JP2006348232A - ポリウレタン接着剤及び貼り合わせ型光メディアの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 溶融したときに適度な粘性を有し、かつ硬化後に優れた接着性および高い弾性率を有するポリウレタン接着剤及び該ポリウレタン接着剤を用いる貼合わせ型光メディアの製造方法を提供する。
【解決手段】 融点が90℃以上、130℃以下、かつ数平均分子量が1000〜5000の範囲にある結晶性ポリオール(A)20〜90重量部と、融点が50℃以上、90℃未満、かつ数平均分子量が1000〜5000の範囲にある結晶性ポリオール(B)10〜80重量部とを含むポリオールに、ジイソシアネートを反応してなるウレタンプレポリマーを含有する、ポリウレタン接着剤。
【選択図】 なし
【解決手段】 融点が90℃以上、130℃以下、かつ数平均分子量が1000〜5000の範囲にある結晶性ポリオール(A)20〜90重量部と、融点が50℃以上、90℃未満、かつ数平均分子量が1000〜5000の範囲にある結晶性ポリオール(B)10〜80重量部とを含むポリオールに、ジイソシアネートを反応してなるウレタンプレポリマーを含有する、ポリウレタン接着剤。
【選択図】 なし
Description
本発明は、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有するポリウレタン接着剤及び該ポリウレタン接着剤を用いる貼り合わせ型光メディアの製造方法に関し、より詳細には、溶融したときに適度な粘性を有し、かつ硬化後に優れた接着性および高い弾性率を有するポリウレタン接着剤及び該ポリウレタン接着剤を用いる貼り合わせ型光メディアの製造方法に関する。
ウレタンプレポリマーを主成分とするポリウレタン接着剤には、接着する際の固化速度が速いこと、接着性に優れていること、および硬化後に耐熱性などに優れていることが求められている。
しかしながら、一般的なポリウレタン接着剤では、高温下において、接着剤の結晶性の低下等に起因して、接着剤の性状が変化することがある。この場合、高温下において、紙などのガラス転移温度の低いポリマーからなる被着体に、ポリウレタン接着剤を平滑に塗布できず、接着性に劣ることがあった。
そこで、高温下におけるポリウレタン接着剤の結晶性の低下等を抑制し、被着体に塗布するときの作業性を向上する種々の試みがなされている。
下記特許文献1には、(1)コハク酸を主成分とする酸成分とジオールとから得られるポリエステルポリオール、及び(2)アジピン酸を主成分とする酸成分とジオール成分とから得られるポリエステルポリオール及び/又はフタル酸を主成分とする酸成分とジオールとから得られるポリエステルポリオールと、(3)ポリイソシアネートとを用いて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを主成分とする反応性ホットメルト接着剤が示されている。特許文献1に記載の反応性ホットメルト接着剤では、ポリエステルポリオール(1)の好ましい融点が70℃以上とされており、ポリエステルポリオール(2)の好ましい融点が70℃以下とされている。
特開2003−277717号公報
特許文献1に記載の反応性ホットメルト接着剤では、被着体に塗布するとき、すなわち接着剤が溶融した状態における作業性が向上されている。そして、接着剤が塗布された被着体が張り合わされた後には、接着剤は速やかに固化する。さらに、硬化後の反応性ホットメルト接着剤は、機械的強度および耐熱性が優れているとされている。
しかしながら、特許文献1に記載の反応性ホットメルト接着剤では、配合される成分によっては、溶融粘度が高すぎることがあった。溶融粘度が高すぎると、被着体に塗布するときの作業性に劣り、接着剤を被着体に平滑に塗布し難かった。また、反応性ホットメルト接着剤には非結晶性ポリオールが含まれているため、高温下において、硬化後に弾性率などの物性に劣ることがあった。特に、反応性ホットメルト接着剤が電子部品に用いられた場合には、電子部品が晒される80〜90℃において、硬化後の接着剤の弾性率が低くなりがちであった。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、溶融したときに適度な粘性を有し、かつ硬化後に優れた接着性および高い弾性率を有するポリウレタン接着剤及び該ポリウレタン接着剤を用いる貼合わせ型光メディアの製造方法を提供することにある。
