JP2006262777A - 夾雑物を含む試料を用いた核酸合成方法及び添加剤 - Google Patents

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良英 林崎
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陽一 田邉
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Abstract

【課題】 本発明は、夾雑物を含む試料を用いた核酸合成方法及び当該方法に使用するための添加剤を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の方法は、核酸、並びにセルロース、セルロース誘導体から選択される1種類又はそれより多くの夾雑物を含む試料を用いた核酸合成方法において、非イオン性界面活性剤、アミド類、及び広義の糖類からなるグループから選択される1種類又はそれより多くの添加剤を核酸合成反応液に添加することを含む。
【選択図】 なし

Description

本発明は、夾雑物を含む試料を用いた核酸合成方法及び当該方法に使用するための添加剤に関する。
DNAブック
ヒトゲノムの完全解読やマウスゲノムなど多数のゲノムの解読、さらに完全長cDNAクローンが網羅的に収集されてきた。これにより遺伝子資源が整備され、本格的な遺伝子解析の時代に突入している。従来、DNAを長期的に安定して保存するためには、水溶液状態のものをそのまま冷凍するか、あるいはベクターにクローニングした状態でホストの菌ごと−80℃でグリセロールストックするかのいずれかの方法が用いられていた。しかし、いずれの方法も、多数の完全長cDNAの場合のように大量の核酸を保存するには非常に大量のスペースを必要とする。
さらに、これらの従来の方法で保存されたDNAを配布等する場合には、DNA水溶液の調製、マイクロチューブ内へのDNA水溶液の分注あるいはマイクロチューブ内へ分注されたDNA水溶液の乾燥などの、比較的長時間の作業時間を要する各種の作業工程を経る必要がある。特に扱うマイクロチューブの数が大量の場合には、作業量が膨大となり、多くの労力と時間を必要とし、事実上配布が困難になることがある、という問題点があった。同様の問題はDNAのみだけでなく、RNA、RNAとDNAのハイブリッド等その他の核酸に関しても存在する。
このような問題に対し、本発明の発明者らは収集したDNAクローンを「DNAブック」(商標)という本の形にして遺伝子情報とともに収納、頒布する新たな方法を開発した。「DNAブック」は、所定の厚さのシート状の支持体にDNA溶液を付着させ、前記支持体に付着させたDNA溶液を乾燥させることによって、前記支持体に固定又は印字させたDNAを有するDNA固定支持体である。「DNAブック」は、DNAを固定支持体に付着させることにより、従来の技術と比較して格段に狭いスペースでのDNAの安定した保存を可能にし、配布も常温の通常の郵送ルートで可能である。また、固定支持体からDNAを溶出回収し、例えばPCR等を用いて増幅して使用することが可能なため、保存されたDNAの回収・利用も極めて簡便である。DNAブック作成の技術は、DNAのみだけでなく、RNA、RNAとDNAのハイブリッド等その他の核酸に関しても適用可能である(特開2000−146958、特許文献1)。
DNA固定支持体としては、例えば、セルロースを主原料として製造された紙、具体的には一般のPPC用紙を使用することができる。DNAブックは、固定支持体からDNAを溶出回収し、例えばPCR等を用いて増幅して使用することを想定しているため、DNA固定支持体は好ましくは可溶性の用紙である。
「DNAブック」については、Science, Vol.302,October, 2003、p.217−218(非特許文献1)、Genome Research、2003,p.1488−1495(非特許文献2)等にも開示されている。非特許文献2は、DNA固定支持体として60MDP(Mishima paper Co., Ltd.)が使用できる、と記載している。
このように「DNAブック」は、遺伝子資源の有効な利用を可能にした画期的なDNA保存技術である。ただし、固定支持体からDNAを溶出回収し、核酸増幅反応等への利用を図る場合、溶出回収した核酸試料中にDNA固定支持体に由来する成分が、必然的に夾雑物として混在することとなる。例えばセルロース等の夾雑物は核酸増幅反応等の核酸合成反応において、核酸合成のための酵素の働きを阻害する恐れがある。
核酸合成反応
一般に、増幅しようとする核酸が存在する反応液の中に、核酸の増幅反応を阻害する夾雑物が存在することはよくあることである。これに対して、様々な試みがなされてきた。
しかし、いずれの先行技術文献も、セルロース誘導体から選択される1種類又はそれより多くの夾雑物を含む試料を用いた核酸合成方法において、非イオン性界面活性剤、アミド類、及び広義の糖類からなるグループから選択される1種類又はそれより多くの添加剤を核酸合成反応液に添加する、という本発明の技術的思想について記載も示唆もしていない。そもそも、セルロース誘導体から選択される1種類又はそれより多くの夾雑物を含む試料を用いた核酸合成方法において、夾雑物により核酸合成反応が阻害される、という問題自体、提起すらされていない。
具体的には、特開2003―144169(特許文献2)は、DNA合成反応を促進する添加剤に関する。具体的には、DNAを合成する酵素反応において、シュウ酸イオン、マロン酸イオン、マレイン酸イオンなどの陰イオン物質を含有することを特徴とする反応液組成物を記載している。さらに、陰イオン物質以外に、DNA合成反応の際に添加されうる物質として、DMSO、グリセロール、ホルムアミド、ベタイン、塩化テトラメチルアンモニウム、PEG(ポリエチレングリコール)、TWEEN20、NP40、エクトイン(ectoine)、ポリオール類、大腸菌(E.coli)SSB蛋白質、ファージT4遺伝子32蛋白質、BSA等が挙げられている。
しかし、特許文献2は、セルロース誘導体から選択される1種類又はそれより多くの夾雑物を含む試料を用いた核酸合成方法において、非イオン性界面活性剤、アミド類、及び広義の糖類からなるグループから選択される1種類又はそれより多くの添加剤を核酸合成反応液に添加する、という本発明の技術的思想について記載も示唆もしていない。
また、特開2000-4878(特許文献3)は、熱安定性酵素の可逆的修飾の方法に関する。特許文献3は、PCRにおける非特異的な伸長反応を回避するために、ベタイン、官能性ポリオール、アミド、アルカリ性アンモニウム塩、スルフォキシド、硫酸塩等から選択される添加剤を加えることを記載している。しかし、特許文献3は特許文献2と同様に、本発明の技術的思想について記載も示唆もしていない。
