以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態のタグラベル作成装置が適用される無線タグ生成システムを表すシステム構成図である。
図1に示すこの無線タグ生成システム1(タグラベル作成システム)において、タグラベル作成装置(無線タグ情報通信装置)2は、有線あるいは無線による通信回線3を介してルートサーバ4、タグラベル作成装置2を操作するための端末5(操作端末、タグラベル編集装置)、汎用コンピュータ6、及び情報サーバ7に接続されて、(例えば広域の)ネットワークを構築している。
上記端末5はいわゆるPC(パーソナルコンピュータ)端末であり、表示手段であるディスプレイ5a及び入力手段であるキーボード(マウス等でもよい)等の操作手段5bを備えると共に、図示しない中央演算処理装置であるCPU5c(後述の図16参照)や記憶手段としてのROM(図示せず)及びRAM(図示せず)等を有している。上記CPU5cは、通信回線3を介して入力される外部信号に基づき、例えばROMに予め記憶されたタグラベル作成装置2を操作するための所定のアプリケーション及びこのアプリケーションに沿った各種テンプレートを起動するようになっている(詳細は後述)。
図2は、上記タグラベル作成装置2の詳細構造を表す概念的構成図である。
図2において、タグラベル作成装置2の装置本体8には、凹所としてのカートリッジホルダ部(図示せず、テープ設置用ホルダ)が設けられ、このホルダ部に、カートリッジ100が着脱可能に取り付けられている。
装置本体8は、カートリッジ100を嵌合させる上記カートリッジホルダ部を備えるとともに外郭を構成する筐体9と、カバーフィルム103(被印字テープ)に所定の印字(印刷)を行う印字手段としての印字ヘッド(この例ではサーマルヘッド)10と、カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105を駆動するリボン巻取りローラ駆動軸11と、カバーフィルム103と基材テープ101とを貼り合わせつつ印字済ラベル用テープ110としてカートリッジ100から繰り出すための圧着ローラ駆動軸12と、印字済ラベル用テープ110に備えられる無線タグ回路素子To(タグラベル用無線タグ回路素子、詳細は後述)との間でUHF帯等の高周波を用いて無線通信により信号の送受を行うアンテナ14(装置側アンテナ)と、上記印字済ラベル用テープ110を所定のタイミングで所定の長さに切断しラベル状の無線タグラベルT(詳細は後述)を生成するカッタ15と、上記無線通信による信号送受時において無線タグ回路素子Toをアンテナ14に対向する所定のアクセスエリアに設定保持するとともに、切断後のテープ110(=無線タグラベルT)を案内するための一対の搬送ガイド13と、その案内された無線タグラベルTを搬出口(排出口)16へと搬送し送出する送出ローラ17と、搬出口16における無線タグラベルTの有無を検出する排出センサ18とを有する。
一方、装置本体8はまた、上記アンテナ14を介し上記無線タグ回路素子Toへとアクセスする(読み取り又は書き込みを行う)ための高周波回路21と、無線タグ回路素子Toから読み出された信号を処理するための信号処理回路22と、前述したリボン巻取りローラ駆動軸11、テープ送りローラ駆動軸12を駆動するカートリッジ用モータ23と、このカートリッジ用モータ23の駆動を制御するカートリッジ駆動回路24と、上記印字ヘッド10への通電を制御する印刷駆動回路25(印字制御手段)と、上記カッタ15を駆動して切断動作を行わせるソレノイド26と、そのソレノイド26を制御するソレノイド駆動回路27と、上記送出ローラ17を駆動する送出ローラ用モータ28と、この送出ローラ用モータ28を制御する送出ローラ駆動回路29と、カートリッジ100に設けた被検出部190に備えられた複数の識別子のそれぞれの凹凸形状を公知の手法(例えば機械的又は光学的に)検出するセンサ(識別子検出手段、カートリッジ種別検出手段、パラメータ情報検出手段)20と、複数の文字入力キーや各種ファンクションキーからなり操作者が印字に関する文字データや指示データを入力可能な操作部52と、上記操作部52から入力した文字データや指示データ又は報知信号(詳細は後述)を操作者に対して表示可能な表示部53と、上記高周波回路21、信号処理回路22、カートリッジ駆動回路24、印刷駆動回路25、ソレノイド駆動回路27、送出ローラ駆動回路29等を介し、タグラベル作成装置2全体の動作を制御するための制御回路30とを有する。
制御回路30は、いわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。またこの制御回路30は、入出力インターフェイス31を介し例えば通信回線3に接続され、この通信回線3に接続された前述のルートサーバ4、他の端末5、汎用コンピュータ6、及び情報サーバ7等との間で情報のやりとりが可能となっている。
また、無線タグ回路素子Toの識別情報(タグID)と物品情報との対応関係(又は物品情報のアドレスとの対応関係)等の各種情報は、例えば不揮発性記憶装置からなる上記ルートサーバ4(又は情報サーバ7)のデータベース(図示せず)に格納保持されている。
図3は、カートリッジ100の詳細構造を説明するための説明図である。
この図3において、カートリッジ100は、筐体100Aと、この筐体100A内に配置され帯状の上記基材テープ101が巻回された第1ロール102と、上記基材テープ101と略同じ幅である透明な上記カバーフィルム103が巻回された第2ロール104と、上記インクリボン105(熱転写リボン、但しカバーフィルムが感熱テープの場合は不要)を繰り出すリボン供給側ロール111と、印字後のリボン105を巻取るリボン巻取りローラ106と、上記基材テープ101と上記カバーフィルム103とを押圧し接着させ上記印字済ラベル用テープ110としつつ矢印Aで示す方向にテープ送りをする(=テープ送りローラとしても機能する)圧着ローラ107とを有する。
第1ロール102は、リール部材102aの周りに、長手方向に複数の無線タグ回路素子Toが所定の等間隔で順次形成された上記基材テープ101を巻回している。
基材テープ101はこの例では4層構造となっており(図3中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側(図3中右側)よりその反対側(図3中左側)へ向かって、適宜の粘着材からなる粘着層101a、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのベースフィルム101b、適宜の粘着材からなる粘着層101c、剥離紙101dの順序で積層され構成されている。
ベースフィルム101bの裏側(図3中左側)には、情報の送受信を行うアンテナ152がこの例では一体的に設けられており、これに接続するように情報を更新可能に(書き換え可能rewritableに)記憶するIC回路部151が形成され、これらによって無線タグ回路素子Toが構成されている。
ベースフィルム101bの表側(図3中右側)には、後にカバーフィルム103を接着するための上記粘着層101aが形成され、またベースフィルム101bの裏側(図3中左側)には、無線タグ回路素子Toを内包するように設けた上記粘着層101cによって上記剥離紙101dがベースフィルム101bに接着されている。なお、この剥離紙101dは、最終的にラベル状に完成した無線タグラベルTが所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層101cにより当該商品等に接着できるようにしたものである。
第2ロール104は、リール部材104aの周りに上記カバーフィルム103を巻回している。第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置されたリボン供給側ロール111及びリボン巻取りローラ106で駆動されるリボン105が、上記印字ヘッド10に押圧されることで当該カバーフィルム103の裏面に当接させられるようになっている。
リボン巻取りローラ106及び圧着ローラ107は、それぞれカートリッジ100外に設けた例えばパルスモータである上記カートリッジ用モータ23(前述の図2参照)の駆動力が上記リボン巻取りローラ駆動軸11及び上記テープ送りローラ駆動軸12に伝達されることによって回転駆動される。
被検出部190には、このカートリッジ100内における無線タグ回路素子Toの有無に関する情報(カートリッジ情報)が記録保持されている(すなわち無線タグ回路素子Toを備えた基材テープ101を備えているか、あるいは無線タグ回路素子Toを備えない通常のテープを備えているかについて、この例では前者である旨の情報が記録されている)。また、上記タグ有無に関する情報のほか、タグ属性パラメータ(テープ幅、無線タグ回路素子Toの配置間隔、IC回路部151及びアンテナ152の通信感度、IC回路部151のメモリ容量、通信に用いる通信プロトコル、電波送信出力、周波数、通信可能距離等)を記録するようにしても良い。本明細書では、上記タグ有無情報、タグ属性パラメータを含む各種情報を「テープ属性パラメータ情報」と総称する。基材テープ101に備えられる各無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報に対しアンテナ14よりアクセスを行う前に先立ち、その情報が読み取られ、対応する信号が制御回路30へ入力されるようになっている。なお、例えば情報サーバ7に、予めカートリッジ100の種類と無線タグ回路素子Toに関する各種のパラメータデータ(詳細は後述)との対応関係を格納保持しておき、上記被検出部190に記録されたカートリッジ100の種類情報をセンサ20で読み取ってこれに基づき上記情報サーバ7にアクセスすることで各種テープ属性パラメータ情報等を取得するようにしてもよい。
