JP2007038525A - インクジェットヘッド及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 インク吐出圧力発生素子が形成された基板と液路形成部材との密着力を高め、信頼性の高いインクジェットヘッドを提供すること、および簡便な方法で信頼性の高いインクジェットヘッドを提供することができる製造方法を提供すること。
【解決手段】 特定構造のポリエーテルアミド樹脂に、イオン結合により感光基を導入した感光性樹脂組成物を、インクジェットヘッドの密着層として使用することを特徴とするインクジェットヘッド及びその製造方法。
【選択図】 図9

Description

本発明は、インクジェット記録方式に用いる記録液滴を発生するためのインクジェットヘッドおよびその製造方法に関し、特に、インクを吐出するための圧力発生素子が形成された基板と、該基板と接合して液路を形成するための液路形成部材との密着力の向上に関する。
従来より、インクジェットヘッドの製造方法及びインク吐出圧力発生素子が形成された基板と接合して液路を形成する液路形成部材についてはさまざまな提案がなされており、例えば、特許文献1、特許文献2には、インク吐出圧力発生素子が形成された基板上に感光性樹脂にて液路パターンを形成しガラス等の天板を接合、切断することでインクジェットヘッドを作成する方法が開示されている。
また、非特許文献1では、インク吐出圧力発生素子が形成された基板上に感光性樹脂にて液路パターンを形成し、Ni電鋳により作成したオリフィスプレートを貼り合わせることでインクジェットヘッドを作成する方法が開示されている。
また、特許文献3には、インク吐出圧力発生素子が形成された基板のインク吐出圧力発生素子上に溶解可能な樹脂にて液路パターンを形成し、該パターンをエポキシ樹脂等で被覆、硬化し、基板切断後に溶解可能な樹脂層を溶出しインクジェットヘッドを作成する方法が開示されている。
さらに、特許文献4には、前記特許文献3に記載のインクジェットヘッドの製造に最適な被覆樹脂組成物として芳香族エポキシ化合物のカチオン重合硬化物が有用であることが開示されている。
上述したいずれの方法においても、インク吐出圧力発生素子が形成された基板と液路形成部材の接合強度は、基本的に液路形成部材となる樹脂材料(感光性樹脂層、被覆樹脂層)の密着力に依存している。
特開昭57−208255号公報 特開昭57−208256号公報 特開昭61−154947号公報 特開平3−184868号公報 Hewllett Packard Journal 36,5、1985年
インク吐出圧力発生素子として発熱抵抗体を用い、インクの膜沸騰によるバブル形成を行いインクを吐出させるいわゆるバブルジェット(登録商標)ヘッドの場合、インクによる電蝕やバブル消泡の際のキャビテーションによるダメージを低減するために、発熱抵抗体上にはSiNやSiO2といった無機絶縁層とTa等の耐キャビテーション層とを設けることが一般的である。しかしながら、Ta膜は前述の液路形成部材となる樹脂材料との密着力が極めて低いために、液路形成部材のTa膜からの剥離が生じるという問題が発生する場合がある。
この問題を回避するために、液路形成部材の密着力を向上させる目的で、液路形成部材が設けられる部分のTa膜を除去することも考えられるが、この場合、基板上の電気熱変換体は前述の無機絶縁層のみを介して液路形成部材を構成する樹脂材料が積層されることになる。無機絶縁層は通常膜質がポーラスであるため、樹脂中に含まれるイオンが無機絶縁層を透過し、このイオンによって電気熱変換体が腐食してしまう可能性がある。
また、インク吐出圧力発生素子が形成された基板と液路形成部材の密着力向上のために、基板にシランカップリング処理を施したり、ポリイミド(例えば、東レ製フォトニース)等からなる下びき層(密着力向上及びパッシベーション層)を用いる例が知られている。
ここで、インクジェットヘッドは、通常その使用環境下においてインクと常時接触しているが、インクの影響で吐出圧力発生素子が形成された基板と液路形成部材が剥離するようなことは避けなければならない。しかしながら、近年のインクジェット記録方式に対しては、用紙選択性、耐水性等の要求が高まっており、これらの要望に対応するためにインクをアルカリ性側にすることが検討されている。こうしたアルカリ性のインクに対しては、インク吐出圧力発生素子が形成された基板と液路形成部材の密着力を長期にわたり維持することが困難な場合があった。
そこで特開平11−348290号公報では、ポリエーテルアミド樹脂からなる密着層を介して、インク吐出圧力発生素子が形成された基板と液路形成部材を接合する手法を提案している。これにより、アルカリ性のインクに対しても、長期にわたり優れた密着力を維持することができ、さらに、接着面にTa等の金属面が露出している場合でも、長期にわたり優れた密着力を維持することができる信頼性の高いインクジェットヘッドを提供するができる。
