JP2007033720A - 静電荷像現像用キャリア、画像形成方法、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 パウダーレオメーターにおいて、回転翼の先端スピード100mm/sで、回転翼の進入角度−5°におけるキャリアの充填表面から深さ70mmまでのトータルエネルギー量が、磁性体粒子の表面に被覆層を有する静電荷像現像用キャリアの場合には、1500mJ〜3000mJであり、磁性粉分散粒子の表面に被覆層を有する静電荷像現像用キャリアの場合には、1000〜1500mJであることを特徴とする静電荷像現像用キャリア、静電荷像現像用キャリアを用いる画像形成方法、及び画像形成装置。
【選択図】 なし
Description
近年、複写機、プリンターの小型化、高速化傾向にともない、現像機自体の小型化、高速駆動が必要となり、キャリアに対する機械的強度等の改善要求がさらに強まっている。
このような要求に対して、磁性体分散型キャリアを用い、キャリアの流動性を上げることにより、キャリアの破壊を防ぎ感光体上へのキャリア移行を防ぐ技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)が、流動性が充分ではなくキャリア破壊を完全に防ぐことはできない。
パウダーレオメーターにおいて、回転翼の先端スピード100mm/sで、回転翼の進入角度−5°における、キャリアの充填表面から深さ70mmまでのトータルエネルギー量が、1500〜3000mJであることを特徴とする静電荷像現像用キャリア。
パウダーレオメーターにおいて、回転翼の先端スピード100mm/sで、回転翼の進入角度−5°における、キャリアの充填表面から深さ70mmまでのトータルエネルギー量が、1000〜1500mJであることを特徴とする静電荷像現像用キャリア。
帯電した前記潜像担持体を露光して、該潜像担持体上に静電潜像を形成させる露光工程と、
トナーとキャリアとを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像工程と、
前記トナー像を前記潜像担持体から被記録材に転写する転写工程と、を有する画像形成方法であって、
前記キャリアが、前記<1>又は<2>に記載の静電荷像現像用キャリアを含み、
前記現像工程は、前記現像剤を表面に担持する現像剤担持体が200mm/s以上600mm/s以下の周速で前記像担持体に対向して回転し、前記現像剤を前記像担持体に搬送する工程を有することを特徴とする画像形成方法。
前記潜像担持体を帯電させる帯電手段と、
帯電した前記潜像担持体を露光して、該潜像担持体上に静電潜像を形成させる露光手段と、
現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段と、
前記トナー像を前記潜像担持体から被記録材に転写する転写手段と、を有する画像形成装置であって、
前記現像剤が、前記<1>又は<2>に記載の静電荷像現像用キャリアを含むことを特徴とする画像形成装置。
そこで、磁性体粒子の表面に被覆層を設けて、流動性の改善、帯電制御を図ることが行われている。前記被覆層は、一般的には樹脂を含有した溶液を用いる溶液法により形成されるが、鉄粉・フェライトは表面エネルギーが低く、樹脂とのぬれ性が充分でないので、コートのムラや、現像機内での撹拌により被覆層が剥がれ易い。
しかしながら、磁性体粉末と樹脂とのぬれ性が悪く、また磁性体粉末は残留磁化の影響により凝集し易いため、これらの製造方法では、磁性体粉末を凝集させることなく均一に分散させることが難しい。磁性体粉末が凝集した状態の磁性体分散型キャリアを使用すると、現像機内での撹拌の結果、キャリア粒子に割れや欠けが徐々に生じ、帯電特性や流動性などが変化してしまったり、キャリア表面に硬い磁性体粒子が露出し、感光体を傷つけてしまうという問題がある。
そこで、本発明では、核体と、核体の表面を被覆する被覆層と、を有する静電荷像現像用キャリアとすることで、該キャリアの流動性の改善及び帯電制御を図りつつ、さらに流動性を高めるものとする。
本発明の第二の態様の静電荷像現像用キャリアは、核体としての磁性粉分散粒子と、該磁性粉分散粒子の表面を被覆する被覆層と、を有する静電荷像現像用キャリアであって、
パウダーレオメーターにおいて、回転翼の先端スピード100mm/sで、回転翼の進入角度−5°における、キャリアの充填表面から深さ70mmまでのトータルエネルギー量が、1000〜1500mJであることを特徴とする。
