JP2007033720A - 静電荷像現像用キャリア、画像形成方法、画像形成装置 - Google Patents

静電荷像現像用キャリア、画像形成方法、画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 流動性を上げることにより、キャリアの破壊による微粉の発生を防ぎ、微粉による画像上の白抜けを発生させない静電荷像現像用キャリア、画像形成方法、画像形成装置を提供する。
【解決手段】 パウダーレオメーターにおいて、回転翼の先端スピード100mm/sで、回転翼の進入角度−5°におけるキャリアの充填表面から深さ70mmまでのトータルエネルギー量が、磁性体粒子の表面に被覆層を有する静電荷像現像用キャリアの場合には、1500mJ〜3000mJであり、磁性粉分散粒子の表面に被覆層を有する静電荷像現像用キャリアの場合には、1000〜1500mJであることを特徴とする静電荷像現像用キャリア、静電荷像現像用キャリアを用いる画像形成方法、及び画像形成装置。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法等において静電潜像の現像のために使用する静電荷像現像用キャリア、画像形成方法、及び画像形成装置に関する。
電子写真法など静電潜像を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々の分野で利用されている。電子写真法においては、帯電、露光工程により感光体上に形成される静電潜像がトナーを含む現像剤により現像されて、転写、定着工程を経て可視化される。現像に用いられる現像剤にはトナーとキャリアからなる二成分現像剤と、磁性トナーなどのようにトナー単独で用いられる一成分現像剤とがあるが、二成分現像剤は、キャリアが現像剤の攪拌・搬送・帯電などの機能を分担し、現像剤として機能分離されているため、制御性がよいなどの特徴があり、現在広く用いられている。特に、樹脂被覆を施したキャリアを用いる現像剤は、帯電制御性が優れ、環境依存性、経時安定性の改善が比較的容易である。また、現像方法としては、古くはカスケード法などが用いられていたが、現在は現像剤搬送単体として磁気ロールを用いる磁気ブラシ法が主流である。
近年、複写機、プリンターの小型化、高速化傾向にともない、現像機自体の小型化、高速駆動が必要となり、キャリアに対する機械的強度等の改善要求がさらに強まっている。
このような要求に対して、磁性体分散型キャリアを用い、キャリアの流動性を上げることにより、キャリアの破壊を防ぎ感光体上へのキャリア移行を防ぐ技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)が、流動性が充分ではなくキャリア破壊を完全に防ぐことはできない。
特開2002−328493号公報
本発明の課題は、流動性を上げることにより、キャリアの破壊による微粉の発生を防ぎ、微粉による画像上の白抜けを発生させない静電荷像現像用キャリア、画像形成方法、画像形成装置を提供することにある。
上記課題は以下の本発明により達成される。
<1> 核体としての磁性体粒子と、該磁性体粒子の表面を被覆する被覆層と、を有する静電荷像現像用キャリアであって、
パウダーレオメーターにおいて、回転翼の先端スピード100mm/sで、回転翼の進入角度−5°における、キャリアの充填表面から深さ70mmまでのトータルエネルギー量が、1500〜3000mJであることを特徴とする静電荷像現像用キャリア。
<2> 核体としての磁性粉分散粒子と、該磁性粉分散粒子の表面を被覆する被覆層と、を有する静電荷像現像用キャリアであって、
パウダーレオメーターにおいて、回転翼の先端スピード100mm/sで、回転翼の進入角度−5°における、キャリアの充填表面から深さ70mmまでのトータルエネルギー量が、1000〜1500mJであることを特徴とする静電荷像現像用キャリア。
<3> 潜像担持体を帯電させる帯電工程と、
帯電した前記潜像担持体を露光して、該潜像担持体上に静電潜像を形成させる露光工程と、
トナーとキャリアとを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像工程と、
前記トナー像を前記潜像担持体から被記録材に転写する転写工程と、を有する画像形成方法であって、
前記キャリアが、前記<1>又は<2>に記載の静電荷像現像用キャリアを含み、
前記現像工程は、前記現像剤を表面に担持する現像剤担持体が200mm/s以上600mm/s以下の周速で前記像担持体に対向して回転し、前記現像剤を前記像担持体に搬送する工程を有することを特徴とする画像形成方法。
<4> 潜像担持体と、
前記潜像担持体を帯電させる帯電手段と、
帯電した前記潜像担持体を露光して、該潜像担持体上に静電潜像を形成させる露光手段と、
現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段と、
前記トナー像を前記潜像担持体から被記録材に転写する転写手段と、を有する画像形成装置であって、
前記現像剤が、前記<1>又は<2>に記載の静電荷像現像用キャリアを含むことを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、キャリアの流動性を上げることによりキャリアの破壊による微粉の発生を防ぎ、微粉による画像上の白抜けを発生させない静電荷像現像用キャリア、及び画像形成方法が提供できる。
一般に、静電荷像現像用キャリア(以下、「キャリア」と称する場合がある。)の核体としては、大きく分けて、磁性体粒子からなる場合と、磁性粉分散粒子からなる場合の2つの場合が存在する。前者としては、鉄粉キャリア、フェライトキャリア、フェライト・鉄粉等が挙げられ、後者の磁性粉分散粒子は、磁性粉が樹脂中に分散されてなるものである。
前者の前記磁性体粒子で構成される核体の場合には、比重が大きくなり、飽和磁化が非常に大きいため、流動性や撹拌性が悪くなりやすく、さらに、撹拌中にトナー及び感光体に与える衝撃が大きいため、トナーのスペント化、感光体への加傷などを生じ易い。
そこで、磁性体粒子の表面に被覆層を設けて、流動性の改善、帯電制御を図ることが行われている。前記被覆層は、一般的には樹脂を含有した溶液を用いる溶液法により形成されるが、鉄粉・フェライトは表面エネルギーが低く、樹脂とのぬれ性が充分でないので、コートのムラや、現像機内での撹拌により被覆層が剥がれ易い。
一方、後者の磁性粉分散型キャリアは、前者の磁性体粒子キャリアに比べて磁気ブラシ形成時のブラシ(穂ともいう)が柔らかく、画像濃度が高く均一で、かつ精緻な画像が得られ易い。
しかしながら、磁性体粉末と樹脂とのぬれ性が悪く、また磁性体粉末は残留磁化の影響により凝集し易いため、これらの製造方法では、磁性体粉末を凝集させることなく均一に分散させることが難しい。磁性体粉末が凝集した状態の磁性体分散型キャリアを使用すると、現像機内での撹拌の結果、キャリア粒子に割れや欠けが徐々に生じ、帯電特性や流動性などが変化してしまったり、キャリア表面に硬い磁性体粒子が露出し、感光体を傷つけてしまうという問題がある。
このように、前者、後者いずれの場合のキャリアであっても、キャリアの抱える問題は流動性と深く結びついている。
そこで、本発明では、核体と、核体の表面を被覆する被覆層と、を有する静電荷像現像用キャリアとすることで、該キャリアの流動性の改善及び帯電制御を図りつつ、さらに流動性を高めるものとする。
