JP2006510721A - 塗布後膨張性化粧料組成物及びその使用方法 - Google Patents

塗布後膨張性化粧料組成物及びその使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ケラチン繊維、好ましくは頭髪、眉毛及び睫毛の毛用の塗布後膨張性組成物を提供する。
【解決手段】1以上の界面活性剤、界面活性剤用溶媒、揮発性剤、フィルム形成剤及び所望により、着色剤、好ましくは顔料からなる組成物。

Description

本発明はケラチン繊維、好ましくは毛、より好ましくは頭皮の毛髪、眉毛及び睫毛、そして最も好ましくは睫毛用の塗布後膨張組成物に関する。組成物はその揮発性により毛に塗布された後で膨張する薬剤(揮発性剤)、フィルム形成剤及び、所望により、着色剤、好ましくは顔料を含む。本発明はまた本発明に従った塗布後膨張性組成物を塗布することによって頭皮の毛髪、眉毛又は睫毛にボリューム感を与える方法に関する。
本発明の前は、毛、特に睫毛にボリューム感を与えるためのパーソナルケア用品としてはファッションとしてマスカラを使用していた。即ち、所望のボリューム感又は膨張効果を得るためには被覆が適用されなければならなかった。マスカラ製品の種類及び消費者の好みによって、要求される処置の量は非常に広範囲となる。塊なしでボリューム感があるように見えるためには刷毛で多く塗る必要があることは明らかである。最近、一対の睫毛にマスカラを塗るためには平均で約10−20回刷毛塗りをする必要があることが観察されてきた。使用者及び所望のボリュームレベルにもよるが、この刷毛塗りの回数は2−4倍になることもある。女性は刷毛塗りの回数を少なくして、即ち操作を減らして、睫毛がより厚く見えるようにするか、又は同じ刷毛塗りの量で改良された厚さとなるマスカラ組成物を望んでいる。消費者、男性も女性も同様に、よりたっぷりした毛に見えるための製品を望んでいる。塗布後膨張性の組成物は文献公知である。例えば、特許文献1は安定な後発泡性髭剃り用ゲル形状の清浄剤又は化粧料組成物を開示している。開示されたゲルは静的周囲条件下で少なくとも約60秒間組成物の泡を実質上抑止するための十分に高い降伏値をもっている。特許文献1は、発明の目的は先行技術の組成物の望ましい性質に加え、実質上泡立たない安定なゲルとして押し出されることを特徴とする泡生成組成物を提供することであると述べている。ゲルを肌又は髭上に拡げると、ゲルはその後に生ずる泡を作り出す。発明の目的は顔の毛を剃り易いように肌面上に、インシツで、泡を提供することである。発明はまた洗浄のための局所用途にも有用であることが開示されている。さらに、もし望むなら染料のような着色剤を使用してもよいとしている。
特許文献2は後発泡ゲルの連続製造法と充填方法を開示している。その方法は水溶液石鹸成分と後発泡剤の別々に計量した量をそれらの緊密な混合物に形成するために混合することからなる。混合物をゲルを充填する充填機械に通す。その工程は加圧下の連続流システムで行われる。それらを充填する充填機械に系を通して連続的に流すことができるように後発泡ゲルを製造するのに十分な圧力及び温度で或る時間連続流システム内に混合物を保持する。
特許文献3はまた遅延発泡ゲルの製造と充填方法に関連している。開示された発明は充填ヘッド中でエマルジョンを形成しそれから容器に充填した後で遅延発泡性ゲルを形成する。
特許文献4は優れた発泡性と後感応的性質をもつ安定な髭剃りクリームゲルを開示している。ゲル構造に悪影響を与えない種々の相溶性添加剤を少量加えてもよい。着色剤はそのような目的に適した代表的な材料中に含まれる。染料D&Cイエロー番号10及びD&Cブルー番号1の組み合わせが実施例6−10で使用されている。しかしながらそれらは非常に低濃度で使用される。例えば、D&Cイエロー番号10染料の1%粉末の1.2%とD&Cブルー番号1染料の1%粉末の0.45%が実施例7で使用されている。
先行技術の後発泡組成物は顔の髭剃り用に使用されてきたがそしてそのような組成物は消費者がより喜ぶ組成物の色を与えるために少量の染料を含むが、そのような組成物はそれ以外の用途を見つけられなかった。
先行技術のマスカラ製品は所望のボリューム感を得るために多くの操作を必要とする。いくつかの先行技術の製品は高粘度又はペースト状で通常ワックス、高顔料充填及び揮発性物質を含んでいる。そのような先行技術の製品は揮発性シリコーン又は石油蒸留物のような揮発性物質を含んでいるが、揮発性物質は泡生成を促進する発泡剤としては作用しない。そのようなタイプのマスカラは操作しにくくそして結果として塊を防ぐために睫毛に適用するのに過剰な塗布を必要とする。他の先行技術の製品は低い粘度をもつ。それらはフィルム発泡剤を用いそして所望のボリュームレベルを達成するために多くの塗布を必要とする。全ての先行技術のマスカラの場合、その製品は睫毛に塗布後にボリュームの低下を経験する。これは製品を実際に縮ませることになる溶媒の蒸発による。本発明の組成物は先行技術のこれらの欠点を取り除く。本発明の組成物は塗布に手がかからずそして睫毛に塗布後速やかに実質上均一に実際驚くべきほどにボリュームを増大させる。本発明の組成物の性質は睫毛に塗布するのが容易でそれによって固まるのを防ぐことができる。
本発明は先行技術の遅延発泡組成物のような塗布後に膨張する組成物が驚くべきことにそして有利にケラチン質の繊維、特に頭皮の毛、眉毛又は睫毛の審美的外観を改良するために使用できることを見出した。
USP3,541,581 USP4,405,489 USP4,651,503 USP4,528,111
本発明の課題は頭皮の毛髪、眉毛及び睫毛のようなケラチン繊維に塗布するための組成物を提供することである。さらに本発明の課題は後発泡組成物のような塗布後に膨張する組成物を提供し、又頭皮の毛髪、眉毛及び睫毛のケラチン繊維にボリューム感及び/又は色を与えるためのそのような組成物の使用方法を提供することである。
本発明の組成物は界面活性剤、界面活性剤用の溶媒、フィルム形成剤及び頭皮の毛髪、眉毛及び睫毛のケラチン繊維に組成物を塗布後に膨張させる揮発性剤を含む。
フィルム形成剤は組成物がケラチン繊維に塗布された後でフィルムを形成するのに有効な量で存在する。代替としては、着色剤(好ましくは、顔料)は組成物がケラチン繊維に塗布された後で生成する泡の色を遮蔽するのに十分な量で存在する。好ましくは、フィルム形成剤と着色剤の両方とも存在することである。最も好ましくは、着色剤は組成物が塗布されるケラチン繊維に色を与えるに足る量で存在する。
