JP2007000723A - 多孔質膜、固液分離装置、およびそれらを用いた固液分離方法 - Google Patents

多孔質膜、固液分離装置、およびそれらを用いた固液分離方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 活性汚泥に対する低ファウリング性に優れたポリフッ化ビニリデン系樹脂多孔質膜、それを備えた固液分離装置、ならびにそれらを用いた固液分離方法を提供すること。
【解決手段】 ポリフッ化ビニリデン系樹脂と、主鎖がアクリル酸エステル系重合体および/またはメタクリル酸エステル系重合体、側鎖がエチレンオキサイド系重合体および/またはプロピレンオキサイド系重合体であるグラフト共重合体の混合物を主成分として構成される多孔質膜であって、前記側鎖の重合度が25以下であり、かつ、前記側鎖が前記グラフト共重合体中に55重量%以上含まれている多孔質膜、それを備えた固液分離装置、ならびにそれらを用いた固液分離方法とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、下水処理、排水処理などの水処理分野に好適に用いられる多孔質膜、固液分離装置、およびそれらを用いた固液分離方法に関する。特に、活性汚泥槽内に浸漬し固液分離を行なう際に好適に用いられる多孔質膜、固液分離装置、およびそれらを用いた固液分離方法に関する。
近年、多孔質膜は、飲料水製造、浄水処理、下水処理、排水処理などの水処理分野、食品工業分野等様々な方面で利用されている。下廃水処理分野では活性汚泥と呼ばれる微生物集合体により、フロック化した汚泥と処理水とを分離する活性汚泥処理プロセスが広く用いられている。この中でも、沈殿法により固液分離を行なう場合、活性汚泥を高濃度化して分解処理を進めて処理効率を上げようとすると、後段の沈殿池において汚泥の沈降性不良を生じる場合があり、水質の悪化を防止するための管理作業が繁雑になる。そこで、この汚泥と処理水との固液分離に膜分離技術を利用することで、高濃度活性汚泥処理を行なった場合にも水質の悪化を招かず省スペースになる。
上述のように多様に用いられる多孔質膜は、水処理分野においては一般的に処理水量が大きいため、透水性能の向上が求められている。透水性能が優れていれば、膜面積を減らすことが可能となり、装置がコンパクトになるため設備費を節約でき、膜交換費や設置面積の点からも有利である。また、分離対象物質の堆積、付着、閉塞等による透水性の低下(ファウリング)がおこると運転の安定性に支障をきたし、曝気洗浄の曝気量を多くしたり薬品洗浄頻度を多くしたりする必要があり、高運転コストにつながるため低ファウリング膜が求められている。また、膜のバイオファウリング防止の目的で、次亜塩素酸ナトリウムなどの殺菌剤を膜モジュール部分に添加したり、酸、アルカリ、塩素、界面活性剤などで膜そのものを洗浄したりするため、多孔質膜には化学的耐久性(耐薬品性)が求められる。さらに、下排水処理水の再利用の観点から、原水中の活性汚泥等の懸濁物質が処理水に混入しないよう十分な分離特性と高い物理的耐久性が要求されている。
このように、多孔質膜には、優れた分離特性、化学的耐久性(耐薬品性)、物理的耐久性、透過性能および低ファウリング性が求められる。
そこで、これらの要求性能のなかで特に化学的耐久性、物理的耐久性を満足するために、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を用いた多孔質膜が使用されるようになってきている。しかしながら、ポリフッ化ビニリデン系樹脂はこのままでは低ファウリング性が充分であるとはいえない。膜表面へのファウリング抑制をはかる方法としては、疎水性の大きな微生物ほど疎水性相互作用により吸着能が大きく、疎水性物質は疎水性固体表面に吸着しやすいという報告があり(非特許文献1)、疎水性のポリフッ化ビニリデン膜を親水化することにより吸着を抑制し低ファウリング性を付与することができる。
ポリフッ化ビニリデン膜の親水化方法としては、特許文献1、2のように膜表面および細孔内表面に親水性ポリマーをコーティングする方法があるが、親水性ポリマーが剥離すると低ファウリング性を維持できないと考えられる。そこで親水性ポリマーをコーティングせずにブレンドすれば膜表面が削れた場合でも親水性ポリマーが膜表面に存在し低ファウリング性を維持できると考えられる。
しかし、一般的に特許文献3のように親水性ポリマーをポリフッ化ビニリデン系樹脂とブレンドする場合、そのままブレンドし製膜する場合はポリフッ化ビニリデン系樹脂との相溶性が悪いため製膜性が悪くなり、製膜できた場合も水中で使用する間に親水性ポリマーが膜外へ溶出し低ファウリング性を維持できない問題があった。
特開昭61−161103号公報 特表2000−505719号公報 特開昭60−216804号公報 森崎久雄,服部黎子,界面と微生物,学会出版センター,1986,P57−60