特開平7―255482(特許文献4)は、遺伝子増幅方法に関する。特許文献4には、PCRにおいて、鋳型DNAとプライマーとのアニーリング効率を増加させるために、両親媒性高分子を添加することにより反応溶液の粘性を高めて、浮遊する鋳型DNAやプライマーのブラウン運動を適度に押さえ、会合性を高めてアニーリングに適した条件を整える旨の記載がある。
しかし、特許文献4も本発明の技術的思想について記載も示唆もしていない。また、単に核酸増幅反応液の粘度を増加させるだけでは、本発明の効果、即ち、夾雑物、特にセルロース、および/またはセルロース誘導体が及ぼす核酸の増幅反応の阻害を低減する、という効果が得られないことは、本発明者らが明らかにした。
特開2000―342287(特許文献5)は、リボ核酸類からの核酸類の精製及び増幅に関する。特許文献5には、RNAの逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)における添加剤として、DMSO、グリセロール、ホルムアミド、ベタイン、塩化テトラメチルアンモニウム、PEG(ポリエチレングリコール)、TWEEN20、NP40、エクトイン(ectoine)、ポリオール類、大腸菌(E.coli)SSB蛋白質、ファージT4遺伝子32蛋白質、BSAが挙げられている。しかし、特許文献5も本発明の技術的思想について記載も示唆もしていない。
特表平11―512602(特許文献6)は、PCRのための対照、即ち、PCR法のポジティブコントロール試薬に関する。特許文献6は、PCRにおける酵素の安定剤としてトレハロースを使用することを記載している。しかし、トレハロースは酵素の安定化剤として添加されており、特許文献6も本発明の技術的思想について記載も示唆もしていない。
特開平8−9997(特許文献7)は、核酸合成法およびそれに用いる核酸キットに関する。特許文献7は、動物体液、植物由来の試料、環境試料から目的の遺伝子を増幅する核酸合成法において、反応溶液中にポリアミンを添加することを開示している。しかし、特許文献7も本発明の技術的思想について記載も示唆もしていない。
さらに、Waleed Abu Al−Soudらは、“Effects of Amplification Facilitators on Diagnostic PCR in the presence of Blood, Feces, and Meat”(Journal of Clinical Microbiology, Vol.38(12),2000,p.4463−4470、非特許文献3)の中で、PCR反応液の中に血液、便、肉などの夾雑物が存在する場合、BSA(ウシ血清アルブミン)を添加するとPCRへのこれらの夾雑物の阻害効果が回避されることを述べている。しかし、非特許文献における夾雑物は、血液、便、肉などの生体物質に由来するものであり、セルロース誘導体から選択される1種類又はそれより多くの夾雑物に関する、本発明とは明白に相違する。よって、非特許文献3も本発明の技術的思想について記載も示唆もしていない。
以上、核酸増幅反応において増幅反応の効率を促進するために添加剤が利用されてきた。そして、核酸の増幅反応を阻害する夾雑物による阻害効果を低減しようとする試みもなされてきた。しかし、いずれの先行技術文献も、セルロース誘導体から選択される1種類又はそれより多くの夾雑物を含む試料を用いた核酸合成方法において、非イオン性界面活性剤、アミド類、及び広義の糖類からなるグループから選択される1種類又はそれより多くの添加剤を核酸合成反応液に添加する、という本発明の技術的思想について記載も示唆もしていない。そもそも、本発明前は、「DNAブック」を利用した試料の核酸合成方法において、試料中に、セルロース誘導体から選択される1種類又はそれより多くの夾雑物が含まれること、そして、夾雑物により核酸合成反応が阻害される可能性があること、という問題自体、提起すらされていなかった。
しかし、本発明者は、今後「DNAブック」の有効利用をより促進するために、将来的に問題となりうる課題について解決策が提示されていることが望ましい。
特開2000−146958公報 特開2003―144169公報 特開2000―4878公報 特開平7―255482公報 特開2000―342287公報 特表平11―512602公報 特開平8−9997公報 Science, Vol.302,October, 2003、p.217−218 Genome Research、2003,p.1488−1495 Journal of Clinical Microbiology, December 2000, Vol.38, No.12, p.4463−4470, "Effects of Amplification Facilitators on Diagnostic PCR in the presence of Blood, Feces, and Meat"
本発明は、核酸、並びにセルロース、セルロース誘導体から選択される1種類又はそれより多くの夾雑物を含む試料を用いた核酸合成方法を提供する。本発明の方法は、非イオン性界面活性剤、アミド類、及び広義の糖類からなるグループから選択される1種類又はそれより多くの添加剤を核酸合成反応液に添加することを含む。本発明は特に、上記添加剤により夾雑物による核酸合成反応への阻害効果が低減されることを特徴とする。
本発明の方法において添加剤として使用されうる非イオン性界面活性剤は、好ましくは、Tween20、TritonX−100又はショ糖脂肪酸エステルから選択される。
添加剤として使用されうるアミド類は、好ましくはホルムアミドである。
添加剤として使用されうる広義の糖類は、好ましくは狭義の糖類及び多価アルコール類から選択される。狭義の糖類は、好ましくはトレハロース又はスクロースである。多価アルコール類は、好ましくは、グリセリン又はソルビトールである。あるいは、多価アルコール類は、好ましくはポリエチレングリコールを含むグリコール類である。
本発明の一態様において、核酸、並びにセルロース、セルロース誘導体から選択される1種類又はそれより多くの夾雑物を含む試料は、核酸ブックに由来する。
本発明の核酸合成反応は、好ましくは核酸の増幅反応、複製反応、転写反応又は逆転写反応である。
本発明はまた、核酸、並びにセルロース、セルロース誘導体から選択される1種類又はそれより多くの夾雑物を含む試料を用いた核酸合成方法における核酸合成反応液への添加剤を提供することを目的とする。本発明の添加剤は、非イオン性界面活性剤、アミド類、及び広義の糖類からなるグループから選択される1種類又はそれより多くの物質を含む。
本発明者らは上記問題解決のために鋭意研究に努めた結果、核酸以外に、セルロース及び/又はセルロース誘導体の夾雑物を含む試料を用いた核酸合成方法において、特定の添加剤を加えると合成反応の効率が向上することを見出し、本発明を想到した。
核酸合成方法
