JPH07101833A

JPH07101833A - 毛髪化粧料

Info

Publication number: JPH07101833A
Application number: JP26969093A
Authority: JP
Inventors: Yuko Shiomi; 祐子塩見; Nobunori Fujiwara; 延規藤原
Original assignee: MANDAMU KK
Current assignee: MANDAMU KK
Priority date: 1993-09-30
Filing date: 1993-09-30
Publication date: 1995-04-18
Anticipated expiration: 2013-05-13
Also published as: JP2750807B2

Abstract

(57)【要約】【構成】一般式１（化１）にて示されるモノグリセラ
イド型アニオン性界面活性剤と、一般式２（化２）にて
示される分子量５０００以上のシリコーンとが必須成分
として含有されてなる毛髪化粧料。【効果】施用後の毛髪になめらか感やしっとりとした
良好な仕上がり感を付与できる等、コンディショニング
性に優れ、且つ頭皮や毛髪に対する安全性が高い。【化１】〔但し、式中Ｒ₁は炭素数８〜２０の飽和又は不飽和の
アルキル基又はアルキルフェニル基であり、ＸはＯＳＯ
₃Ｙ、ＰＯＰ₃Ｙ又はＯ₂ＰＯ₂Ｙ（Ｙは水素原子、ア
ルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基又はア
ルカノールアミン基のいずれか）を示す。〕【化２】

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は毛髪化粧料に係り、そ
の目的は、ヘアスプレー、ヘアブロー、泡状整髪料等の
形態で毛髪に施用され、施用後の毛髪になめらか感やし
っとりとした仕上がり感等の良好なコンディショニング
性を付与することができ、しかも頭皮や毛髪に対する安
全性が高い毛髪用化粧料を提供することにある。

【０００２】

【従来の技術】昨今、若い世代から中年世代に至る幅広
い世代層の人々に、パーマネントウェーブやヘアダイ等
が広く普及している。一方、近年、若い世代を中心に朝
・夜といった日に二度の過度の洗髪行為が常習化されて
くるようにもなっている。このような情勢下において、
人々の毛髪は、枝毛・切れ毛・裂毛等を起こしてしまい
やすくなっており、毛髪自体が損傷しやすい傾向にあ
る。一般にパーマネントウェーブ処理後の毛髪やヘアダ
イ処理後の毛髪には、使用される処理剤の影響によりな
めらか感や潤いが失われ、ぱさぱさとした固い感触が生
じやすい状態となることが多い。また、繰り返される洗
髪により、毛髪が過度に脱脂されてしまい、表面に光沢
がなくなったり、きしみ感が生じて櫛通りが悪くなって
しまう場合が多い。このような毛髪の損傷やダメージを
防ぐために、通常は、洗髪やパーマネントウェーブ施術
後の毛髪に保護、調整を目的とした毛髪用コンディショ
ニング剤が施用されることが多い。

【０００３】この毛髪用コンディショニング剤として
は、主としてジアルキルジメチルアンモニウムクロライ
ドやアルキルトリメチルアンモニウムクロライドで代表
される第４級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤
を主剤とし、これに動植物油や炭化水素油等の油分を添
加した配合のものが一般的に普及している。このような
コンディショニング剤は、カチオン性界面活性剤の吸着
作用、或いは油分の被膜形成作用等により、毛髪に柔軟
性や、自然な光沢、水分等を付与し、乾燥後の毛髪に滑
らかで、櫛通り性の良い仕上がり感を演出することを目
的としたものであった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記第
４級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤には、毛
髪に対するコンディショニング効果が高いという反面、
殺菌性が強く、毛髪や頭皮に対する刺激性が強いことが
知られており、安全性に問題があるという課題が存在し
た。また、動植物油や炭化水素油等の油分においても、
毛髪表面に被膜を形成して、柔軟性や光沢性を与えるこ
とができる反面、このような効果を充分に発現させるだ
けの量を使用すると、乾燥後の毛髪にべたつき感を与
え、重い仕上がり感になってしまうといった課題が存在
した。そこで、業界では、施用後の毛髪にべたつき感を
与えることなく、良好ななめらかさを付与し、風合いの
良い仕上がり感を演出することができるなどコンディシ
ョニング性に優れ、しかも頭皮や毛髪に対する安全性が
高い毛髪化粧料の創出が望まれていた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明では、一般式３
（化３）にて示されるモノグリセライド型アニオン性界
面活性剤と、一般式４（化４）にて示される分子量５０
００以上のシリコーンとが必須成分として含有されてな
ることを特徴とする毛髪化粧料を提供することにより、
前記従来の課題を悉く解消する。