本発明は、従来の技術の上述した問題点を解決し、活性汚泥に対する低ファウリング性に優れたポリフッ化ビニリデン系樹脂多孔質膜を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するため、本発明は、次の特徴を有するものである。すなわち
(1)ポリフッ化ビニリデン系樹脂と、主鎖がアクリル酸エステル系重合体および/またはメタクリル酸エステル系重合体、側鎖がエチレンオキサイド系重合体および/またはプロピレンオキサイド系重合体であるグラフト共重合体の混合物を主成分として構成される多孔質膜であって、前記側鎖の重合度が25以下であり、かつ、前記側鎖が前記グラフト共重合体中に55重量%以上含まれていることを特徴とする多孔質膜。
(2)前記多孔質膜が平膜である、(1)に記載の多孔質膜。
(3)前記多孔質膜が中空糸膜である、(1)に記載の多孔質膜。
(4)有機繊維からなる多孔質基材を有してなる、(1)〜(3)のいずれかに記載の多孔質膜。
(5)温度25℃、水頭差1mの条件下で測定した純水透過係数が純水透過係数1×10−9/m・Pa・s以上であり、かつ、クロスフロー条件下での0.10μm以下の微粒子阻止率が90%以上である(1)〜(4)のいずれかに記載の多孔質膜
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載の多孔質膜を備えた固液分離装置。
(7)前記多孔質膜が活性汚泥槽に浸漬配置されてなる、(6)に記載の固液分離装置。
(8)前記多孔質膜に対して被処理液を実質的に平行に流す手段を備えている、(6)または(7)に記載の固液分離装置。
(9)(1)〜(5)のいずれかに記載の多孔質膜、または(6)〜(8)のいずれかに記載の固液分離装置を用いて被処理液中の懸濁物を除去する、固液分離方法。
本発明によれば、活性汚泥に対する低ファウリング性に優れ、親水性成分の溶出がなく、化学的耐久性、物理的耐久性に優れたポリフッ化ビニリデン系樹脂多孔質膜が得られるので、特に、当該ポリフッ化ビニリデン系樹脂多孔質膜を活性汚泥槽内に浸漬配置した固液分離装置を用いることにより、低ファウリング性に優れた固液分離の実現が可能となる。
以下に本発明の多孔質膜の詳細を説明する。
本発明における多孔質膜は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂と、主鎖がアクリル酸エステル系重合体および/またはメタクリル酸エステル系重合体、側鎖がエチレンオキサイド系重合体および/またはプロピレンオキサイド系重合体であるグラフト共重合体とのブレンド膜であることを特徴とする。
すなわち、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を膜素材として用いることで、物理的耐久性、化学的耐久性に優れた膜を得ることができ、親水性側鎖を含むグラフト共重合体を含んでいることにより、膜の親水化を図り、低ファウリング性を付与することができる。
一般に、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドのような親水性ポリマーは、ポリフッ化ビニリデン系樹脂のような疎水性ポリマーとは相溶性が悪く、混合して製膜したとしても水中で使用したときにポリエチレンオキサイドやポリプロピレンオキサイドだけが水中に溶出し、親水性を維持できない。一方、例えばメタクリル酸エステル系重合体はポリフッ化ビニリデン系樹脂に対し分子レベルで相溶することが解っている(S.P.Nunes, K.V.Peinemann, Journal of Membrane Science 1992, 73 P25)。すなわち、親水性ポリマーをポリフッ化ビニリデン系樹脂に相溶するアクリル酸エステル系重合体および/またはメタクリル酸エステル系重合体の共重合体としてブレンドすることで、親水性ポリマーを膜中に固定することができると言える。そこで、低ファウリング性に優れた多孔質膜を得るという観点から、本発明で用いる共重合体としては、主鎖にアクリル酸エステル系共重合体および/またはメタクリル酸エステル系重合体、側鎖がエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイド系重合体であるグラフト共重合体を選択する必要がある。ファウリング物質に対して低付着性の親水性ポリマーが側鎖に存在し、側鎖の運動性が確保されることにより、膜表面へのファウリング物質の付着を抑制することができる。ポリフッ化ビニリデン系樹脂とグラフト共重合体は膜中に共存していればよく、相分離していても相溶していてもどちらであっても差し支えは無い。
ここで、本発明のグラフト共重合体は、側鎖の重合度が25以下であることを必須とする。側鎖にポリエチレンオキサイド等の親水性側鎖を有するポリマーをキャストしたものは、牛血清由来アルブミンなどタンパク質に対して低付着性であると言われている(例えば、特表2001−500542号公報参照)。
