JP2007283802A - 二輪車用空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】直進操縦安定性能を向上させるためにスパイラルベルトを用いても、旋回時に発生するトレッド部の摩耗をタイヤの接地幅を広げることで抑制できる耐摩耗性能に優れた二輪車用空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】ビードコア20と、ビード部18にトロイド状に跨がり端部分がビードコア20に係止されたカーカス16と、カーカス16の径方向外側のスパイラルベルト層22と、スパイラルベルト層22よりも径方向外側のトレッド24を形成するトレッドゴム24Aと、スパイラルベルト層22の径方向内側に配置されたスチールコードの角度が90度の1枚の内側ベルト層26と、スパイラルベルト層22とトレッドゴム24Aとの間に配置されたスチールコードの角度が60〜90度の外側ベルト層28とをタイヤ10が備えたことで、旋回時のタイヤ10の接地幅が広がり、トレッド24の摩耗が抑制され、耐摩耗性能に優れる。
【選択図】図1

Description

本発明は、二輪車用空気入りタイヤに関するものであり、特に自動二輪車に好適な耐摩耗性能を向上した二輪車用空気入りタイヤに関する。
高性能二輪車用空気入りタイヤでは、タイヤの回転速度が高速となるため、遠心力の影響が大きく、タイヤのトレッド部分が外側に膨張してしまい、操縦安定性能を害する場合がある。このため、タイヤのトレッド部分に、有機繊維やスチールの補強部材(スパイラル部材)を、タイヤ赤道面と概略平行になるように、ぐるぐると巻きつけるタイヤ構造が開発されている。タイヤ赤道面に沿ってスパイラル状に巻き付ける補強部材としては、ナイロン繊維や芳香族ポリアミド(ケブラー:商品名)、スチール等を用いている。中でも、芳香族ポリアミド(ケブラー)やスチールは、高温時においても伸張せずにトレッド部分の膨張を抑制することができるため、注目されつつある。これらの部材をタイヤのクラウン部分に巻き付けた場合に、いわゆる「たが」効果(風呂桶のたがのようにタイヤのクラウン部分を押さえつけて、高速でタイヤが回転した場合でもタイヤが遠心力で膨らむことなく、高い操縦安定性能や耐久性を示す。)を高めることが出来るので、スパイラル部材をタイヤのクラウン部分に配置することを特徴とする特許が多数出願されている。(例えば、特許文献1、2、3、4、5)
これらのスパイラル部材を巻き付けたタイヤにおいては、高速時の操縦安定性能に優れ、トラクションが非常に高いことが知られている。しかし、車両(バイク)を大きく倒した場合の旋回性能については、スパイラル部材を巻き付けたからといって操縦安定性能が飛躍的に向上するわけではない。また、車体を大きく倒した時にトレッド部の端部が摩耗することが知られ、これもスパイラル部材を巻き付けたからといって、改良されるわけではない。消費者からは特に摩耗についてその改善を求められている。また、レースを行うライダーからは、バイクを大きく倒した時のグリップ力の向上、及びトレッド部の端部の摩耗改善を要望されることもある。レースにおいては、トレッド部の端部が摩耗すると、周回を重ねるごとにグリップ力が下がり、ラップタイムが低下するからである。
特開2004−067059号公報 特開2004−067058号公報 特開2003−011614号公報 特開2002−316512号公報 特開平09−226319号公報
ところで、二輪車用空気入りタイヤでは、二輪車が車体を傾けて旋回することから、直進時と旋回時とでは、タイヤのトレッド部が地面と接する場所が異なる。つまり、直進時には、トレッド部の中央部を使い、旋回時にはトレッド部の端部を使う特徴がある。また、タイヤに求められる性能も、直進時には、タイヤの周方向(赤道方向)に対する入力(即ち、加速、減速)に対してグリップすることが求められ、旋回時には、タイヤの横方向(幅方向)に対してグリップすることが求められる。即ちトレッド部の中央部は、加速減速時のタイヤ周方向のグリップが求められ、トレッド部の端部は、旋回時のタイヤ幅方向に対するグリップが求められることになる。
スパイラルベルトは、高速転動時のタイヤの膨張(せり出し)を抑制できるので、特に高速時の操縦安定性能に優れている。
一方、特に車体を大きく倒した場合の旋回性能については、タイヤ100のトレッド部102の端部が接地してグリップを発生させている。特に、サーキット走行などの激しい操縦を行った場合、車両は50度以上、地面に対して倒れていることが車両観察から分かった。即ち、タイヤ100のキャンバー角(以下、単にCA)は、50度程度まで使われている。このような大きなCAでのタイヤ100の接地形状(タイヤが地面と接地している形状)は、タイヤ100のトレッド部102の端部が接地する。二輪車のタイヤでは、バイクの傾き方によって、タイヤ100のトレッド部102の一部分が接地するわけであり、トレッド部102の全てが接地するわけではない。CAが50度のように大きい場合、トレッド全幅(タイヤ幅方向断面におけるトレッド踏面の弧に沿った長さ)の約1/6の幅の部分しか路面と接地していない。すなわち、トレッド踏面の端部の狭い範囲のみの部分がバイクの旋回を担っている。
また、バイクが旋回する場合は、横力(キャンバースラストと呼ぶ、旋回するときの旋回中心に向かう力)が発生するわけだが、その横力は車体を傾けるほど、即ちCAが大きいほど、大きくなる。そのため、図2(A)のように車体を大きく倒したときには大きな横力が発生し、その横力はタイヤ100のトレッド全幅のわずかに約1/6の部分が負担している。そのため、大きく倒した状態が続くような厳しいコーナリングでは、トレッド部102の端部の負担が増え、この部分の摩耗が多くなる。
ここで、本発明者は鋭意研究の結果、タイヤ100が旋回するときに接地しているトレッド全幅の約1/6の範囲を拡大する、つまり、接地している部分のタイヤ幅方向の長さ(これを接地幅Wと呼び、これに対して、タイヤ周方向の接地している部分の長さを接地長Lと呼ぶ。)を図2(B)から図2(C)のように広げることで、より広いトレッド部102の部分で横力を負担することができ、単位幅あたりの横力負担率を下げることができるため、摩耗に対して優位となることを見出した。このことは、つまり同じ接地面積でも、接地長Lを短くして接地幅Wを広げた方が耐摩耗性能に優れることを意味している。また、摩耗が抑制されることで、安定したグリップを長持ちさせることができる。
本発明の目的は、上記事実を考慮して、直進操縦安定性能を向上させるためにスパイラルベルトを用いても、旋回時に発生するトレッド部の摩耗をタイヤの接地幅を広げることで抑制できる耐摩耗性能に優れた二輪車用空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために本発明の請求項1に係る二輪車用空気入りタイヤの完成に至った。この二輪車用空気入りタイヤは、左右一対のビード部に埋設されたビードコアと、一方の前記ビード部から他方の前記ビード部にトロイド状に跨がり端部分が前記ビードコアに巻回されて前記ビードコアに係止された少なくとも1枚のカーカスプライを有するカーカスと、前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置され、1本乃至並列した複数本のコ−ドを被覆ゴム中に埋設した帯状体を螺旋状に巻回して形成される少なくとも1枚のスパイラルベルト層と、前記スパイラルベルト層よりもタイヤ径方向外側に配置され、路面と接触するトレッド部を形成するトレッドゴムと、前記スパイラルベルト層のタイヤ径方向内側に配置され、タイヤ周方向に対する角度が85〜90度の複数本の金属製のコードを被覆ゴム中に埋設した1枚の内側ベルト層と、前記スパイラルベルト層と前記トレッドゴムとの間に配置され、タイヤ周方向に対する角度が60〜90度の複数本の金属製又は有機繊維のコードを被覆ゴム中に埋設した少なくとも1枚の外側ベルト層と、を備えることを特徴とする。
次に、請求項1に記載の二輪車用空気入りタイヤの作用効果について説明する。
請求項1では、スパイラルベルト層を備えた二輪車用の空気入りタイヤであって、このスパイラルベルト層を挟むように、タイヤ周方向に対する角度が90度に近いコードを有するベルト層が配置されることを規定している。
スパイラルベルト層のタイヤ径方向内側には、タイヤ幅方向(即ち、タイヤ周方向に対する角度が90度)の金属製のコードを有する内側ベルト層が配置される。なお、ここで言うタイヤ周方向に対する角度が90度とは、製造上の誤差を含んで規定するならば、タイヤ周方向に対する角度が85〜90度の範囲を含めるものとする。
また、この内側ベルト層の幅は広いほど好ましい。具体的には、トレッド全幅の80〜100%が好ましく、90〜100%であれば更に好ましい。また、この内側ベルト層のコードの材質は、金属製(特にスチール)と特定した。これは、金属製のコードはコード方向の圧縮に強いためである。
次に、スパイラルベルト層とトレッドゴムとの間に、タイヤ周方向に対する角度が60〜90度のコードを有する外側ベルト層が1枚または複数枚配置される。外側ベルト層が1枚のみ配置される場合は、コードのタイヤ周方向に対する角度は90度が好ましい。外側ベルト層が2枚配置される場合は、コードのタイヤ周方向に対する角度が90度の外側ベルト層を2枚重ねても良いし、コードのタイヤ周方向に対する角度が70度の2枚の外側ベルト層をお互いのコードの角度がタイヤ周方向に対して逆方向となるように交錯させて2枚重ねても良い。もちろん、外側ベルト層を3枚配置しても良い。
