JP2006346631A - 炭化水素の水素化処理用触媒組成物及びその製造方法並びに炭化水素の水素化精製法 - Google Patents

炭化水素の水素化処理用触媒組成物及びその製造方法並びに炭化水素の水素化精製法 Download PDF

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Abstract

【課題】 優れた脱硫活性及び脱窒素活性を有して水素消費量も過大にならないだけでなく、触媒金属が高分散状態で担持され、機械的強度にも優れた炭化水素の水素化処理用触媒組成物、及びその製造方法、並びにこれを用いた炭化水素の水素化精製法を提供する。
【解決手段】 多孔性無機酸化物を形成する周期律表第4族金属の水酸化物又は水和物からなるヒドロゾル状又はヒドロゲル状の酸化物前駆体物質に、触媒活性成分又はその溶液と、分子中に配位基を有して周期律表第6、9、10族のいずれかに属する金属の一種以上と錯体を形成し得る錯化剤とを添加し、全体の系を均一なコロイド状態にして酸化物前駆体物質の水酸基と触媒活性金属イオンとをイオン交換させ、次いで水分を除去して成形して得られた、比表面積が180m2/g以上で、細孔容積が0.15cc/g以上0.6cc/g以下で、機械的強度(SCS)が円柱直径0.8mm基準で7.85N/mm以上である触媒組成物。
【選択図】 なし

Description

この発明は、炭化水素の水素化処理用触媒組成物及びその製造方法並びにこの水素化処理用触媒組成物を用いて炭化水素の水素化処理を行う水素化精製法に関する。より詳しくは、ガソリン、灯油、軽油等の軽質炭化水素油、特に軽油中に含まれる硫黄分や窒素分の含有量を低減させるための炭化水素の水素化処理に用いられる触媒組成物であり、高比表面積を有して高い脱硫・脱窒素活性を有するだけでなく、優れた機械的強度をも有する高性能な炭化水素の水素化処理用触媒組成物及びその製造方法並びにそれを用いた水素化精製法に関する。
石油の蒸留や分解によって得られるガソリン、灯油、軽油等の軽質炭化水素油は、少なからず硫黄化合物や窒素化合物を含有しており、燃料油として使用する場合には、その排ガス中に硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)が発生し、大気を汚染する原因になる。
また、ディーゼルエンジンは、耐久性や信頼性に優れていることに加えて、低燃費、低炭酸ガス排出等の理由から、自動車用エンジンとして多く用いられているが、排ガス中の粒子状物質による大気汚染は深刻である。そして、このディーゼルエンジン排ガス中の粒子状物質を低減する有効な方法として、自動車にディーゼル排ガス微粒子除去装置を搭載することが行われているが、このディーゼル排ガス微粒子除去装置で使用されている微粒子酸化用貴金属触媒は、硫黄によって容易に被毒され、その活性が低下する。このため、ディーゼル排ガス微粒子除去装置を効果的に作動させるためには、微粒子酸化用貴金属触媒の硫黄被毒を防止する必要があり、そのためには燃料である軽油中の硫黄分含有量を大幅に低減することが必要である。
このため、排ガス中の硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)を可及的に低減させ、更には粒子状物質の排出を可及的に防止するという地球環境保護の観点から、軽質炭化水素油についてはその硫黄分含有量や窒素分含有量をより低減することが求められている。例えば、自動車用燃料として用いられるガソリンや軽油中の硫黄分については、10質量ppm以下に規制されつつあり、今後もより一層の低減化が求められるものと予想される。
そして、軽質炭化水素油中の硫黄分や窒素分を除去する方法として、軽質炭化水素油を水素化処理する水素化精製法がある。この水素化精製法は、多孔質無機酸化物担体にコバルト、ニッケル、モリブデン、タングステン、白金、ロジウムパラジウム等の触媒活性金属を担持させた水素化処理用触媒を用い、この水素化処理用触媒に軽質炭化水素油を水素加圧下で接触させ、軽質炭化水素油中の硫黄分や窒素分をそれぞれ硫化水素やアンモニアとして除去する方法であり、これまでにも非常に多くの提案がされている。
例えば、特開平04-166,231号公報には、無機酸化物担体(γ-アルミナ担体)に、周期律表第VI族金属(モリブデン)の酸化物、周期律表第VIII族金属(コバルト)の炭酸塩及び燐酸を含む活性金属水溶液を含浸させ、次いで200℃以下で乾燥することにより、活性金属の凝集を防止して高活性の水素化処理用触媒を製造する方法が提案されている。
また、特開平04-156,949号公報には、無機酸化物及び/又は無機水和物を主成分とする担体物質(含水率60重量%のアルミナ水和物、チタニア粉末又はγアルミナ粉末)に、周期律表第VI族金属(モリブデン)及び周期律表第VIII族金属(コバルト又はニッケル)とヒドロキシカルボン酸(グリセリン酸、酒石酸、グリコール酸、クエン酸、又はリンゴ酸)とを含有する、若しくは更にリン酸を含有する活性金属水溶液を添加し、混練して成型し、200℃以下の温度で乾燥することにより、炭化水素油の深度脱硫、脱窒素等の高度な水素化処理が可能な炭化水素油の水素化処理用触媒の製造方法が開示されている。
更に、特開平06-339,635号公報には、触媒担体(γ-アルミナ担体)に、周期律表第VI族金属及び第VIII族金属のいずれか1種以上(モリブデン及びコバルト)と有機酸(クエン酸)、更に好ましくはこれにリン(リン酸)を含有させて調製した担持液を含浸させ、200℃以下で乾燥し、次いで担持金属に対して0.1〜2.0倍モル量の有機酸又は多価アルコール(酢酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、マロン酸、メトキシ酢酸、炭酸エチレン、又はエチレングリコール)を含浸させ、200℃以下で乾燥することにより、炭化水素油の深度脱硫や脱窒素等の高度な水素化処理を可能とする水素化処理触媒の製造方法が開示されている。
