JP2006512094A - 核酸増幅 - Google Patents

核酸増幅 Download PDF

Info

Publication number
JP2006512094A
JP2006512094A JP2005510007A JP2005510007A JP2006512094A JP 2006512094 A JP2006512094 A JP 2006512094A JP 2005510007 A JP2005510007 A JP 2005510007A JP 2005510007 A JP2005510007 A JP 2005510007A JP 2006512094 A JP2006512094 A JP 2006512094A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nucleic acid
sample
less
primers
sequence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005510007A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006512094A5 (ja
JP4886298B2 (ja
Inventor
ロジャー エス ラースケン
マイケル エグホーム
オサマ エイ アルスマディ
キャロル ボーナース
ミケーレ ウィスニウスキー
セイユ ホソノ
アルムガム ラグナサン
Original Assignee
キアゲン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US10/327,602 external-priority patent/US9487823B2/en
Priority claimed from US10/429,229 external-priority patent/US7297485B2/en
Priority claimed from US10/456,056 external-priority patent/US7955795B2/en
Application filed by キアゲン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング filed Critical キアゲン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
Publication of JP2006512094A publication Critical patent/JP2006512094A/ja
Publication of JP2006512094A5 publication Critical patent/JP2006512094A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4886298B2 publication Critical patent/JP4886298B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6844Nucleic acid amplification reactions

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

目的の核酸配列の増幅のための組成物および方法が開示される。本方法はプライマーによる核酸配列の鎖置換複製を基礎とする。本開示の方法は、ゲノム核酸試料および他の高度に複雑な核酸試料を増幅するために有用な、複数置換増幅(MDA)の一形式である。本開示の方法は、1または限られた数のプライマーだけを用いてそのような高度に複雑な核酸試料を増幅するのに用いることができる。1または少数のプライマーが、全ゲノムおよび他の高度な配列複雑性を有する核酸試料を効果的に増幅することができることが見出されている。そのプライマーは、プライマー中に発現されるプライマー配列の限られた量にもかかわらず、高度に複雑な核酸試料中に存在する幅広い範囲の配列のプライマーとなりおよび効率的に増幅することができるように特別に選択または設計されている。等温増幅手順における高分子量アーティファクトの生成は、反応をより高い温度にて、および随意的に、一種類以上の添加剤の存在下で実施することによって、なお目的のインプットDNAの増幅を可能にする一方で相当に低減または消失させることができることが見出されている。増幅反応は、閾量のまたはそれを上回る量の核酸について、および/または、閾濃度のまたはそれを下回る濃度の核酸について実施するならば、低い増幅偏りといった高品質の増幅産物を生じることができることもまた見出されている。