しかしながら、活性汚泥は、表面特性、サイズが異なる様々な物質の混合物であるため、本発明者らは、活性汚泥に対する低ファウリング性に与える影響について鋭意検討した結果、グラフト共重合体の側鎖の重合度を25以下とすることにより、より好ましくは5〜25とすることにより、活性汚泥ろ過時に優れた低ファウリング性を示すことを見いだした。すなわち、グラフト共重合体の側鎖の重合度をかかる範囲とすることにより、優れた低ファウリング性を実現できる詳細な理由については明らかではないが、側鎖の重合度をかかる範囲とすることが、活性汚泥の膜面への付着性低減に効果的であることを明らかにしたのである。
活性汚泥とは、バクテリア(細菌類)、原生動物、後生動物とその代謝物からなる混合物であり、一般的に様々なサイズのフロックを形成して存在している。親水性側鎖による付着性低減効果は単に親水性の付与によるものだけでなく主として親水性側鎖の活性汚泥に対する動力学的な排除効果に起因している。ここで、グラフト共重合体の側鎖の重合度が26よりも長いと主鎖やポリフッ化ビニリデン系樹脂との絡み合いの増加により、実質的な側鎖の運動性、排除体積が小さくなり、4よりも短いと絡み合いは小さいが、側鎖そのものの運動性、排除体積が小さいと推測される。側鎖の重合度が5〜25以外のものでも側鎖の共重合比、膜中のブレンド比を大きくすることにより、汚泥に対する低ファウリング性を向上させることができるが、側鎖の共重合比、膜中のブレンド比を大きくすると、膜の物理的耐久性、化学的耐久性が低下してしまう可能性がある。
かかる観点から、グラフト共重合体の側鎖が前記グラフト共重合体中に55重量%以上含まれていることを必要とする。より好ましくは、60重量%以上80重量%未満である。グラフト共重合体の側鎖の重量比率を55重量%以上とすることにより、ブレンド膜の活性汚泥に対する低ファウリング性を向上することができる。これは、ブレンド膜表面のグラフト共重合体の側鎖の一定割合は、主鎖またはポリフッ化ビニリデン系樹脂と絡みあっているが、側鎖の重量比率が高いことにより主鎖またはポリフッ化ビニリデン系樹脂と絡みあわない運動性を有する側鎖の量が多くなり、活性汚泥に対する低ファウリング性を向上することができるからであると推測される。
また、ブレンド膜を水系凝固浴で凝固し製膜する場合には、親水性ブレンド成分が膜表面に多く分布した状態で凝固し、膜表面の親水性成分濃度を高くすることが期待できる。この場合も、親水性側鎖の重量比率が大きい場合には、グラフト共重合体の親水性が向上するので、膜断面における表面方向への分布の勾配が大きくなり、よりブレンド膜表面の側鎖の量が大きくなることが期待できる。しかし、グラフト共重合体の側鎖の重合比率が80重量%よりも大きくなると、ポリフッ化ビニリデン系樹脂との親和性が低下し、製膜時または水中での使用時に溶出してしまう可能性がある。
本発明におけるポリフッ化ビニリデン系樹脂とは、フッ化ビニリデンホモポリマーおよび/またはフッ化ビニリデン共重合体を含有する樹脂のことである。複数種類のフッ化ビニリデン共重合体を含有していても構わない。フッ化ビニリデン共重合体としては、フッ化ビニル、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレンおよび三フッ化塩化エチレンからなる群から選ばれた1種類以上とフッ化ビニリデンとの共重合体が挙げられる。
本発明の多孔質膜のブレンド成分は、主鎖がアクリル酸エステル系重合体および/またはメタクリル酸エステル系重合体、側鎖がエチレンオキサイド系重合体および/またはプロピレンオキサイド系重合体のグラフト共重合体である。
アクリル酸エステル系重合体とは、特に限定しないが、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリシジルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレートなどアクリル酸エステル系モノマーの単独重合体、これらの共重合体、さらには他の共重合可能なビニル系モノマーとの共重合体を示す。
メタクリル酸エステル系樹脂とは、特に限定しないが、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートなどメタクリル酸エステル系モノマーの単独重合体、これらの共重合体、さらには他の共重合可能なビニル系モノマーとの共重合体を示す。これらアクリル酸エステル系重合体、メタクリル酸エステル系重合体のなかでポリフッ化ビニリデン系樹脂との相溶性、製膜性、コストの点から主鎖としてはポリメチルメタクリレートがより好ましく用いられる。
エチレンオキサイド系重合体およびまたはプロピレンオキサイド系重合体とは、エチレンオキサイド、n−プロピレンオキサイド、iso−プロピレンオキサイドの単独重合体、これらの共重合体、さらには他の共重合可能なモノマーとの共重合体を示す。
