JP2007016318A - 熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板の製造方法、及びこの製造方法で製造される熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板からなる成形体 - Google Patents

熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板の製造方法、及びこの製造方法で製造される熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板からなる成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】絞り加工、しごき加工などの際に、層間剥離や樹脂被覆膜にクラックが発生し難く、樹脂被覆膜に亀裂が発生し難く、かつ、樹脂被覆膜がアルミニウム板から容易に剥離することがない熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板、およびこのアルミニウム板よりなる成形体を提供する。
【解決手段】アルミニウム板の少なくとも片面に、厚さが50〜3000オングストロームの無孔質陽極酸化皮膜を形成し、さらにこの無孔質陽極酸化皮膜の上に処理塗膜層を形成し、この塗膜層の上に熱可塑性樹脂被覆膜を形成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板およびこの成形体に関する。さらに詳しくは、絞り加工、絞りしごき加工、かしめ加工を施す際の層間剥離や、経時的な層間剥離などの欠陥が生じ難く、さらに加工後に熱処理を施した際にも被覆膜の剥離が生じ難い、加工密着性および加工後の耐熱密着性に優れた熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板、およびこの熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板製の成形体に関する。
アルミニウムまたはアルミニウム合金板などの金属板に、熱可塑性樹脂被覆膜を積層してなる樹脂被覆金属板は、加工性、耐食性、電気絶縁性などの優れた特性を活かして、アルミニウム電解コンデンサ−の外装用容器など、種々の分野で用いられている。これらの用途においては、樹脂被覆金属板は成形加工されて目的物とされるので、成形加工工程で熱可塑性樹脂被覆膜に剥離、亀裂(クラック)、破損などが生じないことが要求される。これらの要求に応え、加工密着性に優れた熱可塑性樹脂被覆金属板を得ることを目的として、従来、様々な試みが行われてきた。
例えば、金属素材表面に下地膜としてX線光電子分光法による表面分析スペクトル値が一定値以下のエポキシ樹脂の薄膜を設け、この薄膜にポリアミド樹脂フィルムを積層する方法(特許文献1参照)、金属素材表面に下地膜として脂肪酸またはヒドロキシメチル置換フェノ−ルからなる塗膜を形成し、この塗膜を350℃以上の加熱温度で熱処理して熱変性薄膜とし、この薄膜にポリアミド樹脂フィルムを積層する方法(特許文献2参照)、金属板上にX線回析により一定範囲の回析強度を有するポリアミド樹脂を、溶融押出して積層する方法(特許文献3参照)、などが提案されている。
しかしながら、これら提案された方法によって製造されたポリアミド樹脂被覆金属板は、絞り加工の工程では加工した部分の剥離は生じ難いが、加工後に時間が経過すると加工した部分の密着強度が低下する。密着強度が経時的に低下しないようにするために、特許文献4や特許文献5によって提案されているように、絞り加工などの成形加工後にさらに熱処理工程によって、フィルムを再溶融させることが必要であるなどの難点がある。
特開平1−238931号公報 特開平3−2036号公報 特開平11−245330号公報 特開平1−66030号公報 特開平2−18043号公報
本発明者らは、かかる状況にあって、上記課題を一挙に解決した熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板を提供すべく鋭意検討の結果、本発明を完成するに至ったものである。すなわち、本発明の目的は、次のとおりである。
1.絞り加工や絞りしごき加工などの加工を施す際に、層間剥離や被覆樹脂層にクラックが発生し難く、樹脂被覆膜に亀裂が発生し難く、かつ、樹脂被覆膜がアルミニウム板から容易に剥離することがない、熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板を提供すること。
2.加工した後に時間が経過しても、加工した部分の密着強度の低下が起こらず、成形加工後の熱処理が不要で、加工密着性および加工後密着性に優れた熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板を提供すること。
3.上記熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板製の成形体を提供すること。
上記目的を達成するため、本発明の第1発明では、アルミニウム板の少なくとも片面に、微孔質陽極酸化皮膜を形成し、さらにこの微孔質陽極酸化皮膜の上に処理塗膜層を形成し、この塗膜層の上に熱可塑性樹脂被覆膜を形成した熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板を提供する。さらに、本発明の第2発明では、上記の熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板を成形加工した熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板製の成形体を提供する。
本発明は、以上詳細に説明したとおりであり、次のような特別に有利な効果を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。
