JP2007016318A - 熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板の製造方法、及びこの製造方法で製造される熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板からなる成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルミニウム板の少なくとも片面に、厚さが50〜3000オングストロームの無孔質陽極酸化皮膜を形成し、さらにこの無孔質陽極酸化皮膜の上に処理塗膜層を形成し、この塗膜層の上に熱可塑性樹脂被覆膜を形成する。
【選択図】なし
Description
1.絞り加工や絞りしごき加工などの加工を施す際に、層間剥離や被覆樹脂層にクラックが発生し難く、樹脂被覆膜に亀裂が発生し難く、かつ、樹脂被覆膜がアルミニウム板から容易に剥離することがない、熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板を提供すること。
2.加工した後に時間が経過しても、加工した部分の密着強度の低下が起こらず、成形加工後の熱処理が不要で、加工密着性および加工後密着性に優れた熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板を提供すること。
3.上記熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板製の成形体を提供すること。
1.本発明に係る熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板は、絞り加工や絞りしごき加工などの加工を施す際に、層間剥離や被覆樹脂層にクラックが発生し難く、樹脂被覆膜に亀裂が発生し難く、かつ、樹脂被覆膜がアルミニウム板から容易に剥離することがない。
(a)有孔度:熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板を、走査型電子顕微鏡により10万倍に拡大して任意の10箇所を観察し、この10箇所の観察結果からアルミニウム板の表面に存在する孔の総面積を算出し、この総面積をアルミニウム板の全面積で除して算出した。
(b)プレス加工性:各被覆板を用い、ランス順送り絞り機により7段の絞り加工を行い、容器外面側が樹脂層となるように10mmφ×20mm高さの円筒容器(しごき率20%)を100個作成し、層間の剥離状態を目視観察した。そのときの層間剥離が全くなかったものを良品とし、評価結果を良品率(%)で示した。
(d)10日後の経時変化:上記の「かしめ性」試験において使用した100個の容器について、加工してから10日経過後の容器の層間の剥離状況について目視観察した。層間剥離のなかったものを良品とし、評価結果を良品率(%)で示した。
(e)総合評価:上記(a)〜(d)の総ての項目において合格品質のものを「○」と判定し、一項目でも不合格品質のものを「×」と判定した。また、不合格品質ではないが、合格品質より多少品質の劣る程度のものを「△」と判定した。
<熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板の調製>
厚さが0.3mmのアルミニウム(JIS1100)板の表面を、10%水酸化ナトリウム水溶液で、50℃の温度で30秒間エッチング処理した後、10%硝酸水溶液で中和処理を行ない、10秒間水洗を行なった。ついで、このアルミニウム板を、2%アジピン酸アンモニウム水溶液で、電解電圧を7V、電流密度3.0A/dm2とし、120秒間の電解処理を施し、アルミニウム板の表面に厚さが100オングストロームの無孔質陽極酸化皮膜を形成した。電解処理を終了した後、アルミニウム板を30秒間水洗し、120℃の温度で乾燥した。このアルミニウム板の無孔質陽極酸化皮膜の上に、エポキシシランカップリング剤を900mg/m2塗布して乾燥した後に、アルミニウム板を250℃の温度に加熱し、カップリング剤を塗布した面に、厚さ15μのポリアミド6のフィルムを積層し、ポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。
<製品の評価方法>
得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表1に示した。
実施例1に記載の例において、電解電圧を70Vに代えたほかは、同例におけると同様の手順で電解処理を施し、アルミニウム板の表面に厚さが1000オングストロームの無孔質陽極酸化皮膜を形成した。このアルミニウム板の無孔質陽極酸化皮膜の上に、アミノシランカップリング剤を50mg/m2塗布して乾燥した後に、アルミニウム板を250℃の温度に加熱し、カップリング剤を塗布した面に厚さ15μのポリアミド6のフィルムを、同例におけると同様の手順で積層し、ポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表1に示した。
実施例2に記載の例において、厚さが1000オングストロームの無孔質陽極酸化皮膜の上に、アミノシランカップリング剤を0.1mg/m2の塗布量に代えたほかは、同例におけると同様の手順で厚さ15μのポリアミド6のフィルムを積層し、ポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表1に示した。