本発明は、核酸、並びにセルロース、セルロース誘導体から選択される1種類又はそれより多くの夾雑物を含む試料を用いた核酸合成方法を提供する。本発明の方法は、非イオン性界面活性剤、アミド類、及び広義の糖類からなるグループから選択される1種類又はそれより多くの添加剤を核酸合成反応液に添加することを含む。本発明は特に、上記添加剤により夾雑物による核酸合成反応への阻害効果を低減し、該夾雑物が反応溶液中に存在しても核酸を安定して、効率よく合成することを可能にする。
1)添加剤
1−a)非イオン性界面活性剤
本明細書において、「非イオン性界面活性剤」とは、少量で界面又は表面の諸性質を変化させる性質を有する物質であり、その分子内に親水性原子団と疎水性原子団を有し、水に溶解したときイオンに解離しない物質を意味する。
本発明の方法において添加剤として使用される非イオン性界面活性剤は、特に限定されず、公知の任意の非イオン性界面活性剤を含む。例えば、限定されるわけではないが、Tween系界面活性剤、Triton系界面活性剤、ショ糖脂肪酸エステル、アシルソルビタン、アルキルグルコシド、Brij系界面活性剤等を含む。好ましくは、Tween20、TritonX−100又はショ糖脂肪酸エステルから選択される。
Tween20は、例えばSIGMA社等から入手することができる。TritonX−100は、例えばSIGMA社等から入手することができる。
ショ糖脂肪酸エステルは特に限定されないが、好ましくは、例えば、ショ糖と炭素数11ないし17の直鎖若しくは分岐鎖の、修飾若しくは未修飾の脂肪酸とのエステルを意味する。より好ましくは、脂肪酸としてはステアリン酸が選択される。ショ糖脂肪酸エステルは、例えば、三菱化学フーズ株式会社製のS−1670(商標)、HLB16(商標)が選択される。
本発明の方法において使用する非イオン性界面活性剤の濃度は、本明細書の開示に基づき、使用する非イオン性界面活性剤の種類等に応じて、当業者は適宜選択可能である。例えば、限定されるわけではないが、Tween20は、好ましくは終濃度0.01%から5%、より好ましくは0.1%から2%、最も好ましくは2%で添加される。TritonX−100は、好ましくは終濃度0.01%から5%、より好ましくは0.1%から2%、最も好ましくは1%で添加される。ショ糖脂肪酸エステルは、好ましくは終濃度0.01%から5%、より好ましくは0.125%から1%、最も好ましくは1%で添加される。
1−b)アミド類
本明細書において、「アミド類」とは、アンモニア又はアミンの水素がアシル基によって置換された構造をもつ化合物を意味する。
本発明の方法において添加剤として使用されるアミド類は特に限定されず、公知の任意のアミド類を含む。例えば、限定されるわけではないが、ホルムアミド、アセトアミド等を含む。好ましくはホルムアミドである。ホルムアミドは例えば、和光純薬工業株式会社から入手することができる。
本発明の方法において使用するアミド類の濃度は、本明細書の開示に基づき、使用するアミド類の種類等に応じて、当業者は適宜選択可能である。例えば、限定されるわけではないが、ホルムアミドは、好ましくは終濃度0.01%から10%、より好ましくは0.6%から3%、最も好ましくは2.5%で添加される。
1−c)広義の糖類
「糖類」は、糖質ともいい、単糖類とこれが複数個縮合した少糖類(オリゴ糖類)や多糖類の総称である。元来、「糖類」はC(HO)の一般式で表される化合物を意味してきたが、今日ではこの定義が拡大され、多価アルコール類のアルデヒド、ケトン、酸、さらに多価アルコール自身やそれらの誘導体、縮合体なども含めて糖質又は炭水化物と総称している。
よって本明細書において、「広義の糖類」とは、上述した多価アルコール類のアルデヒド、ケトン、酸、さらに多価アルコール類自身やそれらの誘導体、縮合体なども含めた糖質又は炭水化物の総称を意味する。「広義の糖類」は、好ましくは、従来の「狭義の糖類」、即ち、C(HO)の一般式で表される化合物、並びに「多価アルコール類」を含む。糖類の代表的なグループである単糖類にもデオキシリボースC10、ラムノースC12、ソルビトールC14などのようにC(HO)の一般式にあてはまらない化合物があるが、これらも「広義の糖類」に含まれる。
本明細書において、「狭義の糖類」は、C(HO)の一般式で表される化合物を意味する。本発明の方法において添加剤として使用される狭義の糖類は特に限定されず、公知の任意の糖類を含む。例えば、限定されるわけではないが、トレハロースC12(HO)11、スクロースC12(HO)11等を含む。ただしC(HO)の一般式で表される化合物であっても、例外的に、酢酸Cや乳酸Cなどは糖類に含まれない。なお、例外的に糖類に含まれない化合物は、本明細書の開示及び技術常識に基づいて、当業者は容易に認識することが可能である。
トレハロースは、例えば「D−トレハロース」(FLUKA社製)等を使用することができる。スクロースは、例えば、和光純薬工業株式会社等から入手することができる。
本発明の方法において使用する狭義の糖類の濃度は、本明細書の開示に基づき、使用する糖類の種類等に応じて当業者は適宜選択可能である。例えば、限定されるわけではないが、トレハロースは、好ましくは終濃度0.01Mから1M、より好ましくは0.2Mから0.8M、最も好ましくは0.6Mで添加される。スクロースは、好ましくは終濃度0.01Mから1M、より好ましくは0.2Mから0.8M、最も好ましくは0.6Mで添加される。
本明細書において、「広義の糖類」に含まれる「多価アルコール類」とは、2個以上のヒドロキシル基を有するアルコールを意味する。本発明の方法において添加剤として使用される多価アルコール類は特に限定されず、公知の任意の多価アルコール類を含む。ヒドロキシル基の数は特に限定されないが、好ましくは2個ないし10個である。例えば、限定されるわけではないが、グリセリン(「グリセロール」とも呼称される)C、ソルビトール(「グリシトール」とも呼称される)C14等が含まれる。
グリセリンは例えば、和光純薬工業株式会社等から入手することができる。ソルビトールは、例えば「D−ソルビトール」(FLUKA社製)等を使用することができる。
本発明の方法において多価アルコール類の濃度は、本明細書の開示に基づき、使用する多価アルコール類の種類等に応じて、当業者は適宜選択可能である。例えば、限定されるわけではないが、グリセリンは、好ましくは終濃度1%から30%、より好ましくは10%から20%、最も好ましくは20%で添加される。ソルビトールは、好ましくは終濃度0.01Mから1M、より好ましくは0.2Mから0.8M、最も好ましくは0.6Mで添加される。
本明細書における「多価アルコール類」はさらに、2価のアルコール類である「グリコール類」を含む。本発明の方法において添加剤として使用されるグリコール類は特に限定されず、任意の公知のグリコール類を含む。例えば、限定されるわけではないが、好ましくはポリエチレングリコールである。ポリエチレングリコールは、好ましくは分子量1000から8000、より好ましくは4000から7000、最も好ましくは約6000である。
ポリエチレングリコールは、例えば、和光純薬工業株式会社製の「ポリエチレングリコール6000」(商標)等から選択される。
