外表面 31…傾斜ベルト層
32…傾斜プライ

Claims (6)

  1. 一対のビードコア間をトロイダル状に延びるカーカス層と、カーカス層の半径方向外側に配置され、内部に実質上周方向に延びる補強素子が埋設された少なくとも1枚の周方向プライからなる周方向ベルト層と、前記周方向ベルト層の半径方向外側に配置されたトレッドとを備えた二輪車用空気入りタイヤにおいて、標準リムに装着され正規内圧が充填されたときの子午線断面におけるトレッド端Pからタイヤ赤道Sまでのトレッド外表面上での距離をLとし、トレッド端Pからトレッド外表面に沿ってL/3だけタイヤ赤道S側に離れた点をQとしたとき、前記トレッド端Pと点Qとを結ぶ直線Mとタイヤ回転軸線に平行な直線Nとの交差角Aを55〜63度の範囲内としたことを特徴とする二輪車用空気入りタイヤ。
  2. 前記トレッド端Pと点Qとの間におけるトレッド外表面の輪郭形状と前記直線Mとの間での直線Mに直交する方向の最大離隔距離Dを 0.3〜 1.4mmの範囲内とした請求項1記載の二輪車用空気入りタイヤ。
  3. 前記トレッド端Pと点Qとの間におけるトレッド外表面の輪郭形状が単一曲率半径の円弧から形成されているとき、該曲率半径Rを 140〜 700mmの範囲内とした請求項2記載の二輪車用空気入りタイヤ。
  4. 前記周方向プライは、1本または複数本の補強素子を被覆ゴム中に埋設したストリップを螺旋状に多数回巻回することで構成した請求項1〜3のいずれかに記載の二輪車用空気入りタイヤ。
  5. 前記周方向プライに埋設されている補強素子を非伸張性材料から構成した請求項1〜4のいずれかに記載の二輪車用空気入りタイヤ。
  6. 前記カーカス層の半径方向外側に、内部にタイヤ赤道Sに対して傾斜している多数本の補強コードが埋設された少なくとも1枚の傾斜プライからなる傾斜ベルト層を配置した請求項1〜5のいずれかに記載の二輪車用空気入りタイヤ。
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