更にまた、特開平08-19,741号、特開2001-239,166号、及び特開2001-310,133号の各公報には、アルミナ水和物、又はシリカ・マグネシア水和物とアルミナ水和物に、周期律表第VI族金属(モリブデン)及び第VIII族金属(ニッケル及び/又はコバルト)とジエチレングリコール及び/又はトリエチレングリコールとを含む溶液を加えて混練、成型し、乾燥することにより、極めて効率良く炭化水素油の水素化脱硫・脱窒素を行うことができる水素化処理用触媒の製造方法が開示されている。
そして、特開2002-126,539号公報には、少なくとも1つの、好ましくは2つ以上のヒドロキシル基を有する有機溶媒(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、へキシレングリコール、1,4-ブタンジオール)を1重量%以上含む膨潤無機酸化物ゲル(アルミナ、シリカ-アルミナ、又は、アルミナ及び/又はシリカと酸化リン、マグネシア、酸化カルシウム、ボリア、ジルコニア、チタニア、トリア、セリア及びハフニアから選ばれた第三成分)に、周期律表第VI族金属(モリブデン)化合物及び第VIII族金属(ニッケル及び/又はコバルト)の溶液を接触させ、乾燥、成形及び焼成処理することにより、活性金属成分が強固に担持され、分散性が高く、炭化水素油の脱硫及び脱窒素反応において高活性な水素化処理用触媒の製造方法が開示されている。
また、特開2002-239,385号公報には、アルミナ、又はアルミナを主成分としてゼオライト、ホリア、シリカ、ジルコニア等を複合化させた酸化物担体に、前者では周期律表第VI族金属塩(モリブデン)を含む溶液を含浸させ、乾燥した後に周期律表第VIII族金属(コバルト又はニッケル)と水酸基、エーテル結合、カルボキシル基及びアミノ酸から選ばれた何れか1つを有する有機化合物とを含む溶液を含浸させ、乾燥することにより、若しくは乾燥して焼成することにより、炭化水素油(特に、軽油)を硫黄分50ppm以下まで超深度脱硫可能な水素化処理触媒を製造することが記載されており、また、特開2004-290,728号公報には、上記と同様の酸化物担体に、周期律表第VI族金属塩(モリブデン)、周期律表第VIII族金属(コバルト又はニッケル)、有機酸、多価アルコール及びリン酸を含む溶液を含浸させ、200℃以下で乾燥することにより、簡便な手段で過酷な運転条件を必要とすることなく超深度脱硫可能な水素化処理触媒を製造することが記載されている。
更に、特開2004-313,946号公報には、ニッケル錯体若しくはコバルト錯体と油溶性モリブデン化合物とを無機酸化物担体(γ-アルミナ又はZSM-5ゼオライト)に含浸させた後、焼成することなく、予備硫化することにより、触媒活性の高い水酸化脱硫触媒を製造することが記載されている。
更にまた、特開2005-873号公報には、多孔性無機酸化物及び/又は多孔性無機酸化物前駆物質(アルミナ捏和物)に活性金属成分を含有する溶液を添加し、混練し、成形し、得られた成形物をマイクロ波の照射下に乾燥することにより、触媒活性の高い水酸化脱硫触媒を製造することが記載されている。
また、アルミナを主体とする触媒担体を用いることなく、チタニアを主体とする触媒担体を用いて、より高活性な水素化処理用触媒を製造する幾つかの試みも提案されている。
例えば、特開昭56-40,432号公報には、含水酸化チタンを成形し、乾燥し、焼成して得られた酸化チタン担体に、触媒金属、リン、及びホウ素を担持させた炭化水素油の水素化脱窒素用触媒が記載されている。
また、特開2002-28,485号公報には、一般式MO2・nH2O(但し、Mは4族金属を示し、nは0.02以上である)で表される4族金属含水酸化物のヒドロゾル又はヒドロゲル若しくはそれらの乾燥物に、粒子成長抑制剤として1種又は2種以上のアニオン、又はカチオン、若しくはこれらアニオン及びカチオンを添加した後、乾燥、焼成することにより、熱安定性に優れ、高表面積であると共に触媒金属が高分散されている、更に加えて、制御されたシャープな細孔径分布を持ち優れた反応選択性を有する触媒又は触媒担体として有用な多孔質4族金属酸化物を製造する方法が記載されている。
更に、特開2003-135,975号公報には、一般式TiO2・nH2O(但し、nは0.1≦n≦2.0である)で表される含水酸化チタンに、水素化触媒活性を有する成分を含むアニオン及びカチオンからなる群から選ばれた2種以上のイオンを添加し、上記含水酸化チタンの水酸基をこれら2種以上のイオンで交換した後、イオン交換した含水酸化チタンを乾燥、焼成することにより、優れた脱硫性能及び脱窒素性能を有すると共に水素消費量が過大にならない炭化水素油の水素化処理触媒の製造方法が記載されている。
更にまた、特開2003-135,969号公報には、組成式HxTiOy・fH2O(x=0.46〜1.99、y=2.23〜2.99、f=0.04〜17.8)で表される含水酸化チタンに、モリブデン及び/又はタングステンからなる主触媒成分とコバルト、ニッケル、リン及びホウ素の中から選ばれた助触媒成分とを接触させてイオン交換せしめ、次いで乾燥、焼成することにより、単に脱硫活性に優れているだけでなく脱窒素活性にも優れており、また、水素消費量が過大にならず、炭化水素油の低硫黄化及び低窒素化を達成できる炭化水素油の水素化処理触媒の製造方法が記載されている。
