JP2006513987A - プロピレンのプロピレンオキシドへの直接酸化方法、およびその方法で使用する大粒径チタンシリカライト触媒 - Google Patents

プロピレンのプロピレンオキシドへの直接酸化方法、およびその方法で使用する大粒径チタンシリカライト触媒 Download PDF

Info

Publication number
JP2006513987A
JP2006513987A JP2004537655A JP2004537655A JP2006513987A JP 2006513987 A JP2006513987 A JP 2006513987A JP 2004537655 A JP2004537655 A JP 2004537655A JP 2004537655 A JP2004537655 A JP 2004537655A JP 2006513987 A JP2006513987 A JP 2006513987A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
titanium silicalite
catalyst
crystals
titanium
reactor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004537655A
Other languages
English (en)
Inventor
ベルナルド クッカー、
ウィルソン、 エイチ. オニムス、
ジェニファー、 ディー. ジューソン、
ラルフ、 エム. デソウ、
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lyondell Chemical Technology LP
Original Assignee
Arco Chemical Technology LP
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Arco Chemical Technology LP filed Critical Arco Chemical Technology LP
Publication of JP2006513987A publication Critical patent/JP2006513987A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J29/00Catalysts comprising molecular sieves
    • B01J29/89Silicates, aluminosilicates or borosilicates of titanium, zirconium or hafnium
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J35/00Catalysts, in general, characterised by their form or physical properties
    • B01J35/40Catalysts, in general, characterised by their form or physical properties characterised by dimensions, e.g. grain size
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B37/00Compounds having molecular sieve properties but not having base-exchange properties
    • C01B37/005Silicates, i.e. so-called metallosilicalites or metallozeosilites
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D301/00Preparation of oxiranes
    • C07D301/02Synthesis of the oxirane ring
    • C07D301/03Synthesis of the oxirane ring by oxidation of unsaturated compounds, or of mixtures of unsaturated and saturated compounds
    • C07D301/04Synthesis of the oxirane ring by oxidation of unsaturated compounds, or of mixtures of unsaturated and saturated compounds with air or molecular oxygen
    • C07D301/06Synthesis of the oxirane ring by oxidation of unsaturated compounds, or of mixtures of unsaturated and saturated compounds with air or molecular oxygen in the liquid phase
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D301/00Preparation of oxiranes
    • C07D301/02Synthesis of the oxirane ring
    • C07D301/03Synthesis of the oxirane ring by oxidation of unsaturated compounds, or of mixtures of unsaturated and saturated compounds
    • C07D301/12Synthesis of the oxirane ring by oxidation of unsaturated compounds, or of mixtures of unsaturated and saturated compounds with hydrogen peroxide or inorganic peroxides or peracids

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Epoxy Compounds (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

2μmを超える粒径を有する、チタンシリカライトの大型結晶、またはより小さな結晶の相互成長した連晶が、過酸化水素の存在下でのオレフィンのエポキシ化向けに、工業的に適正な速度で触媒的に有効であることが見出されている。低ナトリウム含量を有するシリカ源により合成した結晶によって、高レベルの生産量および選択性が示される。この結晶は低い触媒摩滅率を有し、また生成物流から容易に濾別可能である。