ずなわち、本発明の第一の態様の静電荷像現像用キャリアは、核体としての磁性体粒子と、該磁性体粒子の表面を被覆する被覆層と、を有する静電荷像現像用キャリアであって、パウダーレオメーターにおいて、回転翼の先端スピード100mm/sで、回転翼の進入角度−5°における、キャリアの充填表面から深さ70mmまでのトータルエネルギー量が、1500〜3000mJであることを特徴とする。
本発明の第二の態様の静電荷像現像用キャリアは、核体としての磁性粉分散粒子と、該磁性粉分散粒子の表面を被覆する被覆層と、を有する静電荷像現像用キャリアであって、
パウダーレオメーターにおいて、回転翼の先端スピード100mm/sで、回転翼の進入角度−5°における、キャリアの充填表面から深さ70mmまでのトータルエネルギー量が、1000〜1500mJであることを特徴とする。
次に、パウダーレオメーターによる流動性測定について説明する。
粒子の流動性を測定する場合、液体や固体、或いは気体の流動性を測定する場合よりも、多くの要因から影響を受けるため、粒径や表面粗さ等の従来用いられているパラメーターでは、正確な粒子の流動性を特定することが困難である。また、流動性を特定するための測定すべき因子(例えば、粒径等)を決定しても、実際にはその因子は流動性に与える影響が少ない場合や、他の因子との組み合わせによってのみその因子を測定する意義が発生する場合もあり、測定因子を決定することでさえ困難である。
更に、粉体の流動性は、外的環境要因によっても著しく異なる。例えば、液体であれば、測定環境が変動しても、流動性の変動幅は然程大きくはないが、粒子の流動性については、湿度や流動させる気体の状態等の外的環境要因によって大きく変動する。このような外的環境要因がいずれの測定因子に影響を与えるかは明確にはされていないため、厳密な測定条件下で測定しても、得られる測定値の再現性に乏しいのが実際である。
また、トナー粒子を現像タンクに充填したときの流動性については、安息角や嵩密度などを指標としてきたが、これらの物性値は流動性に対して間接的なものであり、流動性を定量化して管理することが困難であった。
これに対し、パウダーレオメーターでは、キャリアから測定機の回転翼にかかるトータルエネルギー量を測定できるため、流動性に起因する各要因を合算した値で得ることができる。それゆえ、パウダーレオメーターでは、従来のように、表面の物性値や粒度分布を調整して得られたキャリアについて、測定すべき項目を決定し、各項目について最適物性値を見出して測定することなく、流動性を直接的に測定できる。その結果、パウダーレオメーターで上記数値範囲に該当するかの確認を行うだけで、静電荷像現像用に用いるキャリアとして好適であるかの判断が可能となる。このようなキャリアの製造管理は、キャリアの流動性を一定に保つことに関して、従来の間接的な値で管理する方法に比べ、極めて実用に適した方法である。また、測定条件を一定とすることも容易であり、測定値の再現性も高い。
つまり、パウダーレオメーターによって得られる値で流動性を特定する方法は、従来の方法に比べて、簡便かつ正確で、信頼性も高い。
ここで本発明者らは、キャリアの破壊による微粉の発生を防ぎ、微粉による画像上の白抜けを発生させないようにするためには、パウダーレオメーターで測定した場合に、上記特定条件下で測定した値が、核体が磁性体流体の場合には1500〜3000mJであり、磁性粉分散粒子の場合には1000〜1500mJの静電荷像現像用キャリアとすることが、極めて有効であることを見出した。この範囲内にあるキャリアは、静電荷像現像に用いたときに流動性が確保され、キャリア間の衝撃によるストレスを軽減することができる。その結果、キャリア割れによる微粉が発生しないため、該微粉が感光体上へ移行し、移行した部分の用紙等の転写材上の画像部分に白抜けが生じるといった画像欠陥を防ぐことができる。
なお、核体が磁性体粒子であるキャリアにおいて、パウダーレオメーターの上記測定値が1500mJより低い場合、摩擦効果が低く、トナーを充分に帯電させることが困難である。一方、3000mJを超える値となる場合は、キャリアへのストレスが高くなることからキャリア破壊による微粉発生を防止することが困難である。より好ましくは、上記測定値は、1800〜2700mJの範囲であり、更に好ましくは2000〜2500mJの範囲である。
核体が磁性粉分散粒子であるキャリアにおいて、パウダーレオメーターの上記測定値が1000mJより低い場合、摩擦効果が低く、トナーを充分に帯電させることが困難である。一方、1500mJを超える値となる場合は、キャリアへのストレスが高くなることからキャリア破壊による微粉発生を防止することが困難である。より好ましくは、上記測定値は、1100〜1400mJの範囲であり、更に好ましくは1200〜1300mJの範囲である。
それぞれの具体的なキャリアの構成については、後述する。
次に、パウダーレオメーターの測定方法について説明する。
パウダーレオメーターは、充填した粒子中を回転翼が螺旋状に回転することによって得られる回転トルクと垂直荷重とを同時に測定して、流動性を直接的に求める流動性測定装置である。回転トルクと垂直荷重の両方を測定することで、粉体自身の特性や外部環境の影響を含めた流動性について、高感度に検出することができる。また、粒子の充填の状態を一定とした上で測定を行うため、再現性の良好なデータを得ることができる。
本発明では、パウダーレオメーターとしてfreeman technology社製のFT4を用いて測定する。
まず、測定するキャリアを容器に充填する。容器は、内径50mm、高さ88mmの160mL容器を用いる。この容器にキャリアを高さ88mmまで充填する。測定前にキャリアは、測定時の外的環境要因によって誤差が生じないよう、温度22℃、湿度50%RHの状態で、8時間以上放置される。
充填後、充填条件の変動による測定値のばらつきをなくすため、流動性測定前に充填キャリアのコンディショニングを行う。コンディショニングでは、充填した状態でキャリアにストレスを与えないようキャリアからの抵抗を受けない回転方向(測定時の回転方向とは逆の方向)で回転翼を緩やかに撹拌して、過剰の空気や部分的ストレスを除去し、サンプルを均質な状態にする。
コンディショニングを終えた後、充填キャリア中に回転翼を進入させながら回転させる。
図1(A)のように、回転翼が、容器内に充填された粒子中を充填表面H1からH2まで、進入角度−5°で移動しながら回転翼の先端スピード100mm/sで回転するときの、回転トルクと垂直荷重を測定する。進入角度を−5°とするのは、キャリアの流動状態を測定するのに最も感度が高いという理由からである。
なお、進入角度とは、測定容器の軸と、回転翼の回転軸とのなす角度をいう。
充填表面H1からの深さHに対する回転トルク又は垂直荷重の関係を図1(B),図1(C)に示す。回転トルクと垂直荷重から、深さHに対してのエネルギー勾配(mJ/mm)を求めたものが、図2である。図2のエネルギー勾配を積分して得られた面積(図2の斜線部分)が、トータルエネルギー量(mJ)となる。本発明では、H2は、充填表面H1から深さ70mmの位置とする。
また、本発明では、誤差による影響を少なくするため、この操作を5回行ったときの平均値を、本発明で定義するトータルエネルギー量(mJ)とする。
回転翼は、freeman technology社製の図3に示す2枚翼プロペラ型のφ48mm径ブレードを用いる。
次に、上記トータルエネルギー量の値を有するキャリアの構成について、説明を行う。