更にまた、特開2004-33,819号公報には、アルミナ等の無機酸化物を核とし、その表面に酸化チタンが担持されてなる多孔質酸化チタン担持体で、酸化チタンが13質量%以上含有され、無機酸化物と化学的及び/又は微視的に一体となって無機酸化物表面に担持され、高比表面積で機械的強度に優れた多孔質酸化チタン担持体及びこれを用いた触媒、並びに、多孔質酸化チタン担持体の製造方法が記載されている。
これらチタニアを主体とする触媒担体を用いた水素化処理用触媒、特に特開2002-28,485号、特開2003-135,975号、及び特開2003-135,969号の各公報に記載された水素化処理用触媒は、アルミナを主体とする触媒担体を用いた水素化処理用触媒と比べて、いずれも脱硫活性及び脱窒素活性に優れており、また、水素消費量が過大にならないという特長を備えているものではあるが、製造された水素化処理用触媒の機械的強度が不足し、工業的に使用した場合には触媒が粉化して反応器や配管での圧力損失が高くなり、エネルギーコストが増大したり、操業停止を余儀なくされる等の問題が生じる場合がある。また、特開2004-33,819号公報に記載されたチタニア担体の機械的強度は非常に小さいために、水素化処理用触媒においては、機械的強度のあるアルミナにチタニアを積層させることによって機械的強度の問題を解消しているが、触媒の細孔容積が大きくなることで触媒の充填密度が小さくなり、結果的に反応器容積当りの活性をあまり大きくすることができないという別の問題があり、地球環境保護の観点から軽質炭化水素油中の硫黄分含有量や窒素分含有量をより一層低減することが求められている今日においては、100%満足できるものではない。従って、軽質炭化水素油中の硫黄分含有量や窒素分含有量を高度に低減できる高性能な水素化処理用触媒の開発は、今後の地球環境保護の面からも極めて重要な課題である。
特開平04-166,231号公報 特開平04-156,949号公報 特開平06-339,635号公報 特開平08-19,741号公報 特開2001-239,166号公報 特開2001-310,133号公報 特開2002-126,539号公報 特開2002-239,385号公報 特開2004-290,728号公報 特開2004-313,946号公報 特開2005-873号公報 特開昭56-40,432号公報 特開2002-28,485号公報 特開2003-135,975号公報 特開2003-135,969号公報 特開2004-33,819号公報
そこで、本発明者らは、チタニアを主体とする触媒担体を用いた水素化処理用触媒における種々の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、周期律表第4族金属の水酸化物又は水和物からなるヒドロゾル状又はヒドロゲル状の酸化物前駆体物質に、触媒活性成分又はその溶液と、分子中に配位基を有して周期律表第6族、第9族、第10族のいずれかに属する金属の一種以上と錯体を形成し得る錯化剤とを添加し、全体の系を均一なコロイド状態にして酸化物前駆体物質の水酸基と触媒活性成分イオンとをイオン交換させることにより、優れた脱硫活性及び脱窒素活性を有して水素消費量も過大にならないというチタニアを主体とする触媒の特長を保持するだけでなく、触媒活性成分が高分散して脱硫活性及び脱窒素活性が更に改善され、しかも、得られた水素化処理用触媒の機械的強度が顕著に改善されることを見出し、本発明を完成した。
従って、本発明の目的は、単に優れた脱硫活性及び脱窒素活性を有して水素消費量も過大にならないだけでなく、触媒活性成分が高分散状態で担持され、機械的強度にも優れた炭化水素の水素化処理用触媒組成物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、単に優れた脱硫活性及び脱窒素活性を有して水素消費量も過大にならないだけでなく、触媒活性成分が高分散状態で担持され、機械的強度にも優れた炭化水素の水素化処理用触媒組成物の製造方法を提供することにある。更に、この水素化処理用触媒組成物を用いた炭化水素の水素化精製法を提供することにある。
すなわち、本発明は、乾燥又は焼成して多孔性無機酸化物を形成する周期律表第4族金属の水酸化物又は水和物からなるヒドロゾル状又はヒドロゲル状の酸化物前駆体物質に、触媒活性成分又はその溶液と、分子中に配位基を有して周期律表第6族、第9族、第10族のいずれかに属する金属の一種以上と錯体を形成し得る錯化剤とを添加し、全体の系を均一なコロイド状態にして酸化物前駆体物質の水酸基と触媒活性成分イオンとをイオン交換させ、次いで水分を除去して成形し、得られた成形物を乾燥、又は、乾燥した後に焼成して得られた組成物であり、400℃で3時間焼成して得られた組成物の比表面積が180m2/g以上で、細孔容積が0.15cc/g以上0.6cc/g以下で、機械的強度(SCS)が円柱直径0.8mm基準で7.85N/mm以上であることを特徴とする炭化水素の水素化処理用触媒組成物である。
また、本発明は、乾燥又は焼成して多孔性無機酸化物を形成する周期律表第4族金属の水酸化物又は水和物からなるヒドロゾル状又はヒドロゲル状の酸化物前駆体物質に、触媒活性成分又はその溶液と、分子中に配位基を有して周期律表第6族、第9族、第10族のいずれかに属する金属の一種以上と錯体を形成し得る錯化剤とを添加し、全体の系を均一なコロイド状態にして酸化物前駆体物質の水酸基と触媒活性成分イオンとをイオン交換させ、次いで水分を除去して成形し、得られた成形物を乾燥、又は、乾燥した後に焼成して得られた組成物であり、400℃で3時間焼成して得られた組成物の比表面積が180m2/g以上で、細孔容積が0.15cc/g以上0.6cc/g以下で、機械的強度(SCS)が円柱直径0.8mm基準で7.85N/mm以上であることを特徴とする炭化水素の水素化処理用触媒組成物の製造方法である。更に、この水素化処理用触媒組成物を用いた炭化水素の水素化精製法である。