【化３】〔但し、式中Ｒ₁は炭素数８〜２０の飽和又は不飽和の
アルキル基又はアルキルフェニル基であり、ＸはＯＳＯ
₃Ｙ、ＯＰＯ₂Ｙ又はＯＰＯ₂Ｙ（Ｙは水素原子、アル
カリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基又はアル
カノールアミン基のうちのいずれか）を示す。〕

【化４】

【０００６】

【作用】モノグリセライド型アニオン性界面活性を配合
することによって、従来のカチオン性界面活性剤と比べ
ると毛髪や頭皮に対する刺激性が軽減され、頭皮や毛髪
に対する安全性が高くなる。また、前記モノグリセライ
ド型アニオン性界面活性を、特定の分子量を有するシリ
コーンと併用して用いることにより、乾燥後の毛髪に、
なめらかでしっとりとした良好な風合いを与えることが
できる。

【０００７】

【発明の構成】以下、この発明に係る毛髪化粧料の構成
について詳述する。この発明においては、一般式５（化
５）で示されるモノグリセライド型アニオン性界面活性
剤が必須成分の一つとして使用される。

【化５】〔但し、式中Ｒ₁は炭素数８〜２０の飽和又は不飽和の
アルキル基又はアルキルフェニル基であり、ＸはＯＳＯ
₃Ｙ、ＯＰＯ₂Ｙ又はＯＰＯ₂Ｙ（Ｙは水素原子、アル
カリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基又はアル
カノールアミン基のうちのいずれか）を示す。〕

【０００８】このモノグリセライド型アニオン性界面活
性剤としては、具体的にステアリルグリセリル硫酸ナト
リウム、セチルグリセリル硫酸ナトリウム、ラウロイル
グリセリル硫酸ナトリウム、パルミトイルグリセリル硫
酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸グリセリル硫酸ナトリウ
ム、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリル硫酸ナトリウム、ステ
アリルグリセリル硫酸トリエタノールアミン、ラウロイ
ルグリセリル硫酸カリウム、パルミトイルグリセリルリ
ン酸ナトリウム、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリルリン酸ナ
トリウム等が好適な実施例として例示されるが、特に限
定されるものではない。

【０００９】この発明では、上記したようなモノグリセ
ライド型アニオン性界面活性剤を必須成分として、後述
する特定分子量のシリコーンと併用して用いることによ
り、安全性が高く、且つ乾燥後の毛髪にべたつき感のな
い、良好ななめらかさやしっとり感を付与することがで
きる。このようなモノグリセライド型アニオン性界面活
性剤は、毛髪化粧料の全成分量に対して０．１〜５重量
％、より好ましくは０．２〜２重量％配合される。この
理由は、配合量が０．１重量％未満であると、この発明
の目的とする毛髪へのコンディショニング効果が充分に
発現されず、一方、５重量％を超えて配合されると、毛
髪に対する蛋白変性率が高くなり、安全性に問題が生じ
るため、いずれの場合も好ましくないからである。

【００１０】また、前記モノグリセライド型アニオン界
面活性剤とともに、この発明においては、一般式６（化
６）で示される分子量５０００以上のシリコーンも必須
成分として使用される。

【化６】

【００１１】ここで特にシリコーンの分子量を５０００
以上とした理由は、シリコーンの分子量が５０００未満
では、乾燥後の毛髪に充分ななめらか感を付与すること
ができず好ましくないからである。しかも、分子量が５
０００以上のシリコーンを、前記モノグリセライド型ア
ニオン性界面活性剤と併用することにより、毛髪に対し
てべたつき感を与えず、良好なコンディショニング性を
付与することができるとの、この発明者らの実験的知得
に基づくからである。このようなシリコーンとしては、
ジメチルポリシロキサンが好適な実施例として例示され
るが特に限定はされない。

【００１２】前記したような分子量が５０００以上のシ
リコーンは、毛髪化粧料の全成分量に対し、０．１〜１
０重量％、より好ましくは０．５〜５％配合される。こ
の理由は、シリコーンの配合量が０．１％未満では、乾
燥後の毛髪に充分ななめらか感を付与することができ
ず、一方、１０重量％を超えて配合されると施用後の毛
髪に滑らかさがなくなり、毛髪にべたつきが生じ、重い
仕上がり感となってしまうため、いずれの場合も好まし
くないからである。