この構造の効果は、大CA(キャンバー角)時のタイヤの接地幅を広げることにある。これを図3及び図4を用いて説明する。二輪車用空気入りタイヤの場合は、乗用車用空気入りタイヤと異なり、車体を傾けてキャンバースラストを発生させて旋回する特性から、タイヤのトレッド形状が、タイヤ幅方向に対して大きな丸みを帯びて設計されている。CAが50度のように大きく傾けて路面に接している状態を図3(A)に示す。図3(A)において、接地形状のタイヤ幅方向の境界部分のうち、タイヤ赤道面に近い位置(図3(A)のAの部分)では、丸い形状がさらに丸くなる方向の曲げを受ける。図3(B)に示すように、Aの部分の曲率半径Rは、接地することによって小さくなる方向(トレッド部Tが二点鎖線T1から実線T2になる方向)に曲げられる。このとき、このAの部分が曲がりにくいと、接地するときにAの隣のBの領域を巻き込んで変形しようとする。即ち、接地している部分の外側であるBの領域を路面に近づけるようにする力が働く。これにより、接地幅が広がることになる。以上の働きから、ベルト部分は、タイヤ幅方向断面において、Aの部分の曲率半径Rを小さくするような曲げに対して強い面外曲げ剛性を持っていると、接地形状のタイヤ赤道面側の接地領域をタイヤ幅方向に拡大して接地幅を広げる効果を持つ。
先に述べたように、二輪車用空気入りタイヤでは、トレッド部の約1/6の部分が地面に接しており、他の部分は地面には接していない。この1/6という狭い接地幅の部分のトレッド部が大きな横力(キャンバースラスト)を発生するわけであり、トレッド部の特定の狭い領域にタイヤ幅方向の剪断力が働くため、摩耗が厳しくなる。もしも、接地幅を広げて少しでも広い幅で路面に接することができれば、広い範囲で横力を負担できるため、摩耗が穏やかになり、耐摩耗性能を向上させることができる。請求項1のような構造によって接地幅を広げることができ、耐摩耗性能を向上させることができる。
図4は、タイヤ幅方向断面において、Aの部分の曲率半径Rが小さくなる方向(矢印M方向)の面外曲げの模式図を示したものである。図4において、内側ベルト層Iは、タイヤ幅方向に対して圧縮を受け、外側ベルト層Oは、タイヤ幅方向に対して引っ張りを受ける。このタイヤ幅方向断面の曲げの中立軸は、スパイラルベルト層Sの近傍となる(トレッドゴムはタイヤのベルト、つまり有機繊維や、金属製(スチール)コードに比べて圧倒的にヤング率が低いため、トレッド部の厚みの中心が曲げの中央となるのではなく、タイヤの骨格であるベルトやカーカスの中心が曲げの中立軸となる)。この曲げの中立軸よりもタイヤ径方向内側の部分でタイヤ幅方向に圧縮となるため、この圧縮に対抗できる部材を配置すると曲げに対して剛性を高めることができる。そのため、スパイラルベルト層Sのタイヤ径方向内側に内側ベルト層Iを配置し、その内側ベルト層Iのコードを金属製(スチール)のコードと規定した。
また、このコードのタイヤ周方向に対する角度は、前述した曲げ(曲率半径Rが小さくなる方向の面外曲げ)に対して強くなくてはならないため、タイヤ周方向に対して85〜90度とした。タイヤ周方向に対して85〜90度ならば、タイヤ幅方向断面の面外曲げに対して強く抵抗できるし、タイヤ周方向断面に対してはほとんど影響を与えないため接地長を短くして接地面積を小さくするようなネガティブな効果を与えないですむ。
一方、前述した曲げの中立軸よりもタイヤ径方向外側の部分でタイヤ幅方向に引っ張りとなるため、この引っ張りに対抗できる部材を配置すると曲げに対して剛性を高めることができる。そのため、スパイラルベルト層Sのタイヤ径方向外側に外側ベルト層Oを配置し、そのコードを引っ張りに強い部材とした。引っ張りに強い部材としては、ナイロンやケブラー(芳香族ポリアミド)やポリケトンのような有機繊維でも構わないし、スチールコードのような金属製のものでも構わないし、カーボン製のコードでも構わない。また、コードのタイヤ周方向に対する角度は90度が好ましいが、コードのタイヤ周方向に対する角度を60度程度とした2枚の外側ベルト層をお互いのコードの角度がタイヤ周方向に対して逆方向となるように交錯させてもタイヤ幅方向に十分に強い引っ張り剛性を発揮するため、60度でも構わない。この角度が60度未満であると、タイヤ幅方向の引っ張りに対して強くなくなるため好ましくなくなる。つまり、60度未満であると、コードとコードとの間のゴムが伸びることによって、外側ベルト層Oがタイヤ幅方向に伸張してしまうため、引っ張りに対して十分な効果が得られなくなるのである。これらを図4の模式図で示した。また、図4に示すように、内側ベルト層Iと外側ベルト層Oとの距離を離せば離すほどタイヤ幅方向断面の面外曲げに対して強くなる。
従って、直進操縦安定性能を向上させるためにスパイラルベルトを用いても、旋回時に発生するトレッド部の摩耗をタイヤの接地幅を広げることで抑制できるため耐摩耗性能に優れる。
本発明の請求項2に係る二輪車用空気入りタイヤは、請求項1に記載の二輪車用空気入りタイヤにおいて、前記内側ベルト層は、前記カーカスのタイヤ径方向内側に配置されることを特徴とする。
次に、請求項2に記載の二輪車用空気入りタイヤの作用効果について説明する。
請求項2では内側ベルト層がカーカスのタイヤ径方向内側に配置されることを規定している。これによって、カーカスの厚み分だけ内側ベルト層の金属製のコードは、前述した曲げの中立軸から離れた位置に配置されることになり、面外曲げに対して更に強くなる。
本発明の請求項3に係る二輪車用空気入りタイヤは、請求項1又は2に記載の二輪車用空気入りタイヤにおいて、前記カーカスは少なくとも2枚の前記カーカスプライを有し、前記内側ベルト層は、前記カーカスプライ間に配置されることを特徴とする。
次に、請求項3に記載の二輪車用空気入りタイヤの作用効果について説明する。
請求項3では、カーカスプライが2枚以上ある場合に、カーカスプライとカーカスプライとの間に内側ベルト層を配置することを規定した。こうすることによって、内側ベルト層の両端部から亀裂が発生し難くなる。また、スパイラルベルト層と内側ベルト層との間に少なくとも1枚のカーカスプライが配置されるため請求項2と同様に、このカーカスプライの厚みの分だけ、内側ベルト層は前述した曲げの中立軸から離れるため、面外曲げに対して更に強くなる。
本発明の請求項4に係る二輪車用空気入りタイヤは、左右一対のビード部に埋設されたビードコアと、一方の前記ビード部から他方の前記ビード部にトロイド状に跨がり端部分が前記ビードコアに巻回されて前記ビードコアに係止された少なくとも1枚のカーカスプライを有するカーカスと、前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置され、1本乃至並列した複数本のコ−ドを被覆ゴム中に埋設した帯状体を螺旋状に巻回して形成される少なくとも1枚のスパイラルベルト層と、前記スパイラルベルト層よりもタイヤ径方向外側に配置され、路面と接触するトレッド部を形成するトレッドゴムと、前記スパイラルベルト層と前記トレッドゴムとの間に配置され、タイヤ周方向に対する角度が60〜90度の複数本の金属製又は有機繊維のコードを被覆ゴム中に埋設した少なくとも1枚の外側ベルト層とを備え、前記カーカスプライは、タイヤ周方向に対する角度が85〜90度の複数本の金属製のコードを被覆ゴム中に埋設して形成されることを特徴とする。
次に、請求項4に記載の二輪車用空気入りタイヤの作用効果について説明する。
請求項4では、請求項1に示した内側ベルト層を金属製のコードを有するカーカスプライで代用する構造を規定している。タイヤ変形のメカニズムや効果は、先に示したものと同じである。金属製のコードのタイヤ周方向に対する角度が85〜90度のカーカスプライを用いることで同様の効果を得ることができる。また、タイヤ製造上において、部材点数を減らせることで、製造の手間を省くことができるメリットもある。
本発明の請求項5に係る二輪車用空気入りタイヤは、請求項1乃至4の何れか1項に記載の二輪車用空気入りタイヤにおいて、タイヤ周方向に対するコードの角度が85〜90度である前記外側ベルト層が1枚または複数枚配置されることを特徴とする。
次に、請求項5に記載の二輪車用空気入りタイヤの作用効果について説明する。
請求項5では、外側ベルト層のコードのタイヤ周方向に対する角度が85〜90度であることを定義した。この角度が90度であれば、前述した面外曲げ剛性に対して最大限に引っ張り抗力を発揮することができる。また外側ベルト層は1枚でも良いし、2枚以上重ねて配置しても良い。2枚重ねるとさらに引っ張り抗力が増して、タイヤ幅方向断面におけるベルト部分の面外曲げ剛性(図3のAの部分での曲げ剛性)が強くなり接地幅を広げることができる。
本発明の請求項6に係る二輪車用空気入りタイヤは、請求項5に記載の二輪車用空気入りタイヤにおいて、前記外側ベルト層が1枚配置され、前記スパイラルベルト層と前記外側ベルト層との間に、厚さが0.3〜3mmのゴム層が配置されることを特徴とする。
次に、請求項6に記載の二輪車用空気入りタイヤの作用効果について説明する。
請求項6では、外側ベルト層が1枚配置され、この外側ベルト層とスパイラルベルト層との間に厚みが0.3〜3mmのゴム層を配置することを規定している。