本発明のキャリアは、上記に該当するものであれば、特に限定されない。このような数値を実現するものとしては、キャリア粒子の粒径分布が充分小さいもの、或いは、キャリア核体表面の被覆層が低摩擦化可能な素材で形成されているもの、キャリアの形状が球形であるもの、キャリアの形状分布が充分小さいもの、凝集体が少ないもの、比重が小さいもの等を挙げることができ、これらを単独で、或いは組み合わせて適用する。
本発明のキャリアは、上記の条件を満足すれば、キャリアの核体の材質について特に制限はないが、以下では、核体が磁性体粒子のキャリア(第一の態様のキャリア)と、磁性粉分散粒子のキャリア(第二の態様のキャリア)とに分けて説明する。
−第一の態様のキャリア(核体が磁性体粒子で構成されるキャリア)−
第一の態様のキャリアにおいて、核体の材質としては、例えば、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、これらとマンガン、クロム、希土類元素等との合金(例えば、ニッケル−鉄合金、コバルト−鉄合金、アルミニウム−鉄合金等)、及びフェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等を挙げることができるが、現像方式として磁気ブラシ法を用いる観点からは磁性体粒子であることが望ましい。
第一の態様のキャリアにおける核体の体積平均粒径は、10μm〜500μmが好ましく、より好ましくは30μm〜150μmであり、更に好ましくは30μm〜100μmである。キャリア核体の体積平均粒径が10μm未満であると、静電荷像現像用に用いた場合にトナー・キャリア間の付着力が高くなり、トナーの現像量が減少する。一方、500μmを超えると、磁気ブラシが荒くなり、きめ細かい画像が形成され難くなる。
第一の態様のキャリアにおける核体の体積平均粒径は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、BECKMAN COULTER社製)を用いて測定された値をいう。得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとする。
第一の態様のキャリアにおける核体の好ましい粒径分布としては、体積平均粒径D84v/体積平均粒径D50vが1.20以下、個数平均粒径D50p/個数平均粒径D16pが1.25以下であり、より好ましくは、体積平均粒径D84v/体積平均粒径D50vが1.15以下、個数平均粒径D50p/個数平均粒径D16pが1.20以下である。
このような粒径分布を有する核体を得るには、重力式の分級機、遠心分離式の分級機、慣性方式の分級機、あるいは、篩による選別により、所望の粒度分布に合わせることができる。
特に、上記粒径分布を有するキャリア核体とするには、風力分級機の方法を用いることが好ましく、この方法において微粉/粗粉を同時に取り除くことが特に好ましい。
キャリア核体の粒径分布が、上記範囲よりも広い場合には、既述のパウダーレオメーターによるトータルエネルギー量が規定の範囲から外れてしまう。一方、粒径分布が上記範囲よりも狭くしようとすると、分級等の作業が過剰なものとなり作業効率が極めて悪くなる。
なお、核体の粒径分布は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、BECKMAN COULTER社製)を用いて、得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、累積84%となる粒径をD84v、小粒径側から個数累積分布を引いて、累積50%となる粒径をD50p、累積16%となる粒径をD16pとしたとき、粗粉側粒度分布指標を体積平均粒径D84v/体積平均粒径D50vとし、微粉側粒度分布指標を個数平均粒径D50p/個数平均粒径D16pとして求めた値をいう。
第一の態様のキャリアにおける核体の密度は、3.0〜8.0g/cm3であることが好ましく、3.5〜7.0g/cm3であることがより好ましく、4.0〜6.0g/cm3であることが更に好ましい。密度が3.0g/cm3よりも軽い場合には、トナーの流動性の状態に近づくため、帯電付与能力が減少し、密度が8.0g/cm3よりも重い場合には、キャリアの流動性の低下が発生し、トータルエネルギー量が上限値を超えて大きくなる傾向となるため好ましくない。
核体の密度の測定方法は、「物理化学実験法(東京化学同人社、第3版)」の密度の項に記載の方法に準じて測定する。測定には、電気抵抗が17MΩ以上の純水を用い、測定温度は25℃で行う。
本発明のキャリアは、核体と、その表面に被覆層を有する。被覆層は、マトリックス樹脂によって構成される被覆樹脂層であることが好ましい。
前記マトリックス樹脂としては、一般的なマトリックス樹脂を使用することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン等のポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコン樹脂またはその変性品;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;フェノール樹脂;尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂等のアミノ樹脂;シリコーン樹脂;エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
特に、トナー成分の汚染に対しては、フッ素樹脂やシリコーン樹脂などの低表面エネルギー樹脂を被覆樹脂として用いることが好ましく、フッ素樹脂で被覆することがより好ましい。
フッ素樹脂としては、フッ化ポリオレフィン、フルオロアルキル(メタ)アクリレート重合体及び/又は共重合体、フッ化ビニリデン重合体及び/又は共重合体及びこれらの混合物等を挙げることができ、フッ素樹脂を形成するためのフッ素を含有する単量体としては、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ペンタフルオロメタクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、トリフルオロエチルメタクリレートなど、フッ素を含有するフルオロアルキルメタクリレート系単量体が好適である。但し、これらに限定されるものではない。
フッ素を含有する単量体の配合量としては、被覆樹脂を構成する全単量体に対して、0.1〜50.0質量%の範囲で配合するのが適当であり、より好ましくは0.5〜40.0質量%の範囲であり、より好ましくは1.0〜30.0質量%の範囲である。0.1質量%を下回ると耐汚染性を確保することが困難となり、50.0質量%を超えると核体への被覆樹脂の密着性が低下し、且つ帯電性が低下する場合がある。
被覆樹脂層に含有されるマトリックス樹脂は、キャリア全重量に対して0.5〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは1.0質量%〜5.0質量%であり、更に好ましくは1.0質量%〜4.0質量%である。0.5質量%未満ではキャリア表面に磁性体芯粒子が露出しやすくなり、キャリアの電気抵抗が低下しやすくなる。一方、10質量%を超えるとキャリアの流動性の低下が顕著になり、トナーが均一に帯電し難くなる。
被覆層には、樹脂微粒子を分散させて含有させることができる。