またポリフッ化ビニリデン系樹脂、該グラフト共重合体の重量平均分子量は、要求される膜の強度と透水性能によって適宜選択すれば良いが、多孔質膜への加工性を考慮すると、5千〜200万、さらには1万〜100万の範囲内であることが好ましい。重量平均分子量がこの範囲よりも大きくなると、樹脂溶液の粘度が高くなりすぎ、またこの範囲よりも小さくなると、樹脂溶液の粘度が低くなりすぎ、いずれも多孔質膜を成形することが困難になり、また、使用中に溶出するおそれがある。
該グラフト共重合体とポリフッ化ビニリデン系樹脂の膜中のブレンド比は適宜選択すれば良いが、低ファウリング性等を考慮すると、重量比(該グラフト共重合体/ポリフッ化ビニリデン系樹脂)で0.005〜0.4、好ましくは0.05〜0.3の範囲であることが好ましい。この下限値よりも小さくすると、低ファウリング性を付与することができず、上限値よりも大きくすると、膜の物理的耐久性、化学的耐久性が大きく低下する可能性がある。
尚、本発明の多孔質膜は、本目的を逸脱しない範囲において上記以外の樹脂、界面活性剤、無機微粒子等を含有あるいは付着していてもよい。特に限定しないが例えば樹脂としてはポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸メチル等、無機微粒子としてはシリカ微粒子、酸化チタン微粒子、活性炭微粒子等が挙げられる。界面活性剤としてはポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、グリセリン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(たとえばモノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン等)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(たとえばモノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコールモノラウリン酸ポリエチレングリコール等)等が挙げられる。
本発明の多孔質膜の形状は、中空糸膜でも平膜でも良く、その用途によって選択される。
平膜の場合は、厚みが10μm〜1mm、さらには30μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。膜単独でも良いが、多孔質基材との複合膜でもよい。複合膜の場合、多孔質基材表面にポリマー層が被覆されているだけでも良いが、多孔質基材とポリマー層が重なりあう層があっても良い。また、多孔質基材とポリマー層が完全に重なっていてもよい。多孔質基材を用いた場合はこの面状支持材を含む厚みが上述の範囲内にあることが好ましい。
多孔質基材としてはポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリウレタン繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維、綿、絹など有機繊維からなる織物、編物、不織布等の多孔質基材や、ガラス繊維、金属繊維など無機繊維からなる織物、編物等の多孔質基材を用いることができる。この中で伸縮性、コストの点から特に有機繊維からなる多孔質基材が好ましい。また、表面の孔径は、用途によって自由に選択できるが、好ましくは0.005μm(5nm)〜1.0μm、より好ましくは0.008μm(8nm)〜0.5μm、さらに好ましくは0.008μm(8nm)〜0.15μmの範囲にあることである。平膜の内部構造は任意であり、いわゆるマクロボイドが存在していても、膜厚方向に同じような大きさの孔のあいた均質構造であっても良い。
中空糸膜の場合、内径が100μm〜10mm、さらには150μm〜8mm、外径が120μm〜15mm、さらには200μm〜12mm、膜厚が20μm〜3mm、さらには50μm〜1mmの範囲になるように設計することが好ましい。また、中空糸膜の内外表面の孔径は、用途によって自由に選択できるが、好ましくは0.005μm(5nm)〜1.0μm、より好ましくは0.008μm(5nm)〜0.5μm、さらに好ましくは0.008μm(8nm)〜0.15μmの範囲になるように設計することである。
中空糸膜の内部構造は任意であり、いわゆるマクロボイドが存在していても、膜厚方向に同じような大きさの孔を有する均質構造であっても良い。また片側あるいは内外表面側はスキン構造で、もう片側表面および/あるいは内部構造がスポンジ構造や球晶構造などであってもよい。
中空糸の場合も膜単独でも良いが、多孔質基材との複合膜でもよい。複合膜の場合支持材表面にポリマー層が被覆されているだけでも良いが、多孔質基材とポリマー層が重なりあう層があっても良い。また、多孔質基材とポリマー層が完全に重なっていてもよい。多孔質基材としては上記有機繊維からなる織物、編物、不織布等の筒状の多孔質基材や、ガラス繊維、金属繊維など無機繊維からなる織物、編物等の筒状の多孔質基材を用いることができる。この中で伸縮性、コストの点から特に有機繊維からなる多孔質基材が好ましい。
