以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態のラベル情報管理システムを表すシステム構成図である。
図1に示すこのラベル情報管理システム1は、有線あるいは無線による通信回線2を介して接続するルートサーバ3、情報サーバ4、端末(入出力制御手段)5、更新情報管理装置6、タグラベル作成装置(タグラベル作成手段)7及び通常ラベル作成装置(通常ラベル作成手段)201を備えている。
ルートサーバ3及び情報サーバ4は、詳細な図示を省略するが、それぞれハードディスク装置などからなる大容量の記憶装置を備えており、中央演算処理装置であるCPUなどの制御により、他の機器との間で各種情報を送受し、上記大容量記憶装置においてそれら各種情報の記憶、検索抽出を行ういわゆるデータベースとして機能するものである。
端末5は、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、RAM、マウス・キーボード等の操作部5a、ディスプレイ等の表示部5b等から構成されている。CPUは、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行い、それによって操作部5aを介した各種情報の入力や各種処理の実行命令の入力を受け付け、それら入力された情報や命令等を上記通信回線2を介して適宜他の機器へ出力するようになっている。特に、後述するようにルートサーバ3及び情報サーバ4の上記データベースへの上納入出力を制御する機能を実行する。また表示部は、他の機器から上記通信回線2を介して受け取った情報など所定の表示を行うようになっている。
更新情報管理装置6は、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、RAMから構成されており、上記端末5と同様にCPUが信号処理を行うことにより、上記端末5による上記ルートサーバ3及び上記情報サーバ4の更新の有無に応じ、上記タグラベル作成装置7による無線タグラベルTt(無線タグ回路素子Toを備えたラベル。詳細は後述)の作成又は上記通常ラベル作成装置201による通常ラベルTu(無線タグ回路素子Toを備えないラベル。詳細は後述)の作成に係わる所定の判別処理を行うものである(この判別処理については後に詳述する)。また、この更新情報管理装置6にも端末5と同様の操作部及び表示部を設けてもよい。
次に、タグラベル作成装置7について説明する。
図2は、上記タグラベル作成装置7の詳細構造の一例を表す概念的構成図である。この図2において、タグラベル作成装置7の装置本体9には、凹所としてのカートリッジホルダ部(第1カートリッジホルダ部;図示せず)が設けられ、このホルダ部に、タグラベル用カートリッジ100が着脱可能に取り付けられている。
装置本体9は、第2ロール104から繰り出されるカバーフィルム(タグラベル用被印字媒体)103に所定の印字(印刷)を行う印字ヘッド(サーマルヘッド、第1印字部)10と、カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105を駆動するリボン巻取りローラ駆動軸11と、カバーフィルム103と第1ロール102から繰り出されるタグラベル用基材テープ101とを貼り合わせつつ印字済タグラベル用テープ110としてタグラベル用カートリッジ100から繰り出すための圧着ローラ駆動軸12と、印字済タグラベル用テープ110に備えられる無線タグ回路素子To(詳細は後述)との間でUHF帯等の高周波を用いて無線通信により信号の送受を行うアンテナ14と、上記印字済タグラベル用テープ110を所定のタイミングで所定の長さに切断しラベル状の無線タグラベルTt(詳細は後述)を生成するカッタ15と、無線タグラベルTtを搬出口(排出口)16へと搬送し送出する送出ローラ17と、それらを収納するように外郭を構成し、タグラベル用カートリッジ100を着脱可能に嵌合させる上記カートリッジホルダ部及び上記搬出口16を備える筐体(ハウジング)9とを有する。
アンテナ14は、一方側(この例では図2の紙面に向かって手前側)に指向性を備えた指向性アンテナ(この例では周知であり、図示および詳細な説明を省略するパッチアンテナ)で構成されるとともに上記第1ロール102の軸方向(図2の紙面に向かって奥側)近傍に配置されており、第1ロール102のタグラベル用基材テープ101の送り出し部分近傍領域Xと通信可能となるように配置されている。この例では第1ロール102は領域Xに含まれず、第1ロール102から繰り出されたタグラベル用基材テープ101のみが領域Xに含まれる。なお、第1ロール102の一部が領域Xに含まれるようにしたり、第1ロール102のすべてが領域Xに含まれるようにしてもよい。
一方、装置本体9はまた、上記アンテナ14を介し上記無線タグ回路素子Toへアクセスする(書き込み又は読み取りを行う)ための高周波回路21と、無線タグ回路素子Toから読み出された信号を処理するための信号処理回路22と、前述したリボン巻取りローラ駆動軸11、圧着ローラ駆動軸12を駆動するカートリッジ用モータ23と、このカートリッジ用モータ23の駆動を制御するカートリッジ駆動回路24と、上記印字ヘッド10への通電を制御する印刷駆動回路25と、上記カッタ15を駆動して切断動作を行わせるソレノイド26と、そのソレノイド26を制御するソレノイド駆動回路27と、上記送出ローラ17を駆動する送出ローラ用モータ28と、この送出ローラ用モータ28の駆動を制御する送出ローラ駆動回路29と、上記高周波回路21、信号処理回路22、カートリッジ駆動回路24、印刷駆動回路25、ソレノイド駆動回路27、送出ローラ駆動回路29等を介し、タグラベル作成装置7全体の動作を制御するための制御回路30とを有する。
制御回路30は、いわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。またこの制御回路30は、入出力インターフェース31を介し上記通信回線2に接続され、この通信回線2に接続された前述のルートサーバ3、情報サーバ4、端末5、及び更新情報管理装置6との間で情報や信号のやりとり(端末5からの操作信号の入力等を含む)が可能となっている。
図3は、上記タグラベル用カートリッジ100の詳細構造を説明するための説明図である。
この図3において、タグラベル用カートリッジ100は、筐体100Aと、この筐体100A内に配置され帯状の上記タグラベル用基材テープ101が巻回された上記第1ロール102と、上記タグラベル用基材テープ101と略同じ幅である透明な上記カバーフィルム103が巻回された上記第2ロール104と、上記インクリボン105(熱転写リボン、但しカバーフィルムが感熱テープの場合は不要)を繰り出すリボン供給側ロール111と、印字後のリボン105を巻取るリボン巻取りローラ106と、上記タグラベル用基材テープ101と上記カバーフィルム103とを押圧し接着させ上記印字済タグラベル用テープとしつつ矢印Aで示す方向にテープ送りをする(=搬送手段として機能する)圧着ローラ107(第1搬送部)とを有する。
第1ロール102は、リール部材102aの周りに、長手方向に複数の無線タグ回路素子Toが所定の等間隔で順次形成された上記タグラベル用基材テープ101を巻回している。
タグラベル用基材テープ101はこの例では4層構造となっており(図3中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側(図3中右側)よりその反対側(図3中左側)へ向かって、適宜の粘着材からなる粘着層101a、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのベースフィルム101b、適宜の粘着材からなる粘着層101c、剥離紙101dの順序で積層され構成されている。
ベースフィルム101bの裏側(図3中左側)には、この例では情報の送受信を行うアンテナ(タグ側アンテナ)152が一体的に設けられており、これに接続するように情報を更新可能に(書き換え可能rewritableに)記憶するIC回路部151が形成され、これらによって無線タグ回路素子Toが構成されている。
ベースフィルム101bの表側(図3中右側)には、後にカバーフィルム103を接着するための上記粘着層101aが形成され、またベースフィルム101bの裏側(図3中左側)には、無線タグ回路素子Toを内包するように設けた上記粘着層101cによって上記剥離紙101dがベースフィルム101bに接着されている。なお、この剥離紙101dは、最終的にラベル状に完成した無線タグラベルTtが所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層101cにより当該商品等に接着できるようにしたものである。
第2ロール104は、リール部材104aの周りに上記カバーフィルム103を巻回している。第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記タグラベル用基材テープ101と接着される側)に配置された上記リボン供給側ロール111及び上記リボン巻取りローラ106で駆動されるリボン105が、上記印字ヘッド10に押圧されることで当該カバーフィルム103の裏面に当接させられるようになっている。
リボン巻取りローラ106及び圧着ローラ107は、それぞれタグラベル用カートリッジ100外に設けた例えばパルスモータである上記カートリッジ用モータ23(前述の図2参照)の駆動力が上記リボン巻取りローラ駆動軸11及び上記圧着ローラ駆動軸12に伝達されることによって回転駆動される。
上記構成のタグラベル用カートリッジ100において、上記第1ロール102より繰り出されたタグラベル用基材テープ101は、圧着ローラ107へと供給される。一方、第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記タグラベル用基材テープ101と接着される側)に配置されたリボン供給側ロール111及びリボン巻取りローラ106で駆動されるインクリボン105が上記印字ヘッド10に押圧されて当該カバーフィルム103の裏面に当接させられる。