その最も広範囲な形では、本発明は頭皮の毛髪、眉毛及び/又は睫毛のケラチン繊維に塗布するための化粧料として受け入れうる如何なる組成物をも含み、そこでは組成物はそのような繊維に塗布されたとき塗布時に又はその後の予め決められた時間後に膨張し、それからその膨張状態を固定し、繊維にボリューム感のような有益な性質を与える。
本発明の組成物により、頭皮の毛髪、眉毛及び睫毛のケラチン繊維にボリューム感及び/又は色を与えることができ、睫毛等の審美的外観を改良することができる。また本発明の組成物は塗るのが容易で固まるのを防ぐことができるので、塗る回数が少なくて済み、手間がかからない。
本発明の組成物は(i)揮発性剤、1以上の界面活性剤、及び界面活性剤用の溶媒からなる後発泡性成分及び(ii)フィルム形成剤又は着色剤から構成されている。好ましくは、本組成物は(i)揮発性剤と1以上の界面活性剤からなる後発泡性成分及び(ii)フィルム形成剤から構成される。より好ましくは、本組成物は(i)揮発性剤、1以上の界面活性剤、及び界面活性剤用の溶媒からなる後発泡性成分、(ii)フィルム形成剤及び(iii)着色剤、好ましくは、顔料から構成されている。
後発泡成分;
本発明の塗布後膨張性組成物の第一の必須成分は1以上の界面活性剤、界面活性剤用溶媒、及び界面活性剤を泡立たせる揮発性剤(発泡剤)からなる後発泡性成分である。
後発泡性組成物、特に後発泡性ゲル組成物は文献公知である。本発明の目的のためには、後発泡性組成物はその容器に調剤されるときは泡を発生せず、少なくとも2秒間大気に曝されると発泡する組成物である。しかしながら、後発泡性組成物は機械的処理及び/又は周囲温度より高い温度に曝されるとより早く発泡する。そのような後発泡性組成物もまた本発明の範囲内である。
ここで使用されるときは、用語“後膨張性”と“塗布後膨張性”とは同意語であることに注意すべきである。
如何なる化粧料として受け入れうる後発泡システムは本発明の塗布後膨張性組成物の調製に使用できることを理解すべきである。
特許文献5、特許文献1、特許文献6、特許文献2、特許文献4、特許文献3、特許文献7及び特許文献8は、限定はしないが好適な後発泡性ゲルの例である。特許文献1、特許文献4及び特許文献8の後発泡性ゲルが好ましい。特許文献1の後発泡性ゲルは本発明の後膨張性組成物の後発泡性成分として最も好ましい。組成物を容易に除去するためには、水で洗浄可能な後発泡性成分の使用が好ましい。
本発明の組成物が特許文献1に記載されているシステムに基づいているときは、換言すれば、本発明の組成物が本発明の組成物の後発泡性成分として特許文献1の後発泡性ゲルを利用するときは、本発明の組成物は(i)約30−約90重量%の水;(ii)アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤(双生イオン性界面活性剤を含む)及びそれらの混合物からなる群から選択される界面活性剤であり、水溶性の脂肪酸塩界面活性剤として使用される場合は約0.1−約25重量%の量で存在しそして界面活性剤が脂肪酸の水溶性塩以外のものが採用されるときは約0.1−約12.0重量%の量で存在する;脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、過ハロゲン化炭化水素(特にパーフルオロ炭化水素)、及びそれらの混合物からなる群から選ばれる約0.1−約15重量%の揮発性液体後発泡性物質(“揮発性剤”);(iv)約0.1−約0.8重量%の防カビ剤又は防腐剤;(v)約1−約30重量%のポリマーフィルム形成剤(本発明の開示で後で詳細に述べる);(vi)約0.5−15重量%の顔料(被覆した又は未被覆の顔料及びそれらの混合物を含む);(vii)約0.01−約5重量%の少なくとも1の水溶性ゲル化剤(それは組成物中に内包されているときに、静的周囲条件及び/又は機械的な操作、例えばマスカラ塗布器の組み合わせ下において少なくとも2秒、好ましくは5秒、そしてより好ましくは10秒間組成物が発泡するのを抑制するのに十分な降伏値をもつゲルを与える)からなる安定な後発泡性ゲル形態である。特許文献1の後発泡性ゲルに基づく本発明の組成物は本明細書の実施例1にさらに記載する。
特許文献1に従った後発泡性成分(界面活性剤、溶媒及び揮発性剤)の使用に焦点が当てられてきたが、早くから注目されているように、如何なる局所的に受け入れうる後発泡システムは本発明の組成物の後発泡性成分として採用可能である。例えば、特許文献4の後発泡性ゲル組成物又は特許文献8の自己発泡性ゲルは本発明の組成物の後発泡性成分として採用可能である。
特許文献4の後発泡性ゲルはまた本発明の組成物の後発泡性成分として好適である。特許文献4の後発泡システムは選択的アニオン性ポリマー、及び選択的カチオン性ポリマーのインターポリマーゲル反応生成物によって与えられる。このゲルは二つの反対電荷をもつ選択的ポリマーの急速なそして強い相互作用によって形成される水溶性のインターポリマーゲル反応生成物であり;四級カチオン性ポリマーは正電荷をもちそしてポリ(ジアリルジメチルクロライド−コ−アクリルアミド)及び四級アンモニウムセルロースエーテルポリマーからなる群から選ばれそして四級アニオン性ポリマーは負電荷をもちそしてポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)及びアルギン酸からなる群から選ばれる。アニオン性ポリマーの選択的グループとしては、ヘンケル社からポリマーHSP1180として15%水溶液として市販されているようなポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)及び水に不溶性で粉末として市販されている遊離酸形態のアルギン酸が包含される。典型的には、採用されるものは約0.05−5%、好ましくは0.1−1.0%のポリ(ジアリルジメチルクロライド−コ−アクリルアミド)及び四級アンモニウムセルロースエーテルポリマーからなる群から選ばれる四級カチオン性ポリマーの水溶性インターポリマーゲル反応生成物、そしてポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)及びアルギン酸からなる群から選ばれるアニオン性ポリマー;及び約55−94%の水である。