上記構成のカートリッジ100において、上記第1ロール102より繰り出された基材テープ101は、圧着ローラ107へと供給される。一方、第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置されたリボン供給側ロール111及びリボン巻取りローラ106で駆動されるインクリボン105が、上記印字ヘッド10に押圧されることで当該カバーフィルム103の裏面に当接させられるようになっている。
そして、カートリッジ100が上記装置本体8のカートリッジホルダ部に装着されロールホルダ(図示せず)が離反位置から当接位置に移動されると、カバーフィルム103及びインクリボン105が印字ヘッド10とプラテンローラ108との間に狭持されるとともに、基材テープ101及びカバーフィルム103が圧着ローラ107とサブローラ109との間に狭持される。そして、カートリッジ用モータ23の駆動力によってリボン巻取りローラ106及び圧着ローラ107が矢印B及び矢印Dで示す方向にそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、前述のテープ送りローラ駆動軸12と上記サブローラ109及びプラテンローラ108はギヤ(図示せず)にて連結されており、テープ送りローラ駆動軸12の駆動に伴い圧着ローラ107、サブローラ109、及びプラテンローラ108が回転し、第1ロール102から基材テープ101が繰り出され、上述のように圧着ローラ107へ供給される。一方、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出されるとともに、上記印刷駆動回路25により印字ヘッド10の複数の発熱素子が通電される。この結果、カバーフィルム103の裏面に印字R(後述の図7参照)が印刷される。そして、上記基材テープ101と上記印刷が終了したカバーフィルム103とが上記圧着ローラ107及びサブローラ109により接着されて一体化され、印字済ラベル用テープ110として形成され、カートリッジ100外へと搬出される。なお、カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105は、リボン巻取りローラ駆動軸11の駆動によりリボン巻取りローラ106に巻取られる。
ここで、本実施形態の特徴の一つとして、上記カートリッジホルダ部(図示せず)には、無線タグ回路素子を備えない通常の基材テープ101′を備えたカートリッジ100′を着脱可能に取り付けることもできる。図4は、このカートリッジ100′の詳細構造を説明するための説明図であり、上記図3に対応する図である。
図4において、カートリッジ100′では、第1ロール102が、リール部材102aの周りに、無線タグ回路素子Toのない通常の基材テープ101′を巻回している点が上記カートリッジ100と異なる。それ以外の構成及び繰り出し動作等は上記カートリッジ100と同様であるので説明を省略する。
また、このカートリッジ100′の被検出部190にも、上記カートリッジ100と同様、カートリッジ内における無線タグ回路素子Toの有無に関する情報が記録保持されている(この例では無線タグ回路素子Toを備えない通常のテープ101′を備えている旨の情報が記録されている)。また、その他、テープ幅等各種テープ属性パラメータ情報等を記録するようにしても良い。読み取られた情報は制御回路30へ入力される。
図5は、上記高周波回路21の詳細機能を表す機能ブロック図である。この図5において、高周波回路21は、アンテナ14を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部32と、アンテナ14により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波を入力する受信部33と、送受分離器34とから構成される。
送信部32は、制御回路30からの制御信号に応じ、無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報にアクセス(読み取り又は書き込み)するための搬送波を発生させる水晶振動子35、PLL(Phase
Locked Loop)36、及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)37と、上記信号処理回路22から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例では信号処理回路22からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路38(但し振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路38により変調された変調波(無線タグ情報)を、制御回路30からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定し増幅する可変送信アンプ39とを備えている。そして、上記発生される搬送波は、好適にはUHF帯やマイクロ波帯の周波数を用いており、上記送信アンプ39の出力は、送受分離器34を介してアンテナ14に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部151に供給される。なお、無線タグ情報は上記のように変調した信号に限られず、単なる搬送波のみの場合もある。
受信部33は、アンテナ14により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生させられた搬送波とを掛け合わせる受信第1乗算回路40と、その受信第1乗算回路40の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第1バンドパスフィルタ41と、この第1バンドパスフィルタ41の出力を増幅する受信第1アンプ43と、この受信第1アンプ43の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換する第1リミッタ42と、上記アンテナ14により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生された後に移相器49で位相を90°遅らせた搬送波とを掛け合わせる受信第2乗算回路44と、その受信第2乗算回路44の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第2バンドパスフィルタ45と、この第2バンドパスフィルタ45の出力を増幅する受信第2アンプ47と、この受信第2アンプ47の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換する第2リミッタ46とを備えている。そして、上記第1リミッタ42から出力される信号「RXS−I」及び第2リミッタ46から出力される信号「RXS−Q」は、上記信号処理回路22に入力されて処理される。
また、受信第1アンプ43及び受信第2アンプ47の出力は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)回路48にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」が信号処理回路22に入力されるようになっている。このようにして、本実施形態のタグラベル作成装置2では、I−Q直交復調によって無線タグ回路素子Toからの反射波の復調が行われる。
図6は、上記無線タグ回路素子Toの機能的構成を表す機能ブロック図である。この図6において、無線タグ回路素子Toは、タグラベル作成装置2側のアンテナ14とUHF帯等の高周波を用いて非接触で信号の送受信を行う上記アンテナ152と、このアンテナ152に接続された上記IC回路部151とを有している。
IC回路部151は、アンテナ152により受信された搬送波を整流する整流部153と、この整流部153により整流された搬送波のエネルギを蓄積しIC回路部151の駆動電源とするための電源部154と、上記アンテナ152により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部155に供給するクロック抽出部156と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部157と、上記アンテナ152に接続された変復調部158と、上記整流部153、クロック抽出部156、及び変復調部158等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部155とを備えている。
変復調部158は、アンテナ152により受信された上記タグラベル作成装置2のアンテナ14からの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部155からの応答信号に基づき、アンテナ152が受信した搬送波を変調し、アンテナ152より反射波として再送信する。
制御部155は、上記変復調部158により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部157において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部158により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
クロック抽出部156は受信した信号からクロック成分を抽出して制御部155にクロックを抽出するものであり、受信した信号のクロック成分の速度に対応したクロックを制御部155に供給する。