このゴム層を配置することで、外側ベルト層は前述した曲げの中立軸から離れた位置に配置されるため、タイヤの構造としてタイヤ幅方向の面外曲げに対する剛性が向上する。このゴム層の厚みは、0.3〜3mmとした。0.3mm未満では、曲げの中立軸から離した効果が得られ難い。また3mm以上だと、スパイラルベルト層のコードからトレッド踏面までの厚みが増してしまい、トレッド部の曲げ剛性が低下して操縦安定性能が損なわれる。好ましくは0.5〜2mmの厚みが良く、更に好ましくは、0.5〜1mmの厚みが操縦安定性能と曲げ剛性とのバランスを考えた場合に適する。また、ゴム層の材質は、スパイラルベルト層の被覆ゴムの材質、または、外側ベルト層の被覆ゴムの材質にすると、ゴムとゴムとの境界で亀裂が発生し難くなり、好ましい。なお、ゴム層の材質が、スパイラルベルト層の被覆ゴムと同じ場合には、タイヤ幅方向断面において、最外側のスパイラルベルト層のタイヤ径方向外側面からコード中心までの距離が、タイヤ径方向内側面からコード中心までの距離よりも0.3〜3mm長くなる。また、ゴム層の材質が、外側ベルト層の被覆ゴムと同じ場合には、タイヤ幅方向断面において、外側ベルト層のタイヤ径方向内側面からコード中心までの距離が、タイヤ径方向外側面からコード中心までの距離よりも0.3〜3mm長くなる。
本発明の請求項7に係る二輪車用空気入りタイヤは、請求項5又は6に記載の二輪車用空気入りタイヤにおいて、前記外側ベルト層のコードは、有機繊維からなることを特徴とする。
次に、請求項7に記載の二輪車用空気入りタイヤの作用効果について説明する。
先に記したように、図3(A)のAの部分(接地形状の境目で、タイヤ幅方向のタイヤ赤道面側の境界)では、タイヤ幅方向断面においてトレッド部Tの曲率半径Rが小さくなるような方向の曲げをタイヤが接地するときに受ける。これに対して、タイヤの接地形状の中心部分Bでは、トレッド部Tの曲率半径Rが大きくなる。即ち、図3(C)に示すように、Bの部分は直線(平面)になるような(二点鎖線T1が実線T2になるような)面外曲げ変形をタイヤの接地で受ける。このBの部分の曲げに注目すると、トレッド部Tの曲率半径Rが直線になる方向に曲がり易い方が、トレッド部Tは接地しやすくなり、接地面積が広くなる。すなわち、接地幅も広くなる。図5に示すように、このBの部分の曲げは、Aの部分の曲げとは逆方向(矢印N方向)の曲げである。また、図5から分かるように、外側ベルト層Oは、圧縮されやすい方が、Bの部分の面外曲げ変形の妨げとならない。つまり、外側ベルト層Oのコードの材質は、圧縮に弱い有機繊維が好ましいことになる。有機繊維でも引っ張り剛性は十分に強いため、Aの部分での曲げに対しては十分に抗力を発揮するので問題にはならない。請求項7では、接地形状の中央部でも滑らかに接地し易い材質を定義し、さらに接地幅を広げて、耐摩耗性能を向上させることを規定した。
本発明の請求項8に係る二輪車用空気入りタイヤは、請求項1乃至4の何れか1項に記載の二輪車用空気入りタイヤにおいて、前記外側ベルト層は、互いに平行に配置された複数本の有機繊維コードを被覆ゴム中に埋設した2枚のベルトプライからなり、互いに隣接するベルトプライ同士で前記有機繊維コードのタイヤ周方向に対する傾斜方向が互いに反対方向となることを特徴とする。
次に、請求項8に記載の二輪車用空気入りタイヤの作用効果について説明する。
請求項8では、外側ベルト層が2枚のベルトプライからなり、これらのベルトプライのコードが互いに交錯していることを規定した。互いのコードを交錯させることによって、外側ベルト層の面内剛性が高まり、タイヤにスリップ角が付いた時に更に大きな横力を発生させることができるようになる。またコードのタイヤ周方向に対する角度は60〜90度としており、先に説明したメカニズムにおいて、図3のAの部分の曲げに対してもコードの角度が十分に大きいため引っ張り剛性を発揮して、曲げ難くする特性を持たせることができる。また、請求項1で、コードの角度をタイヤ周方向に対して60〜90度とした。このためコードの角度は、1枚目のベルトプライが70度で、2枚目のベルトプライが90度のように違う角度で交錯させても良いが、違う角度で交錯させた場合は、わずかではあるが、直進時に横力が発生してしまうため、同じ角度で交錯させる方が好ましい。また、コードのタイヤ周方向に対する角度については、60度以上としている。これは60度未満ではタイヤ幅方向断面において、図3のAの部分の曲げ変形を受けたときに、外側ベルト層がタイヤ幅方向に伸びやすくなり、引っ張り抵抗力を示さなくなるからである。より好ましいコードのタイヤ周方向に対する角度は70〜80度が良い。
本発明の空気入りタイヤは、直進操縦安定性能を向上させるためにスパイラルベルトを用いても、旋回時に発生するトレッド部の摩耗をタイヤの接地幅を広げることで抑制できるため耐摩耗性能に優れる。
[第1の実施形態]
(構成)次に、本発明の二輪車用空気入りタイヤの第1の実施形態を図1にしたがって説明する。なお、本実施形態の二輪車用空気入りタイヤ10(以下、単にタイヤ10)は、タイヤサイズが190/50ZR17である。
図1に示すように、タイヤ10はタイヤ赤道面CL(以下、単に赤道面CL)に対して交差する方向に延びるコードが埋設された第1のカーカスプライ12及び第2のカーカスプライ14から構成されたカーカス16を備えている。
(カーカス)
第1のカーカスプライ12及び第2のカーカスプライ14は、各々両端部分が、ビード部18に埋設されているビードコア20の周りに、タイヤ内側から外側へ向かって巻き上げられている。
第1のカーカスプライ12は、被覆ゴム中に複数本のラジアル方向に延びるコード(例えば、ナイロン等の有機繊維コード)を平行に並べて埋設したものであり、本実施形態では、赤道面CLでの赤道面CLに対するコードの角度が90度に設定されている。第2のカーカスプライ14も、被覆ゴム中に複数本のラジアル方向に延びるコード(例えば、ナイロン等の有機繊維コード)を平行に並べて埋設したものであり、本実施形態では、赤道面CL上での赤道面CLに対するコードの角度が90度に設定されている。なお、本実施形態では、第1のカーカスプライ12のコード及び第2のカーカスプライ14のコードはナイロン製である。
なお、本実施形態では、第1のカーカスプライ12及び第2のカーカスプライ14の赤道面CLでの赤道面CLに対するコードの角度を90度としたが、この角度は90度に限定されるものではなく、例えば、コードの角度を80度として、第1のカーカスプライ12のコードの傾斜方向と第2のカーカスプライ14のコードの傾斜方向とが赤道面CLに対して互いに反対方向となるようにしても良いものとする。
(スパイラルベルト層)
このカーカス16のタイヤ径方向外側にはスパイラルベルト層22が設けられている。このスパイラルベルト層22は、例えば、1本のコードを未加硫の被覆ゴム中に埋設した長尺状のゴム被覆コード、または複数本のコードを未加硫の被覆ゴム中に埋設した帯状プライを螺旋状に巻き回すことにより形成されており、コード方向が実質的にタイヤ周方向とされている。また、スパイラルベルト層22のコードは有機繊維コードであっても良く、スチールコードであっても良い。
本実施形態のスパイラルベルト層22は、2本の並列したコード(芳香族ポリアミド繊維(ケブラー:商品名)を撚った直径0.7mmのコード)を被覆ゴム中に埋設した帯状プライを、螺旋状にタイヤ回転軸方向に巻き付けることで形成されている。なお、本実施形態のスパイラルベルト層22のコードの打ち込み間隔は、50本/50mmである。
なお、本実施形態のスパイラルベルト層22のコードは、芳香族ポリアミド繊維を撚った直径0.7mmのコードとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、カーボンファイバーを撚ったコード(直径0.7mm)や、ポリケトンのような有機繊維を撚ったコード(直径0.7mm)を用いても良く、また、前述したスチールコードを用いても良く、スチールコードの場合は、直径0.15mmのスチール単線を1×5タイプで撚ったコードを用いることが好ましい。
(トレッド)
スパイラルベルト層22のタイヤ径方向外側には、トレッド24を形成するトレッドゴム24Aが配置されている。本実施形態では、トレッド24の厚みは6mmである。
また、図1に示すように本実施形態ではトレッド24に特に溝を形成しない構成としているが、ウエット路面走行時に必要とされる排水用の溝が形成される構成としても良い。
(内側ベルト層)
このスパイラルベルト層22とカーカス16との間には内側ベルト層26が設けられている。内側ベルト層26は、1枚のベルトプライ26Aから構成されている。
このベルトプライ26Aは、被覆ゴム中に複数本の金属製のコード(本実施形態では、直径0.15mmのスチール単線を1×5タイプで撚ったスチールコード)を平行に並べて埋設したものであり、このコードの赤道面CLでの赤道面CLに対するコードの角度は85〜90度を満たすことが好ましい。なお、本実施形態では、赤道面CLでの赤道面CLに対するコードの角度が90度に設定されている。また、ベルトプライ26Aにおけるコードの打ち込み間隔は、30本/50mmである。
また、この内側ベルト層26の幅は広いほど好ましい。具体的には、トレッド24の幅の80〜100%が好ましく、90〜100%であれば更に好ましい。
(外側ベルト層)
スパイラルベルト層22とトレッドゴム24Aとの間には外側ベルト層28が設けられている。外側ベルト層28は、1枚のベルトプライ28Aから構成されている。
このベルトプライ28Aは、被覆ゴム中に複数本のコード(本実施形態では、直径0.15mmのスチール単線を1×5タイプで撚ったスチールコード)を平行に並べて埋設したものであり、このコードの赤道面CLでの赤道面CLに対するコードの角度は60〜90度を満たすことが好ましい。なお、本実施形態では、赤道面CLでの赤道面CLに対するコードの角度が90度に設定されている。また、ベルトプライ28Aにおけるコードの打ち込み間隔は、30本/50mmである。