本発明の目的のために採用することのできるインターポリマーゲルの製造方法は前に述べた選択的アニオン性及び選択的カチオン性ポリマーを、塩、両性、アニオン性及びカチオン性化合物のような干渉成分を実質上含まない水溶液媒体中、高濃度で少なくとも1000rpmの速度で急速撹拌する方法である。水溶性インターポリマーゲルの製造で使用されるアニオン性ポリマーの選択的グループとしては、水溶性でそしてジメチルジアリルアンモニウムクロライドとアクリルアミドとのコポリマーであるポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−コ−アクリルアミド)であり、500,000以上の分子量をもち、そしてメルク社からMERQUAT550及びMERQUAT Sの名前で販売されており8%水溶液として入手可能である。
ポリカチオン性及びポリアニオン性物質のインターポリマー反応は不溶性沈殿物から水溶性及び水不溶性だが膨張性ゲルまでの範囲の反応生成物を与える。ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)(PSA)及びMERQUAT550の反応生成物は、それぞれの溶液は自由流動性があるのに対して、その流動性を失いそして7.5%PSAと4%MERQUAT550で透明なゲルを生成する。PSAとMERQUAT550のインターポリマーゲル反応生成物の生成のために必要な最小濃度は7.5%PSAと4%MERQUAT550である。水溶液反応混合物は両方の溶液の合計であり、3.75%のPSAと2%のMERQUAT550を含む。そのPSAとMERQUAT550の溶液粘度はそれぞれ400cpsと200cpsの粘度を示すが、ゲルは、1.89%のPSAと0.96%のMERQUAT550に希釈したときに、なお24,000cps以上の高粘度を示す。このゲルは7.5−15%のPSA溶液と4−8%のMERQUAT550溶液を激しく混合することによって調製される。ゆっくり撹拌すると、ゲル内に白い沈殿物を生ずる。混合前に二つの溶液をさらに希釈すると混合したときにまた白い沈殿物を生ずる。これは明らかにゲル構造を与えるためのイオン対形成量の最大値を得るためには二つの反対の電荷の速く且つ強い相互作用を必要とすることを示している。ゲルが水溶性か又は水不溶性であるかは緊密な又はゆるいイオン対の形成如何により、それはまた順番にその電荷密度と高分子電解質の構造による。
界面活性剤システム;
ここで前に述べたように、特許文献8の後発泡性ゲルは本発明の組成物の後発泡性成分として使用できる。
本発明の塗布後膨張性組成物に使用される後発泡性成分は1以上の界面活性剤及び界面活性剤用の溶媒、好ましくは、水又は水と1以上のアルコールとの混合物、最も好ましくは水からなる。界面活性剤はアニオン性界面活性剤、両性又は双生イオン界面活性剤又はそれらの混合物であることができる。
好ましくは、アニオン性界面活性剤は脂肪酸、好ましくはC10−C22脂肪酸の水溶性塩、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルキルモノグリセリルエーテルサルフェート、アルキルモノグリセライドサルフェート、アルキルモノグリセライドスルフォネート、アルキルスルフォネート、アルキルアリールスルフォネート、アルキルスルフォサクシネート、アルキルエーテルスルフォサクシネート、アルキルスルフォサクシネート、アルキルアミドスルフォサクシネート、アルキルカルボキシレート、アルキルアミドエーテルカルボキシレート、アルキルサクシネート、脂肪性アシルサルコシネート、脂肪性アシルアミノ酸、脂肪性アシルタウレート、脂肪性アルキルスルフォアセテート、アルキルフォスフェート、アルキルエーテルフォスフェート、及びそれらの混合物からなる群から選ばれるものである。
使用できる両性又は双生イオン界面活性剤の例としては両性カルボン酸塩、アルキルベタイン、アミドアルキルベタイン、アミドアルキルスルテイン、アンフォフォスフェート、フォスフォベタイン、ピロフォスフォベタイン、カルボキシアルキルアルキルポリアミン、アルキルアミノモノアセテート、アルキルアミノジアセテート、及びそれらの混合物を包含する。ベタイン界面活性剤が好ましい。コカミドプロピルベタインが最も好ましい。
本発明に有用な非イオン性界面活性剤の一種はポリオールエステルのポリオキシエチレン誘導体であり、ポリオールエステルのポリオキシエチレン誘導体(1)は(a)約8−約22、そして好ましくは約10−14炭素原子を含む脂肪酸、及び(b)ソルビトール、ソルビタン、グルコース、アルファ−メチルグルコサイド、分子当たり平均約1−約3のグルコース残基をもつポリグルコース、グリセリン、ペンタエリスリトール及びそれらの混合物から導かれ、(2)平均で約10−約120、そして好ましくは約20−約80のオキシエチレン単位を含み;そして(3)ポリオールエステルのポリオキシエチレン誘導体の分子当たり平均で約1−約3の脂肪酸残基をもっている。
ポリオールエステルのポリオキシエチレン誘導体の好ましい例としてはPEG−80ソルビタンラウレート及びポリソルベート20を包含する。PEG−80ソルビタンラウレートは平均約80モルのエチレンオキサイドでエトキシ化されたラウリル酸のソルビタンモノエステルであり、ウィルミントンのICI Surfactantsから商標名“ATLASG−4280”として市販されている。ポリソルベート20はソルビトールと約20モルのエチレンオキサイドで縮合させたソルビトール酸無水物の混合物のラウリル酸モノエステルで、ユニケマ社から商標名“TWEEN20”として市販されている。
好ましい非イオン性界面活性剤の別の一種は長鎖アルキルグルコシド又はポリグルコシドを含み、それらは(a)約6−約22の炭素原子、好ましくは約8−約14の炭素原子を含む長鎖アルコールと(b)グルコース又はグルコースを含むポリマーとの縮合生成物である。アルキルグルコシドはアルキルグルコシドのモル当たり約1−約6のグルコース残基をもつ。アルキルグルコシドは好ましい非イオン性界面活性剤である。好ましいアルキルグルコシドとしては、限定はしないが、オクチルグルコシド、デシルグルコシド、及びラウリルグルコシドを包含する。