さらに、本発明の多孔質膜は、純水透過係数1×10−9/m・Pa・s以上、平均粒径0.10μm以下の微粒子の阻止率が90%以上であることが好ましい。
純水透過係数が1×10−9/m・Pa・sに満たない時は、膜の透過性が悪いことから高い圧力で運転する必要があり、運転コストが大きくなる。また阻止率が90%に満たないときは、菌体や汚泥などによる目詰まりが起こったり、濾過差圧の上昇が起こったりし、寿命が短くなる。
ここで、純水透過係数は、飲料水を透析膜(東レ(株)製 フィルトライザー B2−1.5H)でろ過したものを原水とし、温度25℃、水頭差1mの条件下で直径4cmの多孔質膜でろ過し、次式によって求めた。評価に際し、多孔質膜はエタノールに15分浸漬後水中に2時間以上浸漬置換し評価に用いた。なお、純水透過係数は、ポンプ等で加圧や吸引して得た値を換算して求めても良い。水温についても、評価液体の粘性で換算しても良い。
Figure 2007000723
微粒子阻止率は、ポリスチレンラテックス微粒子(セラディン(株)製)など粒径が均一になるよう管理された微粒子の平均粒径0.10μm以下のグレードで阻止率が90%以上を満たすものがあればよい。すなわち、本発明の好ましい要件である「平均粒径0.10μm以下の微粒子阻止率が90%以上」とは、少なくとも平均粒径0.10μmのグレードでの微粒子阻止率が90%以上であればよい、ということを意味する。クロスフロー条件とは膜表面に微粒子が堆積しにくいよう、膜の透過方向の流速以上に膜表面に対し平行方向に評価原液の流速がある状態であり、例えば膜表面にスターラー等で流れを与える事等により平行方向に流速を付与する。具体的には攪拌式セル(アドバンテック(株)製VHP−43K)に膜(直径4.3cm)をセットし、評価圧力9.8kPa、攪拌速度600rpmにて、逆浸透膜(東レ(株)製SUL−G10)による濾過水に平均粒径0.10μm以下のポリスチレンラテックス微粒子(セラディン(株)製 公称粒径0.083μm)を25ppmの濃度になるように分散させてなる評価原液をろ過し、評価原液と透過液の微粒子濃度に比例する波長220nmの紫外線の吸光度から、次式によって求めた。吸光度測定は分光光度計(U−3200)(日立製作所製)を用いた。
Figure 2007000723
上述の本発明の多孔質膜は、例えば、製膜溶液中に前記樹脂とグラフト共重合体の混合物(以下、(1)〜(3)においては単に「混合物」と言い、当該混合物を溶媒に溶解させた溶液を「混合溶液」と言う。)を溶解し、次の3つの方法のいずれか1つあるいは2つ以上の組み合わせにより相分離させ製造することができる。
(1)混合物を、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の良溶媒に溶解させた混合溶液を、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の融点よりかなり低い温度で口金から押出したり、支持材上にキャストしたりして成形した後、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の非溶媒を含む液体に接触させて非溶媒誘起相分離により非対称多孔構造を形成させる湿式溶液法。
(2)混合物に無機微粒子と有機液状体を溶融混練し、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の融点以上の温度で口金から押し出したりプレス機でプレスしたりして成形した後、冷却固化し、その後有機液状体と無機微粒子を抽出することにより多孔構造を形成する溶融抽出法。
(3)混合物を、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を室温では溶解しにくい溶媒に高温溶解させて混合溶液を製造し、その混合溶液を口金から吐出させた後、冷却して相分離および固化せしめる熱誘起相分離法。
上述のように製造される本発明の多孔質膜は、平膜形状の場合には、たとえばプレートアンドフレーム型の膜モジュールに構成され、また、中空糸形状の場合には、中空糸膜を複数本束ねて円筒状の容器に納め、両端または方端をポリウレタンやエポキシ樹脂等で固定した膜モジュールに構成され、その膜モジュールを複数枚もしくは複数本配した固液分離装置として使用される。固液分離装置は、活性汚泥槽などの固液混合液が収容されている処理槽中に浸漬配置され、ポンプにより被処理溶液側に加圧手段もしくは透過液側に吸引手段を設け、濾過を行う。もちろん、ポンプを設けず水位差による濾過としてもよい。固液分離装置は、膜表面への汚泥の堆積を抑制するために、膜の下方に曝気装置を配置する、膜表面にてスターラーを回転させる、膜表面に水流ポンプで水流を与える、膜表面を平面方向に回転させる等、膜表面に対して固液混合液を平行に流す手段を備えていてもよい。この多孔質膜は、浄水処理、排水処理、飲料水製造、工業用水製造、などで利用でき、河川水、湖沼水、地下水、海水、下水、排水、活性汚泥、食品プロセス水などを被処理水とし、液体中の懸濁物除去に使用することができる。