Description

本開示の発明は一般に核酸増幅の分野に属する。
核酸の指数的増幅のためにいくつかの方法が開発されている。これらはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、自己維持的配列複製(3SR)、核酸配列準拠増幅(NASBA)、鎖置換増幅(SDA)、および増幅Qβ−レプリカーゼを用いた増幅を含む(ビルケンマイエル(Birkenmeyer)およびムシャワール(Mushahwar),J.Virological Methocls,35: 117−126 (1991);ランデグレン(Landegren),Trends Genetics 9:199−202 (1993))。
大部分の遺伝子分析に必須であるのが、適当な質および量のゲノムDNAが利用可能であることである。ヒト試料からのDNA収率はしばしば限られているため、ゲノムDNAを増幅および保存するための一般的方法に多くの努力が費やされてきている。方法は、EBV形質転換細胞株の作製またはランダムまたは縮重オリゴヌクレオチドプライマーを用いるPCRによる全ゲノム増幅(WGA)を含む。全ゲノムPCRは、PCR増幅の変法であり、ある生物のゲノム全体を同一のPCR反応中に増幅するために、ランダムまたは部分的にランダムなプライマーの使用を含む。この技術は、プライマーの対がゲノムDNA全体にわたって適度の間隔でハイブリダイズするように、十分な数のランダムまたは部分的にランダムな配列のプライマーを有することを基礎とする。プライマーで開始された複製は、別のプライマーがハイブリダイズすることができる、複製された鎖の重なり部位を結果として生じる。ゲノム試料を複数の増幅サイクルに供することによって、ゲノム配列が増幅される。全ゲノムPCRは他の形式のPCRと同じ不利な点を有する。しかし、WGA法は高コストまたは不十分なカバー率および不十分な平均DNAサイズが難点である(テレニウス(Telenius)他,Genomics.13:718−725(1992); チュン(Cheung)およびネルソン(Nelson),Proc Natl Acad Sci U S A.93:14676−14679(1996);チャン(Zhang)他,Proc Natl Acad Sci USA.89:5847−5851(1992))。
増幅が関係するもう一つの分野は、RNA発現プロファイリングであって、その目的は生物学的試料中のRNAの多数の異なる分子種の相対濃度を決定することである。目的のRNAの一部は相対的に低い濃度で存在し、および分析前にそれらを増幅することが望ましい。それらを増幅するのにポリメラーゼ連鎖反応を使用することは不可能であって、それはmRNA混合物が複雑で典型的には5,000から20,000の異なる分子種から成るためである。ポリメラーゼ連鎖反応は、異なる分子種が異なる速度で増幅され、mRNAの相対濃度を歪めるという欠点を有する。
試料中のすべてのRNAの適度な増幅を同時に可能にするある種の手順が記載されている。たとえば、ロックハート(Lockhart)他,Nature Biotechnology 14:1675−1680(1996)では、強力なRNAポリメラーゼプロモーターが各cDNAの末端に組み込まれるような方法で、二本鎖cDNAが合成された。このプロモーター配列は次いでcDNAを転写するのに用いられ、約100から150のRNAコピーを各cDNA分子について生じた。この弱い増幅系は、最低100,000個の細胞を含んだ生物学的試料のRNAプロファイリングを可能にした。しかし、非常に少数の細胞を含む試料のプロファイリング分析を可能にする、より強力な増幅法の必要性がある。
鎖置換を含む、核酸増幅の別の形式が、リザーディ(Lizardi)への米国特許第6,124,120号明細書に記載されている。その方法の一つの形式では、標的配列に隣接するヌクレオチド配列の対の鎖に相補的な2組のプライマーが用いられる。増幅は、各プライマーで開始されおよび標的核酸配列を通じて継続する複製によって進行し、成長する鎖が出会って、以前に複製された鎖を置換する。本方法の別の形式では、ゲノム核酸の試料にランダムなプライマーを使用するために、プライマーのランダムな組が用いられる。その組に含まれるプライマーは、合計でおよびランダムに、試料中の核酸の全体にわたって分布する核酸配列に相補的である。増幅は、各プライマーで開始されておよび、成長する鎖が出会って、隣接する複製された鎖を置換するように継続する複製によって進行する。本方法の別の形式では、連結されたDNAが、ランダムな組のプライマーまたは連結されたDNA間のリンカー配列と相補的なプライマーのどちらかを用いた鎖置換合成によって増幅される。合成はリンカーから進行し、連結されたDNAの部分を通って次のリンカーまで、およびその向こうへ続き、成長する鎖が出会って、以前に複製された鎖を置換する。
ゲノムDNAまたは環状化された細菌またはプラスミドDNAのMDAは、ランダムプライマーを用いて、そのDNAポリメラーゼに最適な温度にて実施することができる。一般的に、これは、30〜34℃といったより低い温度範囲にある。増幅するDNAは、たとえば、標的配列、テンプレート、特異的テンプレート、インプットDNA、テンプレートDNA、および特異的インプットDNAと呼ぶことができる。MDAの目的は、このインプットDNAを増幅することである。しかし、DNAポリメラーゼはまた、これらのMDA反応中に望ましくないアーティファクト(人為的結果)を生じうる。DNAポリメラーゼおよびランダムプライマーによって、そのDNAポリメラーゼ活性に最適な温度にて生じたそのようなアーティファクトはまた、ローリング・サークル増幅(RCA)(例として複数プライマーを用いるRCA、等温総転写物増幅(ITTA)で環状DNAおよび環状化されたcDNAの複数プライマーを用いるRCA、およびランダム六量体および配列特異的プライマーを用いる環状化されたdsDNAの複数プライマーを用いるRCAがある)といった他の増幅技術でも観察される。アーティファクトDNAの決定的特徴は、それがインプットDNAの特異的配列を表さないことである。実際、アーティファクトDNAはインプットDNAの全くの非存在下で生じうる(対照反応の場合のように)。産物DNAが合成されないという見込みでインプットDNAを欠く対照反応がしばしば実施されるため、このことは厄介である。したがって、アーティファクト合成を減少または消失させることは好都合である。アーティファクトDNAは一般的に高分子量であり、およびしたがって、目的の特異的な増幅されたDNAからは大きさに基づいてはしばしば識別不能である。特異的インプットDNAが存在する場合は、アーティファクトDNA産物が生じる可能性があり、およびその特異的DNA産物の目的用途に干渉する可能性があり、および、ここでもアーティファクト産生の低減または消失は有益となる。
プライマー二量体と呼ばれる、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)中に生じた低分子量アーティファクトとは対照的に、MDAアーティファクトは数百塩基対から20kbより大までの範囲に渡る長さを有する高分子量である。同様の高分子量アーティファクトはまたERCA(PCT/AU99/01110(ハフナー(Hafner)))といった他の等温増幅系についても記載されている。DNAポリメラーゼ調製物中の夾雑する核酸が、これらのアーティファクトの発生のための望ましくないテンプレートの可能な起源の一つである。
目的の核酸配列の増幅のための組成物および方法が開示される。本方法はプライマーによる核酸配列の鎖置換複製を基礎とする。本開示の方法は、ゲノム核酸試料および他の高度に複雑な核酸試料を増幅するために有用な、複数置換増幅(MDA)の一形式である。本開示の方法は、1または限られた数のプライマーだけを用いてそのような高度に複雑な核酸試料を増幅するのに用いることができる。1または少数のプライマーが、全ゲノムおよび他の高度な配列複雑性を有する核酸試料を効果的に増幅することができることが見出されている。そのプライマーは、プライマー中に発現されるプライマー配列の限られた量にもかかわらず、高度に複雑な核酸試料中に存在する幅広い範囲の配列のプライマーとなりおよび効率的に増幅することができるように特別に選択または設計されている。本開示の方法は一般的に、特異的核酸配列を有する1、少数、またはより多くのプライマー、DNAポリメラーゼ、および核酸試料を接触させ、および、核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下で核酸試料をインキュベートすることを含む。核酸分子の複製の結果として、複製された鎖が複製中にもう一つの複製された鎖の鎖置換複製によって核酸分子から置換されるように、複製された鎖を生じる。複製は結果として核酸試料中の核酸分子のすべてまたは相当な部分の増幅を生じうる。全ゲノム鎖置換増幅(WGSDA)の一形式である、本開示の方法の一形式では、1、少数、またはより多くのプライマーを用いて、ゲノム核酸の試料(または別の高度に複雑な核酸の試料)のプライマーとする。
高度に複雑な核酸試料を、特異的核酸配列を有する1または少数のプライマーだけを用いて効率的に増幅することができることが見出された。その1または少数のプライマーは、試料中の核酸分子全体にわたって分布する核酸配列と相補的である。たとえば、単一の6塩基プライマーは平均して4096ヌクレオチド毎に1個の配列と相補的になり、および2種類の6塩基プライマーは合計で、平均して2048ヌクレオチド毎に1回の配列と相補的になる。プライマー結合部位のそのような分布は、効率的な複数置換増幅を可能にするのに十分であったことが見出された。また、プライマー結合部位のそのような分布は、核酸試料中の配列の広いカバー率を有する核酸試料の増幅、および高い配列および遺伝子座発現量および低い増幅偏りを有する増幅産物を結果として生じることも見出された。したがって、本開示の方法は、核酸試料中の核酸分子のすべてまたは相当な部分の複製を結果として生じうる。
本開示の方法において増幅は、高度に連続的なポリメラーゼを用いた、各プライマーで開始しおよび自発終止まで連続する複製によって進行する。本方法の重要な特徴は、DNAポリメラーゼがプライマーを伸長する際、ポリメラーゼが、他のプライマーの伸長の結果生じた複製産物(すなわちDNA鎖)を置換することである。ポリメラーゼは連続的に新しいプライマーを伸長し、および以前のプライマー結合現象の複製産物を置換する。このようにして、試料(たとえば、ゲノム全体)中のすべての核酸分子および配列の複数の重なり合うコピーを短時間に合成することができる。本方法は、ずっと少ないプライマーを用いることができるという点で、先行する増幅法より有利である。さらに、プライマーは任意の核酸試料に対して特異的な配列を有する必要がない。むしろ、同じ1種類または複数のプライマーを用いて、未知の配列を有する核酸試料を増幅することができる。たとえば、ここに開示される通りの単一プライマーを用いて、任意の起源に由来する任意の全ゲノム、コスミドライブラリ全体、人工染色体、などを、すべて試料中に存在する配列を全く知る必要なく、効率的に増幅することができる。
本開示の方法は、高度に複雑な核酸試料中のさまざまな配列を正確におよび均一に増幅することができる。この結果は、たとえば配列発現量、遺伝子座発現量および増幅偏りを基準として定量化することができる。たとえば、本開示の方法で生じた増幅された核酸分子は、少なくとも10個の異なる標的配列について少なくとも50%の配列発現量を有しうる。増幅偏りは少なくとも10個の異なる標的配列について10%未満でありうる。
本方法は、等温条件下で実施することができるため、ポリメラーゼ連鎖反応よりも有利である。全ゲノム鎖置換増幅の他の利点は、全ゲノムPCRよりも高いレベルの増幅(最大5倍高い)、増幅がPCRよりも配列依存性が低い、およびPCRで起こりうるような再アニーリング・アーティファクトまたは遺伝子シャッフリング・アーティファクトが無い(変性および再アニーリングのサイクルが無いため)ことを含む。
WGSDAの一部の有用な実施形態では、核酸試料は変性条件に供されず、プライマーは六量体プライマーでありおよびプライマーがヌクレアーゼ耐性となるように修飾ヌクレオチドを含み、DNAポリメラーゼはφ29DNAポリメラーゼであるか、またはこれらの特性の任意の組み合わせである。ゲノムは、微生物ゲノム、ウイルスゲノム、真核ゲノム、植物ゲノム、動物ゲノム、脊椎動物ゲノム、哺乳類ゲノム、またはヒトゲノムといった任意の種類のゲノムであることができる。
本開示の方法の一実施形態では、核酸試料は変性条件に供されない。核酸分子、たとえばゲノムDNAは、効率的な複数置換増幅のために変性する必要はない。変性段階および変性条件の消去は、増幅産物中の配列偏りを低減するといった別の利点を有する。
別の一実施形態では、プライマーは、たとえば、少なくとも長さ8塩基、少なくとも長さ7塩基、少なくとも長さ6塩基、長さ5塩基、長さ4塩基、少なくとも長さ3塩基、または少なくとも長さ2塩基であることができる。そのような短いプライマーはなお、効率的に複数鎖置換複製のプライマーとなることができる。そのような短いプライマーは作製がより容易およびより安価である。そのプライマーは任意の配列を有することができ、または特定の配列を有することができる。たとえば、6ヌクレオチドプライマーといった、より短いプライマーは、核酸試料中に十分に短い間隔で、効率的および均一な増幅を可能にする相補鎖を有する。本開示の方法における使用のためのより長いプライマーは一般的に、核酸試料全体にわたって間隔を置いて存在する特異的配列と相補的である配列を有することが有益である。たとえば、プライマーは、マイクロサテライト配列、ミニサテライト配列、サテライト配列、トランスポゾン配列、リボソームRNA配列、短い核散在配列(short interspersed nuclear element (SINE))、または長い核散在配列(long interspersed nuclear element)(LINE)といった反復配列;プロモーター配列、エンハンサー配列、サイレンサー配列、上流調節配列、転写終止部位配列、トランスポゾン調節配列、リボソームRNA調節配列、またはポリアデニル化部位配列といった機能共通配列中の配列と相補的でありうる。より短いプライマーもまたそのような反復配列を含みうる。プライマー中に反復配列を用いる場合、より多くのプライマーを反応に用いて、核酸試料中のプライマー相補配列の分布を改善することができる。特に、反復配列の一部または全部が核酸試料の核酸中で不均一な分布を有する場合は、異なる反復配列に相補的な複数のプライマーを用いることができる。
別の一実施形態では、プライマーがヌクレアーゼ耐性となるように、プライマーはそれぞれ少なくとも1個の修飾ヌクレオチドを含むことができる。別の一実施形態では、修飾ヌクレオチドを含まない同一配列のプライマーと比較してそのプライマーの融点が変化するように、プライマーはそれぞれ少なくとも1個の修飾ヌクレオチドを含むことができる。これらの最後の2つの実施形態のためには、プライマーは修飾RNAであることが好ましい。別の一実施形態では、DNAポリメラーゼはφ29DNAポリメラーゼ、または別の適当なDNAポリメラーゼであることができる。φ29DNAポリメラーゼはより多くの増幅を複数置換増幅で生じる。上記の特性のうち2つ以上の組み合わせもまた、複数置換増幅において改善された結果を生じる。好ましい一実施形態では、たとえば、核酸試料は変性条件に供されず、プライマーは6塩基プライマーでありおよびプライマーがヌクレアーゼ耐性となるように修飾ヌクレオチドを含み、およびDNAポリメラーゼはφ29DNAポリメラーゼである。上記の特性は全ゲノム鎖置換増幅(WGSDA)において特に有用である。
より高い効率および信頼性での目的の核酸配列の増幅のための組成物および方法もまた開示される。本開示の方法は、DNAアーティファクトの生成が低減または消失している複数置換増幅(MDA)といった等温増幅技術に関する。一般的に、これは反応を高温にて実施することによって達成することができる。本方法の特に有用な実施形態では、糖および/または他の添加剤を用いてポリメラーゼを高温にて安定化することができる。
等温増幅手順における高分子量アーティファクトの生成は、反応をより高い温度にて、および随意的に、一種類以上の添加剤の存在下で実施することによって、なお目的のインプットDNAの増幅を可能にする一方で相当に低減または消失させることができることが見出されている。たとえば、増幅反応は、糖の存在下で、使用するDNAポリメラーゼについての通常の最適温度よりも高い温度にて実施することができる。等温増幅反応は、より高い温度にて、および随意的に、一種類以上の添加剤の存在下で実施した場合、低い増幅偏りといった高品質の増幅産物を生じることができることもまた見出されている。
本開示の方法は、PCRにおいてプライマー二量体アーティファクトの生成を消去するために設計された技術とは根本的に異なる。PCRの場合には、伸長またはプライマーアニーリング温度の上昇が、特異的インプットDNAテンプレートのプライマー結合と比較して少ないプライマー二量体を生じる。対照的に、本開示の方法によって対処するアーティファクトは、DNAポリメラーゼといった組み換えタンパク質中に存在することが知られているプラスミドクローニングベクターといった微量の夾雑DNAに、または典型的な分子生物学実験室中にエアロゾルの形でまたは機器上にまたは試薬中に存在する痕跡量の夾雑DNAに由来すると考えられている。このことは、特異的インプットテンプレートから夾雑テンプレートを識別する試みを複雑化する。アーティファクトDNA合成は、MDA反応といった等温増幅反応を、特異的インプットテンプレートの増幅が夾雑テンプレートの増幅よりも有利になるように、高い反応温度で実施することによって低減または消失させることができることが見出されている。
説明に役立つ例として、ゲノムDNAまたは環状化された細菌またはプラスミドDNAのMDAは、ランダム六量体プライマーおよびファイ29DNAポリメラーゼを用いて、ファイ29DNAポリメラーゼ活性に最適である温度(30〜34℃)にて実施することができる。ゲノムDNAといったDNAテンプレート(インプットDNA)を、増幅のための反応に加える。しかし、ファイ29DNAポリメラーゼはまた、望ましくないアーティファクトもこれらのMDA反応中に生じうる。ファイ29DNAポリメラーゼおよびランダム六量体プライマーによる、ファイ29DNAポリメラーゼ活性に最適である温度(30〜34℃)におけるそのようなアーティファクトの生成はまた、等温総転写物増幅(ITTA)における環状化されたcDNAの複数プライマーを用いるRCA、およびランダム六量体および配列特異的プライマーを用いる環状化されたdsDNAの複数プライマーを用いるRCAといった他の等温増幅反応でも観察される。本開示の方法および組成物は、六量体プライマーおよびファイ29DNAポリメラーゼを用いるMDA反応において、低いかまたは検出不能なレベルのアーティファクトDNAを含む増幅産物を生じるのに用いることができる。
本方法の一部の形式は、複数のプライマーによる核酸配列の鎖置換複製に基づく。本開示の方法のそのような形式は一般的に、標的配列を含む核酸を高温にて、鎖置換活性を有する熱不安定性核酸ポリメラーゼ、添加剤、および一組のプライマーの存在下で、核酸の複製を促進する条件下でインキュベートすることを含む。核酸の複製は、複製された鎖を結果として生じる。複製中に、複製された核酸鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって置換される。標的配列からの複製された鎖の形成は、非標的配列からの複製された鎖の形成よりも有利である。
核酸を増幅する方法であって、標的配列を含む核酸を高温にて、鎖置換活性を有する熱不安定性核酸ポリメラーゼ、添加剤、および一組のプライマーの存在下で、核酸の複製を促進する条件下でインキュベートすることを含む方法もまた開示される。核酸の複製は、複製された鎖を結果として生じる。複製中に、複製された核酸鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって置換される。標的配列からの複製された鎖の形成は、非標的配列からの複製された鎖の形成よりも有利である。
全ゲノムを増幅する方法であって、細胞をアルカリ性条件に曝露して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物のpHを低下させて安定化した細胞溶解物を生じ、および安定化した細胞溶解物を高温にて、鎖置換活性を有する熱不安定性核酸ポリメラーゼ、添加剤、および一組のプライマーの存在下で、核酸の複製を促進する条件下でインキュベートすることを含む方法もまた開示される。核酸の複製は、複製された鎖を結果として生じる。複製中に、複製された核酸鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって置換される。標的配列からの複製された鎖の形成は、非標的配列からの複製された鎖の形成よりも有利である。細胞溶解物は全ゲノムを含む。
鎖置換核酸合成を高温にて実施する方法であって、鎖置換活性を有する熱不安定性核酸ポリメラーゼ、標的配列を含む核酸、一組のプライマー、および添加剤を混合し、および高温にておよび標的配列へのプライマーのハイブリダイゼーションおよびテンプレート依存的方法でのプライマーの3’末端への連続的なヌクレオチドの付加によるプライマーの伸長に有利になる条件下でインキュベートすることを含み、その伸長の結果として標的配列の複製が生じる方法もまた開示される。
全ゲノムを増幅する方法であって、細胞をアルカリ性条件に曝露して細胞溶解物を生じ、ここでその細胞溶解物は全ゲノムを含み、細胞溶解物のpHを低下させて安定化した細胞溶解物を生じ、および安定化した細胞溶解物を高温にて、鎖置換活性を有する熱不安定性核酸ポリメラーゼ、添加剤、一組のプライマー、およびデオキシリボヌクレオチド三リン酸の存在下で、核酸の複製を促進する条件下でインキュベートすることを含む方法もまた開示される複製中に、複製された核酸鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって置換される。複製反応におけるテンプレート依存性伸長産物の形成は、非テンプレート産物の形成よりも有利である。
鎖置換核酸合成を高温にて実施する方法であって、鎖置換活性を有する熱不安定性核酸ポリメラーゼ、1本鎖テンプレート核酸、一組のプライマー、デオキシリボヌクレオチド三リン酸および添加剤を混合し、および高温にておよびテンプレート核酸へのプライマーのハイブリダイゼーションおよびテンプレート依存的方法でのプライマーの3’末端への連続的なヌクレオチドの付加によるプライマーの伸長に有利になる条件下でインキュベートすることを含み、前記重合の結果として前記テンプレート核酸の複製が生じる方法もまた開示される。
核酸を増幅する方法であって、核酸を高温にて、鎖置換活性を有する熱不安定性核酸ポリメラーゼ、添加剤、一組のプライマー、およびデオキシリボヌクレオチド三リン酸の存在下で、核酸の複製を促進する条件下でインキュベートすることを含む方法もまた開示される。複製中に、複製された核酸鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって置換される。複製反応におけるテンプレート依存性伸長産物の形成は、非テンプレート産物の形成よりも有利である。
核酸を増幅するためのキットであって、鎖置換活性を有する熱不安定性核酸ポリメラーゼ、添加剤、および一組のプライマーを含み、標的配列を含む核酸を高温にて、熱不安定性核酸ポリメラーゼ、添加剤、および一組のプライマーの存在下で、核酸の複製を促進する条件下でインキュベートする結果として、複製された鎖が生じおよび非標的配列からの複製された鎖の形成を優先して標的配列からの複製された鎖の形成を生じるキットもまた開示される。
本開示の方法は、任意の目的試料について実施することができる。たとえば、本開示の方法は、核酸を含むかまたは含むと見られている試料を用いて実施することができる。本開示の方法の一部の形式は、試料中の核酸を増幅するために、試料中に存在する配列の知識を全く必要としない。したがって、本開示の方法の一部の形式は、試料が核酸を含むかどうかを決定するために用いることができる。本方法を実施した際に増幅産物が生じるならば、試料は核酸を含む。本開示の方法は、細胞についておよび、粗核酸試料、部分精製された核酸試料、および精製された核酸試料を含む核酸試料について実施することができる。
本開示の方法の一部の形式では、プライマーは六量体プライマーであることができ、DNAポリメラーゼはφ29DNAポリメラーゼであることができ、または両方である。そのような短いプライマーは、ランダム配列(ランダムプライマー)の完全な一組のプライマーとして作製することが、より長いプライマーよりも容易であり、それは、より短いプライマーのプール中には個々のプライマー種がより少ないからである。上記の特性は、全ゲノム鎖置換増幅(WGSDA)において特に有用である。
本開示の方法の一部の形式では、本方法は、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼを用いて、複製された鎖(すなわち、複数置換増幅で生じた鎖)を標識化することを含む。複製された鎖は、たとえば、ビオチニル化ヌクレオチド、蛍光ヌクレオチド、5−メチルdCTP、ブロモデオキシウリジン三リン酸(BrdUTP)、または5−(3−アミノアリル)−2'−デオキシウリジン5'−三リン酸といった修飾ヌクレオチドの、複製された鎖の3’末端への付加によって標識化することができる。複製された鎖はまた、修飾ヌクレオチドを複製中に組み込むことによって標識化することができる。この方法で複製されたプローブは、マイクロアレイ形式における用途を含むハイブリダイゼーションに特に有用である。
高品質の増幅産物を作製するための、目的の核酸配列の増幅のための組成物および方法もまた開示される。増幅反応は、閾量のまたはそれを上回る量の核酸について、および/または、閾濃度のまたはそれを下回る濃度の核酸について実施する場合、低い増幅偏りといった高品質の増幅産物を生じることができることが見出されている。閾量および閾濃度は、増幅する核酸の性質および起源、および使用する増幅反応の種類に応じて変化する。目的の核酸試料について目的の増幅反応において使用することができる、核酸の閾量および/または閾濃度を決定する方法が開示される。増幅反応は、核酸の閾量および/または濃度未満で、低い偏りの増幅産物といった高品質の増幅産物を生じることができるため、そのような閾量および/または濃度未満を増幅反応に用いることができる。したがって、選択された増幅偏り(または増幅された核酸の品質の他の指標)よりも小さい増幅産物を作製するために、目的の核酸試料について目的の増幅反応において使用することができる、核酸の量および/または濃度を決定する方法もまた開示される。本開示の方法によって作製される増幅産物の品質は任意の望ましい基準によって測定することができ、および目的の基準によって測定される品質の希望のレベルを達成するための閾量(または上回る)および/または閾濃度(または下回る)は、本開示の方法によって決定することができおよび本開示の方法に用いることができる。
アルカリ性条件への核酸の曝露、アルカリ性条件へ曝露された核酸のpHの低下、および結果として生じた、閾量のまたはそれを上回る量のおよび/または閾濃度のまたはそれを下回る濃度の核酸のインキュベートによって、低い増幅偏りを有する増幅産物を作製することができることもまた見出されている。そのようなアルカリ性/中性化手順は、増幅産物の品質を改善することができる。増幅産物の品質は、増幅偏り、対立遺伝子偏り、遺伝子座発現量、配列発現量、対立遺伝子発現量、遺伝子座発現量偏り、配列発現量偏り、パーセント発現量、パーセント遺伝子座発現量、パーセント配列発現量、およびインプット核酸の偏りのないおよび/または完全な増幅を示す指標を含むがそれらに限定されない種々の方法によって測定することができる。
本開示の方法の一部の形式では、ゲノム試料は、試料をアルカリ性条件に曝露して試料中の核酸を変性させる;試料のpHを低下させて試料のpHをDNA複製に適合するようにする;およびゲノムの複製を促進する条件下で試料をインキュベートすることによって調製される。一部の実施形態では、インキュベートの条件は、ゲノムの複製を促進し、および、低い増幅偏り、望ましいレベルのまたはそれを下回る増幅偏り、または増幅産物の品質の任意の他の指標を有する増幅されたゲノム核酸を生じる条件であることができる。したがって、選択された増幅偏り(または増幅された核酸の品質の他の指標)よりも小さい増幅産物を作製するために、目的の核酸試料について目的の増幅反応において使用することができる条件を決定する方法もまた開示される。
本開示の方法は、任意の希望の試料について実施することができる。たとえば、本開示の方法は、核酸を含むかまたは含むと見られている試料を用いて実施することができる。本開示の方法の一部の形式は、試料中の核酸を増幅するために、試料中に存在する配列の知識を全く必要としない。したがって、本開示の方法の一部の形式は、試料が核酸を含むかどうかを決定するために用いることができる。本方法を実施した際に増幅産物が生じるならば、試料は核酸を含む。本開示の方法は、細胞についておよび、粗核酸試料、部分精製された核酸試料、および精製された核酸試料を含む核酸試料について実施することができる。任意の細胞または核酸試料をアルカリ性条件に曝露し、および次いで試料のpHを低下させることによって、増幅または複製に適した安定化した試料を作製することができる。
本方法の一部の形式は、複数のプライマーによる核酸配列の鎖置換複製に基づく。複数置換増幅(MDA)と呼ばれるそのような方法は、鎖置換複製の先行法を改善する。本開示の方法は一般的に、一組のプライマー,DNAポリメラーゼ,および標的試料を接触させ、および標的配列の複製を促進する条件下で標的試料をインキュベートすることを含む。標的配列の複製は、複製中に複製された鎖が別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換されるようにして、複製された鎖を結果として生じる。
本開示の方法の一部の形式では、ゲノム試料は、細胞をアルカリ性条件に曝露し、それによって細胞を溶解しおよび細胞溶解物を結果として生じる;細胞溶解物のpHを低下させて、細胞溶解物のpHをDNA複製に適合するようにする;および複数置換増幅による細胞のゲノムの複製を促進する条件下で細胞溶解物をインキュベートすることによって調製される。アルカリ性溶解はゲノムDNAに与えうる損傷がより少ないこと、およびアルカリ性溶解は複数置換増幅と適合することが見出されている。アルカリ性条件は、たとえば、相当数の細胞に溶解を生じさせる条件、または、十分な数の細胞に溶解を生じさせる条件であることができる。本開示の方法においてゲノムを十分に増幅することができる場合、溶解した細胞の数は十分であると考えることができる。配列の検出または他の分析といった、増幅産物の何らかの用途を可能にするのに十分な増幅産物が作製された場合、増幅は十分である。pHの低下は一般的にpH9.0からpH6.0の中性範囲へ、である。
一部の実施形態では、細胞は熱によって溶解されない、および/または、細胞溶解物または試料中の核酸は加熱によって変性しない。異なる条件下での異なる細胞は異なる温度で溶解し、および、そのため熱によって細胞が溶解しない温度および時間を決定することができることを当業者は理解する。一般的に、細胞は、使用したアルカリ性条件の非存在下で相当な細胞溶解を生じる温度を超えておよびそのような時間、加熱に供されない。一部の実施形態では、細胞および/または細胞溶解物はその細胞が増殖する温度を大きく上回る加熱に供されない。別の実施形態では、細胞および/または細胞溶解物は増幅反応(そこでゲノムが増幅される)の温度を大きく上回る加熱に供されない。本開示の複数置換増幅反応は一般的に、実質的に一定の温度にて実施され(すなわち、増幅反応は実質的に等温である)、およびこの温度は一般的に、核酸が実質的にまたは有意に変性する温度未満である。
一部の実施形態では、細胞溶解物または試料は、増幅反応前に精製に供されない。本開示の方法との関連において、精製とは一般的に、細胞溶解物または試料中の他の物質からの核酸の分離をいう。複数置換増幅は精製されていないおよび部分精製された試料について実施することができることが見出されている。増幅反応は、精製されていない核酸を用いて効率的に実施することはできないと一般に考えられている。特に、PCRは夾雑物に対して非常に感受性が高い。
本開示の方法の一部の形式では、標的試料は変性条件に供されない。標的核酸、たとえばゲノムDNAは、効率的な複数置換増幅のために変性する必要がないことが見出されている。変性段階および変性条件の消失は、増幅産物中の配列偏りを低減するといった別の利点を有することが見出された。別の一実施形態では、プライマーは六量体プライマーであることができる。そのような短い、6ヌクレオチドプライマーはなおも効率的に複数鎖置換複製のプライマーとなることができることが見出された。そのような短いプライマーは、ランダム配列(ランダムプライマー)の完全な一組のプライマーとして作製することが、より長いプライマーよりも容易であり、それは、より短いプライマーのプール中には個々のプライマー種がより少ないからである。別の一実施形態では、プライマーがヌクレアーゼ耐性となるように、プライマーはそれぞれ少なくとも1個の修飾ヌクレオチドを含むことができる。別の一実施形態では、修飾ヌクレオチドを含まない同一配列のプライマーと比較してそのプライマーの融点が変化するように、プライマーはそれぞれ少なくとも1個の修飾ヌクレオチドを含むことができる。これらの最後の2つの実施形態のためには、プライマーは修飾RNAであることが好ましい。別の一実施形態では、DNAポリメラーゼはφ29DNAポリメラーゼであることができる。φ29DNAポリメラーゼはより多くの増幅を複数置換増幅で生じることが見出された。上記の特性のうち2つ以上の組み合わせもまた、複数置換増幅において改善された結果を生じる。好ましい一実施形態では、たとえば、標的試料は変性条件に供されず、プライマーは六量体プライマーでありおよびプライマーがヌクレアーゼ耐性となるように修飾ヌクレオチドを含み、およびDNAポリメラーゼはφ29DNAポリメラーゼである。上記の特性は全ゲノム鎖置換増幅(WGSDA)において特に有用である。
本開示の方法の一部の形式では、本方法は、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼを用いて、複製された鎖(すなわち、複数置換増幅で生じた鎖)を標識化することを含む。複製された鎖は、たとえば、ビオチニル化ヌクレオチド、蛍光ヌクレオチド、5−メチルdCTP、ブロモデオキシウリジン三リン酸(BrdUTP)、または5−(3−アミノアリル)−2'−デオキシウリジン5'−三リン酸といった修飾ヌクレオチドの、複製された鎖の3’末端への付加によって標識化することができる。複製された鎖はまた、修飾ヌクレオチドを複製中に組み込むことによって標識化することができる。この方法で複製されたプローブは、マイクロアレイ形式における用途を含むハイブリダイゼーションに特に有用である。
全ゲノム鎖置換増幅(WGSDA)と呼ばれる、本開示の方法の一形式では、ランダムな一組のプライマーを用いて、ゲノム核酸の試料(または別の高度に複雑な核酸の試料)をランダムにプライマー結合するのに用いる。ランダムまたは部分的にランダムな配列のプライマーの十分に大きな一組を選択することによって、その組に含まれるプライマーは、合計として、およびランダムに、試料中の核酸全体にわたって分布する核酸配列と相補的になる。増幅は、高度に連続的なポリメラーゼを用いた、各プライマーで開始しおよび自発終止まで連続する複製によって進行する。本方法の重要な特性は、複製中のポリメラーゼによる介在プライマーの置換である。このようにして、ゲノム全体の複数の重なり合うコピーを短時間に合成することができる。本方法は、等温条件下で実施できるために、ポリメラーゼ連鎖反応よりも有利である。全ゲノム鎖置換増幅の他の利点は、全ゲノムPCRよりも高いレベルの増幅(最大5倍高い)、増幅がPCRよりも配列依存性が低い、およびPCRで起こりうるような再アニーリング・アーティファクトまたは遺伝子シャッフリング・アーティファクトが無い(変性および再アニーリングのサイクルが無いため)ことを含む。WGSDAの好ましい実施形態では、標的試料は変性条件に供されず、プライマーは六量体プライマーでありおよびプライマーがヌクレアーゼ耐性となるように修飾ヌクレオチドを含み、DNAポリメラーゼはφ29DNAポリメラーゼであるか、またはこれらの特性の任意の組み合わせである。
複数鎖置換増幅(MSDA)と呼ばれる、本方法の別の一形式では、右組および左組の、二組のプライマーが用いられる。プライマーの右組に含まれるプライマーはそれぞれ、標的ヌクレオチド配列の一方の側に隣接するヌクレオチド配列と相補的な部分を有し、およびプライマーの左組に含まれるプライマーはそれぞれ、標的ヌクレオチド配列のもう一方の側に隣接するヌクレオチド配列と相補的な部分を有する。右組に含まれるプライマーは標的ヌクレオチド配列を含む核酸分子の一方の鎖と相補的であり、および左組に含まれるプライマーは反対側の鎖と相補的である。両方の組のプライマーの5'末端は、プライマーが核酸分子中の隣接配列とハイブリダイズされる際、目的の核酸配列の遠位側である。好ましくは、各組のそれぞれのメンバーは、標的ヌクレオチド配列に隣接する、別々のおよび重なり合わないヌクレオチド配列と相補的な部分を有する。増幅は、各プライマーで開始されおよび標的核酸配列を通じて継続する複製によって進行する。リニアMSDAと呼ばれる、MSDAの別の一形式では、増幅は1本の鎖とだけ相補的な一組のプライマーを用いて実施され、したがって鎖のうち1本だけを増幅する。
遺伝子特異的鎖置換増幅(GS−MSDA)と呼ばれる、本方法の別の一形式では、標的DNAはまず制限エンドヌクレアーゼを用いて消化される。消化された断片は次いで末端どうしをライゲーションしてDNA環を生じる。これらの環は単量体または連結体であることができる。右組および左組の、二組のプライマーが増幅に用いられる。プライマーの右組に含まれるプライマーはそれぞれ、標的ヌクレオチド配列の一方の側に隣接するヌクレオチド配列と相補的な部分を有し、およびプライマーの左組に含まれるプライマーはそれぞれ、標的ヌクレオチド配列のもう一方の側に隣接するヌクレオチド配列と相補的な部分を有する。右組に含まれるプライマーは標的ヌクレオチド配列を含む核酸分子の一方の鎖と相補的であり、および左組に含まれるプライマーは反対側の鎖と相補的である。そのプライマーは、増幅する必要がある配列の全部または一部をカバーするように設計されている。好ましくは、各組のそれぞれのメンバーは、標的ヌクレオチド配列に隣接する、別々のおよび重なり合わないヌクレオチド配列と相補的な部分を有する。増幅は、各プライマーで開始されおよび標的核酸配列を通じて継続する複製によって進行する。リニアGS−MSDAと呼ばれる、GS−MSDAの一形式では、増幅は1本の鎖とだけ相補的な一組のプライマーを用いて実施され、したがって鎖のうち1本だけを増幅する。GS−MSDAの別の一形式では、cDNA配列を環状化して一本鎖DNA環を生じることができる。増幅は次いで、その一本鎖環状cDNAと相補的な一組のプライマーを用いて実施される。
本方法の重要な特性は、複製中の介在プライマーの置換である。プライマーの右組から伸長した核酸鎖が、プライマーの左組がハイブリダイズする核酸分子の領域に一旦達すると、および逆の場合も同様に、もう一回のプライマー結合および複製が起こる。このことは、標的核酸配列の入れ子化した組の複数コピーが短時間に合成されることを可能にする。右組および左組に含まれる十分な数のプライマーを用いることによって、目的の核酸配列の何十万ものコピーを生じるのに必要なのは数回の複製だけである。本開示の方法は、等温条件下で実施できるために、ポリメラーゼ連鎖反応よりも有利である。伸長する鎖の先端にあるポリメラーゼ(または対応する鎖置換タンパク質)が、その先にある鎖を置換して、それによってハイブリダイゼーションに利用可能にするため、熱サイクルは不要である。複数鎖置換増幅の他の利点は、非常に長い核酸断片(50キロベース程度)を増幅する能力および、より短い断片(10キロベース未満)の迅速な増幅を含む。複数鎖置換増幅では、意図しない部位での一つのプライマー結合現象は、これらの部位でのアーティファクト増幅には繋がらない(意図される部位での増幅がその意図しない部位での一つの鎖複製を速やかに追い越すため)。MSDAの好ましい実施形態では、標的試料は変性条件に供されず、プライマーは六量体プライマーでありおよびプライマーがヌクレアーゼ耐性となるように修飾ヌクレオチドを含み、DNAポリメラーゼはφ29DNAポリメラーゼであるか、またはこれらの特性の任意の組み合わせである。
WGSDAの好ましい実施形態では、標的試料は変性条件に供されず、プライマーは六量体プライマーでありおよびプライマーがヌクレアーゼ耐性となるように修飾ヌクレオチドを含み、DNAポリメラーゼはφ29DNAポリメラーゼであるか、またはこれらの特性の任意の組み合わせである。
増幅後に、増幅された配列は、PCR増幅された配列についての既知のおよび確立された用途といった、任意の目的に用いることができる。たとえば、増幅された配列は、蛍光標識の検出、酵素結合検出系、抗体媒介標識検出、および放射性標識の検出といった、核酸のための従来の検出系のうち任意のものを用いて検出することができる。標識化の好ましい形式は、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼを用いて、複製された鎖(すなわち、複数置換増幅で生じた鎖)を標識化することを含む。複製された鎖は、たとえば、ビオチニル化ヌクレオチド、蛍光ヌクレオチド、5−メチルdCTP、BrdUTP、または5−(3−アミノアリル)−2'−デオキシウリジン5'−三リン酸といった修飾ヌクレオチドの、複製された鎖の3’末端への付加によって標識化することができる。
本開示の方法では、増幅は、サイクルではなく、連続的な等温複製で起こる。このことは、増幅の複雑さを低減し、および産物においてはるかに一貫したものにする。鎖置換は、単一の連続的な等温反応において、核酸配列または試料の複数のコピーの迅速な生成を可能にする。本開示の方法を用いて作製されているDNAは、希望する任意の目的のためにまたは任意の他の方法において使用することができる。たとえば、全ゲノム鎖置換法によって予め増幅されている任意の特定のDNA配列をさらに増幅するために、PCRを用いることができる。
遺伝子分析はしばしば、血液、組織培養細胞、口腔塗抹、口腔洗浄液、糞便、組織切片、吸引生検といった生物学的試料、および骨またはミイラ化組織といった考古学的試料に由来するDNAを用いて実施しなければならない。一部の場合には、試料はまた、純粋なDNAの十分な量を抽出するには少量すぎ、および未処理試料から直接にDNAに基づく分析を実施する必要がある。さらに、純粋なDNAを単離するのは時間がかかり、そこで、生物学的試料から直接にゲノムを増幅することができる本開示の方法は大幅な改善に相当する。
本開示の方法は、現行の方法論よりもいくつかの点で明らかに優れている。全血または培養細胞から、KOH処理といった簡単な細胞溶解技術を用いて、ゲノムを直接に増幅することができる。PCRおよび他のDNA増幅法は細胞内容物によって重度に阻害され、そのため増幅および分析の前にDNAの精製が必要である。たとえば、溶解した血液細胞中に存在するヘムはPCRを阻害する。対照的に、全ゲノム増幅の本開示の形式は、ミニプレップ抽出および沈澱手順によってまたはカラムまたはスピンカートリッジ法を用いて物理的にDNAを分離する必要無しに、粗溶解物について実施することができる。
細菌、真菌、およびウイルスは、すべてが院内感染に関与しうる。院内病原体の亜種レベルでの同定は高度な識別技術を必要とする。そのような技術は、分類のための従来の方法および分子的方法を利用する。いくつかの従来技術は、抗生物質感受性試験、生化学基質を利用する能力の測定、および血清型分析である。これらの技術の主な制限は、それらは純粋な細菌培養を必要とするため、完了までに数日かかることである。そのような技術は長時間であり、および細菌は臨床試料中でさえ生存不能である可能性があるため、細菌種同定のための迅速なおよび高信頼性の方法が求められている。
細菌種同定のためのDNAに基づく分子的方法のいくつかは、マクロ制限分析(MRA)に続くパルスフィールドゲル電気泳動(PFGE)、増幅断片長多型(AFLP)分析、および任意プライマーPCR(arbitrarily primed PCR)(AP−PCR)(テノバー(Tenover)他 ,J.Clin.Microbiol.32: 407−415 (1994)、およびプルックラー(Pruckler)他,J.Clin.Microbiol.33: 2872−2875 (1995) )である。これらの分子的技術は労働集約的でありおよび異なる実験室間で標準化することが困難である。
本開示の方法は、分析のための微生物 DNAの増幅による、細菌株の同定のための有用な代替法を提供する。 PCR (Lantz 他,Biotechnol.Annu.Rev.5: 87−130 (2000) )とは異なり、本開示の方法は迅速で、偏りが無く、再現性があり、および細菌、ウイルスまたは真菌ゲノム由来の大きいDNA断片を増幅することができる。
本開示の方法は、たとえば、配列決定または他の試験のために、培養できない生物から十分なDNAを得るのに用いることができる。大部分の微生物はその天然の環境の外では増殖することができず、およびしたがってその核酸は配列決定することができない。多数の培養できない生物は極端な環境下に生息し、そのことはそれらの生物の遺伝子の総体を研究者にとって興味あるものとしている。他の微生物はある種の生態系において不可欠な役割を果たす共同体内で生息する。個々の生物または生物の共同体全体を、個別にまたは一緒に、増幅して配列決定することができる。
組み換えタンパク質は、希望の発現ベクターを有する細菌株または酵母株から発生した大きなバイオマスから精製することができる。単離された組み換えタンパク質には高度の純度が必要とされる可能性があり、痕跡レベルのタンパク質またはDNA夾雑物の検出のための高感度な手順が必要となる。本開示の方法は、低レベルのDNAテンプレートの存在下でさえ高度に頑健なDNA増幅反応であり、および、痕跡量の夾雑する細菌または酵母ゲノムDNAに関して組み換えタンパク質の調製物を監視するのに用いることができる。
RFLPに基づく試験のための法医学材料の増幅は、本開示の方法のための一つの有用な用途である。
損傷DNAを増幅および修復するための方法もまた開示される。この方法は、たとえば、分解されたゲノムDNAを増幅するのに有用である。本方法は、損傷DNA試料を実質的に変性すること(一般的に熱およびアルカリ性条件への曝露によって)、変性条件の除去または低減(たとえば変性したDNA試料のpHおよび温度の低下によって)、およびそのDNAを複製することを含む。損傷DNAの平均長を増大することによって、損傷DNAは複製中に修復される。たとえば、DNA断片の平均長は、たとえば、損傷DNA試料中の2kbから、たとえば、増幅されたDNAについての10kb以上へ増加することができる。この修復方法は、すべて損傷DNAを他の方法によって増幅した場合と比較して、産物の平均長を増加し、増幅産物の品質を3倍に高め(たとえば、試料中のマーカー発現量を増加することによって)、および対立遺伝子欠落の頻度を低下させることによって増幅産物の遺伝子型分析を改善することによって、損傷DNAの増幅における全体的な改善を結果として生じうる。変性条件の除去は、損傷DNAの変性した鎖が、他の変性した損傷DNAとハイブリダイズすることを可能にする。複製は複数置換増幅であることができる。DNA試料の実質的な変性および一時的な変性は一般的に、DNAがさらに損傷されないように実施される。この方法は一般的に、開示された増幅法のうち任意のものと組み合わせるかまたは共に使用することができる。
試料が増幅可能な核酸を含むかどうかの予備知識がある必要は無いことが見出されている。本開示の方法の一部の形式は、核酸を含むと見られる試料が実際に核酸を含むかどうかを試験するために用いることができる。本開示の方法を用いての、そのような試料からの増幅されたDNAの産生は、試料が核酸を含んだことの証拠である。より一般的に、本開示の方法の実施は、試料中のいかなる核酸配列のいかなる知識も必要としない。したがって、本開示の方法は、特異的配列情報の欠如にかかわらず、任意の起源から核酸を増幅するために用いることができる。これは、増幅を実施するためには試料中に存在すると考えられる核酸配列の少なくとも一部の予備情報を有することが必要である、PCRといった他の増幅法とは対照的である。この場合、試料中に存在する核酸が予想の試料核酸とは異なるならば、PCR増幅反応は失敗する。試料が核酸の混合物を含むならば、PCR反応では、適切な種類の核酸だけが増幅されるが、他の種類の核酸は増幅されない。対照的に、本開示の方法は、試料中に存在する核酸の大部分または全部の増幅を提供する。本開示の方法は、従来は核酸を含まないと予想または考えられている試料を用いることにも等しく適用可能である。たとえば、ヒトまたは他の高等動物由来の血清または血漿は、遊離の宿主核酸を含まないと考えられていた。しかし、本開示の方法はそのような試料中に存在する核酸を増幅できたことが見出された。
特異的インプットテンプレート依存性合成をアーティファクトDNA合成よりも改善するための方法およびキットを提供することは、本開示の発明の目的である。
アーティファクト核酸のレベルが低減されたかまたは検出不能である増幅産物を作製する方法およびキットを提供することは、本開示の発明の目的である。
アーティファクト核酸のレベルが低減されたかまたは検出不能である、連続的な等温反応において標的核酸配列を増幅する方法を提供することは、本開示の発明の目的である。
アーティファクト核酸のレベルが低減されたかまたは検出不能である、連続的な等温反応においてゲノム全体または他の高度に複雑な核酸試料を増幅する方法を提供することは、本開示の発明のもう一つの目的である。
連続的な等温反応において標的核酸配列を増幅する方法を提供することは、本開示の発明のもう一つの目的である。
連続的な等温反応においてゲノム全体または他の高度に複雑な核酸試料を増幅する方法を提供することは、本開示の発明のもう一つの目的である。
標的核酸配列の複数のコピーが単一の増幅サイクル中に作製される、標的核酸配列を増幅する方法を提供することは、本開示の発明のもう一つの目的である。
連結されたDNAを連続的な等温反応において増幅する方法を提供することは、本開示の発明のもう一つの目的である。
連続的な等温反応において標的核酸配列を増幅するためのキットを提供することは、本開示の発明のもう一つの目的である。
連続的な等温反応においてゲノム全体または他の高度に複雑な核酸試料を増幅するためのキットを提供することは、本開示の発明のもう一つの目的である。
本開示の方法は、標的核酸配列および全ゲノムまたは他の高度に複雑な核酸試料の増幅を可能にする、特定の材料および手順を利用する。これらの材料および手順を下記に詳細に記載する。
材料
A.標的配列
増幅の対象である標的配列は任意の核酸であることができる。標的配列は、全ゲノム増幅の場合のような複数の核酸分子、1つの核酸分子中の複数の部位,または1つの核酸分子の単一の領域を含みうる。複数鎖置換増幅については、一般的に標的配列は1つの核酸分子または核酸試料中の単一の領域である。全ゲノム増幅については、標的配列はゲノムまたは核酸試料全体である。標的配列は目的の任意の核酸試料に含まれうる。多数のそのような核酸試料の、起源、同一性、および調製物が既知である。増幅または検出法における使用のために既知であるかまたは同定されている核酸試料をここに記載の方法に用いるのが好ましい。核酸試料は、たとえば、1個以上の細胞、組織、または、血液、尿、精液、リンパ液、脳脊髄液、または羊水といった体液、または、組織培養細胞、口腔塗抹、口腔洗浄液、糞便、組織切片、吸引生検といった他の生物学的試料、および骨またはミイラ化組織といった考古学的試料に由来する核酸試料であることができる。標的試料は、真核生物、植物、動物、脊椎動物、魚類、哺乳類、ヒト、非ヒト、細菌、微生物、ウイルス、生物学的起源、血清、血漿、血液、尿、精液、リンパ液、脳脊髄液、羊水、生検、針吸引生検、がん、腫瘍、組織、細胞、細胞溶解物、粗細胞溶解物、組織溶解物、組織培養細胞、口腔塗抹、口腔洗浄液、糞便、ミイラ化組織、法医学起源、検死、考古学的起源、感染、院内感染、製品起源、医薬調製物、生物学的分子製品、タンパク質調製物、脂質調製物、糖質調製物、無生物、空気、土壌、樹液、金属、化石、土砂、および/または他の地球上のまたは地球外の物質および起源を含むがそれらに限定されない任意の試料に由来することができる。試料はまた、1または複数の異なる起源に由来する物質の混合物を含みうる。たとえば、感染性細菌またはウイルスの核酸は、そのような感染した細胞または組織に由来する核酸が本開示の方法を用いて増幅される場合、ヒト核酸と共に増幅することができる。有用な標的試料の種類は、真核試料、植物試料、動物試料、脊椎動物試料、魚類試料、哺乳類試料、ヒト試料、非ヒト試料、細菌試料、微生物試料、ウイルス試料、生物学的試料、血清試料、血漿試料、血液試料、尿試料、精液試料、リンパ液試料、脳脊髄液試料、羊水試料、生検試料、針吸引生検試料、がん試料、腫瘍試料、組織試料、細胞試料、細胞溶解物試料、粗細胞溶解物試料、組織溶解物試料、組織培養細胞試料、口腔塗抹試料、口腔洗浄液試料、糞便試料、ミイラ化組織試料、法医学試料、検死試料、考古学的試料、感染試料、院内感染試料、製品試料、医薬調製物試料、生物学的分子製品試料、タンパク質調製物試料、脂質調製物試料、糖質調製物試料、無生物試料、空気試料、土壌試料、樹液試料、金属試料、化石試料、土砂試料、および/または他の地球上のまたは地球外の試料を含む。
複数鎖置換増幅のためには、好ましい標的配列は、たとえば、長さまたは組成のために、PCRを用いて増幅するのが困難であるものである。全ゲノム増幅には、好ましい標的配列は単一細胞由来の核酸試料である。連結されたDNAの複数鎖置換増幅のためには、標的は連結されたDNAである。標的配列は、cDNAのどちらか一方の鎖、または両方の鎖であることができる。本開示の方法における用途のための標的配列は、好ましくは、複雑なおよび非反復性である核酸分子または試料の一部である(リンカー連結されたDNA中のリンカー、およびゲノムDNA中の反復性DNA部分は例外とする)。
標的核酸は損傷DNAおよび損傷DNA試料を含むことができる。たとえば、ゲノムDNA試料の調製は、結果としてゲノムDNAへの損傷を生じうる(たとえば、分解および断片化)。このことは、ゲノムまたはそれに含まれる配列の増幅をより困難におよびより信頼性の低い結果を与えることの両方になりうる(たとえば、多数の部分的および断片化したゲノム配列の増幅を結果として生じることによって。損傷DNAおよび損傷DNA試料は、したがって、損傷DNAを増幅する本開示の方法に有用である。任意の分解した、断片化したまたはそうでなければ損傷したDNAまたはそのようなDNAを含む試料を、本開示の方法に用いることができる。
1.複数鎖置換増幅のための標的配列
核酸試料中の複数の部位を、同一のMSDA反応中に同時に増幅することができるが、簡単にするために、下記の考察は増幅する単一の目的核酸配列の性質に言及する。この配列を下記で標的配列と呼ぶ。MSDAのための標的配列は、2種類の標的領域、増幅標的およびハイブリダイゼーション標的を含むことが好ましい。ハイブリダイゼーション標的は、一組のプライマーに含まれるプライマーと相補的である、標的配列中の配列を含む。増幅標的は、標的配列の増幅すべき部分である。このために、増幅標的は好ましくは、ハイブリダイゼーション標的の下流であるかまたはそれに隣接されている。標的配列を選択するためには、特異的配列または構造上の条件は必要ない。標的配列内のハイブリダイゼーション標的および増幅標的は、一組のプライマーに含まれるプライマーとの標的配列の関係によって定義される。プライマーは、選択された標的配列と適合するように設計されている。プライマーがハイブリダイズする部位の中およびその周囲の配列が増幅されるため、増幅すべき配列とプライマーのハイブリダイゼーション部位とは、別々であるのが好ましいがその必要はない。
環状化されたDNAの複数鎖置換増幅では、環状DNA断片が増幅標的である。ハイブリダイゼーション標的は、増幅に用いられるプライマーと相補的である配列を含む。増幅のための環状DNAの一つの種類は、環状化されたcDNAである。
リンカー連結されたDNAの複数鎖置換増幅では、リンカーによって結合されたDNA断片が増幅標的であり、およびリンカーがハイブリダイゼーション標的である。ハイブリダイゼーション標的(すなわち、リンカー)は、増幅に用いられるプライマーと相補的である配列を含む。増幅のための連結されたDNAの一つの種類は、連結されたcDNAである。
B.添加剤
本開示の増幅法における使用のための添加剤は、熱不安定性核酸ポリメラーゼがテンプレート依存性重合を高温にて行うことを可能にできる、任意の化合物、組成物、または組み合わせである。添加剤は一般的に、核酸ポリメラーゼに及ぼす熱安定化作用を有する。添加剤は、熱不安定性核酸ポリメラーゼを、そのポリメラーゼの通常の活性範囲を上回る温度で使用することを可能にする。有用な添加剤は、糖類、シャペロン、タンパク質、糖、アミノ酸、ポリアルコールおよびその誘導体、および他の浸透圧溶質を含む。有用な糖類はトレハロース、グルコースおよびスクロースを含む。有用な糖は、トレハロース、マルトース、グルコース、スクロース、ラクトース、キシロビオース、アガロビオース、セロビオース、レバンビオース、キトビオース、2−β−グルクロノシルグルクロン酸、アロース、アルトロース、ガラクトース、グロース、イドース、マンノース、タロース、ソルビトール、果糖、キシリトール、アラビトールといったオリゴ糖および多糖、および、グリセロール、エチレングリコール、ポリエチレングリコールといったポリアルコールを含む。有用なアミノ酸およびその誘導体は、N−アセチル−β−リジン、アラニン、γ−アミノ酪酸、ベタイン、Nα−カルバモイル−L−グルタミン1−アミド、コリン、ジメチルテチン、エコチン(1,4,5,6−テトラヒドロ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)、グルタミン酸、β−グルタミン、グリシン、オクトピン、プロリン、サルコシン、タウリンおよびトリメチルアミンN−オキシド(TMAO)を含む。有用なシャペロンタンパク質は、好熱性細菌のシャペロンタンパク質、およびHSP90、HSP70およびHSP60といった熱ショックタンパク質を含む。他の有用な添加剤は、ソルビトール、マンノシルグリセラート、ジグリセロールリン酸、およびサイクリック−2、3−ジホスホグリセラートを含む。化合物および組成物の組み合わせを添加剤として用いることができる。
ここでは、高温とは、任意の核酸ポリメラーゼが添加剤、dNTP、およびテンプレート核酸の非存在下で明らかに不活性化される温度またはそれを上回る温度である。したがって、何が高温に当たるかはその特定の核酸ポリメラーゼに依存する。ここでは、明らかな不活性化とは、活性の40%以上の低下をいう。相当な不活性化とは、活性の60%以上の低下をいう。顕著な不活性化とは、活性の80%以上の低下をいう。
ここでは、熱不安定性核酸ポリメラーゼとは、増幅反応を実施する温度で添加剤、dNTP、およびテンプレート核酸の非存在下で明らかに不活性化される核酸ポリメラーゼである。したがって、核酸ポリメラーゼが熱不安定性であるかどうかは、増幅反応を実施する温度に依存する。ここでは、熱不安定性はポリメラーゼの変性または不可逆的不活性化を要しないことに注意する。必要条件は、ポリメラーゼが、増幅反応を実施する温度で添加剤の非存在下で明らかにテンプレート依存性重合を実施することができないことだけである。
C.試料
増幅の対象である核酸分子は、任意の起源に由来する任意の核酸であることができる。一般的に、本開示の方法は、増幅すべき核酸分子を含む(かまたは含むと見られる)試料を用いて実施される。核酸分子を含む(かまたは含むと見られる)試料はまた、核酸試料と呼ぶことができる。核酸試料といった試料は、標的配列を含みうる。細胞および組織試料は核酸試料の一種である。本開示の方法における使用のための試料はまた、核酸の存在について試験すべき試料であることができる(すなわち、核酸を含みうるかまたは含まない可能性がある試料)。全ゲノム増幅については、試料はゲノム全体の全部または相当な部分であることができる。ここでは、ゲノムの相当な部分とは、全ゲノム中に存在する配列の90%以上の存在をいう。ゲノムの相当な部分を含むかまたはそれを構成する、核酸試料またはゲノム核酸試料といった試料は、全ゲノム中に存在する配列の90%以上を含む試料をいう。ゲノム核酸試料とは、ゲノム核酸に由来しおよび全ゲノムのかなりの部分を含むかまたは構成する任意の試料をいう。ここでは、ゲノムのかなりの部分とは、全ゲノム中に存在する配列の20%以上の存在をいう。ゲノムのかなりの部分を含むかまたは構成する、核酸試料またはゲノム核酸試料といった試料は、全ゲノム中に存在する配列の20%以上を含む試料をいう。ここでは、ゲノムの大きな部分とは、全ゲノム中に存在する配列の50%以上の存在をいう。ゲノムの大きな部分を含むかまたは構成する、核酸試料またはゲノム核酸試料といった試料は、全ゲノム中に存在する配列の50%以上を含む試料をいう。ゲノム核酸試料は核酸試料の一種でありおよび試料の一種である。試料へのここでの言及は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、核酸試料およびゲノム試料を包含する核酸試料へのここでの言及は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、ゲノム核酸試料を包含する。
試料はゲノムを構成することができ、およびゲノムは試料中の核酸の任意の割合を構成することができる。ゲノムは、試料中の核酸の、たとえば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を構成することができる。
試料中の核酸は、本開示の方法で増幅するためには純粋である必要はない。本開示の方法の一部の形式は、粗細胞溶解物といった不純な核酸試料を増幅するために有用である。試料中の、または安定化したかまたは中性化した試料中の核酸は、たとえば、水を除く重量で、純度0.01%未満、純度0.5%未満、純度0.1%未満、純度0.2%未満、純度0.4%未満、純度0.6%未満、純度0.8%未満、純度1%未満、純度2%未満、純度3%未満、純度4%未満、純度5%未満、純度6%未満、純度8%未満、純度10%未満、純度15%未満、純度20%未満、純度25%未満、純度30%未満、純度40%未満、または純度50%未満であることができる。
核酸試料は目的の任意の核酸試料であることができる。多数のそのような核酸試料の、起源、同一性、および調製物が既知である。増幅または検出法における使用のために既知であるかまたは同定されている核酸試料をここに記載の方法に用いるのが好ましい。核酸試料は、たとえば、1または複数の真核生物、植物、動物、脊椎動物、魚類、哺乳類、ヒト、非ヒト、細菌、微生物、ウイルス、生物学的起源、血清、血漿、血液、尿、精液、リンパ液、脳脊髄液、羊水、生検、針吸引生検、がん、腫瘍、組織、細胞、細胞溶解物、粗細胞溶解物、組織溶解物、組織培養細胞、口腔塗抹、口腔洗浄液、糞便、ミイラ化組織、法医学起源、検死、考古学的起源、感染、院内感染、製品起源、医薬調製物、生物学的分子製品、タンパク質調製物、脂質調製物、糖質調製物、無生物、空気、土壌、樹液、金属、化石、土砂、および/または他の地球上のまたは地球外の物質および起源を構成するかまたはそれに由来する核酸試料を含みうる。有用な核酸試料の種類は、真核試料、植物試料、動物試料、脊椎動物試料、魚類試料、哺乳類試料、ヒト試料、非ヒト試料、細菌試料、微生物試料、ウイルス試料、生物学的試料、血清試料、血漿試料、血液試料、尿試料、精液試料、リンパ液試料、脳脊髄液試料、羊水試料、生検試料、針吸引生検試料、がん試料、腫瘍試料、組織試料、細胞試料、細胞溶解物試料、粗細胞溶解物試料、組織溶解物試料、組織培養細胞試料、口腔塗抹試料、口腔洗浄液試料、糞便試料、ミイラ化組織試料、法医学試料、検死試料、考古学的試料、感染試料、院内感染試料、製品試料、医薬調製物試料、生物学的分子製品試料、タンパク質調製物試料、脂質調製物試料、糖質調製物試料、無生物試料、空気試料、土壌試料、樹液試料、金属試料、化石試料、土砂試料、および/または他の地球上のまたは地球外の試料を含む。
試料が増幅可能な核酸を含むか含まないかの予備知識がある必要は無いことが見出されている。本開示の方法の一部の形式は、核酸を含むと見られる試料が実際に核酸を含むかどうかを試験するために用いることができる。本開示の方法を用いての、そのような試料からの増幅されたDNAの産生は、試料が核酸を含んだことの証拠である。より一般的に、本開示の方法の実施は、試料中のいかなる核酸配列のいかなる知識も必要としない。したがって、本開示の方法は、特異的配列情報の欠如にかかわらず、任意の起源から核酸を増幅するために用いることができる。これは、増幅を実施するためには試料中に存在すると考えられる核酸配列の少なくとも一部の予備情報を有することが必要である、PCRといった他の増幅法とは対照的である。この場合、試料中に存在する核酸が予想の試料核酸とは異なるならば、PCR増幅反応は失敗する。試料が核酸の混合物を含むならば、PCR反応では、適切な種類の核酸だけが増幅されるが、他の種類の核酸は増幅されない。対照的に、本開示の方法は、試料中に存在する核酸の大部分または全部の増幅を提供する。本開示の方法は、従来は核酸を含まないと予想または考えられている試料を用いることにも等しく適用可能である。たとえば、ヒトまたは他の高等動物由来の血清または血漿は、遊離の宿主核酸を含まないと考えられていた。しかし、本開示の方法はそのような試料中に存在する核酸を増幅できたことが見出された。
全ゲノム増幅のためには、好ましい核酸試料は単一の細胞に由来する核酸試料である。本開示の方法の一部の形式における使用のための核酸試料は、好ましくは、複雑なおよび非反復性である核酸分子および試料である。核酸試料がゲノム核酸試料である場合は、ゲノムは目的の任意の生物に由来するゲノムであることができる。たとえば、ゲノムは、ウイルスゲノム、細菌ゲノム、真正細菌ゲノム、古細菌ゲノム、真菌ゲノム、微生物ゲノム、真核ゲノム、植物ゲノム、動物ゲノム、脊椎動物ゲノム、無脊椎動物ゲノム、昆虫ゲノム、哺乳類ゲノム、またはヒトゲノムであることができる。標的ゲノムは好ましくは純粋であるかまたは実質的に純粋であるが、しかしこのことは必要ではない。たとえば、動物起源由来のゲノム試料は、汚染生物または感染性生物由来の核酸を含みうる。
核酸試料は、たとえば、同一のまたは異なる生物、組織、細胞、または組み合わせに由来する1つ以上の全ゲノム;同一のまたは異なる生物、組織、細胞、または組み合わせに由来する1つ以上のゲノムの一部;同一のまたは異なる生物、組織、細胞、または組み合わせに由来する1つ以上の完全な染色体;同一のまたは異なる生物、組織、細胞、または組み合わせに由来する1つ以上の染色体の一部;同一のまたは異なる生物、組織、細胞、または組み合わせに由来する1つ以上の染色体断片;1つ以上の人工染色体;1つ以上の酵母人工染色体;1つ以上の細菌人工染色体;1つ以上のコスミド;またはこれらのうち任意の組み合わせでありうるかまたはそれに由来しうる。
核酸試料が高度に複雑な核酸試料である場合、試料中の核酸分子は、高度に複雑な試料を結果として生じる任意の起源または起源の組み合わせに由来することができる。高い複雑性または高い配列複雑性とは、核酸試料が多数の独自の(すなわち、反復していない)配列を有することを意味する。独自の配列中のヌクレオチドの総数が、その核酸試料の配列複雑性である。たとえば、ヒトゲノムは約3×10の独自配列を有し、そのため、約3×10ヌクレオチドの配列複雑性を有する。高い配列複雑性の核酸試料は、少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有する。したがって、高い配列複雑性の核酸試料は、たとえば、少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性、少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性、少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性、または少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有しうる。
核酸試料はまた、顕著な複雑性の核酸試料であることができる。顕著な複雑性または顕著な配列複雑性とは、核酸試料が顕著な数の独自の(すなわち、反復していない)配列を有することを意味する。顕著な配列複雑性の核酸試料は、少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有する。したがって、顕著な配列複雑性の核酸試料は、たとえば、少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性、少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性、少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性、少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性、または少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有しうる。核酸試料はまた、かなりの複雑性の核酸試料であることができる。かなりの複雑性またはかなりの配列複雑性とは、核酸試料がかなりの数の独自の(すなわち、反復していない)配列を有することを意味する。かなりの配列複雑性の核酸試料は、少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有する。したがって、顕著な配列複雑性の核酸試料は、たとえば、少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性、少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性、少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性、少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性、少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性、または少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有しうる。
核酸試料およびゲノム核酸試料は、少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性、少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性、少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性、少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性、少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性、少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性、または少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有しうる。
試料は本開示の方法において使用および操作することができる。たとえば、試料を、アルカリ性条件に曝露するか、または、溶解溶液または変性溶液と接触させるかまたは混合することができる。ここでは、試料という語は起源試料、本開示の方法に全部が用いられる試料、および本開示の方法に用いられる起源試料の一部の両方をいう。したがって、たとえば、アルカリ性条件に曝露される起源試料の一部は、試料自体と考えられる。試料の全部または一部をアルカリ性条件に曝露するか、または、溶解溶液または変性溶液と接触させるかまたは混合することができる。同様に、アルカリ性条件に曝露したか、または、溶解溶液または変性溶液と接触させたかまたは混合した試料の、全部または一部のpHを低下させることができ、または、アルカリ性条件に曝露したかまたは溶解溶液または変性溶液と接触させた試料の全部または一部を、安定化溶液と接触させるかまたは混合することができる。結果として生じる安定化したかまたは中性化した試料の全部または一部を、核酸の複製を促進する条件下でインキュベートすることができる。増幅混合物は、安定化したかまたは中性化した試料の全部または一部を構成しうる。増幅混合物は、核酸が増幅されている反応溶液である。
D.プライマー
本開示の増幅法における使用のためのプライマーは、標的配列と相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドである。この配列を、プライマーの相補的部分という。プライマーの相補的部分は、プライマーと標的配列との間の特異的および安定なハイブリダイゼーションを反応条件下で支持する任意の長さであることができる。一般的に、37℃での反応のためには、これは長さ10から35ヌクレオチドまたは長さ16から24ヌクレオチドであることができる。一般的に、30℃での反応のためには、これはたとえば、長さ5から20ヌクレオチドまたは長さ6から8ヌクレオチドであることができる。全ゲノム増幅のためには、プライマーは、たとえば、長さ2ないし60ヌクレオチドまたは長さ5から60ヌクレオチドであることができ、および特に、長さ2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、および/または20ヌクレオチドであることができる。プライマーはまた、たとえば、少なくとも長さ2ヌクレオチド、少なくとも長さ3ヌクレオチド、少なくとも長さ4ヌクレオチド、少なくとも長さ5ヌクレオチド、少なくとも長さ6ヌクレオチド、少なくとも長さ7ヌクレオチド、および/または少なくとも長さ8ヌクレオチドでありうる。増幅反応において用いられるプライマーは、すべて同一の長さであることが好ましいが、そうである必要は無い。
プライマーまたはランダムまたは縮重配列を用いるもの(すなわち、さまざまな配列を有するプライマーの集合の使用)といった、本開示の方法の一部の形式に関しては、プライマーハイブリダイゼーションは特異的である必要が無い。そのような場合には、プライマーは、合成をプライミングすることに有効でありさえすればよい。たとえば、全ゲノム増幅では、一般的に目的はすべての配列を等しく増幅することであるため、プライミングの特異性は必須ではない。ランダムまたは縮重プライマーの組は、長さ5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、および/または20ヌクレオチドまたはそれ以上のプライマーから成ることができる。長さ6ヌクレオチドのプライマーを六量体プライマーと呼ぶ。全ゲノム増幅のための好ましいプライマーは、areランダム六量体プライマー、たとえば、すべての可能な6ヌクレオチド配列がそのプライマーの組の中に発現されているランダム六量体プライマーである。同様に、他の特定の長さのまたは長さの混合物のランダムプライマーの組は、好ましくはそのプライマーの長さのすべての可能な配列、または、特に、そのプライマーの相補的部分の長さを含む。ランダムプライマーの使用は米国特許第5,043,272号明細書および米国特許第6,214,587号明細書に記載されている。
プライマーは、たとえば、3ヌクレオチド、4ヌクレオチド、5ヌクレオチド、6ヌクレオチド、7ヌクレオチド、8ヌクレオチド、9ヌクレオチド、10ヌクレオチド、11ヌクレオチド、12ヌクレオチド、13ヌクレオチド、14ヌクレオチド、15ヌクレオチド、16ヌクレオチド、17ヌクレオチド、18ヌクレオチド、19ヌクレオチド、20ヌクレオチド、21ヌクレオチド、22ヌクレオチド、23ヌクレオチド、24ヌクレオチド、25ヌクレオチド、26ヌクレオチド、27ヌクレオチド、28ヌクレオチド、29ヌクレオチド、または30ヌクレオチドの長さを有しうる。プライマーは、たとえば、4ヌクレオチド未満、5ヌクレオチド未満、6ヌクレオチド未満、7ヌクレオチド未満、8ヌクレオチド未満、9ヌクレオチド未満、10ヌクレオチド未満、11ヌクレオチド未満、12ヌクレオチド未満、13ヌクレオチド未満、14ヌクレオチド未満、15ヌクレオチド未満、16ヌクレオチド未満、17ヌクレオチド未満、18ヌクレオチド未満、19ヌクレオチド未満、20ヌクレオチド未満、21ヌクレオチド未満、22ヌクレオチド未満、23ヌクレオチド未満、24ヌクレオチド未満、25ヌクレオチド未満、26ヌクレオチド未満、27ヌクレオチド未満、28ヌクレオチド未満、29ヌクレオチド未満、30ヌクレオチド未満、または31ヌクレオチド未満の長さを有しうる。
核酸試料中の核酸分子とハイブリダイズする際は、プライマーは効率的な増幅を可能にする間隔でハイブリダイズするのが好ましい。これは一般的に、プライマーが合計して希望の間隔で核酸試料中の配列と相補的になるように、増幅反応にいくつかのプライマーを用いることによって達成できる。したがって、たとえば、単一の6塩基プライマーはある配列と平均して4096ヌクレオチド毎に1回相補的になり、2種類の6塩基プライマーはある配列と平均して2048ヌクレオチド毎に1回相補的になり、3種類の6塩基プライマーはある配列と平均して1024ヌクレオチド毎に1回相補的になり、4種類の6塩基プライマーはある配列と平均して512ヌクレオチド毎に1回相補的になり、5種類の6塩基プライマーはある配列と平均して256ヌクレオチド毎に1回相補的になり、6種類の6塩基プライマーはある配列と平均して128ヌクレオチド毎に1回相補的になり、7種類の6塩基プライマーはある配列と平均して64ヌクレオチド毎に1回相補的になり、8種類の6塩基プライマーはある配列と平均して32ヌクレオチド毎に1回相補的になり、9種類の6塩基プライマーはある配列と平均して16ヌクレオチド毎に1回相補的になり、10種類の6塩基プライマーはある配列と平均して8ヌクレオチド毎に1回相補的になる、などである。4種類の8塩基プライマーはある配列と平均して8192ヌクレオチド毎に1回相補的になり、5種類の8塩基プライマーはある配列と平均して4096ヌクレオチド毎に1回相補的になり、6種類の8塩基プライマーはある配列と平均して1024ヌクレオチド毎に1回相補的になり、7種類の8塩基プライマーはある配列と平均して512ヌクレオチド毎に1回相補的になり、8種類の8塩基プライマーはある配列と平均して256ヌクレオチド毎に1回相補的になり、9種類の8塩基プライマーはある配列と平均して128ヌクレオチド毎に1回相補的になり、10種類の8塩基プライマーはある配列と平均して64ヌクレオチド毎に1回相補的になり、11種類の8塩基プライマーはある配列と平均して32ヌクレオチド毎に1回相補的になり、12種類の8塩基プライマーはある配列と平均して16ヌクレオチド毎に1回相補的になり、13種類の8塩基プライマーはある配列と平均して8ヌクレオチド毎に1回相補的になる、などである。
プライマーはまた、平均して、5,000ヌクレオチド以下毎、4,000ヌクレオチド以下毎、3,000ヌクレオチド以下毎、2,500ヌクレオチド以下毎、2,000ヌクレオチド以下毎、1,500ヌクレオチド以下毎、1,000ヌクレオチド以下毎、900ヌクレオチド以下毎、800ヌクレオチド以下毎、700ヌクレオチド以下毎、600ヌクレオチド以下毎、500ヌクレオチド以下毎、400ヌクレオチド以下毎、300ヌクレオチド以下毎、200ヌクレオチド以下毎、100ヌクレオチド以下毎、または50ヌクレオチド以下毎に、平均して、核酸試料の核酸分子中に存在する配列と相補的であることができる。
これらの距離は配列のランダムな分布を仮定し、ランダムな分布はゲノム核酸試料といった高い複雑性の核酸試料について概ね正しい。これらの距離は4の関係から導かれ、ここでNはプライマーに含まれる塩基の数である。その距離は、たとえば、核酸試料中のヌクレオチドのG+C比率によって影響され、それは50%以外のG+C比率は特異的ヌクレオチド配列の分布の変化を有するためである。さらに、核酸試料の配列複雑性が低いほど、特異的ヌクレオチド配列の分布が変化する可能性が高い。しかし、これらの作用は増幅結果に大きく影響してはならない。より短いプライマーの使用はこれらの作用を最小化する。核酸試料のG+C比率が50%以外である場合、増幅に使用する各プライマー中に、またはプライマーの間で合計としてのどちらかで、同様のG+C比率を有するプライマーを選択および/または設計することができる。
プライマー相補配列間の最適な間隔または分離(およびしたがって、プライマーの最適数)はすべてのDNAポリメラーゼについて同一にはならず、それはこのパラメーターが正味の重合速度に依存するためである。連続性DNAポリメラーゼは、毎秒5ないし300ヌクレオチドの範囲になりうる、および補助ssDNA結合タンパク質およびヘリカーゼの存在または非存在によって影響されうる、特徴的な重合速度を有する。非連続性ポリメラーゼの場合には、より高濃度では再開始現象がより多く生じおよびしたがって正味の重合速度が上昇するため、正味の重合速度は酵素濃度に依存する。連続性ポリメラーゼの一例はφ29DNAポリメラーゼであり、これは毎秒50ヌクレオチド進む。非連続性ポリメラーゼの一例はベント(Vent)エキソ(−)DNAポリメラーゼであり、これは低濃度では毎秒4ヌクレオチド、または高濃度では毎秒16ヌクレオチドの有効重合速度を与える。
本開示の方法において最適の収率を得るためには、プライマーの数およびその組成を、使用するポリメラーゼに適するように調製することができる。速い重合速度を有するポリメラーゼを用いる場合には、1または少数のプライマーの使用が好ましい。より遅い重合速度を有するポリメラーゼを用いる場合には、より多くのプライマーの使用が好ましい。下記の測定法は、任意のポリメラーゼについて最適の間隔を決定するのに用いることができる。本測定法は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、および20種類のプライマーの、ある組み合わせを用いる。新しいプライマーのそれぞれが、増幅すべき核酸中の相補配列間の平均距離を減少させる。プライマーの数は、ある範囲のプライマー数の間で系統的に変化させることができる(プライマー結合部位間の平均距離は、使用するプライマーの数に伴って変動する)。異なる数のプライマーを用いて同一の核酸試料を増幅する、一連の反応を実施することができる。DNAの最も高い実験収率および/または増幅産物の最高品質を生じるプライマー数が、使用しているその特定のDNAポリメラーゼ、またはDNAポリメラーゼ+補助タンパク質の組み合わせのための最適プライマー数である。
核酸分子中の、プライマーがハイブリダイズする部位で開始されたDNA複製は、隣接する部位でハイブリダイズしたプライマーから増幅されている鎖まで伸長して、それを置換する。隣接する鎖の置換は、それを別のプライマーとのハイブリダイゼーションおよびその後のもう一回の複製の開始のために利用可能にする。この過程をここでは鎖置換複製と呼ぶ。
異なるヌクレオチド配列のプライマーの任意の希望する数を使用することができるが、しかし1または少数のプライマーの使用が好ましい。増幅反応たとえば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17種類のプライマーを用いて実施することができる。より多くのプライマーを用いることができる。使用することができるプライマーの数に原理的な上限は無い。しかし、より少数のプライマーの使用が好ましい。複数のプライマーを使用する場合は、プライマーはそれぞれ異なる特異的ヌクレオチド配列を有すべきである。
増幅反応は、単一のプライマーを用いて、および、たとえば、追加のプライマー無しで、1種類の追加のプライマーを用いて、2種類の追加のプライマーを用いて、3種類の追加のプライマーを用いて、4種類の追加のプライマーを用いて、5種類の追加のプライマーを用いて、6種類の追加のプライマーを用いて、7種類の追加のプライマーを用いて、8種類の追加のプライマーを用いて、9種類の追加のプライマーを用いて、10種類の追加のプライマーを用いて、11種類の追加のプライマーを用いて、12種類の追加のプライマーを用いて、13種類の追加のプライマーを用いて、14種類の追加のプライマーを用いて、15種類の追加のプライマーを用いて、16種類の追加のプライマーを用いて、17種類の追加のプライマーを用いて、18種類の追加のプライマーを用いて、19種類の追加のプライマーを用いて、20種類の追加のプライマーを用いて、21種類の追加のプライマーを用いて、22種類の追加のプライマーを用いて、23種類の追加のプライマーを用いて、24種類の追加のプライマーを用いて、25種類の追加のプライマーを用いて、26種類の追加のプライマーを用いて、27種類の追加のプライマーを用いて、28種類の追加のプライマーを用いて、29種類の追加のプライマーを用いて、30種類の追加のプライマーを用いて、31種類の追加のプライマーを用いて、32種類の追加のプライマーを用いて、33種類の追加のプライマーを用いて、34種類の追加のプライマーを用いて、35種類の追加のプライマーを用いて、36種類の追加のプライマーを用いて、37種類の追加のプライマーを用いて、38種類の追加のプライマーを用いて、39種類の追加のプライマーを用いて、40種類の追加のプライマーを用いて、41種類の追加のプライマーを用いて、42種類の追加のプライマーを用いて、43種類の追加のプライマーを用いて、44種類の追加のプライマーを用いて、45種類の追加のプライマーを用いて、46種類の追加のプライマーを用いて、47種類の追加のプライマーを用いて、48種類の追加のプライマーを用いて、49種類の追加のプライマーを用いて、50種類の追加のプライマーを用いて、51種類の追加のプライマーを用いて、52種類の追加のプライマーを用いて、53種類の追加のプライマーを用いて、54種類の追加のプライマーを用いて、55種類の追加のプライマーを用いて、56種類の追加のプライマーを用いて、57種類の追加のプライマーを用いて、58種類の追加のプライマーを用いて、59種類の追加のプライマーを用いて、60種類の追加のプライマーを用いて、61種類の追加のプライマーを用いて、62種類の追加のプライマーを用いて、63種類の追加のプライマーを用いて、64種類の追加のプライマーを用いて、65種類の追加のプライマーを用いて、66種類の追加のプライマーを用いて、67種類の追加のプライマーを用いて、68種類の追加のプライマーを用いて、69種類の追加のプライマーを用いて、70種類の追加のプライマーを用いて、71種類の追加のプライマーを用いて、72種類の追加のプライマーを用いて、73種類の追加のプライマーを用いて、74種類の追加のプライマーを用いて、75種類の追加のプライマーを用いて、76種類の追加のプライマーを用いて、77種類の追加のプライマーを用いて、78種類の追加のプライマーを用いて、79種類の追加のプライマーを用いて、80種類の追加のプライマーを用いて、81種類の追加のプライマーを用いて、82種類の追加のプライマーを用いて、83種類の追加のプライマーを用いて、84種類の追加のプライマーを用いて、85種類の追加のプライマーを用いて、86種類の追加のプライマーを用いて、87種類の追加のプライマーを用いて、88種類の追加のプライマーを用いて、89種類の追加のプライマーを用いて、90種類の追加のプライマーを用いて、91種類の追加のプライマーを用いて、92種類の追加のプライマーを用いて、93種類の追加のプライマーを用いて、94種類の追加のプライマーを用いて、95種類の追加のプライマーを用いて、96種類の追加のプライマーを用いて、97種類の追加のプライマーを用いて、98種類の追加のプライマーを用いて、99種類の追加のプライマーを用いて、100種類の追加のプライマーを用いて、110種類の追加のプライマーを用いて、120種類の追加のプライマーを用いて、130種類の追加のプライマーを用いて、140種類の追加のプライマーを用いて、150種類の追加のプライマーを用いて、160種類の追加のプライマーを用いて、170種類の追加のプライマーを用いて、180種類の追加のプライマーを用いて、190種類の追加のプライマーを用いて、200種類の追加のプライマーを用いて、210種類の追加のプライマーを用いて、220種類の追加のプライマーを用いて、230種類の追加のプライマーを用いて、240種類の追加のプライマーを用いて、250種類の追加のプライマーを用いて、260種類の追加のプライマーを用いて、270種類の追加のプライマーを用いて、280種類の追加のプライマーを用いて、290種類の追加のプライマーを用いて、300種類の追加のプライマーを用いて、310種類の追加のプライマーを用いて、320種類の追加のプライマーを用いて、330種類の追加のプライマーを用いて、340種類の追加のプライマーを用いて、350種類の追加のプライマーを用いて、360種類の追加のプライマーを用いて、370種類の追加のプライマーを用いて、380種類の追加のプライマーを用いて、390種類の追加のプライマーを用いて、400種類の追加のプライマーを用いて、410種類の追加のプライマーを用いて、420種類の追加のプライマーを用いて、430種類の追加のプライマーを用いて、440種類の追加のプライマーを用いて、450種類の追加のプライマーを用いて、460種類の追加のプライマーを用いて、470種類の追加のプライマーを用いて、480種類の追加のプライマーを用いて、490種類の追加のプライマーを用いて、500種類の追加のプライマーを用いて、550種類の追加のプライマーを用いて、600種類の追加のプライマーを用いて、650種類の追加のプライマーを用いて、700種類の追加のプライマーを用いて、750種類の追加のプライマーを用いて、800種類の追加のプライマーを用いて、850種類の追加のプライマーを用いて、900種類の追加のプライマーを用いて、950種類の追加のプライマーを用いて、1,000種類の追加のプライマーを用いて、1,100種類の追加のプライマーを用いて、1,200種類の追加のプライマーを用いて、1,300種類の追加のプライマーを用いて、1,400種類の追加のプライマーを用いて、1,500種類の追加のプライマーを用いて、1,600種類の追加のプライマーを用いて、1,700種類の追加のプライマーを用いて、1,800種類の追加のプライマーを用いて、1,900種類の追加のプライマーを用いて、2,000種類の追加のプライマーを用いて、2,100種類の追加のプライマーを用いて、2,200種類の追加のプライマーを用いて、2,300種類の追加のプライマーを用いて、2,400種類の追加のプライマーを用いて、2,500種類の追加のプライマーを用いて、2,600種類の追加のプライマーを用いて、2,700種類の追加のプライマーを用いて、2,800種類の追加のプライマーを用いて、2,900種類の追加のプライマーを用いて、3,000種類の追加のプライマーを用いて、3,500種類の追加のプライマーを用いて、または4,000種類の追加のプライマーを用いて、実施することができる。
増幅反応は、単一のプライマーを用いて、および、たとえば、追加のプライマー無しで、2種類未満の追加のプライマーを用いて、3種類未満の追加のプライマーを用いて、4種類未満の追加のプライマーを用いて、5種類未満の追加のプライマーを用いて、6種類未満の追加のプライマーを用いて、7種類未満の追加のプライマーを用いて、8種類未満の追加のプライマーを用いて、9種類未満の追加のプライマーを用いて、10種類未満の追加のプライマーを用いて、11種類未満の追加のプライマーを用いて、12種類未満の追加のプライマーを用いて、13種類未満の追加のプライマーを用いて、14種類未満の追加のプライマーを用いて、15種類未満の追加のプライマーを用いて、16種類未満の追加のプライマーを用いて、17種類未満の追加のプライマーを用いて、18種類未満の追加のプライマーを用いて、19種類未満の追加のプライマーを用いて、20種類未満の追加のプライマーを用いて、21種類未満の追加のプライマーを用いて、22種類未満の追加のプライマーを用いて、23種類未満の追加のプライマーを用いて、24種類未満の追加のプライマーを用いて、25種類未満の追加のプライマーを用いて、26種類未満の追加のプライマーを用いて、27種類未満の追加のプライマーを用いて、28種類未満の追加のプライマーを用いて、29種類未満の追加のプライマーを用いて、30種類未満の追加のプライマーを用いて、31種類未満の追加のプライマーを用いて、32種類未満の追加のプライマーを用いて、33種類未満の追加のプライマーを用いて、34種類未満の追加のプライマーを用いて、35種類未満の追加のプライマーを用いて、36種類未満の追加のプライマーを用いて、37種類未満の追加のプライマーを用いて、38種類未満の追加のプライマーを用いて、39種類未満の追加のプライマーを用いて、40種類未満の追加のプライマーを用いて、41種類未満の追加のプライマーを用いて、42種類未満の追加のプライマーを用いて、43種類未満の追加のプライマーを用いて、44種類未満の追加のプライマーを用いて、45種類未満の追加のプライマーを用いて、46種類未満の追加のプライマーを用いて、47種類未満の追加のプライマーを用いて、48種類未満の追加のプライマーを用いて、49種類未満の追加のプライマーを用いて、50種類未満の追加のプライマーを用いて、51種類未満の追加のプライマーを用いて、52種類未満の追加のプライマーを用いて、53種類未満の追加のプライマーを用いて、54種類未満の追加のプライマーを用いて、55種類未満の追加のプライマーを用いて、56種類未満の追加のプライマーを用いて、57種類未満の追加のプライマーを用いて、58種類未満の追加のプライマーを用いて、59種類未満の追加のプライマーを用いて、60種類未満の追加のプライマーを用いて、61種類未満の追加のプライマーを用いて、62種類未満の追加のプライマーを用いて、63種類未満の追加のプライマーを用いて、64種類未満の追加のプライマーを用いて、65種類未満の追加のプライマーを用いて、66種類未満の追加のプライマーを用いて、67種類未満の追加のプライマーを用いて、68種類未満の追加のプライマーを用いて、69種類未満の追加のプライマーを用いて、70種類未満の追加のプライマーを用いて、71種類未満の追加のプライマーを用いて、72種類未満の追加のプライマーを用いて、73種類未満の追加のプライマーを用いて、74種類未満の追加のプライマーを用いて、75種類未満の追加のプライマーを用いて、76種類未満の追加のプライマーを用いて、77種類未満の追加のプライマーを用いて、78種類未満の追加のプライマーを用いて、79種類未満の追加のプライマーを用いて、80種類未満の追加のプライマーを用いて、81種類未満の追加のプライマーを用いて、82種類未満の追加のプライマーを用いて、83種類未満の追加のプライマーを用いて、84種類未満の追加のプライマーを用いて、85種類未満の追加のプライマーを用いて、86種類未満の追加のプライマーを用いて、87種類未満の追加のプライマーを用いて、88種類未満の追加のプライマーを用いて、89種類未満の追加のプライマーを用いて、90種類未満の追加のプライマーを用いて、91種類未満の追加のプライマーを用いて、92種類未満の追加のプライマーを用いて、93種類未満の追加のプライマーを用いて、94種類未満の追加のプライマーを用いて、95種類未満の追加のプライマーを用いて、96種類未満の追加のプライマーを用いて、97種類未満の追加のプライマーを用いて、98種類未満の追加のプライマーを用いて、99種類未満の追加のプライマーを用いて、100種類未満の追加のプライマーを用いて、110種類未満の追加のプライマーを用いて、120種類未満の追加のプライマーを用いて、130種類未満の追加のプライマーを用いて、140種類未満の追加のプライマーを用いて、150種類未満の追加のプライマーを用いて、160種類未満の追加のプライマーを用いて、170種類未満の追加のプライマーを用いて、180種類未満の追加のプライマーを用いて、190種類未満の追加のプライマーを用いて、200種類未満の追加のプライマーを用いて、210種類未満の追加のプライマーを用いて、220種類未満の追加のプライマーを用いて、230種類未満の追加のプライマーを用いて、240種類未満の追加のプライマーを用いて、250種類未満の追加のプライマーを用いて、260種類未満の追加のプライマーを用いて、270種類未満の追加のプライマーを用いて、280種類未満の追加のプライマーを用いて、290種類未満の追加のプライマーを用いて、300種類未満の追加のプライマーを用いて、310種類未満の追加のプライマーを用いて、320種類未満の追加のプライマーを用いて、330種類未満の追加のプライマーを用いて、340種類未満の追加のプライマーを用いて、350種類未満の追加のプライマーを用いて、360種類未満の追加のプライマーを用いて、370種類未満の追加のプライマーを用いて、380種類未満の追加のプライマーを用いて、390種類未満の追加のプライマーを用いて、400種類未満の追加のプライマーを用いて、410種類未満の追加のプライマーを用いて、420種類未満の追加のプライマーを用いて、430種類未満の追加のプライマーを用いて、440種類未満の追加のプライマーを用いて、450種類未満の追加のプライマーを用いて、460種類未満の追加のプライマーを用いて、470種類未満の追加のプライマーを用いて、480種類未満の追加のプライマーを用いて、490種類未満の追加のプライマーを用いて、500種類未満の追加のプライマーを用いて、550種類未満の追加のプライマーを用いて、600種類未満の追加のプライマーを用いて、650種類未満の追加のプライマーを用いて、700種類未満の追加のプライマーを用いて、750種類未満の追加のプライマーを用いて、800種類未満の追加のプライマーを用いて、850種類未満の追加のプライマーを用いて、900種類未満の追加のプライマーを用いて、950種類未満の追加のプライマーを用いて、1,000種類未満の追加のプライマーを用いて、1,100種類未満の追加のプライマーを用いて、1,200種類未満の追加のプライマーを用いて、1,300種類未満の追加のプライマーを用いて、1,400種類未満の追加のプライマーを用いて、1,500種類未満の追加のプライマーを用いて、1,600種類未満の追加のプライマーを用いて、1,700種類未満の追加のプライマーを用いて、1,800種類未満の追加のプライマーを用いて、1,900種類未満の追加のプライマーを用いて、2,000種類未満の追加のプライマーを用いて、2,100種類未満の追加のプライマーを用いて、2,200種類未満の追加のプライマーを用いて、2,300種類未満の追加のプライマーを用いて、2,400種類未満の追加のプライマーを用いて、2,500種類未満の追加のプライマーを用いて、2,600種類未満の追加のプライマーを用いて、2,700種類未満の追加のプライマーを用いて、2,800種類未満の追加のプライマーを用いて、2,900種類未満の追加のプライマーを用いて、3,000種類未満の追加のプライマーを用いて、3,500種類未満の追加のプライマーを用いて、または4,000種類未満の追加のプライマーを用いて、実施することができる。
増幅反応は、たとえば、2種類未満のプライマーを用いて、3種類未満のプライマーを用いて、4種類未満のプライマーを用いて、5種類未満のプライマーを用いて、6種類未満のプライマーを用いて、7種類未満のプライマーを用いて、8種類未満のプライマーを用いて、9種類未満のプライマーを用いて、10種類未満のプライマーを用いて、11種類未満のプライマーを用いて、12種類未満のプライマーを用いて、13種類未満のプライマーを用いて、14種類未満のプライマーを用いて、15種類未満のプライマーを用いて、16種類未満のプライマーを用いて、17種類未満のプライマーを用いて、18種類未満のプライマーを用いて、19種類未満のプライマーを用いて、20種類未満のプライマーを用いて、21種類未満のプライマーを用いて、22種類未満のプライマーを用いて、23種類未満のプライマーを用いて、24種類未満のプライマーを用いて、25種類未満のプライマーを用いて、26種類未満のプライマーを用いて、27種類未満のプライマーを用いて、28種類未満のプライマーを用いて、29種類未満のプライマーを用いて、30種類未満のプライマーを用いて、31種類未満のプライマーを用いて、32種類未満のプライマーを用いて、33種類未満のプライマーを用いて、34種類未満のプライマーを用いて、35種類未満のプライマーを用いて、36種類未満のプライマーを用いて、37種類未満のプライマーを用いて、38種類未満のプライマーを用いて、39種類未満のプライマーを用いて、40種類未満のプライマーを用いて、41種類未満のプライマーを用いて、42種類未満のプライマーを用いて、43種類未満のプライマーを用いて、44種類未満のプライマーを用いて、45種類未満のプライマーを用いて、46種類未満のプライマーを用いて、47種類未満のプライマーを用いて、48種類未満のプライマーを用いて、49種類未満のプライマーを用いて、50種類未満のプライマーを用いて、51種類未満のプライマーを用いて、52種類未満のプライマーを用いて、53種類未満のプライマーを用いて、54種類未満のプライマーを用いて、55種類未満のプライマーを用いて、56種類未満のプライマーを用いて、57種類未満のプライマーを用いて、58種類未満のプライマーを用いて、59種類未満のプライマーを用いて、60種類未満のプライマーを用いて、61種類未満のプライマーを用いて、62種類未満のプライマーを用いて、63種類未満のプライマーを用いて、64種類未満のプライマーを用いて、65種類未満のプライマーを用いて、66種類未満のプライマーを用いて、67種類未満のプライマーを用いて、68種類未満のプライマーを用いて、69種類未満のプライマーを用いて、70種類未満のプライマーを用いて、71種類未満のプライマーを用いて、72種類未満のプライマーを用いて、73種類未満のプライマーを用いて、74種類未満のプライマーを用いて、75種類未満のプライマーを用いて、76種類未満のプライマーを用いて、77種類未満のプライマーを用いて、78種類未満のプライマーを用いて、79種類未満のプライマーを用いて、80種類未満のプライマーを用いて、81種類未満のプライマーを用いて、82種類未満のプライマーを用いて、83種類未満のプライマーを用いて、84種類未満のプライマーを用いて、85種類未満のプライマーを用いて、86種類未満のプライマーを用いて、87種類未満のプライマーを用いて、88種類未満のプライマーを用いて、89種類未満のプライマーを用いて、90種類未満のプライマーを用いて、91種類未満のプライマーを用いて、92種類未満のプライマーを用いて、93種類未満のプライマーを用いて、94種類未満のプライマーを用いて、95種類未満のプライマーを用いて、96種類未満のプライマーを用いて、97種類未満のプライマーを用いて、98種類未満のプライマーを用いて、99種類未満のプライマーを用いて、100種類未満のプライマーを用いて、110種類未満のプライマーを用いて、120種類未満のプライマーを用いて、130種類未満のプライマーを用いて、140種類未満のプライマーを用いて、150種類未満のプライマーを用いて、160種類未満のプライマーを用いて、170種類未満のプライマーを用いて、180種類未満のプライマーを用いて、190種類未満のプライマーを用いて、200種類未満のプライマーを用いて、210種類未満のプライマーを用いて、220種類未満のプライマーを用いて、230種類未満のプライマーを用いて、240種類未満のプライマーを用いて、250種類未満のプライマーを用いて、260種類未満のプライマーを用いて、270種類未満のプライマーを用いて、280種類未満のプライマーを用いて、290種類未満のプライマーを用いて、300種類未満のプライマーを用いて、310種類未満のプライマーを用いて、320種類未満のプライマーを用いて、330種類未満のプライマーを用いて、340種類未満のプライマーを用いて、350種類未満のプライマーを用いて、360種類未満のプライマーを用いて、370種類未満のプライマーを用いて、380種類未満のプライマーを用いて、390種類未満のプライマーを用いて、400種類未満のプライマーを用いて、410種類未満のプライマーを用いて、420種類未満のプライマーを用いて、430種類未満のプライマーを用いて、440種類未満のプライマーを用いて、450種類未満のプライマーを用いて、460種類未満のプライマーを用いて、470種類未満のプライマーを用いて、480種類未満のプライマーを用いて、490種類未満のプライマーを用いて、500種類未満のプライマーを用いて、550種類未満のプライマーを用いて、600種類未満のプライマーを用いて、650種類未満のプライマーを用いて、700種類未満のプライマーを用いて、750種類未満のプライマーを用いて、800種類未満のプライマーを用いて、850種類未満のプライマーを用いて、900種類未満のプライマーを用いて、950種類未満のプライマーを用いて、1,000種類未満のプライマーを用いて、1,100種類未満のプライマーを用いて、1,200種類未満のプライマーを用いて、1,300種類未満のプライマーを用いて、1,400種類未満のプライマーを用いて、1,500種類未満のプライマーを用いて、1,600種類未満のプライマーを用いて、1,700種類未満のプライマーを用いて、1,800種類未満のプライマーを用いて、1,900種類未満のプライマーを用いて、2,000種類未満のプライマーを用いて、2,100種類未満のプライマーを用いて、2,200種類未満のプライマーを用いて、2,300種類未満のプライマーを用いて、2,400種類未満のプライマーを用いて、2,500種類未満のプライマーを用いて、2,600種類未満のプライマーを用いて、2,700種類未満のプライマーを用いて、2,800種類未満のプライマーを用いて、2,900種類未満のプライマーを用いて、3,000種類未満のプライマーを用いて、3,500種類未満のプライマーを用いて、または4,000種類未満のプライマーを用いて、実施することができる。
本開示の方法において用いられるプライマーは、特定の望ましい性質および機能上の特性を持つように、選択および/または設計することができる。プライマー選択およびプライマー設計の目的は、より良い増幅結果を得ることでありうる。たとえば、最高の増幅収率(すなわち、核酸の量における最高の増加量)、増幅された核酸における最良の遺伝子座または配列発現量(すなわち、目的の遺伝子座および配列に関して、100%に最も近い遺伝子座または配列発現量)、および/または最低の増幅偏りを結果として生じる、特定のプライマーを選択することができる。これは、特定のプライマーを増幅反応において、目的の核酸試料を用いて試験することによって決定できる。異なるプライマーが、異なる核酸試料について最適の結果を生じうる。しかし、ここに記載のプライマー数およびプライマー組成の原則は、ほとんどすべての核酸試料について良好な増幅結果を一般的に生じる。本開示のプライマーおよび方法のこの広範囲の有用性は、本開示のプライマーおよび方法の有用な特性である。
希望の品質の増幅産物を生じるプライマーを、ここでは広カバー率プライマーと呼ぶ。一般的に、広カバー率プライマー(または、一緒に使用する場合は、プライマー)は、少なくとも10%の遺伝子座発現量を少なくとも5個の異なる遺伝子座に関して、少なくとも10%の配列発現量を少なくとも5個の異なる標的配列に関して、50倍未満の増幅偏りを、50倍未満の増幅偏りを少なくとも5個の異なる遺伝子座に関して、および/または50倍未満の増幅偏りを少なくとも5個の異なる標的配列に関して、生じることができる。プライマーはまた、たとえば、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも100%の遺伝子座発現量を、少なくとも5個の異なる遺伝子座に関して生じることができる。プライマーはまた、たとえば、少なくとも10%の遺伝子座発現量を、少なくとも6個の異なる遺伝子座、少なくとも7個の異なる遺伝子座、少なくとも8個の異なる遺伝子座、少なくとも9個の異なる遺伝子座、少なくとも10個の異なる遺伝子座、少なくとも11個の異なる遺伝子座、少なくとも12個の異なる遺伝子座、少なくとも13個の異なる遺伝子座、少なくとも14個の異なる遺伝子座、少なくとも15個の異なる遺伝子座、少なくとも16個の異なる遺伝子座、少なくとも17個の異なる遺伝子座、少なくとも18個の異なる遺伝子座、少なくとも19個の異なる遺伝子座、少なくとも20個の異なる遺伝子座、少なくとも25個の異なる遺伝子座、少なくとも30個の異なる遺伝子座、少なくとも40個の異なる遺伝子座、少なくとも50個の異なる遺伝子座、少なくとも75個の異なる遺伝子座、または少なくとも100個の異なる遺伝子座に関して生じることができる。
プライマーはまた、たとえば、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも100%の配列発現量を、少なくとも5個の異なる標的配列に関して生じることができる。プライマーはまた、たとえば、少なくとも10%の遺伝子座発現量を、少なくとも6個の異なる標的配列、少なくとも7個の異なる標的配列、少なくとも8個の異なる標的配列、少なくとも9個の異なる標的配列、少なくとも10個の異なる標的配列、少なくとも11個の異なる標的配列、少なくとも12個の異なる標的配列、少なくとも13個の異なる標的配列、少なくとも14個の異なる標的配列、少なくとも15個の異なる標的配列、少なくとも16個の異なる標的配列、少なくとも17個の異なる標的配列、少なくとも18個の異なる標的配列、少なくとも19個の異なる標的配列、少なくとも20個の異なる標的配列、少なくとも25個の異なる標的配列、少なくとも30個の異なる標的配列、少なくとも40個の異なる標的配列、少なくとも50個の異なる標的配列、少なくとも75個の異なる標的配列、または少なくとも100個の異なる標的配列に関して生じることができる。
プライマーはまた、たとえば、45倍未満、40倍未満、35倍未満、30倍未満、25倍未満、20倍未満、19倍未満、18倍未満、17倍未満、16倍未満、15倍未満、14倍未満、13倍未満、12倍未満、11倍未満、10倍未満、9倍未満、8倍未満、7倍未満、6倍未満、5倍、または4倍未満の増幅偏りを生じることができる。プライマーはまた、たとえば、50倍未満の増幅偏りを、少なくとも5個の異なる遺伝子座に関して、少なくとも6個の異なる遺伝子座、少なくとも7個の異なる遺伝子座、少なくとも8個の異なる遺伝子座、少なくとも9個の異なる遺伝子座、少なくとも10個の異なる遺伝子座、少なくとも11個の異なる遺伝子座、少なくとも12個の異なる遺伝子座、少なくとも13個の異なる遺伝子座、少なくとも14個の異なる遺伝子座、少なくとも15個の異なる遺伝子座、少なくとも16個の異なる遺伝子座、少なくとも17個の異なる遺伝子座、少なくとも18個の異なる遺伝子座、少なくとも19個の異なる遺伝子座、少なくとも20個の異なる遺伝子座、少なくとも25個の異なる遺伝子座、少なくとも30個の異なる遺伝子座、少なくとも40個の異なる遺伝子座、少なくとも50個の異なる遺伝子座、少なくとも75個の異なる遺伝子座、または少なくとも100個の異なる遺伝子座に関して生じることができる。プライマーはまた、たとえば、50倍未満の増幅偏りを、少なくとも5個の異なる標的配列に関して、少なくとも6個の異なる標的配列、少なくとも7個の異なる標的配列、少なくとも8個の異なる標的配列、少なくとも9個の異なる標的配列、少なくとも10個の異なる標的配列、少なくとも11個の異なる標的配列、少なくとも12個の異なる標的配列、少なくとも13個の異なる標的配列、少なくとも14個の異なる標的配列、少なくとも15個の異なる標的配列、少なくとも16個の異なる標的配列、少なくとも17個の異なる標的配列、少なくとも18個の異なる標的配列、少なくとも19個の異なる標的配列、少なくとも20個の異なる標的配列、少なくとも25個の異なる標的配列、少なくとも30個の異なる標的配列、少なくとも40個の異なる標的配列、少なくとも50個の異なる標的配列、少なくとも75個の異なる標的配列、または少なくとも100個の異なる標的配列に関して生じることができる。
これらの結果は、さまざまな核酸試料にわたる、ある選択された種類の核酸試料に関する、またはある特定の種類の核酸試料に関することができる。したがって、広カバー率プライマーは、たとえば、特定の種類の核酸試料について用いられる場合、選択された種類の核酸試料について用いられる場合、またはさまざまな核酸試料または一般的に核酸試料について用いられる場合、広カバー率プライマーでありうる。したがって、広カバー率プライマーという意味は一般的に関係する核酸試料に依存し、およびまた使用するDNAポリメラーゼおよび使用する条件にも依存しうる。
プライマー選択および設計に関して、上記および本文中で別に記載の通り、プライマーは(使用するプライマーの長さおよび数において)、核酸試料中のヌクレオチド配列中で平均して一定の間隔でハイブリダイズするように設計することができる。プライマー相補部位の配分はまた、核酸試料中で何回も反復される配列と相補的であるプライマー配列を選択することによっても達成しうる。そのような配列は、マイクロサテライト配列、ミニサテライト配列、サテライト配列、トランスポゾン配列、リボソームRNA配列、短い核散在配列(short interspersed nuclear element (SINE))、または長い核散在配列(long interspersed nuclear element)(LINE)といった古典的反復配列;およびプロモーター配列、エンハンサー配列、サイレンサー配列、上流調節配列、転写終止部位配列、トランスポゾン調節配列、リボソームRNA調節配列、またはポリアデニル化部位配列といった機能共通配列を含む。たとえば、プライマー配列は、Alu反復配列中の配列と相補的になるように選択することができる。具体的な例として、プライマーは配列AGTGGGまたはAGAGAGのうちの1つ;配列AGCCGG、AGTAGG、またはAGTTGGのうちの1つ;配列AGGCGG、AGTGGG、AGGGAG、またはAGTGAGのうちの1つ;配列AGTGGG、AGCCAG、AGTTAG、AGTCAG、またはAGACAGのうちの1つ;配列AGAGGG、AGGCAG、AGCCAG、AGTCAG、またはAGACAGのうちの1つ;配列AGTAGG、AGGTGG、AGGCAG、AGACAG、またはAGTGAG;AGGAGG、AGAGGG、AGGGAG、AGTCAG、またはAGCGAG;または配列CGGTGG、TCACGC、CGAGCG、GCGTGG、ACTCGG、AATCGC、CGGAGG、CCGAGA、GATCGC、AGAGCG、AGCGAG、またはACTCCGのうちの1つを有しうる。反応に用いる複数のプライマーは、たとえば、Alu反復配列中の異なる配列と相補的な、異なる配列を有しうる。具体的な例として、各プライマーは配列AGTGGGまたはAGAGAGのうちの異なる1つ;配列AGCCGG、AGTAGG、またはAGTTGGのうちの異なる1つ;配列AGGCGG、AGTGGG、AGGGAG、またはAGTGAGのうちの異なる1つ;配列AGTGGG、AGCCAG、AGTTAG、AGTCAG、またはAGACAGのうちの異なる1つ;配列AGAGGG、AGGCAG、AGCCAG、AGTCAG、またはAGACAGのうちの異なる1つ;配列AGTAGG、AGGTGG、AGGCAG、AGACAG、またはAGTGAG;AGGAGG、AGAGGG、AGGGAG、AGTCAG、またはAGCGAG;または配列CGGTGG、TCACGC、CGAGCG、GCGTGG、ACTCGG、AATCGC、CGGAGG、CCGAGA、GATCGC、AGAGCG、AGCGAG、またはACTCCGのうちの異なる1つを有する。
使用するプライマーのヌクレオチド配列および組成はまた、増幅を最適化するように選択することもできる。たとえば、プライマーのG+C比率は、増幅すべき核酸試料のG+C比率に基づいて選択することができる。プライマーは、たとえば、核酸試料のG+C比率の20%以内、15%以内、10%以内、9%以内、8%以内、7%以内、6%以内、5%以内、4%以内、3%以内、2%、または1%以内のG+C比率を有しうる。ここでは、G+C比率とは、任意の核酸分子、核酸配列、核酸試料、または他の核酸組成物に含まれるグアノシン(G)残基またはシチジン(C)残基のどちらかであるヌクレオチドの合計のパーセントをいう。
プライマーはまた、たとえば、増幅収率を高めおよびアーティファクトの産生またはアーティファクト増幅を低減することができる、他の特徴を持つことができる。たとえば、プライマー二量体アーティファクトの生成は、プライマー間でまたは同一のプライマー内でのどちらかで相補的である3’末端配列を回避するようにプライマーを設計することによって低減することができる。そのような回避すべき配列は、内部相補的3’末端と呼ぶことができる。プライマーがアーティファクト増幅を回避する能力の有用な指標は、プライマーが核酸試料を含まない増幅反応に用いられた際に、増幅(すなわち、生じた核酸)が無いかまたは相対的に微量であることである。
本開示のプライマーは1つ以上の修飾ヌクレオチドを有しうる。そのようなプライマーをここでは修飾プライマーと呼ぶ。修飾プライマーはいくつかの長所を有する。まず、RNA/2’−O−メチルRNAキメラプライマーといった、一部の種類の修飾プライマーは、DNAプライマーよりも高い融点(Tm)を有する。このことはプライマーハイブリダイゼーションの安定性を高め、およびプライマーによる鎖侵入を増加させる。これはより効率的なプライミングに繋がる。また、そのプライマーはRNAでできているため、エキソヌクレアーゼ耐性となる。そのようなプライマーはまた、5’末端で副溝結合因子を用いてタグ化した場合、テンプレートdsDNAのより良い鎖侵入を示すようになる。加えて、RNAプライマーはまた、細胞または組織といった生物学的試料からのWGAのために非常に有用になりうる。生物学的試料は内因性RNAを含むため、RNaseを用いてこのRNAを分解してランダムオリゴマーのプールを生じることができ、それを次いでDNAの増幅のためにポリメラーゼをプライミングするのに用いることができる。このことはプライマーを反応へ加える必要性を無くす。代替的に、生物学的試料のDNase消化は、RNA依存性DNA増幅のためのDNAオリゴプライマーのプールを生じることができる。
キメラプライマーもまた使用することができる。キメラプライマーとは、デオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドの両方、リボヌクレオチドおよび修飾ヌクレオチド、または異なる2種類の修飾ヌクレオチドといった、少なくとも2種類のヌクレオチドを有するプライマーである。キメラプライマーの1種類はペプチド核酸/核酸プライマーである。たとえば、5’−PNA−DNA−3’または5’−PNA−RNA−3’プライマーを、より効率的な鎖侵入および重合侵入に用いることができる。そのようなプライマーのDNAおよびRNA部分はランダムまたは縮重配列を有しうる。他の種類のキメラプライマーは、たとえば、5’−(2’−O−メチル)RNA−RNA−3’または5’−(2’−O−メチル)RNA−DNA−3’である。
多数の修飾ヌクレオチド(ヌクレオチドアナログ)が既知であり、およびオリゴヌクレオチドに用いることができる。ヌクレオチドアナログとは、塩基、糖、またはリン酸部分のどれかに何らかの種類の修飾を含むヌクレオチドである。塩基部分への修飾は、A、C、G、およびT/U、およびウラシル−5−イル、ヒポキサンチン−9−イル(I)、および2−アミノアデニン−9−イルといった別のプリンまたはピリミジン塩基の天然および合成の修飾を含む。修飾塩基は、5−メチルシトシン(5−me−C)、5−ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2−アミノアデニン、アデニンおよびグアニンの6−メチルおよび他のアルキル誘導体、アデニンおよびグアニンの2−プロピルおよび他のアルキル誘導体、2−チオウラシル、2−チオチミンおよび2−チオシトシン、5−ハロウラシルおよびシトシン、5−プロピニルウラシルおよびシトシン、6−アゾウラシル、シトシンおよびチミン、5−ウラシル(シュードウラシル)、4−チオウラシル、8−ハロ、8−アミノ、8−チオール、8−チオアルキル、8−ヒドロキシルおよび他の8−置換アデニンおよびグアニン、5−ハロ特に5−ブロモ、5−トリフルオロメチルおよび他の5−置換ウラシルおよびシトシン、7−メチルグアニンおよび7−メチルアデニン、8−アザグアニンおよび8−アザアデニン、7−デアザグアニンおよび7−デアザアデニンおよび3−デアザグアニンおよび3−デアザアデニンを含むがそれらに限定されない。他の塩基修飾は、たとえば米国特許第3,687,808号明細書、エングリッシュ(Englisch)他,Angewandte Chemie,International Edition,1991,30,613、およびサングヴィ(Sanghvi),Y.S.,『アンチセンス研究および応用』(Antisense Research and Applications)15章 289〜302ページ(クルック(Crooke),S.T.およびレブルー(Lebleu),B.編、CRCプレス社(CRC Press),1993)に見出すことができる。ある種のヌクレオチドアナログ、たとえば、2−アミノプロピルアデニン、5−プロピニルウラシルおよび5−プロピニルシトシン、5−メチルシトシンを含む、5−置換ピリミジン、6−アザピリミジンおよびN−2、N−6およびO−6置換プリンは、二重鎖構成の安定性を高めることができる。他の修飾塩基は、ユニバーサル塩基として機能するものである。ユニバーサル塩基は3−ニトロピロールおよび5−ニトロインドールを含む。ユニバーサル塩基は通常の塩基を置換するがしかし塩基対形成に偏りを有しない。すなわち、ユニバーサル塩基は任意の他の塩基と塩基対形成することができる。全部または一部がユニバーサル塩基を含むヌクレオチドで構成されたプライマーは、標的 試料中の反復配列に対する増幅偏りを低減または消失させるために有用である。このことは、たとえば、増幅産物における配列複雑性の消失が望ましくない場合に有用となる。塩基修飾はしばしば、二重鎖安定性の増大といった独自の特性を達成するために、たとえば2’−O−メトキシエチルといった糖修飾と組み合わせることができる。多数の米国特許、たとえば第4,845,205号;第5,130,302号;第5,134,066号;第5,175,273号;第5,367,066号;第5,432,272号;第5,457,187号;第5,459,255号;第5,484,908号;第5,502,177号;第5,525,711号;第5,552,540号;第5,587,469号;第5,594,121号、第5,596,091号;第5,614,617号;第および第5,681,941号があり、それらはさまざまな塩基修飾を詳述および説明する。これらの特許のそれぞれは参照により本開示に含まれる。
ヌクレオチドアナログはまた、糖部分の修飾を含みうる。糖部分への修飾は、リボースおよびデオキシリボースへの天然の修飾、および合成修飾を含む。糖修飾は、下記の2’位での修飾を含むがそれらに限定されない:OH;F;O−、S−、またはN−アルキル;O−、S−、またはN−アルケニル;O−、S−またはN−アルキニル;またはO−アルキル−O−アルキルであって、アルキル、アルケニルおよびアルキニルは置換または非置換C1からC10、アルキルまたはC2からC10アルケニルおよびアルキニルでありうる。2’糖修飾はまた、−O[(CH)nO]mCH、−O(CH)nOCH、−O(CH)nNH、−O(CH)nCH、−O(CH)n−ONH、および−O(CH)nON[(CH)nCH)]を含むがそれらに限定されず、ここでnおよびmは1ないし約10である。
2’位での他の修飾は下記を含むがそれらに限定されない:C1からC10低級アルキル、置換低級アルキル、アルカリル、アラルキル、O−アルカリル またはO−アラルキル、SH、SCH、OCN、Cl、Br、CN、CF、OCF、SOCH、SOCH、ONO、NO、N、NH、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリル、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、割り込み物質、オリゴヌクレオチドの薬物動態特性を改善するための基、またはオリゴヌクレオチドの薬力学特性を改善するための基、および同様の特性を有する他の置換基。同様の修飾はまた、糖の他の位置、特に3’末端ヌクレオチドのまたは2’−5’結合オリゴヌクレオチド中の糖の3’位、または5’末端ヌクレオチドの5’位で行うことができる。修飾糖はまた、架橋環の酸素でのCHおよびSのような修飾を含むものを含む。ヌクレオチド糖アナログはまた、ペントフラノシル糖の代わりにシクロブチル部分といった糖ミメティックを持つことができる。多数の米国特許、たとえば第4,981,957号;第5,118,800号;第5,319,080号;第5,359,044号;第5,393,878号;第5,446,137号;第5,466,786号;第5,514,785号;第5,519,134号;第5,567,811号;第5,576,427号;第5,591,722号;第5,597,909号;第5,610,300号;第5,627,053号;第5,639,873号;第5,646,265号;第5,658,873号;第5,670,633号;および第5,700,920号が、そのような修飾糖構造の調製を教示し、そのそれぞれが、全体が参照により本開示に含まれる。
ヌクレオチドアナログはまたリン酸部分で修飾することができる。修飾リン酸部分は、2つのヌクレオチド間の結合がホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、メチルおよび3’−アルキレンホスホナートを含む他のアルキルホスホナートおよびキラルホスホナート、ホスフィナート、3’−アミノホスホロアミデートおよびアミノアルキルホスホロアミデートを含むホスホロアミデート、チオノホスホロアミデート、チオノアルキルホスホナート、チオノアルキルホスホトリエステル、およびボラノホスフェートを含むように修飾することができるものを含むがそれらに限定されない。2つのヌクレオチド間のこれらのリン酸または修飾リン酸結合は3’−5’結合または2’−5’結合を介することができ、および結合は3’−5’から5’−3’または2’−5’から5’−2’といった逆の極性を含むことができることが理解される。さまざまな塩、塩の混合物、および遊離酸の形もまた含まれる。多数の米国特許が修飾リン酸を含むヌクレオチドを製造および使用する方法を教示し、およびそれらは、それぞれが参照により本開示に含まれる第3,687,808号;第4,469,863号;第4,476,301号;第5,023,243号;第5,177,196号;第5,188,897号;第5,264,423号;第5,276,019号;第5,278,302号;第5,286,717号;第5,321,131号;第5,399,676号;第5,405,939号;第5,453,496号;第5,455,233号;第5,466,677号;第5,476,925号;第5,519,126号;第5,536,821号;第5,541,306号;第5,550,111号;第5,563,253号;第5,571,799号;第5,587,361号;および第5,625,050号を含むがそれらに限定されない。
ヌクレオチドアナログは単一の修飾を含みさえすればよいが、しかしまた複数の修飾を1つの部分のうちにまたは異なる部分の間に含みうると理解される。
ヌクレオチド代用物とは、ヌクレオチドと同様の機能的特性を有するが、リン酸部分を含まない、ペプチド核酸(PNA)のような分子である。ヌクレオチド代用物は、ワトソン・クリック型またはフーグステン型の方法で相補的核酸を認識およびハイブリダイズするが、リン酸部分以外の部分を介して互いに結合している分子である。ヌクレオチド代用物は、適切な標的核酸と相互作用する際、二重らせん型の構造を取ることができる。
ヌクレオチド代用物は、リン酸部分および/または糖部分を置換したヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログである。ヌクレオチド代用物は標準的なリン原子を含まない。リン酸の代用物は、たとえば、短鎖アルキルまたはシクロアルキルヌクレオシド間結合、ヘテロ原子およびアルキルまたはシクロアルキル混合ヌクレオシド間結合、または1つ以上の短鎖ヘテロ原子または複素環式ヌクレオシド間結合であることができる。これらは、モルホリノ結合(一部はヌクレオシドの頭部分から形成される)を持つもの;シロキサン骨格;スルフィド、スルホキシドおよびスルホン骨格;ホルムアセチルおよびチオホルムアセチル骨格;メチレンホルムアセチルおよびチオホルムアセチル骨格;アルケン含有骨格;スルファマート骨格;メチレンイミノおよびメチレンヒドラジノ骨格;スルホナートおよびスルホンアミド骨格;アミド骨格;およびその他のN、O、SおよびCH成分の混合部分を持つものを含む。多数の米国特許がこれらの種類のリン酸代替物を製造および使用する方法を開示し、およびそれらは、それぞれが参照により本開示に含まれる第5,034,506号;第5,166,315号;第5,185,444号;第5,214,134号;第5,216,141号;第5,235,033号;第5,264,562号;第5,264,564号;第5,405,938号;第5,434,257号;第5,466,677号;第5,470,967号;第5,489,677号;第5,541,307号;第5,561,225号;第5,596,086号;第5,602,240号;第5,610,289号;第5,602,240号;第5,608,046号;第5,610,289号;第5,618,704号;第5,623,070号;第5,663,312号;第5,633,360号;第5,677,437号;および第5,677,439号を含むがそれらに限定されない。
ヌクレオチド代用物において、ヌクレオチドの糖部分およびリン酸部分の両方を、たとえばアミド型結合によって置換することができることもまた理解される(アミノエチルグリシン)(PNA)。米国特許第5,539,082号;第5,714,331号;および第5,719,262号はPNA分子を製造および使用する方法を教示し、そのそれぞれが参照により本開示に含まれる。(ニールセン(Nielsen)他,Science 254: 1497−1500 (1991)も参照)。
プライマーはヌクレオチドから成ることができ、および異なる種類のヌクレオチドまたは同一の種類のヌクレオチドから構成されうる。たとえば、あるプライマーに含まれるヌクレオチドの1つ以上は、リボヌクレオチド、2’−O−メチルリボヌクレオチド、またはリボヌクレオチドおよび2’−O−メチルリボヌクレオチドの混合物であることができる;ヌクレオチドの約10%から約50%はリボヌクレオチド、2’−O−メチルリボヌクレオチド、またはリボヌクレオチドおよび2’−O−メチルリボヌクレオチドの混合物であることができる;ヌクレオチドの約50%以上はリボヌクレオチド、2’−O−メチルリボヌクレオチド、またはリボヌクレオチドおよび2’−O−メチルリボヌクレオチドの混合物であることができる;またはすべてのヌクレオチドはリボヌクレオチド、2’−O−メチルリボヌクレオチド、またはリボヌクレオチドおよび2’−O−メチルリボヌクレオチドの混合物である。ヌクレオチドは塩基(すなわち、ヌクレオチドの塩基部分)から成ることができ、および異なる種類の塩基を含むことができる(および通常は含む)。たとえば、塩基のうちの1つ以上は、3−ニトロピロールまたは5−ニトロインドールといったユニバーサル塩基であることができる;塩基の約10%から約50%はユニバーサル塩基であることができる;塩基の約50%以上はユニバーサル塩基であることができる;またはすべての塩基はユニバーサル塩基であることができる。
プライマーはまた、プライマーの5’末端に、標的配列と相補的でない追加の配列を含むことができるがその必要は無い。この配列は、プライマーの非相補的部分と呼ばれる。プライマーの非相補的部分は、もしあれば、DNA複製中に鎖置換を促進する役割を果たす。プライマーの非相補的部分はまた、RNAポリメラーゼのためのプロモーターといった機能配列を含みうる。プライマーの非相補的部分は任意の長さでありうるが、しかし一般的に長さ1から100ヌクレオチド、および好ましくは長さ4から8ヌクレオチドである。非相補的部分の使用は、ランダムまたは部分的にランダムなプライマーが全ゲノム増幅に用いられる場合には、好ましくない。
ランダムまたは縮重配列を有するプライマーは、本開示の方法における使用から除外することができると特に考えられる。また、増幅されている核酸分子へのプライマーの相当な、顕著なまたは明らかなミスマッチハイブリダイゼーションを可能にするかまたは両立しうる条件の使用は、除外することができると特に考えられる。ここでは、プライマーの相当なミスマッチハイブリダイゼーションとは、プライマーヌクレオチドの90%以上が、ハイブリダイゼーションパートナーに含まれるヌクレオチドと対形成していないハイブリダイゼーションをいう。プライマーの顕著なミスマッチハイブリダイゼーションとは、プライマーヌクレオチドの50%以上が、ハイブリダイゼーションパートナーに含まれるヌクレオチドと対形成していないハイブリダイゼーションをいう。プライマーの明らかなミスマッチハイブリダイゼーションとは、プライマーヌクレオチドの10%以上が、ハイブリダイゼーションパートナーに含まれるヌクレオチドと対形成していないハイブリダイゼーションをいう。プライマーの相当なまたは顕著なまたは明らかなミスマッチハイブリダイゼーションを回避するかまたはそれと両立しない条件を選択することは、本開示の方法におけるプライマーの特異的なまたは相当に特異的なハイブリダイゼーションの使用を強調する。
ここでは、所定のレベルのミスマッチハイブリダイゼーションと両立しうる条件とは、ハイブリダイゼーションの明らかな部分以上がその所定のレベルとなる結果を生じる条件をいう。所定のレベルのミスマッチハイブリダイゼーションと両立しない条件とは、明らかな部分のハイブリダイゼーションがその所定のレベルとなる結果を生じない条件をいう。所定のレベルのミスマッチハイブリダイゼーションを可能にする条件とは、ハイブリダイゼーションの明らかな部分以上がその所定のレベルとなる結果を生じる条件をいう。所定のレベルのミスマッチハイブリダイゼーションを可能にしない条件とは、明らかな部分のハイブリダイゼーションがその所定のレベルとなる結果を生じない条件をいう。この点で、所定のレベルのハイブリダイゼーションを理論的に生じるかまたは生じない条件は、いくらかの一過性のまたは稀なミスマッチハイブリダイゼーションを妨げないことが理解される。
所定のレベルのミスマッチハイブリダイゼーションを可能にするかまたはしない、またはそれと両立するかまたはしない条件に関する重要な因子は、増幅を実施する温度である。したがって、たとえば、あるプライマーの融点を顕著に下回る温度は、その融点により近い温度よりも、一般的により高いレベルのミスマッチハイブリダイゼーションをそのプライマーによって可能にし、これはそのプライマーに含まれるヌクレオチドの一部だけが関与するハイブリッドがより低温では安定となるためである。このように、反応温度(すなわち、核酸試料、プライマーおよびDNAポリメラーゼを増幅のためにインキュベートする温度)はミスマッチハイブリダイゼーションのレベル、およびプライマーが核酸試料中のヌクレオチド配列へハイブリダイズする間隔に影響する。
本開示の方法においてプライマー特異性を利用するために、ミスマッチハイブリダイゼーションのレベルを低下させるようにプライマーを設計することができる(または、逆に、インキュベート温度を選択することができる)。一般的に、これは、より短いプライマーについてはより低いインキュベート温度、およびより長いプライマーついてはより高いインキュベート温度の使用を含みうる。適切および望ましいと考えられる通り、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、46℃、47℃、48℃、49℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃、61℃、62℃、63℃、64℃、65℃、66℃、67℃、68℃、69℃、70℃、71℃、72℃、73℃、74℃、75℃、76℃、77℃、78℃、79℃、または80℃での使用のためにプライマーを設計することができる、および/または、増幅反応はその温度でインキュベートすることができる。21℃未満、22℃未満、23℃未満、24℃未満、25℃未満、26℃未満、27℃未満、28℃未満、29℃未満、30℃未満、31℃未満、32℃未満、33℃未満、34℃未満、35℃未満、36℃未満、37℃未満、38℃未満、39℃未満、40℃未満、41℃未満、42℃未満、43℃未満、44℃未満、45℃未満、46℃未満、47℃未満、48℃未満、49℃未満、50℃未満、51℃未満、52℃未満、53℃未満、54℃未満、55℃未満、56℃未満、57℃未満、58℃未満、59℃未満、60℃未満、61℃未満、62℃未満、63℃未満、64℃未満、65℃未満、66℃未満、67℃未満、68℃未満、69℃未満、70℃未満、71℃未満、72℃未満、73℃未満、74℃未満、75℃未満、76℃未満、77℃未満、78℃未満、79℃未満、または80℃未満での使用のためにプライマーを設計することができる、および/または、増幅反応はその温度でインキュベートすることができる。
1.全ゲノム鎖置換増幅のためのプライマー
全ゲノム鎖置換増幅の場合には、ランダムまたは部分的にランダムなヌクレオチド配列を有する一組のプライマーを用いることが好ましい。WGSDAのための好ましい標的配列である、顕著なまたは相当な複雑性の核酸試料では、試料中に存在する特定の核酸配列は既知である必要は無く、およびプライマーを特定の配列と相補的であるように設計する必要は無い。むしろ、核酸試料の複雑性は、ランダムまたは部分的にランダムな配列のさまざまなプライマーと相補的となる、試料中の多数の異なるハイブリダイゼーション標的配列を結果として生じる。WGSDAにおける使用のためのプライマーの相補的部分は、完全にランダム化することができ、一部だけをランダム化することができ、またはそうでなければ選択的にランダム化することができる。ランダムまたは部分的にランダムな配列を有するプライマーの組は、ランダム化すべき各位置で任意のヌクレオチドを付加させることによって、標準的技術を用いて合成することができる。また、そのプライマーの組は、同様の長さおよび/またはハイブリダイゼーション特性のプライマーから構成されることが好ましい。
プライマーの相補的部分に含まれるランダム塩基位置の数は好ましくは、プライマーの相補的部分に含まれるヌクレオチドの総数の20%ないし100%である。より好ましくは、ランダム塩基位置の数はプライマーの相補的部分に含まれるヌクレオチドの総数の30%ないし100%である。非常に好ましくはランダム塩基位置の数はプライマーの相補的部分に含まれるヌクレオチドの総数の50%ないし100%である。ランダムまたは部分的にランダムな配列を有するプライマーの組は、ランダム化すべき各位置で任意のヌクレオチドを付加させることによって、標準的技術を用いて合成することができる。また、そのプライマーの組は、同様の長さおよび/またはハイブリダイゼーション特性のプライマーから構成されることが好ましい。
2.複数鎖置換増幅のためのプライマー
複数鎖置換増幅の場合には、各プライマーの相補的部分は、標的配列中のハイブリダイゼーション標的と相補的になるように設計される。一組のプライマーでは、各プライマーの相補的部分は、標的配列の異なる部分と相補的であることが好ましい。その組に含まれるプライマーが、標的配列中の隣接する部位と相補的であることがより好ましい。また、標的配列中のそのような隣接する配列が、標的配列中の増幅標的とも隣接していることが好ましい。
標的配列とハイブリダイズした際、一組のプライマーに含まれるプライマーは互いに離れていることが好ましい。ハイブリダイズした際、一組のプライマーに含まれるプライマーは互いに少なくとも5塩基離れていることが好ましい。ハイブリダイズした際、一組のプライマーに含まれるプライマーは互いに少なくとも10塩基離れていることがより好ましい。ハイブリダイズした際、一組のプライマーに含まれるプライマーは互いに少なくとも20塩基離れていることがさらにより好ましい。ハイブリダイズした際、一組のプライマーに含まれるプライマーは互いに少なくとも30塩基離れていることがさらにより好ましい。ハイブリダイズした際、一組のプライマーに含まれるプライマーは互いに少なくとも40塩基離れていることがさらにより好ましい。ハイブリダイズした際、一組のプライマーに含まれるプライマーは互いに少なくとも50塩基離れていることがさらにより好ましい。
ハイブリダイズした際、一組のプライマーに含まれるプライマーは互いに約500塩基しか離れていないことが好ましい。ハイブリダイズした際、一組のプライマーに含まれるプライマーは互いに約400塩基しか離れていないことがより好ましい。ハイブリダイズした際、一組のプライマーに含まれるプライマーは互いに約300塩基しか離れていないことがさらにより好ましい。ハイブリダイズした際、一組のプライマーに含まれるプライマーは互いに約200塩基しか離れていないことがさらにより好ましい。上記の分離の好ましい上限および下限の任意の組み合わせは、すべての中間範囲を含め、具体的に考慮されている。ハイブリダイズした際、一組のプライマーに含まれるプライマーは同数の塩基互いに離れている必要は無い。ハイブリダイズした際、一組のプライマーに含まれるプライマーはほぼ同数の塩基互いに離れているのが好ましい。
プライマー間の最適分離距離はすべてのDNAポリメラーゼについて同一にはならず、それはこのパラメーターが正味の重合速度に依存するためである。連続性DNAポリメラーゼは、毎秒5ないし300ヌクレオチドの範囲になりうる、および補助ssDNA結合タンパク質およびヘリカーゼの存在または非存在によって影響されうる、特徴的な重合速度を有する。非連続性ポリメラーゼの場合には、より高濃度では再開始現象がより多く生じおよびしたがって正味の重合速度が上昇するため、正味の重合速度は酵素濃度に依存する。連続性ポリメラーゼの一例はφ29DNAポリメラーゼであり、これは毎秒50ヌクレオチド進む。非連続性ポリメラーゼの一例はベント(Vent)エキソ(−)DNAポリメラーゼであり、これは低濃度では毎秒4ヌクレオチド、または高濃度では毎秒16ヌクレオチドの有効重合速度を与える。
MSDA反応において最適収率を得るためには、使用するポリメラーゼに適するように、好ましくはプライマー間隔を調整する。速い重合速度を持つポリメラーゼを用いる際は、長いプライマー間隔が好ましい。より遅い重合速度を持つポリメラーゼを用いる際は、より短いプライマー間隔が好ましい。下記の測定法は、任意のポリメラーゼについて最適の間隔を決定するのに用いることができる。本測定法は、プライマーの複数の組を用い、各組は5種類の左プライマーおよび5種類の右プライマーから成る。そのプライマーの組は、同一の標的配列に隣接してハイブリダイズするように設計されており、異なる組のプライマーは異なるプライマー間隔を有する。間隔は、増分25ヌクレオチドで、25ヌクレオチドから400ヌクレオチドの範囲内で、プライマーの組の間で系統的に変化させる(各組内のプライマーの間隔は同一である)。同一の標的配列が異なる組のプライマーを用いて増幅される一連の反応を実施する。DNAの最も高い実験収率を生じる間隔が、使用しているその特定のDNAポリメラーゼ、またはDNAポリメラーゼ+補助タンパク質の組み合わせのための最適プライマー間隔である。
標的配列中の、プライマーがハイブリダイズする部位で開始されたDNA複製は、隣接する部位でハイブリダイズしたプライマーから増幅されている鎖まで伸長して、それを置換する。隣接する鎖の置換は、それを別のプライマーとのハイブリダイゼーションおよびその後のもう一回の複製の開始のために利用可能にする。プライマーがハイブリダイズする、標的配列の領域を、標的配列のハイブリダイゼーション標的と呼ぶ。
一組のプライマーは、異なるヌクレオチド配列の、任意の希望数のプライマーを含みうる。MSDAのためには、一組のプライマーは複数のプライマーを含むのが好ましい。一組のプライマーは3種類以上のプライマーを含むのがより好ましい。一組のプライマーは4種類以上、5種類以上、6種類以上、または7種類以上のプライマーを含むのがさらにより好ましい。一般的に、より多くのプライマーを用いるほど、より高い増幅レベルが得られる。一組のプライマーが含みうるプライマーの数に原理的な上限は無い。しかし、所定の標的配列について、一組のプライマーに含まれるプライマーの数は一般的に、標的配列中の利用可能なハイブリダイゼーション部位の数に限定される。たとえば、標的配列が10,000ヌクレオチドDNA分子であって、および20ヌクレオチドプライマーが用いられる場合、500箇所の重なり合わない20ヌクレオチド部位が標的配列中に存在する。重なり部位が望まれるかまたは受容しうる場合、これよりさらに多くのプライマーを用いることができる。一組のプライマーは約300種類のプライマーしか含まないことが好ましい。一組のプライマーは約200種類のプライマーしか含まないことが好ましい。一組のプライマーは約100種類のプライマーしか含まないことがさらにより好ましい。一組のプライマーは約50種類のプライマーしか含まないことがより好ましい。一組のプライマーは7ないし約50種類のプライマーしか含まないことが非常に好ましい。上記の一組のプライマーに含まれるプライマーの数についての好ましい上限および下限の任意の組み合わせは、すべての中間範囲を含め、具体的に考慮されている。
MSDAにおける使用のための好ましい種類のプライマーの組は、プライマーの右組およびプライマーの左組と呼ばれる、二組のプライマーを含む。プライマーの右組およびプライマーの左組は、標的配列の反対の鎖と相補的になるように設計されている。プライマーの右組の相補的部分は、右ハイブリダイゼーション標的とそれぞれ相補的であり、および右ハイブリダイゼーション標的の異なる部分とそれぞれが相補的であるのが好ましい。プライマーの左組の相補的部分は、左ハイブリダイゼーション標的とそれぞれ相補的であり、および左ハイブリダイゼーション標的の異なる部分とそれぞれが相補的であるのが好ましい。右および左のハイブリダイゼーション標的は、標的配列中の増幅標的の反対側の端に隣接する。プライマーの右組およびプライマーの左組はそれぞれ、一組のプライマーについて上記の通りの、好ましい数のプライマーを含むことが好ましい。具体的には、プライマーの右または左組は、複数のプライマーを含むのが好ましい。プライマーの右または左組は、3種類以上のプライマーを含むのがより好ましい。プライマーの右または左組は、4種類以上,5種類以上,6種類以上,または7種類以上のプライマーを含むのがさらにより好ましい。プライマーの右または左組は、約200種類のプライマーしか含まないことが好ましい。プライマーの右または左組は、約100種類のプライマーしか含まないことがより好ましい。プライマーの右または左組は、7ないし約100種類のプライマーしか含まないことが非常に好ましい。上記の一組のプライマーに含まれるプライマーの数についての好ましい上限および下限の任意の組み合わせは、すべての中間範囲を含め、具体的に考慮されている。また、所定の標的配列について、プライマーの右組およびプライマーの左組が同数のプライマーを含むことが好ましい。また、所定の標的配列について、プライマーの右組およびプライマーの左組は、同様の長さおよび/またはハイブリダイゼーション特性のプライマーから構成されることが好ましい。
標的配列が混合試料(たとえば、ヒトおよび非ヒト核酸の両方を含む院内試料)中に存在する場合、使用するプライマーは目的の核酸に特異的であることができる。したがって、病原体(すなわち、非ヒト)核酸を患者試料中に検出するために、病原体核酸に特異的なプライマーを用いることができる。ヒト核酸を検出すべきであるならば、ヒト核酸に特異的なプライマーを用いることができる。これに関連して、特定の標的核酸または標的配列、または特定の分類の標的核酸または標的配列に特異的なプライマーは、標的核酸および標的配列の増幅を支持するがしかし、関係する試料中に存在する非標的核酸または配列の実質的な増幅を支持しないプライマーを参照する。
3.検出タグ
プライマーの非相補的部分は、増幅した配列をさらに操作または分析するのに用いることができる配列を含みうる。そのような配列の一例が検出タグであり、これはプライマーの非相補的部分に存在する特異的ヌクレオチド配列である。検出タグは、検出プローブと相補的な配列を有する。検出タグは、それらの同族の検出プローブを用いて検出することができる。検出タグは、増幅された鎖の末端に組み込まれる。その結果は、検出プローブの相補的部分と相補的である検出タグ配列を有する、増幅されたDNAである。もしあれば、1つのプライマー上には1、2、3、または3より多数の検出タグが存在しうる。1つのプライマーは、1、2、3、または4個の検出タグを有することが好ましい。非常に好ましくは、1つのプライマーは1つの検出タグを有する。一般的に、1つのプライマーは10個以下の検出タグを有することが好ましい。1つのプライマー上に存在しうる検出タグの数に、プライマーの大きさ以外に原理的な限界は無い。複数の検出タグが存在する場合は、それらは同一の配列を有しうるかまたは、それらは異なる配列のそれぞれが異なる検出プローブと相補的である異なる配列を有しうる。プライマーは、すべてが単一の検出プローブと相補的となるように、同一の配列を有する検出タグを含むのが好ましい。一部の多重検出法については、プライマーは最大6個までの検出タグを含むのが好ましく、および、検出タグ部分のそれぞれが異なる検出プローブと相補的となるように、検出タグ部分は異なる配列を有するのが好ましい。同様の作用は、それぞれが単一の異なる検出タグを有する一組のプライマーを用いることによって達成することができる。検出タグはそれぞれ、検出タグと検出プローブとの間の特異的および安定なハイブリダイゼーションを支持する任意の長さであることができる。このために、10ないし35ヌクレオチドの長さが好ましく、長さ15ないし20ヌクレオチドの検出タグ部分が非常に好ましい。
4.アドレスタグ
プライマーの非相補的部分に含むことができる配列の別の一例がアドレスタグである。アドレスタグは、アドレスプローブと相補的である配列を有する。アドレスタグは、増幅された鎖の末端に組み込まれる。その結果は、アドレスプローブの相補的部分と相補的であるアドレスタグ配列を有する、増幅されたDNAである。もしあれば、1つのプライマー上には1つの、または2つ以上の、アドレスタグが存在しうる。1つのプライマーは、1または2個のアドレスタグを有することが好ましい。非常に好ましくは、1つのプライマーは1つのアドレスタグを有する。一般的に、1つのプライマーは10個以下のアドレスタグを有することが好ましい。1つのプライマー上に存在しうるアドレスタグの数に、プライマーの大きさ以外に原理的な限界は無い。複数の複数のアドレスタグが存在する場合は、それらは同一の配列を有しうるかまたは、それらは異なる配列のそれぞれが異なるアドレスプローブと相補的である異なる配列を有しうる。プライマーは、すべてが単一のアドレスプローブと相補的となるように、同一の配列を有するアドレスタグを含むのが好ましい。アドレスタグ部分は、アドレスタグとアドレスプローブとの間の特異的および安定なハイブリダイゼーションを支持する任意の長さであることができる。このために、長さ10ないし35ヌクレオチドの長さが好ましく、長さ15ないし20ヌクレオチドのアドレスタグ部分が非常に好ましい。
E.蛍光変化プローブおよびプライマー
蛍光変化プローブおよび蛍光変化プライマーとは、プローブまたはプライマーおよび検出、測定または複製すべき核酸の、形態または立体構造における変化に基づく、蛍光強度または波長の変化が関与するすべてのプローブおよびプライマーをいう。蛍光変化プローブおよびプライマーの例は、分子ビーコン、アンプリフロール(Amplifluor)、FRETプローブ、切断可FRETプローブ、TaqManプローブ、スコーピオン(scorpion)・プライマー、蛍光三重オリゴ、蛍光水溶性結合ポリマー、PNAプローブおよびQPNAプローブを含む。
蛍光変化プローブおよびプライマーは、その構造および/または機能に従って分類することができる。蛍光変化プローブは、ヘアピン消光化プローブ、切断消光化プローブ、切断活性化プローブ、および蛍光活性化プローブを含む。蛍光変化プライマーは、ステム消光化プライマーおよびヘアピン消光化プライマーを含む。蛍光変化プローブおよびプライマーの使用は、シュバイツァー(Schweitzer)およびキングスモア(Kingsmore),Curr.Opin.Biotech.12: 21−27 (2001)の総説がある。ホール(Hall)他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97: 8272−8277 (2000)は、インベーダー(Invader)測定法での蛍光変化プローブの使用を記載する。
ヘアピン消光化プローブは、標的配列と結合していない場合に、標識からの蛍光が消光されるように蛍光標識および消光部分を近接させるヘアピン構造(および、典型的には、ループ)を形成するプローブである。プローブが標的配列と結合する際、ステムが破壊され、消光部分はもう蛍光標識と近接せず、および蛍光が増大する。ヘアピン消光化プローブの例は、分子ビーコン、蛍光三重オリゴ、およびQPNAプローブである。
切断活性化プローブは、プローブの切断によって蛍光が増大するプローブである。切断活性化プローブは、標識からの蛍光が消光されるように、近接した蛍光標識部分および消光部分を含みうる。プローブが切断または消化される際(典型的にはポリメラーゼの5'−3'エキソヌクレアーゼ活性によって増幅中に)、消光部分はもう蛍光標識と近接せず、および蛍光が増大する。TaqManプローブ(ホランド(Holland)他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88: 7276−7280(1991))は切断活性化プローブの一例である。
切断消光化プローブは、プローブの切断によって蛍光が減少または変化するプローブである。切断消光化プローブは、受容体および供与体が近接している場合に供与体から受容体への蛍光共鳴エネルギー転移が受容体に蛍光を生じさせるように、受容体蛍光標識および供与体部分を含みうる。そのプローブはしたがって、たとえば、標的配列とハイブリダイズした際に蛍光を発する。プローブが切断または消化される際(典型的にはポリメラーゼの5'−3'エキソヌクレアーゼ活性によって増幅中に)、供与体部分はもう受容体蛍光標識と近接せず、および受容体からの蛍光が減少する。供与体部分がそれ自体蛍光標識であるならば、それは受容体と近接していない場合にエネルギーを蛍光として放出することができる(典型的には受容体の蛍光とは異なる波長で)。全体としての効果はその結果、受容体蛍光の減少および供与体蛍光の増大となる。切断消光化プローブの場合の供与体蛍光は、受容体が消光部分でありおよび供与体が蛍光標識である切断活性化プローブによって生じた蛍光と同等である。切断可FRET(蛍光共鳴エネルギー転移)プローブは切断消光化プローブの一例である。
蛍光活性化プローブは、標的配列へのプローブのハイブリダイゼーションによって蛍光が増大または変化するプローブまたはプローブ対である。蛍光活性化プローブは、受容体および供与体が近接している際(プローブが標的配列とハイブリダイズする際)、供与体から受容体への蛍光共鳴エネルギー転移が受容体に蛍光を生じさせるように、受容体蛍光標識および供与体部分を含みうる。蛍光活性化プローブは典型的には、受容体および供与体が近接するように、隣接配列にハイブリダイズするよう設計されたプローブ対である。蛍光活性化プローブはまた、プローブが標的配列とハイブリダイズしていない場合には供与体および受容体は近接していないが、プローブが標的配列とハイブリダイズしている場合には供与体および受容体が近接させられる、供与体および受容体の両方を含む単一のプローブであることができる。これは、たとえば、供与体および受容体をプローブの反対端に配置し、および標的相補配列をプローブの各末端に配置し、ここで標的相補配列は標的配列中の隣接配列と相補的であることによって達成することができる。蛍光活性化プローブの供与体部分がそれ自体蛍光標識であるならば、それは受容体と近接していない場合に(すなわち、プローブが標的配列とハイブリダイズしていない場合に)エネルギーを蛍光として放出することができる(典型的には受容体の蛍光とは異なる波長で)。プローブが標的配列とハイブリダイズする際、全体としての効果はその結果、供与体蛍光の減少および受容体蛍光の増大となる。FRETプローブは蛍光活性化プローブの一例である。
ステム消光化プライマーは、相補的配列と結合していない場合に、標識からの蛍光が消光されるように蛍光標識および消光部分を近接させるステム構造(分子内ステム構造または分子間ステム構造のどちらか)を形成するプライマーである。プライマーが相補的配列と結合する際、ステムが破壊され、消光部分はもう蛍光標識と近接せず、および蛍光が増大する。本開示の方法では、ステム消光化プライマーは核酸合成のためのプライマーとして用いられ、および従って、合成されたかまたは増幅された核酸に組み込まれる。ステム消光化プライマーの例は、ペプチド核酸消光化プライマーおよびヘアピン消光化プライマーである。
ペプチド核酸消光化プライマーは、ペプチド核酸消光物質またはペプチド核酸蛍光物質と結合しておりステム構造を形成するプライマーである。そのプライマーは蛍光標識または消光部分を含み、およびペプチド核酸消光物質またはペプチド核酸蛍光物質とそれぞれ結合している。このことによって蛍光標識が消光部分と近接する。プライマーが複製される際、ペプチド核酸が置換され、したがって蛍光標識が蛍光シグナルを生じることが可能になる。
ヘアピン消光化プライマーは、相補的配列と結合していない場合に、標識からの蛍光が消光されるように蛍光標識および消光部分を近接させるヘアピン構造(および、典型的には、ループ)を形成するプライマーである。プライマーが相補的配列と結合する際、ステムが破壊され、消光部分はもう蛍光標識と近接せず、および蛍光が増大する。ヘアピン消光化プライマーは典型的には核酸合成のためのプライマーとして用いられ、および従って、合成されたかまたは増幅された核酸に組み込まれる。ヘアピン消光化プライマーの例は、アンプリフロール(Amplifluor)プライマー(ナゼレンコ(Nazerenko)他,Nucleic Acids Res.25: 2516−2521(1997))およびスコーピオン(scorpion)プライマー(セルウェル(Thelwell)他,Nucleic Acids Res.28 (19): 3752−3761(2000))である。
切断活性化プライマーは、複製された鎖に組み込まれていておよびその後に切断されるプライマーであること以外は、切断活性化プローブと同様である。リトル(Little)他,Clin.Chem.45: 777−784 (1999)は、切断活性化プライマーの使用を記載する。
F.溶解溶液
本開示の方法では、細胞を溶解溶液と混合することによって、細胞をアルカリ性条件に曝露することができる。溶解溶液は一般的に、細胞溶解を引き起こすように細胞溶液のpHを十分に上げることができる溶液である。変性溶液が溶解溶液に必要な作用を有しうる限りは、変性溶液を溶解溶液として用いることができる。一部の実施形態では、溶解溶液は塩基水溶液といった塩基を含みうる。有用な塩基は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、アンモニア、アニリン、ベンジルアミン、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミン、ジフェニルアミン、エチルアミン、エチレンジアミン、メチルアミン、N−メチルアニリン、モルホリン、ピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、水酸化アルミニウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、およびDBU(1,8−ジアゾビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン)を含む。有用な溶解溶液の処方は、400mM KOHを含む溶解溶液、400mM KOHおよび10mM EDTAを含む溶解溶液、400mM KOH、100mMジチオスレイトール、および10mM EDTAを含む溶解溶液、および400mM KOH、100mMジチオスレイトール、および10mM EDTAを含む溶解溶液を含む。他の有用な溶解溶液の処方は、100mM KOHを含む溶解溶液、100mM KOHおよび2.5mM EDTAを含む溶解溶液、100mM KOH、25mMジチオスレイトール、および2.5mM EDTAを含む溶解溶液、および100mM KOH、25mMジチオスレイトール、および2.5mM EDTAから成る溶解溶液を含む。有用な溶解溶液はpH8を有しうる。溶解溶液は使用前に希釈しうる。そのような場合には、反応に加える溶解溶液の量は一般的に、比例的に増加させることができる。
一部の実施形態では、溶解溶液は複数の塩基性物質を含みうる。ここでは、塩基性物質とは、アルカリ性条件を結果として生じる化合物、組成物または溶液である。一部の実施形態では、溶解溶液は緩衝剤を含みうる。有用な緩衝剤は、リン酸緩衝剤、「グッド(Good)」緩衝剤(たとえばBES、BICINE、CAPS、EPPS、HEPES、MES、MOPS、PIPES、TAPS、TES、およびTRICINE)、カコジル酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸トリエチルアンモニウム、重炭酸トリエチルアンモニウム、トリス、ビス−トリス、およびビス−トリスプロパンを含む。溶解溶液は複数の緩衝剤を含みうる。ここでは、緩衝試薬とは、緩衝剤として作用する化合物、組成物または溶液である。アルカリ性緩衝試薬とは、アルカリ性条件を結果として生じる緩衝剤である。一部の実施形態では、溶解溶液は1つ以上の塩基、塩基性物質、緩衝剤および緩衝試薬の組み合わせを含みうる。
細胞と混合する溶解溶液の量は、相当な数の細胞を溶解させる量、または、十分な数の細胞を溶解させる量である。一般的に、この容量は細胞/溶解溶液混合物のpHの関数となる。したがって、細胞と混合すべき溶解溶液の量は、一般的に、細胞の容積および溶解緩衝液のアルカリ濃度から決定することができる。たとえば、十分なアルカリ性条件を作り出すためには、より弱い塩基および/またはより低濃度の塩基を含む溶解溶液に必要な容量よりも、より強い塩基および/またはより高濃度の塩基を含むより少ない容量の溶解溶液が必要となる。(希望のアルカリ性条件を生じるために)細胞が等しい容量の溶解溶液と混合されるように、溶解溶液を処方することができる。
たとえば、溶解溶液は、約8.0ないし約13.0、約8.5ないし約13.0、約9.0ないし約13.0、約9.5ないし約13.0、約10.0ないし約13.0、約10.5ないし約13.0、約11.0ないし約13.0、約11.5ないし約13.0、約12.0ないし約13.0、約8.0ないし約12.0、約8.5ないし約12.0、約9.0ないし約12.0、約9.5ないし約12.0、約10.0ないし約12.0、約10.5ないし約12.0、約11.0ないし約12.0、約11.5ないし約12.0、約8.0ないし約11.5、約8.5ないし約11.5、約9.0ないし約11.5、約9.5ないし約11.5、約10.0ないし約11.5、約10.5ないし約11.5、約11.0ないし約11.5、約8.0ないし約11.0、約8.5ないし約11.0、約9.0ないし約11.0、約9.5ないし約11.0、約10.0ないし約11.0、約10.5ないし約11.0、約8.0ないし約10.5、約8.5ないし約10.5、約9.0ないし約10.5、約9.5ないし約10.5、約10.0ないし約10.5、約8.0ないし約10.0、約8.5ないし約10.0、約9.0ないし約10.0、約9.5ないし約10.0、約8.0ないし約9.5、約8.5ないし約9.5、約9.0ないし約9.5、約8.0、約8.5、約9.0、約9.5、約10.0、約10.5、約11.0、約11.5、約12.0、約12.5、または約13.0のpHを有する溶液であることができる。
溶解溶液は、約10mMないし約1M、約10mMないし約900mM、約10mMないし約800mM、約10mMないし約700mM、約10mMないし約600mM、約10mMないし約500mM、約10mMないし約400mM、約10mMないしabout300mM、約10mMないし約200mM、約10mMないし約100mM、約10mMないし約90mM、約10mMないし約80mM、約10mMないし約70mM、約10mMないし約60mM、約10mMないし約50mM、約10mMないし約40mM、約10mMないし約30mM、約10mMないし約20mM、約20mMないし約1M、約20mMないし約900mM、約20mMないし約800mM、約20mMないし約700mM、約20mMないし約600mM、約20mMないし約500mM、約20mMないし約400mM、約20mMないし約300mM、約20mMないし約200mM、約20mMないし約100mM、約20mMないし約90mM、約20mMないし約80mM、約20mMないし約70mM、約20mMないし約60mM、約20mMないし約50mM、約20mMないし約40mM、約20mMないし約30mM、約30mMないし約1M、約30mMないし約900mM、約30mMないし約800mM、約30mMないし約700mM、約30mMないし約600mM、約30mMないし約500mM、約30mMないし約400mM、約30mMないし約300mM、約30mMないし約200mM、約30mMないし約100mM、約30mMないし約90mM、約30mMないし約80mM、約30mMないし約70mM、約30mMないし約60mM、約30mMないし約50mM、約30mMないし約40mM、約40mMないし約1M、約40mMないし約900mM、約40mMないし約800mM、約40mMないし約700mM、約40mMないし約600mM、約40mMないし約500mM、約40mMないし約400mM、約40mMないし約300mM、約40mMないし約200mM、約40mMないし約100mM、約40mMないし約90mM、約40mMないし約80mM、約40mMないし約70mM、約40mMないし約60mM、約40mMないし約50mM、約50mMないし約1M、約50mMないし約900mM、約50mMないし約800mM、約50mMないし約700mM、約50mMないし約600mM、約50mMないし約500mM、約50mMないし約400mM、約50mMないし約300mM、約50mMないし約200mM、約50mMないし約100mM、約50mMないし約90mM、約50mMないし約80mM、約50mMないし約70mM、約50mMないし約60mM、約60mMないし約1M、約60mMないし約900mM、約60mMないし約800mM、約60mMないし約700mM、約60mMないし約600mM、約60mMないし約500mM、約60mMないし約400mM、約60mMないし約300mM、約60mMないし約200mM、約60mMないし約100mM、約60mMないし約90mM、約60mMないし約80mM、約60mMないし約70mM、約70mMないし約1M、約70mMないし約900mM、約70mMないし約800mM、約70mMないし約700mM、約70mMないし約600mM、約70mMないし約500mM、約70mMないし約400mM、約70mMないし約300mM、約70mMないし約200mM、約70mMないし約100mM、約70mMないし約90mM、約70mMないし約80mM、約80mMないし約1M、約80mMないし約900mM、約80mMないし約800mM、約80mMないし約700mM、約80mMないし約600mM、約80mMないし約500mM、約80mMないし約400mM、約80mMないし約300mM、約80mMないし約200mM、約80mMないし約100mM、約80mMないし約90mM、約90mMないし約1M、約90mMないし約900mM、約90mMないし約800mM、約90mMないし約700mM、約90mMないし約600mM、約90mMないし約500mM、約90mMないし約400mM、約90mMないし約300mM、約90mMないし約200mM、約90mMないし約100mM、約100mMないし約1M、約100mMないし約900mM、約100mMないし約800mM、約100mMないし約700mM、約100mMないし約600mM、約100mMないし約500mM、約100mMないし約400mM、約100mMないし約300mM、約100mMないし約200mM、約200mMないし約1M、約200mMないし約900mM、約200mMないし約800mM、約200mMないし約700mM、約200mMないし約600mM、約200mMないし約500mM、約200mMないし約400mM、約200mMないし約300mM、約300mMないし約1M、約300mMないし約900mM、約300mMないし約800mM、約300mMないし約700mM、約300mMないし約600mM、約300mMないし約500mM、約300mMないし約400mM、約400mMないし約1M、約400mMないし約900mM、約400mMないし約800mM、約400mMないし約700mM、約400mMないし約600mM、約400mMないし約500mM、約500mMないし約1M、約500mMないし約900mM、約500mMないし約800mM、約500mMないし約700mM、約500mMないし約600mM、約600mMないし約1M、約600mMないし約900mM、約600mMないし約800mM、約600mMないし約700mM、約700mMないし約1M、約700mMないし約900mM、約700mMないし約800mM、約800mMないし約1M、約800mMないし約900mM、約900mMないし約1M、約10mM、約20mM、約30mM、約40mM、約50mM、約60mM、約70mM、約80mM、約90mM、約100mM、約200mM、約300mM、約400mM、約500mM、約600mM、約700mM、約800mM、約900mM、または約1M.の成分濃度を有することができる。
溶解溶液成分の終濃度(試料との混合後)は、たとえば、約10mMないし約1M、約10mMないし約900mM、約10mMないし約800mM、約10mMないし約700mM、約10mMないし約600mM、約10mMないし約500mM、約10mMないし約400mM、約10mMないし約300mM、約10mMないし約200mM、約10mMないし約100mM、約10mMないし約90mM、約10mMないし約80mM、約10mMないし約70mM、約10mMないし約60mM、約10mMないし約50mM、約10mMないし約40mM、約10mMないし約30mM、約10mMないし約20mM、約20mMないし約1M、約20mMないし約900mM、約20mMないし約800mM、約20mMないし約700mM、約20mMないし約600mM、約20mMないし約500mM、約20mMないし約400mM、約20mMないし約300mM、約20mMないし約200mM、約20mMないし約100mM、約20mMないし約90mM、約20mMないし約80mM、約20mMないし約70mM、約20mMないし約60mM、約20mMないし約50mM、約20mMないし約40mM、約20mMないし約30mM、約30mMないし約1M、約30mMないし約900mM、約30mMないし約800mM、約30mMないし約700mM、約30mMないし約600mM、約30mMないし約500mM、約30mMないし約400mM、約30mMないし約300mM、約30mMないし約200mM、約30mMないし約100mM、約30mMないし約90mM、約30mMないし約80mM、約30mMないし約70mM、約30mMないし約60mM、約30mMないし約50mM、約30mMないし約40mM、約40mMないし約1M、約40mMないし約900mM、約40mMないし約800mM、約40mMないし約700mM、約40mMないし約600mM、約40mMないし約500mM、約40mMないし約400mM、約40mMないし約300mM、約40mMないし約200mM、約40mMないし約100mM、約40mMないし約90mM、約40mMないし約80mM、約40mMないし約70mM、約40mMないし約60mM、約40mMないし約50mM、約50mMないし約1M、約50mMないし約900mM、約50mMないし約800mM、約50mMないし約700mM、約50mMないし約600mM、約50mMないし約500mM、約50mMないし約400mM、約50mMないし約300mM、約50mMないし約200mM、約50mMないし約100mM、約50mMないし約90mM、約50mMないし約80mM、約50mMないし約70mM、約50mMないし約60mM、約60mMないし約1M、約60mMないし約900mM、約60mMないし約800mM、約60mMないし約700mM、約60mMないし約600mM、約60mMないし約500mM、約60mMないし約400mM、約60mMないし約300mM、約60mMないし約200mM、約60mMないし約100mM、約60mMないし約90mM、約60mMないし約80mM、約60mMないし約70mM、約70mMないし約1M、約70mMないし約900mM、約70mMないし約800mM、約70mMないし約700mM、約70mMないし約600mM、約70mMないし約500mM、約70mMないし約400mM、約70mMないし約300mM、約70mMないし約200mM、約70mMないし約100mM、約70mMないし約90mM、約70mMないし約80mM、約80mMないし約1M、約80mMないし約900mM、約80mMないし約800mM、約80mMないし約700mM、約80mMないし約600mM、約80mMないし約500mM、約80mMないし約400mM、約80mMないし約300mM、約80mMないし約200mM、約80mMないし約100mM、約80mMないし約90mM、約90mMないし約1M、約90mMないし約900mM、約90mMないし約800mM、約90mMないし約700mM、約90mMないし約600mM、約90mMないし約500mM、約90mMないし約400mM、約90mMないし約300mM、約90mMないし約200mM、約90mMないし約100mM、約100mMないし約1M、約100mMないし約900mM、約100mMないし約800mM、約100mMないし約700mM、約100mMないし約600mM、約100mMないし約500mM、約100mMないし約400mM、約100mMないし約300mM、約100mMないし約200mM、約200mMないし約1M、約200mMないし約900mM、約200mMないし約800mM、約200mMないし約700mM、約200mMないし約600mM、約200mMないし約500mM、約200mMないし約400mM、約200mMないし約300mM、約300mMないし約1M、約300mMないし約900mM、約300mMないし約800mM、約300mMないし約700mM、約300mMないし約600mM、約300mMないし約500mM、約300mMないし約400mM、約400mMないし約1M、約400mMないし約900mM、約400mMないし約800mM、約400mMないし約700mM、約400mMないし約600mM、約400mMないし約500mM、約500mMないし約1M、約500mMないし約900mM、約500mMないし約800mM、約500mMないし約700mM、約500mMないし約600mM、約600mMないし約1M、約600mMないし約900mM、約600mMないし約800mM、約600mMないし約700mM、約700mMないし約1M、約700mMないし約900mM、約700mMないし約800mM、約800mMないし約1M、約800mMないし約900mM、約900mMないし約1M、約10mM、約20mM、約30mM、約40mM、約50mM、約60mM、約70mM、約80mM、約90mM、約100mM、約200mM、約300mM、約400mM、約500mM、約600mM、約700mM、約800mM、約900mM、または約1Mであることができる。
溶解溶液は、細胞へ別々に加えることができるかまたは、細胞への添加前に異なる組み合わせで組み合わせることができる、複数の溶液および/または成分から成ることができる。したがって、たとえば、400mM KOHおよび10mM EDTAの溶液、および100mMジチオスレイトールの溶液は、細胞へ別々に加えることができる。同様に、本開示のキットは、細胞への添加前に組み合わせて溶解溶液を形成するかまたは細胞への別々の添加のための、複数の溶液および/または成分から成ることができる。ストック溶解溶液を希釈して、本開示の方法における使用のための最終溶解溶液を形成することができる。ストック溶解溶液は、溶解溶液についてここで記載された任意の濃度、またはここで記載されたどの溶解溶液または溶解溶液濃度よりも濃縮された任意の濃度を有することができる。溶解溶液成分の終濃度(試料との混合後)は、溶解溶液についてここで記載された任意の濃度であることができる。溶解溶液成分の有用な終濃度は、50mM KOH、12.5mMジチオスレイトール、および1.25mM EDTAであることができる。
G.安定化溶液
本開示の方法では、細胞溶解物または試料のpHは、安定化したかまたは中性化した細胞溶解物、または安定化したかまたは中性化した試料を生じるために低下させることができる。安定化溶液は一般的に、ここで別に記載した通り、アルカリ性条件に曝露された細胞溶解物または試料のpHを低下させることのできる溶液である。一部の実施形態では、安定化溶液は酸を含みうる。有用な酸は、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、アセチルサリチル酸、アスコルビン酸、炭酸、クエン酸、ギ酸、硝酸、過塩素酸、HF、HBr、HI、HS、HCN、HSCN、HClO、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、および任意のカルボン酸(エタン酸、プロパン酸、ブタン酸、など、直鎖または分枝鎖カルボン酸の両方を含む)。一部の実施形態では、安定化溶液は緩衝剤を含みうる。有用な緩衝剤は、トリス−HCl、HEPES、「グッド(Good)」緩衝剤(たとえばBES、BICINE、CAPS、EPPS、HEPES、MES、MOPS、PIPES、TAPS、TES、およびTRICINE)、カコジル酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸トリエチルアンモニウム、重炭酸トリエチルアンモニウム、トリス、ビス−トリス、およびビス−トリスプロパンを含む。有用な安定化溶液の処方は、800mMトリス−HClを含む安定化溶液;800mMトリス−HClを含むpH4.1の安定化溶液、および800mMトリス−HCl、pH4.1から成る安定化溶液を含む。有用な安定化溶液の処方は、800mMトリス−HClを含むpH4の安定化溶液、および800mMトリス−HCI、pH4から成る安定化溶液を含む。他の有用な安定化溶液の処方は、160mMトリス−HClを含む安定化溶液;160mMトリス−HClを含むpH4.1の安定化溶液、および160mMトリス−HCl、pH4.1から成る安定化溶液を含む。他の有用な安定化溶液の処方は、160mMトリス−HClを含む安定化溶液;160mMトリス−HClを含むpH4の安定化溶液、および160mMトリス−HCl、pH4から成る安定化溶液を含む。安定化溶液は使用前に希釈しうる。そのような場合には、反応に加える安定化溶液の量は一般的に、比例的に増加させることができる。
一部の実施形態では、安定化溶液は複数の酸性物質を含みうる。ここでは、酸性物質とは、溶液中に酸を形成する化合物、組成物または溶液である。一部の実施形態では、安定化溶液は複数の緩衝剤を含みうる。酸性緩衝試薬とは、溶液中に酸を形成する緩衝剤である。一部の実施形態では、安定化溶液は1つ以上の酸、酸性物質、緩衝剤および緩衝試薬の組み合わせを含みうる。
安定化した細胞溶解物または安定化した試料とは、そのpHが中性範囲(約pH6.0ないし約pH9.0)にある細胞溶解物または試料である。有用な安定化した細胞溶解物および試料は、細胞溶解物中での核酸の複製を可能にするpHを有する。たとえば、安定化した細胞溶解物または試料のpHは、有用には、DNAポリメラーゼが機能しうるpHである。細胞溶解物または試料のpHは、細胞溶解物または試料を安定化溶液と混合することによって低下させることができる。
細胞溶解物または試料と混合する安定化溶液の量は、中性範囲(または他の希望のpH値)へのpHの低下を生じる量であることができる。一般的に、この容量は細胞溶解物/安定化溶液混合物のまたは試料/安定化溶液混合物のpHの関数となる。したがって、細胞溶解物または試料と混合すべき安定化溶液の量は、一般的に、細胞溶解物または試料の容量、そのpHおよび緩衝能、および安定化緩衝液の酸濃度から決定することができる。たとえば、pHを十分に低下させるためには、より弱い酸および/またはより低濃度の酸を含む安定化溶液に必要な容量よりも、より強い酸および/またはより高濃度の酸を含むより少ない容量の安定化溶液が必要となる。(希望のpHを生じるために)細胞溶解物または試料が等しい容量の安定化溶液と混合されるように、安定化溶液を処方することができる。