そして、タグラベル用カートリッジ100が上記装置本体9のカートリッジホルダ部に装着されロールホルダ(図示せず)が離反位置から当接位置に移動されると、カバーフィルム103及びインクリボン105が印字ヘッド10とプラテンローラ108との間に狭持されるとともに、タグラベル用基材テープ101及びカバーフィルム103が圧着ローラ107とサブローラ109との間に狭持される。そして、カートリッジ用モータ23の駆動力によってリボン巻取りローラ106及び圧着ローラ107が矢印B及び矢印Dで示す方向にそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、前述の圧着ローラ駆動軸12と上記サブローラ109及びプラテンローラ108はギヤ(図示せず)にて連結されており、圧着ローラ駆動軸12の駆動に伴い圧着ローラ107、サブローラ109、及びプラテンローラ108が回転し、第1ロール102からタグラベル用基材テープ101が繰り出され、上述のように圧着ローラ107へ供給される。一方、第2ロール104からは矢印Aに示すようにカバーフィルム103が繰り出されるとともに、上記印刷駆動回路25により印字ヘッド10の複数の発熱素子が通電される。この結果、カバーフィルム103の裏面に印字R(後述の図7参照)が印刷される。そして、上記タグラベル用基材テープ101と上記印刷が終了したカバーフィルム103とが上記圧着ローラ107及びサブローラ109により接着されて一体化され、印字済タグラベル用テープとして形成され、矢印Aに示すようにタグラベル用カートリッジ100外へと搬出される。なお、カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105は、リボン巻取りローラ駆動軸11の駆動によりリボン巻取りローラ106に巻取られる。また、第1ロール102の繰り出し近傍にはガイドローラ120が設けられており、第1ロール102の残量により外径Drが変化しても装置側のアンテナ14と無線タグラベルTtの位置関係が所定の範囲となるように規制して、無線タグ回路素子Toとの通信条件を一定に保つようになっている。
図4は、上記高周波回路21の詳細機能を表す機能ブロック図である。この図4において、高周波回路21は、アンテナ14を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部32と、アンテナ14により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波を入力する受信部33と、送受分離器34とから構成される。
送信部32は、無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報にアクセスする(書き込み又は読み取りを行う)ための搬送波を発生させる水晶振動子35、PLL(Phase
Locked Loop)36、及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)37と、上記信号処理回路22から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例では信号処理回路22からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)して無線タグ情報を生成する送信乗算回路38(但し振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路38により変調された変調波を、制御回路30からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定し増幅する可変送信アンプ39とを備えている。そして、上記発生される搬送波は、例えばUHF帯又はマイクロ波等の周波数を用いており、上記送信アンプ39の出力は、送受分離器34を介してアンテナ14に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部151に供給される。なお、無線タグ情報は上記のように変調した信号に限られず、単なる搬送波のみの場合もある。
受信部33は、アンテナ14により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生させられた搬送波とを乗算して復調する受信第1乗算回路40と、その受信第1乗算回路40の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第1バンドパスフィルタ41と、この第1バンドパスフィルタ41の出力を増幅して第1リミッタ42に供給する受信第1アンプ43と、上記アンテナ14により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生された後に移相器49で位相を90°遅らせた搬送波とを乗算する受信第2乗算回路44と、その受信第2乗算回路44の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第2バンドパスフィルタ45と、この第2バンドパスフィルタ45の出力を入力するとともに増幅して第2リミッタ46に供給する受信第2アンプ47とを備えている。そして、上記第1リミッタ42から出力される信号「RXS−I」及び第2リミッタ46から出力される信号「RXS−Q」は、上記信号処理回路22に入力されて処理される。
また、受信第1アンプ43及び受信第2アンプ47の出力は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)回路48にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」が信号処理回路22に入力されるようになっている。このようにして、本実施形態のタグラベル作成装置7では、I−Q直交復調によって無線タグ回路素子Toからの反射波の復調が行われる。
図5は、上記無線タグ回路素子Toの機能的構成を表す機能ブロック図である。 この図5において、無線タグ回路素子Toは、タグラベル作成装置7側のアンテナ14とUHF帯等の高周波を用いて非接触で信号の送受信を行う上記アンテナ152と、このアンテナ152に接続された上記IC回路部151とを有している。
IC回路部151は、アンテナ152により受信された搬送波を整流する整流部153と、この整流部153により整流された搬送波のエネルギを蓄積しIC回路部151の駆動電源とするための電源部154と、上記アンテナ152により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部155に供給するクロック抽出部156と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部157と、上記アンテナ152に接続された変復調部158と、上記整流部153、クロック抽出部156、及び変復調部158等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部155とを備えている。
変復調部158は、アンテナ152により受信された上記タグラベル作成装置7のアンテナ14からの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部155からの応答信号に基づき、アンテナ152が受信した搬送波を変調し、アンテナ152より反射波として再送信する。
制御部155は、上記変復調部158により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部157において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部158により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
クロック抽出部156は受信した信号からクロック成分を抽出して制御部155にクロックを抽出するものであり、受信した信号のクロック成分の速度に対応したクロックを制御部155に供給する。
図6(a)及び図6(b)は、上述のようにして無線タグ回路素子Toの情報書き込み及び印字済タグラベル用テープ110の切断が完了し形成された無線タグラベルTtの外観の一例を表す図であり、図6(a)は上面図、図6(b)は下面図である。また図7は、図6中VII−VII′断面による横断面図である。
これら図6(a)、図6(b)、及び図7において、無線タグラベルTtは、図3に示した4層構造にカバーフィルム103が加わった5層構造となっており、カバーフィルム103側(図7中上側)よりその反対側(図7中下側)へ向かって、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、剥離紙101dで5層を構成している。そして、前述のようにベースフィルム101bの裏側に設けられたアンテナ152を含む無線タグ回路素子Toが粘着層101c内に備えられるとともに、カバーフィルム103の裏面に印字R(この例では無線タグラベルTtの種類を示す「RF−ID」の文字)が印刷されている。
図8は、上述したようなタグラベル作成装置7による無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報へのアクセス(書き込み又は読み取り)に際して、上記した端末5に表示される画面の一例を表す図である。
図8において、この例では、タグラベル種別、無線タグ回路素子Toに対応して印刷された印字文字R、その無線タグ回路素子Toに固有の識別情報(タグID)であるアクセス(読み取り又は書き込み)ID、上記情報サーバ4に記憶された(詳細は後述)物品情報(対象物情報)のアドレス、及び上記ルートサーバ3や上記情報サーバ4におけるそれらの関連情報の格納先アドレス等が上記端末5に表示可能となっている。
上述した構成により、タグラベル作成装置7は、カバーフィルム103へ上記印字文字Rの印刷を行うと共に、タグラベル用基材テープ中101の無線タグ回路素子ToのIC回路部151へ上記タグID(及び必要に応じてこれと対応する物品情報等の対象物情報の一部又は全部)の書き込みを行い、それらカバーフィルム103とタグラベル用基材テープ101を貼り合わせて切断し、無線タグラベルTtを作成することができる(IC回路部151への情報の書き込み処理のついては後に詳述する)。
上記のような書き込みの際、書き込まれた無線タグラベルTtのタグID(識別情報)と、その無線タグラベルTtの対象物(無線タグラベルTtが添付、貼着、取り付け、同梱される物品・商品・部材・機械・設備等)の情報(=物品情報等の対象物情報)等との対応関係(=相関情報;いわゆる「ひも付け情報」)は、前述のルートサーバ3に記憶され(なお、さらに情報サーバ4に記憶させてもよい)、必要に応じて参照できるようになっている。
次に、通常ラベル作成装置201について説明する。