使用される追加の非イオン性界面活性剤としては、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドコポリマー、(ポリ)グリセロールエステル及び脂肪酸、脂肪酸アルカノールアミド、アルコキシ化したモノ及びジ−アルカノールアミド、アミンオキサイド、エトキシ化した脂肪族アルコール及びエステル、脂肪酸サクロースエステル、エトキシ化したグルコシド、及び脂肪族グルコンアミドを包含する。
揮発性剤;
界面活性剤システムに加えて、後発泡性成分は後発泡を開始する揮発物又は発泡剤を含む。この目的のために好ましいものは約0℃−約100℃の温度で約0.5トール−約30,000トール、好ましくは約5.0トール−約5,000トール、そしてより好ましくは、約100トール−約2,500トールの蒸気圧をもつ揮発物又は発泡剤(ハロゲン化した又は非−ハロゲン化の、合成又は天然品の)である。
好ましい揮発性剤の例としては、限定はしないが、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、n−ブタン、イソブタン、イソブテン、シクロペンタン、ヘキサン、トリクロロトリフルオロエタン、1,2−ジクロロ、1,1,2,2−テトラフルオロエタン、ヒドロフルオロエーテル(例えば、メチルパーフルオロブチルエーテル/メチルパーフルオロイソブチルエーテル(CF−61、NOVEC−7100、3M社の製品)、エチルパーフルオロブチルエーテル/エチルパーフルオロイソブチルエーテル(CF−76、NOVEC HFE−7200、3M社の製品)、2−トリフルオロメチル−3−エトキシドデカフルオロヘキサン(NOVEC HFE−7500、3M社の製品)、メチルパーフルオロプロピルエーテル、及びそれらの混合物を包含する。その他の好ましい揮発性剤の例としては、限定はしないが、パーフルオロメチルシクロヘキサン、F2ケミカル社から商標名FlutecPP2、又はFlutecPC2として製造されている;パーフルオロメチルシクロペンタン、同社から商標名FlutecPC1Cとして市販されている;及びパーフルオロヘキサン及びパーフルオロジメチルシクロヘキサン、同社からそれぞれ商標名FlutecPC1及びFlutecPC3として市販されている;を包含する。パーフルオロジメチルシクロペンタン(分子量約350)もまた本発明に好適であると期待される。
フィルム形成剤;
本発明の塗布後膨張性組成物は好ましくはフィルム形成剤を含む。
フィルム形成剤は塗布後膨張性組成物が頭皮、眉毛又は睫毛の毛に塗布し後発泡性成分が発泡し始めるときにフィルム形成剤によって形成されたフィルムが泡の少なくとも一部で安定化し(より完全に下部に固定するように)本発明の組成物が塗布される毛の繊維にボリューム感を与えるに足る量で存在する。
フィルム形成剤は天然品でも合成品でもよい。フィルム形成用ワックスは文献公知であり単独で又は1以上の天然又は合成フィルム形成剤と組み合わせて使用することができる。合成フィルム形成剤は、例えば、アクリレートコポリマー及び/又はメタクリレートコポリマー、アクリルアミドコポリマー、及びそれらの混合物が特に好ましい。
使用できる水溶性フィルム形成剤は非特許文献1のモノグラフ27−33に示されている。特に好ましいフィルム形成剤としては(i)アクリルアミドコポリマー;例えば、アクリルアミド/DMAPAアクリレート/メトキシPEGメタクリレートコポリマー、アクリルアミド/アクリル酸ナトリウムコポリマー、アクリルアミド/アクリロイルジメチルラウリル酸ナトリウムコポリマー、アクリレート/アクリルアミドコポリマー、アクリレート/t−ブチルアクリルアミドコポリマー及び(ii)アクリレートコポリマー、例えば、BFグッドリッチ社のAVALURE AC115、AVALURE AC118、AVALURE AC120、AVALURE AC125、AVALURE AC210及びAVALURE AC315;LCW社のCOVACRYL A15及びCOVACRYL E14;大東化成社のDAITOSOL5000AD;アクリレート/C1−2サクシネート/ヒドロキシアクリレートコポリマー;アクリレート/ジメチコンコポリマー;アクリレート/ジメチコンメタクリレート/エチルヘキシルアクリレートコポリマー;アクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー;アクリレート/エチルヘキシルアクリレートコポリマー;アクリレート/エチルヘキシルアクリレート/HEMA/スチレンコポリマー;アクリレート/ヒドロキシエステルアクリレートコポリマー;アクリレート/ラウリルアクリレート/ステアリルアクリレート/エチルアミンオキサイドメタクリレートコポリマー;アクリレート/オクチルアクリルアミドコポリマー;アクリレート/プロピルトリメチコンメタクリレートコポリマー;アクリレート/ステアリルアクリレート/ジメチコンメタクリレートコポリマー;アクリレート/VPコポリマー;及びアクリレート/VP/ジメチルアミノエチルメタクリレート/ジアセトンアクリルアミド/ヒドロキシプロピルアクリレートコポリマーを包含する。ポリビニルアルコール及び水溶性のポリビニルエステルもまた使用可能である。
本発明で使用可能なより好ましいフィルム形成剤としては、アクリル酸ナトリウムコポリマー、アクリロジメチルタウリル酸ナトリウムコポリマー、エチルメタクリレート/N−ブチルアクリレート/2−メチルヘキシルアクリレートコポリマー、及びブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレートコポリマーが包含される。インターポリマー社のSYNTRANEX−100及びコーボープロダクツ社のDAITOSOL5000SJのようなポリマーブレンドもまた本発明の組成物中で合成ポリマーフィルム形成剤として使用可能である。
本発明の塗布後膨張性組成物が大部分水であるか又は大部分油であるかに拘わらず、適切なフィルム形成剤が使用できる。適切な事実としては、塗布後膨張性組成物がエマルジョンであるときは、水溶性フィルム形成剤、油溶性フィルム形成剤又は水溶性フィルム形成剤と油溶性フィルム形成剤が使用可能である。