【００１３】以上のようなモノグリセライド型アニオン
性界面活性剤と、分子量５０００以上のシリコーンとが
必須成分として配合される毛髪用化粧料は、その系とし
て、溶液系、均一分散系、不均一分散系等のいずれの系
にも調製することができる。また、この毛髪用化粧料の
剤型としても特に限定はされず、ローション型、クリー
ム型或いは泡状のムース型等の型状に適宜任意に調製す
ることができ、製品型状としても、スプレー型又はディ
スペンサー型等に調製することができる。

【００１４】尚、この発明では、前記必須成分以外に、
この発明の効果や系を損なわない範囲で、通常の毛髪用
化粧料として使用される公知の成分、すなわち、アルコ
ール、多価アルコール、水溶性高分子、酸化防止剤、ｐ
Ｈ調整剤、紫外線防止剤、金属イオン封鎖剤、増粘剤、
界面活性剤、香料、防腐剤、抗菌剤、油剤、高級脂肪
酸、脂肪酸エステル、保湿剤、清涼剤、色素、各種ビタ
ミン類、動植物抽出成分等を目的に応じて適宜任意に配
合することが可能である。

【００１５】

【処方例】以下、処方例を挙げることにより、この発明
に係る毛髪用化粧料の具体的事例を挙げるが、この発明
は以下の処方例により何ら限定されるものはない。

【００１６】（処方例１）泡状のヘアートリートメント（噴射タイプ）重量％（中身液）硬化ヤシ油脂肪酸グリセリル硫酸ナトリウム０．８（日光ケミカルズ（株）製：ＳＧＣ−８０Ｎ）ジメチルポリシロキサン（分子量約80000) ５．０ 50％エマルション（東レ・ダウコーニング（株）製：ＢＹ２２−０２９）ジメチルシロキサン・メチル（ポリオキシエチレン）０．５シロキサン共重合体（東レ・ダウコーニング（株）製：ＳＨ３７７１Ｃ）ポリオキシエチレン（２）ラウリルエーテル０．２ポリエチレングリコール１５００１．０９９°変性アルコール５．０メチルパラベン０．１香料０．１精製水残部上記（中身液）に対して、窒素ガス、ＬＰＧガス（２０
℃での蒸気圧が４．０Ｋｇ／ｃｍ²）とをそれぞれ以下
のように配合して、噴射タイプの泡状ヘアートリートメ
ントを調製した。重量％（中身液）９０．０ＬＰＧ１０．０１００．０

【００１７】（処方例２）ヘアブロー重量％硬化ヤシ油脂肪酸グリセリル硫酸ナトリウム０．４（日光ケミカルズ（株）製：ＳＧＣ−８０Ｎ）ジメチルポリシロキサン（分子量約80000) ３．０ 50％エマルション（東レ・ダウコーニング（株）製：ＢＹ２２−０２９）ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油（ＥＯ６０）０．１パントテニルアルコール０．５１，３−ブチレングリコール１．０９９°変性アルコール１０．０メチルパラベン０．１香料０．１精製水残部１００．０

【００１８】

【実施例】以下、この発明に係る毛髪化粧料を実施例、
比較例、試験例を挙げることにより、一層詳細に説明す
る。但し、この発明は以下の実施例により何ら限定され
ることはない。（実施例１及び比較例１〜５）モノグリセライド型アニ
オン性界面活性剤として硬化ヤシ油グリセリル硫酸塩
を、またシリコーンとして分子量が約１０００のもの又
は８００００以上のものとをそれぞれ用いて、表１に示
す処方に従って実施例１及び比較例１〜５の毛髪用化粧
料を調製した。

【表１】

【００１９】

【試験例】前記実施例１及び比較例１〜５で調製された
毛髪用化粧料を用いて、以下に示す水分保持能、毛
髪のなめらか感、蛋白変性の各項目について試験し
た。この結果をまとめて表２に示す。

【表２】

【００２０】（１）毛髪水分保持能約１ｇ、約11cmの毛束に、前記実施例１及び比較例１〜
５で得られた毛髪化粧料をそれぞれ0.25g ずつ塗布して
乾燥させた後、アクアチェッカー（ビヤンテットアクア
チェッカー HC1000 ／ファインコスメティック（株）
製）を用いて、毛髪の水分量を測定した。水分量が１０
％以下であるものを×、１１〜１２％の範囲内であるも
のを△、１３％以上であるものを〇と評価した。