本発明に係るポリウレタン接着剤は、融点が90℃以上、130℃以下、かつ数平均分子量が1000〜5000の範囲にある結晶性ポリオール(A)20〜90重量部と、融点が50℃以上、90℃未満、かつ数平均分子量が1000〜5000の範囲にある結晶性ポリオール(B)10〜80重量部とを含むポリオールに、ジイソシアネートを反応してなるウレタンプレポリマーを含有することを特徴とする。
本発明に係るポリウレタン接着剤のある特定の局面では、120℃における溶融粘度は、5000〜50000mPa・sの範囲にある。
本発明に係るポリウレタン接着剤の他の特定の局面では、120℃に加熱されて溶融した状態から、常温下で25℃まで冷却された後に、60秒以内に結晶固化する。
本発明に係るポリウレタン接着剤のさらに他の特定の局面では、硬化後の80℃における弾性率は108Pa以上である。
本発明に係る貼り合わせ型光メディアの製造方法は、本発明に従って構成されたポリウレタン接着剤を介して、一対の光メディアを貼り合わせることを特徴とする。
本発明に係るポリウレタン接着剤は、融点が90℃以上、130℃以下、かつ数平均分子量が1000〜5000の範囲にある結晶性ポリオール(A)20〜90重量部と、融点が50℃以上、90℃未満、かつ数平均分子量が1000〜5000の範囲にある結晶性ポリオール(B)10〜80重量部とを含むポリオールに、ジイソシアネートを反応してなるウレタンプレポリマーを含有するため、溶融したときに適度な粘性を有し、かつ硬化後に優れた接着性および高い弾性率を有する。
120℃における溶融粘度が、5000〜50000mPa・sの範囲にある場合には、塗工性に優れ、接着剤を被着体に平滑に塗布することができ、貼り合わせの際の作業性を高めることができる。
120℃に加熱されて溶融した状態から、常温下で25℃まで冷却された後に、60秒以内に結晶固化する場合には、貼り付けられた後の仮止め効果が向上し、生産性を高めることができる。
硬化後の80℃における弾性率は108Pa以上である場合には、耐熱性を高めることができる。また、本発明のポリウレタン接着剤が電子部品等に用いられ、80℃の高温に晒されても、弾性率が低下し難い。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明のポリウレタン接着剤に含まれるウレタンプレポリマーとは、分子末端に水酸基を有し、特定の融点を有する結晶性ポリオールと、分子末端にイソシアネート基を有するジイソシアネートとの付加反応により得られる末端にイソシアネート基を有する化合物の総称である。
本発明では、上記分子末端に水酸基を有し、特定の融点を有する結晶性ポリオールとして、融点が90℃以上、130℃以下、かつ数平均分子量が1000〜5000の範囲にある結晶性ポリオール(A)20〜90重量部と、融点が50℃以上、90℃未満、かつ数平均分子量が1000〜5000の範囲にある結晶性ポリオール(B)10〜80重量部とが用いられる。
上記結晶性ポリオール(A)の融点が90℃より低いと硬化物の高温時の弾性率が低くなり、130℃より高いと溶融及びイソシアネートとの反応が困難となる。上記結晶性ポリオール(A)の数平均分子量が1000より小さいとイソシアネートと反応させた後の結晶性が低くなり、5000より大きいと溶融粘度が高くなる。
上記結晶性ポリオール(B)の融点が50℃より低いと高温時の弾性率が低くなり、融点が90℃以上であると高粘度となる。上記結晶性ポリオール(B)の数平均分子量が1000より小さいとイソシアネートと反応させた後の結晶性が低くなり、5000より大きいと溶融粘度が高くなる。
上記結晶性ポリオール(A)及び結晶性ポリオール(B)は、冷却されたときに結晶化する。上記結晶性ポリオール(A)及び結晶性ポリオール(B)は、加熱されて溶融したときに透明であることが好ましい。