1.本発明に係る熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板は、絞り加工や絞りしごき加工などの加工を施す際に、層間剥離や被覆樹脂層にクラックが発生し難く、樹脂被覆膜に亀裂が発生し難く、かつ、樹脂被覆膜がアルミニウム板から容易に剥離することがない。
2.本発明に係る熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板は、加工密着性および加工後密着性に優れており、加工した後に時間が経過しても、加工した部分の密着強度の低下が起こらず、特開平1−66030号公報や特開平2−18043号公報によって提案されているような成形加工後の熱処理は不要であり、製造工程を簡素化できる。
3.本発明に係る熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板は、アルミニウム電解コンデンサ−用外装容器などの成形体製造用に極めて有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明に係る熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板においてアルミニウム(Al)とは、純AlおよびAl合金を意味する。具体的には、純Al系の1000系、Al−Mn系の3000系合金、Al−Mg系の5000系合金が挙げられる。これらアルミニウムは、これら例示したものに限定されるものではない。これらアルミニウムは、厚さが0.1〜2mmの板状にされる。熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板の用途が、アルミニウム電解コンデンサ−の外装容器である場合は、1000系または3000系のものが好ましい。
上記のアルミニウム板は、溶体化処理、時効処理などの種々の調質処理や前処理を施したものであってもよい。前処理は特に限定されず、アルミニウム板の表面に付着した油脂分を除去し、表面の不均質な酸化物の皮膜を除去することができる処理であればよい。例えば、弱アルカリ性の脱脂液による脱脂処理を施したのち、水酸化ナトリウム水溶液でアルカリエッチングをしたのち、硝酸水溶液中でデスマット処理を行う方法や、脱脂処理後に酸洗浄を行う方法などが、適宜採用される。また、脱脂と同時に積極的にエッチングしてアルミニウム板表面が着色しない程度に粗面化し、アンカ−効果を向上させることもできる。ここでエッチング法としては、水酸化ナトリウムなどによるアルカリエッチング、硫酸、フッ化水素酸などによる酸エッチング、硝酸などの酸性溶液中での電解によるエッチングなどが挙げられる。
上記アルミニウム板には、次いで、この前処理を施した後のアルミニウム板の少なくとも片面に、微孔質陽極酸化皮膜を形成する。アルミニウム板に微孔質陽極酸化皮膜を形成することにより、アルミニウム板と熱可塑性樹脂被覆膜との密着性を向上させることができる。アルミニウム板に微孔質陽極酸化皮膜を形成するには、アルミニウム板を電解質溶液中で電解する陽極酸化処理を施すことにより、アルミニウム板の少なくとも一方の表面に実質上微孔質陽極酸化皮膜を形成することができる。
ここで実質上微孔質とは、アルミニウム板の表面を被覆した陽極酸化皮膜の全面積に対するアルミニウム板の表面を被覆した陽極酸化皮膜に存在する孔の総面積の比率(有孔度という)が30%以下であることをいう。また、有孔度が5%以下の場合は、特に、実質上無孔質という。
上記の孔とは、陽極酸化被膜の成長過程で形成される、アルミニウム基材から皮膜表面に向う穴である。大きさとしては、直径50〜2000オングストローム、深さ50オングストローム以上が目安となる。この発明においては、陽極酸化皮膜の表面を10万倍の倍率で電子顕微鏡観察して孔部の面積率を求めて有孔度(%)とした。このような孔の面積率は、陽極酸化皮膜の断面を高倍率の透過電子顕微鏡観察をし、皮膜表面部を観察することにより同様に求めることができる。また、アルミニウム合金中に存在する晶析出物及びその周辺には、陽極酸化皮膜は形成されていない場所が存在するが、このような場所は孔とはみなさない。陽極酸化皮膜は、当初は、孔のない状態が形成され、形成される過程で、孔が形成されていく。そして、陽極酸化皮膜が形成された段階の表面の開口部の面積から有孔度が算出される。
無孔質陽極酸化皮膜は、陽極酸化皮膜の溶解性の低い電解質の水溶液中でアルミニウムを陽極として電解処理することを形成させることができる。具体的には、アジピン酸塩、マロン酸塩、フタル酸塩、ケイ酸塩などをあげることができ、このような電解液を用いることで有孔度は比較的低く調整できる。また、硫酸、リン酸などの皮膜溶解性の高い電解液を用いた場合でも、多孔質化する前の段階、すなわち、無孔質皮膜から多孔質皮膜に変化する途中の段階で電解を停止させれば、無孔質或いは微孔質な皮膜を形成させることが可能である。このような溶解性の高い電解質を用いる場合に、特に有孔度に着目することなく、通常の膜厚まで電解すると、有孔度%を越える多孔質皮膜となる。
微孔質陽極酸化皮膜の厚さは、50〜3000オングストロームの範囲で選ぶものとする。皮膜の厚さが50オングストローム未満であると、皮膜を均一に形成するのが難しくなり熱可塑性樹脂被覆膜との十分な密着性が得られない。また、ピンホ−ルなどが生じてアルミニウムが溶出する虞れがある。他方、皮膜の厚さが3000オングストロームを越えると、アルミニウムの表面が微孔質陽極酸化皮膜による光の干渉によって、黄色、紫色、白色などの外観を呈したり、成形時にクラックが生じ易くなることから、製品外観やアルミニウム溶出の観点から好ましくない。微孔質陽極酸化皮膜の特に好ましい厚さは、100〜2000オングストロームである。
