JP2007012595A - 非水電解液及び該電解液を用いた非水電解液二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電解質塩を有機溶媒に溶解した電解液において、下記の一般式(1)又は一般式(2)で表されるケイ素化合物のうち少なくとも1種以上を含有する非水電解液、及び、該非水電解液を含む非水電解液二次電池。
(式中、R1及びR2は炭素原子数1〜10のアルキル基等を示し、R3は炭素原子数13〜20のアルケニル基を示す。Xはハロゲン原子を示す。)
(式中、R4〜R7は炭素原子数1〜10のアルキル基等を示し、R8、R9はハロゲン原子、トリフルオロメチル基等を示す。nは1〜2を示す。Yは直接結合、酸素原子、アルキレン基等を示す。)
【選択図】 なし
Description
しかし、非水電解液二次電池は、低温時あるいは充放電を繰り返すことで電気容量の低下や内部抵抗の上昇を示し、安定した電力供給源としての信頼性が不足していた。
本発明の非水電解液において用いられるケイ素化合物を表す上記の一般式(1)又は(2)において、R1 、R2 、R4 、R5 、R6 及びR7 で表される炭素原子数1〜10のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチル−ヘキシル、ノニル、デシル等が挙げられる。炭素原子数1〜10のアルコキシ基としては、上記炭素原子数1〜10のアルキル基から誘導されるアルコキシ基が挙げられる。R4 、R5 、R6 及びR7で表される炭素原子数2〜10のアルケニル基としては、ビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル、2−ペンテニル、2−オクテニル、
ノネニル、 デセニル等が挙げられ、炭素原子数2〜10のアルケニルオキシ基としては
、上記炭素原子数2〜10のアルケニル基から誘導されるアルケニルオキシ基が挙げられる。R4 、R5 、R6 、R7及びR8で表される炭素原子数2〜8のアルキニル基としては、エチニル、2−プロピニル、1,1−ジメチル−2−プロピニル等が挙げられ、R4 、R5 、R6 及びR7で表される炭素原子数2〜8のアルキニルオキシ基としては、上記炭素原子数2〜8のアルキニル基から誘導されるアルキニルオキシ基が挙げられる。R3 で表される炭素原子数13〜20のアルケニル基としては、トリデセニル、 テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル、イコセニル等が挙げられる。R1 、R2 及びR8 で表される炭素原子数5〜8のシクロアルキル基としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、2−ノルボルニル等が挙げられる。また、R8 で表される炭素原子数5〜8のシクロアルケニル基としては、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、2−ノルボルネニル等が挙げられる。また、X、R1 、R2 、R8 及びR9 で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。またR8又はR9で表される炭素原子数2〜8のアシロキシ基としては、アセトキシ、プロピオニロキシ、トリフルオロアセトキシ、ジフルオロアセトキシ等が挙げられ、炭素原子数1〜8のスルホネート基としては、メタンスルホネート、エタンスルホネート、プロパンスルホネート、ブタンスルホネート、ペンタンスルホネート、ヘキサンスルホネート、ヘプタンスルホネート、オクタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ヘキサフルオロプロパンスルホネート、パーフルオロブタンスルホネート、パーフルオロペンタンスルホネート、パーフルオロヘキサンスルホネート、パーフルオロヘプタンスルホネート、パーフルオロオクタンスルホネート等が挙げられる。Yで表されるアルキレン基及びアルキレンジオキシ基としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン等の炭素原子数1〜8のアルキレン基又はこれらの基から誘導されるアルキレンジオキシ基が挙げられる。アルケニレン基及びアルケニレンジオキシ基としては、ビニレン、プロペニレン、イソプロペニレン、ブテニレン、ペンテニレン等の炭素原子数2〜8のアルケニレン基又はこれらの基から誘導されるアルケニレンジオキシ基が挙げられる。アルキニレン基及びアルキニレンジオキシ基としては、エチニレン、プロピニレン、ブチニレン、ペンチニレン、1,1,4,4−テトラメチルブテニレン等の炭素原子数2〜8のアルキニレン基又はアルキニレンジオキシ基が挙げられる。アリーレン基及びアリーレンジオキシ基としては、フェニレン、メチルフェニレン、ジメチルフェニレン、第三ブチルフェニレン等の炭素原子数6〜12のアリーレン基又はこれらの基から誘導されるアリーレンジオキシ基が挙げられる。