前記樹脂微粒子としては、例えば、熱可塑性樹脂粒子、熱硬化性樹脂粒子等が挙げられる。その中でも、硬度を上げることが比較的容易な熱硬化性樹脂が好適であり、また、トナーに負帯電性を付与するためには、窒素原子を含有する樹脂粒子を用いることが好ましい。なお、これらの樹脂粒子は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂微粒子は、前記マトリックス樹脂中に、被覆樹脂層の厚み方向、およびキャリア表面への接線方向にできるだけ、均一に分散しているのが好ましい。樹脂微粒子の樹脂と、前記マトリックス樹脂とが高い相溶性を有していると、樹脂微粒子の被覆樹脂層における分散の均一性が向上するので好ましい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン等のポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコン樹脂またはその変性品;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート等が挙げられる。
樹脂微粒子に用いられる熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂;尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂等のアミノ樹脂;エポキシ樹脂;等が挙げられる。
尚、樹脂微粒子の樹脂とマトリックス樹脂とは、同種の材料であっても、異種の材料であってもよい。特に好ましくは、樹脂微粒子の樹脂とマトリックス樹脂とが異種の材料からなる場合である。
上記樹脂微粒子の樹脂として、熱硬化性樹脂粒子を用いると、キャリアの機械的な強度を向上できるので好ましい。特に架橋構造を有する樹脂が好ましい。また、樹脂粒子の帯電サイトとしての機能をより良好にするには、トナー帯電の立ち上がりが速い樹脂を用いるのが好ましく、そのような樹脂粒子としては、ナイロン樹脂、アミノ樹脂、およびメラミン樹脂などの窒素含有の樹脂の粒子が好ましい。
樹脂微粒子は、乳化重合、懸濁重合等の重合を利用して粒状化された樹脂粒子を製造する方法や、モノマーもしくは、オリゴマーを溶媒中に分散して架橋反応を進行させながら粒状化して、樹脂粒子を製造する方法、低分子成分と、架橋剤とを溶融混錬等により混合反応させた後、風力、機械力等により、所定の粒度に粉砕して、樹脂粒子を製造する方法等によって製造することができる。
樹脂微粒子の体積平均粒径は0.1〜2.0μmであるのが好ましく、より好ましくは0.2〜1.0μmである。0.1μmより小さいと被覆樹脂層中での分散が低下し、一方、2μmより大きいと被覆樹脂層からの脱落が生じ易く、安定した帯電性が得られない場合がある。樹脂微粒子の体積平均粒径の測定方法は、上記核体の体積平均粒径の場合と同様である。
樹脂微粒子は、被覆層中に、1〜50容量%で含有されることが好ましく、より好ましくは1〜30容量%、更に好ましくは1〜20容量%で含有される場合である。被覆樹脂層中の樹脂微粒子の含有率が1容量%よりも少ないと、樹脂微粒子の効果が発現しない場合があり、50容量%を超えると、被覆樹脂層からの脱落が生じ易く、安定した帯電性が得られない場合があるため好ましくない。
被覆層には、さらに導電性微粉末を分散させて含有させることができる。
前記導電性微粉末子としては、例えば、金、銀、銅のような金属;カーボンブラック;更に酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、チタン酸カルシウム粉末等の金属酸化物;酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム粉末等の表面を、酸化錫、カーボンブラック、または金属で覆った微粉末;等を挙げることができる。これらは、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。導電性微粉末として金属酸化物を用いると、帯電性の環境依存性をより低減できるので好ましく、特に酸化チタンが好ましい。
さらに、前記材料からなる微粉末を、カップリング剤で処理することが好ましい。中でも、カップリング剤で処理された金属酸化物が好ましく、特に、カップリング剤処理された酸化チタンが好ましい。カップリング剤で処理された導電性微粉末は、トルエン等の溶剤に未処理の導電性微粉末を分散させ、次いで、カップリング剤を混合し、処理した後、減圧乾燥することにより得ることができる。
さらに、得られたカップリング剤で処理された導電性微粉末から、凝集体を除去するために、必要に応じて、解砕機で解砕してもよい。解砕機としては、ピンミル、ディスクミル、ハンマーミル、遠心分級型ミル、ローラミル、ジェットミル等の公知の解砕機を使用でき、特に、ジェットミルが好ましい。用いられるカップリング剤としてはシランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤など公知のものを使用することができる。
中でも、シランカップリング剤、特にメチルトリメトキシシラン処理された導電性微粉末を用いると帯電の環境安定性に特に効果的である。
導電性微粉末の体積平均粒径は0.5μm以下であることが好ましく、より好ましくは、0.05μm以上0.45μm以下であり、更に好ましくは、0.05μm以上0.35μm以下である。導電性微粉末の体積平均粒径の測定方法は、上記核体の体積平均粒径の測定方法に準ずる。
導電性微粉末の体積平均粒径が0.5μmを超えると、被覆樹脂層からの脱落が生じ易く、安定した帯電性が得られない場合があるため好ましくない。
前記導電性微粉末は、101Ω・cm以上1011Ω・cm以下の体積電気抵抗を有していることが好ましく、103Ω・cm以上109Ω・cm以下の体積電気抵抗を有していることがより好ましい。尚、本明細書において、導電性微粉末の体積電気抵抗は、以下の方法で測定した値をいう。
常温常湿下で、導電性微粉末を2×10-42の断面積を有する容器に厚み約1mm程度になるように充填し、その後、充填した導電性微粉末上に、金属製部材により、1×104kg/m2の荷重をかける。該金属製部材と、容器の底面電極との間に106V/mの電界が生じる電圧を印加し、その際の電流値から算出した値を体積電気抵抗値とする。
導電性微粉末は、被覆樹脂層中に、通常1〜80容量%含有され、好ましくは2〜20容量%、さらに好ましくは3〜10容量%含有される場合である。
キャリアの核体の表面に前記被覆層を形成する方法としては、キャリア核体を、前記樹脂、導電材料および溶剤を含む被覆層形成用溶液を調製し、この中に浸漬する浸漬法や、被覆層形成用溶液をキャリア核体の表面に噴霧するスプレー法、キャリア核体を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、或いはニーダーコーター中でキャリア核体と被覆層形成溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
前記被覆層形成用溶液の調製に使用する溶剤は、前記樹脂を溶解するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類を使用することができる。
前記被覆層の平均膜厚は、0.1μm〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1μm〜3.0μmであり、更に好ましくは0.1μm〜1.0μmである。樹脂被覆層の平均膜厚が0.1μmよりも薄いと、長時間使用時に被覆層剥れによる抵抗低下が発生し、10μmを超えると飽和帯電量に達するまでの時間がかかるため好ましくない。