粒子の流動性を測定する場合、液体や固体、或いは気体の流動性を測定する場合よりも、多くの要因から影響を受けるため、粒径や表面粗さ等の従来用いられているパラメーターでは、正確な粒子の流動性を特定することが困難である。また、流動性を特定するための測定すべき因子(例えば、粒径等)を決定しても、実際にはその因子は流動性に与える影響が少ない場合や、他の因子との組み合わせによってのみその因子を測定する意義が発生する場合もあり、測定因子を決定することでさえ困難である。
更に、粉体の流動性は、外的環境要因によっても著しく異なる。例えば、液体であれば、測定環境が変動しても、流動性の変動幅は然程大きくはないが、粒子の流動性については、湿度や流動させる気体の状態等の外的環境要因によって大きく変動する。このような外的環境要因がいずれの測定因子に影響を与えるかは明確にはされていないため、厳密な測定条件下で測定しても、得られる測定値の再現性に乏しいのが実際である。
つまり、パウダーレオメーターによって得られる値で流動性を特定する方法は、従来の方法に比べて、簡便かつ正確で、信頼性も高い。
核体が磁性粉分散粒子であるキャリアにおいて、パウダーレオメーターの上記測定値が1000mJより低い場合、摩擦効果が低く、トナーを充分に帯電させることが困難である。一方、1500mJを超える値となる場合は、キャリアへのストレスが高くなることからキャリア破壊による微粉発生を防止することが困難である。より好ましくは、上記測定値は、1100〜1400mJの範囲であり、更に好ましくは1200〜1300mJの範囲である。
それぞれの具体的なキャリアの構成については、後述する。
パウダーレオメーターは、充填した粒子中を回転翼が螺旋状に回転することによって得られる回転トルクと垂直荷重とを同時に測定して、流動性を直接的に求める流動性測定装置である。回転トルクと垂直荷重の両方を測定することで、粉体自身の特性や外部環境の影響を含めた流動性について、高感度に検出することができる。また、粒子の充填の状態を一定とした上で測定を行うため、再現性の良好なデータを得ることができる。
まず、測定するキャリアを容器に充填する。容器は、内径50mm、高さ88mmの160mL容器を用いる。この容器にキャリアを高さ88mmまで充填する。測定前にキャリアは、測定時の外的環境要因によって誤差が生じないよう、温度22℃、湿度50%RHの状態で、8時間以上放置される。
図1(A)のように、回転翼が、容器内に充填された粒子中を充填表面H1からH2まで、進入角度−5°で移動しながら回転翼の先端スピード100mm/sで回転するときの、回転トルクと垂直荷重を測定する。進入角度を−5°とするのは、キャリアの流動状態を測定するのに最も感度が高いという理由からである。
なお、進入角度とは、測定容器の軸と、回転翼の回転軸とのなす角度をいう。
また、本発明では、誤差による影響を少なくするため、この操作を5回行ったときの平均値を、本発明で定義するトータルエネルギー量(mJ)とする。
本発明のキャリアは、上記に該当するものであれば、特に限定されない。このような数値を実現するものとしては、キャリア粒子の粒径分布が充分小さいもの、或いは、キャリア核体表面の被覆層が低摩擦化可能な素材で形成されているもの、キャリアの形状が球形であるもの、キャリアの形状分布が充分小さいもの、凝集体が少ないもの、比重が小さいもの等を挙げることができ、これらを単独で、或いは組み合わせて適用する。
第一の態様のキャリアにおいて、核体の材質としては、例えば、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、これらとマンガン、クロム、希土類元素等との合金(例えば、ニッケル−鉄合金、コバルト−鉄合金、アルミニウム−鉄合金等)、及びフェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等を挙げることができるが、現像方式として磁気ブラシ法を用いる観点からは磁性体粒子であることが望ましい。
第一の態様のキャリアにおける核体の体積平均粒径は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、BECKMAN COULTER社製)を用いて測定された値をいう。得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとする。
特に、上記粒径分布を有するキャリア核体とするには、風力分級機の方法を用いることが好ましく、この方法において微粉/粗粉を同時に取り除くことが特に好ましい。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