本発明において、ヒドロゾル状又はヒドロゲル状の酸化物前駆体物質は、乾燥又は焼成して多孔性無機酸化物を形成する周期律表第4族金属の水酸化物又は水和物からなる物質であり、具体的には、α-チタン酸(TiO2・2H2O)、β-チタン酸(TiO2・H2O)、γ-チタン酸(分子式不確定)、無定形水酸化チタン、水酸化ジルコニウム(IV)、水酸化ジルコニウム(III)、無定形水酸化ジルコニウム等が水を分散媒としてゾル状態又はゲル状態になっているものである。そして、上記多孔性無機酸化物は、これらヒドロゾル状又はヒドロゲル状の酸化物前駆体物質が乾燥し、あるいは、更に焼成されて多孔性チタニアあるいは多孔性ジルコニアになったものである。これら酸化物前駆体物質として、好ましいものはチタニア前駆体であり、更に好ましいものは、ヒドロゾル状又はヒドロゲル状の水酸化チタン又はチタン水和物を、その沈殿領域pHと溶解領域pHとの間で交互に複数回、pHスイングさせて得られたチタニア前駆体である。このようなpHスイングさせて得られたチタニア前駆体から製造される水素化処理用触媒組成物は、高比表面積で細孔分布がスティープ(steep)であるという特長を備えている。
また、本発明で使用される触媒活性成分は、炭化水素の水素化処理用触媒に通常用いられる成分、特に周期律表第6族元素の化合物群から選ばれた1種以上と第9族及び第10族の元素の化合物群から選ばれた1種以上とからなる少なくとも2種以上の成分化合物、あるいは、周期律表第6族元素の化合物群から選ばれた1種以上と、第9族及び第10族の化合物群から選ばれた1種以上と、第13族及び15族の元素の化合物群から選ばれた1種以上とからなる少なくとも3種以上の成分化合物であるのがよく、周期律表第6族金属としてはクロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等が挙げられ、また、周期律表第9族金属としてはコバルト(Co)等が挙げられ、更に、周期律表第10族金属としてはニッケル(Ni)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)等が挙げられ、更にまた、周期律表第13族成分としてはホウ素(B)等が挙げられ、そして、周期律表第15族成分としてはリン(P)等が挙げられる。
この周期律表第6族金属の金属化合物の形態としては、例えば、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン等の酸化物の他に、アンモニウム塩、ハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、有機酸塩等の金属塩があり、好ましくは、酸化モリブデン、パラモリブデン酸アンモニウム、モリブドリン酸アンモニウム、モリブドリン酸等が挙げられる。
また、周期律表第9族金属及び周期律表第10族金属の金属化合物の形態としては、例えば、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、有機酸塩等の金属塩があり、好ましくは、例えば酸化コバルト、水酸化コバルト、塩基性炭酸コバルト、炭酸コバルト、硝酸コバルト、酢酸コバルト、クエン酸コバルト、酸化ニッケル、水酸化ニッケル、塩基性炭酸ニッケル、炭酸ニッケル、硝酸ニッケル、酢酸ニッケル、クエン酸ニッケル、酸化白金、水酸化白金、炭酸白金、硝酸白金、酢酸白金、酸化パラジウム、水酸化パラジウム、炭酸パラジウム、硝酸パラジウム、酢酸パラジウム等を例示することができる。
更にまた、周期律表第13族元素の化合物の形態としては、例えば、酸化ホウ素、ホウ酸等が挙げられ、そして、周期律表第15族元素の化合物の形態としては、例えば、正リン酸、トリメタリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム等を例示することができる。
本発明で用いる触媒活性成分の溶液は、例えば、パラモリブデン酸アンモニウム、酢酸コバルト、及びリン酸水素二アンモニウムを水に加え、加熱下に溶解して得られる溶液や、三酸化モリブデン、塩基性炭酸ニッケル及び正リン酸を水に加え、加熱下に溶解して得られる溶液や、三酸化モリブデン、炭酸コバルト及び有機錯化剤、例えばリンゴ酸を水に加え、加熱下に溶解して得られる溶液等を例示することができる。
そして、この触媒活性成分の溶液中に含まれる触媒活性成分の含有量は、最終的に調製される触媒組成物の酸化物基準にして、周期律表第6族金属が10重量%以上35重量%以下、好ましくは15重量%以上30重量%以下であり、また、周期律表第9族金属が1重量%以上10重量%以下、好ましくは2重量%以上6重量%以下であり、更に、白金及びパラジウム以外の周期律表第10族金属が1重量%以上10重量%以下、好ましくは2重量%以上6重量%以下であり、更にまた、周期律表第13及び15族元素が0.5重量%以上10重量%以下、好ましくは1重量%以上5重量%以下であるのがよく、また、周期律表第10族金属のうちの白金及びパラジウムの場合が金属として0.01重量%以上10重量%以下、好ましくは0.05重量%以上5重量%以下であるのがよい。