上記結晶性ポリオール(A)及び結晶性ポリオール(B)としては、従来よりポリウレタンの製造に用いられているポリオールを使用することができる。ポリオールの具体例としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアルキレンポリオール、またはポリカーボネート等が挙げられる。
上記ポリエステルポリオールとしては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタル酸、2,6−ナフタル酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピクリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸、ドデカメチレンジカルボン酸などのジカルボン酸等の多価カルボン酸と、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオール等のポリオールとの反応により得られるポリエステルポリオールが挙げられる。さらに、ε−カプロラクタムを開環重合して得られるポリ−ε−カプロラクトンポリオールが挙げられる。
上記ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、またはポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
上記ポリアルキレンポリオールとしては、ポリブタジエンポリオール、水素化ポリブタジエンポリオール、水素化ポリイソプレンポリオール等が挙げられる。
上記ポリカーボネートポリオールとしては、ポリヘキサメチレンカーボネートポリオール、ポリシクロヘキサンジメチレンカーボネートポリオール等が挙げられる。
上記ポリオールは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記結晶性ポリオール(A)及び結晶性ポリオール(B)に加えて、融点が90℃以下である非結晶性のポリオールを配合することも可能であるが、硬化後のポリウレタン接着剤の80℃における弾性率を108Pa以上とするために、非結晶性のポリオールの配合量を限定する必要がある。
上記ジイソシアネートとしては、例えばトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートの液状変性物、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、シクロヘキサンフェニレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート等が挙げられる。これらのジイソシアネートのうち、20℃における蒸気圧が1×10-5mmHg以下であり、毒性が低く、取扱性に優れていることからジフェニルメタンジイソシアネートおよびその変性物が好ましい。
本発明のポリウレタン接着剤に含まれるウレタンプレポリマーは、上記結晶性ポリオール(A)及び結晶性ポリオール(B)に、上記ジイソシアネートを反応させて得ることができる。
上記結晶性ポリオール(A)及び結晶性ポリオール(B)と上記ジイソシアネートとの反応は、例えば以下のようにして行われる。
120℃でポリオールを加熱溶融し、減圧脱水を行う。次にジイソシアネートを投入し、100℃で1時間反応させた後、減圧脱泡を行う。このようにして、ウレタンプレポリマーが得られる。
ジイソシアネートは、上記結晶性ポリオール(A)及び結晶性ポリオール(B)の合計の水酸基価に対してNCO当量/OH当量として2.0〜2.5の範囲で配合されることが好ましい。NCO当量/OH当量として2.0より少ないと充分に反応が進行しないことがあり、NCO当量/OH当量として2.5より多いと結晶性が低下することがある。