本発明の方法において使用するグリコール類の濃度は、本明細書の開示に基づき、使用するグリコール類の種類、核酸合成に用いる酵素の種類等に応じて、当業者は適宜選択可能である。例えば、限定されるわけではないが、ポリエチレングリコールは、好ましくは終濃度0.1%から20%、より好ましくは1%から15%、最も好ましくは15%で添加される。ただし、核酸合成酵素に用いるDNAポリメラーゼがKOD(東洋紡績株式会社製)の場合は、最も好ましい終濃度は5%である。
限定されるわけではないが、本発明の方法の好ましい態様において、下記(a)ないし(i)の1種類又はそれより多くの物質が、下記の終濃度で添加される;
(a)Tween20:終濃度0.01%から5%;
(b)TritonX−100:終濃度0.01%から5%;
(c)ショ糖脂肪酸エステル:終濃度0.01%から5%;
(d)ポリエチレングリコール:分子量1000から8000、終濃度は0.1%から20%;
(e)トレハロース:終濃度0.01Mから1M;
(f)スクロース:終濃度0.01Mから1M;
(g)ソルビトール:終濃度0.01Mから1M;
(h)ホルムアミド:終濃度0.01%から15%;又は
(i)グリセリン:終濃度1%から30%。
本発明の方法において上記添加剤は、1種類でもよくあるいは1種類より多くの添加剤を併用してもよい。
2)夾雑物を含む試料
本発明は、核酸、並びにセルロース、セルロース誘導体から選択される1種類又はそれより多くの夾雑物を含む試料を用いた核酸合成方法において、上記添加剤を添加することを特徴とする。
本明細書で「夾雑物」とは、核酸合成反応、例えばPCR反応液中に不可避的に混雑した不純物で、特に核酸の合成反応を阻害する物質を言う。本発明においては、特にセルロース、セルロース誘導体から選択される1種類又はそれより多くの物質を意味する。
本明細書において、「セルロース」は二糖セロビオースが重合した多糖であり、分子量は特に限定されない。「セルロース誘導体」は、セロビオース残基の6員環の2位、3位又は6位の水酸基が、直鎖若しくは分岐鎖のC−C10アルキル、−C(O)OR(Rは、C−C10アルキルである)、−C(O)OROR(Rは及びRは各々独立して、C−C10アルキルである)で置換されていてもよい、セルロースの誘導体である。
限定されるわけではないが、セルロース誘導体は、好ましくは、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース又はカルボキシプロピルメチルセルロースから選択される。
本発明の方法において、セルロース、セルロース誘導体から選択される1種類又はそれより多くの夾雑物が、試料中に0.75%以上の濃度、より好ましくは4.5%以上の濃度で含まれていても、核酸合成反応を行うことが可能である。
本発明において試料に含まれる核酸は、DNA,RNA、あるいはこれらのハイブリッド、キメラでもよい。試料中の、鋳型となる核酸は極微量でもよく、反応液に終濃度好ましくは0.004ng/μl以上、より好ましくは0.08ng/μl以上、含まれていれば、本発明の方法によって効率よく増幅、複製、転写、逆転写することが可能である。
限定されるわけではないが、本発明の好ましい一態様において、核酸、並びにセルロース、セルロース誘導体から選択される1種類又はそれより多くの夾雑物を含む試料は、核酸ブックに由来する。本明細書において、「核酸ブック」は、所定の厚さのシート状の支持体に核酸溶液を付着させ、前記支持体に付着させた核酸溶液を乾燥させることによって、前記支持体にDNAを固体又は印字させた核酸を有する核酸固定支持体、を意味する。核酸ブックは、「DNAブック」、「RNAブック」、両者のコンビネーションを含む。
核酸固定支体としては、例えば、セルロースを主原料を製造された紙、具体的には一般のPPC用紙を使用することができる。核酸固定支持体は好ましくは可溶性の用紙である。核酸固定支持体として120MDP、60MDP(Mishima paper Co., Ltd.)等が含まれる。本発明の一態様において、「セルロース、セルロース誘導体から選択される1種類又はそれより多くの夾雑物」は、このような核酸固定支持体に由来する夾雑物を意味する。
3)核酸合成反応
本発明は、核酸の他に夾雑物を含む試料を用いた核酸合成方法において、特定の添加剤を含むことを特徴とする。核酸反応は特に限定されないが、核酸の増幅反応、複製反応、転写反応又は逆転写反応を含みうる。核酸の増幅反応、複製反応、転写反応又は逆転写反応のための一般的な方法は当業者に周知である。本発明の方法は、このような反応において核酸の他に夾雑物を含む試料を含む場合に、特定の添加剤の添加により反応を効率よく行わせるものである。
限定されるものではないが、核酸合成に用いる酵素は、好ましくはDNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ又は逆転写酵素(DNA依存性RNAポリメラーゼ、RNA依存性DNAポリメラーゼを含む)から選択される。
市販品としては、DNAポリメラーゼは、非限定的に、東洋紡績株式会社製KODシリーズ、Blend Taqシリーズ、TaKaRa Taqシリーズ、TaKaRa Ex Taqシリーズ、TaKaRa La Taqシリーズ、TaKaRa Z―Taqシリーズ、インビトロジェン株式会社製アキュプライム TaqDNAポリメラーゼシリーズ、アキュプライム PfxDNAポリメラーゼシリーズ、プラチナ TaqDNAポリメラーゼシリーズ、プラチナ PfxDNAポリメラーゼシリーズ、プラチナ ゲノタイプTspDNAポリメラーゼシリーズ、プラチナPCRスーパーミックスシリーズ、プラチナ ブルーシリーズ、ディスカバーズシリーズ、アキュプライム GCリッチシリーズ、STRATAGENE社製pfuシリーズ、TaqPlusシリーズ、MJ GENE Works ,Inc社製DyNAmoシリーズ、ベクトン・ディッキンソン アンド カンパニー社製TITANIUM Taq シリーズ、Advantageシリーズ、KlenTaqシリーズなどが挙げられる。
RNAポリメラーゼとしては、非限定的に、SP6 RNAポリメラーゼ、T7 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼ、真核生物由来のRNAポリメラーゼI、RNAポリメラーゼII、RNAポリメラーゼIIIなどが挙げられる。
逆転写酵素としては、非限定的に、AMV−リバーストランスクリプターゼ、M−MLVリバーストランスクリプターゼ、Im−prom−IITM リバーストランスクリプターゼなどの他、好熱菌由来の逆転写酵素が挙げられる。
一般に、例えばDNAポリメラーゼを利用するPCR法を含め核酸の増幅反応は、次の工程を含む。
1)反応液を調製する
2)反応液の中に鋳型DNAを添加する
3)温度と時間を設定し、反応させる。
4)反応生成物を回収する。