このように上記核体の表面を樹脂等で被覆した第一の態様のキャリアの密度は、3.0〜8.0g/cm3であることが好ましく、3.5〜7.0g/cm3であることがより好ましく、4.0〜6.0g/cm3であることが更に好ましい。密度が3.0g/cm3よりも軽い場合には、トナーの流動性の状態に近づくため、帯電付与能力が減少しとなり、密度が8.0g/cm3よりも重い場合には、キャリアの流動性の低下が発生し、トータルエネルギー量が上限値を超えて大きくなる傾向となるため好ましくない。なお、キャリアの密度の測定方法は、上記キャリアの核体についての密度の測定方法と同様である。
また、第一の態様のキャリアについて、下記式(1)で表される形状係数SF1は、SF1130以下であることが好ましく、より好ましくは、120以下である。
形状係数SF1は100に近づくほど真球となる。キャリアの形状係数SF1が大きくなるほど、形状の歪によってキャリアどうしの衝突によって流動性が低くなる。そのため、形状係数SF1が130を超えると、上記トータルエネルギー量が、上限値を超えて大きくなる傾向にある。
式(1): 形状係数SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
式(1)中、MLはキャリア粒子の絶対最大長を表し、Aはキャリア粒子の投影面積を表す。
形状係数SF1の平均値は、250倍に拡大した50個以上のキャリア粒子を光学顕微鏡から画像解析装置(LUZEX III、ニレコ社製)に取り込み、その最大長及び投影面積から、個々の粒子について前記SF1の値を求め平均したものである。
第一の態様のキャリアの飽和磁化は、40emu/g以上であることが好ましく、50emu/g以上であることがより好ましい。
磁気特性の測定としての装置は振動試料型磁気測定装置VSMP10−15(東英工業社製)を用いる。測定試料は内径7mm、高さ5mmのセルに詰めて前記装置にセットする。測定は印加磁場を加え、最大1000エルステッドまで掃引する。ついで、印加磁場を減少させ、記録紙上にヒステリシスカーブを作製する。カーブのデータより、飽和磁化、残留磁化、保持力を求める。本発明においては、飽和磁化は1000エルステッドの磁場において測定された磁化を示す。
キャリアの体積電気抵抗は、1×108〜1×1014Ωcmの範囲に制御されることが好ましく、1×108〜1×1013Ωcmの範囲であることがより好ましく、1×108〜1×1012Ωcmの範囲であることがさらに好ましい。
キャリアの体積電気抵抗が1×1014Ωcmを超える場合、高抵抗になり、現像時に現像電極として働きにくくなるため、特にベタ画像部でエッジ効果が出るなど、ソリッド再現性が低下する。一方、1×108Ωcm未満の場合、低抵抗になるため、現像剤中のトナー濃度が低下した時に現像ロールからキャリアへ電荷が注入し、キャリア自体が現像されてしまう不具合が発生しやすい。
上記キャリアの体積電気抵抗(Ω・cm)は以下のように測定する。なお、測定環境は、温度20℃、湿度50%RHとする。
20cm2の電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象となるキャリアを1〜3mm程度の厚さになるように平坦に載せ、キャリア層を形成する。この上に前記同様の20cm2の電極板を載せキャリア層を挟み込む。キャリア間の空隙をなくすため、キャリア層上に載置した電極板の上に4kgの荷重をかけてからキャリア層の厚み(cm)を測定する。キャリア層上下の両電極には、エレクトロメーターおよび高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が103.8V/cmとなるように高電圧を印加し、このとき流れた電流値(A)を読み取ることにより、キャリアの体積電気抵抗(Ω・cm)を計算する。キャリアの体積電気抵抗(Ω・cm)の計算式は、下式(2)に示す通りである。
式(2): R=E×20/(I−I0)/L
上記式中、Rはキャリアの体積電気抵抗(Ω・cm)、Eは印加電圧(V)、Iは電流値(A)、I0は印加電圧0Vにおける電流値(A)、Lはキャリア層の厚み(cm)をそれぞれ表す。また、20の係数は、電極板の面積(cm2)を表す。
−第二の態様のキャリア(核体が磁性粉分散粒子で構成されるキャリア)−
第一の態様のキャリアにおいて、核体は、磁性粉が樹脂中に分散されてなる磁性粉分散粒子で構成される。
前記磁性粉としては、上記磁性体粒子で記載した磁性体を適用することができ、これらの中でも、酸化鉄が好ましい。前記磁性体微粒子が、酸化鉄微粒子であると、特性が安定しており、かつ毒性が少ない点で有利である。
これら磁性体は、単種で使用しても良く、2種以上併用してもよい。
磁性粉の粒径は、0.01〜1μmであることが好ましく、より好ましくは、0.03μm〜0.5μmであり、更に好ましくは、0.05μm〜0.35μmである。磁性粉の粒径が0.01μm未満の場合、飽和磁化の低下を招いたり、あるいは組成物(モノマー混合物)の粘度が増大し、均一粒径のキャリアが得られない場合がある。一方、磁性粉の粒径が1μmを超える場合、均質な磁性粒子を得ることができない場合がある。
前記磁性粉の磁性粉分散粒子中における含有量としては、30質量%〜95質量%であることが好ましく、45質量%〜90質量%であることがより好ましく、60質量%〜90質量%であることが更に好ましい。前記含有量が、30質量%未満であると、磁性体分散型キャリアの飛散等を招くことがあり、95質量%を越えると、磁性体分散キャリアの穂が固くなり、割れ易くなることがある。
磁性粉分散粒子中の樹脂成分は、架橋されたスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、フェノール系樹脂等を挙げることができる。
本発明の磁性粉分散粒子は、前記マトリックス及び前記磁性粉のほか、目的に応じてさらにその他の成分を含有していてもよい。前記その他の成分としては、例えば、帯電制御剤、フッ素含有微粒子などが挙げられる。
磁性粉分散粒子の好ましい粒径分布としては、体積平均粒径D84v/体積平均粒径D50vが1.20以下、個数平均粒径D50p/個数平均粒径D16pが1.25以下であり、より好ましくは、体積平均粒径D84v/体積平均粒径D50vが1.15以下、個数平均粒径D50p/個数平均粒径D16pが1.20以下である。
磁性粉分散粒子の製造方法は、例えば、磁性体粉末とスチレンアクリル樹脂等の絶縁性樹脂とを、バンバリーミキサー、ニーダーなどを用いて溶融混練し、冷却した後に粉砕し、分級する溶融混練法(特公昭59−24416号公報、特公平8−3679号公報等)や、結着樹脂のモノマー単位と磁性体粉末とを溶媒中に分散して懸濁液を調製し、この懸濁液を重合させる懸濁重合法(特開平5−100493号公報等)や、樹脂溶液中に磁性体粉末を混合分散した後、噴霧乾燥するスプレードライ法などが知られている。
前記溶融混練法、前記懸濁重合法、及び前記スプレードライ法はいずれも、磁性体粉末をあらかじめ何らかの手段により調製しておき、この磁性体粉末と樹脂溶液とを混合し、前記樹脂溶液中に前記磁性体粉末を分散させる工程を含む。
溶融混練法によって磁性粉分散粒子を製造する場合、上記粒径分布とするためには、遠心分離式の分級機、慣性方式の分級機、あるいは、篩による選別により、所望の粒度分布に合わせることができる。
懸濁重合法によって磁性粉分散粒子を製造する場合、上記粒径分布とするためには、分散粒子径を整えることが極めて重要であり、分散時の温度、界面活性剤の量・種類、攪拌速度・時間、等を調整することが肝要である。