ここで、本実施形態の要部は、センサ20で検出したカートリッジ100,100′の種類(=カートリッジ情報。言い換えればカートリッジ100,100′に内蔵されているテープ101,101′の種類にも相当する)に応じて、端末5において自動的に当該テープ101,101′に対応した印字用のテンプレートがディスプレイ5a上に自動的に表示され、操作者がそのテンプレート上に印字したいデータ(例えばテキストデータ)を入力するだけで、当該テープ種類に対応した最適な印字態様を実現できるようになっていることである。以下、その内容を順を追って説明する。
図7(a)及び図7(b)は、無線タグ回路素子Toを備えたカートリッジ100がカートリッジホルダ部に装着されて、無線タグ回路素子Toへの情報書き込み及び印字済ラベル用テープ110の切断が完了し形成された無線タグラベルTの外観の一例を表す図であり、図7(a)は上面図、図7(b)は下面図である。また図8は、図7中VIII−VIII′断面による横断面図である。
これら図7(a)、図7(b)、及び図8において、無線タグラベルTは、図3に示した4層構造にカバーフィルム103が加わった5層構造となっており、カバーフィルム103側(図8中上側)よりその反対側(図8中下側)へ向かって、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、剥離紙101dで5層を構成している。そして、前述のようにベースフィルム101bの裏側に設けられたアンテナ152を含む無線タグ回路素子Toが粘着層101c内に備えられるとともに、カバーフィルム103の裏面に印字R(図では名札の例で、後述するようにそれぞれ所定のフォント、大きさで、会社名、部門名、氏名の3つの文字列「ABC工業株式会社 XXX開発部 堀田太郎」の文字列及び幅方向中央部にラベル長手方向に伸びる仕切線等)が印刷されている。またラベル長手方向両端部(図7中左右端部)には、無線タグ回路素子To入りの無線タグラベルTであることを示す無線タグラベルマークRoも併せて印字されている。
図9(a)及び図9(b)は、無線タグ回路素子Toを備えないカートリッジ100′がカートリッジホルダ部に装着されて、印字済のテープ110の切断が完了し形成されたラベルT′の外観の一例を表す図であり、図9(a)は上面図、図9(b)は下面図である。また図10は、図9中X−X′断面による横断面図である。
これら図9(a)、図9(b)、及び図10において、ラベルT′は、上記無線タグラベルT同様、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、剥離紙101dで5層を構成している。そして、カバーフィルム103の裏面に印字R′(図の例では「ABC工業株式会社 XXX開発部 堀田太郎」の文字、及び幅方向中央部にラベル長手方向に伸びる仕切線等)が印刷されている。このとき、このラベルTでは無線タグ回路素子Toが含まれていないことから、前述の無線タグラベルマークRoが省略されており、これに伴って印字R′のレイアウトも上記無線タグラベルTの印字Rとは異なる態様となっている。
図11は、上記無線タグ回路素子Toを含む基材テープ101を備えたカートリッジ100がカートリッジホルダ部に装着されたときにディスプレイ5a上に表示される、印字用のテンプレートの一例を表す図である。
図11において、このテンプレート200は、テープ幅が24mmで無線タグ回路素子Toの配置間隔が120mmである基材テープ101を備えたカートリッジ100の場合を示しており、切断余白をテープ長手方向両端10mmずつ設定する結果、テープの長さは100mmの固定長となっている。このテンプレート200には、IC回路部151を備えた無線タグラベルTであることを示す前述した無線タグラベルマークRoが予め設定されており、さらにその中間に部署印字領域204と、氏名印字領域206とが設定されている。なお、図では初期設定として部署印字領域204に「department」の文字が書き換え可能に設定されている状態、氏名印字領域206が「name」の文字が書き換え可能に設定されている場合を示しているが、実際の印字データ作成時には、それら部署印字領域204及び氏名印字領域206にはそれぞれ、操作者が名札作成対象として指定した者の「所属部署名」及び「氏名」が上記記憶装置5Eのデータベースから置き換えられて挿入されて(後述の図23等も参照)ディスプレイ5a上にイメージ表示される。
図12は、上記無線タグ回路素子Toを含まない基材テープ101′を備えたカートリッジ100′がカートリッジホルダ部に装着されたときにディスプレイ5a上に表示される、印字用のテンプレート300の一例を表す図である。
図12において、このテンプレート300は、上記図11のテンプレート200に対応するものであり、テープ幅が24mmである基材テープ101′を備えたカートリッジ100′の場合を示している。このテンプレート300には、上記テンプレート200同様中間部に部署印字領域304と、氏名印字領域306とが設定されているが、上記テンプレート200と異なり無線タグラベルマークRoは設定されない。上記同様、図では初期設定として部署印字領域304に「department」の文字が書き換え可能に設定されている状態、氏名印字領域306が「name」の文字が書き換え可能に設定されている場合を示しているが、実際の印字データ作成時にはそれぞれ、操作者が名札作成対象として指定した者の「所属部署名」及び「氏名」が記憶装置5Eのデータベースから置き換えられて挿入されて(後述の図23等も参照)ディスプレイ5a上にイメージ表示される。
また、このテンプレート300では、切断余白がテープ長手方向両端5mmずつ設定されるが、テープの長さは指定のフォントサイズ(この例では例えば20ドット、後述の図15参照)にて指定された文字列を配置した可変長となる。すなわち、部署表示領域304又は氏名印字領域306に印字する文字数に合わせて、指定されたフォントサイズで指定された文字列がおさまるように、自動でラベル長が決定される。なお、上記テンプレート300は、後述するベーステンプレートの一例を構成するものである。
一方、図13は、無線タグ回路素子Toを含む基材テープ101を備えたカートリッジ100がカートリッジホルダ部に装着されたときに表示される印字用のテンプレートの他の例を表す図である。このテンプレート210は、テープ幅が36mmで無線タグ回路素子Toの配置間隔が120mmである基材テープ101を備えたカートリッジ100の場合を示しており、上記図11と同様、切断余白をテープ長手方向両端10mmずつ設定する結果、テープの長さは100mmの固定長となっている。その他、無線タグラベルマークRo、部署印字領域214、氏名印字領域216の設定等については図11と同様であるので説明を省略する。
また図14は、上記無線タグ回路素子Toを含まない基材テープ101′を備えたカートリッジ100′がカートリッジホルダ部に装着されたときに表示される印字用のテンプレートの他の例を表す図である。このテンプレート310は、上記図13のテンプレート210に対応するテープ幅が36mmである基材テープ101′を備えたカートリッジ100′の場合を示しており、上記テンプレート210同様部署印字領域314、氏名印字領域316が設定され、無線タグラベルマークRoは設定されない。また、このテンプレート310では、切断余白がテープ長手方向両端5mmずつ設定されるが、テープの長さは可変長となり、文字配置も図13の場合の中央寄せではなく、左寄せと設定されている。なお、上記テンプレート310も、後述するベーステンプレートの一例を構成するものである。
なお、上記に図示した例では、部署表示領域204,214,304,314に指定されたフォントサイズで1行で印字したイメージ(印字文字数が少ない場合に相当)を表示しているが、印字する文字列が多い場合には、自動で小さいフォントを選択又は文字列を縮小して、2行にわたってレイアウトするようにしてもよい(前述の図7(a)参照)。
図15は、上記のようにして端末5のディスプレイ5aに表示されるテンプレートにおける印字に係わる各種設定項目及びそれぞれの設定値・設定態様の一例を一覧して示す説明図である。
図15において、上記設定項目としては、この例では、基材テープ101,101′の幅、ラベルT,T′の(長手方向)長さ、(切断時の)左右余白のサイズ、印字文字R,R′のフォントやフォントスタイル、テキストの縦方向(ラベル幅方向)及び横方向(ラベル長手方向)における整列方向、文字数の(制限)制御、テキストの塗りつぶし、全体の背景、無線タグラベルマークRoの有無等が設定されている。図示の例では、上記図11及び図12にそれぞれ示したテンプレート200,300についての各種設定の例を示している。
無線タグ回路素子Toのない場合の上記テンプレート300では、前述したように基材テープ101′の幅は24mm、ラベルT′の長手方向長さは自由長、切断時の左右余白のサイズ5mm、印字文字R′のフォントはゴシック体、フォントサイズは20ドット固定、フォントスタイルは太字、テキストの縦方向(ラベル幅方向)の整列方向は中央揃え、テキストの横方向(ラベル長手方向)における整列方向は左揃え、文字数の制限制御は自由長(制限なし)、テキストの塗りつぶしなし、全体の背景なし、無線タグラベルマークRoなし、等に設定されている。
無線タグ回路素子Toのある場合の上記テンプレート200では、前述したように基材テープ101の幅は24mm、タグラベルTの長手方向長さは100mmの固定長、切断時の左右余白のサイズ10mm、印字文字Rのフォントはゴシック体、フォントサイズは自動設定、フォントスタイルは太字、テキストの縦方向(ラベル幅方向)の整列方向は無線タグ回路素子Toの配置位置とテープ幅方向反対側揃え、テキストの横方向(ラベル長手方向)における整列方向は中央揃え、文字数の制限制御は外枠サイズ固定(枠サイズ内に制限。文字数が多い場合は上記のようにフォントサイズを小さく自動設定し、改行も行う)、テキストの塗りつぶしなし、全体の背景なし、無線タグラベルマークRoあり、等に設定されている。