フッ素樹脂としては、フッ化ポリオレフィン、フルオロアルキル(メタ)アクリレート重合体及び/又は共重合体、フッ化ビニリデン重合体及び/又は共重合体及びこれらの混合物等を挙げることができ、フッ素樹脂を形成するためのフッ素を含有する単量体としては、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ペンタフルオロメタクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、トリフルオロエチルメタクリレートなど、フッ素を含有するフルオロアルキルメタクリレート系単量体が好適である。但し、これらに限定されるものではない。
前記樹脂微粒子としては、例えば、熱可塑性樹脂粒子、熱硬化性樹脂粒子等が挙げられる。その中でも、硬度を上げることが比較的容易な熱硬化性樹脂が好適であり、また、トナーに負帯電性を付与するためには、窒素原子を含有する樹脂粒子を用いることが好ましい。なお、これらの樹脂粒子は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂微粒子は、乳化重合、懸濁重合等の重合を利用して粒状化された樹脂粒子を製造する方法や、モノマーもしくは、オリゴマーを溶媒中に分散して架橋反応を進行させながら粒状化して、樹脂粒子を製造する方法、低分子成分と、架橋剤とを溶融混錬等により混合反応させた後、風力、機械力等により、所定の粒度に粉砕して、樹脂粒子を製造する方法等によって製造することができる。
前記導電性微粉末子としては、例えば、金、銀、銅のような金属;カーボンブラック;更に酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、チタン酸カルシウム粉末等の金属酸化物;酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム粉末等の表面を、酸化錫、カーボンブラック、または金属で覆った微粉末;等を挙げることができる。これらは、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。導電性微粉末として金属酸化物を用いると、帯電性の環境依存性をより低減できるので好ましく、特に酸化チタンが好ましい。
さらに、得られたカップリング剤で処理された導電性微粉末から、凝集体を除去するために、必要に応じて、解砕機で解砕してもよい。解砕機としては、ピンミル、ディスクミル、ハンマーミル、遠心分級型ミル、ローラミル、ジェットミル等の公知の解砕機を使用でき、特に、ジェットミルが好ましい。用いられるカップリング剤としてはシランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤など公知のものを使用することができる。
中でも、シランカップリング剤、特にメチルトリメトキシシラン処理された導電性微粉末を用いると帯電の環境安定性に特に効果的である。
導電性微粉末の体積平均粒径が0.5μmを超えると、被覆樹脂層からの脱落が生じ易く、安定した帯電性が得られない場合があるため好ましくない。
常温常湿下で、導電性微粉末を2×10-4m2の断面積を有する容器に厚み約1mm程度になるように充填し、その後、充填した導電性微粉末上に、金属製部材により、1×104kg/m2の荷重をかける。該金属製部材と、容器の底面電極との間に106V/mの電界が生じる電圧を印加し、その際の電流値から算出した値を体積電気抵抗値とする。
形状係数SF1は100に近づくほど真球となる。キャリアの形状係数SF1が大きくなるほど、形状の歪によってキャリアどうしの衝突によって流動性が低くなる。そのため、形状係数SF1が130を超えると、上記トータルエネルギー量が、上限値を超えて大きくなる傾向にある。
式(1)中、MLはキャリア粒子の絶対最大長を表し、Aはキャリア粒子の投影面積を表す。
磁気特性の測定としての装置は振動試料型磁気測定装置VSMP10−15(東英工業社製)を用いる。測定試料は内径7mm、高さ5mmのセルに詰めて前記装置にセットする。測定は印加磁場を加え、最大1000エルステッドまで掃引する。ついで、印加磁場を減少させ、記録紙上にヒステリシスカーブを作製する。カーブのデータより、飽和磁化、残留磁化、保持力を求める。本発明においては、飽和磁化は1000エルステッドの磁場において測定された磁化を示す。