微孔質陽極酸化皮膜の厚さは、アルミニウム板の電解水溶液への浸漬時間(電解時間)、電解水溶液の種類、電解質の濃度、電解液のpH、電解水溶液の温度、印加電圧、電流密度などの電解条件により調節することができる。電解時間は、電解条件により異なるが、2〜200秒の範囲で選ぶことができる。
電解液としては、生成する微孔質陽極酸化皮膜を溶解し難く、かつ無孔質の陽極酸化皮膜を生成する電解質の液であればよく、アジピン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩およびケイ酸塩などの群から選ばれる1種または2種以上を溶解した皮膜溶解性の低い電解質水溶液を用いるとよいが、特に、これに限定されるものではない。電解質水溶液中の電解質濃度は、2〜150g/lが好ましい。電解質濃度が2g/lより低濃度では皮膜むらが生じやすく、一方、150g/lを越えると溶解し難く沈殿を生じることがあるからである。
電解水溶液の温度は、40℃以上とするのが好ましい。温度が40℃未満では、電解質の溶解性が低く、液抵抗による電圧ロスが大きくなるからである。温度が60℃を越えると加熱にコストを要するので、電解水溶液の温度は、40℃〜60℃の範囲とするのがよく、中でも温度が50〜60℃の範囲であると、無孔質の陽極酸化皮膜の含水量を少なくするのに効果的であり、特に好ましい。また、電解質水溶液中の水素イオン濃度(pH)は、3〜8の範囲が好ましい。pHが3より低いと陽極酸化皮膜は多孔質化する傾向にあり一方、pHが8を越えると生成した皮膜が溶解したり、皮膜の生成率が低下して所定の厚みが得られなくなるからである。
この電解水溶液中で、アルミニウム板は、連続的または断続的であっても陽極となるように電源に接続されて電解される。陰極には、不溶性の導電材料が用いられる。印加電圧は、目標とする皮膜の厚さに応じて調製し、おおむね3〜200Vである。電解する際の電流には、直流電流が用いられ、電流密度は0.3〜10A/dm2程度である。電流密度が0.3A/dm2未満では、皮膜形成に長時間を要し、コイル状のアルミニウム板を迅速に連続的に電解することができず、一方、10A/dm2を越えると、皮膜やけなどの表面欠損が生じ易くなり、いずれも好ましくない。
陽極酸化処理は、プレス加工などの加工を施したアルミニウム板について行なうこともできるが、コイル状に巻き取られた未加工の状態のアルミニウム板を長尺に延ばして行なうのが好ましい。多量の素材アルミニウム板につき、迅速に陽極酸化処理を行うことができるからである。
なお、微孔質陽極酸化皮膜には水分が含まれることがあるが、微孔質陽極酸化皮膜の含水量は、5重量%以下のものが好ましい。これは、アルミニウム板を熱可塑性樹脂被覆膜で被覆する際の加熱時に、微孔質陽極酸化皮膜から水分が放出され、密着性を低下さる恐れがあるからである。また、微孔質陽極酸化皮膜の中に、リン酸塩、アジピン酸塩などの電解質化合物が含まれることがあるが、これら電解質化合物の残存量は3重量%以下とするのが好ましい。電解質化合物の残存量が3重量%を越えると、熱可塑性樹脂被覆膜との密着性が低下したり、加工製品である成形体の性能に影響してくる虞がある。
本発明に係る熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板は、上記微孔質陽極酸化皮膜の上に処理塗膜層を形成する。上記処理塗膜層とは、シランカップリング剤、エポキシ樹脂、脂肪酸、ヒドロキシ置換フェノールからなる群から選ばれる1種を上記微孔質陽極酸化皮膜の上に塗布して乾燥させて、形成させた塗膜層である。
上記シランカップリング剤とは、分子中に二個以上の反応基をもつ有機ケイ素単量体を言い、二個の反応基のうちの一方は、無機質(ガラス、金属など)と化学結合する反応基であり、他方の反応基は、有機材料(各種合成樹脂)と化学結合する反応基である。有機材料と化学結合する反応基としては、ビニル基、アミノ基、エポキシ基、アクリル基などがある。無機質であるアルミニウム板の微孔質陽極酸化皮膜と結合する反応基は、特には限定されないが、例えばメトキシ基、エトキシ基、シラノ−ル基などがある。シランカップリング剤の層は、Al−O−Siの結合を形成してアルミニウム板と強固に結合し、熱可塑性樹脂とは、シランカップリング剤中の有機官能基が反応して強固な結合力を発揮し、アルミニウム板と熱可塑性樹脂被覆膜との間に強い接着力が付与される。
かかるシランカップリング剤の例としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン等のアミノシランカップリング剤、トリメチルメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ジビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシランなどがある。本発明において、より好ましく使用できるシランカップリング剤として、これに限定するわけではないが、上記アミノシランカップリング剤があげられる。
アルミニウム板表面の微孔質陽極酸化皮膜の上へのシランカップリング剤の塗布量は、0.1〜1000mg/m2が好ましい。シランカップリング剤を塗布量が0.1mg/m2未満では、熱可塑性樹脂被覆膜との間に十分な接着強度が得られず、1000mg/m2を越えると接着強度が飽和に達し、塗布量に比例せず、またシラン結合し易くなり取り扱い難くなり、いずれも好ましくない。
アルミニウム板表面の微孔質陽極酸化皮膜の上へのシランカップリング剤は、シランカップリング剤をアルコ−ルなどの揮発性溶媒によって希釈して塗布するのが好ましい。塗布する方法は特に制限がなく、ロ−ルコ−ト法、スプレ−コ−ト法、バ−コ−ト法、ディッピング法などの従来から知られている方法によることができる。塗布した後は、溶媒などを揮発・飛散させて乾燥させることが好ましい。