なお、上記設定項目のほか、作成印字データの絵柄などのデザインなどの他の設定を備えることも可能である。
図16は、端末5のディスプレイ5a等に上記テンプレート200,300,210,310等を表示するための上記CPU5cの機能を表す機能ブロック図である。図16において、CPU5cは、操作手段5bの操作入力結果やこれに対応するルートサーバ4又は情報サーバ7におけるデータベースへのアクセス結果等に応じ、ラベルT,T′の使用対象物品(この例では例えば社員用名札)に係わる物品データ(前述の例では例えば当該会社における社員名簿及び各社員の各種データ)の処理や、タグラベル作成装置2のセンサ20の検出結果に基づく上記カートリッジ情報等の処理を行う外部データ処理部5Dと、ベーステンプレートファイルF1やタグ入りテープ用の置換テンプレートファイルF2を格納保持するデータベース(ファイルデータベース)を構成する記憶装置5E(記憶手段)と、上記カートリッジ情報に基づき上記ベーステンプレートファイルF1より対応するベーステンプレートを選択するベーステンプレート選択部5Aと、上記カートリッジ情報に基づき、対応する置換テンプレートファイルF2より対応する置換テンプレートを選択し、上記ベーステンプレートのうち一部の設定項目を置き換えて合成することで、ベーステンプレートとは異なるテンプレート(無線タグ回路素子Toを備えたカートリッジに対応するテンプレート等)を生成する置換テンプレート合成部5Bと、上記ベーステンプレート5A(又はこれと置換テンプレート5Bとを用いて合成した置換後のテンプレート)にテキスト等の印字データを挿入し、タグラベル作成装置2の上記印字ヘッド10を印字駆動させるための印字データ信号を作成する印字データ作成部5Cとを備えている。
記憶装置5E内には、この例では、図示のようにベーステンプレートファイルF1、タグ入りテープ用の置換テンプレートファイルF2等が例えばフォルダ形式で備えられている。なお、このデータベースは、端末5の記憶装置5E内に設けるのに限られず、別の箇所、例えば通信回線3を介して端末5やタグラベル作成装置2外に設けても良いし、タグラベル作成装置2内に設けても良い。
ベーステンプレートファイルF1は、例えば前述の図15で説明したテンプレート300,310における各種設定項目及びそれぞれの設定値・設定態様のデータが、この例ではテープ幅ごとに(24mm、36mm、…等)1つのファイルとして収納されている。すなわち、前述のテンプレート300の例に沿って説明すると、基材テープ101′の幅は24mm、ラベルT′の長手方向長さは自由長、切断時の左右余白のサイズ5mm、印字文字R′のフォントはゴシック体、フォントサイズは20ドット固定、フォントスタイルは太字、テキストの縦方向(ラベル幅方向)の整列方向は中央揃え、テキストの横方向(ラベル長手方向)における整列方向は左揃え、文字数の制限制御は自由長(制限なし)、テキストの塗りつぶしなし、全体の背景なし、無線タグラベルマークRoなし、等のデータが1つのファイルとして格納されている。
一方、置換テンプレートファイルF2は、例えば前述したテンプレート200,210等における各種設定項目及び設定値・設定態様のデータの表示を実現するためのものである。ここで本実施形態の特徴の一つとして、無線タグ回路素子To入りの基材テープ101に対するテンプレート200,210等の表示をディスプレイ5aに実現するにあたり、当該テンプレート200,210等のデータを上記ベーステンプレートファイルのようにテープ幅ごとに個別にファイルとして記憶するのではなく、同じテープ幅のベーステンプレートファイル300,310等のうち一部のデータを置き換えることでテンプレート200,210等の表示を実現するようになっている。置換テンプレートファイルF3はその置き換えを行うためのデータを各テープ幅ごとに(24mm、36mm、…等)1つのファイルとして収納したものである。
すなわち、前述の図15及び図11に示したテンプレート200の例(テープ幅24mmの場合)に沿って説明すると、ラベルT′長手方向長さ自由長→ラベルTの長さ100mm(固定)、切断時の左右余白のサイズ5mm→10mm、印字文字R′フォントサイズ20ドット固定→印字文字Rフォントサイズは自動制御、テキストの縦方向の整列方向中央揃え→上又は下揃え、テキストの横方向の整列方向左揃え→中央揃え、文字数の制限制御なし→枠サイズ固定制御無線タグラベルマークRoなし→ありという7つのデータ変換が1つのファイルとして格納されている。言い換えれば、テンプレート300とテンプレート200とで共通(同一設定)である、印字文字R′,Rのフォント(=ゴシック体)、フォントスタイル(=太字)、テキストの塗りつぶしなし、全体の背景なし、等のデータはテープ幅24mmの置換テンプレートファイルには備えられていない。
図17は、端末5のCPU5cが実行する制御手順を表すフローチャートである。図17において、例えば操作手段5bにおける適宜の操作(タグラベルの作成開始指示操作等)があるとこのフローが開始される。まず、ステップS302において、前述の外部データ処理部5Dで、通信回線3を介して上記ルートサーバ4(又は情報サーバ7)のデータベース(図示せず)にアクセスし、無線タグ回路素子Toの添付対象である物品(例えば名札)に係わる物品データ(例えば上記名札印刷用の社員データ)のリストを取得し、一旦RAMに記憶するとともにディスプレイ5aに表示制御信号を出力して当該リストを表示させる(又はタグラベル作成装置2の表示部53でもよい)。このリストには、例えば当該会社の部署名ごとに、各部署に属する全社員の氏名、性別、年齢、社員番号、肩書、入社年度等が記載されている。
上記ディスプレイ5a等への表示に応じ、操作者が操作手段5bを介し選択指示を行うと、次のステップS304において、外部データ処理部5Dで、上記ステップS302で取得した物品データ(社員データ)リストの中から当該選択指示された社員に係わるデータを抽出選択し、一旦RAMに記憶する。
その後、ステップS306に移り、外部データ処理部5Dで、タグラベル作成装置2の制御回路30より、センサ20での検出結果に基づく上記カートリッジ情報やさらにはテープ属性パラメータ情報(タグ属性パラメータを含む)を上記通信回線3を介して取得する。
その後、ステップS308に移り、外部データ処理部5Dで、上記ステップS306で取得したカートリッジ情報やテープ属性パラメータ情報等に基づき、タグラベル作成装置2のカートリッジホルダ部に装着されているのが、無線タグ回路素子Toを備えた基材テープ101を備えたカートリッジ100であるか、無線タグ回路素子Toを備えない通常の基材テープ101′を備えたカートリッジ100′であるかを判定する。
無線タグ回路素子Toを備えない通常の基材テープ101′を備えたカートリッジ100′が装着されていた場合はステップS308の判定が満たされ、ステップS310に移る。ステップS310では、前述のベーステンプレート選択部5Aで、記憶装置5EのデータベースのベーステンプレートファイルF1にアクセスし、その中から前述のステップS306で取得した属性パラメータ情報に対応したテンプレート(例えばテープ幅24mmのもの)を検索抽出し、一旦RAMに記憶させる。
一方、無線タグ回路素子Toを備えた基材テープ101を備えたカートリッジ100が装着されていた場合はステップS308の判定が満たされず、ステップS312に移る。ステップS312では、前述のベーステンプレート選択部5Aで、記憶装置5EのデータベースのベーステンプレートファイルF1にアクセスし、その中から前述のステップS306で取得したテープ属性パラメータ情報に対応したテンプレート(例えばテープ幅24mmのもの)を検索抽出し、一旦RAMに記憶させる。その後さらに、前述の置換テンプレート合成部5Bで、記憶装置5Eのデータベースのタグ入りテープ用置換テンプレートファイルF2にアクセスし、その中から前述のステップS306で取得したテープ属性パラメータ情報に対応したテンプレート(例えばテープ幅24mmのもの)を検索抽出し、一旦RAMに記憶させる。そして前述したように、上記テープ幅24mmのベーステンプレートファイルのうち一部の所定項目のデータを上記置換テンプレートファイルで置き換え、最終的にディスプレイ5a等で表示させるための(タグ有りカートリッジ100用の)テンプレートを合成し、一旦RAMに記憶させる。
上記ステップS310又はステップS312が終了したら、ステップS313に移り、ディスプレイ5aに表示制御信号を出力し、上記ステップS310又はステップS312でRAMに記憶したテンプレートを表示させる(前述の図11、図12、図13、図14等参照)。このステップS313が終了したら、ステップS314に移る。なお、このステップS313によるテンプレートの表示は必ずしも行わなくても良い。
ステップS314では、上記印字データ作成部5Cで、上記ステップS310又はステップS312でRAMに記憶保持させたテンプレートを読み出し、このテンプレートのうち置き換え可能な領域(前述の図11、図12、図13、図14等における部署印字領域204,304,214,314や、氏名印字領域206,306,216,316等を参照)に、ステップS304で抽出選択した社員に係わるデータを挿入して、印字データを作成する。
その後、ステップS316に移り、印字データ作成部5Cで、上記ステップS314で作成した印字データに対応する表示制御信号をディスプレイ5aに出力し、当該印字データにより実際にタグラベルT又はラベルT′が作成されたときのイメージ表示を行わせる。この表示は、例えば端末5のディスプレイ5aに、前述の図7(a)や図9(a)に示したような作成後のラベルT,T′の姿にほぼ等しいものが表示(プレビュー)される。