本発明のポリウレタン接着剤組成物には、必要に応じてウレタンプレポリマーと非相溶である熱可塑性樹脂を添加してもよい。ウレタンプレポリマーと非相溶である熱可塑性樹脂としては、例えばSBS(スチレン−ブタジエン−スチレン)共重合体、SIS(スチレン−イソプレレン−スチレン)共重合体、SEBS(スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン)共重合体、SEPS(スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン)共重合体等の熱可塑性ゴムやポリプロピレン、ポリエチレン、α−オレフィン共重合体等のポリオレフィン樹脂などが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂が添加されると、硬化後のポリウレタン接着剤の強度を高めることができる。また、熱可塑性樹脂が添加されると、ポリウレタン接着剤の融点を、ホットメルト型接着剤として使用可能な温度に近づけることができる。よって、融点もしくは軟化点が低いウレタンプレポリマーに、これらの熱可塑性樹脂を添加することにより、ポリウレタン接着剤にホットメルト性を付与することができる。ただし、これらの熱可塑性樹脂はいずれもウレタンプレポリマーと非相溶であるため、熱可塑性樹脂が多量に添加されると、ポリウレタン接着剤の接着性が低下するおそれがあるため、少量配合することが好ましい。
本発明のポリウレタン接着剤には必要に応じて、パラフィンワックスもしくはマイクロクリスタリンワックス等のワックス類、無機及び有機充填剤、または3級アミンや有機金属化合物等の湿気硬化反応触媒が添加されてもよい。
本発明のポリウレタン接着剤には、必要に応じて、例えば増粘剤、ホットメルト性付与樹脂、軟化剤または流動性付与剤等が添加されてもよい。
上記増粘剤、ホットメルト性付与樹脂、軟化剤または流動性付与剤としては、活性水素基を持たず、数平均分子量300〜10000である低分子量極性ポリマーからなる樹脂が挙げられる。活性水素基を持たない樹脂とは、ウレタンプレポリマーのイソシアネート基と反応する官能基を持たない樹脂のことである。活性水素基を持たない樹脂としては、例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基を持たない樹脂が挙げられ、具体的には、末端がエステル化されたポリエステル樹脂やアクリル樹脂、末端がアルキル化されたポリエーテルポリオール等が挙げられる。
上記増粘剤、ホットメルト性付与樹脂、軟化剤または流動性付与剤が、数平均分子量が300〜10000である低分子量極性ポリマーである場合には、溶剤や汎用されている可塑剤などに比べて揮発性が低い。よって、数平均分子量が300〜10000である低分子量極性ポリマーが含まれるポリウレタン接着剤では、低分子量極性ポリマーの揮発によるポリウレタン接着剤の性状の変化が生じ難い。
上記増粘剤、ホットメルト性付与樹脂、軟化剤または流動性付与剤が、数平均分子量が300〜10000である低分子量極性ポリマーである場合には、ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂とは異なり、低分子量極性ポリマーはウレタンプレポリマーに溶解し易い。よって、低分子量極性ポリマーを本発明のポリウレタン接着剤に多量に添加しても、ポリウレタン接着剤の接着性は低下し難い。
本発明のポリウレタン接着剤を液状とする場合には、上記低分子量極性ポリマーを増粘剤若しくは流動性付与剤として含ませることが好ましい。
溶融温度において、ウレタンプレポリマーよりも粘度が高い液状、半固形状、または固形状である樹脂などは、ポリウレタン接着剤に含まれると増粘剤として機能する。溶融温度において、ウレタンプレポリマーよりも粘度が低い液状樹脂は、ポリウレタン接着剤に含まれると流動性付与剤として機能する。
一方、本発明のポリウレタン接着剤をホットメルト型接着剤とする場合には、上記低分子量極性ポリマーをホットメルト性付与樹脂若しくは軟化剤として含ませることが好ましい。