上記エポキシ樹脂の種類としては、エピクロルヒドリンとビスフェノールAとを反応させて得られるビスフェノールA型エポキシ樹脂や、ビスフェノールAを他のものに代えたビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂のほか、ノボラック系エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリセリントリエーテル型エポキシ樹脂、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂などを挙げることができる。このエポキシ樹脂においては、分子量は330〜3000の範囲が、エポキシ当量は150〜3000の範囲が好適である。
上記脂肪酸は、低級脂肪酸、高級脂肪酸いずれでもよく、その種類としては、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸などを挙げることができる。また、上記ヒドロキシ置換フェノールの種類としては、サリチルアルコール、o−ヒドロキシメチル−P−クレゾールなどを挙げることができる。
上記エポキシ樹脂、脂肪酸またはヒドロキシ置換フェノールは、単独で、または、メチルエチルケトン、アセトン、トリクレン、アルコールなどの揮発性溶媒によって希釈して、上記微孔質陽極酸化皮膜の上に塗布することができる。また、作業環境の汚染を防ぐ目的で、上記エポキシ樹脂、脂肪酸またはヒドロキシ置換フェノールなどの有効成分を水系の希釈剤で希釈し、水系エマルジョンとして塗布することもできる。上記のように希釈する際には、有効成分の濃度を1〜60重量%の範囲と選ぶのが好ましい。
塗布方法としては、グラビアロール法、リバースロール法、キスロール法、エアーナイフコート法、ロ−ルコ−ト法、スプレ−コ−ト法、バ−コ−ト法、ディップ法などの通常のコーティング方法を挙げることができる。乾燥方法としては、常温で数時間放置する方法や、例えば80℃〜180℃程度の高温で焼き付ける方法などを挙げることができる。なお、後者の焼き付け乾燥を行う場合には、後記する250℃以上の熱処理と同一ラインで行うのが効率的である。また、この焼き付け乾燥と250℃以上の熱処理とを同時に行うこともできる。
上記エポキシ樹脂、脂肪酸、ヒドロキシ置換フェノールから形成される塗膜の厚さは、0.01〜10μm程度とするのがよい。また、この塗膜は、250℃以上で熱処理されて熱変性塗膜とされるのが好ましい。このようにすることにより、アルミニウム板の表面に形成された微孔質陽極酸化皮膜と、熱可塑性樹脂被覆膜との接着強度を高めることができる。なお、上記温度での熱処理によって接着強度が高まる理由は明確には説明できないが、熱処理により上記エポキシ樹脂、脂肪酸、ヒドロキシ置換フェノールが化学的に変性し、アルミニウム板および熱可塑性樹脂被覆膜と強固な結合力を発揮するものと推察される。熱処理温度が250℃未満であると熱変性が不足するため、この熱変性塗膜に熱可塑性樹脂被覆膜を積層した際の密着性に劣るので、好ましくない。
本発明に係る熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板においては、上記処理塗膜層の上に熱可塑性樹脂被覆膜が形成される。この熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではなく、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、エチレンテレフタレ−トまたはブチレンテレフタレ−トの酸成分であるテレフタル酸の一部を他の酸で置き換えた共重合ポリエステル樹脂、またはエチレンテレフタレ−トまたはブチレンテレフタレ−トのエチレングリコ−ルの一部を他のアルコ−ルで置き換えた共重合ポリエステル樹脂などのポリエステル系樹脂、またはこれらのポリエステル系樹脂の2種以上をブレンドした樹脂混合物、ポリアミド6、ポリアミド66、共重合ポリアミド66−6、ポリアミド6−10、ポリアミド7、ポリアミド12、ポリメタキシリレンアジパミドなどのポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレン共重合樹脂などのポリオレフィン類やマレイン酸などを用いて酸変性したポリオレフィン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト、フッ素系樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂からなる被覆膜は、単層でもよいし、または異なる樹脂被覆膜を2層以上含む多層の被覆膜であってもよい。これらの熱可塑性樹脂からなる被覆膜は、未延伸の無配向被覆膜であってもよいし、一方向または二方向に延伸配向させた被覆膜であってもよい。熱可塑性樹脂からなる被覆膜の厚さは、5〜100μmの範囲が好ましい。被覆膜の厚さが5μm未満であると、アルミニウム板表面に均一に積層することが困難であり、さらに得られた熱可塑性樹脂被膜アルミニウム板を絞り加工や絞りしごき加工した際に樹脂層に亀裂が生じやすく、性能が劣る。他方、100μmを越えると経済的に不利となり、好ましくない。なお、熱可塑性樹脂からなる被覆膜は、接着性や濡れ性を改良するために、あらかじめコロナ処理、コ−ティング処理または火炎処理などの表面処理を行ってもよい。
本発明に係る熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板の製造方法は、特に限定されるものではないが、加熱溶融した熱可塑性樹脂をTダイ、Iダイなどのダイスを装備した押出機により薄膜状に押し出しながらから直接アルミニウム板の表面に押出して積層する押出法や、樹脂の融点以上に加熱したアルミニウム板に、インフレーション法、Tダイ法、カレンダー法などによってあらかじめ製膜した熱可塑性樹脂被覆膜を当接させ、一対のラミネ−トロ−ルで両者を挟みつけて積層して被覆するフィルムラミネ−ト法で行うことができる。製造方法は、これら例示した方法に限定されるものではない。
この熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板は、任意の方法で成型加工し、熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板製の成形体を得ることができる。このような成型加工方法の例としては、絞り法、絞り再絞り法、絞り引張曲げ伸ばし法、絞りしごき法のようなプレス成形法をあげることができる。
本発明に係る熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板は、建造物の壁面材、仕切板材、意匠板材としての用途を有する。また、この熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板製の成形体は、アルミニウム電解コンデンサ−の外装用容器などとして使用することができる。
以下、本発明を、実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明は以下に記載の例に限定されるものではない。以下の方法で調製した熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板を、次に記載の方法で評価した。
(a)有孔度:熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板を、走査型電子顕微鏡により10万倍に拡大して任意の10箇所を観察し、この10箇所の観察結果からアルミニウム板の表面に存在する孔の総面積を算出し、この総面積をアルミニウム板の全面積で除して算出した。
(b)プレス加工性:各被覆板を用い、ランス順送り絞り機により7段の絞り加工を行い、容器外面側が樹脂層となるように10mmφ×20mm高さの円筒容器(しごき率20%)を100個作成し、層間の剥離状態を目視観察した。そのときの層間剥離が全くなかったものを良品とし、評価結果を良品率(%)で示した。
(c)かしめ加工性:上記10mmφ×20mm高さの円筒容器を、100rpmの回転速度で回転させながら、厚さ3mmの円板状のかしめごま(側面はR=1.5mmの半円状)を押し当てて、直径が7.5mm(直径変化率=25%)になるようにかしめ加工し、層間の剥離状態を目視観察した。100個の容器について確認し、層間剥離のなかったものを良品とし、評価結果を良品率(%)で示した。
(d)10日後の経時変化:上記の「かしめ性」試験において使用した100個の容器について、加工してから10日経過後の容器の層間の剥離状況について目視観察した。層間剥離のなかったものを良品とし、評価結果を良品率(%)で示した。
(e)総合評価:上記(a)〜(d)の総ての項目において合格品質のものを「○」と判定し、一項目でも不合格品質のものを「×」と判定した。また、不合格品質ではないが、合格品質より多少品質の劣る程度のものを「△」と判定した。
[実施例1]
<熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板の調製>
厚さが0.3mmのアルミニウム(JIS1100)板の表面を、10%水酸化ナトリウム水溶液で、50℃の温度で30秒間エッチング処理した後、10%硝酸水溶液で中和処理を行ない、10秒間水洗を行なった。ついで、このアルミニウム板を、2%アジピン酸アンモニウム水溶液で、電解電圧を7V、電流密度3.0A/dm2とし、120秒間の電解処理を施し、アルミニウム板の表面に厚さが100オングストロームの無孔質陽極酸化皮膜を形成した。電解処理を終了した後、アルミニウム板を30秒間水洗し、120℃の温度で乾燥した。このアルミニウム板の無孔質陽極酸化皮膜の上に、エポキシシランカップリング剤を900mg/m2塗布して乾燥した後に、アルミニウム板を250℃の温度に加熱し、カップリング剤を塗布した面に、厚さ15μのポリアミド6のフィルムを積層し、ポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。
<製品の評価方法>
得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表1に示した。
[実施例2]
実施例1に記載の例において、電解電圧を70Vに代えたほかは、同例におけると同様の手順で電解処理を施し、アルミニウム板の表面に厚さが1000オングストロームの無孔質陽極酸化皮膜を形成した。このアルミニウム板の無孔質陽極酸化皮膜の上に、アミノシランカップリング剤を50mg/m2塗布して乾燥した後に、アルミニウム板を250℃の温度に加熱し、カップリング剤を塗布した面に厚さ15μのポリアミド6のフィルムを、同例におけると同様の手順で積層し、ポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表1に示した。
[実施例3]
実施例2に記載の例において、厚さが1000オングストロームの無孔質陽極酸化皮膜の上に、アミノシランカップリング剤を0.1mg/m2の塗布量に代えたほかは、同例におけると同様の手順で厚さ15μのポリアミド6のフィルムを積層し、ポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表1に示した。
[実施例4]
実施例1に記載の例において、電解液を2%リン酸アンモニウム水溶液に代え、電解電圧を140Vに代えて厚さが2000オングストロームの無孔質陽極酸化皮膜を形成したほかは、同例におけると同様の手順でエポキシシランカップリング剤を50mg/m2塗布し、ポリエチレンテレフタレートフィルムを積層し、ポリエステル樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリエステル樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表1に示した。