その後、ステップS318において、印字データ作成部5Cで、上記ステップS314で作成され上記ステップS316でイメージ表示された印字データと、上記ステップS304で選択された上記物品データ(前述の例では選択指示された社員に係わるデータ)を、通信回線3を介しタグラベル作成装置2の制御回路30へ出力(送信)し、このフローを終了する。
図18は、上述したラベルT,T′の作成、すなわち、カバーフィルム103を搬送し印字ヘッド10で所定の印字を行いつつ基材テープ101を貼り合わせて印字済ラベル用テープ110とした後印字済ラベル用テープ110を切断しラベルT,T′とする際に、制御回路30によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
この図18において、例えば操作者が端末5の操作手段5a(又は汎用コンピュータ6でもよい。以下、同様)を介し、タグラベル作成装置2におけるタグ情報読み取り又は書き込み操作(言い換えればタグラベル作成操作)を行うとこのフローが開始される。
まず、ステップS110において、先の図17に示したステップS318で端末5から出力された、印字ヘッド10によりラベルT,T′へ印字すべき印字情報と、アンテナ14より無線タグ回路素子ToのIC回路部151へ書き込むべき無線タグ情報(少なくとも無線タグ回路素子Toの識別情報を含み、例えば前述の例では社員に係わるデータ等の物品データを含んでも良い。あるいは、物品データを情報サーバ7等に格納保持し、無線タグ回路素子Toの識別情報と物品データとを関連づけるためのいわゆるひも付け情報を上記ルートサーバ4等に格納保持し、識別情報のみをIC回路部151へ書き込むようにしてもよい)とが、通信回線3及び入出力インターフェイス31を介し読み込まれる。なお、無線タグ回路素子を備えない通常の基材テープ101′を備えたカートリッジ100′を装着した場合は、ステップS110では印字情報のみが読み込まれる。
その後、ステップS115に移り、無線タグ回路素子Toからの応答がない場合にリトライ(再試行)を行う回数をカウントする変数N、及び通信良好か不良かを表すフラグFを0に初期化する。
次に、ステップS120において、カートリッジ駆動回路24に制御信号を出力し、カートリッジ用モータ23の駆動力によってリボン巻取りローラ106及び圧着ローラ107を回転駆動させる。これにより、第1ロール102から基材テープ101又は101′が繰り出され圧着ローラ107へ供給され、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出される。またこのとき、印刷駆動回路25に制御信号を出力し、印字ヘッド10を通電して、カバーフィルム103のうち所定の領域(例えば無線タグ回路素子を備えた基材テープ101を備えたカートリッジ100を装着した場合は、基材テープ101に所定ピッチで等間隔で配置された無線タグ回路素子Toの裏面に貼り合わせることとなる領域)に、上記ステップS110で読み込んだ文字、記号、バーコード等の印字Rを印刷させる。さらに送出ローラ駆動回路29を介して送出ローラ用モータ28に制御信号を出力し、送出ローラ17を回転駆動させる。以上の結果、前述したように基材テープ101又は101′と上記印刷が終了したカバーフィルム103とが上記圧着ローラ107及びサブローラ109により接着されて一体化され、印字済ラベル用テープ110として形成され、カートリッジ100又は100′外方向へと搬送される。
その後、ステップS125において、印字済ラベル用テープ110が所定値C(例えば無線タグ回路素子を備えた基材テープ101を備えたカートリッジ100を装着した場合は、対応する印字が施されたカバーフィルム103が貼り合わされた無線タグ回路素子Toが搬送ガイド13に到達するだけの搬送距離)だけ搬送されたかどうかを判断する。このときの搬送距離判定は、例えば、上記基材テープ101又は101′に設けた適宜の識別用マークを別途設けた公知のテープセンサで検出することにより行えば足りる。判定が満たされたら、次のステップS130に移る。
ステップS130では、無線タグ情報を無線タグ回路素子Toに送信し書き込む書き込み処理を行う(詳細は後述の図19を参照)。なお、無線タグ回路素子を備えない通常の基材テープ101′を備えたカートリッジ100′を装着した場合は、この手順を省略してもよい。
次のステップS140では、フラグF=0であるかどうかが判定される。書き込み処理が正常に完了していればF=0のまま(後述の図19に示すフローのステップS138参照)であるので、この判定が満たされ、ステップS141に移る。一方、何らかの理由で書き込み処理が正常に完了していない場合はF=1とされている(後述の図19に示すフローのステップS138参照)のでこの判定が満たされず、ステップS145に移り、印刷駆動回路25に制御信号を出力して印字ヘッド10を通電を中止し印字を停止させる。このように印字中途停止によって当該無線タグ回路素子Toが正常品でないことを明らかに表示するようにした後、後述のステップS160へ移る。なお、無線タグ回路素子を備えない通常の基材テープ101′を備えたカートリッジ100′を装着した場合は、これらステップS140及びステップS145の手順は省略される。
ステップS141では、上記ステップS130で無線タグ回路素子Toへ書き込んだ無線タグ情報と、これに対応して印字ヘッド10により印字された印字情報との組み合わせが、入出力インターフェイス31及び通信回線3を介して出力され、情報サーバ7やルートサーバ4に記憶される。なお、この記憶データは必要に応じて端末5又は汎用コンピュータ6より参照可能に例えばデータベース内に格納保持される。
その後、ステップS150で、カバーフィルム103のうちこの時点で処理対象としている所定領域(無線タグ回路素子を備えた基材テープ101を備えたカートリッジ100を装着した場合は、例えば無線タグ回路素子Toに対応する領域)への印字がすべて完了しているかどうかを確認した後、ステップS160へ移る。
ステップS160では、印字済ラベル用テープ110がカッタ15で切断されるべき所定位置にまで搬送されたかどうかを判定する。具体的には、例えば無線タグ回路素子を備えた基材テープ101を備えたカートリッジ100を装着した場合は、対象とする無線タグ回路素子To及びこれに対応するカバーフィルム103の印字領域のすべてがカッタ15を所定の長さ(余白量)分だけ越えたかどうかを、基材テープ101(詳細には例えば剥離紙101d、あるいはカバーフィルム103等でもよい)に対し各無線タグ回路素子Toに対応して設けた適宜の識別用マークをカートリッジ100外(例えばカッタ15のさらに搬送方向下流側)に設けた公知のテープセンサで検出することにより行えば足りる。
またこのような検出を行わず、印字Rの印字文字長に所定の余白領域分を加えた長さが無線タグ回路素子Toの全長を超えているかどうかを印字情報に基づき判定する(超えていれば、少なくともカバーフィルム103の印字が完了した段階でその余白領域外をカッタ15で切断するようにすれば、貼り合わせられる無線タグ回路素子Toを切断することは回避できるため)ことで代用してもよい。
上記ステップS160の判定が満たされたら、ステップS170に移る。ステップS170では、カートリッジ駆動回路24及び送出ローラ駆動回路29に制御信号を出力し、カートリッジ用モータ23及び送出ローラ用モータ28の駆動を停止して、リボン巻取りローラ106、圧着ローラ107、送出ローラ17の回転を停止する。これにより、第1ロール102からの基材テープ101又は101′の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び送出ローラ17による印字済ラベル用テープ110の搬送が停止する。
次のステップS180では、ソレノイド駆動回路27に制御信号を出力してソレノイド26を駆動し、カッタ15によって印字済ラベル用テープ110の切断を行う。前述したように、この時点で、印字済みラベル用テープ110はカッタ15を十分に越えており、このカッタ15の切断によって、無線タグ回路素子Toの無線タグ情報が読み取られかつこれに対応する所定の印字が行われたラベル状の無線タグラベルT、若しくは、所定の印字が行われた印字ラベルT′が生成される。
その後、ステップS190に移り、送出ローラ用駆動回路29に制御信号を出力し、送出ローラ用モータ28の駆動を再開して、送出ローラ17を回転させる。これにより、送出ローラ17による搬送が再開されて上記ステップS180でラベル状に生成された無線タグラベルT又は印字ラベルT′が搬出口16へ向かって搬送され、搬出口16から装置2外へと排出される。
図19は、無線タグ回路素子を備えた基材テープ101を備えたカートリッジ100′が装着された場合に実行される、上記ステップS130の詳細手順を表すフローチャートである。
図19において、図18における前述のステップS125が終了すると、(適宜、公知の手法によって無線タグ回路素子Toの識別情報を設定した後)まずステップS131において、所望のデータをメモリ部157に書き込む「Program」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22で少なくとも上記識別情報を含む無線タグ情報としての「Program」信号が生成されて高周波回路21の送信部32及びアンテナ14を介して書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、そのメモリ部157に情報が書き込まれる。
その後、ステップS132において、メモリ部157の内容を確認する「Verify」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22で無線タグ情報としての「Verify」信号が生成されて高周波回路21の送信部32及びアンテナ14を介して書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、返信を促す。