、鎖状カーボネート化合物としては、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチル−n−ブチルカーボネート、メチル−t−ブチルカーボネート、ジ−i−プロピルカーボネート、t−ブチル−i−プロピルカーボネート等が挙げられる。鎖状又は環状エーテル化合物としては、ジメトキシエタン(DME)、エトキシメトキシエタン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、1,2−ビス(メトキシカルボニルオキシ)エタン、1,2−ビス(エトキシカルボニルオキシ)エタン、1,2−ビス(エトキシカルボニルオキシ)プロパン、エチレングリコールビス(トリフルオロエチル)エーテル、i−プロピレングリコール(トリフルオロエチル)エーテル、エチレングリコールビス(トリフルオロメチル)エーテル、ジエチレングリコールビス(トリフルオロエチル)エーテル等が挙げられ、これらの中でもジオキソラン類が好ましい。鎖状エステル化合物としては、下記一般式(3)で表されるカルボン酸エステル化合物等が挙げられる。
その他、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタンやこれらの誘導体を上記有機溶媒として用いることもできる。
)アクリル酸及びその種々のエステル類等を主体とする高分子化合物やその誘導体、これらの共重合体や混合物からなるフィルム等が挙げられる。これらのフィルムは、単独で用いてもよいし、これらのフィルムを重ね合わせて複層フィルムとして用いてもよい。さらに、これらのフィルムには、種々の添加剤を用いてもよく、その種類や含有量は特に制限されない。これらのフィルムの中でも、本発明の非水電解液二次電池には、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホンからなるフィルムが好ましく用いられる。
きる正極、1aは正極集電体、2は正極から放出されたリチウムイオンを吸蔵、放出できる炭素質材料よりなる負極、2aは負極集電体、3は本発明の非水電解液、4はステンレス製の正極ケース、5はステンレス製の負極ケース、6はポリプロピレン製のガスケット、7はポリエチレン製のセパレータである。
<作製手順>
(正極の作製)
正極活物質としてLiNiO2 85質量部、導電材としてアセチレンブラック10質量部、及び結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)5質量部を混合して、正極材料とした。この正極材料をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させ、スラリー状とした。このスラリーをアルミニウム製の正極集電体両面に塗布し、乾燥後、プレス成型して、正極板とした。その後、この正極板を所定の大きさにカットし、電流取り出し用のリードタブ溶接部となる部分の電極合剤を掻き取ることでシート状正極を作製した。
負極活物質として炭素材料粉末92.5質量部、及び結着剤としてPVDF7.5質量部を混合して、負極材料とした。この負極材料をNMPに分散させてスラリー状とした。このスラリーを銅製の負極集電体両面に塗布し、乾燥後、プレス成型して、負極板とした。その後、この負極板を所定の大きさにカットし、電流取り出し用のリードタブ溶接部となる部分の電極合剤を掻き取ることでシート状負極を作製した。
有機溶媒を後述の実施例及び比較例において示す配合量(体積%)で混合し、さらに、LiPF6 を1モル/リットルの濃度で溶解し、試験化合物(表1記載)を表1記載の配合量(体積%)で添加して非水電解液とした。
得られたシート状正極及びシート状負極を、厚さ25μmのポリエチレン製の微多孔フィルムを介した状態で巻回させて、巻回型電極体を形成した。得られた巻回型電極体をケースの内部に挿入し、ケース内に保持した。このとき、シート状正極あるいはシート状負極のリードタブ溶接部に一端が溶接された集電リードを、ケースの正極端子あるいは負極端子にそれぞれ接合した。その後、非水電解液を巻回型電極体が保持されたケース内に注入し、ケースを密閉、封止して、φ18mm、軸方向の長さ65mmの円筒型リチウム二次電池を製作した。
エチレンカーボネート30体積%、エチルメチルカーボネート40体積%及びジメチルカーボネート30体積%からなる混合溶媒に、LiPF6 を1モル/リットルの濃度で溶
解し、試験化合物(表1参照)を加えて、非水電解液とした。上記非水電解液を用いてリチウム二次電池を作製し、該リチウム二次電池について、下記試験方法に従って、サイクル特性試験及び低温特性評価試験を行った。サイクル特性試験においては、放電容量維持率(%)及び内部抵抗増加率(%)を、低温特性評価試験においては、放電容量率(%)及び内部抵抗比を求めた。サイクル特性試験及び低温特性評価試験の試験方法は、それぞれ以下の通りである。
リチウム二次電池を、雰囲気温度60℃の恒温槽内に入れ、充電電流2.2mA/cm2 で4.1Vまで定電流充電し、放電電流2.2mA/cm2 で3Vまで定電流放電を行うサイクルを500回繰り返して行った。その後、雰囲気温度を20℃に戻して、充電電流1.1mA/cm2 で4.1Vまで定電流定電圧充電し、放電電流0.33mA/cm2 で3.0Vまで定電流放電し、このときの放電容量と初期放電容量とから、下記式により放電容量維持率(%)を求めた。また、上記の500回のサイクルの前後に、20℃における内部抵抗を測定し、その測定結果から下記式により内部抵抗増加率(%)を求めた。尚、リチウム二次電池の初期放電容量及び内部抵抗は、下記測定方法により、それぞれ測定した。
放電容量維持率(%)=[(サイクル後の放電容量)/(初期放電容量) ]×100