第二の態様のキャリアにおける核体の体積平均粒径としては、10〜500μmの範囲が好ましく、より好ましくは30〜150μmの範囲のものであり、更に好ましくは30〜100μmの範囲のものである。体積平均粒径が10μm未満ではキャリアが感光体に移行しやすく、かつ製造性が低下し、500μmを越えるとブラシマークと呼ばれるキャリアのすじが画像上に生じ、ざらざらした感じの画像となる点で好ましくない。
かかる核体の体積平均粒径の測定方法は、核体が磁性体粒子の場合と同様である。
第二の態様のキャリアの核体において、密度は、2.0〜5.0g/cm3であることが好ましく、2.5〜4.5g/cm3であることがより好ましく、3.0〜4.0g/cm3であることが更に好ましい。密度が2.0g/cm3よりも軽い場合には、トナーの流動性の状態に近づくため、帯電付与能力が減少し、密度が5.0g/cm3よりも重い場合には、キャリアの流動性の低下が発生し、トータルエネルギー量が上限値を超えて大きくなる傾向があるため好ましくない。核体の密度の測定方法は、第一の態様のキャリアの場合と同様である。
磁性粉分散粒子の表面に形成される被覆層は、上記磁性体粒子の表面に形成される被覆層で適用した材料を適用することができ、好ましい材料も同様である。また、被覆層に含有できる物質や、被覆層の形成方法についても、磁性体粒子上の被覆層の場合と同様である。
磁性粉分散粒子の表面に被覆層を設けた第二の態様のキャリアの密度は、2.0〜5.0g/cm3であることが好ましく、2.5〜4.5g/cm3であることがより好ましく、3.0〜4.0g/cm3であることが更に好ましい。密度が2.0g/cm3よりも軽い場合には、トナーの流動性の状態に近づくため、帯電付与能力が減少し、密度が5.0g/cm3よりも重い場合には、キャリアの流動性の低下が発生し、トータルエネルギー量が上限値を超えて大きくなる傾向にあるため好ましくない。
第二の態様のキャリアについて、上記式(1)で表される形状係数SF1は、150以下であることが好ましく、より好ましくは、130以下である。形状係数SF1の求め方は、第一の態様の場合と同様である。
第二の態様のキャリアの飽和磁化は、40emu/g以上であることが好ましく、50emu/g以上であることがより好ましい。
磁気特性の測定方法は、第一の態様の場合と同様である。
キャリアの体積電気抵抗は、1×107〜1×1014Ωcmの範囲に制御されることが好ましく、1×108〜1×1013Ωcmの範囲であることがより好ましく、1×108〜1×1012Ωcmの範囲であることがさらに好ましい。
キャリアの体積電気抵抗が1×1014Ωcmを超える場合、高抵抗になり、現像時に現像電極として働きにくくなるため、特にベタ画像部でエッジ効果が出るなど、ソリッド再現性が低下する。一方、1×107Ωcm未満の場合、低抵抗になるため、現像剤中のトナー濃度が低下した時に現像ロールからキャリアへ電荷が注入し、キャリア自体が現像されてしまう不具合が発生しやすい。
キャリアの体積電気抵抗の測定方法は、第一の態様のキャリアの場合と同様である。
<画像形成方法>
本発明の画像形成方法は、少なくとも、潜像担持体を帯電させる帯電工程と、帯電した前記潜像担持体を露光して潜像担持体上に静電潜像を形成させる露光工程と、トナーとキャリアとを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像工程と、前記トナー像を前記潜像担持体から被記録材に転写する転写工程と、を有する画像形成方法であることが好ましい。なお、画像形成に用いるキャリアは、上述の静電荷像現像用キャリアを含む。
上記現像剤に含まれるトナーについては、特に限定されず、一般的には結着樹脂と着色剤を含有する。本発明に用いるトナーについては、公知の技術を適用することができる。
本発明の画像形成方法では、上記帯電工程、露光工程、現像工程、及び転写工程については、公知の技術を適宜適用することができる。さらに、これらの工程に加え、転写工程後の潜像担持体をクリーニングするクリーニング工程、転写された被記録材上のトナー像を定着させる定着工程等を行ってもよい。
また、前記現像工程は、現像剤を表面に担持する現像剤担持体(所謂マグロール)が前記像担持体に対向して回転し、前記現像剤を前記像担持体に搬送させる態様であることが好ましい。
特に、現像剤担持体の周速が200mm/sec以上600mm/sec以下で回転させることが好適であり、300mm/sec以上500mm/sec以下の場合がより好適である。マグロールの周速が200mm/sec未満である場合、近年における高速化の対応に適さず、あまり好ましくない。また、高濃度再現性の点で劣る。一方、600mm/secを超える場合、特に小型現像機に適用した場合には、現像機の機械的強度不足からトリマーの歪みが発生し、現像剤坦持体上の現像剤のむらにより濃度再現性が劣ることがあるため、好ましくない。
<画像形成装置>
本発明の画像形成装置は、少なくとも、潜像担持体と、前記潜像担持体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記潜像担持体を露光して潜像担持体上に静電潜像を形成させる露光手段と、現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段と、前記トナー像を前記潜像担持体から被記録材に転写する転写手段と、を有する画像形成装置であることが好ましい。
これらの各構成部材、すなわち、電子写真感光体、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、更に、クリーニング装置および除電装置については、本発明において、特に制限されるものではなく、従来公知の如何なる構成のものも問題なく使用することができる。
また、上記現像手段は、上記現像剤を攪拌する攪拌手段と、現像剤を像担持体まで搬送する上記現像剤担持体(所謂マグロール)を有することが好ましい。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<各種特性の測定方法>
まず、実施例、比較例で用いたキャリア等の物性測定方法について説明する。
−形状係数−
核スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じて画像解析装置(LUZEXIII、ニレコ社製)に取り込み、50個について円相当径を測定して、最大長及び面積から、個々の粒子について上記式(1)からSF1を算出し、平均値を求めた。
−体積平均粒径、粒度分布−
測定装置としては、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、BECKMAN COULTER社製)を使用した。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5質量%水溶液2ml中に測定試料を10〜200mg加えた。これを純水100〜150ml中に添加した。試料を懸濁した液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記LS Particle Size Analyzer:LS13 320により、ポンプスピード80%で粒度分布を測定して、前述のようにして体積平均粒径、粗粉側粒度分布、微粉側粒度分布を求めた。
−分子量分布の測定−
トナーの樹脂及びキャリアの被覆樹脂の分子量分布は以下の条件で行った。