図9は、上記通常ラベル作成装置201の詳細構造を表す概念的構成図である。
なお、上記図2に示したタグラベル作成装置7と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
この図9において、通常ラベル作成装置201の装置本体209には、凹所としてのカートリッジホルダ部(第2カートリッジホルダ部;図示せず)が設けられ、このホルダ部に、通常ラベル用カートリッジ300が着脱可能に取り付けられている。
その他、この図9に示す通常ラベル作成装置201の構成が上記図2に示したタグラベル作成装置7の構成と異なる点は、信号処理回路22、高周波回路21及びアンテナ14を備えておらず、つまり無線通信を介して無線タグ回路素子Toにアクセスする構成を備えていない点で相違している。これにより、通常ラベル作成装置201は、通常ラベル用カートリッジ300内の第2ロール304からカバーフィルム(通常ラベル用被印字媒体)303を繰り出して印字ヘッド(第2印字部)210で印刷し、それとともに第1ロール302から繰り出した通常ラベル用基材テープ301を印刷済みのカバーフィルム303に貼り合わせて印字済通常ラベル用テープ310とし、それを圧着ローラ駆動軸212で駆動される圧着ローラ107(第2搬送部)で繰り出して切断し通常ラベルTuを作成する構成となっている。
図10は、上記通常ラベル用カートリッジ300の詳細構造を説明するための説明図である。
この図10に示す通常ラベル用カートリッジ300内の詳細構造において、第1ロール302のリール部材302aに巻回された通常ラベル用基材テープ301は、無線タグ回路素子Toを備えておらず、前述の粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、剥離紙101dにそれぞれ相当する、適宜の粘着材からなる粘着層301a、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのベースフィルム301b、適宜の粘着材からなる粘着層301c、剥離紙301dの順序で積層され4層構造となっている。またカバーフィルム303は、前述のカバーフィルム103と同様のものであり、第2ロール304のリール部材304aに巻回されている。それ以外は、図3に示したタグラベル用カートリッジ100とほぼ同じ構造となっている。
また、作成される通常ラベルTuの構成についても、上記図6,図7に示す無線タグラベルTtから無線タグ回路素子Toを除いたものと同等の構成で、詳細な図示を省略するが、前述の4層積層構造にカバーフィルム303が加わった5層構造となっており、カバーフィルム303、粘着層301a、ベースフィルム301b、粘着層301c、剥離紙301dで5層を構成している。
さらに通常ラベルTuの作成時に端末5の表示部5bに表示される内容としては、上記図8に示した例におけるタグラベル種別のうちの無線周波数情報(915MHz)やアクセスID(タグID)の表示が不要となる。
上記構成により、通常ラベル作成装置201は、カバーフィルム303へ上記印字文字Rの印刷を行い、そのカバーフィルム303とタグラベル用基材テープ301を貼り合わせて切断することで通常ラベルTuを作成する。
以上において、本実施形態の最も大きな特徴は、上記端末5の操作により、上記情報サーバ4の情報に所定の変更がなされた場合、又は上記ルートサーバ3の相関情報に追加がなされた場合(以下において、これら情報サーバ4における「変更」又はルートサーバ3における「追加」を行う処理を併せて「更新」と称する)には、更新情報管理装置6がその更新を検知して所定の判別処理により上記タグラベル作成装置7による無線タグラベルTtの作成か、又は上記通常ラベル作成装置201による通常ラベルTuの作成のいずれか一方を行わせる。特に、作成した通常ラベルTuについては、データ変更前にタグラベル作成装置7で作成した無線タグラベルTtの上から重ね貼りすることで、データ変更に対応した印字付き無線タグラベルを実現することができるものである(詳細は後述)。
図11は、情報サーバ4のデータベースに記憶させる対象物情報及びこれに対応する対象物識別情報の内容を概念的に表した説明図である。ここでは、対象物として社員用名札を例に取り(したがって対象物情報は各社員に関する各種情報であり、対象物識別情報は社員氏名となる)、この名札に貼付する無線タグラベルTt(又は通常ラベルTu)の作成に本実施形態のラベル情報管理システム1を適用する場合について説明する。なお、この例では無線タグ回路素子ToにはタグIDのみを記憶させるものとし、ラベルにはその社員の名前と所属部署のみを印刷するものとする。
図11において、まず「名前」は社員の個人名を表すものであり、特に多数存在する社員の中から一人の個人を特定するための対象物識別情報として用いられる情報である。そしてこの対象物識別情報である名前に対応させて、「所属部署」、「電話番号(内線;直通外線番号でもよい)」、「メールアドレス」、「印字項目の変更フラグ(後述)」、「テンプレート番号」、「ラベル発行日時」、「データ更新日時」等の対象物情報が記憶されている。なお、特に図示しないが、他にも対象物情報として性別、年齢、肩書、入社年度等などを記憶してもよい。
そして上記対象物情報のうち、この例では「名前」と「所属部署」の情報がラベルに印字する印字項目に該当し、「印字項目の変更フラグ」は最も近いデータ更新時にそれら印字項目に変更があったか否かを表すフラグである。このフラグとしては、データ更新時に「名前」と「所属部署」の少なくとも1つに変更があった場合には「1」が記録され、データ更新時にそれら印字項目に変更がなかった場合や後述する無線タグラベルTt又は通常ラベルTuの作成後には「0」が記録される。
また、社員用名札に貼付するラベルの大きさやそこに印字する文字の配置・フォントなどといった印字態様は個人別に異なるものであり(例えば所属部署別に異なるなど)、「テンプレート番号」はその印字態様のひな型データ(テンプレートファイル)の種別を表す番号である(後述の図16参照)。
また、「ラベル発行日時」は無線タグラベルTt又は通常ラベルTuを前回発行した際の日時が記憶されており、まだ無線タグラベルTtが未発行である状態では何も記憶されていないことになる。「データ更新日時」は、情報サーバ4中の対象物情報のいずれか一つでも変更(社員の追加に伴うデータ新規作成も含む)があった場合にその際の日時が記憶されている。
図12は、この例においてルートサーバ3のデータベースに記憶させる対象物識別情報とタグID(タグ識別情報)との相関情報(ひも付け情報)の内容を概念的に示す図である。この図12において、ルートサーバ3は全てのタグ識別情報(タグID)にそれぞれ対応させて対象物情報(名前)が記憶可能な記憶構造となっており、そのうちの一部のタグIDにそれぞれ無線タグラベルTtを貼付した社員用名札を所持する社員の名前が記録されている。ここで、タグIDは不足することがないように例えば全社員数(社員に限らず名札を所持しうる人を含めた総人数)よりも余裕を持って多く設定されるものであり、そのため全てのタグIDにそれぞれ対応する名前が記憶されるわけではない。
また、例えば入社したばかりの社員や派遣社員などのように、情報サーバ4に登録されていながら無線タグラベルTt付きの名札を所持しない場合もあるため、情報サーバ4に登録されている社員全員の名前がルートサーバ3に登録されるわけではない。つまり、情報サーバ4に登録されている社員のうちでルートサーバ3に登録される(タグIDと名前との相関情報の追加)ことにより初めて無線タグラベルTt付きの名札を所持できることになる。
また、異動や退職などによりルートサーバ3、情報サーバ4から登録が消去されたり、ID番号順に関係なく空いているタグIDに新規に登録する場合もあるため、ID番号順の途中に名前の空きができることになる。
図13は、上記のような無線タグラベルTt又は通常ラベルTuの作成を行うために、更新情報管理装置6のCPUが行う制御手順を表すフローチャートである。
図13において、端末5の操作部5aにおいてラベル作成開始の指示命令が入力(例えばキー操作)されると、通信回線2を介して更新情報管理装置6のCPUがこの指示命令を受けてこのフローが開始される。
まずステップS5において、データベース中で登録してある全ての社員(ルートサーバ3には名前が登録)に対して処理を行うためのその検索変数Nを1に初期化する。このとき通信回線2を介しルートサーバ3にアクセスし、ルートサーバ3に名前を登録している登録人数(検索変数Nの上限値)も把握しておく。
次にステップS100に移り、通信回線2を介しルートサーバ3にアクセスし、ルートサーバ3においてN番目に登録されている人(登録者)に関しデータベース(ルートサーバ3及び情報サーバ4;図中ではDBと省略する)の情報が更新されているか否かを検知する更新検知処理を行う(後述の図14のフロー参照)。この更新検知処理では、上記図11に示している情報サーバ4内の対象物情報に基づいて無線タグラベルTt又は通常ラベルTuを作成する必要のあるデータの更新がなされているか否かを表す更新フラグFrを対応する値に設定(0で更新なし、1で更新あり)するとともに、データ更新がある場合にその更新が無線タグラベルTtを作成すべき相関情報の追加であるか、通常ラベルTuを作成すべき対象物情報の変更であるかを表す追加・変更フラグFaを対応する値(0で追加、1で変更)に設定する。
そして次のステップS10で、上記ステップS100の検知処理に基づき、データベース中N番目の人に関するデータベースの情報に更新がなされているか否か、すなわち更新フラグFrが1であるか否かを判定する。データベースの情報に更新がなされていない場合は更新フラグFrが0であるため判定が満たされず、無線タグラベルTt及び通常ラベルTuの作成を行わずに後述のステップS40に移る。また、データベースの情報が更新されている場合は更新フラグFrが1であるため判定が満たされ、次のステップS15へ移る。
次のステップS15では、上記ステップS100の検知処理に基づき、データベース中N番目の人に関するデータベースの情報の更新が情報サーバ4における対象物情報の変更であるか否か、すなわち追加・変更フラグFaが1であるか否かを判定する。ルートサーバ3における相関情報の追加がなされた(空いているタグIDに対応して新たに名前が登録された)場合は追加・変更フラグFaが0であるため判定が満たされず、ステップS55〜ステップS300のタグラベル作成手順を行う(後述)。相関情報の追加でなく情報サーバ4における対象物情報の変更であった場合は追加・変更フラグFaが1であるため判定が満たされ、次のステップS20へ移る。