また、本実施形態では、図1に示すタイヤ幅方向断面において、トレッド24の幅(弧に沿って計測した距離)が240mmであり、スパイラルベルト層22の幅が230mmであり、内側ベルト層26(ここでは、ベルトプライ26A)の幅が220mmであり、外側ベルト層28(ここでは、ベルトプライ28A)の幅が220mmである。
(作用)次に第1の実施形態のタイヤ10の作用を説明する。
本実施形態のタイヤ10では、カーカス16のタイヤ径方向外側にスパイラルベルト層22を設けたので、トレッド24のタイヤ周方向の剛性が高くなり、高速走行時のトレッド24のタイヤ径方向外側へのせり出しを抑制することができ、高速耐久性及び直進操縦安定性能が向上する。
また、車体を深く倒した旋回時に、タイヤ幅方向断面において、タイヤ10と路面との接地形状の赤道面CL側の境界で、この境界付近のトレッド24は、曲率半径が小さくなるような面外曲げ変形を受ける。このとき、内側ベルト層26は、タイヤ幅方向に対して圧縮を受け、外側ベルト層28は、タイヤ幅方向に対して引っ張りを受ける。このタイヤ幅方向断面の曲げの中立軸は、スパイラルベルト層22の近傍となる(トレッドゴム24Aはタイヤ10のベルト層、つまり有機繊維や、金属製(スチール)コードに比べて圧倒的にヤング率が低いため、トレッド24の厚みの中心が曲げの中央となるのではなく、タイヤ10の骨格であるベルト層やカーカスの中心が曲げの中立軸となる)。
この曲げの中立軸よりもタイヤ径方向内側の部分でタイヤ幅方向に圧縮となるため、この圧縮に対抗できる部材としてスチールコードを有する内側ベルト層26をスパイラルベルト層22のタイヤ径方向内側に配置したことで曲げに対する剛性を高めることができる。なお、コードをスチールコードとしたのは、金属製のコードはコード方向の圧縮に強いためである。
さらに、このコードのタイヤ周方向に対する角度を90度とすることでタイヤ幅方向断面の面外曲げ剛性を向上させた。この角度が90度であれば、タイヤ周方向断面に対してはほとんど影響を与えないため接地長を短くして接地面積を小さくするようなネガティブな効果を与えないですむ。
一方、前述した曲げの中立軸よりもタイヤ径方向外側の部分でタイヤ幅方向に引張りとなるため、この引張りに対抗できる部材としてスチールコードを有する外側ベルト層28をスパイラルベルト層22のタイヤ径方向外側に配置したことで曲げに対する剛性を高めることができる。なお、コードをスチールコードとしたのは、金属製のコードはコード方向の引張りに強いためである。
また、コードのタイヤ周方向に対する角度が60度未満であると、タイヤ幅方向の引張りに対して強くなくなるため好ましくなくなる。つまり、60度未満であると、コードとコードとの間のゴムが伸びることによって、外側ベルト層28がタイヤ幅方向に伸張してしまうため、引張りに対して十分な効果が得られなくなる。また、この角度は60度から90度に向かうのに比例してタイヤ幅方向断面の面外曲げ剛性も向上する。最も効果的にタイヤ幅方向断面の面外曲げ剛性を向上できるのは、90度である。
以上のことから、本実施形態のタイヤ10は、車体を深く倒した旋回時に、タイヤと路面との接地形状の赤道面CL側の境界よりも赤道面CL側の領域が接地形状の変形に巻き込まれて路面と接地するため、接地幅が従来よりも広がる。これにより、従来よりも広い範囲で横力を負担できるため、摩耗が穏やかになり、耐摩耗性能を向上させることができる。従って、直進操縦安定性能を向上させるためにスパイラルベルト層22を用いても、旋回時に発生するトレッド24の摩耗をタイヤ10の接地幅を広げることで抑制できるため耐摩耗性能に優れる。
[第2の実施形態]
(構成)次に、本発明の二輪車用空気入りタイヤの第2の実施形態を説明する。なお、本実施形態の二輪車用空気入りタイヤ30(以下、単にタイヤ30と記載する。)は、第1の実施形態の外側ベルト層28のベルトプライ28Aのコードの材質を、有機繊維を撚った直径0.7mmのコードとした点が第1の実施形態と相違している。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
(作用)次に第2の実施形態の作用を説明する。
車体を深く倒した旋回時に、タイヤ幅方向断面において、タイヤ10と路面との接地形状の赤道面CL側の境界で、この境界付近のトレッド24は、曲率半径が小さくなるような面外曲げ変形を受ける。これに対して、接地形状のタイヤ幅方向の中心部分では、トレッド24が、曲率半径が大きくなるような面外曲げ変形を受ける。即ち、中心部分は、直線(路面に沿った形状)になるような面外曲げ変形をタイヤ10の接地で受ける。
この中心部分の曲げは、トレッド24の曲率半径が直線になる方向に曲がり易い方が、トレッド24は接地しやすくなり、接地面積が広くなる。すなわち、接地幅も広くなる。
この中心部分の曲げは、赤道面CL側の境界の曲げとは逆方向の曲げのため、外側ベルト層28は、圧縮されやすい方が、中心部分の面外曲げ変形の妨げとならない。このため、外側ベルト層28のコードの材質を圧縮に弱い有機繊維としたことで、接地形状の中央部分がトレッド24の曲率半径が直線になる方向に曲がりやすくなり、接地幅が広くなる。また、有機繊維でも引っ張り剛性は十分に強いため、赤道面CL側の境界での曲げに対しては十分に抗力を発揮するので問題にはならない。従って、外側ベルト層28のコードの材質を有機繊維としたことで、接地形状の中心部分が滑らかに接地し、接地幅が広がり、耐摩耗性能がさらに向上する。
[第3の実施形態]
(構成)次に、本発明の二輪車用空気入りタイヤの第3の実施形態を説明する。なお、本実施形態の二輪車用空気入りタイヤ40(以下、単にタイヤ40と記載する。)は、第2の実施形態の外側ベルト層28が、複数枚のベルトプライ28Aをコード方向が平行となるように重ねて形成された点が第2の実施形態と相違している。なお、第2の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
(作用)次に第3の実施形態の作用を説明する。
外側ベルト層28のコードのタイヤ周方向に対する角度が90度のため、第2実施形態で説明した接地形状の赤道面CL側の境界の曲率半径を小さくする方向の面外曲げ剛性に対して最大限に引っ張り抗力を発揮することができる。この外側ベルト層28を複数枚重ねたことにより、重ねた枚数に比例して、さらに引っ張り抗力が増して、タイヤ幅方向断面における面外曲げ剛性が強くなり接地幅を広げることができる。
なお、本実施形態では、コードの材質は、第2の実施形態の有機繊維としたが、これに限らず、第1の実施形態のようにスチールコードとしても同様の効果が得られる。
[第4の実施形態]
(構成)次に、本発明の二輪車用空気入りタイヤの第4の実施形態を図8にしたがって説明する。なお、本実施形態の二輪車用空気入りタイヤ50(以下、単にタイヤ50と記載する。)は、図8に示すように第1の実施形態の内側ベルト層26が、第1のカーカスプライ12と第2のカーカスプライ14との間に配置されている点が第1の実施形態と相違している。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
(作用)次に第4の実施形態の作用を説明する。
第1のカーカスプライ12と第2のカーカスプライ14との間に内側ベルト層26を配置することで、内側ベルト層26の両端部から亀裂が発生し難くなる。また、スパイラルベルト層22と内側ベルト層26との間に1枚の第2のカーカスプライ14が配置されるため、この第2のカーカスプライ14の厚みの分だけ、内側ベルト層26は曲げの中立軸から離れるため、タイヤ幅方向断面における面外曲げ剛性が強くなり接地幅を広げることができる。
また、本実施形態では、外側ベルト層28のコードはスチールコードとしたが、これに限らず、外側ベルト層28のコードを第2の実施形態のように有機繊維コードとしても良い。
[第5の実施形態]
(構成)次に、本発明の二輪車用空気入りタイヤの第5の実施形態を説明する。なお、本実施形態の二輪車用空気入りタイヤ60(以下、単にタイヤ60と記載する。)は、第1の実施形態の内側ベルト層26が、カーカス16のタイヤ径方向内側に配置されている点が第1の実施形態と相違している。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
(作用)次に第5の実施形態の作用を説明する。
内側ベルト層26をカーカス16のタイヤ径方向内側に配置することで、カーカス16の厚みの分だけ、内側ベルト層26は曲げの中立軸から離れるため、タイヤ幅方向断面における面外曲げ剛性が強くなり接地幅を広げることができる。
また、本実施形態では、外側ベルト層28のコードはスチールコードとしたが、これに限らず、外側ベルト層28のコードを第2の実施形態のように有機繊維コードとしても良い。
[第6の実施形態]
(構成)次に、本発明の二輪車用空気入りタイヤの第6の実施形態を説明する。なお、本実施形態の二輪車用空気入りタイヤ70(以下、単にタイヤ70と記載する。)は、図9に示すように、第1の実施形態のスパイラルベルト層22と外側ベルト層28との間にゴム層が配置されている点が第1の実施形態と相違している。このゴム層についての詳細を以下に説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