実施例における、ポリメタクリル酸メチル−ポリエチレンオキサイドグラフト共重合体(PMMA−g−PEO)は以下のように重合した。
<重合方法>
・試薬
ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート(POEMn):n=9,23はアルドリッチ製、n=90は新中村製、nはエチレングリコールのユニット数
メチルメタクリレート(MMA):和光純薬製、特級
2,2’アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN):和光純薬製、特級
酢酸エチル:片山化学工業製 特級
メタノール:片山化学工業製 特級
石油エーテル:片山化学工業製 一級
テトラヒドロフラン(THF):片山化学工業製 特級。
・重合
MMAとPOEMnのラジカル共重合により得た。具体的には3つ口フラスコにMMA、POEMnを所定の仕込み組成で入れ、窒素雰囲気下で攪拌し、重合開始剤であるAIBNを投入した。所定の重合時間後、溶液を石油エーテル/メタノール(重量比9:1)中で再沈し、生成物はさらに水洗、THF溶解、再沈、水洗により精製し、最終的に40℃以下で真空乾燥を行ない生成物を得た。表1に重合条件を示す。
実施例における多孔質膜の純水透過係数と阻止率は、上記の方法にて測定した。
膜の汚泥に対する耐ファウリング性は、以下の汚泥ファウリング加速実験において得た膜間差圧20kPa到達時間により比較した。
Figure 2007000723
<汚泥ファウリング加速実験方法>
・実験材料
活性汚泥槽:アクリル性30LMBR槽(実液量 24.1L)
平膜エレメント:ABS製A5サイズミニエレメント(有効膜面積 144cm片面貼り付け)
吸引ポンプ:カセットチューブポンプ(東京理化(株)製SMP−23)
間欠制御タイマー:デジタル24Hタイムスイッチ(アズワン(株)製AJ−1106−020)
差圧計:デジタルマノメーター(SMC(株)製 PSE561−02)
活性汚泥:酢酸系工場排水処理場より採取した活性汚泥を酢酸系培地でBOD容積負荷(1g−BOD/L・d)にて約3ヶ月馴養し、運転に使用した。
・運転条件
培地:酢酸系培地
容積負荷:1g−BOD/L・d
曝気量:10L/min
運転流束:1m/m/d
間欠条件:9分吸引1分停止
温度: 20℃。
・実験方法
汚泥ファウリング加速実験装置を図1に示す。30L活性汚泥槽に平膜エレメント(6枚)を浸漬し定流量ポンプで1m/m/dで透過水を吸引し、差圧計により膜間差圧を読みとった。運転は1サイクル10分間の平均膜間差圧をプロットし、運転開始から薬品洗浄の目安である20kPaに到達するまでの時間を20kPa到達所用時間とした。
実験No.1の全ての膜エレメントが20kPaに到達したのに引き続き、膜エレメントを入れ替え、実験No.2を実施した。尚、各実験時の汚泥性状を表2に示す。MLSSは実験No.1開始時は9.6g/L、実験No.1終了時(実験No.2開始時)は10.1g/L、実験No.2終了時は10.3g/Lであり、粘度計(リオン(株)製VT−3E、ローターNo.3)により測定した汚泥の粘度は実験No.1開始時は23.0mPa・s(20.0℃)、実験No.1終了時(実験No.2開始時)は24.8mPa・s(20.0℃)、実験No.2終了時は26.5mPa・s(20.0℃)であった。
Figure 2007000723
<分子量測定>
GPC測定装置(東ソー(株)製HLC−8220−GPC)により、分子量の異なるポリスチレンにより得られた検量線から分子量を算出した。
<共重合比測定>
共重合体のH−NMRスペクトルの解析によりモル比を算出した。H−NMRスペクトルは重クロロホルムに共重合体を溶解し、NMR測定装置(日本電子(株)製JNM−EX−270、積算回数32回)により得た。
<実施例1>
ポリフッ化ビニリデンホモポリマー(PVDF、重量平均分子量36万)とポリメタクリル酸メチルとポリエチレンオキサイドのグラフト共重合体(PMMA−g−PEO)(M9−1)、重合平均分子量19万、エチレンオキサイド側鎖重合度9、エチレンオキサイド側鎖重量比58%)、ポリビニルアルコール(PVA500和光純薬(株)製、平均重合度500、ケン化度86〜90%)、ポリエチレングリコール(PEG400、和光純薬(株)製、平均分子量400)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc、和光純薬(株)製)をそれぞれ用い、これらを下記組成で90℃の温度下に十分に攪拌し混合溶解し、製膜原液を得た。表3に重合生成物の物性表、表4に製膜溶液の仕込み組成を示す。
PVDF:10.8重量%