ステップS20においては、情報サーバ4における対象物情報の変更が印字項目についての変更を含んでいるか否か、すなわち情報サーバ4の対象物情報の一つである前述の印字変更フラグFpが1であるか否かを判定する。印字変更フラグFpは、情報サーバデータ変更時に印字項目に変更があれば1に更新される値であり、対象物情報の変更が印字項目についての変更を含んでいない場合は印字変更フラグFpが0であるため判定が満たされず、通常ラベルTuを作成する必要がないとして通常ラベルTuの作成を行わずに後述のステップS35に移る。また、対象物情報の変更が印字項目についての変更を含んでいる場合には印字変更フラグFpが1であるため判定が満たされ、次のステップS25〜ステップS30の通常ラベル作成手順を行う。
まず次のステップS25において、通信回線2を介しルートサーバ3及び情報サーバ4にアクセスし、データベース中N番目の人に対応する印字項目の「名前」と「所属部署」の文字情報と「テンプレート番号」を取得する。このとき、ルートサーバ3からそのN番目に登録されている人の名前を取得し、情報サーバ4からその取得した「名前」に対応して記憶されている「所属部署」と「テンプレート番号」の情報を取得する。その後ステップS200の通常ラベル作成処理に移る。
ステップS200においては、上記ステップS25で取得した印字項目とそれに関連するテンプレート番号とともに通常ラベルTuの発行命令(ラベルを作成するための指示信号、ラベル作成開始信号)を通信回線2を介し通常ラベル作成装置201に出力して通常ラベルTuを作成させる(=指示信号出力手段、後述の図18のフロー参照)。このように、端末5の操作部5aから入力される操作者の操作信号を特に待たずに自動的に通常ラベル作成開始を行うことにより、操作者の手間や労力を低減するとともに、迅速にラベル作成を行うことができる。
次に、ステップS30において、情報サーバ4における印字変更フラグFpを、データベース中N番目の人の印字項目の変更に伴う通常ラベルTuの作成がすでに行われたことを表す0に書き換える。上記ステップS20及びこのステップS30の手順により、印字項目が変更された場合にのみ通常ラベル作成を実行するようにできるので、表示項目の変わらない無意味なラベルを重複して作成するのを防止することができる。ステップS30が終了したら、ステップS35に移る。
一方、上記ステップS15において、ルートサーバ3における相関情報の追加がなされ判定が満たされなかった場合、ステップS55〜ステップS300のタグラベル作成手順を行う。
まずステップS55において、通信回線2を介しルートサーバ3にアクセスし、データベース中N番目の人に対応するタグIDを取得する。そして次のステップS60において、上記ステップS25と同様、通信回線2を介しルートサーバ3及び情報サーバ4にアクセスし、N番目の人に対応する印字項目の「名前」と「所属部署」の文字情報と「テンプレート番号」を取得する。その後ステップS300のタグラベル作成処理に移る。
ステップS300においては、上記ステップS55で取得したタグID、上記ステップS60で取得した印字項目の文字情報及びテンプレート番号とともに無線タグラベルTtの発行命令を通信回線2を介しタグラベル作成装置7に出力して無線タグラベルTtを新規に作成させる(=指示信号出力手段、後述の図15のフロー参照)。そして、ステップS35に移る。
上述のようにして、ステップS20の判定が満たされず、あるいはステップS30が終了し、あるいはステップS300が終了して移行するステップS35では、通信回線2を介し情報サーバ4にアクセスして情報サーバ4において対応するラベル発行日時をその時点での日時に書き換え、同じ印字のラベルを繰り返し作成されるのを防ぐようにする。その後ステップS40に移る。
ステップS40では、以上の処理状況及び結果を踏まえ、通信回線2を介し端末5にアクセスし、データサーバ中N番目の人のラベルの発行状況(データベースの更新がなかった場合や印字項目の変更がなかった場合でラベルを作成しなかった状況をも含む)についての情報を端末5の表示部(確認表示手段)5bに表示させる。これにより、対象物情報のデータ変更を操作者に確実に認識させ、また作成された通常ラベルTuの重ね貼りや新規作成された無線タグラベルTtの名札への貼付を忘れないように報知することができる。
そして、次のステップS45に移り、検索変数Nが上限値であるデータベース中登録人数(上述したようにステップS5で取得済み)以上であるか否か、すなわちデータベース中の登録者全員に対して処理を行ったか否かを判定する。検索変数Nが登録人数以上である場合、判定が満たされ、このフローを終了する。また、検索変数Nが登録人数より少ない場合、判定が満たされず、ステップS50で検索変数Nに1を加えた後にステップS100に戻り、同様の手順を繰り返す。
以上のようにして、ルートサーバ3においてタグIDの所定順序上における(例えば数字の若い順から)N番目に登録されている社員を検索し、その社員に対して処理を行うたびに検索変数Nを1つずつ増加して(後述のステップS50)、検索変数Nが上限値に達するまで処理を繰り返すことでルートサーバ3の登録者全員に対して処理が行えることになる。
図14は、上記図13中に示したステップS100のデータベース更新検知処理の詳細手順を表すフローチャートである。
この図14において、まずステップS105で、通信回線2を介して情報サーバ4へアクセスし、データベース中N番目の人に対応するラベル発行日時を情報サーバ4から取得する。
その後、ステップS110において、上記ステップS105でラベル発行日時が取得できたか否か、すなわちデータベース中N番目の人に対して無線タグラベルTt(又は通常ラベルTu)がすでに一回以上発行されているか否かを判定する。ラベル発行日時を取得できなかった場合は、判定が満たされず、ルートサーバ3に名前が追加登録(相関情報が追加)されたばかりでまだ無線タグラベルTtが作成されていない状態であるとみなされ、ステップS140で追加・変更フラグFaを0(=無線タグラベルTtの新規作成が必要)とし、ステップS130に移る。
一方、上記ステップS105でラベル発行日時を取得できた場合には、上記ステップS110における判定が満たされ、ステップS115に移る。ステップS115においては、通信回線2を介して情報サーバ4へアクセスし、データベース中N番目の人に対応するデータ更新日時を情報サーバ4から取得する。その後ステップS120に移る。
ステップS120においては、上記ステップS105で取得したラベル発行日時より上記ステップS115で取得したデータ更新日時の方が新しいか否か、すなわち前回のデータ更新後に無線タグラベルTt又は通常ラベルTuのいずれかが発行されたか否かを判定する。データ更新日時よりもラベル発行日時の方が新しい場合は、判定が満たされず、無線タグラベルTt又は通常ラベルTuが前回発行されてからはデータの更新がない状態であるとみなされ、ステップS145に移り更新フラグFrを0(=ラベルの作成が不要)とし、このルーチンを終了する。このステップS120の判定手順により、データ変更後にすでにその変更に対応して作成された無線タグラベルTtに加えてさらに通常ラベルTuを無駄に作成するのを防止できる。
一方、上記ステップS105で取得したラベル発行日時より上記ステップS115で取得したデータ更新日時の方が新しい場合は、上記ステップS120における判定が満たされ、対象物情報のいずれかが更新されてからまだその更新に伴うラベルの発行処理(印字項目の変更がないためラベルを発行しない場合も含む)が行われていないとみなされ、次のステップS125で追加・変更フラグFaのを1(=通常ラベルTuの作成が必要)とし、ステップS130に移る。
以上のようにステップS140で追加・変更フラグFaを0とした後、又は上記ステップS125で追加・変更フラグFaを1とした後に移行するステップS130では、更新フラグFrを1(=いずれかのラベルの作成が必要)とし、このルーチンを終了する。
次に、上記図13中に示したステップS300のタグラベル作成処理について説明する。図15は、上記図13中に示したステップS300のタグラベル作成処理を行うために、タグラベル作成装置7の制御回路30のCPUが行う制御手順を表すフローチャートである。
このフローは、タグラベル作成装置7の制御回路30のCPUが、通信回線2及び入出力インターフェース31を介して更新情報管理装置6のCPUから印字項目の文字情報(「名前」と「所属部署」の文字データ)、テンプレート番号、タグIDとともに無線タグラベルTtの発行命令を受けると開始される。
なお、テンプレートとは、前述したようにラベルの大きさやそこに印字する文字の配置・フォントなどといった印字態様についてのひな型データ(印字態様に関する設定因子群)であり、このテンプレートが記載されたテンプレートファイルPが、図16に示すように例えばテンプレートデータベースを備えた記憶装置602(ルートサーバ3又は情報サーバ4の内部でもよいし、またはそれら以外の外付けの記憶装置でもよい)に予め記憶されている。そして、通信回線2を介して通常ラベル作成装置201やタグラベル作成装置7に出力可能となっている。
テンプレートファイルPでは、例えば、図16に示すように、適用するテープ幅、ラベル長、左右の余白、文字の印字フォント、テキストの縦及び横の配置、文字制御、テキストの塗りつぶし、ラベル全体の背景、及び無線タグの配置位置を表すマークの有無など各種の印字態様要素(設定因子群)が1つにまとめられている。
そして、このようなテンプレートファイルPを複数用意する上で、それぞれのテンプレートファイルPを特定するために割り当てられる番号がテンプレート番号であり、各ラベル作成装置7,201にラベルを作成させる際に、印字させる文字情報の入力とともにこのテンプレート番号を指定することで、異なる文字情報を印字させる場合でも常にそのテンプレート番号に対応する印字態様でラベルを印字させることができる。
図15に戻り、まずステップS305で、無線タグ回路素子Toからの応答がない場合にリトライ(再試行)を行う回数をカウントする変数M、及び通信良好か不良かを表すフラグFcを0に初期化する。
そして、次にステップS400で、無線タグラベルTtへ印字するために印刷駆動回路(図2参照)へ直接出力可能なイメージデータを作成する印字イメージ作成処理を行う。この印字イメージ作成処理は、上記テンプレート番号に対応するテンプレートファイルPを通信回線2及び入出力インターフェース31(図2参照)を介して記憶装置602から取得し、この取得したテンプレートファイルPに記載されている印字態様で、上記印字項目の印字文字のイメージデータを制御回路30中の図示しないビットマップメモリ上に作成する処理である(詳細は後述の図19のフローを参照)。