外側ベルト層28は、一枚のベルトプライ28Aから構成され、この外側ベルト層28とスパイラルベルト層との間にゴム層72が配置されている。このゴム層72の厚みは0.3〜3mmが好ましい。また、本実施形態のゴム層72の材質は、外側ベルト層28のベルトプライ28Aの被覆ゴムと同種の材質である。なお、本実施形態では、ゴム層72の材質を外側ベルト層28のベルトプライ28Aの被覆ゴムと同種の材質としたが、この構成に限らず、スパイラルベルト層の被覆ゴムと同種の材質であっても良く、また、どちらのゴムとも異なる材質のゴムであっても良い。
(作用)次に第6の実施形態の作用を説明する。
ゴム層72を配置することで、外側ベルト層28は曲げの中立軸から離れた位置に配置されるため、タイヤ10の構造としてタイヤ幅方向の面外曲げに対する剛性が向上する。このゴム層72の厚みが0.3mm未満では、曲げの中立軸から離した効果が得られ難い。また、この厚みが3mm以上だと、スパイラルベルト層22のコードからトレッド踏面までの厚みが増してしまい、トレッド24の曲げ剛性が低下して操縦安定性能が損なわれる。そして、ゴム層72の厚みは0.5〜2mmがより好ましく、更に好ましくは、0.5〜1mmの厚みとすることで、この範囲が操縦安定性能と曲げ剛性とのバランスを考えた場合に最適である。
また、ゴム層72の材質は、スパイラルベルト層22の被覆ゴムの材質、または、外側ベルト層28の被覆ゴムの材質にすると、ゴムとゴムとの境界で亀裂が発生し難くなり、好ましい。なお、ゴム層72の材質が、スパイラルベルト層22の被覆ゴムと同じ場合には、タイヤ幅方向断面において、最外側のスパイラルベルト層22のタイヤ径方向外側面からコード中心までの距離が、タイヤ径方向内側面からコード中心までの距離よりも0.3〜3mm長くなる。また、ゴム層72の材質が、外側ベルト層28の被覆ゴムと同じ場合には、タイヤ幅方向断面において、外側ベルト層28のタイヤ径方向内側面からコード中心までの距離が、タイヤ径方向外側面からコード中心までの距離よりも0.3〜3mm長くなる。
また、本実施形態では、外側ベルト層28のコードはスチールコードとしたが、これに限らず、外側ベルト層28のコードを第2の実施形態のように有機繊維コードとしても良い。
[第7の実施形態]
(構成)次に、本発明の二輪車用空気入りタイヤの第7の実施形態を説明する。なお、本実施形態の二輪車用空気入りタイヤ80(以下、単にタイヤ80と記載する。)は、図7に示すように、第2の実施形態の内側ベルト層26が2枚のベルトプライによって構成され、このベルトプライのコードが赤道面CLに対して互いに反対方向に傾斜している点が第2の実施形態と相違している。この外側ベルト層28についての詳細を以下に説明する。なお、第2の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
外側ベルト層28は第一ベルトプライ28A及び第二ベルトプライ28Bによって構成されている。第一ベルトプライ28Aは、被覆ゴム中に複数本のコード(本実施形態では、芳香族ポリアミド繊維(ケブラー:商品名)を撚った直径0.7mmのコード)を平行に並べて埋設したものであり、このコードの赤道面CLでの赤道面CLに対するコードの角度は60〜90度を満たすことが好ましい。なお、本実施形態では、赤道面CLでの赤道面CLに対するコードの角度が70度に設定されている。また、第一ベルトプライ28Aにおけるコードの打ち込み間隔は、30本/50mmである。
第二ベルトプライ28Bは、被覆ゴム中に複数本のコード(本実施形態では、芳香族ポリアミド繊維(ケブラー:商品名)を撚った直径0.7mmのコード)を平行に並べて埋設したものであり、このコードの赤道面CLでの赤道面CLに対するコードの角度は60〜90度を満たすことが好ましい。なお、本実施形態では、赤道面CLでの赤道面CLに対するコードの角度が70度に設定されている。また、第二ベルトプライ28Bにおけるコードの打ち込み間隔は、30本/50mmである。
また、第一ベルトプライ28A及び第二ベルトプライ28Bの各々のコードの傾斜方向は、赤道面CLに対して互いに反対方向に傾斜している。
(作用)次に第7の実施形態の作用を説明する。
第一ベルトプライ28A及び第二ベルトプライ28Bの互いのコードを交錯させることによって、外側ベルト層28のタイヤ幅方向の面内剛性が高まり、タイヤ10にスリップ角が付いた時に更に大きな横力を発生させることができるようになる。
また、これらのコードのタイヤ周方向に対する角度を60〜90度としたのは、前述したように、60度未満であると、タイヤ幅方向の引張りに対して弱くなる(伸びやすくなる)ためである。また、これらのコードのタイヤ周方向に対する角度は70〜80度が更に好ましい。
なお、本実施形態では、第一ベルトプライ28A及び第二ベルトプライ28Bの各々のコードの傾斜方向を赤道面CLに対して互いに反対方向としたが、例えば、第一ベルトプライ28Aのコードを70度、第二ベルトプライ28Bのコードを90度のようにコードの角度を違う角度としても良いが、違う角度で交錯させた場合は、わずかではあるが、直進時に横力が発生してしまうため、同じ角度で交錯させる方が好ましい。
[第8の実施形態]
(構成)次に、本発明の二輪車用空気入りタイヤの第8の実施形態を説明する。なお、本実施形態の二輪車用空気入りタイヤ90(以下、単にタイヤ90と記載する。)は、図10に示すように、第1の実施形態の内側ベルト層26を削除して、カーカス16のコードの材質をスチールとした点が第1の実施形態と相違している。この構成についての詳細を以下に説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
(カーカス)
カーカス16はカーカスプライ12からなり、このカーカスプライ12は、各々両端部分が、ビード部18に埋設されているビードコア20の周りに、タイヤ内側から外側へ向かって巻き上げられている。
カーカスプライ12は、被覆ゴム中に複数本のラジアル方向に延びるコード(本実施形態では、直径0.15mmのスチール単線を1×5タイプで撚ったスチールコード)を平行に並べて埋設したものであり、本実施形態では、赤道面CLでの赤道面CLに対するコードの角度が90度に設定されている。
なお、本実施形態では、カーカス16は1枚のカーカスプライ12からなる構成とするが、この構成に限らず、カーカス16は複数枚のカーカスプライ12からなる構成としても良い。
(作用)次に第8の実施形態の作用を説明する。
カーカス16に、コードのタイヤ周方向に対する角度が90度のカーカスプライ12を用いることで、第1の実施形態の内側ベルト層26を用いなくても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、タイヤ製造上において、部材点数を減らせることで、製造の手間を省くことができるメリットもある。
また、本実施形態では、外側ベルト層28のコードはスチールコードとしたが、これに限らず、外側ベルト層28のコードを第2の実施形態のように有機繊維コードとしても良い。
(試験例)
本発明の性能改善効果を確かめるために、従来例のタイヤ1種、及び本発明の適用された実施例のタイヤ9種、比較例のタイヤ2種を用意し、各々の接地形状を確認した後、実車を用いて操縦性能比較試験を行った。
(従来例)
構造:第1の実施形態のタイヤから、外側ベルト層を削除したタイヤであり、図6に示すように内側ベルト層は2枚のベルトプライから構成され、このベルトプライは、芳香族ポリアミド繊維(ケブラー)を撚った直径0.7mmのコードを打ち込み間隔30本/50mmで被覆ゴム中に埋設して形成されている。このコードの赤道面CLに対する角度は70度であり、2枚のベルトプライは、お互いのコードが交錯するように配置されている。また、トレッド幅が240mm、スパイラルベルト層の幅が230mm、内側ベルト層の1枚目のベルトプライの幅が220mm、1枚目よりもタイヤ径方向外側の2枚目のベルトプライの幅が210mmであり、トレッドの厚みは6mm、トレッドに溝は形成されていない。
タイヤ径方向内側から、
1枚目のカーカスプライ:コード(ナイロン)の赤道面CLに対する角度は90度。
2枚目のカーカスプライ:コード(ナイロン)の赤道面CLに対する角度は90度。
1枚目の内側ベルト層のベルトプライ:コード(芳香族ポリアミド)の赤道面CLに対する角度は70度。
2枚目の内側ベルト層のベルトプライ:コード(芳香族ポリアミド)の赤道面CLに対する角度は−70度(マイナスは、1枚目のベルトプライのコードに対して、赤道面CLに対する角度が逆方向を意味する)。
スパイラルベルト層:コード(芳香族ポリアミド)の赤道面CLに対する角度は5度以下。
トレッドの厚み:6mm。
(実施例1)
構造:第1の実施形態のタイヤと同様の構造のタイヤ。
タイヤ径方向内側から、
1枚目のカーカスプライ:コード(ナイロン)の赤道面CLに対する角度は90度。
2枚目のカーカスプライ:コード(ナイロン)の赤道面CLに対する角度は90度。
内側ベルト層のベルトプライ:コード(スチール)の赤道面CLに対する角度は90度。
スパイラルベルト層:コード(芳香族ポリアミド)の赤道面CLに対する角度は5度以下。
外側ベルト層のベルトプライ:コード(スチール)の赤道面CLに対する角度は90度。
トレッドの厚み:6mm。
(実施例2)
構造:実施例1のタイヤの外側ベルト層のコードを芳香族ポリアミド繊維に置換したタイヤ。
タイヤ径方向内側から、
1枚目のカーカスプライ:コード(ナイロン)の赤道面CLに対する角度は90度。
2枚目のカーカスプライ:コード(ナイロン)の赤道面CLに対する角度は90度。