PMMA−g−PEO(M9−1):1.2重量%
PVA500:3.0重量%
PEG400:2.0重量%
水:3.0重量%
DMAc:80.0重量%。
次に、上記原液を40℃に冷却し、密度が0.48g/cm、厚みが220μmのポリエステル繊維製不織布に塗布し、直ちに25℃の水凝固浴中に5分間浸漬し、さらに95℃の熱水に2分間浸漬し多孔質膜を得た。
次に、上記多孔質膜について、平均粒径0.083μmの微粒子の阻止率を測定したところ、97%であった。また、純水透過係数は43×10−9/m・s・Paであった。
<実施例2>
PVDF、PMMA−g−PEO(M23−1)(重合平均分子量24万、エチレンオキサイド側鎖重合度23、エチレンオキサイド側鎖重量比63%)、ポリブロピレングリコール(PPG3000、和光純薬(株)製、平均分子量3000、ジオール型)、モノパルミチン酸ポリオキシエチレン(N=20)ソルビタン(Tween40)を用い、ジメチルスルホキシド(DMSO、和光純薬(株)製)これらを下記組成で90℃の温度下に十分に攪拌し混合溶解し、製膜原液を得た。これを実施例1と同様に製膜し、多孔質膜を得た。
PVDF:10.8重量%
PMMA−g−PEO(M23−1):1.2重量%
PPG3000:2.0重量%
Tween40:3.0重量%
水: 3.0重量%
DMSO:80.0重量%。
次に、上記多孔質膜について、平均粒径0.083μmの微粒子の阻止率を測定したところ、98%であった。また、純水透過係数は47×10−9/m・s・Paであった。
<実施例3>
PVDF、PMMA−g−PEO(M9−2)(重合平均分子量21万、エチレンオキサイド側鎖重合度9、エチレンオキサイド側鎖重量比65%)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA、重量平均分子量140万)、モノパルミチン酸ポリオキシエチレン(N=20)ソルビタン(Tween40)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF、和光純薬(株)製) を用い、これらを下記組成で90℃の温度下に十分に攪拌し混合溶解し、製膜原液を得た。これを実施例1と同様に製膜し、多孔質膜を得た。
PVDF:10.8重量%
PMMA−g−PEO(M9−2):1.2重量%
Tween40: 6.0重量%
水:2.0重量%
DMF:80.0重量%。
次に、上記多孔質膜について、平均粒径0.083μmの微粒子の阻止率を測定したところ、98%であった。また、透水量は47×10−9/m・s・Paであった。
<実施例4>
PVDF、PMMA−g−PEO(M9−3)(重合平均分子量24万、エチレンオキサイド側鎖重合度9、エチレンオキサイド側鎖重量比76%)、ポリエチレングリコール(PEG20000、和光純薬(株)製、平均分子量20000)、PVA500、DMAcを用い、これらを下記組成で90℃の温度下に十分に攪拌し混合溶解し、製膜原液を得た。これを実施例1と同様に製膜し、多孔質膜を得た。
PVDF:10.8重量%
PMMA−g−PEO(M9−3):1.2重量%
PEG20000:5.0重量%
水:3.0重量%
DMAc:80.0重量%。
次に、上記多孔質膜について、平均粒径0.083μmの微粒子の阻止率を測定したところ、97%であった。また、透水量は44×10−9/m・s・Paであった。
<比較例1>
PVDF、Tween40、PEG400、DMFを用い、これらを下記組成で90℃の温度下に十分に攪拌し混合溶解し、製膜原液を得た。これを実施例1と同様に製膜し、多孔質膜を得た。
PVDF:12.0重量%
PEG400:2.0重量%
Tween40:3.0重量%
水:3.0重量%
DMF:80.0重量%
次に、上記多孔質膜について、平均粒径0.083μmの微粒子の阻止率を測定したところ、98%であった。また、透水量は63×10−9/m・s・Paであった。
<比較例2>
PVDF、PMMA−g−PEO(M90−1)(重合平均分子量22万、エチレンオキサイド側鎖重合度90、エチレンオキサイド側鎖重量比76%)、PEG20000、DMAcを用い、これらを下記組成で90℃の温度下に十分に攪拌し混合溶解し、製膜原液を得た。これを実施例1と同様に製膜し、多孔質膜を得た。
PVDF:10.8重量%
PMMA−g−PEO(M90−1):1.2重量%
PEG20000:5.0重量%
水:3.0重量%
DMAc:80.0重量%。
次に、上記多孔質膜について、平均粒径0.083μmの微粒子の阻止率を測定したところ、98%であった。また、透水量は37×10−9/m・s・Paであった。
<比較例3>
PVDF、PMMA−g−PEO(M9−5)(重合平均分子量20万、エチレンオキサイド側鎖重合度9、エチレンオキサイド側鎖重量比30%)、PEG400、Tween40、DMFを用い、これらを下記組成で90℃の温度下に十分に攪拌し混合溶解し、製膜原液を得た。これを実施例1と同様に製膜し、多孔質膜を得た。