本発明の方法は、上記の「1.反応液の調整」において1種類又はそれより多くの添加剤を添加することで、核酸合成反応への、セルロース、セルロース誘導体のうちから1種類以上含有する夾雑物の阻害効果を低減する。
本発明の方法により、添加剤の使用によりDNAブックからの切り出し断片を直接PCRに利用可能となった。具体的には、セルロース上に滴下されたDNA溶液を乾燥させたもの(「DNAブック」)を切り出し、直接PCR反応液の中に投入し、そこで再びDNAを溶出させ、PCR法で効率よく核酸の増幅ができるようになった。さらに、該セルロースがセルロース誘導体を混合したものであるときにもPCR法で効率よく核酸の増幅ができるようになった。
添加剤
本発明はさらに、核酸、並びにセルロース、セルロース誘導体から選択される1種類又はそれより多くの夾雑物を含む試料を用いた核酸合成方法における核酸合成反応液への添加剤を提供する。本発明の添加剤は、非イオン性界面活性剤、アミド類、及び広義の糖類からなるグループから選択される1種類又はそれより多くの物質を含む、ことを特徴とする。
本発明の添加剤は、例えばPCRの「反応液の調整」において添加され、夾雑物による核酸合成反応への阻害効果を低減する。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の技術的範囲を限定するためのものではない。当業者は本明細書の記載に基づいて容易に本発明に修飾・変更を加えることができ、それらは本発明の技術的範囲に含まれる。
実施例1 Tween20の核酸増幅反応における添加剤としての使用
以下、実施例1として非イオン性界面活性剤の例としてTween20を使用した例を示す。本実施例の目的は各酵素において夾雑物としてのセルロースおよびセルロース誘導体(本実施例ではカルボキシメチルセルロース)の核酸増幅阻害効果と、Tween20の核酸増幅阻害の低減効果を合わせ見ることである。
PCR反応液の構成は、下記の表1及び表2の通りである。なお、Tween20はSIGMA社製を用いた。
鋳型DNAはpFLC1ベクターに組み込まれた、マウスcDNAクローン(アクセッションNO.AK029094)を使用した。
Tween20の添加量は終濃度が0%、0.1%、0.5%、1.0%、2.0%とし、それぞれの濃度で、KODに対して(1)120MDP紙を直径2mmに切り出したもの3枚混入したもの、(2)120MDP紙を直径2mmに切り出したものを2枚、60MDP紙を直径2mmに切り出したもの1枚混入したもの、(3)セルロース、カルボキシメチルセルロースを加えないものを用意した。
また、EX Taqに対してはそれぞれの濃度で(1)60MDP紙を直径2mmに切り出したものを1枚混入したもの、(2)60MDP紙を直径1.2mmに切り出したものを2枚混入したもの、(3)セルロース、カルボキシメチルセルロースを加えないものを用意した。
使用した紙、120MDP紙及び60MDP紙は三島製紙社製であり、この紙にはセルロース、カルボキシメチルセルロースが含まれている。PCR反応サイクルは次の通りである。
KOD)
94℃ 2分 −1)
94℃ 30秒 −2)
60℃ 1分 −3)
68℃ 2分 ―4)
2)−4)を30サイクル
Ex−Taq)
94℃ 2分 −1)
94℃ 30秒 −2)
60℃ 1分 −3)
72℃ 2分 −4)
2)−4)を30サイクル
PCR後、1%アガロースゲルで200V、150mA、30分電気泳動した。結果を、KODを使用したものを図1aに、Ex Taqを使用したものを図1bに示す。図1a及び図1b中のN.A.はTween20をPCR反応液に混入しないものを表す。
各濃度では図1aにおいては左側から(1)120MDP紙を直径2mmに切り出したもの3枚混入したもの、(2)120MDP紙を直径2mmに切り出したものを2枚、60MDP紙を直径2mmに切り出したもの1枚混入したもの、(3)セルロース、カルボキシメチルセルロースを加えないものの結果であり、図1bにおいては左側から(1)60MDP紙を直径2mmに切り出したものを1枚混入したもの、(2)60MDP紙を直径1.2mmに切り出したものを2枚混入したもの、(3)セルロース、カルボキシメチルセルロースを加えないものの結果である。
図1から分かるように、Tween20を添加しないものはセルロース、カルボキシメチルセルロースの影響で増幅が阻害された(N.A.(1)、(2))。同一条件で、セルロース、カルボキシメチルセルロースを加えない場合には、増幅が行われた(N.A.(3))。これに対し、Tween20の添加により、核酸の増幅が行われる。例えば、KODを使用したものは、Tween20を加えたものはいずれの濃度でも増幅が行われ、特に2%付近で最もよく増幅した。Ex Taqに関しても2.0%の濃度で増幅が行われた。
実施例2 TritonX−100の核酸増幅反応における添加剤としての使用
以下、実施例2として非イオン性界面活性剤の例としてTritonX−100を使用した例を示す。本実施例の目的は各酵素において夾雑物としてのセルロースおよびセルロース誘導体(本実施例ではカルボキシメチルセルロース)の核酸増幅阻害効果と、TritonX−100の核酸増幅阻害の低減効果を合わせ見ることである。
PCR反応液の構成は下記の表3の通りである。なお、TritonX−100はSIGMA社製を用いた。
PCR反応サイクルは実施例1と同様である。鋳型DNAは実施例1と同様のものを使用した。
TritonX−100の添加量は終濃度が0%、0.1%、0.5%、1.0%、2.0%とし、KODに対して(1)120MDP紙を直径2mmに切り出したもの3枚混入したもの、(2)120MDP紙を直径2mmに切り出したものを2枚、60MDP紙を直径2mmに切り出したもの1枚混入したもの、(3)セルロース、カルボキシメチルセルロースを加えないものを用意した。使用した紙は実施例1と同様である。
PCRサイクル、電気泳動条件は実施例1と同様である。結果を、KODを使用したものを図2に示す。図2中のN.A.はTritonX−100をPCR反応液に混入しないものを表す。
各濃度では図2において左側から(1)120MDP紙を直径2mmに切り出したもの3枚混入したもの、(2)120MDP紙を直径2mmに切り出したものを2枚、60MDP紙を直径2mmに切り出したもの1枚混入したもの、(3)セルロース、カルボキシメチルセルロースを加えないものの結果である。
図2から分かるように、TritonX−100を添加しないものはセルロース、カルボキシメチルセルロースの影響で増幅が阻害された(N.A.(1)、(2))。同一条件で、セルロース、カルボキシメチルセルロースを加えない場合には、増幅が行われた(N.A.(3))。これに対し、TritonX−100の添加により、いずれの濃度でも増幅が行われ、特に1%付近で最もよく増幅した。
実施例3 ポリエチレングリコールの核酸増幅反応における添加剤としての使用