東ソー(株)HLC−8120GPC、SC−8020装置を用い、カラムはTSK gei, SuperHM−H(6.0mmID×15cm×2)を用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。測定条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/分、サンプル注入量10μl、測定温度40℃とした。検量線は、A−500、F−1、F−10、F−80、F−380、A−2500、F−4、F−40、F−128、F−700の10サンプルから作製した。また試料解析におけるデータ収集間隔は、300msとした。
−密度の測定−
キャリアの核体の密度は、上記の方法にしたがって測定した。
[実施例1]
フェライト粒子(Cu−Zn、密度:4.5g/cm3、体積平均粒径:35μm、形状係数SF1:125。)をエルボジェット(日鉄鉱業社製、品番EJ−LABO)にてカットポイント25μmと45μmで微粉と粗粉を除き、被覆用核体粒子を形成した。
得られた被覆用核体粒子の粒径分布は、粗粉側粒度分布指標(D84v/D50v):1.18、微粉側粒度分布指標(D50p/D16p):1.20であり、体積平均粒径は37μm、形状係数SF1は124であった。
被覆用核体粒子100部に対し、スチレンメチルメタクリレート共重合体(重量平均分子量80,000)のトルエン溶液(固形分15質量%)を20部加え、ジャケットを備えた容量50Lの回分式ニーダー内で10分間混合し、攪拌しながら混合物の温度を上昇させ、120℃以上の温度で20分間攪拌した後、混合物の温度が60℃になるまで冷却攪拌を行い、被覆キャリアを取り出した。その後、エルボジェットにより前記条件で微粉/粗粉除去を3回繰り返し、キャリア(1)を得た。
得られたキャリア(1)の粒径分布は、粗粉側粒度分布指標:1.15、微粉側粒度分布指標:1.16であり、体積平均粒径は37μm、形状係数SF1は123であった。
得られたキャリア(1)のトータルエネルギー量を、既述の方法によってパウダーレオメーターFT4(freeman technology社製)を使用して測定した。具体的な測定方法は以下の通りである。
まず、160mlの容器の上側に補助器具を取り付け、160mlの容器上部を越えるようにキャリア(1)を投入した。次に本測定装置にキャリア(1)を詰めた容器の上部に回転翼(freeman technology社製、図3に示すプロペラ型のφ48mm径ブレード(径48mm、幅10mm)。)をセットし、−5.0°の進入角で、回転翼の先端スピードを60mm/sとして、4回コンディショニングを行った。
続いて、コンディショニングによって充分脱気されたキャリア(1)を160ml容器上端で擦り切り、進入角−5.0°、回転翼の先端スピードを100mm/sで、容器下部から10mmまで回転翼を進入させ(進入距離70mm)、そのときのトルクの積算値をトータルエネルギー量として求めた。キャリア(1)のトータルエネルギー量は2400mJであった。
[実施例2〜4]
実施例1において樹脂被覆キャリアにおけるエルボジェットでの微粉/粗粉除去の操作を3回繰り返したところを、それぞれ2回〜5回の間で変更した以外は同様にして、キャリア(2)〜(4)を作製した。キャリア(2)〜(4)のトータルエネルギー量は、表1に示す値であった。
[実施例5]
フェライト粒子(Cu−Zn、密度:4.5g/cm3、体積平均粒径:35μm、形状係数SF1:120。)をエルボジェットにてカットポイント22μm、45μmで微粉と粗粉を除き、被覆用核体粒子を形成した。
得られた被覆用核体粒子の粒径分布は、粗粉側粒度分布指標:1.18、微粉側粒度分布指標:1.20であり、体積平均粒径:37μm、形状係数SF1:118であった。
被覆用核体粒子100部に対し、メチルメタクリレート−パーフルオロヘキシルアクリレート(80/20)共重合体(重量平均分子量50,000、三洋化成社製)のトルエン溶液(固形分5質量%)を60部、スチレンメチルメタクリレート共重合体(重量平均分子量80000)のトルエン溶液(固形分15質量%)を10部加え、ジャケットを備えた容量50Lの回分式ニーダー内で10分間混合し、攪拌しながら混合物の温度を上昇させ、120℃以上の温度で20分間攪拌した後、混合物の温度が60℃になるまで冷却攪拌を行い、75μm篩で粗粉を取り除き、キャリア(5)を得た。キャリア(5)のトータルエネルギー量は、表1に示す値であった。
[実施例6]
・スチレン−アクリル酸ブチル共重合体(80/20)(Mw=1.9×105
:30部
・メチルメタクリレート−パーフルオロヘキシルアクリレート共重合体:10部
・マグネタイト(EPT−1000、戸田工業社製):100部
上記成分を加圧ニーダーで溶融混合し、さらにターボミル、熱処理装置を用いて粉砕、球形化を行った。さらにエルボジェットによる分級をカットポイント22μm、45μmで4回行い、キャリア(6)を得た。
得られたキャリアの粒径分布は、粗粉側粒度分布指標:1.17、微粉側粒度分布指標:1.19であり、体積平均粒径33μm、形状係数SF1110、密度は3.5g/cm3であった。また、キャリア(6)のトータルエネルギー量は、表1に示す値であった。
[実施例7]
実施例6において、分級処理を3回に変更した以外は、同様にしてキャリア(7)を作製した。キャリア(7)のトータルエネルギー量は、表1に示す値であった。
[実施例8]
実施例6においてスチレン−アクリル酸ブチル共重合体(80/20)を30部、前述のメチルメタクリレート−パーフルオロヘキシルアクリレート共重合体:20部に変更した以外は、実施例6と同様にしてキャリア(8)を作製した。キャリア(8)のトータルエネルギー量は、表1に示す値であった。
[比較例1]
フェライト粒子(Cu−Zn、密度:4.5g/cm3、体積平均粒径:35μm、形状係数SF1:125。)を分級せずそのまま使用した。前記フェライト粒子100部に対し、スチレンーメチルメタクリレート共重合体(重量平均分子量80,000)のトルエン溶液(固形分15質量%)を20部加え、ジャケットを備えた容量50Lの回分式ニーダー内で10分間混合し、攪拌しながら混合物の温度を上昇させ、120℃以上の温度で20分間攪拌した後、混合物の温度が60℃になるまで冷却攪拌を行い、被覆キャリアを取り出した。その後、75μm篩で粗粉を取り除き、キャリア(9)を得た。
得られたキャリア(9)のトータルエネルギー量は3800mJであった。
[比較例2〜3]
比較例1において、75μm篩での粗粉除去をエルボジェットでの微粉/粗粉除去の操作を実施例1と同様のカットポイントで、それぞれ1回又は2回に変更した以外は同様にして、キャリア(10)〜(11)を作製した。キャリア(10)〜(11)のトータルエネルギー量は、表1に示す値であった。
[比較例4]
フェライト粒子(Cu−Zn、密度:4.5g/cm3、体積平均粒径:35μm、形状係数SF1:110。)をエルボジェットにて微粉や粗粉を除き、被覆用核体粒子を形成した。得られた被覆用核体粒子の粒径分布は、粗粉側粒度分布指標:1.18、微粉側粒度分布指標:1.20であり、体積平均粒径:37μm、形状係数SF1:109であった。
被覆用核体粒子100部に対し、パーフロロヘキシルメタクリレート・メチルメタクリレート共重合体(重量平均分子量:50,000、三洋化成社製)のトルエン溶液(固形分5質量%)を60部、スチレンーメチルメタクリレート共重合体(重量平均分子量:75000)のトルエン溶液(固形分15質量%)を10部加え、ジャケットを備えた容量50Lの回分式ニーダー内で10分間混合し、攪拌しながら混合物の温度を上昇させ、120℃以上の温度で20分間攪拌した後、混合物の温度が60℃になるまで冷却攪拌を行い、キャリア(12)を得た。キャリア(12)のトータルエネルギー量は、表1に示す値であった。