PVDF: 10.8重量%
PMMA−g−PEO(M9−5):1.2重量%
PEG400:2.0重量%
Tween40:3.0重量%
水:3.0重量%
DMF:80.0重量%。
次に、上記多孔質膜について、平均粒径0.083μmの微粒子の阻止率を測定したところ、98%であった。また、透水量は37×10−9/m・s・Paであった。
<比較例4>
PVDF、PMMA−g−PEO(M9−6)(重合平均分子量22万、エチレンオキサイド側鎖重合度9、エチレンオキサイド側鎖重量比51%)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(N=20)ソルビタン(Tween40)、DMAcを用い、これらを下記組成で90℃の温度下に十分に攪拌し混合溶解し、製膜原液を得た。これを実施例1と同様に製膜し、多孔質膜を得た。
PVDF:10.8重量%
PMMA−g−PEO(M9−6):1.2重量%
Tween40:5.0重量%
水:3.0重量%
DMAc:80.0重量%。
次に、上記多孔質膜について、平均粒径0.083μmの微粒子の阻止率を測定したところ、97%であった。また、透水量は40×10−9/m・s・Paであった。
<実施例5>
PVDF、PMMA−g−PEO(M9−4)(重合平均分子量26万、エチレンオキサイド側鎖重合度9、エチレンオキサイド側鎖重量比81%)、PPG3000、DMFを用い、これらを下記組成で90℃の温度下に十分に攪拌し混合溶解し、製膜原液を得た。これを実施例1と同様に製膜し、多孔質膜を得た。
PVDF:10.8重量%
PMMA−g−PEO(M9−4):1.2重量%
PPG3000:5.0重量%
水:3.0重量%
DMF:80.0重量%。
次に、上記多孔質膜について、平均粒径0.083μmの微粒子の阻止率を測定したところ、97%であった。また、透水量は33×10−9/m・s・Paであった。
Figure 2007000723
Figure 2007000723
<汚泥ファウリング加速実験結果>
エチレンオキサイド側鎖の重合度、重量比が異なるPMMA−g−PEOブレンド膜(実施例1、2、比較例2、3)、PVDF膜(比較例1)について、汚泥ファウリング加速実験を行なった(実験No.1)。その結果、側鎖重量比55%以上の膜ではエチレンオキサイド側鎖の重合度が低い膜程、20kPa到達所要時間が大きく低ファウリング性であった。
エチレンオキサイド側鎖の重量比が異なるPMMA−g−PEOブレンド膜(実施例1、3、4、5、比較例4)、PVDF膜(比較例1)について、汚泥ファウリング加速実験を行なった(実験No.2)。その結果、側鎖重量比58%以上のPMMA−g−PEOブレンド膜が20kPa到達所要時間が大きく低ファウリング性であった。表5に実験結果を示す。
Figure 2007000723
汚泥ファウリング加速実験装置を説明する図である。 膜エレメントを説明する図である。
符号の説明
イ・・・30L活性汚泥槽
ロ・・・膜エレメント
ハ・・・定流量ポンプ
二・・・タイマー
ホ・・・差圧計
ヘ・・・データロガー
ト・・・エレメントフレーム
チ・・・膜
リ・・・集水パイプ

Claims (9)

  1. ポリフッ化ビニリデン系樹脂と、主鎖がアクリル酸エステル系重合体および/またはメタクリル酸エステル系重合体、側鎖がエチレンオキサイド系重合体および/またはプロピレンオキサイド系重合体であるグラフト共重合体の混合物を主成分として構成される多孔質膜であって、前記側鎖の重合度が25以下であり、かつ、前記側鎖が前記グラフト共重合体中に55重量%以上含まれていることを特徴とする多孔質膜。
  2. 前記多孔質膜が平膜である、請求項1に記載の多孔質膜。
  3. 前記多孔質膜が中空糸膜である、請求項1に記載の多孔質膜。
  4. 有機繊維からなる多孔質基材を有してなる、請求項1〜3のいずれかに記載の多孔質膜。
  5. 温度25℃、水頭差1mの条件下で測定した純水透過係数が1×10−9/m・Pa・s以上であり、かつ、クロスフロー条件下での平均粒径0.10μm以下の微粒子阻止率が90%以上である請求項1〜4のいずれかに記載の多孔質膜
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の多孔質膜を備えた固液分離装置。
  7. 前記多孔質膜が活性汚泥槽に浸漬配置されてなる、請求項6に記載の固液分離装置。
  8. 前記多孔質膜に対して被処理液を実質的に平行に流す手段を備えている、請求項6または7に記載の固液分離装置。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載の多孔質膜、または請求項6〜8のいずれかに記載の固液分離装置を用いて被処理液中の懸濁物を除去する、固液分離方法。
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