内側ベルト層のベルトプライ:コード(スチール)の赤道面CLに対する角度は90度。
スパイラルベルト層:コード(芳香族ポリアミド)の赤道面CLに対する角度は5度以下。
外側ベルト層のベルトプライ:コード(芳香族ポリアミド繊維を撚って、直径0.7mmにしたコード)の赤道面CLに対する角度は90度。このコードの打ち込み間隔は30本/50mm、このベルトプライの幅は220mmである。
トレッドの厚み:6mm。
(実施例3)
構造:実施例2のタイヤの外側ベルト層のベルトプライを2枚構成としたタイヤ。
タイヤ径方向内側から、
1枚目のカーカスプライ:コード(ナイロン)の赤道面CLに対する角度は90度。
2枚目のカーカスプライ:コード(ナイロン)の赤道面CLに対する角度は90度。
内側ベルト層のベルトプライ:コード(スチール)の赤道面CLに対する角度は90度。
スパイラルベルト層:コード(芳香族ポリアミド)の赤道面CLに対する角度は5度以下。
1枚目の外側ベルト層のベルトプライ:コード(芳香族ポリアミド繊維を撚って、直径0.7mmにしたコード)の赤道面CLに対する角度は90度である。このコードの打ち込み間隔は30本/50mm、このベルトプライの幅は220mmである。
2枚目の外側ベルト層のベルトプライ:1枚目の外側ベルト層のベルトプライと同様の構成。
トレッドの厚み:6mm。
(実施例4)
構造:実施例2のタイヤの内側ベルト層のベルトプライを1枚目のカーカスプライと2枚目のカーカスプライとの間に配設したタイヤ。
タイヤ径方向内側から、
1枚目のカーカスプライ:コード(ナイロン)の赤道面CLに対する角度は90度。
内側ベルト層のベルトプライ:コード(スチール)の赤道面CLに対する角度は90度。
2枚目のカーカスプライ:コード(ナイロン)の赤道面CLに対する角度は90度。
スパイラルベルト層:コード(芳香族ポリアミド)の赤道面CLに対する角度は5度以下。
外側ベルト層のベルトプライ:コード(芳香族ポリアミド繊維を撚って、直径0.7mmにしたコード)の赤道面CLに対する角度は90度である。このコードの打ち込み間隔は30本/50mm、このベルトプライの幅は220mmである。
トレッドの厚み:6mm。
(実施例5)
構造:実施例2のタイヤのスパイラルベルト層と外側ベルト層との間に、ゴム層を配置したタイヤ。
タイヤ径方向内側から、
1枚目のカーカスプライ:コード(ナイロン)の赤道面CLに対する角度は90度。
2枚目のカーカスプライ:コード(ナイロン)の赤道面CLに対する角度は90度。
内側ベルト層のベルトプライ:コード(スチール)の赤道面CLに対する角度は90度。
スパイラルベルト層:コード(芳香族ポリアミド)の赤道面CLに対する角度は5度以下。
ゴム層:厚みは0.3mm、ゴムの材質は外側ベルト層のベルトプライの被覆ゴムと同じであり、ゴム層の幅は220mmである。
外側ベルト層のベルトプライ:コード(芳香族ポリアミド繊維を撚って、直径0.7mmにしたコード)の赤道面CLに対する角度は90度。このコードの打ち込み間隔は30本/50mm、このベルトプライの幅は220mmである。
トレッドの厚み:6mm。
(実施例6)
構造:実施例5のタイヤのゴム層の厚みを0.7mmにしたタイヤ。
タイヤ径方向内側から、
1枚目のカーカスプライ:コード(ナイロン)の赤道面CLに対する角度は90度。
2枚目のカーカスプライ:コード(ナイロン)の赤道面CLに対する角度は90度。
内側ベルト層のベルトプライ:コード(スチール)の赤道面CLに対する角度は90度。
スパイラルベルト層:コード(芳香族ポリアミド)の赤道面CLに対する角度は5度以下。
ゴム層:厚みは0.7mm、ゴムの材質は外側ベルト層のベルトプライの被覆ゴムと同じであり、ゴム層の幅は220mmである。
外側ベルト層のベルトプライ:コード(芳香族ポリアミド繊維を撚って、直径0.7mmにしたコード)の赤道面CLに対する角度は90度。このコードの打ち込み間隔は30本/50mm、このベルトプライの幅は220mmである。
トレッドの厚み:6mm。
(実施例7)
構造:実施例5のタイヤのゴム層の厚みを2.5mmにしたタイヤ。
タイヤ径方向内側から、
1枚目のカーカスプライ:コード(ナイロン)の赤道面CLに対する角度は90度。
2枚目のカーカスプライ:コード(ナイロン)の赤道面CLに対する角度は90度。
内側ベルト層のベルトプライ:コード(スチール)の赤道面CLに対する角度は90度。
スパイラルベルト層:コード(芳香族ポリアミド)の赤道面CLに対する角度は5度以下。
ゴム層:厚みは2.5mm、ゴムの材質は外側ベルト層のベルトプライの被覆ゴムと同じであり、ゴム層の幅は220mmである。
外側ベルト層のベルトプライ:コード(芳香族ポリアミド繊維を撚って、直径0.7mmにしたコード)の赤道面CLに対する角度は90度。このコードの打ち込み間隔は30本/50mm、このベルトプライの幅は220mmである。
トレッドの厚み:6mm。
(実施例8)
構造:実施例3のタイヤの外側ベルト層の1枚目ベルトプライのコードと2枚目ベルトプライのコードとがお互いに交錯したタイヤ。
タイヤ径方向内側から、
1枚目のカーカスプライ:コード(ナイロン)の赤道面CLに対する角度は90度。
2枚目のカーカスプライ:コード(ナイロン)の赤道面CLに対する角度は90度。
内側ベルト層のベルトプライ:コード(スチール)の赤道面CLに対する角度は90度。
スパイラルベルト層:コード(芳香族ポリアミド)の赤道面CLに対する角度は5度以下。
1枚目の外側ベルト層のベルトプライ:コード(芳香族ポリアミド繊維を撚って、直径0.7mmにしたコード)の赤道面CLに対する角度は90度。このコードの打ち込み間隔は30本/50mm、このベルトプライの幅は220mmである。
第1ベルト層の2枚目ベルトプライ:1枚目のベルトプライと同様の構成だが、コードの赤道面CLに対する角度は−90度(赤道面CLに対して逆向き)である。
トレッドの厚み:6mm。
(実施例9)
構造:実施例5のタイヤのゴム層の厚みを0.7mmにし、カーカスプライを1枚にしてカーカスプライのコードをスチール製にし、内側ベルト層を削除したタイヤ。
タイヤ径方向内側から、
1枚目のカーカスプライ:コード(直径0.15mmのスチール単線を1×5タイプで撚ったスチールコード)の赤道面CLに対する角度は90度。
スパイラルベルト層:コード(芳香族ポリアミド)の赤道面CLに対する角度は5度以下。
ゴム層:厚みは0.7mm、ゴムの材質は外側ベルト層のベルトプライの被覆ゴムと同じであり、ゴム層の幅は220mmである。
外側ベルト層のベルトプライ:コード(芳香族ポリアミド繊維を撚って、直径0.7mmにしたコード)の赤道面CLに対する角度は90度。このコードの打ち込み間隔は30本/50mm、このベルトプライの幅は220mmである。
トレッドの厚み:6mm。
(比較例1)
構造:実施例5のタイヤのゴム層の厚みを3.5mmにしたタイヤ。
タイヤ径方向内側から、
1枚目のカーカスプライ:コード(ナイロン)の赤道面CLに対する角度は90度。
2枚目のカーカスプライ:コード(ナイロン)の赤道面CLに対する角度は90度。
内側ベルト層のベルトプライ:コード(スチール)の赤道面CLに対する角度は90度。
スパイラルベルト層:コード(芳香族ポリアミド)の赤道面CLに対する角度は5度以下。
ゴム層:厚みは3.5mm、ゴムの材質は外側ベルト層のベルトプライの被覆ゴムと同じであり、ゴム層の幅は220mmである。
外側ベルト層のベルトプライ:コード(芳香族ポリアミド繊維を撚って、直径0.7mmにしたコード)の赤道面CLに対する角度は90度。このコードの打ち込み間隔は30本/50mm、このベルトプライの幅は220mmである。
トレッドの厚み:6mm。
(比較例2)
構造:実施例8のタイヤの外側ベルト層の1枚目ベルトプライのコードと2枚目ベルトプライのコードとが交錯する角度が異なるタイヤ。
タイヤ径方向内側から、
1枚目のカーカスプライ:コード(ナイロン)の赤道面CLに対する角度は90度。
2枚目のカーカスプライ:コード(ナイロン)の赤道面CLに対する角度は90度。
内側ベルト層のベルトプライ:コード(スチール)の赤道面CLに対する角度は90度。
スパイラルベルト層:コード(芳香族ポリアミド)の赤道面CLに対する角度は5度以下。
1枚目の外側ベルト層のベルトプライ:コード(芳香族ポリアミド繊維を撚って、直径0.7mmにしたコード)の赤道面CLに対する角度は50度。このコードの打ち込み間隔は30本/50mm、このベルトプライの幅は220mmである。
2枚目の外側ベルト層のベルトプライ:1枚目のベルトプライと同様の構成だが、コードの赤道面CLに対する角度は−90度(赤道面CLに対して逆向き)である。
トレッドの厚み:6mm。
これらの供試タイヤについてまず接地形状を観察した。接地形状の観察方法は、タイヤを標準リムに組付け、CA45度の状態で、タイヤ単体をゆっくりと硝子の上を転がして、真下から写真を撮影するものである。このときのタイヤへの荷重は2kNで、転動速度は10mm/秒、タイヤの内圧は210kpa、スリップ角(SA)は0度である。真下から撮影した写真から、接地部分のタイヤ周方向の長さ(接地長)と、タイヤ幅方向の長さ(接地幅)とを計測した。その結果を表1に示す。なお、表1の()は、従来例の計測値を100としたときの指数表示として評価した値であり、接地長の場合は、その値が小さい方が優れた結果を示し、接地幅の場合は、その値が大きい方が優れた結果を示すものとする。また、ここで言う標準リムとは、JATMA YEAR BOOK(2006年度版、日本自動車タイヤ協会規格)に規定されている標準リムのことである。なお使用地又は製造地においてTRA規格、ETRTO規格が適用される場合は各々の規格に従う。