[実施例5]
実施例2に記載の例において、電解液を2%ケイ酸ナトリウム水溶液に代え、電解電圧を200Vに代えて厚さが2800オングストロームの無孔質陽極酸化皮膜を形成したほかは、同例におけると同様の手順でカップリング剤を塗布し、ポリアミド6のフィルムを積層し、ポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表1に示した。
[実施例6]
実施例1に記載の例において、電解液を2%アジピン酸ンモニウム水溶液に代え、電解電圧を180Vに代えて厚さが2500オングストロームの無孔質陽極酸化皮膜を形成した。このアルミニウム板の無孔質陽極酸化皮膜の上に、アクリルシランカップリング剤を50mg/m2塗布して乾燥した後に、アルミニウム板を250℃の温度に加熱し、カップリング剤を塗布した面に厚さ15μの無水マレイン酸変性ポリプロピレンフィルムを積層し、ポリプロピレン樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリプロピレン樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表1に示した。
[比較例1]
実施例1に記載の例において、電解電圧を3Vに代えたほかは同例におけると同様の手順で電解処理を施し、アルミニウム板の表面に厚さが40オングストロームの無孔質陽極酸化皮膜を形成したほかは、同例におけると同様の手順で厚さ15μのポリアミド6のフィルムを積層し、ポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表2に示した。
[比較例2]
厚さが0.3mmのアルミニウム(JIS1100)板の表面に、実施例1におけると同様の手順でエッチング処理を施した。この後、乾燥後のクロムの塗布量を20mg/m2としてリン酸クロメート処理を施した。このリン酸クロメート処理面にアミノシランカップリング剤を50mg/m2塗布して乾燥した後に、カップリング剤の塗布面に、厚さ15μのポリアミド6のフィルムを、同例におけると同様の手順で積層し、ポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表2に示した。
[比較例3]
実施例2に記載の例において、アミノシランカップリング剤の塗布量を0.07mg/m2に代えたほかは、同例におけると同様の手順で乾燥した後に、カップリング剤の塗布面に、厚さ15μのポリアミド6のフィルムを、同例におけると同様の手順で積層し、ポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表3に示した。
[比較例4]
実施例2に記載の例において、電解液を10%硫酸水溶液に代え、電流密度を1.0A/dm2とし、20℃の温度で、8秒間電解処理を施し、アルミニウム板の表面に厚さが3000オングストロームの陽極酸化皮膜を形成した。陽極酸化皮膜の有孔度は30%以上であった。この陽極酸化皮膜の上に、アミノシランカップリング剤の塗布量を50mg/m2として塗布して乾燥した後に、カップリング剤の塗布面に、厚さ15μのポリアミド6のフィルムを、同例におけると同様の手順で積層し、ポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表2に示した。
Figure 2007016318
Figure 2007016318
表1及び表2より、次のことが明らかとなる。
(1)有孔度が5%以下の無孔質で、厚さが50〜3000オングストロームの陽極酸化皮膜が形成されたアルミニウム板の陽極酸化皮膜に、シランカップリング剤を塗布量0.1〜1000mg/m2の範囲で塗布され、このシランカップリング剤の層の上に熱可塑性樹脂の被覆膜を形成した樹脂被覆アルミニウム板は、プレス加工性、かしめ加工性において優れ、加工してから10日間経過しても、加工した部分の密着強度の低下が起こらず、層間剥離が生じない(実施例1〜実施例6参照)。
(2)有孔度が1%の無孔質であっても、厚さが40オングストロームと薄い陽極酸化皮膜の場合には、プレス加工性、かしめ加工性において劣り、加工してから10日間経過すると、加工した部分の密着強度が低下し、層間剥離が生じる(比較例1参照)。
(3)また、アルミニウム表面処理皮膜がリン酸クロメート処理で形成された無孔質陽極酸化皮膜でない場合や、陽極酸化皮膜であっても有孔度が30%以上と微孔質でない場合には、プレス加工性は問題ないものの、かしめ加工性が劣り、加工した部分の密着強度が経時的に低下し、層間剥離が生じる(比較例2および比較例4参照)。
(4)有孔度が1%の無孔質で、陽極酸化皮膜の厚さが50〜3000オングストロームの範囲内にあっても、シランカップリング剤の塗布量が0.1mg/m2に満たない場合には、プレス加工性、かしめ加工性に劣り、加工した部分の密着強度が経時的に低下し、層間剥離が生じる(比較例3参照)。
次に、実施例7〜13及び比較例5〜8について説明する。このときのかしめ加工性の測定及び判断は、下記の方法にしたがった。なお、他の測定及び判断は、上記の通りである。
(c’)かしめ加工性:上記した直径10mm×高さ20mmの円筒容器を、100rpmの回転速度で回転させながら、厚さ3mmの円板状のかしめごま(側面は半径1.5mmの半円状)を押し当てて、直径が8mm(直径変化率=20%)になるようにかしめ加工し、層間の剥離状態を目視観察した。100個の容器について確認し、層間剥離のなかったものを良品とし、評価結果を良品率(%)で示した。
[実施例7]
<熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板の調製>