そして、ステップS133に移り、上記「Verify」信号に対応して上記無線タグ回路素子Toから送信(返信)されたリプライ(応答)信号をアンテナ14を介して受信し、高周波回路21の受信部33及び信号処理回路22を介し取り込む。
次に、ステップS134において、上記ステップS133の受信結果に基づき、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部157内に記憶された情報を確認し、前述の送信した所定の情報がメモリ部157に正常に記憶されたか否かを判定する。
判定が満たされない場合はステップS135に移ってNに1を加え、さらにステップS136においてN=5かどうかが判定される。N≦4の場合は判定が満たされずステップS131に戻り同様の手順を繰り返す。N=5の場合はステップS137に移る。ステップS137では、エラー表示信号を入出力インターフェイス31及び通信回線3を介し上記端末5又は汎用コンピュータ6へ出力し、対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせた後、ステップS138でフラグF=1としてこのルーチンを終了する。このように、情報書き込みが不調でも5回までは再試行が行われることにより、書き込み信頼性の確保上、万全を期すことができる。
一方、S134の判定が満たされたら、ステップS139に移り、以後の情報書き込みを禁止するための「Lock」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22で「Lock」信号が生成されて高周波回路21を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、当該無線タグ回路素子Toへの新たな情報の書き込みが禁止される。これにより、書き込み対象とする無線タグ回路素子Toへの無線タグ情報の書き込みが完了し、前述のようにして無線タグ回路素子Toが排出される。ステップS139が終了したら、このフローを終了する。
なお、以上は、無線タグ回路素子Toに対し無線タグ情報を送信しIC回路部151に書き込みを行って無線タグラベルTを作成する場合を説明したが、これに限られず、予め所定の無線タグ情報が書き換え不可に記憶保持されている読み取り専用の無線タグ回路素子Toから無線タグ情報を読み取りながら、これに対応する印字を行って無線タグラベルTを作成する場合がある。
この場合には、無線タグ回路素子を備えた基材テープ101を備えたカートリッジ100が装着された場合であっても、図18におけるステップS110において印字情報のみを読み込み、ステップS130で無線タグ情報の読み込み処理を行うようにすればよい(詳細は後述の図20参照)。その後ステップS141では印字情報とその読み込んだ無線タグ情報との組み合わせを保存する。
図20は、上記無線タグ読み取り処理の詳細手順を表すフローチャートである。
この図20において、ステップS201では、情報読み取り対象とする無線タグ回路素子Toに記憶された情報を読み出す「Scroll
All ID」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22で無線タグ情報としての「Scroll All ID」信号が生成されて高周波回路21を介して読み取り対象の無線タグ回路素子Toに送信され、返信を促す。
次に、ステップS202において、上記「Scroll All ID」信号に対応して読み取り対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号(少なくとも無線タグ回路素子Toの識別情報を含む無線タグ情報)をアンテナ14を介して受信し、高周波回路21及び信号処理回路22を介し取り込む。
次に、ステップS203において、上記ステップS202で受信したリプライ信号に誤りがないか否かを公知の誤り検出符号(CRC符号;Cyclic Redundancy Check等)を用いて判定する。
判定が満たされない場合はステップS204に移ってNに1を加え、さらにステップS205においてN=5かどうかが判定される。N≦4の場合は判定が満たされずステップS201に戻り同様の手順を繰り返す。N=5の場合はステップS206に移り、エラー表示信号を入出力インターフェイス31及び通信回線3を介し上記端末5又は汎用コンピュータ6へ出力し、対応する読み取り失敗(エラー)表示を行わせた後、ステップS207でフラグF=1としてこのルーチンを終了する。このように、情報読み取りが不調でも5回までは再試行が行われることにより、読み取り信頼性の確保上、万全を期すことができる。
一方、ステップS203の判定が満たされた場合、読み取り対象とする無線タグ回路素子Toからの無線タグ情報の読み取りが完了し、このルーチンを終了する。
以上において、端末5のCPU5cが実行する図17のフローのステップS306が、各請求項記載の、テープ設置用ホルダを用いて設置される被印字テープに貼り合されるテープのテープ属性パラメータ情報を取得するパラメータ情報取得手段を構成する。
また、図11、図12、図13、図14等に示すテンプレート200,300,210,310等が、パラメータ情報取得手段で取得したテープ属性パラメータ情報に応じ、印字手段の印字内容に関して複数組設定された設定因子群に相当し、図17のステップS313が、印字手段の印字内容に関して複数組設定された設定因子群の中から、対応する少なくとも1組の設定因子群を表示手段に表示させるための因子群表示制御信号を出力する因子群表示制御信号出力手段を構成する。
また、図12、図14、図15等を用いて説明したベーステンプレート300.310等が、パラメータ情報取得手段で取得したテープ属性パラメータ情報に対応する設定因子群の表示手段での表示を実現させるために、予め記憶手段に格納保持された基本設定因子群に相当し、図15に示す各設定項目とそれぞれに対応する設定値又は設定態様がその設定因子に相当し、図17に示すフローのステップS312が、パラメータ情報取得手段で取得したテープ属性パラメータ情報に対応する設定因子群の表示手段での表示を実現させるために、予め記憶手段に格納保持された基本設定因子群に含まれる少なくとも1つの設定因子を、対応する別の設定因子に置換して表示するための置換制御信号を出力する置換制御信号出力手段を構成する。
また、信号処理回路22及び高周波回路21の送信部32が、無線タグ回路素子のIC回路部へのアクセス情報を生成し、装置側アンテナを介して非接触で無線タグ回路素子に送信し、IC回路部へのアクセスを行う情報アクセス手段を構成する。
以上説明したように、本実施形態のタグラベル作成装置2においては、カートリッジホルダ部にカートリッジ100又は100′が設置されると、それぞれに備えられる基材テープ101又は101′のテープ属性パラメータ情報(タグ有無情報、タグ属性パラメータ)がセンサ20で検出されて制御回路30へ入力される。そして、端末5では、当該テープ属性パラメータ情報に応じて、最適な(良好な印字態様を典型的に実現できる)テンプレート200,300,210,310等が表示される。すなわち、多種多様なニーズに応じて操作者がどのようなカートリッジをカートリッジホルダ部に設置したとしても、それに応じてそのカートリッジに対して最適なテンプレートを自動的に関連付けてディスプレイ5aに表示されるので、面倒な設定操作を行うことなく、容易にタグラベル作成装置2の印字ヘッド10で最適な印字を行って所望のラベルT,T′を作成することができ、利便性を向上することができる。
このとき、本実施形態では特に、無線タグ回路素子Toを備えた基材テープ101を備えたカートリッジホルダ部にカートリッジ100が設置されるか、無線タグ回路素子Toを備えない通常の基材テープ101′を備えたカートリッジ100′が設置されるかによって、異なるテンプレート200,210等又はテンプレート300,310等をディスプレイ3aに表示させる。すなわち、ニーズに応じて操作者がカートリッジ100を設置した場合でもタグのないカートリッジ100′を設置した場合でも、それぞれに応じて最適なテンプレート200,210等又は300,310等を自動的に関連付けてディスプレイ3aに表示できるので、面倒な設定操作を行うことなく、容易に無線タグラベルT又はタグのない通常のラベルT′を同一のラベル作成装置2で切り替えて作成することができ、さらに利便性を向上できる効果がある。
また、前述したように、IC回路部151及びアンテナ152の通信感度、IC回路部151のメモリ容量、通信に用いる通信プロトコル、電波送信出力、周波数、通信可能距離等を被検出部190に記録するようにした場合には、例えば、テープ101,101′に備えられる無線タグ回路素子Toの通信距離の長短、通信プロトコルの種類、IC回路部151のメモリ容量等に応じて、大きな字でしか印字できないテンプレートとしたり、小さな字でも印字できるテンプレート等とすることも可能である。また大きな字でしか印字できないテンプレートとした場合にはある大きさで印字し、印字し切れなかった分は無線タグ回路素子Toに記憶させる等とすることも可能となる。
また、上記テンプレート200,210等又はテンプレート300,310等を切り替えてディスプレイ3aに表示するにあたり、本実施形態では特に、以下の効果もある。すなわち、カートリッジ種類(言い換えれば基材テープの種類)に応じた最適なテンプレートをディスプレイに表示するにあたり、各テンプレートごとにすべての設定因子をデータとして端末5に備えられた記憶装置5Eのデータベースに記憶すると、記憶装置5Eに必要となる記憶容量が膨大となる。そこで、本実施形態では特に、無線タグ回路素子Toを備えない通常の基材テープ101′を備えたカートリッジ100′装着時に対応したベーステンプレート300,310等を予め記憶装置5Eに格納保持するとともに、無線タグ回路素子Toを備えた基材テープ101を備えたカートリッジ100装着時に対応したテンプレート200,210等をディスプレイ5aに表示させる場合については、置換テンプレート合成部5Bで、上記ベーステンプレート300,310等に含まれる少なくとも1つの設定因子を置き換えることで上記テンプレート200,210等の表示を実現する。これにより、テンプレート200,210等の表示のために必要なデータ量を低減することができるので、結果として記憶装置5Dにおいて必要な記憶容量を大幅に低減することができる。