次にステップS310に移り、カートリッジ駆動回路24に制御信号を出力し、カートリッジ用モータ23の駆動力によってリボン巻取りローラ106及び圧着ローラ107を回転駆動させる。これにより、第1ロール102からタグラベル用基材テープ101が繰り出され圧着ローラ107へ供給されるとともに、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出される。さらに送出ローラ駆動回路29を介して送出ローラ用モータ28に制御信号を出力し、送出ローラ17を回転駆動させる。以上の結果、前述したようにタグラベル用基材テープ101と(後述のように印刷が終了した)カバーフィルム103とが上記圧着ローラ107及びサブローラ109により接着されて一体化され、印字済タグラベル用テープ110としてカートリッジ体100外方向へと搬送されていくように、各テープ101,103,110が駆動開始される。
次に、ステップS500において、書き込みたい所定の無線タグ情報(タグID等)を無線タグ回路素子Toに送信し書き込む書き込み処理を行う(詳細は後述の図17を参照)。
そして、ステップS320に移り、上記ステップS400で作成したイメージデータに基づく制御信号を印刷駆動回路25に出力し、印字ヘッド10を通電して、カバーフィルム103のうち所定の領域(例えばタグラベル用基材テープ101に所定ピッチで等間隔で配置された無線タグ回路素子Toの裏面に貼り合わせることとなる領域)に、上記ステップS400で作成したイメージデータを印刷させる。ステップS320が終了すると、ステップS325に移る。
ステップS325では、フラグFc=0であるかどうかが判定される。書き込み処理が正常に完了していればFc=0のまま(後述の図17に示すフローのステップS535参照)であるので、この判定が満たされ、ステップS330に移る。
ステップS330では、カバーフィルム103のうちこの時点で処理対象としている無線タグ回路素子Toに対応する領域への印字がすべて完了しているかどうかを確認した後、ステップS340へ移る。
なお、何らかの理由で書き込み処理が正常に完了していない場合はFc=1とされている(後述の図17に示すフローのステップS535参照)ので前述のステップS325の判定が満たされず、ステップS335に移り、印刷駆動回路25に制御信号を出力して印字ヘッド10への通電を中止し印字を停止させる。このように印字中途停止によって当該無線タグ回路素子Toが正常品でないことを明らかに表示するようにした後、上記ステップS340へ移る。
ステップS340では、印字済タグラベル用テープ110がカッタ15で切断されるべき所定位置にまで搬送されたかどうかを判定する。具体的には、例えば、対象とする無線タグ回路素子To及びこれに対応するカバーフィルム103の印字領域のすべてがカッタ15を所定の長さ(余白量)分だけ越えたかどうかを、タグラベル用基材テープ101(詳細には例えば剥離紙101d、あるいはカバーフィルム103等でもよい)に対し各無線タグ回路素子Toに対応して設けた適宜の識別用マークをカートリッジ100外(例えばカッタ15のさらに搬送方向下流側)に設けた公知のテープセンサで検出することにより行えば足りる。またこのような検出を行わず、印字Rの印字文字長に所定の余白領域分を加えた長さが無線タグ回路素子Toの全長を超えているかどうかを印字情報に基づき判定する(超えていれば、少なくともカバーフィルム103の印字が完了した段階でその余白領域外をカッタ15で切断するようにすれば、貼り合わせられる無線タグ回路素子Toを切断することは回避できるため)ことで代用してもよい。
ステップS340の判定が満たされたら、ステップS345に移る。ステップS345では、カートリッジ駆動回路24及び送出ローラ駆動回路29に制御信号を出力し、カートリッジ用モータ23及び送出ローラ用モータ28の駆動を停止して、リボン巻取りローラ106、圧着ローラ107、送出ローラ17の回転を停止する。これにより、第1ロール102からのタグラベル用基材テープ101の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び送出ローラ17による印字済タグラベル用テープ110の搬送が停止する。
その後、ステップS350でソレノイド駆動回路27に制御信号を出力してソレノイド26を駆動し、カッタ15によって印字済タグラベル用テープ110の切断を行う。前述したように、この時点で、例えば処理対象の無線タグ回路素子To及びこれに対応するカバーフィルム103の印字領域のすべてがカッタ15を十分に越えており、このカッタ15の切断によって、無線タグ回路素子Toへ無線タグ情報が書き込まれかつこれに対応する所定の印字が行われたラベル状の無線タグラベルTtが生成される。
その後、ステップS355に移り、送出ローラ用駆動回路29に制御信号を出力し、送出ローラ用モータ28の駆動を再開して、送出ローラ17を回転させる。これにより、送出ローラ17による搬送が再開されて上記ステップS350でラベル状に生成された無線タグラベルTtが搬出口16へ向かって搬送され、搬出口16から装置2外へと排出される。
そして、ステップS360において、カートリッジ100内の通信範囲(前述の領域X)に残存する無線タグ回路素子Toに備えられたIC回路部151の全無線タグ情報を消去(初期化)する。詳細には、無線タグ回路素子Toのメモリ部157に記憶された情報を初期化する「Erase」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22で「Erase」信号が生成されて高周波回路21の送信部32及びアンテナ14を介し通信範囲(上記領域X)内の全無線タグ回路素子Toに送信され、そのメモリ部157を初期化する。
その後、ステップS365に移り、フラグFc=0であるかどうかが判定される。書き込み処理が正常に完了していればFc=0のまま(後述の図17に示すフローのステップS535参照)であって判定が満たされ、またこの場合はステップS325における判定が満たされてステップS330において印字が正常に完了していることから、そのままこのルーチンを終了する。
なお、何らかの理由で書き込み処理が正常に完了していない場合はFc=1とされている(後述の図17に示すフローのステップS535参照)ので前述のステップS365の判定が満たされず、ステップS370に移り、エラー表示信号を入出力インターフェース31及び通信回線2を介し上記端末5(又は更新情報管理装置6)へ出力し、対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせ、このルーチンを終了する。
図17は、上記図15中に示したステップS500のタグ情報書き込み処理を行うために、タグラベル作成装置7の制御回路30のCPUが行う制御手順を表すフローチャートである。
図17において、図15における前述のステップS310が終了すると、まずステップS505に移り、所望のデータをメモリ部157に書き込む「Program」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22でタグIDを含む無線タグ情報としての「Program」信号が生成されて高周波回路21の送信部32及びアンテナ14を介して通信可能エリア内(前述の領域X内)にあるすべての無線タグ回路素子Toに送信され、そのメモリ部157に情報が書き込まれる。なお、この例では、無線タグ回路素子ToにタグIDのみを無線タグ情報として書き込むようにしているが、タグID以外、対応する対象物情報の少なくとも一部を併せて書き込むようにしてもよい。
その後、ステップS510において、メモリ部157の内容を確認する「Verify」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22で「Verify」信号が生成されて高周波回路21の送信部32及びアンテナ14を介して上記通信可能エリア内の全無線タグ回路素子Toに送信され、返信を促す。
そして、ステップS515に移り、上記「Verify」信号に対応して上記通信可能エリア内の全無線タグ回路素子Toから送信(返信)されたリプライ(応答)信号をアンテナ14を介して受信し、高周波回路21の受信部33及び信号処理回路22を介し取り込む。
次に、ステップS520において、上記ステップS515の受信結果に基づき、上記通信エリア内の全無線タグ回路素子Toのうち、1つから何らかの有効なリプライ信号(メモリ部157に正常に記憶されたことを表す信号)が受信されたかどうかを判定する。なお、前述したように、第1ロール102の一部が領域Xに含まれたり、第1ロール102のすべてが領域Xに含まれる場合で、複数の無線タグ回路素子Toからのリプライ信号を受信し、信号同士の干渉により正常に記憶されたか判定できない場合は、送信電力を下げ、アンテナに最も近い、すなわちロールから繰り出された部分の無線タグ回路素子からのリプライ信号のみ受信するようにすればよい。
判定が満たされたら、上記領域X内のロールから繰り出された1つの無線タグ回路素子Toには正しく書き込まれており、領域X内の全無線タグ回路素子Toへの書き込み失敗は回避されていることから、このルーチンを終了する。判定が満たされない場合はステップS525に移ってMに1を加え、さらにステップS530においてM=5かどうかが判定される。M≦4の場合は判定が満たされずステップS505に戻り同様の手順を繰り返す。M=5の場合は前述したステップS535でフラグFc=1としてこのルーチンを終了する。
このようにして情報書き込みが不調でも5回までは再試行が行われる。このように、アンテナ14から領域X内における無線タグ回路素子Toへの情報書き込みが万が一不調であった場合でも、所定回数M回(上記の例ではM=5)までは再試行を行うので、書き込み信頼性の確保上、万全を期すことができる。また、上記において、前述のリトライM回の間、書き込み送信パワーを順次増大させる(前述の制御回路30からの「TX_PWR」信号による増幅率を大きくする)ようにしてもよい。また、M回リトライに失敗して図17のステップS535でフラグFc=1にした後、図15のステップS335で印字を停止するのではなく、その書き込み(リトライ)失敗の旨の何らかの(警告)印字等を行うようにしてもよい。