たとえば、安定化溶液は、約1.0ないし約6.0、約2.0ないし約6.0、約3.0ないし約6.0、約3.5ないし約6.0、約4.0ないし約6.0、約4.5ないし約6.0、約5.0ないし約6.0、約5.5ないし約6.0、約1.0ないし約5.5、約2.0ないし約5.5、約3.0ないし約5.5、約3.5ないし約5.5、約4.0ないし約5.5、約4.5ないし約5.5、約5.0ないし約5.5、約1.0ないし約5.0、約2.0ないし約5.0、約3.0ないし約5.0、約3.5ないし約5.0、約4.0ないし約5.0、約4.5ないし約5.0、約1.0ないし約4.5、約2.0ないし約4.5、約3.0ないし約4.5、約3.5ないし約4.5、約4.0ないし約4.5、約1.0ないし約4.0、約2.0ないし約4.0、約3.0ないし約4.0、約3.5ないし約4.0、約1.0ないし約3.5、約2.0ないし約3.5、約3.0ないし約3.5、約1.0ないし約3.0、約2.0ないし約3.0、約1.0ないし約2.5、約2.0ないし約2.5、約1.0ないし約2.0、約1.0、約2.0、約2.5、約3.0、約3.5、約4.0、約4.5、約5.0、約5.5、または約6.0のpHを有する溶液であることができる。
安定化溶液は、たとえば、約100mMないし約1M、約100mMないし約900mM、約100mMないし約800mM、約100mMないし約700mM、約100mMないし約600mM、約100mMないし約500mM、約100mMないし約400mM、約100mMないし約300mM、約100mMないし約200mM、約200mMないし約1M、約200mMないし約900mM、約200mMないし約800mM、約200mMないし約700mM、約200mMないし約600mM、約200mMないし約500mM、約200mMないし約400mM、約200mMないし約300mM、約300mMないし約1M、約300mMないし約900mM、約300mMないし約800mM、約300mMないし約700mM、約300mMないし約600mM、約300mMないし約500mM、約300mMないし約400mM、約400mMないし約1M、約400mMないし約900mM、約400mMないし約800mM、約400mMないし約700mM、約400mMないし約600mM、約400mMないし約500mM、約500mMないし約1M、約500mMないし約900mM、約500mMないし約800mM、約500mMないし約700mM、約500mMないし約600mM、約600mMないし約1M、約600mMないし約900mM、約600mMないし約800mM、約600mMないし約700mM、約700mMないし約1M、約700mMないし約900mM、約700mMないし約800mM、約800mMないし約1M、約800mMないし約900mM、約900mMないし約1M、約100mM、約200mM、約300mM、約400mM、約500mM、約600mM、約700mM、約800mM、約900mM、または約1Mの成分濃度を有することができる。
安定化溶液成分の終濃度は、たとえば、約100mMないし約1M、約100mMないし約900mM、約100mMないし約800mM、約100mMないし約700mM、約100mMないし約600mM、約100mMないし約500mM、約100mMないし約400mM、約100mMないし約300mM、約100mMないし約200mM、約200mMないし約1M、約200mMないし約900mM、約200mMないし約800mM、約200mMないし約700mM、約200mMないし約600mM、約200mMないし約500mM、約200mMないし約400mM、約200mMないし約300mM、約300mMないし約1M、約300mMないし約900mM、約300mMないし約800mM、約300mMないし約700mM、約300mMないし約600mM、約300mMないし約500mM、約300mMないし約400mM、約400mMないし約1M、約400mMないし約900mM、約400mMないし約800mM、約400mMないし約700mM、約400mMないし約600mM、約400mMないし約500mM、約500mMないし約1M、約500mMないし約900mM、約500mMないし約800mM、約500mMないし約700mM、約500mMないし約600mM、約600mMないし約1M、約600mMないし約900mM、約600mMないし約800mM、約600mMないし約700mM、約700mMないし約1M、約700mMないし約900mM、約700mMないし約800mM、約800mMないし約1M、約800mMないし約900mM、約900mMないし約1M、約100mM、約200mM、約300mM、約400mM、約500mM、約600mM、約700mM、約800mM、約900mM、または約1Mであることができる。
安定化溶液は、細胞溶解物および試料へ別々に加えることができるかまたは、細胞溶解物および試料への添加前に異なる組み合わせで組み合わせることができる、複数の溶液および/または成分から成ることができる。したがって、たとえば、緩衝剤の溶液および酸の溶液は細胞へ別々に加えることができる。同様に、本開示のキットは、細胞溶解物または試料への添加前に組み合わせて安定化溶液を形成するかまたは細胞溶解物または試料への別々の添加のための、複数の溶液および/または成分から成ることができる。ストック安定化溶液を希釈して、本開示の方法における使用のための最終安定化溶液を形成することができる。ストック安定化溶液は、安定化溶液についてここで記載された任意の濃度、またはここで記載されたどの安定化溶液または安定化溶液濃度よりも濃縮された任意の濃度を有することができる。安定化溶液成分の終濃度(試料との混合後)は、安定化溶液についてここで記載された任意の濃度であることができる。溶解溶液成分の有用な終濃度は、80mMトリス−HClであることができる。
ここでは、中性化溶液とは安定化溶液の一種である。中性化した細胞溶解物、中性化した試料、および他の中性化した成分または溶液への言及は、安定化した細胞溶解物、安定化した試料、または他の安定化した成分または溶液の同等物と考えられる。
H.変性溶液
本開示の方法の一部の形式では、試料を変性溶液と混合することによって、DNA試料を変性条件に曝露することができる。変性溶液は一般的に、加熱といった他の条件と組み合わせて、DNA試料中のDNAの相当な変性を引き起こすように試料のpHを十分に上げることができる溶液である。相当な変性とは、試料中のDNA分子の90%以上におけるヌクレオチドの90%以上の変性をいう。この場合、ヌクレオチドの変性とは、物理的に処理によって変性したかまたは試料中で既に対形成していなかった、対形成していないヌクレオチドをいう。溶解溶液が変性溶液に必要な作用を有しうる限りは、溶解溶液を変性溶液として用いることができる。
一部の実施形態では、変性溶液は塩基水溶液といった塩基を含みうる。有用な塩基は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、アンモニア、アニリン、ベンジルアミン、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミン、ジフェニルアミン、エチルアミン、エチレンジアミン、メチルアミン、N−メチルアニリン、モルホリン、ピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、水酸化アルミニウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、およびDBU(1,8−ジアゾビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン)を含む。有用な変性溶液の処方は、約150mMないし約500mMNaOHを含む変性溶液、約150mMないし約500mMNaOHを含む変性溶液、および約150mMないし約500mMNaOHから成る変性溶液を含む。変性溶液は使用前に希釈しうる。そのような場合には、反応に加える変性溶液の量は一般的に、比例的に増加させることができる。
一部の実施形態では、変性溶液は複数の塩基性物質を含みうる。ここでは、塩基性物質とは、変性条件を結果として生じる化合物、組成物または溶液である。一部の実施形態では、変性溶液は緩衝剤を含みうる。有用な緩衝剤は、リン酸緩衝剤、「グッド(Good)」緩衝剤(たとえばBES、BICINE、CAPS、EPPS、HEPES、MES、MOPS、PIPES、TAPS、TES、およびTRICINE)、カコジル酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸トリエチルアンモニウム、重炭酸トリエチルアンモニウム、トリス、ビス−トリス、およびビス−トリスプロパンを含む。変性溶液は複数の緩衝剤を含みうる。ここでは、緩衝試薬とは、緩衝剤として作用する化合物、組成物または溶液である。アルカリ性緩衝試薬とは、アルカリ性条件を結果として生じる緩衝剤である。一部の実施形態では、変性溶液は1つ以上の塩基、塩基性物質、緩衝剤および緩衝試薬の組み合わせを含みうる。
DNA試料と混合する変性溶液の量は、加熱といった他の条件と組み合わせて、DNA試料中のDNAの相当な変性を引き起こす量であることができる。一般的に、この容量は試料/変性溶液混合物のpH、イオン強度、および温度の関数となる。したがって、DNA試料と混合すべき変性溶液の量は、一般的に、DNA試料の容積、変性緩衝液のアルカリ濃度、および結果として生じる混合物を加熱すべき温度から決定することができる。たとえば、所定の温度では、十分な変性条件を作り出すためには、より弱い塩基および/またはより低濃度の塩基を含む変性溶液に必要な容量よりも、より強い塩基および/またはより高濃度の塩基を含むより少ない容量の変性溶液が必要となる。(希望の変性条件を生じるために)DNA試料が、たとえば、10分の1容量の変性溶液と混合されるように、変性溶液を処方することができる。
たとえば、変性溶液は、約9.0ないし約13.0、約9.5ないし約13.0、約10.0ないし約13.0、約10.5ないし約13.0、約11.0ないし約13.0、約11.5ないし約13.0、約12.0ないし約13.0、約9.0ないし約12.0、約9.5ないし約12.0、約10.0ないし約12.0、約10.5ないし約12.0、約11.0ないし約12.0、約11.5ないし約12.0、約9.0ないし約11.5、約9.5ないし約11.5、約10.0ないし約11.5、約10.5ないし約11.5、約11.0ないし約11.5、約9.0ないし約11.0、約9.5ないし約11.0、約10.0ないし約11.0、約10.5ないし約11.0、約9.0ないし約10.5、約9.5ないし約10.5、約10.0ないし約10.5、約9.0ないし約10.0、約9.5ないし約10.0、約9.0ないし約9.5、約9.0、約9.5、約10.0、約10.5、約11.0、約11.5、約12.0、約12.5、または約13.0のpHを有する溶液であることができる。
変性溶液は、たとえば、約10mMないし約1M、約10mMないし約900mM、約10mMないし約800mM、約10mMないし約700mM、約10mMないし約600mM、約10mMないしabout500mM、約10mMないし約400mM、約10mMないし約300mM、約10mMないし約200mM、約10mMないし約100mM、約10mMないし約90mM、約10mMないし約80mM、約10mMないし約70mM、約10mMないし約60mM、約10mMないし約50mM、約10mMないし約40mM、約10mMないし約30mM、約10mMないし約20mM、約20mMないし約1M、約20mMないし約900mM、約20mMないし約800mM、約20mMないし約700mM、約20mMないし約600mM、約20mMないし約500mM、約20mMないし約400mM、約20mMないし約300mM、約20mMないし約200mM、約20mMないし約100mM、約20mMないし約90mM、約20mMないし約80mM、約20mMないし約70mM、約20mMないし約60mM、約20mMないし約50mM、約20mMないし約40mM、約20mMないし約30mM、約30mMないし約1M、約30mMないし約900mM、約30mMないし約800mM、約30mMないし約700mM、約30mMないし約600mM、約30mMないし約500mM、約30mMないし約400mM、約30mMないし約300mM、約30mMないし約200mM、約30mMないし約100mM、約30mMないし約90mM、約30mMないし約80mM、約30mMないし約70mM、約30mMないし約60mM、約30mMないし約50mM、約30mMないし約40mM、約40mMないし約1M、約40mMないし約900mM、約40mMないし約800mM、約40mMないし約700mM、約40mMないし約600mM、約40mMないし約500mM、約40mMないし約400mM、約40mMないし約300mM、約40mMないし約200mM、約40mMないし約100mM、約40mMないし約90mM、約40mMないし約80mM、約40mMないし約70mM、約40mMないし約60mM、約40mMないし約50mM、約50mMないし約1M、約50mMないし約900mM、約50mMないし約800mM、約50mMないし約700mM、約50mMないし約600mM、約50mMないし約500mM、約50mMないし約400mM、約50mMないし約300mM、約50mMないし約200mM、約50mMないし約100mM、約50mMないし約90mM、約50mMないし約80mM、約50mMないし約70mM、約50mMないし約60mM、約60mMないし約1M、約60mMないし約900mM、約60mMないし約800mM、約60mMないし約700mM、約60mMないし約600mM、約60mMないし約500mM、約60mMないし約400mM、約60mMないし約300mM、約60mMないし約200mM、約60mMないし約100mM、約60mMないし約90mM、約60mMないし約80mM、約60mMないし約70mM、約70mMないし約1M、約70mMないし約900mM、約70mMないし約800mM、約70mMないし約700mM、約70mMないし約600mM、約70mMないし約500mM、約70mMないし約400mM、約70mMないし約300mM、約70mMないし約200mM、約70mMないし約100mM、約70mMないし約90mM、約70mMないし約80mM、約80mMないし約1M、約80mMないし約900mM、約80mMないし約800mM、約80mMないし約700mM、約80mMないし約600mM、約80mMないし約500mM、約80mMないし約400mM、約80mMないし約300mM、約80mMないし約200mM、約80mMないし約100mM、約80mMないし約90mM、約90mMないし約1M、約90mMないし約900mM、約90mMないし約800mM、約90mMないし約700mM、約90mMないし約600mM、約90mMないし約500mM、約90mMないし約400mM、約90mMないし約300mM、約90mMないし約200mM、約90mMないし約100mM、約100mMないし約1M、約100mMないし約900mM、約100mMないし約800mM、約100mMないし約700mM、約100mMないし約600mM、約100mMないし約500mM、約100mMないし約400mM、約100mMないし約300mM、約100mMないし約200mM、約200mMないし約1M、約200mMないし約900mM、約200mMないし約800mM、約200mMないし約700mM、約200mMないし約600mM、約200mMないし約500mM、約200mMないし約400mM、約200mMないし約300mM、約300mMないし約1M、約300mMないし約900mM、約300mMないし約800mM、約300mMないし約700mM、約300mMないし約600mM、約300mMないし約500mM、約300mMないし約400mM、約400mMないし約1M、約400mMないし約900mM、約400mMないし約800mM、約400mMないし約700mM、約400mMないし約600mM、約400mMないし約500mM、約500mMないし約1M、約500mMないし約900mM、約500mMないし約800mM、約500mMないし約700mM、約500mMないし約600mM、約600mMないし約1M、約600mMないし約900mM、約600mMないし約800mM、約600mMないし約700mM、約700mMないし約1M、約700mMないし約900mM、約700mMないし約800mM、約800mMないし約1M、約800mMないし約900mM、約900mMないし約1M、約10mM、約20mM、約30mM、約40mM、約50mM、約60mM、約70mM、約80mM、約90mM、約100mM、約200mM、約300mM、約400mM、約500mM、約600mM、約700mM、約800mM、約900mM、または約1Mの成分濃度を有することができる。
変性溶液は、DNA試料へ別々に加えることができるかまたは、DNA試料への添加前に異なる組み合わせで組み合わせることができる、複数の溶液および/または成分から成ることができる。したがって、たとえば、緩衝剤の溶液、および塩基の溶液は、試料へ別々に加えることができる。同様に、本開示のキットは、DNA試料への添加前に組み合わせて変性溶液を形成するかまたは試料への別々の添加のための、複数の溶液および/または成分から成ることができる。ストック変性溶液を希釈して、本開示の方法における使用のための最終変性溶液を形成することができる。ストック変性溶液は、変性溶液についてここで記載された任意の濃度、またはここで記載されたどの変性溶液または変性溶液濃度よりも濃縮された任意の濃度を有することができる。変性溶液成分の終濃度(試料との混合後)は、変性溶液についてここで記載された任意の濃度であることができる。
I.核酸フィンガープリント
本開示の方法は、核酸の複雑な試料の核酸フィンガープリントの役割を果たす複製された鎖を作成するのに用いることができる。そのような核酸フィンガープリントは、他の、同様に調製された、他の核酸試料の核酸フィンガープリントと比較して、試料間の差の便利な検出を可能にするために用いることができる。核酸フィンガープリントは、関連する核酸試料の検出、および、核酸試料の比較の両方に用いることができる。たとえば、特定の生物の存在または同定は、その被験生物の核酸フィンガープリントを作製し、および結果として生じる核酸フィンガープリントを、既知の生物から調製された参照核酸フィンガープリントと比較することによって検出できる。遺伝子発現パターンにおける変化および差異はまた、異なる細胞試料に由来するmRNAの核酸フィンガープリントを調製し、および、その核酸フィンガープリントを比較することによって検出できる。複製された鎖はまた核酸試料の起源に特異的である一組のプローブまたはプライマーを作製するのに用いることができる。複製された鎖はまた、試料中に存在する核酸配列のライブラリとして用いることができる。核酸フィンガープリントは、試料の関係する核酸内容全体が実質的に発現するように、試料の全ゲノム増幅から成るかまたはそれに由来するか、または、試料中の選択された標的配列の複数鎖置換増幅に由来することができる。
核酸フィンガープリントは、後日の使用のために保存または保管することができる。たとえば、本開示の方法で製造された複製鎖は、溶液中で、冷凍して、またはアレイのような基材に付着または接着して、物理的に保存することができる。アレイでの保存は、目的の任意の試料中の核酸に由来する、保存プローブ組を提供するために有用である。別の一例として、核酸フィンガープリントの、またはそれに由来する、情報内容もまた保存することができる。そのような情報は、たとえば、コンピューター読み取り可能媒体に、または、そのような媒体として、保存することができる。核酸フィンガープリントの情報内容の例は、核酸配列情報(完全または一部);一つの試料中に存在するが別の試料中には存在しない配列のような、差分核酸配列情報;たとえば、核酸アレイ、組、チップ、または他の複製された鎖への複製鎖のハイブリダイゼーションパターンを含む。本開示の方法で作製された核酸フィンガープリントおよび複製鎖であるかまたはそれらに由来しうる多数の他のデータはまた、収集、使用、記録、保存、および/または保管することができる。
核酸フィンガープリントはまた、本開示の方法で作製された情報に由来する他の情報を含むかまたはそれから成ることができ、および任意の他の起源から得られたかまたは作製された情報と組み合わせることができる。本開示の方法を用いて作製した核酸フィンガープリントの情報性質は、既知の生物情報科学系および方法を用いる組み合わせおよび/または分析に役立つ。
核酸試料の核酸フィンガープリントは、任意の他の試料に由来する同様の核酸フィンガープリントと比較して、試料中の類似性および差異(試料中の核酸の類似性および差異を示す)を検出することができる。たとえば、第1の核酸試料の核酸フィンガープリントを、第1の核酸試料と同一の種類の生物に由来する試料、第1の核酸試料と同一の種類の組織に由来する試料、第1の核酸試料と同一の種類の生物に由来する試料、第1の核酸試料と同一起源からしかし異なる時に得られた試料、第1の核酸試料とは異なる生物に由来する試料、第1の核酸試料とは異なる種類の組織に由来する試料、第1の核酸試料とは異なる系統の生物に由来する試料、第1の核酸試料とは異なる種の生物に由来する試料、または第1の核酸試料とは異なる種類の生物に由来する試料の核酸フィンガープリントと比較することができる。
同一の種類の組織とは、肝組織、筋肉組織、または皮膚(同一のまたは異なる生物または種類の生物に由来しうる)といった同一の種類の組織である。同一の生物とは、同一個体、動物、または細胞をいう。たとえば、ひとりの患者から採取した2つの試料は同一の生物に由来する。同一の起源とは同様であるがより幅広く、たとえば、同一の生物、同一の生物由来の同一の組織、同一のDNA分子、または同一のDNAライブラリに由来する試料をいう。同一の起源に由来する比較すべき試料は別々の時間に採取することができる(そのようにして経時変化の可能性を検出可能にする)。これは、処理または条件変化の作用を評価すべき場合に特に有用である。異なる処理を受けた同一の起源に由来する試料もまた、本開示の方法の方法を用いて採取および比較することができる。異なる生物とは、異なる生物個体、たとえば異なる患者、異なる動物個体をいう。異なる生物とは、同一の種類の異なる生物、または異なる種類の生物を含む。異なる種類の生物とは、イヌとネコ、ヒトとマウス、または大腸菌(E.coli)とサルモネラ菌(Salmonella)といった異なる種類の生物をいう。異なる種類の組織とは、肝臓と腎臓、または皮膚と脳といった、異なる種類の組織をいう。異なる系統または種の生物とは、本分野で理解される通りの用語として、種または系統表示の異なる生物をいう。
J.固相検出器
固相検出器とは、アドレスプローブまたは検出分子を結合してある基材または担体である。好ましい種類の固相検出器はアレイ検出器である。アレイ検出器とは、複数の異なるアドレスプローブまたは検出分子をアレイ、格子、または他の組織化されたパターンで結合してある固相検出器である。
固相検出器における使用のための基材は、オリゴヌクレオチドを結合させることができる任意の固体材料を含むことができる。これは、アクリルアミド、セルロース、ニトロセルロース、ガラス、金、ポリスチレン、ポリエチレンビニルアセテート、ポリプロピレン、ポリメタクリレート、ポリエチレン、ポリエチレンオキサイド、ガラス、ポリシリケート、ポリカーボネート、テフロン、フルオロカーボン、ナイロン、シリコンゴム、ポリ無水物、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリオルトエステル、官能基化シラン、ポリプロピルフマラート、コラーゲン、グリコサミノグリカン、およびポリアミノ酸といった材料を含む。基材は、チューブ、試験管、エッペンドルフチューブ、ベッセル、マイクロベッセル、プレート、ウェル、マイクロウェルプレートのウェル、マイクロタイタープレートのウェル、チャンバー、マイクロ流体チャンバー、マイクロマシンチャンバー、密閉チャンバー、ホール、凹部、小窪、シャーレ、表面、膜、マイクロアレイ、ファイバー、グラスファイバー、光ファイバー、ファイバー織物、フィルム、ビーズ、瓶、チップ、コンパクトディスク、成型ポリマー、粒子および微粒子を含む任意の有用な形を持つことができる。チップとは材料の長方形または正方形の小片である。表面および他の反応チャンバーは商品であることができる。基材用の好ましい形式は薄フィルム、ビーズ、またはチップである。
基材上に固定化されたアドレスプローブは、本開示の増幅法の産物の、固相検出器上への捕捉を可能にする。そのような捕捉は、以降の検出段階に干渉しうる反応成分を洗浄除去する便利な方法を提供する。異なるアドレスプローブを固相検出器の異なる領域に結合させることによって、異なる増幅産物を、固相検出器上の異なる、およびしたがって診断用の位置に捕捉することができる。たとえば、多重測定法では、多数の異なる増幅核酸(それぞれが、異なるプライマーの組によって増幅された異なる標的配列を発現する)に特異的なアドレスプローブを、それぞれ異なる位置でアレイに固定化することができる。捕捉および検出は、対応する標的配列が試料中に存在した増幅核酸に対応するアレイ位置だけで起こる。
オリゴヌクレオチドの基材への固定化のための方法はよく確立されている。アドレスプローブおよび検出プローブを含めてオリゴヌクレオチドは、確立された結合方法を用いて基材に結合することができる。たとえば、適当な結合方法はピース(Pease)他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91 (11): 5022−5026 (1994)、およびクラプコ(Khrapko)他,Mol Biol (Mosk) (USSR) 25: 718−730 (1991)によって記載されている。3'−アミンオリゴヌクレオチドのカゼイン被覆スライド上への固定化のための方法は、スティンプソン(Stimpson)他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92: 6379−6383 (1995)によって記載されている。オリゴヌクレオチドを基材へ結合する好ましい方法が、グオ(Guo)他,Nucleic Acids Res.22: 5456−5465(1994)によって記載されている。核酸チップおよびアレイの例は、そのようなチップおよびアレイを作製および使用する方法を含め、米国特許第6,287,768号明細書、米国特許第6,288,220号明細書、米国特許第6,287,776号明細書、米国特許第6,297,006号明細書、および米国特許第6,291,193号明細書に記載されている。
K.固相試料
固相試料とは、標的配列またはMDA産物(すなわち、複製された鎖)を結合または付着させてある基材または担体である。標的配列は好ましくは標的試料または測定試料中で送られる。固相試料の好ましい一形態はアレイ試料である。アレイ試料とは、複数個の異なる標的配列を、アレイ、グリッド、または他の組織化されたパターンで結合または付着してある固相試料である。
固相試料における使用のための固相基材は、標的配列を結合または付着させることができる任意の固体材料を含むことができる。これは、アクリルアミド、セルロース、ニトロセルロース、ガラス、金、ポリスチレン、ポリエチレンビニルアセテート、ポリプロピレン、ポリメタクリレート、ポリエチレン、ポリエチレンオキサイド、ガラス、ポリシリケート、ポリカーボネート、テフロン、フルオロカーボン、ナイロン、シリコンゴム、ポリ無水物、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリオルトエステル、官能基化シラン、ポリプロピルフマラート、コラーゲン、グリコサミノグリカン、およびポリアミノ酸といった材料を含む。基材は、チューブ、試験管、エッペンドルフチューブ、ベッセル、マイクロベッセル、プレート、ウェル、マイクロウェルプレートのウェル、マイクロタイタープレートのウェル、チャンバー、マイクロ流体チャンバー、マイクロマシンチャンバー、密閉チャンバー、ホール、凹部、小窪、シャーレ、表面、膜、マイクロアレイ、ファイバー、グラスファイバー、光ファイバー、ファイバー織物、フィルム、ビーズ、瓶、チップ、コンパクトディスク、成型ポリマー、粒子および微粒子を含む任意の有用な形を持つことができる。チップとは材料の長方形または正方形の小片である。表面および他の反応チャンバーは商品であることができる。基材用の好ましい形式は薄フィルム、ビーズ、またはチップである。
基材上に固定化された標的配列は、基材上に局在化された標的特異的増幅核酸の形成を可能にする。そのような局在化は、以降の検出段階に干渉しうる反応成分を洗浄除去する便利な方法、および複数の異なる試料を同時に測定する便利な方法を提供する。増幅核酸は、異なる試料が接着している個々の場所で独立して形成されうる。固相試料を作製するための、標的配列または他のオリゴヌクレオチド分子の固定化のために、上記の方法を用いることができる。本開示の方法で作製された核酸は、任意の適当な方法で固相基材へ結合または接着することができる。たとえば、鎖置換複製によって作製した核酸の3’末端へ、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼを用いて修飾ヌクレオチドを付加し、およびその修飾ヌクレオチドを基材または担体と反応させそれによって核酸を基材または担体と結合させることによって、複数鎖置換によって生じた核酸を結合させることができる。
基材の好ましい一形式は、最大256個の個別の標的試料が小さい点のアレイとして接着してあるスライドガラスである。各点は好ましくは直径0.1ないし2.5mmであり、および非常に好ましくは直径約2.5mmである。そのようなマイクロアレイは、シェーナ(Schena)他,Science 270: 487−470(1995)によって記載された方法を用いて作製することができる。要約すると、1つのプリントチップを備えたアレイ作製装置を用いて、ポリ−L−リジン被覆顕微鏡スライド(シグマ社(Sigma))上にマイクロアレイを作製することができる。チップには、たとえば、96ウェルマイクロタイタープレートからDNA試料(0.5mg/ml)1μlを負荷し、スライド当たり〜0.005μlを複数のスライド上に希望の間隔で着ける。印刷されたスライドは次いで加湿チャンバー内で2時間再水和し、100℃にて1分間急速乾燥し、0.1%SDSで洗浄し、および50%1−メチル−2−ピロリドンおよび50%ホウ酸から成る緩衝液で調製した0.05%無水コハク酸で処理することができる。スライド上のDNAを次いで、たとえば、蒸留水中で2分間90℃にて使用直前に変性することができる。マイクロアレイ固相試料は、たとえば、コンピューター制御XY試料台および顕微対物レンズを備えたレーザー蛍光スキャナーでスキャンすることができる。混合ガス、マルチラインレーザーは、複数の蛍光団の連続的励起を可能にする。
L.検出標識
本開示の方法を用いて増幅した核酸の検出および定量を助けるために、検出標識を、増幅された核酸に直接組み込むことができ、または検出分子と結合させることができる。ここでは、検出標識とは、増幅された核酸と直接にまたは間接に結合させることができ、および直接にまたは間接に測定可能な検出可能なシグナルを結果として生じる、任意の分子である。核酸への組み込みまたは核酸プローブとの結合のための多数のそのような標識が当業者に既知である。本開示の方法における使用に適した検出標識の例は、放射性同位体、蛍光分子、燐光分子、酵素、抗体、およびリガンドである。
適当な検出標識の例は、フルオレセインイソチオシアナート(FITC)、5,6−カルボキシメチルフルオレセイン、テキサスレッド、ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イル(NBD)、クマリン、塩化ダンシル、ローダミン、アミノメチルクマリン(AMCA)、エオシン、エリスロシン、BODIPY(登録商標)、カスケードブルー(登録商標)、オレゴングリーン(登録商標)、ピレン、リサミン、キサンチン、アクリジン、オキサジン、フィコエリトリン、クォンタムダイ(quantumdye)(商標)のようなランタノイドイオンの巨大環式キレート、チアゾールオレンジ−エチジウムヘテロ二量体のような蛍光エネルギー転移色素、およびシアニン色素Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5およびCy7を含む。他の特異的蛍光標識の例は、3−ヒドロキシピレン5,8,10−トリスルホン酸,5−ヒドロキシトリプタミン(5−HT)、酸性フクシン、アリザリンコンプレキソン、アリザリンレッド、アロフィコシアニン、アミノクマリン、ステアリン酸アントロイル、アストラゾンブリリアントレッド4G、アストラゾンオレンジR、アストラゾンレッド6B、アストラゾンイエロー7GLL、アタブリン、オーラミン、オーロホスフィン、オーロホスフィンG、BAO9(ビスアミノフェニルオキサジアゾール)、BCECF、硫酸ベルベリン、ビスベンズアミド、ブランコフォアFFG溶液、ブランコフォアSV、BodipyF1、ブリリアントスルホフラビンFF、カルセインブルー、カルシウムグリーン、カルコフルオルRW溶液、カルコフルオルホワイト、カルコフォアホワイトABT溶液、カルコフォアホワイト標準溶液、カルボスチリル、カスケードイエロー、カテコールアミン、キナクリン、コリホスフィンO、クマリン−ファロイジン、CY3.18、CY5.18、CY7、ダンス(1−ジメチルアミノナファリン5スルホン酸)、ダンサ(ジアミノナフチルスルホン酸)、ダンシルNH−CH3、ジアミノフェニルオキシジアゾール(DAO)、ジメチルアミノ−5−スルホン酸、ジピロメテンボロンジフルオリド、ジフェニルブリリアントフラビン7GFF、ドーパミン、エリスロシンITC、ユークリシン、FIF(ホルムアルデヒド誘導性蛍光)、フラゾオレンジ、フルオ3、フルオレサミン、フラ−2、ジェナクリルブリリアントレッドB、ジェナクリルブリリアントイエロー10GF、ジェナクリルピンク3G、ジェナクリルイエロー5GF、グロキザル酸、グラニュラーブルー、ヘマトポルフィリン、インド−1、イントラホワイトCfリキッド、リューコフォアPAF、リューコフォアSF、リューコフォアWS、リサミンローダミンB200(RD200)、ルシファーイエローCH、ルシファーイエローVS、マグダラレッド、マリーナブルー、マキシロンブリリアントフラビン10GFF、マキシロンブリリアントフラビン8GFF、MPS(メチルグリーンピロニンスティルベン)、ミトラマイシン、NBDアミン、ニトロベンゾキサジドール、ノルアドレナリン、ヌクレアーファストレッド、ヌクレアーイエロー、ナイロサンブリリアントフラビンE8G、オキサジアゾール、パシフィックブルー、パラロスアニリン(フォイルゲン)、フォアワイトAR溶液、フォアワイトBKL、フォアワイトRev、フォアワイトRPA、ホスフィン3R、フタロシアニン、フィコエリトリンR、ポリアザインデセン ポントクロムブルーブラック、ポルフィリン、プリムリン、プロシオンイエロー、ピロニン、ピロニンB、ピロザールブリリアントフラビン7GF、キナクリンマスタード、ローダミン123、ローダミン5GLD、ローダミン6G、ローダミンB、ローダミンB200、ローダミンBエキストラ、ローダミンBB、ローダミンBG、ローダミンWT、セロトニン、セブロンブリリアントレッド2B、セブロンブリリアントレッド4G、セブロンブリリアントレッドB、セブロンオレンジ、セブロンイエローL、SITS(プリムリン)、SITS(スティルベンイソチオスルホン酸)、スティルベン、スナーフ1、スルホローダミンBキャンC、スルホローダミンGエキストラ、テトラサイクリン、チアジンレッドR、チオフラビンS、チオフラビンTCN、チオフラビン5、チオライト、チオゾールオレンジ、チノポールCBS、トゥルーブルー、ウルトラライト、ウラニンB、ユビテックスSFC、キシレンオレンジ、およびXRITC.を含む。
好ましい蛍光標識は、フルオレセイン(5−カルボキシフルオレセイン−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)、ローダミン(5,6−テトラメチルローダミン)、およびシアニン色素Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5およびCy7である。これらの蛍光団の吸収極大および放射極大はそれぞれ:FITC(490nm;520nm)、Cy3(554nm;568nm)、Cy3.5(581nm;588nm)、Cy5(652nm:672nm)、Cy5.5(682nm;703nm)およびCy7(755nm;778nm)であり、したがってそれらの同時検出が可能である。フルオレセイン色素の他の例は、6−カルボキシフルオレセイン(6−FAM)、2',4',1,4,−テトラクロロフルオレセイン(TET)、2',4',5',7',1,4−ヘキサクロロフルオレセイン(HEX)、2',7'−ジメトキシ−4',5'−ジクロロ−6−カルボキシローダミン(JOE)、2'−クロロ−5'−フルオロ−7',8'−融合フェニル−1,4−ジクロロ−6−カルボキシフルオレセイン(NED)、および2'−クロロ−7'−フェニル−1,4−ジクロロ−6−カルボキシフルオレセイン(VIC)を含む。蛍光標識は、アマシャム・ファルマシア・バイオテク社(ニュージャージー州ピスカタウェイ)(Amersham Pharmacia Biotech,Piscataway,NJ);モレキュラー・プローブズ社(オレゴン州ユージン)(Molecular Probes,Eugene,OR); およびリサーチ・オーガニクス社(オハイオ州クリーブランド)(Research Organics,Cleveland,Ohio)を含むさまざまな販売者から入手可能である。
目的のその他の標識は、標識が結合しているプローブが標的分子へ特異的に結合している場合だけシグナルを与えるものを含み、ここでそのような標識はチャギ(Tyagi)およびクレーマー(Kramer),Nature Biotechnology (1996) 14: 303および欧州特許第0070685B1号明細書に記載された通りの「分子ビーコン」を含む。その他の目的の標識は、米国特許第5,563,037号明細書;国際公開第97/17471号パンフレットおよび国際公開第WO97/17076号パンフレットに記載されたものを含む。
標識化ヌクレオチドは、合成中に増幅産物へ直接組み込むことができるため、好ましい種類の検出 標識である。増幅された核酸へ組み込むことができる検出標識の例は、BrdUrd(5−ブロモデオキシウリジン,ホイ(Hoy)およびシムケ(Schimke),Mutation Research 290: 217−230(1993) )、アミノアリルデオキシウリジン(ヘネガリウ(Henegariu)他,Nature Biotechnology 18: 345−348 (2000))、5−メチルシトシン(サノ(Sano)他,Biochim.Biophys.Acta 951: 157−165 (1988))、ブロモウリジン(ワンシック(Wansick)他,J.Cell Biology 122: 283−293 (1993) )といったヌクレオチドアナログ、および、ビオチン (ランガー(Langer)他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78:6633(1981)またはジゴキシゲニンといった適当なハプテン(ケルクホフ(Kerkhof),Anal.Biochem.205: 359−364 (1992))を用いて修飾されたヌクレオチドを含む。適当な蛍光標識化ヌクレオチドは、フルオレセイン−イソチオシアナート−dUTP、シアニン−3−dUTPおよびシアニン−5−dUTPである(ユー(Yu)他,Nucleic Acids Res.,22: 3226−3232 (1994) )。DNAのための好ましいヌクレオチドアナログ検出標識は、BrdUrd(ブロモデオキシウリジン、BrdUrd、BrdU、BUdR、シグマ・アルドリッチ社(Sigma−Aldrich Co))である。DNAへの検出標識の組み込みに好ましい他のヌクレオチドアナログは、AA−dUTP(アミノアリル−デオキシウリジン三リン酸、シグマ・アルドリッチ社(Sigma−Aldrich Co))、および5−メチル−dCTP(ロシュ・モレキュラー・バイオケミカルズ社(Roche Molecular Biochemicals))である。RNAへの検出標識の組み込みに好ましいヌクレオチドアナログは、ビオチン−16−UTP(ビオチン−16−ウリジン−5'−三リン酸,ロシュ・モレキュラー・バイオケミカルズ社(Roche Molecular Biochemicals))である。フルオレセイン、Cy3、およびCy5は、直接標識化のためにdUTPへ結合することができる。Cy3.5およびCy7は、ビオチン標識化またはジゴキシゲニン標識化プローブの二次検出のための、アビジンまたは抗ジゴキシゲニン複合体として入手可能である。
ビオチンのような、増幅された核酸に組み込まれている検出標識は、その後に本分野でよく知られている高感度法を用いて検出することができる。たとえば、ビオチンは、ストレプトアビジン−アルカリホスファターゼ複合体(トロピックス社(Tropix,Inc.))を用いて検出することができ、この複合体はビオチンと結合しおよび続いて適当な基質(たとえば、化学発光基質CSPD:3−(4−メトキシスピロ−[1,2,−ジオキセタン−3−2'−(5'−クロロ)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン]−4−イル)フェニルホスフェート2ナトリウム;(トロピックス社(Tropix,Inc.))の化学発光によって検出される。標識はまた、たとえば、化学シグナル増幅を用いてまたは光(たとえば、化学発光1,2−ジオキセタン基質)または蛍光シグナルを生じる基質を酵素に用いることによって検出することができる、アルカリホスファターゼ、ダイズペルオキシダーゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼおよびポリメラーゼといった酵素であることができる。
これらの検出標識のうち2種類以上を組み合わせた分子もまた考えられる検出標識である。既知の検出標識のうち任意のものを、本開示の方法を用いて増幅した核酸を標識および検出するための、本開示のプローブ、タグ、および方法と共に用いることができる。検出標識によって生じたシグナルを検出および測定するための方法もまた当業者に既知である。たとえば、放射性同位体はシンチレーション計測または直接可視化によって検出することができる;蛍光分子は蛍光分光光度計を用いて検出することができる;リン光分子は分光光度計を用いて検出することができ、またはカメラを用いて直接的に可視化することができる;酵素は、酵素によって触媒される反応の産物の検出または視覚化によって検出することができる;抗体は、抗体と結合した二次検出標識を検出することによって検出できる。ここでは、検出分子とは、増幅された核酸と相互作用し、および1つ以上の検出標識が結合している分子である。
M.検出プローブ
検出プローブは、増幅された核酸上の検出タグと相補的な配列を有する標識化オリゴヌクレオチドである。検出プローブの相補的部分は、検出プローブと検出タグの間の特異的および安定なハイブリダイゼーションを支持する任意の長さでありうる。このために、10ないし35ヌクレオチドの長さが好ましく、検出プローブの相補的部分は長さ16ないし20ヌクレオチドが非常に好ましい。検出プローブは上記の検出標識のうち任意のものを含むことができる。好ましい標識はビオチンおよび蛍光分子である。特に好ましい検出プローブは分子ビーコンである。分子ビーコンとは、蛍光部分で標識化された検出プローブであり、ここでその蛍光部分は検出プローブがハイブリダイズした場合のみ蛍光を発する(チャギ(Tyagi)およびクレーマー(Kramer),Nature Biotechnol.14: 303−309(1995))。ハイブリダイズしなかった検出プローブはシグナルを生じないため、そのようなプローブの使用は、標識検出の前の、ハイブリダイズしなかったプローブの除去の必要性を無くす。このことは多重測定法において特に有用である。
N.アドレスプローブ
アドレスプローブとは、プライマー上のアドレスタグと相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドである。アドレスプローブの相補的部分は、アドレスプローブとアドレスタグの間の特異的および安定なハイブリダイゼーションを支持する任意の長さでありうる。このために、10ないし35ヌクレオチドの長さが好ましく、アドレスプローブの相補的部分は長さ12ないし18ヌクレオチドが非常に好ましい。アドレスプローブは単一の相補的部分または複数の相補的部分を含みうる。好ましくは,アドレスプローブは直接的にまたはスペーサー分子を介して、固相担体と結合している。アドレスプローブと固相担体のそのような組み合わせは、固相 検出器の好ましい一形式である。
O.オリゴヌクレオチド合成
プライマー、検出プローブ、アドレスプローブ、および任意の他のオリゴヌクレオチドは、確立されたオリゴヌクレオチド合成法を用いて合成することができる。オリゴヌクレオチドを製造または合成するための方法は本分野でよく知られている。そのような方法は標準的な酵素消化に続くヌクレオチド断片単離(たとえば、サムブルック(Sambrook)他,『分子クローニング:実験の手引き』第二版(Molecular Cloning : A Laboratory Manual,2nd Edition)(コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス社(Cold Spring Harbor Laboratory Press),ニューヨーク、コールド・スプリング・ハーバー(Cold Spring Harbor,N.Y.),1989)第5,6章を参照)から、たとえばシアノエチルホスホアミダイト法といった純粋に合成的な方法にわたることができる。DNA断片の固相化学合成は、保護ヌクレオシドであるシアノエチルホスホアミダイトを用いて定型的に実施されている(S.L.ビューケージ(Beaucage)他 (1981) Tetrahedron Lett.22: 1859)。この手法では、最初の5'−保護ヌクレオシドの3'−水酸基がまずポリマー担体に共有付加される (R.C.プレス(Pless)他 (1975) Nucleic Acids Res.2: 773 (1975))。オリゴヌクレオチドの合成は次いで、付加されたヌクレオシドの5'−水酸基の脱保護、その後の次のヌクレオシド−3'−ホスホアミダイトの脱保護された水酸基への結合によって進行する(M.D.マテウッチ(Matteucci)他 (1981) J.Am.Chem.Soc.103: 3185)。 結果として生じる亜リン酸トリエステルは最後に酸化されてリン酸トリエステルとなり、ヌクレオシド間結合を完成する(R.L.レツィンジャー (Letsinger)他 (1976) J.Am.Chem.Soc.9: 3655)。代替的に、ホスホロチオエート 結合の合成を亜リン酸トリエステルの硫化によって実施することができる。この反応を行うためにはいくつかの化学物質を用いることができ、その中に,3H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン,1,1−ジオキシドがある(R.P.アイヤル(Iyer),W.イーガン(Egan),J.B.レーガン(Regan),およびS.L.ビューケージ(Beaucage),J.Am.Chem.Soc.,1990,112,1253−1254)。脱保護、結合、および酸化の段階は、希望の長さおよび配列のオリゴヌクレオチドが得られるまで反復される。H−ホスホナート法(Hall et al,(1957) J.Chem.Soc.,3291−3296) またはイクタ(Ikuta)他,Ann.Rev.Biochem.53: 323−356 (1984)(リン酸トリエステルおよび亜リン酸トリエステル法)およびナラング(Narang)他,Methods Enzymol.,65: 610−620 (1980)(リン酸トリエステル法)に記載された通りのリン酸トリエステル法といった、オリゴヌクレオチドを作製するための他の方法が存在する。タンパク質核酸分子は、ニールセン(Nielsen)他,Bioconjug.Chem.5:3−7(1994)によって記載されたもののような既知の方法を用いて作製することができる。オリゴヌクレオチド合成のその他の形が、米国特許第6,294,664号明細書および米国特許第6,291,669号明細書に記載されている。
オリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列は一般的に、オリゴヌクレオチド鎖へ合成中にサブユニットブロックのサブユニットを付加する順序によって決定される。付加の各回は、異なる特定のヌクレオチド前駆体、または1種類以上の異なるヌクレオチド前駆体の混合物を含むことができる。特定配列の本開示のプライマーのためには、特定のヌクレオチド前駆体を連続的に付加する。一般的に、オリゴヌクレオチド中の縮重またはランダム位置は、その位置に存在しうる範囲のヌクレオチドを発現したヌクレオチド前駆体の混合物を用いることによって作製することができる。したがって、オリゴヌクレオチド中の特定位置についての反応に、その位置がAおよびTについて縮重すべきである場合、AおよびTの前駆体を含めることができる。完全な縮重またはランダム位置については、4種類すべてのヌクレオチドの前駆体を含めることができる。完全にランダムなオリゴヌクレオチドは、4種類すべてのヌクレオチド前駆体を合成のすべての回に含めることによって作製できる。異なるヌクレオチドの異なる割合を持つ縮重オリゴヌクレオチドもまた作製することができる。そのようなオリゴヌクレオチドは、たとえば、異なるヌクレオチド前駆体を、希望の割合で、反応において用いることによって作製することができる。
ここに記載されたオリゴヌクレオチドの多くは、別のオリゴヌクレオチドまたは核酸の一定の部分との間に安定したハイブリッドが形成されるように、それらと相補的であるように設計される。これらのハイブリッドの安定性はレズニック(Lesnick)およびフレイアー(Freier),Biochemistry 34: 10807−10815 (1995)、 マクグノー(McGraw)他,BioTechniques 8: 674−678 (1990)、およびライクリック(Rychlik)他,Nucleic Acids Res.18: 6409−6412 (1990)に記載されたような既知の方法を用いて計算することができる。
六量体 オリゴヌクレオチドを、パーセプティブ・バイオシステムズ(Perseptive Biosystems)8909迅速核酸合成系で、標準のβ−シアノエチルホスホアミダイト結合法を用いて混合dA+dC+dG+dT合成カラム(グレン・リサーチ社(Glen Research),バージニア州スターリング(Sterling))で合成した。4種類のホスホアミダイトを等しい比率で混合し、オリゴヌクレオチドの各位置での塩基をランダム化した。新しく形成された亜リン酸の酸化は、硫化試薬3H−1,2−ベンゾチオール−3−オン−1,1−ジオキシド(グレン・リサーチ社(Glen Research)を、標準の酸化試薬の代わりに第1および第2のホスホアミダイト付加段階後に用いて実施した。チオ−亜リン酸化オリゴヌクレオチドを、30%水酸化アンモニウム(3.0ml)を含む水を用いて55℃にて16時間脱保護し、OP120サバント・オリゴプレップ(Savant Oligo Prep)脱保護器で2時間濃縮し、およびPD10セファデックス(Sephadex)カラムで取扱説明書に従って脱塩した。
関係する機能が維持される限り、プライマー、検出プローブ、アドレスプローブ、および任意の他のオリゴヌクレオチドは修飾ヌクレオチド(ヌクレオチドアナログ)から成るかまたはそれを含むことができる。多数の修飾ヌクレオチドが既知であり、およびオリゴヌクレオチドに用いることができる。ヌクレオチドアナログとは、塩基、糖、またはリン酸部分のどれかに何らかの種類の修飾を含むヌクレオチドである。塩基部分への修飾は、A、C、G、およびT/U、およびウラシル−5−イル、ヒポキサンチン−9−イル(I)、および2−アミノアデニン−9−イルといった別のプリンまたはピリミジン塩基の天然および合成の修飾を含む。修飾塩基は、5−メチルシトシン(5−me−C)、5−ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2−アミノアデニン、アデニンおよびグアニンの6−メチルおよび他のアルキル誘導体、アデニンおよびグアニンの2−プロピルおよび他のアルキル誘導体、2−チオウラシル、2−チオチミンおよび2−チオシトシン、5−ハロウラシルおよびシトシン、5−プロピニルウラシルおよびシトシン、6−アゾウラシル、シトシンおよびチミン、5−ウラシル(シュードウラシル)、4−チオウラシル、8−ハロ、8−アミノ、8−チオール、8−チオアルキル、8−ヒドロキシルおよび他の8−置換アデニンおよびグアニン、5−ハロ特に5−ブロモ、5−トリフルオロメチルおよび他の5−置換ウラシルおよびシトシン、7−メチルグアニンおよび7−メチルアデニン、8−アザグアニンおよび8−アザアデニン、7−デアザグアニンおよび7−デアザアデニンおよび3−デアザグアニンおよび3−デアザアデニンを含むがそれらに限定されない。他の塩基修飾は、たとえば米国特許第3,687,808号明細書、エングリッシュ(Englisch)他,Angewandte Chemie,International Edition,1991,30,613、およびサングヴィ(Sanghvi),Y.S.,『アンチセンス研究および応用』(Antisense Research and Applications)15章 289〜302ページ(クルック(Crooke),S.T.およびレブルー(Lebleu),B.編、CRCプレス社(CRC Press),1993)に見出すことができる。ある種のヌクレオチドアナログ、たとえば、2−アミノプロピルアデニン、5−プロピニルウラシルおよび5−プロピニルシトシン、5−メチルシトシンを含む、5−置換ピリミジン、6−アザピリミジンおよびN−2、N−6およびO−6置換プリンは、二重鎖構成の安定性を高めることができる。他の修飾塩基は、ユニバーサル塩基として機能するものである。ユニバーサル塩基は3−ニトロピロールおよび5−ニトロインドールを含む。ユニバーサル塩基は通常の塩基を置換するがしかし塩基対形成に偏りを有しない。すなわち、ユニバーサル塩基は任意の他の塩基と塩基対形成することができる。塩基修飾はしばしば、二重鎖安定性の増大といった独自の特性を達成するために、たとえば2’−O−メトキシエチルといった糖修飾と組み合わせることができる。多数の米国特許、たとえば第4,845,205号;第5,130,302号;第5,134,066号;第5,175,273号;第5,367,066号;第5,432,272号;第5,457,187号;第5,459,255号;第5,484,908号;第5,502,177号;第5,525,711号;第5,552,540号;第5,587,469号;第5,594,121,5,596,091号;第5,614,617号;および第5,681,941,号があり、それらはさまざまな塩基修飾を詳述および説明する。これらの特許のそれぞれは参照により全体が、特に塩基修飾、その合成、その使用、およびそのオリゴヌクレオチドおよび核酸への組み込みの記載に関して、本開示に含まれる。
ヌクレオチドアナログはまた、糖部分の修飾を含みうる。糖部分への修飾は、リボースおよびデオキシリボースへの天然の修飾、および合成修飾を含む。糖修飾は、下記の2’位での修飾を含むがそれらに限定されない:OH;F;O−、S−、またはN−アルキル;O−、S−、またはN−アルケニル;O−、S−またはN−アルキニル;またはO−アルキル−O−アルキルであって、アルキル、アルケニルおよびアルキニルは置換または非置換C1からC10、アルキルまたはC2からC10アルケニルおよびアルキニルでありうる。2’糖修飾はまた、−O[(CH)nO]mCH、−O(CH)nOCH、−O(CH)nNH、−O(CH)nCH、−O(CH)n−ONH、および−O(CH)nON[(CH)nCH)]を含むがそれらに限定されず、ここでnおよびmは1ないし約10である。
2’位での他の修飾は下記を含むがそれらに限定されない:C1からC10低級アルキル、置換低級アルキル、アルカリル、アラルキル、O−アルカリル またはO−アラルキル、SH、SCH、OCN、Cl、Br、CN、CF、OCF、SOCH、SOCH、ONO、NO、N、NH、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリル、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、割り込み物質、オリゴヌクレオチドの薬物動態特性を改善するための基、またはオリゴヌクレオチドの薬力学特性を改善するための基、および同様の特性を有する他の置換基。同様の修飾はまた、糖の他の位置、特に3’末端ヌクレオチドのまたは2’−5’結合オリゴヌクレオチド中の糖の3’位、または5’末端ヌクレオチドの5’位で行うことができる。修飾糖はまた、架橋環の酸素でのCHおよびSのような修飾を含むものを含む。ヌクレオチド糖アナログはまた、ペントフラノシル糖の代わりにシクロブチル部分といった糖ミメティックを持つことができる。多数の米国特許、たとえば第4,981,957号;第5,118,800号;第5,319,080号;第5,359,044号;第5,393,878号;第5,446,137号;第5,466,786号;第5,514,785号;第5,519,134号;第5,567,811号;第5,576,427号;第5,591,722号;第5,597,909号;第5,610,300号;第5,627,053号;第5,639,873号;第5,646,265号;第5,658,873号;第5,670,633号;および第5,700,920号が、そのような修飾糖構造の調製を教示し、そのそれぞれが、特に修飾糖構造、その合成、その使用、およびそのヌクレオチド、オリゴヌクレオチドおよび核酸への組み込みの記載に関して、全体が参照により本開示に含まれる。
ヌクレオチドアナログはまたリン酸部分で修飾することができる。修飾リン酸部分は、2つのヌクレオチド間の結合がホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、メチルおよび3’−アルキレンホスホナートを含む他のアルキルホスホナートおよびキラルホスホナート、ホスフィナート、3’−アミノホスホロアミデートおよびアミノアルキルホスホロアミデートを含むホスホロアミデート、チオノホスホロアミデート、チオノアルキルホスホナート、チオノアルキルホスホトリエステル、およびボラノホスフェートを含むように修飾することができるものを含むがそれらに限定されない。2つのヌクレオチド間のこれらのリン酸または修飾リン酸結合は3’−5’結合または2’−5’結合を介することができ、および結合は3’−5’から5’−3’または2’−5’から5’−2’といった逆の極性を含むことができることが理解される。さまざまな塩、塩の混合物、および遊離酸の形もまた含まれる。多数の米国特許が修飾リン酸を含むヌクレオチドを製造および使用する方法を教示し、およびそれらは、それぞれが、特に修飾リン酸、その合成、その使用、およびそのヌクレオチド、オリゴヌクレオチドおよび核酸への組み込みの記載に関して、全体が参照により本開示に含まれる第3,687,808号;第4,469,863号;第4,476,301号;第5,023,243号;第5,177,196号;第5,188,897号;第5,264,423号;第5,276,019号;第5,278,302号;第5,286,717号;第5,321,131号;第5,399,676号;第5,405,939号;第5,453,496号;第5,455,233号;第5,466,677号;第5,476,925号;第5,519,126号;第5,536,821号;第5,541,306号;第5,550,111号;第5,563,253号;第5,571,799号;第5,587,361号;および第5,625,050号を含むがそれらに限定されない。
ヌクレオチドアナログは単一の修飾を含みさえすればよいが、しかしまた複数の修飾を1つの部分のうちにまたは異なる部分の間に含みうると理解される。
ヌクレオチド代用物とは、ヌクレオチドと同様の機能的特性を有するが、リン酸部分を含まない、ペプチド核酸(PNA)のような分子である。ヌクレオチド代用物は、ワトソン・クリック型またはフーグステン型の方法で相補的核酸を認識およびハイブリダイズ(塩基対形成)するが、リン酸部分以外の部分を介して互いに結合している分子である。ヌクレオチド代用物は、適切な標的核酸と相互作用する際、二重らせん型の構造を取ることができる。
ヌクレオチド代用物は、リン酸部分および/または糖部分を置換したヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログである。ヌクレオチド代用物は標準的なリン原子を含まない。リン酸の代用物は、たとえば、短鎖アルキルまたはシクロアルキルヌクレオシド間結合、ヘテロ原子およびアルキルまたはシクロアルキル混合ヌクレオシド間結合、または1つ以上の短鎖ヘテロ原子または複素環式ヌクレオシド間結合であることができる。これらは、モルホリノ結合(一部はヌクレオシドの頭部分から形成される)を持つもの;シロキサン骨格;スルフィド、スルホキシドおよびスルホン骨格;ホルムアセチルおよびチオホルムアセチル骨格;メチレンホルムアセチルおよびチオホルムアセチル骨格;アルケン含有骨格;スルファマート骨格;メチレンイミノおよびメチレンヒドラジノ骨格;スルホナートおよびスルホンアミド骨格;アミド骨格;およびその他のN、O、SおよびCH成分の混合部分を持つものを含む。多数の米国特許がこれらの種類のリン酸代替物を製造および使用する方法を開示し、およびそれらは、それぞれが、特にリン酸代用物、その合成、その使用、およびそのヌクレオチド、オリゴヌクレオチドおよび核酸への組み込みの記載に関して、全体が参照により本開示に含まれる第5,034,506号;第5,166,315号;第5,185,444号;第5,214,134号;第5,216,141号;第5,235,033号;第5,264,562号;第5,264,564号;第5,405,938号;第5,434,257号;第5,466,677号;第5,470,967号;第5,489,677号;第5,541,307号;第5,561,225号;第5,596,086号;第5,602,240号;第5,610,289号;第5,602,240号;第5,608,046号;第5,610,289号;第5,618,704号;第5,623,070号;第5,663,312号;第5,633,360号;第5,677,437号;および第5,677,439号を含むがそれらに限定されない。
ヌクレオチド代用物において、ヌクレオチドの糖部分およびリン酸部分の両方を、たとえばアミド型結合によって置換することができることもまた理解される(アミノエチルグリシン)(PNA)。米国特許第5,539,082号;第5,714,331号;および第5,719,262号はPNA分子を製造および使用する方法を教示し、そのそれぞれが参照により本開示に含まれる。(ニールセン(Nielsen)他,Science 254:1497−1500(1991)も参照)。
オリゴヌクレオチドはヌクレオチドから成ることができ、および異なる種類のヌクレオチドまたは同一の種類のヌクレオチドから構成されうる。たとえば、あるオリゴヌクレオチドに含まれるヌクレオチドの1つ以上は、リボヌクレオチド、2’−O−メチルリボヌクレオチド、またはリボヌクレオチドおよび2’−O−メチルリボヌクレオチドの混合物であることができる;ヌクレオチドの約10%から約50%はリボヌクレオチド、2’−O−メチルリボヌクレオチド、またはリボヌクレオチドおよび2’−O−メチルリボヌクレオチドの混合物であることができる;ヌクレオチドの約50%以上はリボヌクレオチド、2’−O−メチルリボヌクレオチド、またはリボヌクレオチドおよび2’−O−メチルリボヌクレオチドの混合物であることができる;またはすべてのヌクレオチドはリボヌクレオチド、2’−O−メチルリボヌクレオチド、またはリボヌクレオチドおよび2’−O−メチルリボヌクレオチドの混合物である。そのようなオリゴヌクレオチドをキメラ オリゴヌクレオチドと呼ぶことができる。
P.DNAポリメラーゼ
複数置換増幅に有用なDNAポリメラーゼは、単独でまたは対応する鎖置換因子と組み合わせて、複製中に遭遇したハイブリダイズした鎖を置換する能力がなければならない。そのようなポリメラーゼをここでは鎖置換DNAポリメラーゼという。鎖置換DNAポリメラーゼは5'から3'へのエキソヌクレアーゼ活性を欠くことが好ましい。鎖置換は、標的配列の複数コピーの合成を結果として生じるために必要である。5'から3'へのエキソヌクレアーゼ活性は、もしあれば、合成された鎖の破壊を結果として生じうる。また、本開示の方法における使用のためのDNAポリメラーゼは、高度に連続性であることが好ましい。本開示の方法における使用のためのDNAポリメラーゼの適切性は、それの鎖置換複製を実施する能力を評価することによって容易に判定することができる。好ましい鎖置換DNAポリメラーゼは、バクテリオファージ29DNAポリメラーゼ(ブランコ(Blanco)他への米国特許第5,198,543号および第5,001,050号)、Bst大断片DNAポリメラーゼ(エキソ(−)Bst;アリオッタ(Aliotta)他,Genet.Anal.(オランダ) 12: 185−195 (1996) )およびエキソ(−)BcaDNAポリメラーゼ(ウォーカー(Walker)およびリン(Linn),Clinical Chemistry 42: 1604−1608(1996))である。他の有用なポリメラーゼは、ファージM2DNAポリメラーゼ(マツモト(Matsumoto)他,Gene 84: 247 (1989) )、ファージfPRD1 DNAポリメラーゼ(ユング(Jung)他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84: 8287 (1987) )、エキソ(−)VENT(登録商標)DNAポリメラーゼ(コング(Kong)他,J.Biol.Chem.268: 1965−1975 (1993))、DNAポリメラーゼIのクレノー断片(ジェイコブセン(Jacobsen)他,Eur.J.Biochem.45: 623−627 (1974))、 T5 DNA ポリメラーゼ(チャタジー(Chatterjee)他,Gene 97: 13−19(1991))、シークエナーゼ(U.S.バイオケミカルズ(U.S.Biochemicals))、PRD1 DNA ポリメラーゼ (ツー(Zhu)およびイトー(Ito),Biochim.Biophys.Acta.1219: 267−276 (1994))、およびT4 DNA ポリメラーゼホロ酵素(カボード(Kaboord)およびベンコビク(Benkovic),Ctirr.Biol.5: 149−157 (1995))を含む。29DNAポリメラーゼが非常に好ましい.
ここでは、熱不安定性核酸ポリメラーゼとは、増幅反応を実施する温度で添加剤、dNTP、およびテンプレート核酸の非存在下で明らかに不活性化される核酸ポリメラーゼである。したがって、核酸ポリメラーゼが熱不安定性であるかどうかは、増幅反応を実施する温度に依存する。ここでは、熱不安定性はポリメラーゼの変性または不可逆的不活性化を要しないことに注意する。必要条件は、ポリメラーゼが、増幅反応を実施する温度で添加剤の非存在下で明らかにテンプレート依存性重合を実施することができないことだけである。
ここでは、高温とは、任意の核酸ポリメラーゼが添加剤、dNTP、およびテンプレート核酸の非存在下で明らかに不活性化される温度またはそれを上回る温度である。したがって、何が高温に当たるかはその特定の核酸ポリメラーゼに依存する。ここでは、明らかな不活性化とは、活性の40%以上の低下をいう。相当な不活性化とは、活性の60%以上の低下をいう。顕著な不活性化とは、活性の80%以上の低下をいう。
鎖置換は、ヘリカーゼといった鎖置換 因子の使用によって促進することができる。鎖置換 因子 の存在下で鎖置換複製を行うことができる任意のDNAポリメラーゼは、その DNA ポリメラーゼが そうした因子の非存在下では鎖置換 複製を行わなくても、本開示の方法における使用に適すると考えられる。鎖置換 複製において有用な鎖置換因子は、BMRF1ポリメラーゼ補助サブユニット(ツルミ(Tsurumi)他,J.Virology 67 (12): 7648−7653 (1993))、アデノウイルスDNA結合タンパク質 (ツィダーベルト(Zijderveld)およびファンデルフリート(van der Vliet),J.Virology 68 (2): 1158−1164 (1994) )、単純ヘルペスウイルスタンパク質ICP8(ベーマー(Boehmer)およびレーマン(Lehman),J.Virology 67 (2): 711−715 (1993);スカリター(Skaliter)およびレーマン(Lehman),Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91 (22): 10665−10669(1994));1本鎖DNA結合タンパク質(SSB;リグラー(Rigler)およびロマーノ(Romano),J.Biol.Chem.270: 8910−8919(1995));ファージT4遺伝子32タンパク質(ウィレマイン(Villemain)およびギードロク(Giedroc),Biochemistry 35: 14395−14404 (1996);および仔ウシ胸腺ヘリカーゼ(ジーゲル(Siegel)他,J.Biol.Chem.267: 13629−13635 (1992))を含む。
ポリメラーゼが鎖置換複製を実施する能力は、実施例4および8に記載のように、ポリメラーゼを鎖置換複製測定法に用いることによって測定することができる。実施例中の測定法は、必要に応じて改変することができる。たとえば、SSBの代わりにヘリカーゼを用いることができる。そのような測定法は、使用される酵素について最適活性に適した温度で、たとえば、φ29DNAポリメラーゼについては32℃、エキソ(−)BstDNAポリメラーゼについては46℃ないし64℃、または超好熱生物由来の酵素については約60℃ないし70℃で実施すべきである。60℃ないし70℃の測定法については、測定温度に適した融点を与えるために、プライマー長を増加させることができる。ポリメラーゼを選択するための他の有用な測定法は、コング(Kong)他,J.Biol.Chem.268: 1965−1975 (1993)に記載されたプライマー−ブロック測定法である。本測定法は、伸長プライマーの上流にハイブリダイズしてその進行を止めるためのオリゴヌクレオチドの存在下または非存在下でM13ssDNAテンプレートを用いる、プライマー伸長測定法から成る。この測定法において、遮断するプライマーを置換することができる酵素は、本開示の方法のために有用であると予測される。
Q.キット
上記の材料は、本開示の方法を実施するために有用なキットとして、任意の適当な組み合わせで同梱することができる。任意のキットのキット構成要素は、本開示の方法における一緒の使用のために設計および適応させることができる。たとえば、ゲノムDNAを増幅するためのキットであって、溶解溶液、安定化溶液、一組のプライマー、およびDNAポリメラーゼを含むキットが開示される。そのようなキットの構成要素はここに別に記載する。キットの一部の形式では、溶解溶液は水酸化カリウム、たとえば、400mM KOHを含みうる。溶解 溶液の一部の有用な形式は、400 mM KOH、100 mM ジチオスレイトール、および10 mM EDTAを含みうる。キットの一部の形式では、安定化溶液はpH4.1のトリス−HClを含みうる。安定化溶液の一部の有用な形式は800mMトリス−HCI、pH4.1を含みうる。キットの一部の形式では、プライマーの組はランダム六量体プライマーを含みうる。キットの一部の形式では、DNAポリメラーゼはφ29DNAポリメラーゼでありうる。キットの一部の形式では、キットはさらにデオキシヌクレオチド三リン酸を含みうる。キットの一部の形式では、キットはさらに1種類以上の検出プローブを含みうる。検出プローブはここに別に記載する。キットの一部の形式では、検出プローブは相補的部分を含むことができ、ここでその相補的部分は目的の核酸配列と相補的である。キットの一部の形式では、キットはさらに変性溶液を含みうる。キットの一部の形式では、キットはさらに反応混合物を含みうる。また、核酸試料の増幅のためのキットであって、単一のプライマーおよびφ29DNAポリメラーゼを含むキットが開示される。キットはまた、ヌクレオチド、緩衝剤、検出プローブ、蛍光変化プローブ、溶解溶液、安定化溶液、変性溶液、または組み合わせを含みうる。
一部の有用なキットは、溶解溶液、安定化溶液、一組のプライマー、φ29DNAポリメラーゼ、1Mジチオスレイトール、1Xリン酸緩衝生理食塩水、pH7.5、および対照DNAテンプレートを含みうる;ここで溶解溶液は400mM KOHおよび10mM EDTAを含み、安定化溶液は800mMトリス−HCl、pH4を含み、およびプライマーの組は反応混合物を含む;ここで反応混合物は150mMトリス−HCl、200 mM KCl、40 mM MgCl、20 mM (NHSO、4mMデオキシヌクレオチド三リン酸、および0.2mMランダム六量体プライマーを含む。
核酸ポリメラーゼはファイ29DNAポリメラーゼであることができる。添加剤は、糖、シャペロン、タンパク質、トレハロース、グルコース、スクロース、または組み合わせであることができる。添加剤はトレハロースを含むことができ、プライマーの組はエキソヌクレアーゼ耐性ランダム六量体プライマーを含むことができ、および核酸ポリメラーゼはファイ29DNAポリメラーゼを含むことができる。キットはさらに、適当な量で混合した際に、10mM MgCl、37.5mMトリス−HCl、pH7、50mM KCl、20mM硫酸アンモニウム、および1mM dNTPの終濃度を有する反応混合物を生じる、一種類以上の成分を含むことができる。キットはさらに、安定化溶液、溶解溶液、プライマーの組、ジチオスレイトール、リン酸緩衝生理食塩水、およびDNAテンプレートを含む反応混合物のうち任意の1つまたは組み合わせを含むことができる。安定化溶液は800mMトリス−HCl、pH4を含みうる;溶解溶液は400 mM KOH、100 mM ジチオスレイトール、および10 mM EDTAを含みうる;反応混合物は150 mMトリス−HCl、200 mM KCl、40 mM MgCl、20 mM (NHSO、4mMデオキシヌクレオチド三リン酸、および0.2mMランダム六量体プライマーを含みうる;ジチオスレイトールは1Mジチオスレイトールを含みうる;およびリン酸緩衝生理食塩水は1Xリン酸緩衝生理食塩水、pH7.5を含みうる。そのようなキットの構成要素はここに別に記載する。
一緒に使用することができるキット中に存在しうる任意の構成要素は、キットの単一の構成要素中に組み合わせることができる。したがって、反応混合物は、たとえば、緩衝剤、デオキシヌクレオチド三リン酸およびプライマーを含みうる。同様に、構成要素および溶液は成分パーツまたは部分溶液に分割することができる。キットは任意の目的に、一般的に核酸増幅のために用いることができる。一部の形式では、キットはゲノムまたは他の核酸試料中の目的の核酸配列を検出するために設計することができる。一部の形式では、キットは、目的の核酸配列に基づいて、個人の疾患、症状または素因を評価するために設計することができる。
R.混合物
本開示の方法の任意の形式を実施することによって形成されたかまたは実施の過程で形成された混合物が開示される。たとえば、たとえば細胞および溶解溶液;細胞溶解物および安定化溶液;安定化した細胞溶解物および1種類以上のプライマー;安定化した細胞溶解物およびDNAポリメラーゼ;安定化した細胞溶解物、1種類以上のプライマー、およびDNAポリメラーゼ;安定化した細胞溶解物および複製された鎖;安定化した細胞溶解物、1種類以上のプライマー、および複製された鎖;安定化した細胞溶解物、DNAポリメラーゼ、および複製された鎖;安定化した細胞溶解物、1種類以上のプライマー、DNAポリメラーゼ、および複製された鎖;安定化した細胞溶解物および1種類以上の検出プローブ;安定化した細胞溶解物、1種類以上のプライマー、1種類以上の検出プローブ、および複製された鎖;安定化した細胞溶解物、DNAポリメラーゼ、1種類以上の検出プローブ、および複製された鎖;安定化した細胞溶解物、1種類以上のプライマー、DNAポリメラーゼ、1種類以上の検出プローブ、および複製された鎖、試料および溶解溶液;試料および安定化溶液;安定化した試料および1種類以上のプライマー;安定化した試料およびDNAポリメラーゼ;安定化した試料、1種類以上のプライマー、およびDNAポリメラーゼ;安定化した試料および複製された鎖;安定化した試料、1種類以上のプライマー、および複製された鎖;安定化した試料、DNAポリメラーゼ、および複製された鎖;安定化した試料、1種類以上のプライマー、DNAポリメラーゼ、および複製された鎖;安定化した試料および1種類以上の検出プローブ;安定化した試料、1種類以上のプライマー、1種類以上の検出プローブ、および複製された鎖;安定化した試料、DNAポリメラーゼ、1種類以上の検出プローブ、および複製された鎖;および安定化した試料、1種類以上のプライマー、DNAポリメラーゼ、1種類以上の検出プローブ、および複製された鎖を含む混合物が開示される。
単一のプライマー、核酸試料、およびDNAポリメラーゼ;単一のプライマー、ゲノム核酸試料、およびDNAポリメラーゼ;1種類以上のプライマー、1種類以上の核酸試料、および1種類以上のDNAポリメラーゼ;単一のプライマー、核酸試料、および1種類以上の検出プローブ;単一のプライマー、核酸試料、および1種類以上の蛍光変化プローブ;単一のプライマー、核酸試料、および複製された核酸分子;単一のプライマー、ゲノム核酸試料、および複製された核酸分子;1種類以上のプライマー、1種類以上の核酸試料、および複製された核酸分子;単一のプライマー、核酸試料、複製された核酸分子、および1種類以上の検出プローブ;単一のプライマー、核酸試料、複製された核酸分子、および1種類以上の蛍光変化プローブを含む混合物もまた開示される。
方法が、たとえば組成物または成分または試薬を混合または接触させることを含む場合は常に、その方法を実施することはいくつかの異なる混合物を生じる。たとえば、方法が3つの混合段階を含む場合、段階が連続的に実施されるならば、これらの段階の1つごとの後に独自の 混合物が生じる。加えて、段階がどのように実施されたかにかかわらず、全段階の完了後には混合物が生じる。 本開示は、本開示の方法の実施によって得られたこれらの混合物、およびたとえばここで開示される任意の開示された試薬、組成物、または成分を含む混合物について検討する。
S.系
本開示の方法を実施するために、またはその実施を助けるために、有用な系が開示される。系は一般的に構造物、機械、装置、などといった製品、および組成物、化合物、材料、などの組み合わせを構成する。開示されるかまたは本開示から明らかであるそのような組み合わせを検討する。たとえば、固相担体およびプライマー、核酸試料、検出プローブ、蛍光変化プローブ、または組み合わせを含む系が開示および検討される。
T.データ構造およびコンピューター制御
本開示の方法で用いられる、それによって生じる、またはそこから作製される、データ構造が開示される。データ構造とは一般的に、構成物または媒体中で、回収、組織、保存、および/または具体化された任意の形のデータ、情報、および/または対象である。RAMまたは保存ディスクといった電子形式で保存された核酸ライブラリは一種のデータ構造である。
本開示の方法,またはその任意の一部またはそのための調製物は、コンピューター制御によって制御、管理、でなければまたは補助することができる。そのようなコンピューター制御は、コンピューター制御された処理または方法によって達成することができ、データ構造を使用および/または作製することができ、およびコンピュータープログラムを使用することができる。そのようなコンピューター制御、コンピューター制御された処理、データ構造、およびコンピュータープログラムが検討され、およびここで開示されるものとする。
用途
本開示の方法および組成物は、細胞中に存在する核酸の分析(たとえば、細胞中のゲノムDNAの分析)、疾患検出、突然変異検出、遺伝子発見、遺伝子マッピング(分子ハプロタイプ分析)、および農業研究を含むがそれらに限定されない多数の分野に応用可能である。特に有用なのは全ゲノム増幅である。他の用途は、たとえば、細胞中およびゲノムDNAアレイ上の核酸の検出;分子ハプロタイプ分析;突然変異検出;嚢胞性線維症、筋ジストロフィー、糖尿病、血友病、鎌状赤血球貧血といった遺伝病の検出;前立腺がん、乳がん、肺がん、大腸がん、卵巣がん、精巣がん、膵臓がんといったがんについての素因の評価を含む。
方法
核酸を増幅する方法が開示される。 特に、低い増幅、偏り、および/または増幅産物の品質の他の指標を有する増幅産物を作製するための方法が開示される。増幅反応は、閾量のまたはそれを上回る量の核酸について、および/または、閾濃度のまたはそれを下回る濃度の核酸について実施するならば、低い増幅偏りといった高品質の増幅産物を生じることができることが見出されている。閾量および閾濃度は、増幅する核酸の性質および起源、および使用する増幅反応の種類に応じて変化しうる目的の核酸試料について目的の増幅反応において使用することができる、核酸の閾量および/または閾濃度を決定する方法が開示される。増幅反応は、核酸の閾量および/または濃度未満で、低い偏りの増幅産物といった高品質の増幅産物を生じることができるため、そのような閾量および/または濃度未満を用いることができる。したがって、選択された増幅偏り(または増幅された核酸の品質の他の指標)よりも小さい増幅産物を作製するために、目的の核酸試料について目的の増幅反応において使用することができる、核酸の量および/または濃度を決定する方法もまた開示される。本開示の方法によって作製される増幅産物の品質は任意の望ましい基準によって測定することができ、および目的の基準によって測定される品質の希望のレベルを達成するための閾量(または上回る)および/または閾濃度(または下回る)は、本開示の方法によって決定することができおよび本開示の方法に用いることができる。
アルカリ性条件への核酸の曝露、アルカリ性条件へ曝露された核酸のpHの低下、および結果として生じた、閾量のまたはそれを上回る量のおよび/または閾濃度のまたはそれを下回る濃度の核酸のインキュベートによって、低い増幅偏りを有する増幅産物を作製することができることもまた見出されている。そのようなアルカリ性/中性化手順は、増幅産物の品質を改善することができる。増幅産物の品質は、増幅偏り、対立遺伝子偏り、遺伝子座発現量、配列発現量、対立遺伝子発現量、遺伝子座発現量偏り、配列発現量偏り、パーセント発現量、パーセント遺伝子座発現量、パーセント配列発現量、およびインプット核酸の偏りのないおよび/または完全な増幅を示す指標を含むがそれらに限定されない種々の方法によって測定することができる。
より高い効率および信頼性での目的の核酸配列の増幅のための方法もまた開示される。本開示の方法は、DNAアーティファクトの生成が低減または消失している複数置換増幅(MDA)といった等温増幅技術に関する。一般的に、これは反応を高温にて実施することによって達成することができる。本方法の特に有用な実施形態では、糖および/または他の添加剤を用いてポリメラーゼを高温にて安定化することができる。
等温増幅手順における高分子量アーティファクトの生成は、反応をより高い温度にて、および随意的に、1種類以上の添加剤の存在下で実施することによって、なお目的のインプットDNAの増幅を可能にする一方で相当に低減または消失させることができることが見出されている。たとえば、増幅反応は、糖の存在下で、使用するDNAポリメラーゼについての通常の最適温度よりも高い温度にて実施することができる。等温増幅反応は、より高い温度にて、および随意的に、1種類以上の添加剤の存在下で実施した場合、低い増幅偏りといった高品質の増幅産物を生じることができることもまた見出されている。
核酸を増幅する方法であって、標的配列を含む核酸を高温にて、鎖置換活性を有する熱不安定性核酸ポリメラーゼ、添加剤、および一組のプライマーの存在下で、核酸の複製を促進する条件下でインキュベートすることを含む方法もまた開示される。核酸の複製は、複製された鎖を結果として生じる。複製中に、複製された核酸鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって置換される。標的配列からの複製された鎖の形成は、非標的配列からの複製された鎖の形成よりも有利である。そのような有利な形成は、形成の相対速度、形成された複製鎖の相対量、反応中のテンプレート配列の比率と比較しての形成された複製鎖の量といった、複製鎖形成の任意の適当な指標を含みうる。1つの指標として、反応中に存在する標的配列の非標的配列に対する比率と比較して、標的配列からの複製鎖が非標的配列からの複製鎖よりも多く形成されている場合、標的配列からの複製鎖の形成は非標的配列からの複製鎖の形成よりも有利である。別の指標として、標的配列から形成された複製鎖の、非標的配列から形成された複製鎖に対する比率が、標準または対照比率(たとえば非高温で観察される複製鎖の比率)よりも上昇する場合標的配列からの複製鎖の形成は非標的配列からの複製鎖の形成よりも有利である。
全ゲノムを増幅する方法であって、細胞をアルカリ性条件に曝露して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物のpHを低下させて安定化した細胞溶解物を生じ、および安定化した細胞溶解物を高温にて、鎖置換活性を有する熱不安定性核酸ポリメラーゼ、添加剤、および一組のプライマーの存在下で、核酸の複製を促進する条件下でインキュベートすることを含む方法もまた開示される。核酸の複製は、複製された鎖を結果として生じる。複製中に、複製された核酸鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって置換される。標的配列からの複製された鎖の形成は、非標的配列からの複製された鎖の形成よりも有利である。細胞溶解物は全ゲノムを含む。
鎖置換核酸合成を高温にて実施する方法であって、鎖置換活性を有する熱不安定性核酸ポリメラーゼ、標的配列を含む核酸、一組のプライマー、および添加剤を混合し、および高温にておよび標的配列へのプライマーのハイブリダイゼーションおよびテンプレート依存的方法でのプライマーの3’末端への連続的なヌクレオチドの付加によるプライマーの伸長に有利になる条件下でインキュベートすることを含み、その伸長の結果として標的配列の複製が生じる方法もまた開示される。
全ゲノムを増幅する方法であって、細胞をアルカリ性条件に曝露して細胞溶解物を生じ、ここでその細胞溶解物は全ゲノムを含み、細胞溶解物のpHを低下させて安定化した細胞溶解物を生じ、および安定化した細胞溶解物を高温にて、鎖置換活性を有する熱不安定性核酸ポリメラーゼ、添加剤、一組のプライマー、およびデオキシリボヌクレオチド三リン酸の存在下で、核酸の複製を促進する条件下でインキュベートすることを含む方法もまた開示される。複製中に、複製された核酸鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって置換される。複製反応におけるテンプレート依存性伸長産物の形成は、非テンプレート産物の形成よりも有利である。
鎖置換核酸合成を高温にて実施する方法であって、鎖置換活性を有する熱不安定性核酸ポリメラーゼ、1本鎖テンプレート核酸、一組のプライマー、デオキシリボヌクレオチド三リン酸および添加剤を混合し、および高温にておよびテンプレート核酸へのプライマーのハイブリダイゼーションおよびテンプレート依存的方法でのプライマーの3’末端への連続的なヌクレオチドの付加によるプライマーの伸長に有利になる条件下でインキュベートすることを含み、前記重合の結果として前記テンプレート核酸の複製が生じる方法もまた開示される。
核酸を増幅する方法であって、核酸を高温にて、鎖置換活性を有する熱不安定性核酸ポリメラーゼ、添加剤、一組のプライマー、およびデオキシリボヌクレオチド三リン酸の存在下で、核酸の複製を促進する条件下でインキュベートすることを含む方法もまた開示される。複製中に、複製された核酸鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって置換される。複製反応におけるテンプレート依存性伸長産物の形成は、非テンプレート産物の形成よりも有利である。
本開示の方法の一部の形式では、ゲノム試料は、試料をアルカリ性条件に曝露して試料中の核酸を変性させる;試料のpHを低下させて試料のpHをDNA複製に適合するようにする;およびゲノムの複製を促進する条件下で試料をインキュベートすることによって調製される。一部の実施形態では、インキュベートの条件は、ゲノムの複製を促進し、および、低い増幅偏り、望ましいレベルのまたはそれを下回る増幅偏り、または増幅産物の品質の任意の他の指標を有する増幅されたゲノム核酸を生じる条件であることができる。したがって、選択された増幅偏り(または増幅された核酸の品質の他の指標)よりも小さい増幅産物を作製するために、目的の核酸試料について目的の増幅反応において使用することができる条件を決定する方法もまた開示される。
本開示の方法の一部の形式では、核酸を含む可能性がある試料をアルカリ性条件に曝露し、ここでアルカリ性条件は試料中に存在しうる細胞の溶解を促進し(試料は細胞を含む必要は無いが)、試料の全部または一部のpHを低下させて安定化した試料を生じ、および試料由来の核酸の複製を促進する条件下で増幅混合物をインキュベートし、ここで増幅混合物は安定化した試料の全部または一部を構成する。核酸の複製は結果として複製された鎖を生じ、ここで複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって試料中の核酸から置換され、ここで複製された鎖は低い増幅偏りを有する。増幅混合物中の核酸の濃度は、プライマーのハイブリダイゼーションを核酸の再会合よりも有利にするように選択することができる。さらに、増幅混合物中の核酸の量は、複製された鎖における低い増幅偏りを結果として生じうる閾値であるかまたはそれを上回ることができる。
本開示の方法は、任意の希望の試料について実施することができる。たとえば、本開示の方法は、核酸を含むかまたは含むと見られている試料を用いて実施することができる。本開示の方法の一部の形式は、試料中の核酸を増幅するために、試料中に存在する配列の知識を全く必要としない。したがって、本開示の方法の一部の形式は、試料が核酸を含むかどうかを決定するために用いることができる。本方法を実施した際に増幅産物が生じるならば、試料は核酸を含む。本開示の方法は、細胞についておよび、粗核酸試料、部分精製された核酸試料、および精製された核酸試料を含む核酸試料について実施することができる。任意の細胞または核酸試料をアルカリ性条件に曝露し、および次いで試料のpHを低下させることによって、増幅または複製に適した安定化した試料を作製することができる。
本開示の方法は、複数のプライマーによる核酸配列の鎖置換複製に基づく。本方法は、1種類以上の特異的配列(複数鎖置換増幅)、ゲノム全体または他の高度に複雑なDNA(全ゲノム鎖置換増幅)、または連結されたDNA(連結されたDNAの複数鎖置換増幅)を増幅するために用いることができる。本開示の方法は一般的に、標的核酸配列へのプライマーのハイブリダイゼーション、および、標的配列と相補的な複製鎖を結果として生じる、ハイブリダイズしたプライマーによって開始される標的配列の複製を含む。複製中に、伸長する複製鎖が鎖置換複製によって、標的配列からの(または別の複製鎖からの)別の複製鎖を置換する。ここでは、複製鎖とは、標的配列へまたは別の複製された鎖へハイブリダイズしたプライマーの伸長の結果として生じる核酸鎖である。鎖置換複製とは、複製された鎖の伸長する末端が、テンプレート鎖からの(または別の複製鎖からの)別の鎖に遭遇しそれを置換するDNA複製をいう。別の複製された鎖による複製鎖の置換は、本開示の方法の顕著な特徴であり、標的配列の複数コピーを単一の等温反応において作製することを可能にする。
本開示の方法は、正確におよび均一に、高度に複雑な核酸試料中のさまざまな配列を増幅することができる。この結果は、たとえば、パーセント発現量、配列発現量、配列発現量偏り、パーセント配列発現量、遺伝子座発現量、遺伝子座発現量偏り、パーセント遺伝子座発現量、および/または増幅偏りを参照することによって定量化することができる。たとえば、本開示の方法で作製された増幅された核酸分子は、少なくとも50%の配列発現量または配列発現量偏りを少なくとも10個の異なる標的配列に関して有することができる。増幅偏りは、少なくとも10個の異なる標的配列に関して10%未満でありうる。
増幅のための核酸はしばしば細胞試料から得られる。このことは一般的に、細胞の破壊(核酸を接触可能にするため)および核酸の精製を増幅の前に必要とする。このことはまた、一般的に、ヌクレアーゼといったDNAを分解できるタンパク質因子の、またはヒストンといったDNA鎖と結合してそのポリメラーゼによるDNA合成のテンプレートとしての利用を妨げることができる因子の、不活性化を必要とする。超音波処理、細胞壁の酵素消化、加熱、および溶解条件への曝露といった、細胞を壊して開くのに用いられるさまざまな技術がある。溶解条件は典型的には、非生理的pHおよび/または溶媒の使用を含む。多数の溶解技術は、たとえば、ゲノムDNAの切断といった、細胞中の核酸への損傷を結果として生じうる。特に、細胞を溶解するための加熱の使用は、ゲノムDNAを損傷しおよびゲノムDNAの増幅産物の量および品質を低下させうる。アルカリ性溶解は、ゲノムDNAに与える損傷がより小さくなりうること、およびしたがって結果としてより高品質の増幅結果を生じうることが見出されている。アルカリ性溶解はまた、ヌクレアーゼといったタンパク質因子、ヒストン、または試料中のDNAの増幅を妨げうる他の因子を不活性化する。加えて、pHを低下させることはタンパク質因子を再活性化させず、そのようなタンパク質因子は溶液のpHが中性範囲内に戻される際に不活性化されたままに留まることは、アルカリ性溶解の有用な特性である。
本開示の方法の一部の形式では、ゲノム試料は、細胞をアルカリ性条件に曝露し、それによって細胞を溶解して細胞溶解物を結果として生じる;細胞溶解物のpHを低下させて細胞溶解物のpHをDNA複製に適合するようにする;および、複数置換増幅による細胞のゲノムの複製を促進する条件下で細胞溶解物をインキュベートすることによって調製される。アルカリ性条件とは、pHが9.0より大きい条件である。本開示の方法に特に有用なアルカリ性条件は、pHが10.0より大きい条件である。アルカリ性条件は、たとえば、相当な数の細胞に溶解を引き起こす条件、顕著な数の細胞に溶解を引き起こす条件、または十分な数の細胞に溶解を引き起こす条件でありうる。溶解した細胞の数は、本開示の方法においてゲノムが十分に増幅されうるならば十分であると考えられる。配列の検出または他の分析といった増幅産物の一部の用途を可能にするのに十分な増幅産物が作製されるならば、増幅は十分である。pHの低下は一般的にpH9.0ないしpH6.0の中性範囲内へである。
試料を溶解溶液と混合することによって、試料をアルカリ性条件へ曝露することができる。試料と混合する溶解溶液の量は、試料中の核酸の相当な変性を引き起こす量であることができる。一般的に、この容量は試料/溶解溶液混合物のpHの関数となる。したがって、試料と混合すべき溶解溶液の量は、一般的に試料の容量および溶解緩衝液のアルカリ濃度から決定することができる。たとえば、十分なアルカリ性条件を作り出すためには、より弱い塩基および/またはより低濃度の塩基を含む溶解溶液に必要な容量よりも、より強い塩基および/またはより高濃度の塩基を含む溶解溶液のより少ない容量が必要となる。(希望のアルカリ性条件を生じるために)試料が等しい容量の溶解溶液と混合されるように、溶解溶液を処方することができる。
細胞を溶解溶液と混合することによって、細胞をアルカリ性条件へ曝露することができる。細胞と混合する溶解溶液の量は、相当な数の細胞に溶解を引き起こす量、または十分な数の細胞に溶解を引き起こす量であることができる。一般的に、この容量は細胞/溶解溶液混合物のpHの関数となる。したがって、細胞と混合すべき溶解溶液の量は、一般的に細胞の容量および溶解緩衝液のアルカリ濃度から決定することができる。たとえば、十分なアルカリ性条件を作り出すためには、より弱い塩基および/またはより低濃度の塩基を含む溶解溶液に必要な容量よりも、より強い塩基および/またはより高濃度の塩基を含む溶解溶液のより少ない容量が必要となる。(希望のアルカリ性条件を生じるために)細胞が等しい容量の溶解溶液と混合されるように、溶解溶液を処方することができる。
一部の実施形態では、溶解溶液は塩基水溶液といった塩基を含みうる。有用な塩基は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、アンモニア、アニリン、ベンジルアミン、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミン、ジフェニルアミン、エチルアミン、エチレンジアミン、メチルアミン、N−メチルアニリン、モルホリン、ピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、水酸化アルミニウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、およびDBU(1,8−ジアゾビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン)を含む。有用な溶解溶液の処方は、400mMKOHを含む溶解溶液、400mM KOH、100mMジチオスレイトール、および10mM EDTAを含む溶解溶液、および400mMKOH、100mMジチオスレイトール、および10mM EDTAから成る溶解溶液を含む。
一部の実施形態では、溶解溶液は複数の塩基性物質を含みうる。ここでは、塩基性物質とは、アルカリ性条件を結果として生じる化合物、組成物または溶液である。一部の実施形態では、溶解溶液は緩衝剤を含みうる。有用な緩衝剤は、リン酸緩衝剤、「グッド(Good)」緩衝剤(たとえばBES、BICINE、CAPS、EPPS、HEPES、MES、MOPS、PIPES、TAPS、TES、およびTRICINE)、カコジル酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸トリエチルアンモニウム、重炭酸トリエチルアンモニウム、トリス、ビス−トリス、およびビス−トリスプロパンを含む。溶解溶液は複数の緩衝剤を含みうる。ここでは、緩衝試薬とは、緩衝剤として作用する化合物、組成物または溶液である。アルカリ性緩衝剤とは、アルカリ性条件を結果として生じる緩衝剤である。一部の実施形態では、溶解溶液は1種類以上の塩基、塩基性物質、緩衝剤および緩衝試薬の組み合わせを含みうる。
細胞溶解物または試料のpHは、安定化した細胞溶解物を生じるために低下させることができる。安定化した細胞溶解物または試料とは、pHが中性範囲(約pH6.0ないし約pH9.0)にある細胞溶解物または試料である。有用な安定化した細胞溶解物または試料は、細胞溶解物中の核酸の複製を可能にするpHを有する。たとえば、安定化した細胞溶解物または試料のpHは、有効に、DNAポリメラーゼが機能することができるpHにある。細胞溶解物または試料のpHは、細胞溶解物または試料を安定化溶液と混合することによって低下させることができる。安定化溶液は、本文書に別記する通りアルカリ性条件に曝露された細胞溶解物または試料のpHを低下させる溶液を含む。
試料と混合する安定化溶液の量は、中性範囲(または他の希望のpH値)へのpHの低下を生じる量であることができる。一般的に、この容量は試料/安定化溶液混合物のpHの関数となる。したがって、試料と混合すべき安定化溶液の量は、一般的に、試料の容量、そのpHおよび緩衝能、および安定化緩衝液の酸濃度から決定することができる。たとえば、pHを十分に低下させるためには、より弱い酸および/またはより低濃度の酸を含む安定化溶液に必要な容量よりも、より強い酸および/またはより高濃度の酸を含む安定化溶液のより少ない容量が必要となる。(希望のpHを生じるために)試料が等しい容量の安定化溶液と混合されるように、安定化溶液を処方することができる。
細胞溶解物と混合する安定化溶液の量は、中性範囲(または他の希望のpH値)へのpHの低下を生じる量であることができる。一般的に、この容量は細胞溶解物/安定化溶液混合物のpHの関数となる。したがって、細胞溶解物と混合すべき安定化溶液の量は、一般的に、細胞溶解物の容量、そのpHおよび緩衝能、および安定化緩衝液の酸濃度から決定することができる。たとえば、pHを十分に低下させるためには、より弱い酸および/またはより低濃度の酸を含む安定化溶液に必要な容量よりも、より強い酸および/またはより高濃度の酸を含む安定化溶液のより少ない容量が必要となる。(希望のpHを生じるために)細胞溶解物が等しい容量の安定化溶液と混合されるように、安定化溶液を処方することができる。
一部の実施形態では、安定化溶液は酸を含みうる。有用な酸は、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、アセチルサリチル酸、アスコルビン酸、炭酸、クエン酸、ギ酸、硝酸、過塩素酸、HF、HBr、HI、HS、HCN、HSCN、HClO、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、および任意のカルボン酸(エタン酸、プロパン酸、ブタン酸、など、直鎖または分枝鎖カルボン酸の両方を含む)を含む。一部の実施形態では、安定化溶液は緩衝剤を含みうる。有用な緩衝剤は、トリス−HCl、HEPES、「グッド(Good)」緩衝剤(たとえばBES、BICINE、CAPS、EPPS、HEPES、MES、MOPS、PIPES、TAPS、TES、およびTRICINE)、カコジル酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸トリエチルアンモニウム、重炭酸トリエチルアンモニウム、トリス、ビス−トリス、およびビス−トリスプロパンを含む。有用な安定化溶液の処方は、800mMトリス−HClを含む安定化溶液;800mMトリス−HClを含むpH4.1の安定化溶液;および800mMトリス−HCl、pH4.1から成る安定化溶液を含む。
一部の実施形態では、安定化溶液は複数の酸性物質を含みうる。ここでは、酸性物質とは、溶液中に酸を形成する化合物、組成物または溶液である。一部の実施形態では、安定化溶液は複数の緩衝剤を含みうる。酸性緩衝剤とは、溶液中に酸を形成する緩衝剤である。一部の実施形態では、安定化溶液は1種類以上の酸、酸性物質、緩衝剤および緩衝試薬の組み合わせを含みうる。
一部の実施形態では、細胞溶解物または試料のpHは、約pH9.0以下へ、約pH8.5以下へ、約pH8.0以下へ、約pH7.5以下へ、約pH7.2以下へ、または約pH7.0以下へ低下させることができる。一部の実施形態では、細胞溶解物または試料のpHは、約pH9.0ないし約pH6.0の範囲へ、約pH9.0ないし約pH6.5の範囲へ、約pH9.0ないし約pH6.8の範囲へ、約pH9.0ないし約pH7.0の範囲へ、約pH9.0ないし約pH7.2の範囲へ、約pH9.0ないし約pH7.5の範囲へ、約pH9.0ないし約pH8.0の範囲へ、約pH9.0ないし約pH8.5の範囲へ、約pH8.5ないし約pH6.0の範囲へ、約pH8.5ないし約pH6.5の範囲へ、約pH8.5ないし約pH6.8の範囲へ、約pH8.5ないし約pH7.0の範囲へ、約pH8.5ないし約pH7.2の範囲へ、約pH8.5ないし約pH7.5の範囲へ、約pH8.5ないし約pH8.0の範囲へ、約pH8.0ないし約pH6.0の範囲へ、約pH8.0ないし約pH6.5の範囲へ、約pH8.0ないし約pH6.8の範囲へ、約pH8.0ないし約pH7.0の範囲へ、約pH8.0ないし約pH7.2の範囲へ、約pH8.0ないし約pH7.5の範囲へ、約pH7.5ないし約pH6.0の範囲へ、約pH7.5ないし約pH6.5の範囲へ、約pH7.5ないし約pH6.8の範囲へ、約pH7.5ないし約pH7.0の範囲へ、約pH7.5ないし約pH7.2の範囲へ、約pH7.2ないし約pH6.0の範囲へ、約pH7.2ないし約pH6.5の範囲へ、約pH7.2ないし約pH6.8の範囲へ、約pH7.2ないし約pH7.0の範囲へ、約pH7.0ないし約pH6.0の範囲へ、約pH7.0ないし約pH6.5の範囲へ、約pH7.0ないし約pH6.8の範囲へ、約pH6.8ないし約pH6.0の範囲へ、約pH6.8ないし約pH6.5の範囲へ、または約pH6.5ないし約pH6.0の範囲へ低下させることができる。一部の実施形態では、細胞溶解物または試料のpHは、約pH6.0ないし約pH9.0の端点の任意の組み合わせを有する任意の範囲へ低下させることができる。そのような端点および範囲のすべては具体的におよび別々に検討される。
一部の実施形態では、細胞は熱によって溶解されない。異なる条件下の異なる細胞は異なる温度で溶解することを当業者は理解し、およびそのため細胞が熱によって溶解されない温度および時間を決定することができる。一般的に、細胞は、使用するアルカリ性条件の非存在下で相当な細胞溶解を引き起こす温度を上回っておよびそのような時間、加熱に供されない。ここでは、相当な細胞溶解とは、アルカリ性条件に曝露された細胞の90%以上の溶解をいう。顕著な細胞溶解とは、アルカリ性条件に曝露された細胞の50%以上の溶解をいう。十分な細胞溶解とは、アルカリ性条件に曝露された細胞の、複数鎖置換増幅による増幅産物の検出可能な量の合成を可能にするのに十分な溶解をいう。一般的に、本開示の方法に用いられるアルカリ性条件は、十分な細胞溶解を引き起こしさえすればよい。当然、顕著なまたは相当な細胞溶解を引き起こすことができるアルカリ性条件は、本方法を実施する際に、顕著なまたは相当な細胞溶解を結果として生じる必要が無い。
一部の実施形態では、細胞はその細胞が増殖する温度を相当にまたは顕著に上回る加熱に供されない。ここでは、細胞が増殖する温度とは、使用する種類の細胞が培養される標準的温度、または異なる標準的温度のうち最高のものをいう。動物細胞の場合には、細胞が増殖する温度とは、その動物の体温をいう。他の実施形態では、細胞は増幅反応(ゲノムが増幅される)の温度を相当にまたは顕著に上回る加熱に供されない。
一部の実施形態では、細胞溶解物または試料は、増幅反応前に精製に供されない。本開示の方法との関連において、精製とは一般的に、細胞溶解物または試料中の他の物質からの核酸の分離をいう。複数置換増幅は精製されていないおよび部分精製された試料について実施することができることが見出されている。増幅反応は、精製されていない核酸を用いて効率的に実施することはできないと一般に考えられている。特に、PCRは夾雑物に対して非常に感受性が高い。
精製の形式は、遠心分離、抽出、クロマトグラフィー、沈澱、濾過、および透析を含む。部分精製された細胞溶解物または試料は、遠心分離、抽出、クロマトグラフィー、沈澱、濾過、および透析に供された細胞溶解物または試料を含む。部分精製された細胞溶解物または試料は一般的に、核酸沈澱または透析に供された細胞溶解物または試料を含まない。ここでは、他の物質からの核酸の分離とは、複製すべき核酸が、他の物質とは異なる容器に存在するようにする物理的分離をいう。精製は、すべての核酸の、すべての他の物質からの分離を必要としない。むしろ、必要なのは、一部の核酸の、一部の他の物質からの分離である。増幅すべき核酸との関連においてここでは、精製とは他の物質からの核酸の分離をいう。細胞溶解物との関連において、精製とは細胞溶解物中の他の物質からの核酸の分離をいう。ここでは、部分精製とは、核酸と混合している他の物質の、全部でなく一部からの、核酸の分離をいう。細胞溶解物との関連において、部分精製とは、細胞溶解物中の他の物質の、全部でなく一部からの、核酸の分離をいう。
文脈に明らかにそうでないと示されない限り、精製の欠如、1種類以上の精製または分離操作または技術の欠如、または精製または1種類以上の精製または分離操作または技術の除外へのここでの言及は、細胞または試料のアルカリ性条件への曝露(またはその結果)または細胞溶解物または試料のpHの低下(またはその結果)を包含しない。すなわち、本開示の方法のアルカリ性条件およびpH低下が「精製」または「分離」と見なしうる効果を生じる範囲で、そのような効果は、それらの語が細胞溶解物、試料、安定化した試料および安定化した細胞溶解物の処理および操作に関連して用いられる際(文脈に明らかにそうでないと示されない限り)精製および分離の定義から除外される。
ここでは、相当な精製とは、核酸と混合している他の物質の少なくとも相当な部分からの核酸の分離をいう。細胞溶解物との関連において、相当な精製とは、細胞溶解物中の他の物質の少なくとも相当な部分からの核酸の分離をいう。相当な部分とは、含まれる他の物質の90%をいう。精製の特定のレベルをパーセント精製(たとえば95%精製および70%精製)としていうことができる。パーセント精製とは、核酸と混合している他の物質の、少なくとも指定のパーセントの、核酸からの分離を結果として生じる精製をいう。
増幅すべき核酸分子の変性は増幅技術において一般的である。これはゲノムDNAを増幅する際に特にその通りである。特に、PCRは複数の変性サイクルを用いる。変性は、一般的に核酸鎖をプライマーに接触可能にするために用いられる。標的核酸、たとえばゲノムDNAは、効率的な複数置換増幅のためには変性している必要が無いことが見出された。また、変性段階および変性条件の除去は、増幅産物における配列偏りを低下させるといった追加の利点を有することも見出された。一部の実施形態では、細胞溶解物または試料中の核酸は、加熱によって変性されない。一部の実施形態では、細胞溶解物は、その細胞が増殖する温度を相当にまたは顕著に上回る加熱に供されない。他の実施形態では、細胞溶解物または試料は、増幅反応(ゲノムが増幅される)の温度を相当にまたは顕著に上回る加熱に供されない。本開示の複数置換増幅反応は一般的に、実質的に一定な温度にて実施され(すなわち、その増幅反応は実質的に等温である)、およびこの温度は一般的に、核酸が明らかに変性する温度を下回る。ここでは、明らかな変性とは、塩基対の10%以上の変性をいう。
本開示の方法の好ましい形式では、核酸試料またはテンプレート核酸は変性条件に供されない、および/または変性段階は使用されない。本開示の方法の一部の形式では、核酸試料またはテンプレート核酸は熱変性条件に供されないおよび/または熱変性段階は使用されない。当然、試料調製(たとえば、細胞溶解および細胞抽出物の処理)は変性を生じると考えることができる条件を含みうる一方(たとえば、アルカリを用いた処理)、本開示の方法の一部の形式で除去された変性条件または段階とは、核酸鎖をプライマーに接触可能にすることを意図しおよびそのために用いられる変性段階または条件をいう。そのような変性は一般的には熱変性であるが、しかしまた化学変性といった他の形式の変性であることもできる。核酸試料またはテンプレート核酸が変性条件に供されない本開示の方法では、テンプレート鎖はプライマーに接触可能であることが理解される(増幅が起こるので)。しかし、テンプレート鎖は試料またはテンプレート核酸の一般的な変性を経て接触可能にされない。
アルカリ性条件に曝露された試料または細胞の全部または一部のpHを低下させて、安定化したかまたは中性化した試料または細胞溶解物を生じることができ、および増幅混合物は中性化したかまたは安定化した試料または細胞溶解物の全部または一部を含むことができる。増幅混合物とは、核酸が増幅される反応溶液である。増幅混合物はゲノムを含むことができ、およびそのゲノムは増幅混合物中の核酸の任意の部分を含むことができる。ゲノムは、増幅混合物中の核酸の、たとえば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。
増幅混合物中の核酸の濃度は、プライマーのハイブリダイゼーションを核酸の再会合よりも有利にすることができ、これは増幅産物の品質を高める役割を果たす(たとえば、より低い増幅偏りを与えることによって)。その濃度以下では低い増幅偏りを達成できる濃度を、異なる試料についておよび異なる増幅技術について、ここに記載する方法を用いて決定することができる。増幅混合物中の核酸の濃度は、たとえば、300ng/μl以下、200ng/μl以下、150ng/μl以下、100ng/μl以下、95ng/μl以下、90ng/μl以下、85ng/μl以下、80ng/μl以下、75ng/μl以下、70ng/μl以下、65ng/μl以下、60ng/μl以下、55ng/μl以下、50ng/μl以下、45ng/μl以下、40ng/μl以下、35ng/μl以下、30ng/μl以下、25ng/μl以下、20ng/μl以下、15ng/μl以下、10ng/μl以下、9ng/μl以下、8ng/μl以下、7ng/μl以下、6ng/μl以下、5ng/μl以下、4ng/μl以下、3ng/μl以下、2ng/μl以下、1ng/μl以下、0.8ng/μl以下、0.6ng/μl以下、0.5ng/μl以下、0.4ng/μl以下、0.3ng/μl以下、0.2ng/μl以下、または0.1ng/μl以下であることができる。
増幅混合物中の核酸の量は、閾量以上であることができ、この閾量は増幅産物の品質を高める役割を果たす(たとえば、より低い増幅偏りを与えることによって)。その量以上では低い増幅偏りを達成できる量を、異なる試料についておよび異なる増幅技術について、ここに記載する方法を用いて決定することができる。増幅混合物中の核酸の量は、たとえば、少なくとも50ng、少なくとも60ng、少なくとも70ng、少なくとも80ng、少なくとも90ng、少なくとも100ng、少なくとも110ng、少なくとも120ng、少なくとも130ng、少なくとも140ng、少なくとも150ng、少なくとも160ng、少なくとも170ng、少なくとも180ng、少なくとも190ng、少なくとも200ng、少なくとも220ng、少なくとも240ng、少なくとも260ng、少なくとも280ng、少なくとも300ng、少なくとも325ng、少なくとも350ng、少なくとも375ng、少なくとも400ng、少なくとも450ng、または少なくとも500ngであることができる。
DNA増幅手順の効率は、個々の遺伝子座に関してパーセント発現量として記載することができ、ここで細胞から精製された通りのゲノムDNA中の遺伝子座に関してパーセント発現量は100%である。10,000倍増幅については、平均発現量頻度は、テンプレートの熱変性無しで増幅したDNA中の8遺伝子座に関して141%、およびテンプレートの熱変性ありで増幅したDNA中の8遺伝子座に関して37%であった。熱変性段階の削除の結果として、増幅された遺伝子座に関して発現量頻度に3.8倍の増加を生じた。増幅偏りは、増幅されたDNAの2つの試料間で、または、増幅されたDNAの試料とそれが増幅された元のテンプレートDNAとの間で計算することができる。偏りは、特定の遺伝子座に関するパーセント発現量(または遺伝子座発現量)の値の間の比率である。最大偏りは、最高に発現された遺伝子座の、最低に発現された遺伝子座に対する比率である。10,000倍増幅については、最大増幅偏りは、テンプレートの熱変性無しで増幅したDNAに関して2.8、およびテンプレートの熱変性ありで増幅したDNAに関して50.7であった。熱変性段階の削除の結果として、増幅された遺伝子座に関して最大偏りに18倍の減少を生じた。パーセント発現量は、発現量偏りの一種である。したがって、パーセント遺伝子座発現量は、遺伝子座発現量偏りの一種である。
本開示の方法は、高品質の増幅産物を生じることができる。たとえば、本開示の方法は、少なくとも10%の遺伝子座発現量または遺伝子座発現量偏りを少なくとも5個の異なる遺伝子座に関して、少なくとも10%の配列発現量または配列発現量偏りを少なくとも5個の異なる標的配列に関して、50倍未満の増幅偏りを、50倍未満の増幅偏りを少なくとも5個の異なる遺伝子座に関して、および/または50倍未満の増幅偏りを少なくとも5個の異なる標的配列に関して生じることができる。本開示の方法はまた、たとえば、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも100%の遺伝子座発現量または遺伝子座発現量偏りを、少なくとも5個の異なる遺伝子座に関して生じることができる。本開示の方法はまた、たとえば、少なくとも10%の遺伝子座発現量または遺伝子座発現量偏りを、少なくとも6個の異なる遺伝子座、少なくとも7個の異なる遺伝子座、少なくとも8個の異なる遺伝子座、少なくとも9個の異なる遺伝子座、少なくとも10個の異なる遺伝子座、少なくとも11個の異なる遺伝子座、少なくとも12個の異なる遺伝子座、少なくとも13個の異なる遺伝子座、少なくとも14個の異なる遺伝子座、少なくとも15個の異なる遺伝子座、少なくとも16個の異なる遺伝子座、少なくとも17個の異なる遺伝子座、少なくとも18個の異なる遺伝子座、少なくとも19個の異なる遺伝子座、少なくとも20個の異なる遺伝子座、少なくとも25個の異なる遺伝子座、少なくとも30個の異なる遺伝子座、少なくとも40個の異なる遺伝子座、少なくとも50個の異なる遺伝子座、少なくとも75個の異なる遺伝子座、または少なくとも100個の異なる遺伝子座に関して生じることができる。
本開示の方法はまた、たとえば、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも100%の配列発現量または配列発現量偏りを、少なくとも5個の異なる標的配列に関して生じることができる。本開示の方法の一部の形式はまた、たとえば、少なくとも10%の配列発現量または配列発現量偏りを、少なくとも6個の異なる標的配列、少なくとも7個の異なる標的配列、少なくとも8個の異なる標的配列、少なくとも9個の異なる標的配列、少なくとも10個の異なる標的配列、少なくとも11個の異なる標的配列、少なくとも12個の異なる標的配列、少なくとも13個の異なる標的配列、少なくとも14個の異なる標的配列、少なくとも15個の異なる標的配列、少なくとも16個の異なる標的配列、少なくとも17個の異なる標的配列、少なくとも18個の異なる標的配列、少なくとも19個の異なる標的配列、少なくとも20個の異なる標的配列、少なくとも25個の異なる標的配列、少なくとも30個の異なる標的配列、少なくとも40個の異なる標的配列、少なくとも50個の異なる標的配列、少なくとも75個の異なる標的配列、または少なくとも100個の異なる標的配列に関して生じることができる。
本開示の方法はまた、たとえば、45倍未満、40倍未満、35倍未満、30倍未満、25倍未満、20倍未満、19倍未満、18倍未満、17倍未満、16倍未満、15倍未満、14倍未満、13倍未満、12倍未満、11倍未満、10倍未満、9倍未満、8倍未満、7倍未満、6倍未満、5倍未満、または4倍未満の増幅偏りを生じることができる。本開示の方法はまた、たとえば、50倍未満の増幅偏りを、少なくとも5個の異なる遺伝子座に関して、少なくとも6個の異なる遺伝子座、少なくとも7個の異なる遺伝子座、少なくとも8個の異なる遺伝子座、少なくとも9個の異なる遺伝子座、少なくとも10個の異なる遺伝子座、少なくとも11個の異なる遺伝子座、少なくとも12個の異なる遺伝子座、少なくとも13個の異なる遺伝子座、少なくとも14個の異なる遺伝子座、少なくとも15個の異なる遺伝子座、少なくとも16個の異なる遺伝子座、少なくとも17個の異なる遺伝子座、少なくとも18個の異なる遺伝子座、少なくとも19個の異なる遺伝子座、少なくとも20個の異なる遺伝子座、少なくとも25個の異なる遺伝子座、少なくとも30個の異なる遺伝子座、少なくとも40個の異なる遺伝子座、少なくとも50個の異なる遺伝子座、少なくとも75個の異なる遺伝子座、または少なくとも100個の異なる遺伝子座に関して生じることができる。本開示の方法はまた、たとえば、50倍未満の増幅偏りを、少なくとも5個の異なる標的配列に関して、少なくとも6個の異なる標的配列、少なくとも7個の異なる標的配列、少なくとも8個の異なる標的配列、少なくとも9個の異なる標的配列、少なくとも10個の異なる標的配列、少なくとも11個の異なる標的配列、少なくとも12個の異なる標的配列、少なくとも13個の異なる標的配列、少なくとも14個の異なる標的配列、少なくとも15個の異なる標的配列、少なくとも16個の異なる標的配列、少なくとも17個の異なる標的配列、少なくとも18個の異なる標的配列、少なくとも19個の異なる標的配列、少なくとも20個の異なる標的配列、少なくとも25個の異なる標的配列、少なくとも30異なる標的配列、少なくとも40個の異なる標的配列、少なくとも50個の異なる標的配列、少なくとも75個の異なる標的配列、または少なくとも100個の異なる標的配列に関して生じることができる。これらの結果は、さまざまな試料にわたるか、一部の選択された種類の試料に関するか、または特定の種類の試料に関することができる。
ここでは、低い増幅偏りは、少なくとも5配列または遺伝子座に関して10倍未満、少なくとも6配列または遺伝子座に関して12倍未満、少なくとも7配列または遺伝子座に関して14倍未満、少なくとも8配列または遺伝子座に関して16倍未満、少なくとも9配列または遺伝子座に関して18倍未満、少なくとも10配列または遺伝子座に関して20倍未満、少なくとも11配列または遺伝子座に関して22倍未満、少なくとも12配列または遺伝子座に関して24倍未満、少なくとも13配列または遺伝子座に関して26倍未満、少なくとも14配列または遺伝子座に関して28倍未満、少なくとも15配列または遺伝子座に関して30倍未満、少なくとも16配列または遺伝子座に関して32倍未満、少なくとも17配列または遺伝子座に関して34倍未満、少なくとも18配列または遺伝子座に関して36倍未満、少なくとも19配列または遺伝子座に関して38倍未満、少なくとも20配列または遺伝子座に関して40倍未満、少なくとも21配列または遺伝子座に関して42倍未満、少なくとも22配列または遺伝子座に関して44倍未満、少なくとも23配列または遺伝子座に関して46倍未満、少なくとも24配列または遺伝子座に関して48倍未満、および少なくとも25配列または遺伝子座に関して50倍未満の増幅偏りを含む。一般化すると、低い増幅偏りは、2x倍の増幅偏りを含み、ここでxは、それに対して増幅偏りを計算するかまたは観察する配列または遺伝子座の数である。低い増幅偏りは、対立遺伝子偏り、遺伝子座発現量、配列発現量、対立遺伝子発現量、遺伝子座発現量偏り、配列発現量偏り、パーセント発現量、パーセント遺伝子座発現量、パーセント配列発現量、およびインプット核酸の低い偏りおよび/または完全な増幅を示す他の指標によって、といった他の方法で表すことができる。低い増幅偏りを構成するそのような他の指標の値は一般的に、本文書に別に記載する、増幅偏りと偏りの他の指標との間の関係を考慮して、上記の定義および式を参照して計算することができる。
本方法の別の一形式では、プライマーは六量体プライマーであることができる。そのような短い、6ヌクレオチドプライマーはなおも効率的に複数鎖置換複製をプライミングすることができることが見出された。そのような短いプライマーは、ランダム配列(ランダムプライマー)の完全な一組のプライマーとして作製することが、より長いプライマーよりも容易であり、それは少なくとも作製すべきものがより少ないからである。本方法の別の一形式では、プライマーがヌクレアーゼ耐性となるように、プライマーはそれぞれ少なくとも1個の修飾ヌクレオチドを含むことができる。本方法の別の一形式では、修飾ヌクレオチドを含まない同一配列のプライマーと比較してそのプライマーの融点が変化するように、プライマーはそれぞれ少なくとも1個の修飾ヌクレオチドを含むことができる。本方法の別の一形式では、DNAポリメラーゼはφ29DNAポリメラーゼであることができる。φ29DNAポリメラーゼはより多くの増幅を複数置換増幅で生じることが見出された。上記の特性のうち2つ以上の組み合わせもまた、複数置換増幅において改善された結果を生じる。好ましい一実施形態では、たとえば、標的試料は変性条件に供されず、プライマーは六量体プライマーでありおよびプライマーがヌクレアーゼ耐性となるように修飾ヌクレオチドを含み、およびDNAポリメラーゼはφ29DNAポリメラーゼである。上記の特性は全ゲノム鎖置換増幅(WGSDA)において特に有用である。
本開示の方法の別の一形式では、本方法は、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼを用いて、複製された鎖(すなわち、複数置換増幅で生じた鎖)を標識化することを含む。複製された鎖は、たとえば、ビオチニル化ヌクレオチド、蛍光ヌクレオチド、5−メチルdCTP、BrdUTP、または5−(3−アミノアリル)−2'−デオキシウリジン5'−三リン酸といった修飾ヌクレオチドの、複製された鎖の3’末端への付加によって標識化することができる。
本開示の方法の一部の形式は、増幅のための標的であるDNAの熱変性処理の無いことによって、以前の方法と比較してより高い品質の増幅されたDNAを提供する。したがって、テンプレートDNAは熱処理によって引き起こされる鎖切断現象を受けず、および単一のDNAポリメラーゼによって達成される増幅は、より長いテンプレート鎖に沿ってより長く伸長する。
本開示の方法の一形式では、少量の精製された2本鎖ヒトゲノムDNA(たとえば1ng)を、エキソヌクレアーゼ耐性ランダム六量体プライマーおよびφ29DNAポリメラーゼと、DNA合成に有利な条件下で混合することができる。たとえば、その混合物を単に30℃にてインキュベートすることができ、すると複数置換増幅が起こる。このように、任意の1本鎖または2本鎖DNAを、何も追加の処理無しに用いることができ、本開示の方法を簡単な一段階手順としている。必要なDNAテンプレートは非常に少ないため、本開示の方法の主な長所は、PCRといった他のDNA増幅手順を妨げるレベルの夾雑物を含む調製物からDNAテンプレートを取ることができることである。MDAのためには、夾雑物が反応に干渉する濃度未満になるように試料を希釈することができる。本開示の方法は、たとえば、尿、精液、リンパ液、脳脊髄液、および羊水といった体液を含む、任意の種類の試料を用いて実施することができる(および上記の長所を達成できる)。
本開示の方法において少量のDNAテンプレートだけが必要であることは、本方法が非常に少量の試料からのDNA増幅に有用であることを意味する。特に、本開示の方法は、単一の細胞からDNAを増幅するのに用いることができる。単一の細胞(または同様に少量の試料)から分析可能な量の核酸を得る能力は、調製、分析、および出生前診断のような診断手順に多数の用途を有する。本開示の方法による増幅が有用となる少量のDNAしか含まない生物学的試料の他の例は、腫瘍または他の保存医学検体から切除した材料、針吸引生検、院内感染といった感染症から生じた臨床試料、法医学試料、または絶滅種の博物館標本である。
より幅広くは、本開示の方法は、必要なDNAの量が供給量よりも大きい用途に有用である。たとえば、チップハイブリダイゼーション技術によってDNAを分析する手順は、典型的な量の血液試料から精製されうるDNAの量によって制限される。結果として、多数のチップハイブリダイゼーション手順は、その高処理量手順用に十分な供給量の材料を作製するために、PCRを利用する。本開示の方法は、開始材料の遺伝子座発現量頻度を忠実に再現する増幅されたDNAの豊富な量の作製に有用な技術を提示する。
MDAによる全ゲノム増幅は、純粋なDNAを単離する必要を回避して、血液または細胞から直接に実施することができる。たとえば、血液または他の細胞を、溶解溶液の一例である2Xアルカリ性溶解緩衝液(400mMKOH、100mMジチオスレイトール、および10mMEDTA)の等量を用いた希釈によって溶解し、および氷上にて10分間インキュベートすることができる。溶解した細胞は、安定化溶液の一例である中性化緩衝液(800mMトリス−HCl、pH4.1)の同容量を用いて安定化するかまたは中性化することができる。溶解した血液または細胞の調製物(たとえば1ml)を、MDA反応(たとえば100ml)におけるテンプレートとして直接使用することができる。必要に応じて、溶解の前に、血液はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で3倍に希釈することができ、および組織培養細胞はPBSで30,000細胞/mlに希釈することができる。
試料が標本採取可能な核酸を含むかどうかの予備知識がある必要は無いことが見出されている。本開示の方法の一部の形式は、核酸を含むとみられる試料が実際に核酸を含むかどうかを試験するのに用いることができる。本開示の方法を用いたそのような試料からの増幅されたDNAの産生は、その試料が核酸を含んだことの証拠である。より一般的に、本開示の方法の実施は、試料中のいかなる核酸配列のいかなる知識も必要としない。したがって、本開示の方法は、特異的配列情報の欠如にかかわらず、任意の起源から核酸を増幅するのに用いることができる。これは、増幅を実施するためには試料中に存在すると考えられる核酸配列の少なくとも一部の予備情報を有することが必要である、PCRといった他の増幅法とは対照的である。この場合、試料中に存在する核酸が予想の試料核酸とは異なるならば、PCR増幅反応は失敗する。試料が核酸の混合物を含むならば、PCR反応では、適切な種類の核酸だけが増幅されるが、他の種類の核酸は増幅されない。対照的に、本開示の方法は、試料中に存在する核酸の大部分または全部の増幅を提供する。本開示の方法は、従来は核酸を含まないと予想または考えられている試料を用いることにも等しく適用可能である。たとえば、ヒトまたは他の高等動物由来の血清または血漿は、遊離の宿主核酸を含まないと考えられていた。しかし、本開示の方法はそのような試料中に存在する核酸を増幅できたことが見出された。
本開示の方法の一形式は下記の手順によって説明することができる。この手順は、細胞試料および核酸試料といった任意の種類の試料に用いることができる。
1.増幅前のゲノムDNAテンプレートの変性。溶液Aを1:4にHOを用いて希釈することによって溶解溶液を調製する(たとえば100μLの溶液Aを300μLのHO中へ)。溶液Bを1:5にHOを用いて希釈することによって安定化緩衝液を調製する(たとえば、100μLの溶液Aを400μLのHO中へ)。溶解溶液および安定化溶液の両方は、新しい実験ごとに用時調製すべきである。使用後は、COからの中性化を避けるため、溶液Aの入った瓶は直ちに再密栓する。
溶液Aの有効使用期限は6ヶ月である。6ヶ月を超えて保存した場合は新しい溶液Aを調製する。
溶液A:400mMKOH、10mMEDTA、pH8
溶液B:800mMトリス塩酸、pH4
2.2.5μLの溶解溶液を、氷上にて2.5μLのゲノムDNAを入れた0.2mLサーモサイクラーチューブのそれぞれに加える。ピペットで5回吸引上下することによってよく混合する。チューブまたはプレートを氷上で3分間インキュベートする。
3.変性反応を3分後に、5μLの安定化緩衝液を各試料および対照に加えることによって停止する。チューブを氷から取り出す。直ちに増幅反応へ進む。
4.段階3からのチューブに、終容量50μlで下記を加える:
必要な量のゲノムDNA、
0.3Mトレハロース、
10mMMgCl
37.5mMトリス/HClpH:7、
50mMKCl、
20mM硫酸アンモニウム、
1mMdNTP、
50μMエキソヌクレアーゼ耐性ランダム六量体オリゴヌクレオチド、
40ユニットのファイ29DNAポリメラーゼ。
40℃にて6〜16時間インキュベートする。
全ゲノム増幅がヒトテンプレートDNAの熱処理無しのMDAによって実施される、本開示の方法の特定の一実施形態が実施例4に記載される。その実施例に示される通り、本開示の方法は、テンプレートDNAの熱処理ありで実施される増幅と比較して遺伝子分析における性能が向上したDNA増幅産物を生じる。テンプレートの熱処理無しで生じた、より長いDNA産物は、サザンブロッティング、およびRFLPを用いた遺伝子分析で、より大きなDNA断片を与える。
熱処理によるDNA鎖の切断が、実施例5で直接に実証される一方、熱処理したDNAからのDNA増幅の速度および収率の低下を実施例6で表す。DNAテンプレートの熱処理の結果として生じる、DNA産物鎖長の減少は、実施例7で実証される。
精製されたヒトゲノムDNAがテンプレートの熱処理無しのMDAによって増幅される、本開示の方法の特定の一形式が実施例8に記載される。その実施例に示される通り、本開示の方法は、定量的PCR分析の基質として用いる場合、テンプレートの熱処理ありで増幅したDNAと比較して、遺伝子座発現量の損失の無いDNA増幅産物を生じる。
精製されたヒトゲノムDNAがテンプレートの熱処理無しのMDAによって増幅される、本開示の方法の別の特定の一形式が実施例9に記載される。その実施例に示される通り、本開示の方法は、8個の異なる遺伝子座間の発現量のばらつきが3.0未満で変動する低い増幅偏りを有するDNA増幅産物を生じる。対照的に、2種類のPCRを基礎とする増幅法、PEPおよびDOP−PCRによって増幅されたDNA産物の増幅偏りは、2ないし6桁の間で変動する。
ヒトゲノムDNAテンプレート由来の特異的ネステッドプライマーを用いたc−jun配列の増幅が、DNAテンプレート熱変性段階の削除によって促進される、本開示の方法の別の特定の一形式が実施例10に記載される。
熱処理段階の非存在下で、全血からまたは組織培養細胞から直接に、精製されたDNAからと同一の効率で、ヒトゲノムDNAが増幅される、本開示の方法の別の特定の一形式が実施例11に記載される。血液または細胞から直接に増幅されたDNAは、精製されたヒトDNAテンプレートから増幅されたDNAと実質的に同一の遺伝子座発現量値を有する。全血中のヘムのような成分はPCRを阻害し、および血液由来のDNAがPCRテンプレートとして使用可能になる前に精製段階の必要を生じさせるため、このことは、PCRといった他の増幅手順に対する長所を表す。
精製されたヒトゲノムDNAがテンプレートの熱処理無しのMDAによって70%AA−dUTP/30%dTTPの存在下で増幅される、本開示の方法の別の特定の一形式が実施例12に記載される。その実施例に示される通り、本開示の方法は、100%dTTPの存在下で増幅されたDNAと同一の低い増幅偏りを有するDNA増幅産物を与える。
損傷DNAを増幅および修復するための方法もまた開示される。この方法は、たとえば、分解されたゲノムDNAを増幅するために有用である。本方法は、損傷DNA試料を実質的に変性させること(一般的に熱およびアルカリ性条件への曝露によって)、変性条件の除去または低減(たとえば変性したDNA試料のpHおよび温度の低下によって)、およびそのDNAを複製することを含む。損傷DNAは複製中に修復され、およびDNAの平均長が増大する。たとえば、DNA断片の平均長は、たとえば、損傷DNA試料中の2kbから、たとえば、増幅されたDNAについての10kb以上へ増加することができる。増幅および修復されたDNAは、損傷DNA試料よりも、分析および試験のためによい条件にある。たとえば、この技術は、損傷DNA試料に由来する対立遺伝子発現量に一貫した改善を与えることができる。この修復方法は、すべて損傷DNAを他の方法によって増幅した場合と比較して、産物の平均長を増加し、増幅産物の品質を3倍に高め(たとえば、試料中のマーカー発現量を増加することによって)、および対立遺伝子欠落の頻度を低下させることによって増幅産物の遺伝子型分析を改善することによって、損傷DNAの増幅における全体的な改善を結果として生じうる。複製は複数置換増幅であることができる。DNA試料の変性は一般的に、DNAがさらに損傷されないように実施される。この方法は一般的に、本開示の増幅法のうち任意のものと組み合わせるかまたは共に使用することができる。この方法の別の一形式は、損傷DNA試料を実質的に変性させること(一般的に熱およびアルカリ性条件への曝露によって)、変性したDNA試料のpHの低下、変性したDNA試料を同一起源に由来する未変性のDNA試料と混合して未変性DNA試料中のDNAの末端が一時的に変性するようにすること、DNA試料の混合物をゆっくり冷却して一時的に変性した末端を変性したDNAとアニーリングさせること、およびアニーリングしたDNAを複製することを含みうる。
本開示の方法は、全部がまたは一部が、固相担体中または上で、または反応チャンバー中または上で実施することができる。たとえば、本開示の複製、インキュベートおよび増幅段階は、固相担体中または上の、または反応チャンバー中または上の増幅混合物について実施することができる。たとえば、本開示の複製、インキュベートおよび増幅段階は、反応チャンバーを有する固相担体上で増幅混合物について実施することができる。反応チャンバーは、別々の増幅反応を実施することができる任意の構造である。有用な反応チャンバーは、チューブ、試験管、エッペンドルフチューブ、ベッセル、マイクロベッセル、プレート、ウェル、マイクロウェルプレートのウェル、マイクロタイタープレートのウェル、チャンバー、マイクロ流体チャンバー、マイクロマシンチャンバー、密閉チャンバー、ホール、凹部、小窪、シャーレ、表面、膜、マイクロアレイ、ファイバー、グラスファイバー、光ファイバー、ファイバー織物、フィルム、ビーズ、瓶、チップ、コンパクトディスク、成型ポリマー、粒子および微粒子、または別々の反応を支持することができる他の構造を含む。反応チャンバーは任意の適当な材料から作ることができる。そのような材料は、アクリルアミド、セルロース、ニトロセルロース、ガラス、金、ポリスチレン、ポリエチレンビニルアセテート、ポリプロピレン、ポリメタクリレート、ポリエチレン、ポリエチレンオキサイド、ガラス、ポリシリケート、ポリカーボネート、テフロン、フルオロカーボン、ナイロン、シリコンゴム、ポリ無水物、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリオルトエステル、官能基化シラン、ポリプロピルフマラート、コラーゲン、グリコサミノグリカン、およびポリアミノ酸を含む。固相担体は好ましくは反応チャンバーのアレイを含む。反応チャンバーに関連して、別々の反応とは、異なる反応チャンバー間で反応物または産物の交差汚染が実質的に起こらない反応をいう。交差汚染が実質的に起こらない.とは、関係する特定の反応または測定法において検出されるレベルを下回る、反応物または産物の汚染レベルをいう。たとえば、別の反応チャンバーからの核酸汚染が、所定の反応チャンバーにおいて所定の測定法で検出されない場合(核酸汚染が存在しうるとしても)、核酸の実質的な交差汚染は存在しない。したがって、反応チャンバーは、その位置で実施される反応が分離されたままでありおよび混合を受けない限り、たとえば、スポットのような平面上の位置を含みうると解される。
本開示の方法の一部の形式は、1種類、少数、またはより多くのプライマーによる核酸配列の鎖置換複製に基づく。本方法は核酸試料を増幅するために用いることができ、およびゲノム全体のような高い配列複雑性を有する核酸試料を増幅するために特に有用である。本開示の方法は、1または限られた数のプライマーだけを用いてそのような高度に複雑な核酸試料を増幅するのに用いることができる。1または少数のプライマーが、全ゲノムおよび他の高度な配列複雑性を有する核酸試料を効果的に増幅することができることが見出されている。そのプライマーは、プライマー中に発現されるプライマー配列の限られた量にもかかわらず、高度に複雑な核酸試料中に存在する幅広い範囲の配列をプライミングしおよび効率的に増幅することができるように特別に選択または設計されている。本開示の方法は一般的に、特異的核酸配列を有する1、少数、またはより多くのプライマー、DNAポリメラーゼ、および核酸試料を接触させ、および、核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下で核酸試料をインキュベートすることを含む。核酸分子の複製の結果として、複製された鎖が複製中に別の複製された鎖の鎖置換複製によって核酸分子から置換されるように、複製された鎖を生じる。複製は結果として核酸試料中の核酸分子の全部または相当な部分の増幅を生じうる。ここでは、複製された鎖とは、核酸分子または核酸配列と、または別の複製された鎖とハイブリダイズしたプライマーの伸長の結果として生じる核酸鎖である。鎖置換複製とは、鎖置換複製とは、複製された鎖の伸長する末端が、テンプレート鎖からの(または別の複製鎖からの)別の鎖に遭遇しおよびそれを置換するDNA複製をいう。別の複製された鎖による複製鎖の置換は、本開示の方法の顕著な特徴であり、核酸分子または核酸配列の複数コピーを単一の等温反応において作製することを可能にする。
本方法の別の一形式では、プライマーは長さ6ヌクレオチドであることができる。そのような短い、6ヌクレオチドプライマーはなおも効率的に複数鎖置換複製をプライミングすることができることが見出された。本方法の別の一形式ではプライマーがヌクレアーゼ耐性となるように、プライマーはそれぞれ少なくとも1個の修飾ヌクレオチドを含むことができる。本方法の別の一形式では、修飾ヌクレオチドを含まない同一配列のプライマーと比較してそのプライマーの融点が変化するように、プライマーはそれぞれ少なくとも1個の修飾ヌクレオチドを含むことができる。本方法の別の一形式では、DNAポリメラーゼはφ29DNAポリメラーゼであることができる。φ29DNAポリメラーゼはより多くの増幅を複数置換増幅で生じる。上記の特性のうち2つ以上の組み合わせもまた、複数置換増幅において改善された結果を生じる。好ましい一実施形態では、たとえば、核酸試料は変性条件に供されず、プライマーは長さ6ヌクレオチドでありおよびプライマーがヌクレアーゼ耐性となるように修飾ヌクレオチドを含み、およびDNAポリメラーゼはφ29DNAポリメラーゼである。上記の特性は全ゲノム鎖置換増幅(WGSDA)において特に有用である。
本開示の方法の別の一形式では、本方法は、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼを用いて、複製された鎖(すなわち、複数置換増幅で生じた鎖)を標識化することを含む。複製された鎖は、たとえば、ビオチニル化ヌクレオチド、蛍光ヌクレオチド、5−メチルdCTP、BrdUTP、または5−(3−アミノアリル)−2'−デオキシウリジン5'−三リン酸といった修飾ヌクレオチドの、複製された鎖の3’末端への付加によって標識化することができる。
本開示の方法の一部の形式は、増幅のための標的である核酸分子の熱変性処理の無いことによって、以前の方法と比較してより高い品質の増幅されたDNAを提供する。したがって、テンプレートDNAは熱処理によって引き起こされる鎖切断現象を受けず、および単一のDNAポリメラーゼによって達成される増幅は、より長いテンプレート鎖に沿ってより長く伸長する。
A.増幅レベル
本開示の方法は、高いレベルの増幅を生じることができる。たとえば、本開示の方法は、10,000倍以上の増幅を生じることができる。増幅倍数とは、増幅されているテンプレートの、生じたコピー数をいう。たとえば、1ugのDNAが1ngのテンプレートから生じた場合、増幅のレベルは1,000倍である。本開示の方法は、たとえば、約1倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約11倍、約12倍、約14倍、約16倍、約20倍、約24倍、約30倍、約35倍、約40倍、約50倍、約60倍、約70倍、約80倍、約90倍、約100倍、約150倍、約200倍、約250倍、約300倍、約400倍、約500倍、約600倍、約700倍、約800倍、約900倍、約1,000倍、約10,000倍、約100,000倍、約1,000,000倍、約10,000,000倍、または約100,000,000倍の増幅を生じることができる。
本開示の方法は、たとえば、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも11倍、少なくとも12倍、少なくとも14倍、少なくとも16倍、少なくとも20倍、少なくとも24倍、少なくとも30倍、少なくとも35倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、少なくとも60倍、少なくとも70倍、少なくとも80倍、少なくとも90倍、少なくとも100倍、少なくとも150倍、少なくとも200倍、少なくとも250倍、少なくとも300倍、少なくとも400倍、少なくとも500倍、少なくとも600倍、少なくとも700倍、少なくとも800倍、少なくとも900倍、少なくとも1,000倍、少なくとも10,000倍、少なくとも100,000倍、少なくとも1,000,000倍、少なくとも10,000,000倍、または少なくとも100,000,000倍の増幅を生じることができる。
本開示の方法は、たとえば、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約11倍、少なくとも約12倍、少なくとも約14倍、少なくとも約16倍、少なくとも約20倍、少なくとも約24倍、少なくとも約30倍、少なくとも約35倍、少なくとも約40倍、少なくとも約50倍、少なくとも約60倍、少なくとも約70倍、少なくとも約80倍、少なくとも約90倍、少なくとも約100倍、少なくとも約150倍、少なくとも約200倍、少なくとも約250倍、少なくとも約300倍、少なくとも約400倍、少なくとも約500倍、少なくとも約600倍、少なくとも約700倍、少なくとも約800倍、少なくとも約900倍、少なくとも約1,000倍、少なくとも約10,000倍、少なくとも約100,000倍、少なくとも約1,000,000倍、少なくとも約10,000,000倍、または少なくとも約100,000,000倍の増幅偏りを生じることができる。
本開示の方法は、たとえば、約1倍ないし約100,000,000倍、約2倍ないし約100,000,000倍、約3倍ないし約100,000,000倍、約4倍ないし約100,000,000倍、約5倍ないし約100,000,000倍、約6倍ないし約100,000,000倍、約7倍ないし約100,000,000倍、約8倍ないし約100,000,000倍、約9倍ないし約100,000,000倍、約10倍ないし約100,000,000倍、約11倍ないし約100,000,000倍、約12倍ないし約100,000,000倍、約14倍ないし約100,000,000倍、約16倍ないし約100,000,000倍、約20倍ないし約100,000,000倍、約24倍ないし約100,000,000倍、約30倍ないし約100,000,000倍、約35倍ないし約100,000,000倍、約40倍ないし約100,000,000倍、約50倍ないし約100,000,000倍、約60倍ないし約100,000,000倍、約70倍ないし約100,000,000倍、約80倍ないし約100,000,000倍、約90倍ないし約100,000,000倍、約100倍ないし約100,000,000倍、約150倍ないし約100,000,000倍、約200倍ないし約100,000,000倍、約250倍ないし約100,000,000倍、約300倍ないし約100,000,000倍、約400倍ないし約100,000,000倍、約500倍ないし約100,000,000倍、約600倍ないし約100,000,000倍、約700倍ないし約100,000,000倍、約800倍ないし約100,000,000倍、約900倍ないし約100,000,000倍、約1,000倍ないし約100,000,000倍、約10,000倍ないし約100,000,000倍、約100,000倍ないし約100,000,000倍、約1,000,000倍ないし約100,000,000倍、または約10,000,000倍ないし約100,000,000倍の増幅を生じることができる。
本開示の方法は、たとえば、約1倍ないし約10,000,000倍、約2倍ないし約10,000,000倍、約3倍ないし約10,000,000倍、約4倍ないし約10,000,000倍、約5倍ないし約10,000,000倍、約6倍ないし約10,000,000倍、約7倍ないし約10,000,000倍、約8倍ないし約10,000,000倍、約9倍ないし約10,000,000倍、約10倍ないし約10,000,000倍、約11倍ないし約10,000,000倍、約12倍ないし約10,000,000倍、約14倍ないし約10,000,000倍、約16倍ないし約10,000,000倍、約20倍ないし約10,000,000倍、約24倍ないし約10,000,000倍、約30倍ないし約10,000,000倍、約35倍ないし約10,000,000倍、約40倍ないし約10,000,000倍、約50倍ないし約10,000,000倍、約60倍ないし約10,000,000倍、約70倍ないし約10,000,000倍、約80倍ないし約10,000,000倍、約90倍ないし約10,000,000倍、約100倍ないし約10,000,000倍、約150倍ないし約10,000,000倍、約200倍ないし約10,000,000倍、約250倍ないし約10,000,000倍、約300倍ないし約10,000,000倍、約400倍ないし約10,000,000倍、約500倍ないし約10,000,000倍、約600倍ないし約10,000,000倍、約700倍ないし約10,000,000倍、約800倍ないし約10,000,000倍、約900倍ないし約10,000,000倍、約1,000倍ないし約10,000,000倍、約10,000倍ないし約10,000,000倍、約100,000倍ないし約10,000,000倍、または約1,000,000倍ないし約10,000,000倍の増幅を生じることができる。
本開示の方法は、たとえば、約1倍ないし約1,000,000倍、約2倍ないし約1,000,000倍、約3倍ないし約1,000,000倍、約4倍ないし約1,000,000倍、約5倍ないし約1,000,000倍、約6倍ないし約1,000,000倍、約7倍ないし約1,000,000倍、約8倍ないし約1,000,000倍、約9倍ないし約1,000,000倍、約10倍ないし約1,000,000倍、約11倍ないし約1,000,000倍、約12倍ないし約1,000,000倍、約14倍ないし約1,000,000倍、約16倍ないし約1,000,000倍、約20倍ないし約1,000,000倍、約24倍ないし約1,000,000倍、約30倍ないし約1,000,000倍、約35倍ないし約1,000,000倍、約40倍ないし約1,000,000倍、約50倍ないし約1,000,000倍、約60倍ないし約1,000,000倍、約70倍ないし約1,000,000倍、約80倍ないし約1,000,000倍、約90倍ないし約1,000,000倍、約100倍ないし約1,000,000倍、約150倍ないし約1,000,000倍、約200倍ないし約1,000,000倍、約250倍ないし約1,000,000倍、約300倍ないし約1,000,000倍、約400倍ないし約1,000,000倍、約500倍ないし約1,000,000倍、約600倍ないし約1,000,000倍、約700倍ないし約1,000,000倍、約800倍ないし約1,000,000倍、約900倍ないし約1,000,000倍、約1,000倍ないし約1,000,000倍、約10,000倍ないし約1,000,000倍、または約100,000倍ないし約1,000,000倍の増幅を生じることができる。
本開示の方法は、たとえば、約1倍ないし約100,000倍、約2倍ないし約100,000倍、約3倍ないし約100,000倍、約4倍ないし約100,000倍、約5倍ないし約100,000倍、約6倍ないし約100,000倍、約7倍ないし約100,000倍、約8倍ないし約100,000倍、約9倍ないし約100,000倍、約10倍ないし約100,000倍、約11倍ないし約100,000倍、約12倍ないし約100,000倍、約14倍ないし約100,000倍、約16倍ないし約100,000倍、約20倍ないし約100,000倍、約24倍ないし約100,000倍、約30倍ないし約100,000倍、約35倍ないし約100,000倍、約40倍ないし約100,000倍、約50倍ないし約100,000倍、約60倍ないし約100,000倍、約70倍ないし約100,000倍、約80倍ないし約100,000倍、約90倍ないし約100,000倍、約100倍ないし約100,000倍、約150倍ないし約100,000倍、約200倍ないし約100,000倍、約250倍ないし約100,000倍、約300倍ないし約100,000倍、約400倍ないし約100,000倍、約500倍ないし約100,000倍、約600倍ないし約100,000倍、約700倍ないし約100,000倍、約800倍ないし約100,000倍、約900倍ないし約100,000倍、約1,000倍ないし約100,000倍、または約10,000倍ないし約100,000倍の増幅を生じることができる。
本開示の方法は、たとえば、約1倍ないし約10,000倍、約2倍ないし約10,000倍、約3倍ないし約10,000倍、約4倍ないし約10,000倍、約5倍ないし約10,000倍、約6倍ないし約10,000倍、約7倍ないし約10,000倍、約8倍ないし約10,000倍、約9倍ないし約10,000倍、約1.0倍ないし約10,000倍、約11倍ないし約10,000倍、約12倍ないし約10,000倍、約14倍ないし約10,000倍、約16倍ないし約10,000倍、約20倍ないし約10,000倍、約24倍ないし約10,000倍、約30倍ないし約10,000倍、約35倍ないし約10,000倍、約40倍ないし約10,000倍、約50倍ないし約10,000倍、約60倍ないし約10,000倍、約70倍ないし約10,000倍、約80倍ないし約10,000倍、約90倍ないし約10,000倍、約100倍ないし約10,000倍、約150倍ないし約10,000倍、約200倍ないし約10,000倍、約250倍ないし約10,000倍、約300倍ないし約10,000倍、約400倍ないし約10,000倍、約500倍ないし約10,000倍、約600倍ないし約10,000倍、約700倍ないし約10,000倍、約800倍ないし約10,000倍、約900倍ないし約10,000倍、または約1,000倍ないし約10,000倍の増幅を生じることができる。
本開示の方法は、たとえば、約1倍ないし約1,000倍、約2倍ないし約1,000倍、約3倍ないし約1,000倍、約4倍ないし約1,000倍、約5倍ないし約1,000倍、約6倍ないし約1,000倍、約7倍ないし約1,000倍、約8倍ないし約1,000倍、約9倍ないし約1,000倍、約10倍ないし約1,000倍、約11倍ないし約1,000倍、約12倍ないし約1,000倍、約14倍ないし約1,000倍、約16倍ないし約1,000倍、約20倍ないし約1,000倍、約24倍ないし約1,000倍、約30倍ないし約1,000倍、約35倍ないし約1,000倍、約40倍ないし約1,000倍、約50倍ないし約1,000倍、約60倍ないし約1,000倍、約70倍ないし約1,000倍、約80倍ないし約1,000倍、約90倍ないし約1,000倍、約100倍ないし約1,000倍、約150倍ないし約1,000倍、約200倍ないし約1,000倍、約250倍ないし約1,000倍、約300倍ないし約1,000倍、約400倍ないし約1,000倍、約500倍ないし約1,000倍、約600倍ないし約1,000倍、約700倍ないし約1,000倍、約800倍ないし約1,000倍、または約900倍ないし約1,000倍の増幅を生じることができる。
本開示の方法は、たとえば、約1倍ないし約900倍、約2倍ないし約900倍、約3倍ないし約900倍、約4倍ないし約900倍、約5倍ないし約900倍、約6倍ないし約900倍、約7倍ないし約900倍、約8倍ないし約900倍、約9倍ないし約900倍、約10倍ないし約900倍、約11倍ないし約900倍、約12倍ないし約900倍、約14倍ないし約900倍、約16倍ないし約900倍、約20倍ないし約900倍、約24倍ないし約900倍、約30倍ないし約900倍、約35倍ないし約900倍、約40倍ないし約900倍、約50倍ないし約900倍、約60倍ないし約900倍、約70倍ないし約900倍、約80倍ないし約900倍、約90倍ないし約900倍、約100倍ないし約900倍、約150倍ないし約900倍、約200倍ないし約900倍、約250倍ないし約900倍、約300倍ないし約900倍、約400倍ないし約900倍、約500倍ないし約900倍、約600倍ないし約900倍、約700倍ないし約900倍、または約800倍ないし約900倍の増幅を生じることができる。
本開示の方法は、たとえば、約1倍ないし約800倍、約2倍ないし約800倍、約3倍ないし約800倍、約4倍ないし約800倍、約5倍ないし約800倍、約6倍ないし約800倍、約7倍ないし約800倍、約8倍ないし約800倍、約9倍ないし約800倍、約10倍ないし約800倍、約11倍ないし約800倍、約12倍ないし約800倍、約14倍ないし約800倍、約16倍ないし約800倍、約20倍ないし約800倍、約24倍ないし約800倍、約30倍ないし約800倍、約35倍ないし約800倍、約40倍ないし約800倍、約50倍ないし約800倍、約60倍ないし約800倍、約70倍ないし約800倍、約80倍ないし約800倍、約90倍ないし約800倍、約100倍ないし約800倍、約150倍ないし約800倍、約200倍ないし約800倍、約250倍ないし約800倍、約300倍ないし約800倍、約400倍ないし約800倍、約500倍ないし約800倍、約600倍ないし約800倍、または約700倍ないし約800倍の増幅を生じることができる。
本開示の方法は、たとえば、約1倍ないし約700倍、約2倍ないし約700倍、約3倍ないし約700倍、約4倍ないし約700倍、約5倍ないし約700倍、約6倍ないし約700倍、約7倍ないし約700倍、約8倍ないし約700倍、約9倍ないし約700倍、約10倍ないし約700倍、約11倍ないし約700倍、約12倍ないし約700倍、約14倍ないし約700倍、約16倍ないし約700倍、約20倍ないし約700倍、約24倍ないし約700倍、約30倍ないし約700倍、約35倍ないし約700倍、約40倍ないし約700倍、約50倍ないし約700倍、約60倍ないし約700倍、約70倍ないし約700倍、約80倍ないし約700倍、約90倍ないし約700倍、約100倍ないし約700倍、約150倍ないし約700倍、約200倍ないし約700倍、約250倍ないし約700倍、約300倍ないし約700倍、約400倍ないし約700倍、約500倍ないし約700倍、または約600倍ないし約700倍の増幅を生じることができる。
本開示の方法は、たとえば、約1倍ないし約600倍、約2倍ないし約600倍、約3倍ないし約600倍、約4倍ないし約600倍、約5倍ないし約600倍、約6倍ないし約600倍、約7倍ないし約600倍、約8倍ないし約600倍、約9倍ないし約600倍、約10倍ないし約600倍、約11倍ないし約600倍、約12倍ないし約600倍、約14倍ないし約600倍、約16倍ないし約600倍、約20倍ないし約600倍、約24倍ないし約600倍、約30倍ないし約600倍、約35倍ないし約600倍、約40倍ないし約600倍、約50倍ないし約600倍、約60倍ないし約600倍、約70倍ないし約600倍、約80倍ないし約600倍、約90倍ないし約600倍、約100倍ないし約600倍、約150倍ないし約600倍、約200倍ないし約600倍、約250倍ないし約600倍、約300倍ないし約600倍、約400倍ないし約600倍、または約500倍ないし約600倍の増幅を生じることができる。
本開示の方法は、たとえば、約1倍ないし約500倍、約2倍ないし約500倍、約3倍ないし約500倍、約4倍ないし約500倍、約5倍ないし約500倍、約6倍ないし約500倍、約7倍ないし約500倍、約8倍ないし約500倍、約9倍ないし約500倍、約10倍ないし約500倍、約11倍ないし約500倍、約12倍ないし約500倍、約14倍ないし約500倍、約16倍ないし約500倍、約20倍ないし約500倍、約24倍ないし約500倍、約30倍ないし約500倍、約35倍ないし約500倍、約40倍ないし約500倍、約50倍ないし約500倍、約60倍ないし約500倍、約70倍ないし約500倍、約80倍ないし約500倍、約90倍ないし約500倍、約100倍ないし約500倍、約150倍ないし約500倍、約200倍ないし約500倍、約250倍ないし約500倍、約300倍ないし約500倍、または約400倍ないし約500倍の増幅を生じることができる。
本開示の方法は、たとえば、約1倍ないし約400倍、約2倍ないし約400倍、約3倍ないし約400倍、約4倍ないし約400倍、約5倍ないし約400倍、約6倍ないし約400倍、約7倍ないし約400倍、約8倍ないし約400倍、約9倍ないし約400倍、約10倍ないし約400倍、約11倍ないし約400倍、約12倍ないし約400倍、約14倍ないし約400倍、約16倍ないし約400倍、約20倍ないし約400倍、約24倍ないし約400倍、約30倍ないし約400倍、約35倍ないし約400倍、約40倍ないし約400倍、約50倍ないし約400倍、約60倍ないし約400倍、約70倍ないし約400倍、約80倍ないし約400倍、約90倍ないし約400倍、約100倍ないし約400倍、約150倍ないし約400倍、約200倍ないし約400倍、約250倍ないし約400倍、または約300倍ないし約400倍の増幅を生じることができる。
本開示の方法は、たとえば、約1倍ないし約300倍、約2倍ないし約300倍、約3倍ないし約300倍、約4倍ないし約300倍、約5倍ないし約300倍、約6倍ないし約300倍、約7倍ないし約300倍、約8倍ないし約300倍、約9倍ないし約300倍、約10倍ないし約300倍、約11倍ないし約300倍、約12倍ないし約300倍、約14倍ないし約300倍、約16倍ないし約300倍、約20倍ないし約300倍、約24倍ないし約300倍、約30倍ないし約300倍、約35倍ないし約300倍、約40倍ないし約300倍、約50倍ないし約300倍、約60倍ないし約300倍、約70倍ないし約300倍、約80倍ないし約300倍、約90倍ないし約300倍、約100倍ないし約300倍、約150倍ないし約300倍、約200倍ないし約300倍、または約250倍ないし約300倍の増幅を生じることができる。
本開示の方法は、たとえば、約1倍ないし約200倍、約2倍ないし約200倍、約3倍ないし約200倍、約4倍ないし約200倍、約5倍ないし約200倍、約6倍ないし約200倍、約7倍ないし約200倍、約8倍ないし約200倍、約9倍ないし約200倍、約10倍ないし約200倍、約11倍ないし約200倍、約12倍ないし約200倍、約14倍ないし約200倍、約16倍ないし約200倍、約20倍ないし約200倍、約24倍ないし約200倍、約30倍ないし約200倍、約35倍ないし約200倍、約40倍ないし約200倍、約50倍ないし約200倍、約60倍ないし約200倍、約70倍ないし約200倍、約80倍ないし約200倍、約90倍ないし約200倍、約100倍ないし約200倍、または約150倍ないし約200倍の増幅を生じることができる。
本開示の方法は、たとえば、約1倍ないし約100倍、約2倍ないし約100倍、約3倍ないし約100倍、約4倍ないし約100倍、約5倍ないし約100倍、約6倍ないし約100倍、約7倍ないし約100倍、約8倍ないし約100倍、約9倍ないし約100倍、約10倍ないし約100倍、約11倍ないし約100倍、約12倍ないし約100倍、約14倍ないし約100倍、約16倍ないし約100倍、約20倍ないし約100倍、約24倍ないし約100倍、約30倍ないし約100倍、約35倍ないし約100倍、約40倍ないし約100倍、約50倍ないし約100倍、約60倍ないし約100倍、約70倍ないし約100倍、約80倍ないし約100倍、または約90倍ないし約100倍の増幅を生じることができる。
本開示の方法は、たとえば、約1倍ないし約90倍、約2倍ないし約90倍、約3倍ないし約90倍、約4倍ないし約90倍、約5倍ないし約90倍、約6倍ないし約90倍、約7倍ないし約90倍、約8倍ないし約90倍、約9倍ないし約90倍、約10倍ないし約90倍、約11倍ないし約90倍、約12倍ないし約90倍、約14倍ないし約90倍、約16倍ないし約90倍、約20倍ないし約90倍、約24倍ないし約90倍、約30倍ないし約90倍、約35倍ないし約90倍、約40倍ないし約90倍、約50倍ないし約90倍、約60倍ないし約90倍、約70倍ないし約90倍、または約80倍ないし約90倍の増幅を生じることができる。
本開示の方法は、たとえば、約1倍ないし約80倍、約2倍ないし約80倍、約3倍ないし約80倍、約4倍ないし約80倍、約5倍ないし約80倍、約6倍ないし約80倍、約7倍ないし約80倍、約8倍ないし約80倍、約9倍ないし約80倍、約10倍ないし約80倍、約11倍ないし約80倍、約12倍ないし約80倍、約14倍ないし約80倍、約16倍ないし約80倍、約20倍ないし約80倍、約24倍ないし約80倍、約30倍ないし約80倍、約35倍ないし約80倍、約40倍ないし約80倍、約50倍ないし約80倍、約60倍ないし約80倍、または約70倍ないし約80倍の増幅を生じることができる。
本開示の方法は、たとえば、約1倍ないし約70倍、約2倍ないし約70倍、約3倍ないし約70倍、約4倍ないし約70倍、約5倍ないし約70倍、約6倍ないし約70倍、約7倍ないし約70倍、約8倍ないし約70倍、約9倍ないし約70倍、約10倍ないし約70倍、約11倍ないし約70倍、約12倍ないし約70倍、約14倍ないし約70倍、約16倍ないし約70倍、約20倍ないし約70倍、約24倍ないし約70倍、約30倍ないし約70倍、約35倍ないし約70倍、約40倍ないし約70倍、約50倍ないし約70倍、または約60倍ないし約70倍の増幅を生じることができる。
本開示の方法は、たとえば、約1倍ないし約60倍、約2倍ないし約60倍、約3倍ないし約60倍、約4倍ないし約60倍、約5倍ないし約60倍、約6倍ないし約60倍、約7倍ないし約60倍、約8倍ないし約60倍、約9倍ないし約60倍、約10倍ないし約60倍、約11倍ないし約60倍、約12倍ないし約60倍、約14倍ないし約60倍、約16倍ないし約60倍、約20倍ないし約60倍、約24倍ないし約60倍、約30倍ないし約60倍、約35倍ないし約60倍、約40倍ないし約60倍、または約50倍ないし約60倍の増幅を生じることができる。
本開示の方法は、たとえば、約1倍ないし約50倍、約2倍ないし約50倍、約3倍ないし約50倍、約4倍ないし約50倍、約5倍ないし約50倍、約6倍ないし約50倍、約7倍ないし約50倍、約8倍ないし約50倍、約9倍ないし約50倍、約10倍ないし約50倍、約11倍ないし約50倍、約12倍ないし約50倍、約14倍ないし約50倍、約16倍ないし約50倍、約20倍ないし約50倍、約24倍ないし約50倍、約30倍ないし約50倍、約35倍ないし約50倍、または約40倍ないし約50倍の増幅を生じることができる。
本開示の方法は、たとえば、約1倍ないし約40倍、約2倍ないし約40倍、約3倍ないし約40倍、約4倍ないし約40倍、約5倍ないし約40倍、約6倍ないし約40倍、約7倍ないし約40倍、約8倍ないし約40倍、約9倍ないし約40倍、約10倍ないし約40倍、約11倍ないし約40倍、約12倍ないし約40倍、約14倍ないし約40倍、約16倍ないし約40倍、約20倍ないし約40倍、約24倍ないし約40倍、約30倍ないし約40倍、または約35倍ないし約40倍の増幅を生じることができる。
本開示の方法は、たとえば、約1倍ないし約30倍、約2倍ないし約30倍、約3倍ないし約30倍、約4倍ないし約30倍、約5倍ないし約30倍、約6倍ないし約30倍、約7倍ないし約30倍、約8倍ないし約30倍、約9倍ないし約30倍、約10倍ないし約30倍、約11倍ないし約30倍、約12倍ないし約30倍、約14倍ないし約30倍、約16倍ないし約30倍、約20倍ないし約30倍、または約24倍ないし約30倍の増幅を生じることができる。
本開示の方法は、たとえば、約1倍ないし約20倍、約2倍ないし約20倍、約3倍ないし約20倍、約4倍ないし約20倍、約5倍ないし約20倍、約6倍ないし約20倍、約7倍ないし約20倍、約8倍ないし約20倍、約9倍ないし約20倍、約10倍ないし約20倍、約11倍ないし約20倍、約12倍ないし約20倍、約14倍ないし約20倍、または約16倍ないし約20倍の増幅を生じることができる。本開示の方法は、たとえば、約1倍ないし約10倍、約2倍ないし約10倍、約3倍ないし約10倍、約4倍ないし約10倍、約5倍ないし約10倍、約6倍ないし約10倍、約7倍ないし約10倍、約8倍ないし約10倍、または約9倍ないし約10倍の増幅を生じることができる。
本開示の方法は、たとえば、約1倍ないし約9倍、約2倍ないし約9倍、約3倍ないし約9倍、約4倍ないし約9倍、約5倍ないし約9倍、約6倍ないし約9倍、約7倍ないし約9倍、または約8倍ないし約9倍の増幅を生じることができる。本開示の方法は、たとえば、約1倍ないし約8倍、約2倍ないし約8倍、約3倍ないし約8倍、約4倍ないし約8倍、約5倍ないし約8倍、約6倍ないし約8倍、または約7倍ないし約8倍の増幅を生じることができる。本開示の方法は、たとえば、約1倍ないし約7倍、約2倍ないし約7倍、約3倍ないし約7倍、約4倍ないし約7倍、約5倍ないし約7倍、または約6倍ないし約7倍の増幅を生じることができる。本開示の方法は、たとえば、約1倍ないし約6倍、約2倍ないし約6倍、約3倍ないし約6倍、約4倍ないし約6倍、または約5倍ないし約6倍の増幅を生じることができる。本開示の方法は、たとえば、約1倍ないし約5倍、約2倍ないし約5倍、約3倍ないし約5倍、約4倍ないし約5倍、約1倍ないし約4倍、約2倍ないし約4倍、約3倍ないし約4倍、約1倍ないし約3倍、約2倍ないし約3倍、または約1倍ないし約2倍の増幅を生じることができる。
B.プライマー選択
本開示の方法における使用のためのプライマーは、高品質の増幅産物を生じる能力に関して選択することができる。そのようなプライマーは、本開示の方法において特に有用である。本開示の方法で1種類以上のプライマーが用いられる場合、プライマーの全部が選択プライマーでありうるかまたは、プライマーの一部が選択プライマーでありうる。プライマー選択には任意の有用な基準を用いることができる。有用な基準は、遺伝子座発現量、配列発現量および増幅偏りといった増幅産物の品質、および、増幅アーティファクトの産生の欠如または最小化といった、負の性質が無いことを含む。所定の複数の選択基準(または1つの選択基準)を満たすプライマーを、ここでは(それらの選択基準についての)選択プライマーという。所定の複数の選択基準(または1つの選択基準)を満たさないプライマーを、ここでは(それらの選択基準についての)非選択プライマーという。選択プライマーの使用が好ましいが、選択および非選択プライマーの両方を、本開示の方法において一緒に使用することができる。
異なる選択基準を満たす選択プライマーを、本開示の方法において一緒に使用することができる。すなわち、所定の増幅反応に使用するプライマーは、すべて同一の能力を有するかまたは同一の基準を満たす必要は無い。同様に,異なる選択基準を満たさない非選択プライマーを、本開示の方法における使用に含めるかまたは除外することができる。すなわち、使用しない(または使用する)プライマーは、同一の能力を欠くかまたは同一の基準を満たさない必要は無い。1つの選択基準、複数の選択基準、または異なる選択基準の組み合わせを満たす選択プライマーを、同一のまたは異なる1つの選択基準、複数の選択基準、または同一のまたは異なる選択基準の組み合わせを満たさない非選択プライマーと共に用いることができる。
本開示の方法はしたがって、1種類以上の選択プライマーを用いて実施することができる。本開示の方法はまた、1種類以上の選択プライマーおよび1種類以上の非選択プライマーを用いて実施することができる。プライマーが選択プライマーまたは非選択プライマーであるかどうかは、その1または複数の選択基準に関してそのプライマーを試験することによって決定することができる。このように、たとえば、プライマーは本開示の方法の一形式で試験することができる。そのような方法は、関係する性質を持つ核酸試料といった、目的の核酸試料を用いることができる。この目的に使用される核酸試料は、ここでは選択核酸試料という。特に有用な選択核酸試料は、その選択プライマーを用いて増幅するものと同一の種類の核酸試料である。したがって、ヒトゲノムDNAを増幅するのに使用するプライマーを選択するためには、ヒトゲノム核酸試料を選択試料として用いることができる。また選択核酸試料として有用であるのは、さまざまな異なる種類の核酸試料を増幅するのに使用するプライマーを選択するための標準として使用することができる核酸試料である。たとえば、酵母ゲノム核酸試料は、一般的にプライマーを選択するための選択核酸試料として用いることができる。そのような選択核酸試料は、選択基準に標準値を設定することができる。選択核酸試料の配列複雑性は、1または複数の選択基準として重要、またはそれを設定するための重要な因子でありうる。したがって、たとえば、所定の配列複雑性の核酸試料に由来するある一定の品質の増幅産物が必要でありうる。選択核酸試料は、任意のレベルの配列複雑性を有しうる。たとえば、選択核酸試料は本文書に別に記載する配列複雑性レベルのうち任意のものを有しうる。一般的に、選択核酸試料の配列複雑性が高いほど、その選択基準に関して必要でありうるかまたは可能でありうる品質は低くなる。
プライマーの選択のために、たとえば、プライマーをDNAポリメラーゼおよび選択核酸試料と接触させ、および選択核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でインキュベートすることができる。結果を次いで1または複数の選択基準と比較することができる。
プライマーは、選択核酸試料中の核酸配列の複製の、ある一定のレベルまたは範囲を生じることに基づいて選択することができる。任意の複製レベルを用いることができる。たとえば、本文書に別に記載する複製レベルのうち任意のものを選択基準として用いることができる。選択プライマーは、たとえば、核酸試料中の核酸配列の少なくとも0.01%、核酸試料中の核酸配列の少なくとも0.1%、核酸試料中の核酸配列の少なくとも1%、核酸試料中の核酸配列の少なくとも5%、核酸試料中の核酸配列の少なくとも10%、核酸試料中の核酸配列の少なくとも20%、核酸試料中の核酸配列の少なくとも30%、核酸試料中の核酸配列の少なくとも40%、核酸試料中の核酸配列の少なくとも50%、核酸試料中の核酸配列の少なくとも60%、核酸試料中の核酸配列の少なくとも70%、核酸試料中の核酸配列の少なくとも80%、核酸試料中の核酸配列の少なくとも90%、核酸試料中の核酸配列の少なくとも95%、核酸試料中の核酸配列の少なくとも96%、核酸試料中の核酸配列の少なくとも97%、核酸試料中の核酸配列の少なくとも98%、または核酸試料中の核酸配列の少なくとも99%の複製を生じることができる。
プライマーは、選択核酸試料中の核酸配列の増幅の、ある一定のレベルまたは範囲を生じることに基づいて選択することができる。任意の増幅レベルを用いることができる。たとえば、本文書に別に記載する増幅レベルのうち任意のものを選択基準として用いることができる。選択プライマーは、たとえば、約1倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約11倍、約12倍、約14倍、約16倍、約20倍、約24倍、約30倍、約35倍、約40倍、約50倍、約60倍、約70倍、約80倍、約90倍、約100倍、約150倍、約200倍、約250倍、約300倍、約400倍、約500倍、約600倍、約700倍、約800倍、約900倍、約1,000倍、約10,000倍、約100,000倍、約1,000,000倍、約10,000,000倍、または約100,000,000倍の増幅を生じることができる。増幅倍数とは、増幅されているテンプレートの、生じたコピー数をいう。たとえば、1ugのDNAが1ngのテンプレートから生じた場合、増幅のレベルは1,000倍である。
選択プライマーは、たとえば、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも11倍、少なくとも12倍、少なくとも14倍、少なくとも16倍、少なくとも20倍、少なくとも24倍、少なくとも30倍、少なくとも35倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、少なくとも60倍、少なくとも70倍、少なくとも80倍、少なくとも90倍、少なくとも100倍、少なくとも150倍、少なくとも200倍、少なくとも250倍、少なくとも300倍、少なくとも400倍、少なくとも500倍、少なくとも600倍、少なくとも700倍、少なくとも800倍、少なくとも900倍、少なくとも1,000倍、少なくとも10,000倍、少なくとも100,000倍、少なくとも1,000,000倍、少なくとも10,000,000倍、または少なくとも100,000,000倍の増幅を生じることができる。
選択プライマーは、たとえば、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約11倍、少なくとも約12倍、少なくとも約14倍、少なくとも約16倍、少なくとも約20倍、少なくとも約24倍、少なくとも約30倍、少なくとも約35倍、少なくとも約40倍、少なくとも約50倍、少なくとも約60倍、少なくとも約70倍、少なくとも約80倍、少なくとも約90倍、少なくとも約100倍、少なくとも約150倍、少なくとも約200倍、少なくとも約250倍、少なくとも約300倍、少なくとも約400倍、少なくとも約500倍、少なくとも約600倍、少なくとも約700倍、少なくとも約800倍、少なくとも約900倍、少なくとも約1,000倍、少なくとも約10,000倍、少なくとも約100,000倍、少なくとも約1,000,000倍、少なくとも約10,000,000倍、または少なくとも約100,000,000倍の増幅偏りを生じることができる。
プライマーは、増幅偏りのある一定のレベルまたは範囲を生じることに基づいて選択することができる。任意の増幅偏りを用いることができる。たとえば、本文書に別に記載する増幅偏りのうち任意のものを選択基準として用いることができる。選択プライマーは、たとえば、1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、12倍、14倍、16倍、20倍、24倍、30倍、35倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、150倍、200倍、250倍、または300倍の増幅偏りを生じることができる。選択プライマーは、たとえば、約1倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約11倍、約12倍、約14倍、約16倍、約20倍、約24倍、約30倍、約35倍、約40倍、約50倍、約60倍、約70倍、約80倍、約90倍、約100倍、約150倍、約200倍、約250倍、または約300倍の増幅偏りを生じることができる。選択プライマーは、たとえば、2倍未満、3倍未満、4倍未満、5倍未満、6倍未満、7倍未満、8倍未満、9倍未満、10倍未満、11倍未満、12倍未満、14倍未満、16倍未満、20倍未満、24倍未満、30倍未満、35倍未満、40倍未満、50倍未満、60倍未満、70倍未満、80倍未満、90倍未満、100倍未満、150倍未満、200倍未満、250倍、または300倍未満の増幅偏りを生じることができる。
選択プライマーは、たとえば、約2倍未満、約3倍未満、約4倍未満、約5倍未満、約6倍未満、約7倍未満、約8倍未満、約9倍未満、約10倍未満、約11倍未満、約12倍未満、約14倍未満、約16倍未満、約20倍未満、約24倍未満、約30倍未満、約35倍未満、約40倍未満、約50倍未満、約60倍未満、約70倍未満、約80倍未満、約90倍未満、約100倍未満、約150倍未満、約200倍未満、約250倍、または約300倍未満の増幅偏りを生じることができる。これらの増幅偏りは、たとえば、本文書に別に記載するいくつかの遺伝子座および/または標的配列といった、任意の数の遺伝子座または標的配列に関することができる。
プライマーは、配列発現量の、ある一定のレベルまたは範囲を生じることに基づいて選択することができる。任意の配列発現量を用いることができる。たとえば、本文書に別に記載する配列発現量のうち任意のものを選択基準として用いることができる。選択プライマーは、たとえば、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも100%の配列発現量を生じることができる。選択プライマーは、たとえば、500%未満、400%未満、300%未満、250%未満、200%未満、190%未満、180%未満、170%未満、160%未満、150%未満、140%未満、130%未満、120%未満、または110%未満の配列発現量を生じることができる。これらの配列発現量は、たとえば、本文書に別に記載するいくつかの標的配列といった、任意の数の標的配列に関することができる。
プライマーは、遺伝子座発現量の、ある一定のレベルまたは範囲を生じることに基づいて選択することができる。任意の遺伝子座発現量を用いることができる。たとえば、本文書に別に記載する遺伝子座発現量のうち任意のものを選択基準として用いることができる。選択プライマーは、たとえば、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも100%の遺伝子座発現量を生じることができる。選択プライマーは、たとえば、500%未満、400%未満、300%未満、250%未満、200%未満、190%未満、180%未満、170%未満、160%未満、150%未満、140%未満、130%未満、120%未満、または110%未満の遺伝子座発現量を生じることができる。これらの遺伝子座発現量は、たとえば、本文書に別に記載するいくつかの遺伝子座といった、任意の数の遺伝子座に関することができる。