実施例1に記載の例において、電解液を2%リン酸アンモニウム水溶液に代え、電解電圧を140Vに代えて厚さが2000オングストロームの無孔質陽極酸化皮膜を形成したほかは、同例におけると同様の手順でエポキシシランカップリング剤を50mg/m2塗布し、ポリエチレンテレフタレートフィルムを積層し、ポリエステル樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリエステル樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表1に示した。
実施例2に記載の例において、電解液を2%ケイ酸ナトリウム水溶液に代え、電解電圧を200Vに代えて厚さが2800オングストロームの無孔質陽極酸化皮膜を形成したほかは、同例におけると同様の手順でカップリング剤を塗布し、ポリアミド6のフィルムを積層し、ポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表1に示した。
実施例1に記載の例において、電解液を2%アジピン酸ンモニウム水溶液に代え、電解電圧を180Vに代えて厚さが2500オングストロームの無孔質陽極酸化皮膜を形成した。このアルミニウム板の無孔質陽極酸化皮膜の上に、アクリルシランカップリング剤を50mg/m2塗布して乾燥した後に、アルミニウム板を250℃の温度に加熱し、カップリング剤を塗布した面に厚さ15μの無水マレイン酸変性ポリプロピレンフィルムを積層し、ポリプロピレン樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリプロピレン樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表1に示した。
実施例1に記載の例において、電解電圧を3Vに代えたほかは同例におけると同様の手順で電解処理を施し、アルミニウム板の表面に厚さが40オングストロームの無孔質陽極酸化皮膜を形成したほかは、同例におけると同様の手順で厚さ15μのポリアミド6のフィルムを積層し、ポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表2に示した。
厚さが0.3mmのアルミニウム(JIS1100)板の表面に、実施例1におけると同様の手順でエッチング処理を施した。この後、乾燥後のクロムの塗布量を20mg/m2としてリン酸クロメート処理を施した。このリン酸クロメート処理面にアミノシランカップリング剤を50mg/m2塗布して乾燥した後に、カップリング剤の塗布面に、厚さ15μのポリアミド6のフィルムを、同例におけると同様の手順で積層し、ポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表2に示した。
実施例2に記載の例において、アミノシランカップリング剤の塗布量を0.07mg/m2に代えたほかは、同例におけると同様の手順で乾燥した後に、カップリング剤の塗布面に、厚さ15μのポリアミド6のフィルムを、同例におけると同様の手順で積層し、ポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表3に示した。
実施例2に記載の例において、電解液を10%硫酸水溶液に代え、電流密度を1.0A/dm2とし、20℃の温度で、8秒間電解処理を施し、アルミニウム板の表面に厚さが3000オングストロームの陽極酸化皮膜を形成した。陽極酸化皮膜の有孔度は30%以上であった。この陽極酸化皮膜の上に、アミノシランカップリング剤の塗布量を50mg/m2として塗布して乾燥した後に、カップリング剤の塗布面に、厚さ15μのポリアミド6のフィルムを、同例におけると同様の手順で積層し、ポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表2に示した。
(1)有孔度が5%以下の無孔質で、厚さが50〜3000オングストロームの陽極酸化皮膜が形成されたアルミニウム板の陽極酸化皮膜に、シランカップリング剤を塗布量0.1〜1000mg/m2の範囲で塗布され、このシランカップリング剤の層の上に熱可塑性樹脂の被覆膜を形成した樹脂被覆アルミニウム板は、プレス加工性、かしめ加工性において優れ、加工してから10日間経過しても、加工した部分の密着強度の低下が起こらず、層間剥離が生じない(実施例1〜実施例6参照)。
(2)有孔度が1%の無孔質であっても、厚さが40オングストロームと薄い陽極酸化皮膜の場合には、プレス加工性、かしめ加工性において劣り、加工してから10日間経過すると、加工した部分の密着強度が低下し、層間剥離が生じる(比較例1参照)。
(4)有孔度が1%の無孔質で、陽極酸化皮膜の厚さが50〜3000オングストロームの範囲内にあっても、シランカップリング剤の塗布量が0.1mg/m2に満たない場合には、プレス加工性、かしめ加工性に劣り、加工した部分の密着強度が経時的に低下し、層間剥離が生じる(比較例3参照)。
(c’)かしめ加工性:上記した直径10mm×高さ20mmの円筒容器を、100rpmの回転速度で回転させながら、厚さ3mmの円板状のかしめごま(側面は半径1.5mmの半円状)を押し当てて、直径が8mm(直径変化率=20%)になるようにかしめ加工し、層間の剥離状態を目視観察した。100個の容器について確認し、層間剥離のなかったものを良品とし、評価結果を良品率(%)で示した。
<熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板の調製>
厚さが0.3mmのアルミニウム板(合金番号:A1100P H24)の表面を、10%水酸化ナトリウム水溶液で、50℃の温度で30秒間エッチング処理した後、10%硝酸水溶液で中和処理を行ない、10秒間水洗を行なった。次いで、このアルミニウム板を、2%アジピン酸アンモニウム水溶液で、電解電圧を7V、電流密度3.0A/dm2として120秒間の電解処理を施し、アルミニウム板の表面に厚さが100オングストロームの無孔質陽極酸化皮膜を形成した。電解処理を終了した後、アルミニウム板を30秒間水洗し、120℃の温度で乾燥した。このアルミニウム板の無孔質陽極酸化皮膜の上に、メチルエチルケトンに溶解させたビスフェノールA型エポキシ樹脂(分子量:380、エポキシ当量:180〜200)を、ロールコーターにて塗布して常温で6時間放置して乾燥させ、厚さが1μmの塗膜を形成した。この塗膜を350℃で熱処理して熱変性塗膜とし、この熱変性塗膜の上に、厚さ15μmのポリアミド6の被覆膜を積層し、ポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。
<製品の評価>
得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表3に示した。
実施例7に記載の例において、電解電圧を70Vに、無孔質陽極酸化皮膜の厚さを1000オングストロームにそれぞれ代えたほかは、同例におけると同様の手順でポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表3に示した。
実施例7に記載の例において、電解電圧を70Vに、無孔質陽極酸化皮膜の厚さを1000オングストロームにそれぞれ代え、かつ、無孔質陽極酸化皮膜の上に形成する塗膜を、オレイン酸からなる塗膜に代えたほかは、同例におけると同様の手順でポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表3に示した。
実施例7に記載の例において、電解水溶液を2%リン酸アンモニウム水溶液に、電解電圧を140Vに、無孔質陽極酸化皮膜の厚さを2000オングストロームに代え、かつ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂からなる塗膜の厚さを0.1μmに、この塗膜の熱処理温度を270℃に代えたほかは、同例におけると同様の手順でポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表3に示した。
実施例7に記載の例において、電解水溶液を2%ケイ酸ナトリウム水溶液に、電解電圧を200Vに、無孔質陽極酸化皮膜の厚さを2800オングストロームにそれぞれ代えたほかは、同例におけると同様の手順でポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表3に示した。
実施例7に記載の例において、電解水溶液を2%アジピン酸アンモニウム水溶液に、電解電圧を180Vに、無孔質陽極酸化皮膜の厚さを2500オングストロームにそれぞれ代えたほかは、同例におけると同様の手順でポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表3に示した。
実施例7に記載の例において、無孔質陽極酸化皮膜の上に形成する塗膜を、サリチルアルコールからなる塗膜に代えたほかは、同例におけると同様の手順でポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表3に示した。
実施例7に記載の例において、電解電圧を3Vに、無孔質陽極酸化皮膜の厚さを40オングストロームにそれぞれ代えたほかは、同例におけると同様の手順でポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表4に示した。
実施例7に記載の例において、アルミニウム板の表面に形成する皮膜を、リン酸クロメート処理による皮膜(乾燥後のクロムの塗布量:20mg/m2)に代えたほかは、同例におけると同様の手順でポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表4に示した。
実施例7に記載の例において、電解電圧を70Vに、無孔質陽極酸化皮膜の厚さを1000オングストロームにそれぞれ代え、ビスフェノールA型エポキシ樹脂からなる薄膜の熱処理温度を200℃に代えたほかは、同例におけると同様の手順でポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表4に示した。
実施例7に記載の例において、アルミニウム板の表面に形成する皮膜を、厚さが3000オングストロームで有孔度が30%以上の陽極酸化皮膜に代えたほかは、同例におけると同様の手順でポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。上記した陽極酸化皮膜は、温度20℃の10%硫酸水溶液で、電解電圧16V、電流密度1.0A/dm2の条件下で8秒間の電解処理をアルミニウム板の表面に施して形成したものであった。この得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表4に示した。