ホットメルト型接着剤として溶融させる温度において、ウレタンプレポリマーよりも粘度が高い樹脂は、ポリウレタン接着剤に含まれるとホットメルト性付与樹脂として機能する。ホットメルト型接着剤として溶融させる温度において、ウレタンプレポリマーよりも粘度が低い樹脂は、ポリウレタン接着剤に含まれると軟化剤として機能する。これらの樹脂は、ポリウレタン接着剤を溶融させる温度において、溶融状態となる樹脂であれば、常温(明細書中、常温とは25℃とする)で液状、半固形状、固形状のいずれの性状の樹脂であってもよい。
本発明のポリウレタン接着剤が流動性の高い固形状、あるいは粘度の高いウレタンポリマーを含み、このウレタンポリマーに対して、活性水素基を持たない樹脂からなる軟化剤若しくは流動性付与剤が多量に添加されると、ポリウレタン接着剤の粘度の上昇を抑えつつ、ポリウレタン接着剤に残留するジイソシアネートを希釈することができる。すなわち、軟化剤若しくは流動性付与剤が多量に添加された場合でも、ポリウレタン接着剤として適度な粘度を維持することができ、さらに、ポリウレタン接着剤に残留するジイソシアネートを低濃度とすることができる。
本発明のポリウレタン接着剤が流動性の低い液状のウレタンポリマーを含み、このウレタンポリマーに、活性水素基を持たない樹脂からなる増粘剤若しくはホットメルト性付与樹脂が多量に添加されると、ポリウレタン接着剤の粘度の上昇を抑えつつ、ポリウレタン接着剤に残留するジイソシアネートを希釈することができる。すなわち、増粘剤若しくはホットメルト性付与樹脂が多量に添加された場合でも、ポリウレタン接着剤として適度な粘度を維持することができ、さらに、ポリウレタン接着剤に残留するジイソシアネートを低濃度とすることができる。
本発明のポリウレタン接着剤が、適度な粘度を有するウレタンプレポリマーを含む場合には、軟化剤と増粘剤とを添加することにより、ポリウレタン接着剤として適度な粘度を維持しつつジイソシアネートを希釈することができる。
本発明のポリウレタン接着剤は、室温では固体であり、湿気により架橋反応が進行し硬化する。ポリウレタン接着剤に主成分として含有されるウレタンプレポリマーは、分子鎖中にウレタン結合を有し、分子末端には反応性の高いイソシアネート基を有している。使用時には加熱溶融させ流動性を付与させた状態で使用する。
本発明のポリウレタン接着剤では、溶融された後にはウレタンプレポリマーが有するイソシアネート基が大気中の湿気によって活性化され、ウレタンプレポリマー同士が架橋して、有機溶剤に対する難溶性の成分、例えばゲル成分などを多く含む硬化物となる。
本発明に係るポリウレタン接着剤では、硬化前の120℃における溶融粘度が、5000〜50000mPa・sの範囲にあることが好ましい。溶融粘度が5000mPa・sより低いと塗工厚の制御が困難なことがあり、50000mPa・sより高いと塗工が困難になることがある。
本発明に係るポリウレタン接着剤では、120℃に加熱されて溶融した状態から、常温下で25℃まで冷却された後に、60秒以内に結晶固化することが好ましい。結晶固化するまでに60秒を超える時間を要すると、生産性が悪くなることがある。
本発明に係るポリウレタン接着剤では、硬化後の80℃における弾性率が3×107Pa以上であることが好ましい。硬化後の80℃における弾性率が3×107Paより低いと、耐熱性が低下することがある。硬化後の80℃に弾性率は108以上であることがより好ましい。弾性率が108以上であると、耐熱性をより一層高めることができる。
本発明に従って構成されたポリウレタン接着剤は、一対の光メディアを貼り合わせる際に好適に用いられる。
ポリウレタン接着剤は、溶融されて粘稠の状態で、一対の光メディアの対向面の少なくとも一方に塗布される。接着剤の塗布は、例えば、ロールコーター、ダイコーターにより行われる。塗布後、一対の光メディアは、ポリウレタン接着剤が塗布された面を介して貼り合わされて光メディアが得られる。
本発明の光メディアは、例えばDVD、ブルーレイディスク等に好適に用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳しく説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