プライマーはまた、プライマーの群として選択することができる。すなわち、プライマーの群が、一緒に使用する際に、1または複数の選択基準を示すかどうかを試験することができる。これは、単一のプライマーの選択に関して本文書に記載するすべての方法で達成できる。したがって、たとえば、プライマーの群をDNAポリメラーゼおよび選択核酸試料と接触させ、および選択核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でインキュベートすることができる。
非選択プライマーは、選択プライマーが同定されるのと同様の基準を用いて同じ方法で同定することができる。違いは、非選択プライマーは1または複数の選択基準を満たさないことである。しかし、そのように1または複数の選択基準を満たさないことは、選択プライマーの場合と全く同じように、ある一定の特徴または性質を持つこととして表すことができると理解される。そのような基準は、非選択基準ということができる。
非選択プライマーは、選択核酸試料中の核酸配列の複製の、ある一定のレベルまたは範囲を生じるかまたは生じないことに基づいて特定することができる。任意の複製レベルを標準として用いることができる。たとえば、本文書に別に記載する複製レベルのうち任意のものを非選択基準として用いることができる。非選択プライマーは、たとえば、核酸試料中の核酸配列の0.01%未満、核酸試料中の核酸配列の0.1%未満、核酸試料中の核酸配列の1%未満、核酸試料中の核酸配列の5%未満、核酸試料中の核酸配列の10%未満、核酸試料中の核酸配列の20%未満、核酸試料中の核酸配列の30%未満、核酸試料中の核酸配列の40%未満、核酸試料中の核酸配列の50%未満、核酸試料中の核酸配列の60%未満、核酸試料中の核酸配列の70%未満、核酸試料中の核酸配列の80%未満、核酸試料中の核酸配列の90%未満、核酸試料中の核酸配列の95%未満、核酸試料中の核酸配列の96%未満、核酸試料中の核酸配列の97%未満、核酸試料中の核酸配列の98%未満、または核酸試料中の核酸配列の99%未満の複製を生じることができる。
非選択プライマーは、増幅偏りのある一定のレベルまたは範囲を生じるかまたは生じないことに基づいて特定することができる。任意の増幅偏りを標準として用いることができる。たとえば、本文書に別に記載する増幅偏りのうち任意のものを非選択基準として用いることができる。非選択プライマーは、たとえば、1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、12倍、14倍、16倍、20倍、24倍、30倍、35倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、150倍、200倍、250倍、または300倍の増幅偏りを生じることができる。非選択プライマーは、たとえば、約1倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約11倍、約12倍、約14倍、約16倍、約20倍、約24倍、約30倍、約35倍、約40倍、約50倍、約60倍、約70倍、約80倍、約90倍、約100倍、約150倍、約200倍、約250倍、または約300倍の増幅偏りを生じることができる。非選択プライマーは、たとえば、2倍より大、3倍より大、4倍より大、5倍より大、6倍より大、7倍より大、8倍より大、9倍より大、10倍より大、11倍より大、12倍より大、14倍より大、16倍より大、20倍より大、24倍より大、30倍より大、35倍より大、40倍より大、50倍より大、60倍より大、70倍より大、80倍より大、90倍より大、100倍より大、150倍より大、200倍より大、250倍、または300倍より大の増幅偏りを生じることができる。
選択プライマーは、たとえば、約2倍より大、約3倍より大、約4倍より大、約5倍より大、約6倍より大、約7倍より大、約8倍より大、約9倍より大、約10倍より大、約11倍より大、約12倍より大、約14倍より大、約16倍より大、約20倍より大、約24倍より大、約30倍より大、約35倍より大、約40倍より大、約50倍より大、約60倍より大、約70倍より大、約80倍より大、約90倍より大、約100倍より大、約150倍より大、約200倍より大、約250倍より大、または約300倍より大の増幅偏りを生じることができる。これらの増幅偏りは、たとえば、本文書に別に記載するいくつかの遺伝子座および/または標的配列といった、任意の数の遺伝子座または標的配列に関することができる。
非選択プライマーは、配列発現量の、ある一定のレベルまたは範囲を生じることに基づいて特定することができる。任意の配列発現量を標準として用いることができる。たとえば、本文書に別に記載する配列発現量のうち任意のものを非選択基準として用いることができる。非選択プライマーは、0.1%未満、1%未満、10%未満、20%未満、30%未満、40%未満、50%未満、60%未満、70%未満、80%未満、90%未満、または100%未満の配列発現量を生じることができる。選択プライマーは、500%より大、400%より大、300%より大、250%より大、200%より大、190%より大、180%より大、170%より大、160%より大、150%より大、140%より大、130%より大、120%より大、または110%より大の配列発現量を生じることができる。これらの配列発現量は、たとえば、本文書に別に記載するいくつかの標的配列といった、任意の数の標的配列に関することができる。
非選択プライマーは、遺伝子座発現量の、ある一定のレベルまたは範囲を生じることに基づいて特定することができる。任意の遺伝子座発現量を標準として用いることができる。たとえば、本文書に別に記載する遺伝子座発現量のうち任意のものを非選択基準として用いることができる。非選択プライマーは、たとえば、0.1%未満、1%未満、10%未満、20%未満、30%未満、40%未満、50%未満、60%未満、70%未満、80%未満、90%未満、または100%未満の遺伝子座発現量を生じることができる。選択プライマーは、たとえば、500%より大、400%より大、300%より大、250%より大、200%より大、190%より大、180%より大、170%より大、160%より大、150%より大、140%より大、130%より大、120%より大、または110%より大の遺伝子座発現量を生じることができる。これらの遺伝子座発現量は、たとえば、本文書に別に記載するいくつかの遺伝子座といった、任意の数の遺伝子座に関することができる。
1つのプライマーまたはプライマーの群によるアーティファクト産生の可能性を明らかにするために、プライマーまたはプライマーの群を、核酸試料を使用しない、本開示の方法の一改変形式で試験することができる。そのような測定法において、増幅産物が観察されるかどうか、観察される場合、および観察されるレベルは、そのプライマーまたはプライマーの群が増幅アーティファクトを生じる可能性の指標である。アーティファクト産生の可能性が低いことの1つの基準は、核酸試料(または他のテンプレート核酸)の非存在下で実施される反応において、増幅産物が最初に観察されるまでの長い遅延である。遅延は、核酸試料を有する反応において増幅産物が最初に観察される時間の、たとえば、125%、150%、175%、200%、225%、250%、275%、300%、325%、350%、375%、400%、425%、450%、475%、または500%までであることができる。遅延は、たとえば、核酸試料を有する反応において増幅産物が最初に観察される時間の、125%より大、150%より大、175%より大、200%より大、225%より大、250%より大、275%より大、300%より大、325%より大、350%より大、375%より大、400%より大、425%より大、450%より大、475%より大、または500%より大までであることができる。
C.全ゲノム鎖置換増幅
全ゲノム鎖置換増幅(WGSDA)といわれる、本方法の一形式では、ランダムまたは部分的にランダムな組のプライマーが、ゲノム核酸の試料(または他の高度な複雑性の核酸の試料)をランダムにプライミングするために用いられる。ランダムまたは大部分ランダムな配列のプライマーの十分に大きな組を選択することによって、その組に含まれるプライマーは、合計としておよびランダムに、試料中の核酸全体に渡って分布する核酸配列に相補的となる。増幅は、連続性ポリメラーゼを用いた、各プライマーで開始しおよび自発終止まで連続する複製によって進行する。本方法の重要な特性は、複製中のポリメラーゼによる介在プライマーの置換である。このようにして、ゲノム全体の複数の重なり合うコピーを短時間に合成することができる。
全ゲノム鎖置換増幅は、(a)ランダムまたは部分的にランダムな一組のプライマーをゲノム試料(または他の高度な複雑姓の核酸試料)と混合して、プライマー−標的試料混合物を生じ、およびプライマー−標的試料混合物中のプライマーとゲノムDNAとの間のハイブリダイゼーションを促進する条件下でプライマー−標的試料混合物をインキュベートすること、および(b)DNAポリメラーゼをプライマー−標的試料混合物と混合して、ポリメラーゼ−標的試料混合物を生じ、およびゲノムDNAの複製を促進する条件下でポリメラーゼ−標的試料混合物をインキュベートすることによって実施することができる。鎖置換複製は、好ましくは、鎖置換DNAポリメラーゼ、または、対応する鎖置換因子と組み合わせたDNAポリメラーゼを用いることによって達成される。
本方法は、等温条件下で実施できるために、ポリメラーゼ連鎖反応よりも有利である。全ゲノム鎖置換増幅の他の利点は、全ゲノムPCRよりも高いレベルの増幅、増幅がPCRよりも配列依存性が低い、PCRで起こりうるような再アニーリング・アーティファクトまたは遺伝子シャッフリング・アーティファクトが無い(変性および再アニーリングのサイクルが無いため)、およびPCRを基礎とするゲノム増幅よりも低い増幅偏り(PCRを基礎とするゲノム増幅について20ないし60倍に対し、WGSDAについて3倍の偏り)。
増幅後に、増幅された配列は、PCR増幅された配列についての既知のおよび確立された用途といった、任意の目的に用いることができる。たとえば、増幅された配列は、蛍光標識の検出、酵素結合検出系、抗体媒介標識検出、および放射性標識の検出といった、核酸のための従来の検出系のうち任意のものを用いて検出することができる。本開示の方法の重要な特性は、増幅が、サイクルでなく、連続的な等温複製で起こることである。このことは増幅の複雑さを低下させ、および結果についてはるかに一貫性を高める。鎖置換は、単一の連続的な等温反応における、核酸配列または試料の複数コピーの迅速な生成を可能にする。
WGSDAに使用するプライマーの組は、プライマーが核酸試料中に希望の間隔でハイブリダイズすることを可能にする濃度で使用することが望ましい。たとえば、一組のプライマーを、平均して4000ないし8000塩基毎に、ハイブリダイズすることを可能にする濃度で使用することによって、これらの位置で開始されたDNA複製は、隣接する部位から複製されている鎖まで伸長しおよびそれを置換する。プライマーは標的配列と一定間隔でハイブリダイズしないと考えられることに注意する。むしろ、平均間隔はプライマー濃度の一般的関数となる。WGSDA用のプライマーはまた、試料中に存在するRNAから形成することもできる。内因性RNAをRNaseを用いて分解することによってランダムオリゴマーのプールを生じることができ、そのランダムオリゴマーを次いでDNAの増幅のためにポリメラーゼによって用いることができる。このことはプライマーを反応へ加える必要性を無くす。代替的に、生物学的試料のDNase消化は、RNA依存性DNA増幅のためのDNAオリゴプライマーのプールを生じることができる。
複数鎖置換増幅の場合のように、隣接する鎖の置換は、それを別のプライマーとのハイブリダイゼーションおよびその後のもう一回の複製の開始のために利用可能にする。プライマーの組に含まれるプライマーが標的配列にハイブリダイズする間隔は、増幅のレベルを決定する。たとえば、平均間隔が短い場合は、隣接する鎖は速やかにおよび高頻度で置換される。平均間隔が長い場合は、隣接する鎖は複製の長い実行後にのみ置換される。
WGSDAに用いられるプライマーの数は、プライマーが核酸試料中に希望の間隔でハイブリダイズすることを可能にするのが好ましい。たとえば、平均して4000ないし8000塩基毎にハイブリダイズすることを可能にするいくつかのプライマーを用いることによって、これらの位置で開始されたDNA複製は、隣接する部位から複製されている鎖まで伸長しおよびそれを置換する。プライマーは核酸試料中の核酸分子と一定間隔でハイブリダイズしないと考えられることに注意する。むしろ、平均間隔はプライマー濃度の一般的関数となる(本文書に別に記載する通り)。
隣接する鎖の置換は、それを別のプライマーとのハイブリダイゼーションおよびその後のもう一回の複製の開始のために利用可能にする。プライマーが核酸分子にハイブリダイズする間隔が、一般的に増幅のレベルを決定する。たとえば、平均間隔が短い場合は、隣接する鎖は速やかにおよび高頻度で置換される。平均間隔が長い場合は、隣接する鎖は複製の長い実行後にのみ置換される。
本開示の方法では、DNAポリメラーゼは、希望するだけ長く進行する連続性鎖置換重合反応において、プライマー伸長および鎖置換を触媒する。好ましい鎖置換DNAポリメラーゼは、バクテリオファージ29DNAポリメラーゼ(ブランコ(Blanco)他への米国特許第5,198,543号明細書および第5,001,050号明細書)、大断片BstDNAポリメラーゼ(エキソ(−)Bst)、エキソ(−)BcaDNAポリメラーゼ、およびシークエナーゼである。反応で生じたDNAを標識するために、鎖置換複製中に、放射性ヌクレオチド、またはブロモデオキシウリジン三リン酸のような修飾ヌクレオチドを追加で加えることができる。代替的に、ビオチニル化ヌクレオチドのような結合部分を与える適当な前駆体を加えることができる(ランガー(Langer)他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78: 6633 (1981))。
PCRを用いるゲノム増幅、および増幅されたDNAの用途は、チャン(Zhang)他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89: 5847−5851 (1992)、テレニウス(Telenius)他,Genomics 13: 718−725 (1992)、チュン(Cheung)他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93: 14676−14679 (1996)、およびクカスジャーヴィ(Kukasjaarvi)他,Genes,Chromosomes and Cancer 18: 94−101 (1997)に記載されている。これらの文献に記載された増幅されたDNAの用途はまた、一般的に、本開示の方法を用いて増幅されたDNAに適用可能である。全ゲノム鎖置換増幅は、PCRを基礎とする全ゲノム増幅とは異なり、ハプロタイプ分析に適するが、それはWGSDAがPCRを基礎とする全ゲノム増幅よりも長い断片を生じるためである。PCRを基礎とする全ゲノム増幅はまた、ハプロタイプ分析についての適切性がより低いが、それはPCRの各サイクルがプライミング現象の機会を生じ、その結果として(ゲノム中で)離れた配列の結合が同一の断片中に統合されるためである。
連続的な合成を中断しうるかまたは複製された鎖の再ハイブリダイゼーションによるアーティファクトの形成を可能にすることができるサイクル反応が無いため、本開示の方法で長い核酸断片を増幅することができる。
D.複数鎖置換増幅
複数鎖置換増幅(MSDA)といわれる、本方法の好ましい一形式では、右組および左組の、二組のプライマーが用いられる。プライマーの右組に含まれるプライマーはそれぞれ、標的ヌクレオチド配列の一方の側に隣接するヌクレオチド配列と相補的な部分を有し、およびプライマーの左組に含まれるプライマーはそれぞれ、標的ヌクレオチド配列のもう一方の側に隣接するヌクレオチド配列と相補的な部分を有する。右組に含まれるプライマーは標的ヌクレオチド配列を含む核酸分子の一方の鎖と相補的であり、および左組に含まれるプライマーは反対側の鎖と相補的である。両方の組のプライマーの5'末端は、プライマーが核酸分子中の隣接配列とハイブリダイズされる際、目的の核酸配列の遠位側である。好ましくは、各組のそれぞれのメンバーは、標的ヌクレオチド配列に隣接する、別々のおよび重なり合わないヌクレオチド配列と相補的な部分を有する。増幅は、各プライマーで開始されおよび標的核酸配列を通じて継続する複製によって進行する。この方法の重要な特性は複製中の介在プライマーの置換である。プライマーの右組から伸長した核酸鎖が、プライマーの左組がハイブリダイズする核酸分子の領域に一旦達すると、および逆の場合も同様に、もう一回のプライミングおよび複製が起こる。このことは、標的核酸配列の入れ子化した組の複数コピーが短時間に合成されることを可能にする。
複数鎖置換増幅は、(a)一組のプライマーを標的試料と混合して、プライマー−標的試料混合物を生じ、およびプライマー−標的試料混合物中のプライマーと標的配列との間のハイブリダイゼーションを促進する条件下でプライマー−標的試料混合物をインキュベートすること、および(b)DNAポリメラーゼをプライマー−標的試料混合物と混合して、ポリメラーゼ−標的試料混合物を生じ、および標的配列の複製を促進する条件下でポリメラーゼ−標的試料混合物をインキュベートすることによって実施することができる。鎖置換複製は、好ましくは、鎖置換DNAポリメラーゼ、または、適合する鎖置換因子と組み合わせたDNAポリメラーゼを用いることによって達成される。
右組および左組に含まれる十分な数のプライマーを用いることによって、目的の核酸配列の何十万ものコピーを生じるのに必要なのは数回の複製だけである。たとえば、各26種類のプライマーの右組および左組を用いて、5000ヌクレオチドの1つの増幅標的の200,000コピーを10分間(プライミングおよび複製4回だけに相当)で生じうると推定することができる。また、各26種類のプライマーの右組および左組を用いて、47,000ヌクレオチドの1つの増幅標的の200,000コピーを60分間(同じくプライミングおよび複製4回だけに相当)で生じうると推定することができる。これらの計算は、毎秒50ヌクレオチドのポリメラーゼ伸長速度に基づく。反応は連続的および等温であることが強調される−−サイクル反応は必要無い。
本開示の方法は、等温条件下で実施できるために、ポリメラーゼ連鎖反応よりも有利である。伸長する鎖の先端にあるポリメラーゼ(または対応する鎖置換因子)が、その先にある鎖を置換して、それによってハイブリダイゼーションに利用可能にするため、熱サイクルは不要である。複数鎖置換増幅の他の利点は、非常に長い核酸断片(50キロベース程度)を増幅する能力および、より短い断片(10キロベース以下)の迅速な増幅を含む。連続的な合成を中断しうるかまたは複製された鎖の再ハイブリダイゼーションによるアーティファクトの形成を可能にすることができるサイクル反応が無いため、本開示の方法で長い核酸断片を増幅することができる。複数鎖置換増幅では、意図しない部位での一つのプライマー結合現象は、これらの部位でのアーティファクト増幅には繋がらない(意図される部位での増幅がその意図しない部位での一つの鎖複製を速やかに追い越すため)。
遺伝子特異的鎖置換増幅(GS−MSDA)といわれる、本方法の別の一形式では、標的DNAはまず制限エンドヌクレアーゼを用いて消化される。消化された断片は次いで末端どうしをライゲーションしてDNA環を生じる。これらの環は単量体または連結体であることができる。右組および左組の、二組のプライマーが増幅に用いられる。プライマーの右組に含まれるプライマーはそれぞれ、標的ヌクレオチド配列の一方の側に隣接するヌクレオチド配列と相補的な部分を有し、およびプライマーの左組に含まれるプライマーはそれぞれ、標的ヌクレオチド配列のもう一方の側に隣接するヌクレオチド配列と相補的な部分を有する。右組に含まれるプライマーは標的ヌクレオチド配列を含む核酸分子の一方の鎖と相補的であり、および左組に含まれるプライマーは反対側の鎖と相補的である。そのプライマーは、増幅する必要がある配列の全部または一部をカバーするように設計されている。好ましくは、各組のそれぞれのメンバーは、標的ヌクレオチド配列に隣接する、別々のおよび重なり合わないヌクレオチド配列と相補的な部分を有する。増幅は、各プライマーで開始されおよび標的核酸配列を通じて継続する複製によって進行する。リニアGS−MSDAと呼ばれる、GS−MSDAの一形式では、増幅は1本の鎖とだけ相補的な一組のプライマーを用いて実施され、したがって鎖のうち1本だけを増幅する。GS−MSDAの別の一形式では、cDNA配列を環状化して一本鎖DNA環を生じることができる。増幅は次いで、その一本鎖環状cDNAと相補的な一組のプライマーを用いて実施される。
E.連結されたDNAの複数鎖置換増幅
連結されたDNAの複数鎖置換増幅(MSDA−CD)といわれる、本方法の別の一形式では、連結されたDNAが増幅される。連結されたDNAの好ましい種類は、連結されたcDNAである。連結されたDNAは、WGSDAの場合のようにランダムまたは部分的にランダムな組のプライマーを用いて、または、連結されたDNA中の特異的ハイブリダイゼーション標的と相補的な特異的プライマーを用いて増幅することができる。MSDA−CDは、相対的に短い核酸試料(すなわち、一般的に100ないし6,000ヌクレオチドの範囲の断片)の複雑な混合物または試料の増幅に好ましい。メッセンジャーRNAは、そのような複雑な混合物の最も重要な例である。MSDA−CDは、細胞中のすべてのcDNAを等しい方法で増幅するための手段を提供する。連結されたcDNAは最大5,000倍まで増幅することができるため、MSDA−CDは、数個の細胞だけに基づくRNAプロファイリング分析を可能にする。MSDA−CDを実施するためには、DNAを最初に連結段階に供しなければならない。RNA試料(たとえばmRNA)を増幅すべき場合は、RNAをまず標準的方法を用いて二本鎖cDNAに変換する。そのcDNA、または増幅すべきDNA断片の任意の他の組を、次いでDNA連結体へ、好ましくはリンカーの組み込みを伴って変換する。
F.損傷DNAの複数鎖置換増幅
本開示の方法の別の形式は、損傷DNAの増幅および修復を含みうる。損傷DNAの増幅は、困難でありおよび信頼性の低い結果を与えることの両方でありうる。たとえば、分解または断片化されたDNAの増幅は、短縮された産物を生じ、および対立遺伝子欠落を結果として生じうる。特にゲノムDNA試料の調製は、ゲノムDNAへの損傷を結果として生じうる(たとえば、分解および断片化)。損傷DNAおよび損傷DNA試料は、損傷DNAを増幅する本開示の方法で増幅および修復することができる。本方法は一般的に、損傷DNA試料中の一部のDNA分子の末端を、試料中の相補的配列にハイブリダイズさせることによって機能する。新しく結合した末端を提供するDNA分子は異なる位置に損傷を有するため、アニーリングした末端からプライミングすることは、より完全な断片の複製を結果として生じることができ、および損傷DNAの修復を媒介しうる(損傷がより少ないかまたは損傷していない複製された鎖の形で)。その損傷していない複製された鎖の、継続した複数置換増幅による複製は、損傷がより少ないかまたは損傷していない増幅された核酸を生じる。
本方法は一般的に、損傷DNA試料を実質的に変性させること(一般的に熱およびアルカリ性条件への曝露によって)、変性条件の除去または低減(たとえば変性したDNA試料のpHおよび温度の低下によって)、およびそのDNAを複製することを含む。損傷DNAは複製中に修復され、およびDNA断片の平均長が増大するたとえば、DNA断片の平均長は、たとえば、損傷DNA試料中の2kbから、たとえば、増幅されたDNAについての10kb以上へ増加することができる。増幅および修復されたDNAは、損傷DNA試料よりも、分析および試験のためによい条件にある。たとえば、この技術は、損傷DNA試料に由来する対立遺伝子発現量に一貫した改善を与えることができる。この修復方法は、すべて損傷DNAを他の方法によって増幅した場合と比較して、産物の平均長を増加し、増幅産物の品質を3倍に高め(たとえば、試料中のマーカー発現量を増加することによって)、および対立遺伝子欠落の頻度を低下させることによって増幅産物の遺伝子型分析を改善することによって、損傷DNAの増幅における全体的な改善を結果として生じうる。複製は複数置換増幅であることができる。DNA試料の変性は一般的に、DNAがさらに損傷されないように実施される。この方法は一般的に、本開示の増幅法のうち任意のものと組み合わせるかまたは共に使用することができる。
一部の実施形態では、損傷DNAを増幅する方法は、損傷DNA試料中の損傷DNAの実質的な変性を促進する条件へ損傷DNA試料を曝露し、それによって変性した損傷DNA試料を生じること;その条件を損傷DNA試料中の損傷DNAの実質的な変性を促進しない条件に変え、安定化した変性した損傷DNA試料を生じること;および、損傷DNAの複製を促進する条件下で、アニーリングした損傷DNAをインキュベートすることを含みうる。損傷DNAのアニーリングした末端は複製をプライミングし、および損傷DNAの複製は結果として複製された鎖の修復を生じる。損傷DNA試料中の損傷DNAの実質的な変性を促進する条件は、たとえば、損傷DNA試料のpHを上昇させることおよび損傷DNA試料を加熱することでありうる。条件を変えることは、たとえば、変性した損傷DNA試料のpHを低下させることおよび損傷DNA試料を冷却することでありうる。pHを上昇させることは、損傷DNA試料をアルカリ性条件へ曝露することによって達成できる。条件を変えることは、一般的に、一時的に変性した損傷DNAの末端の、実質的に変性した損傷DNAへのアニーリングを促進する条件であることができる。損傷DNA試料、変性した損傷DNA試料、または両方もまた、たとえば、損傷DNA試料または変性した損傷DNA試料を、イオン溶液と、または1または複数の塩または他の塩を含む変性溶液、安定化溶液、または両方と混合することによってイオン条件へ曝露することができる。
本方法では、損傷DNA試料は、たとえば、損傷DNA試料を変性溶液と混合することによって、および損傷DNA試料中の損傷DNAを実質的に変性させる温度およびそのような長さの時間、損傷DNA試料を加熱することによって、実質的な変性を促進する条件へ曝露することができる。その温度は、たとえば、約25℃ないし約50℃であることができ、および時間の長さは、たとえば、約5分間以上であることができる。変性した損傷DNA試料のpHは、たとえば、変性した損傷DNA試料を安定化溶液と混合することによって低下させることができる。損傷DNA試料は、たとえば、ゲノムDNAの分解したDNA断片であることができる。損傷DNAの複製および修復は、φ29DNAポリメラーゼのようなDNAポリメラーゼの存在下で損傷DNAをインキュベートすることによって達成できる。
損傷DNA試料は、必要なアニーリングを達成するために、一般的にゆっくり冷却することができる。たとえば、損傷DNA試料は、たとえば、毎分約0.1℃以下、毎分約0.2℃以下、毎分約0.3℃以下、毎分約0.4℃以下、毎分約0.5℃以下、毎分約0.6℃以下、毎分約0.7℃以下、毎分約0.8℃以下、毎分約0.9℃以下、毎分約1℃以下、毎分約1.0℃以下、毎分約1.1℃以下、毎分約1.2℃以下、毎分約1.3℃以下、毎分約1.4℃以下、毎分約1.5℃以下、毎分約1.6℃以下、毎分約1.8℃以下、毎分約2℃以下、毎分約2.0℃以下、毎分約2.2℃以下、毎分約2.4℃以下、毎分約2.6℃以下、毎分約2.8℃以下、毎分約3℃以下、毎分約3.0℃以下、毎分約3.5℃以下、毎分約4℃以下、毎分約4.0℃以下、毎分約5.0℃以下、毎分約0.1℃、毎分約0.2℃、毎分約0.3℃、毎分約0.4℃、毎分約0.5℃、毎分約0.6℃、毎分約0.7℃、毎分約0.8℃、毎分約0.9℃、毎分約1℃、毎分約1.0℃、毎分約1.1℃、毎分約1.2℃、毎分約1.3℃、毎分約1.4℃、毎分約1.5℃、毎分約1.6℃、毎分約1.8℃、毎分約2℃、毎分約2.0℃、毎分約2.2℃、毎分約2.4℃、毎分約2.6℃、毎分約2.8℃、毎分約3℃、毎分約3.0℃、毎分約3.5℃、毎分約4℃、毎分約4.0℃、毎分約5.0℃、毎分0.1℃、毎分0.2℃、毎分0.3℃、毎分0.4℃、毎分0.5℃、毎分0.6℃、毎分0.7℃、毎分0.8℃、毎分0.9℃、毎分1℃、毎分1.0℃、毎分1.1℃、毎分1.2℃、毎分1.3℃、毎分1.4℃、毎分1.5℃、毎分1.6℃、毎分1.8℃、毎分2℃、毎分2.0℃、毎分2.2℃、毎分2.4℃、毎分2.6℃、毎分2.8℃、毎分3℃、毎分3.0℃、毎分3.5℃、毎分4℃、毎分4.0℃、または毎分5.0℃の速度で冷却することができる。
損傷DNA試料を冷却する速度はまた、温度のパーセント低下という形で記載することができる。したがって、70℃で開始し毎分1%以下の速度での損傷DNA試料の冷却は、最初の1分間に0.7℃(以下)、および次の1分には結果として生じる温度の1%(以下)冷却される。損傷DNA試料は、たとえば、毎分約0.1%以下、毎分約0.2%以下、毎分約0.3%以下、毎分約0.4%以下、毎分約0.5%以下、毎分約0.6%以下、毎分約0.7%以下、毎分約0.8%以下、毎分約0.9%以下、毎分約1%以下、毎分約1.0%以下、毎分約1.1%以下、毎分約1.2%以下、毎分約1.3%以下、毎分約1.4%以下、毎分約1.5%以下、毎分約1.6%以下、毎分約1.8%以下、毎分約2%以下、毎分約2.0%以下、毎分約2.2%以下、毎分約2.4%以下、毎分約2.6%以下、毎分約2.8%以下、毎分約3%以下、毎分約3.0%以下、毎分約3.5%以下、毎分約4%以下、毎分約4.0%以下、毎分約5.0%以下、毎分約0.1%、毎分約0.2%、毎分約0.3%、毎分約0.4%、毎分約0.5%、毎分約0.6%、毎分約0.7%、毎分約0.8%、毎分約0.9%、毎分約1%、毎分約1.0%、毎分約1.1%、毎分約1.2%、毎分約1.3%、毎分約1.4%、毎分約1.5%、毎分約1.6%、毎分約1.8%、毎分約2%、毎分約2.0%、毎分約2.2%、毎分約2.4%、毎分約2.6%、毎分約2.8%、毎分約3%、毎分約3.0%、毎分約3.5%、毎分約4%、毎分約4.0%、毎分約5.0%、毎分0.1%、毎分0.2%、毎分0.3%、毎分0.4%、毎分0.5%、毎分0.6%、毎分0.7%、毎分0.8%、毎分0.9%、毎分1%、毎分1.0%、毎分1.1%、毎分1.2%、毎分1.3%、毎分1.4%、毎分1.5%、毎分1.6%、毎分1.8%、毎分2%、毎分2.0%、毎分2.2%、毎分2.4%、毎分2.6%、毎分2.8%、毎分3%、毎分3.0%、毎分3.5%、毎分4%、毎分4.0%、または毎分5.0%の速度で冷却することができる。
損傷DNA試料、変性した損傷DNA試料、または両方は、たとえば、損傷DNA試料または変性した損傷DNA試料を、イオン溶液と、または1または複数の塩または他の塩を含む変性溶液、安定化溶液、または両方と混合することによってイオン条件へ曝露することができる。ここでは、イオン条件とは高いイオン強度の状態をいう。したがって、イオン条件への曝露とは、曝露前の試料または溶液中に存在したよりも高いイオン強度への曝露をいう。これはたとえば、緩衝剤または塩を添加した際の結果となる。そのような添加を行うために用いる溶液を、イオン溶液ということができる。イオン溶液は塩溶液であることができ、および1種類以上の塩または他のイオンを含むことができる。任意の適当な塩またはイオンを用いることができる。塩は、たとえば、トリス−HCl、トリス−EDTA、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、または組み合わせであることができる。トリス−HClは、たとえば、pH7.0ないし8.0であることができる。塩はトリス−EDTAであることができる。イオン溶液は、たとえば、損傷DNA試料と混合した際に2ないし5倍に希釈されうる。イオン溶液は、条件の変更の前またはその間に、変性した損傷DNA試料と混合することができる。
イオン条件およびイオン溶液の組成は一般的に、緩衝剤,塩,または他のイオンを形成する化合物の濃度を特定することによって特定できる。化合物の組み合わせを、イオン溶液に、またはイオン条件を生成するために用いることができる。塩溶液は、たとえば、約50mMないし約500mMトリスおよび約1mMないし約5mM EDTAを含みうる。イオン溶液は、約1mMないし約2M、約1mMないし約1M、約1mMないし約900mM、約1mMないし約800mM、約1mMないし約700mM、約1mMないし約600mM、約1mMないし約500mM、約1mMないし約400mM、約1mMないし約300mM、約1mMないし約250mM、約1mMないし約200mM、約1mMないし約150mM、約1mMないし約100mM、約1mMないし約80mM、約1mMないし約60mM、約1mMないし約50mM、約1mMないし約40mM、約1mMないし約30mM、約1mMないし約20mM、約1mMないし約10mM、約1mMないし約5mM、約1mMないし約2mM、約2mMないし約2M、約2mMないし約1M、約2mMないし約900mM、約2mMないし約800mM、約2mMないし約700mM、約2mMないし約600mM、約2mMないし約500mM、約2mMないし約400mM、約2mMないし約300mM、約2mMないし約250mM、約2mMないし約200mM、約2mMないし約150mM、約2mMないし約100mM、約2mMないし約80mM、約2mMないし約60mM、約2mMないし約50mM、約2mMないし約40mM、約2mMないし約30mM、約2mMないし約20mM、約2mMないし約10mM、約2mMないし約5mM、約5mMないし約2M、約5mMないし約1M、約5mMないし約900mM、約5mMないし約800mM、約5mMないし約700mM、約5mMないし約600mM、約5mMないし約500mM、約5mMないし約400mM、約5mMないし約300mM、約5mMないし約250mM、約5mMないし約200mM、約5mMないし約150mM、約5mMないし約100mM、約5mMないし約80mM、約5mMないし約60mM、約5mMないし約50mM、約5mMないし約40mM、約5mMないし約30mM、約5mMないし約20mM、約5mMないし約10mM、約10mMないし約2M、約10mMないし約1M、約10mMないし約900mM、約10mMないし約800mM、約10mMないし約700mM、約10mMないし約600mM、約10mMないし約500mM、約10mMないし約400mM、約10mMないし約300mM、約10mMないし約250mM、約10mMないし約200mM、約10mMないし約150mM、約10mMないし約100mM、約10mMないし約80mM、約10mMないし約60mM、約10mMないし約50mM、約10mMないし約40mM、約10mMないし約30mM、約10mMないし約20mM、約20mMないし約2M、約20mMないし約1M、約20mMないし約900mM、約20mMないし約800mM、約20mMないし約700mM、約20mMないし約600mM、約20mMないし約500mM、約20mMないし約400mM、約20mMないし約300mM、約20mMないし約250mM、約20mMないし約200mM、約20mMないし約150mM、約20mMないし約100mM、約20mMないし約80mM、約20mMないし約60mM、約20mMないし約50mM、約20mMないし約40mM、約20mMないし約30mM、約30mMないし約2M、約30mMないし約1M、約30mMないし約900mM、約30mMないし約800mM、約30mMないし約700mM、約30mMないし約600mM、約30mMないし約500mM、約30mMないし約400mM、約30mMないし約300mM、約30mMないし約250mM、約30mMないし約200mM、約30mMないし約150mM、約30mMないし約100mM、約30mMないし約80mM、約30mMないし約60mM、約30mMないし約50mM、約30mMないし約40mM、約40mMないし約2M、約40mMないし約1M、約40mMないし約900mM、約40mMないし約800mM、約40mMないし約700mM、約40mMないし約600mM、約40mMないし約500mM、約40mMないし約400mM、約40mMないし約300mM、約40mMないし約250mM、約40mMないし約200mM、約40mMないし約150mM、約40mMないし約100mM、約40mMないし約80mM、約40mMないし約60mM、約40mMないし約50mM、約50mMないし約2M、約50mMないし約1M、約50mMないし約900mM、約50mMないし約800mM、約50mMないし約700mM、約50mMないし約600mM、約50mMないし約500mM、約50mMないし約400mM、約50mMないし約300mM、約50mMないし約250mM、約50mMないし約200mM、約50mMないし約150mM、約50mMないし約100mM、約50mMないし約80mM、約50mMないし約60mM、約60mMないし約2M、約60mMないし約1M、約60mMないし約900mM、約60mMないし約800mM、約60mMないし約700mM、約60mMないし約600mM、約60mMないし約500mM、約60mMないし約400mM、約60mMないし約300mM、約60mMないし約250mM、約60mMないし約200mM、約60mMないし約150mM、約60mMないし約100mM、約60mMないし約80mM、約80mMないし約2M、約80mMないし約1M、約80mMないし約900mM、約80mMないし約800mM、約80mMないし約700mM、約80mMないし約600mM、約80mMないし約500mM、約80mMないし約400mM、約80mMないし約300mM、約80mMないし約250mM、約80mMないし約200mM、約80mMないし約150mM、約80mMないし約100mM、約100mMないし約2M、約100mMないし約1M、約100mMないし約900mM、約100mMないし約800mM、約100mMないし約700mM、約100mMないし約600mM、約100mMないし約500mM、約100mMないし約400mM、約100mMないし約300mM、約100mMないし約250mM、約100mMないし約200mM、約100mMないし約150mM、約150mMないし約2M、約150mMないし約1M、約150mMないし約900mM、約150mMないし約800mM、約150mMないし約700mM、約150mMないし約600mM、約150mMないし約500mM、約150mMないし約400mM、約150mMないし約300mM、約150mMないし約250mM、約150mMないし約200mM、約200mMないし約2M、約200mMないし約1M、約200mMないし約900mM、約200mMないし約800mM、約200mMないし約700mM、約200mMないし約600mM、約200mMないし約500mM、約200mMないし約400mM、約200mMないし約300mM、約200mMないし約250mM、約250mMないし約2M、約250mMないし約1M、約250mMないし約900mM、約250mMないし約800mM、約250mMないし約700mM、約250mMないし約600mM、約250mMないし約500mM、約250mMないし約400mM、約250mMないし約300mM、約300mMないし約2M、約300mMないし約1M、約300mMないし約900mM、約300mMないし約800mM、約300mMないし約700mM、約300mMないし約600mM、約300mMないし約500mM、約300mMないし約400mM、約400mMないし約2M、約400mMないし約1M、約400mMないし約900mM、約400mMないし約800mM、約400mMないし約700mM、約400mMないし約600mM、約400mMないし約500mM、約500mMないし約2M、約500mMないし約1M、約500mMないし約900mM、約500mMないし約800mM、約500mMないし約700mM、約500mMないし約600mM、約600mMないし約2M、約600mMないし約1M、約600mMないし約900mM、約600mMないし約800mM、約600mMないし約700mM、約700mMないし約2M、約700mMないし約1M、約700mMないし約900mM、約700mMないし約800mM、約800mMないし約2M、約800mMないし約1M、約800mMないし約900mM、約900mMないし約2M、約900mMないし約1M、約1Mないし約2M、約2M、約1M、約900mM、約800mM、約700mM、約600mM、約500mM、約400mM、約300mM、約250mM、約200mM、約150mM、約100mM、約80mM、約60mM、約50mM、約40mM、約30mM、約20mM、約10mM、約9mM、約8、mM、約7mM、約6mM、約5mM、約4mM、約3mM、約2mM、約1mM、2M、1M、900mM、800mM、700mM、600mM、500mM、400mM、300mM、250mM、200mM、150mM、100mM、80mM、60mM、50mM、40mM、30mM、20mM、10mM、9mM、8mM、7mM、6mM、5mM、4mM、3mM、2mM、または1mMの塩、緩衝剤またはイオン濃度を有することができる。
DNAを修復および増幅する本開示の方法は、DNA試料中のDNA断片の平均の増大を結果として生じうる。この増大は任意の適当な用語でいうことができる。たとえば、平均断片長の増大は、増幅されたDNA断片の平均断片長、損傷DNA試料の平均断片長からの平均断片長の増大、および平均断片長のパーセント増加によって言及することができる。平均断片長の増大は、本方法の前の損傷DNA試料の平均断片長と比較して、たとえば、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、180%、200%、220%、240%、260%、280%、300%、350%、400%、450%、500%、600%、700%、800%、900%、1,000%、5%以上、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、100%以上、110%以上、120%以上、130%以上、140%以上、150%以上、160%以上、180%以上、200%以上、220%以上、240%以上、260%以上、280%以上、300%以上、350%以上、400%以上、450%以上、500%以上、600%以上、700%以上、800%以上、900%以上、1,000%以上、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約110%、約120%、約130%、約140%、約150%、約160%、約180%、約200%、約220%、約240%、約260%、約280%、約300%、約350%、約400%、約450%、約500%、約600%、約700%、約800%、約900%、約1、000%、約5%以上、約10%以上、約15%以上、約20%以上、約25%以上、約30%以上、約40%以上、約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、約100%以上、約110%以上、約120%以上、約130%以上、約140%以上、約150%以上、約160%以上、約180%以上、約200%以上、約220%以上、約240%以上、約260%以上、約280%以上、約300%以上、約350%以上、約400%以上、約450%以上、約500%以上、約600%以上、約700%以上、約800%以上、約900%以上、または約1,000%以上でありうる。
修復法の後に、平均断片長は、たとえば、2キロベース(kb)、2.5kb、3kb、3.5kb、4kb、4.5kb、5kb、5.5kb、6kb、7kb、8kb、9kb、10kb、11kb、12kb、13kb、14kb、15kb、16kb、18kb、20kb、22kb、24kb、26kb、28kb、30kb、2kb以上、2.5kb以上、3kb以上、3.5kb以上、4kb以上、4.5kb以上、5kb以上、5.5kb以上、6kb以上、7kb以上、8kb以上、9kb以上、10kb以上、11kb以上、12kb以上、13kb以上、14kb以上、15kb以上、16kb以上、18kb以上、20kb以上、22kb以上、24kb以上、26kb以上、28kb以上、30kb以上、約2kb、約2.5kb、約3kb、約3.5kb、約4kb、約4.5kb、約5kb、約5.5kb、約6kb、約7kb、約8kb、約9kb、約10kb、約11kb、約12kb、約13kb、約14kb、約15kb、約16kb、約18kb、約20kb、約22kb、約24kb、約26kb、約28kb、約30kb、約2kb以上、約2.5kb以上、約3kb以上、約3.5kb以上、約4kb以上、約4.5kb以上、約5kb以上、約5.5kb以上、約6kb以上、約7kb以上、約8kb以上、約9kb以上、約10kb以上、約11kb以上、約12kb以上、約13kb以上、約14kb以上、約15kb以上、約16kb以上、約18kb以上、約20kb以上、約22kb以上、約24kb以上、約26kb以上、約28kb以上、または約30kb以上でありうる。
損傷DNAを修復する本開示の方法は、細胞溶解物および試料の本開示の増幅と組み合わせることができる。したがって、たとえば、損傷DNA試料は細胞溶解物または試料であることができ、ここでその細胞溶解物または試料は細胞または試料をアルカリ性条件へ曝露することによって生じる。本方法の一部の形式は、細胞をアルカリ性条件に曝露して細胞溶解物を生じること;細胞溶解物中の損傷DNAの実質的な変性を促進する条件へ細胞溶解物を曝露すること;細胞溶解物のpHを低下させて安定化した細胞溶解物を生じること;変性した損傷DNAの末端のアニーリングを促進する条件下で、安定化した細胞溶解物を冷却すること;および、損傷DNAの複製を促進する条件下で安定化した細胞溶解物をインキュベートすることを含みうる。複製中に、損傷DNAのアニーリングした末端が複製をプライミングし、および損傷DNAの複製は結果として、複製された鎖の修復およびDNA断片の平均長の増大を生じる。細胞溶解物または試料は全ゲノムであることができる。ゲノムの複製は、複製された鎖を結果として生じ、ここで複製中に複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によってゲノムから置換される。
別の一形式では、本方法は試料中の一部のDNA分子の末端を、損傷DNA試料中の相補的配列にハイブリダイズさせることによって機能する。一般的に、損傷DNA試料およびアニーリングした末端を提供するDNA試料は、同一起源またはさらに同一試料に由来する。新しく結合した末端を提供するDNA分子および損傷DNA分子は異なる位置に損傷を有するため、アニーリングした末端からプライミングすることは、より完全な断片の複製を結果として生じることができ、および損傷DNAの修復を媒介しうる(損傷がより少ないかまたは損傷していない複製された鎖の形で)。その損傷していない複製された鎖の、継続した複数置換増幅による複製は、損傷がより少ないかまたは損傷していない増幅された核酸を生じる。
本方法は一般的に、損傷DNA試料を実質的に変性させること(一般的に熱およびアルカリ性条件への曝露によって)、変性したDNA試料のpHの低下、変性したDNA試料を同一起源に由来する未変性のDNA試料と混合して未変性DNA試料中のDNAの末端が一時的に変性するようにすること、DNA試料の混合物をゆっくり冷却して一時的に変性した末端を変性したDNAとアニーリングさせること、およびアニーリングしたDNAを複製することを含む。損傷DNAは複製中に修復される。複製は複数置換増幅であることができる。DNA試料の実質的な変性および一時的な変性は一般的に、DNAがさらに損傷されないように実施される。この方法は一般的に、本開示の増幅法のうち任意のものと組み合わせるかまたは共に使用することができる。
一部の実施形態では、損傷DNAを増幅する方法は、第1の損傷DNA試料中の損傷DNAの実質的な変性を促進する条件へ第1の損傷DNA試料を曝露し、それによって変性した損傷DNA試料を生じること;変性した損傷DNA試料のpHを低下させて、安定化した変性した損傷DNA試料を生じること;第2の損傷DNA試料を、安定化した変性した損傷DNA試料と、第2の試料中の損傷DNAの末端の一時的変性を促進しおよび安定化した変性した損傷DNA試料中の損傷DNAの実質的な変性を維持する条件下で混合し、それによって損傷DNA混合物を生じること;損傷DNA混合物を、一時的に変性した損傷DNAの末端の、実質的に変性した損傷DNAへのアニーリングを促進する条件下で冷却すること;および、アニーリングした損傷DNAを、損傷DNAの複製を促進する条件下でインキュベートすることを含みうる。損傷DNAのアニーリングした末端は複製をプライミングし、および損傷DNAの複製は複製された鎖の修復を結果として生じる。
本方法では、第1の損傷DNA試料は、たとえば、第1の損傷DNA試料を変性溶液と混合することによって、および、第1の損傷DNA試料中の損傷DNAを実質的に変性させる温度およびそのような長さの時間、第1の損傷DNA試料を加熱することによって、実質的な変性を促進する条件へ曝露することができる。その温度は、たとえば、約25℃ないし約50℃であることができ、および時間の長さは、たとえば、約5分間以上であることができる。変性した損傷DNA試料のpHは、たとえば、変性した損傷DNA試料を安定化溶液と混合することによって低下させることができる。損傷DNA試料は、たとえば、ゲノムDNAの分解したDNA断片であることができる。第1のおよび第2の損傷DNA試料は同一の起源に由来することができ、および特に同一の損傷DNA試料の一部であることができる。第2の損傷DNA試料は、安定化した変性した損傷DNA試料と、第2の損傷DNA試料中の損傷DNAを一時的に変性させる温度にておよびそのような長さの時間、混合することができる。たとえば、その温度は約70℃以下であることができ、および時間の長さは約30秒以下であることができる。希望の効果はまた、第1の損傷DNA試料が変性のために曝露される温度に、混合物を維持することによって達成することもできる。損傷DNAの複製および修復は、アニーリングした損傷DNAを、φ29DNAポリメラーゼのようなDNAポリメラーゼの存在下でインキュベートすることによって達成できる。
損傷DNAを増幅する本開示の方法は、細胞溶解物および試料の本開示の増幅と組み合わせることができる。したがって、たとえば、第1のおよび第2の損傷DNA試料は、細胞溶解物または試料の一部であることができ、ここでその細胞溶解物または試料は細胞または試料をアルカリ性条件へ曝露することによって生じる。第2の損傷DNA試料のpHは、安定化した変性した損傷DNAとの混合の前に低下させることができる。本方法の一部の形式は、細胞をアルカリ性条件に曝露して細胞溶解物を生じること;その細胞溶解物の第1の部分を、細胞溶解物の第1の部分に含まれる損傷DNAの実質的な変性を促進する条件へ曝露すること;細胞溶解物の第1の部分のpHを低下させて第1の安定化した細胞溶解物を生じ、および、細胞溶解物の第2の部分のpHを低下させて第2の安定化した細胞溶解物を生じること;第2の安定化した細胞溶解物を、第1の安定化した細胞溶解物と、第2の安定化した細胞溶解物中の損傷DNAの末端の一時的変性を促進しおよび第1の安定化した細胞溶解物中の損傷DNAの実質的な変性を維持する条件下で混合し、それによって安定化した細胞溶解物混合物を生じること;安定化した細胞溶解物混合物を、一時的に変性した損傷DNAの末端の、実質的に変性した損傷DNAへのアニーリングを促進する条件下で冷却すること;および安定化した細胞溶解物混合物を、損傷DNAの複製を促進する条件下でインキュベートすることを含みうる。複製中に、損傷DNAのアニーリングした末端は複製をプライミングし、および損傷DNAの複製は複製された鎖の修復を結果として生じる。細胞溶解物または試料は全ゲノムであることができる。ゲノムの複製は、複製された鎖を結果として生じ、ここで複製中に複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によってゲノムから置換される。
G.増幅産物の分析
臨床および保健科学研究は、DNA中の多型部位の多パラメータ測定に関するインプットとして働く大量のゲノムDNAへの容易なアクセスを必要とし、その測定の複合した結果は貴重な予後および診断情報を提供する。しかし、大部分の生検法は組織または細胞の微量しか与えないため、これらの研究はDNAの適当な供給の深刻な不足によって妨げられている。試料調製段階は、細胞分画中の損失のために、これらの細胞から回収された量をさらに減少させ、それによって、インプットとして単離されたゲノムDNAを用いて調べることができる試料当たりの染色体遺伝子座の数を制限する。本発明の方法は、多パラメータ分析のためのDNAの適当なおよび再生可能な供給を提供することによってこれらの不足を克服することを目指す。
大部分の固形腫瘍中のゲノム全体にわたって見られる比較的に一般的な種類の遺伝子変化である、ヘテロ接合性の消失(LOH)の分析は、がん診断に頻繁に用いられている。高浸透率突然変異を有するいくつかの家族性がん遺伝子が容易に同定される一方、散発性のがん発症のリスクを評価するためにLOH分析によって臨床結果を判定することの成功はまた、低浸透率遺伝的変異または多型からの寄与に基づく。臨床試料から調製された未変性DNAを用いる測定の範囲を現在は超えている、疾患進行および病期判定の効果的な決定および統計的評価のためには、そのような多パラメータ測定は各試料からの多数の候補および他の遺伝子座の同時分析を必要とする。これらの試料中に存在するゲノムDNAの増幅は、多パラメータ分析に必要なDNAの必要量を提供するために有用な付加物である。本開示の方法は、LOH分析のような分析のために十分な材料を提供する、高品質の核酸を提供することができる。
がん細胞中のDNAにおける形態および構造の進行的な損失は、ヌクレオチド配列またはコピー数が異常になっている多数の異なる遺伝子で最高となり、正常または前がん細胞と比較して疾患細胞では数百または数千の遺伝子の発現に差がある。出現するがん細胞を描写する複雑な体細胞の遺伝現象の時間的および空間的特性を解明することは、感受性の増大を与える、より分かりにくい生殖細胞系の変異体についての検索を助ける。本開示の方法は、ゲノムにおけるこれらの広範囲の変化を分析するために、試料起源から増幅された十分な量の核酸を提供することができる。このことは、そのような測定の処理量の増大、および、これらの試料から回収されたDNAの効率的な利用を可能にすることができる。
本開示の方法の一部の形式は、複製されたDNA鎖のヌクレオチド配列分布に、インプットDNAのヌクレオチド配列分布から変化がもし生じれば最小であるように、試料DNAの正確でおよび再現性のある複製を提供する。多数の以前の核酸増幅法は、少なくともいくらか重要な程度のアーティファクト変異を、増幅されたDNAの配列中に導入し、増幅された核酸中の異なる配列の発現量における、開始核酸中のそれらの配列の発現量と比較した偏りに繋がる。そのような偏りは、配列偏りまたは対立遺伝子偏りということができる。
一部の場合では、対立遺伝子偏りは、増幅反応に使用したポリメラーゼ酵素の性質に帰することができる。たとえば、「校正」DNAポリメラーゼは、校正活性を欠くDNAポリメラーゼよりも、複製されたDNA中に対立遺伝子偏りを導入しにくい。DNAポリメラーゼによるDNA合成中の1種類以上のヌクレオチドの誤組み込みは、DNA増幅中の複製偏りまたは「対立遺伝子偏り」に繋がる可能性があり、その変化は異なる配列または対立遺伝子として採点または検出されうる異なる配列を生じる。複製偏りに寄与しうる他の因子は、より多い増幅回数が増幅されたDNA中の対立遺伝子偏りの増大に繋がりうるインプットDNAの増幅程度または増幅倍数、高温での増幅混合物の処理を必要とする反応条件、DNA中の塩基除去部位の生成を促進する処理、ポリメラーゼにエラーをより起こしやすくしうるインプットDNA中の不純物、カオトロピック試薬の存在、正に荷電した金属イオン、などを含む増幅反応中の試薬成分の性質および濃度を含む。
一部の場合では、対立遺伝子偏りに繋がるヌクレオチド組み込みエラーは、増幅されている核酸テンプレートの性質が原因である可能性がある。たとえば、単一のまたは少数のヌクレオチドの反復または複数の反復箇所を含むDNAの領域は、時々ポリメラーゼの滑り(スリッページ)に繋がり、結果として1種類以上のヌクレオチドアーティファクト挿入または欠失を生じうる。このため、反復領域におけるDNAの忠実な増幅は達成が困難になりうる。これらの領域は、ジ、トリ、およびテトラヌクレオチド反復、テロメア領域、長い散在反復を含む領域、STRおよび文献に記載された他の種類の反復を含む。大きい二次構造を含むDNAの領域はしばしば、その領域を横切るポリメラーゼの横断を妨げる可能性があり、および複製された鎖の集団内でそのような配列が低発現となることおよび対立遺伝子偏りの導入を結果として生じうる。
本開示の方法の一部の形式は、インプット核酸と増幅産物との間の対立遺伝子比(それが、増幅偏りの一種である、対立遺伝子偏りである)に最小の差を与える。対立遺伝子比は、大きい方の対立遺伝子のピーク高(すなわち検出量)で割った小さい方の対立遺伝子のピーク高と定義することができる(パールソン(Paulson)他,1999;参照により本開示に含まれる)。典型的には、選択された遺伝子座の試料の組の対立遺伝子比は、標準の遺伝子型分析を用いて、複製されたDNAまたはインプットDNAの遺伝子型分析を実施することによって測定する。遺伝子型分析は当業者によく知られており、その例は、参照により本開示に含まれる米国特許第5,451,067号、第6,679,242号、第6,479,244号、第6,472,185号、第6,458,544号、第6,440,707号、および第6,312,902号に記載されている。対立遺伝子が等しい数で存在する場合(ヘテロ接合遺伝子座に関して予測されるように)、対立遺伝子比は1であり、および対立遺伝子偏りは存在しない。ここでは、対立遺伝子偏りとは、一対の対立遺伝子に関しての、対立遺伝子比1からの対立遺伝子比の差をいう。等しい比(すなわち、比1)を有しない対立遺伝子に関しては、対立遺伝子偏りは、正常なまたは予測される対立遺伝子比からの差をいうことができる。一般的に、ヘテロ接合2倍体試料中の遺伝子座に関する対立遺伝子比は1となり、およびこれは増幅されていない試料において測定することができる対立遺伝子比であるべきである。試料が増幅される場合、一様でない増幅は、対立遺伝子比における偏りを結果として生じうる。対立遺伝子偏りは、たとえば、増幅されていない試料における対立遺伝子の対立遺伝子比と、試料から増幅されたDNA中の同一の対立遺伝子に関する対立遺伝子比との間の差として計算することができる。これを増幅対立遺伝子偏りということができる。増幅対立遺伝子偏りは、存在する場合は、増幅されたDNAにおける対立遺伝子の比が、元の増幅されていないゲノムDNAにおける比から変化していることを示す。一例として、1つの遺伝子座の、等しい数で存在する2つの対立遺伝子の対立遺伝子比は1である。増幅されたDNAが、これらの2つの対立遺伝子の比0.5を有するならば、増幅対立遺伝子偏りは0.5である(0.5/1=0.5として計算)。そのような偏りはまた、50%(比の差をいう、0.5は1の50%である)または2倍(対立遺伝子比の倍数差をいう、1は0.5の2倍大きい)と表すこともできる。
対立遺伝子偏りはまた、対立遺伝子発現量を評価することによって定量化することもできる。所定の対立遺伝子が発現する、すべての対立遺伝子のうちの割合が、その対立遺伝子に関する対立遺伝子発現量である。1つの遺伝子座の2つの対立遺伝子がそれぞれ全体の半分を発現するならば(ヘテロ接合遺伝子座に関して通常の場合)、各対立遺伝子は対立遺伝子発現量50%または0.5を有するということができる。どちらかの対立遺伝子が50%とは異なる発現量を有するならば、対立遺伝子偏りが存在する。インプット核酸における対立遺伝子発現量と増幅されたDNAにおける対立遺伝子発現量との間に差が無ければ、対立遺伝子偏りは存在せず、対立遺伝子偏り1または100%と表すことができる。対立遺伝子発現量の場合は、対立遺伝子偏りは、比較すべき2つの試料(たとえば、増幅されたDNAに対する増幅されていない試料)における対立遺伝子発現量の比として計算することができる。したがって、50%発現量÷50%発現量は1に等しい。対立遺伝子偏りはまた、対立遺伝子発現量50%からの(または通常のまたは予測される対立遺伝子発現量からの)標準偏差として表すことができる。インプットDNA試料および増幅されたDNA試料の対立遺伝子比が同一であるならば、増幅されたDNAは対立遺伝子偏りを有しないということができる。
本開示の方法は、正確におよび均一に、高度に複雑な核酸試料中のさまざまな配列を増幅することができる。この結果は、たとえば、パーセント発現量、配列発現量、配列発現量偏り、パーセント配列発現量、遺伝子座発現量、遺伝子座発現量偏り、パーセント遺伝子座発現量、および/または増幅偏りを参照することによって定量化することができる。たとえば、本開示の方法で作製された増幅された核酸分子は、少なくとも50%の配列発現量または配列発現量偏りを少なくとも10個の異なる標的配列に関して有することができる。増幅偏りは、少なくとも10個の異なる標的配列に関して10%未満でありうる。
本開示の方法は一般的に、低い対立遺伝子偏りを有する増幅されたDNAを生じる。本開示の方法は、増幅された核酸における対立遺伝子偏りおよび他の増幅偏りを測定するのに用いることができる。たとえば、選択された1つの遺伝子座に関してヘテロ接合である個体の場合を考える。この個体に由来するゲノムDNAの、この遺伝子座に関する対立遺伝子比は1である。この個体に由来するゲノムDNAの部分標本を、本開示の方法を用いることによって、全ゲノム増幅に供することができる。対立遺伝子偏りが全ゲノム増幅中に起こったならば、増幅されたDNAは、親対立遺伝子の一方のDNAコピーの、親対立遺伝子の他方と比較してより多い発現量を含む。親対立遺伝子のどちらかを含むDNA断片が、増幅されたDNA集団において大幅に優位を占めるならば、遺伝子型分析試験はそのDNA試料を、その親対立遺伝子に関してホモ接合であると採点する可能性があり、ホモ接合正常とする誤診断に繋がる。この、核酸増幅の結果としてヘテロ接合遺伝子型を検出するのに失敗することは、ヘテロ接合欠落または対立遺伝子欠落(ADO)ということができる。親対立遺伝子の両方が同一であるホモ接合体の場合は、ADOは検出がより容易である。本開示の方法は、ホモ接合遺伝子座でのADOを測定することにも等しく適用可能である。
増幅されたDNA中に存在する大部分または全部の遺伝子座でのADOの存在について測定する必要は無い。事実、そのようにすることは実際的でない。大部分の用途については、遺伝子座の標本の測定で足りる。増幅されたDNA試料のADOを測定するために、採点すべき遺伝子座の数を決定するには、さまざまな因子を考慮することができる。これらの因子は、増幅されているゲノムの大きさ(ヌクレオチドとして)、増幅に使用するポリメラーゼによるヌクレオチド組み込みの推定エラー率、増幅反応条件、および増幅反応の時間を含むがそれらに限定されない。一般的に、ADOについてより大きな値を生じるには、増幅を完了するために必要なヌクレオチド付加のゲノム当たりの数がより大きいため、より大きなゲノムサイズが予測される。より長いインキュベート時間はDNA増幅のより多くの回数を与え、それによってヌクレオチド付加の数が増加するため、増幅反応の時間についても同じである。たとえば、複製の初期の回に起こるヌクレオチド誤組み込み現象は、増幅の遅い回に起こるものよりも、増幅反応の最終産物中で永続化しおよび優位である可能性が高い。この計算のためには、誤組み込みされたヌクレオチドの野生型への復帰からの寄与は無視される。それはこれらの現象は突然変異多発点を除いては非常に低確率であるためである。異なるポリメラーゼは、DNA複製中に生成されるヌクレオチド組み込みエラーの率が大きく異なる。これは、部分的にはポリメラーゼ自体の固有の性質が原因である。一般的に、3',5'−エキソヌクレアーゼ活性を欠くポリメラーゼは、そのような活性を有するものよりもエラーを生じやすい。ポリメラーゼによるヌクレオチドの誤組み込みに寄与する他の因子が知られており、およびその因子は、たとえば、増幅反応中の不純物の存在および、ポリメラーゼの構造を変化させるかまたはそうでなければポリメラーゼをエラーを起こしやすくする有機試薬および二価金属イオンを含む試薬の存在を含む。一般的に、ADOの推定値を得るために評価すべき増幅されたDNA中の遺伝子座の数は次式で推定することができる:
(G*RC)/PER
ここでGはゲノムの大きさ(または核酸の複雑性)であり、RCは増幅における複製の平均回数であり、およびPERはポリメラーゼエラー率(すなわち、ヌクレオチドの誤組み込みの率)である。
好ましい実施形態では、ADOは、抜き取り数の遺伝子座だけで対立遺伝子を採点することによって決定することができる。典型的には、上式を用いて推定されたADO部位の数の2〜8%を測定することができる。一般的に、ヒトゲノムDNAが増幅反応に用いられる場合、100〜500遺伝子座を選択することができる。ADO測定のための遺伝子座の選択は、ランダムでありうるかまたは順序づけしうる。好ましい実施形態では、遺伝子座は、ADOに対して過敏である既知の遺伝子座に基づいて、目的の遺伝子座または染色体上の目印に近接しているかまたは選択された遺伝距離よりも離れている、目的の染色体上の位置、または他の基準に基づいて選択することができる。遺伝子座の順序づけられた選択は、ADOを測定するために評価する必要のある遺伝子座の数をさらに低減することができる。したがって、1ないし2遺伝子座、2ないし5遺伝子座、5ないし10遺伝子座、10ないし20遺伝子座、20ないし50遺伝子座、50ないし100遺伝子座、100ないし200遺伝子座、200ないし500遺伝子座、または500遺伝子座以上を含む測定からの結果が、ADOを測定するのに十分でありうる。
H.増幅された核酸の品質
本開示の方法は、核酸試料中の核酸分子の全部または相当な部分の複製を結果として生じることができる。ここでは、核酸試料中の核酸分子の相当な部分とは、核酸試料中に存在する核酸分子(または核酸配列)の90%以上をいう。ここでは、核酸試料中の核酸分子の大きな部分とは、核酸試料中に存在する核酸分子(または核酸配列)の50%以上をいう。ここでは、核酸試料中の核酸分子のかなりの部分とは、核酸試料中に存在する核酸分子(または核酸配列)の20%以上をいう。
核酸試料中の核酸分子の複製は、核酸試料中の核酸配列の少なくとも0.01%、核酸試料中の核酸配列の少なくとも0.1%、核酸試料中の核酸配列の少なくとも1%、核酸試料中の核酸配列の少なくとも5%、核酸試料中の核酸配列の少なくとも10%、核酸試料中の核酸配列の少なくとも20%、核酸試料中の核酸配列の少なくとも30%、核酸試料中の核酸配列の少なくとも40%、核酸試料中の核酸配列の少なくとも50%、核酸試料中の核酸配列の少なくとも60%、核酸試料中の核酸配列の少なくとも70%、核酸試料中の核酸配列の少なくとも80%、核酸試料中の核酸配列の少なくとも90%、核酸試料中の核酸配列の少なくとも95%、核酸試料中の核酸配列の少なくとも96%、核酸試料中の核酸配列の少なくとも97%、核酸試料中の核酸配列の少なくとも98%、または核酸試料中の核酸配列の少なくとも99%の複製を結果として生じうる。
核酸試料中の核酸分子の複製される部分は、核酸試料の配列複雑性に伴って異なりうる(すべての核酸試料について、より大きな部分が好ましいが)。たとえば、核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有する場合、核酸試料中の核酸分子の複製は、核酸試料中の核酸配列の少なくとも0.01%の複製を結果として生じうる。核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有する場合、核酸試料中の核酸分子の複製は、核酸試料中の核酸配列の少なくとも0.1%の複製を結果として生じうる。核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有する場合、核酸試料中の核酸分子の複製は、核酸試料中の核酸配列の少なくとも1%の複製を結果として生じうる。核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有する場合、核酸試料中の核酸分子の複製は、核酸試料中の核酸配列の少なくとも10%の複製を結果として生じうる。核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有する場合、核酸試料中の核酸分子の複製は、核酸試料中の核酸配列の少なくとも80%の複製を結果として生じうる。核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有する場合、核酸試料中の核酸分子の複製は、核酸試料中の核酸配列の少なくとも90%の複製を結果として生じうる。核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有する場合、核酸試料中の核酸分子の複製は、核酸試料中の核酸配列の少なくとも96%の複製を結果として生じうる。
核酸試料が1×10ヌクレオチド未満の配列複雑性を有する場合、核酸試料中の核酸分子の複製は、核酸試料中の核酸配列の少なくとも0.01%の複製を結果として生じうる。核酸試料が1×10ヌクレオチド未満の配列複雑性を有する場合、核酸試料中の核酸分子の複製は、核酸試料中の核酸配列の少なくとも0.1%の複製を結果として生じうる。核酸試料が1×10ヌクレオチド未満の配列複雑性を有する場合、核酸試料中の核酸分子の複製は、核酸試料中の核酸配列の少なくとも1%の複製を結果として生じうる。核酸試料が1×10ヌクレオチド未満の配列複雑性を有する場合、核酸試料中の核酸分子の複製は、核酸試料中の核酸配列の少なくとも10%の複製を結果として生じうる。核酸試料が1×10ヌクレオチド未満の配列複雑性を有する場合、核酸試料中の核酸分子の複製は、核酸試料中の核酸配列の少なくとも80%の複製を結果として生じうる。核酸試料が1×10ヌクレオチド未満の配列複雑性を有する場合、核酸試料中の核酸分子の複製は、核酸試料中の核酸配列の少なくとも90%の複製を結果として生じうる。核酸試料が1×10ヌクレオチド未満の配列複雑性を有する場合、核酸試料中の核酸分子の複製は、核酸試料中の核酸配列の少なくとも96%の複製を結果として生じうる。
増幅された核酸の品質の1つの指標は、増幅された核酸におけるパーセント発現量、配列発現量、配列発現量偏り、パーセント配列発現量、遺伝子座発現量、遺伝子座発現量偏り、および/またはパーセント遺伝子座発現量であることができる。起源核酸試料における遺伝子座または配列発現量と同一かまたは近い遺伝子座発現量または配列発現量は、最高品質の増幅された核酸を示す。遺伝子座発現量偏りは、増幅された核酸中の所定の遺伝子座の量の、増幅されていない核酸試料中の同一の遺伝子座の量に対する比(通常はパーセントで表される)をいうことができる。この計算を行う際には、増幅された核酸試料中の遺伝子座の実測量および増幅されていない核酸試料中の遺伝子座の実測量は一般的に、それぞれ増幅された核酸および増幅されていない核酸試料中に存在する核酸の総量に対して正規化することができる。(通常は参照遺伝子座発現量の)パーセンテージとして表した遺伝子座発現量または遺伝子座発現量偏りは、パーセント遺伝子座発現量(パーセント発現量の一形式である)ということができる。遺伝子座発現量偏りはまた、増幅された試料中の遺伝子座発現量の、増幅されていない試料中の遺伝子座発現量試料(または他の参照遺伝子座発現量)からの標準偏差として表すことができる。遺伝子座発現量偏りは、増幅偏りの一形式でありうる。遺伝子座発現量は、所定の遺伝子座(または遺伝子座の群)の量またはレベルをいうことができる。遺伝子座発現量は、別の、参照遺伝子座発現量と比較した遺伝子座発現量として表すことができる。したがって、たとえば、パーセント遺伝子座発現量は遺伝子座発現量の一形式である。
配列発現量偏りは、増幅された核酸中の所定の配列の量の、増幅されていない核酸試料中の同一の配列の量に対する比(通常はパーセントで表される)をいうことができる。この計算を行う際には、増幅された核酸試料中の配列の実測量および増幅されていない核酸試料中の配列の実測量は一般的に、それぞれ増幅された核酸および増幅されていない核酸試料中に存在する核酸の総量に対して正規化することができる。(通常は参照配列発現量の)パーセンテージとして表した配列発現量または配列発現量偏り)は、パーセント配列発現量(パーセント発現量の一形式である)ということができる。配列発現量偏りはまた、増幅された試料中の配列発現量の、増幅されていない試料中の配列発現量試料(または他の参照遺伝子座発現量)からの標準偏差として表すことができる。配列発現量偏りは、増幅偏りの一形式でありうる。配列発現量は、所定の配列(または配列の群)の量またはレベルをいうことができる。配列発現量は、別の、参照配列発現量と比較した配列発現量として表すことができる。したがって、たとえば、パーセント配列発現量は配列発現量の一形式である。
遺伝子座または配列発現量または遺伝子座または配列発現量偏りは、測定した1つの、いくつかの、またはすべての遺伝子座または配列に関して、たとえば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、200%、225%、250%、275%、300%、350%、400%、450%、500%、600%、700%、800%、900%、または1000%であることができる。遺伝子座または配列発現量または遺伝子座または配列発現量偏りは、測定した1つの、いくつかの、またはすべての遺伝子座または配列に関して、たとえば、10%より大、20%より大、30%より大、40%より大、50%より大、60%より大、70%より大、80%より大、90%より大、100%より大、110%より大、120%より大、130%より大、140%より大、150%より大、160%より大、170%より大、180%より大、190%より大、200%より大、225%より大、250%より大、275%より大、300%より大、350%より大、400%より大、450%より大、500%より大、600%より大、700%より大、800%より大、900%より大、または1000%より大であることができる。遺伝子座または配列発現量または遺伝子座または配列発現量偏りは、測定した1つの、いくつかの、またはすべての遺伝子座または配列に関して、たとえば、10%未満、20%未満、30%未満、40%未満、50%未満、60%未満、70%未満、80%未満、90%未満、100%未満、110%未満、120%未満、130%未満、140%未満、150%未満、160%未満、170%未満、180%未満、190%未満、200%未満、225%未満、250%未満、275%未満、300%未満、350%未満、400%未満、450%未満、500%未満、600%未満、700%未満、800%未満、900%未満、または1000%未満であることができる。
遺伝子座または配列発現量または遺伝子座または配列発現量偏りは、測定した1つの、いくつかの、またはすべての遺伝子座または配列に関して、たとえば、10%ないし1000%、10%ないし900%、10%ないし800%、10%ないし700%、10%ないし600%、10%ないし500%、10%ないし400%、10%ないし300%、10%ないし250%、10%ないし200%、10%ないし150%、10%ないし125%、10%ないし100%、20%ないし1000%、20%ないし900%、20%ないし800%、20%ないし700%、20%ないし600%、20%ないし500%、20%ないし400%、20%ないし300%、20%ないし250%、20%ないし200%、20%ないし150%、20%ないし125%、20%ないし100%、30%ないし1000%、30%ないし900%、30%ないし800%、30%ないし700%、30%ないし600%、30%ないし500%、30%ないし400%、30%ないし300%、30%ないし250%、30%ないし200%、30%ないし150%、30%ないし125%、30%ないし100%、40%ないし1000%、40%ないし900%、40%ないし800%、40%ないし700%、40%ないし600%、40%ないし500%、40%ないし400%、40%ないし300%、40%ないし250%、40%ないし200%、40%ないし150%、40%ないし125%、40%ないし100%、50%ないし1000%、50%ないし900%、50%ないし800%、50%ないし700%、50%ないし600%、50%ないし500%、50%ないし400%、50%ないし300%、50%ないし250%、50%ないし200%、50%ないし150%、50%ないし125%、50%ないし100%、60%ないし1000%、60%ないし900%、60%ないし800%、60%ないし700%、60%ないし600%、60%ないし500%、60%ないし400%、60%ないし300%、60%ないし250%、60%ないし200%、60%ないし150%、60%ないし125%、60%ないし100%、70%ないし1000%、70%ないし900%、70%ないし800%、70%ないし700%、70%ないし600%、70%ないし500%、70%ないし400%、70%ないし300%、70%ないし250%、70%ないし200%、70%ないし150%、70%ないし125%、70%ないし100%、80%ないし1000%、80%ないし900%、80%ないし800%、80%ないし700%、80%ないし600%、80%ないし500%、80%ないし400%、80%ないし300%、80%ないし250%、80%ないし200%、80%ないし150%、80%ないし125%、80%ないし100%、90%ないし1000%、90%ないし900%、90%ないし800%、90%ないし700%、90%ないし600%、90%ないし500%、90%ないし400%、90%ないし300%、90%ないし250%、90%ないし200%、90%ないし150%、90%ないし125%、90%ないし100%、100%ないし1000%、100%ないし900%、100%ないし800%、100%ないし700%、100%ないし600%、100%ないし500%、100%ないし400%、100%ないし300%、100%ないし250%、100%ないし200%、100%ないし150%、または100%ないし125%であることができる。
上記および本文書に別に記載するさまざまな遺伝子座発現量および遺伝子座発現量偏りは、たとえば、1遺伝子座、2遺伝子座、3遺伝子座、4遺伝子座、5遺伝子座、6遺伝子座、7遺伝子座、8遺伝子座、9遺伝子座、10遺伝子座、11遺伝子座、12遺伝子座、13遺伝子座、14遺伝子座、15遺伝子座、16遺伝子座、17遺伝子座、18遺伝子座、19遺伝子座、20遺伝子座、25遺伝子座、30遺伝子座、40遺伝子座、50遺伝子座、75遺伝子座、または100遺伝子座に関することができる。遺伝子座発現量または遺伝子座発現量偏りは、たとえば、少なくとも1遺伝子座、少なくとも2遺伝子座、少なくとも3遺伝子座、少なくとも4遺伝子座、少なくとも5遺伝子座、少なくとも6遺伝子座、少なくとも7遺伝子座、少なくとも8遺伝子座、少なくとも9遺伝子座、少なくとも10遺伝子座、少なくとも11遺伝子座、少なくとも12遺伝子座、少なくとも13遺伝子座、少なくとも14遺伝子座、少なくとも15遺伝子座、少なくとも16遺伝子座、少なくとも17遺伝子座、少なくとも18遺伝子座、少なくとも19遺伝子座、少なくとも20遺伝子座、少なくとも25遺伝子座、少なくとも30遺伝子座、少なくとも40遺伝子座、少なくとも50遺伝子座、少なくとも75遺伝子座、または少なくとも100遺伝子座に関することができる。
遺伝子座発現量または遺伝子座発現量偏りは、たとえば、1遺伝子座、2個の異なる遺伝子座、3個の異なる遺伝子座、4個の異なる遺伝子座、5個の異なる遺伝子座、6個の異なる遺伝子座、7個の異なる遺伝子座、8個の異なる遺伝子座、9個の異なる遺伝子座、10個の異なる遺伝子座、11個の異なる遺伝子座、12個の異なる遺伝子座、13個の異なる遺伝子座、14個の異なる遺伝子座、15個の異なる遺伝子座、16個の異なる遺伝子座、17個の異なる遺伝子座、18個の異なる遺伝子座、19個の異なる遺伝子座、20個の異なる遺伝子座、25個の異なる遺伝子座、30個の異なる遺伝子座、40個の異なる遺伝子座、50個の異なる遺伝子座、75個の異なる遺伝子座、または100個の異なる遺伝子座に関することができる。遺伝子座発現量または遺伝子座発現量偏りは、たとえば、少なくとも1遺伝子座、少なくとも2個の異なる遺伝子座、少なくとも3個の異なる遺伝子座、少なくとも4個の異なる遺伝子座、少なくとも5個の異なる遺伝子座、少なくとも6個の異なる遺伝子座、少なくとも7個の異なる遺伝子座、少なくとも8個の異なる遺伝子座、少なくとも9個の異なる遺伝子座、少なくとも10個の異なる遺伝子座、少なくとも11個の異なる遺伝子座、少なくとも12個の異なる遺伝子座、少なくとも13個の異なる遺伝子座、少なくとも14個の異なる遺伝子座、少なくとも15個の異なる遺伝子座、少なくとも16個の異なる遺伝子座、少なくとも17個の異なる遺伝子座、少なくとも18個の異なる遺伝子座、少なくとも19個の異なる遺伝子座、少なくとも20個の異なる遺伝子座、少なくとも25個の異なる遺伝子座、少なくとも30個の異なる遺伝子座、少なくとも40個の異なる遺伝子座、少なくとも50個の異なる遺伝子座、少なくとも75個の異なる遺伝子座、または少なくとも100個の異なる遺伝子座に関することができる。
上記および本文書に別に記載するさまざまな配列発現量および配列発現量偏りは、たとえば、1標的配列、2標的配列、3標的配列、4標的配列、5標的配列、6標的配列、7標的配列、8標的配列、9標的配列、10標的配列、11標的配列、12標的配列、13標的配列、14標的配列、15標的配列、16標的配列、17標的配列、18標的配列、19標的配列、20標的配列、25標的配列、30標的配列、40標的配列、50標的配列、75標的配列、または100標的配列に関することができる。配列発現量または配列発現量偏りは、たとえば、少なくとも1標的配列、少なくとも2標的配列、少なくとも3標的配列、少なくとも4標的配列、少なくとも5標的配列、少なくとも6標的配列、少なくとも7標的配列、少なくとも8標的配列、少なくとも9標的配列、少なくとも10標的配列、少なくとも11標的配列、少なくとも12標的配列、少なくとも13標的配列、少なくとも14標的配列、少なくとも15標的配列、少なくとも16標的配列、少なくとも17標的配列、少なくとも18標的配列、少なくとも19標的配列、少なくとも20標的配列、少なくとも25標的配列、少なくとも30標的配列、少なくとも40標的配列、少なくとも50標的配列、少なくとも75標的配列、または少なくとも100標的配列に関することができる。
配列発現量または配列発現量偏りは、たとえば、1標的配列、2個の異なる標的配列、3個の異なる標的配列、4個の異なる標的配列、5個の異なる標的配列、6個の異なる標的配列、7個の異なる標的配列、8個の異なる標的配列、9個の異なる標的配列、10個の異なる標的配列、11個の異なる標的配列、12個の異なる標的配列、13個の異なる標的配列、14個の異なる標的配列、15個の異なる標的配列、16個の異なる標的配列、17個の異なる標的配列、18個の異なる標的配列、19個の異なる標的配列、20個の異なる標的配列、25個の異なる標的配列、30個の異なる標的配列、40個の異なる標的配列、50個の異なる標的配列、75個の異なる標的配列、または100個の異なる標的配列に関することができる。配列発現量または配列発現量偏りは、たとえば、少なくとも1標的配列、少なくとも2個の異なる標的配列、少なくとも3個の異なる標的配列、少なくとも4個の異なる標的配列、少なくとも5個の異なる標的配列、少なくとも6個の異なる標的配列、少なくとも7個の異なる標的配列、少なくとも8個の異なる標的配列、少なくとも9個の異なる標的配列、少なくとも10個の異なる標的配列、少なくとも11個の異なる標的配列、少なくとも12個の異なる標的配列、少なくとも13個の異なる標的配列、少なくとも14個の異なる標的配列、少なくとも15個の異なる標的配列、少なくとも16個の異なる標的配列、少なくとも17個の異なる標的配列、少なくとも18個の異なる標的配列、少なくとも19個の異なる標的配列、少なくとも20個の異なる標的配列、少なくとも25個の異なる標的配列、少なくとも30個の異なる標的配列、少なくとも40個の異なる標的配列、少なくとも50個の異なる標的配列、少なくとも75個の異なる標的配列、または少なくとも100個の異なる標的配列に関することができる。
増幅された核酸の品質のもう1つの指標は、増幅された核酸における増幅偏りであることができる。増幅偏りとは、核酸試料中の異なる配列の増幅のレベルにおける差である。低い増幅偏りは、最高品質の増幅された核酸を示す。増幅偏りの1つの表現は、増幅された核酸における、最高の遺伝子座発現量偏りを有する遺伝子座の遺伝子座発現量偏りの、最低の遺伝子座発現量偏りを有する遺伝子座発現量偏りに対する比(通常は差の倍数またはパーセント差として表される)として計算することができる。増幅偏りのもう1つの表現は、増幅された核酸における、最高の遺伝子座発現量を有する遺伝子座の遺伝子座発現量の、最低の遺伝子座発現量を有する遺伝子座発現量に対する比(通常は差の倍数またはパーセント差として表される)として計算することができる。配列発現量偏りが測定されるならば、増幅偏りを、増幅された核酸における、最高の配列発現量偏りを有する配列の配列発現量偏りの、最低の配列発現量偏りを有する配列発現量偏りに対する比(通常は差の倍数として表される)として計算することができる。増幅偏りは、増幅された核酸における、最高の配列発現量を有する配列の配列発現量の、最低の配列発現量を有する配列発現量に対する比(通常は差の倍数として表される)として計算することができる。上記の計算は、評価したすべての遺伝子座または配列に関する増幅偏りの指標であるが、評価した遺伝子座または配列の部分集合を用いて増幅偏りを計算することができる。実際、増幅偏りを、個々の遺伝子座、配列または対立遺伝子に関して計算することができる。したがって、たとえば、増幅偏りはまた、増幅された核酸における、1つ以上の遺伝子座の遺伝子座発現量偏りの、1つ以上の別の遺伝子座の遺伝子座発現量偏りに対する比(通常は差の倍数またはパーセント差として表される)として計算することができる。別の一例として、増幅偏りはまた、1つ以上の遺伝子座の増幅されていない試料における遺伝子座発現量の、同一の遺伝子座の増幅された試料における遺伝子座発現量に対する比(通常は差の倍数またはパーセント差として表される)として計算することができる。
増幅偏りは、たとえば、1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、12倍、14倍、16倍、20倍、24倍、30倍、35倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、150倍、200倍、250倍、または300倍であることができる。増幅偏りは、たとえば、約1倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約11倍、約12倍、約14倍、約16倍、約20倍、約24倍、約30倍、約35倍、約40倍、約50倍、約60倍、約70倍、約80倍、約90倍、約100倍、約150倍、約200倍、約250倍、または約300倍であることができる。増幅偏りは、たとえば、2倍未満、3倍未満、4倍未満、5倍未満、6倍未満、7倍未満、8倍未満、9倍未満、10倍未満、11倍未満、12倍未満、14倍未満、16倍未満、20倍未満、24倍未満、30倍未満、35倍未満、40倍未満、50倍未満、60倍未満、70倍未満、80倍未満、90倍未満、100倍未満、150倍未満、200倍未満、250倍未満、または300倍未満であることができる。
増幅偏りは、たとえば、約2倍未満、約3倍未満、約4倍未満、約5倍未満、約6倍未満、約7倍未満、約8倍未満、約9倍未満、約10倍未満、約11倍未満、約12倍未満、約14倍未満、約16倍未満、約20倍未満、約24倍未満、約30倍未満、約35倍未満、約40倍未満、約50倍未満、約60倍未満、約70倍未満、約80倍未満、約90倍未満、約100倍未満、約150倍未満、約200倍未満、約250倍未満、または約300倍未満であることができる。
増幅偏りは、たとえば、1倍ないし300倍、2倍ないし300倍、3倍ないし300倍、4倍ないし300倍、5倍ないし300倍、6倍ないし300倍、7倍ないし300倍、8倍ないし300倍、9倍ないし300倍、10倍ないし300倍、11倍ないし300倍、12倍ないし300倍、14倍ないし300倍、16倍ないし300倍、20倍ないし300倍、24倍ないし300倍、30倍ないし300倍、35倍ないし300倍、40倍ないし300倍、50倍ないし300倍、60倍ないし300倍、70倍ないし300倍、80倍ないし300倍、90倍ないし300倍、100倍ないし300倍、150倍ないし300倍、200倍ないし300倍、または250倍ないし300倍であることができる。
増幅偏りは、たとえば、1倍ないし250倍、2倍ないし250倍、3倍ないし250倍、4倍ないし250倍、5倍ないし250倍、6倍ないし250倍、7倍ないし250倍、8倍ないし250倍、9倍ないし250倍、10倍ないし250倍、11倍ないし250倍、12倍ないし250倍、14倍ないし250倍、16倍ないし250倍、20倍ないし250倍、24倍ないし250倍、30倍ないし250倍、35倍ないし250倍、40倍ないし250倍、50倍ないし250倍、60倍ないし250倍、70倍ないし250倍、80倍ないし250倍、90倍ないし250倍、100倍ないし250倍、150倍ないし250倍、または200倍ないし250倍であることができる。
増幅偏りは、たとえば、1倍ないし200倍、2倍ないし200倍、3倍ないし200倍、4倍ないし200倍、5倍ないし200倍、6倍ないし200倍、7倍ないし200倍、8倍ないし200倍、9倍ないし200倍、10倍ないし200倍、11倍ないし200倍、12倍ないし200倍、14倍ないし200倍、16倍ないし200倍、20倍ないし200倍、24倍ないし200倍、30倍ないし200倍、35倍ないし200倍、40倍ないし200倍、50倍ないし200倍、60倍ないし200倍、70倍ないし200倍、80倍ないし200倍、90倍ないし200倍、100倍ないし200倍、または150倍ないし200倍であることができる。
増幅偏りは、たとえば、1倍ないし150倍、2倍ないし150倍、3倍ないし150倍、4倍ないし150倍、5倍ないし150倍、6倍ないし150倍、7倍ないし150倍、8倍ないし150倍、9倍ないし150倍、10倍ないし150倍、11倍ないし150倍、12倍ないし150倍、14倍ないし150倍、16倍ないし150倍、20倍ないし150倍、24倍ないし150倍、30倍ないし150倍、35倍ないし150倍、40倍ないし150倍、50倍ないし150倍、60倍ないし150倍、70倍ないし150倍、80倍ないし150倍、90倍ないし150倍、または100倍ないし150倍であることができる。
増幅偏りは、たとえば、1倍ないし100倍、2倍ないし100倍、3倍ないし100倍、4倍ないし100倍、5倍ないし100倍、6倍ないし100倍、7倍ないし100倍、8倍ないし100倍、9倍ないし100倍、10倍ないし100倍、11倍ないし100倍、12倍ないし100倍、14倍ないし100倍、16倍ないし100倍、20倍ないし100倍、24倍ないし100倍、30倍ないし100倍、35倍ないし100倍、40倍ないし100倍、50倍ないし100倍、60倍ないし100倍、70倍ないし100倍、80倍ないし100倍、または90倍ないし100倍であることができる。
増幅偏りは、たとえば、1倍ないし90倍、2倍ないし90倍、3倍ないし90倍、4倍ないし90倍、5倍ないし90倍、6倍ないし90倍、7倍ないし90倍、8倍ないし90倍、9倍ないし90倍、10倍ないし90倍、11倍ないし90倍、12倍ないし90倍、14倍ないし90倍、16倍ないし90倍、20倍ないし90倍、24倍ないし90倍、30倍ないし90倍、35倍ないし90倍、40倍ないし90倍、50倍ないし90倍、60倍ないし90倍、70倍ないし90倍、または80倍ないし90倍であることができる。
増幅偏りは、たとえば、1倍ないし80倍、2倍ないし80倍、3倍ないし80倍、4倍ないし80倍、5倍ないし80倍、6倍ないし80倍、7倍ないし80倍、8倍ないし80倍、9倍ないし80倍、10倍ないし80倍、11倍ないし80倍、12倍ないし80倍、14倍ないし80倍、16倍ないし80倍、20倍ないし80倍、24倍ないし80倍、30倍ないし80倍、35倍ないし80倍、40倍ないし80倍、50倍ないし80倍、60倍ないし80倍、または70倍ないし80倍であることができる。
増幅偏りは、たとえば、1倍ないし70倍、2倍ないし70倍、3倍ないし70倍、4倍ないし70倍、5倍ないし70倍、6倍ないし70倍、7倍ないし70倍、8倍ないし70倍、9倍ないし70倍、10倍ないし70倍、11倍ないし70倍、12倍ないし70倍、14倍ないし70倍、16倍ないし70倍、20倍ないし70倍、24倍ないし70倍、30倍ないし70倍、35倍ないし70倍、40倍ないし70倍、50倍ないし70倍、または60倍ないし70倍であることができる。増幅偏りは、たとえば、1倍ないし60倍、2倍ないし60倍、3倍ないし60倍、4倍ないし60倍、5倍ないし60倍、6倍ないし60倍、7倍ないし60倍、8倍ないし60倍、9倍ないし60倍、10倍ないし60倍、11倍ないし60倍、12倍ないし60倍、14倍ないし60倍、16倍ないし60倍、20倍ないし60倍、24倍ないし60倍、30倍ないし60倍、35倍ないし60倍、40倍ないし60倍、または50倍ないし60倍であることができる。
増幅偏りは、たとえば、1倍ないし50倍、2倍ないし50倍、3倍ないし50倍、4倍ないし50倍、5倍ないし50倍、6倍ないし50倍、7倍ないし50倍、8倍ないし50倍、9倍ないし50倍、10倍ないし50倍、11倍ないし50倍、12倍ないし50倍、14倍ないし50倍、16倍ないし50倍、20倍ないし50倍、24倍ないし50倍、30倍ないし50倍、35倍ないし50倍、または40倍ないし50倍であることができる。増幅偏りは、たとえば、1倍ないし40倍、2倍ないし40倍、3倍ないし40倍、4倍ないし40倍、5倍ないし40倍、6倍ないし40倍、7倍ないし40倍、8倍ないし40倍、9倍ないし40倍、10倍ないし40倍、11倍ないし40倍、12倍ないし40倍、14倍ないし40倍、16倍ないし40倍、20倍ないし40倍、24倍ないし40倍、30倍ないし40倍、または35倍ないし40倍であることができる。
増幅偏りは、たとえば、1倍ないし30倍、2倍ないし30倍、3倍ないし30倍、4倍ないし30倍、5倍ないし30倍、6倍ないし30倍、7倍ないし30倍、8倍ないし30倍、9倍ないし30倍、10倍ないし30倍、11倍ないし30倍、12倍ないし30倍、14倍ないし30倍、16倍ないし30倍、20倍ないし30倍、または24倍ないし30倍であることができる。増幅偏りは、たとえば、1倍ないし20倍、2倍ないし20倍、3倍ないし20倍、4倍ないし20倍、5倍ないし20倍、6倍ないし20倍、7倍ないし20倍、8倍ないし20倍、9倍ないし20倍、10倍ないし20倍、11倍ないし20倍、12倍ないし20倍、14倍ないし20倍、16倍ないし20倍、20倍ないし20倍、または24倍ないし20倍であることができる。
増幅偏りは、たとえば、1倍ないし12倍、2倍ないし12倍、3倍ないし12倍、4倍ないし12倍、5倍ないし12倍、6倍ないし12倍、7倍ないし12倍、8倍ないし12倍、9倍ないし12倍、10倍ないし12倍、または11倍ないし12倍であることができる。増幅偏りは、たとえば、1倍ないし11倍、2倍ないし11倍、3倍ないし11倍、4倍ないし11倍、5倍ないし11倍、6倍ないし11倍、7倍ないし11倍、8倍ないし11倍、9倍ないし11倍、または10倍ないし11倍であることができる。増幅偏りは、たとえば、1倍ないし10倍、2倍ないし10倍、3倍ないし10倍、4倍ないし10倍、5倍ないし10倍、6倍ないし10倍、7倍ないし10倍、8倍ないし10倍、または9倍ないし10倍であることができる。増幅偏りは、たとえば、1倍ないし9倍、2倍ないし9倍、3倍ないし9倍、4倍ないし9倍、5倍ないし9倍、6倍ないし9倍、7倍ないし9倍、または8倍ないし9倍であることができる。
増幅偏りは、たとえば、1倍ないし8倍、2倍ないし8倍、3倍ないし8倍、4倍ないし8倍、5倍ないし8倍、6倍ないし8倍、または7倍ないし8倍であることができる。増幅偏りは、たとえば、1倍ないし7倍、2倍ないし7倍、3倍ないし7倍、4倍ないし7倍、5倍ないし7倍、または6倍ないし7倍であることができる。増幅偏りは、たとえば、1倍ないし6倍、2倍ないし6倍、3倍ないし6倍、4倍ないし6倍、または5倍ないし6倍であることができる。増幅偏りは、たとえば、1倍ないし5倍、2倍ないし5倍、3倍ないし5倍、4倍ないし5倍、1倍ないし4倍、2倍ないし4倍、3倍ないし4倍、1倍ないし3倍、2倍ないし3倍、または1倍ないし2倍であることができる。
増幅偏りは、たとえば、約1倍ないし約300倍、約2倍ないし約300倍、約3倍ないし約300倍、約4倍ないし約300倍、約5倍ないし約300倍、約6倍ないし約300倍、約7倍ないし約300倍、約8倍ないし約300倍、約9倍ないし約300倍、約10倍ないし約300倍、約11倍ないし約300倍、約12倍ないし約300倍、約14倍ないし約300倍、約16倍ないし約300倍、約20倍ないし約300倍、約24倍ないし約300倍、約30倍ないし約300倍、約35倍ないし約300倍、約40倍ないし約300倍、約50倍ないし約300倍、約60倍ないし約300倍、約70倍ないし約300倍、約80倍ないし約300倍、約90倍ないし約300倍、約100倍ないし約300倍、約150倍ないし約300倍、約200倍ないし約300倍、または約250倍ないし約300倍であることができる。
増幅偏りは、たとえば、約1倍ないし約250倍、約2倍ないし約250倍、約3倍ないし約250倍、約4倍ないし約250倍、約5倍ないし約250倍、約6倍ないし約250倍、約7倍ないし約250倍、約8倍ないし約250倍、約9倍ないし約250倍、約10倍ないし約250倍、約11倍ないし約250倍、約12倍ないし約250倍、約14倍ないし約250倍、約16倍ないし約250倍、約20倍ないし約250倍、約24倍ないし約250倍、約30倍ないし約250倍、約35倍ないし約250倍、約40倍ないし約250倍、約50倍ないし約250倍、約60倍ないし約250倍、約70倍ないし約250倍、約80倍ないし約250倍、約90倍ないし約250倍、約100倍ないし約250倍、約150倍ないし約250倍、または約200倍ないし約250倍であることができる。
増幅偏りは、たとえば、約1倍ないし約200倍、約2倍ないし約200倍、約3倍ないし約200倍、約4倍ないし約200倍、約5倍ないし約200倍、約6倍ないし約200倍、約7倍ないし約200倍、約8倍ないし約200倍、約9倍ないし約200倍、約10倍ないし約200倍、約11倍ないし約200倍、約12倍ないし約200倍、約14倍ないし約200倍、約16倍ないし約200倍、約20倍ないし約200倍、約24倍ないし約200倍、約30倍ないし約200倍、約35倍ないし約200倍、約40倍ないし約200倍、約50倍ないし約200倍、約60倍ないし約200倍、約70倍ないし約200倍、約80倍ないし約200倍、約90倍ないし約200倍、約100倍ないし約200倍、または約150倍ないし約200倍であることができる。
増幅偏りは、たとえば、約1倍ないし約150倍、約2倍ないし約150倍、約3倍ないし約150倍、約4倍ないし約150倍、約5倍ないし約150倍、約6倍ないし約150倍、約7倍ないし約150倍、約8倍ないし約150倍、約9倍ないし約150倍、約10倍ないし約150倍、約11倍ないし約150倍、約12倍ないし約150倍、約14倍ないし約150倍、約16倍ないし約150倍、約20倍ないし約150倍、約24倍ないし約150倍、約30倍ないし約150倍、約35倍ないし約150倍、約40倍ないし約150倍、約50倍ないし約150倍、約60倍ないし約150倍、約70倍ないし約150倍、約80倍ないし約150倍、約90倍ないし約150倍、または約100倍ないし約150倍であることができる。
増幅偏りは、たとえば、約I倍ないし約100倍、約2倍ないし約100倍、約3倍ないし約100倍、約4倍ないし約100倍、約5倍ないし約100倍、約6倍ないし約100倍、約7倍ないし約100倍、約8倍ないし約100倍、約9倍ないし約100倍、約10倍ないし約100倍、約11倍ないし約100倍、約12倍ないし約100倍、約14倍ないし約100倍、約16倍ないし約100倍、約20倍ないし約100倍、約24倍ないし約100倍、約30倍ないし約100倍、約35倍ないし約100倍、約40倍ないし約100倍、約50倍ないし約100倍、約60倍ないし約100倍、約70倍ないし約100倍、約80倍ないし約100倍、または約90倍ないし約100倍であることができる。
増幅偏りは、たとえば、約1倍ないし約90倍、約2倍ないし約90倍、約3倍ないし約90倍、約4倍ないし約90倍、約5倍ないし約90倍、約6倍ないし約90倍、約7倍ないし約90倍、約8倍ないし約90倍、約9倍ないし約90倍、約10倍ないし約90倍、約11倍ないし約90倍、約12倍ないし約90倍、約14倍ないし約90倍、約16倍ないし約90倍、約20倍ないし約90倍、約24倍ないし約90倍、約30倍ないし約90倍、約35倍ないし約90倍、約40倍ないし約90倍、約50倍ないし約90倍、約60倍ないし約90倍、約70倍ないし約90倍、または約80倍ないし約90倍であることができる。
増幅偏りは、たとえば、約1倍ないし約80倍、約2倍ないし約80倍、約3倍ないし約80倍、約4倍ないし約80倍、約5倍ないし約80倍、約6倍ないし約80倍、約7倍ないし約80倍、約8倍ないし約80倍、約9倍ないし約80倍、約10倍ないし約80倍、約11倍ないし約80倍、約12倍ないし約80倍、約14倍ないし約80倍、約16倍ないし約80倍、約20倍ないし約80倍、約24倍ないし約80倍、約30倍ないし約80倍、約35倍ないし約80倍、約40倍ないし約80倍、約50倍ないし約80倍、約60倍ないし約80倍、または約70倍ないし約80倍であることができる。
増幅偏りは、たとえば、約1倍ないし約70倍、約2倍ないし約70倍、約3倍ないし約70倍、約4倍ないし約70倍、約5倍ないし約70倍、約6倍ないし約70倍、約7倍ないし約70倍、約8倍ないし約70倍、約9倍ないし約70倍、約10倍ないし約70倍、約11倍ないし約70倍、約12倍ないし約70倍、約14倍ないし約70倍、約16倍ないし約70倍、約20倍ないし約70倍、約24倍ないし約70倍、約30倍ないし約70倍、約35倍ないし約70倍、約40倍ないし約70倍、約50倍ないし約70倍、または約60倍ないし約70倍であることができる。増幅偏りは、たとえば、約1倍ないし約60倍、約2倍ないし約60倍、約3倍ないし約60倍、約4倍ないし約60倍、約5倍ないし約60倍、約6倍ないし約60倍、約7倍ないし約60倍、約8倍ないし約60倍、約9倍ないし約60倍、約10倍ないし約60倍、約11倍ないし約60倍、約12倍ないし約60倍、約14倍ないし約60倍、約16倍ないし約60倍、約20倍ないし約60倍、約24倍ないし約60倍、約30倍ないし約60倍、約35倍ないし約60倍、約40倍ないし約60倍、または約50倍ないし約60倍であることができる。
増幅偏りは、たとえば、約1倍ないし約50倍、約2倍ないし約50倍、約3倍ないし約50倍、約4倍ないし約50倍、約5倍ないし約50倍、約6倍ないし約50倍、約7倍ないし約50倍、約8倍ないし約50倍、約9倍ないし約50倍、約10倍ないし約50倍、約11倍ないし約50倍、約12倍ないし約50倍、約14倍ないし約50倍、約16倍ないし約50倍、約20倍ないし約50倍、約24倍ないし約50倍、約30倍ないし約50倍、約35倍ないし約50倍、または約40倍ないし約50倍であることができる。増幅偏りは、たとえば、約1倍ないし約40倍、約2倍ないし約40倍、約3倍ないし約40倍、約4倍ないし約40倍、約5倍ないし約40倍、約6倍ないし約40倍、約7倍ないし約40倍、約8倍ないし約40倍、約9倍ないし約40倍、約10倍ないし約40倍、約11倍ないし約40倍、約12倍ないし約40倍、約14倍ないし約40倍、約16倍ないし約40倍、約20倍ないし約40倍、約24倍ないし約40倍、約30倍ないし約40倍、または約35倍ないし約40倍であることができる。
増幅偏りは、たとえば、約1倍ないし約30倍、約2倍ないし約30倍、約3倍ないし約30倍、約4倍ないし約30倍、約5倍ないし約30倍、約6倍ないし約30倍、約7倍ないし約30倍、約8倍ないし約30倍、約9倍ないし約30倍、約10倍ないし約30倍、約11倍ないし約30倍、約12倍ないし約30倍、約14倍ないし約30倍、約16倍ないし約30倍、約20倍ないし約30倍、または約24倍ないし約30倍であることができる。増幅偏りは、たとえば、約1倍ないし約20倍、約2倍ないし約20倍、約3倍ないし約20倍、約4倍ないし約20倍、約5倍ないし約20倍、約6倍ないし約20倍、約7倍ないし約20倍、約8倍ないし約20倍、約9倍ないし約20倍、約10倍ないし約20倍、約11倍ないし約20倍、約12倍ないし約20倍、約14倍ないし約20倍、約16倍ないし約20倍、約20倍ないし約20倍、または約24倍ないし約20倍であることができる。
増幅偏りは、たとえば、約1倍ないし約12倍、約2倍ないし約12倍、約3倍ないし約12倍、約4倍ないし約12倍、約5倍ないし約12倍、約6倍ないし約12倍、約7倍ないし約12倍、約8倍ないし約12倍、約9倍ないし約12倍、約10倍ないし約12倍、または約11倍ないし約12倍であることができる。増幅偏りは、たとえば、約1倍ないし約11倍、約2倍ないし約11倍、約3倍ないし約11倍、約4倍ないし約11倍、約5倍ないし約11倍、約6倍ないし約11倍、約7倍ないし約11倍、約8倍ないし約11倍、約9倍ないし約11倍、または約10倍ないし約11倍であることができる。増幅偏りは、たとえば、約1倍ないし約10倍、約2倍ないし約10倍、約3倍ないし約10倍、約4倍ないし約10倍、約5倍ないし約10倍、約6倍ないし約10倍、約7倍ないし約10倍、約8倍ないし約10倍、または約9倍ないし約10倍であることができる。増幅偏りは、たとえば、約1倍ないし約9倍、約2倍ないし約9倍、約3倍ないし約9倍、約4倍ないし約9倍、約5倍ないし約9倍、約6倍ないし約9倍、約7倍ないし約9倍、または約8倍ないし約9倍であることができる。
増幅偏りは、たとえば、約1倍ないし約8倍、約2倍ないし約8倍、約3倍ないし約8倍、約4倍ないし約8倍、約5倍ないし約8倍、約6倍ないし約8倍、または約7倍ないし約8倍であることができる。増幅偏りは、たとえば、約1倍ないし約7倍、約2倍ないし約7倍、約3倍ないし約7倍、約4倍ないし約7倍、約5倍ないし約7倍、または約6倍ないし約7倍であることができる。増幅偏りは、たとえば、約1倍ないし約6倍、約2倍ないし約6倍、約3倍ないし約6倍、約4倍ないし約6倍、または約5倍ないし約6倍であることができる。増幅偏りは、たとえば、約1倍ないし約5倍、約2倍ないし約5倍、約3倍ないし約5倍、約4倍ないし約5倍、約1倍ないし約4倍、約2倍ないし約4倍、約3倍ないし約4倍、約1倍ないし約3倍、約2倍ないし約3倍、または約1倍ないし約2倍であることができる。
上記および本文書に別に記載するさまざまな増幅偏りは、たとえば、1遺伝子座、2遺伝子座、3遺伝子座、4遺伝子座、5遺伝子座、6遺伝子座、7遺伝子座、8遺伝子座、9遺伝子座、10遺伝子座、11遺伝子座、12遺伝子座、13遺伝子座、14遺伝子座、15遺伝子座、16遺伝子座、17遺伝子座、18遺伝子座、19遺伝子座、20遺伝子座、25遺伝子座、30遺伝子座、40遺伝子座、50遺伝子座、75遺伝子座、または100遺伝子座に関することができる。増幅偏りは、たとえば、少なくとも1遺伝子座、少なくとも2遺伝子座、少なくとも3遺伝子座、少なくとも4遺伝子座、少なくとも5遺伝子座、少なくとも6遺伝子座、少なくとも8遺伝子座、少なくとも9遺伝子座、少なくとも10遺伝子座、少なくとも11遺伝子座、少なくとも12遺伝子座、少なくとも13遺伝子座、少なくとも14遺伝子座、少なくとも15遺伝子座、少なくとも16遺伝子座、少なくとも17遺伝子座、少なくとも18遺伝子座、少なくとも19遺伝子座、少なくとも20遺伝子座、少なくとも25遺伝子座、少なくとも30遺伝子座、少なくとも40遺伝子座、少なくとも50遺伝子座、少なくとも75遺伝子座、または少なくとも100遺伝子座に関することができる。
増幅偏りは、たとえば、1遺伝子座、2個の異なる遺伝子座、3個の異なる遺伝子座、4個の異なる遺伝子座、5個の異なる遺伝子座、6個の異なる遺伝子座、7個の異なる遺伝子座、8個の異なる遺伝子座、9個の異なる遺伝子座、10個の異なる遺伝子座、11個の異なる遺伝子座、12個の異なる遺伝子座、13個の異なる遺伝子座、14個の異なる遺伝子座、15個の異なる遺伝子座、16個の異なる遺伝子座、17個の異なる遺伝子座、18個の異なる遺伝子座、19個の異なる遺伝子座、20個の異なる遺伝子座、25個の異なる遺伝子座、30個の異なる遺伝子座、40個の異なる遺伝子座、50個の異なる遺伝子座、75個の異なる遺伝子座、または100個の異なる遺伝子座に関することができる。増幅偏りは、たとえば、少なくとも1遺伝子座、少なくとも2個の異なる遺伝子座、少なくとも3個の異なる遺伝子座、少なくとも4個の異なる遺伝子座、少なくとも5個の異なる遺伝子座、少なくとも6個の異なる遺伝子座、少なくとも7個の異なる遺伝子座、少なくとも8個の異なる遺伝子座、少なくとも9個の異なる遺伝子座、少なくとも10個の異なる遺伝子座、少なくとも11個の異なる遺伝子座、少なくとも12個の異なる遺伝子座、少なくとも13個の異なる遺伝子座、少なくとも14個の異なる遺伝子座、少なくとも15個の異なる遺伝子座、少なくとも16個の異なる遺伝子座、少なくとも17個の異なる遺伝子座、少なくとも18個の異なる遺伝子座、少なくとも19個の異なる遺伝子座、少なくとも20個の異なる遺伝子座、少なくとも25個の異なる遺伝子座、少なくとも30個の異なる遺伝子座、少なくとも40個の異なる遺伝子座、少なくとも50個の異なる遺伝子座、少なくとも75個の異なる遺伝子座、または少なくとも100個の異なる遺伝子座に関することができる。
上記および本文書に別に記載するさまざまな増幅偏りは、たとえば、1標的配列、2標的配列、3標的配列、4標的配列、5標的配列、6標的配列、7標的配列、8標的配列、9標的配列、10標的配列、11標的配列、12標的配列、13標的配列、14標的配列、15標的配列、16標的配列、17標的配列、18標的配列、19標的配列、20標的配列、25標的配列、30標的配列、40標的配列、50標的配列、75標的配列、または100標的配列に関することができる。増幅偏りは、たとえば、少なくとも1標的配列、少なくとも2標的配列、少なくとも3標的配列、少なくとも4標的配列、少なくとも5標的配列、少なくとも6標的配列、少なくとも7標的配列、少なくとも8標的配列、少なくとも9標的配列、少なくとも10標的配列、少なくとも11標的配列、少なくとも12標的配列、少なくとも13標的配列、少なくとも14標的配列、少なくとも15標的配列、少なくとも16標的配列、少なくとも17標的配列、少なくとも18標的配列、少なくとも19標的配列、少なくとも20標的配列、少なくとも25標的配列、少なくとも30標的配列、少なくとも40標的配列、少なくとも50標的配列、少なくとも75標的配列、または少なくとも100標的配列に関することができる。
増幅偏りは、たとえば、1標的配列、2個の異なる標的配列、3個の異なる標的配列、4個の異なる標的配列、5個の異なる標的配列、6個の異なる標的配列、7個の異なる標的配列、8個の異なる標的配列、9個の異なる標的配列、10個の異なる標的配列、11個の異なる標的配列、12個の異なる標的配列、13個の異なる標的配列、14個の異なる標的配列、15個の異なる標的配列、16個の異なる標的配列、17個の異なる標的配列、18個の異なる標的配列、19個の異なる標的配列、20個の異なる標的配列、25個の異なる標的配列、30個の異なる標的配列、40個の異なる標的配列、50個の異なる標的配列、75個の異なる標的配列、または100個の異なる標的配列に関することができる。増幅偏りは、たとえば、少なくとも1標的配列、少なくとも2個の異なる標的配列、少なくとも3個の異なる標的配列、少なくとも4個の異なる標的配列、少なくとも5個の異なる標的配列、少なくとも6個の異なる標的配列、少なくとも7個の異なる標的配列、少なくとも8個の異なる標的配列、少なくとも9個の異なる標的配列、少なくとも10個の異なる標的配列、少なくとも11個の異なる標的配列、少なくとも12個の異なる標的配列、少なくとも13個の異なる標的配列、少なくとも14個の異なる標的配列、少なくとも15個の異なる標的配列、少なくとも16個の異なる標的配列、少なくとも17個の異なる標的配列、少なくとも18個の異なる標的配列、少なくとも19個の異なる標的配列、少なくとも20個の異なる標的配列、少なくとも25個の異なる標的配列、少なくとも30個の異なる標的配列、少なくとも40個の異なる標的配列、少なくとも50個の異なる標的配列、少なくとも75個の異なる標的配列、または少なくとも100個の異なる標的配列に関することができる。
I.核酸試料調製および処理
増幅のための核酸はしばしば細胞試料から得られる。このことは一般的に、細胞の破壊(核酸を接触可能にするため)および核酸の精製を増幅の前に必要とする。このことはまた、一般的に、ヌクレアーゼといったDNAを分解できるタンパク質因子の、またはヒストンといったDNA鎖と結合してそのポリメラーゼによるDNA合成のテンプレートとしての利用を妨げることができる因子の、不活性化を必要とする。超音波処理、細胞壁の酵素消化、加熱、および溶解条件への曝露といった、細胞を壊して開くのに用いられるさまざまな技術がある。溶解条件は典型的には、非生理的pHおよび/または溶媒の使用を含む。多数の溶解技術は、たとえば、ゲノムDNAの切断を含む、細胞中の核酸への損傷を結果として生じうる。特に、細胞を溶解するための加熱の使用は、ゲノムDNAを損傷しおよびゲノムDNAの増幅産物の量および品質を低下させうる。アルカリ性溶解は、ゲノムDNAに与える損傷がより小さくなりうること、およびしたがって結果としてより高品質の増幅結果を生じうることが見出されている。アルカリ性溶解はまた、ヌクレアーゼといったタンパク質因子、ヒストン、または試料中のDNAの増幅を妨げうる他の因子を不活性化する。加えて、pHを低下させることはタンパク質因子を再活性化させず、そのようなタンパク質因子は溶液のpHが中性範囲内に戻される際に不活性化されたままに留まることは、アルカリ性溶解の有用な特性である。
本開示の方法の一部の形式では、ゲノム試料は、細胞をアルカリ性条件に曝露し、それによって細胞を溶解して細胞溶解物を結果として生じる;細胞溶解物のpHを低下させて細胞溶解物のpHをDNA複製に適合するようにする;および、複数置換増幅による細胞のゲノムの複製を促進する条件下で細胞溶解物をインキュベートすることによって調製される。アルカリ性条件とは、pHが9.0より大きい条件である。本開示の方法に特に有用なアルカリ性条件は、pHが10.0より大きい条件である。アルカリ性条件は、たとえば、相当な数の細胞に溶解を引き起こす条件、顕著な数の細胞に溶解を引き起こす条件、または十分な数の細胞に溶解を引き起こす条件でありうる。溶解した細胞の数は、本開示の方法においてゲノムが十分に増幅されうるならば十分であると考えられる。配列の検出または他の分析といった増幅産物の一部の用途を可能にするのに十分な増幅産物が作製されるならば、増幅は十分である。pHの低下は一般的にpH9.0ないしpH6.0の中性範囲内へである。
細胞を溶解溶液と混合することによって、細胞をアルカリ性条件へ曝露することができる。細胞と混合する溶解溶液の量は、相当な数の細胞に溶解を引き起こす量、または十分な数の細胞に溶解を引き起こす量であることができる。一般的に、この容量は細胞/溶解溶液混合物のpHの関数となる。したがって、細胞と混合すべき溶解溶液の量は、一般的に細胞の容量および溶解緩衝液のアルカリ濃度から決定することができる。たとえば、十分なアルカリ性条件を作り出すためには、より弱い塩基および/またはより低濃度の塩基を含む溶解溶液に必要な容量よりも、より強い塩基および/またはより高濃度の塩基を含む溶解溶液のより少ない容量が必要となる。(希望のアルカリ性条件を生じるために)細胞が等しい容量の溶解溶液と混合されるように、溶解溶液を処方することができる。
一部の実施形態では、溶解溶液は塩基水溶液といった塩基を含みうる。有用な塩基は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、アンモニア、アニリン、ベンジルアミン、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミン、ジフェニルアミン、エチルアミン、エチレンジアミン、メチルアミン、N−メチルアニリン、モルホリン、ピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、水酸化アルミニウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、およびDBU(1,8−ジアゾビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン)を含む。有用な溶解溶液の処方は、400mMKOHを含む溶解溶液、400mM KOH、100mMジチオスレイトール、および10mM EDTAを含む溶解溶液、および400mMKOH、100mMジチオスレイトール、および10mM EDTAから成る溶解溶液を含む。
一部の実施形態では、溶解溶液は複数の塩基性物質を含みうる。ここでは、塩基性物質とは、アルカリ性条件を結果として生じる化合物、組成物または溶液である。一部の実施形態では、溶解溶液は緩衝剤を含みうる。有用な緩衝剤は、リン酸緩衝剤、「グッド(Good)」緩衝剤(たとえばBES、BICINE、CAPS、EPPS、HEPES、MES、MOPS、PIPES、TAPS、TES、およびTRICINE)、カコジル酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸トリエチルアンモニウム、重炭酸トリエチルアンモニウム、トリス、ビス−トリス、およびビス−トリスプロパンを含む。溶解溶液は複数の緩衝剤を含みうる。ここでは、緩衝試薬とは、緩衝剤として作用する化合物、組成物または溶液である。アルカリ性緩衝剤とは、アルカリ性条件を結果として生じる緩衝剤である。一部の実施形態では、溶解溶液は1種類以上の塩基、塩基性物質、緩衝剤および緩衝試薬の組み合わせを含みうる。
細胞溶解物のpHは、安定化した細胞溶解物を生じるために低下させることができる。安定化した細胞溶解物とは、pHが中性範囲(約pH6.0ないし約pH9.0)にある細胞溶解物である。有用な安定化した細胞溶解物は、細胞溶解物中の核酸の複製を可能にするpHを有する。たとえば、安定化した細胞溶解物のpHは、有効に、DNAポリメラーゼが機能することができるpHにある。細胞溶解物のpHは、細胞溶解物を安定化溶液と混合することによって低下させることができる。安定化溶液は、本文書に別記する通りアルカリ性条件に曝露された細胞溶解物のpHを低下させることができる溶液を含む。
細胞溶解物と混合する安定化溶液の量は、中性範囲(または他の希望のpH値)へのpHの低下を生じる量であることができる。一般的に、この容量は細胞溶解物/安定化溶液混合物のpHの関数となる。したがって、細胞溶解物と混合すべき安定化溶液の量は、一般的に、細胞溶解物の容量、そのpHおよび緩衝能、および安定化緩衝液の酸濃度から決定することができる。たとえば、pHを十分に低下させるためには、より弱い酸および/またはより低濃度の酸を含む安定化溶液に必要な容量よりも、より強い酸および/またはより高濃度の酸を含む安定化溶液のより少ない容量が必要となる。(希望のpHを生じるために)細胞溶解物が等しい容量の安定化溶液と混合されるように、安定化溶液を処方することができる。
一部の実施形態では、安定化溶液は酸を含みうる。有用な酸は、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、アセチルサリチル酸、アスコルビン酸、炭酸、クエン酸、ギ酸、硝酸、過塩素酸、HF、HBr、HI、HS、HCN、HSCN、HClO、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、および任意のカルボン酸(エタン酸、プロパン酸、ブタン酸、など、直鎖または分枝鎖カルボン酸の両方を含む)を含む。一部の実施形態では、安定化溶液は緩衝剤を含みうる。有用な緩衝剤は、トリス−HCl、HEPES、「グッド(Good)」緩衝剤(たとえばBES、BICINE、CAPS、EPPS、HEPES、MES、MOPS、PIPES、TAPS、TES、およびTRICINE)、カコジル酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸トリエチルアンモニウム、重炭酸トリエチルアンモニウム、トリス、ビス−トリス、およびビス−トリスプロパンを含む。有用な安定化溶液の処方は、800mMトリス−HClを含む安定化溶液;800mMトリス−HClを含むpH4.1の安定化溶液;および800mMトリス−HCl、pH4.1から成る安定化溶液を含む。
一部の実施形態では、安定化溶液は複数の酸性物質を含みうる。ここでは、酸性物質とは、溶液中に酸を形成する化合物、組成物または溶液である。一部の実施形態では、安定化溶液は複数の緩衝剤を含みうる。酸性緩衝剤とは、溶液中に酸を形成する緩衝剤である。一部の実施形態では、安定化溶液は1種類以上の酸、酸性物質、緩衝剤および緩衝試薬の組み合わせを含みうる。
一部の実施形態では、細胞溶解物のpHは、約pH9.0以下へ、約pH8.5以下へ、約pH8.0以下へ、約pH7.5以下へ、約pH7.2以下へ、または約pH7.0以下へ低下させることができる。一部の実施形態では、細胞溶解物のpHは、約pH9.0ないし約pH6.0の範囲へ、約pH9.0ないし約pH6.5の範囲へ、約pH9.0ないし約pH6.8の範囲へ、約pH9.0ないし約pH7.0の範囲へ、約pH9.0ないし約pH7.2の範囲へ、約pH9.0ないし約pH7.5の範囲へ、約pH9.0ないし約pH8.0の範囲へ、約pH9.0ないし約pH8.5の範囲へ、約pH8.5ないし約pH6.0の範囲へ、約pH8.5ないし約pH6.5の範囲へ、約pH8.5ないし約pH6.8の範囲へ、約pH8.5ないし約pH7.0の範囲へ、約pH8.5ないし約pH7.2の範囲へ、約pH8.5ないし約pH7.5の範囲へ、約pH8.5ないし約pH8.0の範囲へ、約pH8.0ないし約pH6.0の範囲へ、約pH8.0ないし約pH6.5の範囲へ、約pH8.0ないし約pH6.8の範囲へ、約pH8.0ないし約pH7.0の範囲へ、約pH8.0ないし約pH7.2の範囲へ、約pH8.0ないし約pH7.5の範囲へ、約pH7.5ないし約pH6.0の範囲へ、約pH7.5ないし約pH6.5の範囲へ、約pH7.5ないし約pH6.8の範囲へ、約pH7.5ないし約pH7.0の範囲へ、約pH7.5ないし約pH7.2の範囲へ、約pH7.2ないし約pH6.0の範囲へ、約pH7.2ないし約pH6.5の範囲へ、約pH7.2ないし約pH6.8の範囲へ、約pH7.2ないし約pH7.0の範囲へ、約pH7.0ないし約pH6.0の範囲へ、約pH7.0ないし約pH6.5の範囲へ、約pH7.0ないし約pH6.8の範囲へ、約pH6.8ないし約pH6.0の範囲へ、約pH6.8ないし約pH6.5の範囲へ、または約pH6.5ないし約pH6.0の範囲へ低下させることができる。一部の実施形態では、細胞溶解物のpHは、約pH6.0ないし約pH9.0の端点の任意の組み合わせを有する任意の範囲へ低下させることができる。そのような端点および範囲のすべては具体的におよび別々に検討される。
一部の実施形態では、細胞は熱によって溶解されない。異なる条件下の異なる細胞は異なる温度で溶解することを当業者は理解し、およびそのため細胞が熱によって溶解されない温度および時間を決定することができる。一般的に、細胞は、使用するアルカリ性条件の非存在下で相当な細胞溶解を引き起こす温度を上回っておよびそのような時間、加熱に供されない。ここでは、相当な細胞溶解とは、アルカリ性条件に曝露された細胞の90%以上の溶解をいう。顕著な細胞溶解とは、アルカリ性条件に曝露された細胞の50%以上の溶解をいう。十分な細胞溶解とは、アルカリ性条件に曝露された細胞の、複数鎖置換増幅による増幅産物の検出可能な量の合成を可能にするのに十分な溶解をいう。一般的に、本開示の方法に用いられるアルカリ性条件は、十分な細胞溶解を引き起こしさえすればよい。当然、顕著なまたは相当な細胞溶解を引き起こすことができるアルカリ性条件は、本方法を実施する際に、顕著なまたは相当な細胞溶解を結果として生じる必要が無い。
一部の実施形態では、細胞はその細胞が増殖する温度を相当にまたは顕著に上回る加熱に供されない。ここでは、細胞が増殖する温度とは、使用する種類の細胞が培養される標準的温度、または異なる標準的温度のうち最高のものをいう。動物細胞の場合には、細胞が増殖する温度とは、その動物の体温をいう。他の実施形態では、細胞は増幅反応(ゲノムが増幅される)の温度を相当にまたは顕著に上回る加熱に供されない。
一部の実施形態では、細胞溶解物は、増幅反応前に精製に供されない。本開示の方法との関連において、精製とは一般的に、細胞溶解物中の他の物質からの核酸の分離をいう。複数置換増幅は精製されていないおよび部分精製された試料について実施することができることが見出されている。増幅反応は、精製されていない核酸を用いて効率的に実施することはできないと一般に考えられている。特に、PCRは夾雑物に対して非常に感受性が高い。
精製の形式は、遠心分離、抽出、クロマトグラフィー、沈澱、濾過、および透析を含む。部分精製された細胞溶解物は、遠心分離、抽出、クロマトグラフィー、沈澱、濾過、および透析に供された細胞溶解物を含む。ここでは、他の物質からの核酸の分離とは、複製すべき核酸が、他の物質とは異なる容器に存在するようにする物理的分離をいう。精製は、すべての核酸の、すべての他の物質からの分離を必要としない。むしろ、必要なのは、一部の核酸の、一部の他の物質からの分離である。増幅すべき核酸との関連においてここでは、精製とは他の物質からの核酸の分離をいう。細胞溶解物との関連において、精製とは細胞溶解物中の他の物質からの核酸の分離をいう。ここでは、部分精製とは、核酸と混合している他の物質の、全部でなく一部からの、核酸の分離をいう。細胞溶解物との関連において、部分精製とは、細胞溶解物中の他の物質の、全部でなく一部からの、核酸の分離をいう。
文脈に明らかにそうでないと示されない限り、精製の欠如、1種類以上の精製または分離操作または技術の欠如、または精製または1種類以上の精製または分離操作または技術の除外へのここでの言及は、細胞のアルカリ性条件への曝露(またはその結果)または細胞溶解物のpHの低下(またはその結果)を包含しない。すなわち、本開示の方法のアルカリ性条件およびpH低下が「精製」または「分離」と見なしうる効果を生じる範囲で、そのような効果は、それらの語が細胞溶解物および安定化した細胞溶解物の処理および操作に関連して用いられる際(文脈に明らかにそうでないと示されない限り)精製および分離の定義から除外される。
ここでは、相当な精製とは、核酸と混合している他の物質の少なくとも相当な部分からの核酸の分離をいう。細胞溶解物との関連において、相当な精製とは、細胞溶解物中の他の物質の少なくとも相当な部分からの核酸の分離をいう。相当な部分とは、含まれる他の物質の90%をいう。精製の特定のレベルをパーセント精製(たとえば95%精製および70%精製)としていうことができる。パーセント精製とは、核酸と混合している他の物質の、少なくとも指定のパーセントの、核酸からの分離を結果として生じる精製をいう。
増幅すべき核酸分子の変性は増幅技術において一般的である。これはゲノムDNAを増幅する際に特にその通りである。特に、PCRは複数の変性サイクルを用いる。変性は、一般的に核酸鎖をプライマーに接触可能にするために用いられる。核酸分子、たとえばゲノムDNAは、効率的な複数置換増幅のためには変性している必要が無い。変性段階および変性条件の除去は、増幅産物における配列偏りを低下させる(すなわち、増幅偏りを低下させる)といった追加の利点を有する。本開示の方法の好ましい形式では、核酸試料またはテンプレート核酸は変性条件に供されない、および/または変性条件は使用されない。
本開示の方法の一部の形式では、核酸試料またはテンプレート核酸は熱変性条件に供されない、および/または熱変性段階は使用されない。本開示の方法の一部の形式では、核酸試料またはテンプレート核酸はアルカリ性変性条件に供されない、および/またはアルカリ性変性段階は使用されない。当然、試料調製(たとえば、細胞溶解および細胞抽出物の処理)は変性を生じると考えることができる条件を含みうる一方(たとえば、アルカリを用いた処理)、本開示の方法の一部の形式で除去された変性条件または段階とは、核酸鎖をプライマーに接触可能にすることを意図しおよびそのために用いられる変性段階または条件をいう。そのような変性は一般的には熱変性であるが、しかしまた化学変性といった他の形式の変性であることもできる。核酸試料またはテンプレート核酸が変性条件に供されない本開示の方法では、テンプレート鎖はプライマーに接触可能であることが理解される(増幅が起こるので)。しかし、テンプレート鎖は試料またはテンプレート核酸の一般的な変性を経て接触可能にされない。
代替的に、核酸試料またはテンプレート核酸を変性条件に供しうる、および/または変性条件を使用しうる。本開示の方法の一部の形式では、核酸試料またはテンプレート核酸を熱変性条件に供しうる、および/または熱変性条件を使用しうる。本開示の方法の一部の形式では、核酸試料またはテンプレート核酸をアルカリ性変性条件に供しうる、および/またはアルカリ性変性条件を使用しうる。
DNA増幅手順の効率は、個々の遺伝子座に関してその遺伝子座のパーセント発現量(すなわち、遺伝子座発現量)として記載することができ、ここで細胞から精製された通りのゲノムDNA中の遺伝子座に関して遺伝子座発現量は100%である。10,000倍増幅については、平均発現量頻度は、テンプレートの熱変性無しで増幅したDNA中の8遺伝子座に関して141%、およびテンプレートの熱変性ありで増幅したDNA中の8遺伝子座に関して37%であった。熱変性段階の削除の結果として、増幅された遺伝子座に関して発現量頻度に3.8倍の増加を生じた。増幅偏りは、増幅されたDNAの2つの試料間で、または、増幅されたDNAの試料とそれが増幅された元のテンプレートDNAとの間で計算することができる。偏りは、特定の遺伝子座に関するパーセント発現量(遺伝子座 発現量)の値の間の比率である。最大偏りは、最高に発現された遺伝子座の、最低に発現された遺伝子座に対する比率である。10,000倍増幅については、最大増幅偏りは、テンプレートの熱変性無しで増幅したDNAに関して2.8、およびテンプレートの熱変性ありで増幅したDNAに関して50.7であった。熱変性段階の削除の結果として、増幅された遺伝子座に関して最大偏りに18倍の減少を生じた。
本開示の方法の一形式では、少量の精製された2本鎖ヒトゲノムDNA(たとえば1ng)を、 can be mixed with長さ6 ヌクレオチドの1または少数の エキソヌクレアーゼ− 耐性プライマーおよびφ29 DNA ポリメラーゼと、DNA合成に有利な条件下で混合することができる。たとえば、その混合物を単に30℃にてインキュベートすることができ、すると複数置換増幅が起こる。このように、任意の1本鎖または2本鎖DNAを、何も追加の処理無しに用いることができ、本開示の方法を簡単な一段階手順としている。必要なDNAテンプレートは非常に少ないため、本開示の方法の主な長所は、PCRといった他のDNA増幅手順を妨げるレベルの夾雑物を含む調製物からDNAテンプレートを取ることができることである。MDAのためには、夾雑物が反応に干渉する濃度未満になるように試料を希釈することができる。本開示の方法は、たとえば、尿、精液、リンパ液、脳脊髄液、および羊水といった体液を含む、任意の種類の試料を用いて実施することができる(および上記の長所を達成できる)。
本開示の方法において少量のDNAテンプレートだけが必要であることは、本方法が非常に少量の試料からのDNA増幅に有用であることを意味する。特に、本開示の方法は、単一の細胞からDNAを増幅するのに用いることができる。単一の細胞(または同様に少量の試料)から分析可能な量の核酸を得る能力は、調製、分析、および出生前診断のような診断手順に多数の用途を有する。本開示の方法による増幅が有用となる少量のDNAしか含まない生物学的試料の他の例は、腫瘍または他の保存医学検体から切除した材料、針吸引生検、院内感染といった感染症から生じた臨床試料、法医学試料、または絶滅種の博物館標本である。
より幅広くは、本開示の方法は、必要なDNAの量が供給量よりも大きい用途に有用である。たとえば、チップハイブリダイゼーション技術によってDNAを分析する手順は、典型的な量の血液試料から精製されうるDNAの量によって制限される。結果として、多数のチップハイブリダイゼーション手順は、その高処理量手順用に十分な供給量の材料を作製するために、PCRを利用する。本開示の方法は、開始材料の遺伝子座発現量頻度を忠実に再現する増幅されたDNAの豊富な量の作製に有用な技術を提示する。
本開示の方法は、テンプレートDNAの熱処理ありで実施される増幅と比較して遺伝子分析における性能が向上したDNA増幅産物を生じることができる。テンプレートの熱処理無しで生じた、より長いDNA産物は、サザンブロッティング、およびRFLPを用いた遺伝子分析で、より大きなDNA断片を与える。本開示の方法は、定量的PCR分析の基質として用いる場合、テンプレートの熱処理ありで増幅したDNAと比較して、遺伝子座発現量の損失の無いDNA増幅産物を生じる。本開示の方法は、8個の異なる遺伝子座間の発現量のばらつきが3.0未満で変動する低い増幅偏りを有するDNA増幅産物を生じる。対照的に、2種類のPCRを基礎とする増幅法、PEPおよびDOP−PCRによって増幅されたDNA産物の増幅偏りは、2ないし6桁の間で変動する。
本開示の方法の別の具体的な一形式は、熱処理段階の非存在下で、全血からまたは組織培養細胞から直接の、ゲノム DNAの増幅を含む。 そのような増幅は、精製されたDNAからと同一の効率で達成することができる。血液または細胞から直接に増幅されたDNAは、精製されたヒトDNAテンプレートから増幅されたDNAと実質的に同一の遺伝子座発現量値を有しうる。全血中のヘムのような成分はPCRを阻害し、および血液由来のDNAがPCRテンプレートとして使用可能になる前に精製段階の必要を生じさせるため、このことは、PCRといった他の増幅手順に対する長所を表す。
J.増幅産物の検出
増幅の産物は、任意の核酸検出技術を用いて検出することができる。リアルタイム検出については、増幅産物および増幅の進行が増幅中に検出される。リアルタイム検出は、1種類以上の、または1または組み合わせの、蛍光変化プローブおよび蛍光変化プライマーを用いることによって有用に達成される。他の検出技術を、単独で、または、リアルタイム検出および/または検出蛍光変化プローブおよびプライマーを含む検出と組み合わせて使用することができる。核酸の検出については多数の技術が既知である。増幅された配列のヌクレオチド配列もまた、任意の適当な技術を用いて決定することができる。
K.修飾および追加の操作
1.増幅産物の検出
増幅産物は、たとえば、下記に示す通り、一次標識化または二次標識化によって直接検出することができる。
i.一次標識化
一次標識化は、蛍光ヌクレオチド、ビオチニル化ヌクレオチド、ジゴキシゲニン含有ヌクレオチド、またはブロモデオキシウリジンといった標識化部分を、鎖置換複製中に組み込むことから成る。たとえば、シアニン色素デオキシウリジンアナログ(ユー(Yu)他,Nucleic Acids Res.,22: 3226−3232(1994))を、100ヌクレオチド毎に4アナログの頻度で組み込むことができる。in situ増幅された核酸を検出するための好ましい方法は、DNAを増幅中にBrdUrdで標識化すること、続いてビオチニル化抗BrdU抗体(ザイメッド・ラブズ社(Zymed Labs)、カリフォルニア州サンフランシスコ)を用いた組み込まれたBrdUの結合、その後にストレプトアビジン−ペルオキシダーゼ(ライフサイエンス社(Life Sciences,Inc.))を用いたビオチン部分の結合、および最後にフルオレセイン−チラミド(デュポンデヌムール社医療品部門(DuPont de Nemours & Co.,Medical Products Dept.))を用いた蛍光の発色である。in situ増幅された核酸を検出するための他の方法は、DNAを増幅中に5−メチルシトシンで標識化し、その後の抗体を用いた組み込まれた5−メチルシトシンの結合(サノ(Sano)他,Biochim.Biophys.Acta 951: 157−165 (1988) )、またはDNAを増幅中にアミノアリル−デオキシウリジンで標識化し、その後のオレゴングリーン(登録商標)色素(モレキュラー・プローブズ社(Molecular Probes)オレゴン州ユージーン(Eugene))を用いた組み込まれたアミノアリル−デオキシウリジンの結合(ヘネガリウ(Henegariu)他,Nature Biotechnology 18: 345−348 (2000))を含む。
増幅された核酸を標識化するもう一つの方法は、5−(3−アミノアリル)−dUTP(AAdUTP)を核酸に増幅中に組み込み、続いて組み込まれたヌクレオチドを化学標識化することである。組み込まれた5−(3−アミノアリル)−デオキシウリジン(AAdU)は、アミン基と反応できる反応基を有する標識と結合させることができる。AAdUTPはランガー(Langer)他(1981)Proc.Natl.Acad.Sci.USA.78: 6633−37に従って調製することができる。他の修飾ヌクレオチドを類似の方法に用いることができる。すなわち、最小の修飾を有する他の修飾ヌクレオチドを複製中に組み込み、および、組み込み後に標識化することができる。
AAdUTPへの付加に適した標識の例は、放射性同位体、蛍光分子、リン光分子、酵素、抗体、およびリガンドである。適当な蛍光標識の例は、フルオレセインイソチオシアナート(FITC)、5,6−カルボキシメチルフルオレセイン、テキサスレッド、ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イル(NBD)、クマリン、塩化ダンシル、ローダミン、アミノメチルクマリン(AMCA)、エオシン、エリスロシン、BODIPY(登録商標)、カスケードブルー(登録商標)、オレゴングリーン(登録商標)、ピレン、リサミン、キサンチン、アクリジン、オキサジン、フィコエリトリン、クォンタムダイ(quantumdye)(商標)のようなランタノイドイオンの巨大環式キレート、チアゾールオレンジ−エチジウムヘテロ二量体のような蛍光エネルギー転移色素、およびシアニン色素Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5およびCy7を含む。他の特異的蛍光標識の例は、3−ヒドロキシピレン5,8,10−トリスルホン酸、5−ヒドロキシトリプタミン(5−HT)、酸性フクシン、アリザリンコンプレキソン、アリザリンレッド、アロフィコシアニン、アミノクマリン、ステアリン酸アントロイル、アストラゾンブリリアントレッド4G、アストラゾンオレンジR、アストラゾンレッド6B、アストラゾンイエロー7GLL、アタブリン、オーラミン、オーロホスフィン、オーロホスフィンG、BAO9(ビスアミノフェニルオキサジアゾール)、BCECF、硫酸ベルベリン、ビスベンズアミド、ブランコフォアFFG溶液、ブランコフォアSV、BodipyF1、ブリリアントスルホフラビンFF、カルセインブルー、カルシウムグリーン、カルコフルオルRW溶液、カルコフルオルホワイト、カルコフォアホワイトABT溶液、カルコフォアホワイト標準溶液、カルボスチリル、カスケードイエロー、カテコールアミン、キナクリン、コリホスフィンO、クマリン−ファロイジン、CY3.18、CY5.18、CY7、ダンス(1−ジメチルアミノナファリン5スルホン酸)、ダンサ(ジアミノナフチルスルホン酸)、ダンシルNH−CH3、ジアミノフェニルオキシジアゾール(DAO)、ジメチルアミノ−5−スルホン酸、ジピロメテンボロンジフルオリド、ジフェニルブリリアントフラビン7GFF、ドーパミン、エリスロシンITC、ユークリシン、FIF(ホルムアルデヒド誘導性蛍光)、フラゾオレンジ、フルオ3、フルオレサミン、フラ−2、ジェナクリルブリリアントレッドB、ジェナクリルブリリアントイエロー10GF、ジェナクリルピンク3G、ジェナクリルイエロー5GF、グロキザル酸、グラニュラーブルー、ヘマトポルフィリン、インド−1、イントラホワイトCfリキッド、リューコフォアPAF、リューコフォアSF、リューコフォアWS、リサミンローダミンB200(RD200)、ルシファーイエローCH、ルシファーイエローVS、マグダラレッド、マリーナブルー、マキシロンブリリアントフラビン10GFF、マキシロンブリリアントフラビン8GFF、MPS(メチルグリーンピロニンスティルベン)、ミトラマイシン、NBDアミン、ニトロベンゾキサジドール、ノルアドレナリン、ヌクレアーファストレッド、ヌクレアーイエロー、ナイロサンブリリアントフラビンE8G、オキサジアゾール、パシフィックブルー、パラロスアニリン(フォイルゲン)、フォアワイトAR溶液、フォアワイトBKL、フォアワイトRev、フォアワイトRPA、ホスフィン3R、フタロシアニン、フィコエリトリンR、ポリアザインデセン ポントクロムブルーブラック、ポルフィリン、プリムリン、プロシオンイエロー、ピロニン、ピロニンB、ピロザールブリリアントフラビン7GF、キナクリンマスタード、ローダミン123、ローダミン5GLD、ローダミン6G、ローダミンB、ローダミンB200、ローダミンBエキストラ、ローダミンBB、ローダミンBG、ローダミンWT、セロトニン、 セブロンブリリアントレッド2B、セブロンブリリアントレッド4G、セブロンブリリアントレッドB、セブロンオレンジ、セブロンイエローL、SITS(プリムリン)、SITS(スティルベンイソチオスルホン酸)、スティルベン、スナーフ1、スルホローダミンBキャンC、スルホローダミンGエキストラ、テトラサイクリン、チアジンレッドR、チオフラビンS、チオフラビンTCN、チオフラビン5、チオライト、チオゾールオレンジ、チノポールCBS、トゥルーブルー、ウルトラライト、ウラニンB、ユビテックスSFC、キシレンオレンジ、およびXRITCを含む。
好ましい蛍光標識は、フルオレセイン(5−カルボキシフルオレセイン−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)、ローダミン(5,6−テトラメチルローダミン)、およびシアニン色素Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5およびCy7である。これらの蛍光団の吸収極大および放射極大はそれぞれ:FITC(490nm;520nm)、Cy3(554nm;568nm)、Cy3.5(581nm;588nm)、Cy5(652nm:672nm)、Cy5.5(682nm;703nm)およびCy7(755nm;778nm)であり、したがってそれらの同時検出が可能である。フルオレセイン色素の他の例は、6−カルボキシフルオレセイン(6−FAM)、2’,4’,1,4,−テトラクロロフルオレセイン(TET)、2’,4’,5’,7’,1,4−ヘキサクロロフルオレセイン(HEX)、2’,7’−ジメトキシ−4’,5’−ジクロロ−6−カルボキシローダミン(JOE)、2’−クロロ−5’−フルオロ−7’,8’−融合フェニル−1,4−ジクロロ−6−カルボキシフルオレセイン(NED)、および2’−クロロ−7’−フェニル−1,4−ジクロロ−6−カルボキシフルオレセイン(VIC)を含む。蛍光標識は、アマシャム・ファルマシア・バイオテク社(ニュージャージー州ピスカタウェイ)(Amersham Pharmacia Biotech,Piscataway,NJ);モレキュラー・プローブズ社(オレゴン州ユージーン)(Molecular Probes,Eugene,OR); およびリサーチ・オーガニクス社(オハイオ州クリーブランド)(Research Organics,Cleveland,Ohio)を含むさまざまな販売者から入手可能である。
一次標識化の有用な一形式は、増幅中の蛍光変化プライマーの使用である。蛍光変化プライマーは、プライマーおよび増幅された核酸の形態または立体構造における変化に基づき、蛍光強度または波長に変化を示す。ステム消光化プライマーは、標識からの蛍光が消光されるように蛍光標識および消光部分を近接させるステム構造(分子内ステム構造または分子間ステム構造のどちらか)を形成するプライマーである。そのプライマーが相補的配列と結合する際、ステムが破壊され、消光部分はもう蛍光標識と近接せず、および蛍光が増大する。本開示の方法では、ステム消光化プライマーは核酸合成のためのプライマーとして用いられ、およびしたがって、合成されたかまたは増幅された核酸に組み込まれる。ステム消光化プライマーの例は、ペプチド核酸消光化プライマーおよびヘアピン消光化プライマーである。
ペプチド核酸消光化プライマーは、ペプチド核酸消光物質またはペプチド核酸蛍光物質と結合しておりステム構造を形成するプライマーである。そのプライマーは蛍光標識または消光部分を含み、およびペプチド核酸消光物質またはペプチド核酸蛍光物質とそれぞれ結合している。このことによって蛍光標識が消光部分と近接する。プライマーが複製される際、ペプチド核酸が置換され、したがって蛍光標識が蛍光シグナルを生じることが可能になる。
ヘアピン消光化プライマーは、相補的配列と結合していない場合に、標識からの蛍光が消光されるように蛍光標識および消光部分を近接させるヘアピン構造(および、典型的には、ループ)を形成するプライマーである。プライマーが相補的配列と結合する際、ステムが破壊され、消光部分はもう蛍光標識と近接せず、および蛍光が増大する。ヘアピン消光化プライマーは典型的には核酸合成のためのプライマーとして用いられ、およびしたがって、合成されたかまたは増幅された核酸に組み込まれる。ヘアピン消光化プライマーの例は、アンプリフロール(Amplifluor)プライマーおよびスコーピオン(scorpion)プライマーである。
切断活性化プライマーは、プライマーの切断によって蛍光が増大するプライマーである。一般的に、切断活性化プライマーは複製された鎖に組み込まれていておよびその後に切断される。切断活性化プライマーは、標識からの蛍光が消光されるように、近接した蛍光標識および消光部分を含みうる。プライマーが切断または消化される際(典型的にはポリメラーゼの5’−3’エキソヌクレアーゼ活性によって増幅中に)、消光部分はもう蛍光標識と近接せず、および蛍光が増大する。リトル(Little)他,Clin.Chem.45: 777−784 (1999)は、切断活性化プライマーの使用を記載する。切断活性化プライマーの使用は、本開示の方法においては好ましくない。
ii.検出プローブを用いた二次標識化
二次標識化は、増幅された核酸を検出するための、検出プローブと呼ばれる適当な分子プローブの使用から成る。たとえば、プライマーは、非相補的部分に、検出タグと呼ばれる既知の任意の配列を含むように設計することができる。第2のハイブリダイゼーション段階を用いて、検出プローブをこれらの検出タグへ結合させることができる。検出プローブは、たとえば、酵素、蛍光部分、または放射性同位体を用いて上記の通り標識化することができる。プライマー当たり3個の検出タグ、および各検出プローブ当たり4個の蛍光部分を用いることによって、複製された鎖のそれぞれについて合計12の蛍光シグナルを得ることができる。検出プローブは、通常のワトソン−クリック塩基対形成(または関連する代替法)を介したハイブリダイゼーションまたはアニーリングによって相互作用することができ、または、2本鎖標的と相互作用して三重らせんを形成しうる。そのような三重鎖形成検出プローブを、蛍光変化プローブの形でのような、他の検出プローブと同じ方法で使用することができる。
二次標識化の有用な一形式は、増幅中または増幅後の、蛍光変化プローブおよびプライマーの使用である。ヘアピン消光化プローブは、標的配列と結合していない場合に、標識からの蛍光が消光されるように蛍光標識および消光部分を近接させるヘアピン構造(および、典型的には、ループ)を形成するプローブである。プローブが標的配列と結合する際、ステムが破壊され、消光部分はもう蛍光標識と近接せず、および蛍光が増大する。ヘアピン消光化プローブの例は、分子ビーコン、蛍光三重オリゴ、およびQPNAプローブである。
切断活性化プローブは、プローブの切断によって蛍光が増大するプローブである。切断活性化プローブは、標識からの蛍光が消光されるように、近接した蛍光標識および消光部分を含みうる。プローブが切断または消化される際(典型的にはポリメラーゼの5’−3’エキソヌクレアーゼ活性によって増幅中または増幅後に)、消光部分はもう蛍光標識と近接せず、および蛍光が増大する。TaqManプローブは切断活性化プローブの一例である。
切断消光化プローブは、プローブの切断によって蛍光が減少または変化するプローブである。切断消光化プローブは、受容体および供与体が近接している場合に供与体から受容体への蛍光共鳴エネルギー転移が受容体に蛍光を生じさせるように、受容体蛍光標識および供与体部分を含みうる。そのプローブはしたがって、たとえば、標的配列とハイブリダイズした際に蛍光を発する。プローブが切断または消化される際(典型的にはポリメラーゼの5’−3’エキソヌクレアーゼ活性によって増幅中または増幅後に)、供与体部分はもう受容体蛍光標識と近接せず、および受容体からの蛍光が減少する。供与体部分がそれ自体蛍光標識であるならば、それは受容体と近接していない場合にエネルギーを蛍光として放出することができる(典型的には受容体の蛍光とは異なる波長で)。全体としての効果はその結果、受容体蛍光の減少および供与体蛍光の増大となる。切断消光化プローブの場合の供与体蛍光は、受容体が消光部分でありおよび供与体が蛍光標識である切断活性化プローブによって生じた蛍光と同等である。切断可FRET(蛍光共鳴エネルギー転移)プローブは切断消光化プローブの一例である。
蛍光活性化プローブは、標的配列へのプローブのハイブリダイゼーションによって蛍光が増大または変化するプローブまたはプローブ対である。蛍光活性化プローブは、受容体および供与体が近接している際(プローブが標的配列とハイブリダイズする際)、供与体から受容体への蛍光共鳴エネルギー転移が受容体に蛍光を生じさせるように、受容体蛍光標識および供与体部分を含みうる。蛍光活性化プローブは典型的には、受容体および供与体が近接するように、隣接配列にハイブリダイズするよう設計されたプローブ対である。蛍光活性化プローブはまた、プローブが標的配列とハイブリダイズしていない場合には供与体および受容体は近接していないが、プローブが標的配列とハイブリダイズしている場合には供与体および受容体が近接させられる、供与体および受容体の両方を含む単一のプローブであることができる。これは、たとえば、供与体および受容体をプローブの反対端に配置し、および標的相補配列をプローブの各末端に配置し、ここで標的相補配列は標的配列中の隣接配列と相補的であることによって達成することができる。蛍光活性化プローブの供与体部分がそれ自体蛍光標識であるならば、それは受容体と近接していない場合に(すなわち、プローブが標的配列とハイブリダイズしていない場合に)エネルギーを蛍光として放出することができる(典型的には受容体の蛍光とは異なる波長で)。プローブが標的配列とハイブリダイズする際、全体としての効果はその結果、供与体蛍光の減少および受容体蛍光の増大となる。FRETプローブは蛍光活性化プローブの一例である。ステム消光化プライマー(たとえばペプチド核酸消光化プライマーおよびヘアピン消光化プライマー)を二次標識として用いることができる。
iii.多重化およびハイブリダイゼーションアレイ検出
増幅された核酸の検出は、各組が異なる標的配列を増幅するために設計された異なるプライマーの組を用いることによって、多重化することができる。標的を見つけることができるプライマーだけが増幅産物を生じる。所定の増幅された核酸を固相検出器中の固定された位置に捕捉するためには2つの選択肢がある。1つはプライマーの非相補的部分内に独自のアドレスタグ配列を、それぞれ独自の組のプライマーについて含めることである。所定の組のプライマーを用いて増幅された核酸はその結果、特異的アドレスタグ配列に対応する配列を含む。第2のおよび好ましい選択肢は、標的配列中に存在する配列をアドレスタグとして用いることである。本開示の方法は、たとえば、異なる標的配列に向けられる異なる検出プローブの組を用いることによって、容易に多重化できる。異なる検出プローブを伴う異なる蛍光標識の使用は、異なる標的配列の特異的検出を可能にする。
2.組み合わせ多色コード化
多重化、検出の一形式は、異なる波長で蛍光を発するかまたは色が異なる標識の組み合わせの使用を含む。ハイブリダイゼーションプローブの検出のための蛍光の長所の1つは、同一の試料中でいくつかの標的を同時に可視化できることである。組み合わせ戦略を用いて、分光学的に分離可能な蛍光団の数よりもずっと多くの標的を識別することができる。プローブ 蛍光物質は全く無い (−)かまたは単位量で存在する(+)ため、組み合わせ標識化は、プローブを多重化方法で標識化する最も簡単な方法を提供する;画像分析はしたがって、より自動化に適しており、および、蛍光物質の光褪色の差および励起源出力スペクトルの変更の作用といったいくつかの実験アーティファクトが回避される。組み合わせ標識化は、蛍光変化 プローブおよびプライマーと共に用いることができる。
標識の組み合わせが、異なる検出プローブ、およびその延長として、それらの検出プローブが結合している異なる標的分子を同定するためのコードを規定する。この標識化の仕組みを組み合わせ多色コード化(CMC)という。そのようなコード化はスパイカー(Speicher)他,Nature Genetics 12: 368−375 (1996)によって記載されている。CMCの使用は米国特許第6,143,495号明細書に記載されている。組み合わせた際に別々に検出することができる任意の数の標識を、組み合わせ多色コード化に用いることができる。2、3、4、5、または6種類の標識を組み合わせて用いるのが好ましい。6種類の標識を用いるのが非常に好ましい。使用する標識の数が、式2−1に従って生じうる独自の標識組み合わせの数を規定し、ここでNは標識の数である。この式によると、2種類の標識は3種類の標識組み合わせを生じ、3種類の標識は7種類の標識組み合わせを生じ、4種類の標識は15種類の標識組み合わせを生じ、5種類の標識は31種類の標識組み合わせを生じ、および6種類の標識は63種類の標識組み合わせを生じる。
組み合わせ多色コード化のためには、異なる検出プローブの一群を1つの組として使用する。その組に含まれる検出プローブの個々の種類が、蛍光標識の特異的および独自の組み合わせで標識化される。複数の標識が割り当てられた検出プローブについては、すべての必要な標識を用いて各検出プローブ分子を標識化することによって、標識化を達成できる。代替的に、所定の種類の検出プローブのプールを、必要な標識のうち1つを用いてそれぞれ標識化することができる。プールを合わせることによって、検出プローブは、群として、検出プローブのその種類に必要な標識の組み合わせを含む。各検出プローブが単一の標識で標識化されている場合、標識組み合わせはまた、異なる検出プローブと相補的な検出タグのコード化された組み合わせを有するプライマーを用いて作製することができる。この仕組みでは、プライマーは特異的標識コードに必要な標識の組み合わせを表す検出タグの組み合わせを含むことになる。さらなる説明は米国特許第6,143,495号明細書に記載されている。蛍光変化プローブを使用する場合、各プローブが単一の標識を有する検出プローブのプールの使用が好ましい。
スパイカー(Speicher)他は、すべての可能な蛍光物質対の間の高度な識別を与える、スペクトル区間350〜770nmにわたって間隔を開けた蛍光物質および対応する光学フィルターの組を記載する。この蛍光物質の組は、組み合わせ多色コード化に好ましく、4'−6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)、フルオレセイン(FITC)、およびシアニン色素Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5およびCy7から成る。より少数の組み合わせが必要な場合は、この好ましい組の任意の部分集合もまた用いることができる。これらの蛍光物質の吸収極大および放射極大はそれぞれ:DAPI(350nm;456nm)、FITC(490nm;520nm)、Cy3(554nm;568mn)、Cy3.5(581nm;588nm)、Cy5(652nm;672nm)、Cy5.5(682nm;703nm)およびCy7(755nm;778nm)である。これらの蛍光物質の励起および放射スペクトル、吸光係数、および量子収量は、エルンスト(Ernst)他,Cytometry 10: 3− 10 (1989)、ムジュムダール(Mujumdar)他,Cytometry 10: 11−19 (1989)、ユー(Yu),Nucleic Acids Res.22: 3226− 3232 (1994)、およびワゴナー(Waggoner),Meth.Enzymology 246: 362−373 (1995)によって記載されている。これらの蛍光物質はすべて、75Wキセノンアークを用いて励起することができる。
選択性を得るためには、5ないし16nmの範囲の帯域幅を有するフィルターが好ましい。シグナル識別を高めるためには、蛍光物質はそのスペクトル極大から遠い波長で励起および検出の両方をすることができる。放射帯域幅は可能な限り広くすることができる。冷却CCDカメラのような低ノイズ検出器のためには、励起帯域幅を限定することは、達成可能なシグナル対ノイズ比に及ぼす効果があまり無い。好ましい蛍光物質の組との使用のための好ましいフィルターの一覧が、スパイカー(Speicher)他の表1に記載されている。アークランプによって放射される赤外光が検出器に達するのを防ぐことが重要である;CCDチップはこの領域に極めて感受性が高い。この目的で、画質の損失を最小限にするため、適当なIR遮断フィルターをCCDウィンドウの直前に画像路に挿入することができる。画像分析ソフトウェアをその後に使用して、蛍光ドットを計数しおよびそのスペクトル特徴を分析することができる。
i.酵素結合検出
標識化ヌクレオチドの組み込みによって標識化された増幅された核酸は、確立された酵素結合検出系を用いて検出することができる。たとえば、ビオチン−16−UTP(ロシュ・モレキュラー・バイオケミカルズ社(Roche Molecular Biochemicals))を用いたビオチンの組み込みによって標識化された増幅された核酸は、下記の通り検出することができる。核酸を、増幅された核酸中に存在する標的配列(またはその相補鎖)と相補的である相補的DNAオリゴヌクレオチド(アドレスプローブ)とのハイブリダイゼーションによって、固相ガラス表面上に固定化する。ハイブリダイゼーション後に、そのスライドガラスを洗浄し、およびアルカリ性ホスファターゼ−ストレプトアビジン複合体(トロピックス社(Tropix,Inc.)、マサチューセッツ州ベッドフォード(Bedford))と接触させる。この酵素−ストレプトアビジン複合体は、増幅された核酸上のビオチン部分と結合する。スライドを再び洗浄して過剰の酵素複合体を除去し、および化学発光基質CSPD(トロピックス社)を加え、およびカバーグラス片で覆う。スライドを次いでバイオラッド蛍光画像処理装置(Biorad Fluorimager)で画像化する。
3.リニア鎖置換増幅
標的配列のリニア増幅を結果として生じる、複数鎖置換増幅の一改変形式を実施することができる。この改変法はリニア鎖置換増幅(LSDA)と呼ばれ、および、すべてのプライマーが標的配列の同一の鎖と相補的である一組のプライマーを用いることによって達成される。LSDAでは、MSDAと同様に、プライマーの組が標的配列とハイブリダイズし、および鎖置換増幅が起こる。しかし、標的配列の鎖のうち一方だけが複製される。LSDAは、新しい組のプライマーを標的配列へハイブリダイズさせるために、複製の各回の間に熱サイクル反応を必要とする。そのような熱サイクル反応はPCRに用いられるものと同様である。リニア、または単一プライマーの、PCRとは異なり、しかし、LSDAにおける複製の各回は標的配列の複数コピーを結果として生じる。使用する各プライマーについて1コピーが作られる。したがって、20種類のプライマーがLSDAに用いられる場合、標的配列の20コピーが複製の各サイクルに作られる。
MSDAおよびWGSDAを用いて増幅されたDNAを、転写によってさらに増幅することができる。このために、プロモーター配列を、鎖置換増幅に用いられるプライマーの非相補的部分中に、またはMSDA−CDのためにDNAを連結するリンカー配列中に、含めることができる。
4.逆転写複数置換増幅
複数置換増幅を、RNAについて、またはRNAから逆転写されたDNA鎖について実施することができる。逆転写複数置換増幅(RT−MDA)と呼ばれる、本開示の方法の有用な一形式は、RNAを逆転写すること、そのRNAの除去(好ましくは、RNAseHのようなRNA特異的ヌクレアーゼを用いたヌクレアーゼ消化によって)、および逆転写されたDNAの複数置換増幅を含む。RT−MDAは、2本鎖cDNAのどちらかを用いて、または第1のcDNA鎖だけを用いて、実施することができる。後者の場合には、第2のcDNA鎖を合成する必要は無く、および好ましくは合成しない。RT−MDAは、mRNAの定量的分析、または任意の他の目的のためのmRNA配列の一般的増幅に有用である。
5.反復複数置換増幅
本開示の複数置換増幅操作はまた、連続的に組み合わせることができる。たとえば、MDAの産物はそれ自体を別の複数置換増幅で増幅することができる。これをここでは反復複数置換増幅(RMDA)という。これは、たとえば、MDA後に複製された鎖を希釈し、および、それらを新しいMDAに供することによって達成できる。これを1回以上反復することができる。MDAの各回は増幅を増大させる。WGSDAおよび特定の配列に対するMSDAといった異なる形式のMDAを組み合わせることができる。一般的に、反復MDAは、まず一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および標的試料を接触させ、および標的配列の複製を促進する条件下で標的試料をインキュベートすることによって達成できる。標的配列の複製は結果として複製された鎖を生じ、ここで複製中に、複製された鎖のうち少なくとも一方が、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換される;次いで、複製された鎖を希釈し、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および希釈した複製された鎖を接触させ、および標的配列の複製を促進する条件下でその複製された鎖をインキュベートする。標的配列の複製は、追加の複製された鎖を結果として生じ、ここで複製中に、追加の複製された鎖のうち少なくとも一方が、別の追加の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換される。本方法のこの形式は、下記の操作を1回以上実施することによって延長できる:追加の複製された鎖を希釈し、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および希釈した複製された鎖を接触させ、および標的配列の複製を促進する条件下でその複製された鎖をインキュベートする。標的配列の複製は、追加の複製された鎖を結果として生じ、ここで複製中に、追加の複製された鎖のうち少なくとも一方が、別の追加の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換される。
6.複数置換増幅の産物の使用
本開示の方法を用いて作製された核酸は、任意の目的に用いることができる。たとえば、増幅された核酸を分析して(たとえば配列決定またはプローブハイブリダイゼーションによって)、増幅された配列の特徴または特定の配列の存在または非存在を決定することができる。増幅された核酸はまた、測定または他の方法のための試薬として用いることができる。たとえば、本開示の方法で作製された核酸を、基材へ結合または接着することができる。結果として生じる固定化核酸は、試料中の配列のプローブまたはインデックスとして用いることができる。本開示の方法で作製された核酸は、任意の適当な方法で、基材へ結合または接着することができる。たとえば、修飾ヌクレオチドを、鎖置換複製によって作製された核酸の3’末端へ、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼを用いて付加し、およびその修飾ヌクレオチドを基材または担体と反応させ、それによって核酸を基材または担体へ結合させることにより、複数鎖置換によって生成された核酸を結合させることができる。
本開示の方法で作製された核酸はまた、プローブまたはハイブリダイゼーションパートナーとして用いることができる。たとえば、目的の配列を本開示の方法で増幅し、およびすぐ使えるプローブの起源を与えることができる。複製された鎖(本開示の方法で作製された)は、ハイブリダイゼーションプローブとしての使用の前に切断することができる。たとえば、複製された鎖はDNAseIを用いて切断することができる。ハイブリダイゼーションプローブは、本開示の方法で作製された核酸の標識化に関して本文書に別に記載する通り、標識化することができる。
本開示の方法で作製された核酸はまた、試料の対または組のうち1つだけに存在する配列を特定するための減算ハイブリダイゼーションに用いることができる。たとえば、異なる試料から増幅されたcDNAをアニーリングさせ、結果として生じる2本鎖物質を1本鎖物質から分離することができる。ハイブリダイズしていない配列は、試料のうちの1つで発現されているが他では発現されていない配列を示す。
具体的実施形態
ゲノムを増幅する方法であって単一のプライマー、DNAポリメラーゼ、およびゲノム核酸試料を接触させ、および、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でゲノム核酸試料をインキュベートすることを含む方法が開示される。プライマーは特異的ヌクレオチド配列を有し、ゲノム核酸試料はゲノムの全部または相当な部分を含み、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製は鎖置換複製によって進行し、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製は結果としてゲノム核酸試料中の核酸分子の全部または相当な部分の複製を生じる。
ゲノムは、真核ゲノム、植物ゲノム、動物ゲノム、脊椎動物ゲノム、魚類ゲノム、哺乳類ゲノム、ヒトゲノム、微生物ゲノムまたはウイルスゲノムであることができる。増幅偏りはゲノム核酸試料中の少なくとも10個の核酸配列に関して20倍未満であることができる。増幅偏りはゲノム核酸試料中の少なくとも10個の核酸配列に関して10倍未満であることができる。プライマーは3ヌクレオチド、4ヌクレオチド、5ヌクレオチド、6ヌクレオチド、7ヌクレオチド、8ヌクレオチド、9ヌクレオチド、10ヌクレオチド、11ヌクレオチド、12ヌクレオチド、13ヌクレオチド、14ヌクレオチド、15ヌクレオチド、16ヌクレオチド、17ヌクレオチド、18ヌクレオチド、19ヌクレオチド、20ヌクレオチド、21ヌクレオチド、22ヌクレオチド、23ヌクレオチド、24ヌクレオチド、25ヌクレオチド、26ヌクレオチド、27ヌクレオチド、28ヌクレオチド、29ヌクレオチド、または30ヌクレオチドの長さを有する。
プライマーは、4ヌクレオチド未満、5ヌクレオチド未満、6ヌクレオチド未満、7ヌクレオチド未満、8ヌクレオチド未満、9ヌクレオチド未満、10ヌクレオチド未満、11ヌクレオチド未満、12ヌクレオチド未満、13ヌクレオチド未満、14ヌクレオチド未満、15ヌクレオチド未満、16ヌクレオチド未満、17ヌクレオチド未満、18ヌクレオチド未満、19ヌクレオチド未満、20ヌクレオチド未満、21ヌクレオチド未満、22ヌクレオチド未満、23ヌクレオチド未満、24ヌクレオチド未満、25ヌクレオチド未満、26ヌクレオチド未満、27ヌクレオチド未満、28ヌクレオチド未満、29ヌクレオチド未満、30ヌクレオチド未満、または31ヌクレオチド未満の長さを有しうる。
ゲノム核酸試料は、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、46℃、47℃、48℃、49℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃、61℃、62℃、63℃、64℃、65℃、66℃、67℃、68℃、69℃、70℃、71℃、72℃、73℃、74℃、75℃、76℃、77℃、78℃、79℃、または80℃にてインキュベートすることができる。
ゲノム核酸試料は、21℃未満、22℃未満、23℃未満、24℃未満、25℃未満、26℃未満、27℃未満、28℃未満、29℃未満、30℃未満、31℃未満、32℃未満、33℃未満、34℃未満、35℃未満、36℃未満、37℃未満、38℃未満、39℃未満、40℃未満、41℃未満、42℃未満、43℃未満、44℃未満、45℃未満、46℃未満、47℃未満、48℃未満、49℃未満、50℃未満、51℃未満、52℃未満、53℃未満、54℃未満、55℃未満、56℃未満、57℃未満、58℃未満、59℃未満、60℃未満、61℃未満、62℃未満、63℃未満、64℃未満、65℃未満、66℃未満、67℃未満、68℃未満、69℃未満、70℃未満、71℃未満、72℃未満、73℃未満、74℃未満、75℃未満、76℃未満、77℃未満、78℃未満、79℃未満、または80℃未満にてインキュベートすることができる。
ゲノム核酸試料は少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有しうるか、ゲノム核酸試料は少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有しうるか、ゲノム核酸試料は少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有しうるか、ゲノム核酸試料は少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有しうるか、ゲノム核酸試料は少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有しうるか、ゲノム核酸試料は少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有しうるか、またはゲノム核酸試料は少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有しうる。
プライマー、DNAポリメラーゼおよびゲノム核酸試料は、1種類の追加のプライマーと、2種類の追加のプライマーと、3種類の追加のプライマーと、4種類の追加のプライマーと、5種類の追加のプライマーと、6種類の追加のプライマーと、7種類の追加のプライマーと、8種類の追加のプライマーと、9種類の追加のプライマーと、10種類の追加のプライマーと、11種類の追加のプライマーと、12種類の追加のプライマーと、13種類の追加のプライマーと、14種類の追加のプライマーと、15種類の追加のプライマーと、16種類の追加のプライマーと、17種類の追加のプライマーと、18種類の追加のプライマーと、19種類の追加のプライマーと、20種類の追加のプライマーと、21種類の追加のプライマーと、22種類の追加のプライマーと、23種類の追加のプライマーと、24種類の追加のプライマーと、25種類の追加のプライマーと、26種類の追加のプライマーと、27種類の追加のプライマーと、28種類の追加のプライマーと、29種類の追加のプライマーと、30種類の追加のプライマーと、31種類の追加のプライマーと、32種類の追加のプライマーと、33種類の追加のプライマーと、34種類の追加のプライマーと、35種類の追加のプライマーと、36種類の追加のプライマーと、37種類の追加のプライマーと、38種類の追加のプライマーと、39種類の追加のプライマーと、40種類の追加のプライマーと、41種類の追加のプライマーと、42種類の追加のプライマーと、43種類の追加のプライマーと、44種類の追加のプライマーと、45種類の追加のプライマーと、46種類の追加のプライマーと、47種類の追加のプライマーと、48種類の追加のプライマーと、49種類の追加のプライマーと、50種類の追加のプライマーと、51種類の追加のプライマーと、52種類の追加のプライマーと、53種類の追加のプライマーと、54種類の追加のプライマーと、55種類の追加のプライマーと、56種類の追加のプライマーと、57種類の追加のプライマーと、58種類の追加のプライマーと、59種類の追加のプライマーと、60種類の追加のプライマーと、61種類の追加のプライマーと、62種類の追加のプライマーと、63種類の追加のプライマーと、75種類の追加のプライマーと、100種類の追加のプライマーと、150種類の追加のプライマーと、200種類の追加のプライマーと、300種類の追加のプライマーと、400種類の追加のプライマーと、500種類の追加のプライマーと、750種類の追加のプライマーと、または1,000種類の追加のプライマーと接触させられ、各プライマーは異なる特異的ヌクレオチド配列を有しうる。
プライマーはすべて同一の長さである。
プライマー、DNAポリメラーゼおよびゲノム核酸試料は、2種類未満の追加のプライマーと、3種類未満の追加のプライマーと、4種類未満の追加のプライマーと、5種類未満の追加のプライマーと、6種類未満の追加のプライマーと、7種類未満の追加のプライマーと、8種類未満の追加のプライマーと、9種類未満の追加のプライマーと、10種類未満の追加のプライマーと、11種類未満の追加のプライマーと、12種類未満の追加のプライマーと、13種類未満の追加のプライマーと、14種類未満の追加のプライマーと、15種類未満の追加のプライマーと、16種類未満の追加のプライマーと、17種類未満の追加のプライマーと、18種類未満の追加のプライマーと、19種類未満の追加のプライマーと、20種類未満の追加のプライマーと、21種類未満の追加のプライマーと、22種類未満の追加のプライマーと、23種類未満の追加のプライマーと、24種類未満の追加のプライマーと、25種類未満の追加のプライマーと、26種類未満の追加のプライマーと、27種類未満の追加のプライマーと、28種類未満の追加のプライマーと、29種類未満の追加のプライマーと、30種類未満の追加のプライマーと、31種類未満の追加のプライマーと、32種類未満の追加のプライマーと、33種類未満の追加のプライマーと、34種類未満の追加のプライマーと、35種類未満の追加のプライマーと、36種類未満の追加のプライマーと、37種類未満の追加のプライマーと、38種類未満の追加のプライマーと、39種類未満の追加のプライマーと、40種類未満の追加のプライマーと、41種類未満の追加のプライマーと、42種類未満の追加のプライマーと、43種類未満の追加のプライマーと、44種類未満の追加のプライマーと、45種類未満の追加のプライマーと、46種類未満の追加のプライマーと、47種類未満の追加のプライマーと、48種類未満の追加のプライマーと、49種類未満の追加のプライマーと、50種類未満の追加のプライマーと、51種類未満の追加のプライマーと、52種類未満の追加のプライマーと、53種類未満の追加のプライマーと、54種類未満の追加のプライマーと、55種類未満の追加のプライマーと、56種類未満の追加のプライマーと、57種類未満の追加のプライマーと、58種類未満の追加のプライマーと、59種類未満の追加のプライマーと、60種類未満の追加のプライマーと、61種類未満の追加のプライマーと、62種類未満の追加のプライマーと、63種類未満の追加のプライマーと、64種類未満の追加のプライマーと、75種類未満の追加のプライマーと、100種類未満の追加のプライマーと、150種類未満の追加のプライマーと、200種類未満の追加のプライマーと、300種類未満の追加のプライマーと、400種類未満の追加のプライマーと、500種類未満の追加のプライマーと、750種類未満の追加のプライマーと、または1,000種類未満の追加のプライマーと接触させられ、各プライマーは異なる特異的ヌクレオチド配列を有しうる。
各プライマーは配列AGTGGGまたはAGAGAGのうち異なる1つを有しうる。各プライマーは配列AGCCGG、AGTAGG、またはAGTTGGのうち異なる1つを有しうる。各プライマーは配列AGGCGG、AGTGGG、AGGGAG、またはAGTGAGのうち異なる1つを有しうる。各プライマーは配列AGTGGG、AGCCAG、AGTTAG、AGTCAG、またはAGACAGのうち異なる1つを有しうる。各プライマーは配列AGAGGG、AGGCAG、AGCCAG、AGTCAG、またはAGACAGのうち異なる1つを有しうる。各プライマーは配列AGTAGG、AGGTGG、AGGCAG、AGACAG、またはAGTGAGのうち異なる1つを有しうる。各プライマーは配列AGGAGG、AGAGGG、AGGGAG、AGTCAG、またはAGCGAGのうち異なる1つを有しうる。各プライマーは配列CGGTGG、TCACGC、CGAGCG、GCGTGG、ACTCGG、AATCGC、CGGAGG、CCGAGA、GATCGC、AGAGCG、AGCGAG、またはACTCCGのうち異なる1つを有しうる。
各プライマーは配列AGTGGGまたはAGAGAGのうち1つを有しうる。各プライマーは配列AGCCGG、AGTAGG、またはAGTTGGのうち1つを有しうる。各プライマーは配列AGGCGG、AGTGGG、AGGGAG、またはAGTGAGのうち1つを有しうる。各プライマーは配列AGTGGG、AGCCAG、AGTTAG、AGTCAG、またはAGACAGのうち1つを有しうる。各プライマーは配列AGAGGG、AGGCAG、AGCCAG、AGTCAG、またはAGACAGのうち1つを有しうる。各プライマーは配列CGGTGG、TCACGC、CGAGCG、GCGTGG、ACTCGG、AATCGC、CGGAGG、CCGAGA、GATCGC、AGAGCG、AGCGAG、またはACTCCGのうち1つを有しうる。
プライマーは反復配列中の配列と相補的であることができる。
反復配列は、マイクロサテライト配列、ミニサテライト配列、サテライト配列、トランスポゾン配列、リボソームRNA配列、短い核散在配列(short interspersed nuclear element (SINE))、または長い核散在配列(long interspersed nuclear element)(LINE)であることができる。プライマーは機能共通配列中の配列と相補的であることができる。機能共通配列はプロモーター配列、エンハンサー配列、サイレンサー配列、上流調節配列、転写終止部位配列、トランスポゾン調節配列、リボソームRNA調節配列、またはポリアデニル化部位配列であることができる。機能共通配列は微生物プロモーター配列、微生物エンハンサー配列、微生物サイレンサー配列、微生物上流調節配列、微生物転写終止部位配列、微生物トランスポゾン調節配列、微生物リボソームRNA調節配列、または微生物ポリアデニル化部位配列であることができる。
プライマーは広カバー率プライマーであることができる。プライマーは、平均して、5,000ヌクレオチド以下毎、4,000ヌクレオチド以下毎、3,000ヌクレオチド以下毎、2,500ヌクレオチド以下毎、2,000ヌクレオチド以下毎、1,500ヌクレオチド以下毎、1,000ヌクレオチド以下毎、900ヌクレオチド以下毎、800ヌクレオチド以下毎、700ヌクレオチド以下毎、600ヌクレオチド以下毎、500ヌクレオチド以下毎、400ヌクレオチド以下毎、300ヌクレオチド以下毎、200ヌクレオチド以下毎、100ヌクレオチド以下毎、または50ヌクレオチド以下毎に、ゲノム核酸試料の核酸分子中に存在する配列と相補的であることができる。
プライマーは、ゲノム核酸試料のG+C比率の20%以内、15%以内、10%以内、9%以内、8%以内、7%以内、6%以内、5%以内、4%以内、3%以内、2%以内、または1%以内のG+C比率を有することができる。プライマーは、使用した種類のゲノム核酸試料について、少なくとも5個の異なる遺伝子座に関して、少なくとも10%の遺伝子座発現量を生じる。プライマーは、使用した種類のゲノム核酸試料について、少なくとも5個の異なる遺伝子座に関して、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも100%の遺伝子座発現量を生じる。プライマーは、使用した種類のゲノム核酸試料について、少なくとも10%の遺伝子座発現量を、少なくとも6個の異なる遺伝子座、少なくとも7個の異なる遺伝子座、少なくとも8個の異なる遺伝子座、少なくとも9個の異なる遺伝子座、少なくとも10個の異なる遺伝子座、少なくとも11個の異なる遺伝子座、少なくとも12個の異なる遺伝子座、少なくとも13個の異なる遺伝子座、少なくとも14個の異なる遺伝子座、少なくとも15個の異なる遺伝子座、少なくとも16個の異なる遺伝子座、少なくとも17個の異なる遺伝子座、少なくとも18個の異なる遺伝子座、少なくとも19個の異なる遺伝子座、少なくとも20個の異なる遺伝子座、少なくとも25個の異なる遺伝子座、少なくとも30個の異なる遺伝子座、少なくとも40個の異なる遺伝子座、少なくとも50個の異なる遺伝子座、少なくとも75個の異なる遺伝子座、または少なくとも100個の異なる遺伝子座に関して生じる。