図18は、上記図13中に示したステップS200の通常ラベル作成処理を行うために、通常ラベル作成装置201の制御回路30のCPUが行う制御手順を表すフローチャートである。図15と同等の手順には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
図18において、通常ラベル作成装置201の制御回路30のCPUが、通信回線2及び入出力インターフェース31を介して更新情報管理装置6のCPUから印字項目の文字情報(「名前」と「所属部署」のデータ)及びテンプレート番号とともに通常ラベルTuの発行命令を受けるとこのフローが開始される。上記図15のタグラベル作成装置7の制御回路30のCPUが実行するタグラベル作成処理の制御手順と概略的に相違する点は、無線タグ回路素子Toに対する無線通信に関する手順(ステップS305,S500,S325,S335,S360〜S370)が省略されていることである。
すなわちまず、ステップS400で印字イメージ作成処理を行い、上記印字項目の印字文字のイメージデータを制御回路中の図示しないビットマップメモリ上に作成する。次にステップS205へ移り、前述の図15中のステップS310と同様、カートリッジ駆動回路24に制御信号を出力して、通用ラベル用基材テープ301及びカバーフィルム303を繰り出して接着一体化し、印字済通常ラベル用テープ310として搬送されていくように、各テープ301,303,310が駆動開始される。
そして、ステップS210に移り、前述のステップS320と同様、上記ステップS400で作成したイメージデータに基づく制御信号を印刷駆動回路25に出力し、印字ヘッド210を通電して、カバーフィルム303のうち所定の領域(例えば無線タグラベルTtに重ね貼りした際に無線タグラベルTt中の無線タグ回路素子Toの配置位置と重なる領域)に印刷させる。ステップS210が終了すると、ステップS215に移る。
ステップS215では、上記図15中のステップS330と同様、カバーフィルム303のうちこの時点で所定領域への印字がすべて完了しているかどうかを確認した後、ステップS220へ移る。
ステップS220では、印字済通常ラベル用テープ310がカッタ15で切断されるべき所定位置にまで搬送されたかどうかを判定する。このとき例えば、上記図15中のステップS340で判定したタイミングより少しだけ遅いタイミングで判定するようにしてもよい。これにより、そのタイミングの差だけ印字済通常ラベル用テープ310を印字済タグラベル用テープ110より少しだけ長く形成できるようにする。このための具体的な判定方法については、上記図15中のステップS340と同様の方法で行えば足りる。このようにして、通常ラベルTu作成時に切断するときのテープ長さを、当初の無線タグラベルTt作成時よりも長くすることで、通常ラベルTuを無線タグラベルTtに重ね貼りしたときに、無線タグラベルTtを確実に覆うようにすることができる。
なお、上記に代え、通常ラベル作成装置201が通常ラベル用基材テープ301のテープ幅の異なる複数種類のカートリッジを着脱交換可能な場合には、通常ラベルTu作成時に用いるテープ幅を当初の無線タグラベルTt作成時よりも広くすることで、通常ラベルTuの幅を無線タグラベルTtよりも広くする(つまりは大きい寸法で形成する)ようにしてもよい。
但し、例えば名札上にラベルを貼付する領域(大きさ)が固定されている場合などには、通常ラベルTuを無線タグラベルTtと同じ大きさに形成してもよいことはもちろんである。
上記ステップS220の判定が満たされたら、ステップS225に移り、前述のステップS345と同様、カートリッジ駆動回路24及び送出ローラ駆動回路29に制御信号を出力して、通常ラベル用基材テープ301とカバーフィルム303の繰り出し、及び印字済通常ラベル用テープ310の搬送を停止させる。
その後、ステップS230で、前述のステップS350と同様、ソレノイド駆動回路27に制御信号を出力してカッタ15により印字済通常ラベル用テープ310の切断を行い、ラベル状の通常ラベルTuが生成される。
その後、ステップS235に移り、前述のステップS355と同様、送出ローラ用駆動回路29に制御信号を出力して、送出ローラ17による搬送が再開され、上記ステップS230でラベル状に生成された通常ラベルTuが排出されてこのルーチンを終了する。
図19は、上記図15中及び上記図18中に示したステップS400の印字イメージ作成処理を行うために、タグラベル作成装置7又は通常ラベル作成装置201の制御回路30のCPUが行う制御手順を表すフローチャートである。なお、タグラベル作成装置7又は通常ラベル作成装置201がこの印字イメージ作成処理を行う際には、前述したようにすでに更新情報管理装置6のCPUから印字項目の文字情報とテンプレート番号を受け取っており、これらの情報に基づいてイメージデータを作成することになる。
まず、ステップS405で、更新情報管理装置6のCPUから受け取ったテンプレート番号を用いて入出力インターフェース31及び通信回線2を介して記憶装置602にアクセスし、当該テンプレート番号に対応するテンプレートファイルPを記憶装置602(図16参照)から取得する。
なおこのとき、タグラベル作成装置7又は通常ラベル作成装置201が、タグラベル用カートリッジ100又は通常ラベル用カートリッジ300からそれらの内部に備えるテープのテープ幅や無線タグ回路素子Toの配置間隔などといったテープ属性パラメータ情報を検出する検出部(例えばカートリッジ種類を表すカートリッジ情報の検出手段としての光学的センサ、磁気的センサ、機械的接触式センサ等)を備えている場合がある。このような場合には、その検出手段の検出結果(テープ属性パラメータ情報)が上記テンプレートファイルPに記載の印字態様に適合するか否か(テープ幅が適合するかなど)を判定して、カートリッジ100,300の適合・不適合に関する情報を入出力インターフェース31及び通信回線2を介し端末5の表示部(適合性表示手段)5bなどに出力して当該情報を表示させ報知するようにしてもよい(適合性表示制御信号出力手段)。
この場合、例えば通常ラベル作成装置201のカートリッジホルダ部とこれに装着された通常ラベル用カートリッジ300の種類とが適合(整合)していない場合や、上述したテープ属性パラメータ情報とテンプレートファイルPの印字態様が適合していない場合には、その旨を確実に操作者に報知したり、ラベル作成処理を中止したり、さらにはカートリッジが交換されて整合した後にラベル作成処理を再実行したりする等が可能となるので、カートリッジ不適合によるラベル作成失敗を防止することができる。
上記ステップS405が終了したら、ステップS410に移り、上記ステップS405で取得したテンプレートファイルPの内容を入出力インターフェース31及び通信回線2を介し端末5の表示部5bに出力し、表示させる。このステップS410が終了したら、ステップS415に移る。なお、このステップS410によるテンプレートファイルPの内容表示は必ずしも行わなくても良い。
ステップS415では、上記ステップS405で取得したテンプレートファイルPに記載されている印字態様にしたがって、印字項目の文字情報(テキストデータ)のフォントデータを加工しつつ、制御回路30内のビットマップメモリ(不図示)に展開し、印刷駆動回路25(図2参照)に直接出力可能なラベル印字用のイメージデータを作成する。
このようにしてイメージデータを作成することで、この例では、情報サーバ4におけるテンプレート番号(対象物情報の一つを構成する)を変更しない限り、タグラベル作成装置7によるタグラベル作成処理と通常ラベル作成装置201による通常ラベル作成処理の両方で共通のテンプレートファイルPに従った同じ印字態様でのラベル印字が行われることになる。このようにして、タグラベル作成装置7で無線タグラベルTtを作成したときと同一のテンプレートを通常ラベル作成装置201で用い、情報サーバ4のデータ変更があった対象物情報に係わる通常ラベルTuを作成することにより、通常ラベルTuの作成時に印字態様を操作者が選択する労力をなくしつつ、当初の無線タグラベルTtと同様の印字態様の印字付き通常ラベルTuを容易かつ確実に実現することができる。
その後、ステップS420に移り、上記ステップS415で作成した印字イメージデータに対応する表示制御信号を入出力インターフェース31及び通信回線2を介して端末5の表示部5bに出力し、当該印字イメージデータにより実際に無線タグラベルTt又は通常ラベルTuが作成されたときとほぼ同じ姿のイメージ表示(プレビュー)を行わせて、このルーチンを終了する。
以上において、更新情報管理装置6のCPUが行う図13に示すステップS100,S10,S15,S20が、各請求項記載の、端末5によるデータベースの更新の有無に応じ、タグラベル作成装置7による無線タグラベルTtの作成又は通常ラベル作成装置201による通常ラベルTuの作成に係わる所定の判別を行う判別手段に相当する。
また、ステップS40が、データベースの更新として対象物情報のデータ変更があったと判別手段で判別された場合に、確認表示手段(端末5又は更新情報管理装置6が備える表示部などどこでもよい)で対応する確認表示を行わせるための制御信号を出力する確認表示制御信号出力手段に相当する。
また、更新情報管理装置6のCPUが行う図14に示すステップS120が、データ変更があった対象物情報に関し、その変更前において対応する無線タグラベルTtがタグラベル作成装置7により作成(発行)されたかどうかを判定する発行判定手段に相当する。
また、タグラベル作成装置7に備えられたアンテナ14と高周波回路21とが、無線タグ回路素子Toにアクセスを行うタグアクセス部を構成する。
以上のように構成した本実施形態のラベル情報管理システム1においては、印字付きの無線タグラベルTtを作成可能なタグラベル作成装置7と、印字付きの通常ラベルTuを作成可能な通常ラベル作成装置201とが備えられている。そして、前述したように、端末5によって対象物情報を格納する(ルートサーバ3又は情報サーバ4)のデータベースの更新があった場合、図13に示すステップS100,S10,S15,S20で、タグラベルの作成や通常ラベルTuの作成に関する判別が行われる。