キャリアの体積電気抵抗が1×1014Ωcmを超える場合、高抵抗になり、現像時に現像電極として働きにくくなるため、特にベタ画像部でエッジ効果が出るなど、ソリッド再現性が低下する。一方、1×108Ωcm未満の場合、低抵抗になるため、現像剤中のトナー濃度が低下した時に現像ロールからキャリアへ電荷が注入し、キャリア自体が現像されてしまう不具合が発生しやすい。
20cm2の電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象となるキャリアを1〜3mm程度の厚さになるように平坦に載せ、キャリア層を形成する。この上に前記同様の20cm2の電極板を載せキャリア層を挟み込む。キャリア間の空隙をなくすため、キャリア層上に載置した電極板の上に4kgの荷重をかけてからキャリア層の厚み(cm)を測定する。キャリア層上下の両電極には、エレクトロメーターおよび高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が103.8V/cmとなるように高電圧を印加し、このとき流れた電流値(A)を読み取ることにより、キャリアの体積電気抵抗(Ω・cm)を計算する。キャリアの体積電気抵抗(Ω・cm)の計算式は、下式(2)に示す通りである。
式(2): R=E×20/(I−I0)/L
第一の態様のキャリアにおいて、核体は、磁性粉が樹脂中に分散されてなる磁性粉分散粒子で構成される。
前記磁性粉としては、上記磁性体粒子で記載した磁性体を適用することができ、これらの中でも、酸化鉄が好ましい。前記磁性体微粒子が、酸化鉄微粒子であると、特性が安定しており、かつ毒性が少ない点で有利である。
これら磁性体は、単種で使用しても良く、2種以上併用してもよい。
前記磁性粉の磁性粉分散粒子中における含有量としては、30質量%〜95質量%であることが好ましく、45質量%〜90質量%であることがより好ましく、60質量%〜90質量%であることが更に好ましい。前記含有量が、30質量%未満であると、磁性体分散型キャリアの飛散等を招くことがあり、95質量%を越えると、磁性体分散キャリアの穂が固くなり、割れ易くなることがある。
前記溶融混練法、前記懸濁重合法、及び前記スプレードライ法はいずれも、磁性体粉末をあらかじめ何らかの手段により調製しておき、この磁性体粉末と樹脂溶液とを混合し、前記樹脂溶液中に前記磁性体粉末を分散させる工程を含む。
かかる核体の体積平均粒径の測定方法は、核体が磁性体粒子の場合と同様である。
磁気特性の測定方法は、第一の態様の場合と同様である。
キャリアの体積電気抵抗が1×1014Ωcmを超える場合、高抵抗になり、現像時に現像電極として働きにくくなるため、特にベタ画像部でエッジ効果が出るなど、ソリッド再現性が低下する。一方、1×107Ωcm未満の場合、低抵抗になるため、現像剤中のトナー濃度が低下した時に現像ロールからキャリアへ電荷が注入し、キャリア自体が現像されてしまう不具合が発生しやすい。
本発明の画像形成方法は、少なくとも、潜像担持体を帯電させる帯電工程と、帯電した前記潜像担持体を露光して潜像担持体上に静電潜像を形成させる露光工程と、トナーとキャリアとを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像工程と、前記トナー像を前記潜像担持体から被記録材に転写する転写工程と、を有する画像形成方法であることが好ましい。なお、画像形成に用いるキャリアは、上述の静電荷像現像用キャリアを含む。
特に、現像剤担持体の周速が200mm/sec以上600mm/sec以下で回転させることが好適であり、300mm/sec以上500mm/sec以下の場合がより好適である。マグロールの周速が200mm/sec未満である場合、近年における高速化の対応に適さず、あまり好ましくない。また、高濃度再現性の点で劣る。一方、600mm/secを超える場合、特に小型現像機に適用した場合には、現像機の機械的強度不足からトリマーの歪みが発生し、現像剤坦持体上の現像剤のむらにより濃度再現性が劣ることがあるため、好ましくない。
本発明の画像形成装置は、少なくとも、潜像担持体と、前記潜像担持体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記潜像担持体を露光して潜像担持体上に静電潜像を形成させる露光手段と、現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段と、前記トナー像を前記潜像担持体から被記録材に転写する転写手段と、を有する画像形成装置であることが好ましい。