しかしながら、ここで用いられるポリエーテルアミド樹脂は、それ自体感光性を有していない。このため、ポリエーテルアミド樹脂をパターニングする場合には、フォトレジストをパターニングしてマスク材を形成し、エッチングによりパターニングを行う必要がある。また、ポリエーテルアミド樹脂はウエットエッチングが困難であるため、ドライエッチングを行う必要があり、工程が長くなるとともに、大規模な設備が必要となる。
本発明は、上記諸点に鑑みてなされたものであり、インク吐出圧力発生素子が形成された基板と液路形成部材との密着力を高め、信頼性の高いインクジェットヘッドを提供するものである。さらには、簡便な方法で信頼性の高いインクジェットヘッドを提供することができる製造方法を提供するものである。
この発明は下記の構成を備えることにより上記課題を解決できるものである。
すなわち本発明の第一は、インクを吐出するための吐出口と、該吐出口に連通するとともに前記インクを吐出するための圧力発生素子を内包するインク流路と、前記圧力発生素子が形成された基板と、前記基板と接合して前記インク流路を形成するインク流路形成部材とを有するインクジェットヘッドであって、前記インク流路形成部材が、少なくとも下記一般式1で示されるエーテルアミド成分と、カルボキシル基にイオン結合したアクリルアミド成分を含有するポリエーテルアミド樹脂組成物の硬化物層を介して前記基板に接合されていることを特徴とするインクジェットヘッドである。
Figure 2007038525
さらに本発明の第一は、カルボキシル基にイオン結合したアクリルアミド成分が、下記一般式2または/および下記一般式3で示される構造を有することを特徴とする上記に記載のインクジェットヘッド、
Figure 2007038525
ポリエーテルアミド樹脂組成物が、光照射により架橋し、パターニング可能であることを特徴とする上記に記載のインクジェットヘッド、インク流路形成部材が、樹脂により形成されていることを特徴とする請求項上記に記載のインクジェットヘッド、インク流路形成部材が、エポキシ樹脂のカチオン重合化合物により形成されていることを特徴とする上記に記載のインクジェットヘッド、インクを吐出するための吐出口が、圧力発生素子の対向する側に設けられていることを特徴とする上記に記載のインクジェットヘッド、吐出圧力発生素子が、電気熱変換体であることを特徴とする上記に記載のインクジェットヘッドを好ましい形態として含むものである。
また本発明の第二は、インクを吐出するための吐出口と、該吐出口に連通するとともに前記インクを吐出するための圧力発生素子を内包するインク流路と、前記圧力発生素子が形成された基板と、前記基板と接合して前記インク流路を形成するインク流路形成部材とを有するインクジェットヘッドの製造方法において、
(1)圧力発生素子が形成された基板上に、少なくとも下記一般式1で示されるエーテルアミド成分と、カルボキシル基にイオン結合したアクリルアミド成分を含有するポリエーテルアミド樹脂組成物のパターンを形成する工程と、
(2)該ポリエーテルアミド樹脂組成物パターンの形成された基板上に、溶解可能な樹脂にてインク液路パターンを形成する工程と、
(3)該インク液路パターン上に、インク液路壁を形成するための被覆樹脂層を形成する工程と、
(4)基板上に形成された圧力発生素子上に位置する該被覆樹脂層に、インク吐出口を形成する工程と、
(5)インク流路パターンを溶解除去する工程と、
を有することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法である。
Figure 2007038525
さらに本発明の第二は、カルボキシル基にイオン結合したアクリルアミド成分が、下記一般式2または/および下記一般式3で示される構造を有することを特徴とする上記に記載のインクジェットヘッドの製造方法である。
Figure 2007038525
ポリエーテルアミド樹脂組成物が、光重合開始剤を含有することを特徴とする上記に記載のインクジェットヘッドの製造方法を好ましい形態として含むものである。
以上の構成によれば、アルカリ性のインクに対しても、長期にわたり優れた密着力を維持することができ、また、接着面にTa等の金属面が露出している場合でも、長期にわたり優れた密着力を維持することができる信頼性の高いインクジェットヘッドを安価に提供することができる。
本発明によれば、インク吐出圧力発生素子が形成された基板と液路形成部材との密着力を高め、信頼性の高いインクジェットヘッドを提供することができる。さらには、簡便な方法で信頼性の高いインクジェットヘッドを提供することが可能となる。
以下に図面を参照して、本発明を更に詳細に説明する。