Figure 2007283802
表1の結果から、従来例と比べて、実施例1から9はすべて接地幅が広くなり、特に実施例2から9は接地幅が10%以上広がっていることが分かる。以上のことから実施例1から9は、接地幅を広げて、トレッドが路面と接触する部分を広げて耐摩耗性能を向上させる本発明の意図にかなっている。
実施例1と実施例2との比較から、スパイラルベルト層のタイヤ径方向外側に配置する外側ベルト層は、コードの材質にスチールを用いるよりも有機繊維を用いる方が、接地幅を広げる効果が高いことが分かる。これは、先に説明したように、接地形状中心においては、外側ベルト層が圧縮されるような曲げ変形を受けるためであり、スチールよりも圧縮剛性が低い有機繊維のベルトの方が圧縮しやすく、この曲げ変形の妨げにならなかったからである。
実施例2と実施例3との比較から、外側ベルト層のベルトプライは2枚重ねた方が接地幅を広げる効果が高いことが分かる。これは、図3のAの部分での曲げに対して更に強くなるからである。ただし、接地幅が広がった分、接地長が若干縮み、接地面積としては同等レベルである。
実施例2と実施例4との比較から、内側ベルト層のベルトプライは曲げの中立軸よりタイヤ径方向内側に配置した方が、接地幅を広げる効果が高いことが分かる。これは、図3のAの部分での曲げに対して曲げの中立軸から離れたところに圧縮に強い部材があった方が面外曲げ剛性が高くなるからである。
実施例2と実施例5との比較から、スパイラルベルト層と外側ベルト層との間にゴム層を設けた方が、接地幅を広げる効果が高いことが分かる。これは、外側ベルト層がゴム層の分だけ、曲げの中立軸から離れることにより、図3のAの部分の曲げに対して、外側ベルト層が引っ張られたときに、タイヤのトレッド部の構造として面外曲げ剛性が強くなり、接地幅を広げる効果が現れるからである。
実施例2(ゴム層なし)、実施例5(ゴム層:0.3mm)、実施例6(ゴム層:0.7mm)、実施例7(ゴム層:2.5mm)及び比較例1(ゴム層:3.5mm)の比較から、ゴム層の厚みの影響が分かる。ゴム層なしよりも、ゴム層があった方が、図3の断面におけるAの部分の方向の曲げ(もともとの曲率半径Rを更に小さくする方向の曲げ)に対する面外曲げ剛性は高まる。しかし、ゴム層が0.7mmとゴム層が2.5mmの効果幅はわずかに1mmの違いであり、ゴム層がある程度厚くなると、効果が飽和してくることが分かる。特にゴム層が2.5mmと3.5mmとの比較では、接地幅に違いはなく、ゴム層が2.5mm程度以上厚くしても意味がないことが分かる。ゴム層の厚みは、0.7mm前後が適当と考えられる。
実施例2と実施例8との比較から、外側ベルト層の赤道面CLに対するコードの角度は、幅方向(90度)に限定する必要はなく、実施例8のように、70度の交錯ベルト層としても、接地幅を広げる効果が、実施例2と同等レベルであることがわかる。これは、70度交錯の2枚のベルトプライがタイヤ幅方向の引っ張りに対して、十分に強く振舞ったと考えられる。次に、比較例2は、コードの赤道面CLに対する角度を50度にしたものであるが、接地幅は従来例に比べて2%広がっただけであり効果が非常に小さい。2%広がったのは、内側ベルト層があるために、その内側ベルト層自身の面外曲げ剛性が寄与したためであるが、50度交錯のベルトに十分なタイヤ幅方向の引っ張りに対する抗力がなかったため、接地幅が広がらなかった。また50度とすると、ベルト部分に50度の交錯ベルトに加えて、5度以下のスパイラルベルト層、更に90度の外側ベルト層と、4方向のコード入り部材が交錯するため、ちょうど編み込んだ水切り用の半球状のザルのような構造体となり、これが地面に平らに接地するときに、変形が抑制されてしまい、接地面積が低下した。ベルトとして非常に硬い構造体となってしまった。
実施例9は、カーカスのコードをスチール製にしたものである。実施例2と比較すると、実施例2の内側ベルト層の役割をスチール製のコードを有したカーカスが担当する。これは、実施例2と同様の接地幅を広げる効果があることが分かる。
次に、各供試タイヤを装着した実車を用いて操縦性能比較試験を実施した。これらの供試タイヤは、リア用のタイヤであったため、リアのみに装着し、フロントのタイヤは常に従来のもので固定した。評価方法は以下に示す。
上記の供試タイヤを、1000ccのスポーツタイプの二輪車に装着して、テストコースで限界に近い走行を実施した。1周約50秒のテストコースを10周走行させ、そのときの1周目のタイムと10周目のタイムとの差からタイヤの摩耗の進展具合を評価した。また1周目のタイムの差から、タイヤの操縦安定性能もわかる。これに加えて、テストライダーのフィーリングによる10点法で操縦安定性能を総合評価した。テストドライバーの評価コメントも付記して、結果を次に示す。更に、走行を終えたタイヤのショルダー部(トレッド端部)の最大摩耗も測定した。摩耗量の評価方法は、走行を終えたタイヤを切断して、残ったトレッドの厚みを測定し、新品時の6mmからの差分で何mm摩耗したかを評価した。
(従来例)
1周目ラップタイム:51秒6
10周目ラップタイム:53秒7
タイムの落ち:2秒1
操縦安定性能評点:5点
走行後の最大摩耗量:1.9mm
ドライバーコメント:大きく倒したコーナーでのグリップが不足する。また、タイムの落ちも激しく、周回を重ねる毎にタイヤのグリップ力が低下し、ラップタイムが低下していくのが実感できる。
(実施例1)
1周目ラップタイム:51秒0
10周目ラップタイム:52秒5
タイムの落ち:1秒5
操縦安定性能評点:7点
走行後の最大摩耗量:1.5mm
ドライバーコメント:大きく倒したコーナーでのグリップが従来例のタイヤよりも高い。また、タイムの落ちも少なかった。周回を重ねる毎にタイヤのグリップ力は低下していくが、グリップの低下度合いは明らかに従来例よりも少ない。
(実施例2)
1周目ラップタイム:50秒7
10周目ラップタイム:51秒9
タイムの落ち:1秒2
操縦安定性能評点:8点
走行後の最大摩耗量:1.2mm
ドライバーコメント:大きく倒したコーナーでのグリップが非常に高く感じる。また、タイムの落ちも小さい。
(実施例3)
1周目ラップタイム:50秒6
10周目ラップタイム:51秒6
タイムの落ち:1秒0
操縦安定性能評点:8点
走行後の最大摩耗量:1.0mm
ドライバーコメント:大きく倒したコーナーでのグリップは非常に高く、実施例2と同等か、やや高く感じる。またタイムの落ちも小さい。
(実施例4)
1周目ラップタイム:50秒7
10周目ラップタイム:51秒7
タイムの落ち:1秒0
操縦安定性能評点:8点
走行後の最大摩耗量:1.0mm
ドライバーコメント:実施例3とほぼ同じフィーリングに感じる。
(実施例5)
1周目ラップタイム:50秒7
10周目ラップタイム:51秒8
タイムの落ち:1秒1
操縦安定性能評点:8点
走行後の最大摩耗量:1.1mm
ドライバーコメント:実施例3とほぼ同じフィーリングに感じる。
(実施例6)
1周目ラップタイム:50秒3
10周目ラップタイム:51秒3
タイムの落ち:1秒0
操縦安定性能評点:9点
走行後の最大摩耗量:1.0mm
ドライバーコメント:実施例3よりもややグリップが高く、速く走ることができた。周回を重ねる毎にグリップが低下するが、その低下量は非常に小さいと感じた。
(実施例7)
1周目ラップタイム:50秒9
10周目ラップタイム:51秒7
タイムの落ち:0秒7
操縦安定性能評点:8点
走行後の最大摩耗量:0.8mm
ドライバーコメント:実施例6と同様のグリップがあると感じるのだが、大きく車体を倒したときにタイヤが少しグニョグニョする感じがあり、そのため大きく倒したときの旋回で少しタイムロスをしているように感じる。周回を重ねる毎にグリップは低下するが、その低下割合はこれまでの最小のように感じる。
(実施例8)
1周目ラップタイム:49秒9
10周目ラップタイム:51秒2
タイムの落ち:1秒3
操縦安定性能評点:10点
走行後の最大摩耗量:1.3mm
ドライバーコメント:非常に操縦安定性能の高いタイヤ。大きく倒したコーナーでのグリップがこれまでの最高。旋回速度が速いと感じた。タイムの落ちも従来例のタイヤより明らかに少ない。
(実施例9)
1周目ラップタイム:50秒9
10周目ラップタイム:52秒1
タイムの落ち:1秒2
操縦安定性能評点:7点
走行後の最大摩耗量:1.2mm
ドライバーコメント:実施例2と同様の感じだが、タイヤがやや硬く、コーナーで少し跳ねる感じがある。そのため少しタイムをロスするが、従来例のタイヤに比べて明らかにグリップの落ちも少ない。
(比較例1)
1周目ラップタイム:51秒9
10周目ラップタイム:53秒4
タイムの落ち:1秒5
操縦安定性能評点:5点
走行後の最大摩耗量:1.5mm
ドライバーコメント:大きく車体を倒したときにタイヤが少しグニョグニョする感じがあり、トレッド部が弱く感じる。そのため、大きく倒したときの旋回でタイヤが横に少し滑るようで、非常にコントロールし難い。横に滑るため、摩耗も促進されるように感じた。操縦安定性能があまり良くない。
(比較例2)
1周目ラップタイム:51秒9
10周目ラップタイム:53秒9
タイムの落ち:2秒0
操縦安定性能評点:4点
走行後の最大摩耗量:1.9mm
ドライバーコメント:タイヤが硬く、コーナーへの侵入でタイヤが跳ねてしまう。タイヤが硬くて、グリップしていない感じがある。とても挙動に敏感で、滑りも大きく、グリップの低下割合も大きい。