Description

本発明は、チタンシリカライト触媒の存在下での過酸化水素からのプロピレンオキシドの合成に、または市販の貴金属処理したチタンシリカライト触媒の存在下での水素/酸素混合物からのプロピレンオキシドの合成に関する。
プロピレンオキシドは商業的に重要なアルキレンオキシドである。なかんずく、非イオン型ポリエーテル界面活性剤の調製向けに、またポリエステルおよび他のポリマー製造用ポリエーテルポリオールの調製向けに、しかし特にポリウレタンの製造のためのポリオールの調製向けに大量のプロピレンオキシドが使用されている。後者のポリオールには、ホモポリマー状ポリオキシプロピレンポリオールと、プロピレンオキシドのほかに他のアルキレンオキシド、特にエチレンオキシドを使用して調製したコポリマー状ポリオールとの両方が含まれる。プロピレンオキシドは、有機合成における数多くの他の用途をも有する。
古くからのプロピレンオキシド製造方法では「エピクロロヒドリン」法を使用した。これは有毒な塩素を使用し、また数多い塩素含有の副生物(byproducts)を発生し、それらが環境問題を提起する方法であるが、今日もなお使用されている。いくつかの「同時生成物(coproduct)」方法が開示され、および/または実施されている。1つの主な工業的方法では、プロピレンオキシドを生成させるためのエチルベンゼン酸化生成物によるプロピレンの間接酸化において、主な同時生成物としてスチレンを生じる。この同時生成物方法は、他の同時生成物方法と同様に、同時生成物の経済的価値が、全体としてのその方法の経済性に大きな影響を有する。時には同時生成物の価値が、望ましくないほど低い恐れがある。したがって、プロピレンオキシドを製造するため同時生成物の経済性に依存しない方法を使用することが望ましい。
プロピレンオキシド製造の「直接」方法が長い間探求されている。このような「直接」方法では、著しい量の同時反応物、およびこれらの同時反応物からの同時生成物の付随的な生成なしで、酸素または過酸化水素などの「単純な」酸化前駆体によるプロピレンの酸化により生産される。これらの取組みにおいて莫大な研究が費やされているが、プロピレンオキシドの「直接」生産は、これまで工業的に現実のものになっていない。
米国特許第5401486号において、欧州特許第A−100118号を引用し、チタンシリカライト触媒の存在下において過酸化水素によるプロピレンの「直接」酸化によってプロピレンオキシドを生産できることが開示されている。しかし、後者の特許は、オレフィン酸化の原理的な生成物はエーテルであり、オレフィンオキシドは少量しか調製されないことを示している。オレフィンオキシドの比較的低い収率にも拘わらず、このような方法において有用なチタンシリカライトは、アナターゼ形のチタンシリカライトが実質的に存在しない例外的に小さなチタンシリカライト結晶に限定されることが、当技術分野により一般に認められている。これらの結晶は、粒径約0.2μm以下である。この結晶は不均一結晶なので、より大きな粒径の触媒の使用は、それらの表面積が減少し、アルケンの酸化においてかなりの活性および生成物収率の低下を招くはずである。例えば、チタンシリカライトを使用する線状アルカノールの酸化速度は、チタンシリカライトの結晶径が増加すると低下することが示されている。例えば、最大の触媒活性を得るには、0.2ミクロン未満の粒径が必要であることを示す「Oxidation of Linear Alcohols with Hydrogen Peroxide Over Titanium Silicalite 1」、A.Van der Polら、Schuit Institute of Catalysis、Eindhoven University of Technology、APPL.CATAL.A.,106(1)97〜113(1993)を参照されたい。高い触媒活性は、チタンシリカライトの小さな一次結晶によってのみ得られることを示す米国特許第6106803号をも参照されたい。第6106803号特許権者らは、小さな一次結晶を調製し、これらの結晶を使用し噴霧乾燥によってより大きな粒径の粒状物を形成することを教示している。これらおよび他の出版物は、大きなチタンシリカライト結晶の使用に関する研究を思い止まらせている。
オレフィンのエポキシ化により直接に関する他の参考文献は、チタンシリカライト結晶におけるアナターゼの存在により、選択性および過酸化水素変換効率が低下することを示している。例えば、「Preparation of TS−1 Zeolite Suitable for Catalyzing the Epoxidation of Propylene」、H.Gaoら、Shanghai Research Institute of Petrochemical Technology、Shanghai、Peoples Republic of China、Shiyou Xuebao,Shiyou Jiagong(2000)16(3),79〜84頁、および「Synthesis and Physicochemical Properties of Zeolites Containing Framework Titanium」、C Darttら、California Institute of Technology、Pasadena、CA、MICROPOROUS MATTER.(5)p.425〜437(1994)を参照されたい。
しかし、小さなチタン結晶、例えば、約0.2μm以下のものを使用することは、アルケンの工業的エポキシ化において大いに問題がある。固定床法では小さな粒径により莫大な圧力低下を生じ、そのためこの方法を運転不可能とし、一方スラリー法では、液体反応器内容物から触媒を分離するのが極めて困難である。その上、工業的に有用な反応器において、微粒子触媒が摩滅するため、時間が経つとその粒径が小さくなり、触媒を回収し反応器に再循環して戻すように設計されたフィルタを結局詰まらせる。結果として、小粒径触媒の触媒活性は適正に高いが、このような触媒を使用する工業的方法は実用的ではない。
オレフィンエポキシ化方法の寿命を改善するため、例えば、米国特許第5500199号および米国特許第6106803号により教示されるように、小さなチタンシリカライト結晶は、結合剤を使用することによって、団塊状に集められより大きな粒子に成形されるようになった。しかし、このような団塊状に集められた触媒は、いくつかの欠陥を欠点として有する。結合剤は多孔性であるが、必然的にゼオライト構造を部分的に覆い隠しており、したがって反応において、このような部分は触媒部位として事実上排除されるであろう。結合剤が高い接着および凝集力を有しない限り、団塊がばらばらに壊れるにつれて成形された粒子は再び摩滅を受けるであろう。結合剤含量を増加させると触媒摩滅を最小限に留めることができるが、触媒作用部位が覆い隠される可能性がより高くなる。その上、触媒が結合剤により、重量/重量基準で、本質的に「希釈され」、したがって同一のエポキシド生成速度のためにはより多い触媒量を必要とする。
高い活性、低い触媒摩滅速度、および結合剤使用からの解放が示され、また触媒フィルタエレメントの速やかな閉塞を招くことのない、大きなチタンシリカライト結晶の存在下においてプロピレンを直接エポキシ化するのが望ましいことであろう。
チタンシリカライトの大粒径の結晶およびチタンシリカライトの結晶の連晶を、このような大粒径粒子を使用することに対する当技術分野の偏見にも拘わらず、工業的に有用なエポキシ化速度で、アルケンのエポキシ化に使用できることが、驚くべきことにここに発見されている。さらに驚くべきことにシリカ源材料が触媒活性に著しく影響を及ぼすことができることが発見されている。大結晶および連晶を使用するアルケンのエポキシ化方法では、急速な微粉の発生が非常に少なく、したがってこのような触媒を使用するアルケンのエポキシ化は運転休止なしに、また工程への新たな触媒の添加をかなり少なくして、長期間操業することができる。
本発明は、2ミクロンを超える平均粒径を有するチタンシリカライト結晶粒子の存在下でのアルケンのエポキシ化に関する。この粒子の径は、走査型電子顕微鏡写真から拡大することにより、またはレーザ分散法に基づく方法により、測定することができる。本主題の発明の方法におけるエポキシ化は、過酸化水素によることができ、または適切な貴金属処理触媒を使用する場合水素と酸素との混合物によることができる。本明細書において使用している用語「エポキシ化」は、特に他に指示していない限り、上記に示したいずれかのエポキシ化反応物の組合せを使用する方法を指す。水素と酸素との使用は、in situで過酸化水素が発生するので、「in situ」方法と名付けることができる。後者の方法において、好ましい触媒はパラジウム処理したチタンシリカライトであるが、しかしチタンシリカライトエポキシ化触媒と一緒に他のパラジウム触媒および他の金属触媒を使用できる。このような金属触媒の例にはNi、Pd、Pt、Cu、Ag、およびAuが含まれるが、それらに限定されない。貴金属触媒が現在好まれている。
エポキシ化されるアルケンは、C3または高級アルケン、好ましくはプロピレンであるが、しかしC420アルケン、より好ましくはC48アルケン、またより一層好ましくは、1−ブテンおよび2−ブテンなどC4アルケンなどの他のアルケンによっても本方法は有用である。ジエンおよびポリエン、例えば1,3−ブタジエンが有用であるように、シクロヘキセンおよびシクロペンテンなどの環状アルケンも有用である。エポキシ化は、例えば連続式攪拌槽型反応器(CSTR)、管型反応器、固定床式および流動式反応器などにおいて、連続的に行われることが好ましい。このような方法において、アルケンおよびエポキシ化剤を反応器に供給し、固体チタンシリカライト触媒と接触させる。温度を調節して、操業の持続を問題あるものにする恐れのある種類および量の副生物が生成しない、適正な反応速度を達成する。反応温度25℃〜100℃が好ましく、30℃〜80℃がより好ましく、40℃〜70℃が最も好ましい。反応温度、反応圧力の選択、副生物の分離、および生成物の精製は、当業者により容易に実施される。