内部抵抗増加率(%)=[(サイクル後の内部抵抗)/(サイクル前の内部抵抗) ]×100
まず、充電電流0.25mA/cm2で4.1Vまで定電流定電圧充電し、放電電流0.33mA/cm2で3.0Vまで定電流放電を行った。次に、充電電流1.1mA/cm2で4.1Vまで定電流定電圧充電し、放電電流1.1mA/cm2で3.0Vまで定電流放電する操作を4回行った。その後、充電電流1.1mA/cm2で4.1Vまで定電流定電圧充電し、放電電流0.33mA/cm2で3.0Vまで定電流放電し、この時の放電容量を電池初期容量とした。なお、測定は20℃の雰囲気で行った。
まず、充電電流1.1mA/cm2 で3.75Vまで定電流定電圧充電し、交流インピーダンス測定装置((株)東陽テクニカ製:周波数応答アナライザsolartron1260、ポテンショ/ガルバノスタットsolartron1287)を用いて、周波数100kHz〜0.02Hzまで走査し、縦軸に虚数部、横軸に実数部を示すコール−コールプロットを作成した。続いて、このコール−コールプロットにおいて、円弧部分を円でフィッティングして、この円の実数部分と交差する二点のうち、大きい方の値を抵抗値とし、電池の内部抵抗とした。
上記サイクル特性試験方法における初期放電容量測定方法と同様にして、20℃での放電容量を測定した。また、測定温度を−30℃に代えた以外は、上記初期放電容量測定方法と同様にして、−30℃での放電容量を測定した。20℃での放電容量及び−30℃での放電容量から、下記式により放電容量率(%)を求めた。
また、上記サイクル特性試験方法における内部抵抗測定方法と同様にして、20℃及び−30℃それぞれにおいて、内部抵抗を測定し、その測定結果から下記式により内部抵抗比を求めた。
放電容量率(%)=(−30℃での放電容量)/(20℃での放電容量)×100
内部抵抗比=(−30℃での内部抵抗)/(20℃での内部抵抗)
1における初期放電容量に対して、実施例1−1〜1−12及び比較例1−2〜1−5における初期放電容量は、同等以上の値をそれぞれ示した。
1a 正極集電体
2 負極
2a 負極集電体
3 電解液
4 正極ケース
5 負極ケース
6 ガスケット
7 セパレータ
10 コイン型の非水電解液二次電池
10’円筒型の非水電解液二次電池
11 負極
12 負極集合体
13 正極
14 正極集合体
15 電解液
16 セパレータ
17 正極端子
18 負極端子
19 負極板
20 負極リード
21 正極
22 正極リード
23 ケース
24 絶縁板
25 ガスケット
26 安全弁
27 PTC素子
Claims (15)
- 電解質塩を有機溶媒に溶解した電解液において、下記の一般式(1)又は一般式(2)で表されるケイ素化合物のうち少なくとも1種以上を含有することを特徴とする非水電解液。
- 上記一般式(1)において、Xがフッ素原子であり、R1 とR2 がメチル基であり、R3 が炭素原子数13のアルケニル基である請求項1記載の非水電解液。
- 上記一般式(1)において、X及びR1 がフッ素原子であり、R2 がメチル基であり、R3 が炭素原子数13のアルケニル基である請求項1記載の非水電解液。
- 上記一般式(2)において、Yがエテニレン基であり、R8 及びR9がフッ素原子である請求項1記載の非水電解液。
- 上記一般式(2)において、Yがエチニレン基であり、R8 及びR9 がフッ素原子である請求項1記載の非水電解液。
- 上記一般式(2)において、Yが直接結合であり、R8 がエチニル基であり、R9 がフッ素原子で置換されたアリール基である請求項1記載の非水電解液。
- 上記一般式(2)において、Yが直接結合であり、R8 がフッ素原子で置換されたアリール基であり、R9 がフッ素原子である請求項1記載の非水電解液。
- 上記一般式(2)において、Yが直接結合であり、R8 がビニル基であり、R9 がフッ素原子である請求項1記載の非水電解液。
- 上記一般式(2)において、Yが直接結合であり、R8 及びR9 がフッ素原子で置換されたアリール基である請求項1記載の非水電解液。
- 上記一般式(2)において、Yがエチレン基であり、R8とR9がフッ素原子である請求項1記載の非水電解液。
- 上記有機溶媒が、環状カーボネート化合物、鎖状カーボネート化合物、環状エステル化合物、鎖状エステル化合物、スルホン又はスルホキシド化合物、アマイド化合物、鎖状エーテル化合物及び環状エーテル化合物からなる群から選ばれた一種以上を含む請求項1〜10のいずれかに記載の非水電解液。
- 上記有機溶媒が、環状カーボネート化合物と鎖状カーボネート化合物とをそれぞれ一種以上含有している請求項11記載の非水電解液。
- 上記電解質塩が、LiPF6 、LiBF4 、LiClO4 及びLiAsF6 からなる無機塩並びにLiCF3 SO3 、LiN(CF3 SO2 )3 及びLiC(CF3 SO2 )3 からなる有機塩からなる群から選ばれる一種以上である請求項1〜12のいずれかに記載の非水電解液。
- 上記一般式(1)で表されるケイ素化合物及び/又は上記一般式(2)で表されるケイ素化合物の含有量が、非水電解液中、0.05〜5体積%である請求項1〜13のいずれかに記載の非水電解液。
- 電解液として請求項1〜14のいずれかに記載の非水電解液を含む非水電解液二次電池。
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