以上の評価結果から、従来例と比べて実施例1乃至9は全て、1周目のタイム落ちが少なくなり、また走行後のショルダー部の最大摩耗量も明確に小さくなった。これは接地幅が広がったことによる。
実施例1と実施例2との比較から、外側ベルト層のコードの材質は、スチールよりも有機繊維の方が摩耗量を少なくすることができている。これは先に説明したように、接地幅が広がったためである。
実施例2と実施例3との比較から、外側ベルト層のベルトプライは2枚重ねた方が、摩耗量が少ないことが分かる。接地幅が広い分、摩耗量が少なくなっている。
実施例2と実施例4との比較から、内側ベルト層は曲げの中立軸よりタイヤ径方向内側に配置した方が、摩耗量が少ないことがわかる。
実施例2と実施例5との比較から、外側ベルト層とスパイラルベルト層との間にゴム層を設けた方が、摩耗量が少ない。
また、実施例2(ゴム層なし)、実施例5(ゴム層:0.3mm)、実施例6(ゴム層:0.7mm)、実施例7(ゴム層:2.5mm)及び比較例1(ゴム層:3.5mm)の比較から、ゴム層の厚みの影響が分かる。ゴム層なしよりも、ゴム層があった方が、接地幅が広くなる分、摩耗がマイルドになっている。また、実施例6の0.7mmのゴム層のものは操縦安定性能にも優れており、タイムの落ちも少なく、摩耗量も少なく良好である。ゴム層が厚くなると、操縦安定性能について、トレッドの弱さが指摘されるようになった。ゴム層が、2.5mmの場合は多少トレッドにグニョグニョ感を感じるが、さほど問題とはならない。しかし、ゴム層が、3.5mmになると、トレッドが弱くなり、接地幅が広いにもかかわらず、タイヤが横に滑って摩耗を促進してしまった。このゴム層の厚みの比較からゴムの厚みは3mm以下が適当であると考えられる。特に0.7mm前後のゴムの厚みが優れている。
実施例2と実施例8との比較から、外側ベルト層のコードの赤道面CLに対する角度は幅方向(90度)に限定する必要はなく、実施例8のように、70度の交錯ベルト層としても接地幅を広げる効果があるため、摩耗量を少なくすることができる。実施例2と同等レベルの摩耗性能の改善が、実施例8にあることが分かる。また、実施例8は、非常に操縦安定性能が高い。これは、70度交錯の2枚のベルト層により、ベルトの面内剪断剛性が向上したためであり、これにより、コーナー旋回中のグリップ力が向上したからである。
これに対して、比較例2のタイヤは、非常に硬く、接地面積が低下するために、グリップ力も低下し、また、接地幅の増加割合が従来例とほとんど変わらないことから摩耗も悪かった。これらのことから、コードの赤道面CLに対する角度が50度では、発明の効果は得られない。本発明では、コードの赤道面CLに対する角度を60〜90度としたが、その理由がここにある。
実施例9はカーカスプライのコードをスチール製にしたものである。実施例2と比べると、摩耗性能は同等レベルであるが、カーカスプライのコードをスチールとしたために、タイヤのサイド部分が硬くなり、操縦安定性能が若干低下した。しかし、従来例に比べるとラップタイム、摩耗性能とも向上しており、本発明の効果は確認できた。
第1の実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤの回転軸に沿った断面図である。 (A)二輪車用空気入りタイヤの車体を大きく傾けたときのタイヤの回転軸に沿った断面図である。(B)図2(A)の状態のときの従来の二輪車用空気入りタイヤの接地形状を示した図である。(C)図2(A)の状態のときの本発明の二輪車用空気入りタイヤの接地形状を示した図である。 (A)二輪車用空気入りタイヤの車体を大きく傾けたときのタイヤの回転軸に沿った断面図である。(B)図3(A)の状態のときのAの部分の変形を示す拡大図である。(C)図3(A)の状態のときのCの部分の変形を示す拡大図である。 図3(A)の状態のときにAの部分に作用する力を示すAの部分のタイヤの回転軸に沿った断面を拡大した拡大図である。 図3(A)の状態のときにCの部分に作用する力を示すCの部分のタイヤの回転軸に沿った断面を拡大した拡大図である。 従来例のタイヤのタイヤ回転軸に沿った断面図である。 第7の実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤの回転軸に沿った断面図である。 第4の実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤの回転軸に沿った断面図である。 第6の実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤの回転軸に沿った断面図である。 第8の実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤの回転軸に沿った断面図である。
符号の説明
10 タイヤ(二輪車用空気入りタイヤ)
12 第1のカーカスプライ(カーカスプライ)
14 第2のカーカスプライ(カーカスプライ)
16 カーカス
18 ビード部
20 ビードコア
22 スパイラルベルト層
24 トレッド(トレッド部)
24A トレッドゴム
26 内側ベルト層
28 外側ベルト層
30 タイヤ(二輪車用空気入りタイヤ)
40 タイヤ(二輪車用空気入りタイヤ)
50 タイヤ(二輪車用空気入りタイヤ)
60 タイヤ(二輪車用空気入りタイヤ)
70 タイヤ(二輪車用空気入りタイヤ)
72 ゴム層
80 タイヤ(二輪車用空気入りタイヤ)
90 タイヤ(二輪車用空気入りタイヤ)

Claims (8)

  1. 左右一対のビード部に埋設されたビードコアと、
    一方の前記ビード部から他方の前記ビード部にトロイド状に跨がり端部分が前記ビードコアに巻回されて前記ビードコアに係止された少なくとも1枚のカーカスプライを有するカーカスと、
    前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置され、1本乃至並列した複数本のコ−ドを被覆ゴム中に埋設した帯状体を螺旋状に巻回して形成される少なくとも1枚のスパイラルベルト層と、
    前記スパイラルベルト層よりもタイヤ径方向外側に配置され、路面と接触するトレッド部を形成するトレッドゴムと、
    前記スパイラルベルト層のタイヤ径方向内側に配置され、タイヤ周方向に対する角度が85〜90度の複数本の金属製のコードを被覆ゴム中に埋設した1枚の内側ベルト層と、
    前記スパイラルベルト層と前記トレッドゴムとの間に配置され、タイヤ周方向に対する角度が60〜90度の複数本の金属製又は有機繊維のコードを被覆ゴム中に埋設した少なくとも1枚の外側ベルト層と、
    を備えることを特徴とする二輪車用空気入りタイヤ。
  2. 前記内側ベルト層は、前記カーカスのタイヤ径方向内側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の二輪車用空気入りタイヤ。
  3. 前記カーカスは少なくとも2枚の前記カーカスプライを有し、
    前記内側ベルト層は、前記カーカスプライ間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の二輪車用空気入りタイヤ。
  4. 左右一対のビード部に埋設されたビードコアと、
    一方の前記ビード部から他方の前記ビード部にトロイド状に跨がり端部分が前記ビードコアに巻回されて前記ビードコアに係止された少なくとも1枚のカーカスプライを有するカーカスと、
    前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置され、1本乃至並列した複数本のコ−ドを被覆ゴム中に埋設した帯状体を螺旋状に巻回して形成される少なくとも1枚のスパイラルベルト層と、
    前記スパイラルベルト層よりもタイヤ径方向外側に配置され、路面と接触するトレッド部を形成するトレッドゴムと、
    前記スパイラルベルト層と前記トレッドゴムとの間に配置され、タイヤ周方向に対する角度が60〜90度の複数本の金属製又は有機繊維のコードを被覆ゴム中に埋設した少なくとも1枚の外側ベルト層とを備え、
    前記カーカスプライは、タイヤ周方向に対する角度が85〜90度の複数本の金属製のコードを被覆ゴム中に埋設して形成されることを特徴とする二輪車用空気入りタイヤ。
  5. タイヤ周方向に対するコードの角度が85〜90度である前記外側ベルト層が1枚または複数枚配置されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の二輪車用空気入りタイヤ。
  6. 前記外側ベルト層が1枚配置され、
    前記スパイラルベルト層と前記外側ベルト層との間に、厚さが0.3〜3mmのゴム層が配置されることを特徴とする請求項5に記載の二輪車用空気入りタイヤ。
  7. 前記外側ベルト層のコードは、有機繊維からなることを特徴とする請求項5又は6に記載の二輪車用空気入りタイヤ。
  8. 前記外側ベルト層は、互いに平行に配置された複数本の有機繊維コードを被覆ゴム中に埋設した2枚のベルトプライからなり、互いに隣接するベルトプライ同士で前記有機繊維コードのタイヤ周方向に対する傾斜方向が互いに反対方向となることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の二輪車用空気入りタイヤ。
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