図1〜図9は、本発明によるインクジェットヘッドの構成およびその製造方法の断面図を模式的に示したものである。
まず本発明においては、例えば図1に示されるような、ガラス、セラミックス、プラスチックあるいは金属等からなる基板1が用いられる。このような基板1は、液流路構成部材の一部として機能し、また、後述のインク流路およびインク吐出口を形成する材料層の支持体として機能し得るものであれば、その形状、材質等に特に限定されることなく使用することができる。
上記基板1上には、電気熱変換素子あるいは圧電素子等のインク吐出圧力発生素子2が所望の個数配置される(図2)。このようなインク吐出圧力発生素子2によって、記録液滴を吐出させるための吐出エネルギーがインク液に与えられ、記録が行われる。例えば、上記インク吐出圧力発生素子2として電気熱変換素子が用いられる時には、この素子が近傍の記録液を加熱することにより、記録液に状態変化を生起させ吐出エネルギーを発生する。また、例えば、圧電素子が用いられる時は、この素子の機械的振動によって、吐出エネルギーが発生される。
なお、これらの吐出圧力発生素子2には、素子を動作させるための制御信号入力用電極(不図示)が接続されている。また、一般にはこれら吐出圧力発生素子2の耐用性の向上を目的として、保護層等(不図示)の各種機能層が設けられるが、もちろん本発明においてもこのような機能層を設けることは一向に差し支えない。
次いで、図3に示すように、樹脂層(密着層)3を形成する。ここで用いられる樹脂層3は、後述するノズル構成部材5と基板1との密着性を向上する目的で使用するものであり、基板1を構成するガラス、Si、SiN、SiO2、Ta等の無機材料と、ノズル構成部材の有機材料の双方に対して優れた密着力を有することが必要である。また、インクに接触する可能性のある部材であることから、特に、アルカリ条件下における優れた密着性が要求される。
さらに、図3に示すように、インク吐出圧力発生素子2および後述するインク供給口8上には形成されないようパターニングする必要があることから、感光性を有することが好ましい。本発明者等は鋭意検討の結果、これらの特性を満足する材料として、少なくとも一般式1で示されるエーテルアミド成分と、カルボキシル基にイオン結合したアクリルアミド成分を含有するポリエーテルアミド樹脂と、光重合開始剤から成る感光性ポリエーテルアミド樹脂組成物が好適に用いられることを見いだした。
Figure 2007038525
本発明に用いられる感光性ポリエーテルアミド樹脂組成物は、例えば下記一般式4で示される芳香族エーテルのジアミン化合物と、一般式5で示されるトリメリット酸およびその誘導体または/および一般式6で示される芳香族ジカルボン酸およびその誘導体の重合物に、N,N−ジメチルアクリルアミド等のアクリルアミド、および光重合開始剤を添加することにより得ることができる。
Figure 2007038525
上述した芳香族エーテルのジアミン化合物の例としては、例えば2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−エチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等が挙げられる。また、トリメリット酸誘導体の例としては、例えばトリメリット酸無水物、トリメリット酸無水物モノクロライド、1,4−ジカルボキシ−3−カルボフェノキシベンゼン等が挙げられる。また、芳香族ジカルボン酸誘導体の例としては、例えばテレフタル酸およびイソフタル酸等のフタル酸、およびそのハロゲン化物が挙げられる。
次いで、図4に示すように、上記インク吐出圧力発生素子2を含む基板1上に、溶解可能な樹脂にてインク流路パターン4を形成する。最も一般的な手段としては感光性材料にて形成する手段が挙げられる。該流路パターン4は、後工程において溶解除去する必要があるため、ポジ型レジストを使用することが好ましく、特にポリメチルイソプロピルケトン、ポリビニルケトン等のビニルケトン系光崩壊型高分子化合物を好適に用いることができる。
このように、流路パターン4を形成した基板1上に、図5に示すように、ノズル構成部材5を通常のスピンコート法、ロールコート法、スリットコート法等の方法で形成する。ここで、ノズル構成部材5を形成するにおいては、流路パターン4を変形せしめない等の特性が必要となる。すなわち、ノズル構成部材5を溶剤に溶解し、これをスピンコート、ロールコート等で流路パターン4上に形成する場合、溶解可能な流路パターン4を溶解しないように溶剤を選択する必要がある。
また、ノズル構成部材5としては、後述するインク吐出口7(図7参照)をフォトリソグラフィーで容易にかつ精度よく形成できることから、感光性のものが好ましい。このような感光性被覆樹脂には、構造材料としての高い機械的強度、下地との密着性、耐インク性と、同時にインク吐出口の微細なパターンをパターニングするための解像性が要求される。これらの特性を満足する材料としては、カチオン重合型のエポキシ樹脂組成物を好適に用いることができる。