厚さが0.3mmのアルミニウム板(合金番号:A1100P H24)の表面を、10%水酸化ナトリウム水溶液で、50℃の温度で30秒間エッチング処理した後、10%硝酸水溶液で中和処理を行ない、10秒間水洗を行なった。次いで、このアルミニウム板を、2%アジピン酸アンモニウム水溶液で、電解電圧を7V、電流密度3.0A/dm2として120秒間の電解処理を施し、アルミニウム板の表面に厚さが100オングストロームの無孔質陽極酸化皮膜を形成した。電解処理を終了した後、アルミニウム板を30秒間水洗し、120℃の温度で乾燥した。このアルミニウム板の無孔質陽極酸化皮膜の上に、メチルエチルケトンに溶解させたビスフェノールA型エポキシ樹脂(分子量:380、エポキシ当量:180〜200)を、ロールコーターにて塗布して常温で6時間放置して乾燥させ、厚さが1μmの塗膜を形成した。この塗膜を350℃で熱処理して熱変性塗膜とし、この熱変性塗膜の上に、厚さ15μmのポリアミド6の被覆膜を積層し、ポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。
<製品の評価>
得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表3に示した。
[実施例8]
実施例7に記載の例において、電解電圧を70Vに、無孔質陽極酸化皮膜の厚さを1000オングストロームにそれぞれ代えたほかは、同例におけると同様の手順でポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表3に示した。
[実施例9]
実施例7に記載の例において、電解電圧を70Vに、無孔質陽極酸化皮膜の厚さを1000オングストロームにそれぞれ代え、かつ、無孔質陽極酸化皮膜の上に形成する塗膜を、オレイン酸からなる塗膜に代えたほかは、同例におけると同様の手順でポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表3に示した。
[実施例10]
実施例7に記載の例において、電解水溶液を2%リン酸アンモニウム水溶液に、電解電圧を140Vに、無孔質陽極酸化皮膜の厚さを2000オングストロームに代え、かつ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂からなる塗膜の厚さを0.1μmに、この塗膜の熱処理温度を270℃に代えたほかは、同例におけると同様の手順でポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表3に示した。
[実施例11]
実施例7に記載の例において、電解水溶液を2%ケイ酸ナトリウム水溶液に、電解電圧を200Vに、無孔質陽極酸化皮膜の厚さを2800オングストロームにそれぞれ代えたほかは、同例におけると同様の手順でポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表3に示した。
[実施例12]
実施例7に記載の例において、電解水溶液を2%アジピン酸アンモニウム水溶液に、電解電圧を180Vに、無孔質陽極酸化皮膜の厚さを2500オングストロームにそれぞれ代えたほかは、同例におけると同様の手順でポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表3に示した。
[実施例13]
実施例7に記載の例において、無孔質陽極酸化皮膜の上に形成する塗膜を、サリチルアルコールからなる塗膜に代えたほかは、同例におけると同様の手順でポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表3に示した。
[比較例5]
実施例7に記載の例において、電解電圧を3Vに、無孔質陽極酸化皮膜の厚さを40オングストロームにそれぞれ代えたほかは、同例におけると同様の手順でポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表4に示した。
[比較例6]
実施例7に記載の例において、アルミニウム板の表面に形成する皮膜を、リン酸クロメート処理による皮膜(乾燥後のクロムの塗布量:20mg/m2)に代えたほかは、同例におけると同様の手順でポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表4に示した。
[比較例7]
実施例7に記載の例において、電解電圧を70Vに、無孔質陽極酸化皮膜の厚さを1000オングストロームにそれぞれ代え、ビスフェノールA型エポキシ樹脂からなる薄膜の熱処理温度を200℃に代えたほかは、同例におけると同様の手順でポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表4に示した。
[比較例8]
実施例7に記載の例において、アルミニウム板の表面に形成する皮膜を、厚さが3000オングストロームで有孔度が30%以上の陽極酸化皮膜に代えたほかは、同例におけると同様の手順でポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。上記した陽極酸化皮膜は、温度20℃の10%硫酸水溶液で、電解電圧16V、電流密度1.0A/dm2の条件下で8秒間の電解処理をアルミニウム板の表面に施して形成したものであった。この得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表4に示した。
Figure 2007016318
Figure 2007016318
表3および表4より、次のことが明らかとなる。
(1)アルミニウム板の少なくとも片面に、厚さが50〜3000オングストロームで有孔度が5%以下の無孔質陽極酸化皮膜を形成し、この無孔質陽極酸化皮膜の上に、エポキシ樹脂、脂肪酸、ヒドロキシ置換フェノールからなる群から選ばれる1種を塗布して塗膜を形成し、この塗膜の上に熱可塑性樹脂被覆膜を形成した熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板は、プレス加工性、かしめ加工性において優れ、加工してから10日間経過しても、加工した部分の密着強度の低下が起こらず、層間剥離が生じない(実施例7〜実施例13参照)。