本方法は、水素と、酸素と、in situ で過酸化水素を生成させるのに適した触媒とを使用する、in situ 方法であることが最も好ましい。水素および酸素は「永久気体」なので、反応器から未反応部分を容易に分離しかつ再循環できる。パラジウムは好ましい貴金属触媒であるが、過酸化水素発生の触媒作用を行う他の貴金属、例えばPt、Au、およびAgが同様に使用できる。貴金属は、シリカ、熱可塑性プラスチックビーズ、または任意の他の手頃な担体上に担持され得る。しかし、このような担体は反応器の体積を占有するが、オレフィンのエポキシ化の触媒作用は行わない。チタンシリカライト上に貴金属を付着させることができ、したがってこの触媒は過酸化水素発生およびオレフィンのエポキシ化の2つの機能を発揮することが見出されている。驚くべきことに、オレフィンのエポキシ化効率が保持される。未処理チタンシリカライトと金属処理したチタンシリカライトとの混合物も有利に使用できる。
本発明において有用なチタンシリカライト触媒は、2μmを超える平均粒径を有するチタンシリカライト単結晶および連晶である。用語「連晶」は、十分な結合剤を添加して成形製品を形成し、またチタンシリカライト結晶の顕著な部分を結合剤が取り囲んでいる前に使用した「団塊」という語と対照させるべきである。本発明の「連晶」は、結晶を一緒に接着させる結合剤を全く含有しない。連晶の結晶は成長過程によって一緒に結合され、それにより実質的な完全無欠性を有する結晶の絡み合ったマトリックスを生じるのが最も好ましい。このような連晶の一例を図1に示している。
チタンシリカライト単結晶は一般に形状がフラットな斜方六面体である。単結晶の、主表面を横切る最小平均直径(幾何的)は2μmであるが、より大きいこと、すなわち3〜15μmが好ましく、4〜12μmが最も好ましい。これらの大きな粒径において有用なエポキシ化率を保持することができるのは大いに驚くべきことである。大きな単結晶は一般に、アスペクト比(長さ/厚さ)約1〜10、より好ましくは1〜6、最も好ましくは1〜5を有するフラットな斜方六面体である。小さなアスペクト比、すなわち1〜2が最も好ましい。結晶の厚さは比較的小さい、すなわち0.3〜5μm、より好ましくは0.4〜3μm、最も好ましくは0.5〜2μmの範囲にある。このような結晶の一例を図2に示している。
オレフィンのエポキシ化向けに連晶となったチタンシリカライトを使用することは、開示されてきていない。連晶となった結晶は、比較的小さな粒径の、すなわちその主表面を横切る大きさ5.0μm未満が好ましく、また4ミクロン未満が好ましい、「一次」斜方六面体系結晶を有する、チタンシリカライトを実質的に含む。連晶が2μmを超える、より好ましくは2〜30μmの範囲における、最も好ましくは4〜20μmの範囲における、平均粒径(3ジメンションの幾何平均)を有するような、かなりの量の相互成長、「双晶化」など、が行われる方法によって連晶が成長する。平均粒径が約4〜5μmである図1が参照できるであろう。驚くべきことに、このような連晶は同一の平均粒径を有する単結晶よりも一層高いエポキシ化性能を有することが見出されている。
大きなチタンシリカライト単結晶は、当技術分野で知られている方法、例えば、米国特許第5401486号、欧州特許第119130号、欧州特許第543247号、およびSTUDIES IN SURFACE SCIENCE,V.84,p.203〜210により開示されている方法によって作成できる。小結晶チタンシリカライト(すなわち0.2μm)の合成は、米国特許第4410501号に記載されている。本明細書において開示される合成方法を使用するのが最も好ましい。大きな単結晶チタンシリカライトの調製において、ある範囲の粒径のものが一般に生成される。
連晶とする結晶粒子の調製のため、2μmを超える粒(連晶)径を有する有用な連晶をもたらす任意の方法が使用できる。このような連晶調製方法は、「成形した」または「形成した」団塊状触媒粒子を生成させるために使用している、結合剤との仮焼を伴う小結晶の調製は包含してはならない点に注目されたい。むしろ、結晶成長それ自体により、連晶が生成される。本明細書において、明らかに異なる連晶化した「晶子(crystallite)」のいくつかの例を提示している。これらの方法は例示的なものであり、限定的なものではない。
チタンシリカライト単結晶成長の一方法において、加水分解性チタン前駆体およびシリカ源、またはケイ素およびチタンの両方を含有する1種または複数の加水分解性前躯体を、好ましくはアンモニア、過酸化水素、およびハロゲン化テトラアルキルアンモニウムなどのテトラアルキルアンモニウム化合物の存在下において、水中で加水分解させる。この調製の第1の部分は、1気圧および緩やかな温度、5℃と85℃の間、で行われ、「ゲル」が作られる。この調製の第2の部分、水熱結晶化は、自生圧力下における高い温度、すなわち150℃〜200℃での密閉したオートクレーブ内で一般に行われる。次いで、成長時期の終りに、例えば100〜200時間で、圧力を解放する。
チタンシリカライト連晶の調製のため、結晶成長は、加水分解性チタン、加水分解性シリカ、および水酸化テトラプロピルアンモニウムを含有する成長媒質内で行われるのが好ましい。結晶化は、130℃〜200℃、より好ましくは約150℃〜180℃で長時間、好ましくは1〜8日、実施するのが好ましい。結晶は外観が幾分円形(多角形)であり、多数の結晶および結晶面を明瞭に示している。典型的な連晶の走査型電子顕微鏡写真を図1に示している。好ましいチタンおよびシリカ源には、アルキル−およびアルコキシ−官能性シロキサン/チタン酸塩コポリマーが含まれる。このようなコポリマーは市販されている。用語「加水分解性チタン/ケイ素」コポリマーとは、加水分解によってチタンシリカライトを得ることができるような加水分解性官能基を有し、チタンおよびケイ素を共に含有する組成物を意味するものとする。チタンおよびケイ素−結合による加水分解性基には、アルコキシ、ヒドリド、ヒドロキシ、ハロ、などの基が含まれるが、それらに限定されない。チタンに関しては、アルキルおよびアリール基が同様に存在できる。
アルカリ金属およびアルカリ土類金属の少ない原料供給源の使用は、予想外に高い活性を有する大結晶チタンシリカライトをもたらすことがさらに発見されている。特に、ナトリウム100ppm未満を有するシリカ源の使用が大いに望ましい。一層少ないナトリウム、例えば約50ppm以下を有し、かつ低いアルミニウムおよび鉄含量のシリカも推奨される。このような高度に純粋なシリカの供給源には、市販されているシリカフュームが含まれる。
本発明のチタンシリカライト触媒は、エポキシ化のための酸素の供給源として、過酸化水素よりもむしろ水素および酸素を反応器に供給する前述の in situ 方法において、使用するのが好ましい。これらの条件下では、貴金属、好ましくはパラジウム、を含有するようにチタンシリカライトは変えられる。貴金属は、従来の沈積方法によってチタンシリカライトに施与できる。このような沈積方法において、任意の可溶性パラジウム化合物が使用でき、またはPdを施与する他の方法が使用できる。パラジウム処理チタンシリカライト触媒を首尾よく調製するために、テトラアンミンパラジジウム二塩化物およびテトラアンミンパラジウム二硝酸塩が共に使用されている。過剰のアンモニアなしでテトラアンミンパラジウム二硝酸塩を使用するのが好ましい。例えば、チタンシリカライトは、硝酸塩については80℃で24時間、また塩化物については20℃で1時間、可溶性パラジウムの溶液で処理し、続いて濾過し、また脱イオン水に再懸濁してもよい。次いでさらに2回、製品を濾過し、また脱イオン水に再懸濁させる。パラジウム処理製品を単離し、50℃で1晩真空乾燥し、また流動する窒素中4体積パーセントの酸素の中で110℃まで加熱して(10℃/分)1時間保持し、かつ2℃/分で150℃まで加熱し、続いて4時間保持することにより仮焼できる。パラジウムの重量百分率は、0.01重量パーセント〜約2重量パーセント以上の範囲とすることができるが、好ましくは0.1〜約0.8重量パーセント、より好ましくは0.2〜0.5重量パーセントである。パラジウム含有触媒に、パラジウム溶液からのイオン交換作用をさらに受けさせ、続いて上述のように仮焼することによって、より高いパラジウム装入量を達成することができる。パラジウムおよび他の触媒金属のさらなる沈積方法は、車両排気用触媒コンバータの技術、ならびに貴金属沈積を取り扱っている他の参考文献に見出すことができる。上述の方法は、限定的なものではない。
従来技術の触媒は、フィルタの閉塞のため0.2μm以下の平均粒径により連続的な反応器の操業を維持することが事実上不可能なので、全く工業的有用性を有していない。本触媒は、粒径が増加している点に関連して見た場合、驚くほど高い活性を発揮する。本方法は最適化されていないにも拘わらず、従来技術の小粒径チタンシリカライトのエポキシ化速度と同様な、かついくつかの場合それらに優るエポキシ化速度を達成している。本主題の発明の、より大きい触媒を使用している方法は、操業休止なしで長期間運転することができる。したがって、より低い生産速度の触媒であっても、休止時間のない点がこれらの触媒を商用化可能としている。
触媒摩滅抵抗性は、業務用のチタンシリカライトエポキシ化触媒に必要なパラメータである。触媒摩滅抵抗性は一連の反応キャンペインからの固体触媒の定期的な試料採取により測定でき、あるいは、水中または適切な溶媒中で実施され、下記に記述している触媒摩滅試験により評価できる。後者の試験は、エポキシ化の間の触媒摩滅速度を正確に反映することが示されてきている。