なお、上記実施形態は、上記以外にも、その趣旨と技術思想の範囲を逸脱しない範囲でさらに種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順次説明する。
(1)タグ配置間隔に応じてテンプレートを変える場合
上記においては、基材テープ101上に無線タグ回路素子Toを120mm間隔で配置したカートリッジ100が装着された場合に対応し、切断余白をテープ長手方向両端10mmずつ設定してテープの長さは100mmの固定長としたテンプレート200,300を例にとって説明した(図11、図13、図15参照)が、これに限られない。すなわち、他の寸法、例えば基材テープ101上に無線タグ回路素子Toが100mm間隔で配置されたカートリッジ100を装着して用いる場合には、図11に対応する図21に示すような、切断余白をテープ長手方向両端10mmずつ設定しテープの長さを80mmの固定長としたテンプレート230を用いればよい。これら以外の他の寸法についても同様に、対応するテンプレートを予め設けておいて用いるようにすればよい。また、前述の図17のステップS306で取得した属性パラメータ情報にこのようなタグ配置間隔情報が含まれている場合には、これに応じてステップS310において記憶装置5EのデータベースのベーステンプレートファイルF1の中から対応したテンプレートを検索抽出して用いるようにしてもよい。またステップS312についても同様に、タグ配置間隔情報に応じて、記憶装置5Eのデータベースの置換テンプレートファイルF2の中から対応したテンプレートを検索抽出して用いるようにすればよい。
本変形例によれば、ニーズに応じて操作者が種々様々な無線タグ回路素子間隔Toの基材テープ101を設置した場合でも、それぞれに応じて最適なテンプレートを自動的に関連付けて表示することができる。この結果、面倒な設定操作を行うことなく、各種無線タグ回路素子間隔の基材テープ101を基に、容易に長さの違うタグラベルTを同一のタグラベル作成装置で切り替えて作成することができ、さらに利便性を向上できる効果がある。
(2)複数のテンプレートによる印字イメージを一覧表示する場合
図22は、この変形例における端末5のCPU5cが実行する制御手順を表すフローチャートであり、前述の図17に対応する図である。図17と同等の手順には同一の符号を表し、説明を省略する。
図22において、本変形例では、前述のステップS314に代えて新たにステップS314′が設けられる。このステップS314′では、上記印字データ作成部5Cで、ステップS314と同様、上記ステップS310又はステップS312でRAMに記憶保持させたテンプレートを読み出し、このテンプレートのうち置き換え可能な領域にステップS304で抽出選択した社員に係わるデータを挿入して、印字データを作成する。そしてさらに、上記ステップS310又はステップS312でRAMに記憶保持させたテンプレートとは別の、例えば当該テンプレートの別候補として予め関係づけられて設定記憶された(少なくとも1つの)所定のテンプレートについても、上記同様に置き換え可能な領域にステップS304で抽出選択した同一のデータを挿入し、印字データを作成する。
その後、前述のステップS316に代えて新たに設けたステップS316′に移り、印字データ作成部5Cで、上記ステップS314′で作成した複数の印字データにそれぞれ対応する表示制御信号をディスプレイ5aに出力し、当該印字データにより実際にタグラベルT又はラベルT′が作成されたときの複数のイメージ表示を比較一覧可能にして行わせる。
図23はこのときのディスプレイ5aの表示の一例を表す図である。この例では、無線タグ回路素子Toを備えた基材テープ101を有するカートリッジ100が装着された状態で、これに対応したテンプレート200,300等によって印字イメージが作成され、図示右側の「タグありイメージ」として表示されている。その下部には「このままこのテンプレートで印刷します」というチェックボックスが設けられている。一方このとき別テンプレート候補として、無線タグ回路素子Toを備えない基材テープ101′を有するカートリッジ100′が装着された場合に相当するテンプレート210,310等によって別の印字イメージが作成され、図示左側の「タグなしイメージ」として表示されている。その下部には「このテンプレートに変えて印刷します」というチェックボックスが設けられている。
図22に戻り、ステップS316′が終了するとステップS319に移り、現在表示しているテンプレートを用いて印字して良い旨の操作入力が操作手段5bを介して操作者よりあったかどうかを判定する。操作者が、例えば、図示右側の「タグありイメージ」の下部の「このままこのテンプレートで印刷します」というチェックボックスをチェックして、さらに「よろしいですか?」表示に対応して「Yes」入力を行うと、このステップS319の判定が満たされ、前述と同様のステップS318に移り、印字データ作成部5Cで、上記ステップS314′で作成され上記ステップS316′でイメージ表示された印字データと、上記ステップS304で選択された上記物品データを、通信回線3を介しタグラベル作成装置2の制御回路30へ出力(送信)し、このフローを終了する。
一方、操作者が、参考として表示された印字イメージの方がよいと(思い直して)判断し、例えば、図23における図示左側の「タグなしイメージ」の下部の「このテンプレートに変えて印刷します」というチェックボックスをチェックして、さらに「よろしいですか?」表示に対応して「Yes」入力を行うと、このステップS319の判定が満たされず、新たに設けたステップS320に移る。
ステップS320では、通信回線3を介しタグラベル作成装置2に制御回路30にアクセスし、センサ20の検出信号に基づき、カートリッジが上記「このテンプレートに変えて印刷します」のテンプレートに対応するカートリッジ(前述の例では無線タグ回路素子Toのない通常の基材テープ101′を備えたカートリッジ100′)に交換されたかどうかを判定する。交換されるまでは次のステップS320の判定が満たされず、ステップS321に移り、所定の報知制御信号を例えばディスプレイ5aに出力し、図24に示すように、最終的に操作者の意志で選択したテンプレートと現在カートリッジホルダ部に装着されているカートリッジとが合致していない旨の所定の警報表示を行う。なお、視覚的報知である表示に限らず、音声的報知等を行うようにしても良い。
カートリッジが交換され表示テンプレートと合致するようになったことがセンサ20によって検出されたら、ステップS320の判定が満たされ、前述のステップS318に移る。
以上において、図22のステップS316′が、各請求項記載の、印字手段の印字動作に対し、複数の異なる設定因子群をそれぞれ適用した場合の複数の印字イメージを、互いに比較可能に表示手段に表示させるためのイメージ表示制御信号を出力するイメージ表示制御信号出力手段を構成する。
また、ステップS318が、上記イメージ表示制御信号に基づく表示手段の表示に対応して、対応しない印字イメージによる印字を選択する選択操作手段(端末5の操作手段5b)の操作に基づく信号が入力された場合、当該信号に対応した印字を印字手段で行うための印字制御信号を出力する印字制御信号出力手段を構成する。
さらに、ステップS321が、表示手段の表示に対応して、対応しない印字イメージによる印字を選択する選択操作手段の操作に基づく信号が入力された場合、これに対応する報知を行う報知手段(ディスプレイ5a)より操作者に行うための報知制御信号を出力する報知制御信号出力手段を構成する。
以上のように構成した本変形例によれば、図23に示すようなディスプレイ5aにおける複数のテンプレートに基づくイメージの一覧表示によって、操作者は、ラベルT,T′を実際に作成する前に、互いに異なるテンプレートを適用した場合の印字イメージを比較し、ラベルの出来栄えを目で見て確認することができる。
特に、カートリッジホルダ部に設置したカートリッジに対応したテンプレートによる印字イメージを確認できるだけでなく、その参考としてそれとは別の上記設置カートリッジとは対応しないテンプレートによる印字イメージも目で見て比較することができ、さらに、その参考として表示されたテンプレート(別テンプレート候補)を改めて選択してこれに基づく印字を行うこともできるので、これによっても利便性をさらに向上することができる。
また、上記のように別テンプレート候補を改めて選択したとき、(カートリッジを交換するまでは)そのテンプレートと現在のカートリッジがそのままでは対応しておらず交換すべきである旨を、図24に示すようにして確実に操作者側に認識させることができる。
(3)テンプレートを編集可能とする場合
すなわち、以上においては、テンプレート200,210,230,300,310等がディスプレイ3a上に表示されても、各テンプレート自体の設定因子、例えば図15に示した基材テープ101,101′の幅、ラベルT,T′の(長手方向)長さ、(切断時の)左右余白のサイズ、印字文字R,R′のフォントやフォントスタイル、テキストの縦方向(ラベル幅方向)及び横方向(ラベル長手方向)における整列方向、文字数の(制限)制御、テキストの塗りつぶし、全体の背景、無線タグラベルマークRoの有無等の設定値又は設定態様は、各テンプレートごとに固定であったが、これに限られない。