また、本発明において、上記酸化物前駆体物質に上記触媒活性成分又はその溶液と共に添加される錯化剤は、分子中に配位基を有して周期律表第6族、第9族、第10族のいずれかに属する金属と錯体を形成し得る有機化合物であればよく、例えば、ドナー原子(又はヘテロ原子)として酸素原子を有する−OH、−COOH、>C=O、−O−、−COOR、−N=O、−NO2、>N→O、−SO3H、−C(=O)−SH又は−C(=S)−OH(チオカルボン酸)及び−PO3H等の配位基や、ドナー原子(又はヘテロ原子)として窒素原子を有する−NH2、>NH、>N−(三級アミン等)、−N=N−、=N−OH、−NO2、−N=O、>C=N−、>N=NH、−SCN等の配位基を有する有機化合物が挙げられる。
これらの錯化剤のうち好ましいものとしては、例えば、酢酸、プロピオン酸、マロン酸、コハク酸、乳酸、メトキシ酢酸、エトキシ酢酸、3-メトキシプロピオン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、マンノン酸、グルコール酸等の有機酸類や、アンモニア、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン四酢酸・2アンモニウム(EDTA・2NH3)、トリエチレンテトラミン、1,2-ジアミノシクロヘキサン4酢酸(CyDTA)、ジエチレントリアミン、ジエチレントリアミン5酢酸(DTPA)等が例示され、特に好ましいものとしては、分子内に複数のカルボキシル基を有するか、又は、酸化物前駆体物質の水酸基と触媒活性成分イオンとのイオン交換時におけるコロイド状態の系内で分子内に複数のカルボキシル基を有する化合物に変化する有機カルボン酸化合物が挙げられる。
そして、本発明においては、上記酸化物前駆体物質に上記触媒活性成分又はその溶液と錯化剤とを添加し、全体の系を均一なコロイド状態にして酸化物前駆体物質の水酸基と触媒活性成分イオンとをイオン交換させる。ここで、均一なコロイド状態とは、ヒドロゾル状又はヒドロゲル状の酸化物前駆体物質の微粒子凝集体が溶液中で電荷を帯び、個々の微粒子がそれぞれ単独で溶液中に分散して存在する状態、すなわち液体成分が連続相を形成し、そこに固体成分である微粒子が個々に独立して均一に分散している状態をいう。このコロイド状態の系については、好ましくはその酸化物基準の固形分濃度が0.1重量%以上20重量%以下、より好ましくは1重量%以上10重量%以下であるのがよく、0.1重量%より低いと触媒活性成分が1回のイオン交換では必要な量だけイオン交換できないという問題があり、反対に、20重量%より高くなると触媒活性成分を均一に高度に分散するためのコロイド状態が保てなくなるという問題が生じる。
一般に、触媒調製時に固体成分(酸化物前駆体物質)へ触媒活性成分(触媒活性成分あるいはその溶液)を均質に担持するための操作としては混練操作が行われるが、この混練操作は、固体成分と触媒活性成分を均一なペースト状にすること、あるいは、超微粒子がネットワークを形成してゲル状になっている固体成分に触媒活性成分を機械的に練り込んで均質にする操作であるが、ペースト状あるいはゲル状のものは固体が連続相を形成しており、個々の微粒子は凝集して塊状になっているので、混練により均質化するためには極めて長時間かつ強力な混練操作が必要になり、原子や分子を均一に分散するという触媒調製上のミクロな観点からは実際上均質化することは非常に困難な操作である。
本発明においては、このように上記の酸化物前駆体物質、触媒活性成分及び錯化剤を含む系全体を均一なコロイド状態にすることにより、酸化物前駆体物質の水酸基と触媒活性成分イオンとを効率良くイオン交換させ、触媒活性成分イオンが酸化物前駆体物質全体に極めて均質にイオン交換されたコロイド状態を形成させるところにその顕著な特徴を有するものである。
この酸化物前駆体物質の水酸基と触媒活性成分イオンとを効率良くイオン交換させる際の操作条件については、操作温度が常温から100℃の範囲、好ましくは常温から60℃の範囲であり、また、酸化物基準での固形分濃度が0.1重量%以上20重量%以下、好ましくは1重量%以上10重量%以下であり、更に、pH値が周期律表第4族の酸化物前駆体物質の水酸化物あるいは水和物の等電点外、好ましくは等電点±0.5の範囲外、より好ましくは等電点±1の範囲外であるのがよい。
次に、このようにして調製されたコロイドは、攪拌下に加熱されて成形可能なゲル状態にまで水分が除去され、次いで成形機により球形状、円柱形状、クローバー形状等の所望の形状に成形され、また常温から200℃まで、好ましくは120℃以上180℃以下の温度で乾燥され、更に必要により350℃以上500℃以下、好ましくは380℃以上450℃以下の温度で焼成され、炭化水素の水素化処理用触媒組成物とされる。
本発明の方法によって製造される水素化処理用触媒組成物は、400℃で3時間の条件で焼成して得られた組成物の場合、比表面積が180m2/g以上、好ましくは200m2/g以上であり、細孔容積が0.15cc/g以上0.60cc/g以下、好ましくは0.17cc/g以上0.5cc/g以下であり、また、円柱形押し出し成形物の機械的強度(側面圧壊強度、Side Crushing Strength)が円柱直径0.8mm基準で7.85N/mm以上、好ましくは9.81N/mm以上であり、高比表面積で機械的強度に優れているものである。