以下、実施例3としてグリコール類の例としてポリエチレングリコールを使用した例を示す。本実施例の目的は各酵素において夾雑物としてのセルロースおよびセルロース誘導体(本実施例ではカルボキシメチルセルロース)の核酸増幅阻害効果と、ポリエチレングリコールの核酸増幅阻害の低減効果を合わせ見ることである。
PCR反応液の構成は下記の表4及び表5の通りである。なお、ポリエチレングリコールは和光純薬工業株式会社製「ポリエチレングリコール6000」を用いた。
PCR反応サイクルは実施例1と同様である。鋳型DNAは実施例1と同様のものを使用した。
ポリエチレングリコールの添加量は終濃度が0%、1%、5%、10%、15%とし、KODに対して(1)120MDP紙を直径2mmに切り出したもの3枚混入したもの、(2)120MDP紙を直径2mmに切り出したものを2枚、60MDP紙を直径2mmに切り出したもの1枚混入したもの、(3)セルロース、カルボキシメチルセルロースを加えないものを用意した。
また、EX Taqに対してはそれぞれの濃度で(1)60MDP紙を直径2mmに切り出したものを1枚混入したもの、(2)60MDP紙を直径1.2mmに切り出したものを2枚混入したもの、(3)セルロース、カルボキシメチルセルロースを加えないものを用意した。
使用した紙は実施例1と同様である。PCRサイクル、電気泳動条件は実施例1と同様である。結果を、KODを使用したものを図3aに、Ex Taqを使用したものを図3bに示す。図中のN.A.はポリエチレングリコールをPCR反応液に混入しないものを表す。
各濃度では図3aにおいては左側から(1)120MDP紙を直径2mmに切り出したもの3枚混入したもの、(2)120MDP紙を直径2mmに切り出したものを2枚、60MDP紙を直径2mmに切り出したもの1枚混入したもの、(3)セルロース、カルボキシメチルセルロースを加えないものの結果であり、図3bにおいては左側から(1)60MDP紙を直径2mmに切り出したものを1枚混入したもの、(2)60MDP紙を直径1.2mmに切り出したものを2枚混入したもの、(3)セルロース、カルボキシメチルセルロースを加えないものの結果である。
図3から分かるように、ポリエチレングリコールを添加しないものはセルロース、カルボキシメチルセルロースの影響で増幅が阻害された(N.A.(1)、(2))。同一条件で、セルロース、カルボキシメチルセルロースを加えない場合には、増幅が行われた(N.A.(3))。
これに対し、ポリエチレングリコールの添加により、核酸の増幅が行われる。例えば、KODを使用したものは、ポリエチレングリコールを加えたものは濃度が1%から5%で核酸の増幅が行われ、特に5%付近で最もよく増幅した。Ex Taqに関しても、濃度が10%から15%で増幅が行われており、特に15%付近で最もよく増幅した。
実施例4 トレハロースの核酸増幅反応における添加剤としての使用
以下、実施例4として狭義の糖類の例としてトレハロースを使用した例を示す。本実施例の目的は各酵素において夾雑物としてのセルロースおよびセルロース誘導体(本実施例ではカルボキシメチルセルロース)の核酸増幅阻害効果と、トレハロースの核酸増幅阻害の低減効果を合わせ見ることである。
PCR反応液の下記の表6の通りである。なお、トレハロースはFLUKA社製「D−トレハロース」を用いた。
PCR反応サイクルは実施例1と同様である。鋳型DNAは実施例1と同様のものを使用した。
トレハロースの添加量は終濃度が0M、0.2M、0.4M、0.6M、0.8Mとし、KODに対して(1)120MDP紙を直径2mmに切り出したもの3枚混入したもの、(2)120MDP紙を直径2mmに切り出したものを2枚、60MDP紙を直径2mmに切り出したもの1枚混入したもの、(3)セルロース、カルボキシメチルセルロースを加えないものを用意した。使用した紙は実施例1と同様である。
PCRサイクル、電気泳動条件は実施例1と同様である。結果を、KODを使用したものを図4に示す。図4中のN.A.はトレハロースをPCR反応液に混入しないものを表す。
図4から分かるように、トレハロースを添加しないものはセルロース、カルボキシメチルセルロースの影響で増幅が阻害された(N.A.(1)、(2))。同一条件で、セルロース、カルボキシメチルセルロースを加えない場合には、増幅が行われた(N.A.(3))。これに対し、トレハロースの添加により、いずれの濃度でも増幅が行われ、特に0.6M付近で最もよく増幅した。
実施例5 スクロースの核酸増幅反応における添加剤としての使用
以下、実施例5として狭義の糖類の例としてスクロースを使用した例を示す。本実施例の目的は各酵素において夾雑物としてのセルロースおよびセルロース誘導体(本実施例ではカルボキシメチルセルロース)の核酸増幅阻害効果と、スクロースの核酸増幅阻害の低減効果を合わせ見ることである。
PCR反応液の構成は下記の表7の通りである。なお、スクロースは和光純薬工業株式会社製を用いた。
PCR反応サイクルは実施例1と同様である。鋳型DNAは実施例1と同様のものを使用した。
スクロースの添加量は終濃度が0M、0.2M、0.4M、0.6M、0.8Mとし、KODに対して(1)120MDP紙を直径2mmに切り出したもの3枚混入したもの、(2)120MDP紙を直径2mmに切り出したものを2枚、60MDP紙を直径2mmに切り出したもの1枚混入したもの、(3)セルロース、カルボキシメチルセルロースを加えないものを用意した。使用した紙は実施例1と同様である。
PCRサイクル、電気泳動条件は実施例1と同様である。結果を、KODを使用したものを図5に示す。図5中のN.A.はスクロースをPCR反応液に混入しないものを表す。
図5から分かるように、スクロースを添加しないものはセルロース、カルボキシメチルセルロースの影響で増幅が阻害された(N.A.(1)、(2))。同一条件で、セルロース、カルボキシメチルセルロースを加えない場合には、増幅が行われた(N.A.(3))。これに対し、スクロースの添加により、いずれの濃度でも増幅が行われ、特に0.6M付近で最もよく増幅した。
実施例6 ソルビトールの核酸増幅反応における添加剤としての使用
以下、実施例6として多価アルコール類の例としてソルビトールを使用した例を示す。本実施例の目的は各酵素において夾雑物としてのセルロースおよびセルロース誘導体(本実施例ではカルボキシメチルセルロース)の核酸増幅阻害効果と、ソルビトールの核酸増幅阻害の低減効果を合わせ見ることである。
PCR反応液の構成は下記の表8の通りである。なお、ソルビトールはFLUKA社製「D−ソルビトール」を用いた。
PCR反応サイクルは実施例1と同様である。鋳型DNAは実施例1と同様のものを使用した。
ソルビトールの添加量は終濃度が0M、0.2M、0.4M、0.6M、0.8Mとし、KODに対して(1)120MDP紙を直径2mmに切り出したもの3枚混入したもの、(2)120MDP紙を直径2mmに切り出したものを2枚、60MDP紙を直径2mmに切り出したもの1枚混入したもの、(3)セルロース、カルボキシメチルセルロースを加えないものを用意した。使用した紙は実施例1と同様である。