すなわち、例えば端末5の操作手段5bを適宜操作することで、上記テンプレートの設定値・設定態様固定の通常モードから、設定値・設定態様を変更する編集モードに切り替わり、この編集モードにおいて操作手段5b(編集操作手段)の操作でそれら数値や態様等を操作者が変更可能としても良い。そして、CPU5cはその変更された内容に対応した表示制御信号をディスプレイ5aに出力し、当該表示を行わせる。
これにより、操作者は、カートリッジホルダ部に設置したカートリッジ100,100′に対応して自動的に表示されたテンプレート200,300等をディスプレイ5a上で確認した後、操作手段5bによりそのテンプレートに含まれる少なくとも1つの設定因子を所望の態様に変更することができるので、これによっても利便性をさらに向上することができる。
またこのとき、上記のような編集モードにおける編集を完全に操作者の自由に可能とせず、所定の制限を加えるようにしても良い。すなわち、上記操作手段5aによって操作者が上記編集操作を行おうとする段階で、センサ20で検出され制御回路30で取得されたカートリッジ情報に基づき、当該カートリッジが無線タグ回路素子Toを備えた基材テープ101入りのカートリッジ100等であるかどうか、あるいはその他のテープ属性パラメータ情報に対応し、編集操作において操作者が設定可能な数値の範囲を制限してディスプレイ5aに表示する(例えばカートリッジ100に対応したテンプレート200であれば、「左右余白サイズ」は0〜10mmの範囲でのみ編集可能とする等)か、あるいは、選択肢として予め限定したもののみを表示する(例えばカートリッジ100に対応したテンプレート200であれば、「テキスト整列横方向」は中央揃えと左揃えのみ選択編集可能とする等)。
このように制限を設けることにより、自動的に表示されたテンプレートに含まれる設定因子を操作者が所望の態様に変更する際に、もともとカートリッジホルダ部に設置されたカートリッジに対応する形で、その変更が許容される範囲を(無理のない範囲で)制限して表示することができる。
(4)表示手段や操作手段をタグラベル作成装置側に設ける場合
すなわち、以上において説明した端末5のディスプレイ5aの表示手段としての機能や操作手段5bの機能(選択操作手段としての機能を含む)を、タグラベル作成装置2の上記表示部53や上記操作部52でそれぞれ代用しても良い。この場合、例えば上記においてCPU5cからディスプレイ5aに向けて出力していた各種表示制御信号等は、上記通信回線3を介しタグラベル作成装置2の入出力インターフェイス31及び制御回路30より上記表示部53へ入力されて、対応する表示が行われる。また、上記において操作手段5bからCPU5cに入力されていた各種操作信号等は、タグラベル作成装置2の上記操作部52から制御回路30及び入出力インターフェイス31を介し、通信回線3によって端末5のCPU5cに入力され、対応する処理や制御等が行われる。なおこの場合、タグラベル作成装置2側の操作部52は、この表示手段に表示された前記少なくとも1組の設定因子群に対応した、印字手段による印字に関する指示データ(印字ヘッド10で印字するテキストデータ)を入力するデータ入力手段をも構成している。
本変形例によっても、上記実施形態と同様の効果を得る。
(5)局所的なネットワークを用いる場合
以上は、タグラベル作成装置2、端末5等が通信回線3を介して(広域の)ネットワークに組み込まれた場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、例えば図25に示すように、タグラベル作成装置2と端末5が(その他の外部回線とは接続しない)局所的なネットワーク(いわゆるLAN等)によって接続され、これらによって無線タグ生成システム1′を形成しても良い。
本変形例によっても、上記実施形態や(1)〜(4)の変形例と同様の効果を得ることができる。
(6)タグラル作成装置単体がすべての機能を備える場合
すなわち、上記(4)の変形例のような操作手段(選択操作手段、編集操作手段を含む)や表示手段(報知手段も含む)の機能のみならず、上記実施形態の端末5の機能をすべてタグラベル作成装置2側に設ける(いわゆるスタンドアローンタイプとする)場合である。この場合、端末5のCPU5cで実行する図17や図22等に示した制御手順と同等の制御手順を、タグラベル作成装置2の制御回路30が実行することとなる。
この構成では、タグラベル作成装置2自体がそのまま請求項1等に記載のタグラベル編集装置を構成する。また、データベースを構成する記憶装置5Eと同等の記憶装置がタグラベル作成装置2に設けられ、同等の機能を果たすこととなる。
また、センサ20と制御回路30の実行する上記図17のステップS306が上記パラメータ情報取得手段を構成し、また制御回路30の実行する上記図17のステップS313が上記因子群表示制御信号出力手段を構成し、制御回路30の実行する上記図17のステップS312が、上記置換制御信号出力手段を構成し、制御回路30の実行する上記図22のステップS316′が、上記イメージ表示制御信号出力手段を構成し、制御回路30の実行する上記図22のステップS318が、上記印字制御信号出力手段を構成し、制御回路30の実行する上記図22のステップS321が、上記報知制御信号出力手段を構成する。また、タグラベル作成装置2の操作部52は、上記データ入力手段をも構成している。
本変形例によっても、上記実施形態や(1)〜(5)の変形例と同様の効果を得ることができる。
(7)その他
(7−A)テープの貼りあわせを行わない場合
すなわち、上記のように、無線タグ回路素子Toを備えた基材テープ101又は通常の基材テープ101′とは別のカバーフィルム103に印字を行ってこれらを貼り合わせるのではなく、タグテープに備えられたカバーフィルムに印字を行うタグラベル作成装置に本発明を適用してもよい。この場合、当該テープとして感熱テープを用いることができる(感熱テープに無線タグ回路素子Toを設置して基材テープ101相当のテープとする)。この場合、感熱テープが各請求項記載の被印字テープを構成するとともに、タグテープをも構成することとなる。
本変形例によっても、上記実施形態や各変形例と同様の効果を得る。
(7−B)テープ属性パラメータ情報取得の他の態様
以上においては、カートリッジの被検出部190より上記テープ属性パラメータ情報を検出し取得したが、これに限られない。すなわち、カートリッジ100,100′の本体にカートリッジ識別用無線タグ回路素子を設け、無線タグ情報通信装置2の装置本体8に新たに設けたアンテナによって上記カートリッジ識別用無線タグ回路素子のIC回路部に記憶したテープ属性パラメータ情報を読み込む(あるいは当該無線タグ回路素子の識別情報をもとに適宜のサーバのデータベースにアクセスしてテープ属性パラメータ情報を取得する)構成としてもよい。
この場合、メカニカルスイッチや光学センサ等からなるセンサ20を用いるよりも多くのパラメータデータを確実に取得でき、かつそのための操作者の手間が不要となるので、利便性が向上する。なお、上記無線通信のためのアンテナはアンテナ14と共通に構成してもよいし、もしくは独立したアンテナとして構成してもよい。
(7−C)テープの他の形態
また、以上において、基材テープや感熱テープがリール部材の周りに巻回されてロールを構成し、カートリッジ100,100′内にそのロールが配置されてテープが繰り出される場合を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシート(ロールに巻回されたテープを繰り出した後に適宜の長さに切断して形成したものを含む。また基材テープ101に相当するものには無線タグ回路素子Toが配置される)を、所定の収納部にスタックしてカートリッジ化し、このカートリッジをタグラベル作成装置2側のカートリッジホルダ部に装着して、上記収納部から移送、搬送して印字及び書き込みを行いラベルT,T′を作成するようにしてもよい。
さらにはカートリッジ方式にも限られず、上記ロールを直接タグラベル作成装置2側に装着する構成や、長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシートをタグラベル装置2外より1枚ずつ所定のフィーダ機構によって移送しタグラベル装置2内へ供給する構成も考えられる。これらの場合も、接触式、光学式、無線通信式等、何らかの公知の手法でそのテープ(シートを含む)の上記テープ属性パラメータ情報を装置側で取得するようにすることで、上記実施形態や各変形例と同様の効果を得ることができる。
(7−D)名札作成以外の用途
なお、以上は名札作成を例にとり、この名札作成用のアプリケーションが予め端末5に格納保持されており、このアプリケーションが起動されて各テンプレートを展開した状態を前提として説明したが、これに限られない。すなわち、固定資産管理用、オフィス文書管理用、汎用等、その他種々の用途に対してタグラベル作成装置2でラベルT,T′を作成するときにも本発明は適用でき、これらの場合、各用途に応じた適宜のアプリケーションが起動され、このアプリケーション上で各テンプレートが展開するようにすればよい。
また、既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
なお、以上で用いた「Scroll All ID」信号、「Erase」信号、「Verify」信号、「Program」信号等は、EPC globalが策定した仕様に準拠しているものとする。EPC globalは、流通コードの国際機関である国際EAN協会と、米国の流通コード機関であるUniformed Code Council(UCC)が共同で設立した非営利法人である。なお、他の規格に準拠した信号でも、同様の機能を果たすものであればよい。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。