塗布後膨張性組成物が大部分油(有機の又は合成のどちらか)であるときは、油溶性合成ポリマーがフィルム形成剤として使用可能である。好適な油溶性合成ポリマーとしては、例えば、ポリウレタン−1、ポリウレタン−2、ポリウレタン−3、ポリウレタン−4、ポリウレタン−5、ポリウレタン−6、ポリウレタン−17ポリウレタン−8、ポリウレタン−9、ポリウレタン−10、ポリウレタン−11、ポリエチレン、酸化したポリエチレン、ポリプロピレン、テトラメチルテトラフェニルトリシロキサン、トリコンタニルトリメチルペンタフェニルトリシロキサン、スチレン/MAコポリマー、スチレン/DVBコポリマー、種々の四級アンモニウム合成ポリマー、及びPVM/MAデカジエンクロスポリマーのようなクロスポリマーが包含される。
ポリビニルピロリドンコポリマーの種々の油溶性誘導体が使用でき、ポリビニルピロリドン/デセンコポリマー及びポリ(ビニルピロリドン/1−トリアコンテン)が好ましい。PVM/MAコポリマーのエチルエステルも同様に使用可能である。
水溶性ポリウレタン、例えば、EPQ30及びEPQ31(ジョンソンポリマーズ)及びポリエステルウレタンGK910(アルゾインターナチョナル社)もまたフィルム形成剤として使用できる。
好ましくは、フィルム形成剤は本発明の塗布後膨張性組成物中に塗布後膨張性組成物の合計重量基準で約1−50重量%、より好ましくは約5−約40重量%、最も好ましくは約8−約30重量%、そして所望により約10−約25重量%の濃度で存在する。
本発明の塗布後膨張性組成物が睫毛のような毛繊維に塗布されるときは、揮発性剤は界面活性剤と界面活性剤用の溶媒を開放しそして組成物を膨張させる。フィルム形成剤が固まるとき、それは睫毛上の膨張した組成物の少なくとも一部を膨張した状態で固定し、それによって睫毛にボリューム感を与える。
以下に議論するように、本発明の組成物は1以上のフィルム形成剤を含む顔料分散物を含む。顔料分散物が寄与するフィルム形成剤の量は塗布後膨張性組成物中のフィルム形成剤の合計量で考慮される。例えば、もし、塗布後膨張性組成物が顔料分散物の重量基準でフィルム形成剤のさらに40wt%を含む顔料分散剤を組成物の合計重量基準で50wt%含むなら、本発明の組成物は(顔料分散物の寄与により)組成物の重量基準でフィルム形成剤を20wt%もっていることになる。追加のフィルム形成剤を加えてもよい。しかしながら、コストの観点からは組成物の合計重量基準で約50wt%を超えないことが好ましい。
本発明は如何なる理論によっても束縛されることは望まないが、後発泡作用の過程ではフィルム形成剤は固まり、そして少なくとも泡の表面の一部にフィルム、好ましくは柔軟なフィルムを形成するか又は泡格子の堅さを増加させることのいずれかによって泡格子を固定するか又はシールすると考えられる。好ましくは、フィルムは泡表面の約50%以上、そしてより好ましくは泡表面の約75%以上を形成する。代わりに、フィルム形成剤は泡格子の堅さを約50%以上、そしてより好ましくは約75%以上増加させる。
本発明の組成物は毛繊維上に予め決められた時間、特に、少なくとも2時間、より好ましくは2−12時間保持することが望ましい。
本発明の組成物は毛髪、眉毛及び睫毛に塗布する化粧料組成物として好ましく使用されるので、フィルム形成剤は組成物を毛の繊維から水、薄い石鹸又は薄い化粧用クレンザーで取り除けるような種類及び量であることが好ましい。水洗浄性/リンス性が要求されないところでは、水溶性でないフィルム形成剤ももちろん使用可能である。
着色剤;
本発明の塗布後膨張性組成物の所望による成分は着色剤、好ましくは顔料である。
本発明の新規な化粧用組成物は透明でも又は着色していてもよい。好ましくは、睫毛に塗布されるときは、それは着色されている。先行技術の後発泡性ゲルは着色剤を組成物に望ましい外観を与えるための任意成分として含んでいた。本発明の組成物は、所望により、泡の色を遮蔽するに足る1以上の着色剤を内包し、それは通常白色であるが、本発明の組成物が毛に塗布されるときに白以外の色を与えるようにする。当然のことながら、白い毛の場合は着色剤は使用する必要がない。本発明の組成物が、例えば泡の色を遮蔽し組成物で処理したケラチン繊維に色を与えるに足る量の顔料を含むときは本発明の組成物はマスカラ、毛にボリューム感を与える染料又は着色剤又は眉毛組成物等々として使用することができる。
事実上、着色剤、好ましくは顔料のレベルは着色剤の存在しない毛に生じた泡の色を実質上変える(好ましくは遮蔽する)程度に多く使用できる。好ましくは着色剤、好ましくは、顔料は塗布される毛繊維に色を与えるのに十分な量で存在する。本発明の塗布後膨張性組成物は一般的に塗布後膨張性組成物の合計重量基準で約0.5−約30重量%、好ましくは約1−約15重量%、そしてより好ましくは約2−10重量%の着色剤、好ましくは顔料を含む。
このように、本発明の塗布後膨張性組成物は好ましくは、一成分として、好ましくはフィルム形成剤ポリマーである1以上のフィルム形成剤を含む着色剤、好ましくは顔料、最も好ましくは顔料分散物を含む。顔料分散物は、フィルム形成能力を付与する微細に分散した、塊のない、色溶液と会合する物理的特性のために好ましいものである。特に好ましい材料は、その作用が良好なので、コーボープロダクツ社から市販されているWSJ24BAMP材料である。この材料は水(43−50重量%);エチルメタクリレート/N−ブチルアクリレート/2−メチルヘキシルアクリレートコポリマー(25−30重量%);鉄II、III酸化物(22−26重量%);アクリロールジメチルタウリル酸ナトリウムコポリマー(0.1−5重量%);2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(0.1−5重量%);及び、所望により、防腐剤ブレンド物(0.1−1重量%)から構成されている。粉末顔料(鉄II、III酸化物)を使用してもよくそして、適切な水溶性ポリマー状フィルム形成剤と結合し適切に分散するときに、望ましい効果を発揮する。WSJ24BAMP、この好ましい材料は、一般的には塗布後膨張性組成物の重量基準で約5−約50重量%の量で使用される。約0.5−約30重量%の顔料の代わりに、塗布後膨張性組成物はポリマー状フィルム形成剤、顔料、乳化剤及びその他の補助剤からなる顔料分散物の約0.5−90重量%を含むことができることは理解しておくべきである。
所望による成分;
本発明の塗布後膨張性組成物は所望により、組成物の性能にその有益な効果の実現を阻害するような悪影響を及ぼさない限り、化粧料で典型的に使用される成分を含むことができる。そのような付加成分としては、例えば、ビタミン、抗酸化剤、防腐剤、染料、固定剤、整形剤及び添加剤を包含する。
化粧料組成物;