[比較例5]−特開2002−328493号公報の実施例1のキャリア−
特開2002−328493号公報の実施例1のキャリアを同公報に記載の方法で作製し、磁性粉分散粒子を核体とするキャリア(13)を得た。
キャリア(13)のトータルエネルギー量は表1に示す値であった。
[比較例6]
実施例8においてスチレン−アクリル酸ブチル共重合体(80/20)を15部、パーフルオロアクリレート共重合体:25部に変更した以外は、同様にしてキャリア(14)を作製した。キャリア(14)のトータルエネルギー量は、表1に示す値であった。
<現像剤の調製>
(混錬粉砕によるトナーの調製)
−トナーaの製造−
・ポリエステル樹脂: 100重量部
(テレフタル酸/ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物/シクロヘキサンからなる線状ポリエステル:重量平均分子量:10,000)
・カーボンブラック(リーガル330:キャボット社製): 6重量部
上記混合物をエクストルーダーで混錬し、ジェットミルで粉砕した後、分級した。引き続き外添剤と混合して黒トナー(トナーa)を得た。
−トナーbの製造−
トナーaにおいてカーボンブラックを銅フタロシアニンブルー顔料C.I.ピグメントブルー15:3の5重量部に変更した以外はトナーaと同様にしてシアントナー(トナーb)を得た。
−トナーcの製造−
トナーaにおいてカーボンブラックをC.I.ピグメントレッド57:1の5重量部に変更した以外はトナーaと同様にしてマゼンタトナー(トナーc)を得た。
−トナーdの製造−
トナーaにおいてカーボンブラックをC.I.ピグメントイエロー180の6重量部に変更した以外はトナーdと同様にしてイエロートナー(トナーd)を得た
前記実施例1〜8及び比較例1〜6のキャリアのいずれか100質量部に対し、上記トナー6質量部と混合して、それぞれのキャリアに対し、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の4色の現像剤セット(1)〜(14)を調整した。
<評価>
得られた現像剤セット(1)〜(14)を用いて、Fuji Xerox社製DocuPrint C1616の改造機により、マグロールのスリーブ周速350mm/secにて下記コピーテストを行った。
かかるコピーテストは、常温・常湿(22℃,50%RH)下、エリアカバレッジ0.5%で、10000枚をコピーすることにより行い、10枚コピー後(初期)および10000枚コピー後に、下記評価方法により、画像濃度、かぶり、白点の項目について評価を行った。
(濃度評価方法)
2cm×5cmの画像を出力し、反射濃度計X−rite938(X−rite社製)により10枚印画後の画像濃度と10000印画後の画像濃度を測定した。表1に結果を示すが、上から黒画像、シアン画像、マゼンタ画像、イエロー画像の濃度を表す。
総合評価に用いる判断基準は、以下の通りである。
◎:10000枚後濃度/10枚後濃度:全色97%以上
○:10000枚後濃度/10枚後濃度:全色95%以上
△:10000枚後濃度/10枚後濃度:全色90%以上
×:10000枚後濃度/10枚後濃度:90%未満
(かぶり評価方法)
上記画像の白色背景部について、100cm2当たりのトナー個数をカウントした。
総合評価に用いる評価基準は以下の通りである。
◎:トナーなし
○:3個未満
△:3個以上5個未満
×:6個以上
(白点/色点評価方法)
エリアカバレッジ100%の全面画像をA4用紙に出力し、白点の個数をカウントした。また、A4白紙を出力し、色点の個数をカウントした。
総合評価に用いる評価基準は以下の通りである。
◎:色点/白点なし
○:トータル5個未満
△:トータル5個以上10個未満
×:トータル10個以上
(総合評価)
濃度、かぶり、色点の評価項目について、◎0点、○1点、△2点、×3点とした場合の加算値で評価した。判断基準は以下の通りであり、◎、○を実用可能なレベルとする。
◎:加算値が3点以下
○:加算値が4点〜6点
△:加算値が7点〜9点
×:加算値が10点以上
得られた評価結果を表1,2に示す。
Figure 2007033720
Figure 2007033720
表1,2に示すように、上記条件下でのパウダーレオメーターでの測定において、トータルエネルギー量が磁性体粒子の表面に被覆層を有する静電荷像現像用キャリアの場合には、1500mJ〜3000mJであり、磁性粉分散粒子の表面に被覆層を有する静電荷像現像用キャリアの場合には、1000〜1500mJであると、流動性が良好となったために、キャリアの破壊によるかぶりの発生が防止され、キャリア破壊により発生した微粉に起因する画像上の白抜けも発生しなかった。また、流動性が良好であるために転写性も改善され、画像濃度も良好であった。
パウダーレオメーターでのトータルエネルギー量の測定方法を説明するための図である。 パウダーレオメーターで得られた、垂直荷重とエネルギー勾配との関係を示す図である。 パウダーレオメーターで用いる回転翼の形状を説明するための図である。

Claims (4)

  1. 核体としての磁性体粒子と、該磁性体粒子の表面を被覆する被覆層と、を有する静電荷像現像用キャリアであって、
    パウダーレオメーターにおいて、回転翼の先端スピード100mm/sで、回転翼の進入角度−5°における、キャリアの充填表面から深さ70mmまでのトータルエネルギー量が、1500〜3000mJであることを特徴とする静電荷像現像用キャリア。
  2. 核体としての磁性粉分散粒子と、該磁性粉分散粒子の表面を被覆する被覆層と、を有する静電荷像現像用キャリアであって、
    パウダーレオメーターにおいて、回転翼の先端スピード100mm/sで、回転翼の進入角度−5°における、キャリアの充填表面から深さ70mmまでのトータルエネルギー量が、1000〜1500mJであることを特徴とする静電荷像現像用キャリア。
  3. 潜像担持体を帯電させる帯電工程と、
    帯電した前記潜像担持体を露光して該潜像担持体上に静電潜像を形成させる露光工程と、トナーとキャリアとを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像工程と、
    前記トナー像を前記潜像担持体から被記録材に転写する転写工程と、を有する画像形成方法であって、
    前記キャリアが、請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用キャリアを含み、
    前記現像工程は、前記現像剤を表面に担持する現像剤担持体が200mm/s以上600mm/s以下の周速で前記像担持体に対向して回転し、前記現像剤を前記像担持体に搬送する工程を有することを特徴とする画像形成方法。
  4. 潜像担持体と、
    前記潜像担持体を帯電させる帯電手段と、
    帯電した前記潜像担持体を露光して該潜像担持体上に静電潜像を形成させる露光手段と、
    現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段と、
    前記トナー像を前記潜像担持体から被記録材に転写する転写手段と、を有する画像形成装置であって、
    前記現像剤が、請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用キャリアを含むことを特徴とする画像形成装置。
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