(2)有孔度が5%以下(無孔質)であっても、厚さが40オングストロームと薄い陽極酸化皮膜の場合には、プレス加工性、かしめ加工性において劣り、加工してから10日間経過すると、加工した部分の密着強度が低下し、層間剥離が生じる(比較例5参照)。
(3)アルミニウム板の表面に形成された皮膜が、リン酸クロメート処理によって形成された場合(すなわち陽極酸化皮膜でない場合)や、陽極酸化皮膜であっても有孔度が5%以上の場合(すなわち無孔質でない場合)には、プレス加工性は問題ないものの、かしめ加工性において劣り、加工した部分の密着強度が経時的に低下し、層間剥離が生じる(比較例6および比較例8参照)。
(4)有孔度が5%以下(無孔質)で、陽極酸化皮膜の厚さが50〜3000オングストロームの範囲内にあっても、エポキシ樹脂を塗布して形成した塗膜の熱処理温度が250℃未満である場合には、プレス加工性、かしめ加工性において劣り、加工した部分の密着強度が経時的に低下し、層間剥離が生じる(比較例7参照)。
[実施例14〜16]
実施例1に記載の例において、電解電圧を70Vに代えたほかは、実施例1と同様の手順で電解処理を施し、アルミニウム板の表面に厚さが1000オングストロームの無孔質陽極酸化皮膜を形成した。このアルミニウム板の無孔質陽極酸化皮膜の上に、表5に示すシランカップリング剤を50mg/m2塗布して乾燥した後に、アルミニウム板を250℃の温度に加熱し、カップリング剤を塗布した面に厚さ15μのポリアミド6のフィルムを実施例1と同様の手順で被覆し、ポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法及び下記の剥離強度評価試験で評価した結果を、表5に示した。
(剥離強度評価試験)
熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板を元の厚みに対して40%になるまでに圧延したものを試料とする。この試料について、熱可塑性樹脂被覆を20mm幅で180度方向に、50mm/minの速度で剥離したときの最大荷重を剥離強度とした。
Figure 2007016318
表5より、次のことが明らかとなる。有孔度が2%以下の無孔質で、厚さが1000オングストロームの陽極酸化被膜が形成されたアルミニウム板にシランカップリング剤を50mg/m2塗布され、このシランカップリング剤の層の上に熱可塑性樹脂の被覆膜を形成した樹脂被覆アルミニウム板は、プレス加工性、かしめ加工性において優れ、加工してから10日経過しても、加工した部分の密着強度の低下が起こらず、層間剥離が生じない。また、剥離強度については、アミノシランカップリング剤が最も高い数値を示しており、効果が高いといえる。
[実施例17]
厚さが0.3mmのアルミニウム板(合金番号:A1100P H24)の表面を、10%水酸化ナトリウム水溶液で、50℃の温度で30秒間エッチング処理した後、10%硝酸水溶液で中和処理を行ない、10秒間水洗を行なった。次いで、このアルミニウム板を10%硫酸溶液に浸漬し、次いで、5%硫酸中、20℃で電解電圧を15V、電流密度1.0A/dm2として10秒間の電解処理を施し、アルミニウム板の表面に厚さが300オングストロームの微孔質陽極酸化皮膜を形成した。この皮膜の有孔度は25%であった。電解処理を終了した後、アルミニウム板を30秒間水洗し、120℃の温度で乾燥した。このアルミニウム板の無孔質陽極酸化皮膜の上に、アミノシランカップリング剤を50mg/m2塗布して乾燥した後に、アルミニウム板を250℃の温度に加熱し、カップリング剤を塗布した綿に厚さ15μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを積層し、ポリエステル樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリエステル樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表6に示した。
Figure 2007016318

Claims (4)

  1. アルミニウム板を陽極とし、陽極酸化皮膜の溶解性の低い電解質の水溶液中で電解処理をして、上記アルミニウム板に無孔質陽極酸化皮膜を形成し、
    次に、上記無孔質陽極酸化皮膜の表面に、厚さが0.01〜10μmとなるようにエポキシ樹脂を塗布し、乾燥させた後、250℃以上で熱処理することにより、又は塗布量が0.1〜1000mg/m2となるようにシランカップリング剤を塗布し、乾燥させることにより、処理塗膜層を形成し、
    次いで、上記処理塗膜層の表面に熱可塑性樹脂被覆膜を形成する熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板の製造方法。
  2. 上記シランカップリング剤がアミノシランカップリング剤である請求項1に記載の熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板の製造方法で製造される熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板を成形加工した熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板製の成形体。
  4. アルミニウム電解コンデンサ−用外装容器として使用される請求項3に記載の熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板製の成形体。


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