そして、データベースに何らかの更新があった際は、例えば対象物の追加(詳細には対象物の識別情報である「名前」とこれに対応する無線タグ回路素子Toの識別情報であるタグIDとの相関情報いわゆる「ひもづけ情報」の追加)があった場合には、従来どおりタグラベル作成装置7で新たに印字付きの無線タグラベルTtを作成するようにする(図14のステップS140)。これにより、対象物(上記例での無線タグラベルTt付きの名札の所持を許可された社員)の追加があった場合においても従来通りの利便性を確保できる。その一方で、対象物情報のデータ変更があった場合には、新たに無線タグラベルTtは作成せず通常ラベル作成装置201で印字付きの通常ラベルTuを作成するようにする(図14のステップS125)。この場合、こうして作成した印字付きの通常ラベルTuを、データ変更前にタグラベル作成装置7で作成した無線タグラベルTtの上から重ね貼りすることにより、上記データ変更に対応した印字付き無線タグラベルTtを実現することができ、この結果、新たな無線タグ回路素子Toを消費することなく、簡単かつ安価にデータベース更新に対応することができる。
また、この実施形態では特に、タグラベル作成装置7は、カートリッジホルダ部にタグラベル用カートリッジ100を装着し、圧着ローラ駆動軸12によってそのカートリッジ100から供給されたタグラベル用被印字媒体であるカバーフィルム103に印字ヘッド10で印字を行い、さらにアンテナ14と高周波回路21で無線タグ回路素子Toにアクセスを行い、印字付き無線タグラベルTtを作成する。同様に、通常ラベル作成装置201は、カートリッジホルダ部に通常ラベル用カートリッジ300を装着し、圧着ローラ駆動軸212によってそのカートリッジ300から供給された通常ラベル用被印字媒体であるカバーフィルム303に印字ヘッド210で印字を行い、印字付き通常ラベルTuを作成する。このとき、それらタグラベル用被印字媒体や通常ラベル用被印字媒体であるカバーフィルム103,303をカートリッジ化して供給することにより、消耗品であるカバーフィルム103,303の補充を容易に行うことができるという効果もある。
なお、図13に示すステップS200若しくはステップS300においてそれぞれ更新情報管理装置6のCPUが自動的にタグラベル作成装置7若しくは通常ラベル作成装置201に発行命令(ラベル作成開始信号)を出すのではなく、例えば端末5などにおいて操作者によるラベル発行開始の操作信号の入力を待ってから行うようにしてもよい。これにより、通常ラベルTu作成時又はタグラベル作成時の操作者の意思確認を確実に行うとともに、操作者の意図に反するラベル作成を防止することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
(1)ラベル一括作成を行う場合
上記実施形態では、前述の図13において、各対象物情報ごと(前述の例では名札の対象である各社員ごと)にデータの更新状態を検知して(ステップS100)対応するラベル作成処理を行い(ステップS200又はステップS300)、これを所定の人数分繰り返した(言い換えれば各社員ごとにラベル作成を行った)が、これに限られない。
すなわち、予め所定の複数の対象物情報(上述の例では複数名の社員)について上記データの更新状態を検知してこれを適宜の記憶手段に格納蓄積しておき、その後、それら複数名分のデータに基づき、複数名分のラベル作成を一気に行うようにしてもよい。この場合、例えば、操作者からのラベル一括作成を指示する信号に基づき、作成対象となる複数の無線タグラベルTt又は通常ラベルTuに関するカバーフィルム103,303への印字を一括して行うように、圧着ローラ107及び印字ヘッド10,210を連携制御する(連携制御手段)。この場合、例えば図15のフローで説明した、通信回線2及び入出力インターフェース31を介し更新情報管理装置6からタグラベル作成装置7に送られるデータ(印字項目の文字情報、テンプレート番号、タグID)は、複数名分のデータが連続的に転送されるようにしてもよい。
この場合、対象物情報のデータ変更があった複数の対象物それぞれに対応して、複数の無線タグラベルTt又は通常ラベルTuを一括処理して連続作成することができるので、操作者の労力や手間を低減し利便性を大きく向上することができる。特に、処理対象のラベルの数が多いとき、例えば、所定部署に備えられた多数の備品に部署名表示の無線タグラベルTtが備えられ、当該部署の部署名が変更になったとき等に、非常に便利である。
さらに、カッタ15によりテープ110,310を切断する際に、カバーフィルム、ベースフィルム、粘着層を切断して剥離紙は切断せずに連続させたまま排出するハーフカットを行うようにすれば、多数の無線タグラベルTt又は通常ラベルTuを上記のように一括作成した場合でも扱いが容易となり利便性がさらに向上する。なお、このラベル一括作成処理は、操作者からの指示信号により、上記実施形態のように一枚ずつ単票作成する処理と切り替え可能としてもよい。
(2)遮蔽ラベル作成装置を設ける場合
上記実施形態では、通常ラベル作成装置201により印字付き通常ラベルTuを作成しそれを無線タグラベルTtの上に重ね貼りすることでデータ変更に対応した印字付き無線タグラベルTtを実現していたが、これに限られない。すなわち、遮蔽ラベル作成装置401で遮蔽ラベルTsを作成し、それをデータ変更前に作成した無線タグラベルTtの上に重ね貼りして当該無線タグラベルTtの機能を無効化するとともに新たにデータ変更に対応した無線タグラベルTtを作成して利用するようにしてもよい。
この例では、遮蔽ラベルTsとしてアルミを用いたアルミラベルを作成するものとし、遮蔽ラベル作成装置401はアルミテープに対して印字することなく無線タグラベルTtより少しだけ大きい寸法でラベル状に形成する。
図20は、遮蔽ラベル形成装置401を設けた変形例のラベル情報管理システム601を表す構成図である。この変形例のラベル情報管理システム601では、上記実施形態のラベル情報管理システム1の通信回線2にさらに遮蔽ラベル作成装置(遮蔽ラベル作成手段)401を接続している。
図21は、上記遮蔽ラベル作成装置401の詳細構造を表す概念的構成図である。なお、上記図9に示した通常ラベル作成装置201と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
この図21において、遮蔽ラベル作成装置401の装置本体409には、凹所としてのカートリッジホルダ部(第3カートリッジホルダ部;図示せず)が設けられ、このホルダ部に、遮蔽ラベル用カートリッジ500が着脱可能に取り付けられている。
その他、この図21に示す遮蔽ラベル作成装置401の構成が上記図9に示した通常ラベル作成装置201の構成と異なる点は、遮蔽ラベル作成装置401において印刷駆動回路25、印字ヘッド210、プラテンローラ108及びリボン巻取りローラ駆動軸11を備えておらず、つまり印刷を行う構成を備えていないことである。これにより、遮蔽ラベル作成装置401は、遮蔽ラベル用カートリッジ500から遮蔽ラベル用基材テープ501をテープ送りローラ駆動軸412で駆動されるローラ107(第3搬送部)で繰り出して所定の長さに切断し遮蔽ラベルTsを作成する構成となっている。
図22は、上記遮蔽ラベル用カートリッジ500の詳細構造を説明するための説明図である。
この図22に示す遮蔽ラベル用カートリッジ500内の詳細構造においては、筐体300Aの内部に、帯状の遮蔽ラベル用基材テープ(遮蔽ラベル用媒体)501をリール部材502aに巻回した第1ロール502と、テープ送りローラ107とを備えている。
遮蔽ラベル用基材テープ501はこの例では3層構造となっており(図22中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側(図22中右側)よりその反対側(図22中左側)へ向かって、磁束や電波で与えられる質問信号の強度を低減させる材質(この例ではアルミニウム)を主成分としたベースフィルム501a、適宜の粘着材からなる粘着層501b、剥離紙501cの順序で積層され構成されている。そして、この遮蔽ラベル用基材テープ501が切断されて遮蔽ラベルTsとなる。
上記構成の遮蔽ラベル作成装置401により作成した遮蔽ラベルTsを無線タグラベルTtの上から重ね貼りすることで、重ね貼りされた無線タグラベルTtの機能を無効化することができる。
そして、図20において、端末5の操作によりルートサーバ3又は情報サーバ4のデータベースの情報に更新がなされた場合には、更新情報管理装置6がその更新を検知して、上記実施形態と同様のモードにおいて、前述の判別処理によって上記実施形態と同様にタグラベル作成装置7による無線タグラベルTtの作成か、又は通常ラベル作成装置201による通常ラベルTuの作成のいずれか一方を行わせることができる。
そして、別のモードとして、上記な遮蔽ラベルTsを用いた手法を行うモードが選択可能に設けられており、タグラベル作成装置7によってデータ変更に応じた無線タグラベルTtを新規作成させるとともに、データ変更前に作成された無線タグラベルTtを無効化させるための遮蔽ラベルTsを遮蔽ラベル作成装置401に作成させる。
図23は、このモードが選択されたときの更新情報管理装置6のCPUが行う制御手順を表すフローチャートであり、上記実施形態の図13に対応する図である。図13と同等の手順には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
図23において、図13と異なる点は、ステップS200の通常ラベル作成処理手順に代えて、ステップS300のタグラベル作成処理手順を設け、さらに新たにステップS600の遮蔽ラベル作成処理手順を設けたことである。
すなわち前述と同様のステップS20において、印字変更フラグFpが1であるか否かを判定し、印字変更フラグFpが1で判定が満たされると、前述と同様のステップS25でにおいてN番目の人に対応する印字項目の「名前」と「所属部署」の文字情報と「テンプレート番号」を取得した後、前述と同様のステップS300のタグラベル作成処理を行う。これは図13においてステップS60の後に実行した手順と同様である。
そして、ステップS600において、遮蔽ラベルTsの発行命令(ラベルを作成するための指示信号、ラベル作成開始信号)を通信回線2を介し遮蔽ラベル作成装置401に出力して遮蔽ラベルTsを作成させる(=指示信号出力手段、後述の図24のフロー参照)。
その後のステップS30以降の手順及びその他の手順は図13と同様であるので説明を省略する。
図24は、上記図23中に示したステップS600の遮蔽ラベル作成処理を行うために、遮蔽ラベル作成装置401の制御回路30のCPUが行う制御手順を表すフローチャートである。図18と同等の手順には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