プライマーは、使用した種類のゲノム核酸試料について、50倍未満の増幅偏りを生じる。プライマーは、使用した種類のゲノム核酸試料について、45倍未満、40倍未満、35倍未満、30倍未満、25倍未満、20倍未満、19倍未満、18倍未満、17倍未満、16倍未満、15倍未満、14倍未満、13倍未満、12倍未満、11倍未満、10倍未満、9倍未満、8倍未満、7倍未満、6倍未満、5倍未満、または4倍未満の増幅偏りを生じる。プライマーは、使用した種類のゲノム核酸試料について、50倍未満の増幅偏りを、少なくとも5個の異なる遺伝子座に関して、少なくとも6個の異なる遺伝子座に関して、少なくとも7個の異なる遺伝子座、少なくとも8個の異なる遺伝子座、少なくとも9個の異なる遺伝子座、少なくとも10個の異なる遺伝子座、少なくとも11個の異なる遺伝子座、少なくとも12個の異なる遺伝子座、少なくとも13個の異なる遺伝子座、少なくとも14個の異なる遺伝子座、少なくとも15個の異なる遺伝子座、少なくとも16個の異なる遺伝子座、少なくとも17個の異なる遺伝子座、少なくとも18個の異なる遺伝子座、少なくとも19個の異なる遺伝子座、少なくとも20個の異なる遺伝子座、少なくとも25個の異なる遺伝子座、少なくとも30個の異なる遺伝子座、少なくとも40個の異なる遺伝子座、少なくとも50個の異なる遺伝子座、少なくとも75個の異なる遺伝子座、または少なくとも100個の異なる遺伝子座に関して生じる。
プライマーは内部相補的3’末端を有しない。プライマーは核酸試料の非存在下で顕著な複製産物を生じない。DNAポリメラーゼはφ29DNAポリメラーゼであることができる。ゲノム核酸試料を変性条件に供する必要は無い。ゲノム核酸試料を熱変性条件に供する必要は無い。ゲノム核酸試料をアルカリ性変性条件に供する必要は無い。ゲノム核酸試料を変性条件に供することができる。ゲノム核酸試料を熱変性条件に供することができる。ゲノム核酸試料をアルカリ性変性条件に供することができる。
ゲノム核酸試料中の核酸はゲノム核酸試料中の他の物質から分離されない。ゲノム核酸試料が粗細胞溶解物であることができる。ゲノム核酸試料は、細胞をアルカリ性条件に曝露して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物は全ゲノムを含むことができ、および細胞溶解物のpHを低下させて安定化した細胞溶解物を生じることによって調製することができる。細胞を溶解溶液と混合することによって細胞はアルカリ性条件に曝露される。溶解溶液は塩基を含むことができる。細胞溶解物を安定化溶液と混合することによって細胞溶解物のpHを低下させることができる。安定化溶液は緩衝剤を含むことができる。安定化溶液は酸を含むことができる。
細胞溶解物および安定化された細胞溶解物中の核酸は、細胞溶解物中の他の物質から分離されない。細胞溶解物および安定化された細胞溶解物は、インキュベート前に精製に供されない。細胞溶解物、安定化された細胞溶解物、または両方は、インキュベート前に部分精製に供される。細胞溶解物および安定化された細胞溶解物は、インキュベート前に相当な精製に供されない。インキュベートは実質的に等温であることができる。細胞溶解物も安定化された細胞溶解物もインキュベートの温度を実質的に上回って加熱できない。細胞溶解物も安定化された細胞溶解物もインキュベートの温度を上回る実質的な加熱に供することができない。細胞はインキュベートの温度を実質的に上回って加熱されない。細胞はインキュベートの温度を上回る実質的な加熱に供されない。細胞は、その細胞が増殖する温度を実質的に上回って加熱されない。細胞は、その細胞が増殖する温度を上回る実質的な加熱に供されない
細胞溶解物も安定化された細胞溶解物も、ゲノムの明らかな変性を引き起こしうる温度を上回っておよびそのような時間にわたって加熱できない。細胞溶解物も安定化された細胞溶解物も、ゲノムの明らかな変性を引き起こしうる温度を上回るおよびそのような時間にわたる加熱に供することができない。細胞は熱によって溶解されない。細胞は、アルカリ性条件の非存在下で相当な細胞溶解を引き起こす温度を上回っておよびそのような時間にわたって加熱されない。細胞は、アルカリ性条件の非存在下で相当な細胞溶解を引き起こす温度を上回るおよびそのような時間にわたる加熱に供されない。
本方法はさらに、プライマー、ゲノム核酸試料およびDNAポリメラーゼを接触させる前に、ゲノム核酸試料中の核酸分子の相当な変性を促進する条件にゲノム核酸試料を曝露し、それによって変性したゲノム核酸試料を生じ、および条件をゲノム核酸試料中の核酸分子の相当な変性を促進しない条件に変えて変性したゲノム核酸試料を生じることを含みうる。
ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製は、増幅された核酸分子について、ゲノム核酸試料における平均断片長よりも長い平均断片長を結果として生じる。ゲノム核酸試料、変性したゲノム核酸試料、または両方はイオン条件に曝露される。ゲノム核酸試料を変性溶液と混合することによっておよびゲノム核酸試料中の核酸分子を相当に変性させる温度におよびそのような時間ゲノム核酸試料を加熱することによって、相当な変性を促進する条件にゲノム核酸試料を曝露することができる。
プライマーが3’−5’エキソヌクレアーゼに対して耐性となりうるように、プライマーは少なくとも1個の修飾ヌクレオチドを含む。プライマーは長さ6ヌクレオチドであることができ、プライマーがヌクレアーゼ耐性となりうるようにプライマーは少なくとも1個の修飾ヌクレオチドを含み、およびDNAポリメラーゼはφ29DNAポリメラーゼであることができる。核酸分子の複製を促進する条件は実質的に等温である。核酸分子の複製を促進する条件に熱サイクル反応は関係しない。核酸分子の複製を促進する条件は熱サイクル反応を含まない。プライマーはヌクレオチドを含むことができ、そのヌクレオチドの1種類以上はリボヌクレオチドである。そのヌクレオチドの約10%ないし約50%はリボヌクレオチドである。そのヌクレオチドの約50%以上はリボヌクレオチドである。そのヌクレオチドの全部はリボヌクレオチドである。
プライマーはヌクレオチドを含むことができ、そのヌクレオチドの1種類以上は2’−O−メチルリボヌクレオチドである。そのヌクレオチドの約10%ないし約50%は2’−O−メチルリボヌクレオチドである。そのヌクレオチドの約50%以上は2’−O−メチルリボヌクレオチドである。そのヌクレオチドの全部は2’−O−メチルリボヌクレオチドである。プライマーはヌクレオチドを含むことができ、そのヌクレオチドはリボヌクレオチドおよび2’−O−メチルリボヌクレオチドの混合物である。プライマーはヌクレオチドを含むことができ、そのヌクレオチドはデオキシリボヌクレオチドおよび2’−O−メチルリボヌクレオチドの混合物である。ゲノム核酸試料は血液試料、尿試料、精液試料、リンパ液試料、脳脊髄液試料、羊水試料、生検試料、針吸引生検試料、がん試料、腫瘍試料、組織試料、細胞試料、細胞溶解物試料、粗細胞溶解物試料、法医学試料、考古学的試料、感染試料、院内感染試料、製品試料、医薬調製物試料、生物学的分子製品試料、タンパク質調製物試料、脂質調製物試料、糖質調製物試料、またはその組み合わせであることができる。
ゲノム核酸試料は粗細胞溶解物であることができる。ゲノム核酸試料を細胞溶解を超えて処理する必要は無い。増幅された核酸分子は分析される。増幅された核酸分子は1種類以上のDNAチップを用いて分析される。増幅された核酸分子はハイブリダイゼーションによって分析される。増幅された核酸分子は核酸配列決定によって分析される。増幅された核酸分子はその分析の前、後、または前および後の両方に保存される。
本方法はさらに、プライマー、DNAポリメラーゼ、および第2のゲノム核酸試料を接触させ、および第2のゲノム核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下で第2のゲノム核酸試料をインキュベートすることを含むことができ、第2のゲノム核酸試料はゲノムの全部または相当な部分を含むことができ、第2のゲノム核酸試料中の核酸分子の複製は鎖置換複製によって進行し、第2のゲノム核酸試料中の核酸分子の複製の結果として第2のゲノム核酸試料中の核酸分子の全部または相当な部分の複製が生じる。
第2のゲノム核酸試料は、第1のゲノム核酸試料と同一の種類の生物に由来する試料であることができる。第2のゲノム核酸試料は、第1のゲノム核酸試料と同一の種類の組織に由来する試料であることができる。第2のゲノム核酸試料は、第1のゲノム核酸試料と同一の生物に由来する試料であることができる。第2のゲノム核酸試料は、第1のゲノム核酸試料とは異なる時に得ることができる。第2のゲノム核酸試料は、第1のゲノム核酸試料とは異なる生物に由来する試料であることができる。第2のゲノム核酸試料は、第1のゲノム核酸試料とは異なる種類の組織に由来する試料であることができる。
第2のゲノム核酸試料は、第1のゲノム核酸試料とは異なる種の生物に由来する試料であることができる。第2のゲノム核酸試料は、第1のゲノム核酸試料とは異なる系統の生物に由来する試料であることができる。第2のゲノム核酸試料は、第1のゲノム核酸試料とは異なる細胞区画に由来する試料であることができる。
ゲノムを増幅する方法であって、1,000種類未満のプライマー、DNAポリメラーゼ、およびゲノム核酸試料を接触させ、およびゲノム核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でゲノム核酸試料をインキュベートすることを含み、各プライマーが異なる特異的ヌクレオチド配列を有し、ゲノム核酸試料がゲノムの全部または相当な部分を含み、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が鎖置換複製によって進行し、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が結果としてゲノム核酸試料中の核酸分子の全部または相当な部分の複製を生じる方法もまた開示される。
DNAポリメラーゼおよびゲノム核酸試料は、2種類未満のプライマーと、3種類未満のプライマーと、4種類未満のプライマーと、5種類未満のプライマーと、6種類未満のプライマーと、7種類未満のプライマーと、8種類未満のプライマーと、9種類未満のプライマーと、10種類未満のプライマーと、11種類未満のプライマーと、12種類未満のプライマーと、13種類未満のプライマーと、14種類未満のプライマーと、15種類未満のプライマーと、16種類未満のプライマーと、17種類未満のプライマーと、18種類未満のプライマーと、19種類未満のプライマーと、20種類未満のプライマーと、21種類未満のプライマーと、22種類未満のプライマーと、23種類未満のプライマーと、24種類未満のプライマーと、25種類未満のプライマーと、26種類未満のプライマーと、27種類未満のプライマーと、28種類未満のプライマーと、29種類未満のプライマーと、30種類未満のプライマーと、31種類未満のプライマーと、32種類未満のプライマーと、33種類未満のプライマーと、34種類未満のプライマーと、35種類未満のプライマーと、36種類未満のプライマーと、37種類未満のプライマーと、38種類未満のプライマーと、39種類未満のプライマーと、40種類未満のプライマーと、41種類未満のプライマーと、42種類未満のプライマーと、43種類未満のプライマーと、44種類未満のプライマーと、45種類未満のプライマーと、46種類未満のプライマーと、47種類未満のプライマーと、48種類未満のプライマーと、49種類未満のプライマーと、50種類未満のプライマーと、51種類未満のプライマーと、52種類未満のプライマーと、53種類未満のプライマーと、54種類未満のプライマーと、55種類未満のプライマーと、56種類未満のプライマーと、57種類未満のプライマーと、58種類未満のプライマーと、59種類未満のプライマーと、60種類未満のプライマーと、61種類未満のプライマーと、62種類未満のプライマーと、63種類未満のプライマーと、64種類未満のプライマーと、75種類未満のプライマーと、100種類未満のプライマーと、150種類未満のプライマーと、200種類未満のプライマーと、300種類未満のプライマーと、400種類未満のプライマーと、500種類未満のプライマーと、750種類未満のプライマーと、または1,000種類未満のプライマーと接触させられる。
明らかな配列複雑性を有する核酸試料を増幅する方法であって、単一のプライマー、DNAポリメラーゼ、および核酸試料を接触させ、および核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下で核酸試料をインキュベートすることを含み、プライマーが特異的ヌクレオチド配列を有し、核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有し、核酸試料中の核酸分子の複製が鎖置換複製によって進行し、核酸試料中の核酸分子の複製が結果として核酸試料中の核酸分子の全部または相当な部分の複製を生じる方法もまた開示される。
核酸試料は少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有しうるか、核酸試料は少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有しうるか、核酸試料は少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有しうるか、核酸試料は少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有しうるか、または核酸試料は少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有しうる。核酸試料はゲノム、染色体、染色体断片、人工染色体、酵母人工染色体、細菌人工染色体、コスミド、または組み合わせであるかまたはそれに由来する。
核酸試料は血液試料、尿試料、精液試料、リンパ液試料、脳脊髄液試料、羊水試料、生検試料、針吸引生検試料、がん試料、腫瘍試料、組織試料、細胞試料、細胞溶解物試料、粗細胞溶解物試料、法医学試料、考古学的試料、感染試料、院内感染試料、製品試料、医薬調製物試料、生物学的分子製品試料、タンパク質調製物試料、脂質調製物試料、糖質調製物試料、またはその組み合わせであるかまたはそれに由来する。核酸試料は真核生物、植物、および動物、海産動物、脊椎動物、哺乳類、またはヒトであるかまたはそれに由来する。
ゲノムを増幅する方法であって、単一のプライマー、DNAポリメラーゼ、およびゲノム核酸試料を接触させ、およびゲノム核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でゲノム核酸試料をインキュベートすることを含み、プライマーが特異的ヌクレオチド配列を有し、ゲノム核酸試料がゲノムの全部または相当な部分を含み、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が鎖置換複製によって進行し、ゲノム核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有し、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が結果としてゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも0.01%の複製を生じる方法もまた開示される。
そのゲノム核酸試料中の核酸分子の複製は、結果としてゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも0.1%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも1%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも5%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも10%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも20%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも30%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも40%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも50%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも60%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも70%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも80%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも90%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも95%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも96%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも97%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも98%、またはゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも99%の複製を生じる。
ゲノムを増幅する方法であって、単一のプライマー、DNAポリメラーゼ、およびゲノム核酸試料を接触させ、およびゲノム核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でゲノム核酸試料をインキュベートすることを含み、プライマーが特異的ヌクレオチド配列を有し、ゲノム核酸試料がゲノムの全部または相当な部分を含み、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が鎖置換複製によって進行し、ゲノム核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有し、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が結果としてゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも0.1%の複製を生じる方法もまた開示される。
そのゲノム核酸試料中の核酸分子の複製は、結果としてゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも1%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも5%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも10%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも20%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも30%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも40%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも50%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも60%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも70%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも80%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも90%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも95%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも96%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも97%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも98%、またはゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも99%の複製を生じる。
ゲノムを増幅する方法であって、単一のプライマー、DNAポリメラーゼ、およびゲノム核酸試料を接触させ、およびゲノム核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でゲノム核酸試料をインキュベートすることを含み、プライマーが特異的ヌクレオチド配列を有し、ゲノム核酸試料がゲノムの全部または相当な部分を含み、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が鎖置換複製によって進行し、ゲノム核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有し、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が結果としてゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも1%の複製を生じる方法もまた開示される。
そのゲノム核酸試料中の核酸分子の複製は、結果としてゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも5%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも10%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも20%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも30%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも40%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも50%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも60%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも70%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも80%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも90%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも95%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも96%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも97%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも98%、またはゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも99%の複製を生じる。
ゲノムを増幅する方法であって、単一のプライマー、DNAポリメラーゼ、およびゲノム核酸試料を接触させ、およびゲノム核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でゲノム核酸試料をインキュベートすることを含み、プライマーが特異的ヌクレオチド配列を有し、ゲノム核酸試料がゲノムの全部または相当な部分を含み、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が鎖置換複製によって進行し、ゲノム核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有し、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が結果としてゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも10%の複製を生じる方法もまた開示される。
そのゲノム核酸試料中の核酸分子の複製は、結果としてゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも20%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも30%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも40%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも50%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも60%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも70%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも80%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも90%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも95%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも96%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも97%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも98%、またはゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも99%の複製を生じる。
ゲノムを増幅する方法であって、単一のプライマー、DNAポリメラーゼ、およびゲノム核酸試料を接触させ、およびゲノム核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でゲノム核酸試料をインキュベートすることを含み、プライマーが特異的ヌクレオチド配列を有し、ゲノム核酸試料がゲノムの全部または相当な部分を含み、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が鎖置換複製によって進行し、ゲノム核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有し、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が結果としてゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも80%の複製を生じる方法もまた開示される。
そのゲノム核酸試料中の核酸分子の複製は、結果としてゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも少なくとも90%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも95%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも96%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも97%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも98%、またはゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも99%の複製を生じる。
ゲノムを増幅する方法であって、単一のプライマー、DNAポリメラーゼ、およびゲノム核酸試料を接触させ、およびゲノム核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でゲノム核酸試料をインキュベートすることを含み、プライマーが特異的ヌクレオチド配列を有し、ゲノム核酸試料がゲノムの全部または相当な部分を含み、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が鎖置換複製によって進行し、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が結果として少なくとも10%の遺伝子座発現量を、少なくとも5個の異なる遺伝子座に関して生じる方法もまた開示される。そのゲノム核酸試料中の核酸分子の複製は、結果として少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも100%の遺伝子座発現量を、少なくとも5個の異なる遺伝子座に関して生じる。
ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製は、結果として少なくとも10%の遺伝子座発現量を、少なくとも6個の異なる遺伝子座、少なくとも7個の異なる遺伝子座、少なくとも8個の異なる遺伝子座、少なくとも9個の異なる遺伝子座、少なくとも10個の異なる遺伝子座、少なくとも11個の異なる遺伝子座、少なくとも12個の異なる遺伝子座、少なくとも13個の異なる遺伝子座、少なくとも14個の異なる遺伝子座、少なくとも15個の異なる遺伝子座、少なくとも16個の異なる遺伝子座、少なくとも17個の異なる遺伝子座、少なくとも18個の異なる遺伝子座、少なくとも19個の異なる遺伝子座、少なくとも20個の異なる遺伝子座、少なくとも25個の異なる遺伝子座、少なくとも30個の異なる遺伝子座、少なくとも40個の異なる遺伝子座、少なくとも50個の異なる遺伝子座、少なくとも75個の異なる遺伝子座、または少なくとも100個の異なる遺伝子座に関して生じる。
ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製は、結果として50倍未満の増幅偏りを生じる。ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製は、結果として45倍未満、40倍未満、35倍未満、30倍未満、25倍未満、20倍未満、19倍未満、18倍未満、17倍未満、16倍未満、15倍未満、14倍未満、13倍未満、12倍未満、11倍未満、10倍未満、9倍未満、8倍未満、7倍未満、6倍未満、5倍未満、または4倍未満の増幅偏りを生じる。
ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製は、結果として50倍未満の増幅偏りを、少なくとも5個の異なる遺伝子座に関して、少なくとも6個の異なる遺伝子座、少なくとも7個の異なる遺伝子座、少なくとも8個の異なる遺伝子座、少なくとも9個の異なる遺伝子座、少なくとも10個の異なる遺伝子座、少なくとも11個の異なる遺伝子座、少なくとも12個の異なる遺伝子座、少なくとも13個の異なる遺伝子座、少なくとも14個の異なる遺伝子座、少なくとも15個の異なる遺伝子座、少なくとも16個の異なる遺伝子座、少なくとも17個の異なる遺伝子座、少なくとも18個の異なる遺伝子座、少なくとも19個の異なる遺伝子座、少なくとも20個の異なる遺伝子座、少なくとも25個の異なる遺伝子座、少なくとも30個の異なる遺伝子座、少なくとも40個の異なる遺伝子座、少なくとも50個の異なる遺伝子座、少なくとも75個の異なる遺伝子座、または少なくとも100個の異なる遺伝子座に関して生じる。
高い配列複雑性の核酸試料を増幅する方法であって、単一のプライマー、DNAポリメラーゼ、および核酸試料を接触させ、および核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下で核酸試料をインキュベートすることを含み、プライマーが特異的ヌクレオチド配列を有し、核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有し、核酸試料中の核酸分子の複製が鎖置換複製によって進行し、核酸試料中の核酸分子の複製が結果として少なくとも10%の配列発現量を、少なくとも5個の異なる標的配列に関して生じる方法もまた開示される。
核酸試料中の核酸分子の複製は、結果として少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも100%の配列発現量を、少なくとも5個の異なる標的配列に関して生じる。
核酸試料中の核酸分子の複製は、結果として少なくとも10%の配列発現量を、少なくとも6個の異なる標的配列、少なくとも7個の異なる標的配列、少なくとも8個の異なる標的配列、少なくとも9個の異なる標的配列、少なくとも10個の異なる標的配列、少なくとも11個の異なる標的配列、少なくとも12個の異なる標的配列、少なくとも13個の異なる標的配列、少なくとも14個の異なる標的配列、少なくとも15個の異なる標的配列、少なくとも16個の異なる標的配列、少なくとも17個の異なる標的配列、少なくとも18個の異なる標的配列、少なくとも19個の異なる標的配列、少なくとも20個の異なる標的配列、少なくとも25個の異なる標的配列、少なくとも30個の異なる標的配列、少なくとも40個の異なる標的配列、少なくとも50個の異なる標的配列、少なくとも75個の異なる標的配列、または少なくとも100個の異なる標的配列に関して生じる。
核酸試料中の核酸分子の複製は、結果として50倍未満の増幅偏りを生じる。核酸試料中の核酸分子の複製は、結果として45倍未満、40倍未満、35倍未満、30倍未満、25倍未満、20倍未満、19倍未満、18倍未満、17倍未満、16倍未満、15倍未満、14倍未満、13倍未満、12倍未満、11倍未満、10倍未満、9倍未満、8倍未満、7倍未満、6倍未満、5倍未満、または4倍未満の増幅偏りを生じる。
核酸試料中の核酸分子の複製は、結果として50倍未満の増幅偏りを、少なくとも5個の異なる標的配列に関して、少なくとも6個の異なる標的配列、少なくとも7個の異なる標的配列、少なくとも8個の異なる標的配列、少なくとも9個の異なる標的配列、少なくとも10個の異なる標的配列、少なくとも11個の異なる標的配列、少なくとも12個の異なる標的配列、少なくとも13個の異なる標的配列、少なくとも14個の異なる標的配列、少なくとも15個の異なる標的配列、少なくとも16個の異なる標的配列、少なくとも17個の異なる標的配列、少なくとも18個の異なる標的配列、少なくとも19個の異なる標的配列、少なくとも20個の異なる標的配列、少なくとも25個の異なる標的配列、少なくとも30個の異なる標的配列、少なくとも40個の異なる標的配列、少なくとも50個の異なる標的配列、少なくとも75個の異なる標的配列、または少なくとも100個の異なる標的配列に関して生じる。
ゲノムを増幅する方法であって、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、およびゲノム核酸試料を接触させ、およびゲノム核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でゲノム核酸試料をインキュベートすることを含み、そのプライマーの組が1種類以上の選択プライマーを含み、各選択プライマーが特異的ヌクレオチド配列を有し、ゲノム核酸試料がゲノムの全部または相当な部分を含み、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が鎖置換複製によって進行し、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が結果としてゲノム核酸試料中の核酸配列の全部または相当な部分の複製を生じ、その組に含まれる各選択プライマーが、プライマー、DNAポリメラーゼ、および選択核酸試料を接触させ選択核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でインキュベートする際に選択核酸試料中の核酸配列の少なくとも80%の複製を生じることができ、選択核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有する方法もまた開示される。
プライマーの組はさらに少なくとも1種類の追加のプライマーを含むことができる。プライマーの組は少なくとも1種類の非選択プライマーをさらに含むことができ、その非選択プライマーは、プライマー、DNAポリメラーゼ、および選択核酸試料を接触させ選択核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でインキュベートする際に選択核酸試料中の核酸配列の80%未満の複製を生じる。
ゲノムを増幅する方法であって、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、およびゲノム核酸試料を接触させ、およびゲノム核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でゲノム核酸試料をインキュベートすることを含み、そのプライマーの組が1種類以上の選択プライマーを含み、各選択プライマーが特異的ヌクレオチド配列を有し、ゲノム核酸試料がゲノムの全部または相当な部分を含み、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が鎖置換複製によって進行し、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が結果としてゲノム核酸試料中の核酸分子の全部または相当な部分の複製を生じ、その組に含まれる各選択プライマーが、プライマー、DNAポリメラーゼ、および選択核酸試料を接触させ選択核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でインキュベートする際に、20倍未満の増幅偏りを、選択核酸試料中の少なくとも10個の核酸配列に関して生じることができ、選択核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有する方法もまた開示される。
ゲノムを増幅する方法であって、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、およびゲノム核酸試料を接触させ、およびゲノム核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でゲノム核酸試料をインキュベートすることを含み、そのプライマーの組が1種類以上の選択プライマーを含み、各選択プライマーが特異的ヌクレオチド配列を有し、ゲノム核酸試料がゲノムの全部または相当な部分を含み、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が鎖置換複製によって進行し、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が結果としてゲノム核酸試料中の核酸分子の全部または相当な部分の複製を生じ、その組に含まれる各選択プライマーが、プライマー、DNAポリメラーゼ、および選択核酸試料を接触させ選択核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でインキュベートする際に、少なくとも10%の配列発現量を、選択核酸試料中の少なくとも10個の核酸配列に関して生じることができ、選択核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有する方法もまた開示される。
核酸を増幅する方法であって、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および核酸試料を接触させ、および核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下で核酸試料をインキュベートすることを含み、そのプライマーの組が1種類以上の選択プライマーを含み、各選択プライマーが特異的ヌクレオチド配列を有し、核酸試料中の核酸分子の複製が鎖置換複製によって進行し、核酸試料中の核酸分子の複製が結果として核酸試料中の核酸分子の全部または相当な部分の複製を生じ、その組に含まれる各選択プライマーが、プライマー、DNAポリメラーゼ、および選択核酸試料を接触させ選択核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でインキュベートする際に、選択核酸試料中の核酸配列の少なくとも80%の複製を生じることができ、選択核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有する方法もまた開示される。
プライマーの組はさらに少なくとも1種類の追加のプライマーを含むことができる。プライマーの組は少なくとも1種類の非選択プライマーをさらに含むことができ、その非選択プライマーは、プライマー、DNAポリメラーゼ、および選択核酸試料を接触させ選択核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でインキュベートする際に選択核酸試料中の核酸配列の80%未満の複製を生じる。核酸試料は少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有しうる。
核酸を増幅する方法であって、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および核酸試料を接触させ、および核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下で核酸試料をインキュベートすることを含み、そのプライマーの組が1種類以上の選択プライマーを含み、各選択プライマーが特異的ヌクレオチド配列を有し、核酸試料中の核酸分子の複製が鎖置換複製によって進行し、核酸試料中の核酸分子の複製が結果として核酸試料中の核酸分子の全部または相当な部分の複製を生じ、その組に含まれる各選択プライマーが、プライマー、DNAポリメラーゼ、および選択核酸試料を接触させ選択核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でインキュベートする際に、20倍未満の増幅偏りを、選択核酸試料中の少なくとも10個の核酸配列に関して生じることができ、選択核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有する方法もまた開示される。
核酸を増幅する方法であって、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および核酸試料を接触させ、および核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下で核酸試料をインキュベートすることを含み、そのプライマーの組が1種類以上の選択プライマーを含み、各選択プライマーが特異的ヌクレオチド配列を有し、核酸試料中の核酸分子の複製が鎖置換複製によって進行し、核酸試料中の核酸分子の複製が結果として核酸試料中の核酸分子の全部または相当な部分の複製を生じ、その組に含まれる各選択プライマーが、プライマー、DNAポリメラーゼ、および選択核酸試料を接触させ選択核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でインキュベートする際に、少なくとも10%の配列発現量を、選択核酸試料中の少なくとも10個の核酸配列に関して生じることができ、選択核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有する方法もまた開示される。
核酸を増幅する方法であって、標的配列を含む核酸を高温にて、鎖置換活性を有する熱不安定性核酸ポリメラーゼ、添加剤、および一組のプライマーの存在下で、核酸の複製を促進する条件下でインキュベートすることを含む方法が開示される。核酸の複製は、複製された鎖を結果として生じる。複製中に、複製された核酸鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって置換される。標的配列からの複製された鎖の形成は、非標的配列からの複製された鎖の形成よりも有利である。
全ゲノムを増幅する方法であって、細胞をアルカリ性条件に曝露して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物のpHを低下させて安定化した細胞溶解物を生じ、および安定化した細胞溶解物を高温にて、鎖置換活性を有する熱不安定性核酸ポリメラーゼ、添加剤、および一組のプライマーの存在下で、核酸の複製を促進する条件下でインキュベートすることを含む方法もまた開示される。核酸の複製は、複製された鎖を結果として生じる。複製中に、複製された核酸鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって置換される。標的配列からの複製された鎖の形成は、非標的配列からの複製された鎖の形成よりも有利である。細胞溶解物は全ゲノムを含む。
鎖置換核酸合成を高温にて実施する方法であって、鎖置換活性を有する熱不安定性核酸ポリメラーゼ、標的配列を含む核酸、一組のプライマー、および添加剤を混合し、および高温にておよび標的配列へのプライマーのハイブリダイゼーションおよびテンプレート依存的方法でのプライマーの3’末端への連続的なヌクレオチドの付加によるプライマーの伸長に有利になる条件下でインキュベートすることを含み、その伸長の結果として標的配列の複製が生じる方法もまた開示される。
全ゲノムを増幅する方法であって、細胞をアルカリ性条件に曝露して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物は全ゲノムを含み、細胞溶解物のpHを低下させて安定化した細胞溶解物を生じ、および安定化した細胞溶解物を高温にて、鎖置換活性を有する熱不安定性核酸ポリメラーゼ、添加剤、一組のプライマー、およびデオキシリボヌクレオチド三リン酸の存在下で、核酸の複製を促進する条件下でインキュベートすることを含む方法もまた開示される。複製中に、複製された核酸鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって置換される。標的配列からの複製された鎖の形成は、非標的配列からの複製された鎖の形成よりも有利である。複製反応におけるテンプレート依存性伸長産物の形成は、非テンプレート産物の形成よりも有利である。
鎖置換核酸合成を高温にて実施する方法であって、鎖置換活性を有する熱不安定性核酸ポリメラーゼ、1本鎖テンプレート核酸、一組のプライマー、デオキシリボヌクレオチド三リン酸および添加剤を混合し、および高温にておよびテンプレート核酸へのプライマーのハイブリダイゼーションおよびテンプレート依存的方法でのプライマーの3’末端への連続的なヌクレオチドの付加によるプライマーの伸長に有利になる条件下でインキュベートすることを含み、前記重合の結果として前記テンプレート核酸の複製が生じる方法もまた開示される。
核酸を増幅する方法であって、核酸を高温にて、鎖置換活性を有する熱不安定性核酸ポリメラーゼ、添加剤、一組のプライマー、およびデオキシリボヌクレオチド三リン酸の存在下で、核酸の複製を促進する条件下でインキュベートすることを含む方法もまた開示される。複製中に、複製された核酸鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって置換される。複製反応におけるテンプレート依存性伸長産物の形成は、非テンプレート産物の形成よりも有利である。
高温は、核酸ポリメラーゼが添加剤の非存在下で実質的にテンプレート依存性重合を行うことができない温度であることができる。高温は、前記ポリメラーゼが前記添加剤の非存在下で実質的にテンプレート依存性重合を行うことができない温度を含みうる。高温は摂氏30度より高い温度であることができる。高温は摂氏32度より高い温度であることができる。高温は摂氏35度より高い温度であることができる。高温は摂氏37度より高い温度であることができる。熱不安定性核酸ポリメラーゼはファイ29DNAポリメラーゼであることができる。熱不安定性核酸ポリメラーゼはファイ29DNAポリメラーゼ、大腸菌(E.coli)DNAポリメラーゼ、Bst大断片DNAポリメラーゼ、BcaDNAポリメラーゼ、ファージM2DNAポリメラーゼ、ファージφPRD1 DNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼIのクレノー断片、T5DNAポリメラーゼ、T4DNAポリメラーゼホロ酵素、または組み合わせであることができる。
プライマーの組は少なくとも2種類のプライマーを含みうる。プライマーの組は少なくとも10種類のプライマーを含みうる。プライマーの組は少なくとも50種類のプライマーを含みうる。プライマーの組は200種類より多いプライマーを含みうる。プライマーの組は1023種類より多いプライマーを含みうる。プライマーの組に含まれるプライマーはそれぞれ長さ6ヌクレオチドであることができる。プライマーの組に含まれるプライマーはそれぞれ長さ8ヌクレオチドであることができる。プライマーの組に含まれるプライマーはそれぞれ長さ8ヌクレオチドより長くなりうる。プライマーの組に含まれるプライマーのうち2種類以上が異なる長さであることができる。
添加剤は糖または糖の組み合わせを含みうる。添加剤はトレハロース、グルコース、スクロース、または組み合わせを含みうる。添加剤は糖、シャペロン、タンパク質、または組み合わせを含みうる。鎖置換複製は添加剤の存在下で行われる。添加剤はトレハロースを含みうる。核酸、核酸ポリメラーゼ、添加剤、およびプライマーの組のインキュベートは、デオキシリボヌクレオチド三リン酸の存在下であることができる。
標的配列から複製された鎖の非標的配列から複製された鎖に対する比率は、核酸が同一の核酸ポリメラーゼおよびプライマーの組の存在下でおよび高温以外は同一の条件下でインキュベートされる場合、標的配列から複製された鎖の非標的配列から複製された鎖に対する比率より小さい。
核酸を増幅するためのキットであって、鎖置換活性を有する熱不安定性核酸ポリメラーゼ、添加剤、および一組のプライマーを含み、標的配列を含む核酸を高温にて、熱不安定性核酸ポリメラーゼ、添加剤、および一組のプライマーの存在下で、核酸の複製を促進する条件下でインキュベートする結果として、複製された鎖が生じおよび非標的配列からの複製された鎖の形成を優先して標的配列からの複製された鎖の形成を生じるキットもまた開示される。
高温は、核酸ポリメラーゼが添加剤の非存在下で実質的にテンプレート依存性重合を行うことができない温度であることができる。熱不安定性核酸ポリメラーゼ、添加剤、およびプライマーの組は、標的配列を含む核酸を高温にて、熱不安定性核酸ポリメラーゼ、添加剤、および一組のプライマーの存在下で、核酸の複製を促進する条件下でインキュベートする結果として、複製された鎖が生じおよび非標的配列からの複製された鎖の形成を優先して標的配列からの複製された鎖の形成を生じるように選択することができる。
核酸ポリメラーゼはファイ29DNAポリメラーゼであることができる。添加剤は糖、シャペロン、タンパク質、トレハロース、グルコース、スクロース、または組み合わせであることができる。添加剤はトレハロースを含むことができ、プライマーの組はエキソヌクレアーゼ耐性ランダム六量体プライマーを含むことができ、および核酸ポリメラーゼはファイ29DNAポリメラーゼを含むことができる。キットはさらに、適当な量で混合した際に、10mM MgCl、37.5mMトリス−HCl、pH7、50mM KCl、20mM硫酸アンモニウム、および1mM dNTPの終濃度を有する反応混合物を生じる1種類以上の成分を含むことができる。キットはさらに、安定化溶液、溶解溶液、プライマーの組、ジチオスレイトール、リン酸緩衝生理食塩水、および対照DNAテンプレートを含む反応混合物のうち任意の1つまたは組み合わせを含むことができる。安定化溶液は800mMトリス−HCl、pH4を含むことができ;溶解溶液は400 mM KOH、100 mM ジチオスレイトール、および10 mM EDTAを含むことができ;反応混合物は150 mMトリス−HCl、200 mM KCl、40 mM MgCl、20 mM (NHSO、4mMデオキシヌクレオチド三リン酸、および0.2mMランダム六量体プライマーを含むことができ;ジチオスレイトールは1Mジチオスレイトールを含むことができ;およびリン酸緩衝生理食塩水は1Xリン酸緩衝生理食塩水、pH7.5を含むことができる。
標的核酸配列を増幅する方法であって、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および標的試料を接触させ、および標的配列の複製を促進する条件下で標的試料をインキュベートすることを含むことができる方法が開示される。標的配列の複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって置換される。標的試料は変性条件に供されない。本方法はさらに、複製された鎖を、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼを用いて標識化することを含みうる。
本方法はさらに、複製された鎖を希釈し、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および希釈した複製された鎖を接触させ、および標的配列の複製を促進する条件下でその複製された鎖をインキュベートすることを含みうる。標的配列の複製は、追加の複製された鎖を結果として生じ、ここで複製中に、追加の複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の追加の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換される。本方法はさらに、下記の操作を1回以上実施することを含みうる:追加の複製された鎖を希釈し、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および希釈した複製された鎖を接触させ、および標的配列の複製を促進する条件下でその複製された鎖をインキュベートする。標的配列の複製は、追加の複製された鎖を結果として生じ、ここで複製中に、追加の複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の追加の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換される。本方法はさらに、ポリメラーゼ−標的試料混合物を、鎖置換を促進する条件下でインキュベートすることを含みうる。本方法はさらに、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および第2の標的試料を接触させ、および標的配列の複製を促進する条件下で第2の標的試料をインキュベートすることを含みうる。第2の標的試料は変性条件に供されない。標的配列の複製は、複製された鎖を結果として生じ、ここで複製中に、少なくとも複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換される。
プライマーは長さ5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20ヌクレオチドであることができる。プライマーは長さ5、6、7、8、9、または10ヌクレオチドであることができる。プライマーは長さ5、6、7、または8ヌクレオチドであることができる。プライマーは長さ6、7、または8ヌクレオチドであることができる。プライマーは長さ6ヌクレオチドであることができる。プライマーが3’−5’エキソヌクレアーゼに対して耐性となるように、プライマーはそれぞれ少なくとも1個の修飾ヌクレオチドを含むことができる。DNAポリメラーゼは、バクテリオファージφ29DNAポリメラーゼ、TtsDNAポリメラーゼ、ファージM2DNAポリメラーゼ、VENT(登録商標)DNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼIのクレノー断片、T5DNAポリメラーゼ、PRD1DNAポリメラーゼ、T4DNAポリメラーゼホロ酵素、T7未変性ポリメラーゼT7シークエナーゼ(登録商標)、またはBstDNAポリメラーゼであることができる。DNAポリメラーゼはφ29DNAポリメラーゼであることができる。
プライマーは長さ6ヌクレオチドであることができ、プライマーがヌクレアーゼ耐性となるようにプライマーはそれぞれ少なくとも1個の修飾ヌクレオチドを含むことができ、およびDNAポリメラーゼはφ29DNAポリメラーゼであることができる。複製された鎖は、複製された鎖への修飾ヌクレオチドの付加によって標識化することができる。修飾ヌクレオチドは、ビオチニル化ヌクレオチド、蛍光ヌクレオチド、5メチルdCTP、BrdUTP、または5−(3−アミノアリル)−2’−デオキシウリジン5’−三リン酸であることができる。修飾ヌクレオチドは複製された鎖へ複製中に組み込むことができる。修飾ヌクレオチドは、ビオチニル化ヌクレオチド、蛍光ヌクレオチド、5メチルdCTP、BrdUTP、または5−(3−アミノアリル)−2’−デオキシウリジン5’−三リン酸.修飾ヌクレオチド5−(3−アミノアリル)−2’−デオキシウリジン5’−三リン酸であることができ、および複製された鎖は、組み込まれた5−(3−アミノアリル)−2’−デオキシウリジンと標識を反応させることによって標識化することができる。標識は、フルオレセインイソチオシアナート、5,6−カルボキシメチルフルオレセイン、テキサスレッド、ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イル、クマリン、塩化ダンシル、ローダミン、アミノメチルクマリン、エオシン、エリスロシン、BODIPY(登録商標)、カスケードブルー(登録商標)、オレゴングリーン(登録商標)、ピレン、リサミン、キサンチン、アクリジン、オキサジン、フィコエリトリン、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7、またはその組み合わせであることができる。
標的試料を熱変性条件に供する必要は無い。標的配列は2本の鎖を含むことができ、およびプライマーの組は、標的配列の鎖のうち一方と相補的な3種類以上のプライマー、および標的配列の鎖のもう一方と相補的な少なくとも1種類のプライマーを含むことができる。プライマーの組は、標的配列の同一の鎖と相補的な3種類以上のプライマーを有しうる。プライマーの組は、標的配列の同一の鎖と相補的な4種類以上のプライマーを有しうる。プライマーの組は4種類以上のプライマーを有しうる。プライマーの組は5種類以上のプライマーを有しうる。標的配列の複製を促進する条件は実質的に等温であることができる。標的配列の複製を促進する条件は熱サイクル反応が関係する必要は無い。その条件は熱サイクル反応を含む必要は無い。標的配列は増幅標的およびハイブリダイゼーション標的を含むことができ、ハイブリダイゼーション標的は増幅標的に隣接することができ、プライマーの組は複数のプライマーを含むことができ、各プライマーは相補的部分を含むことができ、ここでプライマーのその相補的部分はそれぞれハイブリダイゼーション標的の異なる部分と相補的であることができる。
プライマーの組はプライマーの右組およびプライマーの左組を含むことができ、標的配列は第1および第2の鎖を有する2本鎖であることができ、ハイブリダイゼーション標的は右および左のハイブリダイゼーション標的を含むことができ、ここで右ハイブリダイゼーション標的は増幅標的の一方の端に隣接することができおよび左ハイブリダイゼーション標的は増幅標的の反対側の端に隣接することができる。右組プライマーの相補的部分は(i)全部が標的配列の第1の鎖と相補的および(ii)それぞれが右ハイブリダイゼーション標的の異なる部分と相補的であることができ、および、左組プライマーの相補的部分は(i)全部が標的配列の第2の鎖と相補的および(ii)それぞれが左ハイブリダイゼーション標的の異なる部分と相補的であることができる。
プライマーの右組および左組はそれぞれ、3種類以上のプライマーを有しうる。プライマーの右組および左組はそれぞれ、4種類以上のプライマーを有しうる。プライマーの右組および左組はそれぞれ、5種類以上のプライマーを有しうる。プライマーの右組および左組はそれぞれ、同数のプライマーを有しうる。標的配列は相当な複雑性の核酸試料であることができ、およびプライマーの組はランダムヌクレオチド配列を有するプライマーを含むことができる。標的配列はゲノム核酸の試料であることができる。プライマーは長さ5ないし20ヌクレオチドであることができる。プライマーは長さ5ないし10ヌクレオチドであることができる。プライマーは長さ6、7、または8ヌクレオチドであることができる。プライマーは長さ6ヌクレオチドであることができる。プライマーは全部が同一の長さであることができる。各プライマーは定常部分およびランダム部分を含むことができ、ここで各プライマーの定常部分は同一のヌクレオチド配列を有することができ、および各プライマーのランダム部分はランダムヌクレオチド配列を有することができる。
標的配列は連結されたDNAであることができる。連結されたDNAは、リンカーで連結されていることができる。各リンカーはプライマー相補部分を含むことができ、各プライマーは相補的部分を含むことができ、および各プライマーの相補的部分は、リンカーの相補的部分と相補的であることができる。プライマーの組は、ランダムヌクレオチド配列を有するプライマーを含むことができる。各プライマーは定常部分およびランダム部分を含むことができ、各プライマーの定常部分は同一のヌクレオチド配列を有することができ、および各プライマーのランダム部分はランダムヌクレオチド配列を有することができる。連結されたDNAは、DNA断片をライゲーションで繋ぐことによって生じることができる。DNA断片は、mRNAから作製したcDNAであることができる。mRNAは、細胞から単離されたmRNAの混合物を含むことができる。標的配列は、ローリング・サークル複製によって合成された単一の配列の複数タンデムリピートから成る核酸分子である必要は無い。
プライマーはヌクレオチドを含むことができ、そのヌクレオチドの1種類以上はリボヌクレオチドであることができる。そのヌクレオチドの約10%ないし約50%はリボヌクレオチドであることができる。そのヌクレオチドの約50%以上はリボヌクレオチドであることができる。そのヌクレオチドの全部はリボヌクレオチドであることができる。プライマーはヌクレオチドを含むことができ、そのヌクレオチドの1種類以上は2’−O−メチルリボヌクレオチドであることができる。そのヌクレオチドの約10%ないし約50%は2’−O−メチルリボヌクレオチドであることができる。そのヌクレオチドの約50%以上は2’−O−メチルリボヌクレオチドであることができる。そのヌクレオチドの全部は2’−O−メチルリボヌクレオチドであることができる。プライマーはヌクレオチドを含むことができ、そのヌクレオチドはリボヌクレオチドおよび2’−O−メチルリボヌクレオチドの混合物であることができる。プライマーはヌクレオチドを含むことができ、そのヌクレオチドは塩基を含むことができ、およびその塩基の1種類以上はユニバーサル塩基であることができる。ユニバーサル塩基のうち少なくとも1種類は3−ニトロピロールであることができる。ユニバーサル塩基は5−ニトロインドールであることができる。その塩基の約10%ないし約50%はユニバーサル塩基であることができる。その塩基の約50%以上はユニバーサル塩基であることができる。その塩基の全部はユニバーサル塩基であることができる。
標的試料は、生検試料、血液試料、尿試料、細胞試料、または組織試料であることができる。標的試料は針吸引生検試料である。標的試料中の核酸を、標的試料中の他の物質から分離する必要は無い。標的試料は粗細胞溶解物であることができる。標的試料を細胞溶解を超えて処理する必要は無い。複製された鎖を分析することができる。複製された鎖を1種類以上のDNAチップを用いて分析することができる。複製された鎖をハイブリダイゼーションを用いて分析することができる。複製された鎖を核酸配列決定を用いて分析することができる。複製された鎖をその分析の前、後、または前および後の両方に保存することができる。標的試料は血液試料、尿試料、精液試料、リンパ液試料、脳脊髄液試料、羊水試料、生検試料、針吸引生検試料、がん試料、腫瘍試料、組織試料、細胞試料、細胞溶解物試料、粗細胞溶解物試料、法医学試料、考古学的試料、感染試料、院内感染試料、製品試料、医薬調製物試料、生物学的分子製品試料、タンパク質調製物試料、脂質調製物試料、糖質調製物試料、またはその組み合わせであることができる。
試料は血液試料であることができる。試料は針吸引生検試料であることができる。試料は粗細胞溶解物試料であることができる。試料は院内感染試料であることができる。試料は患者に由来することができる。試料は生物学的分子製品試料であることができる。複製された鎖の産生は試料中における核酸の存在を示すことができる。生じた複製された鎖の量は、試料中の核酸の量を示すことができる。試料は医薬品調製物試料であることができる。試料は腫瘍試料であることができる。試料は羊水試料であることができる。標的試料から生じた複製された鎖は、試料の核酸フィンガープリントを表すことができる。
第2の標的試料は、第1の標的試料と同一の種類の生物に由来する試料であることができる。第2の標的試料は、第1の標的試料と同一の種類の組織に由来する試料であることができる。第2の標的試料は、第1の標的試料と同一の生物に由来する試料であることができる。第2の標的試料は、第1の標的試料とは異なる時に得ることができる。第2の標的試料は、第1の標的試料とは異なる生物に由来する試料であることができる。第2の標的試料は、第1の標的試料とは異なる種類の組織に由来する試料であることができる。第2の標的試料は、第1の標的試料とは異なる種の生物に由来する試料であることができる。第2の標的試料は、第1の標的試料とは異なる系統の生物に由来する試料であることができる。第2の標的試料は、第1の標的試料とは異なる細胞区画に由来する試料であることができる。
環状核酸分子が標的配列を含むことができる。環状核酸分子は、制限エンドヌクレアーゼを用いてゲノムDNAを消化し、および消化されたDNAを環状化することによって作製できる。消化されたDNAは、DNAまたはRNAリガーゼを用いて環状化することができる。消化されたDNAは、副子またはアダプタを用いて環状化することができる。標的配列は増幅標的およびハイブリダイゼーション標的を含むことができ、ハイブリダイゼーション標的は増幅標的に隣接することができ、プライマーの組は複数のプライマーを含むことができ、各プライマーは相補的部分を含むことができ、およびプライマーの相補的部分はそれぞれ、ハイブリダイゼーション標的の異なる部分と相補的であることができる。
プライマーの組はプライマーの右組およびプライマーの左組を含むことができ、標的配列は第1および第2の鎖を有する2本鎖であることができ、ハイブリダイゼーション標的は右および左のハイブリダイゼーション標的を含むことができ、および、右ハイブリダイゼーション標的は増幅標的の一方の端に隣接することができおよび左ハイブリダイゼーション標的は増幅標的の反対側の端に隣接する。右組プライマーの相補的部分は(i)全部が標的配列の第1の鎖と相補的および(ii)それぞれが右ハイブリダイゼーション標的の異なる部分と相補的であることができ、および、左組プライマーの相補的部分は(i)全部が標的配列の第2の鎖と相補的および(ii)それぞれが左ハイブリダイゼーション標的の異なる部分と相補的であることができる。
環状核酸分子は、cDNAを環状化することによって作製できる。環状核酸分子は、mRNA/cDNAハイブリッドを環状化することによって作製される。mRNA/cDNAハイブリッドは、DNAまたはRNAリガーゼを用いて環状化することができる。mRNA/cDNAハイブリッドは、副子またはアダプタを用いて環状化することができる。
標的核酸配列を増幅する方法であって、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および標的試料を接触させ、および標的配列の複製を促進する条件下で標的試料をインキュベートすることを含む方法もまた開示される。標的試料中の核酸は、標的試料中の他の物質から分離されない。標的配列の複製は、複製された鎖を結果として生じ、ここで複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換される。
本方法はさらに、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および第2の標的試料を接触させ、および標的配列の複製を促進する条件下で第2の標的試料をインキュベートすることを含みうる。第2の標的試料は変性条件に供されない。標的配列の複製は、複製された鎖を結果として生じ、ここで複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換される。
標的試料は粗細胞溶解物であることができる。標的試料を、細胞溶解を超えて処理する必要は無い。試料は血液試料、尿試料、精液試料、リンパ液試料、脳脊髄液試料、羊水試料、生検試料、針吸引生検試料、がん試料、腫瘍試料、組織試料、細胞試料、細胞溶解物試料、粗細胞溶解物試料、法医学試料、考古学的試料、感染試料、院内感染試料、製品試料、医薬品調製物試料、生物学的分子製品試料、タンパク質調製物試料、脂質調製物試料、糖質調製物試料、またはその組み合わせであることができる。試料は血液試料であることができる。試料は針吸引生検試料であることができる。試料は粗細胞溶解物試料であることができる。試料は院内感染試料であることができる。試料は患者に由来することができる。試料は生物学的分子製品試料であることができる。
複製された鎖の産生は試料中における核酸の存在を示すことができる。生じた複製された鎖の量は、試料中の核酸の量を示すことができる。試料は医薬品調製物試料であることができる。標的試料は腫瘍試料であることができる。標的試料は羊水試料であることができる。標的試料から生じた複製された鎖は、試料の核酸フィンガープリントを表すことができる。
第2の標的試料は、第1の標的試料と同一の種類の生物に由来する試料であることができる。第2の標的試料は、第1の標的試料と同一の種類の組織に由来する試料であることができる。第2の標的試料は、第1の標的試料と同一の生物に由来する試料であることができる。第2の標的試料は、第1の標的試料とは異なる時に得ることができる。第2の標的試料は、第1の標的試料とは異なる生物に由来する試料であることができる。第2の標的試料は、第1の標的試料とは異なる種類の組織に由来する試料であることができる。第2の標的試料は、第1の標的試料とは異なる種の生物に由来する試料であることができる。第2の標的試料は、第1の標的試料とは異なる系統の生物に由来する試料であることができる。第2の標的試料は、第1の標的試料とは異なる細胞区画に由来する試料であることができる。
標的核酸配列を増幅する方法であって、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および標的試料を接触させ、および標的配列の複製を促進する条件下で標的試料をインキュベートすることを含む方法もまた開示される。標的試料は粗細胞溶解物である。標的配列の複製は、複製された鎖を結果として生じ、ここで複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換される。
標的核酸配列を増幅する方法であって、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および標的試料を接触させ、および標的配列の複製を促進する条件下で標的試料をインキュベートすることを含む方法もまた開示される。プライマーは長さ5、6、7、8、9、または10ヌクレオチドである。標的配列の複製は、複製された鎖を結果として生じ、ここで複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換される。
標的核酸配列を増幅する方法であって、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および標的試料を接触させ、および標的配列の複製を促進する条件下で標的試料をインキュベートすることを含む方法もまた開示される。プライマーがヌクレアーゼ耐性となるようにプライマーはそれぞれ少なくとも1個の修飾ヌクレオチドを含むことができる。標的配列の複製は、複製された鎖を結果として生じ、ここで複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換される。
標的核酸配列を増幅する方法であって、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および標的試料を接触させ、および標的配列の複製を促進する条件下で標的試料をインキュベートすることを含む方法もまた開示される。プライマー−標的試料は変性条件に供されず、プライマーは長さ6ヌクレオチドであり、プライマーがヌクレアーゼ耐性となるようにプライマーはそれぞれ少なくとも1個の修飾ヌクレオチドを含み、およびDNAポリメラーゼはφ29DNAポリメラーゼである。標的配列の複製は、複製された鎖を結果として生じ、ここで複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換される。
標的核酸配列を増幅する方法であって、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および標的試料を接触させ、および標的配列の複製を促進する条件下で標的試料をインキュベートすることを含む方法もまた開示される。標的配列の複製は、複製された鎖を結果として生じ、ここで複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換される。本方法はさらに、複製された鎖を希釈し、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および希釈した複製された鎖を接触させ、および標的配列の複製を促進する条件下でその複製された鎖をインキュベートすることを含む。標的配列の複製は、追加の複製された鎖を結果として生じ、ここで複製中に、追加の複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の追加の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換される。
本方法はさらに、下記の操作を1回以上実施することを含みうる:追加の複製された鎖を希釈し、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および希釈した複製された鎖を接触させ、および標的配列の複製を促進する条件下でその複製された鎖をインキュベートする。標的配列の複製は、追加の複製された鎖を結果として生じ、ここで複製中に、追加の複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の追加の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換される。
標的核酸配列を増幅する方法であって、
(a)一組のプライマーを標的試料と混合して、プライマー−標的試料混合物を生じ、およびプライマー−標的試料混合物中のプライマーと標的配列との間のハイブリダイゼーションを促進する条件下でプライマー−標的試料混合物をインキュベートすること、および
(b)DNAポリメラーゼをプライマー−標的試料混合物と混合して、ポリメラーゼ−標的試料混合物を生じ、および標的配列の複製を促進する条件下でポリメラーゼ−標的試料混合物をインキュベートすること
を含む方法もまた開示される。
プライマーの組はプライマーの右組およびプライマーの左組を含み、標的配列は2本鎖であって、第1および第2の鎖を有し、右組のプライマーは全部が標的配列の第1の鎖と相補的であり、および左組のプライマーは全部が標的配列の第2の鎖と相補的である。標的配列の複製は、複製された鎖を結果として生じ、ここで複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換される。プライマーの右組は4種類以上のプライマーを有することができ、およびプライマーの左組は4種類以上のプライマーを有する。
標的核酸配列を増幅する方法であって、
(a)一組のプライマーを標的試料と混合して、プライマー−標的試料混合物を生じ、およびプライマー−標的試料混合物中のプライマーと標的配列との間のハイブリダイゼーションを促進する条件下でプライマー−標的試料混合物をインキュベートし、ここでプライマー−標的試料は変性条件に供されないこと,および
(b)DNAポリメラーゼをプライマー−標的試料混合物と混合して、ポリメラーゼ−標的試料混合物を生じ、および標的配列の複製を促進する条件下でポリメラーゼ−標的試料混合物をインキュベートすること
を含む方法もまた開示される。
標的配列の複製は、複製された鎖を結果として生じ、ここで複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換される。標的配列は相当な複雑性を有する核酸試料であり、およびプライマーの組はランダムヌクレオチド配列を有するプライマーを含む。
標的核酸配列を増幅する方法であって、
(a)一組のプライマーを標的試料と混合して、プライマー−標的試料混合物を生じ、およびプライマー−標的試料混合物中のプライマーと標的配列との間のハイブリダイゼーションを促進する条件下でプライマー−標的試料混合物をインキュベートし、ここでプライマー−標的試料は変性条件に供されないこと,および
(b)DNAポリメラーゼをプライマー−標的試料混合物と混合して、ポリメラーゼ−標的試料混合物を生じ、および標的配列の複製を促進する条件下でポリメラーゼ−標的試料混合物をインキュベートすること
を含む方法もまた開示される。
プライマーの組に含まれるすべてのプライマーは、標的配列中の同一の鎖と相補的である。標的配列の複製は、複製された鎖を結果として生じ、ここで複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換される。プライマーの組は3種類以上のプライマーを有しうる。
標的核酸配列を増幅する方法であって、
(a)一組のプライマーを標的試料と混合して、プライマー−標的試料混合物を生じ、およびプライマー−標的試料混合物中のプライマーと標的配列との間のハイブリダイゼーションを促進する条件下でプライマー−標的試料混合物をインキュベートし、ここでプライマー−標的試料は変性条件に供されないこと,および
(b)DNAポリメラーゼをプライマー−標的試料混合物と混合して、ポリメラーゼ−標的試料混合物を生じ、および標的配列の複製を促進する条件下でポリメラーゼ−標的試料混合物をインキュベートすること
を含む方法もまた開示される。
標的配列の複製は、複製された鎖を結果として生じ、ここで複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換される。標的配列は相当な複雑性を有する核酸試料であり、およびプライマーの組はランダムヌクレオチド配列を有するプライマーを含む。各プライマーは定常部分およびランダム部分を含み、各プライマーの定常部分は同一のヌクレオチド配列を有し、および各プライマーのランダム部分はランダムヌクレオチド配列を有する。
標的核酸配列を増幅する方法であって、
(a)一組のプライマーを標的試料と混合して、プライマー−標的試料混合物を生じ、およびプライマー−標的試料混合物中のプライマーと標的配列との間のハイブリダイゼーションを促進する条件下でプライマー−標的試料混合物をインキュベートし、ここでプライマー−標的試料は変性条件に供されないこと、および
(b)DNAポリメラーゼをプライマー−標的試料混合物と混合して、ポリメラーゼ−標的試料混合物を生じ、および標的配列の複製を促進する条件下でポリメラーゼ−標的試料混合物をインキュベートすること
を含む方法もまた開示される。
標的配列の複製は、複製された鎖を結果として生じ、ここで複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換される。標的配列の複製を促進する条件は熱サイクル反応が関係せず、および標的配列は連結されたDNAである。
標的核酸配列を増幅する方法であって、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および標的試料を接触させ、および標的配列の複製を促進する条件下で標的試料をインキュベートすることを含む方法もまた開示される。標的試料は変性条件に供されない。標的配列の複製は、複製された鎖を結果として生じ、ここで複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換される。プライマーの組は、標的配列の同一の鎖と相補的な3種類以上のプライマーを有しうる。
標的核酸配列を増幅する方法であって、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および標的試料を接触させ、および標的配列の複製を促進する条件下で標的試料をインキュベートすることを含む方法もまた開示される。標的試料は変性条件に供されない。標的配列の複製は、複製された鎖を結果として生じ、ここで複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換される。標的配列は相当な複雑性を有する核酸試料であり、およびプライマーの組はランダムヌクレオチド配列を有するプライマーを含む。
標的核酸配列を増幅する方法であって、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および標的試料を接触させ、および標的配列の複製を促進する条件下で標的試料をインキュベートすることを含む方法もまた開示される。標的試料は変性条件に供されない。プライマーの組に含まれるすべてのプライマーは標的配列の同一の鎖と相補的である。標的配列の複製は、複製された鎖を結果として生じ、ここで複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換される。プライマーの組は3種類以上のプライマーを有しうる。
標的核酸配列を増幅する方法であって、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および標的試料を接触させ、および標的配列の複製を促進する条件下で標的試料をインキュベートすることを含む方法もまた開示される。標的試料は変性条件に供されない。標的配列の複製は、複製された鎖を結果として生じ、ここで複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換される。標的配列は相当な複雑性を有する核酸試料であり、およびプライマーの組はランダムヌクレオチド配列を有するプライマーを含む。各プライマーは定常部分およびランダム部分を含み、各プライマーの定常部分は同一のヌクレオチド配列を有し、および各プライマーのランダム部分はランダムヌクレオチド配列を有する。
標的核酸配列を増幅する方法であって、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および標的試料を接触させ、および標的配列の複製を促進する条件下で標的試料をインキュベートすることを含む方法もまた開示される。標的試料は変性条件に供されない。標的配列の複製は、複製された鎖を結果として生じ、ここで複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換される。標的配列の複製を促進する条件は熱サイクル反応が関係せず、および標的配列は連結されたDNAである。
標的核酸配列を増幅する方法であって、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および標的試料を接触させ、および標的配列の複製を促進する条件下で標的試料をインキュベートすることを含む方法もまた開示される。標的試料は熱変性条件に供されない。標的配列の複製は、複製された鎖を結果として生じ、ここで複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換される。
鎖置換複製によって生じた核酸を標識化する方法であって、鎖置換複製によって生じた核酸を末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼを用いて標識化することを含む方法もまた開示される。複製された鎖は、核酸の3’末端への修飾ヌクレオチドの付加によって標識化することができる。修飾ヌクレオチドは、ビオチニル化ヌクレオチド、蛍光ヌクレオチド、5メチルdCTP、BrdUTP、または5−(3−アミノアリル)−2’−デオキシウリジン5’−三リン酸であることができる。
鎖置換複製によって生じた核酸を標識化する方法であって、鎖置換複製によって生じた核酸へ複製中に修飾ヌクレオチドを組み込むことを含む方法もまた開示される。
鎖置換複製によって生じた核酸を結合する方法であって、鎖置換複製によって生じた核酸の3’末端へ修飾ヌクレオチドを末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼを用いて付加し、および修飾ヌクレオチドを固相担体と反応させてそれによって核酸を固相担体へ結合させることを含む方法もまた開示される。
鎖置換複製によって生じ、基材へ結合または接着された核酸を含むマイクロアレイもまた開示される。
標的核酸配列に基づくプローブを作製する方法であって、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および標的試料を接触させ、および標的配列の複製を促進する条件下で標的試料をインキュベートすることを含む方法もまた開示される。標的配列の複製は、複製された鎖を結果として生じ、ここで複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換される。複製された鎖はハイブリダイゼーションプローブとして使用される。本方法はさらに、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼを用いてハイブリダイゼーションプローブを標識化することを含みうる。
メッセンジャーRNAを増幅する方法であって、メッセンジャーRNAを逆転写して第1の鎖cDNAを生じ、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および第1の鎖cDNAを接触させ、および第1の鎖cDNAの複製を促進する条件下でインキュベートすることを含む方法もまた開示される。第1の鎖cDNAの複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって第1の鎖cDNAから置換される。本方法はさらに、複製の前に、RNAseHを用いてメッセンジャーRNAを分解することを含みうる。
本方法はさらに、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および第2の標的試料を接触させ、および標的配列の複製を促進する条件下で第2の標的試料をインキュベートすることを含みうる。第2の標的試料は変性条件に供されない。標的配列の複製は、複製された鎖を結果として生じ、ここで複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換される。
標的核酸配列を増幅する方法であって、標的試料中のRNAを部分的に分解し、DNAポリメラーゼ、および標的試料と接触させ、および標的配列の複製を促進する条件下で標的試料をインキュベートすることを含む方法もまた開示される。標的配列の複製は、複製された鎖を結果として生じ、ここで複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換される。
比較ゲノムハイブリダイゼーションの方法であって、第1の試料の鎖置換複製によって生じた核酸を、第2の試料の鎖置換複製によって生じた核酸とハイブリダイズすることを含む方法もまた開示される。ハイブリダイゼーションはCotI DNAの非存在下で実施することができる。
標的核酸配列を増幅する方法であって、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および標的試料を接触させ、および標的配列の複製を促進する条件下で標的試料をインキュベートすることを含む方法もまた開示される。環状核酸分子が標的配列を含む。標的配列の複製は、複製された鎖を結果として生じ、ここで複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換される。
プライマーの組は、ランダムヌクレオチド配列を有するヌクレオチドを含むことができる。プライマーは長さ5、6、7、または8ヌクレオチドであることができる。プライマーは長さ6、7、または8ヌクレオチドであることができる。プライマーは長さ6ヌクレオチドであることができる。修飾ヌクレオチドは、ビオチニル化ヌクレオチド、蛍光ヌクレオチド、5メチルdCTP、BrdUTP、または5−(3−アミノアリル)−2’−デオキシウリジン5’−三リン酸であることができる。修飾ヌクレオチドは5−(3−アミノアリル)−2’−デオキシウリジン5’−三リン酸であることができ、および複製された鎖は組み込まれた5−(3−アミノアリル)−2’−デオキシウリジンと標識を反応させることによって標識化することができる。標識は、フルオレセインイソチオシアナート、5,6−カルボキシメチルフルオレセイン、テキサスレッド、ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イル、クマリン、塩化ダンシル、ローダミン、アミノメチルクマリン、エオシン、エリスロシン、BODIPY(登録商標)、カスケードブルー(登録商標)、オレゴングリーン(登録商標)、ピレン、リサミン、キサンチン、アクリジン、オキサジン、フィコエリトリン、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7、またはその組み合わせであることができる。
複製された鎖は、マイクロアレイ中の要素として使用することができる。複製された鎖は、ハイブリダイゼーションプローブとしての使用の前に切断することができる。複製された鎖はDNAse Iを用いて切断することができる。ハイブリダイゼーションプローブは、複製された鎖の3’末端への修飾ヌクレオチドの付加によって標識化することができる。修飾ヌクレオチドを固相担体と反応させ、それによって、複製された鎖を固相担体へ結合させることができる。
標的試料は血液試料、尿試料、精液試料、リンパ液試料、脳脊髄液試料、羊水試料、生検試料、針吸引生検試料、がん試料、腫瘍試料、組織試料、細胞試料、細胞溶解物試料、粗細胞溶解物試料、法医学試料、考古学的試料、感染試料、院内感染試料、製品試料、医薬調製物試料、生物学的分子製品試料、タンパク質調製物試料、脂質調製物試料、糖質調製物試料、またはその組み合わせであることができる。標的試料は血液試料であることができる。標的試料は針吸引生検試料である。標的試料は粗細胞溶解物試料であることができる。標的試料は院内感染試料であることができる。試料はヒトおよび非ヒト核酸の両方を含むことができる。非ヒト核酸は、非ヒト核酸に特異的なプライマーの使用によって、優先的に増幅することができる。ヒト核酸は、ヒト核酸に特異的なプライマーの使用によって、優先的に増幅することができる。試料は患者に由来することができる。標的試料は生物学的分子製品試料であることができる。複製された鎖の産生は、試料中の核酸の存在を示しうる。生じた複製された鎖の量は、試料中の核酸の量を示しうる。標的試料は医薬調製物試料であることができる。標的試料は腫瘍試料であることができる。標的試料は羊水試料であることができる。標的試料から生じた複製された鎖は、試料の核酸フィンガープリントを表すことができる。
第2の標的試料は、第1の標的試料と同一の種類の生物に由来する試料であることができる。第2の標的試料は、第1の標的試料と同一の種類の組織に由来する試料であることができる。第2の標的試料は、第1の標的試料と同一の生物に由来する試料であることができる。第2の標的試料は、第1の標的試料とは異なる時に得ることができる。第2の標的試料は、第1の標的試料とは異なる生物に由来する試料であることができる。第2の標的試料は、第1の標的試料とは異なる種類の組織に由来する試料であることができる。第2の標的試料は、第1の標的試料とは異なる種の生物に由来する試料であることができる。第2の標的試料は、第1の標的試料とは異なる系統の生物に由来する試料であることができる。第2の標的試料は、第1の標的試料とは異なる細胞区画に由来する試料であることができる。
環状核酸分子が標的配列を含むことができる。環状核酸分子は、制限エンドヌクレアーゼを用いてゲノムDNAを消化し、および消化されたDNAを環状化することによって作製できる。消化されたDNAは、DNAまたはRNAリガーゼを用いて環状化することができる。消化されたDNAは、副子またはアダプタを用いて環状化することができる。標的配列は増幅標的およびハイブリダイゼーション標的を含むことができ、ハイブリダイゼーション標的は増幅標的に隣接することができ、プライマーの組は複数のプライマーを含むことができ、各プライマーは相補的部分を含むことができ、およびプライマーの相補的部分はそれぞれ、ハイブリダイゼーション標的の異なる部分と相補的であることができる。
プライマーの組はプライマーの右組およびプライマーの左組を含むことができ、標的配列は第1および第2の鎖を有する2本鎖であることができ、ハイブリダイゼーション標的は右および左のハイブリダイゼーション標的を含むことができ、右ハイブリダイゼーション標的は増幅標的の一方の端に隣接することができおよび左ハイブリダイゼーション標的は増幅標的の反対側の端に隣接することができる。右組プライマーの相補的部分は(i)全部が標的配列の第1の鎖と相補的および(ii)それぞれが右ハイブリダイゼーション標的の異なる部分と相補的であることができ、および、左組プライマーの相補的部分は(i)全部が標的配列の第2の鎖と相補的および(ii)それぞれが左ハイブリダイゼーション標的の異なる部分と相補的であることができる。
環状核酸分子は、cDNAを環状化することによって作製できる。環状核酸分子は、mRNA/cDNAハイブリッドを環状化することによって作製できる。mRNA/cDNAハイブリッドは、DNAまたはRNAリガーゼを用いて環状化することができる。mRNA/cDNAハイブリッドは、副子またはアダプタを用いて環状化することができる。
全ゲノムを増幅する方法であって、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および標的試料を接触させ、標的試料は全ゲノムを含み、およびゲノムの複製を促進する条件下で標的試料をインキュベートすることを含む方法もまた開示される。標的試料は変性条件に供されない。ゲノムの複製は、複製された鎖を結果として生じ、ここで複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によってゲノムから置換される。プライマーは長さ6ヌクレオチドであることができ、プライマーがヌクレアーゼ耐性となるようにプライマーはそれぞれ少なくとも1個の修飾ヌクレオチドを含むことができ、およびDNAポリメラーゼはφ29DNAポリメラーゼであることができる。プライマーはランダムヌクレオチド組成であることができ、プライマーがヌクレアーゼ耐性となるようにプライマーはそれぞれ少なくとも1個の修飾ヌクレオチドを含むことができ、およびDNAポリメラーゼはφ29DNAポリメラーゼであることができる。
染色体を増幅する方法であって、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および標的試料を接触させ、標的試料は染色体を含み、および染色体の複製を促進する条件下で標的試料をインキュベートし、ここで標的試料は変性条件に供されないことを含む方法もまた開示される。染色体の複製は、複製された鎖を結果として生じ、ここで複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって染色体から置換される。プライマーは長さ6ヌクレオチドであることができ、プライマーがヌクレアーゼ耐性となるようにプライマーはそれぞれ少なくとも1個の修飾ヌクレオチドを含むことができ、およびDNAポリメラーゼはφ29DNAポリメラーゼであることができる。プライマーはランダムヌクレオチド組成であることができ、プライマーがヌクレアーゼ耐性となるようにプライマーはそれぞれ少なくとも1個の修飾ヌクレオチドを含むことができ、およびDNAポリメラーゼはφ29DNAポリメラーゼであることができる。
全ゲノムを増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物は全ゲノムを含み、細胞溶解物を中性化して、中性化した細胞溶解物を生じ、および中性化した細胞溶解物をゲノムの複製を促進する条件下でインキュベートし、ゲノムの複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によってゲノムから置換されることを含む方法が開示される。
全ゲノムを増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物は全ゲノムを含み、細胞溶解物を中性化して、細胞溶解物は精製されず、および細胞溶解物をゲノムの複製を促進する条件下でインキュベートし、ゲノムの複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によってゲノムから置換されることを含む方法が開示される。
全ゲノムを増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物は全ゲノムを含み、細胞溶解物を中性化して、細胞溶解物中の核酸は細胞溶解物中の他の物質から分離されず、および細胞溶解物をゲノムの複製を促進する条件下でインキュベートし、ゲノムの複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によってゲノムから置換されることを含む方法が開示される。
さらに、全ゲノムを増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物は全ゲノムを含み、細胞溶解物を中性化して、中性化した細胞溶解物を生じ、および中性化した細胞溶解物をゲノムの複製を促進する条件下でインキュベートし、中性化した細胞溶解物は変性条件に供されず、ゲノムの複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によってゲノムから置換されることを含む方法が開示される。
全ゲノムを増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物は全ゲノムを含み、細胞溶解物を中性化して、中性化した細胞溶解物を生じ、および中性化した細胞溶解物をゲノムの複製を促進する条件下でインキュベートし、中性化した細胞溶解物は熱変性条件に供され、ゲノムの複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によってゲノムから置換されることを含む方法もまた開示される。
全ゲノムを増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物は全ゲノムを含み、細胞溶解物を中性化して、中性化した細胞溶解物を生じ、中性化した細胞溶解物中の核酸は細胞溶解物中の他の物質から分離されず、および中性化した細胞溶解物をゲノムの複製を促進する条件下でインキュベートし、中性化した細胞溶解物は変性条件に供されず、ゲノムの複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によってゲノムから置換されることを含む方法もまた開示される。
全ゲノムを増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物を中性化して、中性化した細胞溶解物を生じ、および一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および中性化した細胞溶解物を接触させ、中性化した細胞溶解物は全ゲノムを含み、および中性化した細胞溶解物をゲノムの複製を促進する条件下でインキュベートし、ゲノムの複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によってゲノムから置換される方法が開示される。
全ゲノムを増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物を中性化し、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および細胞溶解物を接触させ、細胞溶解物は全ゲノムを含み、細胞溶解物は精製されず、および細胞溶解物をゲノムの複製を促進する条件下でインキュベートし、ゲノムの複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によってゲノムから置換される方法が開示される。
全ゲノムを増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物を中性化し、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および細胞溶解物を接触させ、細胞溶解物は全ゲノムを含み、細胞溶解物中の核酸は細胞溶解物中の他の物質から分離されず、および細胞溶解物をゲノムの複製を促進する条件下でインキュベートし、ゲノムの複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によってゲノムから置換される方法が開示される。
全ゲノムを増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物を中性化して、中性化した細胞溶解物を生じ、および一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および中性化した細胞溶解物を接触させ、中性化した細胞溶解物は全ゲノムを含み、および中性化した細胞溶解物をゲノムの複製を促進する条件下でインキュベートし、中性化した細胞溶解物は変性条件に供されず、ゲノムの複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によってゲノムから置換されることを含む方法が開示される。
全ゲノムを増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物を中性化して、中性化した細胞溶解物を生じ、および一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および中性化した細胞溶解物を接触させ、中性化した細胞溶解物は全ゲノムを含み、および中性化した細胞溶解物をゲノムの複製を促進する条件下でインキュベートし、中性化した細胞溶解物は熱変性条件に供され、ゲノムの複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によってゲノムから置換されることを含む方法もまた開示される。
全ゲノムを増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物を中性化して、中性化した細胞溶解物を生じ、および一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および中性化した細胞溶解物を接触させ、中性化した細胞溶解物は全ゲノムを含み、中性化した細胞溶解物中の核酸は中性化した細胞溶解物中の他の物質から分離されず、および中性化した細胞溶解物をゲノムの複製を促進する条件下でインキュベートし、中性化した細胞溶解物は変性条件に供されず、ゲノムの複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によってゲノムから置換されることを含む方法が開示される。
標的核酸配列を増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物を中性化して、中性化した細胞溶解物を生じ、および中性化した細胞溶解物を一組のプライマーおよびDNAポリメラーゼの存在下でおよび標的配列の複製を促進する条件下でインキュベートし、中性化した細胞溶解物の複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換されることを含む方法もまた開示される。
標的核酸配列を増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物を中性化し、および細胞溶解物を一組のプライマーおよびDNAポリメラーゼの存在下でおよび標的配列の複製を促進する条件下でインキュベートし、細胞溶解物は精製されず、細胞溶解物の複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換されることを含む方法が開示される。
標的核酸配列を増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物を中性化し、および細胞溶解物を一組のプライマーおよびDNAポリメラーゼの存在下でおよび標的配列の複製を促進する条件下でインキュベートし、細胞溶解物の核酸は細胞溶解物中の他の物質から分離されず、細胞溶解物の複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換されることを含む方法が開示される。
標的核酸配列を増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物を中性化して、中性化した細胞溶解物を生じ、および中性化した細胞溶解物を一組のプライマーおよびDNAポリメラーゼの存在下でおよび標的配列の複製を促進する条件下でインキュベートし、中性化した細胞溶解物は変性条件に供されず、中性化した細胞溶解物の複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換されることを含む方法もまた開示される。
標的核酸配列を増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物を中性化して、中性化した細胞溶解物を生じ、および中性化した細胞溶解物を一組のプライマーおよびDNAポリメラーゼの存在下でおよび標的配列の複製を促進する条件下でインキュベートし、中性化した細胞溶解物は変性条件に供され、中性化した細胞溶解物の複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換されることを含む方法が開示される。
標的核酸配列を増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物を中性化して、中性化した細胞溶解物を生じ、および中性化した細胞溶解物を一組のプライマーおよびDNAポリメラーゼの存在下でおよび標的配列の複製を促進する条件下でインキュベートし、中性化した細胞溶解物の核酸は中性化した細胞溶解物中の他の物質から分離されず、中性化した細胞溶解物は変性条件に供されず、中性化した細胞溶解物の複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換されることを含む方法が開示される。
標的核酸配列を増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物を中性化して、中性化した細胞溶解物を生じ、および一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および中性化した細胞溶解物と接触させ、および中性化した細胞溶解物を標的配列の複製を促進する条件下でインキュベートし、中性化した細胞溶解物の複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換されることを含む方法もまた開示される。
標的核酸配列を増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物を中性化し、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および細胞溶解物を接触させ、および細胞溶解物を標的配列の複製を促進する条件下でインキュベートし、細胞溶解物は精製されず、細胞溶解物の複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換されることを含む方法が開示される。
標的核酸配列を増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物を中性化し、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および細胞溶解物を接触させ、および細胞溶解物を標的配列の複製を促進する条件下でインキュベートし、細胞溶解物の核酸は細胞溶解物中の他の物質から分離されず、細胞溶解物の複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換されることを含む方法もまた開示される。
標的核酸配列を増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物を中性化して、中性化した細胞溶解物を生じ、および一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および中性化した細胞溶解物を接触させ、および中性化した細胞溶解物を標的配列の複製を促進する条件下でインキュベートし、中性化した細胞溶解物は変性条件に供されず、中性化した細胞溶解物の複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換されることを含む方法が開示される。
標的核酸配列を増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物を中性化して、中性化した細胞溶解物を生じ、および一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および中性化した細胞溶解物を接触させ、および中性化した細胞溶解物を標的配列の複製を促進する条件下でインキュベートし、中性化した細胞溶解物は熱変性条件に供され、中性化した細胞溶解物の複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換されることを含む方法が開示される。
標的核酸配列を増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物を中性化して、中性化した細胞溶解物を生じ、および一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および中性化した細胞溶解物を接触させ、および中性化した細胞溶解物を標的配列の複製を促進する条件下でインキュベートし、中性化した細胞溶解物中の核酸は中性化した細胞溶解物中の他の物質から分離されず、中性化した細胞溶解物は変性条件に供されず、中性化した細胞溶解物の複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換されることを含む方法が開示される。
全ゲノムを増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物は全ゲノムを含み、および細胞溶解物をゲノムの複製を促進する条件下でインキュベートし、ゲノムの複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によってゲノムから置換されることを含む方法が開示される。
全ゲノムを増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物は全ゲノムを含み、細胞溶解物は精製されず、および細胞溶解物をゲノムの複製を促進する条件下でインキュベートし、ゲノムの複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によってゲノムから置換されることを含む方法もまた開示される。
全ゲノムを増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物は全ゲノムを含み、細胞溶解物中の核酸は細胞溶解物中の他の物質から分離されず、および細胞溶解物をゲノムの複製を促進する条件下でインキュベートし、ゲノムの複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によってゲノムから置換されることを含む方法が開示される。
全ゲノムを増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物は全ゲノムを含み、および細胞溶解物をゲノムの複製を促進する条件下でインキュベートし、細胞溶解物は変性条件に供されず、ゲノムの複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によってゲノムから置換されることを含む方法が開示される。
全ゲノムを増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物は全ゲノムを含み、および細胞溶解物をゲノムの複製を促進する条件下でインキュベートし、細胞溶解物は熱変性条件に供され、ゲノムの複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によってゲノムから置換されることを含む方法もまた開示される。
全ゲノムを増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物は全ゲノムを含み、細胞溶解物中の核酸は細胞溶解物中の他の物質から分離されず、および細胞溶解物をゲノムの複製を促進する条件下でインキュベートし、細胞溶解物は変性条件に供されず、ゲノムの複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によってゲノムから置換されることを含む方法が開示される。
全ゲノムを増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および細胞溶解物を接触させ、細胞溶解物は全ゲノムを含み、および細胞溶解物をゲノムの複製を促進する条件下でインキュベートし、ゲノムの複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によってゲノムから置換されることを含む方法もまた開示される。
全ゲノムを増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および細胞溶解物を接触させ、細胞溶解物は全ゲノムを含み、細胞溶解物は精製されず、および細胞溶解物をゲノムの複製を促進する条件下でインキュベートし、ゲノムの複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によってゲノムから置換されることを含む方法が開示される。
全ゲノムを増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および細胞溶解物を接触させ、細胞溶解物は全ゲノムを含み、細胞溶解物中の核酸は細胞溶解物中の他の物質から分離されず、および細胞溶解物をゲノムの複製を促進する条件下でインキュベートし、ゲノムの複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によってゲノムから置換されることを含む方法が開示される。
全ゲノムを増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および細胞溶解物を接触させ、細胞溶解物は全ゲノムを含み、および細胞溶解物をゲノムの複製を促進する条件下でインキュベートし、細胞溶解物は変性条件に供されず、ゲノムの複製、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によってゲノムから置換されることを含む方法もまた開示される。
全ゲノムを増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および細胞溶解物を接触させ、細胞溶解物は全ゲノムを含み、および細胞溶解物をゲノムの複製を促進する条件下でインキュベートし、細胞溶解物は熱変性条件に供され、ゲノムの複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によってゲノムから置換されることを含む方法が開示される。
全ゲノムを増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および細胞溶解物を接触させ、細胞溶解物は全ゲノムを含み、細胞溶解物中の核酸は細胞溶解物中の他の物質から分離されず、および細胞溶解物をゲノムの複製を促進する条件下でインキュベートし、細胞溶解物は変性条件に供されず、ゲノムの複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によってゲノムから置換されることを含む方法が開示される。
標的核酸配列を増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、および細胞溶解物を一組のプライマーおよびDNAポリメラーゼの存在下でおよび標的配列の複製を促進する条件下でインキュベートし、細胞溶解物の複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換されることを含む方法もまた開示される。
標的核酸配列を増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、および細胞溶解物を一組のプライマーおよびDNAポリメラーゼの存在下でおよび標的配列の複製を促進する条件下でインキュベートし、細胞溶解物は精製されず、細胞溶解物の複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換されることを含む方法が開示される。
標的核酸配列を増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、および細胞溶解物を一組のプライマーおよびDNAポリメラーゼの存在下でおよび標的配列の複製を促進する条件下でインキュベートし、細胞溶解物中の核酸は細胞溶解物中の他の物質から分離されず、細胞溶解物の複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換されることを含む方法もまた開示される。
標的核酸配列を増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、および細胞溶解物を一組のプライマーおよびDNAポリメラーゼの存在下でおよび標的配列の複製を促進する条件下でインキュベートし、細胞溶解物は変性条件に供されず、細胞溶解物の複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換されることを含む方法が開示される。
標的核酸配列を増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、および細胞溶解物を一組のプライマーおよびDNAポリメラーゼの存在下でおよび標的配列の複製を促進する条件下でインキュベートし、細胞溶解物は熱変性条件に供され、細胞溶解物の複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換されることを含む方法もまた開示される。
標的核酸配列を増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、および細胞溶解物を一組のプライマーおよびDNAポリメラーゼの存在下でおよび標的配列の複製を促進する条件下でインキュベートし、細胞溶解物中の核酸は細胞溶解物中の他の物質から分離されず、細胞溶解物は変性条件に供されず、細胞溶解物の複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換されることを含む方法が開示される。
標的核酸配列を増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および細胞溶解物を接触させ、および細胞溶解物を標的配列の複製を促進する条件下でインキュベートし、細胞溶解物の複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換されることを含む方法が開示される。
標的核酸配列を増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および細胞溶解物を接触させ、および細胞溶解物を標的配列の複製を促進する条件下でインキュベートし、細胞溶解物は精製されず、細胞溶解物の複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換されることを含む方法が開示される。
標的核酸配列を増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および細胞溶解物を接触させ、および細胞溶解物を標的配列の複製を促進する条件下でインキュベートし、細胞溶解物中の核酸は細胞溶解物中の他の物質から分離されず、細胞溶解物の複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換されることを含む方法が開示される。
標的核酸配列を増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および細胞溶解物を接触させ、および細胞溶解物を標的配列の複製を促進する条件下でインキュベートし、細胞溶解物は変性条件に供されず、細胞溶解物の複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換されることを含む方法もまた開示される。
標的核酸配列を増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および細胞溶解物を接触させ、および細胞溶解物を標的配列の複製を促進する条件下でインキュベートし、細胞溶解物は熱変性条件に供され、細胞溶解物の複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換されることを含む方法が開示される。
標的核酸配列を増幅する方法であって、細胞を溶解して細胞溶解物を生じ、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および細胞溶解物を接触させ、および細胞溶解物を標的配列の複製を促進する条件下でインキュベートし、細胞溶解物中の核酸は細胞溶解物中の他の物質から分離されず、細胞溶解物は変性条件に供されず、細胞溶解物の複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって標的配列から置換されることを含む方法が開示される。
中性化した細胞溶解物変性条件に供されないかまたは中性化した細胞溶解物が熱変性条件に供される、本開示の方法のうち任意のものを、実施することができる。
全ゲノムを増幅するためのキットであって、溶解のための溶液、中性化のための溶液、一組のプライマー、およびDNAポリメラーゼを含むキットが開示される。
全ゲノムを増幅するためのキットであって、細胞溶解のための溶液、細胞溶解物の中性化のための溶液、一組のプライマー、およびDNAポリメラーゼを含むキットもまた開示される。
全ゲノムを増幅するためのキットであって、細胞を溶解するための溶液、溶解された細胞を中性化するための溶液、一組のプライマー、およびDNAポリメラーゼを含むキットが開示される。
全ゲノムを増幅するためのキットであって、溶解のための組成物、中性化のための組成物、一組のプライマー、およびDNAポリメラーゼを含むキットもまた開示される。
全ゲノムを増幅するためのキットであって、細胞溶解のための組成物、細胞溶解物の中性化のための組成物、一組のプライマー、およびDNAポリメラーゼを含むキットが開示される。
全ゲノムを増幅するためのキットであって、細胞を溶解するための組成物、溶解された細胞を中性化するための組成物、一組のプライマー、およびDNAポリメラーゼを含むキットが開示される。
全ゲノムを増幅するためのキットであって、溶解のための溶液、ここで溶解のための溶液はアルカリ性であり、中性化のための溶液、一組のプライマー、ここでプライマーは長さ6ヌクレオチドであり、プライマーがヌクレアーゼ耐性となるようにプライマーはそれぞれ少なくとも1個の修飾ヌクレオチドを含み、およびDNAポリメラーゼ、ここでDNAポリメラーゼはφ29DNAポリメラーゼであることを含むキットが開示される。
全ゲノムを増幅するためのキットであって、細胞溶解のための溶液、ここで細胞溶解のための溶液はアルカリ性であり、細胞溶解物の中性化のための溶液、一組のプライマー、ここでプライマーは長さ6ヌクレオチドであり、プライマーがヌクレアーゼ耐性となるようにプライマーはそれぞれ少なくとも1個の修飾ヌクレオチドを含み、およびDNAポリメラーゼ、ここでDNAポリメラーゼはφ29DNAポリメラーゼであることを含むキットが開示される。
全ゲノムを増幅するためのキットであって、細胞を溶解するための溶液、溶解された細胞を中性化するための溶液、一組のプライマー、ここでプライマーは長さ6ヌクレオチドであり、プライマーがヌクレアーゼ耐性となるようにプライマーはそれぞれ少なくとも1個の修飾ヌクレオチドを含み、およびDNAポリメラーゼ、ここでDNAポリメラーゼはφ29DNAポリメラーゼであることを含むキットもまた開示される。
全ゲノムを増幅する方法であって、細胞をアルカリ性条件へ曝露して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物は全ゲノムを含み、細胞溶解物のpHを低下させて安定化された細胞溶解物を生じ、および安定化された細胞溶解物をゲノムの複製を促進する条件下でインキュベートし、ゲノムの複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によってゲノムから置換されることを含む方法が開示される。
細胞を溶解溶液と混合することによって細胞をアルカリ性条件に曝露する、または溶解溶液が塩基を含む、または塩基が塩基水溶液であることを含む方法もまた開示される。
塩基が水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、アンモニア、アニリン、ベンジルアミン、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミン、ジフェニルアミン、エチルアミン、エチレンジアミン、メチルアミン、N−メチルアニリン、モルホリン、ピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、水酸化アルミニウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、またはDBU(1,8−ジアゾビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン)である方法もまた開示される。
塩基が水酸化カリウムである方法が開示される。
溶解溶液が400mM KOHを含むおよび/または溶解溶液が100mMジチオスレイトール、および10mM EDTAを含むかまたは溶解溶液が400mM KOH、100mMジチオスレイトール、および10mM EDTAから成る方法もまた開示される。
溶解溶液が複数の塩基性物質を含むおよび/または細胞が等しい容量の溶解溶液と混合される方法が開示される。
溶解溶液が緩衝剤を含む方法、および緩衝剤がリン酸緩衝剤、グッド緩衝剤、BES、BICINE、CAPS、EPPS、HEPES、MES、MOPS、PIPES、TAPS、TES、TRICINE、カコジル酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸トリエチルアンモニウム、重炭酸トリエチルアンモニウム、トリス、ビス−トリス、またはビス−トリスプロパンである方法が開示される。緩衝剤がpH4.1のトリス−HClである方法もまた開示される。本開示の方法は複数の緩衝剤を含みうる。
細胞溶解物のpHを約pH7.0ないし約pH6.8の範囲へ低下させる方法もまた開示される。
細胞溶解物のpHを、細胞溶解物を安定化溶液と混合することによって低下させる方法もまた開示される。安定化溶液が800mMトリス−HCl、pH4.1を含む方法、および安定化溶液が複数の緩衝剤を含む方法および/または細胞溶解物が等しい容量の安定化溶液と混合される方法が開示される。
安定化溶液が酸を含む方法、および酸が塩酸,硫酸,リン酸,酢酸,アセチルサリチル酸,アスコルビン酸,炭酸,クエン酸,ギ酸,硝酸,過塩素酸,HF、HBr、HI、HS、HCN、HSCN、HClO、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、またはカルボン酸である方法が開示される。カルボン酸がエタン酸、プロパン酸、またはブタン酸である方法が開示される。安定化溶液が複数の酸性物質を含む方法が開示される。
細胞溶解物のpHを約pH9.0以下、約pH8.5以下、約pH8.0以下、または約pH7.5以下へ低下させる方法が開示される。
細胞溶解物のpHを約pH9.0ないし約pH6.0、約pH9.0ないし約pH7.0、約pH9.0ないし約pH7.5、pH9.0ないし約pH8.0、pH8.5ないし約pH6.0、pH8.5ないし約pH7.0、pH8.5ないし約pH7.5、pH8.5ないし約pH8.0、pH8.0ないし約pH6.0、pH8.0ないし約pH6.5、pH8.0ないし約pH7.0、pH8.0ないし約pH7.5、pH7.5ないし約pH6.0、またはpH7.5ないし約pH7.0の範囲へ低下させる方法もまた開示される。
細胞溶解物および安定化された細胞溶解物中の核酸が細胞溶解物中の他の物質から分離されない、細胞溶解物および安定化された細胞溶解物がインキュベート前に精製に供されない、精製が細胞溶解物中の核酸の細胞溶解物中の他の物質からの分離を含む、精製が遠心分離、抽出、クロマトグラフィー、濾過、透析、またはこれらの組み合わせを含む、精製がアルカリ性条件によってまたはpHの低下によって引き起こされる沈澱を除く沈澱を含む、精製が遠心分離、フェノール−クロロホルム抽出、カラムクロマトグラフィー、またはこれらの組み合わせを含む、細胞溶解物、安定化された細胞溶解物、または両方がインキュベート前に部分精製に供される、部分精製が遠心分離、抽出、クロマトグラフィー、沈澱、濾過、透析、またはこれらの組み合わせを含む、部分精製が遠心分離、フェノール−クロロホルム抽出、カラムクロマトグラフィー、またはこれらの組み合わせを含む、細胞溶解物および安定化された細胞溶解物がインキュベート前に相当な精製に供されない、相当な精製が遠心分離、抽出、クロマトグラフィー、沈澱、濾過、または透析を含まない、相当な精製が遠心分離、フェノール−クロロホルム抽出、またはカラムクロマトグラフィーを含まない、細胞溶解物、安定化された細胞溶解物、または両方が遠心分離、抽出、クロマトグラフィー、沈澱、濾過、または透析にインキュベート前に供される、細胞溶解物、安定化された細胞溶解物、または両方が遠心分離、フェノール−クロロホルム抽出、またはカラムクロマトグラフィーにインキュベート前に供される、相当な精製が遠心分離、抽出、クロマトグラフィー、濾過、透析、またはこれらの組み合わせを含む、相当な精製がアルカリ性条件によってまたはpHの低下によって引き起こされる沈澱を除く沈澱を含む、相当な精製が遠心分離、フェノール−クロロホルム抽出、カラムクロマトグラフィー、またはこれらの組み合わせを含む、細胞溶解物および安定化された細胞溶解物がインキュベート前に精製されない、細胞溶解物、安定化された細胞溶解物、または両方がインキュベート前に部分精製される、インキュベートが実質的に等温である、細胞溶解物も安定化された細胞溶解物もインキュベートの温度を実質的に上回って加熱されない、細胞溶解物も安定化された細胞溶解物もインキュベートの温度を上回る実質的な加熱に供されない、細胞がインキュベートの温度を実質的に上回って加熱されない、細胞がインキュベートの温度を上回る実質的な加熱に供されない、細胞がその細胞が増殖する温度を実質的に上回って加熱されない、細胞がその細胞が増殖する温度を上回る実質的な加熱に供されない、細胞溶解物、安定化された細胞溶解物、および細胞はインキュベートの温度を実質的に上回って加熱されない、細胞溶解物、安定化された細胞溶解物、および細胞はインキュベートの温度を上回る実質的な加熱に供されない、細胞溶解物、安定化された細胞溶解物、および細胞は、インキュベートの前または間に、その細胞が増殖する温度を実質的に上回って加熱されない、細胞溶解物、安定化された細胞溶解物、および細胞は、インキュベートの前または間に、その細胞が増殖する温度を上回る実質的な加熱に供されない、細胞溶解物も安定化された細胞溶解物もゲノムの明らかな変性を引き起こす温度を上回っておよびそのような時間にわたって加熱されない、細胞溶解物も安定化された細胞溶解物も、ゲノムの明らかな変性を引き起こす温度を上回るおよびそのような時間にわたる加熱に供されない、細胞が熱によって溶解されない、細胞がアルカリ性条件の非存在下で相当な細胞溶解を引き起こす温度を上回っておよびそのような時間にわたって加熱されない、および/または細胞がアルカリ性条件の非存在下で相当な細胞溶解を引き起こす温度を上回るおよびそのような時間にわたる加熱に供されない方法が開示される。
全ゲノムを増幅する方法であって、細胞をアルカリ性条件へ曝露して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物は全ゲノムを含み、細胞を溶解溶液と混合することによって細胞をアルカリ性条件に曝露し、細胞溶解物のpHを低下させて安定化された細胞溶解物を生じ、細胞溶解物のpHは細胞溶解物を安定化溶液と混合することによって低下し、および安定化された細胞溶解物をゲノムの複製を促進する条件下でインキュベートし、ゲノムの複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によってゲノムから置換されることを含む方法が開示される。
溶解溶液が水酸化カリウム、たとえば400mM KOHを含む方法が開示される。
溶解溶液が400mM KOH、100mMジチオスレイトール、および10mM EDTAを含むかまたは溶解溶液が400mM KOH、100mMジチオスレイトール、および10mM EDTAから成る方法もまた開示される。
細胞が等しい容量の溶解溶液および/または等しい容量の安定化溶液と混合される方法もまた開示される。
安定化溶液がpH4.1のトリス−HClを含む、および安定化溶液が800mMトリス−HCl、pH4.1を含む方法が開示される。
安定化溶液が800mMトリス−HCl、pH4.1から成る方法もまた開示される。
溶解溶液が400mM KOHおよび10mM EDTAから成る、安定化溶液が800mMトリス−HCl、pH4から成る、安定化された細胞溶解物が37.5mMトリス−HCl、50mM KCl、10mM MgCl、5mM(NHSO、1mMデオキシヌクレオチド三リン酸、50μMプライマー、およびφ29DNAポリメラーゼの存在下でインキュベートされる方法が開示される。
安定化された細胞溶解物が37.5mMトリス−HCl、50mM KCl、10mM MgCl、5mM(NHSO、1mMデオキシヌクレオチド三リン酸、50μMプライマー、およびφ29DNAポリメラーゼの存在下で、安定化された細胞溶解物を四分の一容量の反応混合物、およびφ29DNAポリメラーゼと混合することによってインキュベートされ、反応混合物が150mMトリス−HCl、200mM KCl、40mM MgCl、20mM(NHSO、4mMデオキシヌクレオチド三リン酸、および0.2mMプライマーから成る方法もまた開示される。
全ゲノムを増幅する方法であって、細胞をアルカリ性条件へ曝露して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物は全ゲノムを含み、細胞を溶解溶液と混合することによって細胞をアルカリ性条件に曝露し、溶解溶液は400mM KOH、100mMジチオスレイトール、および10mM EDTAを含み、細胞溶解物のpHを低下させて安定化された細胞溶解物を生じ、細胞溶解物のpHは細胞溶解物を安定化溶液と混合することによって低下し、安定化溶液は800mMトリス−HCl、pH4.1を含み、および安定化された細胞溶解物をゲノムの複製を促進する条件下でインキュベートし、ゲノムの複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によってゲノムから置換されることを含む方法が開示される。
細胞が等しい容量の溶解溶液と混合されるおよび/または細胞溶解物が等しい容量の安定化溶液と混合される方法が開示される。
全ゲノムを増幅するためのキットであって、溶解溶液、安定化溶液、一組のプライマー、およびDNポリメラーゼを含むキットが開示される。
溶解溶液が水酸化カリウム、たとえば400mM KOHを含むキットが開示される。
溶解溶液が400mM KOH、100mMジチオスレイトール、および10mM EDTAを含むキットが開示される。
安定化溶液がpH4.1のトリス−HClを含む、安定化溶液が800mMトリス−HCl、pH4.1を含む、または安定化溶液が800mMトリス−HCl、pH4.1から成るキットが開示される。
デオキシヌクレオチド三リン酸を含むキットが開示される。
1Mジチオスレイトール、1Xリン酸緩衝生理食塩水、pH7.5、および対照DNAテンプレートを含む、溶解溶液が400mM KOHおよび10mM EDTAを含む、安定化溶液が800mMトリス−HCl、pH4を含む、プライマーの組が反応混合物を含む、反応混合物が150mMトリス−HCl、200mM KCl、40mM MgCl、20mM(NHSO、4mMデオキシヌクレオチド三リン酸、および0.2mMランダム六量体プライマーを含む、DNAポリメラーゼがφ29DNAポリメラーゼであるキットが開示される。
1種類以上の検出プローブを含む、検出プローブのそれぞれが相補的部分を含む、相補的部分が目的の核酸配列と相補的であるキットが開示される。
キットがゲノム中の目的の核酸配列を検出するように設計されるキットおよび/またはキットが目的の核酸配列に基づいて、個人の疾患、症状または素因を評価するために設計されるキットが開示される。
損傷DNAを増幅する方法であって、損傷DNA試料を損傷DNA試料中の損傷DNAの実質的な変性を促進する条件へ曝露し、それによって変性した損傷DNA試料を生じ、損傷DNA試料中の損傷DNAの実質的な変性を促進しない条件へ変えて安定化された損傷DNA試料を生じ、安定化された損傷DNA試料中の損傷DNAを損傷DNAの複製を促進する条件下でインキュベートし、損傷DNAの複製が結果として損傷DNA試料中の平均断片長よりも長い平均断片長を増幅された損傷DNAについて生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって置換されることを含む方法が開示される。
損傷DNA試料、変性した損傷DNA試料、または両方がイオン条件に曝露され、損傷DNA試料および変性した損傷DNA試料がイオン溶液を損傷DNA試料と混合することによってイオン条件に曝露され、イオン溶液は損傷DNAの実質的な変性を促進する条件への損傷DNA試料の曝露前または曝露中に損傷DNA試料と混合され、イオン溶液は塩溶液であり、塩溶液は1種類以上の塩を含み、塩はトリス−HCl、トリス−EDTA、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、または組み合わせであり、トリス−HClはpH7.0ないし8.0であり、塩はトリス−EDTAであり、塩溶液は約50mMないし約500mMトリスおよび約1mMないし約5mM EDTAを含み、イオン溶液は損傷DNA試料と混合した際に2ないし5倍に希釈され、変性した損傷DNA試料は変性した損傷DNA試料とイオン溶液を混合することによってイオン条件へ曝露され、イオン溶液は条件を変える前または間に変性した損傷DNA試料と混合され、損傷DNA試料を、損傷DNA試料を変性溶液と混合することによっておよび損傷DNA試料を損傷DNA試料中の損傷DNAを実質的に変性する温度およびそのような長さの時間加熱することによって実質的な変性を促進する条件へ曝露し、損傷DNA試料はDNA試料を加熱する後に変性溶液と混合し、損傷DNA試料はDNA試料を加熱する前に変性溶液と混合し、損傷DNA試料はDNA試料を加熱するのと同時に変性溶液と混合し、損傷DNA試料はDNA試料の加熱中に変性溶液と混合し、損傷DNA試料はDNA試料の加熱を開始する時に変性溶液と混合し、および/または損傷DNA試料の変性溶液との混合によって損傷DNA試料におけるアルカリ性条件が生じる条件が開示される。
変性溶液が塩基を含み、塩基が塩基水溶液であり、塩基が水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、アンモニア、アニリン、ベンジルアミン、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミン、ジフェニルアミン、エチルアミン、エチレンジアミン、メチルアミン、N−メチルアニリン、モルホリン、ピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、水酸化アルミニウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、またはDBU(1、8−ジアゾビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン)であり、塩基が水酸化ナトリウムであり、変性溶液が約150mMないし約1MnaOHを含む方法が開示される。
変性溶液が10X濃度であり、損傷DNA試料を変性溶液と混合して1X濃度を生成し、および/またはアルカリ性条件が15ないし50mMNaOHを含む方法が開示される。
損傷DNA試料中の損傷DNAがDNAをさらに損傷することなく実質的に変性される、損傷DNA試料が約70℃以下の温度へおよび約5分間以下の長さの時間加熱される、温度が約60℃ないし約70℃である、温度が約50℃ないし約60℃である、温度が約40℃ないし約50℃である、温度が約25℃ないし約40℃である、温度が約60℃ないし約70℃でありおよび時間の長さが約3分間である、および/または温度が約25℃ないし約50℃でありおよび時間の長さが約5分間以上である方法が開示される。
条件を変えることが、変性した損傷DNA試料のpHを低下させることおよび冷却することである、損傷DNA試料を加熱する温度が変性した損傷DNA試料のpHの低下の間維持される、損傷DNA試料を加熱する温度が変性した損傷DNA試料のpHの低下前に低下される、および/または損傷DNA試料を加熱する温度が変性した損傷DNA試料のpHの低下中に低下される方法が開示される。
変性した損傷DNA試料を冷却することが変性した損傷DNA試料の低下中に開始される、変性した損傷DNA試料の冷却が変性した損傷DNA試料のpHが低下される際に開始される方法が開示される。
変性した損傷DNA試料のpHが、変性した損傷DNA試料を安定化溶液と混合することによって低下される方法が開示される。
変性した損傷DNA試料のpHが、約pH7.5ないし約pH8.0の範囲へ低下される方法が開示される。
変性した損傷DNA試料のpHが、変性した損傷DNA試料を安定化溶液と混合することによって低下される方法が開示される。
安定化溶液が緩衝剤を含み、および/または緩衝剤がリン酸緩衝剤、グッド緩衝剤、BES、BICINE、CAPS、EPPS、HEPES、M ES、MOPS、PIPES、TAPS、TES、TRICINE、カコジル酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸トリエチルアンモニウム、重炭酸トリエチルアンモニウム、トリス、ビス−トリス、またはビス−トリスプロパンである方法が開示される。
安定化溶液が800mMトリス−HCl、pH4.1を含む方法が開示される。
安定化溶液が酸を含む方法が開示される。
酸が塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、アセチルサリチル酸、アスコルビン酸、炭酸、クエン酸、ギ酸、硝酸、過塩素酸、HF、HBr、HI、HS、HCN、HSCN、HClO、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、またはカルボン酸である方法が開示される。
カルボン酸がエタン酸、プロパン酸、またはブタン酸である方法が開示される。
安定化溶液が複数の酸性物質を含む方法が開示される。
変性した損傷DNA試料のpHが、約pH9.0ないし約pH6.8、約pH9.0ないし約pH7.5、約pH9.0ないし約pH8.0、約pH8.5ないし約pH6.8、約pH8.5ないし約pH7.5、約pH8.5ないし約pH8.0、約pH8.0ないし約pH6.8、約pH8.0ないし約pH7.5の範囲へ低下される方法が開示される。
変性した損傷DNA試料のpHが、約pH9.0以下、約pH8.5以下、約pH8.0以下、約pH7.5以下へ低下される方法が開示される。
安定化溶液が1種類以上の塩を含む方法が開示される。
塩がトリス−HCl、トリス−EDTA、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、または組み合わせである方法が開示される。
トリス−HClがpH7.0ないし8.0である方法が開示される。
塩がトリス−EDTAである方法が開示される。
安定化溶液が、約50mMないし約500mMトリスおよび約1mMないし約5mM EDTAを含む方法が開示される。
損傷DNA混合物が毎分約1℃以下の速度で冷却される方法が開示される。
損傷DNA混合物が毎分約1%以下の速度で冷却される方法が開示される。
損傷DNA混合物が室温までまたは60℃ないし70℃、50ないし60℃、40℃ないし50℃、30℃ないし40℃、50℃ないし70℃未満まで冷却される方法が開示される。
変性溶液が1種類以上の塩を含む方法が開示される。
塩がトリス−HCl、トリス−EDTA、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、または組み合わせである方法が開示される。
トリス−HClがpH7.0ないし8.0である方法が開示される。
塩がトリス−EDTAである方法が開示される。
変性溶液が約50mMないし約500mMトリスおよび約1mMないし約5mM EDTAを含む方法が開示される。
損傷DNA試料がゲノムDNAの分解されたDNA断片を含む方法が開示される。
損傷DNAの複製および修復が、損傷DNAをDNAポリメラーゼの存在下でインキュベートすることによって達成される方法が開示される。
ポリメラーゼが、損傷DNAの3’末端を伸長することができるDNAポリメラーゼである方法が開示される。
DNAポリメラーゼがφ29DNAポリメラーゼ、BST DNAポリメラーゼ、TaqDNAポリメラーゼ、TaqDNAポリメラーゼの改変形、逆転写酵素、T4DNAポリメラーゼ、T7DNAポリメラーゼ、PolI DNAポリメラーゼ、またはDNAポリメラーゼIの改変形である方法が開示される。
DNポリメラーゼがφ29DNAポリメラーゼである方法が開示される。
損傷DNAがキットを用いて増幅され、キットが変性溶液、安定化溶液、一組のプライマー、およびDNポリメラーゼを含む方法が開示される。
損傷DNA試料が細胞溶解物であり、細胞溶解物は細胞をアルカリ性条件へ曝露することによって生じ、細胞溶解物が全ゲノムを含む方法が開示される。
細胞のアルカリ性条件への曝露に続いて、細胞溶解物の第1の部分を、細胞溶解物の第1の部分に含まれる損傷DNAの実質的な変性を促進する条件へ曝露し、細胞溶解物のpHを低下させることが細胞溶解物の第1の部分のpHを低下させて第1の安定化した細胞溶解物を生じることおよび細胞溶解物の第2の部分のpHを低下させて第2の安定化した細胞溶解物を生じることを含み、細胞溶解物のpHを低下させることに続いて、第2の安定化した細胞溶解物中の損傷DNAの末端の一時的変性を促進しおよび第1の安定化した細胞溶解物中の損傷DNAの実質的な変性を維持する条件下で混合し、それによって安定化した細胞溶解物混合物を生じ、および安定化された細胞溶解物をインキュベートする前に、一時的に変性した損傷DNAの末端の、実質的に変性した損傷DNAへのアニーリングを促進する条件下で、安定化された細胞溶解物混合物を冷却し、安定化された細胞溶解物をゲノムの複製を促進する条件下でインキュベートすることがまた損傷DNAの複製を促進し、損傷DNAのアニーリングされた末端が複製をプライミングし、損傷DNAの複製が複製された鎖の修復を結果として生じることを含む方法が開示される。
損傷DNAを増幅する方法であって、第1の損傷DNA試料中の損傷DNAの実質的な変性を促進する条件へ第1の損傷DNA試料を曝露し、それによって変性した損傷DNA試料を生じ、変性した損傷DNA試料のpHを低下させて、安定化した変性した損傷DNA試料を生じ、第2の損傷DNA試料を、安定化した変性した損傷DNA試料と、第2の試料中の損傷DNAの末端の一時的変性を促進しおよび安定化した変性した損傷DNA試料中の損傷DNAの実質的な変性を維持する条件下で混合し、それによって損傷DNA混合物を生じ、損傷DNA混合物を、一時的に変性した損傷DNAの末端の、実質的に変性した損傷DNAへのアニーリングを促進する条件下で冷却し、アニーリングした損傷DNAを、損傷DNAの複製を促進する条件下でインキュベートし、損傷DNAのアニーリングした末端が複製をプライミングし、損傷DNAの複製は複製された鎖の修復を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって置換されることを含む方法が開示される。
第2の損傷DNA試料を安定化された変性した損傷DNA試料と混合する間、第1の損傷DNA試料を加熱する温度が維持される方法が開示される。
第2の損傷DNA試料を安定化された変性した損傷DNA試料と混合する際、安定化された変性した損傷DNA試料のpHがさらに実質的な変性を生じるほど高くも低くもない方法が開示される。
第1の損傷DNA試料が損傷DNA試料の一部であり、第2の損傷DNA試料が同一の損傷DNA試料の一部である方法が開示される。
第1の損傷DNA試料が第2の損傷DNA試料と同一の起源に由来する方法が開示される。
第1の損傷DNA試料が第2の損傷DNA試料と同一の生物に由来する方法が開示される。
第1の損傷DNA試料が第2の損傷DNA試料と同一の組織に由来する方法が開示される。
第2の損傷DNA試料が、安定化した変性した損傷DNA試料と、第2の損傷DNA試料中の損傷DNAを一時的に変性させる温度にておよびそのような長さの時間、混合される方法が開示される。
温度が約70℃以下であり、および時間の長さが約30秒以下である方法が開示される。
第2の損傷DNA試料が、安定化された変性した損傷DNA試料と、DNAをさらに損傷しない温度にて混合される方法が開示される。
温度が約60℃ないし約70℃、約50℃ないし約60℃、約40℃ないし約50℃、約25℃ないし約40℃、約25℃ないし約70℃である方法が開示される。時間の長さが約30秒間である方法が開示される。
核酸を増幅する方法であって、核酸を含むとみられる試料をアルカリ性条件へ曝露し、試料の全部または一部のpHを低下させて安定化された試料を生じ、および試料からの核酸の増幅を促進する条件下で増幅混合物をインキュベートし、増幅混合物が安定化された試料の全部または一部を含む方法もまた開示される。核酸の複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって試料中の核酸から置換され、複製された鎖は低い増幅偏りを有する。
核酸を増幅する方法であって、核酸を含みうる試料をアルカリ性条件へ曝露し、アルカリ性条件が試料中に存在しうる細胞の溶解を促進し、試料の全部または一部のpHを低下させて安定化された試料を生じ、および試料からの核酸の増幅を促進する条件下で増幅混合物をインキュベートし、増幅混合物が安定化された試料の全部または一部を含む方法もまた開示される。核酸の複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって試料中の核酸から置換され、複製された鎖は低い増幅偏りを有する。
増幅混合物中の核酸の濃度は、プライマーのハイブリダイゼーションを核酸の再会合よりも有利にすることができる。増幅混合物中の核酸の濃度は10ng/μl以下であることができる。増幅混合物中の核酸の濃度は8ng/μl以下、6ng/μl以下、5ng/μl以下、4ng/μl以下、3ng/μl以下、2ng/μl以下、1ng/μl以下、または0.5ng/μl以下であることができる。増幅混合物中の核酸の濃度は100ng/μl以下であることができる。
増幅混合物中の核酸の量は、複製された鎖における低い増幅偏りを結果として生じうる閾値であるかまたはそれを上回ることができる。増幅混合物は少なくとも100ngの核酸を含みうる。増幅試料は少なくとも150ng、少なくとも200ng、少なくとも300ng、少なくとも400ng、少なくとも500ng、少なくとも1mg、少なくとも2mg、または少なくとも3mgの核酸を含みうる。増幅混合物は少なくとも10ngの核酸を含みうる。
複製された鎖の増幅偏りは、試料中の少なくとも10個の標的配列に関して20倍未満であることができる。複製された鎖の増幅偏りは、試料中の少なくとも10個の標的配列に関して10倍未満であることができる。複製された鎖の遺伝子座発現量は、少なくとも5個の異なる遺伝子座に関して少なくとも10%であることができる。複製された鎖の遺伝子座発現量は、少なくとも5個の異なる遺伝子座に関して少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも100%であることができる。複製された鎖の遺伝子座発現量は、少なくとも6個の異なる遺伝子座、少なくとも7個の異なる遺伝子座、少なくとも8個の異なる遺伝子座、少なくとも9個の異なる遺伝子座、少なくとも10個の異なる遺伝子座、少なくとも11個の異なる遺伝子座、少なくとも12個の異なる遺伝子座、少なくとも13個の異なる遺伝子座、少なくとも14個の異なる遺伝子座、少なくとも15個の異なる遺伝子座、少なくとも16個の異なる遺伝子座、少なくとも17個の異なる遺伝子座、少なくとも18個の異なる遺伝子座、少なくとも19個の異なる遺伝子座、少なくとも20個の異なる遺伝子座、少なくとも25個の異なる遺伝子座、少なくとも30個の異なる遺伝子座、少なくとも40個の異なる遺伝子座、少なくとも50個の異なる遺伝子座、少なくとも75個の異なる遺伝子座、または少なくとも100個の異なる遺伝子座に関して少なくとも10%であることができる。
複製された鎖の増幅偏りは、50倍未満であることができる。複製された鎖の増幅偏りは、45倍未満、40倍未満、35倍未満、30倍未満、25倍未満、20倍未満、19倍未満、18倍未満、17倍未満、16倍未満、15倍未満、14倍未満、13倍未満、12倍未満、11倍未満、10倍未満、9倍未満、8倍未満、7倍未満、6倍未満、5倍未満、または4倍未満であることができる。複製された鎖の増幅偏りは、少なくとも5個の異なる遺伝子座に関して、少なくとも6個の異なる遺伝子座、少なくとも7個の異なる遺伝子座、少なくとも8個の異なる遺伝子座、少なくとも9個の異なる遺伝子座、少なくとも10個の異なる遺伝子座、少なくとも11個の異なる遺伝子座、少なくとも12個の異なる遺伝子座、少なくとも13個の異なる遺伝子座、少なくとも14個の異なる遺伝子座、少なくとも15個の異なる遺伝子座、少なくとも16個の異なる遺伝子座、少なくとも17個の異なる遺伝子座、少なくとも18個の異なる遺伝子座、少なくとも19個の異なる遺伝子座、少なくとも20個の異なる遺伝子座、少なくとも25個の異なる遺伝子座、少なくとも30個の異なる遺伝子座、少なくとも40個の異なる遺伝子座、少なくとも50個の異なる遺伝子座、少なくとも75個の異なる遺伝子座、または少なくとも100個の異なる遺伝子座に関して、50倍未満であることができる。
試料は細胞を含むことができ、アルカリ性条件が細胞の溶解を促進し、アルカリ性条件が細胞溶解物を結果として生じる。試料はアルカリ性条件の非存在下で相当な細胞溶解を引き起こしうる温度を超えてまたはそのような時間加熱に供する必要は無い。試料は核酸を含むことができ、核酸はゲノムを含み、核酸の複製はゲノムの複製を結果として生じる。試料中の核酸の複製は、ゲノムの全部または相当な部分の複製を結果として生じる。ゲノムは真核ゲノム、植物ゲノム、動物ゲノム、脊椎動物ゲノム、魚類ゲノム、哺乳類ゲノム、ヒトゲノム、細菌ゲノム、微生物ゲノム、またはウイルスゲノムであることができる。ゲノムは増幅混合物中の核酸の少なくとも50%を含みうる。ゲノムは増幅混合物中の核酸の少なくとも90%を含みうる。ゲノムは増幅混合物中の核酸の少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含みうる。
核酸は複数のゲノムを含むことができ、核酸の複製は複数のゲノムの複製を結果として生じる。ゲノムのうち少なくとも2つは異なる生物のゲノムであることができる。少なくとも1つのゲノムはヒトゲノムであることができおよび少なくとも1つのゲノムは細菌ゲノム、ウイルスゲノム、微生物ゲノム、または病原体ゲノムであることができる。少なくとも1つのゲノムは真核ゲノム、植物ゲノム、動物ゲノム、脊椎動物ゲノム、魚類ゲノム、哺乳類ゲノム、ヒトゲノム、細菌ゲノム、微生物ゲノム、またはウイルスゲノムであることができ、および少なくとも1つのゲノムは真核ゲノム、植物ゲノム、動物ゲノム、脊椎動物ゲノム、魚類ゲノム、哺乳類ゲノム、ヒトゲノム、細菌ゲノム、微生物ゲノム、またはウイルスゲノムである。ゲノムは増幅混合物中の核酸の少なくとも50%を含みうる。ゲノムは増幅混合物中の核酸の少なくとも90%を含みうる。ゲノムは増幅混合物中の核酸の少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含みうる。
試料は真核試料、植物試料、動物試料、脊椎動物試料、魚類試料、哺乳類試料、ヒト試料、非ヒト試料、細菌試料、微生物試料、ウイルス試料、生物学的試料、血清試料、血漿試料、血液試料、尿試料、精液試料、リンパ液試料、脳脊髄液試料、羊水試料、生検試料、針吸引生検試料、がん試料、腫瘍試料、組織試料、細胞試料、細胞溶解物試料、粗細胞溶解物試料、組織溶解物試料、組織培養細胞試料、口腔塗抹試料、口腔洗浄液試料、糞便試料、ミイラ化組織試料、法医学試料、検死試料、考古学的試料、感染試料、院内感染試料、製品試料、医薬調製物試料、生物学的分子製品試料、タンパク質調製物試料、脂質調製物試料、糖質調製物試料、無生物試料、空気試料、土壌試料、樹液試料、金属試料、化石試料、土砂試料、地球上の試料、地球外の試料、またはその組み合わせであることができる。試料は血清試料または血漿試料であることができる。試料を溶解溶液と混合することによって試料をアルカリ性条件に曝露することができる。溶解溶液は塩基、緩衝剤、または組み合わせを含みうる。溶解溶液は塩基を含むことができ、塩基は水酸化カリウムである。溶解溶液は400mM KOHを含みうる。溶解溶液は400mM KOHおよび10mM EDTAを含みうる。溶解溶液は100mM KOHを含みうる。溶解溶液は100mM KOHおよび2.5mM EDTAを含みうる。試料は等しい容量の溶解溶液と混合することができる。
試料のpHは約pH7.0ないし約pH6.8の範囲へ低下させることができる。試料のpHは試料を安定化溶液と混合することによって低下させることができる。安定化溶液は緩衝剤、酸、または組み合わせを含みうる。安定化溶液は緩衝剤を含むことができ、緩衝剤はpH4のトリス−HClである。安定化溶液は800mMトリス−HCl、pH4を含みうる。安定化溶液は200mMトリス−HCl、pH4を含みうる。試料は等しい容量の安定化溶液と混合することができる。
試料をアルカリ性条件に曝露すること、試料のpHを低下させること、および安定化された試料をインキュベートすることは同一の反応チャンバー内で実施することができる。反応チャンバーは、チューブ、試験管、エッペンドルフチューブ、ベッセル、マイクロベッセル、プレート、ウェル、マイクロウェルプレートのウェル、マイクロタイタープレートのウェル、チャンバー、マイクロ流体チャンバー、マイクロマシンチャンバー、密閉チャンバー、ホール、凹部、小窪、シャーレ、表面、膜、マイクロアレイ、ファイバー、グラスファイバー、光ファイバー、ファイバー織物、フィルム、ビーズ、瓶、チップ、コンパクトディスク、成型ポリマー、粒子、または微粒子を含みうる。表面は商品であることができる。反応チャンバーは、アクリルアミド、セルロース、ニトロセルロース、ガラス、金、ポリスチレン、ポリエチレンビニルアセテート、ポリプロピレン、ポリメタクリレート、ポリエチレン、ポリエチレンオキサイド、ガラス、ポリシリケート、ポリカーボネート、テフロン、フルオロカーボン、ナイロン、シリコンゴム、ポリ無水物、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリオルトエステル、官能基化シラン、ポリプロピルフマラート、コラーゲン、グリコサミノグリカン、ポリアミノ酸、または組み合わせを含みうる。核酸を増幅混合物のインキュベート前に精製または抽出する必要は無い。試料中の核酸を試料中の他の物質から分離する必要は無い。安定化された試料中の核酸を安定化された試料中の他の物質から分離する必要は無い。
安定化された試料中の核酸は、水を除く重量で、純度0.01%未満、純度0.1%未満、純度0.5%未満、純度1%未満、純度5%未満、純度10%未満、または純度20%未満であることができる。試料をインキュベート前に相当な精製に供する必要は無い。試料をインキュベート前に遠心分離、抽出、クロマトグラフィー、沈澱、濾過、または透析に供することができる。
本方法はさらに複製された鎖を検出することを含みうる。複製された鎖を検出することは、複製された鎖の存在、量、または存在および量を検出することを含みうる。複製された鎖の存在、量、または存在および量は、1種類以上の標的配列の複製された鎖の存在、量、または存在および量を検出することによって達成される。複数の対立遺伝子、遺伝子座、または両方の量を検出することができる。複製された鎖の検出は、試料が核酸を含むことを示す。
複製された鎖は、500以上の遺伝子座、400以上の遺伝子座、300以上の遺伝子座、200以上の遺伝子座、100以上の遺伝子座、50以上の遺伝子座、40以上の遺伝子座、30以上の遺伝子座、20以上の遺伝子座、15以上の遺伝子座、10以上の遺伝子座、8以上の遺伝子座、6以上の遺伝子座、5以上の遺伝子座、4以上の遺伝子座、3以上の遺伝子座、2以上の遺伝子座、または1以上の遺伝子座に関して対立遺伝子欠落が無い、対立遺伝子欠落に関して分析することができる。複製された鎖は500以上の遺伝子座、400以上の遺伝子座、300以上の遺伝子座、200以上の遺伝子座、100以上の遺伝子座、50以上の遺伝子座、40以上の遺伝子座、30以上の遺伝子座、20以上の遺伝子座、15以上の遺伝子座、10以上の遺伝子座、8以上の遺伝子座、6以上の遺伝子座、5以上の遺伝子座、4以上の遺伝子座、3以上の遺伝子座、2以上の遺伝子座、または1以上の遺伝子座に関して対立遺伝子欠落が5%未満である、対立遺伝子欠落に関して分析することができる。
試料中の核酸の存在を検出する方法であって、試料をアルカリ性条件へ曝露し、試料のpHを低下させて安定化された試料を生じ、および試料からの核酸の複製を促進する条件下で増幅混合物をインキュベートし、増幅混合物が安定化された試料の全部または一部を含み、核酸の複製が複製された鎖を結果として生じ、および複製された鎖を検出し、複製された鎖の検出が試料が核酸を含むことを示すことを含む方法もまた開示される。
核酸の存在を検出する方法であって、核酸を含みうる試料をアルカリ性条件へ曝露し、アルカリ性条件が試料中に存在しうる細胞の溶解を促進し、試料のpHを低下させて安定化された試料を生じ、および試料からの核酸の複製を促進する条件下で増幅混合物をインキュベートし、増幅混合物が安定化された試料の全部または一部を含み、核酸の複製が複製された鎖を結果として生じ、および複製された鎖を検出し、複製された鎖の検出が、試料が核酸を含むことを示すことを含む方法もまた開示される。
本方法はさらに複製された鎖を定量することを含みうる。複製された鎖の量は、試料中に存在する核酸の量の指標となりうる。試料は3以上の生物に由来する核酸を含むことができ、複製された鎖を検出することが少なくとも1の生物を検出する。試料は生態系全体に由来する核酸を含むことができ、複製された鎖を検出することが少なくとも1の生物を検出する。
試料中の生物の存在を検出する方法であって、試料をアルカリ性条件へ曝露し、試料のpHを低下させて安定化された試料を生じ、試料からの核酸の複製を促進する条件下で増幅混合物をインキュベートし、増幅混合物が安定化された試料の全部または一部を含み、核酸の複製が複製された鎖を結果として生じ、および複製された鎖の1種類以上の配列を含む1種類以上の生物を同定し、それによって試料中の生物の存在を検出することを含む方法もまた開示される。
複製された鎖の1種類以上の配列を含む1種類以上の生物は、複製された鎖の少なくとも一部を配列決定して複製された鎖の1種類以上の配列を得て、複製された鎖の1種類以上の配列を検索文字列として核酸配列のデータベースを連続的に検索し、および検索の結果を、試料中に存在する可能性が高いおよび試料中に存在する可能性が低い生物の配列として同定し、それによって試料中の生物の存在を検出することによって同定できる。試料は生態系全体に由来する核酸を含むことができ、試料中の生物の少なくとも1は変異生物であることができ、変異生物はデータベース中に存在する同一の種類の生物の配列からの変異配列を含むことができ、複製された鎖の1種類以上の配列を含む生物の種類を同定することによって少なくとも1の生物が同定される。複製された鎖の少なくとも一部を配列決定することは、複数の核酸プローブのうち少なくとも1種類へのハイブリダイゼーションによって達成できる。核酸プローブはマイクロアレイ上に固定化されている。試料は2の生物に由来する核酸を含むことができ、複製された鎖の1種類以上の配列を含む生物の種類を同定することによって、少なくとも一方の生物が同定される。
試料は実質的に無細胞の試料であることができる。試料は血清試料または血漿試料であることができる。試料は水試料であることができる。複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって試料中の核酸から置換されうる。核酸は、指数ローリング・サークル増幅(ERCA)、およびローリング・サークル増幅(RCA)、複数置換増幅(MDA)、鎖置換増幅(SDA)、核酸配列準拠増幅(NASBA)、転写媒介増幅(TMA)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、自己維持的配列複製(3SR)、Qβ−レプリカーゼを用いる増幅、およびサイクルシークエンシングを用いる複製でありうる。
核酸を増幅する方法であって、試料をアルカリ性条件へ曝露し、試料の全部または一部のpHを低下させて安定化された試料を生じ、および試料からの核酸の複製を促進する条件下で増幅混合物をインキュベートし、増幅混合物が安定化された試料の全部または一部を含む方法もまた開示される。核酸の複製は複製された鎖を結果として生じ、複製された鎖は低い増幅偏りを有し、増幅混合物中の核酸の濃度は、プライマーのハイブリダイゼーションを核酸の再会合よりも有利にし、増幅混合物中の核酸の量は、複製された鎖における低い増幅偏りを結果として生じうる閾値であるかまたはそれを上回る。
核酸を増幅する方法であって、核酸を含みうる試料をアルカリ性条件へ曝露し、アルカリ性条件が試料中に存在しうる細胞の溶解を促進し、試料の全部または一部のpHを低下させて安定化された試料を生じ、および試料からの核酸の増幅を促進する条件下で増幅混合物をインキュベートし、増幅混合物が安定化された試料の全部または一部を含む方法もまた開示される。核酸の複製は複製された鎖を結果として生じ、複製された鎖は低い増幅偏りを有し、増幅混合物中の核酸の濃度は、プライマーのハイブリダイゼーションを核酸の再会合よりも有利にし、増幅混合物中の核酸の量は、複製された鎖における低い増幅偏りを結果として生じうる閾値であるかまたはそれを上回る。
核酸は、指数ローリング・サークル増幅(ERCA)、およびローリング・サークル増幅(RCA)、複数置換増幅(MDA)、鎖置換増幅(SDA)、核酸配列準拠増幅(NASBA)、転写媒介増幅(TMA)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、自己維持的配列複製(3SR)、Qβ−レプリカーゼを用いる増幅、およびサイクルシークエンシングを用いて複製することができる。
核酸増幅のための反応条件を特定する方法であって、被験試料を試験条件下で増幅して、増幅された核酸を作製し、増幅された核酸における増幅偏りを測定し、増幅偏りが目的の閾値未満であれば、その試験条件が核酸増幅のための条件として特定される方法もまた開示される。
核酸は、指数ローリング・サークル増幅(ERCA)、およびローリング・サークル増幅(RCA)、複数置換増幅(MDA)、鎖置換増幅(SDA)、核酸配列準拠増幅(NASBA)、転写媒介増幅(TMA)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、自己維持的配列複製(3SR)、Qβ−レプリカーゼを用いる増幅、およびサイクルシークエンシングを用いて複製することができる。
核酸増幅のための反応条件を特定する方法であって、被験試料をアルカリ性条件に曝露し、被験試料の全部または一部のpHを低下させて安定化された被験試料を生じ、および増幅された核酸を生じる条件下で被験増幅混合物をインキュベートし、被験増幅混合物は安定化された被験試料の全部または一部を含み、試験条件が核酸の複製を促進し、被験増幅混合物中の核酸の濃度が被験核酸濃度であり、被験増幅混合物中の核酸の量が核酸の試験量であり、および増幅された核酸における増幅偏りを測定し、増幅偏りが目的の閾値未満であれば、その核酸の試験濃度が核酸増幅のために用いるべき濃度でありおよび核酸のその試験量が核酸増幅に用いるべき閾量であることを含む方法もまた開示される。
核酸増幅のための反応条件を特定する方法であって、被験試料をアルカリ性条件に曝露し、アルカリ性条件が試料中に存在しうる細胞の溶解を促進し、被験試料の全部または一部のpHを低下させて安定化された被験試料を生じ、および増幅された核酸を生じる条件下で被験増幅混合物をインキュベートし、被験増幅混合物は安定化された被験試料の全部または一部を含み、試験条件が核酸の複製を促進し、被験増幅混合物中の核酸の濃度が被験核酸濃度であり、被験増幅混合物中の核酸の量が核酸の試験量であり、および増幅された核酸における増幅偏りを測定し、増幅偏りが目的の閾値未満であれば、その核酸の試験濃度が核酸増幅のために用いるべき濃度でありおよび核酸のその試験量が核酸増幅に用いるべき閾量であることを含む方法もまた開示される。
核酸を増幅する方法であって、試料をアルカリ性条件へ曝露し、試料の全部または一部のpHを低下させて安定化された試料を生じ、および試料からの核酸の複製を促進する条件下で増幅混合物をインキュベートし、増幅混合物が安定化された試料の全部または一部を含む方法もまた開示される。核酸の複製は複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって試料中の核酸から置換され、複製された鎖は目的の閾値よりも低い増幅偏りを有し、増幅混合物中の核酸の濃度が所定の濃度以上であり、増幅混合物中の核酸の量が閾量以上であり、所定の濃度および閾量が、被験試料をアルカリ性条件に曝露し、被験試料の全部または一部のpHを低下させて安定化された被験試料を生じ、および、核酸の複製を促進する条件下で被験増幅混合物をインキュベートして増幅された核酸を生じ、増幅混合物が安定化された試料の全部または一部を含み、被験増幅混合物中の核酸の濃度が被験核酸濃度であり、被験増幅混合物中の核酸の量が核酸の試験量であり、および増幅された核酸における増幅偏りを測定し、増幅偏りが目的の閾値未満であれば、その核酸の試験濃度が所定の濃度でありおよび核酸のその試験量が閾量であることによって決定されることを含む方法もまた開示される。
核酸を増幅する方法であって、核酸を含みうる試料をアルカリ性条件へ曝露し、アルカリ性条件が試料中に存在しうる細胞の溶解を促進し、試料の全部または一部のpHを低下させて安定化された試料を生じ、および試料からの核酸の増幅を促進する条件下で増幅混合物をインキュベートし、増幅混合物が安定化された試料の全部または一部を含む方法もまた開示される。核酸の複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって試料中の核酸から置換され、複製された鎖は目的の閾値よりも低い増幅偏りを有し、増幅混合物中の核酸の濃度が所定の濃度以上であり、増幅混合物中の核酸の量が閾量以上である方法もまた開示される。所定の濃度および閾量は、被験試料をアルカリ性条件に曝露し、被験試料の全部または一部のpHを低下させて安定化された被験試料を生じ、および、核酸の複製を促進する条件下で被験増幅混合物をインキュベートして増幅された核酸を生じ、増幅混合物が安定化された試料の全部または一部を含み、被験増幅混合物中の核酸の濃度が被験核酸濃度であり、被験増幅混合物中の核酸の量が核酸の試験量であり、および増幅された核酸における増幅偏りを測定し、増幅偏りが目的の閾値未満であれば、その核酸の試験濃度が所定の濃度でありおよび核酸のその試験量が閾量であることによって決定される。
全ゲノムを増幅するためのキットであって、安定化溶液、一組のプライマーを含む反応混合物、およびDNAポリメラーゼを含むDNAポリメラーゼ混合物を含むキットもまた開示される。キットはさらに、1Mジチオスレイトール、1Xリン酸緩衝生理食塩水、pH7.5、および対照DNAテンプレートを含むことができ、安定化溶液は800mMトリス−HCl、pH4を含み、反応混合物は150mMトリス−HCl、200mM KCl、40mM MgCl、20mM(NHSO、4mMデオキシヌクレオチド三リン酸、および0.2mMランダム六量体プライマーを含み、DNAポリメラーゼはφ29DNAポリメラーゼである。
試料をアルカリ性条件の非存在下で相当な細胞溶解を引き起こす温度を上回っておよびそのような時間にわたって加熱する必要は無い。試料をアルカリ性条件へ曝露すること、試料のpHを低下させること、および安定化された試料をインキュベートすることの間に、核酸を精製または抽出する必要は無い。相当な精製が遠心分離、抽出、クロマトグラフィー、沈澱、濾過、または透析を含む必要は無い。相当な精製が遠心分離、フェノール−クロロホルム抽出、またはカラムクロマトグラフィーを含む必要は無い。インキュベート前に試料を遠心分離、フェノール−クロロホルム抽出、カラムクロマトグラフィー、またはこれらの組み合わせに供することができる。相当な精製は遠心分離、抽出、クロマトグラフィー、濾過、透析、またはこれらの組み合わせを含みうる。相当な精製は、アルカリ性条件によってまたはpHの低下によって引き起こされた沈澱以外の沈澱を含みうる。相当な精製は遠心分離、フェノール−クロロホルム抽出、カラムクロマトグラフィー、またはこれらの組み合わせを含みうる。
試料を溶解溶液と混合することによって試料をアルカリ性条件へ曝露することができる。溶解溶液は塩基を含みうる。塩基は塩基水溶液であることができる。塩基は水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、アンモニア、アニリン、ベンジルアミン、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミン、ジフェニルアミン、エチルアミン、エチレンジアミン、メチルアミン、N−メチルアニリン、モルホリン、ピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、水酸化アルミニウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、またはDBU(1,8−ジアゾビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン)であることができる。
塩基は水酸化カリウムであることができる。溶解溶液は400mM KOHを含みうる。溶解溶液は400mM KOHおよび10mM EDTAを含みうる。溶解溶液は400mM KOHおよび10mM EDTAから成ることができる。溶解溶液は複数の塩基性物質を含みうる。試料を等しい容量の溶解溶液と混合することができる。溶解溶液は緩衝剤を含みうる。緩衝剤はリン酸緩衝剤、グッド緩衝剤、BES、BICINE、CAPS、EPPS、HEPES、M ES、MOPS、PIPES、TAPS、TES、TRICINE、カコジル酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸トリエチルアンモニウム、重炭酸トリエチルアンモニウム、トリス、ビス−トリス、またはビス−トリスプロパンであることができる。溶解溶液は複数の緩衝剤を含みうる。
試料のpHは約pH7.0ないし約pH6.8の範囲へ低下させることができる。試料のpHは試料を安定化溶液と混合することによって低下させることができる。安定化溶液は緩衝剤を含みうる。緩衝剤はリン酸緩衝剤、グッド緩衝剤、BES、BICINE、CAPS、EPPS、HEPES、M ES、MOPS、PIPES、TAPS、TES、TRICINE、カコジル酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸トリエチルアンモニウム、重炭酸トリエチルアンモニウム、トリス、ビス−トリス、またはビス−トリスプロパンであることができる。緩衝剤はpH4のトリス−HClであることができる。安定化溶液は800mMトリス−HCl、pH4を含みうる。安定化溶液は800mMトリス−HCl、pH4から成ることができる。安定化溶液は複数の緩衝剤を含みうる。試料は等しい容量の安定化溶液と混合することができる。
安定化溶液は酸を含みうる。酸は塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、アセチルサリチル酸、アスコルビン酸、炭酸、クエン酸、ギ酸、硝酸、過塩素酸、HF、HBr、HI、HS、HCN、HSCN、HClO、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、またはカルボン酸であることができる。カルボン酸はエタン酸、プロパン酸、またはブタン酸であることができる。安定化溶液は複数の酸性物質を含みうる。インキュベートは実質的に等温であることができる。試料をインキュベートの温度を実質的に上回って加熱する必要は無い。試料を試料中の核酸の明らかな変性を引き起こす温度を上回ってまたはそのような時間加熱に供する必要は無い。
本方法はさらに、核酸を含みうる第2の試料をアルカリ性条件へ曝露し、アルカリ性条件が試料中に存在しうる細胞の溶解を促進し、試料のpHを低下させて第2の安定化された試料を生じ、および第2の試料からの核酸の増幅を促進する条件下で第2の安定化された試料をインキュベートし、第2の試料中の核酸の複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって第2の試料中の核酸から置換されることを含みうる。
第2の試料は、第1の試料と同一の種類の生物に由来する試料であることができる。第2の試料は、第1の試料と同一の種類の組織に由来する試料であることができる。第2の試料は、第1の試料と同一の生物に由来する試料であることができる。第2の試料は、第1の試料とは異なる時に得ることができる。第2の試料は、第1の試料とは異なる生物に由来する試料であることができる。第2の試料は、第1の試料とは異なる種類の組織に由来する試料であることができる。第2の試料は、第1の試料とは異なる種の生物に由来する試料であることができる。第2の試料は、第1の試料とは異なる系統の生物に由来する試料であることができる。第2の試料は、第1の試料とは異なる細胞区画に由来する試料であることができる。