これらの各構成部材、すなわち、電子写真感光体、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、更に、クリーニング装置および除電装置については、本発明において、特に制限されるものではなく、従来公知の如何なる構成のものも問題なく使用することができる。
また、上記現像手段は、上記現像剤を攪拌する攪拌手段と、現像剤を像担持体まで搬送する上記現像剤担持体(所謂マグロール)を有することが好ましい。
まず、実施例、比較例で用いたキャリア等の物性測定方法について説明する。
核スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じて画像解析装置(LUZEXIII、ニレコ社製)に取り込み、50個について円相当径を測定して、最大長及び面積から、個々の粒子について上記式(1)からSF1を算出し、平均値を求めた。
測定装置としては、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、BECKMAN COULTER社製)を使用した。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5質量%水溶液2ml中に測定試料を10〜200mg加えた。これを純水100〜150ml中に添加した。試料を懸濁した液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記LS Particle Size Analyzer:LS13 320により、ポンプスピード80%で粒度分布を測定して、前述のようにして体積平均粒径、粗粉側粒度分布、微粉側粒度分布を求めた。
トナーの樹脂及びキャリアの被覆樹脂の分子量分布は以下の条件で行った。
東ソー(株)HLC−8120GPC、SC−8020装置を用い、カラムはTSK gei, SuperHM−H(6.0mmID×15cm×2)を用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。測定条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/分、サンプル注入量10μl、測定温度40℃とした。検量線は、A−500、F−1、F−10、F−80、F−380、A−2500、F−4、F−40、F−128、F−700の10サンプルから作製した。また試料解析におけるデータ収集間隔は、300msとした。
キャリアの核体の密度は、上記の方法にしたがって測定した。
フェライト粒子(Cu−Zn、密度:4.5g/cm3、体積平均粒径:35μm、形状係数SF1:125。)をエルボジェット(日鉄鉱業社製、品番EJ−LABO)にてカットポイント25μmと45μmで微粉と粗粉を除き、被覆用核体粒子を形成した。
得られた被覆用核体粒子の粒径分布は、粗粉側粒度分布指標(D84v/D50v):1.18、微粉側粒度分布指標(D50p/D16p):1.20であり、体積平均粒径は37μm、形状係数SF1は124であった。
続いて、コンディショニングによって充分脱気されたキャリア(1)を160ml容器上端で擦り切り、進入角−5.0°、回転翼の先端スピードを100mm/sで、容器下部から10mmまで回転翼を進入させ(進入距離70mm)、そのときのトルクの積算値をトータルエネルギー量として求めた。キャリア(1)のトータルエネルギー量は2400mJであった。
実施例1において樹脂被覆キャリアにおけるエルボジェットでの微粉/粗粉除去の操作を3回繰り返したところを、それぞれ2回〜5回の間で変更した以外は同様にして、キャリア(2)〜(4)を作製した。キャリア(2)〜(4)のトータルエネルギー量は、表1に示す値であった。
フェライト粒子(Cu−Zn、密度:4.5g/cm3、体積平均粒径:35μm、形状係数SF1:120。)をエルボジェットにてカットポイント22μm、45μmで微粉と粗粉を除き、被覆用核体粒子を形成した。
得られた被覆用核体粒子の粒径分布は、粗粉側粒度分布指標:1.18、微粉側粒度分布指標:1.20であり、体積平均粒径:37μm、形状係数SF1:118であった。
被覆用核体粒子100部に対し、メチルメタクリレート−パーフルオロヘキシルアクリレート(80/20)共重合体(重量平均分子量50,000、三洋化成社製)のトルエン溶液(固形分5質量%)を60部、スチレンメチルメタクリレート共重合体(重量平均分子量80000)のトルエン溶液(固形分15質量%)を10部加え、ジャケットを備えた容量50Lの回分式ニーダー内で10分間混合し、攪拌しながら混合物の温度を上昇させ、120℃以上の温度で20分間攪拌した後、混合物の温度が60℃になるまで冷却攪拌を行い、75μm篩で粗粉を取り除き、キャリア(5)を得た。キャリア(5)のトータルエネルギー量は、表1に示す値であった。