触媒摩滅試験において、モデル反応器は内径3 1/8インチを有し、また650RPMで回転する直径2インチの6翼Rushtonタービンを有する。バッフルケージは、それぞれ幅5/16インチの小板4枚を有する。50グラムの大結晶TS−1を、500mlの脱イオン水と一緒に装入し、20℃で攪拌する。試験の間、化学作用は全く行われない。チタンシリカライトは、単結晶として存在する場合、最初はプレートの形状であり、通常平坦なまたは幾分凸面の端部と、真直ぐな側面とを有する。例えば、実際の試験において、電子顕微鏡画像から直接行った測定は、自動化レーザ系技術で得られる値にほぼ従う平均寸法10.2×7.63×1.87ミクロンを示した。粒径および寸法を測定する任意の方法が使用できるが、試料は電子顕微鏡およびレーザ分散によって粒度分布測定する。粒度分布データから体積基準メジアン直径(dvol,50%)および数基準メジアン直径(dn,50%)を抽出でき、そして時間が経つとゆっくりと崩壊することが示される。電子顕微鏡写真は、主としてチタンシリカライトの小プレートの隅部および端部からの破片である微粉の割合が定常的に増加していることを示す。
粒径摩滅が一次プロセスであると仮定して、体積基準および数基準メジアン粒径を、日で表した時間に対するそれらの値の対数としてプロットできる。上述の例について、直線の最小二乗値を当てはめ、粒径摩滅を追跡する下式が求められる:
vol,50%(ミクロン)=10-0.0009t +0.9799 t=時間(日) −0.21%/日に相当する
n,50%(ミクロン)=10-0.0005t +0.8974 t=時間(日) −0.12%/日に相当する
これらの関係は、適切に負勾配であり、データの範囲では当を得た相対的大きさのものであるが、時間の高い値では交差しているプロットを示す。試験最初の24時間では緩く結合した微結晶の崩壊を生じ、それがデータに干渉しているので、0時間における粒径データはこれらの曲線当てはめから排除した。これらの式を使用して、180および365日における粒径は、次のようになると予測される:dvol,50%6.58および4.48ミクロン、ならびに、dn,50%6.42および5.19ミクロン。カオリンまたはアルミナ結合剤を有する0.2μmチタンシリカライト結晶の噴霧乾燥により調製した団塊が、有用であるには遙かに高過ぎる、体積基準メジアン粒子直径の減少速度で表し平均18.6%/日の実質的により高い触媒摩滅速度を示した点に注目されたい。触媒粒子は、1日当り2%(滅損)以下の、好ましくは1日当り1%未満の、より好ましくは1日当り0.5%以下の、触媒摩滅速度を有するべきである。
本明細書における種々の触媒の化学的効率は、バッチ方式でのスクリーニング試験により最初に評価される。「スクリーニング試験」は、エポキシ化剤として過酸化水素を使用して、高圧ステンレス鋼製オートクレーブ内で実施される。40gの、メタノール84重量%、過酸化水素4.8%および残量の水と、0.15gのチタンシリカライト含有触媒とをオートクレーブに投入する。この触媒は実質的に全部チタンシリカライトであることが好ましい。この反応器を密閉し、50℃まで加熱し、そしてプロピレン19gを注入する。600RPM(10s-1)で回転する攪拌棒により攪拌する。0.5時間後、反応を停止するため反応器を衝撃急冷し、残留プロピレンをガスバッグに脱気する。反応器内に残留する水性相と同様に、プロピレンの重量を計り、分析する。過酸化水素変換効率、プロピレンオキシド(「PO」)生産量、およびプロピレンオキシド等価物(「POE」)生産量を報告する。プロピレンオキシド等価物とは、プロピレンオキシドおよび誘導体、すなわち、なかんずくプロピレングリコール、アセトール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシ−1−プロパノール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、メトキシジプロピレングリコール、およびメトキシトリプロピレングリコールを意味するものとする。選択率は、PO開環の相対的度合いを測定する(POモル/POEモル)×100%、およびPOEへのプロピレン変換の選択率を測定する(POEモル/消費したプロピレンモル)×100%を、パーセントで報告する。他の重要な選択率の測定は、(POEモル/消費した過酸化水素モル)×100%であり、このものはプロピレンのPOEへの過酸化水素によるエポキシ化の選択率を測定している。これらの実験において、比較の目的の対照標準触媒は、粒径0.2μmおよびTi含量1.1重量%を有するチタンシリカライトである。
好ましい工業的オレフィンエポキシ化法において、チタンシリカライトエポキシ化触媒を、水、低級アルコール、アルキルアルコールエーテル、ケトンなどを含むことができる反応混合物液相にスラリー化するのが好ましい。触媒は、スラリーとして、すなわち静止床に不適切に沈降せずに有効に保持することができる量で多く存在することが好ましい。反応器は、米国特許第5972661号に開示されているドラフト管型反応器であることが好ましいが、しかし、管型反応器およびスラリー反応器を含む他の反応器形状が可能である。別法として、反応器は、触媒粒子の固定床を構成することができる。
反応物フィード流は、オレフィンのほかに、in situ 反応器ではない場合過酸化水素および補給溶媒を含み、またin situ 反応器の場合、水素、酸素、および補給溶媒を含む。必要な場合、他の反応減速剤、促進剤、緩衝剤、などを添加できる。例えば、アルカリ金属炭酸水素塩のフィード流を添加できる。フィード流として、リン酸三アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸一アンモニウム、およびそれらの混合物が添加できる。in situ 方法ではなく過酸化水素を使用する場合に、酸素および/または水素のフィード流を導入できる。同様に、in situ 方法において、過酸化水素フィード流を追加的に導入できる。
前述のように、反応器は適切な温度に保持され、またアルキレンオキシド生成物、アルキレンオキシド等価物、溶媒、触媒、および触媒微粉などを含む、生成物取出し流を反応器から連続的に除去している。この生成物流から、大粒径触媒粒子、すなわち、粒径>1μmを有する、好ましくは2μmを超えるものは、従来の分離技術により分離しておき、反応器に再循環できるが、一方触媒微粉、特に粒径<0.5μm、好ましくは<0.2μmを有するものは廃棄するか、またはさらなる触媒合成向けの原料として使用する。いくつかの方法では、生成物流は触媒粒子を実質的に含有せず、または触媒微粉だけを含有し、大部分の触媒粒子は反応器内に残っているであろう。
アルキレンオキシド生成物は、生成物流の残っている非固体成分から蒸留によって分離し、また反応器の分散媒質/溶媒は有利には再循環され、何らかの損失分は「補給」溶媒で埋め合わせる。
in situ 反応の場合、比較的高圧で、すなわち50〜1500psig、好ましくは100〜500psig、最も好ましくは100〜200psigで、反応が行われ、また実質的に純粋な水素および酸素フィードを反応器に導入するのが好ましい。窒素または他の不活性ガスの導入は排除しないが、所与の反応器圧力における水素および酸素の有効な濃度を得るにはより問題が出てくる。
酸素および水素ガス分圧を調節して、爆発限界未満のガス組成を生成させることが好ましい。酸素分圧は、3〜50psig(122〜446kPa)、より好ましくは5〜30psig(135〜308kPa)、最も好ましくは5〜20psig(135〜239kPa)であり、一方、水素分圧は、2〜20psig(115〜239kPa)、より好ましくは2〜10psig(115〜170kPa)、最も好ましくは3〜8psig(122〜156kPa)である。反応していない水素および酸素は、再圧縮し再使用するよりも、むしろ燃料として燃焼させるのが好ましい。しかし、これらの成分を再循環することは可能である。
実施例1:
チタンシリカライト大結晶の合成、方法1
蒸留水51.06gを3首フラスコに装入し、次いで攪拌しながらそれを氷/水浴によって5℃まで冷却する。N2供給速度150cm3/分による窒素ブランケットを設ける。冷却した水に、激しく攪拌しながらチタン(IV)イソプロポキシド(98%、Strem 93−2216)4.4955gを添加し、それに続いて非常に激しく攪拌しながら30%過酸化水素9.102gを15分にわたってフラスコに添加する。5℃でさらに10分間フラスコを攪拌する。過酸化水素を添加すると溶液の色が黄色に変り、次いで金色にまた最後に橙色に変わる。アンモニア水254.237gmに脱イオン水45.763gを添加して25重量%アンモニア水溶液を生成させる。氷浴からフラスコを取り出し、連続的に攪拌しながら25%アンモニア水250.88gを添加する。溶液はいくらかの白色沈殿を有し淡緑色になる。内容物を10分間攪拌し、次いで80℃まで加熱し、この温度で3時間攪拌する。熱源を取り去り、125cm3/分で窒素パージしながら1晩にわたり攪拌を継続する。フラスコの重量を量り、25%アンモニア水の残部を添加する。高速度で80分間内容物を攪拌する。
フラスコに、攪拌を持続しながら蒸留水49.75g中の臭化テトラプロピルアンモニウム16.432g溶液の混合物を速やかに添加する。次いで、内容物にAerosil(登録商標)380シリカ(Degussa社)23.3gを添加し、よく混合する。
フラスコの全体の内容物を、清浄な、Teflon内張した、攪拌していない1000mlオートクレーブに移し、オートクレーブは3〜5分間100〜150cm3/分で窒素をフラッシュして、その加熱空間から酸素を置換する。どんな正圧も放出し、オートクレーブを密閉する。このオートクレーブを185℃まで加熱し、自生圧力でおよそ8日間攪拌する。このオートクレーブを室温までゆっくり冷却し、濡れたフィルタケーキとして単離された固体生成物を公称5μmフィルタ上で濾過し、80℃蒸留水300mlに再分散させ、激しく攪拌し、再び濾過する。この蒸留水洗浄をさらに2回繰り返し、それに続いてこの触媒を60℃で1晩真空乾燥する。この材料をNeyオーブン内において110℃で4時間仮焼し、続いて空気中で550℃で6時間仮焼する。使用する前に、本主題の発明の触媒は水中のスラリーとし、場合によって0.45μm、0.8μm、または5.0μmフィルタ上で濾過し、フィルタケーキ(したがって大きい粒子)を保持した。