図24において、遮蔽ラベル作成装置401の制御回路30のCPUが、通信回線2及び入出力インターフェース31を介して更新情報管理装置6のCPUから遮蔽ラベルTsの発行命令を受けるとこのフローが開始される。図18との相違点は、印字に関する手順(ステップS400,S210,S215)が省略されていることである。
すなわちまずステップS205において、前述と同様カートリッジ駆動回路24に制御信号を出力し、遮蔽ラベル用基材テープ501が繰り出され搬送される。
そして、ステップS220に移り、遮蔽ラベル用基材テープ501がカッタ15で切断されるべき所定位置にまで搬送されたかどうかを判定する。このとき、前述したのと同様、上記図15中のステップS340で判定したタイミングより少しだけ遅いタイミングで判定し、そのタイミングの差だけ遮蔽ラベル用基材テープ501を印字済タグラベル用テープ110より少しだけ長く形成できるようにしてもよい。このようにすれば遮蔽ラベルTsを無線タグラベルTtに重ね貼りしたときに、無線タグラベルTtを確実に覆うようにすることができる。もちろん、遮蔽ラベル作成装置401が遮蔽ラベル用基材テープ501のテープ幅の異なる複数種類のカートリッジを着脱交換可能な場合には、前述と同様に、遮蔽ラベルTsの幅を無線タグラベルTtよりも広くするようにしてもよい。
上記ステップS220の判定が満たされた後のステップS225以降は同様であり、カートリッジ駆動回路24及び送出ローラ駆動回路29に制御信号を出力して、遮蔽ラベル用基材テープ501の繰り出し搬送を停止させた後、テープ50の切断を行い遮蔽ラベルTsを生成し排出してこのルーチンを終了する。
以上のようにして、上記遮蔽ラベル作成装置401はカートリッジ500から供給された遮蔽ラベル用媒体であるベースフィルム501aを用いて遮蔽ラベルTsを作成することができる。なおこのとき、前述と同様、遮蔽ラベル用媒体であるベースフィルム501aをカートリッジ化して供給することにより、消耗品であるベースフィルム501aの補充を容易に行える効果がある。
本変形例においては、対象物情報のデータ変更があった場合に、上記実施形態とは別の手法として、高透磁率部材で全体を覆う遮蔽ラベルTsを作成するとともに新たに無線タグラベルTtを作成し、データ変更前にタグラベル作成装置7で作成した無線タグラベルTtの上から遮蔽ラベルTsを重ね貼りすることで当該無線タグラベルTtの機能を無効化した後、新たに作成した無線タグラベルTtを利用することも可能となるので、操作者の選択肢が広がり、さらに利便性を向上することができる。
なお、上記アルミニウムでなく、特に高透磁率部材を用いれば、さらに磁束を上側ラベルに確実に集中させることができるという効果を得る。
(3)各種ラベル作成装置を一体共通化して設ける場合
上記実施形態では、タグラベル作成装置7及び通常ラベル作成装置201をそれぞれ独立した装置として設けていたが、本発明はこれに限られず、各ラベル作成装置7,201の構造の類似性を生かしてそれらを一体共通化して設けてもよい。
つまり、タグラベル作成装置7の構成は無線通信を介して無線タグ回路素子Toにアクセスする構成(信号処理回路、高周波回路及びアンテナ;図2参照)を除けば、通常ラベル作成装置201の構成(図9参照)とほぼ同じであり、カートリッジホルダ部をタグラベル用カートリッジ100と通常ラベル用カートリッジ300を選択的に着脱交換可能に構成することで、タグラベル作成装置7と通常ラベル作成装置201の一体共通化を容易に行うことができる。
またこの際、更新情報管理装置6のCPUが行う図13に示すフローにおいて、ステップS200の通常ラベル作成処理とステップS300のタグラベル作成処理をそれぞれ行う直前に前述した検出手段などによってカートリッジの適合・不適合を判定し、不適合である場合にカートリッジの交換を操作者に促して適合と判定してからラベルの発行命令を出力すればよい。または、全てのタグラベルの一括作成と、全ての通常ラベルTuの一括作成とをそれぞれ分けて行わせるようにし、それら一括作成の切り替えの際にカートリッジを交換させるようにすれば操作者の手間や労力を低減させることができる。
なおこの場合、共通一体化したラベル作成装置が備えるカートリッジホルダ部が、タグラベル用カートリッジ100及び通常ラベル用カートリッジ300を選択的に着脱可能な共用カートリッジホルダ部を構成する。また、共通一体化したラベル作成装置が備えるローラ107が、上記共用カートリッジホルダ部に装着されたタグラベル用カートリッジ100又は通常ラベル用カートリッジ300から順次供給されるタグラベル用被印字媒体又は前記通常ラベル用被印字媒体としてのカバーフィルム103,303を搬送する共用搬送部を構成する。さらに、共通一体化したラベル作成装置が備える印字ヘッドが、上記共用搬送手段で搬送されるタグラベル用被印字媒体又は通常ラベル用媒体としてのカバーフィルム103,303に所定の印字を行う共用印字部を構成する。
本変形例によれば、カートリッジホルダ部にタグラベル用カートリッジ100又は通常ラベル用カートリッジ300を選択的に装着して用い、タグラベル作成装置7と通常ラベル作成装置201を1つのラベル作成装置として構成して共用化することにより、それぞれを別装置で構成する場合よりも設置スペースの低減とコスト低減を図ることができる。
なお、さらに、タグラベル作成装置7と通常ラベル作成装置201に加えて遮蔽ラベル作成装置401をも共通一体化して設けてもよい。つまり、遮蔽ラベル作成装置401の構成は、印刷を行う構成(印刷駆動回路25、印字ヘッド210、プラテンローラ108及びリボン巻取りローラ駆動軸11;図9参照)を除けば通常ラベル作成装置201の構成(図21参照)とほぼ同じであり、カートリッジホルダ部をタグラベル用カートリッジ100、通常ラベル用カートリッジ300及び遮蔽ラベル用カートリッジ500を選択的に着脱交換可能に構成することで、タグラベル作成装置7と通常ラベル作成装置201と遮蔽ラベル作成装置401の一体共通化を容易に行うことができる。
この場合、共通一体化したラベル作成装置が備えるカートリッジホルダ部が、タグラベル用カートリッジ100、通常ラベル用カートリッジ300及び遮蔽ラベル用カートリッジ500を選択的に着脱可能な共用カートリッジホルダ部を構成する。また、共通一体化したラベル作成装置が備えるローラ107が、上記共用カートリッジホルダ部に装着されたタグラベル用カートリッジ100、通常ラベル用カートリッジ300又は遮蔽ラベル用カートリッジ500から順次供給されるタグラベル用被印字媒体又は前記通常ラベル用被印字媒体としてのカバーフィルム103,303又は遮蔽ラベル用媒体としてのベースフィルム501aを搬送する共用搬送部を構成する。
本変形例によれば、カートリッジホルダ部にタグラベル用カートリッジ100又は通常ラベル用カートリッジ300若しくは遮蔽ラベル用カートリッジ500を選択的に装着して用い、タグラベル作成装置7、通常ラベル作成装置201、及び遮蔽ラベル作成装置401を1つのラベル作成装置として構成して共通化することにより、それぞれを別装置で構成する場合よりも設置スペースの低減とコスト低減を図ることができる。
(5)その他
また、以上においては、各カートリッジ100,300,500等の内部を移動中の基材テープ101,301,501に対して無線タグ情報の書き込み・読み取りや印字を行う例を示したが、これに限られず、基材テープ101,301,501等を所定位置で停止させて(さらに読み取り・書き込みについては所定の搬送ガイドにて保持した状態としてもよい)上記印字や読み取り・書き込みを行うようにしてもよい。
また、以上において、印字済タグラベル用テープ110、印字済通常ラベル用テープ310(若しくは遮蔽ラベル用基材テープ501)をカッタ15で切断して各種ラベルを作成した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、ラベルに対応した所定の大きさに予め分離されたラベル台紙(いわゆるダイカットラベル)がロールから繰り出されるテープ上に連続配置されているような場合には、カッタ15で切断しなくても、テープが排出口16から排出されてきた後にラベル台紙(適切な長さに形成されたもの)のみをテープから剥がしてラベルを作成しても良く、本発明はこのようなものに対しても適用できる。
また、以上においては、基材テープ101,301とは別のカバーフィルム103,303に印字を行ってこれらを貼り合わせる方式であったが、これに限られず、ラベル用テープにあらかじめ備えられたカバーフィルムに印字を行う方式(貼りあわせを行わないタイプ)に本発明を適用してもよい。
さらに、以上は、ラベル用テープがリール部材の周りに巻回されてロールを構成し、カートリッジ100,300,500内にそのロールが配置されてラベル用テープが繰り出される場合を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、長尺平紙状あるいは短冊状のラベル用テープやラベル用シート(ロールに巻回されたラベル用テープを繰り出した後に適宜の長さに切断して形成したものを含む)を、所定の収納部にスタックしてカートリッジ化し、このカートリッジをラベル作成装置7,201,401側のカートリッジホルダに装着して、上記収納部から移送、搬送して印字及び書き込みを行い、ラベルを作成するようにしてもよい。
さらには上記ロールを直接ラベル作成装置7,201,401側に着脱可能に装着する構成や、長尺平紙状あるいは短冊状のラベル用テープやラベル用シートをタグラベル装置7,201,401外より1枚ずつ所定のフィーダ機構によって移送しラベル装置7,201,401内へ供給する構成も考えられ、さらにはカートリッジのようなラベル作成装置本体側に着脱可能なものにも限られず、装置本体側に着脱不能のいわゆる据え付け型あるいは一体型として上記第1ロール102,302,502を設けることも考えられる。これらの場合も、上記実施形態および各変形例と同様の効果を得る。
なお、以上で用いた「Verify」信号、「Program」信号等は、EPC globalが策定した仕様に準拠しているものとする。EPC globalは、流通コードの国際機関である国際EAN協会と、米国の流通コード機関であるUniformed Code Council(UCC)が共同で設立した非営利法人である。なお、他の規格に準拠した信号でも、同様の機能を果たすものであればよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の更新が加えられて実施されるものである。