【００２１】（２）毛髪のなめらか感約１g 、約11cmの毛束を用い、この毛束に前記実施例１
及び比較例１〜５で得られた毛髪化粧料をそれぞれ0.25
g ずつ塗布し、毛髪を乾燥させたものについて測定を行
なった。尚、水のみで同様に処理した毛束についても同
様に平均摩擦係数を測定し、それぞれの摩擦係数の比を
変化量として表し、評価の指標とした。変化量＝実施例及び比較例の化粧料での処理毛の平均摩
擦係数／水で処理した毛髪の平均摩擦係数変化量の値が０．８５未満のものを〇、０．９５〜０．
８５のものを△、０．９５以上のものを×とした。

【００２２】（３）蛋白変性試験（刺激性試験）０．０２５％の卵白アルブミンを含むｐＨ６の緩衝液１
０ｍｌに、前記実施例１及び比較例１〜５で得られた毛
髪化粧料を１０％濃度に希釈した化粧料水溶液を０．５
ｍｌ加え、２５℃で２５時間放置した後、高速液体クロ
マトグラフィーにより卵白アルブミンのピーク面積（２
２０ｎｍ）を求め、卵白アルブミン変性率を以下の式か
ら算出した。Ａo ；毛髪化粧料水溶液の代わりに精製水を加えた場合
の卵白アルブミンのピーク面積Ａs ；毛髪化粧料水溶液を加えた場合の卵白アルブミン
のピーク面積得られた蛋白変性率の値が５０％以上のものを×、２５
〜５０％のものを△、２５未満のものを〇と評価した。

【００２３】表２の結果から明らかな如く、モノグリセ
ライド型アニオン性界面活性剤及び分子量５０００以上
のシリコーンを全く配合しない毛髪用化粧料（比較例
１）では、毛髪の水分保持能やなめらか感が悪いという
ことが判る。また、分子量５０００以上のシリコーンを
配合しても、モノグリセライド型アニオン性界面活性剤
の代わりにカチオン界面活性剤を配合した毛髪化粧料
（比較例３）では、蛋白変性率が高く、しかも毛髪の水
分保持能が悪いことが判る。モノグリセライド型アニオ
ン性界面活性剤を配合しても、分子量５０００以上のシ
リコーンを配合しない毛髪化粧料（比較例２）では、毛
髪に与えるなめらか感が充分ではないことが判る。ま
た、モノグリセライド型アニオン性界面活性剤と分子量
５０００以上のシリコーンとを配合しても、モノグリセ
ライド型アニオン性界面活性剤の配合量が少ない毛髪化
粧料（比較例４）では、毛髪の水分保持能や、与えるな
めらか感が充分ではないことが判る。一方、モノグリセ
ライド型アニオン性界面活性剤の配合量が多い毛髪用化
粧料（比較例５）では、毛髪に与えるなめらか感が充分
ではなく、しかも蛋白変性率も低くはなく、刺激性に不
安があるということが判る。

【００２４】

【発明の効果】以上詳述した如く、この発明は一般式７
（化７）にて示されるモノグリセライド型アニオン性界
面活性剤と、一般式８（化８）にて示される分子量５０
００以上のシリコーンとが必須成分として含有されてな
ることを特徴とする毛髪化粧料であるから、前記実施例
の結果からも明らかな如く、毛髪に対して充分な水分を
保持させ、しかも乾燥後の毛髪に良好ななめらか感を与
えるなど、優れたコンディショニング効果を与えること
ができ、そのうえ頭皮や毛髪に対する安全性が極めて高
い優れた毛髪化粧料となる効果を奏する。

【化７】〔但し、式中Ｒ₁は炭素数８〜２０の飽和又は不飽和の
アルキル基又はアルキルフェニル基であり、ＸはＯＳＯ
₃Ｙ、ＯＰＯ₂Ｙ又はＯＰＯ₂Ｙ（Ｙは水素原子、アル
カリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基又はアル
カノールアミン基のうちのいずれか）を示す。〕

【化８】

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】一般式１（化１）にて示されるモノグリ
セライド型アニオン性界面活性剤と、一般式２（化２）
にて示される分子量５０００以上のシリコーンとが必須
成分として含有されてなることを特徴とする毛髪化粧
料。【化１】〔但し、式中Ｒ₁は炭素数８〜２０の飽和又は不飽和の
アルキル基又はアルキルフェニル基であり、ＸはＯＳＯ
₃Ｙ、ＯＰＯ₂Ｙ又はＯＰＯ₂Ｙ（Ｙは水素原子、アル
カリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基又はアル
カノールアミン基のうちのいずれか）を示す。〕【化２】