結晶性ポリエステルポリオール(日本ユピカ社製、商品名:PX−2216D、融点105℃)80重量部と、結晶性ポリエステルポリオール(豊国製油社製、商品名:HS 2H−200S、融点65℃)20重量部とを配合し、120℃にて加熱溶融し、1mmHg以下に減圧した環境下で30分間脱水した。
結晶性ポリエステルポリオール(日本ユピカ社製、商品名:PX−2216D、融点105℃)80重量部と、結晶性ポリエステルポリオール(豊国製油社製、商品名:HS 2H−200S、融点65℃)20重量部とを配合し、120℃にて加熱溶融し、1mmHg以下に減圧した環境下で30分間脱水した。
しかる後、120℃から100℃まで冷却した後、窒素雰囲気下でジフェニルメタンジイソシアネート(三菱化学社製、商品名:Isonate125M、略称:MDI)16重量部を添加した。次に、2時間かけて溶融混合し、反応させてウレタンプレポリマーとした後、720mmHgに減圧した環境下で20分間攪拌して脱泡した。脱泡後、常温環境下で常温になるまで冷却し、常温で結晶性固体であるポリウレタン接着剤を得た。
(実施例2)
結晶性ポリエステルポリオール(日本ユピカ社製、商品名:PX−2216D、融点105℃)50重量部と、結晶性ポリエステルポリオール(豊国製油社製、商品名:HS 2H−200S、融点65℃)50重量部とを配合し、120℃にて加熱溶融し、1mmHg以下に減圧した環境下で30分間脱水した。
結晶性ポリエステルポリオール(日本ユピカ社製、商品名:PX−2216D、融点105℃)50重量部と、結晶性ポリエステルポリオール(豊国製油社製、商品名:HS 2H−200S、融点65℃)50重量部とを配合し、120℃にて加熱溶融し、1mmHg以下に減圧した環境下で30分間脱水した。
しかる後、120℃から100℃まで冷却した後、窒素雰囲気下でジフェニルメタンジイソシアネート(三菱化学社製、商品名:Isonate125M、略称:MDI)19重量部を添加した。次に、2時間かけて溶融混合し、反応させてウレタンプレポリマーとした後、720mmHgに減圧した環境下で20分間攪拌して脱泡した。脱泡後、常温環境下で常温になるまで冷却し、常温で結晶性固体であるポリウレタン接着剤を得た。
(実施例3)
結晶性ポリエステルポリオール(デグサジャパン社製、商品名:DYNACOLL7390、融点115℃)80重量部と、結晶性ポリエステルポリオール(豊国製油社製、商品名:HS 2H−200S、融点65℃)20重量部とを配合し、120℃にて加熱溶融し、1mmHg以下に減圧した環境下で30分間脱水した。
結晶性ポリエステルポリオール(デグサジャパン社製、商品名:DYNACOLL7390、融点115℃)80重量部と、結晶性ポリエステルポリオール(豊国製油社製、商品名:HS 2H−200S、融点65℃)20重量部とを配合し、120℃にて加熱溶融し、1mmHg以下に減圧した環境下で30分間脱水した。
しかる後、120℃から100℃まで冷却した後、窒素雰囲気下でジフェニルメタンジイソシアネート(三菱化学社製、商品名:Isonate125M、略称:MDI)16重量部を添加した。次に、2時間かけて溶融混合し、反応させてウレタンプレポリマーとした後、720mmHgに減圧した環境下で20分間攪拌して脱泡した。脱泡後、常温環境下で常温になるまで冷却し、常温で結晶性固体であるポリウレタン接着剤を得た。
(比較例1)
結晶性ポリエステルポリオール(日本ユピカ社製、商品名:PX−2216D、融点105℃)40重量部と、非結晶性ポリエーテルポリオール(旭電化工業社製、商品名:BPX−55、液状)60重量部とを配合し、120℃にて加熱溶融し、1mmHg以下に減圧した環境下で30分間脱水した。
結晶性ポリエステルポリオール(日本ユピカ社製、商品名:PX−2216D、融点105℃)40重量部と、非結晶性ポリエーテルポリオール(旭電化工業社製、商品名:BPX−55、液状)60重量部とを配合し、120℃にて加熱溶融し、1mmHg以下に減圧した環境下で30分間脱水した。
しかる後、120℃から100℃まで冷却した後、窒素雰囲気下でジフェニルメタンジイソシアネート(三菱化学社製、商品名:Isonate125M、略称:MDI)44重量部を添加した。次に、2時間かけて溶融混合し、反応させてウレタンプレポリマーとした後、720mmHgに減圧した環境下で20分間攪拌して脱泡した。脱泡後、常温環境下で常温になるまで冷却し、常温で結晶性固体であるポリウレタン接着剤を得た。