下記は本開示の方法の一部の具体的態様を例証する。
高温MDA手順例
試薬組成
溶液A:400mM KOH,10mM EDTA,pH8
溶液B:800mMトリス塩酸,pH4
1.増幅前のゲノムDNAテンプレートの変性。
a.変性溶液 溶液Aを1:4にHOを用いて希釈する(たとえば100μLの溶液Aを300μLのHO中へ)。
b.安定化溶液 溶液を1:5にHOを用いて希釈する(たとえば、100μLの溶液Bを400μLのHO中へ)。
注:変性溶液および安定化溶液は使用前に新しく希釈する。溶液Aの入った瓶は密栓して保存する。
2.2.5μLの変性溶液を、氷上にて2.5μLのゲノムDNAを入れた0.2mLサーモサイクラーチューブのそれぞれに加える。ピペットで5回吸引上下することによってよく混合する。チューブまたはプレートを氷上で3分間インキュベートする。
3.変性反応を3分後に、5μLの安定化溶液を各試料および対照に加えることによって停止する。チューブを氷から取り出す。直ちに増幅手順へ進む。
4.複数置換増幅
必要な量のゲノムDNA、
0.3Mトレハロース、
10mM MgCl
37.5mMトリス/HClpH:7、
50mM KCl、
20mM硫酸アンモニウム、
1mMdNTP、
50μMエキソヌクレアーゼ耐性ランダム六量体オリゴヌクレオチド、
40ユニットのファイ29DNAポリメラーゼ。
40℃にて6〜16時間インキュベートする。
増幅例
A.試薬
4X混合物
DNAポリメラーゼ混合物
対照gDNAテンプレート(10ng/μL)
ストック溶解または変性溶液
安定化溶液
1Xリン酸緩衝生理食塩水(pH7.5)
1Mジチオスレイトール(DTT)
滅菌蒸留/脱イオン水(HO)
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム−2HO(EDTA)
水酸化カリウム(KOH)、ペレット
1XTE緩衝液(10mMトリス、pH8.0;1mM EDTA、pH8.0)
30℃および65℃インキュベーターまたは熱サイクル制御装置
0.5μLから1000μLマイクロピペッター
1.5mLポリプロピレン微量遠心チューブ
0.2mLサーマルサイクラーチューブ、または96ウェルサーマルサイクラープレート
疎水性フィルター付きピペットチップ
B.保存および安定性
冷凍した試薬および組成物を−70℃以下で保存する。活性の損失が無いことを確実にするため、ストック溶解溶液および変性溶液は新しく調製すべきでありおよび室温(20〜25℃)にて約1週間保存しうる(下記参照)。
C.手順
1.ストック溶解溶液の調製
5mLバイアルのストック溶解溶液−0.4M KOH,10mM EDTA(pH8.0)−細胞溶解にまたは精製gDNA変性における使用のために一週間以内に使用のため、ストック溶液から新しく調製(下記参照)。
5M KOHおよび0.5M EDTAストック溶液の調製:固く再密栓したストック溶液を、室温にて、調製日から最長1年間保存することができる。
ストック5M KOHを、28gのKOHペレットおよび終容量100mLとするのに十分なHOを加えることによって調製する。KOHペレットが乾燥していて(塊になっていない)および溶解前に空気にできるかぎり短く曝されることを確実にする。
ストック0.5M EDTA(pH8.0)を、18.6gのEDTAを80mLのHOへ加えることによって調製する。
マグネティックスターラー上でよくかくはんする。NaOHを用いてpHを8.0へ調整する。EDTAの二ナトリウム塩は、pHを約8.0へ調整するまで溶液へ入れない。スターラーバーを取り出し、および終容量を100mLに合わせる。代替的に、市販の分子生物学グレード0.5M EDTApH8.0を用いることができる。
ストック溶解溶液の調製:0.4mLの5M KOHおよび0.1mLの0.5M EDTA(pH8.0)を4.5mLの滅菌蒸留/脱イオンHOへ加えることによって、5mLのストック溶解溶液をバイアルに調製する。
注:5M KOHストックの入った瓶、および、ストック溶解溶液の入ったバイアルは、両方とも、COからの中性化を避けるために直ちに密栓すべきである。ストック溶解溶液のバイアルは、活性の損失が無いことを確実にするため、室温(20〜25℃)にて約1週間保存しうる。
2.抽出手順
i.組織培養細胞からの迅速ゲノムDNA抽出:
反応は氷上に準備して実施する。
1XPBS中の組織培養細胞を、約100,000細胞/mLの濃度へ希釈する。
希釈した組織培養細胞の各試料3μLを増幅のために、ラベルを付した0.2mLサーマルサイクラーチューブまたは96ウェルサーマルサイクラープレートへ、必要に応じて入れる。
意図する反応の数を決定し、および十分な量の新しい「溶解溶液」を、1/10容の1Mジチオスレイトール(DTT)をストック溶解溶液へ加えることによって調製する(たとえば、3.5μLの1M DTTを31.5μLのストック溶解溶液へ、10反応のための35μLを調製するために)。溶解溶液は新しい抽出毎に、直前に新しく調製しなければならない。
3.5μLの溶解溶液を、1XPBSで希釈した3μLの組織培養細胞を入れた各チューブへ加える。ピペットで3回吸引上下することによってよく混合し、および氷上で10分間静置する。
3.5μLの安定化溶液を、溶解した組織培養細胞の各チューブへ加え、およびピペットで3回吸引上下することによって混合する。10μLの溶解した組織培養細胞をここで、同一の0.2mLサーマルサイクラーチューブにおける増幅反応のためのテンプレートDNAとして用いることができる(直ちに増幅手順へ進む)。
ii.血液またはバフィーコートからの迅速ゲノムDNA抽出:
反応は氷上に準備して実施する。
0.5μLのヒト全血またはバフィーコート試料を増幅のために2.5μLの1Xリン酸緩衝生理食塩水(PBS)が入った、ラベルを付した0.2mLサーマルサイクラーチューブまたは96ウェルサーマルサイクラープレートへ入れ、計3μLとする。
意図する反応の数を決定し、および十分な量の新しい「溶解溶液」を、1/10容の1Mジチオスレイトール(DTT)をストック溶解溶液へ加えることによって調製する(たとえば、3.5μLの1M DTTを31.5μLのストック溶解溶液へ、10反応のための35μLを調製するために)。溶解溶液は新しい抽出毎に、直前に新しく調製しなければならない。
3.5μLの溶解溶液を、1XPBSで希釈した3μLの血液またはバフィーコートを入れた各チューブへ加える。ピペットで3回吸引上下することによってよく混合し、および氷上で10分間静置する。
3.5μLの安定化溶液を、溶解した血液またはバフィーコート細胞の各チューブへ加え、およびピペットで3回吸引上下することによって混合する。10μLの溶解した血液またはバフィーコート細胞をここで、同一の0.2mLサーマルサイクラーチューブにおける増幅反応のためのテンプレートDNAとして用いることができる(直ちに増幅手順へ進む)。
iii.増幅テンプレートとしての予め精製されたgDNAの調製:
すべての反応は室温に準備して実施する。
次の段階に進む前に、終容量2.5μLを与える適当な量のTEおよびゲノムDNAテンプレートが入った反応チューブを準備する。使用すべきゲノムDNAの量を決定し、および適当な量の1XTE緩衝液を、ラベルを付した0.2mLサーマルサイクラーチューブ、または96ウェルサーマルサイクラープレートへ入れ、各試料の総容量を2.5μLとする。たとえば、1μLのgDNAテンプレートを使用すべき場合は、1.5μLの1XTE緩衝液を最初に、および次いで1μLのgDNAテンプレートを加える。陽性対照として、10ng(1μL)の供給された対照gDNAテンプレートを含む反応混合物を試料の組に含める。収率は50μL反応について45μg±10%であるべきである。
増幅前のゲノムDNAテンプレートの変性。新しい「変性溶液」を、ストック溶解溶液を1:8にHOを用いて希釈することによって調製する(たとえば、5μLのストック溶解溶液を35μLのHO中へ)。新しい「希釈安定化溶液」を、安定化溶液を1:10にHOを用いて希釈することによって調製する(たとえば、5μLの安定化溶液を455μLのHOへ)。変性溶液および希釈安定化溶液は、新しい実験毎の前に新しく調製すべきであり、および適当な活性のために室温に保たなければならない。変性溶液および希釈安定化溶液は氷上に置いてはならない。
変性反応。2.5μLの変性溶液を、2.5μLの試料または対照ゲノムDNAが入ったサーマルサイクラーチューブまたはウェルのそれぞれに室温にて加える。ピペットで3回吸引上下することによってよく混合する。チューブまたはプレートを室温にて3分間インキュベートする。
変性反応を3分後に、5μLの希釈安定化溶液をそれぞれの試料および対照チューブまたはウェルに加えることによって停止する。ここで各チューブまたはウェルには10μLの変性した試料または対照溶液がある(直ちに増幅手順へ進む)。
3.増幅手順
単離されたgDNAまたは溶解した血液および細胞のための増幅反応
DNAポリメラーゼ混合物(使用直前に氷上で融解すべきである)を除くすべてのキット構成要素を融解し、および次いで手順を通じて氷上に保持する。4X混合物は融解する際に沈澱を生じうる。沈澱は10秒間ボルテックスすると完全に溶解する。
増幅「反応主混合物」を調製する。単一の反応だけを実施する場合、本混合物は0.2mLチューブ中に氷上で集めることができる。(一反応について下記の表1を参照)。複数の試料については、下記の表1で:「10反応当たりの容量(μL)」の見出しの下に示す比率での試薬容量を用いる。反応主混合物を1.5mL微量遠心管中に氷上で集める(10試料毎に,残余液の損失に備えて11反応に十分な反応主混合物を調製する)。成分を表1に記載の順序で加える。HOおよび4X混合物の添加後に、DNAポリメラーゼ混合物の添加前に短くボルテックスしおよび本混合物を遠沈する。「反応主混合物」を氷上に保持する。
DNAポリメラーゼ混合物は反応主混合物への添加の直前に氷上で融解すべきである。主混合物は氷上に保持し、およびDNAポリメラーゼ混合物の添加の30分以内に増幅に使用すべきである。
Figure 2006512094
10μLの変性したゲノムDNAまたは溶解した細胞が入ったチューブまたはプレートを室温にてベンチにセットする。40μLの反応主混合物を各試料チューブまたはプレートへ加える。ピペットで3回吸引上下することによってよく混合し、および混合物を短時間遠沈する。
チューブまたはプレートを直ちに30℃インキュベーター(または30℃を保つように設定した熱サイクル制御装置)へ移し、および一夜(約16時間)インキュベートを開始する。サーマルサイクラーを用いる場合は、65℃にて3分間のインキュベートによって反応を終了し(酵素を不活性化するため)、および次いでholdthe試料を回収するまで4℃に保つようプログラムする。65℃インキュベーターを用いる場合は10分間のインキュベートによって反応を終了する(酵素を不活性化するため)。
増幅されたDNA産物チューブまたはプレートを−20℃にて用時まで保存する。
D.品質対照
増幅産物のQC分析
下記の手順は増幅産物の品質を試験するのに用いることができる。
DNA収率の定量化。ピコグリーン(PicoGreen)(モレキュラー・プローブズ社(Molecular Probes))は、2本鎖DNAに特異的な、蛍光を基礎とする核酸定量化法であり、2本鎖DNA産物を定量化するのに用いることができる。増幅産物が未使用の反応プライマーを含むため、2本鎖DNAに特異的であるDNA定量化法を用いることが重要である。予想される収率は50μL反応当たり45μg±10%である。
増幅産物の定性分析。反応が完了した後に、0.1ないし1μgの産物をTBE緩衝液(90mMトリス−ホウ酸、pH8.0、2mM EDTA)中の1.0%アガロースゲルを通して、適当な色素(たとえばGelStarX(登録商標)(キャンブレックス社(Cambrex))、エチジウムブロマイド、またはSYBRグリーン(登録商標)(モレキュラー・プローブズ社(Molecular Probes)))を用いて電気泳動によって分析し、およびUVライトボックスを用いて撮影することができる。産物は、平均長が10kbより大の、2kbから高分子量にわたるサイズの均一な分布として現れる。
増幅産物中の遺伝子座発現量の定量化。特定の遺伝子座の定量化は、アプライド・バイオシステムズ社(Applied Biosystems Inc.)によって開発されたTaqMan(登録商標)測定系を用いて実施することができる。TaqMan測定は、特定のゲノムDNA配列の収率を測定することができる。c−JUN(アプライド・バイオシステムズ社(Applied Biosystems)、品番4318299FまたはT)およびヒトRFLPO(大リボソームタンパク質)(アプライド・バイオシステムズ社(Applied Biosystems)、品番4310879E)を測定する2つの代表的なTaqMan測定法が、増幅性能の評価に用いられている。RFLPOおよびc−JUNに関しては、テンプレートgDNAに対する増幅されたgDNA中のある特定の遺伝子座のコピー数間の比として定義される、遺伝子座発現量は、開始テンプレートヒトgDNAの品質に応じて、40ないし200%の間にあるべきである。
A.実施例1:6ヌクレオチドプライマーを用いた全ゲノム増幅
本実施例は本開示の方法のいくつかの実施形態の実証および結果の分析および比較を記載する。例示される方法は本開示の、特異的配列を有する六量体(6ヌクレオチド)プライマーを用いた全ゲノム増幅の複数置換増幅形式である。異なるプライマー、および異なる数のプライマー、をさまざまな反応において使用した。これらのすべての例は、ヒト全ゲノムを効率的に増幅するために、特異的ヌクレオチド配列の1または少数のプライマーだけを用いる。
1.複数置換増幅(MDA)によるヒトゲノムDNAの増幅
本開示の方法の一実施形態の一例では、0.2mlチューブ中に集められた100μl反応(3連で)は、10ngのヒトゲノムDNA、37mMトリス−HCl、pH7.5、50mM KCl、10mM MgCl、5mM(NHSO、1.0mMdATP、dTTP、dCTP、およびdGTP、50μMエキソヌクレアーゼ耐性六量体、および800ユニット/mlファイ29DNAポリメラーゼを含んだ。反応は16時間30℃にてインキュベートし、および65℃への3分間の加熱によって終了した。MDA反応収率はピコグリーン(PicoGreen)定量化によってラムダDNA標準曲線(モレキュラー・プローブズ社(Molecular Probes)、オレゴン州ユージーン(Eugene))を用いて決定した。
2.増幅産物の定量的PCR分析
増幅されたDNAの品質はTaqMan分析を用いて評価した。TaqMan分析はABI7700および7000配列検出系の両方を用いて取扱説明書(アプライド・バイオシステムズ社(Applied Biosystems)、カリフォルニア州フォスターシティ(Foster City))に従って実施した。TaqMan反応は50μlの1xプラチナTaqポリメラーゼ緩衝液、5mM MgCl、1mMの各dNTP、1μlのROXリファレンス色素(インビトロジェン・ライフ・テクノロジーズ社(Invitrogen Life Technologies)、カリフォルニア州カールスバッド(Carlsbad))、1ユニットのプラチナTaqポリメラーゼ(インビトロジェン・ライフ・テクノロジーズ社(Invitrogen Life Technologies)、カリフォルニア州カールスバッド(Carlsbad)))、各0.3μMの順方向および逆方向PCRプライマー、0.25μMのFAM/TAMRA蛍光/消光プローブ、および1μgのMDA増幅されたDNAから成る。精製されたヒトゲノムDNA(gDNA)(プロメガ社(Promega)、ウィスコンシン州マディソン(Madison))を用いて0、0.001、0.01、0.1、および1μgのgDNAの標準曲線を作成し、MDA増幅されたDNAを定量化した。遺伝子座発現量(MDA/gDNA)はパーセントとして記録し、および100(遺伝子座コピー数/μgMDA産物)/(遺伝子座コピー数/μg gDNA)として導いた。100%の値は、増幅されたDNAに関する遺伝子座コピー数が、増幅されていないゲノムDNAに関する遺伝子座コピー数と等しいことを示す。
3.単一プライマー
ヒトゲノムDNAを、上記の通り、複数置換増幅によって増幅し、次いでTaqMan遺伝子座分析を行った。単一の6ヌクレオチドAlu特異的プライマー(すなわち、その配列はAlu反復配列に由来した)であるAluR11(AGCGAG)をMDA反応に使用した。計47遺伝子座を分析した(染色体当たり2遺伝子座、およびY染色体から1遺伝子座)。図1に示す通り、AluR11は遺伝子座発現量によって示す通り効率的にヒト全ゲノムを増幅した。
4.2プライマー
2種類の特異的プライマーを用いて、ヒトゲノムDNAを、上記の通り、複数置換増幅によって増幅し、次いでTaqMan遺伝子座分析を行った。2種類のプライマー配列はAGTGGGおよびAGAGAGであった。計47遺伝子座を分析した(染色体当たり2遺伝子座、およびY染色体から1遺伝子座)。図2に示す通り、2種類の6ヌクレオチドプライマーは遺伝子座発現量によって示す通り効率的にヒト全ゲノムを増幅した。
5.3プライマー
3種類の特異的プライマーを用いて、ヒトゲノムDNAを、上記の通り、複数置換増幅によって増幅し、次いでTaqMan遺伝子座分析を行った。プライマーは、配列AGCCGG、AGTAGG、およびAGTTGG.を有する6ヌクレオチド非Aluプライマー(すなわち、その配列はAlu反復配列に由来しなかった)であった。計47遺伝子座を分析した(染色体当たり2遺伝子座、およびY染色体から1遺伝子座)。図3に示す通り、3種類のプライマーは遺伝子座発現量によって示す通り効率的にヒト全ゲノムを増幅した。
6.4プライマー
4種類の特異的プライマーを用いて、ヒトゲノムDNAを、上記の通り、複数置換増幅によって増幅し、次いでTaqMan遺伝子座分析を行った。プライマーは配列AGGCGG、AGTGGG、AGGGAG、およびAGTGAG.を有する6ヌクレオチドプライマーであった。計47遺伝子座を分析した(染色体当たり2遺伝子座、およびY染色体から1遺伝子座)。図4に示す通り、4種類のプライマーは遺伝子座発現量によって示す通り効率的にヒト全ゲノムを増幅した。
7.5プライマー
5種類の特異的プライマーを用いて、ヒトゲノムDNAを、上記の通り、複数置換増幅によって増幅し、次いでTaqMan遺伝子座分析を行った。最初の例では、プライマーは配列AGTGGG、AGCCAG、AGTTAG、AGTCAG、およびAGACAGを有する6ヌクレオチドプライマーであった。計47遺伝子座を分析した(染色体当たり2遺伝子座、およびY染色体から1遺伝子座)。図5に示す通り、これらの5種類のプライマーは遺伝子座発現量によって示す通り効率的にヒト全ゲノムを増幅した。
第2の例では、プライマーは配列AGAGGG、AGGCAG、AGCCAG、AGTCAG、およびAGACAG.を有する6ヌクレオチドプライマーであった。計47遺伝子座を分析した(染色体当たり2遺伝子座、およびY染色体から1遺伝子座)。図6に示す通り、これらの5種類のプライマーは遺伝子座発現量によって示す通り効率的にヒト全ゲノムを増幅した。
第3の例では、プライマーは配列AGTAGG、AGGTGG、AGGCAG、AGACAG、およびAGTGAG.を有する6ヌクレオチドプライマーであった。計47遺伝子座を分析した(染色体当たり2遺伝子座、およびY染色体から1遺伝子座)。図7に示す通り、これらの5種類のプライマーは遺伝子座発現量によって示す通り効率的にヒト全ゲノムを増幅した。
第4の例では、プライマーは配列AGCGAG,AGGAGG,AGAGGG,AGGGAG,およびAGTGAGを有する6ヌクレオチドプライマーであった。プライマーのうちの1種類(AGCGAG)はAlu配列に特異的であった。計47遺伝子座を分析した(染色体当たり2遺伝子座、およびY染色体から1遺伝子座)。図8に示す通り、これらの5種類のプライマーは遺伝子座発現量によって示す通り効率的にヒト全ゲノムを増幅した。
8.9プライマー
9種類の特異的プライマーを用いて、ヒトゲノムDNAを、上記の通り、複数置換増幅によって増幅し、次いでTaqMan遺伝子座分析を行った。プライマーは、AluR9Hと呼ばれる6ヌクレオチドAlu特異的プライマーであった。9種類すべてのAlu特異的プライマーの名称および配列を表2に示す。星印はホスホチオエート結合を示す。計10遺伝子座を分析した。図9に示す通り、9種類のプライマーは遺伝子座発現量によって示す通り効率的にヒト全ゲノムを増幅した。
Figure 2006512094
9.12プライマー
12種類の特異的プライマーを用いて、ヒトゲノムDNAを、上記の通り、複数置換増幅によって増幅し、次いでTaqMan遺伝子座分析を行った。プライマーは、AluR12Hと呼ばれる6ヌクレオチドAlu特異的プライマーであった。12種類すべてのAlu特異的プライマーの名称および配列を表3に示す。星印はホスホチオエート結合を示す。計47遺伝子座を分析した(染色体当たり2遺伝子座、およびY染色体から1遺伝子座)。図10に示す通り、12種類のプライマーは遺伝子座発現量によって示す通り効率的にヒト全ゲノムを増幅した。
Figure 2006512094
B.実施例2:添加剤の非存在下で30℃にて、または、0.3Mトレハロースの存在下で40℃にて実施した、MDA反応におけるDNA合成の測定。
MDA反応を30℃にて添加剤無しで、または40℃にて0.3Mトレハロースありで、原則的に高温MDAに関して上に記載した手順を用いて実施した。インプットテンプレートの量は0ng、0.3ng、3ng、または30ngのどれかであった。記載の温度でのMDA反応の16時間後に、総DNA合成をピコグリーン測定法を用いて定量した。結果を図11に示す。
C.実施例3:40℃にて添加剤の非存在下でまたは0.3Mトレハロースまたは0.4Mスクロースまたは0.4Mグルコースの存在下で実施した16時間MDA反応におけるDNA合成の測定。
MDA反応を40℃にて、添加剤無しで、または0.3Mトレハロースまたは0.4Mスクロースまたは0.4Mグルコースの存在下で、原則的に高温MDAに関して上に記載した手順を用いて実施した。インプットテンプレートの量は0ngまたは0.003ngまたは0.03ngまたは0.3ngまたは3ngまたは30ngのどれかであった。MDA反応の16時間後に、総DNA合成をピコグリーン測定法を用いて定量した。結果を図12に示す。
D.実施例4:ヌクレアーゼ耐性六量体プライマーを用いた全ゲノム増幅
本実施例は本開示の方法の一実施形態の実証および結果の分析および比較を記載する。例示される方法は本開示の、ヌクレアーゼ耐性ランダム六量体プライマーを用いた全ゲノム増幅の複数置換増幅形式である。本実施例中の一部の反応は、本開示の方法の好ましい一形式で、試料を変性条件に供せずに実施した。他の反応では、テンプレートDNAを増幅前に変性に供した。MDAはφ29DNAポリメラーゼを用いて実施した。
1.材料および方法
i.DNAおよび酵素。
ヒトゲノムDNA試料群であるヒト変異群・コーカサス系100人群(参照番号HD100CAU)は、コリエル研究所細胞バンク(Coriell Cell Repositories)から入手した。ヒトゲノムDNAはまたプロメガ社(Promega Corp.)からも入手した。チオリン酸修飾ランダム六量体(5'−NpNpNpNpsNpsN−3')はモレキュラー・ステージング社(Molecular Staging)で合成され、φ29DNAポリメラーゼはアマシャム・ファルマシア・バイオテク社(Amersham Pharmacia Biotech)からであり、および酵母ピロホスファターゼはベーリンガー・マンハイム社(Boehringer−Mannheim)からであった。DNAサイズマーカー(100bpDNAラダー、1kbDNAラダー)はギブコBRL(GibcoBRL)からであった。
ii.ヒトゲノムDNAの増幅。
ヒトゲノムDNA(300ngないし0.03ng、表示の通り)を総容量50μlで0.2mlチューブに入れ、25mMトリス−HCl、pH7.5、50mM KCl、10mM MgCl、および100μMエキソヌクレアーゼ耐性六量体の終濃度を与えた。プライマーアニーリングを増加させるための熱処理段階(すなわち、変性条件への曝露)は、個々の実験について、表示の通り含めたかまたは省略した。アニーリング反応は、PCRシステムサーモサイクラー(パーキン・エルマー社(Perkin Elmer))内で95℃へ3分間加熱しおよび4℃へ冷却した。反応を次いで、37mMトリス−HCl、pH8.0、50mM KCl、10mM MgCl2、5mM(NH4)2SO4、1.0mMdNTPs、1ユニット/mlの酵母ピロホスファターゼ、50μMエキソヌクレアーゼ耐性六量体、および800ユニット/mlのφ29DNAポリメラーゼの終濃度を含む終容量100μlとした。放射性標識したα−[32P]dCTP、約60cpm/pmolの総dNTP、を表記の通り加えた。反応は18時間30℃にてインキュベートした。酸沈澱可能な放射性デオキシリボヌクレオチド産物の組み込みはグラスファイバーフィルターを用いて判定した。反応を終止させた後、3μlの部分標本を、制限エンドヌクレアーゼAluIを用いて切断し、およびトリス−ホウ酸−EDTA緩衝液中で1.0%アガロースゲルを通じた電気泳動によって、GelStar(モレキュラー・プローブズ社(MolecularProbes))またはSYBRグリーン(モレキュラー・プローブズ社(MolecularProbes))で染色して分析し、およびストーム860蛍光画像処理装置(APB)を用いて撮影した。変性ゲル分析を30mM NaOH、1mM EDTA中で1.0%アガロースゲルを通じた電気泳動によって実施した。乾燥ゲル中の放射性産物をストーム860蛍光画像処理装置を用いて可視化した。
iii.サザン分析。
10μgの全ゲノム増幅DNAまたはヒトゲノムDNA対照を、withEcoRI制限エンドヌクレアーゼを用いて消化し、および1xTBE緩衝液中で1%アガロースゲルを通じて分離した。標準サザン分析手順(サザン(Southern)、ゲル電気泳動によって分離したDNA断片中の特異的配列の検出(Detection of specific sequence among DNA fragments separated by gel electrophoresis.)JMolBiol.98: 503−517(1975)) を、Hybond−N+メンブレン(アマシャム・ファルマシア・バイオテク社(Amersham Pharmacia Biotech)、ニュージャージー州ピスカタウェイ(Piscataway))を用いて実施した。副甲状腺ホルモン(p20.36)のエキソン断片プローブおよび、D13S12(p9D11)およびチログロブリン(pCHT.16/8)遺伝子座に対するRFLPマーカープローブはアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)から入手した。プローブはNEBlotランダムプライマー標識化法(ニュー・イングランド・バイオラブズ社、マサチューセッツ州ビバリー(Beverly))を用いて放射性標識した。メンブレンはメンブレンハイブリダイゼーション緩衝液(アマシャム・ファルマシア・バイオテク社(Amersham Pharmacia Biotech)、ニュージャージー州ピスカタウェイ(Piscataway))中で1時間プレハイブリダイズし、および放射性標識化プローブと一夜ハイブリダイズした。ハイブリダイズしたメンブレンは2xSSCおよび0.1%SDS中で2回5分間室温にて、1xSSCおよび0.1%SDSで15分間42℃にて、および0.1xSSCで2回15分間65℃にて洗浄した。メンブレンを次いで一夜露光しおよびストーム860蛍光画像処理装置を用いて分析した。
iv.定量的PCR分析。
TaqMan分析は、ABI7700を取扱説明書(アプライド・バイオシステムズ社(Applied Biosystems)、カリフォルニア州フォスターシティ(Foster City))に従って用いて、1μgの増幅されたDNAをテンプレートとして用いて実施した。試験した8遺伝子座に対するTaqMan測定試薬はABIから入手した。8遺伝子座およびそれらの染色体位置は、酸性リボソームタンパク質(1p36.13);コネキシン40(1q21.1);ケモカイン(C−Cモチーフ)受容体1(3p21);ケモカイン(C−Cモチーフ)受容体6(6q27);ケモカイン(C−C)受容体7(17q21);CXCR5バーキットリンパ腫受容体1(chr.11);c−Jun(1p32−p31);およびMKP1二重特異性ホスファターゼ1(5q34)であった。コネキシン40はセントロメアの近くに位置し、およびケモカイン(C−Cモチーフ)受容体6はテロメアの近くに位置する。インプットテンプレートについての標準曲線を、ゲノムDNA中の遺伝子座コピー数と比較した、増幅されたDNA中の遺伝子座コピー数を決定するために作製した。標準曲線は0、0.001、0.01、0.1、0.5、および1μgのゲノムDNAから作製した。
v.縮重オリゴヌクレオチドPCR(DOP−PCR)によるヒトゲノムDNAの増幅。
ヒトゲノムDNA(300ngないし0.03ngの範囲にわたる)を記載の通り増幅した(テレニウス(Telenius)他,Genomics.13: 718−725(1992))。放射性標識したα−[32P]dCTP、約60cpm/pmolの総dNTPを、PCR産物収率の定量のために反応へ加えた。TaqDNAポリメラーゼはインビトロジェン・ライフ・テクノロジーズ社(Invitrogen Life Technologies)、カリフォルニア州カールスバッド(Carlsbad)からであった。DOP−PCR増幅はGeneAmp9700PCRシステムズサーモサイクラー(アプライド・バイオシステムズ社(Applied Biosystems)、カリフォルニア州フォスターシティ(FosterCity))を用いて実施した。DOP−PCR産物中の遺伝子座発現量を、TaqMan測定法(インビトロジェン・ライフ・テクノロジーズ社(Invitrogen Life Technologies)、カリフォルニア州カールスバッド(Carlsbad))を用いて定量的に分析した。
vi.プライマー伸長プレ増幅(PEP)によるヒトゲノムDNAの増幅。
ヒトゲノムDNA(300ngないし0.03ngの範囲にわたる)を総容量60μlで0.2mlチューブに入れ、終濃度33μMのPEPランダムプライマー(5'−NNN NNN NNN NNN NNN−3')を記載の通りに(チャン(Zhang)他,単一の細胞からの全ゲノム増幅:遺伝子分析への示唆(Whole genome amplification from a single cell: implications for genetic analysis.)ProcNatl Acad Sci USA.89: 5847−5851 (1992))与えた。放射性標識したα−[32P]dCTP、約60cpm/pmolの総dNTPを、PCR産物収率の定量のために反応へ加えた。PEP反応はGeneAmp9700PCRシステムズサーモサイクラー(アプライド・バイオシステムズ社(Applied Biosystems)、カリフォルニア州フォスターシティ(FosterCity))を用いて実施した。PEP産物中の遺伝子座発現量を、TaqMan測定法(インビトロジェン・ライフ・テクノロジーズ社(Invitrogen Life Technologies)、カリフォルニア州カールスバッド(Carlsbad))を用いて定量的に分析した。
vii.一塩基多型の遺伝子型分析
ここで分析したSNPは下記の染色体位置を有した;1822、251、および221、13q32;465、458、および474、19q13;VCAM、1p31;IL−8、4q13;PDK2−2、17p;SNP21、不明。測定はファルキ(Faruqi)他、ローリング・サークル増幅を用いた一塩基多型の高処理量遺伝子型分析(High−Throughput Genotyping of Single Nucleotide Polymorphisms with Rolling・Circle Amplification.)BMCGerzomics,2: 4 (2001)によって記載された通りに実施した。要約すると、DNA変性、アニーリングおよびライゲーション反応をエッペンドルフ・マスター・サイクラー(エッペンドルフ・サイエンティフィク社(Eppendorf Scientific)、ドイツ)内で実施した。指数RCA反応はリアルタイムABI7700配列検出器(パーキン・エルマー社(Perkin Elmer))で実施した。リガーゼを欠く2つの対照もまた各SNPについて実施し、測定の特異性を確認した。DNA試料は、ライゲーション反応においてテンプレートとして使用する前に、制限エンドヌクレアーゼAluIを用いて消化した。ライゲーション反応は、96ウェルマイクロアンプ・オプティカルプレート(パーキン・エルマー社(Perkin Elmer))中に、1ユニットのAmpリガーゼ(エピセンター・テクノロジーズ社(Epicentre Technologies))、20mMトリス−HCl(pH8.3)、25mM KCl、10mM MgCl、0.5mMNAD、および0.01%トリトン(登録商標)X−100を含む10μl反応容量で準備した。標準の反応は、0.5pM開環パッドロックおよび100ngのAluI消化ゲノムDNAを含んだ。DNAは、反応を95℃にて3分間加熱し、その後アニーリングおよびライゲーションを60℃にて20分間実施することによって変性した。20μlのERCA混合物を10μlライゲーション反応へ加えた。ERCA混合物は、5%TMAシュウ酸、400μMdNTP混合物、各1μMの2種類のプライマー、8ユニットのBstポリメラーゼ(ニュー・イングランド・バイオラブズ社(New England Biolabs)、マサチューセッツ州)、および20mMトリス−HCl(pH8.8)、10mM KCl、10mM(NHSOおよび0.1%トリトン(登録商標)X−100を含む1X修飾ThermoPolII反応緩衝液を含んだ。
viii.比較ゲノムハイブリダイゼーション。
ゲノムDNA調製物をニック翻訳し、増幅された試料についてはビオチンで、または増幅していない対照試料についてはジゴキシゲニンで修飾したヌクレオチドを組み込んだ。等モル量の増幅されたおよび増幅していないDNAを、反復DNAクロスハイブリダイゼーションを抑制するために、CotI DNAの存在下および非存在下で同時ハイブリダイズした。特異的ハイブリダイゼーションシグナルを、アビジン−FITCおよび抗ジゴキシゲニンローダミンによって検出した。中期染色体の取り込み画像を、アプライド・イメージングCGHソフトウェアプログラムを用いて分析し、および蛍光プロファイルを作製した。対照として、異なる標識化をした増幅されたかまたは増幅していないDNAを、上記に概説した通りに混合し、ハイブリダイズし、検出し、および比率分析に供した。
2.結果
本開示の方法の実施形態を用いて、30pg(約9ゲノムコピー)のヒトゲノムDNAが約30μgへ4時間以内に増幅された。平均断片長は10kbより大であった。増幅されたヒトDNAは10個の一塩基多型(SNP)に関して正常の発現量を示した。8染色体遺伝子座中の最大偏りは、PCRを基礎とするWGA法についての4から6桁と対照的に、3倍未満であった。本開示の方法を用いて増幅されたヒトDNAは、一塩基多型(SNP)の遺伝子型分析、染色体染色、サザンブロッティングおよびRFLP分析、サブクローニング、およびDNA配列決定を含む遺伝子分析の一般的な方法について有用である。
ランダム六量体プライマーおよびφ29DNAポリメラーゼの、連鎖的な鎖置換反応である複数置換増幅(リザーディ(Lizardi)への米国特許第6,124,120号明細書)における使用によって、直鎖のヒトゲノムDNAが容易に増幅されることが見出されている。MDAの本開示の形式による30℃でのゲノムDNAの増幅は、4〜6時間にわたって指数的である。本開示の方法におけるテンプレート濃度の増幅収率に及ぼす影響を図13に示す。100fgないし10ngのヒトゲノムDNAを95℃にて5分間変性し、および次いでMDAを30℃にて上記の通り実施した。DNA合成を定量するため、図13に示す時間に部分標本を取った。増幅反応(100μl)は約25〜30μgのDNA産物を、5対数範囲(100fgから10ng;図13)にわたってゲノムDNAの開始量に関わらず生じた。一部の用途については、このことは、DNA濃度を測定または調整する必要無しに以降の遺伝子分析を可能にする。
MDA反応の産物は下記の通り特徴づけられた。放射性標識したヒトゲノム増幅試料(0.6μg)をアルカリ性アガロースゲル(1%、トリス−ホウ酸EDTA緩衝液)を通して上記の通り電気泳動し、染色し、および撮影した。平均産物長は10kbを上回った。
増幅されたDNAの完全性を検討するために、ヒト副甲状腺ホルモン遺伝子(染色体11p15.2−15.1)内の制限断片をサザンブロット上で分析した。1.9kbの制限酵素断片が、わずか10ゲノムコピーから増幅された(または10倍増幅)MDAを基礎とするWGA産物について観察された。これらのMDA反応は熱変性段階を含み、および増幅は上記の通り実施した。EcoRIDNA消化物を、約1.9kbDNA断片へハイブリダイズした、副甲状腺ホルモン遺伝子(p20.36)の放射性標識化したゲノム断片を用いてプロービングした。EcoRI切断DNA調製物は、ゲノムDNA、さまざまな量のインプットゲノムDNAからMDAによって増幅されたDNA、またはインプットゲノムDNAテンプレートを欠くMDA反応であった。これは、MDAの産物は、制限エンドヌクレアーゼによる切断後に長さ数kbの特異的DNA断片を与えるのに十分に長いことを実証する。
PCRを基礎とするWGA法が典型的には長さ数百ヌクレオチドだけの産物を生じる一方(テレニウス(Telenius)他,Genomics.13: 718−725 (1992);チューン(Cheung)およびネルソン(Nelson),Proc Natl Acad Sci U S A.93: 14676−14679 (1996);チャン(Zhang)他,Proc Natl Acad Sci USA.89: 5847−5851(1992))、本開示の方法の産物はRFLPを基礎とする遺伝子型分析に十分な長さと完全性であった:16名のランダム個人が、2.1kb、および1.1kbPstI断片の存在下で正確に遺伝子型決定された。具体的には、PstI DNA消化物を不変3.8kbDNA断片および多型2.1kb(対立遺伝子A)または1.1kb(対立遺伝子B)DNA断片とハイブリダイズしたRFLPマーカーD13S12遺伝子座(p9D11)の放射性標識化したゲノム断片を用いてプロービングした。PstI切断DNA調製物は、DNAテンプレートの熱変性無しのMDAによって増幅された(10,000x増幅)、ゲノムDNAおよび5名の異なる患者DNAであった。
MDAの前の変性条件の省略は、長さ5kbより大きい制限断片の検出に有用であった。MDA反応を、2つのチログロブリン対立遺伝子についてヘテロ接合であるゲノム標的DNAの熱変性ありまたは無しで実施した。増幅は上記の通り実施した。TaqIDNA消化物を、不変1kbおよび3kbDNA断片および多型5.8kb(対立遺伝子A)または5.2kb(対立遺伝子B)DNA断片とハイブリダイズしたチログロブリン遺伝子(pCHT.16/8)の放射性標識化したゲノム断片を用いてプロービングした。TaqI切断したDNA調製物は、ゲノムDNA、95℃予熱段階ありのMDA反応(10,000x)によって増幅されたDNA、および予熱段階無しのMDA反応(10,000x)であった。熱変性無しのMDAは、大きさが5.2および5.8kbのDNA断片の良好な収率を与えた一方、5.2または5.8kbDNA断片のどちらも、テンプレートの熱変性ありのMDAを用いては視認できなかった。
増幅がゲノム配列の完全なカバー率および最小の増幅偏りを与える場合に、全ゲノム増幅からの最も有用な結果が得られる。また、増幅産物が、以降の遺伝子分析中に、増幅していないゲノムDNAについても同様に実施することが好ましい。テンプレートの熱変性ありのMDA後のゲノムカバー率を、10個のランダムに分布したSNPに関して100、10,000、または100,000倍の増幅後に検討した。100,000倍増幅されたDNAにおける1つの遺伝子座(PDK2−2)を例外として、増幅されたDNA中におけるすべての遺伝子座の存在が確認された(表4)。72名に由来するMDA DNAをこれらのSNPのうち1個について遺伝子型分析した。MDAによる100倍増幅後、遺伝子型分析精度は97%であり(72のうち70の遺伝子型が正しく判定された、表4、SNP1822)、同一の方法によって遺伝子型分析された増幅していないゲノムと識別不能な結果であった。MDAを基礎とするWGAはしたがって、大規模なSNP判定研究のために、特に資料入手可能性が限られている場合、複数遺伝子座特異的PCRプレ増幅に代わる魅力的な選択肢を提供する。
Figure 2006512094
配列偏りが、増幅法において生じる可能性があり、および、プライミング効率、テンプレート接触可能性、GC含量、およびテロメアおよびセントロメアへの近接といった因子の結果として起こりうる。本開示のMDA法の増幅偏りを、染色体1のセントロメアに近い遺伝子(コネキシン40)および染色体6のテロメアに隣接する遺伝子(ケモカイン(C−Cモチーフ)受容体6)を含む8遺伝子に関するTaqMan定量的PCRによって検討した。熱変性無しの100、1,000、および10,000倍MDAについて、最大増幅偏りは、最も高発現された遺伝子の最も低発現された遺伝子に対する比として表して、それぞれ2.7、2.3、および2.8だけであった。対照的に、PCRを基礎とする2つのWGA法であるDOP−PCR(テレニウス(Telenius)他,Genomics.13:718−725 (1992);チューン(Cheung)およびネルソン(Nelson),Proc Natl Acad Sci USA.93: 14676−14679(1996))およびPEP(チャン(Zhang)他,Proc Natl Acad Sci USA.89:5847−5851(1992))は、4〜6桁の増幅偏りを示した。これらの値は、PCR媒介WGA法の偏りの文献値と合致した;PEPは、同一の遺伝子の2対立遺伝子間でさえ最大50倍の増幅偏りを生じることが報告されている(ポーニオ(Paunio)他,Clin.Chem.42: 1382−1390(1996))。注目すべきことに、MDAの3倍増幅偏りは100ないし100,000倍増幅でほぼ一定に留まった。MDAを基礎とするWGAで観察された、顕著な配列偏りの無いことは、φ29DNAポリメラーゼの非常な連続性によって説明されうる(ブランコ(Blanco)他,J.Biol.Chem.264: 8935−8940(1989))。ポリメラーゼのテンプレートへの固い結合は、DNA一次または二次構造によって引き起こされる障害を通じての複製を確実にする。
驚くべきことに、TaqMan定量化は、増幅されたDNAにおいて一部の遺伝子座がMDAによって豊富になったことを示した;遺伝子座発現量が、ゲノムDNAにおける発現量の100%より大であった。ミトコンドリアDNAの発現量は、開始gDNAと増幅されたDNAとの間で同一であった。サザンブロットおよび染色体染色実験は、反復配列がMDA産物中で低発現され、遺伝子の有効な増加を与えたことを示した。このように、増幅されたDNAは、ゲノムDNAと比較して、8遺伝子の100〜300%の間のコピー数を含んだ。反復配列低発現量の程度および種類を特定するためには追加の試験が必要となる。;この観察についての1つの仮説は、高度に反復する配列に対応するプライマーがMDA中に枯渇するというものである。しかし、PCRを基礎とするWGA産物は、最大70%の増幅アーティファクトを含む(チューン(Cheung)およびネルソン(Nelson),縮重オリゴヌクレオチドプライマーを用いる全ゲノム増幅は1ナノグラム未満のゲノムDNAについて数百の遺伝子型分析を実施することを可能にする(Whole genome amplification using a degenerate oligonucleotide primer allows hundreds of genotypes to be performed on less than one nanogram of genomic DNA.) Proc Natl Acad Sci USA.93: 14676−14679 (1996))が、これとは対照的に、MDAを基礎とするWGA産物は完全にゲノム配列に由来するように見える。
全ゲノムMDAはまた、染色体カバー率の均一性に関して比較ゲノムハイブリダイゼーションによって試験された。MDAで生じたDNAを、等量の増幅していないゲノムDNAと共に、中期染色体と同時ハイブリダイズした。増幅反応は熱変性段階を含み、および増幅は上記の通り実施した。増幅されたおよび増幅していないDNA試料を、ニック翻訳してそれぞれビオチンヌクレオチドおよびジゴキシゲニンヌクレオチドを組み込んだ。特異的シグナルをアビジンFITCおよび抗ジゴキシゲニンローダミンによって検出した。CotI抑制を用いて、MDAプローブおよび増幅していないプローブのハイブリダイゼーションパターンは100,000倍増幅後でさえ識別不能であった。CotI抑制無しでは、しかし、100,000倍増幅されたプローブはセントロメアシグナルの低下を生じ、反復セントロメア配列の一部の損失を示した。染色体腕の長さに伴うシグナルの均一性は、MDAを基礎とするWGAが増幅偏りを誘導しないことのさらなる証拠であった。これらの結果は、MDAは染色体染色プローブの調製に関してDOP PCRと遜色が無いが(キム(Kim)他,パラフィン包埋前立腺腺がん腫瘍組織由来のDNAの全ゲノム増幅および分子遺伝的分析(Whole genome amplification and molecular genetic analysis of DNA from paraffin−embedded prostate adenocarcinoma tumor tissue.) J Urol.162:1512−1518 (1999);クライン(Klein)他,比較ゲノムハイブリダイゼーション、ヘテロ接合性の消失、および単一細胞のDNA配列分析(Comparative genomic hybridization,loss of heterozygosity,and DNA sequence analysis of single cells.) Proc Natl Acad Sci USA 96: 4494−4499 (1999);ウェルズ(Wells)他,全ゲノム増幅および比較ゲノムハイブリダイゼーションによる単一細胞の詳細な染色体および分子遺伝学分析(Detailed chromosomal and molecular genetic analysis of single cells by whole genome amplification and comparative genomic hybridization.) Nucleic Acids Res 27:1214−1218(1999))、しかし後者と異なり、抑制ハイブリダイゼーションは単一のコピー配列の検出に必要でない可能性があることを示した。この方法は、比較ゲノムハイブリダイゼーション、核型分析および針生検材料または羊水穿刺試料といった限られた患者DNA起源からのチップを基礎とする遺伝子分析のためのDNAプローブ調製に非常に有益となる。
ゲノムサブクローニングおよび配列決定のためには、MDAは、PCRを基礎とする方法に対していくつかの固有の長所を持つように見える。10kbより大の産物サイズはゲノムサブクローニングに適合する。増幅された材料のin vivo増殖は必要無いため、MDAは「毒性」ゲノム配列を増幅するための効率的な方法を示しうる。加えて、MDAに用いられるφ29DNAポリメラーゼは10〜10中1のエラー率を有し(エステバン(Esteban)他,ファイ29DNAポリメラーゼの忠実度。タンパク質にプライミングされた開始とDNA重合との間の比較(Fidelity of Phi29 DNA polymerase.Comparison between protein−primed initiation and DNA polymerization.)J.Biol.Chem.268: 2719−2726 (1993) )、Taq DNA ポリメラーゼを用いるPCRについての10中に約3とは対照的である(エッカート(Eckert)およびクンケル(Kunkel),DNAポリメラーゼ忠実度およびポリメラーゼ連鎖反応.(DNA polymerase fidelity and the polymerase chain reaction.) PCR Methods and Applications.1: 17−24(1991))。したがって、 PCR は、20サイクル後には 900 塩基当たり約1の突然変異を蓄積する(サイキ(Saiki)他,温度安定性DNAポリメラーゼを用いるプライマーを標的とするDNAの酵素増幅(Primer−directed enzymatic amplification of DNA with a thermostable DNA polymerase.) Science 239: 487− 491 (1988))。クローニングされたMDAを基礎とするWGA産物の配列エラー率は、クローニングされたゲノムDNAについての率と同様に見える。さらに、最小の増幅偏り、均一な収率、および測定の簡易さは、ゲノムサブクローニングおよび配列決定に用いられる自動化高密度マイクロウェル形式に使用可能にする。
要約すると、MDAを基礎とするWGAの有用性が、定量的PCR、SNP遺伝子型分析、制限断片のサザンブロット分析、および染色体染色を含むいくつかの用途について実証された。MDAがWGAのための最適な方法に相当しうるいくつかの状況を考えることができる:第1に、WGA中の忠実な複製が必要である用途、たとえば分子クローニング、または単一細胞分析;第2に、WGA中の適当なゲノム発現量が決定的である用途、たとえばゲノム全体のSNP遺伝子型分析試験;および第3に、WGA中の偏りの最小化が重要である場合、特に出生前診断(ハーパー(Harper)およびウェルズ(Wells),PGDにおける近年の進歩および将来の開発(Recent advances and future developments in PGD) Prenat Diagil.19: 1193−1199 (1999) )、比較ゲノムハイブリダイゼーション(ウェルズ(Wells)およびデルハンティ(Delhanty),全ゲノム増幅および単一細胞比較ゲノムハイブリダイゼーションを用いるヒト着床前胚の比較染色体分析(Comprehensive chromosomal analysis of human preimplantation embryos using whole genome amplification and single cell comparative genomic hybridization.) Mol Hum Reprod.6: 1 055 1062 (2000))、およびヘテロ接合性の消失の評価(パールソン(Paulson)他,全ゲノム増幅、細胞ソーティング、および蛍光を基礎とするPCRを用いるヘテロ接合性の消失分析(Loss of heterozygosity analysis using whole genome amplification,cell sorting,and fluorescence based PCR.)Genome Res.9:482−491 (1999))といった細胞遺伝学試験。WGAへの顕著な必要性がある別の状況は、顕微解剖組織に由来するDNAの増幅(キム(Kim)他,パラフィン包埋前立腺腺がん腫瘍組織由来のDNAの全ゲノム増幅および分子遺伝的分析(Whole genome amplification and molecular genetic analysis of DNA from paraffin−embedded prostate adenocarcinoma tumor tissue.) J Urol.162: 1512−1518 (1999)、頬側塗抹標本(ギレスピー(Gillespie)他,全ゲノム増幅した口腔スワブDNAのHLAクラスII分類(HLA class II typing of whole genome amplified mouth swab DNA.)Tissue Antigens.56:530−538 (2000))、および保管された人類学試料(ブキャナン(Buchanan)他,稀な保存された人類学試料の長DOP−PCR(Long DOP−PCR of rare archival anthropological samples.) Hum Biol.72: 911−925 (2000))を含む。最後に、分類された個々の染色体から増幅されたDNAを、全染色体特異的染色プローブの作製に用いることができる(ギリアー・ゲンシック(Guillier−Gencik)他,ニワトリ巨大染色体のそれぞれに特異的な全染色体染色プローブの作製(Generation of whole−chromosome painting probes specific to each chicken macrochromosome.)Cytogenet Cell Genet.87: 282−285 (1999))。
E.実施例5:95℃でのインキュベート時間の増加はテンプレートDNA鎖切断の増加を引き起こす。
本実施例は、顕著なテンプレートDNA鎖切断が95℃(典型的な増幅反応においてDNAを変性させるために用いられる)でのインキュベートによって生じること、および熱処理の持続時間を減少させることによって鎖切断が減少することを実証する。大部分の核酸増幅技術と同様に、開始DNAテンプレートの完全性が、増幅産生の速度および収率に重要な作用を有しうる。増幅すべき核酸が分解されている反応では、増幅産物の収率は品質および量の両方で低下しうる。本実施例は、95℃でのインキュベート時間を減少させることによるテンプレートDNA鎖切断の減少を実証する。
テンプレートDNAの分解を明らかにするため、熱変性ありのDNAテンプレート鎖分離に用いられる条件下で6種類の反応を実施した。ヒトゲノムDNA(10μg)を0.2mlチューブに総容量50μlで入れ、25mMトリス−HCl、pH7.5、50mM KCl、10mM MgClの終濃度を与えた。反応を95℃へPCRシステムサーモサイクラー(パーキン・エルマー社(Perkin Elmer))内で加熱し、および8μlの部分標本を取りおよび表示の時間に氷上に置いた。各時点について、2μlの部分標本を、0.8%アルカリ性アガロースゲル(30mM NaOH、1mM EDTA)を通す電気泳動によって分析した。電気泳動後、ゲルを1XTBEを用いて中性化し、SYBRグリーンII(モレキュラー・プローブズ社(Molecular Probes))を用いて染色し、およびストーム860蛍光画像処理装置(APB)を用いて撮影した。撮影されたDNAの総量をゲルの各レーンについて測定し、および50%のDNAがより大きく、および50%がより小さい断片サイズを、各時点で採取した試料について決定した。結果を図14に示す。
図に示す通り、テンプレートDNAの顕著な切断が、3分間より長い95℃でのインキュベート後に生じる。そのようなDNA切断は、インキュベートが1分間に限られる場合は相当に減少する。
F.実施例6:95℃でのDNAテンプレートインキュベート時間の増加はDNA増幅の速度および収率の低下を引き起こす。
本実施例は、95℃(典型的な増幅反応においてDNAを変性させるために用いられる)でのテンプレートDNAインキュベートの時間の増加が、DNAがMDAによって増幅される速度および収率の両方における低下を引き起こすことを実証する。95℃でのDNAテンプレートインキュベートの省略は、DNA増幅の最大の速度および収率を結果として生じる。
95℃にて実施例5に記載された条件下で処理されたテンプレートDNAを用いて、6種類のMDA反応を実施した。精製されたヒトゲノムDNA(3ng)を0.2mlチューブに、25mMトリス−HCl、pH7.5、50mM KCl、および10mM MgClを含む総容量50μlで入れた。反応をPCRシステムサーモサイクラー(パーキン・エルマー社(Perkin Elmer))内で95℃へ表示の時間加熱しおよび4℃へ冷却した。これらの反応をその後、37mMトリス−HCl、pH7.5、50mM KCl、10mM MgCl、50μMエキソヌクレアーゼ耐性六量体、5mM(NHSO、1.0mMdNTP、1ユニット/mlの酵母ピロホスファターゼ、および800ユニット/mlのφ29DNAポリメラーゼの終濃度を含む終容量100μlとした。放射性標識したα−[32P]dCTP、約60cpm/pmolの総dNTP、を加え、および反応を22時間30℃にてインキュベートした。部分標本を表示の時間に取り、および酸沈澱可能な放射性デオキシリボヌクレオチド産物の組み込みはグラスファイバーフィルターを用いて判定した。結果を図15に示す。
図に示す通り、DNAテンプレートの熱処理の省略は、DNA合成の最適速度および収率を結果として生じる(0分間曲線を参照)。DNAテンプレート熱処理の持続時間を増加させることは、DNA合成の速度および収率の連続的低下を結果として生じる(1分間、3分間、5分間、10分間、および20分間曲線を参照)。
G.実施例7:95℃でのDNAテンプレートインキュベート時間の増加はDNA産物鎖サイズの低下を結果として生じる。
本実施例は、95℃(典型的な増幅反応においてDNAを変性させるために用いられる)でのテンプレートDNAインキュベートの時間の増加が、MDAによって増幅されたDNA産物の長さの低下を引き起こすことを実証する。95℃でのDNAテンプレートインキュベートの省略は、DNA増幅産物の最大のサイズを結果として生じる。
95℃にて実施例6に記載された条件下で処理されたテンプレートDNAを用いて、6種類のMDA反応を実施した。放射性標識したα−[32P]dCTPを加え、約60cpm/pmolの総dNTPを加えた。反応は22時間30℃にてインキュベートし、および部分標本を表示の時間に取った。各時点について、2μlの部分標本を、0.8%アルカリ性アガロースゲル(30mM NaOH,1mM EDTA)を通す電気泳動によって分析した。電気泳動後、ゲルを中性化しおよび実施例5に記載の通り撮影した。撮影されたDNAの総量をゲルの各レーンについて測定し、および50%のDNAがより大きく、および50%がより小さい断片サイズを、各時点から採取した試料について決定した。結果を図16に示す。
図に示す通り、DNAテンプレートの熱処理の省略は、最大のDNA産物の合成を結果として生じる。DNAテンプレート熱処理の持続時間を増加させることは、DNA産物サイズの連続的な低下を結果として生じた。
H.実施例8:95℃でのDNAテンプレートインキュベートの省略はMDAによって増幅されたDNA産物における遺伝子座発現量の増加を結果として生じる。
本実施例は、95℃(典型的な増幅反応においてDNAを変性させるために用いられる)でのテンプレートDNAインキュベートの省略が、MDAによって増幅されたDNA産物における8個のランダムに選択された遺伝子座の発現量の損失を結果として生じなかったことを実証する。95℃でのDNAテンプレートインキュベートの省略は実際、テンプレートゲノムDNAと比較してDNA増幅産物の遺伝子座発現量における増加を結果として生じる。
95℃で処理したかまたは処理しなかったテンプレートDNAを用いて2種類のMDA反応を実施した。精製されたヒトゲノムDNA(3ng)を0.2mlチューブに、25mMトリス−HCl、pH7.5、50mM KCl、10mM MgCl、および100Mエキソヌクレアーゼ耐性六量体を含む総容量50μlで入れた。アニーリング反応はPCRシステムサーモサイクラー(パーキン・エルマー社(Perkin Elmer))内で95℃へ3分間加熱しおよび4℃へ冷却した。反応をその後、37mMトリス−HCl、pH7.5、50mM KCl、10mM MgCl、50μMエキソヌクレアーゼ耐性六量体、5mM(NHSO、1.0mMdNTP、1ユニット/mlの酵母ピロホスファターゼ、および800ユニット/mlのφ29DNAポリメラーゼの終濃度を含む終容量100μlとした。熱変性段階を欠く増幅については、DNAテンプレート(3ng)を直接に0.2mlチューブへ、37mMトリス−HCl、pH7.5、50mM KCl、10mM MgCl、および50μMエキソヌクレアーゼ耐性六量体、5mM(NHSO、1.0mMdNTP、1ユニット/mlの酵母ピロホスファターゼ、および800ユニット/mlのφ29DNAポリメラーゼを含む総容量100μlで入れた。反応を18時間30℃にてインキュベートした。
TaqMan(登録商標)定量PCR分析を、ABI7700を取扱説明書(アプライド・バイオシステムズ社(Applied Biosystems)、カリフォルニア州フォスターシティ(FosterCity))に従って用いて、1μgのMDA増幅されたDNAをテンプレートとして用いて実施した。試験した8遺伝子座に対するTaqMan(登録商標)測定試薬はABIから入手した。8遺伝子座およびそれらの染色体位置は、酸性リボソームタンパク質(1p36.13);コネキシン40(1q21.1);c−Jun(1p32−p31);MKP1二重特異性ホスファターゼ1(5q34);ケモカイン(C−Cモチーフ)受容体7(17q21);ケモカイン(C−Cモチーフ)受容体1(3p21);CXCR5バーキットリンパ腫受容体1(chr.11);およびケモカイン(C−Cモチーフ)受容体6(6q27)であった。コネキシン40はセントロメアの近くに位置し、およびケモカイン(C−Cモチーフ)受容体6はテロメアの近くに位置する。インプットテンプレートについての標準曲線を、ゲノムDNA中の遺伝子座コピー数と比較した、増幅されたDNA中の遺伝子座コピー数を決定するために作製した。標準曲線は0、0.001、0.01、0.1、0.5、および1μgのゲノムDNAから作製した。遺伝子座発現量は、インプットゲノムDNA中の遺伝子座発現量と比較したパーセントとして表し(そのような遺伝子座発現量を遺伝子座発現量偏りということができる)、および、1μgの増幅されたDNAからの定量的PCR産物の収率を1μgのゲノムDNA対照からの収率で割って計算した。結果を図17に示す。
図に示す通り、95℃での熱処理無しのテンプレートDNAに由来する増幅されたDNAにおける遺伝子座発現量の低下は無い。しかし、遺伝子座発現量の顕著な損失が、3分間95℃にて熱変性したテンプレートDNAから観察された。
1.実施例9:MDAによって増幅された遺伝子座の増幅偏りはPEPまたはDOP−PCRによって増幅されたDNAの増幅偏りよりも顕著に低い。
本実施例は、100、1,000、および10,000倍にMDA増幅されたDNAについて、95℃(典型的な増幅反応においてDNAを変性させるために用いられる)でのテンプレートDNAインキュベートの省略が、DNA産物における8個のランダムに選択された遺伝子座の発現量の低い偏りを結果として生じることを実証する。対照的に、PCRを基礎とする2種類の全ゲノム増幅(WGA)法であるDOP−PCRおよびPEPは2〜6桁の増幅偏りを示す。
MDA反応は、実施例8に記載の通りの、95℃で処理しなかったテンプレートDNAを用いて実施した。反応(100μl)は300、30、3、または0.3ngのDNAを含み、約100、1000、10,000、および100,000倍DNA増幅を結果として生じた。
縮重オリゴヌクレオチドPCR(DOP−PCR;テレニウス(Telenius)他,Genomics.13: 718−725 (1992);チューン(Cheung)および ネルソン(Nelson),Proc Natl Acad Sci USA.93: 14676−14679(1996))によるヒトゲノムDNAの増幅は下記の通り実施した。ヒトゲノムDNA(300ngないし0.03ngの範囲にわたる)を0.2mlチューブに総容量50μlで入れ、2μMDOPプライマー(5'−CCG ACT CGA GNN NNN NAT GTG G−3'(配列ID番号:20);N=ほぼ等しい比率でのA、G、C、またはT)、200μMdNTP、10mMトリスCl(pH8.3)、0.005%(v/v)BRIJ35、1.5mM MgCl、および50mM KClの終濃度を与えた。放射性標識したα−[32P]dCTP、約60cpm/pmolの総dNTPを、MDA産物定量について実施例6に記載したのと同様に、DNA合成の定量のために反応に加えた。95℃にて5分間のテンプレートの最初の変性後、2.5ユニットのTaqDNAポリメラーゼ(インビトロジェン・ライフ・テクノロジーズ社(Invitrogen Life Technologies)、カリフォルニア州カールスバッド(Carlsbad))を加え、続いて、94℃1分間、30℃1.5分間、72℃へ3分間で急上昇、および72℃にて3分間伸長の5サイクル、およびその後に94℃1分間、62℃1分間、および72℃2分間(+追加の14秒/サイクル)の35サイクルを実施した。最後の伸長は72℃にて7分間行った。増幅反応はGeneAmp9700PCRシステムズサーモサイクラー(アプライド・バイオシステムズ社(Applied Biosystems)、カリフォルニア州フォスターシティ(FosterCity))を用いて実施した。
プライマー伸長プレ増幅(PEP;チャン(Zhang)他,Proc Natl Acad Sci USA.89: 5847−5851 (1992))によるヒトゲノムDNAの増幅は下記の通り実施した。ヒトゲノムDNA(300ngないし0.03ngの範囲にわたる)を0.2mlチューブに総容量60μlで入れ、33uMPEPランダムプライマー(5'−NNN NNN NNN NNN NNN−3')、100uM dNTP、10mMトリス−HCl、pH 8.3(20℃)、1.5 mM MgCl、50 mM KCl、および5ユニットのTaqDNAポリメラーゼ(インビトロジェン・ライフ・テクノロジーズ社(Invitrogen Life Technologies)、カリフォルニア州カールスバッド(Carlsbad))の終濃度を与えた。放射性標識したα−[32P]dCTP、約60cpm/pmolの総dNTPを、MDA産物定量について実施例6に記載したのと同様に、PCR産物収率の定量のために反応に加えた。PEP反応は、92℃1分間、37℃2分間、55℃へ10秒/度で急上昇、および55℃にて4分間伸長の50サイクルを実施した。PEP反応はGeneAmp9700PCRシステムズサーモサイクラー(アプライド・バイオシステムズ社(Applied Biosystems)、カリフォルニア州フォスターシティ(FosterCity))を用いて実施した。
TaqMan(登録商標)定量的PCR分析は実施例8に記載の通りに実施し、および遺伝子座間の最大増幅偏りは、増幅倍数の各レベルについて、高い遺伝子座発現量値を低い値で割ることによって計算した。結果を図18に示す。
8遺伝子座の相対発現量を図18に、3種類の異なるWGA手順によって実施した増幅反応について示す。X軸は、定量的PCRのためのテンプレートとして使用した、増幅されたDNAにおける増幅倍数を表す;Y軸は、インプットゲノムDNAと比較したパーセントで表した遺伝子座発現量であり(そのような遺伝子座発現量を遺伝子座発現量偏りということができる)、1μgの増幅されたDNAからの定量的PCR産物の収率を1μgのゲノムDNA対照からの収率で割って計算される。8遺伝子座についての結果を下記の通り示す;CXCR5、白菱形;コネキシン40、白三角;MKP1、白四角;CCR6、白丸;酸性リボソームタンパク質、黒菱形;CCR1、黒三角;cJUN、黒四角;CCR7、黒丸。図18AはMDA増幅されたDNAに由来する8遺伝子座に関するパーセント発現量を表す。図18BはDOP−PCRを用いて増幅されたDNA中に存在する8遺伝子座に関するパーセント発現量を表す。図18CはPEP増幅されたDNA中に存在する8遺伝子座に関するパーセント発現量を表す。
図に示す通り、100、1,000、および10,000倍に増幅されたMDAについて、最大増幅偏りは、最も高発現された遺伝子の最も低発現された遺伝子に対する比として表して、それぞれ2.7、2.3、および2.8だけであった。注目すべきことに、MDAの3倍増幅偏りは100ないし100,000倍増幅でほぼ一定に留まった(図18A)。対照的に、DOP−PCR法による増幅は、4ないし6桁にわたる増幅偏りを示した(図18B)。加えて、PEP法は2〜4桁にわたる増幅偏りを示した(図18C)。
J.実施例10:ネステッドプライマーを用いた増幅はc−jun配列の特異的増幅を与える。
本実施例は、DNA配列の複雑な混合物に由来する特異的DNA領域の、φ29DNAポリメラーゼを使用し配列特異的ネステッドプライマーを用いる増幅を実証する。
増幅反応は、熱変性/アニーリング段階ありまたは無しで、エキソヌクレアーゼ耐性六量体または19種類のエキソヌクレアーゼ耐性配列特異的プライマーの入れ子化した(ネステッド)組のどちらかを用いて実施した。本実施例で使用したネステッドプライマーを表5に列挙する。ヌクレオチド配列中の星印の存在は、ホスホロチオエート結合の存在を示す。ネステッドプライマーはヒトc−jun遺伝子の両方の鎖の各側へハイブリダイズするように設計され、および最も近い左および右のプライマーはc−jun遺伝子を含む3420bp断片を包含する。c−jun遺伝子の各側で、これらのネステッドプライマーは互いに150〜400ヌクレオチドの間隔を開けている。これらのプライマーについての認識部位を包含するヒトDNAの領域は、ジェンバンク(Genbank)から登録番号AL136985を用いて入手することができ、およびそのヌクレオチド配列の65001位から73010位にわたる。
Figure 2006512094
Figure 2006512094
4種類の反応を下記の条件下で実施した。ヒトゲノムDNA(50ng)を0.2mlチューブへ総容量50μlで入れ、25mMトリス−HCl、pH7.5、50mM KCl、10mM MgCl、および100μMエキソヌクレアーゼ耐性六量体または各1μMのエキソヌクレアーゼ耐性ネステッドプライマーの終濃度を与えた。プライマーアニーリングを高めるための熱処理段階を、個々の反応について表示の通り含めたかまたは省略した。アニーリング反応はPCRシステムサーモサイクラー(パーキン・エルマー社(Perkin Elmer))内で95℃へ3分間加熱しおよび37℃へゆっくり冷却した。反応を2分割し、それぞれが25μlを有し、および次いで37mMトリス−HCl、pH8.0、50mM KCl、10mM MgCl、5mM(NHSO、1.0mMdNTP、1ユニット/mlの酵母ピロホスファターゼ、50μMエキソヌクレアーゼ耐性六量体または0.5μMエキソヌクレアーゼ耐性ネステッドプライマー、および800ユニット/mlのφ29DNAポリメラーゼの終濃度を含む終容量50μlとした。放射性標識したα−[32P]dCTP、約60cpm/pmolの総dNTPを、2つの並行反応のうちの1つに、DNA合成の定量化のために加えた。反応を18時間37℃にてインキュベートした。酸沈澱可能な放射性デオキシリボヌクレオチド産物の組み込みはグラスファイバーフィルターを用いて判定した。α−[32P]dCTPを含まなかった反応をTaqMan定量的PCR分析によって実施例8に記載の通りに分析した。インプットテンプレートについての標準曲線を、ゲノムDNA中の遺伝子座コピー数と比較した、増幅されたDNA中の遺伝子座コピー数を決定するために作製した。標準曲線は0、0.001、0.01、0.1、0.5、および1μgのゲノムDNAから作製した。結果を図19に示す。
Y軸は、インプットゲノムDNAと比較したパーセントで表した遺伝子座発現量である(そのような遺伝子座発現量を遺伝子座発現量偏りということができる)。それは1μgの増幅されたDNAからの定量的PCR産物の収率を1μgのゲノムDNA対照からの収率で割って計算され、パーセントで表される。
図に示す通り、95℃に加熱されたDNAに由来するランダム六量体を用いて増幅されたc−jun配列の発現量は69%であった(RH(加熱あり)の棒グラフを参照)。95℃に加熱されたDNAに由来するネステッドプライマーを用いて増幅されたc−jun配列の発現量は3%だけであった(NP(加熱あり)の棒グラフを参照)。テンプレートDNA熱処理無しのランダム六量体を用いて増幅されたDNA中のc−jun配列の発現量は211%であった(RH(加熱なし)の棒グラフを参照)。テンプレートDNA熱処理無しのネステッドプライマーを用いて増幅されたDNA中のc−jun配列の発現量は2828%であった(NP(加熱なし)の棒グラフを参照)。
K.実施例11:MDAによって全血から増幅された遺伝子座の増幅偏り
本実施例は、ゲノムDNAをMDAを用いて直接に全血からまたは組織培養細胞から増幅できること、および、その遺伝子座発現量は精製されたゲノムDNAテンプレートから増幅されたDNAについてと実質的に同じであることを実証する。本実施例は、アルカリ性条件へ供することによる(溶解溶液の添加による)熱による溶解を伴わない溶解、細胞溶解物の安定化(安定化溶液の添加による)、および安定化された細胞溶解物中のゲノムDNAの複数置換増幅を説明する。安定化された細胞溶解物は、ゲノムDNAの精製無しの増幅に用いられる。対照として、添加テンプレートの非存在下で増幅されたDNAを試験し、およびこれらの遺伝子座に関して検出可能な配列発現量を含まなかった。
DNAは血液または組織培養細胞株から下記の通り調製した。ヒト血液試料はグローブ・ヒル・ラボラトリー(Grove Hill Laboratory)から入手した。ミエローマ 細胞株U266はATCCから入手しおよび付属の手順書に従って継代した。細胞はアルカリ性溶解溶液に、チャン(Zhang)他(チャン(Zhang),L.他,単一の細胞からの全ゲノム増幅:遺伝子分析への示唆(Whole genome amplification from a single cell: implications for genetic analysis.)Proc Natl Acad Sci USA.89,5847−5851 (1992))の改変によって溶解した。血液は3倍にPBS(137mM NaCl、2.7mM KCl、9.5mM Na,KPO、pH7.4)で希釈し、一方、組織培養細胞は30、000細胞/mlへPBSで希釈した。血液または細胞は、等しい容量のアルカリ性溶解緩衝液(400mM KOH、100mMジチオスレイトール、および10mM EDTA)を用いた希釈によって溶解し、および10分間氷上でインキュベートした。溶解した細胞は等しい容量の中性化緩衝液(400mMHCl、600mMトリス−HCl、pH7.5)を用いて中性化した。溶解した血液または細胞の調製物(1μl)を、直接に、MDA反応(100μl)におけるテンプレートとして記載の通りに使用した。
MDA反応(100μl)は、実施例8に記載の通り、95℃での変性無しで実施した。精製されたヒトゲノムDNAテンプレートを用いた反応は、300または30ngのDNAを含み、約100または1000倍のDNA増幅を結果として生じた。溶解した血液または細胞に由来するDNAを用いた反応は、1μlの安定化された細胞溶解物をテンプレートとして含んだ。対照増幅反応は添加テンプレートDNAを含まなかった。
TaqMan(登録商標)定量的PCR分析を増幅されたDNA試料について実施例8に記載の通り実施し、および結果を図20に示す。5種類の異なる増幅反応に由来するDNAについての8遺伝子座の相対発現量を図20に示す。Y軸は、インプットゲノムDNAと比較したパーセントで表した遺伝子座発現量であり(そのような遺伝子座発現量を遺伝子座発現量偏りということができる)、1μgの増幅されたDNAからの定量的PCR産物の収率を1μgのゲノムDNA対照からの収率で割って計算する。下り斜線の棒グラフは全血から増幅されたDNAについての遺伝子座発現量を示す。灰色塗りつぶしの棒グラフは30ngの精製されたゲノムDNA(9,000ゲノムコピー)から増幅されたDNAについての遺伝子座発現量を示す。白塗りつぶしの棒グラフは300ngの精製されたゲノムDNA(90,000ゲノムコピー)から増幅されたDNAについての遺伝子座発現量を示す。上り斜線の棒グラフは組織培養細胞(DNAの10細胞同等物)から増幅されたDNAについての遺伝子座発現量を示す。黒塗りつぶしの棒グラフは添加テンプレート無しの反応から増幅されたDNAについての遺伝子座発現量を示す(そのデータについての黒棒で表される値は小さすぎてグラフ上で棒は見えない)。
図に示す通り、直接に全血からまたは組織培養細胞から精製無しに増幅されたDNAは、遺伝子座発現量について、精製されたゲノムDNAテンプレートから増幅されたDNAと実質的に同じ値を有する。
L.実施例12:MDAによってAAdUTPを含む反応で増幅された遺伝子座の増幅偏りは100%dTTPを含む反応で増幅されたDNAの増幅偏りと等しい。
本実施例は、ゲノムDNAをMDAを用いてAAdUTP(5−(3−アミノアリル)−2'−デオキシウリジン5'−三リン酸、シグマ・アルドリッチ社(Sigma−AldrichCo.))を含む反応で増幅できること、およびその遺伝子座発現量はdTTPだけを含む反応で増幅されたDNAについてと実質的に同一であることを実証する。
100%dTTPを含むMDA反応(100μl)を、実施例8に記載の通り、95℃での変性無しで実施した。70%AAdUTPを含む反応を、標準の1.0mMdTTPの代わりに0.7mMAAdUTPおよび0.3mMdTTPを含んだ点以外は100%dTTPを含む反応と同一の条件下で実施した。反応は1ngのヒトゲノムDNAテンプレートを含み、約30,000倍のDNA増幅を結果として生じた。
TaqMan(登録商標)定量的PCR分析を増幅されたDNA試料について実施例8に記載の通り実施し、および2種類の増幅反応に由来するDNAについての8遺伝子座の相対発現量を図21に示す。Y軸は、インプットゲノムDNAと比較したパーセントで表した遺伝子座発現量であり(そのような遺伝子座発現量を遺伝子座発現量偏りということができる)、1μgの増幅されたDNAからの定量的PCR産物の収率を1μgのゲノムDNA対照からの収率で割って計算する。黒棒グラフは100%dTTPを含む反応で増幅されたDNAについての遺伝子座発現量を示す。白棒グラフは30%dTTP/70%AAdUTPを含む反応で増幅されたDNAについての遺伝子座発現量を示す。
図に示す通り、30%dTTP/70%AAdUTPを含む反応で増幅されたDNAは、100%dTTPを含む反応で増幅されたDNAと、遺伝子座発現量について実質的に同一の値を有する。
M.実施例13:ヒトゲノムDNA由来c−jun配列の配列特異的プライマーおよび標的環状化を用いた増幅。
本実施例は、本開示の方法の一実施形態および結果として生じるDNA産物の分析を記載する。例示される方法は本開示の、ヌクレアーゼ耐性配列特異的プライマーおよび環状化されたDNAテンプレートを用いる、複数鎖置換増幅の遺伝子特異的複数置換増幅形式である。
増幅反応は、熱変性/アニーリング段階無しで、実施例8に記載される条件下で、c−jun配列を含む5.5kb EcoRI断片内の配列とハイブリダイズするエキソヌクレアーゼ耐性配列特異的プライマーを用いて実施した。本実施例で使用した配列特異的プライマーを表6に列挙する。ヌクレオチド配列中の星印は、ホスホロチオエート結合の存在を示す。配列特異的プライマーはヒトc−jun遺伝子配列の両方の鎖の各側へハイブリダイズするように設計され、および本プライマーはc−jun遺伝子配列を含む2025bp断片を包含する。本プライマーはc−jun遺伝子配列の各側で互いに150〜400ヌクレオチドの間隔を開けている。これらのプライマーについての認識部位を包含するヒトDNAの領域は、ジェンバンク(Genbank)から登録番号AL136985を用いて入手することができ、およびそのヌクレオチド配列の66962位から68987位にわたる。
Figure 2006512094
Figure 2006512094
4種類の反応を下記の条件下で実施した。ヒトゲノムDNA(5g、コリエル研究所細胞バンク(Coriell Cell Repositories))を100ユニットのEcoRIで3時間、50μl中で取扱説明書に従って消化した。EcoRIエンドヌクレアーゼを65℃にて30分間のインキュベートによって不活性化した。消化したDNA断片(0.5μg)を容量840μl中で1.7ユニット(ワイス(Weiss)ユニット)のT4DNAリガーゼを用いて環状化した。反応を16時間4℃にてインキュベートした。ブランクライゲーションを、DNAリガーゼの省略以外は同一の条件下で実施した。ライゲーションした混合物の一部をテンプレート(16.8μl;10ngDNA)として利用した2種類の増幅反応を実施し、一方は各2.5μMの濃度の配列特異的プライマーを用い、他方は各0.5μMの濃度のプライマーを用いた。さらに2種類の増幅反応を、ブランクライゲーションしたDNAをテンプレートとして利用し、2.5μMおよび0.5μMの配列特異的プライマー濃度を用いて実施した。放射性標識したα−[32P]dCTP、約60cpm/pmolの総dNTP、をDNA合成の定量化のために、並行反応に加えた。反応を18時間37℃にてインキュベートした。α−[32P]dCTPを含まなかった反応を、TaqMan(登録商標)定量的PCR分析によって実施例8に記載の通りに分析した。インプットテンプレートについての標準曲線を、ゲノムDNA中の遺伝子座コピー数と比較した、増幅されたDNA中の遺伝子座コピー数を決定するために作製した。標準曲線は0、0.001、0.01、0.1、0.5、および1μgのゲノムDNAから作製した。結果を図22に示す。Y軸は、インプットゲノムDNAと比較した遺伝子座発現量であるそのような遺伝子座発現量を遺伝子座発現量偏りということができる)。それは1μgの増幅されたDNAからの定量的PCR産物の収率を1μgのゲノムDNA対照からの収率で割って計算され、パーセントで表される。
図に示す通り、ライゲーションされたDNAに由来する2.5μMの遺伝子特異的プライマーを用いて増幅されたc−jun配列の発現量は検出を下回った(GS2.5+L棒グラフを参照)。ブランクライゲーションされたDNAに由来する2.5μMの遺伝子特異的プライマーを用いて増幅されたc−jun配列の発現量もまた検出されなかった(GS2.5−L棒グラフを参照)。ライゲーションされたDNAに由来する0.5μMの遺伝子特異的プライマーを用いて増幅されたDNA中のc−jun配列の発現量は32000%であった(GS0.5+L棒グラフを参照)。ブランクライゲーションされたDNAに由来する0.5μMの遺伝子特異的プライマーを用いて増幅されたDNA中のc−jun配列の発現量もまた検出されなかった(GS0.5−L棒グラフを参照)。これらの結果は、遺伝子特異的プライマーおよび環状化されたテンプレートDNAを用いたc−jun配列の320倍増幅を実証する。ライゲーションされなかった消化されたDNAは感知可能な増幅を示さなかった。0.5μMのプライマーを用いて増幅された、ライゲーションされたDNAだけが増幅された一方、2.5μMのプライマーは増幅を与えなかった。
2.5μM遺伝子特異的プライマーおよび環状化されたDNAテンプレートを用いて実施されたDNA増幅反応の特異性を、それを7個の他の遺伝子座で観察されたDNA増幅の量と比較することによって試験した。TaqMan(登録商標)定量的PCR分析を実施例8に記載の通り実施し、および結果を図23に示す。c−jun遺伝子座および7個の他の遺伝子座の相対発現量を示し、および、7個の遺伝子座は低レベルの増幅だけを示し、c−jun配列がc−jun特異的プライマーを用いて特異的に増幅されたことを示す。
N.実施例14:分解されたゲノムDNAの複数置換増幅の品質を、損傷試料を修復することによって高める。
本実施例は、損傷ゲノムDNAを、15mM NaOHの存在下で70℃加熱を用いて変性し、トリス−HClpH4.0および元の試料を変性した試料に加えて戻し,その後ゆっくり冷却して損傷DNAをハイブリダイズさせることによる修復法で前処理した場合、WGAにおいて増幅されたDNAの品質が向上することを実証する。損傷gDNAは、未変性ゲノムDNAを超音波処理して平均長1kbとすることによって作製した。この分解試料を次いで修復法を用いて前処理し、および複数置換増幅反応に用いた。増幅産物の品質は、1μgの増幅産物の染色体上の特定の遺伝子座の発現量を、1μgの増幅されていない標準ゲノムDNAと比較する、Taqman測定法によって評価した。本実施例は、修復処理ありの損傷ゲノムDNAは、修復法無しの損傷ゲノムDNAの増幅産物と比較して、増幅産物の遺伝子座発現量に3倍の改善を有することを実証する。
損傷ゲノムDNAは下記の通り作製した:プロメガ社(Promega)のゲノムDNA試料をdHOで希釈して100ng/μlとした。試料をフィッシャー・サイエンティフィク社(FisherScientific)の550超音波破砕機を用いて40%9秒間に設定して超音波処理した。試料を5ng/μlへさらに希釈し、および計25ngを用いて15mM NaOH終濃度で変性しおよび70℃へ5分間加熱した。70℃にて、トリス−HClpH4.0を加えて最終pH8.0を生じ、および25ngの未変性の元の変性した試料もまた加えた。複数置換合成による増幅を、修復された損傷DNAおよび損傷DNA、および対照未変性DNAについて実施した。図24の結果は、損傷DNAの修復が、修復無しの損傷DNAの増幅と比較して、損傷試料の増幅を顕著に改善していることを示す。
O.実施例15:長期保存によって損傷された真のゲノムDNA試料の複数置換増幅の品質を、損傷試料を修復することによって高める。
本実施例は、長期保存によって損傷されたゲノムDNA試料の複数置換増幅による増幅産物の品質が、修復法によって改善されたことを実証する。
損傷ゲノムDNA試料を、15mM NaOHの存在下での70℃加熱を用いる変性、トリス−HClpH4.0および元の試料を変性した試料に加えて戻すこと、ゆっくり冷却して損傷DNAをハイブリダイズさせること,次いで複数置換増幅反応に用いることによる修復法で前処理した。増幅産物の品質はTaqman測定法によって実施例14に記載の通り評価した。
図25に示す通り、一旦修復された損傷ゲノムDNA試料の増幅産物の品質は顕著に改善される。平均して、増幅産物の品質における3倍の改善が観察された。
P.実施例16:変性段階の最適化:イオン強度、熱およびNaOHが修復改善を結果として生じる。
本実施例は、イオン強度、熱およびNaOHが、損傷DNAを修復および増幅する本開示の方法における変性段階に有用であることを実証する。損傷DNA試料を下記の通り調製した:DNA試料をdHOで5ng/μlに希釈し、および70℃へ5分間加熱し、それは試料をより小さい断片へ分解する。加熱したDNA試料をゆっくり冷却しおよび複数置換増幅をこれらの試料に対して実施した。加熱したDNA基質に由来する増幅産物のTaqman分析は、イオン溶液の使用がDNAのさらなる分解に繋がり、最終的にこれらの試料の低い増幅に繋がったことを示した。
損傷DNAを塩の存在下で加熱することがこの基質の増幅を改善しうるかどうかを判定するため、損傷DNA(25ng)を70℃へ塩(トリス−EDTA(10mMトリスpH8.0および1mM EDTA))の存在下で3分間加熱し、25ngの未変性の損傷試料を加えて戻し、および次いで試料を冷却した。この方法は、損傷DNAの修復にいくらかの改善を示した。終濃度25mMのNaOHを熱段階の前に反応に加えた場合、これは修復法を改善し、損傷DNAの一貫した修復を与えた。これは、損傷DNAをトリス−EDTA(TE)で5ng/μlに希釈し、25ngのDNAをNaOH終濃度25mMに加え、試料を70℃へ3分間加熱し、トリス−HClpH4.0を加えてpHを8.0へ低下させ、25ngの元の未変性の損傷DNA試料を加えて戻し、および混合物を室温に戻したことによって行われた。熱、トリス、およびNaOHを用いる修復は、修復無しおよび熱およびトリスだけの処理を用いた修復よりも良好な遺伝子座発現量を与えた。
Q.実施例17:修復法の中性化段階は損傷DNA試料の増幅を改善する。
本実施例は、修復法の中性化が増幅産物の品質の向上に重要であることを実証する。損傷DNA試料を下記の通り調製した:DNA試料をdHOで10ng/μMに希釈し、および70℃へ5分間加熱して損傷DNA試料を作製した。加熱したDNA試料を5ng/μlにTEで希釈し、25ngの損傷DNAを終濃度25mM NaOHへ加え、70℃へ3分間加熱し、および、トリス−HClpH4.0を用いてpH8.0へ中性化しおよびゆっくり冷却したか、または、中性化無しでゆっくり冷却した。これらの試料の増幅反応を実施し、および産物の品質をTaqman分析によって分析した。中性化を用いる修復は、修復無しおよび中性化処理無しの修復よりも良好な遺伝子座発現量を与えた。
記載の特定の方法、手順、および試薬は変化しうるため、本開示の発明はこれらに限定されないと解される。また、ここで用いられた用語は、特定の実施形態を記載する目的のみのためであり、および付属の請求項によってのみ制限される本発明の範囲を制限することは意図されないと解される。
本文中および付属の請求項中では、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈に明らかにそうでないと示されない限り、複数の言及を含むことに注意しなければならない。したがって、たとえば、「a宿主細胞」への言及は複数のそのような宿主細胞を含み、「the抗体」への言及は1種類以上の抗体および当業者に既知であるその同等物への言及である、などである。
別に定義されない限り、本文書に用いられるすべての技術用語および科学用語は、本開示の発明が属する分野の当業者によって通常理解されるのと同一の意味を有する。本文書に記載されたものと同様または同等である任意の方法および材料を本発明の実施または試験に用いることができるが、好ましい方法、装置、および材料は記載の通りである。本文書に引用された出版物およびそれらが引用された目的の題材は特に参照により本開示に含まれる。本文書中の何も、本発明が先行発明によってそのような開示に先行できないという承認として解釈されない。
当業者は、通常の実験しか用いずに、本文書に記載された本発明の特定の実施形態の多数の同等物を認めるかまたは確認することができる。そのような同等物は下記の請求項によって包含されることが意図される。
図1は、本開示の方法の一実施形態において特異的ヌクレオチド配列の単一の6ヌクレオチドプライマーを用いて増幅したヒトゲノムDNA中の47遺伝子座(染色体当たり2遺伝子座、およびY染色体から1遺伝子座)についての遺伝子座発現量(パーセントで)のグラフである。 図2は、本開示の方法の一実施形態において特異的ヌクレオチド配列の2種類の異なる6ヌクレオチドプライマーを用いて増幅したヒトゲノムDNA中の47遺伝子座(染色体当たり2遺伝子座、およびY染色体から1遺伝子座)についての遺伝子座発現量(パーセントで)のグラフである。 図3は、本開示の方法の一実施形態において特異的ヌクレオチド配列の3種類の異なる6ヌクレオチドプライマーを用いて増幅したヒトゲノムDNA中の47遺伝子座(染色体当たり2遺伝子座、およびY染色体から1遺伝子座)についての遺伝子座発現量(パーセントで)のグラフである。 図4は、本開示の方法の一実施形態において特異的ヌクレオチド配列の4種類の異なる6ヌクレオチドプライマーを用いて増幅したヒトゲノムDNA中の47遺伝子座(染色体当たり2遺伝子座、およびY染色体から1遺伝子座)についての遺伝子座発現量(パーセントで)のグラフである。 図5は、本開示の方法の一実施形態において特異的ヌクレオチド配列の5種類の異なる6ヌクレオチドプライマーを用いて増幅したヒトゲノムDNA中の47遺伝子座(染色体当たり2遺伝子座、およびY染色体から1遺伝子座)についての遺伝子座発現量(パーセントで)のグラフである。 図6は、本開示の方法の一実施形態において特異的ヌクレオチド配列の5種類の異なる6ヌクレオチドプライマーを用いて増幅したヒトゲノムDNA中の47遺伝子座(染色体当たり2遺伝子座、およびY染色体から1遺伝子座)についての遺伝子座発現量(パーセントで)のグラフである。 図7は、本開示の方法の一実施形態において特異的ヌクレオチド配列の5種類の異なる6ヌクレオチドプライマーを用いて増幅したヒトゲノムDNA中の47遺伝子座(染色体当たり2遺伝子座、およびY染色体から1遺伝子座)についての遺伝子座発現量(パーセントで)のグラフである。 図8は、本開示の方法の一実施形態において特異的ヌクレオチド配列の5種類の異なる6ヌクレオチドプライマーを用いて増幅したヒトゲノムDNA中の47遺伝子座(染色体当たり2遺伝子座、およびY染色体から1遺伝子座)についての遺伝子座発現量(パーセントで)のグラフである。 図9は、本開示の方法の一実施形態において特異的ヌクレオチド配列の9種類の異なる6ヌクレオチドプライマーを用いて増幅したヒトゲノムDNA中の10遺伝子座についての遺伝子座発現量(パーセントで)のグラフである。 図10は、本開示の方法の一実施形態において特異的ヌクレオチド配列の12種類の異なる6ヌクレオチドプライマーを用いて増幅したヒトゲノムDNA中の47遺伝子座(染色体当たり2遺伝子座、およびY染色体から1遺伝子座)についての遺伝子座発現量(パーセントで)のグラフである。 図11は、未変性ゲノムDNA(gDNA)または85℃にて10分間加熱することによって分解されたゲノムDNA(分解gDNA)のさまざまな量(0、0.3ng、3ngおよび30ng)をインプットテンプレートとして用い、16時間実施したMDA反応によるDNA合成のグラフである。MDA反応は、30℃にて0.3Mトレハロースの非存在下、または40℃にて0.3Mトレハロースの存在下のどちらかで実施した。 図12は、未変性ゲノムDNAのさまざまな量(0から30ng)をインプットテンプレートとして用い、40℃にて各種の糖の存在下で16時間実施したMDA反応によるDNA合成のグラフである。MDA反応は、添加剤無しで、または0.3Mトレハロースまたは0.4Mスクロースまたは0.4Mグルコースの存在下のどちらかで実施した。 図13は、本開示の方法における増幅について異なる量の核酸を用いた、時間(時間で)に対するDNA合成(μgで)のグラフである。 図14は、テンプレートDNA長に及ぼす95℃でのインキュベート時間の作用のグラフである。 図15は、MDAの速度および収率に及ぼす95℃でのテンプレートインキュベートの作用のグラフである。 図16は、DNA産物鎖の平均サイズに及ぼす95℃でのテンプレートインキュベートの作用のグラフである。 図17は、MDAによって増幅されたDNAにおける遺伝子座発現量に及ぼす、95℃でのインキュベート無しに対する95℃でのテンプレートインキュベートの作用の比較を示すグラフである。 図18A、18B、および18Cは、3つの異なる増幅手順、MDA、DOP−PCR、およびPEPについての、遺伝子発現量偏りに及ぼす増幅の作用を示すグラフである。 図19は、ネステッドプライマーを用いたc−jun配列の増幅を示すグラフである。 図20は、5つの異なる増幅反応に由来するDNAについての8遺伝子座の相対発現量のグラフである。Y軸はインプットゲノムDNAとの相対比でパーセントとして表した遺伝子座発現量であり、1μgの増幅DNAからの定量的PCR産物の収率を1μgのゲノムDNA対照からの収率で割って計算される。 図21は、100%dTTPを含む反応で増幅されたDNA、30%dTTP/70%AAdUTPを含む反応で増幅されたDNAに関して、8遺伝子座についてのパーセント発現量の比較を示すグラフである。 図22は、環状化されたゲノムテンプレートを用いたc−jun配列の増幅を示すグラフである。Y軸はインプットゲノムDNAとの相対比でパーセントとして表した遺伝子座発現量であり、1μgの増幅DNAからの定量的PCR産物の収率を1μgのゲノムDNA対照からの収率で割って計算される。 図23は、c−jun特異的プライマーおよび環状化されたDNA標的を用いて増幅されたDNAにおける、8遺伝子座についてのパーセント発現量の比較を示すグラフである。 図24は、異なる処理(対照または修復処理)に曝露された異なるDNA試料のパーセント遺伝子座発現量のグラフである。 図25は、修復処理ありまたは無しの40試料の、パーセント遺伝子座発現量のグラフである。 図26は、本開示の方法の一形式(アルカリ性処理あり;下図)またはアルカリ性処理なしの同じ方法(上図)を用いて増幅したゲノム核酸試料中に見出される5つの一塩基多型のそれぞれでの対立遺伝子の量を比較するグラフである。アルカリ性処理が用いられる場合に、対立遺伝子の増幅偏りはより低い。168コリエル(Coriell)gDNAを含む100uLの反応。遺伝子型分析はTaqMan分析により実施した。 図27は、本開示の方法の一形式(アルカリ性処理あり;下図)またはアルカリ性処理なしの同じ方法(上図)を用いて増幅したゲノム核酸試料中に見出される5つの一塩基多型のそれぞれでの対立遺伝子の量を比較するグラフである。アルカリ性処理が用いられる場合に、対立遺伝子の増幅偏りはより低い。168コリエル(Coriell)gDNAを含む100uLの反応。遺伝子型分析はTaqMan分析により実施した。
【配列表】
Figure 2006512094
Figure 2006512094
Figure 2006512094
Figure 2006512094
Figure 2006512094
Figure 2006512094
Figure 2006512094
Figure 2006512094