(1)アルミニウム板の少なくとも片面に、厚さが50〜3000オングストロームで有孔度が5%以下の無孔質陽極酸化皮膜を形成し、この無孔質陽極酸化皮膜の上に、エポキシ樹脂、脂肪酸、ヒドロキシ置換フェノールからなる群から選ばれる1種を塗布して塗膜を形成し、この塗膜の上に熱可塑性樹脂被覆膜を形成した熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板は、プレス加工性、かしめ加工性において優れ、加工してから10日間経過しても、加工した部分の密着強度の低下が起こらず、層間剥離が生じない(実施例7〜実施例13参照)。
(2)有孔度が5%以下(無孔質)であっても、厚さが40オングストロームと薄い陽極酸化皮膜の場合には、プレス加工性、かしめ加工性において劣り、加工してから10日間経過すると、加工した部分の密着強度が低下し、層間剥離が生じる(比較例5参照)。
(4)有孔度が5%以下(無孔質)で、陽極酸化皮膜の厚さが50〜3000オングストロームの範囲内にあっても、エポキシ樹脂を塗布して形成した塗膜の熱処理温度が250℃未満である場合には、プレス加工性、かしめ加工性において劣り、加工した部分の密着強度が経時的に低下し、層間剥離が生じる(比較例7参照)。
実施例1に記載の例において、電解電圧を70Vに代えたほかは、実施例1と同様の手順で電解処理を施し、アルミニウム板の表面に厚さが1000オングストロームの無孔質陽極酸化皮膜を形成した。このアルミニウム板の無孔質陽極酸化皮膜の上に、表5に示すシランカップリング剤を50mg/m2塗布して乾燥した後に、アルミニウム板を250℃の温度に加熱し、カップリング剤を塗布した面に厚さ15μのポリアミド6のフィルムを実施例1と同様の手順で被覆し、ポリアミド樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリアミド樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法及び下記の剥離強度評価試験で評価した結果を、表5に示した。
熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板を元の厚みに対して40%になるまでに圧延したものを試料とする。この試料について、熱可塑性樹脂被覆を20mm幅で180度方向に、50mm/minの速度で剥離したときの最大荷重を剥離強度とした。
厚さが0.3mmのアルミニウム板(合金番号:A1100P H24)の表面を、10%水酸化ナトリウム水溶液で、50℃の温度で30秒間エッチング処理した後、10%硝酸水溶液で中和処理を行ない、10秒間水洗を行なった。次いで、このアルミニウム板を10%硫酸溶液に浸漬し、次いで、5%硫酸中、20℃で電解電圧を15V、電流密度1.0A/dm2として10秒間の電解処理を施し、アルミニウム板の表面に厚さが300オングストロームの微孔質陽極酸化皮膜を形成した。この皮膜の有孔度は25%であった。電解処理を終了した後、アルミニウム板を30秒間水洗し、120℃の温度で乾燥した。このアルミニウム板の無孔質陽極酸化皮膜の上に、アミノシランカップリング剤を50mg/m2塗布して乾燥した後に、アルミニウム板を250℃の温度に加熱し、カップリング剤を塗布した綿に厚さ15μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを積層し、ポリエステル樹脂被覆アルミニウム板を得た。得られたポリエステル樹脂被覆アルミニウム板につき、上記の評価方法で評価した結果を、表6に示した。
Claims (4)
- アルミニウム板を陽極とし、陽極酸化皮膜の溶解性の低い電解質の水溶液中で電解処理をして、上記アルミニウム板に無孔質陽極酸化皮膜を形成し、
次に、上記無孔質陽極酸化皮膜の表面に、厚さが0.01〜10μmとなるようにエポキシ樹脂を塗布し、乾燥させた後、250℃以上で熱処理することにより、又は塗布量が0.1〜1000mg/m2となるようにシランカップリング剤を塗布し、乾燥させることにより、処理塗膜層を形成し、
次いで、上記処理塗膜層の表面に熱可塑性樹脂被覆膜を形成する熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板の製造方法。 - 上記シランカップリング剤がアミノシランカップリング剤である請求項1に記載の熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板の製造方法で製造される熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板を成形加工した熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板製の成形体。
- アルミニウム電解コンデンサ−用外装容器として使用される請求項3に記載の熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板製の成形体。
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