・スチレン−アクリル酸ブチル共重合体(80/20)(Mw=1.9×105)
:30部
・メチルメタクリレート−パーフルオロヘキシルアクリレート共重合体:10部
・マグネタイト(EPT−1000、戸田工業社製):100部
得られたキャリアの粒径分布は、粗粉側粒度分布指標:1.17、微粉側粒度分布指標:1.19であり、体積平均粒径33μm、形状係数SF1110、密度は3.5g/cm3であった。また、キャリア(6)のトータルエネルギー量は、表1に示す値であった。
実施例6において、分級処理を3回に変更した以外は、同様にしてキャリア(7)を作製した。キャリア(7)のトータルエネルギー量は、表1に示す値であった。
実施例6においてスチレン−アクリル酸ブチル共重合体(80/20)を30部、前述のメチルメタクリレート−パーフルオロヘキシルアクリレート共重合体:20部に変更した以外は、実施例6と同様にしてキャリア(8)を作製した。キャリア(8)のトータルエネルギー量は、表1に示す値であった。
フェライト粒子(Cu−Zn、密度:4.5g/cm3、体積平均粒径:35μm、形状係数SF1:125。)を分級せずそのまま使用した。前記フェライト粒子100部に対し、スチレンーメチルメタクリレート共重合体(重量平均分子量80,000)のトルエン溶液(固形分15質量%)を20部加え、ジャケットを備えた容量50Lの回分式ニーダー内で10分間混合し、攪拌しながら混合物の温度を上昇させ、120℃以上の温度で20分間攪拌した後、混合物の温度が60℃になるまで冷却攪拌を行い、被覆キャリアを取り出した。その後、75μm篩で粗粉を取り除き、キャリア(9)を得た。
得られたキャリア(9)のトータルエネルギー量は3800mJであった。
比較例1において、75μm篩での粗粉除去をエルボジェットでの微粉/粗粉除去の操作を実施例1と同様のカットポイントで、それぞれ1回又は2回に変更した以外は同様にして、キャリア(10)〜(11)を作製した。キャリア(10)〜(11)のトータルエネルギー量は、表1に示す値であった。
フェライト粒子(Cu−Zn、密度:4.5g/cm3、体積平均粒径:35μm、形状係数SF1:110。)をエルボジェットにて微粉や粗粉を除き、被覆用核体粒子を形成した。得られた被覆用核体粒子の粒径分布は、粗粉側粒度分布指標:1.18、微粉側粒度分布指標:1.20であり、体積平均粒径:37μm、形状係数SF1:109であった。
被覆用核体粒子100部に対し、パーフロロヘキシルメタクリレート・メチルメタクリレート共重合体(重量平均分子量:50,000、三洋化成社製)のトルエン溶液(固形分5質量%)を60部、スチレンーメチルメタクリレート共重合体(重量平均分子量:75000)のトルエン溶液(固形分15質量%)を10部加え、ジャケットを備えた容量50Lの回分式ニーダー内で10分間混合し、攪拌しながら混合物の温度を上昇させ、120℃以上の温度で20分間攪拌した後、混合物の温度が60℃になるまで冷却攪拌を行い、キャリア(12)を得た。キャリア(12)のトータルエネルギー量は、表1に示す値であった。
特開2002−328493号公報の実施例1のキャリアを同公報に記載の方法で作製し、磁性粉分散粒子を核体とするキャリア(13)を得た。
キャリア(13)のトータルエネルギー量は表1に示す値であった。
実施例8においてスチレン−アクリル酸ブチル共重合体(80/20)を15部、パーフルオロアクリレート共重合体:25部に変更した以外は、同様にしてキャリア(14)を作製した。キャリア(14)のトータルエネルギー量は、表1に示す値であった。
(混錬粉砕によるトナーの調製)
−トナーaの製造−
・ポリエステル樹脂: 100重量部
(テレフタル酸/ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物/シクロヘキサンからなる線状ポリエステル:重量平均分子量:10,000)
・カーボンブラック(リーガル330:キャボット社製): 6重量部
トナーaにおいてカーボンブラックを銅フタロシアニンブルー顔料C.I.ピグメントブルー15:3の5重量部に変更した以外はトナーaと同様にしてシアントナー(トナーb)を得た。