ここで、比表面積は触媒の活性点を増やすという観点から大きいほど好ましい。細孔容積は反応器への触媒充填量を増やすという観点からは小さいほうが望ましいが、細孔径が小さくなり、反応物質の拡散を阻害するので好ましくない。しかし、反応物質の拡散の面からは細孔容積が大きくなるほど好ましいものであるが、反応器への触媒充填量が減るので好ましくない。すなわち、反応器単位容積当たりの触媒の比表面積が大きく、反応物質の拡散を阻害しない上述の範囲が好ましい。円柱形押し出し成形物の機械的強度(Side Crushing Strength)は大きければ大きいほど磨耗強度(Abrasion Strength)や容積圧縮強度(Bulk Crushing Strength)が大きくなり、触媒の粉化が少なくなるので好ましい。
本発明の水素化処理用触媒組成物は、炭化水素の水素化精製処理において処理対象油が制限されることはなく、また、その水素化精製処理の処理条件についても通常の水素化処理条件を適用することができ、例えば、原油、常圧残渣油、減圧残渣油等の重質油や、直留軽油、減圧蒸留軽油、灯油、ガソリン等の留出油等の水素化処理に使用可能であり、特に、直留軽油、脱硫処理後軽油、水素化処理軽油、接触分解軽油、熱分解軽油、減圧蒸留軽油等の沸点が150℃以上450℃以下であって硫黄分含有量が4質量%以下の軽油留分の超深度脱硫に好適に使用できる。
本発明の水素化処理用触媒組成物は、チタニアを主体とする触媒担体を用いた水素化処理用触媒が有する種々の特長、すなわち優れた脱硫活性及び脱窒素活性を有して水素消費量も過大にならないという特長を備えているだけでなく、触媒活性成分が高分散して脱硫活性及び脱窒素活性が更に改善されており、しかも、機械的強度にも優れているので、工業的に使用した場合、触媒の粉化による反応器や配管の圧力損失の増大によるエネルギーコストの増大や操業停止を防ぐことができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明の好適な実施の形態を具体的に説明する。
なお、以下の実施例及び比較例において、比表面積、細孔容積、細孔分布及び機械的強度(SCS)はそれぞれ以下の方法で測定した。
〔比表面積〕
多孔質酸化チタンの比表面積は、測定機器としてマウンテック社製Macsorb Model-1201を使用し、BET(詳しくはS. Brunauer, P. H. Emmett, & E. Teller, J. Am. Chem. Soc., 60, 309 (1938)等参照)の三点法により測定した。
〔細孔容積及び細孔分布〕
多孔質酸化チタンの細孔容積及び細孔分布は、測定機器として島津製作所社製オートポア9200型を使用し、水銀圧入法(詳しくはE. W. Washburn, Proc. Natl. Acad. Sci., 7, 115 (1921)、H. L. Ritter & L. E. Drake, Ind. Eng. Chem. Anal., 17, 782, 787 (1945)、L. C. Drake, Ind. Eng. Chem., 41, 780 (1949)及びH. P. Grace, J. Amer. Inst. Chem. Engrs., 2, 307 (1965)等参照)により測定した。この際に、水銀の表面張力を0.48N/mとし、使用接触角を140°とし、また、絶対水銀圧力を0.08MPaから414MPaまで変化させて測定した。
〔機械的強度(SCS)〕
機械的強度(SIDE CRUSHING STRENGTH)の測定は、AKZO Chemie Nederland bv社製のSCS測定装置を用い、予め120℃の条件で乾燥した後、400℃、3時間の条件で焼成して得られた長さ3.0〜4.5mmのサンプル200本以上を用意し、曲がりやひび割れの無いサンプル50本について、1本ずつ長さ、直径を測定し、次いで破壊するまで空気圧にて定速で荷重を加えてゆき、破壊時の荷重を測定する。機械的強度は円柱形押し出し成形物の直径が大きくなると大きくなるので、この破壊時の荷重をサンプルの長さで除した値について、次の経験式を用いて所定直径の補正を行う。50本のサンプルの直径補正後の平均値を当該サンプルの機械的強度とした。
SCS ∝ (dp)0.6
(但し、SCS;機械的強度、dp;円筒形サンプルの直径)
[実施例1]
〔水酸化チタンヒドロゲルの調製〕
四塩化チタン(TiCl4)1kgを氷で冷却した水中に徐々に添加し、酸化チタン換算濃度210g/リットル(g/L)の四塩化チタン水溶液を調製した。
また、28wt%-アンモニア水溶液を水で2倍に希釈し、14wt%-アンモニア水溶液を調製した。
先ず、容量30リットル(L)の攪拌機付き反応容器に60℃の温水10Lを入れ、攪拌下に上記の四塩化チタン水溶液1.5Lを添加し、5分間保持した。その時のpH値は水酸化チタンヒドロゾル溶解領域のpH=0.5であった。
次に、この反応容器に上記の14wt%-アンモニア水溶液2.3Lを添加し、pH値を水酸化チタンヒドロゾル沈殿領域のpH=7.0にし、その後、温度60℃で5分間熟成した。
更に、四塩化チタン水溶液1.5Lを添加してpH値を水酸化チタンヒドロゾルの溶解領域に5分間保持した。この時のpH値は0.5であった。続いて、14wt%-アンモニア水溶液を2.3L添加してpH値を7とし、5分間熟成した。都合、溶解領域と沈殿領域pHとの間を交互にスイングさせる操作(pHスイング操作)を2回実施して水酸化チタンヒドロゾルを得た。この水酸化チタンヒドロゾルを濾過してヒドロゲルケーキを得た。このヒドロゲルケーキを水で洗浄し、硝酸銀溶液により洗浄排液中に塩素イオンがほぼ確認されなくなるまでバッチ洗淨を繰り返して水酸化チタンヒドロゲルを得た。得られた洗浄後の水酸化チタンヒドロゲルのTiO2換算濃度は16.5%であった。
〔触媒活性成分溶液の調製〕
容量1Lのビーカー内に水400mL、酸化モリブデン37.5g、リン酸4.3g、炭酸コバルト9.5g、及びクエン酸(錯化剤)13.3gを加え、攪拌下に加熱して全体を溶解し、触媒活性成分と錯化剤とを含む触媒活性成分溶液を調製した。