PCRサイクル、電気泳動条件は実施例1と同様である。結果を、KODを使用したものを図6に示す。図6中のN.A.はソルビトールをPCR反応液に混入しないものを表す。
図6から分かるように、ソルビトールを添加しないものはセルロース、カルボキシメチルセルロースの影響で増幅が阻害された(N.A.(1)、(2))。同一条件で、セルロース、カルボキシメチルセルロースを加えない場合には、増幅が行われた(N.A.(3))。これに対し、ソルビトールの添加により、いずれの濃度でも増幅が行われ、特に0.8M付近で最もよく増幅した。
実施例7 ホルムアミドの核酸増幅反応における添加剤としての使用
以下、実施例7としてアミド類の例としてホルムアミドを使用した例を示す。本実施例の目的は各酵素において夾雑物としてのセルロースおよびセルロース誘導体(本実施例ではカルボキシメチルセルロース)の核酸増幅阻害効果と、ホルムアミドの核酸増幅阻害の低減効果を合わせ見ることである。
PCR反応液の構成は下記の表9及び表10の通りである。なお、ホルムアミドは和光純薬工業株式会社製を用いた。
PCR反応サイクルは実施例1と同様である。鋳型DNAは実施例1と同様のものを使用した。
ホルムアミドの添加量は終濃度が0%、0.6%、2.5%、10%、40%とし、KODに対して(1)120MDP紙を直径2mmに切り出したもの3枚混入したもの、(2)120MDP紙を直径2mmに切り出したものを2枚、60MDP紙を直径2mmに切り出したもの1枚混入したもの、(3)セルロース、カルボキシメチルセルロースを加えないものを用意した。
また、EX Taqに対してはそれぞれの濃度で(1)60MDP紙を直径2mmに切り出したものを1枚混入したもの、(2)60MDP紙を直径1.2mmに切り出したものを2枚混入したもの、(3)セルロース、カルボキシメチルセルロースを加えないものを用意した。使用した紙は実施例1と同様である。
PCRサイクル、電気泳動条件は実施例1と同様である。結果を、KODを使用したものを図7aに、Ex Taqを使用したものを図7bに示す。図7中のN.A.はホルムアミドをPCR反応液に混入しないものを表す。
各濃度では図7aにおいては左側から(1)120MDP紙を直径2mmに切り出したもの3枚混入したもの、(2)120MDP紙を直径2mmに切り出したものを2枚、60MDP紙を直径2mmに切り出したもの1枚混入したもの、(3)セルロース、カルボキシメチルセルロースを加えないものの結果であり、図7bにおいては左側から(1)60MDP紙を直径2mmに切り出したものを1枚混入したもの、(2)60MDP紙を直径1.2mmに切り出したものを2枚混入したもの、(3)セルロース、カルボキシメチルセルロースを加えないものの結果である。
図7から分かるように、ホルムアミドを添加しないものはセルロース、カルボキシメチルセルロースの影響で増幅が阻害された(N.A.(1)、(2))。同一条件で、セルロース、カルボキシメチルセルロースを加えない場合には、増幅が行われた(N.A.(3))。
これに対し、ホルムアミドの添加により、核酸の増幅が行われる。例えば、KODを使用したものは、ホルムアミド濃度が特に2.5%で核酸の増幅が行われた。Ex Taqに関しても濃度が特に2.5%で増幅が行われた。
実施例8 グルセリンの核酸増幅反応における添加剤としての使用
以下、実施例8として多価アルコール類の例としてグリセリンを使用した例を示す。本実施例の目的は各酵素において夾雑物としてのセルロースおよびセルロース誘導体(本実施例ではカルボキシメチルセルロース)の核酸増幅阻害効果と、グリセリンの核酸増幅阻害の低減効果を合わせ見ることである。
PCR反応液の構成は下記の表10の通りである。なお、グリセリンは和光純薬工業株式会社製を用いた。
PCR反応サイクルは実施例1と同様である。鋳型DNAは実施例1と同様のものを使用した。
グリセリンの添加量は終濃度が0%、5%、10%、20%、40%とし、KODに対して(1)120MDP紙を直径2mmに切り出したもの3枚混入したもの、(2)120MDP紙を直径2mmに切り出したものを2枚、60MDP紙を直径2mmに切り出したもの1枚混入したもの、(3)セルロース、カルボキシメチルセルロースを加えないものを用意した。使用した紙は実施例1と同様である。
PCRサイクル、電気泳動条件は実施例1と同様である。結果を、KODを使用したものを図8に示す。図8中のN.A.はグリセリンをPCR反応液に混入しないものを表す。
図8から分かるように、グルセリンを添加しないものはセルロース、カルボキシメチルセルロースの影響で増幅が阻害された(N.A.(1)、(2))。同一条件で、セルロース、カルボキシメチルセルロースを加えない場合には、増幅が行われた(N.A.(3))。これに対し、グルセリンの添加によりいずれの濃度でも増幅が行われ、特に、濃度が10%から20%で、中でも特に20%付近で最もよく増幅した。
実施例9 ショ糖脂肪酸エステルの核酸増幅反応における添加剤としての使用
以下、実施例9として非イオン性界面活性剤の例としてショ糖脂肪酸エステルを使用した例を示す。本実施例の目的は各酵素において夾雑物としてのセルロースおよびセルロース誘導体(本実施例ではカルボキシメチルセルロース)の核酸増幅阻害効果と、ショ糖脂肪酸エステルの核酸増幅阻害の低減効果を合わせ見ることである。
PCR反応液の構成は下記の表12の通りである。なお、ショ糖脂肪酸エステルは三菱化学フーズ株式会社製、商品名S−1670、HLB16を用いた。
PCR反応サイクルは実施例1と同様である。鋳型DNAは実施例1と同様のものを使用した。
ショ糖脂肪酸エステルの添加量は終濃度が0%、0.125%、0.25%、0.5%、1%とし、KODに対して(1)120MDP紙を直径2mmに切り出したもの3枚混入したもの、(2)120MDP紙を直径2mmに切り出したものを2枚、60MDP紙を直径2mmに切り出したもの1枚混入したもの、(3)セルロース、カルボキシメチルセルロースを加えないものを用意した。使用した紙は実施例1と同様である。
PCRサイクル、電気泳動条件は実施例1と同様である。結果を、KODを使用したものを図9に示す。図9中のN.A.はショ糖脂肪酸エステルをPCR反応液に混入しないものを表す。
図9から分かるように、ショ糖脂肪酸エステルを添加しないものはセルロース、カルボキシメチルセルロースの影響で増幅が阻害された(N.A.(1)、(2))。同一条件で、セルロース、カルボキシメチルセルロースを加えない場合には、増幅が行われた(N.A.(3))。これに対し、ショ糖脂肪酸エステルの添加によりいずれの濃度でも増幅が行われ、特に、濃度が0.125%から1%で、中でも特に1%付近で最もよく増幅した。