これまで記述した一般手順において、最初にフラスコに添加するチタン(IV)イソプロポキシドの量を増加しまたは減少させることにより、Tiの重量百分率を調節できる。文献によれば、ゼオライト骨格中へのTi組込みの実際的限界はおよそ2.0重量パーセントである。より高いレベルのチタンを使用すると、アナターゼの生成を招くと言われており、それにより小さい(0.2μm)結晶ではエポキシ化の収率が低下すると言われる。チタン含量約1.3〜約4重量パーセントを有する大結晶を調製している。触媒調製ごとにオートクレーブのTeflon内張りを綿密に清浄にすべきであり、または新たな内張材を取り付けるべきである点に注目されたい。
比較例C1
シリカ源としてオルトケイ酸テトラエチルを使用する従来技術の方法によって、平均粒径0.2μmを有するチタンシリカライト結晶が調製された。例えば、米国特許第4410501号、実施例1を参照されたい。
実施例2〜7および比較例C2
前記において考察した一般的方法により大粒径のチタンシリカライトを調製し、典型的なエポキシ化活性を有し、かつ1.1重量%のチタンを含有し、その全てがチタンシリカライトとしてゼオライト構造に組み込まれていると考えられる従来技術のチタンシリカライト結晶C1と比較した。前述のスクリーニング試験において種々の触媒を試験した。その結果を、関連するものと考えられる分析および他のデータと一緒に表1および2に示している。全ての触媒について完全な元素分析は実施しなかった。実施例7は、濾過により微粉を除去し、比較例C2として活性について試験した大型結晶からなる。
Figure 2006513987
Figure 2006513987
表1および2は、大粒径のチタンシリカライト触媒が、非常に小さい従来技術の触媒よりも幾分低い活性を有することを示している。しかし、活性における低下は、非常に大きい触媒粒径を見て予想される低下に近いものでは決してない。例えば実施例2および3は、過酸化水素変換率における平均の低下約16%を示すに過ぎないが、プロピレンオキシドへの選択性は実際に幾分上昇している。大粒径のチタンシリカライト触媒が、微粉をだんだん除去して行くと、より大きい活性を示した点も驚くべきことである。例えば、0.8および5μmフィルタ上に集めた大きいチタンシリカライトは、0.45μmフィルタ上に集めたチタンシリカライトを超える活性を示した。より小さい粒子を含有する触媒がより高いH22変換率を示すと予想されるであろう。しかし、この場合そうではない。実施例7および比較例C2では、保有物(大結晶)の活性を、5μmフィルタを通過する結晶の活性と比較している。微粉についてのH22変換率7.09%と比較して、前者は32.08%を示し、これは予想されるものの反対であった。実施例6の触媒は、98%硫酸中でスラリーとし、洗浄し、110℃で乾燥し、かつ仮焼した。この処理の前に、触媒は比較的低い活性を示した(H22変換率7.1%)。硫酸で洗浄するのは、触媒活性を増加させる一方法である。Ludox AS40コロイド状シリカ(DuPont社)を使用して、これまでに記述された一般的方法によりチタンシリカライト結晶が調製された。
実施例8〜10
低いナトリウム含量を有するシリカ源から様々なチタンシリカライト触媒を調製した。シリカ源として、フューム状シリカ(Aerosil(登録商標)380、Degussa社)を使用した。表1および2の実施例において使用したLudox(登録商標)AS40コロイド状シリカと比較して、低いナトリウム含量のほかに、より低い鉄およびアルミニウム含量が存在する。コロイド状シリカのナトリウム含量1300ppmと比較して、Aerosil(登録商標)380のナトリウム含量は50ppm未満である。低ナトリウムのシリカ源を使用して調製した様々なチタンシリカライトの試験を、従来技術の慣用的な小粒径チタンシリカライト触媒、ならびに「高」ナトリウムシリカ源から調製した主題の発明の大粒径チタンシリカライト触媒と比較している。関連する物理的および化学的性質ならびに触媒活性を、下記の表3に示している。
Figure 2006513987
表3における結果は、低ナトリウムシリカ源を選択することにより、より高いナトリウム含量のシリカから調製した他の同様な触媒と比較して、H22変換効率および選択性が共に高くなることを示す。中間のTiレベルにおける結果(実施例9)は、従来技術の小さいチタンシリカライト触媒とほぼ同一のH22変換効率を示している(0.2μm結晶に対し90%<)が、過酸化水素に対するプロピレンオキシド等価物選択性は実際優れている(約98%)。非骨格Tiが有害であることを示す従来技術の教示に反して、使用したTiの量(約4重量%)は、TS−1構造に組み込むことができるものを超えている。
チタンシリカライト結晶性連晶合成、方法2
連晶の調製について、水酸化テトラプロピルアンモニウム、または水酸化テトラアルキルアンモニウムとハロゲン化テトラアルキルアンモニウムとの混合物を使用する。シリカおよびチタン源は、単結晶成長についてと同一としてよいが、方法2において好ましく使用するのは、アルコキシシラン/チタン酸アルキルコポリマーなどのシロキサン/チタン酸塩コポリマーである。1つのこのようなコポリマーはGelest社のPSITI−019、すなわちケイ素19.4重量%およびTi2.2重量%を含有するジエトキシシランおよびチタン酸エチルコポリマーである。一般に、テトラアルキルアンモニウム塩および塩基が必要である。適切な塩基には有機アミン、アンモニア、および水酸化テトラアルキルアンモニウムが含まれる。
実施例11
19.4重量%Siおよび2.2重量%Tiを含有するジエトキシシラン−チタン酸エチルコポリマー(PSITI−109、Gelest,Inc.社)6.8gを、40重量%水酸化テトラプロピルアンモニウム(Alfa社)水溶液10gおよび水25gと一緒に混合することにより、連晶化した結晶性チタンシリカライト(TS−1)触媒を調製した。混合物を攪拌し、80℃まで加熱して蒸留によりエタノールを除去した。追加的な水により体積を再構成し、混合物をシェーカーボンベ(オートクレーブ)に投入し150℃で7日間加熱した。固体生成物、白色粉末2.2gを分析し、37重量%Si、1.1重量%Ti、9.2重量%C、および0.99重量%Nを含有することを見出した。X線回折パターンは純粋なチタンシリカライト(TS−1)に一致した。生成物の走査型電子顕微鏡観察により、比較的大きい(約6〜7ミクロン)結晶性団塊が生成され、高度に連晶化した結晶からなることが示された。
実施例12
66.1重量%SiO2、10.0重量%Na2O、および4.8重量%K2Oを含有する結晶性ケイ酸チタンETS−10(Englehard社)を、80℃において1M NH4NO3で3回イオン交換した。水25g中の40%水酸化テトラプロピルアンモニウム(Alfa社)10gに、上記からのイオン交換生成物5.0gを添加した。混合物をシェーカーボンベに装入し180℃で5日間保持した。回収した生成物は、X線回折により純粋なチタンシリカライト(TS−1)であり、39重量%Siおよび1.7重量%Tiと分析された。SEMにより、高度の連晶である、約3ミクロンの粒径の結晶性団塊が示された。
実施例13
TEOS(オルトケイ酸テトラエチル)7.14g、チタン(トリエタノールアミナト)イソプロポキシド(イソプロピルアルコール中80%)7.07g、水21g、40重量%水酸化テトラプロピルアンモニウム(Alfa社)7.39g、およびHZSM−5(PQ社のCBV−10002、Si/A1=255を有する)0.43gを含有する混合物を調製した。シェーカーボンベ内において混合物を150℃で7日間加熱した。白色固体2.38gを回収し、XRDにより純粋なチタンシリカライト(TS−1)であることが示された。550℃において空気中で仮焼した後、この固体は41重量%Siおよび1.2重量%Tiと分析された。SEMにより、粒径5〜10ミクロンの結晶性連晶の存在が示された。
実施例14
無定形チタノシリケート(7.0重量%Tiおよび38重量%Siを含有する)3.97g、40%水酸化テトラプロピルアンモニウム10.0g、水23.9g、およびHZSM−5(PG社のCBV−10002、Si/A1−255を有する)0.4gの混合物を、シェーカーボンベ内において180℃で4日間加熱した。白色固体3.97gを回収し、XRDにより純粋なTS−1であることが示された。550℃において空気中で仮焼した後、生成物は1.6重量%Tiおよび41重量%Siと分析された。SEMにより、粒径5ミクロンを超える結晶性連晶の存在が示された。
実施例15
19.4重量%Siおよび2.2重量%Tiを含有するジエトキシシラン−チタン酸エチルコポリマー(PSITI−019、Gelest,Inc.社)6.99gを、臭化テトラプロピルアンモニウム1.97g、仮焼したTS−1(1.45重量%Ti)0.31g、40重量%水酸化テトラプロピルアンモニウム(Alfa社から)水溶液1.02gおよび水28gと一緒に混合することにより、連晶化した結晶性チタンシリカライト(TS−1)触媒を調製した。混合物をシェーカーボンベ内において150℃で7日間加熱し、固体生成物3.56gを回収した。X線回折パターンは純粋なチタンシリカライトに一致した。生成物の走査型電子顕微鏡観察により、比較的大きい(約6〜8ミクロン)結晶性団塊が生成され、高度に連晶化した結晶からなることが示された。
実施例16
75℃で2時間予熱したジエトキシシラン−チタン酸エチルコポリマー(19.4重量%Siおよび2.2重量%Tiを含有するPSITI−019、Gelest,Inc.社)5.99gを、1.45重量%Tiを含有する仮焼した0.33gのTS−1、40重量%水酸化テトラプロピルアンモニウム(Alfa社から)水溶液10.07gおよび水20gと一緒に混合することにより、連晶化した結晶性チタンシリカライト(TS−1)触媒を調製した。混合物をシェーカーボンベ内において200℃で2日間加熱し、固体生成物3.1gを回収した。X線回折パターンは純粋なチタンシリカライト(TS−1)に一致した。550℃において仮焼した後、生成物は4.0重量%Tiおよび39重量%Siと分析された。生成物の走査型電子顕微鏡観察により、比較的大きな結晶性団塊が生成され、高度に連晶化した結晶からなることが示された。
実施例17