トナーaにおいてカーボンブラックをC.I.ピグメントレッド57:1の5重量部に変更した以外はトナーaと同様にしてマゼンタトナー(トナーc)を得た。
トナーaにおいてカーボンブラックをC.I.ピグメントイエロー180の6重量部に変更した以外はトナーdと同様にしてイエロートナー(トナーd)を得た
得られた現像剤セット(1)〜(14)を用いて、Fuji Xerox社製DocuPrint C1616の改造機により、マグロールのスリーブ周速350mm/secにて下記コピーテストを行った。
かかるコピーテストは、常温・常湿(22℃,50%RH)下、エリアカバレッジ0.5%で、10000枚をコピーすることにより行い、10枚コピー後(初期)および10000枚コピー後に、下記評価方法により、画像濃度、かぶり、白点の項目について評価を行った。
2cm×5cmの画像を出力し、反射濃度計X−rite938(X−rite社製)により10枚印画後の画像濃度と10000印画後の画像濃度を測定した。表1に結果を示すが、上から黒画像、シアン画像、マゼンタ画像、イエロー画像の濃度を表す。
総合評価に用いる判断基準は、以下の通りである。
◎:10000枚後濃度/10枚後濃度:全色97%以上
○:10000枚後濃度/10枚後濃度:全色95%以上
△:10000枚後濃度/10枚後濃度:全色90%以上
×:10000枚後濃度/10枚後濃度:90%未満
上記画像の白色背景部について、100cm2当たりのトナー個数をカウントした。
総合評価に用いる評価基準は以下の通りである。
◎:トナーなし
○:3個未満
△:3個以上5個未満
×:6個以上
エリアカバレッジ100%の全面画像をA4用紙に出力し、白点の個数をカウントした。また、A4白紙を出力し、色点の個数をカウントした。
総合評価に用いる評価基準は以下の通りである。
◎:色点/白点なし
○:トータル5個未満
△:トータル5個以上10個未満
×:トータル10個以上
濃度、かぶり、色点の評価項目について、◎0点、○1点、△2点、×3点とした場合の加算値で評価した。判断基準は以下の通りであり、◎、○を実用可能なレベルとする。
◎:加算値が3点以下
○:加算値が4点〜6点
△:加算値が7点〜9点
×:加算値が10点以上
Claims (4)
- 核体としての磁性体粒子と、該磁性体粒子の表面を被覆する被覆層と、を有する静電荷像現像用キャリアであって、
パウダーレオメーターにおいて、回転翼の先端スピード100mm/sで、回転翼の進入角度−5°における、キャリアの充填表面から深さ70mmまでのトータルエネルギー量が、1500〜3000mJであることを特徴とする静電荷像現像用キャリア。 - 核体としての磁性粉分散粒子と、該磁性粉分散粒子の表面を被覆する被覆層と、を有する静電荷像現像用キャリアであって、
パウダーレオメーターにおいて、回転翼の先端スピード100mm/sで、回転翼の進入角度−5°における、キャリアの充填表面から深さ70mmまでのトータルエネルギー量が、1000〜1500mJであることを特徴とする静電荷像現像用キャリア。 - 潜像担持体を帯電させる帯電工程と、
帯電した前記潜像担持体を露光して該潜像担持体上に静電潜像を形成させる露光工程と、トナーとキャリアとを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像工程と、
前記トナー像を前記潜像担持体から被記録材に転写する転写工程と、を有する画像形成方法であって、
前記キャリアが、請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用キャリアを含み、
前記現像工程は、前記現像剤を表面に担持する現像剤担持体が200mm/s以上600mm/s以下の周速で前記像担持体に対向して回転し、前記現像剤を前記像担持体に搬送する工程を有することを特徴とする画像形成方法。 - 潜像担持体と、
前記潜像担持体を帯電させる帯電手段と、
帯電した前記潜像担持体を露光して該潜像担持体上に静電潜像を形成させる露光手段と、
現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段と、
前記トナー像を前記潜像担持体から被記録材に転写する転写手段と、を有する画像形成装置であって、
前記現像剤が、請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用キャリアを含むことを特徴とする画像形成装置。
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