〔水酸化チタンヒドロゲルのイオン交換反応〕
ミキサー内に上記洗浄水酸化チタンヒドロゲル526gと水3.2Lとを仕込み、回転数10,000rpmで5分間解叩した。次いで、上記触媒活性成分溶液の全量を添加し、同じく5分間ミキサー内で激しく撹拌してコロイド状態にした。この解叩操作及びコロイド化操作により全量が約4.1Lのコロイド溶液を得た。得られたコロイド溶液の酸化物基準の固形分濃度は3.2重量%であり、pH値は2.9であった。
このコロイド溶液約4.1Lを容量10Lの攪拌機付きホーロー製反応容器内に移し、室温で撹拌しながら1時間保持し、コロイド化を十分に行うと共に水酸化チタンヒドロゾルの水酸基と触媒活性成分イオンとのイオン交換反応を行った。
更に、イオン交換反応後のコロイド状溶液の入った容量10Lの攪拌機付きホーロー製反応容器を電磁加熱器で加熱し、攪拌しながら50分間加熱して成形可能な状態にまで水分を除去し、粘土状のゲルを得た。
次に、ピストン型ゲル押出成形機を用い、得られたゲルを穴径1.2mmのダイスから押し出して円柱状に成形し、この成形物を120℃で12時間乾燥し、実施例1の乾燥水素化処理用触媒組成物を得た。
[実施例2]
実施例1の乾燥水素化処理用触媒組成物を更に400℃で3時間焼成し、実施例2の水素化処理用触媒組成物を得た。
得られた実施例2の水素化処理用触媒組成物について、比表面積、細孔容積、及び機械的強度(SCS)を測定した。その結果を表1に示す。
[実施例3]
錯化剤としてDL-リンゴ酸12.9gを用いた以外は、上記実施例1と同様にして実施例3の乾燥水素化処理用触媒組成物を得た。コロイド溶液の酸化物基準の固形分濃度は3.2重量%であり、pH値は3.1であった。
得られた実施例3の乾燥水素化処理用触媒組成物について、400℃で3時間焼成して比表面積、細孔容積、及び機械的強度(SCS)を測定した。その結果を表1に示す。
[実施例4]
ミキサー内に水6.4Lを仕込んだこと及び錯化剤としてEDTA8.7gを用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして実施例3の乾燥水素化処理用触媒組成物を得た。得られたコロイド溶液の酸化物基準の固形分濃度は1.9重量%であり、pH値は3.3であった。
得られた実施例4の乾燥水素化処理用触媒組成物について、同じく400℃で3時間焼成し、比表面積、細孔容積、及び機械的強度(SCS)を測定した。その結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1で調製した洗浄後の水酸化チタンヒドロゲル1800gにモリブデン酸アンモニウム四水和物157g、酢酸コバルト(II)四水和物66.4g、及びリン酸水素二アンモニウム17.1gを粉末状で加え、常温にて30分間ニーダーにて混練した。この時の混練物の酸化物基準固形分濃度は22.2重量%であり、pH値は6.6であった。次いで、温度を90℃に上昇させ約4.5時間混練し、成形可能な状態まで水分を除去し、粘土状のゲルを得た。
得られた粘土状のゲルについて、上記実施例1と同様にして円柱状の成形物に成形し、120℃にて12時間乾燥し、400℃にて3時間焼成して比較例1の焼成水素化処理用触媒組成物を得た。
得られた比較例1の水素化処理用触媒組成物について、比表面積、細孔容積、及び機械的強度(SCS)を測定した。その結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1で調製した洗浄後の水酸化チタンヒドロゲル1800gに、モリブデン酸アンモニウム四水和物157gを300gの温水に溶解した溶液と、硝酸コバルト(II)六水和物78.4gを20gの温水に溶解した溶液と、リン酸水素二アンモニウム17.1gを20gの温水に溶解した溶液とを加え、ダルトン社製万能混合攪拌機を用いて常温、状圧にて30分間混合した。この時の混練物の酸化物基準固形分濃度は18.9重量%であり、pH値は5.6であった。続いて、0.09MPaの減圧の下に90℃で4時間混合し、成形可能な状態まで水分を除去し、粘土状のゲルを得た。
得られた粘土状のゲルについて、上記実施例1と同様にして円柱状の成形物に成形し、120℃にて12時間乾燥し、400℃にて3時間焼成して比較例2の焼成水素化処理用触媒組成物を得た。
得られた比較例2の焼成水素化処理用触媒組成物について、比表面積、細孔容積、及び機械的強度(SCS)を測定した。その結果を表1に示す。
[触媒の評価]
上記実施例1〜4及び比較例1、2で調製した水素化処理用触媒組成物について、硫黄分1.15wt%を含む比重(15/4℃)0.85の中東産軽油を原料として用い、反応温度350℃、反応圧力(水素分圧)5MPa、液空間速度2hr-1、及び水素/油比250Nl/lの反応条件で水素化精製(脱硫反応)を行い、141時間後の水素化脱硫活性で評価した。なお、脱硫反応を1.2次としてその反応速度常数を求めた。その結果を表1に示す。
Figure 2006346631
本発明の炭化水素の水素化処理用触媒組成物は、従来の混練法や混合法で調整したものと比較して、その脱硫性能や脱窒素性能に優れているだけでなく、機械的強度においても顕著に優れており、軽油留分等の超脱硫レベルの水素化脱硫に用いる触媒として極めて有用である。

Claims (17)