Tween20の核酸増幅反応における添加剤としての使用の効果を示す。 TritonX−100の核酸増幅反応における添加剤としての使用の効果を示す。 ポリエチレングリコールの核酸増幅反応における添加剤としての使用の効果を示す。 トレハロースの核酸増幅反応における添加剤としての使用の効果を示す。 スクロースの核酸増幅反応における添加剤としての使用の効果を示す。 ソルビトールの核酸増幅反応における添加剤としての使用の効果を示す。 ホルムアミドの核酸増幅反応における添加剤としての使用の効果を示す。 グルセリンの核酸増幅反応における添加剤としての使用の効果を示す。 ショ糖脂肪酸エステルの核酸増幅反応における添加剤としての使用の効果を示す。

Claims (28)

  1. 核酸、並びにセルロース、セルロース誘導体から選択される1種類又はそれより多くの夾雑物を含む試料を用いた核酸合成方法において、非イオン性界面活性剤、アミド類、及び広義の糖類からなるグループから選択される1種類又はそれより多くの添加剤を核酸合成反応液に添加することを含む、前記核酸合成方法。
  2. 添加剤により夾雑物による核酸合成反応への阻害効果が低減される、請求項1の方法。
  3. 非イオン性界面活性剤が、Tween20、TritonX−100又はショ糖脂肪酸エステルから選択される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. アミド類がホルムアミドである、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 広義の糖類が、狭義の糖類及び多価アルコール類から選択される、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 狭義の糖類が、トレハロース又はスクロースである、請求項5に記載の方法。
  7. 多価アルコール類がグリセリン又はソルビトールである、請求項5に記載の方法。
  8. 多価アルコール類がグリコール類である、請求項5に記載の方法。
  9. グリコール類がポリエチレングリコールである、請求項8に記載の方法。
  10. 下記(a)ないし(i)の1種類又はそれより多くの物質が、下記の終濃度で添加される、請求項1ないし7に添加される、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の方法;
    (a)Tween20:終濃度0.01%から5%;
    (b)TritonX−100:終濃度0.01%から5%;
    (c)ショ糖脂肪酸エステル:終濃度0.01%から5%;
    (d)ポリエチレングリコール:分子量1000から8000、終濃度は0.1%から20%;
    (e)トレハロース:終濃度0.01Mから1M;
    (f)スクロース:終濃度0.01Mから1M;
    (g)ソルビトール:終濃度0.01Mから1M;
    (h)ホルムアミド:終濃度0.01%から15%;又は
    (i)グリセリン:終濃度1%から30%。
  11. セルロース誘導体が、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース又はカルボキシプロピルメチルセルロースから選択される、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 核酸、並びにセルロース、セルロース誘導体から選択される1種類又はそれより多くの夾雑物を含む試料が、核酸ブックに由来する、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 核酸合成反応が、核酸の増幅反応、複製反応、転写反応又は逆転写反応である、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 核酸合成に用いる酵素が、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ又は逆転写酵素から選択される、請求項1ないし13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 核酸、並びにセルロース、セルロース誘導体から選択される1種類又はそれより多くの夾雑物を含む試料を用いた核酸合成方法における核酸合成反応液への添加剤であって、非イオン性界面活性剤、アミド類、及び広義の糖類からなるグループから選択される1種類又はそれより多くの物質を含む、前記添加剤。
  16. 夾雑物による核酸合成反応への阻害効果を低減するための、請求項15の添加剤。
  17. 非イオン性界面活性剤が、Tween20、TritonX−100又はショ糖脂肪酸エステルから選択される、請求項15又は16に記載の添加剤。
  18. アミド類がホルムアミドである、請求項15ないし17のいずれか1項に記載の添加剤。
  19. 広義の糖類が、狭義の糖類及び多価アルコール類から選択される、請求項15ないし18のいずれか1項に記載の添加剤。
  20. 狭義の糖類が、トレハロース又はスクロースである、請求項19に記載の添加剤。
  21. 多価アルコール類がグリセリン又はソルビトールである、請求項19に記載の添加剤。
  22. 多価アルコール類がグリコール類である、請求項19に記載の添加剤。
  23. グリコール類がポリエチレングリコールである、請求項22に記載の添加剤。
  24. 下記(a)ないし(i)の1種類又はそれより多くの物質を、下記の終濃度になるように含む、請求項15ないし23のいずれか1項に記載の添加剤;
    (a)Tween20:終濃度0.01%から5%;
    (b)TritonX−100:終濃度0.01%から5%;
    (c)ショ糖脂肪酸エステル:終濃度0.01%から5%;
    (d)ポリエチレングリコール:分子量1000から8000、終濃度は0.1%から20%;
    (e)トレハロース:終濃度0.01Mから1M;
    (f)スクロース:終濃度0.01Mから1M;
    (g)ソルビトール:終濃度0.01Mから1M;
    (h)ホルムアミド:終濃度0.01%から15%;又は
    (i)グリセリン:終濃度1%から30%。
  25. セルロース誘導体が、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース又はカルボキシプロピルメチルセルロースから選択される、請求項15ないし24のいずれか1項に記載の添加剤。
  26. 核酸、並びにセルロース、セルロース誘導体から選択される1種類又はそれより多くの夾雑物を含む試料が、核酸ブックに由来する、請求項15ないし25のいずれか1項に記載の添加剤。
  27. 核酸合成反応が、核酸の増幅反応、複製反応、転写反応又は逆転写反応である、請求項15ないし26のいずれか1項に記載の添加剤。
  28. 核酸合成に用いる酵素が、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ又は逆転写酵素から選択される、請求項15ないし27のいずれか1項に記載の添加剤。
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