本発明に用いられるエポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールAとエピクロヒドリンとの反応物のうち分子量がおよそ900以上のもの、含ブロモスフェノールAとエピクロヒドリンとの反応物、フェノールノボラックあるいはo−クレゾールノボラックとエピクロヒドリンとの反応物、特開昭60−161973号公報、特開昭63−221121号公報、特開昭64−9216号公報、特開平2−140219号公報に記載のオキシシクロヘキサン骨格を有する多官能エポキシ樹脂等があげられるが、これら化合物に限定されるものではない。
また、上述のエポキシ化合物においては、好ましくはエポキシ当量が2000以下、さらに好ましくはエポキシ当量が1000以下の化合物が好適に用いられる。これは、エポキシ当量が2000を越えると、硬化反応の際に架橋密度が低下し、密着性、耐インク性に問題が生じる場合があるからである。
上記エポキシ樹脂を硬化させるための光カチオン重合開始剤としては、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩[J.POLYMER SCI:Symposium No.56 383−395(1976)参照]や旭電化工業株式会社より上市されているSP−150、SP−170等が挙げられる。
また、上述の光カチオン重合開始剤は、還元剤を併用し加熱することによって、カチオン重合を促進(単独の光カチオン重合に比較して架橋密度が向上する)させることができる。ただし、光カチオン重合開始剤と還元剤を併用する場合、常温では反応せず一定温度以上(好ましくは60℃以上)で反応するいわゆるレドックス型の開始剤系になるように、還元剤を選択する必要がある。このような還元剤としては、銅化合物、特に反応性とエポキシ樹脂への溶解性を考慮して銅トリフラート(トリフルオロメタンスルフォン酸銅(II))が最適である。
さらに上記組成物に対して必要に応じて添加剤など適宜添加することが可能である。例えば、エポキシ樹脂の弾性率を下げる目的で可撓性付与剤を添加したり、あるいは下地との更なる密着力を得るためにシランカップリング剤を添加することなどが挙げられる。
次いで、ノズル構成部材5上に、感光性を有する撥インク剤層6を形成する(図6)。撥インク剤層6は、スピンコート法、ロールコート法、スリットコート法等の塗布方法により形成可能であるが、未硬化のノズル形成部材5上に形成されるため、両者が必要以上に相溶しないことが必要である。また、上述したように、ノズル構成部材5としてカチオン重合性組成物が用いられる場合には、感光性を有する撥インク剤層6にもカチオン重合可能な官能基を含有させておくことが好ましい。ノズル構成部材5には、光重合開始剤を必須成分として含むが、撥インク剤層6には必ずしも光重合開始剤を含む必要はなく、ノズル材料硬化に発生する重合開始剤で反応、硬化させても良い。
次いで、マスク(不図示)を介してパターン露光を行い、現像処理を施してインク吐出口7を形成する(図7)。パターン露光されたノズル構成部材5および撥インク剤層6を、適当な溶剤を用いて現像することにより、図7に示すように、インク吐出口7を形成することができる。この際、現像と同時に流路パターン4を溶解除去することも可能であるが、一般的に、基板1上には複数のヘッドが配置され、切断工程を経てインクジェットヘッドとして使用されるため、切断時のごみ対策として、図7に示すように流路パターン4を残し(流路パターン4が残存するため、切断時に発生するゴミが流路内に入り込むことを防止できる)、切断工程後に流路パターン4を溶解除去することが好ましい。
次いで、インク供給口8を形成する(図8)。インク供給口8の形成方法としては、エキシマレーザーを用いる方法、ドリルあるいはサンドブラストによる方法、エッチングによる方法等を適宜使用することができる。
次いで、切断分離工程を経た後(不図示)、流路パターン4を溶解除去し、必要に応じて加熱処理を施すことにより、ノズル構成部材5および撥インク剤層6を完全に硬化させる。さらに、インク供給のための部材(不図示)の接合、インク吐出圧力発生素子を駆動するための電気的接合(不図示)を行って、インクジェットヘッドを完成させる(図9)。
以下に、本発明の実施例を示す。
・インクジェットヘッドの作成
本実施例では、前述の図1〜図9に示す手順に従って、インクジェットヘッドを作製し評価を行った。
まず、インク吐出圧力発生素子2としての電気熱変換素子(材質HfB2からなるヒーター)と、インク流路およびノズル形勢部位にSiN+Taの積層膜(不図示)を有するシリコン基板1を準備した(図2)。次いで、下記に示す組成から成る感光性ポリエーテルアミド樹脂組成物を用いて、樹脂層(密着層)3を形成した(図3)。