本発明は塗布されるときに発泡するか又は特定のボリュームに膨張する自己発泡性組成物を提供する。一回の塗布は単に所望のボリューム感を達成するために2−6回刷毛塗りするだけでよい。最も望ましくは、組成物を睫毛に塗布しそして組成物が泡の自然の色を遮蔽するのに十分な量の顔料を含みそしてボリューム効果によって組成物を塗布した睫毛にふっくらした外観を与えるマスカラとして使用できるような色を与えることである。
本発明の組成物はゲル、クリーム、エマルジョン、低又は高粘度液体又は半固体として調合できることは理解されるべきである。
本発明の組成物は加圧系で又は、長期間の貯蔵安定性が要求されない場合は、非−加圧系でパッケージすることができる。加圧系の場合には、エアロゾル貯蔵器中に好適にパッケージされる。
以下の実施例は単に本発明をさらに説明するためになされたものであって、如何なる点でも発明を限定する意図でなされたものではない。特に断りのない限りここで使用される全てのパーセントは塗布後膨張性組成物の合計重量基準での重量%である。
以下に示す実施例1から12は後発泡作用を生じさせるために発泡剤を使用しそして加圧貯蔵溶器中での貯蔵を必要とする塗布後膨張性組成物について説明する。
本発明に従った特に好ましいマスカラ調合のための一般的な処方は以下の実施例1に示される。
実施例1:
本発明の化粧料組成物が特許文献1に記載の後発泡性成分を使用する場合は、塗布後膨張性組成物は以下のものを含む:
1.泡立つ性質を与える溶媒又は溶解用成分は、フィルム形成剤と相溶性がありそして安定なゲルの製造を可能にする。水、脱イオン水、蒸留水が溶解用成分として好ましい。それは組成物の合計重量基準で約30−約90重量%の範囲で使用される。組成物が頭皮の毛髪に使用される場合は、溶解用成分はアルコール又は1以上のアルコールと水との混合物とすることができることは理解すべきである。
2.C10−C22脂肪酸の、例えば、アンモニア、低分子量アミン、特にアルカノールアミン及び特にナトリウム及びカリウムのようなアルカリ金属を使用したアルカリ加水分解によって調製される水溶性石鹸成分。好ましくは、水溶性成分は高分子量脂肪酸(C10−C22)のナトリウム、カリウム及びトリメタノールアミン塩から選ばれる。パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ミリスチル酸、パーム油及びココナッツ油脂肪酸が好ましい。さらに、ベタイン及びスルテインが、発泡作用を起こすように又は単に発泡を促進させるように単独又は前述の脂肪酸のナトリウム、カリウム及びトリメタノールアミン塩と組み合わせて使用することができる。典型的には、水溶性石鹸成分は組成物の合計重量基準で約0.1−約25重量%の濃度で存在する。
3.合成スクロース誘導体(カルボマーのような)、セルロースガム(ヒドロキシエチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースのような)及び天然の親水性コロイド(カラギーナンのような)から選ばれる水溶性の増粘又はゲル化成分。水溶性増粘剤又はゲル化剤は、厚みの選択にもよるが、一般的には組成物の合計重量基準で約0.1−約5重量%の濃度で使用される。
4.組成物の合計重量基準で約1−約50重量%の濃度のフィルム形成剤。
5.後発泡を開始させるための揮発性剤又は発泡剤。
6.着色剤は所望により組成物の合計重量基準で約1−約70重量%の量で含まれる。着色剤は好ましくは顔料であり、最も好ましくは顔料分散物である。
7.所望により防腐剤が含まれる。NIPASTAT、GERMABEN II、LIQUAPAR OIL、及びLIQUAPAR PEは使用できる防腐剤系の例である。それらは一般的にはカビの成長を阻害するに足る濃度で使用される。好ましくは組成物の合計重量基準で約0.1−約0.8重量%の量で存在する。
実施例2:
Figure 2006510721
実施例3−9:
Figure 2006510721
実施例10:
毛(睫毛以外)のボリューム化用製品;
Figure 2006510721
実施例11:
典型的な製造方法;
本発明に従った組成物は以下の一般的手順に従って作られる。その方法は使用される方法を例証するために特定の調合を使用するが、本発明のその他の組成物も同様にして調製できる。
Figure 2006510721
実施例12:
典型的な製造方法;
本発明に従った組成物は以下の一般的手順に従って作られる。その方法は使用される方法を例証するために特定の調合を使用するが、本発明のその他の組成物も同様にして調製できる。
Figure 2006510721
実施例13:
本発明の組成物の機能を以下の手段によって評価する。
一対の人工睫毛、好ましくは殺菌した100%人毛から作られたもの(例としてはARDELL FASION LASHES#117として市販されている)をMORITEX I SCOPE USBビデオ顕微鏡のプラットフォームにマウントする。顕微鏡はそれを固定するために環状スタンドにマウントされている。MORITEX I SCOPE USBのような30倍レンズを装備した顕微鏡装置を使用することが好ましい。
主題の組成物をそれからマスカラ組成物を普段睫毛に塗布するやり方で通常のマスカラ用刷毛で睫毛に導入する。組成物が睫毛の上に沈積した前後で写真を撮る。さらに、組成物を塗布する前から泡又は膨張が止まるまでビデオ撮影することもできる。
実施例2から12のマスカラ組成物は上記のやり方でテストされるとき表面積に明らかな変化を示す。即ち、塗布後膨張性組成物を睫毛に塗布するとその組成物は膨張し始めて組成物の放射状物が睫毛を覆い約3−4分間で睫毛の外観のしっかり感が増加してくることが観察される。3−4分間でこれが終了すると、本発明の組成物はこの増加した放射状形状を保持する。この表面積の増加は顕微鏡でまた人の目でも同様に認められる。さらに、その増加した放射状形状においてさえも組成物は睫毛の柔軟性を保持している。
本発明者は本発明の作用を理論化することによってそれに拘束されることは望まないが、その作用効果は以下のようなものと考えられる。本発明の組成物が、例えば、睫毛に塗布されると、組成物中のフィルム形成剤が固まり始める。組成物は、その点でかなり弾性的で膨張するフィルムを生ずる泡を発生し始める。フィルムはそれから固まりそしてその中に泡を取り込むのに十分なほど堅いが、その組成物が塗布された睫毛の繊維が引き続き柔軟性を維持するに十分なだけの弾性を保持している。十分に弾性的なフィルムによって取り込まれた泡材料は睫毛のボリューム感を与える作用をする。