(比較例2)
結晶性ポリエステルポリオール(日本ユピカ社製、商品名:PX−2216D、融点105℃)80重量部と、非結晶性ポリエステルポリオール(荒川化学工業社製、商品名:HM−204、軟化点40℃、固形)20重量部とを配合し、120℃にて加熱溶融し、1mmHg以下に減圧した環境下で30分間脱水した。
結晶性ポリエステルポリオール(日本ユピカ社製、商品名:PX−2216D、融点105℃)80重量部と、非結晶性ポリエステルポリオール(荒川化学工業社製、商品名:HM−204、軟化点40℃、固形)20重量部とを配合し、120℃にて加熱溶融し、1mmHg以下に減圧した環境下で30分間脱水した。
しかる後、120℃から100℃まで冷却した後、窒素雰囲気下でジフェニルメタンジイソシアネート(三菱化学社製、商品名:Isonate125M、略称:MDI)15重量部を添加した。次に、2時間かけて溶融混合し、反応させてウレタンプレポリマーとした後、720mmHgに減圧した環境下で20分間攪拌して脱泡した。脱泡後、常温環境下で常温になるまで冷却し、常温で結晶性固体であるポリウレタン接着剤を得た。
(ポリウレタン接着剤の評価)
(1)溶融粘度
得られたポリウレタン接着剤の硬化前の120℃における溶融粘度を、BM型回転粘度計を用いて測定した。
(1)溶融粘度
得られたポリウレタン接着剤の硬化前の120℃における溶融粘度を、BM型回転粘度計を用いて測定した。
(2)弾性率
得られたポリウレタン接着剤を約100μm厚に成形し、23℃、相対湿度60%RHの条件で完全に硬化させた。硬化物の80℃に於ける弾性率を、動的粘弾性装置を用いて測定した。
得られたポリウレタン接着剤を約100μm厚に成形し、23℃、相対湿度60%RHの条件で完全に硬化させた。硬化物の80℃に於ける弾性率を、動的粘弾性装置を用いて測定した。
(3)結晶固化時間
得られたポリウレタン接着剤を120℃に加熱し溶融させた状態から、常温下で25℃まで冷却された後に、結晶固化するまでの時間を測定した。
得られたポリウレタン接着剤を120℃に加熱し溶融させた状態から、常温下で25℃まで冷却された後に、結晶固化するまでの時間を測定した。
(4)再結晶化
得られたポリウレタン接着剤を常温まで冷却したときの再結晶化を下記評価基準にて評価した。
得られたポリウレタン接着剤を常温まで冷却したときの再結晶化を下記評価基準にて評価した。
○:60秒以内で再結晶化
△:90秒以内で再結晶化
×:再結晶化に5分以上かかる
結果を下記表1に示す。
△:90秒以内で再結晶化
×:再結晶化に5分以上かかる
結果を下記表1に示す。
Claims (5)
- 融点が90℃以上、130℃以下、かつ数平均分子量が1000〜5000の範囲にある結晶性ポリオール(A)20〜90重量部と、融点が50℃以上、90℃未満、かつ数平均分子量が1000〜5000の範囲にある結晶性ポリオール(B)10〜80重量部とを含むポリオールに、ジイソシアネートを反応してなるウレタンプレポリマーを含有することを特徴とする、ポリウレタン接着剤。
- 120℃における溶融粘度が、5000〜50000mPa・sの範囲にある、請求項1に記載のポリウレタン接着剤。
- 120℃に加熱されて溶融した状態から、常温下で25℃まで冷却された後に、60秒以内に結晶固化する、請求項1または2に記載のポリウレタン接着剤。
- 硬化後の80℃における弾性率が108Pa以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリウレタン接着剤。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリウレタン接着剤を介して、一対の光メディアを貼り合わせることを特徴とする、貼り合わせ型光メディアの製造方法。
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