流動する窒素下において80℃で1時間予熱したジエトキシシラン−チタン酸エチルコポリマー(PS9150、United Chemical Technology,Inc.社、Si/Tiが12〜13でありSiO2およびTiO244〜47重量%を含有する)10.03gを、1.45重量%Tiを含有する仮焼したTS−1の0.33g、40重量%水酸化テトラプロピルアンモニウム(Alfa社から)水溶液10.04gおよび水20gと一緒に混合することにより、連晶化した結晶性チタンシリカライト(TS−1)触媒を調製した。混合物は550℃で加熱し、生成物は3.5重量%Tiおよび29重量%Siと分析された。生成物の走査型電子顕微鏡観察により、高度に連晶化した結晶からなる比較的大きな結晶性団塊が生成されたことが示された。
実施例18
75℃で2時間予熱したジエトキシシラン−チタン酸エチルコポリマー(19.4重量%Siおよび2.2重量%Tiを含有するPSITI−019、Gelest,Inc.社)7.06gを、1.45重量%Tiを含有する仮焼したTS−1の0.35g、40重量%水酸化テトラプロピルアンモニウム(Alfa社から)水溶液10.52gおよび水20gと一緒に混合することにより、連晶化した結晶性チタンシリカライト(TS−1)触媒を調製した。混合物をシェーカーボンベ内において180℃で3日間加熱し、固体生成物3.24gを回収した。X線回折パターンは純粋なチタンシリカライト(TS−1)に一致した。550℃において仮焼した後、生成物は1.3重量%Tiおよび41重量%Siと分析された。生成物の走査型電子顕微鏡観察により、高度に連晶化した結晶からなる比較的大きな結晶性団塊が生成されたことが示された。
実施例19
19.4重量%Siおよび2.2重量%Tiを含有するジエトキシシラン−チタン酸エチルコポリマー(PSITI−019、Gelest,Inc.社)13.6gを、臭化テトラプロピルアンモニウム2.7g、40重量%水酸化テトラプロピルアンモニウム(Alfa社から)水溶液5gおよび水36gと一緒に混合することにより、連晶化した結晶性チタンシリカライト(TS−1)触媒を調製した。混合物を攪拌し、80℃まで加熱して蒸留によりエタノールを除去した。追加的な水により体積を再構成し、混合物をシェーカーボンベ(オートクレーブ)に投入し175℃で5日間加熱した。固体生成物、白色粉末5.07gを分析し、38重量%Si、2.2重量%Ti、9.0重量%C、および0.92重量%Nを含有することを見出した。X線回折パターンは純粋なチタンシリカライト(TS−1)に一致した。生成物の走査型電子顕微鏡観察により、高度に連晶化した結晶からなる比較的大きい結晶性団塊が生成されたことが示された。
実施例20
19.4重量%Siおよび2.2重量%Tiを含有するジエトキシシラン−チタン酸エチルコポリマー(PSITI−019、Gelest,Inc.社)19.98gを、 HZSM−5(PQ社から、CBV−10002、Si/A1=255)1.05gと一緒に混合することにより、連晶化した結晶性チタンシリカライト(TS−1)触媒を調製した。混合物を70℃で2時間加熱し、次いで室温で1晩にわたって保持した。次いで、この混合物7.37gを、水20.1g中の40%水酸化テトラプロピルアンモニウム(Alfa社から)10.0gに添加した。混合物をシェーカーボンベ(オートクレーブ)に投入し175℃で5日間加熱した。固体生成物、4.14gの白色粉末は、純粋なチタンシリカライト(TS−1)のX線回折パターンを示した。550℃において仮焼した後、生成物は1.3重量%Tiおよび44重量%Siと分析された。生成物の走査型電子顕微鏡観察により、高度に連晶化した結晶からなる比較的大きな結晶性団塊が生成されたことが示された。
実施例21
19.4重量%Siおよび2.2重量%Tiを含有するジエトキシシラン−チタン酸エチルコポリマー(PSITI−019、Gelest,Inc.社)6.86gを、水20g中の臭化テトラプロピルアンモニウム2.0gおよび濃水酸化アンモニウム20gと一緒に混合することにより、連晶化した結晶性チタンシリカライト(TS−1)触媒を調製した。混合物をシェーカーボンベ(オートクレーブ)に投入し、175℃で7日間加熱した。固体生成物、2.3gの白色粉末は、純粋なチタンシリカライト(TS−1)のX線回折パターンを示した。550℃において仮焼した後、生成物は4.1重量%Tiおよび42重量%Siと分析された。生成物の走査型電子顕微鏡観察により、高度に連晶化した結晶からなる極めて大きな結晶性団塊(粒径20ミクロンを超える)が生成されたことが示された。
触媒作用
前生成された過酸化水素によるプロピレンのエポキシ化
先に記述した標準スクリーニング試験によって、エポキシ化活性について連晶化した結晶性チタンシリカライト触媒を評価した。その結果を下記に示す:
Figure 2006513987
この結果により、従来技術の多くの0.2μm単結晶の活性よりも一層高い活性が示され、このことは、0.2μm単結晶と比較し限定された連晶化結晶の表面積という視点から見れば、大いに驚くべきことである。
一般的方法、連続的な in situ エポキシ化
連続的な in situ オレフィンエポキシ化のため、75/75(重量/重量)メタノール/水に、Pd処理した触媒を100g触媒/リットルでスラリー化する。反応物のフィードは、液体プロピレンと、O2、N2、およびH2を含むガス混合物とからなる。攪拌を提供する直径2インチRushtonタービン回転翼を有する、円筒状ステンレス鋼圧力反応器を使用する。反応器は、半径約1/4インチの凹面状周囲面を有する、本質的に平坦な底部表面を有する。回転翼は、焼結316ステンレス鋼の環の形態をしたフィルタの上部活性表面上方の位置にある。濾過された流体は、フィルタ本体に取り付けた、環全体の周囲を通る導路に入る。
水素供給は容器の基部にあるポートを介して与えられる。液体プロピレン供給物と、予備混合されたメタノールおよび水溶媒フィードは、反応器外部で組み合わされ、反応器の基部上方箇所にディップチューブ(dip tube)を介して供給される。各ガスのフィードは、ガス質量流量計で監視し、一方液体のフィードは液体質量流量計で監視する。流出ガスおよび濾過された流出液体はインラインGCにより2時間ごとに分析される。
容器の基部付近に終端がある酸素供給ガスディップチューブと、反応器頂部空間との間の圧力差を測定することにより、反応器の液体レベルを制御する。差圧セルは、20インチの水量計範囲を有する。制御装置設定点(普通4.0〜5.0インチ)からのレベルのずれにより、濾過された液体流出ラインの流量制御弁により、補正アクションがとられる。
反応器は通常500psigおよび45℃または60℃で運転される。反応器には通気管がなく、実験室規模とパイロットプラント規模の中間にある。Pd処理したチタンシリカライト触媒を使用して、いくつかの in situ 運転を行った。
実施例22
その結果を表5に示す。表5および6において、SPPO、SOPOなどの略語は、特定の製品、すなわちプロピレンオキシド(PO)、プロピレンオキシド等価物(POE)、開環生成物(RO:POEからPOを引いたもの)、プロパン、水、または二酸化炭素に関する、プロピレンフィード(P)、水素フィード(H)、または酸素フィード(O)に基づく選択性(S)を指す。したがって、SPPOは、プロピレンのプロピレンオキシドへの変換の選択率(モル/モル)であり、一方SOPOは、酸素のプロピレンオキシドへの変換の選択率である。
Figure 2006513987
実施例23〜26
さらなる触媒を使用して追加的な連続運転が実施された。その結果を、下記の表6に示す。実施例26は、2つのパラジウム処理触媒の1:1混合物を使用しており、そのPd処理前のベース触媒は、実施例24、すなわち本主題の発明の実施例9、のベース触媒と同一の方法、ならびに同一の反応物および反応物比率で調製した。それぞれのベース触媒粒子は、それぞれ9.69×3.65×1.038μmおよび5.91×2.66×0.595μmの平均寸法を有していた。分析により、請求項26のベース結晶のチタン2.65重量パーセントと比較し、チタン3.08および3.18重量パーセントと判明した。スクリーニング試験結果は、35.8および40.69H22パーセントの変換率、ならびに19.87および22.61ミリモルPOEを示した。POE選択率は、それぞれ91.42および90.89であった。実施例26のPd処理触媒は、Pd(NH34(NO32で処理し、先に開示したように仮焼した。Pd重量パーセントは0.49であった。
Figure 2006513987
この結果は、顕著な in situ エポキシ化が行われていることを示す。この結果は酸素フィードにかなりの窒素を使用している比較的小規模の反応器に基づいている点に注目されたい。工業的反応器では、反応器圧力ならびに酸素分圧ともより高い値に変更されると予想される。すなわち、純粋な酸素フィードを使用する。
実施例27:水素および酸素による in situ プロピレンエポキシ化
メタノール87gに分散させた実施例11の連晶化触媒1gに、水20gに溶解したパラジウムテトラアンミン二臭化物0.0181gを添加した。この混合物を室温で2時間攪拌した。次いで45℃まで温度を上げ、大気圧で、攪拌しているスラリーにH220%/プロピレン80%流を25cm3/分で、および5%のO2/0.6%のCH4/94.4%のN2流を88cm3/分で導入した。流出ガス流を、オンラインのガスクロマトグラフ法により分析した。連続運転30時間において、流出ガスは1600ppmを超えるプロピレンオキシドを含有していた。
本発明の実施形態を例示しかつ記述しているが、これらの実施形態は本発明の全ての可能な形態を例示しかつ記述することを意図するものではない。むしろ、本明細書において使用している語は限定よりもむしろ記述の語であり、また、種々の変更を、本発明の精神および範囲から逸脱することなく実施できると理解される。
本発明の一態様によって調製したチタンシリカライト連晶の走査型電子顕微鏡写真である。 本発明のさらなる実施形態によって調製した非連晶の大きな単結晶チタンシリカライトの走査型電子顕微鏡写真である。