Claims (286)

  1. ゲノムを増幅する方法であって、単一のプライマー、DNAポリメラーゼ、およびゲノム核酸試料を接触させ、およびゲノム核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でゲノム核酸試料をインキュベートすることを含み、
    プライマーが特異的ヌクレオチド配列を有し、ゲノム核酸試料がゲノムの全部または相当な部分を含み、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が鎖置換複製によって進行し、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が結果としてゲノム核酸試料中の核酸分子の全部または相当な部分の複製を生じることを特徴とする方法。
  2. ゲノムが真核ゲノムであることを特徴とする請求項1の方法。
  3. ゲノムが植物ゲノムであることを特徴とする請求項2の方法。
  4. ゲノムが動物ゲノムであることを特徴とする請求項2の方法。
  5. ゲノムが脊椎動物ゲノムであることを特徴とする請求項4の方法。
  6. ゲノムが魚類ゲノムであることを特徴とする請求項5の方法。
  7. ゲノムが哺乳類ゲノムであることを特徴とする請求項5の方法。
  8. ゲノムがヒトゲノムであることを特徴とする請求項7の方法。
  9. ゲノムが微生物ゲノムまたはウイルスゲノムであることを特徴とする請求項1の方法。
  10. ゲノム核酸試料中の少なくとも10の核酸配列について増幅偏りが20倍未満であることを特徴とする請求項1の方法。
  11. ゲノム核酸試料中の少なくとも10の核酸配列について増幅偏りが10倍未満であることを特徴とする請求項10の方法。
  12. プライマーが3ヌクレオチド、4ヌクレオチド、5ヌクレオチド、6ヌクレオチド、7ヌクレオチド、8ヌクレオチド、9ヌクレオチド、10ヌクレオチド、11ヌクレオチド、12ヌクレオチド、13ヌクレオチド、14ヌクレオチド、15ヌクレオチド、16ヌクレオチド、17ヌクレオチド、18ヌクレオチド、19ヌクレオチド、20ヌクレオチド、21ヌクレオチド、22ヌクレオチド、23ヌクレオチド、24ヌクレオチド、25ヌクレオチド、26ヌクレオチド、27ヌクレオチド、28ヌクレオチド、29ヌクレオチド、または30ヌクレオチドの長さを有することを特徴とする請求項1の方法。
  13. プライマーが4ヌクレオチド未満、5ヌクレオチド未満、6ヌクレオチド未満、7ヌクレオチド未満、8ヌクレオチド未満、9ヌクレオチド未満、10ヌクレオチド未満、11ヌクレオチド未満、12ヌクレオチド未満、13ヌクレオチド未満、14ヌクレオチド未満、15ヌクレオチド未満、16ヌクレオチド未満、17ヌクレオチド未満、18ヌクレオチド未満、19ヌクレオチド未満、20ヌクレオチド未満、21ヌクレオチド未満、22ヌクレオチド未満、23ヌクレオチド未満、24ヌクレオチド未満、25ヌクレオチド未満、26ヌクレオチド未満、27ヌクレオチド未満、28ヌクレオチド未満、29ヌクレオチド未満、30ヌクレオチド未満、または31ヌクレオチド未満の長さを有することを特徴とする請求項1の方法。
  14. ゲノム核酸試料を、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、46℃、47℃、48℃、49℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃、61℃、62℃、63℃、64℃、65℃、66℃、67℃、68℃、69℃、70℃、71℃、72℃、73℃、74℃、75℃、76℃、77℃、78℃、79℃、または80℃にてインキュベートすることを特徴とする請求項1の方法。
  15. ゲノム核酸試料を、21℃未満、22℃未満、23℃未満、24℃未満、25℃未満、26℃未満、27℃未満、28℃未満、29℃未満、30℃未満、31℃未満、32℃未満、33℃未満、34℃未満、35℃未満、36℃未満、37℃未満、38℃未満、39℃未満、40℃未満、41℃未満、42℃未満、43℃未満、44℃未満、45℃未満、46℃未満、47℃未満、48℃未満、49℃未満、50℃未満、51℃未満、52℃未満、53℃未満、54℃未満、55℃未満、56℃未満、57℃未満、58℃未満、59℃未満、60℃未満、61℃未満、62℃未満、63℃未満、64℃未満、65℃未満、66℃未満、67℃未満、68℃未満、69℃未満、70℃未満、71℃未満、72℃未満、73℃未満、74℃未満、75℃未満、76℃未満、77℃未満、78℃未満、79℃未満、または80℃未満にてインキュベートすることを特徴とする請求項1の方法。
  16. ゲノム核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有するか、ゲノム核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有するか、ゲノム核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有するか、ゲノム核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有するか、ゲノム核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有するか、ゲノム核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有するか、またはゲノム核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有することを特徴とする請求項1の方法。
  17. プライマー、DNAポリメラーゼおよびゲノム核酸試料が、1種類の追加のプライマーと、2種類の追加のプライマーと、3種類の追加のプライマーと、4種類の追加のプライマーと、5種類の追加のプライマーと、6種類の追加のプライマーと、7種類の追加のプライマーと、8種類の追加のプライマーと、9種類の追加のプライマーと、10種類の追加のプライマーと、11種類の追加のプライマーと、12種類の追加のプライマーと、13種類の追加のプライマーと、14種類の追加のプライマーと、15種類の追加のプライマーと、16種類の追加のプライマーと、17種類の追加のプライマーと、18種類の追加のプライマーと、19種類の追加のプライマーと、20種類の追加のプライマーと、21種類の追加のプライマーと、22種類の追加のプライマーと、23種類の追加のプライマーと、24種類の追加のプライマーと、25種類の追加のプライマーと、26種類の追加のプライマーと、27種類の追加のプライマーと、28種類の追加のプライマーと、29種類の追加のプライマーと、30種類の追加のプライマーと、31種類の追加のプライマーと、32種類の追加のプライマーと、33種類の追加のプライマーと、34種類の追加のプライマーと、35種類の追加のプライマーと、36種類の追加のプライマーと、37種類の追加のプライマーと、38種類の追加のプライマーと、39種類の追加のプライマーと、40種類の追加のプライマーと、41種類の追加のプライマーと、42種類の追加のプライマーと、43種類の追加のプライマーと、44種類の追加のプライマーと、45種類の追加のプライマーと、46種類の追加のプライマーと、47種類の追加のプライマーと、48種類の追加のプライマーと、49種類の追加のプライマーと、50種類の追加のプライマーと、51種類の追加のプライマーと、52種類の追加のプライマーと、53種類の追加のプライマーと、54種類の追加のプライマーと、55種類の追加のプライマーと、56種類の追加のプライマーと、57種類の追加のプライマーと、58種類の追加のプライマーと、59種類の追加のプライマーと、60種類の追加のプライマーと、61種類の追加のプライマーと、62種類の追加のプライマーと、63種類の追加のプライマーと、75種類の追加のプライマーと、100種類の追加のプライマーと、150種類の追加のプライマーと、200種類の追加のプライマーと、300種類の追加のプライマーと、400種類の追加のプライマーと、500種類の追加のプライマーと、750種類の追加のプライマーと、または1,000種類の追加のプライマーと接触させられ、各プライマーが異なる特異的ヌクレオチド配列を有することを特徴とする請求項1の方法。
  18. プライマーがすべて同一の長さであることを特徴とする請求項17の方法。
  19. プライマー、DNAポリメラーゼおよびゲノム核酸試料が、2種類未満の追加のプライマーと、3種類未満の追加のプライマーと、4種類未満の追加のプライマーと、5種類未満の追加のプライマーと、6種類未満の追加のプライマーと、7種類未満の追加のプライマーと、8種類未満の追加のプライマーと、9種類未満の追加のプライマーと、10種類未満の追加のプライマーと、11種類未満の追加のプライマーと、12種類未満の追加のプライマーと、13種類未満の追加のプライマーと、14種類未満の追加のプライマーと、15種類未満の追加のプライマーと、16種類未満の追加のプライマーと、17種類未満の追加のプライマーと、18種類未満の追加のプライマーと、19種類未満の追加のプライマーと、20種類未満の追加のプライマーと、21種類未満の追加のプライマーと、22種類未満の追加のプライマーと、23種類未満の追加のプライマーと、24種類未満の追加のプライマーと、25種類未満の追加のプライマーと、26種類未満の追加のプライマーと、27種類未満の追加のプライマーと、28種類未満の追加のプライマーと、29種類未満の追加のプライマーと、30種類未満の追加のプライマーと、31種類未満の追加のプライマーと、32種類未満の追加のプライマーと、33種類未満の追加のプライマーと、34種類未満の追加のプライマーと、35種類未満の追加のプライマーと、36種類未満の追加のプライマーと、37種類未満の追加のプライマーと、38種類未満の追加のプライマーと、39種類未満の追加のプライマーと、40種類未満の追加のプライマーと、41種類未満の追加のプライマーと、42種類未満の追加のプライマーと、43種類未満の追加のプライマーと、44種類未満の追加のプライマーと、45種類未満の追加のプライマーと、46種類未満の追加のプライマーと、47種類未満の追加のプライマーと、48種類未満の追加のプライマーと、49種類未満の追加のプライマーと、50種類未満の追加のプライマーと、51種類未満の追加のプライマーと、52種類未満の追加のプライマーと、53種類未満の追加のプライマーと、54種類未満の追加のプライマーと、55種類未満の追加のプライマーと、56種類未満の追加のプライマーと、57種類未満の追加のプライマーと、58種類未満の追加のプライマーと、59種類未満の追加のプライマーと、60種類未満の追加のプライマーと、61種類未満の追加のプライマーと、62種類未満の追加のプライマーと、63種類未満の追加のプライマーと、64種類未満の追加のプライマーと、75種類未満の追加のプライマーと、100種類未満の追加のプライマーと、150種類未満の追加のプライマーと、200種類未満の追加のプライマーと、300種類未満の追加のプライマーと、400種類未満の追加のプライマーと、500種類未満の追加のプライマーと、750種類未満の追加のプライマーと、または1,000種類未満の追加のプライマーと接触させられ、各プライマーが異なる特異的ヌクレオチド配列を有することを特徴とする請求項1の方法。
  20. 各プライマーが配列AGTGGGまたはAGAGAGのうち異なる1つを有することを特徴とする請求項19の方法。
  21. 各プライマーが配列AGCCGG、AGTAGG、またはAGTTGGのうち異なる1つを有することを特徴とする請求項19の方法。
  22. 各プライマーが配列AGGCGG、AGTGGG、AGGGAG、またはAGTGAGのうち異なる1つを有することを特徴とする請求項19の方法。
  23. 各プライマーが配列AGTGGG、AGCCAG、AGTTAG、AGTCAG、またはAGACAGのうち異なる1つを有することを特徴とする請求項19の方法。
  24. 各プライマーが配列AGAGGG、AGGCAG、AGCCAG、AGTCAG、またはAGACAGのうち異なる1つを有することを特徴とする請求項19の方法。
  25. 各プライマーが配列AGTAGG、AGGTGG、AGGCAG、AGACAG、またはAGTGAGのうち異なる1つを有することを特徴とする請求項19の方法。
  26. 各プライマーが配列AGGAGG、AGAGGG、AGGGAG、AGTCAG、またはAGCGAGのうち異なる1つを有することを特徴とする請求項19の方法。
  27. 各プライマーが配列CGGTGG、TCACGC、CGAGCG、GCGTGG、ACTCGG、AATCGC、CGGAGG、CCGAGA、GATCGC、AGAGCG、AGCGAG、またはACTCCGのうち異なる1つを有することを特徴とする請求項19の方法。
  28. プライマーが配列AGTGGGまたはAGAGAGのうち1つを有することを特徴とする請求項1の方法。
  29. プライマーが配列AGCCGG、AGTAGG、またはAGTTGGのうち1つを有することを特徴とする請求項1の方法。
  30. プライマーが配列AGGCGG、AGTGGG、AGGGAG、またはAGTGAGのうち1つを有することを特徴とする請求項1の方法。
  31. プライマーが配列AGTGGG、AGCCAG、AGTTAG、AGTCAG、またはAGACAGのうち1つを有することを特徴とする請求項1の方法。
  32. プライマーが配列AGAGGG、AGGCAG、AGCCAG、AGTCAG、またはAGACAGのうち1つを有することを特徴とする請求項1の方法。
  33. プライマーが配列CGGTGG、TCACGC、CGAGCG、GCGTGG、ACTCGG、AATCGC、CGGAGG、CCGAGA、GATCGC、AGAGCG、AGCGAG、またはACTCCGのうち1つを有することを特徴とする請求項1の方法。
  34. プライマーが反復配列中の配列と相補的であることを特徴とする請求項1の方法。
  35. 反復配列がマイクロサテライト配列、ミニサテライト配列、サテライト配列、トランスポゾン配列、リボソームRNA配列、短い核散在配列(short interspersed nuclear element (SINE))、または長い核散在配列(long interspersed nuclear element)(LINE)であることを特徴とする請求項34の方法。
  36. プライマーが機能共通配列中の配列と相補的であることを特徴とする請求項1の方法。
  37. 機能共通配列がプロモーター配列、エンハンサー配列、サイレンサー配列、上流調節配列、転写終止部位配列、トランスポゾン調節配列、リボソームRNA調節配列、またはポリアデニル化部位配列であることを特徴とする請求項36の方法。
  38. 機能共通配列が微生物プロモーター配列、微生物エンハンサー配列、微生物サイレンサー配列、微生物上流調節配列、微生物転写終止部位配列、微生物トランスポゾン調節配列、微生物リボソームRNA調節配列、または微生物ポリアデニル化部位配列であることを特徴とする請求項37の方法。
  39. プライマーが広カバー率プライマーであることを特徴とする請求項1の方法。
  40. プライマーが、平均して、5,000ヌクレオチド以下毎、4,000ヌクレオチド以下毎、3,000ヌクレオチド以下毎、2,500ヌクレオチド以下毎、2,000ヌクレオチド以下毎、1,500ヌクレオチド以下毎、1,000ヌクレオチド以下毎、900ヌクレオチド以下毎、800ヌクレオチド以下毎、700ヌクレオチド以下毎、600ヌクレオチド以下毎、500ヌクレオチド以下毎、400ヌクレオチド以下毎、300ヌクレオチド以下毎、200ヌクレオチド以下毎、100ヌクレオチド以下毎、または50ヌクレオチド以下毎に、ゲノム核酸試料の核酸分子中に存在する配列と相補的であることを特徴とする請求項39の方法。
  41. プライマーが、ゲノム核酸試料のG+C比率の20%以内、15%以内、10%以内、9%以内、8%以内、7%以内、6%以内、5%以内、4%以内、3%以内、2%、または1%以内のG+C比率を有することを特徴とする請求項39の方法。
  42. プライマーが、使用した種類のゲノム核酸試料について、少なくとも5個の異なる遺伝子座に関して、少なくとも10%の遺伝子座発現量を生じることを特徴とする請求項39の方法。
  43. プライマーが、使用した種類のゲノム核酸試料について、少なくとも5個の異なる遺伝子座に関して、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも100%の遺伝子座発現量を生じることを特徴とする請求項42の方法。
  44. プライマーが、使用した種類のゲノム核酸試料について、少なくとも10%の遺伝子座発現量を、少なくとも6個の異なる遺伝子座、少なくとも7個の異なる遺伝子座、少なくとも8個の異なる遺伝子座、少なくとも9個の異なる遺伝子座、少なくとも10個の異なる遺伝子座、少なくとも11個の異なる遺伝子座、少なくとも12個の異なる遺伝子座、少なくとも13個の異なる遺伝子座、少なくとも14個の異なる遺伝子座、少なくとも15個の異なる遺伝子座、少なくとも16個の異なる遺伝子座、少なくとも17個の異なる遺伝子座、少なくとも18個の異なる遺伝子座、少なくとも19個の異なる遺伝子座、少なくとも20個の異なる遺伝子座、少なくとも25個の異なる遺伝子座、少なくとも30個の異なる遺伝子座、少なくとも40個の異なる遺伝子座、少なくとも50個の異なる遺伝子座、少なくとも75個の異なる遺伝子座、または少なくとも100個の異なる遺伝子座に関して生じることを特徴とする請求項42の方法。
  45. プライマーが、使用した種類のゲノム核酸試料について、50倍未満の増幅偏りを生じることを特徴とする請求項1の方法。
  46. プライマーが、使用した種類のゲノム核酸試料について、45倍未満、40倍未満、35倍未満、30倍未満、25倍未満、20倍未満、19倍未満、18倍未満、17倍未満、16倍未満、15倍未満、14倍未満、13倍未満、12倍未満、11倍未満、10倍未満、9倍未満、8倍未満、7倍未満、6倍未満、5倍未満、または4倍未満の増幅偏りを生じることを特徴とする請求項45の方法。
  47. プライマーが、使用した種類のゲノム核酸試料について、50倍未満の増幅偏りを、少なくとも5個の異なる遺伝子座に関して、少なくとも6個の異なる遺伝子座、少なくとも7個の異なる遺伝子座、少なくとも8個の異なる遺伝子座、少なくとも9個の異なる遺伝子座、少なくとも10個の異なる遺伝子座、少なくとも11個の異なる遺伝子座、少なくとも12個の異なる遺伝子座、少なくとも13個の異なる遺伝子座、少なくとも14個の異なる遺伝子座、少なくとも15個の異なる遺伝子座、少なくとも16個の異なる遺伝子座、少なくとも17個の異なる遺伝子座、少なくとも18個の異なる遺伝子座、少なくとも19個の異なる遺伝子座、少なくとも20個の異なる遺伝子座、少なくとも25個の異なる遺伝子座、少なくとも30個の異なる遺伝子座、少なくとも40個の異なる遺伝子座、少なくとも50個の異なる遺伝子座、少なくとも75個の異なる遺伝子座、または少なくとも100個の異なる遺伝子座に関して生じることを特徴とする請求項45の方法。
  48. プライマーが内部相補的3'末端を有しないことを特徴とする請求項1の方法。
  49. プライマーが核酸試料の非存在下で顕著な複製産物を生じないことを特徴とする請求項1の方法。
  50. DNAポリメラーゼがφ29DNAポリメラーゼであることを特徴とする請求項1の方法。
  51. ゲノム核酸試料が変性条件に供されないことを特徴とする請求項1の方法。
  52. ゲノム核酸試料が熱変性条件に供されないことを特徴とする請求項51の方法。
  53. ゲノム核酸試料がアルカリ性変性条件に供されないことを特徴とする請求項51の方法。
  54. ゲノム核酸試料が変性条件に供されることを特徴とする請求項1の方法。
  55. ゲノム核酸試料が熱変性条件に供されることを特徴とする請求項54の方法。
  56. ゲノム核酸試料がアルカリ性変性条件に供されることを特徴とする請求項54の方法。
  57. ゲノム核酸試料中の核酸がゲノム核酸試料中の他の物質から分離されないことを特徴とする請求項1の方法。
  58. ゲノム核酸試料が粗細胞溶解物であることを特徴とする請求項1の方法。
  59. ゲノム核酸試料が、細胞をアルカリ性条件に曝露して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物が全ゲノムを含み、および細胞溶解物のpHを低下させて安定化した細胞溶解物を生じることによって調製されることを特徴とする請求項1の方法。
  60. 細胞を溶解溶液と混合することによって細胞がアルカリ性条件に曝露されることを特徴とする請求項59の方法。
  61. 溶解溶液が塩基を含むことを特徴とする請求項60の方法。
  62. 細胞溶解物を安定化溶液と混合することによって細胞溶解物のpHを低下させることを特徴とする請求項59の方法。
  63. 安定化溶液が緩衝剤を含むことを特徴とする請求項62の方法。
  64. 安定化溶液が酸を含むことを特徴とする請求項62の方法。
  65. 細胞溶解物および安定化された細胞溶解物中の核酸が細胞溶解物中の他の物質から分離されないことを特徴とする請求項59の方法。
  66. 細胞溶解物および安定化された細胞溶解物が、インキュベート前に精製に供されないことを特徴とする請求項59の方法。
  67. 細胞溶解物、安定化された細胞溶解物、または両方が、インキュベート前に部分精製に供されることを特徴とする請求項59の方法。
  68. 細胞溶解物および安定化された細胞溶解物が、インキュベート前に相当な精製に供されないことを特徴とする請求項59の方法。
  69. インキュベートが実質的に等温であることを特徴とする請求項59の方法。
  70. 細胞溶解物も安定化された細胞溶解物もインキュベートの温度を実質的に上回って加熱されないことを特徴とする請求項69の方法。
  71. 細胞溶解物も安定化された細胞溶解物もインキュベートの温度を上回る実質的な加熱に供されないことを特徴とする請求項69の方法。
  72. 細胞がインキュベートの温度を実質的に上回って加熱されないことを特徴とする請求項69の方法。
  73. 細胞がインキュベートの温度を上回る実質的な加熱に供されないことを特徴とする請求項69の方法。
  74. 細胞が、その細胞が増殖する温度を実質的に上回って加熱されないことを特徴とする請求項69の方法。
  75. 細胞が、その細胞が増殖する温度を上回る実質的な加熱に供されないことを特徴とする請求項69の方法。
  76. 細胞溶解物も安定化された細胞溶解物も、ゲノムの明らかな変性を引き起こしうる温度を上回っておよびそのような時間にわたって加熱されないことを特徴とする請求項59の方法。
  77. 細胞溶解物も安定化された細胞溶解物も、ゲノムの明らかな変性を引き起こしうる温度を上回るおよびそのような時間にわたる加熱に供されないことを特徴とする請求項59の方法。
  78. 細胞が熱によって溶解されないことを特徴とする請求項59の方法。
  79. アルカリ性条件の非存在下で相当な細胞溶解を引き起こす温度を上回っておよびそのような時間にわたって細胞が加熱されないことを特徴とする請求項59の方法。
  80. アルカリ性条件の非存在下で相当な細胞溶解を引き起こす温度を上回るおよびそのような時間にわたる加熱に細胞が供されないことを特徴とする請求項59の方法。
  81. プライマー、ゲノム核酸試料およびDNAポリメラーゼを接触させる前に、
    ゲノム核酸試料中の核酸分子の相当な変性を促進する条件にゲノム核酸試料を曝露し、それによって変性したゲノム核酸試料を生じ、および条件をゲノム核酸試料中の核酸分子の相当な変性を促進しない条件に変えて変性したゲノム核酸試料を生じることをさらに含む請求項1の方法。
  82. ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が、増幅された核酸分子について、ゲノム核酸試料における平均断片長よりも長い平均断片長を結果として生じることを特徴とする請求項81の方法。
  83. ゲノム核酸試料、変性したゲノム核酸試料、または両方がイオン条件に曝露されることを特徴とする請求項81の方法。
  84. ゲノム核酸試料を変性溶液と混合することによっておよびゲノム核酸試料中の核酸分子を相当に変性させる温度におよびそのような時間ゲノム核酸試料を加熱することによって、ゲノム核酸試料が相当な変性を促進する条件に曝露されることを特徴とする請求項81の方法。
  85. プライマーが3'−5'エキソヌクレアーゼに耐性となるようにプライマーが少なくとも1個の修飾ヌクレオチドを含むことを特徴とする請求項1の方法。
  86. プライマーが長さ6ヌクレオチドであって、プライマーがヌクレアーゼ耐性となるようにプライマーが少なくとも1個の修飾ヌクレオチドを含み、およびDNAポリメラーゼがφ29DNAポリメラーゼであることを特徴とする請求項1の方法。
  87. 核酸分子の複製を促進する条件が実質的に等温であることを特徴とする請求項1の方法。
  88. 核酸分子の複製を促進する条件が熱サイクル反応に関係しないことを特徴とする請求項1の方法。
  89. 核酸分子の複製を促進する条件が熱サイクル反応を含まないことを特徴とする請求項1の方法。
  90. プライマーがヌクレオチドを含み、そのヌクレオチドの1種類以上がリボヌクレオチドであることを特徴とする請求項1の方法。
  91. ヌクレオチドの約10%ないし約50%がリボヌクレオチドであることを特徴とする請求項90の方法。
  92. ヌクレオチドの約50% 以上がリボヌクレオチドであることを特徴とする請求項90の方法。
  93. ヌクレオチドの全部がリボヌクレオチドであることを特徴とする請求項90の方法。
  94. プライマーがヌクレオチドを含み、そのヌクレオチドの1種類以上が2'−O−メチルリボヌクレオチドであることを特徴とする請求項1の方法。
  95. ヌクレオチドの約10%ないし約50%が2'−O−メチルリボヌクレオチドであることを特徴とする請求項94の方法。
  96. ヌクレオチドの約50% 以上が2'−O−メチルリボヌクレオチドであることを特徴とする請求項94の方法。
  97. ヌクレオチドの全部が2'−O−メチルリボヌクレオチドであることを特徴とする請求項94の方法。
  98. プライマーがヌクレオチドを含み、そのヌクレオチドがリボヌクレオチドおよび2'−O−メチルリボヌクレオチドの混合物であることを特徴とする請求項1の方法。
  99. プライマーがヌクレオチドを含み、そのヌクレオチドがデオキシリボヌクレオチドおよび2'−O−メチルリボヌクレオチドの混合物であることを特徴とする請求項1の方法。
  100. ゲノム核酸試料が血液試料、尿試料、精液試料、リンパ液試料、脳脊髄液試料、羊水試料、生検試料、針吸引生検試料、がん試料、腫瘍試料、組織試料、細胞試料、細胞溶解物試料、粗細胞溶解物試料、法医学試料、考古学的試料、感染試料、院内感染試料、製品試料、医薬調製物試料、生物学的分子製品試料、タンパク質調製物試料、脂質調製物試料、糖質調製物試料、またはその組み合わせであることを特徴とする請求項1の方法。
  101. ゲノム核酸試料が粗細胞溶解物であることを特徴とする請求項1の方法。
  102. ゲノム核酸試料が細胞溶解を超えて処理されないことを特徴とする請求項1の方法。
  103. 増幅された核酸分子が分析されることを特徴とする請求項1の方法。
  104. 増幅された核酸分子が1種類以上のDNAチップを用いて分析されることを特徴とする請求項103の方法。
  105. 増幅された核酸分子がハイブリダイゼーションによって分析されることを特徴とする請求項103の方法。
  106. 増幅された核酸分子が核酸配列決定によって分析されることを特徴とする請求項103の方法。
  107. 増幅された核酸分子がその分析の前、後、または前および後の両方に保存されることを特徴とする請求項103の方法。
  108. プライマー、DNAポリメラーゼ、および第2のゲノム核酸試料を接触させ、および第2のゲノム核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下で第2のゲノム核酸試料をインキュベートすることをさらに含み、
    第2のゲノム核酸試料はゲノムの全部または相当な部分を含み、第2のゲノム核酸試料中の核酸分子の複製は鎖置換複製によって進行し、第2のゲノム核酸試料中の核酸分子の複製の結果として第2のゲノム核酸試料中の核酸分子の全部または相当な部分の複製が生じることを特徴とする請求項1の方法。
  109. 第2のゲノム核酸試料が第1のゲノム核酸試料と同一の種類の生物に由来する試料であることを特徴とする請求項108の方法。
  110. 第2のゲノム核酸試料が第1のゲノム核酸試料と同一の種類の組織に由来する試料であることを特徴とする請求項108の方法。
  111. 第2のゲノム核酸試料が第1のゲノム核酸試料と同一の生物に由来する試料であることを特徴とする請求項108の方法。
  112. 第2のゲノム核酸試料が第1のゲノム核酸試料とは異なる時に得られることを特徴とする請求項111の方法。
  113. 第2のゲノム核酸試料が第1のゲノム核酸試料とは異なる生物に由来する試料であることを特徴とする請求項108の方法。
  114. 第2のゲノム核酸試料が第1のゲノム核酸試料とは異なる種類の組織に由来する試料であることを特徴とする請求項108の方法。
  115. 第2のゲノム核酸試料が第1のゲノム核酸試料とは異なる種の生物に由来する試料であることを特徴とする請求項108の方法。
  116. 第2のゲノム核酸試料が第1のゲノム核酸試料とは異なる系統の生物に由来する試料であることを特徴とする請求項108の方法。
  117. 第2のゲノム核酸試料が第1のゲノム核酸試料とは異なる細胞区画に由来する試料であることを特徴とする請求項108の方法。
  118. ゲノムを増幅する方法であって、1,000種類未満のプライマー、DNAポリメラーゼ、およびゲノム核酸試料を接触させ、およびゲノム核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でゲノム核酸試料をインキュベートすることを含み、
    各プライマーが異なる特異的ヌクレオチド配列を有し、ゲノム核酸試料がゲノムの全部または相当な部分を含み、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が鎖置換複製によって進行し、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が結果としてゲノム核酸試料中の核酸分子の全部または相当な部分の複製を生じることを特徴とする方法。
  119. DNAポリメラーゼおよびゲノム核酸試料が、2種類未満のプライマーと、3種類未満のプライマーと、4種類未満のプライマーと、5種類未満のプライマーと、6種類未満のプライマーと、7種類未満のプライマーと、8種類未満のプライマーと、9種類未満のプライマーと、10種類未満のプライマーと、11種類未満のプライマーと、12種類未満のプライマーと、13種類未満のプライマーと、14種類未満のプライマーと、15種類未満のプライマーと、16種類未満のプライマーと、17種類未満のプライマーと、18種類未満のプライマーと、19種類未満のプライマーと、20種類未満のプライマーと、21種類未満のプライマーと、22種類未満のプライマーと、23種類未満のプライマーと、24種類未満のプライマーと、25種類未満のプライマーと、26種類未満のプライマーと、27種類未満のプライマーと、28種類未満のプライマーと、29種類未満のプライマーと、30種類未満のプライマーと、31種類未満のプライマーと、32種類未満のプライマーと、33種類未満のプライマーと、34種類未満のプライマーと、35種類未満のプライマーと、36種類未満のプライマーと、37種類未満のプライマーと、38種類未満のプライマーと、39種類未満のプライマーと、40種類未満のプライマーと、41種類未満のプライマーと、42種類未満のプライマーと、43種類未満のプライマーと、44種類未満のプライマーと、45種類未満のプライマーと、46種類未満のプライマーと、47種類未満のプライマーと、48種類未満のプライマーと、49種類未満のプライマーと、50種類未満のプライマーと、51種類未満のプライマーと、52種類未満のプライマーと、53種類未満のプライマーと、54種類未満のプライマーと、55種類未満のプライマーと、56種類未満のプライマーと、57種類未満のプライマーと、58種類未満のプライマーと、59種類未満のプライマーと、60種類未満のプライマーと、61種類未満のプライマーと、62種類未満のプライマーと、63種類未満のプライマーと、64種類未満のプライマーと、75種類未満のプライマーと、100種類未満のプライマーと、150種類未満のプライマーと、200種類未満のプライマーと、300種類未満のプライマーと、400種類未満のプライマーと、500種類未満のプライマーと、750種類未満のプライマーと、または1,000種類未満のプライマーと接触させられることを特徴とする請求項118の方法。
  120. 明らかな配列複雑性を有する核酸試料を増幅する方法であって、単一のプライマー、DNAポリメラーゼ、および核酸試料を接触させ、および核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下で核酸試料をインキュベートすることを含み、
    プライマーが特異的ヌクレオチド配列を有し、核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有し、核酸試料中の核酸分子の複製が鎖置換複製によって進行し、核酸試料中の核酸分子の複製が結果として核酸試料中の核酸分子の全部または相当な部分の複製を生じることを特徴とする方法。
  121. 核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有するか、核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有するか、核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有するか、核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有するか、または核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有することを特徴とする請求項120の方法。
  122. 核酸試料がゲノム、染色体、染色体断片、人工染色体、酵母人工染色体、細菌人工染色体、コスミド、または組み合わせであるかまたはそれに由来することを特徴とする請求項120の方法。
  123. 核酸試料が血液試料、尿試料、精液試料、リンパ液試料、脳脊髄液試料、羊水試料、生検試料、針吸引生検試料、がん試料、腫瘍試料、組織試料、細胞試料、細胞溶解物試料、粗細胞溶解物試料、法医学試料、考古学的試料、感染試料、院内感染試料、製品試料、医薬調製物試料、生物学的分子製品試料、タンパク質調製物試料、脂質調製物試料、糖質調製物試料、またはその組み合わせであるかまたはそれに由来することを特徴とする請求項120の方法。
  124. 核酸試料が真核生物、植物、および動物、海産動物、脊椎動物、哺乳類、またはヒトであるかまたはそれに由来することを特徴とする請求項120の方法。
  125. ゲノムを増幅する方法であって、単一のプライマー、DNAポリメラーゼ、およびゲノム核酸試料を接触させ、およびゲノム核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でゲノム核酸試料をインキュベートすることを含み、
    プライマーが特異的ヌクレオチド配列を有し、ゲノム核酸試料がゲノムの全部または相当な部分を含み、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が鎖置換複製によって進行し、ゲノム核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有し、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が結果としてゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも0.01%の複製を生じることを特徴とする方法。
  126. ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が、結果としてゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも0.1%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも1%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも5%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも10%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも20%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも30%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも40%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも50%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも60%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも70%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも80%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも90%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも95%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも96%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも97%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも98%、またはゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも99%の複製を生じることを特徴とする請求項125の方法。
  127. ゲノムを増幅する方法であって、単一のプライマー、DNAポリメラーゼ、およびゲノム核酸試料を接触させ、およびゲノム核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でゲノム核酸試料をインキュベートすることを含み、
    プライマーが特異的ヌクレオチド配列を有し、ゲノム核酸試料がゲノムの全部または相当な部分を含み、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が鎖置換複製によって進行し、ゲノム核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有し、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が結果としてゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも0.1%の複製を生じることを特徴とする方法。
  128. ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が、結果としてゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも1%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも5%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも10%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも20%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも30%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも40%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも50%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも60%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも70%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも80%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも90%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも95%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも96%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも97%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも98%、またはゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも99%の複製を生じることを特徴とする請求項127の方法。
  129. ゲノムを増幅する方法であって、単一のプライマー、DNAポリメラーゼ、およびゲノム核酸試料を接触させ、およびゲノム核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でゲノム核酸試料をインキュベートすることを含み、
    プライマーが特異的ヌクレオチド配列を有し、ゲノム核酸試料がゲノムの全部または相当な部分を含み、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が鎖置換複製によって進行し、ゲノム核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有し、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が結果としてゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも1%の複製を生じることを特徴とする方法。
  130. ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が、結果としてゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも5%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも10%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも20%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも30%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも40%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも50%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも60%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも70%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも80%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも90%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも95%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも96%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも97%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも98%、またはゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも99%の複製を生じることを特徴とする請求項129の方法。
  131. ゲノムを増幅する方法であって、単一のプライマー、DNAポリメラーゼ、およびゲノム核酸試料を接触させ、およびゲノム核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でゲノム核酸試料をインキュベートすることを含み、
    プライマーが特異的ヌクレオチド配列を有し、ゲノム核酸試料がゲノムの全部または相当な部分を含み、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が鎖置換複製によって進行し、ゲノム核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有し、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が結果としてゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも10%の複製を生じることを特徴とする方法。
  132. ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が、結果としてゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも20%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも30%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも40%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも50%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも60%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも70%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも80%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも90%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも95%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも96%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも97%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも98%、またはゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも99%の複製を生じることを特徴とする請求項131の方法。
  133. ゲノムを増幅する方法であって、単一のプライマー、DNAポリメラーゼ、およびゲノム核酸試料を接触させ、およびゲノム核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でゲノム核酸試料をインキュベートすることを含み、
    プライマーが特異的ヌクレオチド配列を有し、ゲノム核酸試料がゲノムの全部または相当な部分を含み、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が鎖置換複製によって進行し、ゲノム核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有し、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が結果としてゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも80%の複製を生じることを特徴とする方法。
  134. ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が、結果としてゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも90%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも95%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも96%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも97%、ゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも98%、またはゲノム核酸試料中の核酸配列の少なくとも99%の複製を生じることを特徴とする請求項133の方法。
  135. ゲノムを増幅する方法であって、単一のプライマー、DNAポリメラーゼ、およびゲノム核酸試料を接触させ、およびゲノム核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でゲノム核酸試料をインキュベートすることを含み、
    プライマーが特異的ヌクレオチド配列を有し、ゲノム核酸試料がゲノムの全部または相当な部分を含み、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が鎖置換複製によって進行し、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が結果として少なくとも10%の遺伝子座発現量を、少なくとも5個の異なる遺伝子座に関して生じることを特徴とする方法。
  136. ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が、結果として少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも100%の遺伝子座発現量を、少なくとも5個の異なる遺伝子座に関して生じることを特徴とする請求項135の方法。
  137. ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が、結果として少なくとも10%の遺伝子座発現量を、少なくとも6個の異なる遺伝子座、少なくとも7個の異なる遺伝子座、少なくとも8個の異なる遺伝子座、少なくとも9個の異なる遺伝子座、少なくとも10個の異なる遺伝子座、少なくとも11個の異なる遺伝子座、少なくとも12個の異なる遺伝子座、少なくとも13個の異なる遺伝子座、少なくとも14個の異なる遺伝子座、少なくとも15個の異なる遺伝子座、少なくとも16個の異なる遺伝子座、少なくとも17個の異なる遺伝子座、少なくとも18個の異なる遺伝子座、少なくとも19個の異なる遺伝子座、少なくとも20個の異なる遺伝子座、少なくとも25個の異なる遺伝子座、少なくとも30個の異なる遺伝子座、少なくとも40個の異なる遺伝子座、少なくとも50個の異なる遺伝子座、少なくとも75個の異なる遺伝子座、または少なくとも100個の異なる遺伝子座に関して生じることを特徴とする請求項135の方法。
  138. ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が、結果として50倍未満の増幅偏りを生じることを特徴とする請求項135の方法。
  139. ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が、結果として45倍未満、40倍未満、35倍未満、30倍未満、25倍未満、20倍未満、19倍未満、18倍未満、17倍未満、16倍未満、15倍未満、14倍未満、13倍未満、12倍未満、11倍未満、10倍未満、9倍未満、8倍未満、7倍未満、6倍未満、5倍未満、または4倍未満の増幅偏りを生じることを特徴とする請求項138の方法。
  140. ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が、結果として50倍未満の増幅偏りを、少なくとも5個の異なる遺伝子座に関して、少なくとも6個の異なる遺伝子座、少なくとも7個の異なる遺伝子座、少なくとも8個の異なる遺伝子座、少なくとも9個の異なる遺伝子座、少なくとも10個の異なる遺伝子座、少なくとも11個の異なる遺伝子座、少なくとも12個の異なる遺伝子座、少なくとも13個の異なる遺伝子座、少なくとも14個の異なる遺伝子座、少なくとも15個の異なる遺伝子座、少なくとも16個の異なる遺伝子座、少なくとも17個の異なる遺伝子座、少なくとも18個の異なる遺伝子座、少なくとも19個の異なる遺伝子座、少なくとも20個の異なる遺伝子座、少なくとも25個の異なる遺伝子座、少なくとも30個の異なる遺伝子座、少なくとも40個の異なる遺伝子座、少なくとも50個の異なる遺伝子座、少なくとも75個の異なる遺伝子座、または少なくとも100個の異なる遺伝子座に関して生じることを特徴とする請求項138の方法。
  141. 高い配列複雑性の核酸試料を増幅する方法であって、単一のプライマー、DNAポリメラーゼ、および核酸試料を接触させ、および核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下で核酸試料をインキュベートすることを含み、
    プライマーが特異的ヌクレオチド配列を有し、核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有し、核酸試料中の核酸分子の複製が鎖置換複製によって進行し、核酸試料中の核酸分子の複製が結果として少なくとも10%の配列発現量を、少なくとも5個の異なる標的配列に関して生じることを特徴とする方法。
  142. 核酸試料中の核酸分子の複製が、結果として少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも100%の配列発現量を、少なくとも5個の異なる標的配列に関して生じることを特徴とする請求項141の方法。
  143. 核酸試料中の核酸分子の複製が、結果として少なくとも10%の配列発現量を、少なくとも6個の異なる標的配列、少なくとも7個の異なる標的配列、少なくとも8個の異なる標的配列、少なくとも9個の異なる標的配列、少なくとも10個の異なる標的配列、少なくとも11個の異なる標的配列、少なくとも12個の異なる標的配列、少なくとも13個の異なる標的配列、少なくとも14個の異なる標的配列、少なくとも15個の異なる標的配列、少なくとも16個の異なる標的配列、少なくとも17個の異なる標的配列、少なくとも18個の異なる標的配列、少なくとも19個の異なる標的配列、少なくとも20個の異なる標的配列、少なくとも25個の異なる標的配列、少なくとも30個の異なる標的配列、少なくとも40個の異なる標的配列、少なくとも50個の異なる標的配列、少なくとも75個の異なる標的配列、または少なくとも100個の異なる標的配列に関して生じることを特徴とする請求項141の方法。
  144. 核酸試料中の核酸分子の複製が、結果として50倍未満の増幅偏りを生じることを特徴とする請求項141の方法。
  145. 核酸試料中の核酸分子の複製が、結果として45倍未満、40倍未満、35倍未満、30倍未満、25倍未満、20倍未満、19倍未満、18倍未満、17倍未満、16倍未満、15倍未満、14倍未満、13倍未満、12倍未満、11倍未満、10倍未満、9倍未満、8倍未満、7倍未満、6倍未満、5倍未満、または4倍未満の増幅偏りを生じることを特徴とする請求項144の方法。
  146. 核酸試料中の核酸分子の複製が、結果として50倍未満の増幅偏りを、少なくとも5個の異なる標的配列に関して、少なくとも6個の異なる標的配列、少なくとも7個の異なる標的配列、少なくとも8個の異なる標的配列、少なくとも9個の異なる標的配列、少なくとも10個の異なる標的配列、少なくとも11個の異なる標的配列、少なくとも12個の異なる標的配列、少なくとも13個の異なる標的配列、少なくとも14個の異なる標的配列、少なくとも15個の異なる標的配列、少なくとも16個の異なる標的配列、少なくとも17個の異なる標的配列、少なくとも18個の異なる標的配列、少なくとも19個の異なる標的配列、少なくとも20個の異なる標的配列、少なくとも25個の異なる標的配列、少なくとも30個の異なる標的配列、少なくとも40個の異なる標的配列、少なくとも50個の異なる標的配列、少なくとも75個の異なる標的配列、または少なくとも100個の異なる標的配列に関して生じることを特徴とする請求項144の方法。
  147. ゲノムを増幅する方法であって、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、およびゲノム核酸試料を接触させ、およびゲノム核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でゲノム核酸試料をインキュベートすることを含み、
    そのプライマーの組が1種類以上の選択プライマーを含み、各選択プライマーが特異的ヌクレオチド配列を有し、ゲノム核酸試料がゲノムの全部または相当な部分を含み、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が鎖置換複製によって進行し、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が結果としてゲノム核酸試料中の核酸配列の全部または相当な部分の複製を生じることを特徴とし、
    その組に含まれる各選択プライマーが、プライマー、DNAポリメラーゼ、および選択核酸試料を接触させ選択核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でインキュベートする際に選択核酸試料中の核酸配列の少なくとも80%の複製を生じることができ、選択核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有することを特徴とする方法。
  148. プライマーの組がさらに少なくとも1種類の追加のプライマーを含むことを特徴とする請求項147の方法。
  149. プライマーの組が少なくとも1種類の非選択プライマーをさらに含み、その非選択プライマーが、プライマー、DNAポリメラーゼ、および選択核酸試料を接触させ選択核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でインキュベートする際に選択核酸試料中の核酸配列の80%未満の複製を生じることを特徴とする請求項147の方法。
  150. ゲノムを増幅する方法であって、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、およびゲノム核酸試料を接触させ、およびゲノム核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でゲノム核酸試料をインキュベートすることを含み、
    そのプライマーの組が1種類以上の選択プライマーを含み、各選択プライマーが特異的ヌクレオチド配列を有し、ゲノム核酸試料がゲノムの全部または相当な部分を含み、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が鎖置換複製によって進行し、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が結果としてゲノム核酸試料中の核酸分子の全部または相当な部分の複製を生じることを特徴とし、
    その組に含まれる各選択プライマーが、プライマー、DNAポリメラーゼ、および選択核酸試料を接触させ選択核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でインキュベートする際に、20倍未満の増幅偏りを、選択核酸試料中の少なくとも10個の核酸配列に関して生じることができ、選択核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有することを特徴とする方法。
  151. ゲノムを増幅する方法であって、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、およびゲノム核酸試料を接触させ、およびゲノム核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でゲノム核酸試料をインキュベートすることを含み、
    そのプライマーの組が1種類以上の選択プライマーを含み、各選択プライマーが特異的ヌクレオチド配列を有し、ゲノム核酸試料がゲノムの全部または相当な部分を含み、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が鎖置換複製によって進行し、ゲノム核酸試料中の核酸分子の複製が結果としてゲノム核酸試料中の核酸分子の全部または相当な部分の複製を生じることを特徴とし、
    その組に含まれる各選択プライマーが、プライマー、DNAポリメラーゼ、および選択核酸試料を接触させ選択核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でインキュベートする際に、少なくとも10%の配列発現量を、選択核酸試料中の少なくとも10個の核酸配列に関して生じることができ、選択核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有することを特徴とする方法。
  152. 核酸を増幅する方法であって、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および核酸試料を接触させ、および核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下で核酸試料をインキュベートすることを含み、
    そのプライマーの組が1種類以上の選択プライマーを含み、各選択プライマーが特異的ヌクレオチド配列を有し、核酸試料中の核酸分子の複製が鎖置換複製によって進行し、核酸試料中の核酸分子の複製が結果として核酸試料中の核酸分子の全部または相当な部分の複製を生じることを特徴とし、
    その組に含まれる各選択プライマーが、プライマー、DNAポリメラーゼ、および選択核酸試料を接触させ選択核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でインキュベートする際に、選択核酸試料中の核酸配列の少なくとも80%の複製を生じることができ、選択核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有することを特徴とする方法。
  153. プライマーの組がさらに少なくとも1種類の追加のプライマーを含むことを特徴とする請求項152の方法。
  154. プライマーの組が少なくとも1種類の非選択プライマーをさらに含み、その非選択プライマーが、プライマー、DNAポリメラーゼ、および選択核酸試料を接触させ選択核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でインキュベートする際に選択核酸試料中の核酸配列の80%未満の複製を生じることを特徴とする請求項152の方法。
  155. 核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有することを特徴とする請求項152の方法。
  156. 核酸を増幅する方法であって、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および核酸試料を接触させ、および核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下で核酸試料をインキュベートすることを含み、
    そのプライマーの組が1種類以上の選択プライマーを含み、各選択プライマーが特異的ヌクレオチド配列を有し、核酸試料中の核酸分子の複製が鎖置換複製によって進行し、核酸試料中の核酸分子の複製が結果として核酸試料中の核酸分子の全部または相当な部分の複製を生じることを特徴とし、
    その組に含まれる各選択プライマーが、プライマー、DNAポリメラーゼ、および選択核酸試料を接触させ選択核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でインキュベートする際に、20倍未満の増幅偏りを、選択核酸試料中の少なくとも10個の核酸配列に関して生じることができ、選択核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有することを特徴とする方法。
  157. 核酸を増幅する方法であって、一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、および核酸試料を接触させ、および核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下で核酸試料をインキュベートすることを含み、
    そのプライマーの組が1種類以上の選択プライマーを含み、各選択プライマーが特異的ヌクレオチド配列を有し、核酸試料中の核酸分子の複製が鎖置換複製によって進行し、核酸試料中の核酸分子の複製が結果として核酸試料中の核酸分子の全部または相当な部分の複製を生じることを特徴とし、
    その組に含まれる各選択プライマーが、プライマー、DNAポリメラーゼ、および選択核酸試料を接触させ選択核酸試料中の核酸分子の複製を促進する条件下でインキュベートする際に、少なくとも10%の配列発現量を、選択核酸試料中の少なくとも10個の核酸配列に関して生じることができ、選択核酸試料が少なくとも1×10ヌクレオチドの配列複雑性を有することを特徴とする方法。
  158. 核酸を増幅する方法であって、標的配列を含む核酸を高温にて、鎖置換活性を有する熱不安定性核酸ポリメラーゼ、添加剤、および一組のプライマーの存在下で、核酸の複製を促進する条件下でインキュベートすることを含み、核酸の複製が、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された核酸鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって置換され、標的配列からの複製された鎖の形成が、非標的配列からの複製された鎖の形成よりも有利であることを特徴とする方法。
  159. 高温が、核酸ポリメラーゼが添加剤の非存在下で実質的にテンプレート依存性重合を行うことができない温度であることを特徴とする請求項158の方法。
  160. 高温が摂氏30度より高い温度であることを特徴とする請求項159の方法。
  161. 高温が摂氏32度より高い温度であることを特徴とする請求項159の方法。
  162. 高温が摂氏35度より高い温度であることを特徴とする請求項159の方法。
  163. 高温が摂氏37度より高い温度であることを特徴とする請求項159の方法。
  164. 熱不安定性核酸ポリメラーゼがファイ29DNAポリメラーゼであることを特徴とする請求項158の方法。
  165. 熱不安定性核酸ポリメラーゼがファイ29DNAポリメラーゼ、大腸菌(E.coli)DNAポリメラーゼ、Bst大断片DNAポリメラーゼ、BcaDNAポリメラーゼ、ファージM2DNAポリメラーゼ、ファージφPRD1DNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼIのクレノー断片、T5DNAポリメラーゼ、T4DNAポリメラーゼホロ酵素、または組み合わせであることを特徴とする請求項158の方法。
  166. プライマーの組が少なくとも2種類のプライマーを含むことを特徴とする請求項158の方法。
  167. プライマーの組が少なくとも10種類のプライマーを含むことを特徴とする請求項158の方法。
  168. プライマーの組が少なくとも50種類のプライマーを含むことを特徴とする請求項158の方法。
  169. プライマーの組が少なくとも200種類のプライマーを含むことを特徴とする請求項158の方法。
  170. プライマーの組が1023種類より多いプライマーを含むことを特徴とする請求項158の方法。
  171. プライマーの組に含まれるプライマーがそれぞれ長さ6ヌクレオチドであることを特徴とする請求項158の方法。
  172. プライマーの組に含まれるプライマーがそれぞれ長さ8ヌクレオチドであることを特徴とする請求項158の方法。
  173. プライマーの組に含まれるプライマーがそれぞれ8ヌクレオチドより長いことを特徴とする請求項158の方法。
  174. プライマーの組に含まれるプライマーのうち2種類以上が異なる長さであることを特徴とする請求項158の方法。
  175. 添加剤が糖または糖の組み合わせを含むことを特徴とする請求項158の方法。
  176. 添加剤がトレハロース、グルコース、スクロース、または組み合わせを含むことを特徴とする請求項175の方法。
  177. 添加剤が糖、シャペロン、タンパク質、または組み合わせを含むことを特徴とする請求項158の方法。
  178. 鎖置換複製が添加剤の存在下で行われることを特徴とする請求項158の方法。
  179. 添加剤がトレハロースを含むことを特徴とする請求項178の方法。
  180. 核酸、核酸ポリメラーゼ、添加剤、およびプライマーの組のインキュベートがデオキシリボヌクレオチド三リン酸の存在下であることを特徴とする請求項158の方法。
  181. 標的配列から複製された鎖の非標的配列から複製された鎖に対する比率が、核酸が同一の核酸ポリメラーゼおよびプライマーの組の存在下でおよび高温以外は同一の条件下でインキュベートされる場合、標的配列から複製された鎖の非標的配列から複製された鎖に対する比率より小さいことを特徴とする請求項158の方法。
  182. 高温が、添加剤、dNTP、およびテンプレート核酸の非存在下で核酸ポリメラーゼがそれ以上の温度で明らかに不活性化される温度であることを特徴とする請求項158の方法。
  183. 高温が、添加剤、dNTP、およびテンプレート核酸の非存在下で核酸ポリメラーゼがそれ以上の温度で相当に不活性化される温度であることを特徴とする請求項158の方法。
  184. 高温が、添加剤、dNTP、およびテンプレート核酸の非存在下で核酸ポリメラーゼがそれ以上の温度で顕著に不活性化される温度であることを特徴とする請求項158の方法。
  185. 全ゲノムを増幅する方法であって、
    細胞をアルカリ性条件に曝露して細胞溶解物を生じ、細胞溶解物は全ゲノムを含み、
    細胞溶解物のpHを低下させて安定化した細胞溶解物を生じ、
    および安定化した細胞溶解物を高温にて、鎖置換活性を有する熱不安定性核酸ポリメラーゼ、添加剤、および一組のプライマーの存在下で、核酸の複製を促進する条件下でインキュベートすることを含み、核酸の複製は、複製された鎖を結果として生じ、複製中に、複製された核酸鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって置換され、
    標的配列からの複製された鎖の形成が、非標的配列からの複製された鎖の形成よりも有利であることを特徴とする方法。
  186. 鎖置換核酸合成を高温にて実施する方法であって、
    鎖置換活性を有する熱不安定性核酸ポリメラーゼ、標的配列を含む核酸、一組のプライマー、および添加剤を混合し、
    および高温にておよび標的配列へのプライマーのハイブリダイゼーションおよびテンプレート依存的方法でのプライマーの3’末端への連続的なヌクレオチドの付加によるプライマーの伸長に有利になる条件下でインキュベートすることを含み、その伸長の結果として標的配列の複製が生じることを特徴とする方法。
  187. 核酸を増幅するためのキットであって、
    鎖置換活性を有する熱不安定性核酸ポリメラーゼ、
    添加剤、および
    一組のプライマーを含み、
    標的配列を含む核酸を高温にて、熱不安定性核酸ポリメラーゼ、添加剤、および一組のプライマーの存在下で、核酸の複製を促進する条件下でインキュベートする結果として、複製された鎖が生じおよび非標的配列からの複製された鎖の形成を優先して標的配列からの複製された鎖の形成を生じるキット。
  188. 高温が、核酸ポリメラーゼが添加剤の非存在下で実質的にテンプレート依存性重合を行うことができない温度であることを特徴とする請求項187のキット。
  189. 標的配列を含む核酸を高温にて、熱不安定性核酸ポリメラーゼ、添加剤、および一組のプライマーの存在下で、核酸の複製を促進する条件下でインキュベートする結果として、複製された鎖が生じおよび非標的配列からの複製された鎖の形成を優先して標的配列からの複製された鎖の形成を生じるように、熱不安定性核酸ポリメラーゼ、添加剤、および一組のプライマーが選択されることを特徴とする請求項187のキット。
  190. 核酸ポリメラーゼがファイ29DNAポリメラーゼであることを特徴とする請求項187のキット。
  191. 添加剤が糖、シャペロン、タンパク質、トレハロース、グルコース、スクロース、または組み合わせであることを特徴とする請求項187のキット。
  192. 添加剤がトレハロースを含み、プライマーの組がエキソヌクレアーゼ耐性ランダム六量体プライマーを含み、および核酸ポリメラーゼがファイ29DNAポリメラーゼを含み、キットがさらに適当な量で混合した際に、10mM MgCl、37.5mMトリス−HCl、pH7、50mM KCl、20mM硫酸アンモニウム、および1mM dNTPの終濃度を有する反応混合物を生じる1種類以上の 成分を含むことを特徴とする請求項187のキット。
  193. さらに、安定化溶液、溶解溶液、プライマーの組、ジチオスレイトール、リン酸緩衝生理食塩水、および対照DNAテンプレートを含む反応混合物のうち任意の1つまたは組み合わせを含む請求項187のキット。
  194. 安定化溶液が800mMトリス−HCl、pH4を含み;溶解溶液が400 mM KOH、100 mM ジチオスレイトール、および10 mM EDTAを含み;反応混合物が150 mMトリス−HCl、200 mM KCl、40 mM MgCl、20 mM (NHSO、4mMデオキシヌクレオチド三リン酸、および0.2mMランダム六量体プライマーを含み;ジチオスレイトールが1Mジチオスレイトールであり;およびリン酸緩衝生理食塩水が1Xリン酸緩衝生理食塩水、pH7.5であることを特徴とする請求項193のキット。
  195. 核酸を増幅する方法であって、
    核酸を含むと見られる試料をアルカリ性条件に曝露し、
    試料の全部または一部のpHを低下させて安定化された試料を生じ、および
    試料からの核酸の複製を促進する条件下で増幅混合物をインキュベートすることを含み、増幅混合物は安定化された試料の全てまたは一部を含み、
    核酸の複製の結果として複製された鎖が生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって試料中の核酸から置換され、複製された鎖が低い増幅偏りを有することを特徴とする方法。
  196. 増幅混合物中の核酸の濃度が、プライマーのハイブリダイゼーションを核酸の再会合よりも有利にすることを特徴とする請求項195の方法。
  197. 増幅混合物中の核酸の濃度が10ng/μl以下であることを特徴とする請求項196の方法。
  198. 増幅混合物中の核酸の濃度が8ng/μl以下、6ng/μl以下、5ng/μl以下、4ng/μl以下、3ng/μl以下、2ng/μl以下、1ng/μl以下、または0.5ng/μl以下であることを特徴とする請求項196の方法。
  199. 増幅混合物中の核酸の濃度が100ng/μl以下であることを特徴とする請求項196の方法。
  200. 増幅混合物中の核酸の量が、複製された鎖における低い増幅偏りを結果として生じうる閾値以上であることを特徴とする請求項195の方法。
  201. 増幅混合物が少なくとも100ngの核酸を含むことを特徴とする請求項200の方法。
  202. 増幅試料が少なくとも150ng、少なくとも200ng、少なくとも300ng、少なくとも400ng、少なくとも500ng、少なくとも1mg、少なくとも2mg、または少なくとも3mgの核酸を含むことを特徴とする請求項201の方法。
  203. 増幅混合物が少なくとも10ngの核酸を含むことを特徴とする請求項200の方法。
  204. 複製された鎖の増幅偏りが、試料中の少なくとも10個の標的配列に関して、20倍未満であることを特徴とする請求項195の方法。
  205. 複製された鎖の増幅偏りが、試料中の少なくとも10個の標的配列に関して、10倍未満であることを特徴とする請求項204の方法。
  206. 複製された鎖の遺伝子座発現量が、少なくとも5個の異なる遺伝子座に関して、少なくとも10%であることを特徴とする請求項195の方法。
  207. 複製された鎖の遺伝子座発現量が、少なくとも5個の異なる遺伝子座に関して、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも100%であることを特徴とする請求項206の方法。
  208. 複製された鎖の遺伝子座発現量が、少なくとも6個の異なる遺伝子座、少なくとも7個の異なる遺伝子座、少なくとも8個の異なる遺伝子座、少なくとも9個の異なる遺伝子座、少なくとも10個の異なる遺伝子座、少なくとも11個の異なる遺伝子座、少なくとも12個の異なる遺伝子座、少なくとも13個の異なる遺伝子座、少なくとも14個の異なる遺伝子座、少なくとも15個の異なる遺伝子座、少なくとも16個の異なる遺伝子座、少なくとも17個の異なる遺伝子座、少なくとも18個の異なる遺伝子座、少なくとも19個の異なる遺伝子座、少なくとも20個の異なる遺伝子座、少なくとも25個の異なる遺伝子座、少なくとも30個の異なる遺伝子座、少なくとも40個の異なる遺伝子座、少なくとも50個の異なる遺伝子座、少なくとも75個の異なる遺伝子座、または少なくとも100個の異なる遺伝子座に関して、少なくとも10%であることを特徴とする請求項206の方法。
  209. 複製された鎖の増幅偏りが50倍未満であることを特徴とする請求項195の方法。
  210. 複製された鎖の増幅偏りが45倍未満、40倍未満、35倍未満、30倍未満、25倍未満、20倍未満、19倍未満、18倍未満、17倍未満、16倍未満、15倍未満、14倍未満、13倍未満、12倍未満、11倍未満、10倍未満、9倍未満、8倍未満、7倍未満、6倍未満、5倍未満、または4倍未満であることを特徴とする請求項209の方法。
  211. 複製された鎖の増幅偏りが、少なくとも5個の異なる遺伝子座に関して、少なくとも6個の異なる遺伝子座、少なくとも7個の異なる遺伝子座、少なくとも8個の異なる遺伝子座、少なくとも9個の異なる遺伝子座、少なくとも10個の異なる遺伝子座、少なくとも11個の異なる遺伝子座、少なくとも12個の異なる遺伝子座、少なくとも13個の異なる遺伝子座、少なくとも14個の異なる遺伝子座、少なくとも15個の異なる遺伝子座、少なくとも16個の異なる遺伝子座、少なくとも17個の異なる遺伝子座、少なくとも18個の異なる遺伝子座、少なくとも19個の異なる遺伝子座、少なくとも20個の異なる遺伝子座、少なくとも25個の異なる遺伝子座、少なくとも30個の異なる遺伝子座、少なくとも40個の異なる遺伝子座、少なくとも50個の異なる遺伝子座、少なくとも75個の異なる遺伝子座、または少なくとも100個の異なる遺伝子座に関して、50倍未満であることを特徴とする請求項209の方法。
  212. 試料が細胞を含み、アルカリ性条件が細胞の溶解を促進し、アルカリ性条件が結果として細胞溶解物を生じることを特徴とする請求項195の方法。
  213. 試料が、アルカリ性条件の非存在下で相当な細胞溶解を生じる温度を上回ってまたはそのような時間、加熱に供されないことを特徴とする請求項212の方法。
  214. 試料が核酸を含み、核酸がゲノムを含み、核酸の複製が結果としてゲノムの複製を生じることを特徴とする請求項195の方法。
  215. 試料中の核酸の複製が結果としてゲノムの全部または相当な部分の複製を生じることを特徴とする請求項214の方法。
  216. ゲノムが真核ゲノム、植物ゲノム、動物ゲノム、脊椎動物ゲノム、魚類ゲノム、哺乳類ゲノム、ヒトゲノム、細菌ゲノム、微生物ゲノム、またはウイルスゲノムであることを特徴とする請求項215の方法。
  217. ゲノムが増幅混合物中の核酸の少なくとも50%を構成することを特徴とする請求項214の方法。
  218. ゲノムが増幅混合物中の核酸の少なくとも90%を構成することを特徴とする請求項217の方法。
  219. ゲノムが増幅混合物中の核酸の少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を構成することを特徴とする請求項217の方法。
  220. 核酸が複数のゲノムを含み、核酸の複製が結果として複数のゲノムの複製を生じることを特徴とする請求項214の方法。
  221. ゲノムのうち少なくとも2つが異なる生物のゲノムであることを特徴とする請求項220の方法。
  222. 少なくとも1つのゲノムがヒトゲノムでありおよび少なくとも1つのゲノムが細菌ゲノム、ウイルスゲノム、微生物ゲノム、または病原体ゲノムであることを特徴とする請求項221の方法。
  223. 少なくとも1つのゲノムが真核ゲノム、植物ゲノム、動物ゲノム、脊椎動物ゲノム、魚類ゲノム、哺乳類ゲノム、ヒトゲノム、細菌ゲノム、微生物ゲノム、またはウイルスゲノムであり、および少なくとも1つのゲノムが真核ゲノム、植物ゲノム、動物ゲノム、脊椎動物ゲノム、魚類ゲノム、哺乳類ゲノム、ヒトゲノム、細菌ゲノム、微生物ゲノム、またはウイルスゲノムあることを特徴とする請求項221の方法。
  224. ゲノムが増幅混合物中の核酸の少なくとも50%を構成することを特徴とする請求項220の方法。
  225. ゲノムが増幅混合物中の核酸の少なくとも90%を構成することを特徴とする請求項224の方法。
  226. ゲノムが増幅混合物中の核酸の少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を構成することを特徴とする請求項224の方法。
  227. 試料が真核試料、植物試料、動物試料、脊椎動物試料、魚類試料、哺乳類試料、ヒト試料、非ヒト試料、細菌試料、微生物試料、ウイルス試料、生物学的試料、血清試料、血漿試料、血液試料、尿試料、精液試料、リンパ液試料、脳脊髄液試料、羊水試料、生検試料、針吸引生検試料、がん試料、腫瘍試料、組織試料、細胞試料、細胞溶解物試料、粗細胞溶解物試料、組織溶解物試料、組織培養細胞試料、口腔塗抹試料、口腔洗浄液試料、糞便試料、ミイラ化組織試料、法医学試料、検死試料、考古学的試料、感染試料、院内感染試料、製品試料、医薬調製物試料、生物学的分子製品試料、タンパク質調製物試料、脂質調製物試料、糖質調製物試料、無生物試料、空気試料、土壌試料、樹液試料、金属試料、化石試料、土砂試料、地球上試料、地球外試料、またはその組み合わせであることを特徴とする請求項195の方法。
  228. 試料が血清試料または血漿試料であることを特徴とする請求項227の方法。
  229. 試料を溶解溶液と混合することによって試料がアルカリ性条件に曝露されることを特徴とする請求項195の方法。
  230. 溶解溶液が塩基、緩衝剤、または組み合わせを含むことを特徴とする請求項229の方法。
  231. 溶解 溶液が塩基を含み、塩基 が水酸化カリウムであることを特徴とする請求項230の方法。
  232. 溶解溶液が400mM KOHを含むことを特徴とする請求項231の方法。
  233. 溶解溶液が400mM KOHおよび10mM EDTAを含むことを特徴とする請求項232の方法。
  234. 溶解溶液が100mM KOHを含むことを特徴とする請求項231の方法。
  235. 溶解溶液が100mM KOHおよび2.5mM EDTAを含むことを特徴とする請求項234の方法。
  236. 試料が等しい容量の溶解溶液と混合されることを特徴とする請求項229の方法。
  237. 試料のpHを約 pH7.0 ないし約pH6.8の範囲に低下させることを特徴とする請求項195の方法。
  238. 試料を安定化溶液と混合することによって試料のpHを低下させることを特徴とする請求項195の方法。
  239. 安定化溶液が緩衝剤、酸、または組み合わせを含むことを特徴とする請求項238の方法。
  240. 安定化溶液が緩衝剤を含み、緩衝剤がトリス−HClであることを特徴とする請求項239の方法。
  241. 安定化溶液が800mMトリス−HClを含むことを特徴とする請求項240の方法。
  242. 安定化溶液が200mMトリス−HClを含むことを特徴とする請求項240の方法。
  243. 安定化溶液が20mMトリス−HClを含むことを特徴とする請求項240の方法。
  244. 試料が等しい容量の安定化溶液と混合されることを特徴とする請求項238の方法。
  245. アルカリ性条件への試料の曝露、試料のpHの低下、および安定化された試料のインキュベートが、同一の反応チャンバー内で実施されることを特徴とする請求項195の方法。
  246. 反応チャンバーが、チューブ、試験管、エッペンドルフチューブ、ベッセル、マイクロベッセル、プレート、ウェル、マイクロウェルプレートのウェル、マイクロタイタープレートのウェル、チャンバー、マイクロ流体チャンバー、マイクロマシンチャンバー、密閉チャンバー、ホール、凹部、小窪、シャーレ、表面、膜、マイクロアレイ、ファイバー、グラスファイバー、光ファイバー、ファイバー織物、フィルム、ビーズ、瓶、チップ、コンパクトディスク、成型ポリマー、粒子および微粒子を含むことを特徴とする請求項245の方法。
  247. 表面が密閉可能であることを特徴とする請求項246の方法。
  248. 反応チャンバーが、アクリルアミド、セルロース、ニトロセルロース、ガラス、金、ポリスチレン、ポリエチレンビニルアセテート、ポリプロピレン、ポリメタクリレート、ポリエチレン、ポリエチレンオキサイド、ガラス、ポリシリケート、ポリカーボネート、テフロン、フルオロカーボン、ナイロン、シリコンゴム、ポリ無水物、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリオルトエステル、官能基化シラン、ポリプロピルフマラート、コラーゲン、グリコサミノグリカン、ポリアミノ酸、または組み合わせを含むことを特徴とする請求項245の方法。
  249. 増幅混合物のインキュベート前に核酸が精製または抽出されないことを特徴とする請求項245の方法。
  250. 試料中の核酸が試料中の他の物質から分離されないことを特徴とする請求項245の方法。
  251. 安定化された試料中の核酸が安定化された試料中の他の物質から分離されないことを特徴とする請求項245の方法。
  252. 安定化された試料中の核酸が、水を除く重量で、純度0.01%未満、純度0.1%未満、純度0.5%未満、純度1%未満、純度5%未満、純度10%未満、または純度20%未満であることを特徴とする請求項195の方法。
  253. 試料がインキュベート前に相当な精製に供されないことを特徴とする請求項195の方法。
  254. 試料がインキュベート前に遠心分離、抽出、クロマトグラフィー、沈澱、濾過、または透析に供されることを特徴とする請求項253の方法。
  255. 複製された鎖を検出することをさらに含む、請求項195の方法。
  256. 複製された鎖を検出することが、複製された鎖の存在、量、または存在および量を検出することを含むことを特徴とする請求項255の方法。
  257. 複製された鎖の存在、量、または存在および量が、1種類以上の標的配列の存在、量、または存在および量を検出することによって達成されることを特徴とする請求項256の方法。
  258. 複数の対立遺伝子、遺伝子座、または両方の量が検出されることを特徴とする請求項257の方法。
  259. 複製された鎖の検出が、試料が核酸を含むことを示すことを特徴とする請求項255の方法。
  260. 複製された鎖を対立遺伝子欠落について分析し、500以上の遺伝子座、400以上の遺伝子座、300以上の遺伝子座、200以上の遺伝子座、100以上の遺伝子座、50以上の遺伝子座、40以上の遺伝子座、30以上の遺伝子座、20以上の遺伝子座、15以上の遺伝子座、10以上の遺伝子座、8以上の遺伝子座、6以上の遺伝子座、5以上の遺伝子座、4以上の遺伝子座、3以上の遺伝子座、2以上の遺伝子座、または1以上の遺伝子座に関して対立遺伝子欠落が無いことを特徴とする請求項195の方法。
  261. 複製された鎖を対立遺伝子欠落について分析し、500以上の遺伝子座、400以上の遺伝子座、300以上の遺伝子座、200以上の遺伝子座、100以上の遺伝子座、50以上の遺伝子座、40以上の遺伝子座、30以上の遺伝子座、20以上の遺伝子座、15以上の遺伝子座、10以上の遺伝子座、8以上の遺伝子座、6以上の遺伝子座、5以上の遺伝子座、4以上の遺伝子座、3以上の遺伝子座、2以上の遺伝子座、または1以上の遺伝子座に関して対立遺伝子欠落が5%未満であることを特徴とする請求項195の方法。
  262. 試料中の核酸の存在を検出する方法であって、
    アルカリ性条件に試料を曝露し、
    試料のpHを低下させて安定化された試料を生じ、および
    試料からの核酸の複製を促進する条件下で増幅混合物をインキュベートすることを含み、増幅混合物が安定化された試料の全部または一部を含み、
    核酸の複製が結果として複製された鎖を生じ、
    複製された鎖を検出し、複製された鎖の検出が、試料が核酸を含むことを示すことを特徴とする方法。
  263. 複製された鎖を定量することをさらに含む、請求項262の方法。
  264. 複製された鎖の量が、試料中に存在する核酸の量の指標であることを特徴とする請求項263の方法。
  265. 試料が3以上の生物に由来する核酸を含み、複製された鎖が少なくとも1の生物を検出することを特徴とする請求項262の方法。
  266. 試料が全生態系に由来する核酸を含み、複製された鎖が少なくとも1の生物を検出することを特徴とする請求項262の方法。
  267. 試料が実質的に無細胞試料であることを特徴とする請求項262の方法。
  268. 試料が血清試料または血漿試料であることを特徴とする請求項262の方法。
  269. 試料が水試料であることを特徴とする請求項262の方法。
  270. 複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって、試料中の核酸から置換されることを特徴とする請求項262の方法。
  271. 核酸が、指数ローリング・サークル増幅(ERCA)、およびローリング・サークル増幅(RCA)、複数置換増幅(MDA)、鎖置換増幅(SDA)、核酸配列準拠増幅(NASBA)、転写媒介増幅(TMA)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、自己維持的配列複製(3SR)、Qβ−レプリカーゼを用いる増幅、およびサイクルシークエンシング、を用いる複製であることを特徴とする請求項262の方法。
  272. 試料中の生物の存在を検出する方法であって、
    アルカリ性条件に試料を曝露し、
    試料のpHを低下させて安定化された試料を生じ、および
    試料からの核酸の複製を促進する条件下で増幅混合物をインキュベートすることを含み、増幅混合物が安定化された試料の全部または一部を含み、核酸の複製が結果として複製された鎖を生じ、および
    複製された鎖の配列の1種類以上を含む1種類以上の生物を同定し、それによって試料中の生物の存在を検出する方法。
  273. 複製された鎖の1種類以上の配列を得るために、複製された鎖の少なくとも一部を配列決定し、複製された鎖の1種類以上の配列を文字列として用いて核酸配列のデータベースを連続的に検索し、および試料中に存在する可能性が高いおよび試料中に存在する可能性が低い生物の配列として検索の結果を同定し、それによって試料中の生物の存在を検出することにより、複製された鎖の配列の1種類以上を含む1種類以上の生物が同定されることを特徴とする請求項272の方法。
  274. 試料が全生態系に由来する核酸を含み、試料中の少なくとも1の生物が変異生物であり、その変異生物はデータベース中に存在する同一の種類の生物の配列から変異した配列を含み、複製された鎖の1種類以上の配列を含む生物の種類を同定することによって少なくとも1の生物が同定されることを特徴とする請求項273の方法。
  275. 複製された鎖の少なくとも一部を配列決定することが、複数の核酸プローブのうち少なくとも1種類へのハイブリダイゼーションによって達成されることを特徴とする請求項273の方法。
  276. 核酸プローブがマイクロアレイ上に固定化されていることを特徴とする請求項275の方法。
  277. 2の生物に由来する核酸を試料が含み、複製された鎖の1種類以上の配列を含む生物の種類を同定することによって、両方の生物が同定されることを特徴とする請求項272の方法。
  278. 2の生物に由来する核酸を試料が含み、複製された鎖の1種類以上の配列を含む生物の種類を同定することによって、少なくとも一方の生物が同定されることを特徴とする請求項272の方法。
  279. 核酸を増幅する方法であって、
    試料をアルカリ性条件に曝露し、
    試料の全部または一部のpHを低下させて安定化された試料を生じ、および
    試料からの核酸の複製を促進する条件下で増幅混合物をインキュベートすることを含み、増幅混合物が安定化された試料の全部または一部を含み、
    核酸の複製の結果として複製された鎖が生じ、複製された鎖が低い増幅偏りを有し、増幅混合物中の核酸の濃度が、プライマーのハイブリダイゼーションを核酸の再会合よりも有利にし、増幅混合物中の核酸の量が、複製された鎖における低い増幅偏りを結果として生じうる閾値以上であることを特徴とする方法。
  280. 核酸が、指数ローリング・サークル増幅(ERCA)、およびローリング・サークル増幅(RCA)、複数置換増幅(MDA)、鎖置換増幅(SDA)、核酸配列準拠増幅(NASBA)、転写媒介増幅(TMA)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、自己維持的配列複製(3SR)、Qβ−レプリカーゼを用いる増幅、およびサイクルシークエンシングを用いて複製されることを特徴とする請求項279の方法。
  281. 核酸増幅のための反応条件を特定する方法であって、
    被験試料を試験条件下で増幅して、増幅された核酸を作製し、
    増幅された核酸における増幅偏りを測定することを含み、
    増幅偏りが目的の閾値未満であれば、その試験条件が核酸増幅のための条件として特定されることを特徴とする方法。
  282. 核酸が、指数ローリング・サークル増幅(ERCA)、およびローリング・サークル増幅(RCA)、複数置換増幅(MDA)、鎖置換増幅(SDA)、核酸配列準拠増幅(NASBA)、転写媒介増幅(TMA)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、自己維持的配列複製(3SR)、Qβ−レプリカーゼを用いる増幅、およびサイクルシークエンシングを用いて複製されることを特徴とする請求項281の方法。
  283. 核酸増幅のための反応条件を特定する方法であって、
    被験試料をアルカリ性条件に曝露し、
    被験試料の全部または一部のpHを低下させて安定化された被験試料を生じ、および
    増幅された核酸を生じる条件下で被験増幅混合物をインキュベートすることを含み、被験増幅混合物が安定化された被験試料の全部または一部を含み、
    試験条件が核酸の複製を促進し、被験増幅混合物中の核酸の濃度が被験核酸濃度であり、被験増幅混合物中の核酸の量が核酸の試験量であり、
    増幅された核酸における増幅偏りを測定し、増幅偏りが目的の閾値未満であれば、その核酸の試験濃度が核酸増幅のために用いるべき濃度でありおよび核酸のその試験量が核酸増幅に用いるべき閾量であることを特徴とする方法。
  284. 核酸を増幅する方法であって、
    核酸を含みうる試料をアルカリ性条件に曝露し、
    試料の全部または一部のpHを低下させて安定化された試料を生じ、および
    試料からの核酸の複製を促進する条件下で増幅混合物をインキュベートすることを含み、増幅混合物が安定化された試料の全部または一部を含み、
    核酸の複製が結果として複製された鎖を生じ、複製中に、複製された鎖のうち少なくとも1つが、別の複製された鎖の鎖置換複製によって、試料中の核酸から置換され、複製された鎖が目的の閾値未満の増幅偏りを有し、
    増幅混合物中の核酸の濃度が所定の濃度以上であり、増幅混合物中の核酸の量が閾量以上であり、所定の濃度および閾量が、
    被験試料をアルカリ性条件に曝露し、
    被験試料の全部または一部のpHを低下させて安定化された被験試料を生じ、および
    核酸の複製を促進する条件下で被験増幅混合物をインキュベートして増幅された核酸を生じることを含み、増幅混合物が安定化された試料の全部または一部を含み、
    被験増幅混合物中の核酸の濃度が被験核酸濃度であり、被験増幅混合物中の核酸の量が核酸の試験量であり、
    増幅された核酸における増幅偏りを測定し、
    増幅偏りが目的の閾値未満であれば、その核酸の試験濃度が所定の濃度でありおよび核酸のその試験量が閾量であることによって決定されることを特徴とする方法。
  285. 全ゲノムを増幅するためのキットであって、
    安定化溶液、
    一組のプライマーを含む反応混合物、および
    DNAポリメラーゼを含むDNAポリメラーゼ混合物を含むキット。
  286. 1Mジチオスレイトール
    1Xリン酸緩衝生理食塩水、pH7.5、および
    対照DNAテンプレートをさらに含み、
    安定化溶液が800mMトリス−HCl、pH4を含み、
    反応混合物が150mMトリス−HCl、200mM KCl、40mM MgCl、20mM(NHSO、4mMデオキシヌクレオチド三リン酸、および0.2mMランダム六量体プライマーを含み、
    DNAポリメラーゼがφ29DNAポリメラーゼである請求項285のキット。
JP2005510007A 2002-12-20 2003-12-19 核酸増幅 Expired - Lifetime JP4886298B2 (ja)