下記の繰り返し単位を有するポリエーテルアミド樹脂 30重量部
Figure 2007038525
N,N−ジメチルアクリルアミド 10重量部
N−メチル−2−ピロリドン 100重量部
ミヒラーケトン 0.5重量部
なお、パターニングは、以下に示すプロセス条件により行った。
Figure 2007038525
次いで、被処理基板上に、ポリメチルイソプロペニルケトン(東京応化工業製ODUR−1010)を用いて流路パターン4を形成した(図4)。なお、パターニングは、以下に示すプロセス条件により行った。
Figure 2007038525
次いで、被処理基板上に以下の組成からなる感光性樹脂組成物を用いてスピンコートを行い(平板上膜厚20μm)、100℃で2分間(ホットプレート)のベークを行い、ノズル構成部材5を形成した(図5)。
EHPE(ダイセル化学工業製) 100重量部
1、4HFAB(セントラル硝子製) 20重量部
SP−170(旭電化工業製) 2重量部
A−187(日本ユニカー製) 5重量部
メチルイソブチルケトン 100重量部
ジグライム 100重量部
引き続き、被処理基板上に以下の組成からなる感光性樹脂組成物を用いて、スピンコートにより1μmの膜厚となるように塗布し、80℃で3分間(ホットプレート)のベークを行い、撥インク剤層6を形成した(図6)。
EHPE―3158(ダイセル化学工業製) 35重量部
2、2―ビス(4―グリシジルオキシフェニル)
ヘキサフロロプロパン 25重量部
1、4―ビス(2―ヒドロキシヘキサフロロイソプロピル)
ベンゼン 25重量部
3―(2―パーフルオロヘキシル)
エトキシー1、2―エポキシプロパン 16重量部
A−187(日本ユニカー製) 4重量部
SP―170(旭電化工業製) 2重量部
ジエチレングリコールモノエチルエーテル 100重量部
次いで、以下に示す条件によりノズル構成部材5および撥インク剤層6のパターニングを行い、インク吐出口7を形成した(図7)。なお、本実施例ではφ15μmの吐出口パターンを形成した。
Figure 2007038525
次に、被処理基板の裏面にポジ型レジスト(東京応化工業製OFPR−800)を用いてエッチングマスクを形成し、例えば特開平5−124199号公報に開示されている既知の手法により、シリコン基板の異方性エッチングを行って、インク供給口8を形成した(図8)。なお、この際エッチング液から撥インク剤層6を保護する目的で、保護膜(東京応化工業製OBC)を撥インク剤層6上に塗布した。
次いで、被処理基板を上述のパターニング条件(2)で用いたPLA−620にて3000mJ/cm2の全面露光を行い、流路パターン4を可溶化した。引き続きメチルイソブチルケトン中に超音波を付与しつつ浸漬し、流路パターン4を溶解除去した後、250℃で1時間の加熱処理を行って、ノズル構成部材5および撥インク剤層6を完全に硬化させることによりインクジェットヘッドを作成した(図9)。
・密着性の評価
得られたインクジェットヘッドを、以下に示す組成からなるアルカリインク(pH=10.5)中に浸漬し、プレッシャークッカー(PCT)試験(飽和条件−100時間)を行い、ノズル構成部材の密着状況を観察したところ、変化は観察されなかった。
黒色染料 3重量部
エチレングリコール 5重量部
尿素 3重量部
イソプロピルアルコール 2重量部
イオン交換水 87重量部
ポリエーテルアミド樹脂として下記の繰り返し単位を有する樹脂を使用し、露光量を3000mJ/cm2とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェットヘッドを作成し、PCT試験を行った。その結果、変化は観察されなかった。
Figure 2007038525
ポリエーテルアミド樹脂として下記の繰り返し単位を有する樹脂を使用し、露光量を700mJ/cm2とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェットヘッドを作成し、PCT試験を行った。その結果、変化は観察されなかった。
Figure 2007038525
(比較例1)
樹脂層(密着層)3を形成しない以外は、実施例1と同様にしてインクジェットヘッドを作成し、PCT試験を行った。その結果、ノズル構成部材5と基板1間に剥離が確認された。これは基板1上に形成されたSiN+Ta層と、ノズル構成材料5との密着性が十分でないために生じたものと考えられる。
(比較例2)