Claims (35)

  1. オレフィンのエポキシ化方法であって
    a)チタンシリカライトエポキシ化触媒を含む反応器を用意し、そして前記チタンシリカライトが結晶または結晶の連晶の形態であり、前記結晶または結晶の連晶が2μmを超える平均粒径を有していること、
    b)前記反応器にオレフィンを供給し、
    c)前記反応器に、過酸化水素、または水素および酸素の両者、の少なくとも一方を供給し、それにより前記オレフィンの少なくとも一部がアルキレンオキシドにエポキシ化されること、
    d)前記オレフィンオキシドを単離する
    ことを含み、前記反応器に水素および酸素を供給する場合、前記反応器が金属触媒をさらに含む前記方法。
  2. 前記オレフィンがα−オレフィンである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記オレフィンがプロピレンである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記チタンシリカライトエポキシ化触媒の少なくとも一部が水素および酸素から過酸化水素を生成させる触媒作用を行うのに有効である貴金属を含有するように処理される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記貴金属が、パラジウム、金、白金、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
  6. チタンシリカライト結晶または結晶の連晶以外の貴金属処理された微粒子が前記反応器にさらに供給される、請求項4に記載の方法。
  7. 前記チタンシリカライト触媒がチタンシリカライト結晶の連晶を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記チタンシリカライトが、500ppm未満のアルカリ金属を含有する加水分解性シリカ源から調製される、請求項1に記載の方法。
  9. 改良されたエポキシ化効率および2μmを超える平均結晶径を有するチタンシリカライトエポキシ化触媒であって、チタンの加水分解性の供給源と加水分解性シリカ源とを含有する水性媒質であり、前記加水分解性シリカ源が前記シリカ源の重量に対して50ppm未満のナトリウムを含有する水性媒質内においてチタンシリカライト結晶を成長させて調製され、前記改良されたエポキシ化効率が、より高い割合のナトリウムを含有するシリカ源に由来して同様に調製された触媒に比較してのものである触媒。
  10. 前記シリカ源がシリカを含む、請求項9に記載の触媒。
  11. オレフィンのエポキシ化の触媒作用を行うのに適したチタンシリカライト触媒であって、2μmを超える平均粒径を有するチタンシリカライト結晶の連晶を含む前記触媒。
  12. 前記連晶が3μm〜約30μmの平均粒径を有する、請求項11に記載の連晶。
  13. 請求項11に記載の連晶を調製する方法であって、水酸化テトラアルキルアンモニウムの存在下において、加水分解性チタン源と加水分解性シリカ源とを反応させることを含む前記方法。
  14. 前記水酸化テトラアルキルアンモニウムが水酸化テトラプロピルアンモニウムを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 請求項11に記載の連晶を調製する方法であって、テトラアルキルアンモニウム塩と塩基との存在下において、加水分解性チタン源と加水分解性シリカ源とを反応させることを含む前記方法。
  16. 前記テトラアルキルアンモニウム塩がテトラプロピルアンモニウム塩である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記塩がハロゲン化物である、請求項15に記載の方法。
  18. 前記塩基が、1種または複数の有機アミン、アンモニア、または水酸化テトラアルキルアンモニウムを含む、請求項15に記載の方法。
  19. 請求項11に記載の連晶を調製する方法であって、前記加水分解性チタン源および前記加水分解性シリカ源の少なくとも一部として、予備形成した加水分解性チタン/ケイ素コポリマーを使用することを含む前記方法。
  20. 前記加水分解性チタン/ケイ素コポリマーが、ケイ酸アルキル/チタン酸塩コポリマーを含む、請求項19に記載の方法。
  21. 触媒活性が改良されたチタンシリカライトオレフィンエポキシ化触媒を調製する方法であって
    a)加水分解性シリカ源、加水分解性チタン源、アルキルアンモニウム塩、および塩基を含む成長媒質から結晶成長させて、2μmを超える粒径を有する結晶またはその連晶を含有するチタンシリカライト生成物を形成することによって、チタンシリカライト結晶を調製し、
    b)0.5μmを超える平均細孔径を有する濾過媒体によりチタンシリカライト生成物を濾過し、
    c)ステップa)において得られた2μm未満の粒径を有する結晶または連晶の量と比較して、2μm未満の粒径を有する結晶または連晶が相対的に減少しているチタンシリカライト結晶または連晶のフィルタケーキを回収する
    ことを含む前記方法。
  22. 前記塩基が、有機アミン、アンモニア、または水酸化テトラアルキルアンモニウムである、請求項21に記載の方法。
  23. 前記アルキルアンモニウム塩がテトラプロピルアンモニウム塩である、請求項21に記載の方法。
  24. 前記濾過媒体が1μm〜8μmの平均細孔径を有する、請求項21に記載の方法。
  25. 前記濾過媒体が2μm〜7μmの平均細孔径を有する、請求項21に記載の方法。
  26. オレフィンオキシドを連続的に生産する方法であって
    a)液体連続相の分散相として2μmを超える平均直径を有するチタンシリカライト粒子を含む、スラリー反応器を用意し、
    b)前記スラリー反応器に、過酸化水素、または水素および酸素を含むエポキシ化用酸素源を導入し、
    c)前記反応器に、少なくとも1種のオレフィンを導入し、
    d)液体連続相、オレフィンオキシド、およびオレフィンオキシド等価物を含む生成物流を引き出し、
    e)前記生成物流から、オレフィンオキシドを分離する前、分離中、または分離した後に、前記生成物流から、任意の随伴触媒粒子を分離し、
    f)前記生成物流から前記オレフィンオキシドを分離して、オレフィンオキシド生成物を得る
    ことを含み、前記エポキシ化用酸素源として水素および酸素を使用する場合、貴金属触媒がさらに存在する前記方法。
  27. 前記貴金属が、Pd、Au、またはPtの1種または複数を含む、請求項16に記載の方法。
  28. 前記チタンシリカライト粒子が、3μm〜30μmの平均粒径を有するチタンシリカライト連晶である、請求項26に記載の方法。
  29. 水素および酸素がエポキシ化用酸素源を構成し、前記貴金属が前記チタンシリカライト触媒中または前記チタンシリカライト触媒上に含有される、請求項26に記載の方法。
  30. 前記生成物流から少なくとも一部の前記液体連続相を分離することと、前記少なくとも一部の前記液体連続相を、補給溶媒流として前記反応器に再循環させることとをさらに含む、請求項26に記載の方法。
  31. 前記液体連続相が水、メタノール、または水とメタノールとの混合物を含む、請求項26に記載の方法。
  32. アルカリまたは金属またはアンモニウム炭酸塩または重炭酸塩を、前記反応器に追加的に導入する、請求項26に記載の方法。
  33. 前記オレフィンがプロピレンを含む、請求項26に記載の方法。
  34. 前記貴金属が、パラジジウム、金、または白金、またはそれらの混合物を含む、請求項26に記載の方法。
  35. リン酸アンモニウムまたはリン酸水素アンモニウム、またはそれらの混合物を前記反応器に導入する、請求項26に記載の方法。
JP2004537655A 2002-09-20 2003-08-15 プロピレンのプロピレンオキシドへの直接酸化方法、およびその方法で使用する大粒径チタンシリカライト触媒 Pending JP2006513987A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US10/251,405 US6960671B2 (en) 2002-09-20 2002-09-20 Process for direct oxidation of propylene to propylene oxide and large particle size titanium silicalite catalysts for use therein
PCT/US2003/025559 WO2004026852A1 (en) 2002-09-20 2003-08-15 Process for direct oxidation of propylene to propylene oxide and large particle size titanium silicalite catalysts for use therein