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US10/327,602 2002-12-20
US10/327,602 US9487823B2 (en) 2002-12-20 2002-12-20 Nucleic acid amplification
US10/429,229 2003-05-02
US10/429,229 US7297485B2 (en) 2001-10-15 2003-05-02 Method for nucleic acid amplification that results in low amplification bias
US10/456,056 2003-06-06
US10/456,056 US7955795B2 (en) 2003-06-06 2003-06-06 Method of whole genome amplification with reduced artifact production
PCT/US2003/040364 WO2004058987A2 (en) 2002-12-20 2003-12-19 Nucleic acid amplification

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010042086A Division JP2010158250A (ja) 2002-12-20 2010-02-26 核酸増幅

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2006512094A true JP2006512094A (ja) 2006-04-13
JP2006512094A5 JP2006512094A5 (ja) 2010-09-09
JP4886298B2 JP4886298B2 (ja) 2012-02-29

Family

ID=32685977

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005510007A Expired - Lifetime JP4886298B2 (ja) 2002-12-20 2003-12-19 核酸増幅
JP2010042086A Pending JP2010158250A (ja) 2002-12-20 2010-02-26 核酸増幅

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010042086A Pending JP2010158250A (ja) 2002-12-20 2010-02-26 核酸増幅

Country Status (5)

Country Link
EP (2) EP2261371B1 (ja)
JP (2) JP4886298B2 (ja)
AU (1) AU2003299694A1 (ja)
CA (1) CA2510587A1 (ja)
WO (1) WO2004058987A2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008161182A (ja) * 2006-10-24 2008-07-17 Qiagen Gmbh 環状ゲノムのローリングサークル増幅
JP2010503399A (ja) * 2006-09-14 2010-02-04 アイビス バイオサイエンシズ インコーポレイティッド 病原体の同定のための標的全ゲノム増幅方法
JP4528885B1 (ja) * 2009-06-29 2010-08-25 株式会社東芝 検体解析方法およびそれに用いるアッセイキット
JP4528889B1 (ja) * 2010-02-22 2010-08-25 株式会社東芝 検体解析方法およびそこにおいて使用されるアッセイキット
JP2012514452A (ja) * 2009-01-05 2012-06-28 ビオメリュー 核酸の増幅のおよび/または検出の方法、キット及びこの方法の使用
KR20140014848A (ko) * 2012-07-26 2014-02-06 삼성전자주식회사 이온성 액체를 사용하여 생물학적 시료로부터 핵산 증폭의 증폭 효율 및 감도를 증가시키는 방법
JP5688702B2 (ja) * 2011-03-14 2015-03-25 国立大学法人北海道大学 核酸増幅方法およびその利用
JP2016500276A (ja) * 2012-12-21 2016-01-12 サンプリクス ソシエテ ア レスポンサビリテ リミティー 確率指向のヌクレオチド配列の単離

Families Citing this family (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6977162B2 (en) 2002-03-01 2005-12-20 Ravgen, Inc. Rapid analysis of variations in a genome
US20070178478A1 (en) * 2002-05-08 2007-08-02 Dhallan Ravinder S Methods for detection of genetic disorders
US7727720B2 (en) 2002-05-08 2010-06-01 Ravgen, Inc. Methods for detection of genetic disorders
US9487823B2 (en) 2002-12-20 2016-11-08 Qiagen Gmbh Nucleic acid amplification
US8043834B2 (en) 2003-03-31 2011-10-25 Qiagen Gmbh Universal reagents for rolling circle amplification and methods of use
JP4793842B2 (ja) * 2004-11-24 2011-10-12 独立行政法人農業生物資源研究所 ランダムrnaプライマーを用いたdnaの増幅方法
JP2006262777A (ja) * 2005-03-24 2006-10-05 Japan Science & Technology Agency 夾雑物を含む試料を用いた核酸合成方法及び添加剤
US9139849B2 (en) 2005-04-08 2015-09-22 The United States of America as Represented by the Government of the Department of Health and Human Services Rapid generation of long synthetic centromeric tandem repeats for mammalian artificial chromosome formation
WO2007052101A1 (en) * 2005-04-15 2007-05-10 Genomictree, Inc. Linear amplification of rna using a high-heel primer
EP1762627A1 (de) 2005-09-09 2007-03-14 Qiagen GmbH Verfahren zur Aktivierung einer Nukleinsäure für eine Polymerase-Reaktion
ES2648313T3 (es) 2005-12-22 2017-12-29 Pacific Biosciences Of California, Inc. Polimerasas para la incorporación de análogos nucleotídicos
DE102007010311A1 (de) * 2007-02-23 2008-08-28 Thines, Marco, Dr. Organismusspezifisches hybridisierbares Nucleinsäuremolekül
CN102533960B (zh) * 2010-12-31 2014-04-30 深圳华大基因科技有限公司 一种单细胞基因组分析方法及试剂盒
EP2831279B1 (en) * 2012-03-26 2023-05-03 The Johns Hopkins University Rapid aneuploidy detection
EP2877593B1 (en) 2012-07-26 2018-07-18 Illumina, Inc. Compositions and methods for the amplification of nucleic acids
US9938568B2 (en) 2013-07-26 2018-04-10 General Electric Company Ligase-assisted nucleic acid circularization and amplification
US9587263B2 (en) 2014-03-26 2017-03-07 General Electric Company Isothermal amplification under low salt condition
EP4151751A1 (en) * 2016-04-14 2023-03-22 T2 Biosystems, Inc. Methods and systems for amplification in complex samples
CN108179198B (zh) * 2018-01-24 2020-02-07 扬州大学 一种基于line1转座子与微卫星引物相结合的猪基因组分子标记的挖掘方法
US11720801B2 (en) 2020-08-25 2023-08-08 International Business Machines Corporation Chemical reaction network for estimating concentration of chemical species based on an identified pattern of output chemical species
WO2023133094A1 (en) * 2022-01-04 2023-07-13 Enumerix, Inc. Accurate sequencing library generation via ultra-high partitioning
CN116083550A (zh) * 2022-07-20 2023-05-09 四川大学 一种短串联重复序列的检测方法、引物组、试剂盒和应用

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001519172A (ja) * 1997-10-08 2001-10-23 イェール ユニバーシティ 多重置換増幅
JP2002525078A (ja) * 1998-09-15 2002-08-13 イェール ユニバーシティ 人工的長末端反復配列

Family Cites Families (109)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3687808A (en) 1969-08-14 1972-08-29 Univ Leland Stanford Junior Synthetic polynucleotides
US4469863A (en) 1980-11-12 1984-09-04 Ts O Paul O P Nonionic nucleic acid alkyl and aryl phosphonates and processes for manufacture and use thereof
CA1190838A (en) 1981-07-17 1985-07-23 Cavit Akin Homogeneous nucleic acid hybridization diagnostics by non-radiative energy transfer
US5023243A (en) 1981-10-23 1991-06-11 Molecular Biosystems, Inc. Oligonucleotide therapeutic agent and method of making same
US4476301A (en) 1982-04-29 1984-10-09 Centre National De La Recherche Scientifique Oligonucleotides, a process for preparing the same and their application as mediators of the action of interferon
US5118800A (en) 1983-12-20 1992-06-02 California Institute Of Technology Oligonucleotides possessing a primary amino group in the terminal nucleotide
US5550111A (en) 1984-07-11 1996-08-27 Temple University-Of The Commonwealth System Of Higher Education Dual action 2',5'-oligoadenylate antiviral derivatives and uses thereof
FR2567892B1 (fr) 1984-07-19 1989-02-17 Centre Nat Rech Scient Nouveaux oligonucleotides, leur procede de preparation et leurs applications comme mediateurs dans le developpement des effets des interferons
US5367066A (en) 1984-10-16 1994-11-22 Chiron Corporation Oligonucleotides with selectably cleavable and/or abasic sites
FR2575751B1 (fr) 1985-01-08 1987-04-03 Pasteur Institut Nouveaux nucleosides de derives de l'adenosine, leur preparation et leurs applications biologiques
US5235033A (en) 1985-03-15 1993-08-10 Anti-Gene Development Group Alpha-morpholino ribonucleoside derivatives and polymers thereof
US5034506A (en) 1985-03-15 1991-07-23 Anti-Gene Development Group Uncharged morpholino-based polymers having achiral intersubunit linkages
US5166315A (en) 1989-12-20 1992-11-24 Anti-Gene Development Group Sequence-specific binding polymers for duplex nucleic acids
US5185444A (en) 1985-03-15 1993-02-09 Anti-Gene Deveopment Group Uncharged morpolino-based polymers having phosphorous containing chiral intersubunit linkages
US5405938A (en) 1989-12-20 1995-04-11 Anti-Gene Development Group Sequence-specific binding polymers for duplex nucleic acids
US5264423A (en) 1987-03-25 1993-11-23 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Inhibitors for replication of retroviruses and for the expression of oncogene products
US5276019A (en) 1987-03-25 1994-01-04 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Inhibitors for replication of retroviruses and for the expression of oncogene products
CA1340032C (en) 1987-06-24 1998-09-08 Jim Haralambidis Lucleoside derivatives
US5188897A (en) 1987-10-22 1993-02-23 Temple University Of The Commonwealth System Of Higher Education Encapsulated 2',5'-phosphorothioate oligoadenylates
US4924624A (en) 1987-10-22 1990-05-15 Temple University-Of The Commonwealth System Of Higher Education 2,',5'-phosphorothioate oligoadenylates and plant antiviral uses thereof
JPH03503894A (ja) 1988-03-25 1991-08-29 ユニバーシィティ オブ バージニア アランミ パテンツ ファウンデイション オリゴヌクレオチド n‐アルキルホスホラミデート
US5278302A (en) 1988-05-26 1994-01-11 University Patents, Inc. Polynucleotide phosphorodithioates
US5216141A (en) 1988-06-06 1993-06-01 Benner Steven A Oligonucleotide analogs containing sulfur linkages
US5175273A (en) 1988-07-01 1992-12-29 Genentech, Inc. Nucleic acid intercalating agents
US5001050A (en) 1989-03-24 1991-03-19 Consejo Superior Investigaciones Cientificas PHφ29 DNA polymerase
US5198543A (en) 1989-03-24 1993-03-30 Consejo Superior Investigaciones Cientificas PHI29 DNA polymerase
US5043272A (en) 1989-04-27 1991-08-27 Life Technologies, Incorporated Amplification of nucleic acid sequences using oligonucleotides of random sequence as primers
US5134066A (en) 1989-08-29 1992-07-28 Monsanto Company Improved probes using nucleosides containing 3-dezauracil analogs
US5591722A (en) 1989-09-15 1997-01-07 Southern Research Institute 2'-deoxy-4'-thioribonucleosides and their antiviral activity
US5399676A (en) 1989-10-23 1995-03-21 Gilead Sciences Oligonucleotides with inverted polarity
US5264562A (en) 1989-10-24 1993-11-23 Gilead Sciences, Inc. Oligonucleotide analogs with novel linkages
US5264564A (en) 1989-10-24 1993-11-23 Gilead Sciences Oligonucleotide analogs with novel linkages
EP0942000B1 (en) 1989-10-24 2004-06-23 Isis Pharmaceuticals, Inc. 2'-Modified oligonucleotides
US5177198A (en) 1989-11-30 1993-01-05 University Of N.C. At Chapel Hill Process for preparing oligoribonucleoside and oligodeoxyribonucleoside boranophosphates
US5130302A (en) 1989-12-20 1992-07-14 Boron Bilogicals, Inc. Boronated nucleoside, nucleotide and oligonucleotide compounds, compositions and methods for using same
US5587361A (en) 1991-10-15 1996-12-24 Isis Pharmaceuticals, Inc. Oligonucleotides having phosphorothioate linkages of high chiral purity
US5459255A (en) 1990-01-11 1995-10-17 Isis Pharmaceuticals, Inc. N-2 substituted purines
US5646265A (en) 1990-01-11 1997-07-08 Isis Pharmceuticals, Inc. Process for the preparation of 2'-O-alkyl purine phosphoramidites
US5670633A (en) 1990-01-11 1997-09-23 Isis Pharmaceuticals, Inc. Sugar modified oligonucleotides that detect and modulate gene expression
US5681941A (en) 1990-01-11 1997-10-28 Isis Pharmaceuticals, Inc. Substituted purines and oligonucleotide cross-linking
US5321131A (en) 1990-03-08 1994-06-14 Hybridon, Inc. Site-specific functionalization of oligodeoxynucleotides for non-radioactive labelling
US5470967A (en) 1990-04-10 1995-11-28 The Dupont Merck Pharmaceutical Company Oligonucleotide analogs with sulfamate linkages
GB9009980D0 (en) 1990-05-03 1990-06-27 Amersham Int Plc Phosphoramidite derivatives,their preparation and the use thereof in the incorporation of reporter groups on synthetic oligonucleotides
EP0745689A3 (en) 1990-05-11 1996-12-11 Microprobe Corporation A dipstick for a nucleic acid hybridization assay
US5618704A (en) 1990-07-27 1997-04-08 Isis Pharmacueticals, Inc. Backbone-modified oligonucleotide analogs and preparation thereof through radical coupling
US5608046A (en) 1990-07-27 1997-03-04 Isis Pharmaceuticals, Inc. Conjugated 4'-desmethyl nucleoside analog compounds
US5602240A (en) 1990-07-27 1997-02-11 Ciba Geigy Ag. Backbone modified oligonucleotide analogs
US5541307A (en) 1990-07-27 1996-07-30 Isis Pharmaceuticals, Inc. Backbone modified oligonucleotide analogs and solid phase synthesis thereof
US5677437A (en) 1990-07-27 1997-10-14 Isis Pharmaceuticals, Inc. Heteroatomic oligonucleoside linkages
EP0544824B1 (en) 1990-07-27 1997-06-11 Isis Pharmaceuticals, Inc. Nuclease resistant, pyrimidine modified oligonucleotides that detect and modulate gene expression
US5489677A (en) 1990-07-27 1996-02-06 Isis Pharmaceuticals, Inc. Oligonucleoside linkages containing adjacent oxygen and nitrogen atoms
US5623070A (en) 1990-07-27 1997-04-22 Isis Pharmaceuticals, Inc. Heteroatomic oligonucleoside linkages
US5610289A (en) 1990-07-27 1997-03-11 Isis Pharmaceuticals, Inc. Backbone modified oligonucleotide analogues
CA2088673A1 (en) 1990-08-03 1992-02-04 Alexander L. Weis Compounds and methods for inhibiting gene expression
US5177196A (en) 1990-08-16 1993-01-05 Microprobe Corporation Oligo (α-arabinofuranosyl nucleotides) and α-arabinofuranosyl precursors thereof
US5214134A (en) 1990-09-12 1993-05-25 Sterling Winthrop Inc. Process of linking nucleosides with a siloxane bridge
US5561225A (en) 1990-09-19 1996-10-01 Southern Research Institute Polynucleotide analogs containing sulfonate and sulfonamide internucleoside linkages
AU662298B2 (en) 1990-09-20 1995-08-31 Gilead Sciences, Inc. Modified internucleoside linkages
US5432272A (en) 1990-10-09 1995-07-11 Benner; Steven A. Method for incorporating into a DNA or RNA oligonucleotide using nucleotides bearing heterocyclic bases
US5455166A (en) * 1991-01-31 1995-10-03 Becton, Dickinson And Company Strand displacement amplification
US5719262A (en) 1993-11-22 1998-02-17 Buchardt, Deceased; Ole Peptide nucleic acids having amino acid side chains
US5714331A (en) 1991-05-24 1998-02-03 Buchardt, Deceased; Ole Peptide nucleic acids having enhanced binding affinity, sequence specificity and solubility
US5539082A (en) 1993-04-26 1996-07-23 Nielsen; Peter E. Peptide nucleic acids
US5571799A (en) 1991-08-12 1996-11-05 Basco, Ltd. (2'-5') oligoadenylate analogues useful as inhibitors of host-v5.-graft response
DE59208572D1 (de) 1991-10-17 1997-07-10 Ciba Geigy Ag Bicyclische Nukleoside, Oligonukleotide, Verfahren zu deren Herstellung und Zwischenprodukte
US5594121A (en) 1991-11-07 1997-01-14 Gilead Sciences, Inc. Enhanced triple-helix and double-helix formation with oligomers containing modified purines
US5484908A (en) 1991-11-26 1996-01-16 Gilead Sciences, Inc. Oligonucleotides containing 5-propynyl pyrimidines
US5359044A (en) 1991-12-13 1994-10-25 Isis Pharmaceuticals Cyclobutyl oligonucleotide surrogates
FR2687679B1 (fr) 1992-02-05 1994-10-28 Centre Nat Rech Scient Oligothionucleotides.
US5633360A (en) 1992-04-14 1997-05-27 Gilead Sciences, Inc. Oligonucleotide analogs capable of passive cell membrane permeation
US5434257A (en) 1992-06-01 1995-07-18 Gilead Sciences, Inc. Binding compentent oligomers containing unsaturated 3',5' and 2',5' linkages
EP0577558A2 (de) 1992-07-01 1994-01-05 Ciba-Geigy Ag Carbocyclische Nukleoside mit bicyclischen Ringen, Oligonukleotide daraus, Verfahren zu deren Herstellung, deren Verwendung und Zwischenproduckte
US5476925A (en) 1993-02-01 1995-12-19 Northwestern University Oligodeoxyribonucleotides including 3'-aminonucleoside-phosphoramidate linkages and terminal 3'-amino groups
GB9304618D0 (en) 1993-03-06 1993-04-21 Ciba Geigy Ag Chemical compounds
ATE155467T1 (de) 1993-03-30 1997-08-15 Sanofi Sa Acyclische nucleosid analoge und sie enthaltende oligonucleotidsequenzen
AU6412794A (en) 1993-03-31 1994-10-24 Sterling Winthrop Inc. Oligonucleotides with amide linkages replacing phosphodiester linkages
DE4311944A1 (de) 1993-04-10 1994-10-13 Degussa Umhüllte Natriumpercarbonatpartikel, Verfahren zu deren Herstellung und sie enthaltende Wasch-, Reinigungs- und Bleichmittelzusammensetzungen
US6294664B1 (en) 1993-07-29 2001-09-25 Isis Pharmaceuticals, Inc. Synthesis of oligonucleotides
US5502177A (en) 1993-09-17 1996-03-26 Gilead Sciences, Inc. Pyrimidine derivatives for labeled binding partners
US5457187A (en) 1993-12-08 1995-10-10 Board Of Regents University Of Nebraska Oligonucleotides containing 5-fluorouracil
US5446137B1 (en) 1993-12-09 1998-10-06 Behringwerke Ag Oligonucleotides containing 4'-substituted nucleotides
US5519134A (en) 1994-01-11 1996-05-21 Isis Pharmaceuticals, Inc. Pyrrolidine-containing monomers and oligomers
CA2185239C (en) 1994-03-16 2002-12-17 Nanibhushan Dattagupta Isothermal strand displacement nucleic acid amplification
US5596091A (en) 1994-03-18 1997-01-21 The Regents Of The University Of California Antisense oligonucleotides comprising 5-aminoalkyl pyrimidine nucleotides
US5627053A (en) 1994-03-29 1997-05-06 Ribozyme Pharmaceuticals, Inc. 2'deoxy-2'-alkylnucleotide containing nucleic acid
US5625050A (en) 1994-03-31 1997-04-29 Amgen Inc. Modified oligonucleotides and intermediates useful in nucleic acid therapeutics
CA2148140C (en) 1994-04-29 2010-08-10 John W. Sutherland Homogeneous method for assay of double-stranded nucleic acids using fluorescent dyes and kit useful therein
US5525711A (en) 1994-05-18 1996-06-11 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Department Of Health And Human Services Pteridine nucleotide analogs as fluorescent DNA probes
US5597909A (en) 1994-08-25 1997-01-28 Chiron Corporation Polynucleotide reagents containing modified deoxyribose moieties, and associated methods of synthesis and use
US6479235B1 (en) * 1994-09-30 2002-11-12 Promega Corporation Multiplex amplification of short tandem repeat loci
US5451067A (en) 1994-10-18 1995-09-19 Pieper; Julius A. Chuck key with integral holder
AT402203B (de) * 1995-06-13 1997-03-25 Himmler Gottfried Dipl Ing Dr Verfahren zur transkriptionsfreien amplifizierung von nucleinsäuren
US5734058A (en) 1995-11-09 1998-03-31 Biometric Imaging, Inc. Fluorescent DNA-Intercalating cyanine dyes including a positively charged benzothiazole substituent
US5658735A (en) 1995-11-09 1997-08-19 Biometric Imaging, Inc. Cyclized fluorescent nucleic acid intercalating cyanine dyes and nucleic acid detection methods
DK0862656T3 (da) 1995-11-21 2001-04-09 Univ Yale Unimolekylær segmentamplifikation og -detektering
US6458556B1 (en) * 1996-07-25 2002-10-01 The Institute Of Physical & Chemical Research Method for enhancing enzyme activity at elevated temperature
SE9603171D0 (sv) 1996-08-30 1996-08-30 Marek Kwiatkowski Solid phase synthesis
CA2286864A1 (en) 1997-01-10 1998-07-16 Pioneer Hi-Bred International, Inc. Hybridization-based genetic amplification and analysis
US6297006B1 (en) 1997-01-16 2001-10-02 Hyseq, Inc. Methods for sequencing repetitive sequences and for determining the order of sequence subfragments
US6087102A (en) 1998-01-07 2000-07-11 Clontech Laboratories, Inc. Polymeric arrays and methods for their use in binding assays
US6287776B1 (en) 1998-02-02 2001-09-11 Signature Bioscience, Inc. Method for detecting and classifying nucleic acid hybridization
JP3944996B2 (ja) 1998-03-05 2007-07-18 株式会社日立製作所 Dnaプローブアレー
US6312902B1 (en) 1998-03-13 2001-11-06 Promega Corporation Nucleic acid detection
US6031078A (en) 1998-06-16 2000-02-29 Millennium Pharmaceuticals, Inc. MTbx protein and nucleic acid molecules and uses therefor
US6180408B1 (en) 1998-08-21 2001-01-30 Washington University Fluorescence polarization in nucleic acid analysis
US6458544B1 (en) 1999-12-02 2002-10-01 Dna Sciences, Inc. Methods for determining single nucleotide variations and genotyping
US6323009B1 (en) * 2000-06-28 2001-11-27 Molecular Staging, Inc. Multiply-primed amplification of nucleic acid sequences
US6479244B1 (en) 2001-04-23 2002-11-12 Galileo Genomics Method for genotyping microsatellite DNA markers
US6679242B1 (en) 2003-01-07 2004-01-20 Martin Archery, Inc. Archery bowstring accessory and method of increasing arrow speed and reducing bowstring vibration in shooting an arrow from an archery bow

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001519172A (ja) * 1997-10-08 2001-10-23 イェール ユニバーシティ 多重置換増幅
JP2002525078A (ja) * 1998-09-15 2002-08-13 イェール ユニバーシティ 人工的長末端反復配列

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010503399A (ja) * 2006-09-14 2010-02-04 アイビス バイオサイエンシズ インコーポレイティッド 病原体の同定のための標的全ゲノム増幅方法
JP2014057597A (ja) * 2006-09-14 2014-04-03 Ibis Biosciences Inc 病原体の同定のための標的全ゲノム増幅方法
JP2008161182A (ja) * 2006-10-24 2008-07-17 Qiagen Gmbh 環状ゲノムのローリングサークル増幅
JP2012514452A (ja) * 2009-01-05 2012-06-28 ビオメリュー 核酸の増幅のおよび/または検出の方法、キット及びこの方法の使用
US8673595B2 (en) 2009-06-29 2014-03-18 Kabushiki Kaisha Toshiba Sample analysis method and assay kit used therein
CN102459630A (zh) * 2009-06-29 2012-05-16 株式会社东芝 样本分析方法和用于该方法的检测试剂盒
WO2011001496A1 (ja) * 2009-06-29 2011-01-06 株式会社 東芝 検体解析方法およびそれに用いるアッセイキット
JP4528885B1 (ja) * 2009-06-29 2010-08-25 株式会社東芝 検体解析方法およびそれに用いるアッセイキット
CN102459630B (zh) * 2009-06-29 2014-04-30 株式会社东芝 样本分析方法和用于该方法的检测试剂盒
JP2011004732A (ja) * 2010-02-22 2011-01-13 Toshiba Corp 検体解析方法およびそこにおいて使用されるアッセイキット
JP4528889B1 (ja) * 2010-02-22 2010-08-25 株式会社東芝 検体解析方法およびそこにおいて使用されるアッセイキット
JP5688702B2 (ja) * 2011-03-14 2015-03-25 国立大学法人北海道大学 核酸増幅方法およびその利用
KR20140014848A (ko) * 2012-07-26 2014-02-06 삼성전자주식회사 이온성 액체를 사용하여 생물학적 시료로부터 핵산 증폭의 증폭 효율 및 감도를 증가시키는 방법
KR101935367B1 (ko) 2012-07-26 2019-01-04 삼성전자주식회사 이온성 액체를 사용하여 생물학적 시료로부터 핵산 증폭의 증폭 효율 및 감도를 증가시키는 방법
JP2016500276A (ja) * 2012-12-21 2016-01-12 サンプリクス ソシエテ ア レスポンサビリテ リミティー 確率指向のヌクレオチド配列の単離

Also Published As

Publication number Publication date
CA2510587A1 (en) 2004-07-15
EP2261371A3 (en) 2011-11-09
JP2010158250A (ja) 2010-07-22
EP2261371B1 (en) 2015-07-22
AU2003299694A1 (en) 2004-07-22
JP4886298B2 (ja) 2012-02-29
WO2004058987A2 (en) 2004-07-15
EP1583843B1 (en) 2018-07-18
EP1583843A4 (en) 2007-05-16
EP2261371A2 (en) 2010-12-15
EP1583843A2 (en) 2005-10-12
WO2004058987A3 (en) 2005-05-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4886298B2 (ja) 核酸増幅
US7297485B2 (en) Method for nucleic acid amplification that results in low amplification bias
US9487823B2 (en) Nucleic acid amplification
EP1444355B1 (en) Nucleic acid amplification
JP5809385B2 (ja) 環状ゲノムのローリングサークル増幅
US6977148B2 (en) Multiple displacement amplification
JP2020522243A (ja) 核酸のマルチプレックス末端タギング増幅
JP2020508083A (ja) 標的ヌクレオチド配列の富化及び決定方法
US20040248105A1 (en) Method of whole genome amplification with reduced artifact production
KR20110106922A (ko) 단일 세포 핵산 분석
CN110777195A (zh) 采用一组snp的人身份识别
JP2006512094A5 (ja)
JP2012516155A (ja) エンドポイント均一蛍光検出を用いた好熱性ヘリカーゼ依存性増幅技術
EP2350314B1 (en) Individually synthesized g-deficient primers to be used in whole genome amplification
JP5798631B2 (ja) Rt−pcr反応緩衝液中での細胞溶解のための方法
JP2002233379A (ja) 核酸の増幅方法
AU2002362874A1 (en) Nucleic acid amplification

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091104

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100202

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100209

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100323

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100622

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100629

A524 Written submission of copy of amendment under article 19 pct

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A524

Effective date: 20100721

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110531

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110929

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111025

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20111028

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111115

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111209

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141216

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4886298

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term