  1. 乾燥又は焼成して多孔性無機酸化物を形成する周期律表第4族金属の水酸化物又は水和物からなるヒドロゾル状又はヒドロゲル状の酸化物前駆体物質に、触媒活性成分又はその溶液と、分子中に配位基を有して周期律表第6族、第9族、第10族のいずれかに属する金属の一種以上と錯体を形成し得る錯化剤とを添加し、全体の系を均一なコロイド状態にして酸化物前駆体物質の水酸基と触媒活性金属イオンとをイオン交換させ、次いで水分を除去して成形し、得られた成形物を乾燥、又は、乾燥した後に焼成して得られた組成物であり、400℃で3時間焼成して得られた組成物の比表面積が180m2/g以上で、細孔容積が0.15cc/g以上0.6cc/g以下で、機械的強度(SCS)が円柱直径0.8mm基準で7.85N/mm以上であることを特徴とする炭化水素の水素化処理用触媒組成物。
  2. 均一なコロイド状態の系は、酸化物基準の固形分濃度が0.05〜10重量%である請求項1に記載の炭化水素の水素化処理用触媒組成物。
  3. 酸化物前駆体物質が、チタンの水酸化物又は水和物である請求項1又は2に記載の炭化水素の水素化処理用触媒組成物。
  4. チタンの水酸化物又は水和物が、沈殿領域pHと溶解領域pHとの間を、交互に複数回、pHスイングさせて得られたものである請求項3に記載の炭化水素の水素化処理用触媒組成物。
  5. 触媒活性成分が、周期律表第6族元素の化合物群から選ばれた1種以上と第9族及び第10族の元素の化合物群から選ばれた1種以上とからなる少なくとも2種以上の化合物、あるいは、周期律表第6族元素の化合物群から選ばれた1種以上と、第9族及び第10族の化合物群から選ばれた1種以上と、第13族及び15族の元素の化合物群から選ばれた1種以上とからなる少なくとも3種以上の化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の炭化水素の水素化処理用触媒組成物。
  6. 触媒活性成分の元素が、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、ホウ素(B)、及びリン(P)から選ばれたいずれかの元素である請求項5に記載の炭化水素の水素化処理用触媒組成物。
  7. 錯化剤が、分子内に酸素原子及び/又は窒素原子からなる1個又は2個以上のヘテロ原子を有する有機化合物である請求項1〜6のいずれかに記載の炭化水素の水素化処理用触媒組成物。
  8. 錯化剤が、分子内に複数のカルボキシル基を有するか、又は、系内で分子内に複数のカルボキシル基を有する化合物に変化する有機カルボン酸化合物である請求項7に記載の炭化水素の水素化処理用触媒組成物。
  9. 乾燥又は焼成して多孔性無機酸化物を形成する周期律表第4族金属の水酸化物又は水和物からなるヒドロゾル状又はヒドロゲル状の酸化物前駆体物質に、触媒活性成分又はその溶液と、分子中に配位基を有して周期律表第6族、第9族、第10族のいずれかに属する金属の一種以上と錯体を形成し得る錯化剤とを添加し、全体の系を均一なコロイド状態にして酸化物前駆体物質の水酸基と触媒活性金属イオンとをイオン交換させ、次いで水分を除去して成形し、得られた成形物を乾燥、又は、乾燥した後に焼成して得られた組成物であり、400℃で3時間焼成して得られた組成物の比表面積が180m2/g以上で、細孔容積が0.15cc/g以上0.6cc/g以下で、機械的強度(SCS)が円柱直径0.8mm基準で7.85N/mm以上であることを特徴とする炭化水素の水素化処理用触媒組成物の製造方法。
  10. 均一なコロイド状態の系は、酸化物基準の固形分濃度が0.05〜10重量%である請求項9に記載の炭化水素の水素化処理用触媒組成物の製造方法。
  11. 酸化物前駆体物質が、チタンの水酸化物又は水和物である請求項9又は10に記載の炭化水素の水素化処理用触媒組成物の製造方法。
  12. チタンの水酸化物又は水和物が、沈殿領域pHと溶解領域pHとの間を交互に複数回スイングさせて得られたものである請求項11に記載の炭化水素の水素化処理用触媒組成物の製造方法。
  13. 触媒活性成分が、周期律表第6族元素の化合物群から選ばれた1種以上と第9族及び第10族の元素の化合物群から選ばれた1種以上とからなる少なくとも2種以上の化合物、あるいは、周期律表第6族元素の化合物群から選ばれた1種以上と、第9族及び第10族の化合物群から選ばれた1種以上と、第13族及び15族の元素の化合物群から選ばれた1種以上とからなる少なくとも3種以上の化合物である請求項9〜12のいずれかに記載の炭化水素の水素化処理用触媒組成物の製造方法。
  14. 触媒活性成分の元素が、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、ホウ素(B)、及びリン(P)から選ばれたいずれかの元素である請求項5に記載の炭化水素の水素化処理用触媒組成物の製造方法。
  15. 錯化剤が、分子内に酸素原子及び/又は窒素原子からなる1個又は2個以上のヘテロ原子を有する有機化合物である請求項9〜14のいずれかに記載の炭化水素の水素化処理用触媒組成物の製造方法。
  16. 錯化剤が、分子内に複数のカルボキシル基を有するか、又は、系内で分子内に複数のカルボキシル基を有する化合物に変化する有機カルボン酸化合物である請求項15に記載の炭化水素の水素化処理用触媒組成物の製造方法。
  17. 請求項1〜8のいずれかに記載の水素化処理用触媒組成物と炭化水素とを、水素の存在下に、反応温度200〜450℃、反応水素分圧0.5〜30MPa、液空間速度(LHSV)0.1〜5hr-1及び水素と炭化水素との比(H2/HC)50〜2000Nl/lの処理条件で接触させ、炭化水素を水素化処理することを特徴とする水素化精製法。
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