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006513987A true JP2006513987A (ja) 2006-04-27

Family

ID=31992732

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004537655A Pending JP2006513987A (ja) 2002-09-20 2003-08-15 プロピレンのプロピレンオキシドへの直接酸化方法、およびその方法で使用する大粒径チタンシリカライト触媒

Country Status (9)

Country Link
US (2) US6960671B2 (ja)
EP (1) EP1539726A1 (ja)
JP (1) JP2006513987A (ja)
KR (1) KR20050057516A (ja)
CN (1) CN1681798A (ja)
AU (1) AU2003256428A1 (ja)
BR (1) BR0314119A (ja)
CA (1) CA2499744A1 (ja)
WO (1) WO2004026852A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006321673A (ja) * 2005-05-18 2006-11-30 Sumitomo Chemical Co Ltd 過酸化水素の製造方法

Families Citing this family (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6710194B1 (en) 2003-01-23 2004-03-23 Arco Chemical Technology, L.P. Epoxidation process
US7182932B2 (en) * 2004-01-30 2007-02-27 Lyondell Chemical Technology, L.P. Catalyst preparation
JP4834982B2 (ja) * 2004-12-06 2011-12-14 住友化学株式会社 チタン含有珪素酸化物触媒の製造方法及び触媒
US7786318B2 (en) * 2005-04-12 2010-08-31 Lyondell Chemical Technology, L.P. Catalyst preparation
US7837977B2 (en) 2005-09-13 2010-11-23 Chevron U.S.A. Inc. Preparation of titanosilicate zeolite TS-1
US20080132717A1 (en) * 2006-12-04 2008-06-05 Bernard Cooker Propylene oxide system
PL2144848T3 (pl) * 2007-04-05 2017-07-31 Solvay Sa Zastosowanie wodnego roztworu nadtlenku wodoru
RU2452564C2 (ru) * 2007-05-11 2012-06-10 Барри Дж. БИЛЛИГ Активация высокоселективных катализаторов в установках синтеза оксидов олефинов
US20080300417A1 (en) * 2007-05-31 2008-12-04 Te Chang Slurry reaction system
US7387981B1 (en) 2007-06-28 2008-06-17 Lyondell Chemical Technology, L.P. Direct epoxidation catalyst and process
US7648936B2 (en) * 2008-01-29 2010-01-19 Lyondell Chemical Technology, L.P. Spray-dried transition metal zeolite and its use
US20090216033A1 (en) * 2008-02-27 2009-08-27 Lekhac Bi Epoxidation catalyst
US20100076207A1 (en) * 2008-09-24 2010-03-25 Bi Le-Khac Epoxidation catalyst
US7935740B2 (en) 2008-12-30 2011-05-03 Basell Poliolefine Italia S.R.L. Process for producing high melt strength polypropylene
US20100174099A1 (en) * 2009-01-05 2010-07-08 Lyondell Chemical Technology, L.P. Propylene oxide reactor gas distribution system
CN101555236B (zh) * 2009-05-22 2012-05-16 湖北大学 纳米SiO2或者沸石分子筛材料催化烯烃与H2O2液相高选择性环氧化方法
TWI549946B (zh) 2009-08-05 2016-09-21 陶氏全球科技公司 製備環氧丙烷的方法
US8124798B2 (en) 2009-12-17 2012-02-28 Lyondell Chemical Technology, Lp Direct epoxidation catalyst and process
TWI523689B (zh) 2010-03-25 2016-03-01 陶氏全球科技公司 使用預處理環氧催化劑製備環氧丙烷之方法
CN102259891B (zh) * 2010-05-26 2013-06-19 中国石油化工股份有限公司 Magadiite/Silicalite-1共生材料及其合成方法
SG191051A1 (en) * 2010-12-07 2013-07-31 Basf Se Process for the production of propylene oxide
WO2020097876A1 (zh) * 2018-11-15 2020-05-22 中国科学院大连化学物理研究所 一种多级孔ts-1分子筛的制备方法
AU2018449735B2 (en) * 2018-11-15 2022-06-09 Dalian Institute Of Chemical Physics, Chinese Academy Of Sciences Method for preparation of hierarchical TS-1 molecular sieve
CN111333597B (zh) * 2020-04-15 2022-09-16 浙江工业大学 一种油脂环氧化连续化工艺

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3351635A (en) 1966-03-14 1967-11-07 Halcon International Inc Epoxidation process
US4367342A (en) 1969-04-02 1983-01-04 Shell Oil Company Olefin epoxidation
IT1127311B (it) 1979-12-21 1986-05-21 Anic Spa Materiale sintetico,cristallino,poroso costituito da ossidi di silicio e titanio,metodo per la sua preparazione e suoi usi
IT1152296B (it) 1982-07-28 1986-12-31 Anic Spa Procedimento per la sintesi di monometileteri dei glicoli
IT1152299B (it) 1982-07-28 1986-12-31 Anic Spa Procedimento per l'espossidazione di composti olefinici
IT1213504B (it) 1986-10-22 1989-12-20 Eniricerche Spa Zeoliti legate e procedimenye per la loro prosuzione.
US5106803A (en) * 1988-01-07 1992-04-21 Chevron Research And Technology Company Reforming using a bound zeolite catalyst
DE4138155A1 (de) 1991-11-21 1993-05-27 Basf Ag Verfahren zur herstellung von im wesentlichen alkalifreien titansilikat-kristallen mit zeolithstruktur
US5263090A (en) 1992-01-31 1993-11-16 Hughes Richard A Hearing aid filter apparatus
DE69426907T2 (de) 1993-08-11 2001-09-27 Mitsubishi Gas Chemical Co Titanosilikate Katalysatorteilchen
US5354875A (en) 1993-12-23 1994-10-11 Uop Epoxidation of olefins using a titania-supported titanosilicate
DE4425672A1 (de) 1994-07-20 1996-01-25 Basf Ag Oxidationskatalysator, Verfahren zu seiner Herstellung und Oxidationsverfahren unter Verwendung des Oxidationskatalysators
DE19600709A1 (de) 1996-01-11 1997-07-17 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von Epoxiden aus Olefinen, Wasserstoff und Sauerstoff
DE19623609A1 (de) 1996-06-13 1997-12-18 Basf Ag Oxidationskatalysator und Verfahren zur Herstellung von Epoxiden aus Olefinen, Wasserstoff und Sauerstoff unter Verwendung des Oxidationskatalysators
RU2189378C2 (ru) 1996-07-01 2002-09-20 Дзе Дау Кемикал Компани Способ получения олефиноксидов прямым окислением олефинов, каталитический состав для этого процесса и способ его регенерации
IT1284930B1 (it) 1996-10-08 1998-05-28 Enichem Spa Procedimento per la preparazione di epossidi olefinici
DE19731627A1 (de) 1997-07-23 1999-01-28 Degussa Granulate, enthaltend Titansilikalit-l
US6005123A (en) 1998-04-16 1999-12-21 Arco Chemical Technology, L.P. Epoxidation process
US5972661A (en) 1998-09-28 1999-10-26 Penn State Research Foundation Mixing systems
EP1138386A1 (de) 2000-03-29 2001-10-04 Degussa AG Verfahren zur Herstellung eines Titansilicalitformkörpers

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006321673A (ja) * 2005-05-18 2006-11-30 Sumitomo Chemical Co Ltd 過酸化水素の製造方法
JP4655755B2 (ja) * 2005-05-18 2011-03-23 住友化学株式会社 過酸化水素の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2004026852A1 (en) 2004-04-01
BR0314119A (pt) 2005-07-12
US20040059139A1 (en) 2004-03-25
CN1681798A (zh) 2005-10-12
US6960671B2 (en) 2005-11-01
US7399726B2 (en) 2008-07-15
EP1539726A1 (en) 2005-06-15
US20050187395A1 (en) 2005-08-25
AU2003256428A1 (en) 2004-04-08
KR20050057516A (ko) 2005-06-16
CA2499744A1 (en) 2004-04-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7399726B2 (en) Process for direct oxidation of propylene to propylene oxide and large particle size titanium silicalite catalysts for use therein
RU2234369C2 (ru) Способ гидроокисления олефинов до оксидов олефинов с использованием катализатора на основе окисленного золота
KR20180041148A (ko) 개량된 산화적 탈수소화 촉매
WO2011013780A1 (ja) プロピレンの製造方法及びプロピレン製造用触媒
JP2002504013A (ja) 成形品およびその製造
KR102646969B1 (ko) 화염 분무 열분해에 의한 미분, 다공성 결정질 금속 실리케이트의 제조
CN1114495C (zh) 一种复合催化剂的制备及其应用
JP2001031662A (ja) プロピレンオキサイドの製造方法
JP2019525877A (ja) 高シリカafxフレームワーク型ゼオライト
KR20100103655A (ko) 분무-건조된 전이 금속 제올라이트 및 이의 용도
JPWO2019139071A1 (ja) 触媒及びその製造方法、並びに前記触媒を用いたジエン化合物の製造方法
JP2009119453A (ja) 軽質オレフィン類製造用触媒及び軽質オレフィン類の製造方法
RO113812B1 (ro) Catalizatori pentru oxidare, procedeu de obtinere si de utilizare a acestora
JP5668422B2 (ja) アルミノシリケートの製造方法
KR101254352B1 (ko) 티탄 함유 규소 산화물 촉매의 제조 방법, 상기 촉매 및상기 촉매를 사용하는 올레핀옥시드 화합물의 제조 방법
JP5600923B2 (ja) アルミノシリケートの製造方法
KR101451902B1 (ko) 메조기공을 갖는 mre 구조의 제올라이트 또는 유사 mre 제올라이트 물질 및 그의 제조 방법
KR20010072281A (ko) 탄화수소의 산화 방법
JP2021147310A (ja) Con型ゼオライト、con型ゼオライトの製造方法、及び低級オレフィンの製造方法
JP2019529297A (ja) モレキュラーシーブssz−107、その合成および使用
KR20010032966A (ko) 불활성 지지체와 1종 이상의 포어성 산화물 물질을포함하는 성형체
CN110128250B (zh) 制备环己酮的方法
CN111072457B (zh) 制备丙二醇单甲醚的方法
CN1286827C (zh) 采用负载氧化铌催化剂的环氧化方法
CN115722256A (zh) 一种烷基化催化剂的制备方法、催化剂和应用