本発明の組成物はカスカラの形態で利用されるときは必要となる刷毛塗りの回数が少なくなり手間も非常に少なくなる。例えば、先行技術のマスカラ製品を睫毛に塗布するときは14回以上の刷毛塗りが必要となるのに対して典型的には3−5回の刷毛塗りで十分である。さらに、先行技術のマスカラ組成物と違って、本発明の組成物は更なる塗布を行わないでも望ましいボリューム感を作り出す。
本発明の組成物は毛のボリューム感を出すために使用することができそして、その結果として、頭の毛、眉毛及び睫毛の毛に使用することができる。前述のように、ボリューム感を出すために使用されるときは顔料のような着色剤と共に又はなしで使用することができる。白い頭髪に使用されるときは、着色剤は必要としない。しかしながら、灰色又は白以外の毛に使用されるときは、顔料のような着色剤が一般には本発明の組成物に含まれる。取り込まれた泡の色を遮蔽するために十分な着色剤又は顔料を使用すべきであり、好ましくは毛の繊維に決められた所望の量の色を与えるためには十分な量の着色剤を使用すべきである。
本発明はまた本発明の組成物を毛に塗布することからなる頭髪、眉毛又は睫毛の毛にボリューム感を与える方法を含む。
本発明の塗布後膨張性組成物は、折りたたみ式金属管及びバリアータイプのエアゾール容器を含む商業的に利用可能な多くの種類の容器に充填できる。もしエアゾール容器が使用されるときは、塗布後膨張性組成物は容器内のバッグ、ダイア不ラム又はピストンのような押し出し手段とは隔離された容器内に保持されることが好ましい。この押し出し機構は組成物の成分である揮発性(発泡性)剤で問題を起こさないようにすべきである。もしダイアフラム又はピストンが使用される場合はスプリングのような押し出し機構又は機械的な力で駆動することができる。
本発明に従った組成物は、例えば、特許文献5、特許文献1、特許文献6、特許文献2、特許文献4、特許文献3、特許文献7及び特許文献8に記載されている充填システムに充填することができる。
これまでの記述は本発明における幾つかの態様の単なる例証であることを認識すべきである。種々の変更や修正は熟練した当業者であれば本発明から逸脱しないで容易に考案できるであろう。従って、本発明はそのような変更、修正及び差異は本発明の特許請求の範囲に記載された範囲内に含まれることを意図するものである。
USP2,995,521 USP3,654,167 USP6,165,456 US2002/0122772A1 International Cosmetic Ibgredient Dictionary and Handbook,9thEd.(2002)
本発明はケラチン繊維、好ましくは毛、より好ましくは頭皮の毛髪、眉毛及び睫毛、そして最も好ましくは睫毛用の審美的外観を改良するための塗布後膨張組成物として有用である。

Claims (50)

  1. 少なくとも1の界面活性剤、界面活性剤用溶媒、界面活性剤及び溶媒を相互作用させて毛の上に泡を生成させそれによって膨張した組成物を形成するに足る量の揮発性剤及びフィルム形成剤からなり、フィルム形成剤が組成物を毛に塗布後にフィルムを形成しそしてフィルムが固定したときに膨張した組成物の少なくとも一部を固定するに足る量で存在することを特徴とする頭皮、眉毛又は睫毛の毛に塗布するための塗布後膨張する化粧料として受け入れうる組成物。
  2. 少なくとも1の界面活性剤、界面活性剤用溶媒、毛に塗布後に組成物を膨張させるに足る量の揮発性剤及びフィルム形成剤からなり、フィルム形成剤がフィルムを形成しそしてフィルムが固定したときに膨張した組成物の少なくとも一部を固定するに足る量で存在することを特徴とする頭皮、眉毛又は睫毛の毛に塗布するための塗布後膨張する化粧料として受け入れうる組成物。
  3. 組成物が組成物の合計重量基準でフィルム形成剤を約1−約50重量%含む請求項2記載の組成物。
  4. 組成物が組成物の合計重量基準でフィルム形成剤を約5−約40重量%含む請求項2記載の組成物。
  5. 組成物が組成物の合計重量基準でフィルム形成剤を約8−約30重量%含む請求項2記載の組成物。
  6. 組成物が組成物の合計重量基準でフィルム形成剤を約10−約25重量%含む請求項2記載の組成物。
  7. フィルム形成剤がポリマーである請求項2記載の組成物。
  8. フィルム形成剤がコポリマーである請求項2記載の組成物。
  9. フィルム形成剤がアクリレートコポリマー、メタクリレートコポリマー、アクリルアミドコポリマー、及びそれらの混合物からなる群から選ばれるものである請求項8記載の組成物。
  10. 組成物が着色剤を含む請求項2記載の組成物。
  11. 着色剤が白以外の色を毛に与えるのに十分な量で存在する請求項10記載の組成物。
  12. 着色剤が顔料である請求項10記載の組成物。
  13. 顔料が組成物をマスカラとして好適にするような量で存在する請求項12記載の組成物。
  14. 顔料が顔料分散物である請求項12記載の組成物。
  15. 顔料分散物が水、酸化鉄及び第二のフィルム形成剤を含む請求項14記載の組成物。
  16. 組成物が水可溶性の増粘剤を含む請求項12記載の組成物。
  17. 水可溶性の増粘剤が合成スクロース誘導体、セルロースガム及び親水性コロイドからなる群から選ばれるものである請求項16記載の組成物。
  18. 組成物が水でリンス可能な請求項2記載の組成物。
  19. 組成物が水リンス抵抗性をもつ請求項2記載の組成物。
  20. 組成物がゲル、エマルジョン又は半固体形状である請求項2記載の組成物。
  21. 組成物がインターポリマーゲル反応生成物に基づくゲルである請求項2記載の組成物。
  22. 組成物が約0.05−約5%のインターポリマーゲル反応生成物を含む請求項21記載の組成物。
  23. インターポリマーゲル反応生成物が四級カチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーから形成されている請求項21記載の組成物。
  24. 組成物がアニオン性界面活性剤を含む請求項2記載の組成物。