樹脂層(密着層)3として、感光性ポリイミド(東レ製フォトニースUR3100)を用いた以外は実施例1と同様にしてインクジェットヘッドを作成し、PCT試験を行った。なお、感光性ポリイミドのパターニングは、専用現像液を用いてメーカー指定の条件にて行い、キュア条件は、130℃で30分+300℃で1時間とした。その結果、樹脂層3が完全に消失しており、ノズル構成部材5の剥離が観察された。
基板の断面図である。 インク吐出圧力発生素子を形成した基板の断面図である。 樹脂層(密着層)を形成した基板の断面図である。 流路パターンを形成した基板の断面図である。 ノズル構成部材を形成した基板の断面図である。 撥インク剤層を形成した基板の断面図である。 インク吐出口を形成した基板の断面図である。 インク供給口を形成した基板の断面図である 完成したインクジェットヘッドの断面図である
符号の説明
1 基板
2 インク吐出圧力発生素子
3 樹脂層(密着層)
4 流路パターン
5 ノズル構成部材
6 撥インク剤層
7 インク吐出口
8 インク供給口

Claims (10)

  1. インクを吐出するための吐出口と、該吐出口に連通するとともに前記インクを吐出するための圧力発生素子を内包するインク流路と、前記圧力発生素子が形成された基板と、前記基板と接合して前記インク流路を形成するインク流路形成部材とを有するインクジェットヘッドであって、前記インク流路形成部材が、少なくとも下記一般式1で示されるエーテルアミド成分と、カルボキシル基にイオン結合したアクリルアミド成分を含有するポリエーテルアミド樹脂組成物の硬化物層を介して前記基板に接合されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
    Figure 2007038525
  2. カルボキシル基にイオン結合したアクリルアミド成分が、下記一般式2または/および下記一般式3で示される構造を有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
    Figure 2007038525
  3. ポリエーテルアミド樹脂組成物が、光照射により架橋し、パターニング可能であることを特徴とする請求項1または2に記載にインクジェットヘッド。
  4. インク流路形成部材が、樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  5. インク流路形成部材が、エポキシ樹脂のカチオン重合化合物により形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  6. インクを吐出するための吐出口が、圧力発生素子の対向する側に設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  7. 吐出圧力発生素子が、電気熱変換体であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  8. インクを吐出するための吐出口と、該吐出口に連通するとともに前記インクを吐出するための圧力発生素子を内包するインク流路と、前記圧力発生素子が形成された基板と、前記基板と接合して前記インク流路を形成するインク流路形成部材とを有するインクジェットヘッドの製造方法において、
    (1)圧力発生素子が形成された基板上に、少なくとも下記一般式1で示されるエーテルアミド成分と、カルボキシル基にイオン結合したアクリルアミド成分を含有するポリエーテルアミド樹脂組成物のパターンを形成する工程と、
    (2)該ポリエーテルアミド樹脂組成物パターンの形成された基板上に、溶解可能な樹脂にてインク液路パターンを形成する工程と、
    (3)該インク液路パターン上に、インク液路壁を形成するための被覆樹脂層を形成する工程と、
    (4)基板上に形成された圧力発生素子上に位置する該被覆樹脂層に、インク吐出口を形成する工程と、
    (5)インク流路パターンを溶解除去する工程と、
    を有することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
    Figure 2007038525
  9. カルボキシル基にイオン結合したアクリルアミド成分が、下記一般式2または/および下記一般式3で示される構造を有することを特徴とする請求項8に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
    Figure 2007038525
  10. ポリエーテルアミド樹脂組成物が、光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項8または9に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
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