  25. アニオン性界面活性剤がC10−C22脂肪酸の水溶性塩、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルキルモノグリセリルエーテルサルフェート、アルキルモノグリセライドサルフェート、アルキルモノグリセライドスルフォネート、アルキルスルフォネート、アルキルアリールスルフォネート、アルキルスルフォサクシネート、アルキルエーテルスルフォサクシネート、アルキルスルフォサクシネート、アルキルアミドスルフォサクシネート、アルキルカルボキシレート、アルキルアミドエーテルカルボキシレート、アルキルサクシネート、脂肪性アシルサルコシネート、脂肪性アシルアミノ酸、脂肪性アシルタウレート、脂肪性アルキルスルフォアセテート、アルキルフォスフェート、アルキルエーテルフォスフェート、及びそれらの混合物からなる群から選ばれるものである請求項24記載の組成物。
  26. 10−C22脂肪酸の水溶性塩がパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸、パーム油及びココナッツ油の脂肪酸の各ナトリウム塩、カリウム塩、及びトリエタノールアミン塩及びそれらの混合物からなる群から選ばれるものである請求項25記載の組成物。
  27. 組成物が両性又は双生イオン性界面活性剤を含む請求項2記載の組成物。
  28. 両性又は双生イオン界面活性剤が両性カルボン酸塩、アルキルベタイン、アミドアルキルベタイン、アミドアルキルスルテイン、アンフォフォスフェート、フォスフォベタイン、ピロフォスフォベタイン、カルボキシアルキルアルキルポリアミン、アルキルアミノモノアセテート、アルキルアミノジアセテート、及びそれらの混合物からなる群から選ばれるものである請求項27記載の組成物。
  29. 組成物が非イオン性界面活性剤を含む請求項2記載の組成物。
  30. 非イオン性界面活性剤がポリオールエステルのポリオキシエチレン誘導体である請求項29記載の組成物。
  31. 揮発性剤が、約0℃−約100℃の温度で約0.5トール−約30,000トールの蒸気圧をもつ請求項2記載の組成物。
  32. 蒸気圧が約5.0トール−約5,000トールである請求項2記載の組成物。
  33. 蒸気圧が約100トール−約2,500トールである請求項2記載の組成物。
  34. 揮発性剤がn−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、n−ブタン、イソブタン、イソブテン、シクロペンタン、ヘキサン、トリクロロトリフルオロエタン、1,2−ジクロロ、1,1,2,2−テトラフルオロエタン、ヒドロフルオロエーテル、及びそれらの混合物からなる群から選ばれるものである請求項2記載の組成物。
  35. 毛を請求項2記載の組成物でその効果を得るのに十分な時間接触させる工程からなる頭皮、眉毛又は睫毛の毛にボリューム感を与えるための方法。
  36. フィルム形成剤、界面活性剤、界面活性剤用溶媒、及び揮発性剤からなり、フィルム形成剤が組成物を毛の繊維に塗布した後で揮発性剤と界面活性剤との相互作用によって形成される少なくとも一部の泡を取り込むようなフィルムを形成するのに足る量で存在することを特徴とする後膨張性組成物。
  37. 揮発性剤が、約0℃−約100℃の温度で約0.5トール−約30,000トールの蒸気圧をもつ請求項36記載の組成物。
  38. 蒸気圧が約5.0トール−約5,000トールである請求項37記載の組成物。
  39. 蒸気圧が約100トール−約2,500トールである請求項37記載の組成物。
  40. 揮発性剤がn−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、n−ブタン、イソブタン、イソブテン、シクロペンタン、ヘキサン、トリクロロトリフルオロエタン、1,2−ジクロロ、1,1,2,2−テトラフルオロエタン、ヒドロフルオロエーテル、及びそれらの混合物からなる群から選ばれるものである請求項36記載の組成物。
  41. 毛が睫毛である請求項36記載の組成物。
  42. 組成物が、着色剤が存在しない場合に睫毛に与える色を遮蔽するのに十分な量の着色剤を含む請求項41記載の組成物。
  43. 着色剤が顔料でありそしてそれが顔料の色に近い色を睫毛に与えるのに十分な量で存在する請求項42記載の組成物。
  44. (i)少なくとも1の界面活性剤、(ii)界面活性剤用溶媒、(iii)界面活性剤及び溶媒と相互作用を起こしてマスカラ組成物を組成物が睫毛に塗布した後に膨張させる揮発性剤、及び(iv)少なくとも膨張した組成物の一部を取り込みそして固定時に組成物の少なくとも一部を膨張した状態に維持しそれによって塗布された睫毛にボリューム感を与えるフィルムを形成するに足る量のフィルム形成剤を組成物中に含むことを特徴とする改良されたマスカラ組成物。
  45. 少なくとも1の界面活性剤、界面活性剤用溶媒及び組成物を毛に塗布した後で、界面活性剤及び溶媒を泡立たせる揮発性剤からなる後発泡性組成物において、毛に色を与えるに足る量の着色剤を組成物中に含むことを特徴とする改良された後発泡性組成物。
  46. 毛が頭皮、眉毛又は睫毛の毛である請求項45記載の組成物。
  47. 着色剤が顔料である請求項45記載の組成物。
  48. フィルム形成剤が固定するとき少なくとも一部の泡を取り込み、それによって組成物を膨張状態に維持しそして毛にボリューム感を与えるに足る量のフィルム形成剤をさらに組成物中に含む改良がなされている請求項45記載の組成物。
  49. 少なくとも1の界面活性剤、界面活性剤用溶媒、界面活性剤及び溶媒を相互作用させて毛の上に泡を生成させ毛の上の組成物の放射形状を増大させるに足る量の揮発性剤及び毛に塗布された組成物の少なくとも一部の増大した放射形状を固定するに足る量のフィルム形成剤からなることを特徴とする頭皮、眉毛又は睫毛の毛に塗布するための塗布後膨張する化粧料として受け入れうる組成物。
  50. 少なくとも1の界面活性剤、界面活性剤用溶媒、界面活性剤及び溶媒を相互作用させて毛の上に泡格子を生成させ毛の上の組成物の放射形状を増大させるに足る量の揮発性剤及び泡格子の少なくとも一部をその場で固定しそれによって毛にボリューム感を与えるに足る量のフィルム形成剤からなることを特徴とする頭皮、眉毛又は睫毛の毛に塗布するための塗布後膨張する化粧料として受け入れうる組成物。
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